説明

5,5−ジメチル−3−エチル−3,4−ジヒドロフラン−2−オンの香料および香味料における使用ならびにその製造方法

本発明は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(A)(出願人はこれを「Noxolide」と呼ぶ)の、香料中の嗅覚作用剤および食品用香味料としての使用に関する。本発明は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの新規な製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願人会社では「Noxolide」として知られている、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの、香料または食品用香味料における香り物質としての使用に関する。
【0002】
本発明は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの新規な製造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
用語「香料」または「香り」は、本明細書において、心地よい種類のにおいの感覚を刺激する任意の感覚刺激性化合物について同義的に用いる。
【0004】
用語「香味」および「香味料」は、本明細書において、味覚を刺激する任意の感覚刺激性化合物について同義的に用いる。
【0005】
用語「感覚刺激性化合物」は、本明細書において、においまたは味の感覚を刺激し、したがって特徴的なにおいおよび/または味を有すると感知される任意の化合物について用いる。
【0006】
用語「マスク」または「マスキング」は、本明細書において、製品の組成物中に組み込まれた1種以上の分子によって生じる不愉快なにおいまたは不愉快な味の感覚を、低減または除去することを意味すると理解される。
【0007】
香り分子は、さまざまな化学物質の範疇に属する。この例として、広く自然界に分布しており、香料分野で非常に重要な香り分子のファミリーを構成する、ラクトン類が挙げられる。ラクトン類は、そのフルーティなノートで知られている。例えば、γ-ノナン酸ラクトン(ココナッツの香り)などであり、Bunce R.A. and Reeves H.D., J. Chem. Ed., 1990, 67, 69-70に記載されている。他のよく知られたラクトン類の香りは、例えば、ハーバル、ヘイ(hay)、スパイシー、ウッディ、アーモンド、ミルキー、スイートフルーツ(例えば、ピーチ、アプリコットなど)などの用語で記述される。
【0008】
ラクトン類は、果物、乳製品、およびアルコール飲料の中に痕跡量で存在するが、これらの香味に大幅に寄与する(Duffose L.ら、Sciences des Aliments, 1994, 14, 17-50)。ラクトン類の嗅覚による検出に対する低い閾値は、ラクトン類が香料または香味料において大量に使用されることによって補われている(Zope D.D.ら、Fafai Journal, 2004, 43-54)。
【0009】
一部のラクトンは、所与の香味料の主要なノートに寄与し、このノートは、心地良く、かつ持続性であることが多い。出願人会社は、その研究の過程で、三置換γ-ラクトン類のファミリーに属する5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンが、「Noxolide」の名称で、このような特徴を示すことを実証してきた。
【0010】
出願人会社が知る限りでは、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンは、文献に2回報告されている。最初の文献では、1,2-水素移動反応における置換基効果についての研究の過程で報告されている(Kirmse W.ら、Chem. Ber., 1975, 108, 1839、およびde Campos M.ら、Arch. Pharm. (Weinheim), 1965, 298, 92)。第二の文献では、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンが、ブタン酸と「ナフタレン/リチウム」有機金属錯体との反応およびこれに続くイソブチレンオキシドとの縮合反応の、生成物の1つとして記載されている(Fujitaら、J. Appl. Chem. Biotechnol., 1977, 27, 539)。
【0011】
しかし、従来技術の文献はいずれも、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンが感覚刺激性特性を有することを記載も示唆もしていないし、まして、この分子が、香り化合物(特に、香料)または香味料としての用途を有する可能性があることについてはなおさら、記載も示唆もしていない。
【0012】
さらに、記載されている合成法は、特に、大気中の水分または酸に非常に反応性であるアルカリ金属の使用を含んでいるため、工業的スケールで適用することは困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Kirmse W.ら、Chem. Ber., 1975, 108, 1839
【非特許文献2】de Campos M.ら、Arch. Pharm. (Weinheim), 1965, 298, 92
【非特許文献3】Fujitaら、J.Appl. Chem. Biotechnol., 1977, 27, 539
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このため、本発明によって出願人会社が解決しようとして技術的課題は、非常に香りが良く、安定であり、貯蔵寿命が長く、安価で豊富な出発物質から単純な合成方法で製造される、新規な化合物を入手可能にすることである。
【0015】
反応の実施が簡易であること、および使用する出発物質が低コストであることは、本発明の工業的な利用における重要な利点である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主題は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(すなわちNoxolide)の、香り物質または化合物、特に、香料または香味料としての使用である。さまざまな専門家からなる評価パネルが、本発明の化合物を定性的に評価した。下記式(A)で表されるNoxolideは、海藻やヨードを想起させる香りであって、ナッツ、アニス、わずかにカンゾウ、パチョリ、ダマセノンの様相を有する香りと記述された。
【0017】
【化1】

【0018】
Noxolideには、その嗅覚特性によって、芳香組成物、芳香基剤もしくは芳香濃縮物、香料もしくはオードトワレにおける香料、および、さまざまな香料入りの製品、例えば、石鹸、フォームバス、シャワーゲルもしくはバスゲル、アフターシェーブローション、シャンプー、または他の毛髪製品、特に毛髪衛生製品もしくは毛髪ケア製品、化粧品、ボディーデオドラントもしくは周囲の空気の消臭剤、または繊維用洗剤、柔軟剤、もしくは周囲の空気を維持あるいは浄化する製品の製造における香料へのさまざまな用途が見出される。
【0019】
特に、本発明の主題は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンを含むことを特徴とする、毛髪衛生製品または毛髪ケア製品である。
【0020】
これらの用途において、本発明の化合物は、単独で採用することができ、あるいは、香料の分野では一般的であるように、香料分野において通常使用される他の芳香成分、溶媒、または補助剤であって、当業者であれば、香り付けすべき製品の所望する効果および性質に応じて選択可能なものとの混合物として採用することもできる。
【0021】
本発明の別の主題は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(Noxolide)の香味料としての使用である。Noxolideは、食品用香味料として、特に、食品組成物、食品添加物、または香味基剤もしくは濃縮香味料の製造に使用することができる。さらに、さまざまな香味付けされた製品、例えば、飲料、乳製品、アイスクリーム、スープ、ソース、調理済み食品、食肉加工品、調理補助材料(cooking aid)、ビスケット、および塩気のあるスナックなどの製造に使用することができる。Noxolideは、ワイン、ビール、またはタバコの香味料としても使用することができる。
【0022】
本発明の別の主題は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(Noxolide)の味またはにおいのマスキング剤としての、特に、食品または化粧品または医薬品における使用である。
【0023】
これらの用途において、本発明の化合物は、単独で採用することができ、あるいは、香味料の分野では一般的であるように、食品用香味料分野において通常使用される他の芳香成分、溶媒、または補助剤であって、当業者であれば、香味付けすべき製品の所望する効果および性質に応じて選択可能なものとの混合物として採用することもできる。
【0024】
所望する、香料、香味料、および/またはマスキング剤の効果を得るために使用することができる5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(Noxolide)の濃度は、非常に広範囲の値、すなわち、0.001質量%〜99質量%、好ましくは0.001質量%〜20質量%、非常に好ましくは0.1質量%〜10質量%の範囲の濃度にわたり、当業者であれば、これらの値が香り付けされる製品の性質、所望の香り効果、および所与の組成物中の他の成分の性質次第であることは周知である。
【0025】
本発明の別の主題は、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(Noxolide)の新規な製造方法であって、
− ナトリウムメトキシドおよびマロン酸ジメチルを、3-クロロ-2-メチルプロパ-1-エンと反応させて、4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノレート(I)を生成させる、第一工程[1]と、
− この生成物(I)を、カリウム-t-ブトキシドおよびエチルブロマイドと反応させて、2-エチル-4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノレート(II)を生成させる、第二工程[2]と、
− この生成物(II)を、水酸化ナトリウムおよびリン酸と反応させて、5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン(A)を生成させる、第三工程[3]と
を含む方法である
【0026】
【化2】

【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施例では、本発明による新規化合物を製造するためのさまざまな方法についてさらに説明する。これらの実施例は、単に例示するために示したものであり、本発明を制限するものとみなすことはできない。
【実施例】
【0028】
[実施例1]:Noxolideすなわち5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの合成
〔メチル4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノレート(I)〕
反応は、反応媒体に温度計と、水酸化ナトリウム乾燥管を備えた直立還流冷却器と、250 mlの均圧滴下漏斗とを備えた、1Lの三ツ口丸底フラスコ内で実施する。
【0029】
54 gのナトリウムメトキシド、300 mlの無水メタノール、1 gのヨウ化カリウム、次いで138.7 gのマロン酸ジメチルを、順次、窒素でパージさせて乾燥させた丸底フラスコに導入する。得られた溶液を、周囲温度にて1時間撹拌した後、95 gの3-クロロ-2-メチルプロパ-1-エンを滴下漏斗からゆっくりと添加する。この混合物を、周囲温度にて3時間撹拌した後、12時間還流させる。還流冷却管を蒸留装置に置換し、溶媒を蒸留によって除く。残渣を、50 mlの浄水および300 mlのメチルシクロヘキサンで溶かし出す。有機相を無水にした後、溶媒を蒸留によって除去する。残渣を、30 cmのVigreauxカラムを用いて分留し、3つのフラクションを集めた。
【0030】
− 第一のフラクション(質量15 g)は、マロン酸ジメチル(沸点=85〜87℃/20 mmHg)からなる。
− 第二のフラクションは、138 gの質量であり、86℃/6 mmHgまでの留分である。これは、所望のエステル(I)であり、74%の収率であった(実際に消費された出発物質に対して80%)。この生成物は、ガスクロマトグラフィーによる純度が98%より高い。
− 第三のフラクションは、高真空蒸留によって得られる(沸点=64〜68℃/1 mmHg)。これは、36 gの質量であり、ジメチル-2,2-ビス(2-メチル-2-プロペニル)マロネートであると同定された。
【0031】
〔化合物Iについて〕
IR: (NaCl, フィルム) 1760, 1740, 1440, 1350, 1295, 1230, 1150, 1050, 1020, 900 cm-1
1H NMR, (CDCl3)
1.73 ppm (m, 3H); 2.50 (d, J = 8 Hz, 2H); 3.20〜3.70 (m, H); 3.68 (s, 6H); 4.72 (m, 2H).
MS: 70 eV
186 (M+.); 154; 127; 111; 95 amu
【0032】
〔メチル2-エチル-4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノレート(II)〕
反応は、反応媒体に浸る温度計と、水酸化ナトリウム乾燥管を備えた直立還流冷却器と、250 mlの均圧滴下漏斗とを備えた、1Lの三ツ口丸底フラスコ内で実施する。
【0033】
93 gのメチル4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノエート(I)および40 gの無水DMSOを、順次、丸底フラスコに導入した。59 gのカリウムt-ブロキシドを、氷浴を用いて混合物を20℃〜30℃に維持しながら添加する。得られる混合物を、周囲温度で2時間撹拌した後、この丸底フラスコに、媒体中の温度が30℃を超えないように、滴下漏斗を用いて35.5 gのエチルブロミドをゆっくりと添加する。得られる溶液を、周囲温度で12時間撹拌した後、300 mlの5%塩酸に注ぐ。得られる水性相を、100 mlのメチルシクロヘキサンで5回抽出する。合わせた有機相を、100 mlの浄水で洗浄した後、無水にし、真空下で濃縮する。残渣を真空下で精留する。生成物は、95℃/4 mmHgで蒸留される。
所望の生成物を91 g単離する。すなわち、収率は85%である。
1H NMR, (CDCl3)
0.64 ppm (t, 7.5 Hz, 3H); 1.06 (t, 7.1 Hz, 6H); 1.46 (s, 3H); 1.75 (q, 7.5 Hz, 2H); 2.50 (s, 2H); 4.00 (q, 7.1 Hz, 4H); 4.53 (s, 1H); 4.65 (s, 1H).
IR: (NaCl, フィルム) 3079, 2955, 1736, 1647, 1437, 1301, 1225, 1123, 901 cm-1
MS: 214 (M+.); 185; 155; 139; 123; 95; 85; 79; 67 amu
【0034】
〔5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オン〕
反応は、反応媒体に浸る温度計と、水酸化ナトリウム乾燥管を備えた直立還流冷却器とを備えた、1Lの三ツ口丸底フラスコ内で実施する。この還流冷却器は、その後、従来型の蒸留システム:Vigreauxカラム、凝縮器、および受液器に置き換える。
【0035】
200 mlの浄水、200 mlのメタノール、20 gの水酸化ナトリウムペレット、次いで53.5 gのメチル2-エチル-4-メチル-2-(メトキシカルボニル)ペント-4-エノレート(II)を、順次、丸底フラスコに導入する。この混合物を、4時間還流させた後、加熱を中断した。蒸留装置を、直立還流冷却管と置き換え、溶媒を、蒸気中の温度が90℃になるまで蒸発させることにより除去した。蒸留混合物を液状に保つために、蒸留が進行するにしたがって熱水を丸底フラスコに導入する。この水相を60℃にし、100 mlのトルエンで2回抽出した後、0〜5℃にする。重い白色沈殿物が生成する。懸濁液を、温度を5℃未満に保ちながら、6N硫酸を用いてpH=3にまで酸性にする。白色沈殿物を濾取し、中性になるまで浄水で洗浄した後、300 mlの無水トルエンで溶かし出し、1 gのリン酸の存在下で12時間還流させる。
【0036】
この溶液を冷却し、中性になるまで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、無水にする。溶媒を、部分的減圧下で蒸留により除いた後、残渣を減圧下で精留した(沸点=86℃/6 mmHg)。このラクトンは、質量27.8 gであり、78.2%の収率であった。
1H NMR, (CDCl3)
1.0 ppm (t, 7.4 Hz, 3H); 1.4 (s, 3H); 1.5 (s, 3H); 1.4〜1.6 (m, 1H); 1.7 (m, 1H); 1.8〜2.0 (m, 1H); 2.3 (dd, 12.6/8.9 Hz, 1H); 2.7 (ddt, 11.2/8.9/4.7 Hz, 1H)
IR: (NaCl, フィルム) 2973, 2935, 2878, 1768, 1461, 1376, 1271, 1168, 1118, 952 cm-1
MS: (70 eV) 142 (M+.); 127; 99; 83; 69 amu
13C NMR: CDCl3, 50 MHz
12.0, 24.1, 27.5, 29.3, 41.0, 42.4, 82.5, 178.5 ppm
元素分析:
理論値% C 67.57 H 9.92
測定値% C 66.84 H 10.02
物理定数:
n20 = 1.4355
D20 = 0.949
【0037】
[実施例2]:組成物中のNoxolideの嗅覚評価
Noxolideは、嗅覚用語において、海藻やヨードを想起させる香りであって、ナッツ、アニス、わずかにカンゾウ、パチョリ、ダマセノンの様相を有する香りと記述された。
【0038】
芳香組成物を調製した(テスト2)。この芳香組成物において、Noxolideの嗅覚インパクト(olfactory impact)を、この化合物を含まない組成物(テスト1)と比較した。
【0039】
【表1】

【0040】
上記の組成物を、2イン1タイプのシャンプーへの適用において、ベース中0.5%の割合で試験した。
【0041】
テスト2の配合物は、トップノートに対するより高い強度およびレスポンスを示す。テスト1の配合物の品位(appearance)より、よりグリーンでよりナチュラルな品位であることが、注目に値する。Noxolideは、特に、香料アコードにおける、透明、天然、水性、グリーンのサイドノートを改善する。Noxolideは、スパークリングシトラスのトーンおよびフルーティなラクトンのアコードを強調する。テスト1の配合物は、ソフト、マスキー、フラットであり、深みがない。テスト1の配合物は、ベースをかろうじてマスクする。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの、香り物質または化合物、特に、香料または香味料としての使用。
【請求項2】
食品用香味料、またはワイン、ビール、またはタバコの香味料としての、請求項1に記載の5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの使用。
【請求項3】
食品組成物、食品添加物、または香味基剤もしくは濃縮香味料の製造における、請求項1に記載の5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの使用。
【請求項4】
前記食品組成物が、飲料、乳製品、アイスクリーム、スープ、ソース、調理済み食品、食肉加工品、調理補助材料(cooking aid)、ビスケット、および塩気のあるスナックからなる群から選択される、請求項3に記載の5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの使用。
【請求項5】
芳香組成物、芳香基剤もしくは芳香濃縮物、香料もしくはオードトワレ、石鹸、フォームバス、シャワーゲルもしくはバスゲル、アフターシェーブローション、化粧品、ボディーデオドラントもしくは周囲の空気の消臭剤、または、繊維用洗剤、繊維用柔軟剤、もしくは周囲の空気を維持あるいは浄化する製品の製造における、請求項1に記載の5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの使用。
【請求項6】
味またはにおいのマスキング剤としての、請求項1に記載の5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの使用。
【請求項7】
5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンを、少なくとも1種の他の香味料もしくは芳香成分、および/または少なくとも1種の溶媒、および/または少なくとも1種の補助剤と組合せる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンが、全質量に対して、0.001質量%〜99質量%、好ましくは0.001質量%〜20質量%、非常に好ましくは0.1質量%〜10質量%の濃度で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンの製造方法であって、
− ナトリウムメトキシドおよびマロン酸ジメチルを、3-クロロ-2-メチルプロパ-1-エンと反応させる工程、
− 上記第一工程から得られる生成物を、カリウム-t-ブトキシドおよびエチルブロマイドと反応させる工程、
− 上記第二工程から得られる生成物を、水酸化ナトリウムおよびリン酸と反応させる工程
を含む、方法。
【請求項10】
5,5-ジメチル-3-エチル-3,4-ジヒドロフラン-2-オンを含むことを特徴とする、毛髪衛生製品または毛髪ケア製品。

【公表番号】特表2010−505989(P2010−505989A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530914(P2009−530914)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052004
【国際公開番号】WO2008/040897
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504160194)
【Fターム(参考)】