説明

6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−S−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルの調製方法

式(I):
【化1】


の化合物を調製する新規な方法であって、中間体を単離することなく、式(II):
【化2】


の化合物を、式(III):
【化3】


の化合物またはその塩を介して、式(I)の化合物に変換することを含む、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルココルチコイドを調製するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抗炎症特性を有するグルココルチコイドは知られており、喘息および鼻炎といった炎症性の障害または疾病の治療のために広く使用されている。たとえば、特許文献1は、6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル(一般名のプロピオン酸フルチカゾンとして知られている)およびその誘導体を開示している。グルココルチコイドは総じて、特に小児において、起こりうる副作用への懸念から一部の使用に制限されてきた。グルココルチコイドの恐れられている副作用には、視床下部-下垂体-副腎(HPA)系の抑制、小児の骨成長および高齢者の骨密度への影響、眼の合併症(白内障形成および緑内障)、ならびに皮膚萎縮がある。また、ある種のグルココルチコイド化合物は複雑な代謝経路を有しており、活性代謝産物の生成が前記化合物の薬力学および薬物動態をわかりにくくする可能性がある。最新のステロイドは、当初導入されたものよりもはるかに安全ではあるが、予測可能な薬力学および薬物動態特性、魅力的な副作用プロフィール、および使いやすい治療計画とともに、すぐれた抗炎症性を有する新規分子を製造することは、いまだに研究の目的となっている。
【0003】
特許文献2は、上記目的にほぼ合致する新規グルココルチコイド化合物、すなわち6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチル エステル(以下、式(I)の化合物という):
【化1】

ならびに、この化合物を調製するための1つまたは複数の方法(その方法では中間体が単離される)を開示している。
【0004】
プロピオン酸フルチカゾンおよびその調製方法(式(I)の化合物の合成の中間体と共通する特定の中間体の調製方法を含む)が、特許文献1に記載されている。
【0005】
特許文献3は、プロピオン酸フルチカゾンおよび式(I)の化合物の調製に有用な中間体の調製方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,335,121号
【特許文献2】国際公開02/12265号
【特許文献3】国際公開02/08243号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、主として、如何なる中間体も単離することなく、式(I)の化合物を調製するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明によって、式(I)の化合物を調製するための方法が提供されるが、その方法は、如何なる中間体も単離することなく、式(II):
【化2】

の化合物を、式(III):
【化3】

の化合物またはその塩を介して、式(I)の化合物に変換することを含んでなる。この方法は、均一溶液中で実施することができる。
【0009】
本発明の1つの態様において、式(III)の化合物およびその前駆体を調製するための方法も提供される。
【0010】
中間体を単離することなく式(II)の化合物から式(I)の化合物を合成する方法を実施するために、その方法の全工程で許容される溶媒中で反応を行う必要がある。適当な溶媒の例としては、ペンタン-2-オン、メチルエチルケトン(MEK)およびそれらの混合物が挙げられる。本発明で使用するのに特に好適な溶媒は、メチルエチルケトン(MEK)である。MEKの利点は、適切な試薬溶解性および反応速度を与えることである。
【0011】
式(II)の化合物の、式(III)の化合物への変換は、アミン塩基、チオールもしくはアルコールといった脱保護試薬、例えば、1級もしくは2級アミン、または2級および3級アミン塩基をともに含有する分子、例えば、N-メチルピペラジンを用いることによって実施することができる。N-メチルピペラジンの利点は、上記工程の結果として形成されるN-メチルピペラジン-フロイルアミドが水に溶けやすいので(特にその塩酸(HCl)塩として)、工程の終わりで水性の後処理をする際に反応混合物から除去できる点である。脱保護反応は、−10から10℃、特に−5から0℃の温度範囲で適切に行われ、しかも、迅速であって、たとえば15分とかからない。
【0012】
先行技術文献WO02/12265は、溶媒としての酢酸エチル、酢酸メチルもしくはメタノール中で、脱保護試薬としてN,N-ジエチルアミンまたはN,N-ジエタノールアミンを使用することを記載する。これらの試薬は、原則的には適切であるが、副生成物を生じ、これが上記N-メチルピペラジン-フロイルアミドより水に溶けにくいので、反応混合物から除去しにくい。
【0013】
式(II)の化合物から式(III)の化合物への変換の進行は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってモニターすることができる。
【0014】
式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換した後、式(III)の化合物をフルオロメチル化剤、たとえばクロロフルオロメタン(CFM)またはブロモフルオロメタン(BFM)、特にブロモフルオロメタン(BFM)と反応させることによって、式(III)の化合物をさらに式(I)の化合物に変換することができる。この反応は、式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換する前の工程と共通の溶媒、好ましくはMEK中で行われる。好ましくはBFMが、溶媒、特にMEKの溶液として用いられる。
【0015】
過剰量のBFM、たとえば、1.2当量を使用するのが適当である。BFMを低温、たとえば0℃で添加した後、反応混合物を15〜60℃、たとえば20〜22℃に加温する。高温、たとえば50〜60℃では、反応時間が比較的短く、たとえば、30分未満となる。低温、たとえば20〜30℃では、反応はかなり遅くなり、たとえば5時間を要するが、イオウ上よりむしろカルボニル酸素上でのアルキル化のレベルが減少することによって、質的な向上がわずかに実現される。
【0016】
式(III)の化合物は、有機アミンチオレート(amine thiolate)塩、たとえば、トリアルキルアミン塩などの塩として使用することができるが、トリアルキルアミン基はR1R2R3Nで表され、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に、C3-6直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す。1つの実施形態において、式(III)の化合物の有機アミンチオレート塩は、トリプロピルアミンまたはトリブチルアミン塩である。
【0017】
式(III)の化合物から式(I)の化合物への変換の進行は、HPLCを用いてモニターすることができる。
【0018】
フルオロアルキル化剤との反応が終了したら、過剰な試薬をクエンチ、または除去することができる。1つの方法では、フルオロアルキル化剤は化学クエンチング剤(chemical quenching agent)、すなわち、フルオロアルキル化剤と反応して非反応性物質を生じる化学試薬を用いてクエンチされる。こうした目的には、強い求核官能性を有する化合物、たとえば、チオール化合物が適している。したがって、N,N-ジエチルアミノエタンチオールは、BFMをクエンチするのに適した試薬である。別の方法では、過剰な試薬は、蒸留によって除去することができる。
【0019】
上記方法から得られた式(I)の化合物は、従来の抽出工程によって精製することができる。一般に、式(I)の化合物は、MEKと混合したときにその化合物が十分な溶解性を有する溶媒中に抽出されるが、さらに重要なことには、その溶媒は水性溶媒、たとえば希酸もしくは塩基と比較的非混和性であって、こうした水性溶媒で洗浄して水溶性の不純物を抽出することができる。本発明の方法で使用するのに特に適した抽出溶媒は、メチルイソブチルケトン(MIBK)である。したがって、1つの実施形態において、前記方法から得られる式(I)の化合物の溶液を、過剰量のMIBKで希釈することによって、式(I)の化合物をMIBK中に抽出することができる。次に、酸性水溶液、たとえば希塩酸水溶液、塩基性水溶液、たとえば希薄な炭酸カリウム水溶液、および水などの水性成分で連続して洗浄することによって、従来法でこの溶液を後処理して洗浄することができる。
【0020】
洗浄したMIBK画分(式(I)の化合物を含有する)を水性画分から単離したら、残存する水および過剰なフルオロアルキル化剤、たとえばBFMを除去するため、適切には蒸留することができる。MEKの一部も、蒸留中に除去される。
【0021】
貧溶媒(anti-solvent)を添加することによって溶液から固体を沈澱させることにより、固体状の式(I)の化合物を調製することができる。適当な溶媒は、MEK/MIBK混合物、たとえば1:9 v/vの比率の混合物であり、適当な貧溶媒はn-ヘプタンである。1つの方法では、先に形成した溶液から溶媒を蒸発させて固体を生じさせ、適正な組成の溶液を再度調製することができる(たとえば、MEK/MIBK 1:9 v/vの混合物中で再度調製する)。あるいは、上記蒸留プロセスを、MEK/MIBK比が適正レベル、たとえば1:9 v/vに達した段階で終結させてもよい。室温またはやや高い温度、たとえばおよそ30〜35℃で、貧溶媒としてヘプタンを長時間、たとえば2時間かけて滴下すると、式(I)の化合物が沈澱する。その後、懸濁液を冷却し、生成物を濾過によって集めることができる。
【0022】
1つもしくは複数の式(I)の化合物の結晶を種結晶として用いることによって、沈澱は適切に開始される。
【0023】
上記の比率MEK/MIBK 1:9 v/vは、溶媒中で式(I)の化合物の溶解性を高めるのに十分な比率のMEKを有することと、結晶化したときに式(I)の化合物のMEK溶媒和物の生成をもたらすほど高すぎる比率を有していないこととの間のバランスを反映しているので有利である。
【0024】
式(II)の化合物は、式(IV):
【化4】

の化合物またはその塩、たとえばチオレート塩と、活性化された2-フロ酸(furoic acid)誘導体との反応を含む方法によって調製することができる。この方法は、均一溶液中で実施することができる。
【0025】
活性化された2-フロ酸誘導体の例には、2-フロ酸から形成されるハロゲン化物および混合無水物がある。1つの実施形態において、この試薬は塩化2-フロイル(以下「塩化フロイル」)である。この試薬は追加溶媒なしに使用することができる。
【0026】
この反応に適した溶媒として、酢酸エチル(EtOAc)、MEK、ペンタン-2-オン、およびMIBK、たとえば、MEK、ペンタン-2-オン、およびそれらの混合物を挙げることができる。この反応は、連続する工程として同一溶媒中で実施することができる。したがって溶媒はMEKとすることができる。
【0027】
理論によって制限されないが、式(III)の化合物の17-α-フロイルエステルは、速度論的に有利な5-エキソ-トリゴナル分子内S-Oアシル転移を経て形成され、その後さらにもう1モルのフロ酸誘導体と反応し、式(II)の化合物(ジフロエート)を生じると考えられる。1つの実施形態では、式(IV)の化合物1モル当たり、2モル当量を越える活性化2-フロ酸誘導体、たとえば約2.2モル当量が用いられる。この反応は0℃未満、たとえば、−10から0℃の範囲、たとえば、−5から0℃の範囲で実施することができる。別の実施形態では、式(II)の化合物と式(IV)の化合物との間の分子間アシル化を促進するために、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を追加して使用するが、これによって2.2当量より少ない、たとえば1.5当量の塩化フロイルを用いることが可能となる。
【0028】
式(II)の化合物は、式(IV)の化合物から調製することができるが、言い換えれば、式(II)の化合物は式(III)の化合物を介して式(I)の化合物に至る前に単離されない。
【0029】
式(IV)の化合物もしくはその塩から式(II)の化合物への変換の進行は、HPLCを用いてモニターすることができる。
【0030】
式(IV)の化合物は、GB 2,137,206Aに記載のように調製することができる。
【0031】
式(IV)の化合物は、親化合物のチオ酸より反応性の高いチオレート塩の形で反応に使用してもよい。
【0032】
適当な塩は、有機アミン、たとえば、3級アミン、特にトリプロピルアミンとともに形成される塩である。式(IV)の化合物とトリプロピルアミン(TPA)との塩は、MEKにきわめて溶解しやすい。その上、式(IV)の化合物と塩化フロイルとの反応の結果生成するトリプロピルアミン塩酸塩(TPA.HCl)もMEKに非常によく溶解する。1つの実施形態において、式(IV)の化合物の塩はTPA塩である。
【0033】
式(IV)の化合物の塩は、式(IV)の化合物と塩基、たとえば、TPAのような有機アミンとを一般的な溶媒、たとえばMEK中で反応させることによって作製することができる。これは、典型的には5℃から室温までの間で行うことができる。
【0034】
式(IV)の化合物は、有機アミンチオレート塩(たとえばトリアルキルアミン塩)などの塩として使用することができるが、このトリアルキルアミン基はR1R2R3Nで表され、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、C3-6直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す。1つの実施形態において、式(IV)の化合物の有機アミンチオレート塩は、トリプロピルアミンもしくはトリブチルアミン塩である。
【0035】
上記のように、反応の進行はHPLCを用いてモニターすることができる。HPLC技術を用いて、反応が完了したこと、ならびに生成した不純物のレベルが指定の通りであることを確認することができる。HPLC技術は従来の方法で実施することができる。
【0036】
たとえば、反応が発熱性である場合に、加熱または冷却が要求される温度の管理は、適切なジャケットで覆うこと、および熱交換によって実現することができる。
【0037】
実施例に記載のように、式(IV)の化合物から式(I)の化合物への全体を通しての変換を、非常に効果的なプロセスで行うことができる。式(IV)の化合物から式(I)の化合物へのすべての工程をバッチプロセスとして行ってもよい。
【0038】
本発明を下記の実施例によって説明する。
【0039】
実施例
略語:
MEK メチルエチルケトン(2-ブタノン)
MIBK メチルイソブチルケトン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
wrt に対して(with respect to)
TPA トリプロピルアミン
BFM ブロモフルオロメタン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
eq 当量
【実施例1】
【0040】
6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチル エステルの合成方法
【化5】

【0041】
工程1:6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(式(IV)の化合物、チオ酸)(10g)およびDMAP(0.296g, チオ酸に対して0.1当量)を、20〜22℃にて窒素下で10分間撹拌することにより、MEK(120ml, 8% w/v)に溶解した。次いでトリプロピルアミン(14.3ml、チオ酸に対して3.1当量)を1回の投入量として加え、得られた溶液を−8〜−5℃に冷却した。塩化フロイル(無溶媒)(3.59 ml、チオ酸に対して1.5当量)を次に、−5℃〜0℃で2〜3分かけて滴下し、反応混合物を−5℃〜0℃で全体として15分間撹拌した(HPLCにより、<0.5%の式(IV)のチオ酸が残存することが示された)。
【化6】

【0042】
工程2:次にN-メチルピペラジン(1.62ml、チオ酸に対して0.6当量)の水溶液(4.8ml, 30.5% w/v)を、−5℃〜0℃で2〜3分かけて滴下し、反応混合物を−5℃〜0℃で全体として10分間撹拌した(HPLCにより、<0.1%のジフロエート(式(II)の化合物)が残存することが示された)。
【化7】

【0043】
工程3:次にブロモフルオロメタン(3.28g、チオ酸に対して1.2当量)のMEK溶液(10ml, 32.8% w/v)を0℃にて1回の投入量として速やかに添加した。その後溶液を20〜22℃まで急速に温め、全部で5時間にわたって、20〜22℃にて撹拌した(HPLCにより、チオ酸フロエート(式(III)の化合物)が残っていないことが示された)。
【0044】
次にこの反応混合物をMIBK(230ml)で希釈した後、2M塩酸水溶液(2 x 50ml);水(1 x 50 ml);炭酸カリウム水溶液(4% w/v, 1 x 30ml)、次いで水(1 x 30ml)で洗浄した。最終的な有機相をその後減圧下で濃縮し、灰白色の微細な固体(13.01g、MIBK補正後99.3%理論収率、純度97.43%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物を調製する方法であって、中間体を単離することなく、式(II):
【化2】

の化合物を、式(III):
【化3】

の化合物またはその塩を介して、式(I)の化合物に変換することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法が均一溶液中で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、溶媒としてのメチルエチルケトンもしくはペンタン-2-オンまたはそれらの混合物中で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が溶媒としてのメチルエチルケトン中で行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式(II)の化合物が、アミン塩基、チオールまたはアルコールである脱保護剤との反応によって、式(III)の化合物に変換される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アミン塩基が1級または2級アミンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アミン塩基がN-メチルピペラジンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(II)の化合物が、式(III)の化合物の有機アミンチオレート(amine thiolate)塩を介して、式(I)の化合物に変換される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記有機アミンチオレート塩がトリアルキルアミン塩であって、トリアルキルアミン基がR1R2R3Nで表され、R1、R2、およびR3がそれぞれ独立して、C3-6直鎖または分岐鎖アルキル基を表す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記有機アミンチオレート塩がトリプロピルアミンまたはトリブチルアミン塩である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(III)の化合物が、フルオロメチル化剤との反応によって、式(I)の化合物に変換される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記フルオロメチル化剤がブロモフルオロメタンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ブロモフルオロメタンをメチルエチルケトンにおける溶液として使用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
反応終了後に、反応混合物を化学クエンチング剤(chemical quenching agent)で処理して、過剰なブロモフルオロメタンを除去する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
反応後に、メチルイソブチルケトンで希釈することを含む処理によって、反応混合物をメチルイソブチルケトン中に抽出させる、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
メチルイソブチルケトン中への抽出後に、その溶液を1種または複数種の水性成分で後処理および洗浄する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記水性成分が酸性水溶液、塩基性水溶液、および水を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メチルイソブチルケトン溶液を蒸留して、過剰なブロモフルオロメタンおよび水を除去する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、式(IV):
【化4】

の化合物またはその塩を活性化2-フロ酸(furoic acid)誘導体と反応させることを含む方法によって、中間体を単離することなく、式(II)の化合物を調製する、前記方法。
【請求項20】
前記方法が均一溶液中で行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記反応が、溶媒としてのペンタン-2-オン、メチルエチルケトン、またはそれらの混合物中で行われる、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応が溶媒としてのメチルエチルケトン中で行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記活性化2-フロ酸誘導体が塩化2-フロイルである、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
4-ジメチルアミノピリジンをさらに使用する、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
式(IV)の化合物を有機アミンチオレート塩として使用する、請求項19〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
有機アミンチオレート塩がトリアルキルアミン塩であって、トリアルキルアミン基がR1R2R3Nで表され、R1、R2、およびR3がそれぞれ独立して、C3-6直鎖または分岐鎖アルキル基を表す、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
有機アミンチオレート塩がトリプロピルアミンまたはトリブチルアミン塩である、請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2009−539934(P2009−539934A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514789(P2009−514789)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055805
【国際公開番号】WO2007/144363
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】