説明

6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体、この調製およびこの治療的使用

本発明は、一般式(I)に対応する6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体


[式中、Rは、1個以上のハロゲン原子もしくはC1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルキルチオ、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルキルオキシおよび−CN基により場合により置換されているアリール基を表し、またはRは、C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基から選択される基を表し;Aは、C1−7−アルキレン基を表し;Bは、C1−7−アルキレン基を表し;Lは、RまたはR基により場合により置換されている窒素原子と、Re1基およびR基または2個のRe2基により置換されている炭素原子のいずれかを表し;AおよびBの炭素原子は、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されている。]に関する。調製方法および治療的使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体、この調製、ならびにカゼインキナーゼ1εおよび/またはカゼインキナーゼ1δが関与する疾患の治療または予防におけるこの治療的使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の1つの対象は、一般式(I)に対応する化合物:
【0003】
【化1】

[式中、
−Rは、ハロゲン原子、ならびにC1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルキルチオ、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルキルオキシおよび−CN基から選択される1個以上の置換基により場合により置換されているアリール基を表し、またはRは、C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基を表し;
−Aは、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Bは、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lは、RまたはR基により場合により置換されている窒素原子と、Re1基およびR基または2個のRe2基により置換されている炭素原子のいずれかを表し;
AおよびBの炭素原子は、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−R、RおよびRは:
2個のR基は、C1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
ものと定義され;
−Rは、水素原子およびC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルチオ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはベンジル基から選択される基を表し;
−Re1は、−NR基または酸素原子を場合により含む環式モノアミンを表し、該環式モノアミンは、フッ素原子、ならびにC1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシおよびヒドロキシル基から選択される1個以上の置換基により場合により置換されており;
−2個のRe2基は、これらの基を担持する炭素原子とともに、酸素原子を場合により含む環式モノアミンを形成しており、該環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−Rは、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、フェニルまたはベンジル基を表し;
−RおよびRは、互いに独立して、水素原子、またはC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基を表し;ならびに
−RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはC1−6−アルキル基を表す。]である。
【0004】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含むことができる。従って、これらの化合物は、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、ならびにさらにはラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部を形成する。
【0005】
式(I)の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態で存在することができる。このような付加塩は、本発明の一部を形成する。これらの塩は、有利には、医薬的に許容される酸を用いて調製されるが、例えば、式(I)の化合物を精製および単離するために有用な他の酸の塩も本発明の一部を形成する。
【0006】
式(I)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態で、即ち、1個以上の水の分子または溶媒との会合または化合の形態でも存在することができる。このような水和物および溶媒和物も、本発明の一部を形成する。
【0007】
本発明に関して、以下の定義が当てはまる:
−Ct−zは、tおよびzが1から7の値を取ることができ、tからz個の炭素原子を含有すると考えられる炭素ベース鎖であり、例えば、C1−7は、1から7個の炭素原子を含有することができる炭素ベース鎖であり;
−アルキルは、直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族基であり;例えば、C1−7−アルキル基は、1から7個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の炭素ベース鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘプチルを表し;
−アルキレンは、直鎖または分枝鎖の飽和二価アルキル基であり、例えば、C1−6−アルキレン基は、1から6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の二価炭素ベース鎖、例えば、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、プロピレンまたはブチレンを表し;
−シクロアルキルは、環式アルキル基であり、例えば、C3−7−シクロアルキル基は、3から7個の炭素原子の環式炭素ベース基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表し;
−ヒドロキシルは、−OH基であり;
−−CNは、ニトリル基であり;
−環式モノアミンは、1個の窒素原子を含む、場合により架橋されており、または縮合している飽和の環式または多環式炭素ベース鎖であり;
酸素原子を場合により含むN、A、LおよびBにより形成されている環式モノアミンの例として、特に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、ホモピペリジン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、アザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタン、アザビシクロノナン、アザオキソビシクロヘプタンおよびアザオキソビシクロオクタンを挙げることができ;
−ヒドロキシアルキルは、1個の水素原子がヒドロキシル基により置換されたアルキル基であり;
−アルキルオキシは、−O−アルキル基であり;
−アルキルチオは、−S−アルキル基であり;
−フルオロアルキルは、1個以上の水素原子がフッ素原子により置換されたアルキル基であり;
−フルオロアルキルオキシは、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキルオキシ基であり;
−ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子であり;
−アリールは、6から10個の間の炭素原子を含有する単環または二環式の芳香族基である。アリール基の例として、フェニルまたはナフチル基を挙げることができる。
【0008】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第1の化合物群は、Rが、1個以上のハロゲン原子、またはC1−6アルキルもしくはC1−6フルオロアルキル基により場合により置換されているフェニルを表し;
A、L、B、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0009】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第2の化合物群は、Rが、1個以上のフッ素原子により場合により置換されているフェニルを表し;
A、L、B、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0010】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第3の化合物群は、Rが、3−フルオロフェニルまたは4−フルオロフェニルを表し;
A、L、B、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0011】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第4の化合物群は、Rが、C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基を表し;
A、L、B、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0012】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第5の化合物群は、Rがメチル基を表し;
A、L、B、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0013】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第6の化合物群は、RおよびRが、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し;
A、L、BおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0014】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第7の化合物群は、
−Aが、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7アルキレン基を表し;
−Bが、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、RまたはR基により場合により置換されている窒素原子を表し;
AおよびBの炭素原子は、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−2個のR基が、C1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−Rが、水素原子およびC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルチオ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはベンジル基から選択される基を表し;ならびに
−Rが、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはフェニル基を表し;
−R、R、R、R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0015】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第8の化合物群は、
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、1個以上のメチル、イソプロピル、ブチレン、フェニル、ベンジル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチルプロピルまたはヒドロキシメチルブチル基により場合により置換されているピペラジニル、ジアザビシクロヘプチル、ヘキサヒドロピロロピロリルまたはオクタヒドロピロロピリジニル基を表し;
−R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0016】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第9の化合物群は、
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、(R)−3−メチルピペラジン−1−イル、3,3−ジメチルピペラジン−1−イル、(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、6,9−ジアザスピロ[4.5]デク−9−イル、3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、3−ヒドロキシメチルピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、(R)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、(S)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ピペラジン−1−イル、(R)−3−フェニルピペラジン−1−イル、(S)−3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(cis)−5−(2−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(4aR,7aR)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、(4aS,7aS)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、または(1S,4S)−5−メチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル基を表し;
−R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0017】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第10の化合物群は、
−Aが、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Bが、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、2個のRe2基により場合により置換されている炭素原子を表し;
AおよびBの炭素原子が、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−2個のRe2基が、これらの基を担持する炭素原子とともに、酸素原子を場合により含む環式モノアミンを形成しており、この環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;ならびに
−Rが、C1−6−アルキル基を表し;
−R、R、R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0018】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第11の化合物群は、
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンは、ジアザスピロウンデシル基を表し;
、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0019】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第12の化合物群は、
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル基を表し;
、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0020】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第13の化合物群は、
−Aが、C1−7−アルキレン基を表し;
−Bが、C1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、Re1基およびR基により置換されている炭素原子を表し;
−Rが、水素原子を表し;
−Re1が、−NR基または酸素原子を場合により含む環式モノアミンを表し、該環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;ならびに
−Rが、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC3−7シクロアルキル−C1−6アルキル基を表し;
−R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0021】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第14の化合物群は、
−Aが、−C−基を表し;
−Bが、−C−基を表し;
−Lが、Re1基およびR基により置換されている炭素原子を表し;
−Rが、水素原子を表し;ならびに
−Re1が、ピロリジニル基を表し;
−R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0022】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第15の化合物群は、
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イルを表し;
−R、RおよびRが、上記定義の通りである
化合物により構成される。
【0023】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第16の化合物群は、
−Rが、メチル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル、3,3−ジメチルピペラジン−1−イル、(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イルまたは(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、水素原子を表す
化合物により構成される。
【0024】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第17の化合物群は、
−Rが、3−フルオロフェニルまたは4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、(R)−3−メチルピペラジン−1−イル、3,3−ジメチルピペラジン−1−イル、(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、6,9−ジアザスピロ[4.5]デク−9−イル、3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、3−ヒドロキシメチルピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、(R)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、(S)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ピペラジン−1−イル、(R)−3−フェニルピペラジン−1−イル、(S)−3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(cis)−5−(2−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(4aR,7aR)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、(4aS,7aS)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、または(1S,4S)−5−メチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表す
化合物により構成される。
【0025】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第18の化合物群は、
−Rが、4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、水素原子を表す
化合物により構成される。
【0026】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、第19の化合物群は、
−Rが、4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、4−(ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル基を表し;
−RおよびRが、水素原子を表す
化合物により構成される。
【0027】
本発明の対象である一般式(I)の化合物の内で、特に以下の化合物を挙げることができる:
1.2−メチル−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
2.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
3.6−[(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
4.6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
5.2−メチル−6−[(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
6.2−(4−フルオロフェニル)−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
7.{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−2−イル}メタノール;
8.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
9.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
10.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
11.6−[(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
12.2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール;
13.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール;
14.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
15.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
16.(R)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール;
17.(S)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール;
18.6−(6,9−ジアザスピロ[4.5]デク−9−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
19.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−1−オール;
20.1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
21.1−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
22.1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
23.4−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルブタン−2−オール;
24.(R)−2−(4−フルオロフェニル)−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
25.(S)−2−(4−フルオロフェニル)−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
26.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
27.6−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
28.(cis)−2−(4−フルオロフェニル)−6−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
29.(cis)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
30.(cis)−2−{5−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル}エタノール;
31.(cis)−2−{5−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル}エタノール;
32.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−((4aR,7aR)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
33.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−((4aS,7aS)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
34.2−(4−フルオロフェニル)−6−((1S,4S)−5−メチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
35.9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン;
36.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン。
【0028】
本発明の別の対象は、式(I)の本発明の化合物を調製する方法である。
【0029】
本発明によれば、一般式(I)の化合物を下記のスキーム1に記載の一般的方法により調製することができる。
【0030】
一般に、スキーム1に説明されている通り、R、A、L、B、RおよびRが上記定義の通りである一般式(I)の6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体は、一般式(II)の(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体[式中、R、RおよびRは、上記定義の通りであり、Xは、脱離基、例えばハロゲンを表す。]から、一般式(III)のアミン[式中、A、LおよびBは、上記定義の通りである。]を使用する処理により調製することができる。この反応は、反応物質を極性溶媒、例えば、ペンタノールまたはジメチルスルホキシド中で加熱することにより実施することができる。
【0031】
上記定義の一般式(II)の(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体は、一般式(IV)の誘導体[式中、R、X、RおよびRは、上記定義の通りであり、PGは、アミン官能基を保護するための保護基、例えばスルホナート、例えばトシラート、またはイミダゾール、ピロールもしくはインドールの保護に通常使用される任意の他の基を表す。]から得ることができる(「Protective groups in organic chemistry」,T,W.Greene and P.G.M.Wuts,2rdEdition,Wiley Interscience,p.385−397)。このとき、一般式(IV)の誘導体の変換は、脱保護反応を介して、例えば、PGがベンゼンまたはトルエンスルホニル基を表す場合、塩基、例えば、水酸化ナトリウムを使用する処理により実施する。
【0032】
【化2】

または、R、A、L、B、R、RおよびPGが上記定義の通りである一般式(I)の6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体は、一般式(V)の(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体[式中、R、A、L、B、R、RおよびPGは、上記定義の通りである。]を脱保護することによっても調製することができる。このとき、一般式(V)の誘導体の変換は、脱保護反応を介して、例えば、PGがベンゼンまたはトルエンスルホニル基を表す場合、塩基、例えば、水酸化ナトリウムを使用する処理により実施する。
【0033】
一般式(V)の誘導体は、上記定義の一般式(IV)の誘導体から、A、LおよびBが上記定義の通りである一般式(III)のアミンを使用する処理により調製することができる。この反応は、反応物質を極性溶媒、例えば、ペンタノールまたはジメチルスルホキシド中で加熱することにより実施することができる。
【0034】
、X、R、RおよびPGが上記定義の通りである一般式(IV)の(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体は、一般式(VI)の3−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体[式中、R、X、RおよびRは、上記定義の通りである一方、Xは、臭素またはヨウ素原子を表す。]と、一般式(VII)の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン誘導体[式中、PGが上記定義の通りであり、Mがジヒドロキシボリルまたはジアルキルオキシボリル基、最も多くは、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基を表す。]との間の鈴木条件による金属触媒カップリングにより調製することができる。
【0035】
鈴木法によるカップリングは、例えば、触媒、例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムおよび鉱物塩基、例えば、炭酸セシウムの存在下で、溶媒の混合物、例えば、ジオキサンおよび水中で加熱することにより実施する。
【0036】
上記定義の一般式(VI)の3−ハロ−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体および一般式(VII)の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン誘導体は、公知であり、または当業者に公知の方法により調製することができる。
【0037】
ある場合において、N、L、AおよびBにより形成されているアミンが第2の第2級または第3級アミンを含む一般式(I)の6−シクロアミノ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体は、それぞれ、対応する第1級または第2級アミンから、当業者に慣用の方法によるアルキル化または還元的アミノ化により調製することができる。
【0038】
保護基
ある場合において、第1級または第2級アミン官能基を含むN−A−L−B基を有する上記定義の一般式(I)または(V)の誘導体は、合成の間、この第1級または第2級アミン官能基において保護基、例えば、ベンジルまたはt−ブチルオキシカルボニルにより保護することができる。
【0039】
次いで、上記定義の一般構造(I)の生成物を、保護基を当業者に公知の慣例の条件により脱保護する追加の段階の後、記載の方法により得る。
【0040】
脱離基
上記において、表現「脱離基」は、電子対の離脱によるヘテロリシス結合破壊により分子から容易に開裂させることができる基を意味するものと解される。従って、この基は、例えば、置換反応の間に別の基により容易に置き換えることができる。このような脱離基は、例えば、ハロゲンまたは活性化ヒドロキシル基、例えば、メシル、トシル、トリフラート、アセチルなどである。脱離基の例、およびさらにこの調製についての参照は、「Advances in Organic Chemistry」,J.March,3rdEdition,Wiley Interscience,p.310−316に挙げられている。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の実施例は、ある種の本発明による化合物の調製を記載する。これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するために機能するにすぎない。例示化合物の番号は、若干数の本発明による化合物の化学構造および物性をそれぞれ説明する以下の表1に挙げられている番号を指す。
【実施例1】
【0042】
(化合物番号29):(cis)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0043】
【化3】

【0044】
工程1.1 6−クロロ−4−メチルピリダジン−3−イルアミンおよび6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−イルアミン
【0045】
【化4】

【0046】
3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン50.0g(307mmol)のアンモニア水(30%)170ml中混合物を、鋼製反応器内で10barの内圧において120℃において16時間加熱する。
【0047】
反応器を冷却し、反応混合物を水200ml中に注ぐ。形成された固体を濾過により単離し、真空下で乾燥させて約45%の6−クロロ−4−メチルピリダジン−3−イルアミン(CAS64068−00−4)および55%の6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−イルアミン(CAS66346−87−0)を含有する混合物38.7gを生じさせる。
【0048】
H NMR(CDCl)δ:7.20および6.75(2s,1H);(d,0.55H);4.9(sl,2H);2.40および2.25(2s,3H)ppm。
【0049】
工程1.2 6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよび6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0050】
【化5】

【0051】
2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)エタノン(CAS403−29−2)76g(350mmol)と、工程1.1において得られた6−クロロ−4−メチルピリダジン−3−イルアミンおよび6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−イルアミンの混合物38.7g(269mmol)とのn−ブタノール500ml中混合物を、120℃において18時間加熱する。
【0052】
溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去し、固体をアセトン中で粉砕する。冷蔵した後、固体を濾過により分離する。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をジエチルエーテル中で粉砕する。冷蔵した後、溶媒を濾過により再度分離する。2つのバッチの固体(75g)を合わせ、水1l中に溶解させる。アンモニア水を添加することにより溶液を塩基性化し、生成物をクロロホルムにより抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させて赤褐色固体を生じさせる。2種の異性体の分離を、ジクロロメタンにより溶出させることによるシリカゲルカラム(2×800g)上でのクロマトグラフィーにより実施する。イソプロピルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、ベージュ色固体の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン21.9gを得る。
【0053】
MP:210−212℃
H NMR(CDCl)δ:8.20(s,1H);8.00(dd,2H);7.25(pt,2H);6.95(s,1H);2.75(s,3H)ppm。
【0054】
2%メタノールのジクロロメタン中混合物による溶出を継続することにより、イソプロピルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、ベージュ色固体の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン22.0gを生じさせる。
【0055】
MP:196−198℃
H NMR(CDCl)δ:8.15(s,1H);8.00(dd,2H);7.80(s,1H);7.20(pt,2H);2.55(s,3H)ppm。
【0056】
工程1.3 6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヨード−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0057】
【化6】

【0058】
6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン21.9g(83.7mmol)のクロロホルム500ml中懸濁液に、メタノール40から50ml中に溶解した一塩化ヨウ素20.4g(126mmol)を添加する。周囲温度において2時間撹拌した後、メタノール約10ml中に溶解した一塩化ヨウ素5.0g(31mmol)を再度添加する。
【0059】
さらに2時間撹拌した後、溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液500ml上に注ぎ、混合物を激しく撹拌しながらチオ硫酸ナトリウムにより処理し、このチオ硫酸ナトリウムを混合物が脱色(赤色から黄色)するまで分けて添加する。
【0060】
有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた固体をアセトニトリル中で粉砕し、懸濁液を冷蔵し、固体を濾過により単離してベージュ色粉末の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヨード−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン30.7gを生じさせる。
【0061】
MP:190−192℃
H NMR(CDCl)δ:8.05(dd,2H);7.10(pt,2H);6.90(s,1H);2.65(s,3H)ppm。
【0062】
工程1.4 6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0063】
【化7】

【0064】
事前に脱気させ、アルゴン下にある、6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヨード−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン5.00g(12.9mmol)、1−(フェニルスルホニル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(CAS942919−24−6)5.95g(15.5mmol)および炭酸セシウム12.6g(38.7mmol)の、テトラヒドロフランおよび水の混合物(9/1)50ml中混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)およびジクロロメタンの錯体0.95g(1.2mmol)を添加する。
【0065】
混合物を還流下で18時間加熱し、次いで水300ml上に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色固体を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(97/3/0.3)により溶出させることによるシリカゲルカラム(200g)上でのクロマトグラフィーにかけ、イソプロピルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、黄色粉末の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン5.99gを生じさせる。
【0066】
MP:226−228℃
H NMR(CDCl)δ:8.65(d,1H);8.30(d,2H);7.6(m,7H);7.05(m,3H);6.10(d,1H);2.80(s,3H)ppm。
【0067】
工程1.5 6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0068】
【化8】

【0069】
6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.50g(0.97mmol)の、メタノールおよびテトラヒドロフラン数mlの混合物10ml中懸濁液に、6N水酸化ナトリウム水溶液0.32ml(1.9mmol)を添加する。混合物は徐々に均質になり、反応物を30分間撹拌する。反応媒体を水100mlにより希釈し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた橙色固体を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカラム(35g)上でのクロマトグラフィーにかけ、イソプロピルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、黄色粉末の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.293gを生じさせる。
【0070】
MP:226−228℃
H NMR(CDCl)δ:9.5(sl,1H);8.40(d,1H);7.55(d,2H);7.30(d,1H);7.2(m,1H);6.9(m,3H);5.90(m,1H);2.70(s,3H)ppm。
【0071】
工程1.6 (cis)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−[(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0072】
【化9】

【0073】
密封管中で、6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.29g(0.77mmol)、(cis)−オクタヒドロ−6H−2−メチルピロロ[3,4−c]ピロール(CAS172739−03−6)0.12g(0.92mmol)およびトリエチルアミン0.11ml(0.77mmol)の、ペンタノール4ml中混合物を、150℃において26時間加熱する。冷却した後、反応混合物を1N塩酸水溶液60ml中に注ぎ、溶液を酢酸エチルにより洗浄する。次いで、アンモニア水を添加することにより水相を塩基性化し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色油状物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム(35g)上でのクロマトグラフィーにかけ、ジエチルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、ベージュ色粉末の形態の2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−[(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.101gを生じさせる。
【0074】
MP:255℃(分解)
H NMR(DMSO−d)δ:11.7(s,1H);8,.5(d,1H);7.50(m,2H);7.40(d,1H);7.30(d,1H);7.1(pt,2H);6,90(m,1H);5.90(d,1H);3.50(m,2H);3.20(dd,2H);2.85(m,2H);2.60(s,3H);2.45(m,2H);2.40(m,2H);2.20(s,3H)ppm。
【実施例2】
【0075】
(化合物番号1):2−メチル−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0076】
【化10】

【0077】
工程2.1.6−クロロ−3−ヨード−2−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0078】
【化11】

【0079】
0℃に冷却させた、6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(CAS14793−00−1)7.00g(41.8mmol)のクロロホルム300ml中溶液に、メタノール20ml中に溶解した一塩化ヨウ素10.2g(62.7mmol)を添加する。次いで、反応物を周囲温度において16時間静置し、次いで、5%チオ硫酸ナトリウム溶液および炭酸水素ナトリウムの混合物上に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。
【0080】
固体残留物をアセトニトリルにより粉砕し、次いで濾過により単離し、乾燥させた後、黄色固体の形態の6−クロロ−3−ヨード−2−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン8.5gを生じさせる。
【0081】
H NMR(CDCl)δ:7.80(d,1H);7.10(d,1H);2.55(s,3H)ppm。
【0082】
工程2.2.6−クロロ−2−メチル−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0083】
【化12】

【0084】
事前に脱気させ、アルゴン下にある、6−クロロ−3−ヨード−2−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.470g(1.60mmol)、1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(CAS916176−50−6)0.765g(1.92mmol)および炭酸セシウム1.56g(4.80mmol)の、テトラヒドロフランおよび水の混合物(9/1)10ml中混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドおよびジクロロメタンの錯体0.12g(0.14mmol)を添加する。混合物を還流下で18時間加熱し、次いで水100ml中に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色固体を、ジクロロメタンおよび石油エーテルの混合物(70/30)により溶出させることによるアミノプロピル−グラフトシリカゲルカラム(SiNH;30g)上でのクロマトグラフィーにかけて白色粉末の形態の6−クロロ−2−メチル−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.42gを生じさせる。
【0085】
MP:138−140℃
H NMR(CDCl)δ:8.50(d,1H);8.10(d,2H);7.85(d,1H);7.75(d,1H);7.25(d,2H);7.05(d,1H);6.30(d,1H);2.45(s,3H);2.35(s,3H)ppm。
【0086】
工程2.3.2−メチル−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0087】
【化13】

6−クロロ−2−メチル−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.325g(0.97mmol)、(2R)−2−メチルピペラジン0.15g(1.5mmol)およびトリエチルアミン0.10ml(0.74mmol)の、ペンタノール5ml中混合物を、還流下で150℃において3日間加熱する。反応媒体を1N塩酸水溶液100mlにより希釈し、溶液を酢酸エチルにより洗浄する。次いで、アンモニア水を添加することにより水相を塩基性化し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色油状物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム(35g)上でのクロマトグラフィーにかけ、乾燥させた後、黄色油状物の形態の2−メチル−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.293gを生じさせる。
【0088】
H NMR(CDCl)δ:8.60(d,1H);8.20(d,2H);7.80(d,1H);7.75(d,1H);7.40(s,1H);7.35(d,2H);6.90(d,1H);6.55(d,1H);3.8(m,2H);2.9(m,1H);2.7(m,3H);2.40(s,3H);2.35(m,1H);2.25(sl,1H);0.95(d,3H)ppm。
【0089】
工程2.4.2−メチル−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0090】
【化14】

2−メチル−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.300g(0.60mmol)のメタノール5ml中溶液に、6N水酸化ナトリウム水溶液0.20ml(1.6mmol)を添加する。
【0091】
混合物を60℃において1時間加熱し、次いで水100ml中に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム(15g)上でのクロマトグラフィーにかけ、ジイソプロピルエーテル中で粉砕し、冷蔵し、濾過し、乾燥させた後、2−メチル−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.195gを生じさせる。
【0092】
MP:202−204℃
[α]=+29.0°(CHOH、c=0.683g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:8.35(d,1H);7.80(d,1H);7.50(d,1H);7.30(d,1H);7.20(d,1H);6.30(d,1H);3.85(m,2H);2.9(m,1H);2.7(m,3H);2.40(s,3H);2.35(m,1H);2,2(sl,1H);0.95(d,3H)ppm。
【実施例3】
【0093】
(化合物番号6):2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0094】
【化15】

工程3.1.6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0095】
【化16】

一塩化ヨウ素6.61g(40.9mmol)のクロロホルム40ml中溶液を、0℃に冷却させた、6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(CAS番号:244081−70−7)5.20g(21.0mmol)のクロロホルム130ml中溶液に急速に滴加する。周囲温度に戻し、4時間撹拌した後、混合物を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液により処理する。生成物をジクロロメタンにより抽出し、有機相を疎水性濾過カートリッジ上で濾過により乾燥させ、減圧下で濃縮する。残留物をアセトニトリル中で粉砕し、固体を濾過後に単離し、ジイソプロピルエーテルによりすすぐ。真空下で乾燥させた後、ベージュ色粉末5.7gを単離する。
【0096】
MP:215℃
H NMR(DMSO−d)δ:8.20(m;3H),7.40(m,3H)ppm。
【0097】
工程3.2.6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0098】
【化17】

事前に脱気させ、アルゴン下にある、6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−ヨードイミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.782g(2.09mmol)、1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(CAS916176−50−6)1.00g(2.51mmol)および炭酸セシウム2.05g(6.28mmol)の、テトラヒドロフランおよび水の混合物(9/1)15ml中混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドおよびジクロロメタンの錯体0.15g(0.19mmol)を添加する。混合物を還流下で18時間加熱し、次いで水100ml中に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色固体を、ジクロロメタンおよび石油エーテルの混合物(70/30)により溶出させることによるアミノプロピル−グラフトシリカゲルカラム(SiNH;30g)上でのクロマトグラフィーにかけて白色粉末の形態の6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.62gを生じさせる。
【0099】
MP:244−246℃
H NMR(CDCl)δ:8.50(d,1H);8.05(d,2H);7.95(d,1H);7.55(d,1H);7.4(m,3H);7.25(m,2H);7.10(d,1H);6.30(t,2H);5.95(d,1H);2.35(s,3H)ppm。
【0100】
工程3.3.2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0101】
【化18】

6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.330g(0.58mmol)、(2R)−2−メチルピペラジン0.116g(1.16mmol)およびトリエチルアミン0.08ml(0.6mmol)の、ペンタノール5ml中混合物を、還流下で24時間加熱する。反応媒体を塩酸水溶液100mlにより希釈し、溶液を酢酸エチルにより洗浄する。次いで、アンモニア水を添加することにより水相を塩基性化し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた栗褐色固体を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカラム(35g)上でのクロマトグラフィーにより精製し、乾燥させた後、黄色粉末の形態の2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.232gを生じさせる。
【0102】
MP:253−256℃
H NMR(CDCl)δ:8.85(d,1H);8.20(d,2H);7.85(d,1H);7.65(d,1H);7.5(m,3H);7.35(m,2H);7.0(m,3H);6.20(d,1H);3.9(m,2H);3.1(m,1H);2.9(m,3H);2.55(m,1H);2.50(s,3H);1.8(sl);1.10(d,3H)ppm。
【0103】
工程3.4.2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0104】
【化19】

工程3.3において得られた2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−{1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.230g(0.40mmol)のメタノール5ml中溶液に、6N水酸化ナトリウム水溶液0.13ml(0.76mmol)を添加する。混合物を60℃において30分間加熱し、次いで水100ml中に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。得られた残留物をアセトニトリル中で再結晶させ、乾燥させた後、2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.156gを生じさせる。
【0105】
MP:285−287℃
[α]=+4.8°(ジクロロメタン、c=0.998g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:9.3(sl,1H);8.35(d,1H);7.85(d,1H);7.50(m,2H);7.30(d,1H);7.15(d,1H);6.085(m,4H);6.0(s,1H);3.80(m,2H);3.45(s,1H);2.95(s,1H);2.80(m,3H);2.40(m,2H);1.00(d,3H)ppm。
【実施例4】
【0106】
(化合物番号13):2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール
【0107】
【化20】

工程4.1.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−{1−[フェニルスルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール
【0108】
【化21】

実施例1からの工程1.4に記載の方法により調製された6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.530g(1.02mmol)、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(CAS103−76−4)0.266g(2.05mmol)およびトリエチルアミン0.14ml(1.0mmol)の、ペンタノール5ml中混合物を、150℃において2日間撹拌する。反応媒体を塩酸水溶液20mlにより希釈し、溶液を酢酸エチルにより洗浄する。次いで、アンモニア水を添加することにより水相を塩基性化し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた褐色油状物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカラム(40g)上でのクロマトグラフィーにより精製し、アモルファス粉末の形態の2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−{1−[フェニルスルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール0.220gを生じさせ、この粉末を以下の工程において使用する。
【0109】
H NMR(CDCl)δ:8.40(d,1H);8.15(d,2H);7.6−7.3(m,7H);6.85(pt,2H);6.65(s,1H);6.05(d,1H);3.6(m,2H);3.3(m,4H);2.6(s,3H);2.5(m,6H)ppm。
【0110】
工程4.2.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール
【0111】
【化22】

2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−{1−[フェニルスルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール0.22g(0.36mmol)の、テトラヒドロフランおよびメタノールの混合物(1/1)5ml中溶液に、6N水酸化ナトリウム水溶液0.12ml(0.72mmol)を添加する。混合物を50℃において1時間加熱し、次いで水20ml中に注ぐ。生成物をジクロロメタンにより抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた帯黄色残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカラム(40g)上でのクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル10ml中で結晶化させ、濾過し、乾燥させた後、2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール0.110gを生じさせる。
【0112】
MP:239−242℃
H NMR(CDCl)δ:8.35(d,1H);7.55(2d,2H);7.40(d,1H);7.30(d,1H);7.20(s,1H);7.10(pt,2H);5.90(d,1H);4.40(t,1H);3.50(m,2H);3.3(m,4H);2.60(s,3H);2.50(m,4H);2.40(t,2H)ppm。
【実施例5】
【0113】
(化合物番号35):9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン
【0114】
【化23】

工程5.1.tert−ブチル9−{2−(4−フルオロフェニル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート
【0115】
【化24】

実施例3の工程3.2に記載の方法により調製された6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.15g(0.29mmol)、tert−ブチル2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート塩酸塩(1:1)(CAS1023301−88−3)0.337g(1.15mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.224g(1.7mmol)の、ペンタノール2ml中混合物を還流下で140℃において40時間加熱する。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の勾配(100/0/0から90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製し、メタノール中で結晶化させた後、tert−ブチル9−{2−(4−フルオロフェニル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート0.190mgを生じさせる。
【0116】
工程5.2.tert−ブチル9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート
【0117】
【化25】

工程5.1において得られたtert−ブチル9−{2−(4−フルオロフェニル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラートを、メタノールおよびテトラヒドロフランの混合物(2/1)3ml中に溶解させ、6N水酸化ナトリウム水溶液0.09ml(0.54mmol)を使用して60℃において1時間半処理する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を水3ml中に取る。生成物をジクロロメタン3mlにより2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の勾配(95/5/05から90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム(4g)上でのクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル10ml中で結晶化させ、濾過し、乾燥させた後、tert−ブチル9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート0.06gを生じさせる。
【0118】
MP:192−193℃
M+H=582
H NMR(DMSO−d)δ:8.35(d,1H);7.95(d,1H);7.50(m,2H);7.40(d,1H);7.30(m,2H);7.10(pt,2H);5.85(d,1H);3.55(sl);3.40−3.10(m);1.2−15(m)ppm。
【0119】
工程5.3.9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン
【0120】
【化26】

tert−ブチル9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−2−カルボキシラート0.20mg(0.34mmol)を、水性3N塩酸5mlにより周囲温度において18時間にわたり処理する。反応媒体を水20ml中に注ぎ、濃縮水酸化ナトリウムを添加することにより中和する。次いで、生成物をジクロロメタンにより抽出し、次いで有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。
【0121】
次いで、得られた残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製して9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン0.07gを生じさせる。
【0122】
MP:279−280℃
H NMR(DMSO−d)δ:11.7(s,1H);8.35(d,1H);7.95(d,1H);7.50(m,2H);7.40(d,1H);7.30(m,2H);7.10(pt,2H);5.90(d,1H);3.4−3.25(2m,4H);2.6(m,4H);1.6−1.35(2m,8H)ppm。
【実施例6】
【0123】
(化合物番号36):2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0124】
【化27】

工程6.1.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0125】
【化28】

実施例3の工程3.2に記載の方法により調製された6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.15g(0.29mmol)、および4−ピロリジン−1−イルピペリジン0.179g(1.16mmol)混合物を、還流下で140℃において40時間加熱する。反応媒体を冷却する。冷却時に形成する結晶固体をジイソプロピルエーテル1ml中で粉砕し、遠心分離し、上澄みを除去することにより単離して2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.144gを生じさせ、さらに精製することなく残りの合成において使用する。
【0126】
M+H=636
工程6.2.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0127】
【化29】

工程6.1において得られた2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−[1−(4−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、メタノールおよびテトラヒドロフランの混合物(2/1)3ml中に溶解させ、次いで6N水酸化ナトリウム水溶液0.09ml(0.54mmol)を使用して60℃において1時間半処理する。溶媒を蒸発させ、残留物を水3ml中に取る。生成物をジクロロメタン3mlにより2回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去する。次いで、得られた残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の勾配(95/5/05から90/10/1)により溶出させることによるシリカゲルカラム(4g)上でのクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル10ml中で結晶化させ、濾過し、乾燥させた後、2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.064gを生じさせる。
【0128】
MP:261−264℃
M+H=582
H NMR(DMSO−d)δ:11.7(s,1H);8.35(d,1H);7.95(d,1H);7.50(m,2H);7.40(d,1H);7.30(m,2H);7.10(pt,2H);5.85(d,1H);2.9(m,2H);2.45(m,4H);2.15(m,1H);1.85(m,2H);1.7(m,4H),1.4(m,2H)ppm。
【実施例7】
【0129】
(化合物番号16):(R)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール
【0130】
【化30】

工程7.1.(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン
【0131】
【化31】

(R)−乳酸エチル(CAS7699−00−5)10.3g(87.2mmol)およびベンジルピペラジン(CAS2759−28−6)15.3gの混合物を、マイクロ波オーブン内で150℃において2時間加熱する。反応媒体を冷却し、酢酸エチルおよびメタノールの混合物(99/1、次いで98/2)により溶出させることによるシリカゲルカートリッジ上でのクロマトグラフィーにかけて褐色油状物の形態の(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン10gを導く。
【0132】
[α]=+2.4°(メタノール、c=1g/100ml)
H NMR(DMSO−d)δ:7.35(m,5H);4.45(m,1H);3.85(m,1H);3.7(m,2H);3.55(s,2H);3.45(m,2H);2.5(m,4H);1.35(d,3H)ppm。
【0133】
工程7.2.(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール
【0134】
【化32】

水素化リチウムアルミニウム3.9g(103mmol)のテトラヒドロフラン200ml中懸濁液に、テトラヒドロフラン100ml中に溶解した(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン12.8g(51.7mmol)を20℃において撹拌しながら20分間にわたり滴加する。反応媒体の温度増加が35℃まで観察され、反応物の温度を周囲温度に降下させて戻しておく。30分後、水和硫酸ナトリウムを添加することにより過剰の水素化物を加水分解し、次いで混合物を濾過し、固体残留物をテトラヒドロフランにより洗浄する。濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物11gを生じさせ、この油状物を、酢酸エチル、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカートリッジ上でのクロマトグラフィーにかけて黄色油状物の形態の(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール6.4gを得る。
【0135】
[α]=−20.5°(メタノール、c=0.1g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:7.25(m,5H);4.20(d,1H);3.70(m,1H);3.45(s,2H);2.4および2.2(m,10H);1.0(d,3H)ppm。
【0136】
工程7.3.(R)−1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール二塩酸塩
【0137】
【化33】

(R)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール6.2g(26.5mmol)のメタノール60ml中溶液を、炭素上水酸化パラジウム(CAS12135−22−7)2.95gの存在下、60psiの水素圧下で周囲温度において2時間水素化する。次いで、混合物をブフナー漏斗に通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物3.8gを生じさせる。油状物をイソプロパノール約60ml中で希釈し、イソプロパノール中に溶解した5−6N塩酸を添加することにより溶液を酸性化する。沈殿物を15分間撹拌し、濾過により単離し、乾燥させた後、白色粉末の形態の(R)−1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール二塩酸塩4.97gを生じさせる。
【0138】
MP:222−224℃
[α]=−29.2°(メタノール、c=1g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:3.8(m,1H);2.9(m,3H);2.65(m,4H);2.35および2.2(mおよびm,3H);1.15(d,3H)ppm。
【0139】
工程7.4.(R)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール
【0140】
【化34】

実施例1の工程1.5に記載の方法により調製された6−クロロ−2−(4−フルオロ フェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.450g(1.19mmol)、(R)−1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール二塩酸塩0.517g(2.38mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.98mlの、ジメチルスルホキシド5ml中溶液を、85℃において7日間加熱する。冷却した後、反応媒体を水中に注ぎ、生成物を酢酸エチルにより抽出する。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、次いで減圧下で濃縮する。次いで、得られた褐色残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル40ml中で再結晶させ、濾過し、乾燥させた後、(R)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール0.04gを得る。
【0141】
MP:>350℃
[α]=−12.6°(メタノール、c=0.09g/100ml)
H NMR(DMSO−d)δ:11.7(幅広 s,1H);8.35(d,1H);7.50(m,2H);7.40(m,1H);7.30(dd,1H);7.20(s,1H);7.10(m,2H);5.85(m,1H);4.30(m,1H);3.80(m,1H);3.35(m,4H+HO);2.60(s,3H);2.40(m,4H+DMSOd);2.25(m,2H);1.05(d,3H)。
【実施例8】
【0142】
(化合物番号17):(S)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール
【0143】
【化35】

工程8.1.(S)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン
【0144】
【化36】

(S)−乳酸エチル(CAS687−47−8)6.00g(50.8mmol)およびベンジルピペラジン(CAS2759−28−6)9.85g(50.8mmol)の混合物を、マイクロ波オーブン(300W)内で140℃において1時間加熱する。反応媒体を冷却し、次いでこの媒体を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカートリッジ上でのクロマトグラフィーにかけて黄色油状物7gを生じさせる。この油状物をアセトン中で希釈し、塩酸のイソプロパノール中溶液を添加することにより(S)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン塩酸塩を形成させる。形成された白色沈殿物を濾過により単離し、次いでこの沈殿物を水中に取り、アンモニア水を使用して処理する。次いで、ジクロロメタンを使用して生成物を抽出し、溶液を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で蒸発させて無色油状物の形態の(S)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン3.7gを得る。
【0145】
[α]=−2.2°(メタノール、c=1.56g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:7.25(m,5H);4.35(m,1H);3.75(m,1H);3.6(m,2H);3.45(s,2H);3.35(m,2H);2.4(m,4H);1.25(d,3H)ppm。
【0146】
工程8.2.(S)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール
【0147】
【化37】

水素化リチウムアルミニウム1.13g(29.8mmol)のテトラヒドロフラン20ml中懸濁液に、テトラヒドロフラン100ml中に溶解した(S)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン3.70g(14.9mmol)を20℃において撹拌しながら滴加する。反応物の温度を周囲温度に降下させて戻しておく。2時間後、水和硫酸ナトリウムを添加することにより過剰の水素化物を加水分解し、次いで混合物を次いで濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた油状物を、メタノールおよびアンモニア水のジクロロメタン中混合物(100/0/0から95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカートリッジ上でのクロマトグラフィーにかけて黄色油状物の形態の(S)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール1.2gを得る。
【0148】
[α]=+23.2°(メタノール、c=1g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:7.3(m,5H);3.85(m,1H);3.65(s,2H);2.8−2.2(m,10H)1.15(d,3H)ppm。
【0149】
工程8.3.(S)−1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール
【0150】
【化38】

(S)−1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール1.2g(5.1mmol)のメタノール50ml中溶液を、水酸化パラジウム0.6gの存在下、50psiの水素圧下で周囲温度において2時間水素化する。次いで、混合物をブフナー漏斗に通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物0.5gを生じさせる。
【0151】
[α]=+30.5°(メタノール、c=1g/100ml)
H NMR(CDCl)δ:3.8(m,1H);2.8(m,4H);2.65−2.05(m,8H);1.05(d,3H)ppm。
【0152】
工程8.4.(S)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−プロパン−2−オール
【0153】
【化39】

実施例1の工程1.5に記載の方法により調製された6−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン0.300g(0.79mmol)、(S)−1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オール0.345g(1.59mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.45ml(3.18mmol)の、ペンタノール5ml中溶液を、150℃において8日間加熱する。冷却した後、反応混合物を1N塩酸水溶液中に注ぎ、水相を酢酸エチルにより洗浄する。次いで、アンモニア水溶液を使用して水相を塩基性化し、生成物をジクロロメタンにより抽出する。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、次いで減圧下で濃縮する。次いで、得られた褐色残留物を、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合物(95/5/0.5)により溶出させることによるシリカゲルカートリッジ上でのクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル中で再結晶させ、濾過し、乾燥させた後、(S)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール0.05gを得る。
【0154】
MP:>350℃
[α]=+13.9°(メタノール、c=0.2g/100ml)
H NMR(DMSO−d)δ:11.7(幅広 s,1H);8.35(d,1H);7.50(m,2H);7.40(m,1H);7.30(dd,1H);7.20(s,1H);7.10(m,2H);5.85(m,1H);4.30(m,1H);3.80(m,1H);3.35(m,4H);2.60(s,3H);2.40(m,4H);2.25(m,2H);1.05(d,3H)。
【0155】
以下の表1は、若干数の本発明による化合物の化学構造および物性を説明する。
【0156】
この表において:
−「塩」欄において、「−」は、遊離塩基形態の化合物を表す一方、「HCl」は、塩酸塩形態の化合物を表し、括弧内の比は酸:塩基の比であり;
−「MP℃」欄は、生成物の融点を摂氏度で報告する。「N.D」は、融点が測定されていないことを意味する。
【0157】
−[α]欄は、589nmの波長における、表からの化合物の旋光度の分析の結果を報告し;括弧内に提示の溶媒は、旋光度(度)の計測を実施するために使用される溶媒に対応し、文字「c」は、溶媒の濃度(g/100ml)を示す。「N.A.」は、旋光度計測を適用することができないことを意味し、
−「m/z」欄は、Agilent LC−MSD Trap装置上でポジティブESIモードで実施されるLC−MS(液体クロマトグラフィーを直結させた質量分析)による、もしくはDCI−NH技術を使用するAutospec M(EBE)装置中へのMS(質量分析)による直接導入による、またはWaters GCT装置上での電子衝撃技術を使用することによる質量分析による生成物の分析により観察される分子イオン(M+H)または(M)を報告する。アスタリスク「」を有する値は、イオン(M)の検出に対応し;
−「CH−」は、メチルを意味し;
−「CHOH」は、メタノールを意味し;
−「CHCl」は、ジクロロメタンを意味し;
−「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味する。
【0158】
【表1】




【0159】
生物学的実施例
カゼインキナーゼ1εおよびδによるカゼインのリン酸化を阻害する本発明の化合物の能力は、US2005/0131012に記載の手順により評価することができる。
【0160】
CK1ε阻害剤のスクリーニングのためのATP−33Pのフィルタープレートアッセイ:
酵素カゼインキナーゼ1ε(CK1ε)によるカゼインのリン酸化の阻害に対する化合物の効果は、インビトロでのATP−33Pの濾過によるカゼインアッセイを使用して計測する。
【0161】
カゼインキナーゼ1ε(0.58mg/ml)は、当業者に周知の方法により実施される発酵および精製方法により得、またはInvitrogen Corporation(商標)(ヒトCK1ε)から入手することもできる。
【0162】
化合物は、IC50値、即ち、化合物が酵素活性を50%だけ阻害することができる濃度、または10マイクロモーラーの濃度における阻害率を生じさせるように5種の異なる濃度において試験する。
【0163】
「U」底Falconプレートを、10、1、0.1、0.01または0.001μMの濃度の本発明による化合物の溶液5μLを種々のウェル中に装入することにより準備する。これらの種々の濃度の本発明による化合物の溶液は、試験緩衝液(50mMのTris、pH7.5、10MのMgCl、2mMのDTTおよび1mMのEGTA)中で、DMSO中の濃度10mMの原液を希釈することにより調製する。次に、脱リン酸化カゼイン5μLを添加して0.2μg/μLの最終濃度に、CK1ε20μlを添加して3ng/μlの最終濃度に、およびATP−33P20μlを添加して非標識ATPと混合して0.02μCi/μlの最終濃度にする(最終10μM−1ウェル当たり約2×10CPM)。1ウェル当たりの最終総試験容量は、50μlである。
【0164】
上記の「U」底Falcon(登録商標)試験プレートをボルテックスにかけ、次いで周囲温度において2時間インキュベートする。2時間後、試験緩衝液中で調製されたATP(2mM)65μlの氷冷溶液を添加することにより反応を停止させる。
【0165】
次いで、反応混合物100μlを、「U」底Falcon(登録商標)プレートから氷冷の100%TCA25μlを予備含浸させたMillipore(登録商標)MAPHフィルタープレート中に移す。
【0166】
Millipore MAPHフィルタープレートを穏やかに撹拌し、周囲温度において少なくとも30分間静置してタンパク質を沈殿させる。
【0167】
30分後、フィルタープレートを、20%TCA2×150μl、10%TCA2×150μlおよび5%TCA2×150μlにより順次洗浄および濾過する(1プレート当たり合計6回の洗浄/1ウェル当たり900μl)。
【0168】
プレートを周囲温度において一晩乾燥させておく。次に、Microscint−20Packard(登録商標)シンチレーション液を1ウェル当たり40μl添加し、プレートをリークタイトに密封する。次いで、各ウェルから放出される放射線をPackard(登録商標)Topcount NXTシンチレーションカウンター中で2分間計測し、このカウンターにおいてCPM/ウェルの値を計測する。
【0169】
基質(カゼイン)をリン酸化する酵素の能力の阻害率を、各濃度の試験化合物について求める。百分率として表現されるこれらの阻害データは、対照と比較した各化合物についてのIC50値を計算するために使用する。
【0170】
速度論的実験により、この試験系においてATPについてのK値は21μMであると求められた。
【0171】
以下の表2は、若干数の本発明による化合物についてカゼインキナーゼ1εのリン酸化の阻害についてのIC50値を挙げる。
【0172】
【表2】

これらの条件下、最も活性を示す本発明の化合物は、1nMから2μMの間のIC50値(カゼインキナーゼ1εの酵素活性の50%を阻害する濃度)を示す。
【0173】
カゼインキナーゼ1εおよびδによるカゼインのリン酸化を阻害する本発明の化合物の能力は、「Z’Lyte(商標)キナーゼアッセイキット」(商品番号PV3670;Invitrogen Corporation(商標))を用いるFRET(「蛍光共鳴エネルギー移動)蛍光試験を製造業者の説明書に従って使用して評価することができる。
【0174】
使用されるカゼインキナーゼ1は、Invitrogen Corporationから入手する(ヒトCK1εPV3500およびヒトCK1δPV3665)。
【0175】
FRET系を構成するフルオロフォア供与基(クマリン)およびフルオロフォア受容基(フルオレセイン)により両末端が標識されているペプチド基質を、増加濃度の本発明の化合物の存在下でカゼインキナーゼ1εまたはδによりATPの存在下でリン酸化させる。
【0176】
ペプチド基質を特異的に開裂させて大きな蛍光放出比を有する2個の蛍光性断片を形成する部位特異的プロテアーゼにより、混合物を処理する。
【0177】
従って、観察される蛍光は、カゼインキナーゼ1εまたはカゼインキナーゼ1δによるペプチド基質のリン酸化を阻害する本発明の生成物の能力に関連する。
【0178】
本発明の化合物を、DMSO中の10mM原液から出発し、カゼインキナーゼ1εについては、50mMのHEPS、pH7.5、1mMのEGTA、0.01%Brij−35、10mMのMgClを含有する緩衝液中で、カゼインキナーゼ1δについては、Trizma Base(50mM)、pH8.0、およびNaN(最終0.01%)を補給した緩衝液中で希釈して種々の濃度において溶解させる。
【0179】
Invitrogen Corporation(商標)から入手したペプチド基質SER/THR11のリン酸化を、2μMの最終濃度において実施する。ATP濃度はKの4倍であり、この値はカゼインキナーゼ1εについては2μMであり、カゼインキナーゼ1δについては4μMである。
【0180】
放出される蛍光を、445および520nmの波長において計測する(400nmにおいて励起)。
【0181】
以下の表3は、若干数の本発明による化合物についてのカゼインキナーゼ1δのリン酸化の阻害についてのIC50値を挙げる。
【0182】
【表3】

これらの条件の下、最も活性を示す本発明の化合物は、1nMから2μMの間のIC50値(カゼインキナーゼ1δの酵素活性の50%を阻害する濃度)を有する。
【0183】
従って、本発明による化合物は、カゼインキナーゼ1εまたはカゼインキナーゼ1δ酵素に対して阻害活性を有すると解される。
【0184】
概日細胞アッセイ用の実験プロトコル
Mper1−luc Rat−1(P2C4)線維芽細胞培養物を、この培養物を150cmの脱気ポリスチレン組織培養フラスコ(Falcon(登録商標)#35−5001)上に3から4日毎(約10から20%のコンフルエンス)に分注することにより調製し、増殖培地[EMEM(Cellgro #10−010−CV);10%ウシ胎児血清(FBS;Gibco #16000−044);およびペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro #30−001−CI)50I.U./ml]中で37℃において5%CO下で維持した。
【0185】
上記の30から50%のコンフルエンスにおけるRat−1線維芽細胞培養物から得られた細胞に、安定な形質移入のためのゼオシン耐性の選択マーカーおよびmPer−1プロモーターにより制御されるルシフェラーゼレポーター遺伝子を含有するベクターを同時形質移入した。24から48時間後、培養物を96ウェルプレート上に分注し、ゼオシン(Invitrogen(登録商標)#45−0430)50から100μg/mlを補給した増殖培地中で10から14日間維持した。100μMルシフェリン(Promega(登録商標)#E1603(登録商標))を増殖培地に添加し、TopCount(登録商標)シンチレーションカウンター(Packard Model #C384V00)上でルシフェラーゼ活性をアッセイすることにより、ゼオシン耐性の安定な形質移入体をレポーターの発現について評価した。ゼオシン耐性とmPer1により制御されるルシフェラーゼ活性の両方を発現するRat−1細胞クローンを、50%ウマ血清[HS(Gibco(登録商標)#16050−122)]により血清ショックにより同調させ、概日レポーターの活性を評価した。Mper1−luc Rat−1線維芽細胞のP2C4クローンを選択して化合物を試験した。
【0186】
上記プロトコルにより得られた40から50%のコンフルエンスにおけるMper1−luc Rat−1(P2C4)線維芽細胞を、96ウェル不透明組織培養プレート(Perkin Elmer(登録商標)#6005680)上に播種培養した。培養物を、ゼオシン(Invitrogen #45−0430)100μg/mlを補給した増殖培地中で培養物が100%のコンフルエンスに到達するまで維持した(48から72時間)。次いで、培養物を同調培地[EMEM(Cellgro #10−010−CV);ペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro #30−001−C1)100I.U./ml;50%HS(Gibco #16050−122)]100μlにより37℃において5%CO下で2時間同調させた。同調後、培養物をEMEM(Cellgro #10−010−CV)100μlにより周囲温度において10分間すすいだ。すすいだ後、培地をCO非依存性培地[COI(Gibco #18045−088);2mMのL−グルタミン(Cellgro #25−005−C1);ペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro #30−001−C1)100U.I./ml;100μMのルシフェリン(Promega #E1603)]300μlにより置き換えた。概日効果について試験される本発明の化合物を、DMSO中0.3%(最終濃度)においてCO非依存性培地に添加した。この培養物を、TopSeal−A(登録商標)フィルム(Packard #6005185)により直ちにリークタイトに密封してルシフェラーゼ活性計測のために移した。
【0187】
同調後、試験プレートを組織培養インキュベーター(Forma Scientific Model #3914)内で37℃において維持した。インビボのルシフェラーゼ活性を、TopCountシンチレーションカウンター(Packard Model #C384V00)上で相対的発光を計測することにより推定した。
【0188】
周期分析は、数日間にわたり相対的発光の最小値の間の間隔を求めることにより、またはフーリエ変換により実施した。2種の方法により、概日周期の範囲について実際上同一の周期が推定された。効力は、周期の1時間の延長を誘導した有効なマイクロモル濃度として提示されるCEΔ(t+1h)で報告する。XLfit(商標)ソフトウエアにおいて試験化合物の濃度(x軸)の関数としての周期(y軸)の変化として表現されたデータに双曲線を適合させることによりデータを分析し、CEΔ(t+1h)をこの曲線から内挿した。
【0189】
以下の表4は、若干数の本発明による化合物についてのCEΔ(t+1h)を挙げる。
【0190】
【表4】

これらの条件の下、最も活性を示す本発明の化合物は、1nMから2μMの間のCEΔ(t+1h)値(周期の1時間の延長を誘導した有効なマイクロモル濃度)を有する。
【0191】
本発明の対象である化合物は、酵素CK1εおよび/またはCK1δを阻害することにより概日周期性を調節し、概日リズム障害を治療するために有用であり得る。
【0192】
本発明による化合物は、特に、睡眠障害;概日リズム障害、例えば、特に時差または交替勤務により引き起こされる障害を予防または治療するための医薬品の調製に使用することができる。特に識別される睡眠障害には、原発性睡眠障害、例えば睡眠異常(例えば原発性不眠症)、睡眠時随伴症、過眠症(例えば過剰傾眠)、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸に関連する睡眠障害、概日リズムに関連する睡眠障害およびその他の特定不能の睡眠異常、医学的/精神医学的障害に伴う睡眠障害がある。
【0193】
本発明の対象である化合物は、概日位相シフトも引き起こし、このような特性は、気分障害の場合において臨床的に有効な潜在的な単独療法または併用療法に関して有用であり得る。
【0194】
特に識別される気分障害には、うつ病性障害(単極性うつ病)、双極性障害、全身医学的愁訴により引き起こされる気分障害、およびさらに医薬物質により誘発される気分障害がある。
【0195】
特に識別される双極性障害には、特に季節的情動障害を含む双極性障害I型および双極性障害II型がある。
【0196】
概日周期性を調節する本発明の対象である化合物は、特にCRFの分泌の損害により引き起こされる不安およびうつ病性障害の治療において有用であり得る。
【0197】
特に識別されるうつ病性障害には、大うつ病性障害、気分変調性障害およびその他の特定不能のうつ病性障害がある。
【0198】
概日周期性を調節する本発明の対象である化合物は、乱用物質、例えば、コカイン、モルヒネ、ニコチン、エタノールまたは大麻に対する依存性に関連する疾患を治療するための医薬品の調製に有用であり得る。
【0199】
本発明による化合物は、カゼインキナーゼ1εおよび/またはカゼインキナーゼ1δを阻害することにより、医薬品の調製に、特にタウタンパク質の過剰リン酸化に関連する疾患、特にアルツハイマー病を予防または治療するための医薬品の調製に使用することができる。
【0200】
これらの医薬品は、治療において、特に細胞、特に腫瘍細胞の増殖により引き起こされ、または悪化する疾患の治療または予防においても使用される。
【0201】
これらの化合物は、腫瘍細胞増殖阻害剤として、液性腫瘍、例えば白血病、原発腫瘍と転移性腫瘍の両方である固形腫瘍、癌腫および癌、特に:乳癌、肺癌、小腸癌、結腸直腸癌;呼吸経路の癌、中咽頭の癌および下咽頭の癌;食道癌;肝臓癌、胃癌、胆管の癌、胆嚢の癌、膵臓癌;腎臓、尿路上皮および膀胱を含む尿路の癌;子宮の癌、子宮頸部癌、卵巣癌、クロリオカルシノーマ(chloriocarcinoma)および栄養膜腫瘍を含む女性生殖管の癌;前立腺癌、精嚢の癌、精巣癌および生殖細胞性腫瘍を含む男性生殖管の癌;甲状腺癌、下垂体癌および副腎の癌を含む内分泌腺の癌;血管腫、黒色腫、およびカポジ肉腫を含む肉腫を含む皮膚癌;星状細胞腫、神経膠腫、膠芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、シュワン細胞腫および髄膜腫を含む脳腫瘍、神経腫瘍、眼腫瘍または髄膜腫瘍;悪性造血器腫瘍;白血病(急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病、(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、緑色腫、形質細胞腫、TまたはB細胞白血病、ホジキンまたは非ホジキンリンパ腫、骨髄腫、ならびに種々の悪性血液疾患の予防および治療において有用である。
【0202】
本発明による化合物は、医薬品の調製、特に、炎症性疾患、例えば、特に中枢神経系の炎症性疾患、例えば、多発性硬化性、脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎、ならびに他の炎症性疾患、例えば、血管病変、粥状動脈硬化症、関節炎症、関節症および関節リウマチを予防または治療するための医薬品の調製に使用することもできる。
【0203】
従って、本発明による化合物は、医薬品の調製、特にカゼインキナーゼ1εおよび/またはカゼインキナーゼ1δを阻害するための医薬品の調製に使用することができる。
【0204】
従って、本発明の別の態様によれば、本発明の対象は、式(I)の化合物、もしくは医薬的に許容される酸とのこの付加塩、または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含む医薬品である。
【0205】
本発明の別の態様によれば、本発明は、活性成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1種の本発明による化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の有効用量およびさらに少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含有する。
【0206】
前記賦形剤は、医薬形態および所望の投与方式に従って、当業者に公知の慣例の賦形剤から選択される。
【0207】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮または直腸内投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の活性成分、またはこの可能な塩、溶媒和物もしくは水和物は、単位投与形態において、標準的な医薬賦形剤との混合物としてヒトおよび動物に上記の障害または疾患の予防または治療のために投与することができる。
【0208】
適切な単位投与形態は、経口経路形態、例えば、錠剤、軟もしくは硬ゲルカプセル剤、散剤、顆粒剤および経口液剤もしくは懸濁液剤、舌下、頬側、気管内、眼内、ならびに鼻腔内投与形態、吸入形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸内投与形態、ならびに埋込剤を含む。局所投与のため、本発明による化合物は、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤またはローション剤中で使用することができる。
【0209】
例として、錠剤形態における本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含むことができる:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカラメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
経口経路を介して1日当たり投与される活性成分の用量は、1回以上の投与量摂取において0.1から20mg/kgに達してよい。
【0210】
より多いまたは少ない投与量が適切である特定の場合が存在し得るが;このような投与量は本発明の範囲から逸脱するものではない。慣例の実務によれば、各患者に適切な投与量は、投与方式、ならびに前記患者の体重および応答に従って担当医により決定される。
【0211】
本発明の別の態様によれば、本発明はまた、本発明による化合物、または医薬的に許容されるこの塩もしくは水和物もしくは溶媒和物の有効用量を患者に投与することを含む、上記の病変を治療する方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態の一般式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
−Rは、ハロゲン原子、ならびにC1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ、C1−6−アルキルチオ、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルキルオキシおよび−CN基から選択される1個以上の置換基により場合により置換されているアリール基を表し、またはRは、C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基を表し;
−Aは、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Bは、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lは、RまたはR基により場合により置換されている窒素原子と、Re1基およびR基または2個のRe2基により置換されている炭素原子のいずれかを表し;
AおよびBの炭素原子は、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−R、RおよびRは:
2個のR基は、C1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
およびRは、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよい;
ものと定義され;
−Rは、水素原子およびC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルチオ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはベンジル基から選択される基を表し;
−Re1は、−NR基または酸素原子を場合により含む環式モノアミンを表し、環式モノアミンは、フッ素原子、ならびにC1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシおよびヒドロキシル基から選択される1個以上の置換基により場合により置換されており;
−2個のRe2基は、これらの基を担持する炭素原子とともに、酸素原子を場合により含む環式モノアミンを形成しており、該環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−Rは、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、フェニルまたはベンジル基を表し;
−RおよびRは、互いに独立して、水素原子、またはC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基を表し;ならびに
−RおよびRは、互いに独立して、水素原子またはC1−6−アルキル基を表す。]。
【請求項2】
−Rが、1個以上のハロゲン原子、またはC1−6−アルキルもしくはC1−6−フルオロアルキル基により場合により置換されているフェニルを表す
ことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
−Rが、C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル基から選択される基を表す
ことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
−RおよびRが、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表す
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項5】
−Aが、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7アルキレン基を表し;
−Bが、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、RまたはR基により場合により置換されている窒素原子を表し;
AおよびBの炭素原子は、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−2個のR基が、C1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−RおよびRが、結合またはC1−6−アルキレン基を一緒になって形成していてよく;
−Rが、水素原子およびC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルチオ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはベンジル基から選択される基を表し;ならびに
−Rが、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルオキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−フルオロアルキルまたはフェニル基を表す
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項6】
−Aが、1または2個のR基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Bが、R基により場合により置換されているC1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、2個のRe2基により場合により置換されている炭素原子を表し;
AおよびBの炭素原子が、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;
−2個のRe2基が、これらの基を担持する炭素原子とともに、酸素原子を場合により含む環式モノアミンを形成しており、この環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;ならびに
−Rが、C1−6−アルキル基を表す
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項7】
−Aが、C1−7−アルキレン基を表し;
−Bが、C1−7−アルキレン基を表し;
−Lが、Re1基およびR基により置換されている炭素原子を表し;
−Rが、水素原子を表し;
−Re1が、−NR基または酸素原子を場合により含む環式モノアミンを表し、該環式モノアミンは、互いに同一であり、または異なっていてよい1個以上のR基により場合により置換されており;ならびに
−Rが、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキルまたはC3−7シクロアルキル−C1−6アルキル基を表す
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項8】
−Rが、メチル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、(R)−3−メチルピペラジン−1−イル、3,3−ジメチルピペラジン−1−イル、(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イルまたは(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、水素原子を表す
ことを特徴とする、請求項1、3、4および5のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項9】
−Rが、3−フルオロフェニルまたは4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、(R)−3−メチルピペラジン−1−イル、3,3−ジメチルピペラジン−1−イル、(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル、4−イソプロピルピペラジン−1−イル、6,9−ジアザスピロ[4.5]デク−9−イル、3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、3−ヒドロキシメチルピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル、(R)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、(S)−4−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピペラジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イル、4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ピペラジン−1−イル、(R)−3−フェニルピペラジン−1−イル、(S)−3−フェニルピペラジン−1−イル、4−ベンジルピペラジン−1−イル、(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(cis)−5−(2−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル、(4aR,7aR)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、(4aS,7aS)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、または(1S,4S)−5−メチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表す
ことを特徴とする、請求項1、2、4および5のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項10】
−Rが、4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデク−9−イル基を表し;ならびに
−RおよびRが、水素原子を表す
ことを特徴とする、請求項1、2、4および6のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項11】
−Rが、4−フルオロフェニル基を表し;
−−N−A−L−B−により形成されている環式アミンが、4−(ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル基を表し;
−RおよびRが、水素原子を表す
ことを特徴とする、請求項1、2、4および7のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項12】
1.2−メチル−6−[(R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
2.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
3.6−[(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
4.6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−2−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
5.2−メチル−6−[(cis)−5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
6.2−(4−フルオロフェニル)−6−[(3R)−3−メチルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
7.{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−2−イル}メタノール;
8.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
9.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
10.6−(3,3−ジメチルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
11.6−[(cis)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
12.2−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール;
13.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}エタノール;
14.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
15.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
16.(R)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール;
17.(S)−1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}プロパン−2−オール;
18.6−(6,9−ジアザスピロ[4.5]デク−9−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
19.2−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−1−オール;
20.1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
21.1−{4−[2−(3−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
22.1−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
23.4−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピペラジン−1−イル}−2−メチルブタン−2−オール;
24.(R)−2−(4−フルオロフェニル)−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
25.(S)−2−(4−フルオロフェニル)−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびこの三塩酸塩;
26.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−[3−フェニルピペラジン−1−イル]−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
27.6−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
28.(cis)−2−(4−フルオロフェニル)−6−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
29.(cis)−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−(5−メチルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
30.(cis)−2−{5−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル}エタノール;
31.(cis)−2−{5−[2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル}エタノール;
32.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−((4aR,7aR)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
33.2−(4−フルオロフェニル)−8−メチル−6−((4aS,7aS)−1−メチルオクタヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
34.2−(4−フルオロフェニル)−6−((1S,4S)−5−メチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン;
35.9−[2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−2,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン;
36.2−(4−フルオロフェニル)−6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II)の化合物:
【化2】

[式中、R、RおよびRは、請求項1に定義の通りであり、ならびにXは、脱離基を表す。]を、一般式(III)のアミン:
【化3】

[式中、A、LおよびBは、請求項1に定義の通りである。]と反応させることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(V)の化合物:
【化4】

[式中、R、A、L、B、RおよびRは、請求項1に定義の通りであり、ならびにPGは、ベンゼンまたはトルエンスルホニル基を表す。]を、塩基を使用して脱保護することを特徴とする方法。
【請求項15】
塩基の形態または医薬的に許容される酸との付加塩の形態の請求項1から12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含むことを特徴とする医薬品。
【請求項16】
塩基の形態または医薬的に許容される酸との付加塩の形態の請求項1から12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、およびさらに少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項17】
睡眠障害、概日リズム障害、気分障害、不安およびうつ病性障害、乱用物質に対する依存性に伴う疾患、タウタンパク質の過剰リン酸化に関する疾患、細胞増殖により引き起こされ、もしくは悪化する疾患、または炎症性疾患を予防または治療するための医薬品の調製のための、請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−510453(P2012−510453A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538042(P2011−538042)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052336
【国際公開番号】WO2010/063929
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】