説明

ATM操作支援システム、ATM操作支援プログラム、ATM操作支援用記録媒体及びATM

【課題】ATMによる取引の操作を支援し、その操作を簡易化すると共に安全性に優れた支援システム、支援プログラム、支援用記録媒体、及びATMを提供する。
【解決手段】サーバコンピュータ11に、通信ネットワーク12を介して接続されたクライアント端末13に要求に応じて操作画面を送信する操作画面送信手段と、送信した操作画面上で入力されたATM操作情報を受け付ける操作情報受付手段と、該ATM操作情報に関連付けられ、ATM操作時に入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報を受け付ける一時認証情報受付手段と、これらの受付手段で受け付けたATM操作情報と一時認証情報とを、上記クライアント端末13のデータ書込装置13aにセットされたATM読み取り可能な記録媒体Aに書き込むデータ書込手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関に備えられたATMによる取引操作の支援システム、支援プログラム、支援用記録媒体、及びATMに関し、コンピュータを用いたビジネス支援技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関に備えられるATMは、入金、出金、残高照会、及び他人名義の口座への振り込み作業等を利用者のみで行なえるようにしたもので、通例タッチパネル式の入力部で、表示される指示に従って各種の選択操作や入力操作を順次行なうことにより、所要の作業が実行されるようになっている。
【0003】
例えば、振り込み作業は、まずキャッシュカードを挿入口に挿入して暗証番号を入力し、或いは現金を投入口に投入して振り込み人の氏名や口座番号等を入力した後、金額を入力し、次いで振り込み先の銀行の選択、支店の選択、口座種別の選択、及び口座番号の入力等の操作を順次行ない、最後に入力内容を確認した上で確認操作を行なう、という手順で行なわれる。
【0004】
ところで、上記のようなATMの操作は、馴れた者にとっては特にむつかしいものではなく、非常に便利ではあるが、不馴れな者、特に高齢者や機械が苦手な者にとっては容易ではなく、戸惑ったり間違って何度もやり直したりすることが少なくない。その場合、後ろに長い行列ができ、待たせていることを申し訳なく思うことから焦ってしまい、かえって手間取ってしまうことになる。その結果、このような利用者にとっては、ATMはきわめて不便な装置となる。
【0005】
そこで、このようなATMの操作を支援するものとして、近年、振り込みカードを使用するシステムが実用化されている。その一例として例えば特許文献1によれば、振り込み金額を入力することなく振り込み取引を行うことができるようにしたものが開示されており、また、特許文献2によれば、振込先口座の所有者の操作によって振り込み取引が可能とされたものが開示されており、これらの振り込みカードを用いることにより、ATMによる振り込み操作が容易化され、その利便性が向上することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−73539号公報
【特許文献2】特開2003−67815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献に記載されたものは、いずれも、定型的な取引、即ち一定金額を一定の口座から一定の口座へ定期的に振り込む場合にのみ使用できるものであって、任意の口座に対し、任意の金額を振り込めるものではなく、用途が極めて限られたものである。
【0008】
本発明は、ATMに関する上記のような実情に鑑み、面倒なATM操作を支援するものとして、非定型的な任意の取引についても適用可能で、かつ認証情報を活用することにより安全性を確保したシステム、プログラム、記録媒体、及びATMを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本出願の請求項1に記載の発明は、銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援システムであって、金融機関のホストコンピュータとは分離されてインターネットを介してクライアント端末に接続されるサーバコンピュータによって構成され、上記クライアント端末に、該クライアント端末からの要求に応じて操作画面を送信する操作画面送信手段と、該送信手段で送信した操作画面上で入力されたATM操作情報を受け付ける操作情報受付手段と、上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報を受け付ける一時認証情報受付手段と、上記両受付手段で受け付けたATM操作情報と一時認証情報とを関連付けて、上記クライアント端末のデータ書込装置にセットされたATM読み取り可能な記録媒体に書き込むデータ書込手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のシステムにおいて、上記記録媒体に予め個人認証情報が記録されている場合に、上記クライアント端末に、個人認証情報を入力するための個人認証情報入力手段と、該入力手段で個人認証情報が入力された後、上記サーバコンピュータを起動させるサーバコンピュータ起動手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】
一方、請求項3に記載の発明は、銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援プログラムであって、金融機関のホストコンピュータとは分離されてインターネットを介してクライアント端末に接続されるサーバコンピュータを、上記クライアント端末に、該クライアント端末からの要求に応じて操作画面を送信する操作画面送信手段、該送信手段により送信した操作画面上で入力されたATM操作情報を受け付ける操作情報受付手段、上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報を受け付ける一時認証情報受付手段、上記両受付手段で受け付けたATM操作情報と一時認証情報とを関連付けて、上記クライアント端末のデータ書込装置にセットされたATM読み取り可能な記録媒体に書き込むデータ書込手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載のプログラムにおいて、上記記録媒体に予め個人認証情報が記録されている場合に、上記クライアント端末を、個人認証情報を入力するための個人認証情報入力手段、該入力手段で個人認証情報が入力された後、上記サーバコンピュータを起動させるサーバコンピュータ起動手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項5に記載の発明は、銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援用記録媒体であって、上記ホストコンピュータとは分離されたサーバコンピュータからインターネットを介してクライアント端末に送信される操作画面上で入力されたATM操作情報と、上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報とが関連付けて記録されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、上記請求項5に記載の記録媒体において、上記サーバコンピュータを起動させるために上記クライアント端末で個人認証情報が入力される場合に、該クライアント端末で入力される個人認証情報に対応する個人認証情報が予め記録されていることを特徴とする。
【0015】
そして、請求項7に記載の発明は、銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続され、該ホストコンピュータとは分離されたサーバコンピュータと該サーバコンピュータにインターネットを介して接続されたクライアント端末とで作成されたATM操作支援用記録媒体が使用されるATMであって、一時認証情報を入力するための一時認証情報入力手段と、上記記録媒体に記録されているATM操作情報と、これに関連付けて記録されている有効期限付きの一時認証情報とを読み出す情報読出手段と、上記一時認証情報入力手段で入力された一時認証情報と上記情報読出手段で読み出した一時認証情報とを照合し、認証が成立したときに該一時認証情報に関連付けられているATM操作情報に基づいて処理を実行させる実行手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
まず、請求項1に記載の発明によれば、クライアント端末から当該システムにアクセスすれば、例えば実際のATMの操作画面と同様の画面が送信されてクライアント端末に表示されることになる。そこで、利用者は、ATMにおける操作と同様の操作を行い、例えば取引態様が入金や出金の場合には、その種別を示す情報と、自分の所有する金融機関の口座情報と、入金又は出金する金額等のATM操作情報を入力する。また、振込の場合は、これらの情報に加えて、振込先口座情報を入力する。
【0017】
これらの情報は、操作情報受付手段によって受け付けられた後、データ書込手段により、金融機関のATMによって読み取り可能な記録媒体に書き込まれる。
【0018】
したがって、これを金融機関に持参し、書き込んだ情報をATMに読み取らせれば、取引の種別や金額、或いは振込先金融機関の口座番号等の入力を要することなく、ATMで直接操作した場合と同様に、入出金や振込等を行うことが可能となる。
【0019】
そして、この発明では、記録媒体に、上記ATM操作情報と共に、該情報に関連付けて有効期限付きの一時認証情報が書き込まれており、この一時認証情報と、記録媒体をATMで使用する際に該ATMに入力される一時認証情報とが照合されるので、例えばこの一時認証番号を知らない者による使用や有効期限を過ぎた使用が阻止され、この記録媒体を用いたATMでの取引の安全性が確保されることになる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、記録媒体に予め個人認証情報が記録されている場合には、該記録媒体にクライアント端末でATM操作情報を書き込む際にも個人認証情報が入力されるので、例えばこの個人認証情報が一致した場合のみサーバコンピュータを起動させるように構成することにより、該記録媒体を用いた取引の安全性を二重に確保することが可能となる。
【0021】
さらに、請求項3、4に記載の発明によれば、これらの発明に係るプログラムをコンピュータに搭載することにより、請求項1、2に記載のシステムについての効果と同様の効果が実現され、また、請求項5、6に記載の発明によれば、これらの発明に係る記録媒体を用いることにより、上記請求項1、2に記載のシステムについての効果と同様の効果が実現される。さらに、請求項7に記載の発明に係るATMによれば、上記請求項1に記載のシステムと同様の効果が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム構成図である。
【図2】操作記録カードの記録内容の説明図である。
【図3】操作記録カードに記録されている口座情報テーブルの説明図である。
【図4】転送先情報テーブルの説明図である。
【図5】操作データ一覧テーブルの説明図である。
【図6】操作データ詳細テーブルの説明図である。
【図7】システム起動動作を示すフローチャートである。
【図8】システム起動時に表示される口座選択画面の説明図である。
【図9】暗証番号入力画面の説明図である。
【図10】ATM操作情報入力動作を示すフローチャートである。
【図11】ATM操作情報入力時に表示される取引種別選択画面の説明図である。
【図12】入金金額入力画面の説明図である。
【図13】操作終了画面の説明図である。
【図14】取引種別選択画面の説明図である。
【図15】振込方法選択画面の説明図である。
【図16】振込元口座確認画面の説明図である。
【図17】振込先銀行選択画面の説明図である。
【図18】振込先口座入力画面の説明図である。
【図19】振り込み金額入力画面の説明図である。
【図20】振込先・振込金額確認画面の説明図である。
【図21】操作終了画面の説明図である。
【図22】操作内容確認画面の説明図である。
【図23】一時保存画面の説明図である。
【図24】処理選択画面の説明図である。
【図25】操作データ書き込み画面の説明図である。
【図26】操作データ確認画面の説明図である。
【図27】操作データ書き込み画面の説明図である。
【図28】操作データ一覧画面の説明図である。
【図29】操作データ転送画面の説明図である。
【図30】操作データ内容表示画面の説明図である。
【図31】転送実行画面の説明図である。
【図32】ATM操作情報受信動作を示すフローチャートである。
【図33】ATM操作情報受信時に表示される操作データ転送画面の説明図である。
【図34】同画面の受信終了時の状態の説明図である。
【図35】操作データ内容確認画面の説明図である。
【図36】操作データ書き込み画面の説明図である。
【図37】ATMのメニュー画面の説明図である。
【図38】操作カード挿入説明画面の説明図である。
【図39】操作データの一覧表示画面の説明図である。
【図40】操作データの詳細表示画面の説明図である。
【図41】暗証番号入力画面の説明図である。
【図42】終了画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1に示すように、この実施の形態に係るシステムはサーバコンピュータ11を中心として構成され、このサーバコンピュータ11にインターネット12を介してクライアントコンピュータ13…13が接続可能とされている。
【0025】
これらのクライアントコンピュータ13には、サーバコンピュータ11から提供されたATM操作情報をICカード等でなる操作記録カードAに書き込み、或いは該カードAに格納された各種情報を読み取るためのカードリードライタ13aが付属機器として備えられている。
【0026】
また、上記サーバコンピュータ11には、振り込み先となる多数の銀行口座に関する情報、例えばその口座が設けられている銀行及びその支店のコード、普通か当座かの口座種別、口座名義人等の情報が記録された銀行口座情報データベース11aと、上記クライアントコンピュータ13…13からの要求を受け、Webページの送信、入力情報の受け付け、及び上記操作記録カードAへのATM操作情報の書き込み等の処理を制御する情報制御部11bと、上記クライアントコンピュータ13…13との間での情報の送受信を制御する通信制御部11cとが備えられている。
【0027】
また、各銀行の支店に備えられたATM14…14は、銀行オンラインネットワーク15を介して、各銀行の管理センターに備えられたホストコンピュータ16…16に接続されており、ATM14…14による入金、出金、振り込み、残高照会等の操作により、ホストコンピュータ16…16に備えられた銀行取引情報データベース16a…16aが更新又は参照されるようになっている。
【0028】
さらに、ATM14にはそれぞれカードリーダ14aが付属機器として備えられ、上記操作記録カードAに記録されている暗証番号等やATM操作情報等の読み出しが可能とされている。そして、ATM14は、操作記録カードAから読み出した操作情報が示す操作内容を、タッチパネル式入力部に直接入力されたものとして扱い、暗証番号等のチェックを行った上で、読み出した操作情報に基づいて、タッチパネル式入力部に直接入力された場合と同様に動作するように構成されている。
【0029】
なお、各銀行の管理センターから提供された口座情報がサーバーコンピュータ11の銀行口座情報データベース11aに記録されるようになっている。
【0030】
次に、上記操作記録カードAに書き込まれる情報について説明すると、図2に示すように、このカードAには、口座情報テーブルT1と、転送先情報テーブルT2と、操作データ一覧テーブルT3と、操作データ詳細テーブルT4とが記録されるようになっており、また、このカードAには、当該システムを立ち上げるためのプログラムが記録されている。
【0031】
ここで、上記各テーブルT1〜T4の構成を説明すると、口座情報テーブルT1は、当該操作記録カードAの所有者或いは利用者(以下、単に「利用者」という)が所有する銀行口座に関する情報を記録するもので、図3に示すように、口座IDをキーとして、銀行名、支店名、口座番号、口座種別、名義及びその口座について設定した暗証番号が記録されるようになっており、これらのデータでなる口座を複数件登録可能とされている。
【0032】
また、転送先情報テーブルT2は、操作データを他のクライアントコンピュータに転送し、その転送先のコンピュータで操作データを操作記録カードAに書き込む場合のために、事前に登録した転送先に関する情報を記録するものであり、図4に示すように、転送先IDをキーとして、転送相手(転送先コンピュータの所有者等)の氏名と、電子メールアドレスとを記録するようになっており、複数件の登録が可能とされている。
【0033】
また、操作データ一覧テーブルT3は、今回ATMで実行したい操作の一覧を記録するもので、図5に示すように、操作番号をキーとして、各操作ごとに設定する一時暗証番号と、その暗証番号の有効期限と、その操作の内容を識別するために付す操作データ名とを記録するようになっており、複数件の記録が可能となっている。
【0034】
さらに、操作データ詳細テーブルT4は、上記操作データ一覧テーブルT3に記録した各操作の内容を具体的に記録するもので、図6に示すように、一覧テーブルT3でキーとして設定された操作番号と、この実施の形態の場合、「入金」、「出金」、「振込」のいずれかの取引種別と、その操作データの詳細内容と、その操作に要する手数料とを記録するようになっており、図例の場合、番号「1」の操作は1つの「出金」操作と2つの「振込」操作とでなっており、番号「2」の操作は各1つの「振込」操作と「出金」操作とでなっている。
【0035】
次に、この実施の形態に係るシステムの動作を、フローチャート及びクライアントコンピュータ13に表示される画面の図を参照して説明する。
【0036】
まず、当該クライアントコンピュータ13のカードリードライタ13aに操作記録カードAをセットすれば、該カードAに記録されているシステム起動プログラムが立ち上がり、図7に示すフローチャートに従って起動処理が実行される。
【0037】
即ち、まずステップS1として、クライアントコンピュータ13のディスプレイに、図8に示す口座選択画面W1が表示され、この画面W1に操作記録カードAの口座情報テーブルT1に記録されている口座情報が選択可能な銀行口座の一覧として表示される。そこで、今回使用する口座を選択し、選択ボタンB1をクリックする。
【0038】
次に、ステップS2として、図9に示す暗証番号入力画面W2が表示されるので、上記画面W1で選択した口座についての暗証番号を入力し、確認ボタンB2をクリックする。
【0039】
これにより、当該システムが起動し、インタ−ネット12を介してサーバコンピュータ11から各種の入力操作用等のWebページが送信され、当該クライアントコンピュータ13に順次表示されるので、利用者は、これに従って必要な事項の入力操作を行うことになる。
【0040】
この操作の手順は、図10に示すフローチャートに示す通りであって、まず、ステップS11で、図11に示す取引種別選択画面W3が表示されるので、今回入力する操作対象の取引種別を選択し、該当するボタンをクリックする。
【0041】
今、まず、図11に示すように、例えば「入金」選択ボタンB3をクリックしたものとすると、フローチャートのステップS12からステップS13を実行することになって、次に表示される図12の金額入力画面W4上で、先に図8の画面W1で選択した口座への入金金額を入力する。
【0042】
そして、入力した金額を確認し、「次へ」ボタンB6をクリックすれば、図13に示す操作終了画面W5が表示され、この画面W5上で、「操作選択画面へ」ボタンB7又は「全操作終了」ボタンB8のいずれかをクリックする。
【0043】
また、上記取引種別選択画面W3で、「出金」選択ボタンB4をクリックすると、フローチャートのステップS12からステップS14を実行することになって、次に表示される同じく図12の金額入力画面W4上で、先に選択した口座からの出金金額を入力する。なお、この場合、画面W4の「入金金額」という個所は、「出金金額」とされる。
【0044】
そして、入力した金額を確認し、「次へ」ボタンB6をクリックすれば、「入金」の場合と同様に、図13の操作終了画面W5が表示され、この画面W5上で、「操作選択画面へ」ボタンB7又は「全操作終了」ボタンB8のいずれかをクリックする。
【0045】
さらに、上記取引種別選択画面W3で、図14に示すように「振込」選択ボタンB5をクリックすると、フローチャートのステップS12からステップS15〜S17を実行することになり、まず、ステップS15として、図15に示す振込方法選択画面W6が表示され、この画面W6上で、現金で振り込むか、キャッシュカードで振り込むかを選択する。
【0046】
そして、いずれかの選択ボタンB9又はB10をクリックすれば、次に、図16に示す振込人の口座を確認するための振込元口座確認画面W7が表示され、この画面W7に、起動操作時に選択した利用者本人の口座の名義が操作記録カードAに記録されている口座情報テーブルT1から読み出されて表示される。そして、表示された名義の口座でよければ、「次へ」ボタンB11をクリックし、振込元口座を変更する場合は、「変更」ボタンB12をクリックする。
【0047】
次に、ステップS16として、図17に示す振込先銀行選択画面W8が表示される。この画面W8上で複数の銀行選択ボタンB13…B13のいずれかをクリックすると、次に、選択した銀行について、図18に示す振込先口座情報入力画面W9が表示されるので、この画面W9上で、先に選択した銀行の支店名、口座種別、口座番号、及び名義の各情報を入力する。そして、「次へ」ボタンB14をクリックする。
【0048】
なお、このとき、入力した振込先の口座情報はサーバーコンピュータ11に送信され、該サーバコンピュータ11に備えられた銀行口座情報データベース11aに記録されているデータと照合される。そして、不一致の場合には、その旨が画面W9に表示されるようになっている。
【0049】
さらに、ステップS17として、図19に示す振込金額入力画面W10が表示されるので、この画面W10上で振込金額を入力し、「次へ」ボタンB15をクリックする。このとき、図20に示す振込先・振込金額確認画面W11が表示されるので、その表示内容を確認する。そして、「確認」ボタンB16をクリックすれば、図21に示すように、図13で示した前述の操作終了画面W5が表示され、この画面W5上で、上記の「入金」、「出金」の場合と同様に、「操作選択画面へ」ボタンB7又は「全操作終了」ボタンB8のいずれかをクリックする。
【0050】
以上のようにして、クライアントコンピュータ13に選択した取引種別に応じた操作画面が表示され、これらの画面に要求された事項を順次入力することになる。そして、1つの操作についての内容を入力すれば、次に、フローチャートのステップS18として、他の操作について継続して入力するか否かを判断することになる。
【0051】
つまり、同一の口座について他の操作を入力する場合は、図13又は図21の操作終了画面W5の「操作選択画面へ」ボタンB7をクリックすることになり、この場合、図11又は図14に示す操作選択画面W3が再び表示されて、「入金」、「出金」、「振込」のいずれかの取引種別についての操作内容を繰り返し入力することができる。
【0052】
そして、全ての操作についての入力を終了すれば、上記操作終了画面W5の「全操作終了」ボタンB8をクリックすることになる。このとき、フローチャートのステップS19が実行され、入力された操作情報が一時的に保存される。
【0053】
この一時保存に際しては、まず、図22に示す操作内容確認画面W12が表示される。図例の場合は、自己の所有するA銀行、A1支店の普通預金口座「#999999」について、B銀行、B1支店の普通預金口座「#888888」へ「30,000円」を振り込み、C銀行、C1支店の普通預金口座「#777777」へ「10,000円」を振り込み、さらに、現金「10,000円」を出金した場合の内容を表示している。
【0054】
そして、内容に間違いがなければ「保存」ボタンB17をクリックすることになるが、このとき、図23に示す一時保存画面W13が表示され、上記のような一連の操作が、例えば「操作データ1」として一時的に保存されたことが示される。
【0055】
以上のような操作を繰り返し実行する場合には、一時保存画面W13の「続ける」ボタンB18をクリックすればよく、この場合、フローチャートのステップS20からステップS21、S22として、前述の起動時と同様の処理が行われ、図8の口座選択画面W1での自己の口座の選択と、図9の暗証番号入力画面W2での選択した口座の暗証番号の入力とが行われる。そして、ステップS11〜S19を再度実行することになり、この入力情報は、「操作データ2」として一時保存される。
【0056】
このようにして、所要の操作についてデータを全て入力すれば、図23の一時保存画面W13の「終了」ボタンB19をクリックする。
【0057】
次に、一時保存した操作データを操作記録カードAに書き込み、或いは他のクライアントコンピュータ13に転送する処理が行われる。
【0058】
つまり、図23の一時保存画面W13で「終了」ボタンB19をクリックすれば、図24に示す処理選択画面W14が表示される。そして、この画面W14で、「操作カードに書き込み」ボタンB20をクリックすれば、フローチャートのステップS23からステップS25、26が実行されることになる。
【0059】
この場合、まず、図25に示す操作データ書き込み画面W15が表示され、この画面W15上で、入力した操作データのうち、操作記録カードAに書き込むデータを選択し、「選択」ボタンB22をクリックする。
【0060】
このとき、図26の操作データ確認画面W16が表示され、例えば「操作データ1」を選択した場合には、図示のように、自己の所有するA銀行、A1支店の普通預金口座「#999999」について、B銀行、B1支店の普通預金口座「#888888」へ「30,000円」振り込み、C銀行、C1支店の普通預金口座「#777777」へ「10,000円」振り込み、さらに、現金「10,000円」を出金する、一連の操作の内容が表示される。
【0061】
そして、この操作データ確認画面W16では、当該「操作データ1」についての一時暗証番号と、その有効期限とを入力し、その上で、「書き込み」ボタンB23をクリックする。これにより、「操作データ1」が操作記録カードAに書き込まれることになり、このとき、図27の書き込み画面W17が表示されて、その「操作データ1」カードに書き込まれていることが示される。
【0062】
なお、この画面W17には、メモとして利用可能な操作データ名の入力欄が設けれられており、この欄に入力された操作データ名が図5の操作データ一覧テーブルT3に記録されるようになっている。
【0063】
その後、書き込みが終了すれば、図28の操作データ一覧画面W18が表示され、さらに「操作データ2」以下について、操作記録カードAに書き込むか否かを選択し、いずれかの操作データを選択して「続ける」ボタンB24をクリックすれば、その操作データについて、図26の操作データ確認画面W16上での一時暗証番号及びその有効期限の入力を行うことになり、「終了」ボタンB25をクリックすれば、必要な操作データの操作記録カードAへの書き込みが終了することになる。
【0064】
一方、図24の処理選択画面で、「他のコンピュータへ転送」ボタンB21をクリックすれば、フローチャートのステップS23からステップS26、S27が実行されることになる。
【0065】
つまり、まず図29の操作データ転送画面W19が表示され、一時保存されている操作データの一覧が表示されるので、いずれかのデータを選択すると共に、そのデータについての転送先をプルダウンメニューから選択する。このメニューには、操作記録カードAに記録されている転送先情報テーブルT2から読み出された転送先が一覧として表示され、この中から各操作データごとに転送先を指定する。
【0066】
その場合に、各操作データごとに、転送先を指定した上で「次へ」ボタンB26をクリックすれば、図30に示す操作データ内容表示画面W20が表示され、上記「操作データ1」の場合、図示のように、自己の所有するA銀行、A1支店の普通預金口座「#999999」について、B銀行、B1支店の普通預金口座「#888888」へ「30,000円」を振り込み、C銀行、C1支店の普通預金口座「#777777」へ「10,000円」を振り込み、さらに、現金「10,000円」を出金することが表示される。
【0067】
そして、この内容を確認した上で、当該「操作データ1」についての一時暗証番号と、その有効期限とを入力し、その上で、「転送」ボタンB27をクリックする。これにより、「操作データ1」が、図例の場合「xxxx」さんのコンピュータ13に転送されることになり、このとき、図31に示す転送実行画面W21が表示され、「操作データ1」が「xxxx」さんに転送されていることが示される。
【0068】
また、この操作データの転送と同時に、転送先テーブルT2に記録されている「xxxx」さんのアドレスへ、操作データを転送したことを示す電子メールが送信される。
【0069】
そして、転送が完了したことが表示された後、この転送実行画面W21上で「継続」ボタンB28をクリックすれば、フローチャートのステップS28からステップS26、S27が再び実行されることになって、図29、図30の画面W19、W20により、選択された他の操作データが、指定されたいずれかの転送先に転送されることになる。また、「終了」ボタンB29をクリックすれば、操作データの転送が終了する。
【0070】
次に、操作データの転送先のクライアントコンピュータ13における動作を説明する。この動作は、図32のフローチャートに従い、次のように行われる。
【0071】
即ち、当該他のクライアントコンピュータ13の利用者(以下、「代理人」という)が、電子メールによって操作データが送信されてきたことを知り、自分が所有する操作記録カードAをカードリードライタ13aにセットして、当該システムを起動させれば、フローチャートのステップS31として、まず、図33に示す操作データ転送画面W31が開き、「○○○○」さんから操作データが送信されていることが示される。
【0072】
この画面W31には、「受信」ボタンB31、「内容確認」ボタンB32、「書き込み」ボタンB33、及び「終了」ボタンB34が設けられており、まず、「受信」ボタンB31をクリックすれば、ステップS32からステップS33が実行されることになって、操作データが当該クライアントコンピュータ13に受信されると共に、画面W31のコメントの内容が、図34に示すように、受信した旨の内容に切り替わる。
【0073】
また、「内容確認」ボタンB32をクリックすれば、ステップS34からステップS35が実行されることになって、図35に示す操作データ内容確認画面W33が表示され、図例の場合、「○○○○」さんが所有するA銀行、A1支店の普通預金口座「#999999」から、B銀行、B1支店の普通預金口座「#888888」へ「30,000円」を振り込み、C銀行、C1支店の普通預金口座「#777777」へ「10,000円」を振り込み、さらに、現金「10,000円」を出金することが表示される。
【0074】
そして、この内容確認画面W33又は上記操作データ転送画面W31の「書き込み」ボタンB33をクリックすれば、ステップS36からステップS37が実行されることになって、図36に示すように、操作データ転送画面W31に、操作記録カードAに操作データを書き込んでいること、及び一時暗証番号の連絡がある旨のコメントが表示され、これを確認した上で「終了」ボタンB34をクリックすれば、受信した操作データの操作記録カードAへの書き込み作業が完了することになる。
【0075】
以上のようにして、当該操作カードの所有者がみずから操作記録カードAに今回ATMで操作しようとする内容を書き込み、或いはその所有者から操作データを受信した代理人がその内容を操作記録カードAに書き込むことにより、例えば図22等に示す操作内容が記録されたカードAが作成されることになる。
【0076】
そして、上記所有者又は代理人が、その操作記録カードAを持参し、任意の金融機関のATMでそのカードAを使用すれば、上記操作データが示す内容の処理が自動的に行われることになる。
【0077】
ここで、ATMでの操作カードの使用手順を簡単に説明すると、まず、図37に示すように、ATMのタッチパネル式の操作メニュー画面W41で「操作カード」ボタンB41をタッチし、次に図38に示す画面W42の指示に従い、持参した操作記録カードAをカード挿入口に挿入すれば、そのカードAに書き込まれている操作データが読み出されて、図39に示す格納情報一覧画面W43が表示される。
【0078】
この画面W43には、詳細確認ボタンB42が設けられており、一覧表示された操作データを選択した上でこのボタンB42をタッチすれば、図40に示すように、操作データ内容表示画面W44に選択した操作データの内容が表示され、例えば「操作データ1」を選択したときには、図示のように、A銀行からB銀行へ「30,000円振込」、A銀行からC銀行へ「10,000円振込」、及び「現金10,000円出金」という3つの操作が表示される。
【0079】
そして、必要に応じて操作データの内容を確認し、画面W43又は画面W44の「操作開始」ボタンB43又はB44をクリックすれば、さらに図41に示す暗証番号入力画面W45が表示されるので、この画面上で、一時暗証番号を入力し、「確認」ボタンB45をクリックすれば、入力した暗証番号と、当該操作データについて設定された一時暗証番号と、その有効期限とが参照され、暗証番号が一致し、かつ有効期限内であれば、図40の画面W44に示された内容の一連の処理が自動的に行われることになり、その後、図42の終了画面W46が表示されて、ATMにおける所定の処理が完了することになる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように本発明によれば、金融機関に備えられたATMによる取引操作が、安全性を確保しながら容易化されることになり、金融機関のシステム開発産業等の分野で好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0081】
11 サーバコンピュータ
11b 情報制御部(操作画面送信手段、操作情報受付手段、一時認証情報受付手段、データ書込手段)
13 クライアント端末
14 ATM
A 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援システムであって、
金融機関のホストコンピュータとは分離されてインターネットを介してクライアント端末に接続されるサーバコンピュータによって構成され、
上記クライアント端末に、該クライアント端末からの要求に応じて操作画面を送信する操作画面送信手段と、
該送信手段で送信した操作画面上で入力されたATM操作情報を受け付ける操作情報受付手段と、
上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報を受け付ける一時認証情報受付手段と、
上記両受付手段で受け付けたATM操作情報と一時認証情報とを関連付けて、上記クライアント端末のデータ書込装置にセットされたATM読み取り可能な記録媒体に書き込むデータ書込手段とを有することを特徴とするATM操作支援システム。
【請求項2】
上記記録媒体に予め個人認証情報が記録されている場合に、
上記クライアント端末に、
個人認証情報を入力するための個人認証情報入力手段と、
該入力手段で個人認証情報が入力された後、上記サーバコンピュータを起動させるサーバコンピュータ起動手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のATM操作支援システム。
【請求項3】
銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援プログラムであって、
金融機関のホストコンピュータとは分離されてインターネットを介してクライアント端末に接続されるサーバコンピュータを、
上記クライアント端末に、該クライアント端末からの要求に応じて操作画面を送信する操作画面送信手段、
該送信手段により送信した操作画面上で入力されたATM操作情報を受け付ける操作情報受付手段、
上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報を受け付ける一時認証情報受付手段、
上記両受付手段で受け付けたATM操作情報と一時認証情報とを関連付けて、上記クライアント端末のデータ書込装置にセットされたATM読み取り可能な記録媒体に書き込むデータ書込手段として機能させることを特徴とするATM操作支援プログラム。
【請求項4】
上記記録媒体に予め個人認証情報が記録されている場合に、
上記クライアント端末を、
個人認証情報を入力するための個人認証情報入力手段、
該入力手段で個人認証情報が入力された後、上記サーバコンピュータを起動させるサーバコンピュータ起動手段として機能させることを特徴とする請求項3に記載のATM操作支援プログラム。
【請求項5】
銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続されたATMを用いた取引操作の支援用記録媒体であって、
上記ホストコンピュータとは分離されたサーバコンピュータからインターネットを介してクライアント端末に送信される操作画面上で入力されたATM操作情報と、
上記操作画面上で入力され、ATMで入力される一時認証情報と照合される有効期限付きの一時認証情報とが関連付けて記録されていることを特徴とするATM読み取り可能なATM操作支援用記録媒体。
【請求項6】
上記サーバコンピュータを起動させるために上記クライアント端末で個人認証情報が入力される場合に、
該クライアント端末で入力される個人認証情報に対応する個人認証情報が予め記録されていることを特徴とする請求項5に記載のATM操作支援用記録媒体。
【請求項7】
銀行オンラインネットワークを介して金融機関のホストコンピュータに接続され、該ホストコンピュータとは分離されたサーバコンピュータと該サーバコンピュータにインターネットを介して接続されたクライアント端末とで作成されたATM操作支援用記録媒体が使用されるATMであって、
一時認証情報を入力するための一時認証情報入力手段と、
上記記録媒体に記録されているATM操作情報と、これに関連付けて記録されている有効期限付きの一時認証情報とを読み出す情報読出手段と、
上記一時認証情報入力手段で入力された一時認証情報と上記情報読出手段で読み出した一時認証情報とを照合し、認証が成立したときに該一時認証情報に関連付けられているATM操作情報に基づいて処理を実行させる実行手段とを有することを特徴とするATM。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2010−165363(P2010−165363A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31983(P2010−31983)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【分割の表示】特願2003−90511(P2003−90511)の分割
【原出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】