説明

AV機器

【課題】デジタルテレビなどの制御機器と所定のI/Fを介して接続可能なAV機器において、AV機器が実装する機能モジュールを、制御機器が対応する他の機能モジュールの制御情報により制御可能とすると共に、その制御機器が対応する他の機能モジュールに統合してリスト表示する。
【解決手段】AV機器1は、AV−HDDやBlu−ray Discなどの機能モジュール3,4と、機能モジュール3,4以外の他の機能モジュール(D−VHSなど)を制御可能な制御機器(チューナ内蔵デジタルテレビなど)とIEEE1394I/Fを介して接続する手段と、その制御機器からの制御情報を変換して機能モジュール3,4を制御する擬似機能モジュール2とを備える。擬似機能モジュール2は、機能モジュール3,4(AV−HDD,Blu−ray Disc)を、前記他の機能モジュール(D−VHS)に統合してリスト表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AV機器、より詳細には、ネットワーク上のプロトコル伝送を受けて他の機器から制御される複数の機能を有するAV機器に関する。
【背景技術】
【0002】
既に発売されている製品(例えば、Rec−POT(登録商標)、アイ・オー・データ機器製)において、実際にはAV−HDDでありながら、見かけ上D−VHSとして振舞うことにより、過去に発売されたD−VHSコントローラのみを実装したTVやSTBからIEEE1394のAV/CコマンドのTape Subunit用コマンド(テープの再生/録画/早送り/巻き戻しなどを制御する)を用いて制御する手法が実現されている。
【0003】
また、上記製品はBML(Broadcast Markup Language)を用いて自身に記録された録画コンテンツのリストを生成してMPEG2−TSに重畳して出力し、ユーザが録画リストを記録機器側のリモコンで制御し、コンテンツを選択することができる。これらの従来技術では、ユーザはTV画面に表示されたD−VHS制御画面を用いて、実装されているAV−HDDをD−VHSとして制御するが、その操作には2つのリモコンが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記手法では、ある記録メディアを対象とする機能モジュール毎に1つの操作対象として見せるため、機能モジュールを複数実装した場合に、ユーザから見ると同一機器内に同じ機能モジュールが複数存在するように見えてしまい、実際にどの記録メディアを制御しているか判別が難しい、また、機器の操作に複数のリモコンを使い分ける必要があり、ユーザにとって操作が分かりづらい、などの理由から、今後、複数の新機能を実装した機器が出た場合に、古い制御機能(例えば、VHSのみ)しか持たない機器を有するユーザはその機器の制御を容易に行なうことができない。
【0005】
図5は、従来の機能モジュールを複数実装したAV機器の構成例を示す図で、図中、100はAV機器で、該AV機器100は、擬似機能モジュール101,機能モジュール102,擬似機能モジュール103,機能モジュール104を備えている。AV機器100として、例えば、AV−HDD(機能モジュール102)/Blu−ray Disc(機能モジュール104)を備える複合機を代表例として説明する。このAV機器100は、図示しないデジタルテレビジョン装置とIEEE1394I/Fで接続され、デジタルテレビジョン装置の制御画面からIEEE1394のAV/Cコマンドで制御される。
【0006】
機能モジュール102(AV−HDD)、機能モジュール104(Blu−ray Disc)は、通常では個々にDisc SubunitとしてAV機器(Unit)100内部に存在する。しかし、過去に市場に供給されているデジタルテレビジョン装置では、Tape Subunitを持つD−VHSは制御可能であるが、AV−HDDやBlu−ray Disc等のDisc Subunitを制御する術を持たない。
【0007】
そこで、図5に示すように、これら2つのDisc Subunit(機能モジュール102及び機能モジュール104)をそれぞれTape Subunitコマンドで制御して擬似的にD−VHSとして動作するように、擬似機能モジュール101及び擬似機能モジュール103を実装する。このようにモジュールを実装した結果、AV機器100と接続されたデジタルテレビジョン装置に表示される使用機器リストを下記の図6に示す。
【0008】
図6は、従来のAV機器100と接続されたデジタルテレビジョン装置に表示される使用機器リストを示す図である。このように、従来の使用機器リストには同一機器名(DV−HRDxxx)のD−VHSが、機能モジュール102,104に対応して2つ表示される。これは、各機能モジュール(102,104)にそれぞれD−VHSの擬似機能モジュール(101,103)が実装されているためである。このうち、一方は機能モジュール102(AV−HDD)と、他方は機能モジュール104(Blu−ray Disc)と関連付けられているが、使用機器リストにはどちらも同一モデル名(DV−HRDxxx)のD−VHSとして表示されるため、このリスト表示を見ただけではユーザにはどちらのD−VHSが、どちらのDiscメディア(AV−HDDあるいはBlu−ray Disc)と関連付けられているのか判断が付かない。
【0009】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、デジタルテレビジョン装置などの制御機器と所定のインタフェースを介して接続可能なAV機器において、AV機器が実装する機能モジュール(AV−HDD,Blu−ray Discなど)を、制御機器が対応する他の機能モジュール(D−VHSなど)の制御情報により制御可能とすると共に、その制御機器が対応する他の機能モジュールに統合してリスト表示できるようにすること、を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、少なくとも1つの機能モジュールと、該機能モジュール以外の他の機能モジュールを制御可能な制御機器と所定のインタフェースを介して接続する手段と、前記制御機器からの制御情報を変換して前記機能モジュールを制御する制御手段とを備えたAV機器において、該AV機器が備える機能モジュールを、前記他の機能モジュールに統合してリスト表示させる手段を備えていることを特徴としたものである。
【0011】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記AV機器が備える機能モジュールに対して前記制御機器から制御される順番を設定する手段を備え、前記制御手段は、前記設定された順番に従って前記機能モジュールを制御することを特徴としたものである。
【0012】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記AV機器が備える機能モジュールは、ディスク状の記録媒体を駆動する手段からなり、前記制御情報は、テープ状の記録媒体を制御するための情報であることを特徴としたものである。
【0013】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記AV機器が備える機能モジュールの中から残りの記録容量が多い順に機能モジュールを選択する手段を備え、前記制御手段は、前記選択された機能モジュールを制御することを特徴としたものである。
【0014】
第5の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記AV機器が備える機能モジュールを制御可能な制御機器と前記インタフェースを介して接続可能とし、前記機能モジュールは、ディスク状の記録媒体を駆動する手段からなり、前記制御手段は、前記制御機器からの制御情報がテープ状の記録媒体を制御するための情報の場合、該情報により前記ディスク状の記録媒体を制御できるように変換処理を行い、前記制御機器からの制御情報がディスク状の記録媒体を制御するための情報の場合、該情報により前記ディスク状の記録媒体を制御することを特徴としたものである。
【0015】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記テープ状の記録媒体を制御するための情報により前記ディスク状の記録媒体を制御するモードと、前記ディスク状の記録媒体を制御するための情報により前記ディスク状の記録媒体を制御するモードとを切り換えるモード切換手段を備えていることを特徴としたものである。
【0016】
第7の技術手段は、第1の技術手段において、前記制御情報は、前記制御機器を操作するための操作入力手段から入力されることを特徴としたものである。
【0017】
第8の技術手段は、第1の技術手段において、前記インタフェースは、IEEE1394に準拠するインタフェースであることを特徴としたものである。
【0018】
本発明は、過去に発売されたデジタルテレビジョン装置などの制御機器でサポートしていない記録メディア(例えば、AV−HDD,Blu−ray Discなど)を対象とする機能モジュールを1つ以上実装するAV機器において、全ての機能モジュールを統合し、これら全ての機能モジュールを、制御機器でサポートしている機能モジュールとしてリスト表示することにより、ユーザは制御機器のコントロールパネルからあたかも1つの機能モジュールを制御しているように複数の機能モジュールを違和感無く制御することが可能となる。
【0019】
また、制御機器及び被制御機器双方の間で何らかの手段によりコンテンツリストを表示する機能を有する場合において、複数の記録メディア内のコンテンツリストを統合して1つのリストに表示することにより、制御機器がサポート可能な記録メディアにコンテンツが連続して記録されているかのように扱うことが可能となる。
【0020】
さらに、コンテンツを録画する場合、例えば、片方の記録メディアに優先的に録画を行ない、当該記録メディアの空き容量が少ない場合はもう一方の記録メディアに録画するような実装を行なうことで、記録メディアの残容量不足による録画失敗を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、デジタルテレビジョン装置などの制御機器と所定のインタフェースを介して接続可能なAV機器において、AV機器が実装する機能モジュール(AV−HDD,Blu−ray Discなど)を、制御機器が対応する他の機能モジュール(D−VHSなど)の制御情報により制御可能とすると共に、その制御機器が対応する他の機能モジュールに統合してリスト表示できるため、ユーザは機器選択時に混乱することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の機能モジュールを複数実装したAV機器の構成例を示す図で、図中、1はAV機器で、該AV機器1は、擬似機能モジュール2,機能モジュール3,機能モジュール4を備えている。AV機器1として、例えば、AV−HDD(機能モジュール3)/Blu−ray Disc(機能モジュール4)を備える複合機を代表例として説明する。このAV機器1は、図示しないデジタルテレビジョン装置などの制御機器とIEEE1394I/Fにより接続され、デジタルテレビジョン装置の制御画面からIEEE1394のAV/Cコマンドで制御される。本発明のAV機器1は、AV−HDD/Blu−ray Disc複合機に限定されず、例えば、DVDや,リムーバブルハードディスク,メモリカードなどの各種記録媒体を備えた機器としてもよい。また、AV機器1は、デジタル/アナログ放送を受信するためのチューナを内蔵したデジタルテレビジョン装置の他に,チューナ単体,STBなどとIEEE1394I/Fにより接続可能とする。
【0023】
背景技術で説明した図5において、AV−HDD,Blu−ray Discは通常では個々にDisc Subunitとして機器(Unit)内部に存在する。しかしながら、過去に市場に供給されているデジタルテレビジョン装置では、Tape Subunitを持つD−VHSは制御可能であるが、AV−HDDやBlu−ray DiscなどのDisc Subunitを制御する術(すなわち、制御コマンド)を持たない。そこで、これら2つのDisc SubunitをそれぞれTape Subunitコマンドで制御出来るようにして、デジタルテレビジョン装置のユーザには、AV−HDDやBlu−ray Discなどが見かけ上D−VHSとして動作しているように見せる。
【0024】
その結果、図6に示したように、使用機器リストには同一機器名(DV−HRDxxx)のD−VHSが2つ表示される。このうち、一方はAV−HDDであり、他方はBlu−ray Discと関連付けられているが、使用機器リストにはどちらも同一のモデル名(DV−HRDxxx)のD−VHSとして表示されるため、このリスト表示を見ただけではユーザにはどちらのD−VHSがどちらのDiscメディアと関連付けられているのか判断できない。
【0025】
そこで、本発明では、これら複数のDisc Subunitを1つのTape Subunitに統合して、1つのモデル名(DV−HRDxxx)のD−VHSとして使用機器リストに表示させるために、複数の機能モジュール3(AV−HDD),機能モジュール4(Blu−ray Disc)に対応させて、1つの擬似機能モジュール2(D−VHS)を実装する。
【0026】
すなわち、AV機器1は、機能モジュール3(AV−HDD),機能モジュール4(Blu−ray Disc)と、機能モジュール3,4以外の他の機能モジュール(D−VHS)を制御可能な制御機器(チューナ内蔵デジタルテレビなど)とIEEE1394I/Fを介して接続する手段と、その制御機器からの制御情報を変換して機能モジュール3,4を制御する擬似機能モジュール2(D−VHS)とを備える。擬似機能モジュール2は、機能モジュール3(AV−HDD),機能モジュール4(Blu−ray Disc)を、上記他の機能モジュール(D−VHS)に統合してリスト表示させる。
【0027】
図2は、本発明のAV機器1と接続されたデジタルテレビジョン装置に表示される使用機器リストの一例を示す図である。図1に示したように、機能モジュール3,4に対応させて、1つの擬似機能モジュール2を実装することで、使用機器リストには機器名(DV−HRDxxx)のD−VHSが、機能モジュール3,4に対応して1つだけ表示される。このように、使用機器リストにはD−VHSが1つのみ表示されるようになり、ユーザが機器選択時に混乱することが無くなる。この使用機器リストは、AV機器1からの情報に従って、デジタルテレビジョン装置が備えるOSD処理部で生成され、画面上に表示される。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態に係るAV機器1の構成例を示すブロック図で、AV機器1は、ネットワークインタフェース(I/F)部11,メイン制御部12,統合制御部13,モード切換SW14,ストリーム統合制御部15,第1の駆動手段16,第2の駆動手段17を備えている。第1の駆動手段16及び第2の駆動手段17は、例えば、AV−HDDや、Blu−ray Discなどの記録媒体を駆動するための手段であって、以下、第1の駆動手段16をAV−HDDを駆動するための手段(以下、AV−HDD16)、第2の駆動手段17をBlu−ray Discを駆動するための手段(以下、Blu−ray Disc17)とし、これらを代表例として説明する。
【0029】
AV−HDD16は、メディア制御部16a,機構制御部16b,メディア情報管理部16c,ストリーム管理部16d,記録メディア部16eを備え、Blu−ray Disc17は、メディア制御部17a,機構制御部17b,メディア情報管理部17c,ストリーム管理部17d,記録メディア部17eを備えている。
【0030】
図3において、ネットワークI/F部11は、図示しないデジタルテレビジョン装置などの制御機器とIEEE1394で接続するためのインタフェースである。ここで、AV機器1は、D−VHSを制御するためのTape Subunitコントローラのみを持つデジタルテレビジョン装置(以下、Tape制御機器という)と、D−VHSを制御するためのTape Subunitコントローラ及び各種Discを制御するためのDisc Subunitコントローラを持つデジタルテレビジョン装置(以下、Tape/Disc制御機器という)のいずれかと接続される。メイン制御部12は、AV機器1を構成する各部を制御するための制御部で、図示しないCPU及びメモリを備えている。
【0031】
モード切換SW14は、D−VHSモード(すなわち、擬似的にD−VHSに見せるためのダミーモード)、Discモードのいずれかのモードに切り換えるためのスイッチである。このモード切換SW14の具体例としては、例えば、ディップスイッチなどでハード的に切り換えたり、AV機器1が備えるGUI(グラフィティカルユーザインタフェース)に切換画面を表示させて切り換えるといった方法を用いることができる。AV機器1がTape制御機器と接続される場合、モード切換SW14はD−VHSモードに設定され、Tape/Disc制御機器と接続される場合、モード切換SW14はDiscモードに設定される。この際、Tape制御機器、Tape/Disc制御機器の判定処理をAV機器1が自動的に行って、モード切換SW14の切り換えを行うようにしてもよい。例えば、接続された制御機器の識別情報を取得して、この識別情報から当該制御機器がTape Subunitコントローラのみを持つ機器か、Tape Subunitコントローラ及びDisc Subunitコントローラを持つ機器かを判定し、その判定結果に基づいて、モード切換SW14を切り換える。
【0032】
上述したモード切換SW14によりD−VHSモードに設定されると、統合制御部13は、IEEE1394I/Fを介してD−VHS用のTape Subunitコマンドを受け取り、受け取ったTape Subunitコマンドにより内部の各Discメディア(本例ではAV−HDD,Blu−ray Disc)が制御されるように内部的に変換や処理の対応付けを行う。
【0033】
この時、Disc Subunitは複数あるのに対して、外部の制御機器からは1つのTape Subunitとして制御されているため、どちらかのDisc Subunitが優先的に制御される必要がある。この優先度は、例えば、開発時に設計者などが予め設定しても良いし、ユーザにメニュー操作で優先設定を行なわせても良いし、AV機器1が各Discメディアの残容量を判断して残容量の多いDisc Subunitを自動的に選択するように構成しても良い。このように、コンテンツを録画する場合、例えば、片方のDiscメディアに優先的に録画を行ない、当該Discメディアの空き容量が少ない場合はもう一方のDiscメディアに録画するような実装を行なうことで、Discメディアの残容量不足による録画失敗を防止することができる。あるいは、どちらか一方のDisc Subunitのみを選択してTape Subunitと関連付け、もう一方のDisc Subunitを外部から見せないようにすることも可能である。
【0034】
また、統合制御部13は、デジタルテレビジョン装置に対して、図2に示した使用機器リストを表示するように、情報を提示する。この際、制御機器及び被制御機器双方の間で何らかの手段によりコンテンツリストを表示する機能を有する場合において、複数のDiscメディア内のコンテンツリストを統合して1つのリストに表示させてもよい。これにより、制御機器がサポート可能な記録メディア(D−VHS)にコンテンツが連続して記録されているかのように扱うことが可能となる。
【0035】
ストリーム統合制御部15は、制御機器から入力されるストリームを制御して、AV−HDD16のストリーム管理部16dあるいはBlu−ray Disc17のストリーム管理部17dに入力する。
【0036】
AV−HDD16のストリーム管理部16dは、ストリーム統合制御部15から入力されたストリームを管理する。メディア制御部16aは、統合制御部13からの指示に従ってAV−HDD16全体を制御するための制御部で、機構制御部16bは、AV−HDD16の機構部の動作を制御するための制御部である。また、メディア情報管理部16cは、記録メディア部16e(本例ではAV−HDD)にコンテンツを記録する、あるいは再生するためのメディア情報を管理する。
【0037】
同様に、Blu−ray Disc17のストリーム管理部17dは、ストリーム統合制御部15から入力されたストリームを管理する。メディア制御部17aは、統合制御部13からの指示に従ってBlu−ray Disc17全体を制御するための制御部で、機構制御部17bは、Blu−ray Disc17の機構部の動作を制御するための制御部である。また、メディア情報管理部17cは、記録メディア部17e(本例ではBlu−ray Disc)にコンテンツを記録する、あるいは再生するためのメディア情報を管理する。
【0038】
各Discメディアに記録されている複数のコンテンツは、ユーザがリモコンの「順頭出し」あるいは「逆頭出し」ボタンを押すことにより順に選択される。この際、設定されたDisc Subunitの優先順位に従ってコンテンツが選択され、いずれかのDisc Subunitに記録されているコンテンツ総数の端まで進んでさらに「順頭出し」あるいは「逆頭出し」ボタン等が押されると、次のDisc Subunitに記録されたコンテンツがシームレスに選択される。これらの操作は全てデジタルテレビジョン装置のリモコンを通じて行なわれるため、1つのリモコンでデジタルテレビジョン装置及びAV機器を操作でき、操作をシンプル且つ容易にすることができる。
【0039】
図4は、本発明が適用されるAV機器1の制御方法の一例を説明するためのフロー図である。ここではUnit宛てのGeneralコマンドについては説明を割愛する。まず、AV機器1は、制御機器(デジタルテレビジョン装置)からコマンドを受信し、AV機器1がD−VHSモード(ダミーモード)に設定されているかどうかを判断し(ステップS1)、D−VHSモードに設定されていない場合(NOの場合)、どのSubunit Typeへのコマンドかを判断し(ステップS2)、Disc以外のSubunitコマンドの場合(Disc以外のSubunitの場合)、NOT_IMPLEMENTED(未実装)のレスポンスを返し処理を終了する(ステップS3)。また、上記ステップS2において、Disc Subunitコマンドの場合(Disc Subunitの場合)、コマンドに従ってDisc系(AV−HDD,Blu−ray Disc)の通常処理を行う(ステップS4)。
【0040】
次に、AV機器1は、上記ステップS1において、D−VHSモードに設定されていると判断した場合(YESの場合)、どのSubunit Typeへのコマンドかを判断し(ステップS5)、Tape以外のSubunitコマンドの場合(Tape以外のSubunitの場合)、NOT_IMPLEMENTED(未実装)のレスポンスを返し処理を終了する(ステップS6)。また、上記ステップS5において、Tape Subunitコマンドの場合(Tape Subunitの場合)、そのTape Subunitのコマンドがサポートされているかどうかを判断し(ステップS7)、そのコマンドがサポートされている場合(Supportedの場合)、正しいコマンドフォーマットかどうかを判断する(ステップS8)。また、上記ステップS7において、そのコマンドがサポートされていない場合(Not Supportedの場合)、ステップS6に移行する。
【0041】
次に、AV機器1は、上記ステップS8において、正しいコマンドフォーマットであると判断した場合(YESの場合)、そのコマンドのOperandがサポートされている値かどうかを判断する(ステップS9)。また、上記ステップS8において、コマンドフォーマットが正しくないと判断した場合(NOの場合)、ステップS6に移行する。
【0042】
次に、AV機器1は、上記ステップS9において、そのコマンドのOperandの値がサポートされていると判断した場合(Supportedの場合)、どの記録メディアが優先設定されているかどうかを判断する(ステップS10)。また、上記ステップS9において、コマンドのOperandの値がサポートされていないと判断した場合(Not Supportedの場合)、ステップS6に移行する。
【0043】
次に、AV機器1は、上記ステップS10において、記録メディア(Media)Aが優先設定されていると判断した場合(MediaAの場合)、現在MediaAが制御可能かどうかを判断し(ステップS11)、MediaAが制御可能な場合(YESの場合)、ACCEPTEDレスポンスを返し(ステップS12)、Tape SubunitコマンドをMediaA用内部制御コマンドに変換し(ステップS13)、MediaAでコマンドを実行する(ステップS14)。
【0044】
一方、上記ステップS10において、記録メディア(Media)Bが優先設定されていると判断した場合(MediaBの場合)、あるいは、上記ステップS11において、MediaAが制御できる状態にない場合(NOの場合)、現在MediaBが制御可能かどうかを判断し(ステップS15)、MediaBが制御可能な場合(YESの場合)、ステップS12に移行し、ACCEPTEDレスポンスを返し、Tape SubunitコマンドをMediaB用内部制御コマンドに変換し、MediaBでコマンドを実行する。
【0045】
以下同様に、上記ステップS10において、記録メディア(Media...)が優先設定されていると判断した場合(Media...の場合)、あるいは、上記ステップS15において、MediaBが制御できる状態にない場合(NOの場合)、現在Media...が制御可能かどうかを判断し(ステップS16)、Media...が制御可能な場合(YESの場合)、ステップS12に移行し、ACCEPTEDレスポンスを返し、Tape SubunitコマンドをMedia...用内部制御コマンドに変換し、Media...でコマンドを実行する。また、上記ステップS16において、Media...が制御できる状態にない場合(NOの場合)、REJECTEDレスポンスを返し処理を終了する(ステップS17)。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の機能モジュールを複数実装したAV機器の構成例を示す図である。
【図2】本発明のAV機器と接続されたデジタルテレビジョン装置に表示される使用機器リストの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るAV機器の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明が適用されるAV機器の制御方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】従来の機能モジュールを複数実装したAV機器の構成例を示す図である。
【図6】従来のAV機器と接続されたデジタルテレビジョン装置に表示される使用機器リストを示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,100…AV機器、2,101,103…擬似機能モジュール、3,4,102,104…機能モジュール、11…ネットワークI/F部、12…メイン制御部、13…統合制御部、14…モード切換SW、15…ストリーム統合制御部、16…第1の駆動手段(AV−HDD)、16a,17a…メディア制御部、16b,17b…機構制御部、16c,17c…メディア情報管理部、16d,17d…ストリーム管理部、16e,17e…記録メディア部、17…第2の駆動手段(Blu−ray Disc)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機能モジュールと、該機能モジュール以外の他の機能モジュールを制御可能な制御機器と所定のインタフェースを介して接続する手段と、前記制御機器からの制御情報を変換して前記機能モジュールを制御する制御手段とを備えたAV機器において、該AV機器が備える機能モジュールを、前記他の機能モジュールに統合してリスト表示させる手段を備えていることを特徴とするAV機器。
【請求項2】
請求項1に記載のAV機器において、前記AV機器が備える機能モジュールに対して前記制御機器から制御される順番を設定する手段を備え、前記制御手段は、前記設定された順番に従って前記機能モジュールを制御することを特徴とするAV機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のAV機器において、前記AV機器が備える機能モジュールは、ディスク状の記録媒体を駆動する手段からなり、前記制御情報は、テープ状の記録媒体を制御するための情報であることを特徴とするAV機器。
【請求項4】
請求項3に記載のAV機器において、前記AV機器が備える機能モジュールの中から残りの記録容量が多い順に機能モジュールを選択する手段を備え、前記制御手段は、前記選択された機能モジュールを制御することを特徴とするAV機器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のAV機器において、前記AV機器が備える機能モジュールを制御可能な制御機器と前記インタフェースを介して接続可能とし、前記機能モジュールは、ディスク状の記録媒体を駆動する手段からなり、前記制御手段は、前記制御機器からの制御情報がテープ状の記録媒体を制御するための情報の場合、該情報により前記ディスク状の記録媒体を制御できるように変換処理を行い、前記制御機器からの制御情報がディスク状の記録媒体を制御するための情報の場合、該情報により前記ディスク状の記録媒体を制御することを特徴とするAV機器。
【請求項6】
請求項5に記載のAV機器において、前記テープ状の記録媒体を制御するための情報により前記ディスク状の記録媒体を制御するモードと、前記ディスク状の記録媒体を制御するための情報により前記ディスク状の記録媒体を制御するモードとを切り換えるモード切換手段を備えていることを特徴とするAV機器。
【請求項7】
請求項1に記載のAV機器において、前記制御情報は、前記制御機器を操作するための操作入力手段から入力されることを特徴とするAV機器。
【請求項8】
請求項1に記載のAV機器において、前記インタフェースは、IEEE1394に準拠するインタフェースであることを特徴とするAV機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−108837(P2006−108837A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289647(P2004−289647)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】