説明

C型肝炎ウイルスに対するCTLおよび/またはHTL応答を誘導するためのペプチド

本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)から誘導されるペプチド、およびそれらをコードする核酸に関する。ペプチドは、宿主においてCTLおよび/またはHTL応答を誘発するペプチドである。本発明はまた、HCV感染の防止および処置のための組成物ならびにワクチンならびに患者におけるHCV暴露の検出のための診断方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCVタンパク質から誘導され、HLAクラスIおよび/またはクラスII拘束性Tリンパ球応答を誘導することが可能な少なくとも2つのペプチドを含んでなる単離されたポリエピトープペプチドであって、少なくとも1つのペプチドがHLA−C結合性ペプチドであることを特徴とする、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項2】
前記少なくとも2つのペプチドが、遺伝子型1a、1bおよび/または3aのHCVコンセンサス配列に存在することをさらに特徴とする、請求項1に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項3】
少なくとも1つのHLA−C結合性ペプチドが、HLA分子に結合し、前記分子は、HLA−CグループHLA−Cw03、Cw04、Cw06またはCw07から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項4】
少なくとも2つのペプチドが、HLA−C結合性ペプチドならびに、
・HLA分子に結合し、前記分子は、HLA−AグループHLA−A01、−A02、−A03、−A11または−A24から選択されることを特徴とするHLA−A結合性ペプチド、
・HLA分子に結合し、前記分子は、HLA−BグループHLA−B07、−B08、−B35、−B40または−B44から選択されることを特徴とするHLA−B結合性ペプチド、
・HLA分子に結合し、前記分子は、HLA−CグループHLA−Cw03、Cw04、Cw06またはCw07から選択されることを特徴とするHLA−C結合性ペプチド、および
・HLA分子に結合し、前記分子は、HLA−DRB1グループHLA−DRB101、−DRB103または−DRB104から選択されることを特徴とするHLA−DRB1結合性ペプチド、
からなる群から選択されるペプチドからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項5】
少なくとも2つのペプチドが表13および/または14から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項6】
少なくとも1つのHLA−C結合性ペプチドが、配列番号1048、1095、1730、349、475、111、2066、1511、1454、1100および907からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項7】
配列番号557、1241、1456、1478、1833、1887、67、922、66、361、1070、1072、1151、71、1233、1269、75、73、1396、5、87、91、238、265、1661、1753、76、81、92、1933、1934、69、2043、2047、74、63、2053、83、56、155、156、1205、1206、167、1350、47、146、1609、144、3、39、158、16、122、1034、1095、1096、1150、246、1406、23、1483、1512、87、93、1625、1626、59、1710、250、81、1885、1916、1938、2048、271、2083、1、877、17、7、1086、1087、1468、1700、1894、402、836、381、371、853、370、387、307、1237、1289、1343、1418、1419、375、1430、380、450、1582、390、1677、1687、121、386、372、95、443、396、455、1441、436、1719、92、394、1969、287、1237、1289、375、1430、1444、582、1117および59からなる群から選択されるペプチドをさらに含んでなる、請求項6に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項8】
配列番号557、1241、1456、1478、1833、1887、67、922、66、361、1070、1072、1151、71、1233、1269、75、73、1396、5、87、91、238、265、1661、1753、76、81、92、1933、1934、69、2043、2047、74、63、2053、83、56、155、156、1205、1206、167、1350、47、146、1609、144、3、39、158、16、122、1034、1095、1096、1150、246、1406、23、1483、1512、87、93、1625、1626、59、1710、250、81、1885、1916、1938、2048、271、2083、1、877、17、7、1086、1087、1468、1700および1894からなる群から選択されるHLA−A結合性ペプチドから選択される少なくとも3つのペプチドを含んでなる単離されたポリエピトープペプチドであって、
そのことによって、前記ペプチドは、CTL応答を誘導することが可能であることを特徴とする、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項9】
配列番号402、836、381、371、853、370、387、307、1237、1289、1343、1418、1419、375、1430、380、450、1582、390、1677、1687、121、386、372、95、443、396、455、1441、436、1719、92、394、1969、287、1237、1289、375、1430、1444、582、1117および59
からなる群から選択されるHLA−B結合性ペプチドから選択される少なくとも3つのペプチドを含んでなる単離されたポリエピトープペプチドであって、
そのことによって、前記ペプチドは、CTL応答を誘導することが可能であることを特徴とする、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項10】
配列番号1048、1095、1730、349、475、111、2066、1511、1454、1100および907からなる群から選択されるHLA−C結合性ペプチドから選択される少なくとも3つのペプチドを含んでなる単離されたポリエピトープペプチドであって、
そのことによって、前記ペプチドは、CTL応答を誘導することが可能であることを特徴とする、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項11】
配列番号2142、2213、2157、2245、2162、2164、2235、2113、2182、2111、2180、2236、2112、2132、2192、2107、2137、2125、2229、2166、2136、2177、2153、2110、2156、2241、2228、2219、2187、2249、2194、2207、2237、2149、2201、2158、2108および2232からなる群から選択されるHLA−DRB1結合性ペプチドから選択される少なくとも3つのペプチドを含んでなる単離されたポリエピトープペプチドであって、
そのことによって、前記ペプチドは、HTL応答を誘導することが可能であることを特徴とする、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項12】
配列番号2142、2213、2157、2245、2162、2164、2235、2113、2182、2111、2180、2236、2112、2132、2192、2107、2137、2125、2229、2166、2136、2177、2153、2110、2156、2241、2228、2219、2187、2249、2194、2207、2237、2149、2201、2158、2108および2232からなる群から選択される少なくとも1つのHLA−DRB1結合性ペプチドをさらに含んでなる請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項13】
前記少なくとも3つのペプチドが、遺伝子型1a、1bおよび/または3aのHCVコンセンサス配列に存在することをさらに特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項14】
前記ペプチドの少なくとも1つが、異なるHLAグループまたは遺伝子座から誘導されるHLA分子に対する交差結合活性を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項15】
HLA−A結合性ペプチドがHLA分子に結合し、前記分子が、HLA−AグループHLA−A01、−A02、−A03、−A11または−A24から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項16】
HLA−B結合性ペプチドがHLA分子に結合し、前記分子が、HLA−BグループHLA−B07、−B08、−B35、−B40または−B44から選択されることを特徴とする、請求項9に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項17】
HLA−C結合性ペプチドがHLA分子に結合し、前記分子が、HLA−CグループHLA−Cw03、Cw04、Cw06またはCw07から選択されることを特徴とする、請求項10に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項18】
HLA−DRB1結合性ペプチドがHLA分子に結合し、前記分子が、HLA−DRB1グループHLA−DRB101、−DRB103または−DRB104から選択されることを特徴とする、請求項11または12に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項19】
少なくとも2つのペプチドが、異なるHLA遺伝子座から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項20】
配列番号557、1241、1456、1478、1833、1887、67、922、66、361、1070、1072、1151、71、1233、1269、75、73、1396、5、87、91、238、265、1661、1753、76、81、92、1933、1934、69、2043、2047、74、63、2053、83、56、155、156、1205、1206、167、1350、47、146、1609、144、3、39、158、16、122、1034、1095、1096、1150、246、1406、23、1483、1512、87、93、1625、1626、59、1710、250、81、1885、1916、1938、2048、271、2083、1、877、17、7、1086、1087、1468、1700、1894、402、836、381、371、853、370、387、307、1237、1289、1343、1418、1419、375、1430、380、450、1582、390、1677、1687、121、386、372、95、443、396、455、1441、436、1719、92、394、1969、287、1237、1289、375、1430、1444、582、1117、59、1048、1095、1730、349、475、111、2066、1511、1454、1100、907、2142、2213、2157、2245、2162、2164、2235、2113、2182、2111、2180、2236、2112、2132、2192、2107、2137、2125、2229、2166、2136、2177、2153、2110、2156、2241、2228、2219、2187、2249、2194、2207、2237、2149、2201、2158、2108および2232からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる単離されたペプチド。
【請求項21】
50アミノ酸残基未満の免疫原性ペプチドに含まれる請求項20に記載のペプチド。
【請求項22】
前記ペプチドはHLAクラスIおよび/またはクラスII拘束性Tリンパ球応答を誘導することが可能である、請求項20または21に記載のペプチド。
【請求項23】
請求項20に記載のペプチドのアミノ酸配列に少なくとも70%同一であるアミノ酸配列からなる単離されたペプチドであって、HLAクラスIおよび/またはクラスII拘束性Tリンパ球応答を誘導することが可能である、単離されたペプチド。
【請求項24】
表13および14から選択される2つもしくはそれ以上のエピトープを含んでなる単離されたネステッドエピトープ。
【請求項25】
2つもしくはそれ以上のエピトープは表Aから選択される、請求項24に記載のネステッドエピトープ。
【請求項26】
配列番号2254〜2278によって同定されるアミノ酸配列、またはその一部からなる、請求項24または25に記載のネステッドエピトープ。
【請求項27】
9〜35アミノ酸からなる請求項24〜26のいずれか一項に記載のネステッドエピトープ。
【請求項28】
請求項20〜27のいずれか一項に記載の少なくとも1つのペプチドまたはネステッドエピトープを含んでなる、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項29】
請求項20〜27のいずれか一項に記載の少なくとも2つのペプチドまたはネステッドエピトープを含んでなる、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項30】
請求項20〜27のいずれか一項に記載の少なくとも3つのペプチドまたはネステッドエピトープを含んでなる、単離されたポリエピトープペプチド。
【請求項31】
少なくとも3つのペプチドが、少なくとも2つのHLA−B結合性ペプチドを少なくとも1つのHLA−A結合性ペプチドまたは少なくとも1つのHLA−C結合性ペプチドと組み合わせたものである、請求項30に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項32】
少なくとも2つのHLA−B結合性ペプチドがHLA−B遺伝子座内の異なるHLAグループから選択される、請求項31に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項33】
少なくとも1つのHLA−A結合性ペプチド、少なくとも1つのHLA−B結合性ペプチドおよび少なくとも1つのHLA−C結合性ペプチドを含んでなる、請求項30に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項34】
前記少なくとも2つもしくは3つのペプチドが、遺伝子型1a、1bおよび/または3aのHCVコンセンサス配列に存在することを特徴とする、請求項29〜33のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項35】
HTLエピトープをさらに含んでなる、請求項28〜34のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項36】
HTLエピトープが表14から選択される、請求項35に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項37】
HTLエピトープがPANDR結合性ペプチドである、請求項35に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項38】
少なくとも1つのHLAクラスI結合性ペプチド、少なくとも1つのHLAクラスII結合性ペプチドまたは少なくとも1つのHCV由来ペプチドをさらに含んでなる、請求項1〜19および28〜37のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項39】
ペプチドが連続であるか、あるいはリンカーまたはスペーサーアミノ酸もしくはスペーサーペプチドによって分離されるかのいずれか一方である、請求項1〜19および28〜37のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項40】
ペプチドがホモポリマーおよび/またはヘテロポリマーとして存在する、請求項1〜19および28〜37のいずれか一項に記載のポリエピトープペプチド。
【請求項41】
請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープまたはポリエピトープペプチドをコードする、単離された核酸またはポリヌクレオチド。
【請求項42】
少なくとも1つのスペーサー核酸をさらに含んでなる、請求項41に記載の単離された核酸またはポリヌクレオチド。
【請求項43】
シグナル配列および/またはプロモーター配列をさらに含んでなる、請求項41または42に記載の単離された核酸またはポリヌクレオチド。
【請求項44】
請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸またはポリヌクレオチドを含んでなる、ベクター。
【請求項45】
プラスミドである、請求項44に記載のベクター。
【請求項46】
ウイルスベクターである、請求項44に記載のベクター。
【請求項47】
請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項48】
請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸またはポリヌクレオチドをベクターに導入することを含んでなる、請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクターを生成するための方法。
【請求項49】
請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープもしくはポリエピトープペプチド、または請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸もしくはポリヌクレオチド、または請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクター、あるいはそれらの組み合わせを含んでなる、組成物。
【請求項50】
ペプチドまたは核酸が混合物として存在する、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
医薬組成物である、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項52】
薬学的に許容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルのうち少なくとも1つをさらに含んでなる、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
ワクチン組成物である、請求項51または52に記載の組成物。
【請求項54】
医薬品としての使用のための請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープもしくはポリエピトープペプチド、または請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸もしくはポリヌクレオチド、請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクター、または請求項49〜53のいずれか一項に記載の組成物、あるいはそれらの組み合わせ。
【請求項55】
請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープもしくはポリエピトープペプチド、または請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸もしくはポリヌクレオチド、請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクター、または請求項49〜53のいずれか一項に記載の組成物、あるいはそれらの組み合わせの投与を含んでなる、被験体においてHCVに対する免疫応答を誘導するための方法。
【請求項56】
HCVを伴うかまたはその危険性のある被験体の処置のための医薬品の製造のための請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープもしくはポリエピトープペプチド、または請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸もしくはポリヌクレオチド、請求項44〜46のいずれか一項に記載のベクター、または請求項49〜53のいずれか一項に記載の組成物、あるいはそれらの組み合わせの使用。
【請求項57】
合成もしくは組換え的製造工程を含んでなる、請求項1〜40のいずれか一項に記載のペプチド、ネステッドエピトープまたはポリエピトープペプチドを生成するための方法。
【請求項58】
合成的製造工程を含んでなる、請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸またはポリヌクレオチドを生成するための方法。
【請求項59】
被験体が、請求項1〜43のいずれか一項に記載の1つもしくはそれ以上のペプチド、またはそれらをコードする核酸に対して免疫応答を有するかどうかを決定する工程を含んでなる、HCVに暴露された被験体について感染の結果を決定する方法。
【請求項60】
免疫応答を評価するための請求項1〜43のいずれか一項に記載のペプチド、またはそれらをコードする核酸の使用。
【請求項61】
免疫リコール応答を評価するための請求項1〜43のいずれか一項に記載のペプチド、またはそれらをコードする核酸の使用。
【請求項62】
ワクチンの効力を評価するための請求項1〜43のいずれか一項に記載のペプチド、またはそれらをコードする核酸の使用。
【請求項63】
HCVワクチンの治療効果の結果を評価もしくは推定するための請求項1〜43のいずれか一項に記載のペプチド、またはそれらをコードする核酸の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−509654(P2008−509654A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513953(P2007−513953)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052457
【国際公開番号】WO2005/118626
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(399044160)イノジェネティックス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (17)
【氏名又は名称原語表記】INNOGENETICS N.V.
【出願人】(506400524)ファーメクサ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PHARMEXA INC.
【Fターム(参考)】