説明

C末端におけるポリペプチドの結合

本発明は、新規のポリペプチド、それらの合成方法、新規のポリペプチドを含有する医薬組成物、並びに治療用途の医薬におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、タンパク質化学の分野、特に治療用ポリペプチドコンジュゲートに関する。
【0002】
(発明の背景)
様々なヒト由来のポリペプチドが、過去80年以上、種々の病気を処置するための治療剤として使用されている。例えば、クリアランス値があまりに高いため、治療剤として使用される場合、天然ポリペプチドの効能を高め、又は種々の欠点を改善するために、天然ポリペプチドを様々に修飾させることがテストされている。治療用ポリペプチドの分野においては、とりわけ、2つのポリペプチドを結合させることで、互いに有益な薬力学的又は薬物動態学的効果を付与し得るかどうかが研究されている。通常、これらのポリペプチドコンジュゲートは、第1ポリペプチドのC末端と第2のポリペプチドのN末端との間のペプチド結合により連結している二量体化化合物又は融合ポリペプチドである。
【0003】
モノマーポリペプチドと比較した、二量体化ポリペプチドの改良された又は高められた生物学的効果の具体例は、文献に見出すことができる。
Albrechtら(Bioconjugate Chem. 15, 16-26(2004))は、ScFvsを二量体化しており、これはジチオ-架橋を介して二量体化している。
Gaoら(Bioorg. Med. Chem. Lett. 15, 1847-1850(2005))は、エンドモルフィン-2の新規で二価のC末端修飾類似体の構造活性相関を論議している。10倍高い有効性は、このペプチドのC末端を二量体化することにより得られるとされる。C末端の二量体化は、ポリペプチドが結合される対称ジアミンの使用により達成された。この方略は制限された大きさの合成的に利用可能なペプチドについて使用され得る。しかしながら、生物系で生成されたより大きなポリペプチドについては、C末端へのジアミンの選択的結合は、C末端酸の選択的活性化が必要であるために、非常に困難であることが予期されるので、この方略は有用ではない。
Stewart(Peptides 25, 527-532(2004))は、生物活性における、ポリペプチドのN末端での二量体化の顕著な効果を報告している。ペプチドそれ自体は、PC-3癌細胞系のインビボでの成長阻害において何の効果も示さないが、二量体化したものは78%阻害を示す。
【0004】
2つの生体分子の共有結合のためのスペーサーとして使用される二官能性分子は、Liら(Bioorg. Med. Chem. Lett. 15, 5558-5561(2005))により記載されている。
欧州特許第243929号には、ポリペプチドのC末端に、ポリペプチド、レポーター基又は細胞傷害剤を導入するための、カルボキシペプチダーゼのある種の使用が開示されている。
【0005】
例えばPEG化又は脂質付着による共有結合修飾は、いくつかのポリペプチドベースの薬剤学に成功裏に応用され、それらの薬物動態学的及び薬力学的プロフィールが改善されている。しかしながら実際、このアプローチは、常に、薬物動態学的及び薬力学的プロフィールの最適適合性、すなわち、高い活性、延長した循環半減期等を有するポリペプチド化合物を保証する。また、2つのポリペプチドを結合させるために利用可能な方法は、合成され、前臨床及び臨床テストにかけられるポリペプチドコンジュゲートの数を制限する。例えば、治療剤として有用であり得る多くのポリペプチドは、N末端の修飾に影響を受けた生物活性を示し得る。N末端を介した結合により、所望の生物活性が損なわれるので、このようなポリペプチドにとって、ポリペプチドコンジュゲートを生成することは困難であるおそれがある。成分ポリペプチドからある程度純粋な形態で、ポリペプチドコンジュゲートが生成することのできる、医薬、特に治療用化合物として使用される2つのポリペプチドを結合させるための方法が、安全面、調節法及び製造コスト等、全てから要求されている。
【0006】
よって、商業的に意味のある収率で得られ、特定の高活性、延長した血漿半減期、及び/又は製造性、操作性及び処方性に関連して、許容可能な生化学的特性を示すポリペプチドコンジュゲートを生成するために、ポリペプチドを結合する改善された代替法が必要とされている。このような方法は、ここで提供される本発明の記述に記載されている、本発明の付加的な側面、特徴及び利点により提供される。これらの側面は十分に記載されており、本発明のさらなる側面、特徴及び利点は、ここに提供されている本発明の記載から明らかになるであろう。
【0007】
(発明の要約)
例えば、いくつかの種類の2つのポリペプチドが互いに極めて近接している場合は、それらの生物活性を高めるために、2つの異なるポリペプチドが互いに結合している場合は、2つの異なる生物学的効果を組合せるために、及び/又は少なくとも一方の結合されたポリペプチドの薬物動態パラメータを高めるために、ポリペプチドを結合させることは有利である。
本発明は、とりわけ、C末端に修飾を有する2つのポリペプチドを、それぞれそれらのC末端で結合させ、C末端を反応させて、2つのポリペプチド間に共有結合を形成させる方法を提供する。
この方法は、高い収率及び純度でポリペプチドコンジュゲートを生成させるのに有用であり、構成ポリペプチドの双方がそのままのN末端を保持可能であることが示されている。
【0008】
一実施態様において、本発明は、2つのポリペプチドをそれぞれのC末端で結合させる方法であって、
(a)反応基を含む化学基を結合されるポリペプチドのC末端に導入することで、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)(i)互いに、2つの化学基の反応基を反応させるか、又は
(ii)スペーサー分子の第1の反応基と第1の化学基の反応基を反応させ、スペーサー分子の第2の反応基と第2の化学基の反応基を反応させる;
ことを含む方法を提供するものである。
【0009】
一実施態様において、本発明は、
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)スペーサー分子の反応基Yと反応基Zとを反応させて、化学基Xを形成させ、
スペーサー分子の反応基Vと反応基Wとを反応させて、化学基Uを形成させる;
ことを含む方法を提供する。
一実施態様において、酵素触媒的修飾は、酵素カルボキシペプチダーゼYにより実施される。
【0010】
(本発明の詳細な記載)
上述したように、本発明は、2つのポリペプチドをそれぞれのC末端で結合させる方法であって、
(a)反応基を含む化学基を結合されるポリペプチドのC末端に導入することで、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)(i)互いに、2つの化学基の反応基を反応させるか、又は
(ii)スペーサー分子の第1の反応基と第1の化学基の反応基を反応させ、スペーサー分子の第2の反応基と第2の化学基の反応基を反応させる;
ことを含む方法を提供するものである。
【0011】
一実施態様において、本発明は、
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)スペーサー分子の反応基Yと反応基Zとを反応させて、化学基Xを形成させ、
スペーサー分子の反応基Vと反応基Wとを反応させて、化学基Uを形成させる;
ことを含む方法を提供する。
【0012】
ポリペプチドのC末端の酵素触媒的修飾は、様々な酵素により実施され得る。一実施態様において、酵素はカルボキシペプチダーゼY(CPY)である。一実施態様において、酵素はカルボキシペプチダーゼYの変異体又は断片であり、変異体又は断片は、タンパク質又はペプチドのC末端アミノ酸が、種々の化学部分で置き換えられることにより、反応を触媒する能力を保持している。カルボキシペプチダーゼYのいくつかの変異体は、当該技術で公知であり;例えば国際公開第98/38285号が参照される。
【0013】
ここで使用される場合、「ポリペプチド」なる用語は、ペプチド結合により共有的に結合する少なくとも5つの構成アミノ酸残基を含有する化合物を意味する。一実施態様において、結合される少なくとも一のポリペプチドは、ペプチド結合により互いに共有的に結合する少なくとも約10、例えば少なくとも約15、例えば少なくとも約20、例えば少なくとも約30、例えば少なくとも約40、例えば少なくとも約50、例えば少なくとも約75、例えば少なくとも約100のアミノ酸残基を含有する、少なくとも一の鎖を含む。一実施態様において、結合される双方のポリペプチドは、ペプチド結合により互いに共有的に結合する少なくとも約10、例えば少なくとも約15、例えば少なくとも約20、例えば少なくとも約30、例えば少なくとも約40、例えば少なくとも約50、例えば少なくとも約75、例えば少なくとも約100のアミノ酸残基を含有する、少なくとも一の鎖を含む。
【0014】
構成アミノ酸は、遺伝暗号によりコードされるアミノ酸の群からのものであってよく、またそれらは遺伝暗号によりコードされない天然アミノ酸、並びに合成アミノ酸であってもよい。遺伝暗号によりコードされない天然アミノ酸は、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシ-グルタミン酸、オルニチン、ホスホセリン、D-アラニン、D-グルタミン酸である。合成アミノ酸は、有機合成により製造されたアミノ酸、例えば遺伝暗号によりコードされたアミノ酸のD-異性体、及びAib(α-アミノイソ酪酸)、Abu(α-アミノ酪酸)、Tle(tert-ブチルグリシン)、及びβ-アラニンを含む。ポリペプチドは、ペプチド単鎖を含んでいてもよいし、又は1以上のポリペプチド鎖を含んでいてもよく、例えばヒト成長ホルモンは単鎖であり、ヒトインシュリンはジスルフィド結合により連結した2本鎖である。もちろん、ポリペプチドが、「第1のポリペプチド」(又はポリペプチドA)として、また「第2のポリペプチド」(又はポリペプチドB)として選択されるかは任意であり、よって本発明の範囲を何ら制限することを目的としているものではない。
【0015】
反応基Zは、CPY-媒介性反応を介して、ポリペプチドAのC末端に導入されてよい。この反応基はスペーサー-分子の反応基Yと反応し、化学基Xが形成され、ポリペプチドAに共有的にスペーサー-分子LLが結合される。反応基Wは、CPY-媒介性反応を介して、ポリペプチドBのC末端に導入されてよい。この反応基はスペーサー-分子の第2の反応基Vと反応し、化学基Uが形成され、ポリペプチドBに共有的にスペーサー-分子LLが結合される。ポリペプチドAとポリペプチドBが同一であるならば、反応基Wは基Zと同一でも異なっていてもよく、スペーサー-分子LL上の反応基Vは、反応基Yと同一でも異なっていてもよい。
【0016】
【化1】

【0017】
また、2つのポリペプチド間のスペーサーは、反応基ZとWが直接反応することにより形成される、化学基Tを有していてよい。
【化2】

【0018】
本発明の一実施態様において、XとUは独立して、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される。
一実施態様において、2つのポリペプチド間のスペーサーは、少なくとも一のエチレングリコールジラジカルを有する。
本発明の一実施態様において、V、W、Y及びZは独立して、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される。
【0019】
一実施態様において、本発明は、
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)反応基Zと反応基Wとを反応させて、化学基Tを形成させる;
ことを含む方法に関する。
【0020】
一実施態様において、Tは、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される。
一実施態様において、W及びZは、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される。
【0021】
本発明において、結合される2つのポリペプチドは同一であってよく、また互いに異なっていてもよい。一実施態様において、2つのポリペプチドは同一である。後者の実施態様において、生物活性の増加は、結合活性効果に起因している。
一実施態様において、2つのポリペプチドは互いに異なっている。このことは、結合される2つのポリペプチドの組織分布が同一であるため、治療用ポリペプチドの完全な新規分野を開く。これによって、結合されるポリペプチド化合物に含まれる一方のポリペプチドは、組織分布を決定するために供給可能であり、これに対し、他方のポリペプチドは、関連組織に所望される所定の生物活性を示すことができる。また、一方のポリペプチドは、結合されるポリペプチド化合物の血漿半減期を高める延長分子(protractor molecule)として供給されてよい。他の可能性は、不安定なポリペプチドのタンパク質分解を防止するために、一方のポリペプチドが、他方の不安定なポリペプチドを保護するために供給されることである。
【0022】
一実施態様において、少なくとも一のポリペプチドは、ヒト成長ホルモン(hGH)、hGHの誘導体、hGHの変異体、又はhGH変異体の誘導体である。
ここで使用される場合、「変異体」なる用語は、付与されたポリペプチドの天然に生じた変異、又は付与されたペプチド又はタンパク質の組換え的に調製された又はそうでなければ修飾された変異のいずれかを称し、ここで一又は複数のアミノ酸残基は、アミノ酸置換、付加、欠失、挿入又は転換により修飾されている。
ここで使用される場合、「誘導体」なる用語は、親ポリペプチドに対し、すなわち任意の種類の分子の共有結合により修飾された、好ましくは生物活性を有するポリペプチド又はその変異体又は断片を称する。
【0023】
一実施態様において、少なくとも一のポリペプチドはhGH-Leu-Alaである。
一実施態様において、化学基ZはリンカーAを介してポリペプチドに導入される。一実施態様において、リンカーAは、オキソで置換されていてもよい、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1−10アルカン、C2−10アルケン、C2-10アルキン、C1−10ヘテロアルカン、C2−10ヘテロアルケン、及びC2−10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい。
この明細書の目的において、ラジカル及び他の化学基又は分子に関して「環状」という用語は、環状/直鎖状の混合分子、すなわち直鎖状部分と環状部分の双方を有する分子を含む。
【0024】
一実施態様において、化学基WはリンカーBを介してポリペプチドに導入される。一実施態様において、リンカーBは、オキソで置換されていてもよい、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1−10アルカン、C2−10アルケン、C2-10アルキン、C1−10ヘテロアルカン、C2−10ヘテロアルケン、C2−10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい。
【0025】
「C1−10アルカン」なる用語は、1〜10の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の飽和した炭化水素残基を含むことを意図している。特定の例は、メタン、エタン、n-プロパン、イソプロパン、n-ブタン、イソブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-オクタン等である。
「C1−10アルキル」なる用語は、C1−10アルカンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0026】
「C2−10アルケン」なる用語は、2〜10の炭素原子と少なくとも一の二重結合を有するオレフィン的に不飽和で分枝状又は直鎖状の炭化水素基を含むことを意図している。このような基の具体例には、限定されるものではないが、エチレン、1-プロペン、2-プロペン、イソプロペン、1,3-ブタジエン、1-ブテン、ヘキセン、ペンテン等が含まれる。
「C2−10アルケニル」なる用語は、C2−10アルケンのモノラジカルを含むことを意図している。
「C2−10アルキン」なる用語は、2〜10の炭素原子と少なくとも一の三重結合を有する不飽和で分枝状又は直鎖状の炭化水素基を含むことを意図している。このような基の具体例には、限定されるものではないが、1-プロピン、2-プロピン 1-ブチン、2-ブチン、1-ペンチン、2-ペンチン等が含まれる。
「C2-10アルキニル」なる用語は、C2-10アルキンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0027】
「ヘテロアレン」なる用語は、一又は複数のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン又は硫黄)を有する5-6員の単環式芳香族系又は9-10員の二環式芳香族系の化合物、例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、プテリジン及びプリン等を含むことを意図している。
「ヘテロアリール」なる用語は、ヘテロアレンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0028】
「C1-10ヘテロアルカン」なる用語は、1〜10の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の飽和した炭素鎖を含むことを意図しており、ここで一又は複数の炭素原子は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン又は硫黄)により置換されている。このようなヘテロアルカンの具体例は、例えば:
【化3】

である。
「C1-10ヘテロアルキル」なる用語は、C1-10ヘテロアルカンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0029】
「C2-10ヘテロアルケン」なる用語は、2〜10の炭素原子と少なくとも一の二重結合を有するオレフィン的に不飽和で分枝状又は直鎖状の炭化水素基を含むことを意図しており、ここで一又は複数の炭素原子は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン又は硫黄)により置換されており、例えば:
【化4】

である。
「C2-10ヘテロアルケニル」なる用語は、C2-10ヘテロアルケンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0030】
「C2-10ヘテロアルキン」は、2〜10の炭素原子と少なくとも一の三重結合を有する不飽和で分枝状又は直鎖状の炭化水素基を含むことを意図しており、ここで一又は複数の炭素原子は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン又は硫黄)により置換されており、例えば:
【化5】

である。
「C2-10ヘテロアルキニル」は、C2-10ヘテロアルキンのモノラジカルを含むことを意図している。
【0031】
本発明の一実施態様において、リンカーA及びリンカーBは独立して、次の式:
【化6】



からなる群から選択される。
本発明の一実施態様において、リンカーA又はリンカーBは、2つのポリペプチドの結合には使用されない、一又は複数の付加的な反応基を有する。
【0032】
一実施態様において、本発明は、ペプチド又はタンパク質のC末端に2つの反応基を導入するための化合物の使用に関し、化合物は次の構造:
【化7】

を有する。
【0033】
一実施態様において、本発明は、化合物N,N'-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((3-(N-((S)-5-(カルバモイル)-5-(hGHイルロイシニルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)ブトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)オメガ−カルバモイル3.4kDa PEG-カルボン酸アミドに関する。
【化8】

【0034】
一実施態様において、本発明は、本発明の方法に従い調製された結合したポリペプチド化合物を提供する。
一実施態様において、本発明は、C末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物を提供するものであり、ここで、該ポリペプチド化合物は、上述した方法の任意の一つで定義された構造を有している。
【0035】
一実施態様において、本発明は、それらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物を提供するものであり、ここで、結合部分は1,2,3-トリアゾール部分を有している。
ここで使用される場合、「結合部分」又は「最終生成物において2つのポリペプチドを結合させる部分」なる用語は、2つのポリペプチドを結合させる部分、すなわち元来のポリペプチドには存在しない全ての原子を有する部分を意味する。
ここで使用される場合、「1,2,3-トリアゾール部分」なる用語は、次の構造:
【化9】

を有するジラジカルを意味する。
【0036】
1,2,3-トリアゾール部分を有する結合部分の具体例は、次の式:
【化10】



のものである。
【0037】
一実施態様において、本発明は、それらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物を提供するものであり、ここで、結合部分は1,2,3-トリアゾール部分を有し、該ポリペプチド化合物は、本発明の方法を使用することにより得られた又は得られる。
一実施態様において、本発明は、それらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物を調製するための本発明の方法を提供するものであり、ここで、結合部分は1,2,3-トリアゾール部分を有する。
この明細書に開示される中間体は、それ自体、本発明の一態様である。
【0038】
コンジュゲート
また、本発明の結合したポリペプチド化合物はコンジュゲート、すなわち非-ポリペプチド部分等の、化学基に結合(コンジュゲート)していてもよい。
よって、重要な一実施態様において、本方法は、化学基に、少なくとも一の構成ポリペプチドをコンジュゲートさせる、同時及び/又は後続工程をさらに含む。このようなコンジュゲートは、還元されたシステイン残基を介して実施されてよく、又はグルタミン酸残基を介して実施されてもよい。
【0039】
コンジュゲートは、結合されたポリペプチド化合物の合成前に、構成ポリペプチドの一方で実施されてよく、又は結合されたポリペプチド化合物が合成された後に実施されてよいと理解される。
例えば、コンジュゲートは、国際公開第02/077218号及び国際公開第01/58935号に開示されているように実施されてもよいし、そうでなければ当該技術で公知のようにされてもよい。
【0040】
一実施態様において、コンジュゲートした化学基は延長基、すなわちポリペプチドへコンジュゲートして、未修飾のポリペプチドと比較した場合に、前記ポリペプチドの循環半減期を増加させる基である。延長効果の背後にある特定の原則は、サイズを増加させ、ペプチダーゼ又は抗体により認識可能なペプチド配列を保護し、又はマクロファージ、又は肝臓等に存在するグルカン特異性レセプターにより認識されないような方法でグルカンをマスキングし、クリアランスを防止又は低減させることに起因する可能性がある。また延長基の延長効果は、例えばアルブミン等の血液成分への結合、又は脈管組織への非特異的付着に起因する可能性もある。コンジュゲートされたポリペプチドは、その生物活性を実質的に保持している。
【0041】
本発明の一実施態様において、延長基は:
(a)一又は複数のカルボン酸、アミン類、スルホン酸、ホスホン酸、又はその組合せを含んでいてよい、低分子の有機帯電ラジカル(15-1000Da)、
(b)場合によっては分枝状であってもよいポリエチレン鎖、又はシクロデキストリン等、低分子(15-1000Da)の中性の親水性分子、
(c)脂肪酸又はコール酸又はその誘導体等、低分子(15-1000Da)の疎水性分子、
(d)2000-60000Daの平均分子量を有するポリエチレングリコール、
(e)700〜20000Da、好ましくは700-10000Daの範囲の正確な分子量を有するデンドリマー等、十分に定義された正確なポリマー、
(f)アルブミン、抗体又はその一部等、実質的に非免疫原生のポリペプチド、例えばアルブミン断片又は抗体断片で、場合によってはFc-ドメインを有していてよいもの、及び
(g)デキストラン等、高分子量の有機ポリマー、
からなる群から選択される。
【0042】
本発明の一実施態様において、延長基は、デンドリマー、ポリアルキレングリコール(PAG)、例えばポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピレングリコール(PPG)を含むポリアルキレンオキシド(PAO)、分枝状PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシラート、ポリ-ビニルピロリドン、ポリエチレン-コ-マレイン酸無水物、ポリスチレン-コ-マレイン酸無水物、及びカルボキシメチルデキストランを含むデキストランからなる群から選択される。本発明の一実施態様において、延長基はPEG基である。
「分枝状ポリマー」、又は交換可能に「樹枝状ポリマー」、「デンドリマー」又は「樹枝状構造」なる用語は、そのいくつかが分枝状部を含む、モノマー構成ブロックから選択されて組立られる有機ポリマーを意味する。
【0043】
本発明の一実施態様において、延長基は、血清タンパク質結合-リガンド、例えばアルブミンに結合した化合物、特に脂肪酸、C5-C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5-C24)等からなる群から選択される。延長基の他の例には、生理学的状態下で電荷特性に変化する部分を有する小有機分子、例えばカルボン酸又はアミン類、又はグリカン特異的認識を防止する中性置換基、例えばより小さいアルキル置換基(例えば、C1-C5アルキル)が含まれる。本発明の一実施態様において、延長基はアルブミンである。
【0044】
一実施態様において、化学基は非-ポリペプチドである。
一実施態様において、化学基はポリエチレングリコール(PEG)、特に500-100000、例えば1000-75000、又は2000-60000の範囲の平均分子量を有するものである。
【0045】
「ポリエチレングリコール」又は「PEG」なる用語は、カップリング剤、結合部分又は活性化部分を伴い又は伴わず(例えば、チオール、トリフラート、トレシラート(tresylate)、アジルジン(azirdine)、オキシラン、ピリジルジチオ、ビニルスルホンを伴う、又は好ましくはマレイミド部分を伴う)ポリエチレングリコール化合物又はその誘導体を意味する。マレイミドモノメトキシPEG等の化合物は、典型的な本発明の活性化PEG化合物である。
PEGは、デキストラン等の多糖類と比較して、架橋可能なわずかな反応基しか有していないため、適切なポリマー分子である。特に、一置換PEG、例えばメトキシポリエチレングリコール(mPEG)は、カップリング化学が比較的単純である(唯一の反応基が、ポリペプチド上の付着基とコンジュゲートするのに利用される)ため、関心がある。その結果、架橋の危険性が排除され、得られたポリペプチドコンジュゲートはより均質であり、ポリマー分子とポリペプチドとの反応が、より容易に制御される。
【0046】
ポリペプチドへポリマー分子を共有結合させるために、ポリマー分子のヒドロキシル末端基を活性形態、すなわち反応性官能基を有する形態で提供する。適切な活性ポリマー分子は、例えばShearwater Corp., Huntsville, Ala., USA、又はPolyMASC Pharmaceuticals plc, UKから商業的に入手可能である。また、ポリマー分子は、国際公開第90/13540号に開示されているような、当該技術で公知の従来からの方法により活性化可能である。本発明で使用するための、活性化された直鎖状又は分枝状のポリマー分子の特定の例は、Shearwater Corp. 1997及び2000カタログ(参照としてここに導入される、Functionalized Biocompatible Polymers for Research and pharmaceuticals, Polyethylene Glycol and Derivatives)に開示されている。活性化されたPEGポリマーの特定の例には、次の直鎖状のPEG:NHS-PEG(例えば、SPA-PEG、SSPA-PEG、SBA-PEG、SS-PEG、SSA-PEG、SC-PEG、SG-PEG、及びSCM-PEG)、及びNOR-PEG)、BTC-PEG、EPOX-PEG、NCO-PEG、NPC-PEG、CDI-PEG、ALD-PEG、TRES-PEG、VS-PEG、IODO-PEG、及びMAL-PEG、及び分枝状のPEG、例えばPEG2-NHS、及び双方とも出典明記によりここに導入される米国特許第5932462号及び米国特許第5643575号に開示されているものが含まれる。さらに、出典明記によりここに導入される次の公報:米国特許第5824778号、米国特許第5476653号、国際公開第97/32607号、欧州特許第229108号、欧州特許第402378号、米国特許第4902502号、米国特許第5281698号、米国特許第5122614号、米国特許第5219564号、国際公開第92/16555号、国際公開第94/04193号、国際公開第94/14758号、国際公開第94/17039号、国際公開第94/18247号、国際公開第94/28024号、国際公開第95/00162号、国際公開第95/11924号、国際公開第95/13090号、国際公開第95/33490号、国際公開第96/00080号、国際公開第97/18832号、国際公開第98/41562号、国際公開第98/48837号、国際公開第99/32134号、国際公開第99/32139号、国際公開第99/32140号、国際公開第96/40791号、国際公開第98/32466号、国際公開第95/06058号、欧州特許第439508号、国際公開第97/03106号、国際公開第96/21469号、国際公開第95/13312号、欧州特許第921131号、米国特許第5736625号、国際公開第98/05363号、欧州特許第809996号、米国特許第5629384号、国際公開第96/41813号、国際公開第96/07670号、米国特許第5473034号、米国特許第5516673号、欧州特許第605963号、米国特許第5382657号、欧州特許第510356号、欧州特許第400472号、欧州特許第183503号及び欧州特許第154316号に、有用なポリマー分子及び/又はPEG化化学が開示されている。
【0047】
ポリペプチドと活性化されたポリマー分子とのコンジュゲートは、任意の従来からの方法を使用して、例えば次の参照(ポリマー分子の活性化についての適切な方法が開示されているもの):R. F. Taylor, (1991), 「Protein immobilisation. Fundamental and applications」, Marcel Dekker, N.Y.; S. S. Wong, (1992), 「Chemistry of Protein Conjugation and Crosslinking」, CRC Press, Boca Raton:G. T. Hermansonら, (1993), 「Immobilized Affinity Ligand Techniques」, Academic Press, N.Y.)に記載されているように実施されてよい。当業者であれば、使用される活性化法及び/又はコンジュゲート化学が、ポリペプチドの結合基(類)(さらに上述にて付与された例)、並びにポリマーの官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、スルフィドリル(sulfydryl)、スクシンイミジル、マレイミド、ビニルスルホン、又はハロアセタート)に依存することを気付いているであろう。PEG化は、ポリペプチド上の全ての有用な結合基(すなわち、ポリペプチド表面に表れた結合基)へのコンジュゲートを指向するものであってもよいし、一又は複数の特異的な結合基、例えばN末端アミノ基(例えば、米国特許第5985265号)を指向するものであってもよい。さらに、コンジュゲートは単一工程又は段階的方式にて達成されてよい(例えば、国際公開第99/55377号に記載)。
【0048】
PEG化は、結合するPEG分子の数、このような分子の大きさ及び形態(例えば、それらが直鎖状又は分枝状であるかどうか)に関し、最適な分子が生成されるように設計されると理解され、ポリペプチドにおいては、このような分子が結合する。使用されるポリマーの分子量は、達成される所望の効果を考慮して選択されるであろう。例えば、コンジュゲートの主要な目的が、高分子量の大きなサイズを有するコンジュゲートを達成するため(例えば、腎クリアランスを低減させるため)のものであるならば、所望の効果を得るために、一方は、一又は少数の高分子量ポリマー分子、又はより小さな分子量を有する多数のポリマー分子のいずれかを、コンジュゲートのために選択してもよい。しかしながら、好ましくは、低分子量を有するいくつかのポリマー分子が使用されるであろう。また、このことは、高度なエピトープ保護が所望されているケースでもしかりである。またこのようなケースにおいては、例えば約5000Daの分子量を有する2-8ポリマー、例えば3-6のこのようなポリマーが使用されてもよい。以下に具体例を例証するように、コンジュゲートのインビボ半減期における機能を改善することに関しては、高分子量を有する少数(例えば、12000-20000のMWを有する1-3)のポリマー分子と比較して、低分子量を有する多数(例えば、5000のMwを有する4-6)のポリマー分子を有することが有利であり得、このことは、2つのケースで、結合したポリマー分子の全分子量が同一又は類似している場合であってもしかりである。多数の小さなポリマー分子が存在していると、少なくともポリマー分子がポリペプチド表面に比較的均質に分布している場合に、例えば単一のさらに大きなポリマー分子よりも、より大きな直径又は見かけサイズを有するポリペプチドが提供されると信じられる。
【0049】
さらに有利な結果が、本発明のコンジュゲートの少なくとも一の主要部分の見かけサイズ(「見かけ分子量」又は「見かけ質量」とも称される)が、少なくとも約50kDa、例えば少なくとも約55kDa、例えば少なくとも約60kDa、例えば少なくとも約66kDaである場合に得られることが見出された。これは、十分に大きな見かけサイズを有するコンジュゲートにとっては、腎クリアランスが実質的に無視されるという事実の故であると考えられている。本文中において、ポリペプチドの「見かけサイズ」は、SDS-PAGE法により測定される。
【0050】
さらに、過度のポリマーコンジュゲートが、化学基(例えば、非ポリペプチド部分)がコンジュゲートしているポリペプチドの活性損失に至らしめる可能性があることが報告されている(さらに以下を参照)。この問題は、例えば官能部位に位置する結合基を除去することにより、又はポリペプチドの官能部位がコンジュゲート化の間、ブロックされるように、コンジュゲートの前に官能部位を可逆的にブロックすることにより無視できる。特に、ポリペプチドと化学基(例えば、非ポリペプチド部分)との間のコンジュゲートは、ポリペプチドの官能部位がヘルパー分子によりブロックされる条件下で実施されてよい。好ましくは、ヘルパー分子は、ポリペプチドの官能部位を特異的に認識するものである。
【0051】
ポリペプチドは、コンジュゲート化を行う前に、好ましくはヘルパー分子と相互作用される。(多くの場合、混合ジスルフィドが還元される工程で使用されるものと同じヘルパー分子(例えばインヒビター)が使用されることが有利である)、このことにより、確実に、ポリペプチドの官能部位は遮断又は保護され、従って、化学基(例えば、非ポリペプチド部分)、例えばポリマーによる誘導体化に利用できなくなる。
ヘルパー分子からの溶出に続き、化学基とタンパク質とのコンジュゲートは、少なくとも部分的に保存された官能部位で回収可能である。
【0052】
以下、本発明を制限するとは見なされない実施態様を列挙する。
実施態様1:
2つのポリペプチドをそれぞれのC末端で結合させる方法であって、
(a)反応基を含む化学基を結合されるポリペプチドのC末端に導入することで、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)(i)互いに、2つの化学基の反応基を反応させるか、又は
(ii)スペーサー分子の第1の反応基と第1の化学基の反応基を反応させ、スペーサー分子の第2の反応基と第2の化学基の反応基を反応させる;
ことを含む方法。
【0053】
実施態様2:酵素がカルボキシペプチダーゼY又はその変異体又は断片であり、変異体又は断片が、タンパク質又はペプチドのC末端アミノ酸が、種々の化学部分で置き換えられることにより反応を触媒する能力を保持している、実施態様1の方法。
実施態様3:酵素がカルボキシペプチダーゼYである、実施態様2の方法。
【0054】
実施態様4:
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)スペーサー分子の反応基Yと反応基Zとを反応させて、化学基Xを形成させ、
スペーサー分子の反応基Vと反応基Wとを反応させて、化学基Uを形成させる;
ことを含む、実施態様1から3のいずれかの方法。
実施態様5:XとUが独立して、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される、実施態様4の方法。
【0055】
実施態様6:工程(b)で形成された2つのポリペプチド間のスペーサーが、少なくとも一のエチレングリコールジラジカルを有する、実施態様1から5のいずれか一つの方法。
実施態様7:V、W、Y及びZが独立して、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される、実施態様4から6のいずれか一つの方法。
【0056】
実施態様8:
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)反応基Zと反応基Wとを反応させて、化学基Tを形成させる;
ことを含む、実施態様1から3のいずれかの方法。
実施態様9:Tが、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される、実施態様8の方法。
実施態様10:W及びZが、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される、実施態様9の方法。
【0057】
実施態様11:2つのポリペプチドが同一である、実施態様1から10のいずれか一つの方法。
実施態様12:2つのポリペプチドが互いに異なっている、実施態様1から10のいずれか一つの方法。
【0058】
実施態様13:少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンである、実施態様1から12のいずれか一つの方法。
実施態様14:少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンの誘導体である、実施態様1から13のいずれか一つの方法。
実施態様15:少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンの変異体又はヒト成長ホルモンの変異体の誘導体である、実施態様1から14のいずれか一つの方法。
実施態様16:少なくとも一のポリペプチドがhGH-Leu-Alaである、実施態様1から15のいずれか一つの方法。
【0059】
実施態様17:化学基ZがリンカーAを介して導入される、実施態様4から16のいずれか一つの方法。
実施態様18:リンカーAが、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1−10アルカン、C2−10アルケン、C2-10アルキン、C1−10ヘテロアルカン、C2−10ヘテロアルケン、C2−10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、そのいずれもオキソで置換されていてよく、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい、実施態様17の方法。
【0060】
実施態様19:化学基WがリンカーBを介して導入される、実施態様4から18のいずれか一つの方法。
実施態様20:リンカーBが、オキソで置換されていてもよい、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1−10アルカン、C2−10アルケン、C2-10アルキン、C1−10ヘテロアルカン、C2−10ヘテロアルケン、C2−10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい、実施態様19の方法。
【0061】
実施態様21:リンカーA及びリンカーBが独立して、次の式:
【化11】


からなる群から選択される、実施態様17から20のいずれか一つの方法。
【0062】
実施態様22:最終生成物において、2つのポリペプチドを結合させる部分が、1,2,3-トリアゾール部分を有する、実施態様1から21のいずれかの方法。
【0063】
実施態様23:化合物N,N'-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((3-(N-((S)-5-(カルバモイル)-5-(hGHイルロイシニルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)ブトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)オメガ−カルバモイル3.4kDa PEG-カルボン酸アミド。
【化12】

【0064】
実施態様24:実施態様1から21のいずれか一つの方法により生成された化合物。
実施態様25:実施態様1から21のいずれか一つの方法を使用することにより得られる化合物。
実施態様26:結合部分によりそれらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物であり、ここで結合部分が1,2,3-トリアゾール部分を有しているポリペプチド化合物。
実施態様27:前記結合部分が、次の式:
【化13】


からなる群から選択される、実施態様26のポリペプチド化合物。
実施態様28:結合部分によりそれらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物であり、ここで結合部分が1,2,3-トリアゾール部分を有しており、該ポリペプチド化合物が、実施態様1から21のいずれかの方法を使用することにより得られた又は得られるポリペプチド化合物。
【0065】
実施態様29:それらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物で、実施態様1から21のいずれか一つに記載の構造を有するポリペプチド化合物。
実施態様30:実施態様23から29のいずれかの化合物と、製薬的に許容可能な担体又は賦形剤を含有する医薬組成物。
実施態様31:患者の疾病又は疾患を処置するための、実施態様23から29のいずれかの化合物の使用。
実施態様32:患者の疾病又は疾患を処置する医薬を製造するための、実施態様23から29のいずれかの化合物の使用。
【0066】
医薬組成物
本発明の結合したポリペプチド化合物は、患者の疾病又は疾患を処置するための医薬組成物として適用される。
一実施態様において、本発明は、その範疇に、製薬的に許容可能な担体又は希釈剤と共に、活性成分として結合されたポリペプチド化合物、又はその製薬的に許容可能な塩を含有する医薬組成物を含む。
【0067】
本発明の化合物は、化合物及び製薬的に許容可能な担体又は希釈剤を含有する医薬組成物に処方され得る。このような担体には、水、生理的食塩水、エタノール、ポリオール類、例えばグリセロール又はプロピレングリコール、又は植物性油が含まれる。ここで使用される場合、「製薬的に許容可能な担体」には、任意の全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗真菌剤、防腐剤、等張剤等も含まれる。任意の従来からの媒体が活性成分及びその意図する使用と不適合でない限りは、本発明の組成物におけるその使用が考慮される。
【0068】
組成物は、従来からの技術により調製されてよく、従来からの形態、例えばカプセル、錠剤、溶液又は懸濁液であってよい。使用される製薬用担体は、従来からの固体状又は液状担体であってよい。固体状担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸である。液状担体の例は、シロップ、ピーナッツ油、オリブ油及び水である。同様に、担体又は希釈液には、当該技術で公知の遅延化物質(delay material)、例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル単独又はロウと混合したものがいつでも含まれる。また処方物は、さらに湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、防腐剤、甘味料、又は香味剤をさらに含有していてもよい。本発明の処方物は、当該技術でよく知られている手順を使用することにより、患者への投与後、活性成分の放出が迅速、持続又は遅延化される様に処方されてよい。
【0069】
医薬組成物は、滅菌し、所望するならば、補助剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、バッファー、及び/又は着色物質等で、活性化合物と有害な反応を生じないものと混合することができる。
【0070】
投与経路は、作用の適切な所望する部位に活性化合物を効果的に輸送する任意の経路、例えば経口又は非経口、特に直腸、経皮、皮下、経鼻、筋肉内、局所、静脈内、尿道内、眼用の溶液又は軟膏であってよく、経口経路が好ましい。
経口投与用の固体状担体が使用される場合、調製物は、パウダー又はペレット形態の硬質ゼラチンカプセルに配されて錠剤化することもでき、トローチ又は薬用キャンデーの形態にすることもできる。固体状担体の量は広範囲で変えてもよいが、通常は約25mg〜約1gである。液状担体を使用する場合、調製物は、シロップ、エマルション、軟質ゼラチンカプセル又は滅菌注入用液、例えば水性又は非水性の液状懸濁液又は溶液の形態であってよい。
【0071】
経鼻投与用として、調製物は、エアゾール用途のために、液状担体、特に水性担体に溶解又は懸濁させて、式(I)の化合物を含有してよい。担体は添加剤、例えば可溶化剤、例えばプロピレングリコール、界面活性剤、吸収促進剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)又はシクロデキストリン、又は防腐剤、例えばパラベンを含有していてよい。
非経口投与用として特に適切なのは、注入用溶液又は懸濁液、好ましくはポリヒドロキシル化ヒマシ油に溶解させた活性化合物を有する水溶液である。
タルク及び/又は炭水化物担体又はバインダー等を有する錠剤、糖衣錠又はカプセルが、経口投与には特に適している。錠剤、糖衣錠又はカプセル用に好ましい担体には、ラクトース、コーンスターチ、及び/又はジャガイモデンプンが含まれる。甘味ビヒクルが使用可能なケースでは、シロップ又はエリキシル剤を使用することができる。
【0072】
従来からの錠剤化技術で調製され得る局所用錠剤は、
コア部:
活性化合物(遊離化合物又はその塩として) 10mg
コロイド状二酸化ケイ素(Areosil(登録商標)) 1.5mg
セルロース、微結晶(Avicel(登録商標)) 70mg
変性セルロースガム(Ac-Di-Sol(登録商標)) 7.5mg
ステアリン酸マグネシウム
コーティング:
HPMC 約9mg
*Mywacett 9-40 T 約0.9mg
*フィルムコーティング用の可塑剤として使用されるアシル化モノグリセリド
【0073】
本発明の化合物は、種々の疾患又は疾病のこのような処置、予防、除去、緩和又は改善が必要とされている哺乳動物、特にヒトに投与され得る。このような哺乳動物には、家畜、例えば家庭用ペット、及び家畜ではない動物、例えば野生動物の双方の動物が含まれる。
【0074】
通常、口、鼻、肺又は経皮投与に適した投与形態は、製薬的に許容可能な担体又は希釈液と混合して、約0.001mg〜約100mg、好ましくは約0.01mg〜約50mgの式Iの化合物を含有する。
本化合物は、経口、直腸、又は非経口(皮下を含む)経路によろうがよるまいが、製薬的に許容可能な担体又は希釈液と同時に、一斉に、又は共に投与されてよい。本化合物は、しばしば、又は好ましくは、そのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩の形態をしている。
適切な投与範囲は、投与の正確な方式、投与形態、投与が指向する兆候、関連した被験者、関連した被験者の体重、及び担当の医師又は獣医の嗜好又は経験に応じて、上述したように変化する。
【0075】
本発明の化合物及び/又は本発明の方法により調製された化合物は、成長ホルモンを用いて処置され得る疾患又は疾病、例えば成長ホルモン欠損症(GHD)、特に成人におけるもの;ターナー症候群;プラダーウィリ症候群(PWS);ヌーナン症候群;ダウン症候群;慢性腎臓病;若年性関節リウマチ;嚢胞性線維症;子供が受けたHAART処置によるHIV感染(HIV/HALS小児);妊娠期間に比べて小さい(SGA)小児出生;かなりの出生時低体重(VLBW)を有する小児出生における低身長症;骨格形成異常;軟骨低形成症;軟骨形成不全;特発性低身長(ISS);脛骨、腓骨、大腿、上腕骨、橈骨、尺骨、鎖骨、中手骨、中足骨、及び指等、長骨又はその内部の骨折;頭蓋骨、手の基部、及び足の基部等、海綿様骨又はその内部の骨折;例えば手、膝又は肩等における、腱又は靱帯の手術後の患者術後処置;仮骨延長術を受けた患者の処置;腰又は円板置換、半月板修復、脊椎固定術、膝、臀部、肩、肘、手首又は顎のプロテーゼ固定術を受けた患者の術後処置;骨接合物質、例えば爪、ネジ及びプレートが固定化された患者の処置;骨折の癒着不能又は変形治癒;(例えば、脛骨又は第1つま先からの)骨切り術後の患者の処置;移植片植え込み後の患者の処置;外傷又は関節炎に起因する膝の関節軟骨変性;ターナー症候群を患っている患者の骨粗鬆症;男性における骨粗鬆症、慢性透析の成人患者(APCD)の処置;慢性透析の高齢者患者の処置;APCDにおける循環器疾患;APCDにおける悪液質;APCDにおける癌;APCDにおける慢性的な閉塞性肺病;APCDにおけるHIV;APCDにおける慢性的な肝臓病;APCDにおける疲労症候群;クローン病;肝機能障害;HIV感染した男性の処置;短腸症候群;中心性肥満;HIV関連リポジストロフィ症候群(HALS):男性不妊;主として待機手術後の患者の処置;負の窒素バランスの患者の処置;アルコール/薬物解毒又は神経的トラウマ;加齢;虚弱な高齢者;骨関節炎;外傷性の損傷を受けた軟骨のある患者の処置;勃起障害;線維筋痛;記憶障害;鬱病;外傷性脳損傷;くも膜下出血;極小未熟児;メタボリックシンドローム;グルココルチコイドミオパシー;及び小児のグルココルチコイド処置による低身長症の処置に使用され得る。
【0076】
本願明細書において引用される出版物、特許出願、特許を含む全ての文献は、他の場所で特定に文献が出典明示により別個に援用されているかにかかわらず、本願明細書にあたかも各文献が個々に特定に出典明示により援用されたかのように参照文献として組み込まれ、この全体がここに完全に(法律に準じる範囲で)効力を有する。
【0077】
本発明で記載されて使用されている「a」及び「an」及び「the」及び類似指示対象なる用語は、ここで示され、文脈においてはっきりと矛盾していない限りは、単数形及び複数形の双方をカバーすると解釈される。
特に明記しない限り、ここで提供される全ての正確な値は、対応する近似値の代表例である(例えば、特定の要因又は測定値に関して提供される全ての正確な例示的値は、適切な場合は、「約」により修飾される、対応する近似測定値を提供するとみなすことができる)。
【0078】
特に明記せず、文脈においてはっきりと矛盾していない限りは、成分又は成分類に関して、「含有する」、「有する」、「含む」又は「含める」等の用語を使用する、本発明の任意の側面又は実施態様のここでの記載は、特定の成分又は成分類「からなる」、「本質的になる」、又は「実施的に含有する」といった本発明の類似した側面又は実施態様を支持することを意図したものである(例えば、特定の成分を含有するここに記載の組成物は、特に明記しない又は文脈においてはっきりと矛盾していない限りは、その成分からなる組成物を記載するものと理解すべきである)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的にのみ使用されており、いかなる方法であっても、本発明を限定するものとは解釈されない。
【0079】
ここで提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的言語(例えば、「等」)の使用は、単に、本発明をより解明することを意図したものであり、特に示さない限りは、本発明の範囲を制限するものではない。明細書におけるいずれの言語も、本発明の実施に必須の任意の請求項に記載されていない要素を示すと解釈すべきものではない。
ここでの特許公報の引用及び導入は便宜上のものであって、このような特許公報の正当性、特許性及び/又は執行可能性についての見解を示すものではない。
この発明は、適応される法律により許容されるよう、ここに提案された態様及び/又は請求項に列挙された主題事項の全ての修正及び等価事項を含む。
【0080】
本発明は、以下の実施例によりさらに例証されるが、それにより、本発明の範囲を限定するものとは解釈はされない。上述した記載及び以下の実施例に開示された特徴は、別々に、又は任意のそれらの組合せであってもよいが、その多様な形態において、本発明を実現するための構成要素である。
【実施例】
【0081】
HPLC法02-b1-2:
RP-分析を、ウォーターズ(Waters)2487二重バンド検出器が取り付けられたアリアンス(Alliance)ウォーターズ2695システムを使用して実施した。214nm及び254nmでのUV検出を、シンメトリー(Symmetry)300 C18、5um、3.9mmx150mmカラム、42℃を使用して収集した。流速1.0分/分で15分以上かけて、0.05%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に0-60%のアセトニトリルが入った直線状勾配のもので、化合物を溶出させた。
【0082】
HPLC法02-b4-4:
RP-分析を、ウォーターズ2487二重バンド検出器が取り付けられたアリアンス・ウォーターズ2695システムを使用して実施した。214nm及び254nmでのUV検出を、シンメトリー300 C18、5um、3.9mmx150mmカラム、42℃を使用して収集した。流速1.0分/分で15分以上かけて、0.05%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に5-95%のアセトニトリルが入った直線状勾配のもので、化合物を溶出させた。
【0083】
HPLC法03-b1-1:
RP-分析を、ウォーターズ996ダイオードアレイ検出器が取り付けられたウォーターズ2690システムを使用して実施した。UV検出を、42℃で0.5ml/分で溶出する、218TP54 4.6mmx250mm 5μ C-18シリカカラム(The Seperations Group, Hesperia)において、214、254、276及び301nmにて収集した。カラムを、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた水を用いて平衡にした。注入後、サンプルを、50分の間に、水にトリフルオロ酢酸が入った0.1%の水溶液において、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、0%〜60%のアセトニトリルの勾配により溶出させた。
【0084】
HPLC法03 b6 1:
HPLC(方法03 b6 1):RP-分析を、ウォーターズ996ダイオードアレイ検出器が取り付けられたウォーターズ2690システムを使用して実施した。UV検出を、42℃で0.5ml/分で溶出する、218TP54 4.6mmx250mm 5μ C-18シリカカラム(The Seperations Group, Hesperia)において、214、254、276及び301nmにて収集した。カラムを、水にTFAが入った水溶液(0.1%)において5%のアセトニトリル(+0.1%のTFA)で平衡にした。注入後、サンプルを、50分の間に、水にTFAが入った水溶液(0.1%)において、0%〜90%のアセトニトリル(+0.1%のTFA)の勾配により溶出させた。
ペプチドの質量スペクトルを、500-1800Daの範囲ではアギレント(Agilent)1100シリーズ、又は500-2000Daの範囲ではパーキン・エルマー(Perkin Elmer)PE API 100において得た。典型的には、m/zについて見出されたシグナルは、z=1、2、3、4、5又は6の任意のシリーズに相当する。
MALDI-TOFスペクトルを、ブルカー・ダルトニックス・オートフレックス(Bruker Daltonix autoflex)において得た。
【0085】
実施例1
(S)-2-(([Glu3,Leu10]GLP-2イル)ロイシルアミノ)-6-(3-(((1-(3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-((4-((S)-2-(カルバモイル)-2-(([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イル)ロイシルアミノ)エチル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェニル)エチリデン)アミノキシ)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化14】

工程1
[Glu,Leu10]GLP-2イルロイシニルアラニン
[Glu,Leu10]GLP-2イルロイシニルアラニンを、商業的に入手可能なFmoc-Ala-Wang樹脂から出発して、当業者に公知の標準的なFmoc-方法により、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)433Aペプチド合成器において調製した。次のアミノ酸誘導体を使用した:
【表1】

【0086】
トリフルオロ酢酸(10ml)、水(0.265ml)及びトリイソプロピルシラン(0.265ml)の混合物を、樹脂に添加した。それを1.5時間振揺した。液体を収集した。トリフルオロ酢酸(1ml)で樹脂を洗浄した。液体を組合せた。溶液を窒素流下で濃縮した。エーテル(40ml)を添加した。遠心分離により、沈殿物を単離した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水に37-65%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLCにおける逆相C18-カラムにて、粗生成物を精製した。
HPLC:8.81分(方法02-B4-4)。
MALDI−TOF:m/z=3946
MS:m/z=1317.988、790。
【0087】
工程2:
[1-カルバモイル-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化15】

0℃で、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(17.0g、88.9mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(250ml)及びジクロロメタン(250ml)に、(S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(25g、88.9mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.0g、88.9mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を0℃で20分攪拌した。水(90ml)にアンモニアが入った25%水溶液を添加した。反応混合物を室温で3日間攪拌した。酢酸エチル(500ml)で希釈し、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液で酸性化させた。相分離させた。水相を酢酸エチル(300ml)で抽出した。組合せた有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(250ml)と水(250ml)の混合物で洗浄した。それらを硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。粗生成物を酢酸エチル/ヘプタンから結晶化させた。
MS:m/z=303(M+Na)
H-NMR(DMSO-d):δ1.31(s 9H);2.80(dd、1H);2.83(dd、1H);4.00(m、1H);6.62(d、2H);6.70(d、1H);6.97(br、1H);7.03(d、2H);7.31(br、1H);9.14(s、1H)。
【0088】
工程3:
[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化16】

[(S)-1-カルバモイル-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-カルバミン酸-tert-ブチルエステル(1.0g、3.57mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(65 mg、0.17mmol)、炭酸カリウム(3.94g、29mmol)、臭化プロパルギル(0.38ml、4.28mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(15ml)の混合物を、60℃で16時間加熱した。それを室温まで冷却し、水(30ml)で希釈し、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液で酸性化させた。混合物を酢酸エチル(2x100ml)で抽出した。組合せた有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。溶離液として、ジクロロメタン/メタノール(10:1)の混合物を使用し、シリカ(100g)におけるフラッシュクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、998mgの[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステルが付与された。
MS:m/z=341(M+Na)
H-NMR(DMSO-d)δ1.31(s、9H);2.50(s、1H);2.67(dd、1H);2.91(dd、1H);4.03(m、1H);4.74(s、2H);6.77(d、1H);6.86(d、2H);6.99(s、1H)、7.17(d、2H);7.35(s、1H)。
【0089】
工程4:
(2S)-2-アミノ−3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド
【化17】

トリフルオロ酢酸(10ml)を、ジクロロメタン(10ml)に[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステル(998mg、3.13mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を蒸発させた。残留物をジクロロメタン(30ml)に溶解させた。溶媒を除去した。後者の手順を2回繰り返したところ、1.53gの(2S)-2-アミノ-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
HPLC(方法02-B4-4):R=5.62分。
MS:m/z=219(M+1)
H-NMR(CDCl)δ2.51(s、1H);3.02(m、2H);3.90(m、1H);4.78(s、2H);6.95(d、2H);7.20(d、2H);7.56(s、1H);7.87(s、1H);8.10(br、3H)。
【0090】
工程5:
3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸メチル
【化18】

3-ブロモメチル安息香酸メチル(10.0g、43.7mmol)を、アセトニトリル(50ml)に溶解した。tert-ブチル-N-ヒドロキシカルバマート(8.72g、65.5mmol)及び1,8-ジアザビシクロウンデセ-7-エン(DBU、9.79ml、65.48mmol)を続いて添加した。反応混合物を50℃で16時間加熱した。それを室温まで冷却し、水(200ml)及び濃塩酸(25ml)で希釈した。酢酸エチル(3x200ml)で抽出した。組合せた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく使用される、14.15gの3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸メチルが付与された。
H-NMR(CDCl):δ1.48(s、9H);3.91(s、3H);4.90(s、2H);7.45(m、2H);7.60(d、1H);8.00(d、1H);8.05(s、1H)。
MS:m/z=183。
【0091】
工程6:
3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸
【化19】

粗3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸メチル(12.28g、43.6mmol)を、ジオキサン(50ml)に溶解させた。水(50ml)に水酸化リチウム(1.26g、52.4mmol)が入った溶液を添加した。透明な溶液が得られるまで、ジオキサンと水を添加した。室温で16時間、反応混合物を攪拌した。水酸化ナトリウムの1N水溶液(200ml)を添加した。tert-ブチルメチルエーテル(2x200ml)で水溶液を洗浄した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液を添加することにより、水相を酸性化させた。酢酸エチル(2x200ml)で抽出した。組合せた酢酸エチル相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される、12.28gの粗3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸が付与された。
H-NMR(CDCl):δ1.49(s、9H);4.92(s、2H);7.50(t、1H);7.65(br、1H);7.65(d、1H);8.07(d、1H);8.12(s、1H)。
MS:m/z=169。
【0092】
工程7:
2,5-ジオキソピロリジン-1イル-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)ベンゾアート
【化20】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、16.71g、55.13mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(75ml)に粗3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)安息香酸(12.28g、45.94mmol)及びトリエチルアミン(7.68ml、55.13mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。それを酢酸エチル(300ml)で希釈し、水(3x150ml)で洗浄した。有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく使用される、11.04gの粗2,5-ジオキソピロリジン-1イル-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)ベンゾアートが付与された。
H-NMR(CDCl):δ1.47(s、9H);2.91(s、4H);4.92(s、2H);7.28(s、1H);7.53(t、1H);7.75(d、1H);8.10(d、1H);8.15(s、1H)。
MS:m/z=265。
【0093】
工程8:
((S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸ベンジルエステル
【化21】

2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(S)-6-((ベンジルオキシカルボニル)アミノ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサノアート(例えばフルカ(Fluka)又はバシェム(Bachem)等、商業的に入手可能なもの、15g、31mmol)を、ジクロロメタン(50ml)に溶解させた。水にアンモニアが入った25%溶液を添加した。反応混合物を室温で16時間激しく攪拌した。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程に使用される、21.27gの粗((S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸ベンジルエステルが生じた。
H-NMR(DMSO-d):δ1.2-1.6(m、6H);1.37(s、9H);2.95(q、2H);3.80(td、1H);5.00(s、2H);6.70(d、1H);6.90(s、1H);7.20-7.40(m、7H)。
MS:m/z=280。
【0094】
工程9:
((S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化22】

粗((S)-5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸ベンジルエステル(11.92g、31.41mmol)を、メタノール(250ml)に懸濁させた。パラジウム炭(50%湿気)1.67gを添加した。圧力下で16時間、混合物を水素化にかけた。セライトプラグを通して濾過した。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される、13.13gの粗((S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステルが付与された。
H-NMR(DMSO-d):δ1.30-1.60(m、6H);1.37(s、9H);2.65(t、2H);3.80(dt、1H);5.70(br、2H);6.80(d、1H);6.95(s、1H);7.30(s、1H)。
【0095】
工程10:
N-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミド
【化23】

N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)に、粗2,5-ジオキソピロリジン-1イル-3-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノキシ)メチル)ベンゾアート(11.45g、31.41mmol)が入った溶液を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)に((S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル(7.71g、31.41mmol)が入った溶液に添加した。エチルジイソプロピルアミン(16.13ml、94.23mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を、70℃にて真空で除去した。残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(50ml)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物をジクロロメタン(100ml)に溶解させた。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(50ml)と水(200ml)を続いて添加した。水相を、真空で約60mlまで濃縮した。この溶液を4つに分割した。それぞれを、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水にそれぞれ0-20、0-11、0-9又は0-2%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18逆相カラムにおけるHPLC-クロマトグラフィーにかけたところ、一緒にして4.38gのN-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミドが付与された。
HPLC:R=3.24分(方法02-B1-2)。
H-NMR(DMSO-d):δ1.35(m、2H);1.55(m、2H);1.75(m、2H);3.25(m、2H);3.72(m、1H);5.05(s、2H);7.54(m、3H);7.88(m、3H);8.12(br、3H);8.55(t、1H)。
MS:m/z=295。
【0096】
工程11:
6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(([Glu3,Leu10]GLP-2イル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化24】

CPY(0.090mlの水に18U)の溶液を、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH7.93に調節された、250mMのHEPES/5mMのEDTAバッファー(1.71ml)に、[Glu,Leu10]GLP-2イルロイシニルアラニン(7.1mg、1799nmol)、N-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミド(7.1mg、0.002mmol)及びベータ-ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(71mg)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で2.5時間放置した。水(18ml)で希釈し、濾過し、溶離液として0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に35-65%のアセトニロリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおけるHPLC-精製にかけたところ、0.112mgの6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(([Glu3,Leu10]GLP-2イル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=1385、1039、831、693
HPLC:R=8.97分(方法02-B4-4)。
【0097】
工程12:
[Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアラニン
[Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアラニンを、商業的に入手可能なFmoc-Ala-Wang樹脂から出発して、当業者に公知の標準的なFmoc-方法により、アプライド・バイオシステムズ433Aペプチド合成器において調製した。次のアミノ酸誘導体を使用した:
【表1】

【0098】
トリフルオロ酢酸(10ml)、水(0.265ml)及びトリイソプロピルシラン(0.265ml)の混合物を、樹脂に添加した。それを1.5時間振揺した。液体を収集した。トリフルオロ酢酸(1ml)で樹脂を洗浄した。液体を組合せた。溶液を窒素流下で濃縮した。エーテル(40ml)を添加した。遠心分離により、沈殿物を単離した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水に10-45%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLCにおける逆相C18-カラムにて、粗生成物を精製した。
MS:m/z=764、1523
HPLC:4.84分(方法02-B4-4)。
【0099】
工程13:
(S)-2-([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアミノ)-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド
【化25】

[Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアラニン(8mg、0.00525mmol)及び(2S)-2-アミノ-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド(261mg、0.788mmol)の溶液を、250mMのHEPES/5mMのEDTAのバッファーにおいて調製し、1Nの水酸化ナトリウムでpH7.93に調節した。この溶液の全容量は5mlであった。水(0.26ml)にCPY(52U)が入った溶液をそこに添加した。反応混合物を室温で2.5時間保持した。水(15ml)で希釈し、濾過し、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に22-57%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより精製したところ、2.75mgの(S)-2-([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアミノ)-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミドが付与された。
MS:m/z=827(M2+)
HPLC:R=6.10分(方法02-B4-4)。
【0100】
工程14:
3-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
【化26】

O-(N-スクシンイミジル)-N,N-N',N'-tetrメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(5.50g、18.3mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(25ml)に3-アセチル安息香酸(3.00g、18.3mmol)及びトリエチルアミン(2.55ml、18.3mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。水(300ml)で希釈し、酢酸エチル(2x150ml)で抽出した。組合せた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。酢酸エチル/ヘプタンから粗生成物を結晶化させたところ、3.23gの3-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルが付与された。 in
H-NMR(CDCl)δ2.67(s、3H);2.94(s、4H);7.66(t、1H);8.32(m、2H);8.69(s、1H)。
【0101】
工程15:
3-アセチル-N-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]ベンズアミド
【化27】

3-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(260mg、0.997mmol)を、ジクロロメタン(6ml)に、商業的に入手可能なN-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]アミン(フルカ、500mg、0.949mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(0.325ml、1.90mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で3日間攪拌した。ジクロロメタン(30ml)で希釈し、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(30ml)と炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(30ml)で逐次洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、609mgの3-アセチル-N-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]ベンズアミドが付与された。
H-NMR(CDCl)δ2.67(s、3H);3.39(t、2H);3.65(m、42H);7.30(br、1H);7.55(t、1H);8.08(m、2H);8.43(s、1H)。
MS:m/z=673
【0102】
工程16:
(S)-3-(4-((1-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)1,2,3-トリアゾール−4-イル)メトキシ)フェニル)-2-(([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イル)ロイシルアミノ)プロピオンアミド
【化28】

水(1ml)に硫酸銅(II)五水和物(10mg)が入った溶液を調製した。この溶液を、水(1ml)と2,6-ルチジン(0.025ml)にL-(+)-アスコルビン酸(36.7mg)が入った溶液に添加した。この溶液を5分放置した。その0.831mlを、水(2.55ml)に2%の2,6-ルチジンからなるバッファーに、(S)-2-([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イルロイシルアミノ)-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド(2.75mg、0.002mmol)及び3-アセチル-N-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]ベンズアミド(11.2mg、0.017mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間放置した。水(10ml)で希釈した。(S)-3-(4-((1-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)1,2,3-トリアゾール-4-イル)メトキシ)フェニル)-2-(([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イル)ロイシルアミノ)プロピオンアミド(2.44mg)を、溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に22-56%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより単離した。
MS:m/z=1163、776、582。
HPLC:R=6.66分(方法02-B4-4)。
【0103】
工程17:
MES-バッファー(0.054ml)に、(S)-3-(4-((1-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)1,2,3-トリアゾール-4-イル)メトキシ)フェニル)-2-(([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イル)ロイシルアミノ)プロピオンアミド(0.63mg、270nmol)が入った溶液を、pH5.7に調節した。この溶液を、6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(([Glu3,Leu10]GLP-2イル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(0.112mg、27nmol)に添加した。pH5.7に調節されたMESバッファー(0.05ml)を反応混合物に添加した。反応混合物を室温で16時間放置した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に35-67%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより、(S)-2-(([Glu,Leu10]GLP-2イル)ロイシルアミノ)-6-(3-(((1-(3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-((4-((S)-2-(カルバモイル)-2-(([Glu180,Asp182,Glu189]hGH(180-191)イル)ロイシルアミノ)エチル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェニル)エチリデン)アミノキシ)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが単離され反応まで、−18℃で保持した。
MS:m/z=719、806、923、1078、1293
HPLC:R=8.72分(方法02-B4-4)。
【0104】
実施例2
(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(1-((3-(((S)-5-カルバモイル-5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アルパラギニル(arparaginyl))グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)エチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化29】

工程1:
(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシル)アラニン
(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシル)アラニンを、商業的に入手可能なFmoc-Ala-Wang樹脂から出発して、当業者に公知の標準的なFmoc-方法により、アプライド・バイオシステムズ433Aペプチド合成器において調製した。次のアミノ酸誘導体を使用した:
【表1】

【0105】
トリフルオロ酢酸(10.6ml)、水(0.265ml)及びトリイソプロピルシラン(0.265ml)の混合物を、樹脂に添加した。それを1.5時間振揺した。液体を収集した。トリフルオロ酢酸(1ml)で樹脂を洗浄した。液体を組合せた。溶液を窒素流下で濃縮した。エーテル(40ml)を添加した。遠心分離により、沈殿物を単離した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水に18-38%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLCにおける逆相C18-カラムにて、粗生成物を精製した。
MS:m/z=950
HPLC:R=18.79分(方法02-B6-1)。
【0106】
工程2:
(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン
(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニンを、商業的に入手可能なFmoc-Ala-Wang樹脂から出発して、当業者に公知の標準的なFmoc-方法により、アプライド・バイオシステムズ433Aペプチド合成器において調製した。次のアミノ酸誘導体を使用した:
【表2】

【0107】
トリフルオロ酢酸(10.6ml)、水(0.265ml)及びトリイソプロピルシラン(0.265ml)の混合物を、樹脂に添加した。それを1.5時間振揺した。液体を収集した。トリフルオロ酢酸(1ml)で樹脂を洗浄した。液体を組合せた。溶液を窒素流下で濃縮した。エーテル(40ml)を添加した。遠心分離により、沈殿物を単離した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水に2-30%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLCにおける逆相C18-カラムにて、粗生成物を精製した。
MS:m/z=984
HPLC:R=19.40分(方法03-B6-1)。
【0108】
工程3:
3-(アジドメチル)安息香酸メチル
【化30】

アジ化ナトリウム(5.68g、87mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)に3-(ブロモメチル)安息香酸メチル(5.00g、22mmol)が入った溶液に添加した。テトラブチルアンモニウムヨージド(81mg、0.22mmol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間加熱した。それを室温まで冷却し、水(200ml)に付与した。この混合物を酢酸エチル(400ml)で抽出した。有機相を水(3x200ml)で洗浄し、続いて硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく使用される、4.11gの粗3-(アジドメチル)安息香酸メチルが付与された。
MS:m/z=192。
H-NMR(CDCl):δ3.92(s、3H);4.40(s、2H);7.50(m、2H);8.00(m、2H)。
【0109】
工程4:
3-(アジドメチル)安息香酸
【化31】

水(25ml)に水酸化リチウム(3.81g、21.5mmol)が入った溶液を、1,4-ジオキサン(25ml)に粗3-(アジドメチル)安息香酸メチル(4.11g、21.5mmol)が入った溶液に添加した。透明な溶液が得られるまで、水と1,4-ジオキサンを添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。水酸化ナトリウムの1N水溶液(100ml)を添加した。tert-ブチルメチルエーテル(2x200ml)で反応混合物を洗浄した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液を用いて、水相を酸性化させた。酢酸エチル(2x200ml)で抽出した。組合せた酢酸エチル相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく使用される、3.68gの粗3-(アジドメチル)安息香酸が付与された。
MS:m/z=150
H-NMR(CDCl):δ4.57(s、3H);7.55(m、2H);8.00(m、2H);13.10(br、1H)。
【0110】
工程5:
(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化32】

リンク(Rink)アミド-樹脂(ノババイオケム(Novabiochem)01-64-0013、充填、0.70mmol/g、0.652g、2.7mmol)を、ジクロロメタン(50ml)で膨張させた。溶媒を除去した。N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)にピペリジンが入った20%溶液を添加した。混合物を室温で20分振揺した。溶媒を除去した。樹脂をN-メチルピロリジノン(3x50ml)及びジクロロメタン(5x50ml)で洗浄した。N-メチルピロリジノン(12.5ml)にBoc-Lys(FMOC)-OH(5.00g、10.7mmol)が入った溶液と、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.63g、10.7mmol)の溶液を、逐次、樹脂に添加した。ジクロロメタン(25ml)にジイソプロピルカルボジイミド(1.67ml、10.7mmol)が入った溶液を添加した。エチルジイソプロピルアミン(1.83ml、10.7mmol)を添加した。反応混合物を室温で2日間振揺した。液体を除去した。樹脂をN-メチルピロリジノン(3x50ml)及びジクロロメタン(5x50ml)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)にピペリジンの20%溶液を添加した。混合物を室温で20分振揺した。溶媒を除去した。樹脂をN-メチルピロリジノン(3x50ml)及びジクロロメタン(5x50ml)で洗浄した。N-メチルピロリジノン(12.5ml)及びジクロロメタン(12.5ml)に、粗3-(アジドメチル)安息香酸(1.89g、10.7mmol)が入った溶液、続いてN-メチルピロリジノン(12.5ml)に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.63g、10.7mmol)が入った溶液を添加した。ジクロロメタン(12.5ml)にジイソプロピルカルボジイミド(1.67ml、10.7mmol)が入った溶液を添加した。エチジイソプロピルアミン(1.83ml、10.7mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間振揺した。液体を除去した。樹脂を、N-メチルピロリジノン(3x50ml)及びジクロロメタン(5x50ml)で洗浄した。ジクロロメタン(20ml)にトリフルオロ酢酸が入った50%溶液を樹脂に添加した。トリイソプロピルシラン(5ml)を添加した。反応混合物を室温で1時間振揺した。液体を収集した。樹脂をジクロロメタン(30ml)で洗浄した。これら後者の2つの液体を組合せた。溶媒を真空で除去した。0.1%のトリフルオロ酢酸を添加することにより酸性化された、水に13-33%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおけるHPLC-クロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、300mgの(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
MS:m/z=305
H-NMR(DMSO-d、トリフルオロ酢酸塩):δ1.37(m、2H);1.55(m、2H);1.77(m、2H);3.28(m、2H);3.71(t、1H);4.53(s、2H);7.51(m、3H);7.84(m、3H);8.10(br、3H);8.54(t、1H)。
【0111】
工程6:
(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化33】

水(0.5ml)にCPY(100U)が入った溶液を、1Nの塩酸と1Nの含水水酸化ナトリウムを用いてpH7.99に調節された、250mMのHEPES/5mMのEDTAバッファー(4.50ml)に、(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシル)アラニン(14mg、0.015mmol)及び(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(520mg、1.25mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を30℃で16時間放置した。水(10ml)で希釈した。(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(4.6mg)を、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に0-50%のアセトニロリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆HPLC-クロマトグラフィーにより単離した。
MS:m/z=1166
HPLC:R=33.39分(方法03-B1-1)。
【0112】
工程7:
(S)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化34】

水(0.400ml)にCPY(80U)が入った溶液を、1Nの塩酸と1Nの含水水酸化ナトリウムを用いてpH8.24に調節された、250mMのHEPES/5mMのEDTAバッファー(7.10ml)に、(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(25mg、0.025mmol)及びN-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミド(979mg、2.4mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を30℃で2時間放置した。水(10ml)で希釈した。(S)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(2.89mg)を、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に0-40%のアセトニロリル勾配のあるものを使用し、逆HPLC-クロマトグラフィーC18-カラムにより単離した。
MS:m/z=1189
HPLC:R=20.20分(方法03-B6-1)。
【0113】
工程8
3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸エチルエステル
【化35】

3-ブロモプロプ-1-イン(4.49ml、50.5mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミドに炭酸カリウム(46.58g、336mmol)及び3-ヒドロキシ安息香酸エチル(7g、42mmol)の混合物が入ったものに添加した。混合物を60℃で15分加熱した。テトラブチルアンモニウムヨージド(0.78g、2.1mmol)を添加した。混合物を60℃で16時間加熱し、室温まで冷却した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(1l)で酸性化させ、酢酸エチル(2x150ml)で抽出した。組合せた有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(300ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。溶離液として、酢酸エチル/ヘプタンの1:4混合物を使用し、シリカ(120g)におけるフラッシュ-クロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、7.3gの3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸エチルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl)δ1.40(t、3H);2.55(s 1H);4.40(q、2H);4.75(s、2H);7.17(d、1H);7.37(t、1H);7.66(s、1H);7.70(d、1H)。
【0114】
工程9
3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸
【化36】

水(25ml)に水酸化リチウム(1.65g、39.4mmol)が入った溶液を、ジオキサン(25ml)に3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸エチルエステル(7.30g、35.8mmol)が入った溶液に添加した。透明な溶液が得られるまで、水とジオキサンを添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。水酸化ナトリウムの1N水溶液(50ml)を添加した。この混合物をtert-ブチルメチルエーテル(2x120ml)で洗浄した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液を用いて、水相をpH2に酸性化させた。酢酸エチル(2x200ml)で抽出した。組合せた酢酸エチル相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、5.9gの3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸が付与された。
H-NMR(CDCl)δ2.55(s、1H);4.77(s、2H);7.25(d、1H);7.42(t、1H);7.71(s、1H);7.77(d、1H)。
【0115】
工程10
3-プロプ-2-イニルオキシ-安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
【化37】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、4.75g、15.67mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミドに3-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸(2.30g、13.06mmol)及びトリエチルアミン(2.18ml、15.67mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。酢酸エチル(500ml)で希釈し、水(3x200ml)及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、3.22gの3-プロプ-2-イニルオキシ-安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl)δ2.55s、1H;2.91(s、4H);4.75(s、2H);7.30(d、1H);7.45(t、1H);7.70(s、1H);7.80(d、1H)。
MS;m/z=297(M+Na)
【0116】
工程11
N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド
【化38】

2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル(フルカから商業的に入手可能、1.0g、1.55mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(0.88ml、5.2mmol)を、ジクロロメタン(30ml)に3-プロプ-2-イニルオキシ-安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(470mg、1.72mmol)が入った溶液に、逐次添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(20ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。
アンバーリスト(Amberlyst)15(0.5g)をジクロロメタン(10ml)に溶解させた。エタノール(1ml)を添加した。混合物を穏やかに10分攪拌した。濾過により溶媒を除去した。樹脂をジクロロメタン(10ml)で洗浄した。
反応混合物からの粗生成物を、ジクロロメタン(10ml)とエタノール(1ml)に溶解させた。アンバーリスト15樹脂を添加した。混合物を穏やかに30分攪拌した。濾過により樹脂を除去した。真空にて、濾液から溶媒を除去したところ、1.21gのN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドが付与された。
【0117】
工程12
N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド
【化39】

トリフルオロ酢酸(10ml)を、ジクロロメタン(10ml)にN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド(1.01g、1.41mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で0.5時間攪拌した。溶媒を真空で除去したところ、1.59gのN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドが付与された。
【0118】
工程13
4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
【化40】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、18.5g、60.9mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)に、4-アセチル安息香酸(10.0g、60.9mmol)及びトリエチルアミン(8.49ml、60.9mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。酢酸エチル(400ml)で希釈し、水(3x200ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、13.38gの4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl):δ2.67(s、3H);2.93(s、4H);8.05(d、2H);8.20(d、2H)。
MS:m/z=284(M+Na)
【0119】
工程14
N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-アセチルベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド
【化41】

4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(118mg、0.453mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(1.06ml、6.17mmol)を、ジクロロメタン(10ml)に粗N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドが入った溶液に、逐次添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。ジクロロメタン(20ml)で希釈し、続いて、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(50ml)及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(50ml)で洗浄した。溶媒を真空で除去したところ、290mgの粗N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-アセチルベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドが付与された。
MS:m/z=761、381(M2+)。
【0120】
工程15
(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化42】

水(10.97ml)に硫酸銅(II)五水和物(49.3mg)が入った溶液を、水(10.75ml)と2,6-ルチジン(0.219ml)の混合物にアスコルビン酸(173.81mg)が入った溶液に添加した。混合物を室温で5分保持した。この溶液から2.20mlを、水(1.73ml)及び2,6-ルチジン(0.02ml)の混合物に、(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(2.3mg、0.002mmol)及び粗N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-アセチルベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド(15mg、0.02mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間、穏やかに振揺した。水(12ml)で希釈した。(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(0.78mg)を、溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に10-50%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆相HPLCにより単離した。
MS:m/z=963(M2+)
HPLC:R=26.47(方法03-B6-1)。
【0121】
工程16
(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(アセチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(0.78mg、405nmol)を、水(0.40ml)及びエチルジイソプロピルアミン(0.001ml)に溶解させた。この溶液を、水(0.40ml)及びエチルジイソプロピルアミン(0.002ml)に、(S)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(1.2mg、1012nmol)が入った溶液に添加した。pH4.3が得られるまで、酢酸を添加した。エチルジイソプロピルアミン(0.005ml)及び水酸化ナトリウム(0.015ml)の4M水溶液を添加し、pH10.74を得た。反応混合物を30℃で1.5時間、穏やかに振揺した。水(2.5ml)を添加した。さらに0.5時間後、(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(4-(1-((3-(((S)-5-カルバモイル−5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アルパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)エチル)ベンゾイルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(0.3mg)を、溶離液として、0.1%のTFAで緩衝させた、水に25-65%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆相HPLCにより単離した。
MS:m/z=1033(M3+)、775(M4+)
HPLC:R=28.12(方法03-B6-1)。
【0122】
実施例3
(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドの代替生成法
【化43】

工程1:
ピロリジン-2,5-ジオン-1-イル-3-(アジドメチル)ベノゾイック(benozoic)エステル
【化44】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、32.52g、107mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)に3-(アジドメチル)安息香酸(19.01g、107mmol)及びトリエチルアミン(14.96ml、107mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。酢酸エチル(250ml)で希釈し、水(3x120ml)で洗浄した。有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、25.22gのピロリジン-2,5-ジオン-1-イル-3-(アジドメチル)ベノゾイックエステルが付与された。
1H-NMR(CDCl)δ2.92(m、4H);4,45(s、2H);7.55(t、1H)、7.65(d、2H);8.10(m、2H)。
【0123】
工程2:
(S)-6-(3-(アミノメチル)ベンゾイルアミノ)2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド
【化45】

粗(S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル(10.26g、41.82mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(150ml)に溶解させた。ピロリジン-2,5-ジオン-1-イル-3-(アジドメチル)ベノゾイックエステル(11.47g、41.822mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(21.48ml、125.5mmol)を、逐次添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。酢酸エチル(500ml)で希釈し、まず硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(200ml)、水(3x250ml)及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、6.05gの(S)-6-(3-(アミノメチル)ベンゾイルアミノ)2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
1H-NMR(CDCl)δ1.40(s、9H);1.63(m、4H);1.83(m、2H);3.43(q、2H);4.15(m、1H);4.37(s、2H);5.56(d、1H);6.08(s、1H);6.75(s、1H);7.00(s、1H);7.43(m、2H);7.77(m、2H)。
MS:m/z=427(M+Na)、305(M−Boc)
【0124】
工程3:
ガス状の塩化水素を、酢酸エチル(75ml)に(S)-6-(3-(アミノメチル)ベンゾイルアミノ)2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド(6.05g、14.96mmol)の懸濁液を通して、2回、それぞれ15分バブリングした。溶媒を真空で除去した。粗生成物を、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝された、水に8-28%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーを9回実施することにより精製したところ、5.03gの(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドのトリフルオロ酢酸が、共に付与された。HPLC:6.53分(方法02-b1-2)。
1H-NMR(DMSO-d)δ1.36(m、2H);1.55(m、2H);1.75(m、2H);3.26(q、2H);3.70(m、1H);4.53(s、2H);7.52(m、3H);7.84(m、3H);8.06(br、3H);8.54(t、1H)。
MS:m/z=305(M+1)
【0125】
実施例4
(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(((3-(((S)-5-(カルバモイル)-5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化46】

工程1
(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化47】

水(0.50ml)にCPY(100U)が入った溶液を、1Nの塩酸と水酸化ナトリウムの4M水溶液を用いてpH7.94に調節された、250mMのHEPES/5mMのEDTA溶液(7.20ml)に、(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(25mg、0.025mmol)及び(S)-2-アミノ-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(523mg、1.25mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を30℃で1日保持した。水(10ml)で希釈した。(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(5.57mg)を、溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に5-50%のアセトニロリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆相HPLC-クロマトグラフィーにより単離した。
MS:m/z=1200
HPLC:R=25.40分(方法03-B6-1)。
【0126】
工程2:
(S)-3-tert-ブトキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
【化48】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、5.80g、19.13mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミドに(S)-3-tert-ブトキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸(5.00g、19.13mmol)及びトリエチルアミン(2.67ml、19.13mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(3x50ml)及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(150ml)で洗浄した。それを硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、5.93gの(S)-3-tert-ブトキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl)δ1.20(s、9H);1.46(s、9H);2.83(s、4H);3.66(broadd、1H)、3.93(broadd、1H);4.79(broadd、1H);5.42(broadd、1H)。
MS:m/z=381(M+Na)、204(M−Boc)
【0127】
工程3:
N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド
【化49】

(S)-3-tert-ブトキシ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(138mg、0.384mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(0.99ml、5.76mmol)を、N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド(280mg、0.384mmol)のトリフルオロ酢酸塩の水溶液に、逐次添加した。反応混合物を室温で3日間攪拌した。ジクロロメタン(20ml)で希釈し、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で、逐次洗浄した。溶媒を真空で除去したところ、300mgのN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドが付与された。
MS:m/z=858。
【0128】
工程4:
N-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド
【化50】

トリフルオロ酢酸(10ml)を、ジクロロメタン(10ml)にN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド(300mg、0.35mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を30分攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物を真空で乾燥させたところ、390mgのN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
【0129】
工程5:
(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化51】

水(5.49ml)に硫酸銅(II)五水和物(24.7mg)が入った溶液を、水(5.38ml)と2,6-ルチジン(0.11ml)の混合物にアスコルビン酸(87mg)が入った溶液に添加した。溶液を室温で5分放置した。この溶液から5.2mlを、水(3.46ml)及び2,6-ルチジン(0.040ml)の混合物に、(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(5.57mg、0.005mmol)及びN-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-3-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゼンアミド(76mg、0.093mmol)のトリフルオロ酢酸塩が入った溶液に付加した。反応混合物を室温で16時間放置した。水(10ml)で希釈した。(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(2.89mg)を、溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に20-40%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆相HPLC-クロマトグラフィーにより単離した。
MS:m/z=951(M2+)。
HPLC:R=23.49分(方法03-B6-1)。
【0130】
工程6:
(S)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(2.89mg、0.002mmol)を、水(0.200ml)とトリエタノールアミン(0.0004ml)の混合物に溶解させた。水(0.011ml)に2-ヒドロキシエチルメチルスルフィド(0.0024ml)が入った溶液を添加した。水(0.020ml)に過ヨウ素酸ナトリウム(2.4mg)が入った溶液を添加した。反応混合物を室温で30分放置した。この溶液を、水(0.600ml)、トリエタノールアミン(0.0012ml)、及びエチルジイソプロピルアミン(0.002ml)の混合物に、(S)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(2.86mg、0.002mmol)が入った溶液に添加した。酢酸(0.004ml)を添加した。沈殿物が生じた。pH7.07が得られるまで、4Mの含水水酸化ナトリウム(0.020ml)を添加した。この溶液を室温で16時間放置した。水(5ml)で希釈した。(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)-6-(3-((4-((3-((2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(((3-(((S)-5-(カルバモイル)-5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(0.83mg)を、溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に20-45%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-カラムにおける逆相HPLCにより単離した。
MS:m/z=1015(M3+)。
HPLC:R=26.73分(方法03-B6-1)。
【0131】
実施例5
(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-((4-((4-(((S)-5-カルバモイル-5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)ペンチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化52】

工程1:
4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸メチルエステル
【化53】

臭化プロパルギル(15.0ml、164mmol)を、アセトン(500ml)に、商業的に入手可能な4-ヒドロキシ安息香酸メチル(20g、131mmol)及び炭酸カリウム(36.3g、263mmol)の混合物が入ったものに添加した。混合物を室温で2日間攪拌した。濾過により固形物を除去した。溶媒を濾液から除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される、25.1gの粗4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸メチルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl):δ2.55(t、1H);3.89(s、3H);4.75(d、2H);7.00(d、2H);8.01(d、2H)。
MS:m/z=191(M+1)
【0132】
工程2:
4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸
【化54】

4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸メチルエステル(10g、52.6mmol)をエタノール(150ml)に溶解させた。水に水酸化ナトリウムが入った1N溶液(60ml、60mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物を酢酸エチル(100ml)とクエン酸の5%水溶液(100ml)の混合物に溶解させた。相分離させた。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される、9.4gの4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸が付与された。
H-NMR(DMSO-d):δ2.51(t、1H);4.89(d、2H);7.08(d、2H);7.81(d、2H)。
MS:m/z=177(M+1)
【0133】
工程3:
N-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンズアミド
【化55】

Fmoc-保護されたリンク-樹脂(ノババイオケムから商業的に入手可能、充填、0.70mmol/g、3.81g、2.66mmol)を、ジクロロメタン(100ml)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)にピペリジンが入った20%溶液を添加した。反応器を室温で20分振揺した。液体を除去した。N-メチルピロリジノン(3x100ml)及びジクロロメタン(5x100ml)を用いて、樹脂を洗浄した。N-メチルピロリジノン(40ml)にBoc-Lys(Fmoc)-OH(5.0g、10.67mmol)が入った溶液を添加した。N-メチルピロリジノン(10ml)に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.63g、10.67mmol)が入った溶液を添加した。ジクロロメタン(25ml)にジイソプロピルカルボジイミド(1.67ml、10.67mmol)が入った溶液、及びエチルジイソプロピルアミン(1.83ml、10.67mmol)の溶液を、逐次添加した。反応器を室温で16時間振揺した。液体を除去した。N-メチルピロリジノン(3x100ml)及びジクロロメタン(5x100ml)を用いて、樹脂を洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)にピペリジンが入った20%溶液を添加した。反応器を室温で20分振揺した。液体を除去した。N-メチルピロリジノン(3x100ml)及びジクロロメタン(5x100ml)を用いて、樹脂を洗浄した。N-メチルピロリジノン(50ml)に4-(プロプ-2-イニルオキシ)安息香酸(1.88g、10.67mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.63g、10.67mmol)の混合物が入ったもの、及びジクロロメタン(50ml)にジイソプロピルカルボジイミド(1.67ml、10.67mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(1.83ml、10.67mmol)が入った溶液を、逐次添加した。反応器を室温で16時間振揺した。液体を除去した。N-メチルピロリジノン(3x100ml)及びジクロロメタン(5x100ml)を用いて、樹脂を洗浄した。トリイソプロピルシラン(10ml)が添加されたトリフルオロ酢酸の50%溶液を、樹脂に添加した。トリイソプロピルシランをさらに15ml添加した。反応器を室温で1時間振揺した。液体を収集した。溶媒を真空で除去した。残留物をトルエン(100ml)に溶解させた。再度、溶媒を真空で除去した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に13-33%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、310mgのN-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンズアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
H-NMR(DMSO-d):δ1.34(m、2H);1.53(m、2H);1.75(m、2H);3.24(q、2H);3.61(s、1H);3.70(br、1H);4.87(s、2H);7.04(d、2H);7.57(br、1H)、7.81(d、2H);7.84(br、1H);8.07(br、3H);8.34(t、1H)。
MS:m/z=304(M+1)
HPLC:R=6.48分(方法02-b1-2)。
【0134】
工程4:
(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化56】

(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(14.4mg、0.015mmol)を、水(0.500ml)と水酸化ナトリウムの4N水溶液(0.002ml)に溶解させた。この溶液を、1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAのバッファー(1.00ml)に、N-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンズアミド(300mg、0.72mmol)が入った溶液に添加した。水酸化ナトリウムの4N水溶液及び1Nの塩酸を添加することにより、溶液をpH7.75に調節した。この混合物を30℃に温めた。1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTA(1.00ml)からなるバッファー(0.677ml)を、全容量が2.67mlになるように添加した。水(0.250ml)にCPY(50U)が入った溶液を添加した。反応器を30℃で2.5時間、穏やかに振揺した。反応混合物を水(5ml)で希釈し、濾過した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に10-50%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにかけたところ、0.5mgの(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=1199(M+1)
HPLC:R=24.88分(方法03-b6-1)
【0135】
工程5:
水(2.34ml)に硫酸銅五水和物(10.5mg)が入った溶液を、水(2.29ml)と2,6-ルチジン(0.047ml)にアスコルビン酸(37mg)が入った溶液に添加した。この混合物を室温で5分攪拌した。この溶液から2.21mlを、水(1.96ml)に2,6-ルチジンが入った2%溶液に、(S)-6-(3-(アジドメチル)ベンゾイルアミノ)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド(2.3mg、2000nmol)及び(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(0.50mg、417nmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間、穏やかに振揺した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に10-60%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおけるHPLC-クロマトグラフィーにかけたところ、0.1mgの(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-((4-((4-(((S)-5-カルバモイル-5-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギル)グルタミル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)ペンチル)カルバモイル)フェノキシ)メチル)1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=1183(M2++1)、789(M3++1)。
HPLC:R=24.78分(方法03-b6-1)。
【0136】
実施例6
(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-(((1-((((S)-5-カルバモイル-5-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)ペンチル)カルバモイル)フェニル)エチリデン)アミノキシ)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化57】

工程1:
(((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン
(((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニンを、商業的に入手可能なFmoc-Ala-Wang樹脂から出発して、当業者に公知の標準的なFmoc-方法により、アプライド・バイオシステムズ433Aペプチド合成器において調製した。次のアミノ酸誘導体を使用した:
【表1】

【0137】
トリフルオロ酢酸(10.6ml)、水(0.265ml)及びトリイソプロピルシラン(0.265ml)の混合物を、樹脂に添加した。それを1.5時間振揺した。液体を収集した。トリフルオロ酢酸(1ml)で樹脂を洗浄した。液体を組合せた。溶液を窒素流下で濃縮した。エーテル(40ml)を添加した。遠心分離により、沈殿物を単離した。空気乾燥させた。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸バッファーにおいて、水に15-45%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLCにおける逆相C18-カラムにて、粗生成物を精製した。
MS:m/z=1023(M)
HPLC:R=16.18分(方法02-b6-1)。
【0138】
工程2:
(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニニル)フェニルアラニニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化58】

(((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(27.3mg、0.027mmol)を水(500ml)に溶解させた。この溶液を、1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(2.10ml)にN-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミド(544mg、1.33mmol)が入った溶液に添加した。水酸化ナトリウムの4N水溶液(0.175ml)を添加することにより、pHをpH8.07に調節した。1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(2.18ml)を添加した。水(0.375ml)にCPY(75U)が入った溶液を添加した。反応混合物を30℃で3.5時間、穏やかに振揺した。水(10ml)で希釈し、濾過した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に5-55%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより濾液を精製したところ、凍結乾燥後、1.6mgの(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニニル)フェニルalaninly)ロイシル)アミノ)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=1229(M)
HPLC:R=18.41分(方法03-b6-1)。
【0139】
工程3:
4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル
【化59】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、18.5g、60.9mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)に4-アセチル安息香酸(10.0g、60.9mmol)及びトリエチルアミン(8.49ml、60.9mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。酢酸エチル(400ml)で希釈し、水(3x200ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、13.38gの4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステルが付与された。
H-NMR(CDCl):δ2.67(s、3H);2.93(s、4H);8.05(d、2H);8.20(d、2H)。
MS:m/z=284(M+Na)
【0140】
工程4:
4-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)ベンズアミド
【化60】

4-アセチル安息香酸-2,5-ジオキソピロリジン-1-イルエステル(8.21g、31.4mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(200ml)に粗((S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル(7.71g、31.4mmol)が入った懸濁液に添加した。エチルジイソプロピルアミン(16.14ml、94.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で3日間攪拌した。溶媒を70℃で真空にて除去した。残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(50ml)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物をジクロロメタン(200ml)に溶解させた。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(50ml)を添加した。混合物を水(200ml)で抽出した。水相を真空で、約60mlまで濃縮した。それを3の部分に分割した。各部分を、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に0-20%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18逆相カラムにおいて、HPLC-クロマトグラフィーにより精製したところ、8.00gの4-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)ベンズアミドのトリフルオロ酢酸塩が共に付与された。
【0141】
工程5:
(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパラギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-アセチルベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド
【化61】

(((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(27.3mg、0.027mmol)を水(0.500ml)に溶解させた。それを、1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(1.10ml)に4-アセチル-N-((5S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)ベンズアミド(110mg、0.27mmol)が入った溶液に添加した。水酸化ナトリウムの4N水溶液(0.040ml)を用いて、pHをpH7.94に調節した。1Nの塩酸でpH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(0.778ml)を添加した。水(0.250ml)にCPY(50U)が入った溶液を添加した。反応器を30℃で1.5時間、穏やかに振揺した。反応混合物を水(5ml)で希釈し、濾過した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に5-65%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、濾液をHPLC-クロマトグラフィーにかけたところ、3.09mgの(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパラギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-アセチルベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=1226(M)。
HPLC:R=21.25分(方法03-b6-1)。
【0142】
工程6:
水(0.40ml)に(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパラギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(4-アセチルベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(3.09mg、0.003mmol)が入った溶液を、水(0.40ml)に(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニニル)フェニルアラニニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-(アミノキシメチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミド(1.61mg、0.001mmol)が入った溶液に添加した。pHが、pH2.66であることが見出された。反応器を室温で穏やかに振揺した。2時間後、反応混合物を水(5ml)で希釈した。それを濾過した。0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に10-60%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、C18-逆相カラムにおいて、濾液をHPLC-精製にかけたところ、0.1mgの(S)-2-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)-6-(3-(((1-((((S)-5-カルバモイル-5-((((((((アルギニル)リシル)アスパルギル)リシル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)ペンチル)カルバモイル)フェニル)エチリデン)アミノキシ)メチル)ベンゾイルアミノ)ヘキサンアミドが付与された。
MS:m/z=813(M3+)、1219(M2+)。
HPLC:R=23.77分(方法03-b6-1)。
【0143】
実施例7
N,N'-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((3-(N-((S)-5-(カルバモイル)-5-(hGHイルロイシニルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)ブトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)オメガ−カルバモイル3.4kDa PEG−カルボン酸アミド
工程1:
N-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ベンズアミドを用いた、hGH-Leu-AlaのCPY-触媒ペプチド転移
【化62】

O:ジイソプロピルアミン(100:1 v/v、0.9ml)にhGH-Leu-Ala(30mg、最終濃度0.5mM)が入った溶液に、5mMのEDTA(1.46ml)を含有する、pH8.5のHEPESバッファー250mMの溶液にN-((S)-5-アミノ-5-(カルバモイル)ペンチル)-3-(アミノオキシメチル)ヌズアミド(nzamide)(288mg、最終濃度200mM)が入ったものを添加した。水酸化ナトリウム(水に10M)を添加することにより、pHを8.2に調節した。5mMのEDTAを含有する、pH8.5のHEPESバッファー250mMを添加することにより、反応容量を2.65mlに調節した。水に酵素(フルカ#21943)が入った溶液(最終濃度11U/ml)を添加することによって、反応を開始させた。反応混合物を30℃でインキュベートした。
【0144】
CE分析法1
ダイオードアレイ検出器を具備するヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)3D CEシステムを使用し、キャピラリー電気泳動を実施した。
使用した溶融石英キャピラリー(アギレント)は、全長64.5、有効長56cm、ID50μmであった。50mbarの圧力で4秒間、サンプルを注入した。電解液として、pH7のリン酸バッファー50mMを使用し、+25kVの電圧下、30℃で分離を実施した。200nmで分析をモニターした。走行中、酸性及び塩基性洗浄を実施し;キャピラリーを水で2分、ついで0.1Mのリン酸で2分、ついで水で2分すすぎ;その後、電解液でキャピラリーを平衡にする前に、0.1Mの水酸化ナトリウムで3分、水で2分すすいだ。
反応をキャピラリー電気泳動、CE分析法1によりモニターした。
【0145】
ペプチド転移した生成物の収率が54%に達した時(反応時間1.5時間後)、PMSF(無水イソプロパノールに入った100mM溶液、最終濃度2mM)を用いて酵素を不活性化することにより、反応を停止させた。
トリエタノールアミン(45mM)、3-メチルチオ-1-プロパノール(0.14M)及びPMSF(0.2mM)を含有するバッファーの反応混合物を添加した後、ミリポア・アミコン・ウルトラ(Millipore Amicon Ultra)カットオフ10kDにおける限外濾過(2回)により、過度の試薬を除去した。3-メチルチオ-1-プロパノール(0.14M)(バッファーB(トリス50mM、pH8.5、0.2MのNaCl))とPMSF(0.2mM)を含有する溶液を添加した後に、再度、残存したタンパク質溶液を限外濾過した(2回)。
最後に、得られたタンパク質溶液を脱塩カラムに流した(アメルシャム(Amersham)ハイプレップ(HiPrep) 26/10脱塩、溶離液:トリス50mM、pH8.5、10ml/分)。ついで、3-メチルチオ-1-プロパノール(0.14M)へのバッファーシフトを実施した。最終的なタンパク質濃度は10mg/ml(2.3ml)であった。
得られた溶液をさらなる精製をすることなく、次の工程で使用した。
【0146】
工程2:
ブチルALD-PEG-ブチルALD-3400を用いたオキシム化:
【化63】

3-メチルチオ-1-プロパノール0.14M(0.4ml)にブチルアルデヒド-ポリ(エチレングリコール)-ブチルアルデヒド(平均分子量:3400)(ネクター(Nektar)のカタログ番号0808F02)(0.95mg(0.45当量)が入った溶液を、上述したタンパク質溶液(10mg/mlのタンパク質、2.1ml)に添加した。反応混合物を30℃でインキュベートした。工程1で得られたヒドロキシルアミン誘導体が消失した後、キャピラリー電気泳動の方法2を実施した。
【0147】
CE分析法2:
電解液は、pH2.5のリン酸バッファー50mMである。実施中、キャピラリーの酸洗浄は実施しなかった。他の全ての条件は上述したCE分析1と同様にした。
アギレント2100バイオアナライザーにおける分析を48時間後に実施すると、約20%の収率を有するダイマーについて、予期される質量の生成物が形成されるのが示された。
イオン交換において、生成物を精製した(アメルシャム・モノQ10/100GL、Aバッファー;トリス50mM、pH8.5、Bバッファー:A+0.2MのNaCl、3カラム容量を超えて0〜30%のB、20カラム容量を越えて30〜80%B、3カラム容量を超えて80〜100%、4ml/分)。
生成物を含有するプールしたフラクションを水で希釈し、同様の精製手順に再度かけた。しかしながら、ダイマーとモノマーは厳密には分離しなかった。
よって、さらなる精製工程をゲル濾過カラム(ハイプレップ・スーパーデックス(Superdex)200、トリス50mM、pH8.5、2.5ml/分)において実施した。ダイマーを単離することができたが、幾ばくかの分解産物を含有しており、第1の精製工程と類似した、最後のイオン交換精製により、部分的に除去した。収率:011mgの生成物が得られた(全体的に約3%超)。
【0148】
実施例8
(S)-6-(5-(アセチル)2-(3-(4-((4-((S)-2-カルバモイル-2-((((((((グルタミル)アスパルチル)アスパラギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アミノ)エチル)フェノキシ)メチル)トリアゾール-1-イル)プロポキシ)ベンゾイルアミノ)2-((hGHイル)ロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化64】

工程1:
5-アセチル-2-(3-ブロモ−プロポキシ)安息香酸メチルエステル
【化65】

5-アセチルサリチル酸メチル(20g、103mmol)、炭酸カリウム(42.7g、309mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(1.90g、5.15mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(150ml)の混合物を、1,3-ジブロモプロパン(42ml、412mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で16時間加熱した。それを室温まで冷却した。全ての炭酸カリウムが溶解するまで、水を添加した。酢酸エチル(300ml)で抽出した。有機相を水(3x200ml)及び炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄した。それを硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。溶離液として酢酸エチル/ヘプタン/ジクロロメタン(1:2:1)の混合物を使用し、シリカ(400g)におけるフラッシュクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、10.77gの5-アセチル-2-(3-ブロモ-プロポキシ)安息香酸メチルエステルが付与された。
MS:m/z=315(M+1)
H-NMR(CDCl):δ2.38(quintett、2H);2.59(s、3H);3.71(t、2H);3.91(s、3H);4.27(t、2H);7.05(d、1H);8.09(d、1H);8.42(s、1H)。
【0149】
工程2:
5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸メチルエステル
【化66】

5-アセチル-2-(3-ブロモ-プロポキシ)安息香酸メチルエステル(10.77g、34.2mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(200ml)に溶解させた。アジ化ナトリウム(4.44g、68.3mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(0.126g、0.342mmol)を逐次添加した。反応混合物を60℃で16時間攪拌した。それを室温まで冷却し、水(200ml)で希釈した。酢酸エチル(300ml)で抽出した。有機相を水(3x200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、粗生成物が生じた。過度のアジドを除去するため、文献(Lunn、G. SansoneE. B. Destruction of hazardous chemicals in the laboratory, 第2版, John Wiley & Sons, New York)に従い処理した。粗生成物を溶解させるために酢酸エチル/ヘプタン/ジクロロメタン(3:2:1)の混合物、さらに溶離液として酢酸エチル/ヘプタン(3:2)の混合物を使用し、シリカ(90g)におけるフラッシュクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製したところ、5.15gの5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸メチルエステルが付与された。
MS:m/z=278(M+1)、300(M+Na)、249(M-28)。
H-NMR(CDCl):δ2.12(quintett、2H);2.58(s、3H);3.62(t、2H);3.91(s、3H);4.21(t、2H);7.03(d、1H);8.10(d、1H);8.42(s、1H)。
【0150】
工程3:
5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸
【化67】

5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸メチルエステル(5.15g、18.6mmol)を1,4-ジオキサン(200ml)に溶解させた。水(200ml)に水酸化リチウム(0.534g、22.3mmol)が入った溶液を添加した。反応混合物を室温で4日間攪拌した。水酸化ナトリウムの1N水溶液を添加して、pH13-14の溶液を得た。それをtert-ブチルメチルエーテル(3x200ml)で洗浄した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液を用い、水相をpH3に酸性化した。酢酸エチル(3x200ml)で抽出した。組合せた酢酸エチル相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく使用される、粗5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸が付与された。
MS:m/z=236(M-28)、286(M+23)
H-NMR(CDCl):δ2.19(quintett、2H);2.63(s、3H);3.64(t、2H);4.37(t、2H);7.12(d、1H);8.22(d、1H);8.70(s、1H);10-12(broad 1H)。
HPLC:R=6.70分(方法02-b4-4)
【0151】
工程4:
5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル
【化68】

2-スクシンイミド-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボラート(TSTU、4.51g、15.0mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)に5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸(3.94、15.0mmol)及びトリエチルアミン(2.09ml、15.0mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(400ml)を添加した。混合物を酢酸エチル(2x200ml)で抽出した。組合せた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。それを酢酸エチル/ヘプタン(2:1、10ml)の混合物で処理した。形成された沈殿物を濾過により単離し、酢酸エチル/ヘプタンの混合物(2:1、10ml)で洗浄し、真空で乾燥させたところ、2.9gの5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルが付与された。
MS:m/z=383(M+Na)、333(M+1-N)。
H-NMR(CDCl):δ2.12(quintett、2H);2.61(s、3H);2.92(broad、4H);3.61(t、2H);4.24(t、2H);7.09(d、1H);8.23(d、1H);8.59(s、1H)。
【0152】
工程5:
{(S)-5-[5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)ベンゾイルアミノ]-1-[カルバモイル]ペンチル}カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化69】

粗(S)-5-アミノ-1-(カルバモイル)ペンチル)カルバミン酸-tert-ブチルエステル(1.97g、8.05mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(200ml)に5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)安息香酸-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(2.90g、8.05mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(4.13ml、24.14mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。それを硫酸水素ナトリウムの10%水溶液(400ml)で希釈し、酢酸エチル(2x300ml)で抽出した。組合せた有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(300ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去したところ、さらなる精製をすることなく次の工程で使用される、3.01gの粗{(S)-5-[5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)ベンゾイルアミノ]-1-[カルバモイル]ペンチル}カルバミン酸-tert-ブチルエステルが付与された。
MS:m/z=391(M+1-Boc)。
H-NMR(DMSO-d):δ1.29-1.65(m、6H);1.36(s、9H);2.05(quintett、2H);2.55(s、3H);3.26(q、2H);3.55(t、2H);3.84(q、1H);4.23(t、2H);6.70(d、1H);6.93(s、1H);7.24(m、2H);8.02(d、1H);8.10(t、1H);8.18(s、1H)。
HPLC:Rt=7.83分(方法02-b4-4)。
【0153】
工程6:
5-アセチル−N-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-2-(3-アジドプロポキシ)ベンズアミド
【化70】

トリフルオロ酢酸(100ml)を、{(S)-5-[5-アセチル-2-(3-アジドプロポキシ)ベンゾイルアミノ]-1-[カルバモイル]ペンチル}カルバミン酸-tert-ブチルエステル(3.01g、6mmol)及びジクロロメタン(100ml)の混合物に添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を真空で除去した。残留物をジクロロメタン(100ml)に溶解させた。溶媒を真空で除去した。この後者の手順を2回繰り返した。溶離液として、0.1%のトリフルオロ酢酸で緩衝させた、水に0-40%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、HPLC逆相C18-カラムにおいて、粗生成物を精製したところ、1.40gの5-アセチル-N-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-2-(3-アジドプロポキシ)ベンズアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
MS:m/z=391(M+1)。
H-NMR(DMSO-d):δ1.36(m、2H);1.52(m、2H);1.73(m、2H);2.05(quintett、2H);2.55(s、3H);3.27(q、2H);3.55(t、2H);3.69(m、1H);4.24(t、2H);7.25(d、1H);7.57(s、1H);7.83(s、1H);8.03(m、4H);8.18(m、2H)。
HPLC:Rt=5.02(方法02-b4-4)。
【0154】
工程7:
hGH-Leu-Ala
pNNC13をベースにしたクローニング法では、Zbasic2mt-D4K-hGHを既に含有する、pET11a誘導ベクターが利用される。テンプレートとしてpNNC13を使用し、PCRプライマーをSacII及びBamHI制限部位に隣接してセットし、hGHのC末端における2つの付加的なアミノ酸(ロイシン及びアラニン)をコードする628bpの単位複製配列が生じる。ついで、このPCR単位複製配列を、存在するSacII及びBamHIを使用してpNNC13にクローンバックさせ、Zbasic2mt-D4K-hGH-Leu-AlaをコードするpNNC13.4を生じさせた。得られたクローンの完全性を、コード領域のDNA配列決定により確認した。
pET11a-Zbasic2mt-D4K-hGH-Leu-Alaを用い、大腸菌BL21(DE3)を形質転換させた。単一コロニーを100μg/mlのAmpを含有する100mlのLB培地に接種し、OD600が0.6に達するまで37℃で成長させた。細胞培養温度を20℃まで低下させ、20℃で6時間、1mMのIPTGを用い、細胞を誘発させた。3000gで15分間遠心分離することにより、細胞を収集した。
【0155】
細胞ペレットを細胞溶解バッファー(25mMのNaHPO、25mMのNaHPO、pH7、5mMのEDTA、0.1%のトリトンX-100)に再懸濁させ、細胞を30kpsiの細胞破壊(コンスタント・セル・ディスラプション・システムズ(Constant Cell Disruption Systems))により破壊した。10000gで35分間遠心分離することにより、溶解物を浄化し、精製のために上清を使用した。
ステップ勾配溶出(バッファーA:25mMのNaHPO、25mMのNaHPO、pH7;バッファーB:25mMのNaHPO、25mMのNaHPO、pH7、1MのNaCl)を使用し、SPセファロースFFにおいてZbasic2mt-D4K-hGH-Leu-Alaを精製した。その後、hGH-Leu-Alaを放出させるために、エンテロペプチダーゼを使用し、タンパク質を切断した。消化後、ブチル-セファロース4FFカラムにおいて、hGH-Leu-Alaをさらに精製し、Zbasic2mt-D4Kドメイン及びエンテロペプチダーゼ(バッファーA:100mMのHEPES、pH7.5、2MのNaCl;バッファーB:100mMのHEPES、pH7.5、直線状勾配を使用)から、生成物を分離した。
【0156】
消化が不完全である場合、残ったZbasic2mt-D4K-hGH-Leu-AlaをhGH-Leu-Alaから分離させ、SPセファロースFFカラムに、再度タンパク質を充填することによりこれをなした。SPセファロースFFカラムにおいて精製する前に、25mMのNaHPO及び25mMのNaHPO(pH7)からなる溶液におけるバッファー交換を、セファデックス(Sephadex)G-25培地カラムにおいて実施する。Zbasic2mt-D4K-hGH-Leu-AlaはSPセファロースFFに結合するが、これに対し、タンパク質hGH-Leu-Alaは、流れてしまうことが見出された。
タンパク質hGH-Leu-Alaの溶液のバッファーを、50mMのNHHCOと交換した。溶液を凍結乾燥させた。
【0157】
工程8:
(S)-6-(2-(3-アジドプロポキシ)-5-アセチルベンゾイルアミノ)-2-(hGHイルロイシルアミノ)ヘキサンアミド
【化71】

hGH-Leu-Ala(15mg、672nmol)を、水(0.51ml)とエチルジイソプロピルアミン(0.004ml)に溶解させた。pH8に調節された、0.25MのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファーに、5-アセチル-N-((S)-5-アミノ-5-カルバモイルペンチル)-2-(3-アジドプロポキシ)ベンズアミド(99mg、0.20mmol)を溶解させることにより、第2の溶液を調製した。2つの溶液を組合せ、水酸化ナトリウムの1N水溶液を添加することにより、pH8.01に調節した。水にCPYが入った溶液(200U/ml、0.075ml)を添加した。反応混合物を室温で16時間、穏やかに振揺した。新たに調製された、イソプロパノール(0.0135ml)にフェニルメタンスルホニルフルオリドが入った100mM溶液を添加した。反応混合物を0.5時間、穏やかに攪拌した。それを濾過した。ハイプレップ26/10脱塩カラムにおけるゲル-クロマトグラフィーにより、バッファーを50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーと交換した。新たに調製された、イソプロパノール(0.0045ml)にフェニルメタンスルホニルフルオリドが入った100mM溶液を、タンパク質を含有するフラクションに即座に添加した。これらのフラクションを組合せ、pH8.5に調節された、25mMのトリスバッファーと、ハイプレップ26/10脱塩カラムを使用するバッファー-交換クロマトグラフィーにかけた。タンパク質を含有するフラクションを組合せ、4ml/分の流速で、120カラム容量を超えて、pH8.5、25mMのトリスからなるバッファーにおいて、pH8.5、0.2の塩化ナトリウムと25mMのトリスからなるバッファーの0-100%勾配を使用し、モノQ10/100GLカラムにおいて、イオン-交換-クロマトグラフィーにかけた。(S)-6-(2-(3-アジドプロポキシ)-5-アセチルベンゾイルアミノ)-2-(hGHイルロイシルアミノ)ヘキサンアミドを含有するフラクションを、MALDI-MSにより同定した。それらを組合せた。ハイプレップ26/10脱塩カラムを使用し、ゲル-クロマトグラフィーにより、バッファーを50mMの炭酸水素アンモニウムバッファーに交換したところ、 3.91mgの(S)-6-(2-(3-アジドプロポキシ)-5-アセチルベンゾイルアミノ)-2-(hGHイルロイシルアミノ)ヘキサンアミドが生じた。0.731の吸収係数を使用し、280nmで定量することにより、収率を測定した。IEF-ゲルには、出発タンパク質hGH-Leu-Alaと比較して、タンパク質のpKaの予期された変化が示された。
MALDI-TOF(CHCA(アルファ-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸)、未訂正):実測:m/z=22586(M)、11295(M2+);必須:22727(M)、11363.5(M2+)。
【0158】
工程9:
[1-カルバモイル-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化72】

1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.44g、35.55mmol)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(6.82g、35.55mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(70ml)及びジクロロメタン(70ml)にBoc-Tyr-OH(10g、35.55mmol)が入った溶液に、逐次添加した。反応混合物を室温で20分攪拌した。アンモニアの25%水溶液(26.56ml、355mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。それを酢酸エチル(300ml)で希釈し、水(3x100ml)、続いて炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(100ml)で洗浄した。溶媒を真空で除去したところ、4.24gの粗[1-カルバモイル-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステルが付与された。
H-NMR(DMSO-d):δ1.31(s 9H);2.80(dd、1H);2.83(dd、1H);4.00(m、1H);6.62(d、2H);6.70(d、1H);6.97(br、1H);7.03(d、2H);7.31(br、1H);9.14(s、1H)。
【0159】
工程10:
[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステル
【化73】

[(S)-1-カルバモイル-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-カルバミン酸-tert-ブチルエステル(1.0g、3.57mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(65mg、0.17mmol)、炭酸カリウム(3.94g、29mmol)、臭化プロパルギル(0.38ml、4.28mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(15ml)の混合物を、60℃で16時間加熱した。それを室温まで冷却し、水(30ml)で希釈し、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液で酸性化させた。混合物を酢酸エチル(2x100ml)で抽出した。組合せた有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空で除去した。溶離液としてジクロロメタン/メタノールの混合物(10:1)を使用し、シリカ(100g)におけるフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を精製したところ、998mgの[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステルが付与された。
MS:m/z=341(M+Na)
H-NMR(DMSO-d)δ1.31(s、9H);2.50(s、1H);2.67(dd、1H);2.91(dd、1H);4.03(m、1H);4.74(s、2H);6.77(d、1H);6.86(d、2H);6.99(s、1H)、7.17(d、2H);7.35(s、1H)。
【0160】
工程11:
(2S)-2-アミノ-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド
【化74】

トリフルオロ酢酸(10ml)を、ジクロロメタン(10ml)に[(S)-1-カルバモイル-2-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)エチル]カルバミン酸-tert-ブチルエステル(998mg、3.13mmol)が入った溶液に添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を除去した。残留物をジクロロメタン(30ml)に溶解させた。溶媒を除去した。後者の手順を2回繰り返したところ、1.53gの(2S)-2-アミノ-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミドのトリフルオロ酢酸塩が付与された。
MS:m/z=219(M+1)
H-NMR(CDCl)δ2.51(s、1H);3.02(m、2H);3.90(m、1H);4.78(s、2H);6.95(d、2H);7.20(d、2H);7.56(s、1H);7.87(s、1H);8.10(br、3H)。
HPLC(方法02-B4-4):R=5.62分。
【0161】
工程12:
(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパルギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)-3-(4-(プロパルギルオキシ)フェニル)プロピオンアミド
【化75】

pH7.5に調節された、250mMのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(4ml)に、(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパルギル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシル)アラニン(11mg、0.011mmol)が入った溶液を、pH7.5に調節された、250mMのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(3ml)に、(2S)-2-アミノ-3-(4-(プロプ-2-イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミドのトリフルオロ酢酸塩(928mg、2.80mmol)が入った溶液に添加した。ベータ-ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(220mg)を添加した。水酸化ナトリウムの1N水溶液(3.00ml)を添加することにより、pHを、pH8.09に調節した。pH7.5に調節された、250mMのHEPES及び5mMのEDTAからなるバッファー(0.96ml)を添加し、全体容量が10.96mlになるようにした。pHはpH8.06であることが見出された。CPY溶液(200U/ml、0.22ml)を添加した。反応混合物を15分、穏やかに振揺した。それを水(20ml)で希釈し、0.1%のトリフルオロ酢酸で双方とも緩衝させた、水に10-50%のアセトニトリル勾配のあるものを使用し、逆相C18-カラムにおいてHPLC-クロマトグラフィーにかけた。所望の生成物を含有するフラクションを組合せ、凍結乾燥したところ、3.8mgの(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパルギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)-3-(4-(プロパルギルオキシ)フェニル)プロピオンアミドが付与された。
MS:m/z=1114。
HPLC:R=7.28分(02-b4-4)。
【0162】
工程13:
2,6-ルチジンの2%溶液(0.10ml)に(S)-2-(((((((グルタミル)アスパルチル)アスパルギニル)グルタミル)フェニルアラニル)フェニルアラニル)ロイシルアミノ)-3-(4-(プロパルギルオキシ)フェニル)プロピオンアミド(0.192mg、173nmol)が入った溶液を、2,6-ルチジンの2%溶液(0.250ml)に(S)-6-(2-(3-アジドプロポキシ)-5-アセチルベンゾイルアミノ)-2-(hGHイルロイシルアミノ)ヘキサンアミド(1.95mg、86nmol)が入った溶液に添加した。銅(I)の溶液を、2,6-ルチジンの2%水溶液(0.0215ml)にアスコルビン酸(0.760mg、4316nmol)が入った溶液に、硫酸銅(II)五水和物(0.216mg、863nmol)の水溶液(0.0215ml)を添加することにより調製した。この銅(I)溶液を1分放置し、タンパク質及びペプチドの上述した溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間、穏やかに振揺した。MALDI-TOF(未訂正)では、出発タンパク質に相当する、m/z=22582での小さなピークに隣接して、所望の生成物について予期される、m/z=23724でのピークが示された。反応混合物のSDSゲルは、予期される結果に従い、出発物質より約1kDa多い分子量を有する生成物として示した。同様の結果がアギレントバイオアナライザー実験で得られ、予期されるように、出発物質の分子量より約1.2kDa多い分子量を有する生成物が存在するタンパク質のみが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのポリペプチドをそれぞれのC末端で結合させる方法であって、
(a)反応基を含む化学基を結合されるポリペプチドのC末端に導入することで、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)(i)互いに、2つの化学基の反応基を反応させるか、又は
(ii)スペーサー分子の第1の反応基と第1の化学基の反応基を反応させ、スペーサー分子の第2の反応基と第2の化学基の反応基を反応させる;
ことを含む方法。
【請求項2】
酵素がカルボキシペプチダーゼY又はその変異体又は断片であり、変異体又は断片が、タンパク質又はペプチドのC末端アミノ酸が、種々の化学部分で置き換えられることにより反応を触媒する能力を保持している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酵素がカルボキシペプチダーゼYである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)スペーサー分子の反応基Yと反応基Zとを反応させて、化学基Xを形成させ、
スペーサー分子の反応基Vと反応基Wとを反応させて、化学基Uを形成させる;
ことを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
XとUが独立して、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)で形成された2つのポリペプチド間のスペーサーが、少なくとも一のエチレングリコールジラジカルを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
V、W、Y及びZが独立して、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される、請求項4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(a)反応基Wを含む化学基を、結合される第1のポリペプチドのC末端に導入し、反応基Zを含む化学基を、結合される第2のポリペプチドのC末端に導入することにより、結合されるポリペプチドのC末端を酵素触媒的に修飾し;
(b)反応基Zと反応基Wとを反応させて、化学基Tを形成させる;
ことを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
Tが、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン、トリアゾール、イソオキサゾリジン、アミド、3-チオピロリジンジオン及びアラルキンのジラジカルからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
W及びZが、アルコキシルアミノ、アリールオキサミノ、オキソ、アジド、アルキニル、アルケニル、ハロアリール、メルカプト、N-マレイミド、及び2-(ジフェニルホスフィノ)フェノキシカルボニルからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
2つのポリペプチドが同一である、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
2つのポリペプチドが互いに異なっている、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンである、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンの誘導体である、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも一のポリペプチドがヒト成長ホルモンの変異体又はヒト成長ホルモンの変異体の誘導体である、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一のポリペプチドがhGH-Leu-Alaである、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
化学基ZがリンカーAを介して導入される、請求項4から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
リンカーAが、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1-10アルカン、C2-10アルケン、C2-10アルキン、C1-10ヘテロアルカン、C2-10ヘテロアルケン、C2-10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、そのいずれもオキソで置換されていてよく、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
化学基WがリンカーBを介して導入される、請求項4から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
リンカーBが、オキソで置換されていてもよい、直鎖状、分枝状及び/又は環状のC1-10アルカン、C2-10アルケン、C2-10アルキン、C1-10ヘテロアルカン、C2-10ヘテロアルケン、C2-10ヘテロアルキンのビ-ラジカルからなる群から選択され、ここで一又は複数の同素環芳香族化合物のビラジカル(類)又は複素環芳香族化合物のビラジカル(類)が挿入されてもよい、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
リンカーA及びリンカーBが独立して、次の式:
【化1】



からなる群から選択される、請求項17から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
最終生成物において、2つのポリペプチドを結合させる部分が、1,2,3-トリアゾール部分を有する、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
化合物N,N'-ビス(2-(2-(2-(2-(4-((3-(N-((S)-5-(カルバモイル)-5-(hGHイルロイシニルアミノ)ペンチル)カルバモイル)ベンジルオキシ)イミノ)ブトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)オメガ-カルバモイル3.4kDa PEG-カルボン酸アミド。
【化2】

【請求項24】
請求項1から21のいずれか1項に記載の方法により生成された化合物。
【請求項25】
請求項1から21のいずれか1項に記載の方法を使用することにより得られる化合物。
【請求項26】
結合部分によりそれらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物であり、ここで結合部分が1,2,3-トリアゾール部分を有しているポリペプチド化合物。
【請求項27】
前記結合部分が、次の式:
【化3】



からなる群から選択される、請求項26に記載のポリペプチド化合物。
【請求項28】
結合部分によりそれらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物であり、ここで結合部分が1,2,3-トリアゾール部分を有しており、該ポリペプチド化合物が、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法を使用することにより得られた又は得られるポリペプチド化合物。
【請求項29】
それらのC末端を介して結合した2つのポリペプチドを含有するポリペプチド化合物で、請求項1から21のいずれか1項に記載の構造を有するポリペプチド化合物。
【請求項30】
請求項23から29のいずれか1項に記載の化合物と、製薬的に許容可能な担体又は賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項31】
患者の疾病又は疾患を処置するための、請求項23から29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
患者の疾病又は疾患を処置する医薬を製造するための、請求項23から29のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−526812(P2009−526812A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554761(P2008−554761)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051388
【国際公開番号】WO2007/093594
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(507383862)ノボ ノルディスク ヘルス ケア アーゲー (42)
【Fターム(参考)】