CAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置
【課題】 被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができるCAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出する照射領域確定部2を設け、その照射領域確定部2により抽出された3Dデータとピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、照射時間データにしたがって照射ポイントに対する電子ビームの照射時間を設定する。
【解決手段】 被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出する照射領域確定部2を設け、その照射領域確定部2により抽出された3Dデータとピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、照射時間データにしたがって照射ポイントに対する電子ビームの照射時間を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物に電子ビームを照射して表面処理を行う電子ビーム照射装置と、その電子ビーム照射装置のCAD/CAM装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被処理物に電子ビームを照射して表面処理を行う表面処理方法として、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する方法が以下の特許文献1に開示されている。
しかしながら、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する場合、被処理物が鋭角なエッジ部を有していると、そのエッジ部にも電子ビームが照射されるため、その電子ビームの照射に伴う熱影響でエッジ部が丸くなることがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、電子ビームを収束するビーム収束手段と、電子ビームを偏向するビーム偏向手段と、ビーム偏向手段を制御するビーム走査制御手段とを備えた電子ビーム照射装置が以下の非特許文献2に開示されている。
しかしながら、この電子ビーム照射装置では、ある領域において、電子ビームをX方向に一定に高速偏向しながら、Y方向に移動させる走査方法を採用しているため、複雑な形状の被処理物については表面処理を実施することができない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−1086号公報(段落番号[0011]から[0015]、図1)
【非特許文献1】電気加工学会全国大会、「大面積ビームによる金型加工面仕上げに関する研究(第2報)」、P47−P50
【非特許文献2】「電子ビーム照射による金属表面加工」、2004年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、P561−P52
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子ビーム照射装置は以上のように構成されているので、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する場合には、被処理物に鋭角なエッジ部があると、そのエッジ部が電子ビームの照射によって丸くなることがあり、電子ビームをX方向に一定に高速偏向しながらY方向に移動させる場合には、複雑な形状の被処理物については表面処理を実施することができないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができるCAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、被処理物のエッジ形状を損なうことなく、被処理物の表面処理を実施することができるCAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るCAD/CAM装置は、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段を設け、そのデータ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段を設け、そのデータ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定するように構成したので、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、CAD/CAM装置のデータ入力部1は電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するとともに、被処理物に対する電子ビームの照射領域を示す照射領域データを入力する処理を実施する。なお、データ入力部1はデータ入力手段を構成している。
照射領域確定部2はデータ入力部1により入力された3次元形状データにしたがって被処理物を表示部3に表示するとともに、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1から照射領域データが入力されると、データ入力部1により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出する処理を実施する。
【0010】
表示部3は照射領域確定部2の指示の下、被処理物や照射領域などを表示するCRTや液晶ディスプレイなどのディスプレイである。
照射領域格納部4は照射領域確定部2により抽出された照射領域の3次元形状データを格納するメモリである。
なお、データ入力部1、照射領域確定部2、表示部3及び照射領域格納部4からデータ抽出手段が構成されている。
【0011】
照射箇所設定部5は照射領域格納部4に格納されている照射領域の3次元形状データと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータ(照射条件)にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する。即ち、照射箇所設定部5はピッチデータが示すピッチ幅で照射ポイントの点列を照射領域上に設定する処理を実施する。
照射箇所格納部6は照射箇所設定部5により設定された照射ポイントの座標(X,Y,Z)を格納するメモリである。
データ出力部7は各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間を示す照射時間データ(照射条件)と、照射箇所格納部6により格納されている照射ポイントの座標(X,Y,Z)とを入力して、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成し、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する処理を実施する。
なお、照射箇所設定部5、照射箇所格納部6及びデータ出力部7から照射設定手段が構成されている。
【0012】
電子ビーム加工機8はCAD/CAM装置から転送された位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
図2はこの発明の実施の形態1によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0013】
次に動作について説明する。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置(図示せず)を操作して、被処理物の3次元形状データ(以下、3Dデータという)の入力を要求すると、CAD/CAM装置のデータ入力部1が被処理物の3Dデータを入力する(ステップST1)。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が3Dデータを入力すると、図3に示すように、その3Dデータにしたがって被処理物を表示部3に表示する。
また、照射領域確定部2は、被処理物における表面の領域を適宜分割し、電子ビームを照射する領域の指定を促すメッセージを表示する。
【0014】
これにより、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームを照射する領域を選択すると(ステップST2)、CAD/CAM装置のデータ入力部1がその照射領域を示す照射領域データを入力する。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が照射領域データを入力すると、図4及び図5に示すように、その照射領域データが示す照射領域を色表示する。図4及び図5では、2個の円筒の上部が照射領域に選択されている例を示している。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、その照射領域の確定要求を入力すると、CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出し、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST3)。図4及び図5の例では、2個の円筒の上部の3次元形状データを照射領域格納部4に格納している。
【0015】
CAD/CAM装置の照射箇所設定部5は、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを照射箇所格納部6に格納すると、その照射領域の3Dデータと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する(ステップST4)。
即ち、照射箇所設定部5は、図6に示すように、例えば、X−Y平面において、ピッチデータが示すピッチ幅で、照射ポイントの点列を照射領域上に設定する処理を実施する。
照射箇所設定部5は、照射ポイントの点列を照射領域上に設定すると、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納する(ステップST5)。
【0016】
CAD/CAM装置のデータ出力部7は、照射箇所設定部5が各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納すると、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)と、照射時間データが示す各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間とを組み合せて、図7に示すように、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成する(ステップST6)。
データ出力部7は、位置照射時間ファイルを生成すると、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する。
【0017】
電子ビーム加工機8は、CAD/CAM装置から位置照射時間ファイルを受けると、その位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
例えば、CAD/CAM装置から図7の位置照射時間ファイルが転送された場合、まず、(X,Y,Z)=(1,2,−3)の位置に5μsec間、電子ビームを照射する。
次に、(X,Y,Z)=(1,3,−3)の位置に移動して、5μsec間、電子ビームを照射する。
以上の処理を位置照射時間ファイルの最後まで繰り返し実施する。
【0018】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出する照射領域確定部2を設け、その照射領域確定部2により抽出された3Dデータとピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、照射時間データにしたがって照射ポイントに対する電子ビームの照射時間を設定するように構成したので、任意の領域の必要な箇所だけに電子ビームを照射することができるようになり、その結果、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができる効果を奏する。
【0019】
なお、この実施の形態1では、照射条件として電子ビームの照射時間が指定されているものについて示したが、照射条件として電子ビームの電流値が指定されている場合、電子ビームの照射量として、各照射ポイントにおける電子ビームの電流値を設定するようにしてもよい。
また、電子ビームの照射量として、各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間と電流値の両方を設定するようにしてもよい。
【0020】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
照射禁止領域確定部9は電子ビームの照射を禁止するエッジと、そのエッジ幅が指定された場合、照射領域格納部4は格納された照射領域の3Dデータからそのエッジ幅分の3Dデータを除去する処理を実施する。なお、照射禁止領域確定部9は照射設定手段を構成している。
図9はこの発明の実施の形態2によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0021】
次に動作について説明する。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置(図示せず)を操作して、被処理物の3Dデータの入力を要求すると、上記実施の形態1と同様に、CAD/CAM装置のデータ入力部1が被処理物の3Dデータを入力する(ステップST1)。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が3Dデータを入力すると、図3に示すように、その3Dデータにしたがって被処理物を表示部3に表示する。
また、照射領域確定部2は、被処理物における表面の領域を適宜分割し、電子ビームを照射する領域の指定を促すメッセージを表示する。
【0022】
これにより、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームを照射する領域を選択すると(ステップST2)、CAD/CAM装置のデータ入力部1がその照射領域を示す照射領域データを入力する。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が照射領域データを入力すると、図4及び図5に示すように、その照射領域データが示す照射領域を色表示する。図4及び図5では、2個の円筒の上部が照射領域に選択されている例を示している。
【0023】
また、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームの照射を禁止する領域として、当該照射領域のエッジを選択するとともに(ステップST11)、そのエッジ幅を指定すると(ステップST12)、CAD/CAM装置のデータ入力部1が当該エッジを示す照射禁止エッジデータを入力するとともに、そのエッジ幅を示す照射禁止幅データを入力する。
CAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9は、データ入力部1が照射禁止エッジデータと照射禁止幅データを入力すると、図10及び図11に示すように、照射禁止領域を強調表示する。図10及び図11の例では、左側の円筒の上部のエッジが照射禁止領域に選択されている例を示している。
【0024】
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、その照射領域の確定要求を入力すると、CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、上記実施の形態1と同様に、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出し、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納する。
CAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9は、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、データ入力部1により入力された照射禁止エッジデータと照射禁止幅データから照射禁止領域を抽出し、その照射領域の3Dデータから照射禁止領域(エッジ幅分の領域)の3Dデータを除去する処理を実施する(ステップST13)。
照射禁止領域確定部9は、照射領域の3Dデータから照射禁止領域の3Dデータを除去すると、図12に示すように、照射禁止領域除去後の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST14)。
【0025】
CAD/CAM装置の照射箇所設定部5は、照射禁止領域確定部9が照射禁止領域除去後の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、上記実施の形態1と同様に、その3Dデータと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する(ステップST4)。
照射箇所設定部5は、照射ポイントの点列を照射領域上に設定すると、上記実施の形態1と同様に、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納する(ステップST5)。
【0026】
CAD/CAM装置のデータ出力部7は、照射箇所設定部5が各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納すると、上記実施の形態1と同様に、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)と、照射時間データが示す各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間とを組み合せて、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成する(ステップST6)。
データ出力部7は、位置照射時間ファイルを生成すると、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する。
電子ビーム加工機8は、CAD/CAM装置から位置照射時間ファイルを受けると、上記実施の形態1と同様に、その位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
【0027】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、照射条件として照射禁止領域が指定されている場合、その照射禁止領域を除く照射領域に照射ポイントを設定するように構成したので、被処理物のエッジ形状を損なうことなく、被処理物の表面処理を実施することができる効果を奏する。
【0028】
なお、この実施の形態2では、ユーザが照射禁止幅データを入力するものについて示したが、予め照射禁止幅データがCAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9に設定されているようにしてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
照射禁止領域検出部10は電子ビームの照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば(例えば、エッジの曲率がR限界値より小さい場合)、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから当該エッジ領域の3Dデータを除去する処理を実施する。なお、照射禁止領域検出部10は照射設定手段を構成している。
図14はこの発明の実施の形態3によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0030】
次に動作について説明する。
上記実施の形態2では、ユーザが電子ビームの照射を禁止するエッジを指定するものについて示したが、この実施の形態3では、電子ビームの照射を禁止するエッジを自動的に選択するようにしている。
具体的には、下記の通りである。
【0031】
CAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10は、上記実施の形態2と同様にして、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを抽出して、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、その照射領域の3Dデータを参照して、その照射領域における全てのエッジを検出する(ステップST21)。
照射禁止領域検出部10は、照射領域における全てのエッジを検出すると、全てのエッジを予め設定されているR限界値(エッジの曲率限界値)と比較して、全てのエッジの中からR限界値より曲率が小さいエッジを抽出する(ステップST22)。
なお、R限界値は、予めCAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10に設定されていてもよいが、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0032】
ここで、図15は電子ビームの照射に伴うエッジの形状変化を示す説明図である。
エッジの形状が崩れる原因は、電子ビームの照射に伴う熱影響であるが、エッジの形状が図15(A)のように曲率が小さい場合と、図15(B)のように曲率が十分に大きい場合とでは崩れ度合いがまったく異なる。
図15(A)の場合、エッジに対する電子ビームの熱集中が大きいため、エッジが丸くなり易いが、図15(B)の場合、図15(A)と比較して、エッジに対する電子ビームの熱集中が少なく、エッジの形状が崩れ難い。ただし、被処理物に求められる精度によっては、図15(A)のようにエッジの形状が大きく崩れてもよい場合もある。
電子ビームによる表面処理が施されない部分は、手磨きなどの別の方法で表面処理を実施する必要があるため、許容範囲内で電子ビームによる表面処理を施すことが望ましい。
【0033】
CAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10は、データ入力部1から照射禁止幅データが入力されると(ステップST12)、R限界値より曲率が小さいエッジにおいて、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから照射禁止幅データが示すエッジ幅分の3Dデータを除去し(ステップST23)、その除去処理後の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST24)。
照射箇所設定部5以降の処理内容は、上記実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0034】
以上のように、この実施の形態3によれば、電子ビームの照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば(例えば、エッジの曲率がR限界値より小さい場合)、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから当該エッジ領域の3Dデータを除去するように構成したので、ユーザが電子ビームの照射を禁止するエッジを指定することなく、自動的に形状が崩れる可能性があるエッジを検出して電子ビームの照射を禁止することができる効果を奏する。
【0035】
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
条件データベース11は予め被処理物の加工条件(例えば、被処理物の材質、ビーム照射前の面粗さ、ビーム照射後の面粗さ)に対応する照射条件(例えば、ピッチ幅、電子ビームの照射時間、電子ビームの電流値)が設定されているテーブルを格納している。
条件検索部12は条件データベース11から被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得する処理を実施する。なお、条件データベース11及び条件検索部12は照射設定手段を構成している。
図17はこの発明の実施の形態4によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1〜4では、予め設定されている固定のピッチデータや照射時間データを用いて位置照射時間ファイルを作成するものについて示したが、被処理物の加工条件に対応するピッチデータや照射時間データを取得して、そのピッチデータや照射時間データを用いて位置照射時間ファイルを作成するようにしてもよい。
具体的には、下記の通りである。
【0037】
図18は条件データベース11に格納されているテーブルを示す説明図であり、図19はピッチ幅と照射時間とビーム電流値と目標面粗さ/加工前面粗さとの対応関係を示す説明図である。
電子ビームの表面処理において、ビーム電流値、ピッチ幅、照射時間の3つのパラメータは基本的には図19に示す関係にある。しかしながら、実際には、例えば、ビーム電流値を上げ過ぎると、照射時間が短くても被処理物に割れが生じることがある。逆にビーム電流値が低いと、被処理物の溶け方が足りなくなる。
したがって、ビーム電流値、ピッチ幅、照射時間には、それぞれ適切な値があり、設定には熟練度と試行錯誤が必要である。
【0038】
CAD/CAM装置の条件検索部12は、データ入力部1から被処理物の加工条件が入力されると(ステップST31)、条件データベース11から被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得する処理を実施する(ステップST32)。
例えば、ユーザが被処理物の加工条件として、ビームを照射する前の加工前面粗さ“24”と、ビーム照射後の目標面粗さ“5”と、被処理物の材質“Steel”とを入力すると、これらの入力データをキーにして、条件データベース11からピッチ幅“0.2”と照射時間“10”を取得する。
この場合、条件検索部12は、ピッチ幅“0.2”を照射箇所設定部5に出力し、照射時間“10”をデータ出力部7に出力する。
【0039】
ここでは、被処理物の加工条件に対応する照射条件としてピッチ幅と照射時間を取得しているが、照射条件としてピッチ幅とビーム電流値を取得してもよい。また、照射条件としてピッチ幅と照射時間とビーム電流値を取得してもよい。
照射箇所設定部5以降の処理内容は、上記実施の形態1〜4と同様であるため説明を省略する。
【0040】
以上のように、この実施の形態4によれば、予め被処理物の加工条件に対応する照射条件が設定されているテーブルが設けられている場合、そのテーブルから被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得するように構成したので、ユーザが熟練度を有していなくても、適切な電子ビームの照射を実施することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】表示部により表示される被処理物を示す説明図である。
【図4】電子ビームの照射領域を示す説明図である。
【図5】電子ビームの照射領域を示す説明図である。
【図6】照射領域における電子ビームの照射スポットを示す説明図である。
【図7】照射ポイントの座標と照射時間を含む位置照射時間ファイルを示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】電子ビームの照射禁止領域を示す説明図である。
【図11】電子ビームの照射禁止領域を示す説明図である。
【図12】照射禁止領域が除去された照射領域を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態3による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態3によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】電子ビームの照射に伴うエッジの形状変化を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態4による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図17】この発明の実施の形態4によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】条件データベースに格納されているテーブルを示す説明図である。
【図19】ピッチ幅と照射時間とビーム電流値と目標面粗さ/加工前面粗さとの対応関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 データ入力部(データ入力手段、データ抽出手段)、2 照射領域確定部(データ抽出手段)、3 表示部(データ抽出手段)、4 照射領域格納部(データ抽出手段)、5 照射箇所設定部(照射設定手段)、6 照射箇所格納部(照射設定手段)、7 データ出力部(照射設定手段)、8 電子ビーム加工機、9 照射禁止領域確定部(照射設定手段)、10 照射禁止領域検出部(照射設定手段)、11 条件データベース(照射設定手段)、12 条件検索部(照射設定手段)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物に電子ビームを照射して表面処理を行う電子ビーム照射装置と、その電子ビーム照射装置のCAD/CAM装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被処理物に電子ビームを照射して表面処理を行う表面処理方法として、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する方法が以下の特許文献1に開示されている。
しかしながら、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する場合、被処理物が鋭角なエッジ部を有していると、そのエッジ部にも電子ビームが照射されるため、その電子ビームの照射に伴う熱影響でエッジ部が丸くなることがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、電子ビームを収束するビーム収束手段と、電子ビームを偏向するビーム偏向手段と、ビーム偏向手段を制御するビーム走査制御手段とを備えた電子ビーム照射装置が以下の非特許文献2に開示されている。
しかしながら、この電子ビーム照射装置では、ある領域において、電子ビームをX方向に一定に高速偏向しながら、Y方向に移動させる走査方法を採用しているため、複雑な形状の被処理物については表面処理を実施することができない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−1086号公報(段落番号[0011]から[0015]、図1)
【非特許文献1】電気加工学会全国大会、「大面積ビームによる金型加工面仕上げに関する研究(第2報)」、P47−P50
【非特許文献2】「電子ビーム照射による金属表面加工」、2004年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、P561−P52
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子ビーム照射装置は以上のように構成されているので、被処理物の広い面積にわたって電子ビームをパルス照射する場合には、被処理物に鋭角なエッジ部があると、そのエッジ部が電子ビームの照射によって丸くなることがあり、電子ビームをX方向に一定に高速偏向しながらY方向に移動させる場合には、複雑な形状の被処理物については表面処理を実施することができないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができるCAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、被処理物のエッジ形状を損なうことなく、被処理物の表面処理を実施することができるCAD/CAM装置及び電子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るCAD/CAM装置は、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段を設け、そのデータ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段を設け、そのデータ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定するように構成したので、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、CAD/CAM装置のデータ入力部1は電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するとともに、被処理物に対する電子ビームの照射領域を示す照射領域データを入力する処理を実施する。なお、データ入力部1はデータ入力手段を構成している。
照射領域確定部2はデータ入力部1により入力された3次元形状データにしたがって被処理物を表示部3に表示するとともに、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1から照射領域データが入力されると、データ入力部1により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出する処理を実施する。
【0010】
表示部3は照射領域確定部2の指示の下、被処理物や照射領域などを表示するCRTや液晶ディスプレイなどのディスプレイである。
照射領域格納部4は照射領域確定部2により抽出された照射領域の3次元形状データを格納するメモリである。
なお、データ入力部1、照射領域確定部2、表示部3及び照射領域格納部4からデータ抽出手段が構成されている。
【0011】
照射箇所設定部5は照射領域格納部4に格納されている照射領域の3次元形状データと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータ(照射条件)にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する。即ち、照射箇所設定部5はピッチデータが示すピッチ幅で照射ポイントの点列を照射領域上に設定する処理を実施する。
照射箇所格納部6は照射箇所設定部5により設定された照射ポイントの座標(X,Y,Z)を格納するメモリである。
データ出力部7は各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間を示す照射時間データ(照射条件)と、照射箇所格納部6により格納されている照射ポイントの座標(X,Y,Z)とを入力して、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成し、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する処理を実施する。
なお、照射箇所設定部5、照射箇所格納部6及びデータ出力部7から照射設定手段が構成されている。
【0012】
電子ビーム加工機8はCAD/CAM装置から転送された位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
図2はこの発明の実施の形態1によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0013】
次に動作について説明する。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置(図示せず)を操作して、被処理物の3次元形状データ(以下、3Dデータという)の入力を要求すると、CAD/CAM装置のデータ入力部1が被処理物の3Dデータを入力する(ステップST1)。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が3Dデータを入力すると、図3に示すように、その3Dデータにしたがって被処理物を表示部3に表示する。
また、照射領域確定部2は、被処理物における表面の領域を適宜分割し、電子ビームを照射する領域の指定を促すメッセージを表示する。
【0014】
これにより、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームを照射する領域を選択すると(ステップST2)、CAD/CAM装置のデータ入力部1がその照射領域を示す照射領域データを入力する。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が照射領域データを入力すると、図4及び図5に示すように、その照射領域データが示す照射領域を色表示する。図4及び図5では、2個の円筒の上部が照射領域に選択されている例を示している。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、その照射領域の確定要求を入力すると、CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出し、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST3)。図4及び図5の例では、2個の円筒の上部の3次元形状データを照射領域格納部4に格納している。
【0015】
CAD/CAM装置の照射箇所設定部5は、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを照射箇所格納部6に格納すると、その照射領域の3Dデータと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する(ステップST4)。
即ち、照射箇所設定部5は、図6に示すように、例えば、X−Y平面において、ピッチデータが示すピッチ幅で、照射ポイントの点列を照射領域上に設定する処理を実施する。
照射箇所設定部5は、照射ポイントの点列を照射領域上に設定すると、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納する(ステップST5)。
【0016】
CAD/CAM装置のデータ出力部7は、照射箇所設定部5が各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納すると、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)と、照射時間データが示す各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間とを組み合せて、図7に示すように、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成する(ステップST6)。
データ出力部7は、位置照射時間ファイルを生成すると、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する。
【0017】
電子ビーム加工機8は、CAD/CAM装置から位置照射時間ファイルを受けると、その位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
例えば、CAD/CAM装置から図7の位置照射時間ファイルが転送された場合、まず、(X,Y,Z)=(1,2,−3)の位置に5μsec間、電子ビームを照射する。
次に、(X,Y,Z)=(1,3,−3)の位置に移動して、5μsec間、電子ビームを照射する。
以上の処理を位置照射時間ファイルの最後まで繰り返し実施する。
【0018】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出する照射領域確定部2を設け、その照射領域確定部2により抽出された3Dデータとピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、照射時間データにしたがって照射ポイントに対する電子ビームの照射時間を設定するように構成したので、任意の領域の必要な箇所だけに電子ビームを照射することができるようになり、その結果、被処理物の形状が複雑であっても、所望の領域の表面処理を実施することができる効果を奏する。
【0019】
なお、この実施の形態1では、照射条件として電子ビームの照射時間が指定されているものについて示したが、照射条件として電子ビームの電流値が指定されている場合、電子ビームの照射量として、各照射ポイントにおける電子ビームの電流値を設定するようにしてもよい。
また、電子ビームの照射量として、各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間と電流値の両方を設定するようにしてもよい。
【0020】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
照射禁止領域確定部9は電子ビームの照射を禁止するエッジと、そのエッジ幅が指定された場合、照射領域格納部4は格納された照射領域の3Dデータからそのエッジ幅分の3Dデータを除去する処理を実施する。なお、照射禁止領域確定部9は照射設定手段を構成している。
図9はこの発明の実施の形態2によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0021】
次に動作について説明する。
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置(図示せず)を操作して、被処理物の3Dデータの入力を要求すると、上記実施の形態1と同様に、CAD/CAM装置のデータ入力部1が被処理物の3Dデータを入力する(ステップST1)。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が3Dデータを入力すると、図3に示すように、その3Dデータにしたがって被処理物を表示部3に表示する。
また、照射領域確定部2は、被処理物における表面の領域を適宜分割し、電子ビームを照射する領域の指定を促すメッセージを表示する。
【0022】
これにより、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームを照射する領域を選択すると(ステップST2)、CAD/CAM装置のデータ入力部1がその照射領域を示す照射領域データを入力する。
CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、データ入力部1が照射領域データを入力すると、図4及び図5に示すように、その照射領域データが示す照射領域を色表示する。図4及び図5では、2個の円筒の上部が照射領域に選択されている例を示している。
【0023】
また、ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、電子ビームの照射を禁止する領域として、当該照射領域のエッジを選択するとともに(ステップST11)、そのエッジ幅を指定すると(ステップST12)、CAD/CAM装置のデータ入力部1が当該エッジを示す照射禁止エッジデータを入力するとともに、そのエッジ幅を示す照射禁止幅データを入力する。
CAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9は、データ入力部1が照射禁止エッジデータと照射禁止幅データを入力すると、図10及び図11に示すように、照射禁止領域を強調表示する。図10及び図11の例では、左側の円筒の上部のエッジが照射禁止領域に選択されている例を示している。
【0024】
ユーザが、例えばマウスやキーボードなどの入力装置を操作して、その照射領域の確定要求を入力すると、CAD/CAM装置の照射領域確定部2は、上記実施の形態1と同様に、データ入力部1により入力された3Dデータの中から、その照射領域の3Dデータを抽出し、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納する。
CAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9は、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、データ入力部1により入力された照射禁止エッジデータと照射禁止幅データから照射禁止領域を抽出し、その照射領域の3Dデータから照射禁止領域(エッジ幅分の領域)の3Dデータを除去する処理を実施する(ステップST13)。
照射禁止領域確定部9は、照射領域の3Dデータから照射禁止領域の3Dデータを除去すると、図12に示すように、照射禁止領域除去後の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST14)。
【0025】
CAD/CAM装置の照射箇所設定部5は、照射禁止領域確定部9が照射禁止領域除去後の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、上記実施の形態1と同様に、その3Dデータと、照射ポイントのピッチ幅を示すピッチデータにしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定する処理を実施する(ステップST4)。
照射箇所設定部5は、照射ポイントの点列を照射領域上に設定すると、上記実施の形態1と同様に、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納する(ステップST5)。
【0026】
CAD/CAM装置のデータ出力部7は、照射箇所設定部5が各照射ポイントの座標(X,Y,Z)を照射箇所格納部6に格納すると、上記実施の形態1と同様に、各照射ポイントの座標(X,Y,Z)と、照射時間データが示す各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間とを組み合せて、その照射ポイントの座標(X,Y,Z)と照射時間を含む位置照射時間ファイルを生成する(ステップST6)。
データ出力部7は、位置照射時間ファイルを生成すると、その位置照射時間ファイルを電子ビーム加工機8に転送する。
電子ビーム加工機8は、CAD/CAM装置から位置照射時間ファイルを受けると、上記実施の形態1と同様に、その位置照射時間ファイルを解析して、実際に電子ビームを被処理物に照射する表面処理を実施する。
【0027】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、照射条件として照射禁止領域が指定されている場合、その照射禁止領域を除く照射領域に照射ポイントを設定するように構成したので、被処理物のエッジ形状を損なうことなく、被処理物の表面処理を実施することができる効果を奏する。
【0028】
なお、この実施の形態2では、ユーザが照射禁止幅データを入力するものについて示したが、予め照射禁止幅データがCAD/CAM装置の照射禁止領域確定部9に設定されているようにしてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
照射禁止領域検出部10は電子ビームの照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば(例えば、エッジの曲率がR限界値より小さい場合)、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから当該エッジ領域の3Dデータを除去する処理を実施する。なお、照射禁止領域検出部10は照射設定手段を構成している。
図14はこの発明の実施の形態3によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0030】
次に動作について説明する。
上記実施の形態2では、ユーザが電子ビームの照射を禁止するエッジを指定するものについて示したが、この実施の形態3では、電子ビームの照射を禁止するエッジを自動的に選択するようにしている。
具体的には、下記の通りである。
【0031】
CAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10は、上記実施の形態2と同様にして、照射領域確定部2が照射領域の3Dデータを抽出して、その照射領域の3Dデータを照射領域格納部4に格納すると、その照射領域の3Dデータを参照して、その照射領域における全てのエッジを検出する(ステップST21)。
照射禁止領域検出部10は、照射領域における全てのエッジを検出すると、全てのエッジを予め設定されているR限界値(エッジの曲率限界値)と比較して、全てのエッジの中からR限界値より曲率が小さいエッジを抽出する(ステップST22)。
なお、R限界値は、予めCAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10に設定されていてもよいが、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0032】
ここで、図15は電子ビームの照射に伴うエッジの形状変化を示す説明図である。
エッジの形状が崩れる原因は、電子ビームの照射に伴う熱影響であるが、エッジの形状が図15(A)のように曲率が小さい場合と、図15(B)のように曲率が十分に大きい場合とでは崩れ度合いがまったく異なる。
図15(A)の場合、エッジに対する電子ビームの熱集中が大きいため、エッジが丸くなり易いが、図15(B)の場合、図15(A)と比較して、エッジに対する電子ビームの熱集中が少なく、エッジの形状が崩れ難い。ただし、被処理物に求められる精度によっては、図15(A)のようにエッジの形状が大きく崩れてもよい場合もある。
電子ビームによる表面処理が施されない部分は、手磨きなどの別の方法で表面処理を実施する必要があるため、許容範囲内で電子ビームによる表面処理を施すことが望ましい。
【0033】
CAD/CAM装置の照射禁止領域検出部10は、データ入力部1から照射禁止幅データが入力されると(ステップST12)、R限界値より曲率が小さいエッジにおいて、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから照射禁止幅データが示すエッジ幅分の3Dデータを除去し(ステップST23)、その除去処理後の3Dデータを照射領域格納部4に格納する(ステップST24)。
照射箇所設定部5以降の処理内容は、上記実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0034】
以上のように、この実施の形態3によれば、電子ビームの照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば(例えば、エッジの曲率がR限界値より小さい場合)、照射領域格納部4に格納された照射領域の3Dデータから当該エッジ領域の3Dデータを除去するように構成したので、ユーザが電子ビームの照射を禁止するエッジを指定することなく、自動的に形状が崩れる可能性があるエッジを検出して電子ビームの照射を禁止することができる効果を奏する。
【0035】
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4による電子ビーム照射装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
条件データベース11は予め被処理物の加工条件(例えば、被処理物の材質、ビーム照射前の面粗さ、ビーム照射後の面粗さ)に対応する照射条件(例えば、ピッチ幅、電子ビームの照射時間、電子ビームの電流値)が設定されているテーブルを格納している。
条件検索部12は条件データベース11から被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得する処理を実施する。なお、条件データベース11及び条件検索部12は照射設定手段を構成している。
図17はこの発明の実施の形態4によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1〜4では、予め設定されている固定のピッチデータや照射時間データを用いて位置照射時間ファイルを作成するものについて示したが、被処理物の加工条件に対応するピッチデータや照射時間データを取得して、そのピッチデータや照射時間データを用いて位置照射時間ファイルを作成するようにしてもよい。
具体的には、下記の通りである。
【0037】
図18は条件データベース11に格納されているテーブルを示す説明図であり、図19はピッチ幅と照射時間とビーム電流値と目標面粗さ/加工前面粗さとの対応関係を示す説明図である。
電子ビームの表面処理において、ビーム電流値、ピッチ幅、照射時間の3つのパラメータは基本的には図19に示す関係にある。しかしながら、実際には、例えば、ビーム電流値を上げ過ぎると、照射時間が短くても被処理物に割れが生じることがある。逆にビーム電流値が低いと、被処理物の溶け方が足りなくなる。
したがって、ビーム電流値、ピッチ幅、照射時間には、それぞれ適切な値があり、設定には熟練度と試行錯誤が必要である。
【0038】
CAD/CAM装置の条件検索部12は、データ入力部1から被処理物の加工条件が入力されると(ステップST31)、条件データベース11から被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得する処理を実施する(ステップST32)。
例えば、ユーザが被処理物の加工条件として、ビームを照射する前の加工前面粗さ“24”と、ビーム照射後の目標面粗さ“5”と、被処理物の材質“Steel”とを入力すると、これらの入力データをキーにして、条件データベース11からピッチ幅“0.2”と照射時間“10”を取得する。
この場合、条件検索部12は、ピッチ幅“0.2”を照射箇所設定部5に出力し、照射時間“10”をデータ出力部7に出力する。
【0039】
ここでは、被処理物の加工条件に対応する照射条件としてピッチ幅と照射時間を取得しているが、照射条件としてピッチ幅とビーム電流値を取得してもよい。また、照射条件としてピッチ幅と照射時間とビーム電流値を取得してもよい。
照射箇所設定部5以降の処理内容は、上記実施の形態1〜4と同様であるため説明を省略する。
【0040】
以上のように、この実施の形態4によれば、予め被処理物の加工条件に対応する照射条件が設定されているテーブルが設けられている場合、そのテーブルから被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得するように構成したので、ユーザが熟練度を有していなくても、適切な電子ビームの照射を実施することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】表示部により表示される被処理物を示す説明図である。
【図4】電子ビームの照射領域を示す説明図である。
【図5】電子ビームの照射領域を示す説明図である。
【図6】照射領域における電子ビームの照射スポットを示す説明図である。
【図7】照射ポイントの座標と照射時間を含む位置照射時間ファイルを示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】電子ビームの照射禁止領域を示す説明図である。
【図11】電子ビームの照射禁止領域を示す説明図である。
【図12】照射禁止領域が除去された照射領域を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態3による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態3によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】電子ビームの照射に伴うエッジの形状変化を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態4による電子ビーム照射装置を示す構成図である。
【図17】この発明の実施の形態4によるCAD/CAM装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】条件データベースに格納されているテーブルを示す説明図である。
【図19】ピッチ幅と照射時間とビーム電流値と目標面粗さ/加工前面粗さとの対応関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 データ入力部(データ入力手段、データ抽出手段)、2 照射領域確定部(データ抽出手段)、3 表示部(データ抽出手段)、4 照射領域格納部(データ抽出手段)、5 照射箇所設定部(照射設定手段)、6 照射箇所格納部(照射設定手段)、7 データ出力部(照射設定手段)、8 電子ビーム加工機、9 照射禁止領域確定部(照射設定手段)、10 照射禁止領域検出部(照射設定手段)、11 条件データベース(照射設定手段)、12 条件検索部(照射設定手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するデータ入力手段と、上記被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、上記データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定する照射設定手段とを備えたCAD/CAM装置。
【請求項2】
照射設定手段は、照射条件として照射ポイントのピッチ幅が指定されている場合、そのピッチ幅で照射ポイントの点列を照射領域上に設定することを特徴とする請求項1記載のCAD/CAM装置。
【請求項3】
照射設定手段は、照射条件として電子ビームの照射時間が指定されている場合、各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間を設定し、照射条件として電子ビームの電流値が指定されている場合、各照射ポイントにおける電子ビームの電流値を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のCAD/CAM装置。
【請求項4】
照射設定手段は、照射条件として照射禁止領域が指定されている場合、その照射禁止領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項5】
照射設定手段は、照射禁止領域として照射を禁止するエッジの幅が指定されている場合、そのエッジ幅分の領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項4記載のCAD/CAM装置。
【請求項6】
照射設定手段は、領域指定手段により指定された照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば、そのエッジ領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項7】
照射設定手段は、予め被処理物の加工条件に対応する照射条件が設定されているテーブルが設けられている場合、そのテーブルから被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項8】
電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するデータ入力手段と、上記被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、上記データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定する照射設定手段と、上記照射設定手段の設定内容にしたがって被処理物の照射ポイントに電子ビームを照射する電子ビーム加工機とを備えた電子ビーム照射装置。
【請求項1】
電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するデータ入力手段と、上記被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、上記データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定する照射設定手段とを備えたCAD/CAM装置。
【請求項2】
照射設定手段は、照射条件として照射ポイントのピッチ幅が指定されている場合、そのピッチ幅で照射ポイントの点列を照射領域上に設定することを特徴とする請求項1記載のCAD/CAM装置。
【請求項3】
照射設定手段は、照射条件として電子ビームの照射時間が指定されている場合、各照射ポイントにおける電子ビームの照射時間を設定し、照射条件として電子ビームの電流値が指定されている場合、各照射ポイントにおける電子ビームの電流値を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のCAD/CAM装置。
【請求項4】
照射設定手段は、照射条件として照射禁止領域が指定されている場合、その照射禁止領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項5】
照射設定手段は、照射禁止領域として照射を禁止するエッジの幅が指定されている場合、そのエッジ幅分の領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項4記載のCAD/CAM装置。
【請求項6】
照射設定手段は、領域指定手段により指定された照射領域からエッジ領域を検出し、そのエッジ領域が所定の照射禁止条件に合致していれば、そのエッジ領域を除く照射領域に照射ポイントを設定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項7】
照射設定手段は、予め被処理物の加工条件に対応する照射条件が設定されているテーブルが設けられている場合、そのテーブルから被処理物の加工条件に対応する照射条件を取得することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のCAD/CAM装置。
【請求項8】
電子ビームの照射対象である被処理物の3次元形状データを入力するデータ入力手段と、上記被処理物における電子ビームの照射領域の指定を受け付ける受付処理を実施し、上記データ入力手段により入力された3次元形状データの中から、その照射領域の3次元形状データを抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段により抽出された3次元形状データと所定の照射条件にしたがって電子ビームを点照射する照射ポイントを設定するとともに、その照射ポイントに対する電子ビームの照射量を設定する照射設定手段と、上記照射設定手段の設定内容にしたがって被処理物の照射ポイントに電子ビームを照射する電子ビーム加工機とを備えた電子ビーム照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−292682(P2006−292682A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117332(P2005−117332)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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