説明

CATV中継器、CATV伝送システムおよび有線、無線信号送信方法

【課題】CATV伝送路自体の設計の見直しを行うことなく無線通信を併用可能なCATV中継器、CATV伝送システムおよび有線、無線信号送信方法を得ること。
【解決手段】第1および第2の方向性ろ波器11、12は、CATV中継器10内で伝送路を上りと下りに伝送される信号を分離する。分岐器13は下り方向の信号を分岐してその一方からバンドパスフィルタ14で無線通信用の信号を分離し、無線送信器15が電波を出力する。これにより有線と無線の双方の通信が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CATV中継器、CATV伝送システムおよび有線、無線信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、有線通信を行うための通信網としてCATV(Common Antenna TeleVision, Community Antenna TeleVision)伝送路網が発展しており、アンテナを使用することなく、全国各地でテレビジョン番組を受信できるようになっている。この本発明に関連する第1の関連技術では、CATV伝送路網に同軸ケーブルや光ファイバを使用することにより、インターネットによる通信や光電話といったサービスも行われている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
この一方で、無線通信のための周波数帯域は不足しており、携帯電話機に代表される無線端末に十分な周波数帯域を割り当てられないのが現状である。このため、VHF(Very High Frequency)帯域に広範囲に使用されてきたテレビジョン放送用の周波数帯域を整理することが行われている。地上波テレビジョンをデジタル方式のテレビジョン放送に移行させる措置がそれである。
【0004】
図7は、従来の地上波テレビジョン方式による電波の割当と、デジタル方式のテレビジョン放送に移行後の電波の割当を対比したものである。横軸は無線周波数であり、単位はMHz(メガヘルツ)である。
【0005】
同図(A)は移行前の状態を示したものである。90−108MHzおよび170−222MHzのVHF帯域はテレビジョン(TV)放送波に占有されている。470−770MHzは、UHF(Ultra High Frequency)帯のテレビジョン放送に使用されている。
【0006】
2011年7月25日の地上デジタル方式への移行後は、同図(B)に示すように470−770MHzのUHF帯にデジタル方式のテレビジョン放送を移行する。これにより、90−108MHzおよび170−222MHzのVHF帯でテレビジョンに使用されていた周波数帯域が空くことになる。これらの周波数帯域は、自営通信用に活用する方針となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−032642号公報(第0043段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、全国に広く展開されたCATV伝送路網を利用して、新たに開放される周波数帯域を無線通信のために使用することが提案されている。このため本発明の第2の関連技術では、CATV伝送路網に沿って新たに所定の間隔で無線送信器を配備することが提案されている。そして、これら配備された無線送信器を使用して、たとえば90−108MHzあるいは170−222MHzのVHF帯で無線を使用した通信を可能にすることができる。
【0009】
ところがこのためにCATV伝送路網に所望の個数だけ無線送信器を配置することにした場合、次のような幾つかの問題が発生する。
(1)配置する無線送信器は、伝送路上に個別に所定の間隔を置いて配置する全く新しい装置であり、これを新たに製品開発する必要がある。
(2)このような無線送信器は、屋外での配置に耐える筐体構造を有するだけでなく、方向性ろ波器や電源回路等の各種の部品を必要とする。このため回路規模がある程度大きくなる可能性がある他に、伝送路上に無線送信器を挿入した分だけ挿入損失が新たに発生する。これにより、CATV事業者は伝送路設計を新たに見直すという作業が発生し、挿入損失を補償するための補助増幅器のような部品も新たに必要になる。
【0010】
そこで本発明の目的は、CATV伝送路自体の設計の見直しを行うことなく無線通信を併用可能なCATV中継器、CATV伝送システムおよび有線、無線信号送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、(イ)中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記したCATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記した第1の下り線路に送り出すと共に前記した上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、(ロ)前記した中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記した各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記した上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記した上り線路に送り出すと共に前記した第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、(ハ)前記した中継用の筐体内部に配置され、前記した第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記した第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記した第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、(ニ)前記した中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記したCATV事業者側がケーブルによって前記した各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、(ホ)前記した中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器とをCATV中継器が具備する。
【0012】
また、本発明では、(イ)それぞれ中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記したCATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記した第1の下り線路に送り出すと共に前記した上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、前記した中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記した各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記した上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記した上り線路に送り出すと共に前記した第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、前記した中継用の筐体内部に配置され、前記した第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記した第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記した第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、前記した中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記したCATV事業者側がケーブルによって前記した各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、前記した中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器とをそれぞれ備えた複数のCATV中継器と、(ロ)これら複数のCATV中継器の隣り合ったもの同士を、前記した第1の伝送路と第2の伝送路を接続することで間隔を置いて直列状に連結する連結手段とをCATV伝送システムが具備する。
【0013】
更に本発明では、(イ)CATV事業者とそれぞれの加入者を繋ぐ伝送路に間隔を置いて、無線送信器を内蔵したCATV中継器を配置したCATV伝送システムにおける前記したCATV中継器のそれぞれからケーブルを用いて各加入者宅に対して特定の周波数帯域の信号を配信する有線配信ステップと、(ロ)前記した各加入者宅に配信する特定の周波数帯域以外の周波数帯域からなる特定信号を前記したCATV中継器内で分離する特定信号分離ステップと、(ハ)この特定信号分離ステップで分離した特定信号を前記したCATV中継器内で無線信号に変換して加入者の無線端末に送信する無線送信ステップとを有線、無線信号送信方法が具備する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、CATV中継器に無線送信器を内蔵することによって、本来の同軸ケーブル等の伝送路を用いたテレビジョン放送の有線による配信だけでなく、無線端末に対する無線通信が可能になる。これにより、たとえばCATVの加入者に対してユビキタスにサービスを提供することができる。しかも、無線送信器をCATV中継器に内蔵することで、無線送信器を新たに開発してCATV中継器の外に個別に配備する場合に比べて、回路規模を小さくでき、更に既存のCATV伝送路設計を見直す必要がなくなる。また、またCATV中継器に無線送信器に内蔵する場合、CATV事業者は伝送路上の既存のCATV中継器を置き換えるだけで、伝送路のレベルダイヤの変更は不要であり、伝送路設計を見直す必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のCATV中継器のクレーム対応図である。
【図2】本発明のCATV伝送システムのクレーム対応図である。
【図3】本発明の有線、無線信号送信方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の実施の形態によるCATV中継器の構成を表わしたブロック図である。
【図5】本発明の変形例におけるCATV中継器の構成を表わしたブロック図である。
【図6】従来のCATV中継器の構成を参考に表わしたブロック図である。
【図7】従来の地上波テレビジョン方式による電波の割当と、デジタル方式のテレビジョン放送に移行後の電波の割当を対比した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明のCATV中継器のクレーム対応図を示したものである。本発明のCATV中継器10は、第1の方向性ろ波器11と、第2の方向性ろ波器12と、分岐器13と、バンドパスフィルタ14と、無線送信器15を備えている。ここで、第1の方向性ろ波器11は、中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記したCATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容している。この第1の方向性ろ波器11は、前記した第1の伝送路から送られてきた信号を前記した第1の下り線路に送り出すと共に前記した上り線路から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す。第2の方向性ろ波器12は、前記した中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記した各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記した上り線路の他端と、前記したCATV事業者側から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容している。第2の方向性ろ波器12は、前記した第2の伝送路から送られてきた信号を前記した上り線路に送り出すと共に前記した第2の下り線路から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す。分岐器13は、前記した中継用の筐体内部に配置され、前記した第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記した第2の方向性ろ波器12に一端を収容した前記した第2の下り線路の他端に接続する。バンドパスフィルタ14は、前記した中継用の筐体内部に配置され、分岐器13により分岐された下り信号の他方を入力して前記したCATV事業者側がケーブルによって前記した各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出する。無線送信器15は、前記した中継用の筐体内部に配置され、バンドパスフィルタ14によって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する。
【0017】
図2は、本発明のCATV伝送システムのクレーム対応図を示したものである。本発明のCATV伝送システム20は、複数のCATV中継器21と、連結手段22を備えている。ここで、複数のCATV中継器21は、それぞれ中継用の筐体内部に配置された第1の方向性ろ波器21aと、第2の方向性ろ波器21bと、分岐器21cと、バンドパスフィルタ21dと、無線送信器21eから構成されている。第1の方向性ろ波器21aは、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記したCATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容したものである。第1の方向性ろ波器21aは、前記した第1の伝送路から送られてきた信号を前記した第1の下り線路に送り出すと共に前記した上り線路から送られてきた信号を前記した第1の伝送路に送り出す。第2の方向性ろ波器21bは、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記した各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記した上り線路の他端と、前記したCATV事業者側から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容したものである。第2の方向性ろ波器21bは、前記した第2の伝送路から送られてきた信号を前記した上り線路に送り出すと共に前記した第2の下り線路から送られてきた信号を前記した第2の伝送路に送り出す。分岐器21cは、前記した中継用の筐体内部に配置され、前記した第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記した第2の方向性ろ波器21bに一端を収容した前記した第2の下り線路の他端に接続する。バンドパスフィルタ21dは、前記した中継用の筐体内部に配置され、分岐器21cにより分岐された下り信号の他方を入力して前記したCATV事業者側がケーブルによって前記した各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出する。無線送信器21eは、バンドパスフィルタ21dによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する。連結手段22は、これら複数のCATV中継器21の隣り合ったもの同士を、前記した第1の伝送路と第2の伝送路を接続することで間隔を置いて直列状に連結する。
【0018】
図3は、本発明の有線、無線信号送信方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の有線、無線信号送信方法30は、有線配信ステップ31と、特定信号分離ステップ32と、無線送信ステップ33を備えている。ここで、有線配信ステップ31では、CATV事業者とそれぞれの加入者を繋ぐ伝送路に間隔を置いて、無線送信器を内蔵したCATV中継器を配置したCATV伝送システムにおける前記したCATV中継器のそれぞれからケーブルを用いて各加入者宅に対して特定の周波数帯域の信号を配信する。特定信号分離ステップ32では、前記した各加入者宅に配信する特定の周波数帯域以外の周波数帯域からなる特定信号を前記したCATV中継器内で分離する。無線送信ステップ33では、特定信号分離ステップ32で分離した特定信号を前記したCATV中継器内で無線信号に変換して加入者の無線端末に送信する。
【0019】
<発明の実施の形態>
【0020】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態によるCATV中継器の構成を表わしたものである。本実施の形態のCATV中継器100は、CATV伝送路網を構成する光ファイバ等の伝送路101の途中に約400メートルの間隔を置いて1台ずつ配置されているものの1台である。CATV中継器100の一端側には、前段の伝送路101Xと接続した第1の方向性ろ波器(DF)102が配置されており、他端側には次段の伝送路101X+1と接続した第2の方向性ろ波器103が配置されている。
【0022】
第1の方向性ろ波器102は、伝送路101Xから入力されたCATV事業者から加入者への下り信号104を第1の増幅素子105側に送出すると共に、第2の増幅素子106から入力された各加入者からの上り信号107を伝送路101Xに送出する役割を持っている。第2の方向性ろ波器103は、伝送路101X+1から入力された各加入者からの上り信号108を第2の増幅素子106に送出する。また、第2の方向性ろ波器103は、第1の増幅素子105から出力され分岐器109によって分岐された後の一方の下り信号111を入力して伝送路101X+1に送出する役割を持っている。
【0023】
分岐器109によって分岐された他方の下り信号112はバンドパスフィルタ114に入力されて自営通信信号115が取り出される。自営通信信号115は、このCATV中継器100の周辺に位置する図示しない無線端末に送出するための高周波の電気信号(RF(Radio Frequency)信号)である。バンドパスフィルタ114から取り出された特定周波数の自営通信信号115は、第1のインピーダンス変換器116に入力される。
【0024】
第1のインピーダンス変換器116は、自営通信信号115の信号インピーダンスが75オームであったのを、無線送信に適した信号インピーダンス50オームに変換する。変換後の自営通信信号117は、CATV中継器100に内蔵された無線送信器118に入力され、前記した無線端末に送出するための自営通信信号119として出力される。この自営通信信号119は、第2のインピーダンス変換器121に入力され、信号インピーダンス50オームを送信用アンテナ122に適した信号インピーダンス75オームに変換する。変換後の自営通信信号123は送信用アンテナ122から空中に送信される。
【0025】
本実施の形態のCATV中継器100は、CATV伝送路網でテレビジョンを視聴できるエリアに比較的密に点在している。このため、CATV事業者は図7(B)に示した90−108MHzあるいは170−222MHzのVHF帯域における自営通信に必要な特定の周波数帯域を使用して、無線送信器118の送信出力が比較的低い微弱電波の状態で、各加入者の無線端末に対する無線通信を行うことができる。
【0026】
もちろん、CATV事業者はCATV中継器100の無線送信器118から無線で送信する情報の変復調方式と有線時の有線放送の変復調方式を同一とすることによって、無線端末の受信する情報を有線放送用端末でも受信することができるようになる。
【0027】
以上説明したように本実施の形態によれば、CATV事業者がCATV伝送路上に個別に無線送信器を配備する必要なく、CATV中継器100自体に内蔵した無線送信器118を使用することで、CATVを受信するエリア内で無線端末で無線を受信することができる。このようにCATV中継器100自体が無線送信器としての機能を持つために、無線送信器を伝送路上に個別に設置する場合と比べて回路規模を小さくすることができる。また、無線送信器としての利得を考慮して設計が行われるので、伝送路のレベルダイヤは変わらず、CATV伝送路設計の見直しも必要ないという利点がある。
【0028】
また、既に説明したようにCATV中継器100を設置する間隔は、たとえば400メートル程度とかなり短い。このため、CATV中継器100に内蔵する無線送信器118は、微弱な電波を用いて送信できるというメリットがある。また、CATV中継器100に無線送信器118を内蔵するので、伝送路に無線送信器を個別に配備する場合と比べて無線送信器118のために独立した電源が不要であり、CATV伝送路全体の消費電力を削減することができる。
【0029】
更に本実施の形態によれば、有線放送の変複調方式と無線送信器の変復調方式を同じにすることによって、加入者は家庭や事業所内で有線放送用端末で受信する内容と同一の内容を、屋外等の任意の場所で、携帯端末あるいは無線受信器で無線方式で受信することができる。
【0030】
<発明の変形可能性>
図5は、本発明の変形例におけるCATV中継器の構成を表わしたものである。図5で図4と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0031】
この変形例のCATV中継器100Aは、CATV伝送路網を構成する光ファイバ等の伝送路101の途中に必要に応じて適宜配置される。CATV中継器100Aの一端側には、前段の伝送路101Yと接続した第1の方向性ろ波器102が配置されており、他端側には次段の伝送路101Y+1と接続した第2の方向性ろ波器103が配置されている。
【0032】
第1の方向性ろ波器102は、伝送路101Yから入力されたCATV事業者から加入者への下り信号104を分岐器109に直接入力する。また、第1の方向性ろ波器102は、第2の方向性ろ波器103からろ波された各加入者からの上り信号108Aを伝送路101Yに送出する役割を持っている。第2の方向性ろ波器103は、また、分岐器109によって分岐された後の一方の下り信号111Aを入力して伝送路101Y+1に送出する役割を持っている。
【0033】
分岐器109によって分岐された他方の下り信号112Aはバンドパスフィルタ114に入力されて自営通信信号115Aが取り出される。自営通信信号115Aは、このCATV中継器100Aの周辺に位置する図示しない無線端末に送出するための信号である。バンドパスフィルタ114から取り出された特定周波数の自営通信信号115Aは、第1のインピーダンス変換器116に入力される。
【0034】
第1のインピーダンス変換器116は、自営通信信号115Aの信号インピーダンスが75オームであったのを、無線送信に適した信号インピーダンス50オームに変換する。変換後の自営通信信号117Aは、CATV中継器100に内蔵された無線送信器118に入力され、前記した無線端末に送出するための自営通信信号119Aとして出力される。この自営通信信号119Aは、第2のインピーダンス変換器121に入力され、信号インピーダンス50オームを送信用アンテナ122に適した信号インピーダンス75オームに変換する。変換後の自営通信信号123Aは送信用アンテナ122から空中に送信される。
【0035】
このように変形例のCATV中継器100Aは、図4に示した実施の形態のCATV中継器100と比べると、第1の増幅素子105および第2の増幅素子106を内蔵していない。これは、伝送路101Y、101Y+1の近傍に第1の増幅素子105や第2の増幅素子106を内蔵した図4に示したCATV中継器100が存在する場合には、この変形例のCATV中継器100Aでも、信号のロスが特に問題になることなく無線送信器118を使用できるからである。もちろん、従来からCATV伝送路に使用される増幅素子を内蔵したCATV中継器が変形例のCATV中継器100Aの付近に存在してもよい。
【0036】
図6は、このような従来のCATV中継器の構成を参考に表わしたものである。図6で図4と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0037】
従来のCATV中継器100Cでは、第1の増幅素子105の出力側は第2の方向性ろ波器103と直結されている。したがって、第1の増幅素子105から出力される下り信号111Cは第2の方向性ろ波器103でろ波されて、次段の伝送路101X+1へ送出されることになる。第2の方向性ろ波器103でろ波された各加入者からの上り信号108の処理は実施の形態のCATV中継器100と同様である。
【0038】
本発明の変形例のCATV中継器100Aによれば、CATV伝送路網を構成する伝送路101における無線の送信に最も適する場所に、既存のCATV中継器が存在しない場合であっても、無線送信器118を内蔵したCATV中継器を配置することができる。しかも、CATV中継器100Aは実施の形態のCATV中継器100に比べて安価で消費電力も抑えることができる。
【0039】
なお、本発明はこれら実施の形態および変形例以外にも各種の変形が適用可能である。たとえば、第1の方向性ろ波器102および第2の方向性ろ波器103によって分波される下り信号は、70−770MHzであり、上り信号は10MHz−55MHzとなっている。したがって、第1の方向性ろ波器102および第2の方向性ろ波器103の通過帯域を変更することで、下り信号帯域と上り信号帯域を自在に変更することができる。
【0040】
また、自営通信に使用する周波数については、バンドパスフィルタ114の通過帯域を変更することで、たとえば90−108MHzあるいは170−222MHzといった許可された周波数の中で携帯電話機に代表される無線端末に対して所望の周波数を自由に割り当てて使用させることができる。
【0041】
更に、CATV中継器自体に実装する第1の方向性ろ波器102および第2の方向性ろ波器103の通過帯域と、バンドパスフィルタ114の通過帯域を変更することで、無線に使用可能な周波数帯域に対して柔軟に対応することができる。
【0042】
また、以上説明した例ではCATV中継器に無線送信器を内蔵させる例を説明したが、これに限るものではない。たとえばCATV中継器に無線送信器を内蔵させる一方で、一部の地域ではCATV中継器から分離した無線通信用の信号を外付けの無線送信器に送って、ここから無線通信を行うようにしてもよい。これにより、CATVを現在視聴している契約者以外の契約者を獲得して新しい無線サービスを実現することも可能になる。
【0043】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0044】
(付記1)
中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記CATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記第1の下り線路に送り出すと共に前記上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記上り線路に送り出すと共に前記第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、前記第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記CATV事業者側がケーブルによって前記各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、
前記中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器と、
とを具備することを特徴とするCATV中継器。
【0045】
(付記2)
前記第1の下り線路および前記上り線路には、伝送する信号の増幅を行う増幅手段がそれぞれ介在していることを特徴とする付記1記載のCATV中継器。
【0046】
(付記3)
前記第1の下り線路および前記上り線路は、増幅機能を備えない線路のみで構成されていることを特徴とする付記1記載のCATV中継器。
【0047】
(付記4)
前記特定の周波数帯域の信号は、90−108MHzおよび170−222MHz周波数帯域の信号であることを特徴とする付記1記載のCATV中継器。
【0048】
(付記5)
前記バンドパスフィルタと無線送信器の間には、90−108MHzおよび170−222MHz周波数帯域の信号インピーダンスを、無線送信に適した信号インピーダンスに変換する第1のインピーダンス変換器が配置されていることを特徴とする付記4記載のCATV中継器。
【0049】
(付記6)
前記無線送信器と無線を送出するために設けられる送信用アンテナの間には、この無線送信器の出力する信号インピーダンスを、送信用アンテナに適した信号インピーダンスに変換する第2のインピーダンス変換器が配置されていることを特徴とする付記1記載のCATV中継器。
【0050】
(付記7)
それぞれ中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記CATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記第1の下り線路に送り出すと共に前記上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、前記中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記上り線路に送り出すと共に前記第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、前記中継用の筐体内部に配置され、前記第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、前記中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記CATV事業者側がケーブルによって前記各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、前記中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器とをそれぞれ備えた複数のCATV中継器と、
これら複数のCATV中継器の隣り合ったもの同士を、前記第1の伝送路と第2の伝送路を接続することで間隔を置いて直列状に連結する連結手段
とを具備することを特徴とするCATV伝送システム。
【0051】
(付記8)
前記第1の下り線路および前記上り線路を伝送する信号の増幅を行う増幅手段が内蔵されたCATV中継器の近傍に、前記第1の下り線路および前記上り線路が増幅機能を備えない線路のみで構成されているCATV中継器が配置されていることを特徴とする付記7記載のCATV伝送システム。
【0052】
(付記9)
前記複数のCATV中継器のいずれかから引き出された無線送信用ケーブルと、前記中継用の筐体の外部に配置され、前記無線送信用ケーブルに接続された無線送信器とを具備することを特徴とする付記7記載のCATV伝送システム。
【0053】
(付記10)
CATV事業者とそれぞれの加入者を繋ぐ伝送路に間隔を置いて、無線送信器を内蔵したCATV中継器を配置したCATV伝送システムにおける前記CATV中継器のそれぞれからケーブルを用いて各加入者宅に対して特定の周波数帯域の信号を配信する有線配信ステップと、
前記各加入者宅に配信する特定の周波数帯域以外の周波数帯域からなる特定信号を前記CATV中継器内で分離する特定信号分離ステップと、
この特定信号分離ステップで分離した特定信号を前記CATV中継器内で無線信号に変換して加入者の無線端末に送信する無線送信ステップ
とを具備することを特徴とする有線、無線信号送信方法。
【符号の説明】
【0054】
10、100、100A、100C CATV中継器
11、21a、102 第1の方向性ろ波器
12、21b、103 第2の方向性ろ波器
13、21c、109 分岐器
14、21d、114 バンドパスフィルタ
15、21e、118 無線送信器
20 CATV伝送システム
21 複数のCATV中継器
22 連結手段
30 有線、無線信号送信方法
31 有線配信ステップ
32 特定信号分離ステップ
33 無線送信ステップ
101 伝送路
105 第1の増幅素子
106 第2の増幅素子
116 第1のインピーダンス変換器
121 第2のインピーダンス変換器
122 送信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記CATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記第1の下り線路に送り出すと共に前記上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記上り線路に送り出すと共に前記第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、前記第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、
前記中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記CATV事業者側がケーブルによって前記各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、
前記中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器と、
とを具備することを特徴とするCATV中継器。
【請求項2】
前記第1の下り線路および前記上り線路には、伝送する信号の増幅を行う増幅手段がそれぞれ介在していることを特徴とする請求項1記載のCATV中継器。
【請求項3】
前記第1の下り線路および前記上り線路は、増幅機能を備えない線路のみで構成されていることを特徴とする請求項1記載のCATV中継器。
【請求項4】
前記特定の周波数帯域の信号は、90−108MHzおよび170−222MHz周波数帯域の信号であることを特徴とする請求項1記載のCATV中継器。
【請求項5】
前記バンドパスフィルタと無線送信器の間には、90−108MHzおよび170−222MHz周波数帯域の信号インピーダンスを、無線送信に適した信号インピーダンスに変換する第1のインピーダンス変換器が配置されていることを特徴とする請求項4記載のCATV中継器。
【請求項6】
前記無線送信器と無線を送出するために設けられる送信用アンテナの間には、この無線送信器の出力する信号インピーダンスを、送信用アンテナに適した信号インピーダンスに変換する第2のインピーダンス変換器が配置されていることを特徴とする請求項1記載のCATV中継器。
【請求項7】
それぞれ中継用の筐体内部に配置され、CATV事業者側を出発点あるいは帰着点とする第1の伝送路と、この第1の伝送路を経て前記CATV事業者側から送られてきた信号を抽出して伝送する第1の下り線路と、各加入者側から送られてきた信号を前記第1の伝送路に送り出す上り線路のそれぞれの一端を収容し、第1の伝送路から送られてきた信号を前記第1の下り線路に送り出すと共に前記上り線路から送られてきた信号を第1の伝送路に送り出す第1の方向性ろ波器と、前記中継用の筐体内部に配置され、各加入者側を出発点あるいは帰着点とする第2の伝送路の一端と、この第2の伝送路を経て前記各加入者側から送られてきた信号を抽出して伝送する線路としての前記上り線路の他端と、CATV事業者側から送られてきた信号を前記第2の伝送路に送り出す第2の下り線路の一端をそれぞれ収容し、第2の伝送路から送られてきた信号を前記上り線路に送り出すと共に前記第2の下り線路から送られてきた信号を第2の伝送路に送り出す第2の方向性ろ波器と、前記中継用の筐体内部に配置され、前記第1の下り線路を経た下り信号を2つに分岐しその一方を前記第2の方向性ろ波器に一端を収容した前記第2の下り線路の他端に接続する分岐器と、前記中継用の筐体内部に配置され、この分岐器により分岐された下り信号の他方を入力して前記CATV事業者側がケーブルによって前記各加入者側に配信する周波数帯域以外の特定の周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、前記中継用の筐体内部に配置され、このバンドパスフィルタによって抽出された信号を入力して無線で出力する信号に変換する無線送信器とをそれぞれ備えた複数のCATV中継器と、
これら複数のCATV中継器の隣り合ったもの同士を、前記第1の伝送路と第2の伝送路を接続することで間隔を置いて直列状に連結する連結手段
とを具備することを特徴とするCATV伝送システム。
【請求項8】
前記第1の下り線路および前記上り線路を伝送する信号の増幅を行う増幅手段が内蔵されたCATV中継器の近傍に、前記第1の下り線路および前記上り線路が増幅機能を備えない線路のみで構成されているCATV中継器が配置されていることを特徴とする請求項7記載のCATV伝送システム。
【請求項9】
前記複数のCATV中継器のいずれかから引き出された無線送信用ケーブルと、前記中継用の筐体の外部に配置され、前記無線送信用ケーブルに接続された無線送信器とを具備することを特徴とする請求項7記載のCATV伝送システム。
【請求項10】
CATV事業者とそれぞれの加入者を繋ぐ伝送路に間隔を置いて、無線送信器を内蔵したCATV中継器を配置したCATV伝送システムにおける前記CATV中継器のそれぞれからケーブルを用いて各加入者宅に対して特定の周波数帯域の信号を配信する有線配信ステップと、
前記各加入者宅に配信する特定の周波数帯域以外の周波数帯域からなる特定信号を前記CATV中継器内で分離する特定信号分離ステップと、
この特定信号分離ステップで分離した特定信号を前記CATV中継器内で無線信号に変換して加入者の無線端末に送信する無線送信ステップ
とを具備することを特徴とする有線、無線信号送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−54738(P2012−54738A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195326(P2010−195326)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【出願人】(390010386)NECマグナスコミュニケーションズ株式会社 (22)
【Fターム(参考)】