説明

CGRP受容体拮抗薬

CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式I


(式中の可変項R1、R2、R3、R7、G、J、Q、T、W、XおよびYは、本明細書の中で定義するとおりである。)の化合物、およびこれらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関係するこのような疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセッシングにより生成され、中枢および末梢神経系に広く分布している天然37アミノ酸ペプチドである。CGRPは、主として求心性および中枢性感覚ニューロンに局在し、血管拡張をはじめとする幾つかの生体作用を媒介する。CGRPは、アルファ形およびベータ形で発現され、ラットおよびヒトでは、それぞれ1つおよび3つのアミノ酸によってこれらの形が変わる。CGRP−アルファおよびCGRP−ベータは、類似した生物学的特性を提示する。細胞から放出されたとき、CGRPは、特異的細胞表面受容体への結合によりこの生体応答を開始し、これらは、多分にアデニリルシクラーゼの活性化と連動する。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮および平滑筋起源のものをはじめとする幾つかの組織および細胞において、同定および薬理評価されている。
【0002】
薬理特性に基づき、これらの受容体は、少なくとも2つのサブタイプ(CGRP1およびCGRP2を指す)に分けられる。ヒト−CGRP−(8−37)(7つのN末端アミノ酸残基を欠くCGRPのフラグメント)は、CGRP1の選択的拮抗薬であり、これに対してCGRPの線状類似体[ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)]は、CGRP2の選択的作動薬である。CGRPは、偏頭痛および群発性頭痛などの脳血管疾患の症状に関連付けられている強力な血管拡張薬である。臨床試験において、頚静脈におけるCGRPのレベル上昇が、偏頭痛発作中に発生することが判明した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して血管拡張増加を導き、これが、偏頭痛発作中の頭痛の主発生源と考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。中硬膜動脈(硬膜内の主動脈)は、CGRPをはじめとする幾つかの神経ペプチドを含む三叉神経節からの感覚線維による刺激を受ける。ネコでは、三叉神経節刺激の結果、CGRPのレベルが上昇し、ヒトでは、三叉神経系の活性化に起因して、顔が潮紅し、外頚静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて、硬膜の電気刺激は、中硬膜動脈の直径を増大させ、この効果は、CGRP(8−37)[ペプチドCGRP拮抗薬]の事前投与により阻止された(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて、三叉者神経節刺激は、顔の血流を増加させ、これは、CGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットにおいて、三叉神経節の電気刺激は、顔の血流増加を生じさせ、これは、非ペプチドCGRP拮抗薬BIBN4096BSにより阻止することができた(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管効果は、CGRP拮抗薬によって減弱、防止または反転させることができる。
【0003】
CGRPにより媒介されるラット中硬膜動脈の血管拡張は、尾三叉神経核のニューロンを感作することが証明された(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の拡大は、三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛および顔面異痛をはじめとする一部の偏頭痛関連症状は、三叉神経ニューロン感作の結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の影響を減弱、防止または反転させる際に有益であり得る。
【0004】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。このような疾患としては、偏頭痛および群発性頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管疾患;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265);関節炎、気管支反応亢進、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性におけるのぼせ(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇および神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚病(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)ならびに膀胱炎が挙げられる。偏頭痛および群発性頭痛をはじめとする頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特に、CGRP受容体の拮抗薬として有用である化合物、これらを調製するための方法、治療におけるこれらの使用、これらを含む医薬組成物およびこれらを使用する治療方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、
式I:
【0007】
【化5】

(式中の可変項R1、R2、R3、R7、G、J、Q、T、W、XおよびYは、本明細書の中で定義するとおりである。)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物ならびにCGRPが関係するこのような疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、式I:
【0009】
【化6】

{式中、
R1は、
1)H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され、
R2は、H、ならびに
1)C1−6アルキル、
2)C3−6シクロアルキル、
3)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
4)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
5)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)sOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4
から独立して選択され;
R7は、
1)H、C0−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、これらの置換基はR4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10およびR11は一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成してよく、この環は、非置換であるか、R4から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
R4は、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され;
Wは、O、NR4またはC(R4)2であり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R4)2、NCN、NSO2CH3またはNCONH2であり、またはYは、XがSであるときO2であり;
R5はH、ならびに、
1)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)SOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4
から独立して選択され;または、
同じ炭素に結合している2つのR5は、C(R5)2がC=Oになることができるように、置換基=Oを形成し、この場合、HでないR5置換基の数は、0から3の範囲内にあり得;
R6は、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これは、非置換であるか、以下の置換基で置換されている。
a)F)pC1−3アルキル、
b)ハロゲン、
c)OR4、
d)O(CH2)sOR4、
e)CO2R4、
f)(CO)NR10R11、
g)O(CO)NR10R11、
h)N(R4)(CO)NR10R11、
i)N(R10)(CO)R11、
j)N(R10)(CO)OR11、
k)SO2NR10R11、
l)N(R10)SO2R11、
m)S(O)mR10、
n)CN、
o)NR10R11、
p)N(R10)(CO)NR4R11、および
q)O(CO)R4]
から独立して選択され;
G_JはN、C(R5)、C=C(R5)、N−C(R5)2、C=N、C(R5)−C(R5)2、C(R5)−N(R6)およびN−N(R6)から選択され;
Q−TはC(R5)2−C(R5)2、C(R5)=C(R5)、N=C(R5)、C(R5)=N、N=N、N(R6)、C(R5)2−(C=O)、N(R6)−(C=O)5およびC(R5)2−N(R6)
から独立して選択され;
R3は、H、置換または非置換C1−C3アルキル、CN、F、OR4およびCO2R4から独立して選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基について、0から2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
sは、1、2または3である。}
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー、
を含む、CGRP拮抗薬に関する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態は、式Ia:
【0011】
【化7】

(式中、G−JおよびG−Tは、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのGCRP拮抗薬である。
【0012】
本発明のなお、さらなる実施形態は、式Ib:
【0013】
【化8】

(式中、R5およびR6は、式Iにおいて定義したとおりである。)
の化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩および立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は、
R1が、
1)H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から、独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R2が、H、ならびに
1)C1−6アルキル、
2)C3−6シクロアルキル、
3)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
4)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
5)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)sOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4、
から独立して選択され:
R7が、
1)H、C0−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10とR11が一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成してよく、この環は、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
R4が、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から、独立して選択され;
Wが、O、NR4またはC(R4)2であり;
G_Jが、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R5)2であるとき、次の構造:
【0015】
【化9】

が形成するようなN、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)=C(R5)であるとき、次の構造:
【0016】
【化10】

が形成するようなN、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN=C(R5)であるとき、次の構造:
【0017】
【化11】

が形成するようなN、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)=Nであるとき、次の構造:
【0018】
【化12】

が形成するようなN、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN=Nであるとき、次の構造:
【0019】
【化13】

が形成するようなN、
C=C(R5)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN(R6)であるとき、次の構造:
【0020】
【化14】

が形成するようなC=C(R5)、
Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−(C=O)であるとき、次の構造:
【0021】
【化15】

が形成するようなN、
N−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R5)2であるとき、次の構造:
【0022】
【化16】

が形成するようなN−C(R5)2、
C=C(R5)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)=C(R5)であるとき、次の構造:
【0023】
【化17】

が形成するようなC=C(R5)、
C=C(R5)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)=Nであるとき、次の構造:
【0024】
【化18】

が形成するようなC=C(R5)、
C=C(R5)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN=C(R5)であるとき、次の構造:
【0025】
【化19】

が形成するようなC=C(R5)、
C=Nであって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)=C(R5)であるとき、次の構造:
【0026】
【化20】

が形成するようなC=N、
N−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−(C=O)であるとき、次の構造:
【0027】
【化21】

が形成するようなN−C(R5)2、
C(R5)−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN(R6)−(C=O)であるとき、次の構造:
【0028】
【化22】

が形成するようなC(R5)−C(R5)2、
C(R5)−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R5)2であるとき、次の構造:
【0029】
【化23】

が形成するようなC(R5)−C(R5)2、
C(R5)−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−N(R6)であるとき、次の構造:
【0030】
【化24】

が形成するようなC(R5)−C(R5)2、
C(R5)−N(R6)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R5)2であるとき、次の構造:
【0031】
【化25】

が形成するようなC(R5)−N(R6)、
C(R5)−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN=C(R5)であるとき、次の構造:
【0032】
【化26】

が形成するようなC(R5)−C(R5)2、
N−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R6)であるとき、次の構造:
【0033】
【化27】

が形成するようなN−C(R5)2、
N−N(R6)であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがC(R5)2−C(R5)2であるとき、次の構造:
【0034】
【化28】

が形成するようなN−N(R6)、および
N−C(R5)2であって、G−Jがこのように定義され、Q−TがN=C(R5)であるとき、次の構造:
【0035】
【化29】

が形成するようなN−C(R5)2、ならびに
互変異性体
から選択され;
R5が、H、ならびに
1)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
2)アリールまたはヘテロアリール[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
7)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
8)(F)pC1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR4、
11)O(CH2)sOR4、
12)CO2R4、
13)(CO)NR10R11、
14)O(CO)NR10R11、
15)N(R4)(CO)NR10R11、
16)N(R10)(CO)R11、
17)N(R10)(CO)OR11、
18)SO2NR10R11、
19)N(R10)SO2R11、
20)S(O)mR10、
21)CN、
22)NR10R11、
23)N(R10)(CO)NR4R11、および
24)O(CO)R4
から独立して選択され;または、
同じ炭素に結合している2つのR5は、C(R5)2がC=Oになることができるように、置換基=Oを形成し、この場合、HでないR5置換基の数は、0から3の範囲内にあり得;
R3が、H、置換または非置換C1−C3アルキル、CN、F、およびCO2R4から、独立して選択され;
pが、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mが、0から2であり;
sが、1から3である
化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体を含む、式IのCGRP拮抗薬である。
【0036】
上に列挙した構造またはサブ構造のうちの1つまたはそれ以上が、同じ呼称を有する多種の置換基を引用する場合、そのような可変項は、同様に呼ばれている可変項の各々と同じであることもあり、異なることもあることは、理解されるはずである。例えば、R2は、式I中に4回示されており、式I中の各々のR2は、独立して、R2で定義される構造のいずれであってもよい。本発明は、所与の構造について各々のR2が同じでなければならない構造およびサブ構造に限定されない。1つの構造またはサブ構造において多回出現するいずれの可変項に関しても同じことが言える。
【0037】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有することがあり、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして発生し得る。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在することもある。各々のこのような不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じさせることとなり、混合物でのおよび純粋な化合物または部分的に精製された化合物としての可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲に包含されると解釈する。本発明は、これらの化合物のすべてのこのような異性体形を包含ものとする。
【0038】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン性二重結合を有し、特に別の指定がなければ、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を包含するものとする。
【0039】
これらのジアステレオマーの独立した合成およびこれらのクロマトグラフ分離は、本明細書の中で開示する方法論を適切に変更することにより、当分野において知られているとおり達成することができる。これらの絶対立体化学は、結晶生成物または必要な場合には絶対配置がわかっている不斉中心を有する試薬で誘導体化させた結晶性中間体のX線結晶構造解析によって判定することができる。
【0040】
所望される場合、本化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物とを結合させてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個々のジアステレオマーに分離するような、当分野では周知の方法により行うことができる。多くの場合、このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、これらのジアステレオマー誘導体は、付加させたキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに転化させることができる。本化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法により直接分離することもでき、これらの方法は、当分野において周知である。
【0041】
または、当分野では周知の方法による、光学的に純粋な出発原料または立体配置がわかっている試薬を使用する立体選択的合成により、化合物の任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0042】
当業者には理解されるように、R10およびR11置換基のすべてが環構造を形成できるとは限らない。さらに、環を形成できる置換基でさえ、環構造を形成することもあり、しないこともある。
【0043】
また、当業者には理解されるように、ここで用いるハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含すると解釈する。
【0044】
ここで用いる「アルキル」は、二重結合および三重結合を有さない線状、分枝状および環状構造を意味すると解釈する。従って、C1−6アルキルは、線状または分枝状配置の1、2、3、4、5または6個の炭素を有すると、この基を特定するために定義し、例えば、具体的に、C1−6アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「シクロアルキル」は、この一部またはすべてが原子数3以上の環を形成している、アルキルである。C0またはC0アルキルは、直接共有結合の存在を特定するために定義する。
【0045】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素対炭素二重結合を有し、追加の炭素対炭素二重結合により水素が置換されていることがある、指定された炭素原子数の線状または分枝状構造およびこれらの組み合わせを意味する。例えば、C2−6アルケニルとしては、エテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニルなどが挙げられる。
【0046】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素対炭素三重結合を有する、指定された炭素原子数の線状または分枝状構造およびこれらの組み合わせを意味する。従って、C2−6アルキニルは、この基が、2、3、4、5または6個の炭素を線状または分枝状配置で有することを特定するために定義するものであり、例えば、C2−6アルキニルとしては、具体的には2−ヘキシニルおよび2−ペンチニルが挙げられる。
【0047】
ここで用いる「アリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である、各環の構成員数が7以下のあらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味することが意図される。このようなアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられる。
【0048】
注記のある場合を除き、ここで用いる用語「複素環」または「複素環式」は、飽和されているか、不飽和であり、炭素原子とN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式複素環系を表し、この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、前記窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合しているあらゆる二環式の基を包含する。この複素環は、結果的に安定な構造が生じる、あらゆるヘテロ原子または炭素原子で結合させることができる。このような複素環式の基の例としては、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
注記のある場合を除き、ここで用いる用語「ヘテロアリール」は、芳香族環を含有する、このいずれかの環が、飽和している(例えば、ピペリジニル)ことがあり、部分的に飽和していることがあり、または不飽和である(例えば、ピリジニル)ことがある、および、炭素原子とN、OおよびSからなる群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な9から10員縮合二環式複素環系を表し、この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることがあり、前記窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合しているあらゆる二環式の基を包含する。この複素環は、結果的に安定な構造が生じるあらゆるヘテロ原子または炭素原子で結合させることができる。このようなヘテロアリール基の例としては、ベンズイミダゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンズオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
C1−C6アルコキシの場合のような用語「アルコキシ」は、直線状、分枝状および環状立体構造の炭素原子数1から6のアルコキシ基を包含することを指すと解釈する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0051】
「医薬的に許容される」というフレーズは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な損益比に見合っている、化合物、材料、組成物および/または剤形を指すためにここでは用いる。
【0052】
ここで用いる「医薬的に許容される塩」は、親化合物がこの酸または塩基の塩を作ることにより変性されている誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容される塩は、従来の非毒性の塩、または例えば非毒性無機または有機酸から形成された親化合物の第四アンモニウム塩を包含する。例えば、このような従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから調製される塩が挙げられる。
【0053】
一定の事例に存在する一定の可変項の数は、存在する炭素の数に置き換えて定義している。例えば、可変項「p」は、場合により次のように定義している:「pは、q個の炭素を有する置換基について、0から2q+1である」。置換基が、「(F)pC1−3アルキル」である場合、これは、1個の炭素があるときには、2(1)+1=3個のフッ素があることを意味する。2個の炭素があるときには、2(2)+1=5個のフッ素があり、3個の炭素があるときには、2(3)=1=7個のフッ素がある。
【0054】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの態様において、塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸である。ここで用いる場合、式Iの化合物への言及は、これらの医薬的に許容される塩も包含することは理解されるであろう。
【0055】
実施例および本明細書に開示する化合物の使用は、本発明のよい例となる。本発明の範囲内の具体的な化合物としては、以下の実施例に開示する化合物およびこれらの医薬的に許容される塩およびこれらの個々のジアステレオマーから成る群より選択される化合物が挙げられる。
【0056】
本化合物は、CGRP受容体に対する拮抗をこのような拮抗が必要な哺乳動物などの患者において行う方法において有用であり、前記方法は、本化合物の有効量の投与を含む。本発明は、本明細書に開示する化合物のCGRP受容体の拮抗薬としての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
【0057】
本発明のもう1つの実施形態は、患者におけるCGRP受容体が関係する疾病もしくは疾患の治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは疾患のリスクの低減のための方法に関し、この方法は、CGRP受容体の拮抗薬である化合物の治療有効量をこの患者に投与することを含む。
【0058】
本発明は、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体に拮抗するための医薬品の製造方法にさらに関し、この方法は、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と併せることを含む。
【0059】
本発明において治療される被験者は、一般に、CGRP受容体活性の拮抗が望ましい哺乳動物、例えば、ヒト、男性または女性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が探求し続ける、組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を惹起する本化合物の量を意味する。ここで用いる用語「治療」は、挙げられている状態の、特にこのような疾病または疾患の素因を有する患者における、治療と予防または予防的治療の両方を指す。
【0060】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関してこのような用語は、活性成分(単数または複数)および担体を構成する不活性成分(単数または複数)を含む製品、ならびに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、複合もしくは凝集により、または1つ以上の成分の解離により、または1つ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用により、直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することによって製造される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、またこの受容者に有害でないという意味である。
【0061】
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療の必要がある個体に供給することを意味すると理解すべきである。
【0062】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明の化合物の使用効果は、当分野において公知の方法論により実証することができる。125I−CGRPの受容体への結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗は、次のように判定した。
【0063】
天然受容体結合アッセイ: 本質的には記載されているとおりに(Edvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)、SK−N−MC細胞膜において125I−CGRPの受容体への結合の阻害を行った。簡単に言えば、膜(25μg)を、10pM 125I−CGRPおよび拮抗薬を含有する1mLの結合バッファ[10mM Hepes(pH7.4)、5mM MgCl2および0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしておいたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過によってアッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファで3回洗浄し、次いで、プレートを空気乾燥させた。シンチレーション液(50μL)を添加し、放射活性をTopcount(Packard Instrument)でカウントした。PrismおよびKiを使用することによりデータ解析を行い、Cheng−Prusoffの式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を用いることによりKiを決定した。
【0064】
天然受容体機能アッセイ: SK−N−MC細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM 非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、100単位/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補足した最小必須培地(MEM)中、37℃、湿度95%および5%CO2で成長させた。cAMPアッセイのために、細胞を96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Becton−Dickinson)に細胞数5x105/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に−18時間培養した。細胞をリン酸緩衝食塩液(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで、無血清MEM中300μMのイソブチルメチルキサンチンとともに30分間、37℃でプレインキュベートした。拮抗薬を添加し、これらの細胞を10分間インキュベートした後、CGRPを添加した。さらに15分間インキュベーションを続け、次いで、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコルに従ってcAMP判定のために処理した。基底状態に対する最大刺激を100nM CGRPを用いて定義した。Prismに使用により用量応答曲線を作成した。用量比(DR)を計算し、これらを用いて完全Schildプロットを構築した(Arunlakshana & Schild(1959)Br.J.Pharmacol.14,48−58)。
【0065】
組換え受容体: Human CRLR(ゲンバンクアクセッション番号L76380)を5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとして発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。Human RAMP1(ゲンバンクアクセッション番号AJ001014)を5’NheIおよび3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。293細胞(ヒト胚性腎細胞;ATCC #CRL−1573)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mL ペニシリンおよび10ug/mL ストレプトマイシンを補足した、4.5g/Lグルコース、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM グルタミンを有するDMEM中で培養し、37℃、湿度95%で維持した。HBSS中0.1%EDTAを伴う0.25%トリプトファンでの処理により、細胞を2次培養した。75cm2フラスコの中で10ugのDNAを30ugのLipofectamine 2000(Invtrogen)でコトランスフェクトすることにより、安定な細胞株の作製を達成した。CRLRおよびRAMP1発現構築物を同量でコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を希釈し、選択培地(成長培地+300ug/mL ヒグロマイシンおよび1ug/mL ピューロマイシン)を翌日添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる単個細胞堆積により、クローン細胞株を作製した。細胞増殖のために、成長培地を150ug/mL ヒグロマイシンおよび0.5ug/mL ピューロマイシンに調整した。
【0066】
組換え受容体結合アッセイ: 組換えヒトCRLR/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTAおよびCompleteプロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する回収バッファに回収した。この細胞浮遊液を実験室用ホモジナイザーで粉砕し、48,000gで遠心分離して、膜を単離した。これらのペレットを回収バッファ+250mM スクロースに再び浮遊させ、−70℃で保管した。結合アッセイのために、10ugの膜を、10pM 125I−hCGRP(Amersham Biosciences)および拮抗薬を含有する1mL 結合バッファ(10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgCl2、および0.2%BSA)中で3時間、室温でインキュベートした。0.05%ポリエチレンイミンでブロックしておいた96ウエル・GFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)によるろ過により、アッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファ(10mM HEPES(pH7.4))で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、Topcount(Packard)でプレートをカウントした。非特異的結合を判定し、データ解析を行い、下の式にこの結合CPMデータを代入する非線形最小二乗の使用により見掛けの解離定数(Ki)を決定した:
【0067】
【数1】

式中、Yは、結合したCPMの実測値であり、Ymaxは、全結合数であり、Y minは、非特異的結合数であり、(Y max − Y min)は、特異的結合数であり、%I maxは、最大阻害率であり、%I minは、最小阻害率であり、放射性標識は、プローブであり、ならびにKdは、Hot飽和試験により判定したときの受容体についての放射性リガンドについての見掛けの解離定数である。
【0068】
組換え受容体機能アッセイ: 完全成長培地中の細胞を、96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に、細胞数85,000/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に−19時間培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、L−グルタミンおよび1g/L BSAを伴うCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein medium(Mediatech,Inc)中、37℃、湿度95%で30分間、阻害剤とともにインキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で細胞に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。ヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で細胞に添加し、37℃で5分間、インキュベートしながら放置した。α−CGRP刺激の後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)に従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP判定のために処理した。用量応答曲線をプロットし、式 y=((a−d)/(1+(x/c)b)+d[式中、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、およびb=傾き]により定義されるような4変数論理代入によりIC50値を決定した。
【0069】
特に、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいてCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有し、一般に、約50Mより低いKiまたはIC50値を有した。このような結果は、CGRP受容体の拮抗薬として使用する際の本化合物の固有活性を示している。
【0070】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物のこの能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。
【0071】
本発明の化合物は、次の状態または疾病のうちの1つ以上の治療、予防、改善もしくは制御、または次の状態または疾病のうちの1つ以上に関するリスクの低減に有用である:頭痛;偏頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症および炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管疾患;炎症;関節炎;気管支反応亢進、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;乾癬;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚病;神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚および紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRP受容体の拮抗により治療または予防することができる他の状態。偏頭痛および群発性頭痛をはじめとする頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。
【0072】
さらに、本化合物は、本明細書で述べる疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または前記疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0073】
さらに、本化合物は、他の薬物と併用で、上述の疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または上述の疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0074】
本発明の化合物は、1つ以上の他の薬物と、式Iの化合物または前記他の薬物が有用であり得る疾病もしくは状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減の際に併用することができ、この場合、前記薬物の併用は、いずれかの薬物単独より安全またはより有効である。このような他の薬物(単数または複数)は、これらが通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。式Iの化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、このような他の薬物と式Iの化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし、本併用療法は、式Iの化合物と1つ以上の他の薬物を重なりのある別スケジュールで投与する治療法も包含する。1つ以上の他の活性成分と併用するとき、本発明の化合物と他の活性成分は、各々を単独で使用するときより低い用量で使用できることも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものを包含する。
【0075】
例えば、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えばエルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン、もしくは他のセロトニン拮抗薬、特に、5−HT1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン)、5HT1D作動薬(例えば、PNU−142633)、および5HT1F作動薬(例えば、LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症薬もしくはサイトカイン抑制性抗炎症薬、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンもしくはスルファサラジンなどの化合物と;またはグルココルチコイドと併用することができる。同様に、本化合物は、鎮痛薬、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルフィンとともに投与することができる。
【0076】
加えて、本化合物は、インターロイキン阻害剤、例えば、インターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体拮抗薬、例えば、アプレピタント;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作動薬;ナトリウムチャネル遮断薬、例えばラモトリジン;アヘン剤作動薬、例えば、酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、5−リポオキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体拮抗薬、例えば、インドラミン;アルファ受容体作動薬;バニロイド受容体拮抗薬;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;サブスタンスP拮抗薬;エンドセリン拮抗薬;ノルエピネルフィン前駆体;抗不安薬、例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシドおよびクロラゼペート;セロトニン5HT2受容体拮抗薬;オピオイド作動薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェンおよびフェブタニル;mGluR5作動薬、拮抗薬または強化薬;GABA A受容体モジュレータ、例えばアカンプロセートカルシウム;ニコチン酸性拮抗薬または作動薬(ニコチンを含む);ムスカリン性作動薬または拮抗薬;選択的セロトニン再吸収阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエン拮抗薬、例えば、モンテルカストまたはザフィルカスト;窒素酸化物の阻害剤または窒素酸化物合成の阻害剤と併用することができる。
【0077】
また、本化合物は、ギャップジャンクション阻害剤;神経性カルシウムチャネル遮断薬、例えばシバミド;AMPA/KA拮抗薬、例えばLY293558;シグマ受容体作動薬;およびビタミンB2と併用することができる。
【0078】
また、本化合物は、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン以外のエルゴット麦角アルカロイド、例えば、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、エルゴロイドメシレート、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセリジドと併用することができる。
【0079】
加えて、本化合物は、ベータ−アドレナリン拮抗薬、例えば、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロールなど;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロルペラジン;神経弛緩薬、例えば、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピン;抗痙攣薬、例えば、トピラメート、ゾニサミド、トナベルサット(tonabersat)、カラベルサット(carbersat)、レベチラセタム、ラモトリジン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバプロエクス(divalproex)ナトリウム;抗高血圧薬、例えば、アンギオテンシンII拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルべサルチン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル);またはボツリヌス毒素A型またはB型と併用することができる。
【0080】
本化合物は、増強剤、例えば、カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去薬、例えば、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えば、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿薬;消化管運動促進薬、例えば、メトクロプラミドまたはドンペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬、例えば、アクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはプソイドエフェドリンと併用することができる。本化合物は、制吐薬とも併用することができる。
【0081】
特に好ましい実施形態において、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えば、エルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HT1作動薬、とりわけ5−HT1B/1D作動薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタンおよびリザトリプタン、ならびに他のセロトニン作動薬;およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用される。
【0082】
上記併用は、本化合物と、1つの他の活性化合物ばかりでなく2つ以上の他の活性化合物との併用を包含する。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾病もしくは状態の予防、治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減において使用される他の薬物と併用することができる。このような他の薬物は、これらが通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0083】
本発明の化合物の他の活性成分(単数または複数)に対する重量比は、変化させることができ、これは各成分の有効用量に依存するであろう。一般に、各々の有効用量が使用されるであろう。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用するとき、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1から約1:1000、または約200:1から約1:200にわたる。本発明の化合物と他の活性成分の併用も、一般に、上述の範囲内であるが、各場合、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0084】
このような併用において、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に投与される場合もあり、一緒に投与される場合もある。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤(単数または複数)の投与の前である場合もあり、投与と同時である場合もあり、投与の後である場合もあり、ならびに同じ投与経路による場合もあり、異なる投与経路による場合もある。
【0085】
本発明の化合物は、経口投与、非経口投与(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入スプレーによる投与、経鼻投与、経膣投与、直腸内投与、舌下投与、または局所投与経路により投与することができ、ならびに各投与経路に適する従来どおりの非毒性で医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適切な投薬単位調合物で、単独でまたは一緒に調合することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に有効である。
【0086】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学技術分野では周知の任意の方法により調製することができる。すべての方法は、1つ以上の補助成分を構成する担体と活性薬剤を会合させる段階を含む。一般に、本医薬組成物は、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と活性成分を均一、および、均質に会合させること、およびこの後、必要な場合この生成物を所望の調合物に成形することにより、調製することができる。医薬組成物には、疾病の経過または状態に対して望ましい効果を生じさせるために十分な量で活性化合物が含まれる。ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特性の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。
【0087】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、溶液、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に適する形態であり得る。経口使用するための組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野には公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、医薬として上品で美味な製剤を提供するために甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つ以上の物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物の状態で活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム)および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされていない場合があるか、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、これによって長期にわたる持続作用をもたらすために公知の技法によりコーティングされている場合もある。例えば、時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを利用することができる。これらを米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技法によりコーティングして、制御放出のための浸透治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、ファストメルト錠もしくはウェハース、急速溶解錠または急速溶解フィルムのように、即時放出用に調合することもできる。
【0088】
経口使用のための調合物は、活性成分が不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されるハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0089】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物の状態で活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド(例えば、レシチン)であってもよいし、脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)であってもよいし、長鎖脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)であってもよいし、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)であってもよいし、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であってもよい。水性懸濁液は、1つ以上の保存薬(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤、および1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)も含有することがある。
【0090】
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)または鉱物油(例えば、流動パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより調合することができる。前記油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することがある。甘味剤(例えば、上に示したもの)および着香剤を添加して、美味な経口製剤を生じさせることができる。これらの組成物は、抗酸化物質、例えばアスコルビン酸の添加により、保存することができる。
【0091】
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存薬との混合物の状態の活性成分をもたらす。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤は、例えば上で既に述べたものである。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤および着色剤が存在する場合もある。
【0092】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態である場合もある。この油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくは落花生油)であってもよいし、鉱物油(例えば、流動パラフィン)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。適する乳化剤は、天然ゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然ホスファチド(例えば、大豆、レシチン)、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにエチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。エマルジョンは、甘味剤および着香剤も含有することがある。
【0093】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。このような調合物は、粘滑薬、保存薬、着香剤および着色剤も含有することがある。
【0094】
本医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態である場合もある。この懸濁液は、上で述べた適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って調合することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液である場合もある。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張食塩液などがある。加えて、滅菌固定油が溶媒または懸濁媒体として従来利用されている。この目的には、合成モノまたはジグリセリドをはじめとする任意の無菌固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射用の製剤として使用されている。
【0095】
本発明の化合物は、薬物の直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが直腸内温度では液体であり、従って、直腸内で溶融してこの薬物を放出する、適する無刺激賦形剤と混合することにより、作製することができる。このような材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0096】
局所使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを利用する。同様に、経皮パッチも局所投与に用いることができる。
【0097】
本発明の医薬組成物および方法は、上に挙げた病的状態の治療に通常適用される、本明細書に示すような他の治療活性化合物を、さらに含むことができる。
【0098】
CGRP受容体活性に対する拮抗を必要とする状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記状態のリスクの低減において適切な投薬レベルは、一般に、1日つき患者の体重のkg当たり約0.01から500mgであろう(これを1回量または複数回分の用量で投与することができる)。適する投薬レベルは、1日につき約0.01から250mg/kg、1日につき約0.05から100mg/kg、または1日につき約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgである場合もある。経口投与のための組成物は、1.0から1000ミリグラムの活性成分、詳細には、治療する患者への投薬量を症状に基づき調整するのために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日に1回から4回の計画で投与してもよいし、1日1回または2回投与してもよい。
【0099】
頭痛、偏頭痛、群発性頭痛もしくは本発明の化合物が指示される他の疾病を治療、予防、制御もしくは改善またはこれらのリスクを低減する際、一般に、本発明の化合物を動物の体重のキログラム当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与する(1日1回量として、または1日2回から6回の分割用量で、または持続放出形で与える)と、満足な結果が得られる。最も大きな哺乳動物についての全日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、または約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、全日用量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムであろう。この薬剤投与計画は、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。
【0100】
しかし、いずれの特定の患者についてもこの具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができること、およびこれが、利用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事および投与時間、排泄率、薬の組み合わせ、この特定の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主をはじめとする様々な因子に依存するであろうことは、理解されるであろう。
【0101】
本発明の化合物の幾つかの調製方法を以下の図式および実施例において説明する。出発原料は、当分野において公知の手順に従ってまたは本明細書で説明するとおり製造する。
【0102】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料、試薬および従来どおりの合成手順を用い、以下の図式および特定の実施例またはこれらの変法に従って、容易に調製することができる。これらの反応において、あまり詳細には触れていないが、これら自体、通常の当業者には公知である変形を用いることもできる。本発明において特許請求する化合物を製造するための一般手順は、以下の図式を見ることで当業者には容易に理解することができ、正しく認識することができる。中間体および最終化合物の合成は、図式1から12に記載するように行うことができる。
【0103】
ラクタムおよび4−ヘテロアリールピペリジン中間体の合成は、図式1から15に記載するとおり行うことができる。
【0104】
反応図式
最終化合物の調製は、式IIおよび式IIIのものなどの中間体を通して進行する。ここでは各中間体の合成を説明する。
【0105】
【化30】

【0106】
一般に、式IIおよびIIIの中間体は、図式1に示すように尿素結合によりカップリングさせることができる。アミン中間体IIは、反応性カルバメート、例えばp−ニトロフェニルカルバメート1に転化させることができ、その後、これを、中間体2のもののようなアミンと反応させて、尿素3を生じさせる。当業者には公知の他の活性化中間体を使用して、3のような化合物を調製してもよい。例えば、アミンIIは、適切な塩化カルバモイルで直接アシル化することができる。
【0107】
【化31】

【0108】
3−アミノ−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(例えばII)の代表的な合成には、Bockら,Tetrahedron Lett,1987,28,939−942;Bockら,J.Org.Chem.,1987,52,3232−3239;Sherrillら,J.Org.Chem.1995,60,730−734;Butcherら,Tetrahedron Lett.1996,37,6685−6688;およびSelnickら,J.Med.Chem.1997,40,3865−3868が挙げられる。式IIの3−アミノ基を、例えばカルボニルベンジルオキシまたはt−ブトキシカルボニル保護基で保護する場合、アミド基(R1=H)は、例えば、ジメチルホルムアミドのような極性溶媒中、水素化ナトリウムまたは炭酸セシウムを含む、様々な塩基および溶媒を使用して、アルキル化剤と選択的に反応させることができる。その後の脱保護により、必要な3−アミノ−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン中間体IIが生じる(図式2)。
【0109】
【化32】

【0110】
アミン中間体のキラル分割は、Rittleら,Tetrahedron Lett,1987,28,521−522;Reider,Chem.& Indus.1988,12,394−398;Reiderら,J.Org.Chem.1987,52,955−957;Sherrillら,J.Org.Chem.1995,60,730−734;Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918をはじめとする多数の方法によって達成することができる。
【0111】
3−アミノベンゾジアゼピンの代わりに3−ヒドロキシベンゾジアゼピン6を使用して、類似のカルバメートを調製することができる。6のような化合物は市販されており、または公知の手順により調製される。臭素化およびその後の加水分解により必要な中間体3−ヒドロキシベンゾジアゼピノンを生じさせる、1つの合成を3に図示する。3−ヒドロキシベンゾジアゼピノンは、活性化p−ニトロフェニルカーボネートと適切なアミンとの反応を通して、カルバメート8に転化させることができる。
【0112】
【化33】

【0113】
3によって表される化合物の合成は、US6,344,449およびここに引用されている参考文献に記載されているものに類似した手順により達成することができる。または、これらの化合物は、図式4に従って調製することができる。被保護4−アミノピペリジン9をアミノエステルとカップリングさせることにより、尿素11が得られる。還元および脱水環化(Synlett,1997,p.521)または還元および酸化/環化により12が得られ、標準的な脱保護後、ターゲット化合物13が得られる。
【0114】
【化34】

【0115】
13の二重結合を水素化して、14を得ることができる(図式5)
【0116】
【化35】

【0117】
21によって表される化合物の合成は、図式6に従って達成することができる。例えば、4−ピペリジノン15をカルバゼートで還元アミノ化し、ヒドラゾン16の還元後、モノアルキル化生成物17を得る。ヒドラジン18を生じさせるための脱保護およびベンゾチオニルカルバメート、例えば19との縮合/閉環により、トリアゾリノン20が得られる。標準条件下での最終的な脱保護により、生成物21が得られる。
【0118】
【化36】

【0119】
ある場合には、この最終生成物を、例えば置換基の操作により、さらに修飾することができる。これらの操作としては、当業者に一般に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0120】
ある場合には、反応を助長するためまたは望ましくない反応生成物を回避するために、上記反応図式を行う順序を変えてもよい。
【実施例】
【0121】
以下の中間体および実施例は、本発明をさらに十分に理解することができるように提供するものである。これらの実施例は、単に実例となるものであり、いかなる点においても本発明を限定すると解釈すべきでない。
【0122】
【化37】

3−ヒドロキシ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
N−ブロモスクシンイミド(0.335g、1.88mmol)を、室温で、四塩化炭素(20mL)中の2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(H.G.Selnickら,J.Med.Chem.,1997,40,3865−3868)(0.500g、1.57mmol)の溶液に添加した。15分後、トリフルオロ酢酸(1.0mL)を添加し、この反応物を5時間還流させた。反応物を冷却し、濃縮した。残留物を5%酢酸ナトリウム水溶液(15mL)およびアセトン(10mL)に溶解し、一晩攪拌した。この反応物を濃縮し、処理し、この粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン中0から30%の酢酸エチルの濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を得た。MS 335(M+l)1H NMR(500 MHz,CDC13)□ 7.92−7.30(9H,m)、5.21(dq,J=15,8Hz,1H)、5.07(d,J=10Hz,0.5H)、4.51(d,J=10Hz,0.5H)、4.22(t,dq,J=15,8Hz,1H)。
【0123】
【化38】

1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
【0124】
段階A. 1−t−ブトキシカルボニル−4−(2−クロロエチルアミノ)ピペリジン
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−アミノ−1−t−ブトキシカルボニルピペリジン(200mg、1.0mmol)の溶液を2−クロロエチルイソシアネート(0.090mL、1.0mmol)で一晩処理した。溶媒を蒸発させて、表題化合物を白色の固体として得た(305mg)。
【0125】
段階B. 1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン
水素化ナトリウム(59mg、鉱物油中の60%分散物、1.5mmol)を、ジメチルホルムアミド(5mL)中の1−t−ブトキシカルボニル−4−(2−クロロエチルアミノ)ピペリジン(305mg、0.98mmol)の溶液に添加し、この反応物を室温で一晩攪拌した。水で反応を停止させ、濾過し、逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル、濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物(30mg)を得た。1H NMR(500 MHz,CDC13)□ 4.22(br s,3H)、3.88(tt,J=4,12Hz,1H)、3.52(m,2H)、3.46(m,2H)、2.79(br t,11Hz,2H)、1.72(d,J=12Hz,2H)、1.56(m,2H)、1.48(s,9H)。
【0126】
段階C. 1−(ピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン
トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、ジクロロメタン(2mL)中の1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン(30mg、0.11mmol)の溶液に添加し、この反応物を室温で5時間攪拌した。この反応物を真空中で濃縮して、表題化合物をこのトリフルオロ酢酸塩として得た(18mg)。
【0127】
【化39】

4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−イミダゾリジン−2−オン
メタノール(10mL)中の塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(510mg、1.82mmol)の溶液を、炭素担持パラジウム(100mg)を用いて1気圧の水素で水素化した。4時間後、この反応物を濾過し、この粗生成物を逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)によって精製した。表題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(304mg)。MS 246(M+1)。
【0128】
【化40】

1−ピペリジニル−4−イルテトラヒドロピリミジン−2[1H]−オン
【0129】
段階A. 1−t−ブトキシカルボニル−4−(3−クロロプロピルアミノ)ピペリジン
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−アミノ−1−t−ブトキシカルボニルピペリジン(200mg、1.0mmol)の溶液を3−クロロプロピルイソシアネート(0.080mL、1.0mmol)で一晩処理した。溶媒を蒸発させて、表題化合物を白色の固体として得た(270mg)。
【0130】
段階B. 1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジニル−4−イル)テトラヒドロピリミジン−2[1H]−オン
水素化ナトリウム(19mg、鉱物油中の60%分散物、0.47mmol)を、ジメチルホルムアミド(5mL)中の1−t−ブトキシカルボニル−4−(2−クロロエチルアミノ)ピペリジン(100mg、0.31mmol)の溶液に添加し、この反応物を室温で一晩攪拌した。水で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。表題化合物を白色の固体として得た(20mg)。
【0131】
段階C. 1−ピペリジン−4−イルテトラヒドロピリミジン−2[1H]−オン
トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、ジクロロメタン(2mL)中の1−(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン(20mg、0.07mmol)の溶液に添加し、この反応物を室温で一晩攪拌した。真空中で反応物を濃縮して、表題化合物をこのトリフルオロ酢酸塩として得た(12mg)。
【0132】
【化41】

塩酸5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【0133】
段階A. 4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
エタノール(250mL)中の1−[(9H−フルオレン−9−イル)メチルオキシカルボニル]−4−ピペリドン(16.0g、50.0mmol)およびカルバジン酸t−ブチル(7.25g、55.5mmol)の溶液を1時間還流させた。この溶液を冷却し、濃縮した。エーテル(100mL)の添加により、表題化合物を白色の沈殿として生じさせた(21.0g)。1H NMR(500 MHz,CDC13)□ 7.77(d,J=7Hz,2H)、7.57(d,J=7Hz,2H)、7.40(t,J=7Hz,2H)、7.32(t,J=7Hz,2H)、4.50(br s,2H)、4.24(t,J=6Hz,IH)、3.4−3.7(br m,4H)、2.47(br s,2H)、2.1−2.2(br m,2H)、1.56(s,9H)。
【0134】
段階B. 4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
酢酸(150mL)中の4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラゾノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(10.0g、22.9mmol)の溶液を、Parr装置を用いて2時間、45psiの水素下で、酸化白金(1.0g)とともに振盪した。この溶液を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。
【0135】
段階C. 4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−[(t−ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(20g、45.7mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(100mL)に溶解し、室温で1.5時間攪拌した。この反応物を濃縮し、残留物をメタノールに溶解し、逆相HPLCにより精製した。純粋な画分を単離し、併せて、表題化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た(3.01g)。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6)□ 7.89(d,J=8Hz,2H)、7.61(d,J=8Hz,2H)、7.40(t,J=8Hz,2H)、7.32(t,J=8Hz,2H)、4.33(d,J=6Hz,2H)、4.25(t,J=6Hz,1H)、3.5−4.0(br s,6H)、3.05(br s,1H)、2.80(br 2,2H)、1.89(br s,2H)、1.2(br s,2H)。
【0136】
段階D. 4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
4−ヒドラジノピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチルトリフルオロ酢酸塩(2.95g、6.54mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(30mL)とジイソプロピルエチルアミン(1.25mL、7.1mmol)中のエチル N−ベンゾチオイルカルバメート(1.50g、7.1mmol)(E.P.Papadopoulus,J.Org.Chem.,1976,41(6)962−965の手順により調製したもの)とともに2時間還流させた。この反応物を冷却し、濃縮し、その後、加熱しながらアセトニトリルに溶解した。冷却すると白色の固体が晶出し、これによって表題化合物を得た(2.06g)。1H NMR(500 MHz,CDC13)□ 7.80(d,J=7Hz,2H)、7.77(d,J=7Hz,2H)、7.61(d,J=7Hz,2H)、7.48(m,3H)、7.40(t,J=7Hz,2H)、7.33(t,J=7Hz,2H)、4.46(d,J=6Hz,2H)、4.36(m,2H)、4.27(t,J=6Hz,1H)、4.26(br s,1H)、3.02(br s,2H)、2.04(br s,2H)、1.94(br m,2H)。
【0137】
段階F. 塩酸5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
テトラヒドロフラン(15mL)中の4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸9H−フルオレン−9−イルメチル(2.06g、4.41mmol)およびジエチルアミン(15mL)中の溶液を室温で2時間攪拌した。この反応物を濃縮し、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0から10%の{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を白色の固体として得た(0.95g)。1H NMR(500MHz,CDC13)□ 7.84(d,J=7Hz,2H)、7.47(m,3H)、4.30(m,1H)、3.25(d,J=13Hz,2H)、2.79(t,J=13Hz,2H)、2.04(dq,J=4,12Hz,2H)、1.93(br d,J=10Hz,2H)。
【0138】
【化42】

4−(4−メチルフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
【0139】
段階A. 4−[4−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
酢酸ナトリウム(41mg、0.50mmol)を、0℃でアセトニトリル(2mL)中の4−アミノピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(100mg、0.50mmol)の溶液に添加した。5分後、アセトニトリル(1mL)中の2−ブロモ−4’−メチルアセトフェノン(106.4mg、0.50mmol)を添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。1.5時間後、シアン化ナトリウム(97.4mg、1.5mmol)、酢酸(100uL)および水(80uL)をこの反応混合物に添加した。16時間後、この混合物を濃縮して表題化合物を得た。
【0140】
段階B. 4−(4−メチルフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
トリフルオロ酢酸(0.600mL)を、ジクロロメタン(3mL)中の4−[4−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(178.4mg、0.50mmol)の溶液に添加した。16時間後、この反応物を濃縮し、逆相HPLC(C−18カラム;95%水/アセトニトリル→5%水/アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸)によって精製して、表題生成物を得た。MS 258.1(M+1)。
【0141】
上記中間体について略述した手順に本質的に従って、表1に列挙した化合物を調製した。
【0142】
【表1】


【0143】
【化43】

4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンおよび4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
【0144】
段階A. アミノ(4−フルオロフェニル)酢酸メチル
0℃で5分間、メタノール(20mL)中の4−フルオロ−DL−フェニルグリシン(810mg、4.79mmol)の溶液をHCl(ガス)でバブリングした。この反応物を周囲温度に温め、18時間攪拌した。この混合物を濃縮して、表題化合物を得た(1g)。MS 189.9(M+1)
【0145】
段階B. ({[(1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)(4−フルオロフェニル)酢酸メチル
テトラヒドロフラン(15mL)中の4−アミノ−1−ベンジルピペリジン(460mg、2.42mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(5mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(487mg、2.42mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(430uL、2.42mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のジイソプロピルエチルアミン(860uL、4.84mmol)を、アミノ(4−フルオロフェニル)酢酸メチル(443mg、2.42mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。この混合物を濾過し、濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N 水酸化ナトリウム(3x)、重炭酸ナトリウム飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0から5%のメタノールの濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を得た(700mg)。MS 400.29(M+1)
【0146】
段階C. 1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、1.18mL、1.18mmol)を、−78℃でトルエン(5mL)およびジクロロメタン(5mL)中の({[(1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)(4−フルオロフェニル)酢酸メチル(430mg、1.08mmol)の溶液に添加し、30分間攪拌し、その後、0℃に温めた。0℃で20分後、1Nの酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液(20mL)で反応を停止させ、この混合物を酢酸エチルで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製物質をジオキサン中の4N HCl(4mL)で処理し、5分間攪拌した。この混合物を濃縮し、ジクロロメタンに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0から7%の{1%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)による精製によって、表題化合物を得た(150mg)。MS 400.29(M+1)
【0147】
段階D. 4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンおよび4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
炭素担持10%パラジウム(50mg)を、エタノール(7.5mL)およびメタノール(7.5mL)中の1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(75mg、0.213mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、その後、水素(1気圧)を詰め戻した。5時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を9:1混合物(不飽和:飽和)で得た。MS 262.27および264.31(M+1)
【0148】
【化44】

4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
【0149】
段階A. N−{[(1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}フェニルアラニン酸メチル
ジクロロメタン(100mL)中の塩酸DL−フェニルアラニンメチルエステル(1.3g、7.2mmol)およびトリエチルアミン(2.2mL、15.8mmol)を、0℃でジクロロメタン(100mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(1.45g、7.2mmol)の溶液に添加した。1時間後、この反応物を濃縮し、ジオキサン(50mL)に再び溶解し、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン(1.64g、8.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.5mL、14.35mmol)をこの混合物に添加した。2時間後、この混合物を濃縮し、ジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウムとで分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%酢酸エチル/ヘキサン→60%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物を得た(800mg)。MS 396.3(M+1)。
【0150】
段階B. 4−ベンジル−1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、2.53mL、2.53mmol)を、−78℃でトルエン(7.5mL)およびジクロロメタン(7.5mL)中のN−{[(1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}フェニルアラニン酸メチル(800mg、2.02mmol)の溶液に添加し、30分間攪拌し、その後、周囲温度に温めた。室温で5分後、酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液(20%溶液)で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出し、4NのHCl溶液(50mL)で処理した。30分後、この混合物を水で抽出し、pH=7に塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した(3x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0から8%の{1%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)による精製によって、表題化合物を得た(250mg)。MS 348.3(M+1)
【0151】
段階C. 4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
炭素担持10%パラジウム(50mg)を、メタノール(7.5mL)および酢酸(7.5mL)中の4−ベンジル−1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(100mg、0.287mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、その後、水素(1気圧)を詰め戻した。16時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS 258.1(M+1)
【0152】
【化45】

4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
【0153】
段階A. 5−ベンジル−3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2,4−ジオン
ナトリウムエトキシド(0.130mL、1.66mmol、21重量%)を、0℃でエタノール(715mL)中のN−{[(1−ベンジルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}フェニルアラニン酸メチル(546mg、1.38mmol)の溶液に添加し、その後、周囲温度に温めた。この反応物を濃縮し、酢酸エチルと水とで分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(490mg)。MS 364.2(M+1)
【0154】
段階B. 4−ベンジル−1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン
水素化アルミニウムリチウム(3.96mL、3.96mmol、1M)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中の5−ベンジル−3−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2,4−ジオン(120mg、0.330mmol)の溶液に添加し、その後、周囲温度に温めた。16時間後、水(0.150mL)、15%水酸化ナトリウム溶液(0.150mL)、および水(0.450mL)で反応を停止させた。この混合物を濾過し、テトラヒドロフランで洗浄し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中1から12%の{1%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)による精製によって、表題化合物を得た(30mg)。MS 350.3(M+1)
【0155】
段階C. 4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
炭素担持10%パラジウム(10mg)を、エタノール(15mL)および濃塩酸(0.05mL)中の4−ベンジル−1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン(30mg、0.086mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、その後、水素(40psi)を詰め戻した。16時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(20mg)。MS 260.3(M+1)
【0156】
【化46】

1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
【0157】
段階A. N−{[(1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}グリシン酸メチル
テトラヒドロフラン(15mL)中の4−アミノ−1−boc−ピペリジン(964mg、4.8mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(970mg、4.8mmol)およびトリエチルアミン(0.67mL、4.8mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のジイソプロピルエチルアミン(1.3mL、9.6mmol)を、塩酸グリシンメチルエステル(604mg、4.8mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。この混合物を濾過し、濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N水酸化ナトリウム(3x)、重炭酸ナトリウム飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→8%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(700mg)。MS 400.29(M+1)
【0158】
段階B. 1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、0.875mL、0.875mmol)を、−78℃でトルエン(5mL)およびジクロロメタン(5mL)中のN−{[(1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}グリシン酸メチル(230mg、0.729mmol)の溶液に添加し、30分攪拌し、その後、周囲温度に温めた。室温で30分後、1Nの酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液(15mL)で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製物質をジクロロメタン(10mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。25分後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS 168.3(M+1)
【0159】
【化47】

4−イソプロピル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
【0160】
段階A. N−{[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}バリン酸メチル
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−アミノ−1−boc−ピペリジン(205mg、1.02mmol)およびトリエチルアミン(0.143mL、1.02mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(206mg、1.02mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(0.286mL、2.04mmol)を、塩酸DL−バリンメチルエステル(134mg、1.02mmol)とともに添加した。この反応物を周囲温度に温め、その後、50℃に加熱した。2時間後、この混合物を濾過し、濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N水酸化ナトリウム(3x)、重炭酸ナトリウム飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→7%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(300mg)。MS 358.28(M+1)
【0161】
段階B. 4−イソプロピル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、0.520mL、0.520mmol)を、−78℃でトルエン(3mL)およびジクロロメタン(3mL)中のN−{[(1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}バリン酸メチル(155mg、0.434mmol)の溶液に添加し、30分攪拌し、その後、周囲温度に温めた。1時間後、1Nの酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液(3mL)で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製物質をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。30分後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS 210.1(M+1)
【0162】
【化48】

4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
【0163】
段階A. O−[t−ブチル(ジフェニル)シリル]セリン酸メチル
イミダゾール(2.82g、41.43mmol)およびt−ブチルジフェニルクロロシラン(3.23mL、12.43mmol)を、ジメチルホルムアミド(6mL)中の塩酸DL−セリンメチルエステル(1.41g、11.84mmol)の溶液に添加した。16時間後、この混合物を濃縮し、酢酸エチルと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た。MS 358.28(M+1)
【0164】
段階B. メチル N−({[(1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ)カルボニル}−O−[t−ブチル(ジフェニル)シリル]セリン
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−アミノ−1−boc−ピペリジン(770mg、3.85mmol)およびトリエチルアミン(0.536mL、3.85mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(775mg、3.85mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(1.07mL、7.7mmol)を、O−[t−ブチル(ジフェニル)シリル]セリン酸メチル(1.38g、3.85mmol)とともに添加した。この反応物を周囲温度に温め、その後、50℃に加熱した。16時間後、この混合物を濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を重炭酸ナトリウム飽和溶液(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→8%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(1.8g)。MS 584.62(M+1)
【0165】
段階C. 4−[({[2−{[t−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
水素化アルミニウムリチウム(1M、0.703mL、0.703mmol)を、−78℃でテトラヒドロ(20mL)中のN−({[(1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)−O−[t−ブチル(ジフェニル)シリル]セリン(373mg、0.639mmol)の溶液に添加した。塩化アンモニウム飽和溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%→8%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(100mg)。MS 556.3(M+1)
【0166】
段階D. 4−[4−({[t−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
デス・マーチン・ペルヨージナン(53mg、0.126mmol)を、0℃でジクロロメタン(20mL)中の4−[({[2−{[t−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ}カルボニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(50mg、0.090mmol)の溶液に添加した。4時間後、チオ硫酸ナトリウム飽和溶液と重炭酸ナトリウム飽和溶液の1:1混合物で反応を停止させた。この混合物をジクロロメタンで抽出し(2x)、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→9%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(25mg)。MS 536.3(M+1)
【0167】
段階E. 4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン
トリフルオロ酢酸(5mL)を、ジクロロメタン(15mL)中の4−[4−({[t−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(550mg、1.03mmol)の溶液に添加した。30分後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。
【0168】
【化49】

2−オキソ−1−ピペリジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
【0169】
段階A. N−({[(1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)セリン酸メチル
テトラヒドロフラン(16mL)中の4−アミノ−1−boc−ピペリジン(600mg、3.0mmol)およびトリエチルアミン(0.417mL、3.0mmol)を、0℃のクロロギ酸p−ニトロフェニル(604mg、3.0mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(1.25mL、9mmol)を、ジメチルホルムアミド(5mL)中の塩酸DL−セリンメチルエステル(571mg、4.79mmol)とともに添加した。この反応物を16時間、50℃に加熱した。この混合物を濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N水酸化ナトリウム(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→8%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(700mg)。MS 346.22(M+1)
【0170】
段階B. 4−[4−(メトキシカルボニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
デス・マーチン・ペルヨージナン(1.77g、4.16mmol)を、0℃でジクロロメタン(30mL)中のN−({[1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)セリン酸メチル(1.15g、3.33mmol)の溶液に添加し、その後、周囲温度に温めた。4時間後、チオ硫酸ナトリウム飽和溶液と重炭酸ナトリウム飽和溶液の1:1混合物で反応を停止させた。この混合物をジクロロメタンで抽出し(2x)、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→12%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た。
【0171】
段階C. 1−[1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸
水酸化リチウム(64mg、1.54mmol)を、メタノール(10mL)中の4−[4−(メトキシカルボニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(50mg、0.154mmol)の溶液に添加した。2時間後、重炭酸ナトリウム飽和溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンを添加した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→25%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(17mg)。MS 312.2(M+1)
【0172】
段階D. 4−[4−(アミノカルボニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
1−[1−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(210mg、0.675mmol)、塩酸N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(388mg、2.02mmol)、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−オール・水和物(273mg、2.02mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.352mL、2.02mmol)およびアンモニア(0.5M、2.02mmol、4.05mL)の溶液を、ジメチルホルムアミド(10mL)中、室温で攪拌した。3時間後、この反応物をジクロロメタンおよび飽和重炭酸ナトリウムで処理した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→15%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(78mg)。MS 255.2(M+1−t−ブチル)
【0173】
段階E. 4−(4−シアノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
水酸化(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウム、分子内塩(179.7mg、0.754mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の4−[4−(アミノカルボニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(78mg、0.251mmol)の溶液に添加し、50℃に加熱した。1時間後、この反応物をジクロロメタンおよび飽和重炭酸ナトリウムで処理した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→5%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(40mg)。MS 237.04(M+1−t−ブチル)
【0174】
段階F. 2−オキソ−1−ピペリジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
トリフルオロ酢酸(4mL)を、ジクロロメタン(6mL)中の4−(4−シアノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(25mg、0.086mmol)の溶液に添加した。20分後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS 193.3(M+1)
【0175】
【化50】

1−ピペリジン−4−イル−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
【0176】
段階A. 4−[アリル(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.45g、25.72mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中のN−ベンゾイルオキシカルボニル−4−ピペリドン(5.0g、21.43mmol)、アリルアミン(1.77mL、23.58mmol)および酢酸(1.35mL、23.58mmol)の溶液に添加した。1時間後、重炭酸ナトリウム飽和溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機部分を酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。その後、二炭酸ジ−t−ブチル(4.91mg、22.51mmol)をこの粗製アミンに添加し、この混合物を55℃で30分間加熱した。この反応物を濃縮して、表題化合物を得た(8.75g)。MS 275.3(M+1−boc基)
【0177】
段階B. 4−[(t−ブトキシカルボニル)(2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
−78℃で17分間、ジクロロメタン(30mL)およびメタノール(15mL)中の4−[アリル(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(2.75g、7.34mmol)の溶液をオゾン(ガス)でバブリングした。その後、この混合物を30分間、窒素(ガス)でバブリングし、続いて硫化ジメチル(2.70mL、36.72mmol)を添加した。この反応物を周囲温度に温め、3時間攪拌した。この混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を水(2x)、ブライン(2x)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(2.5g)。MS 277.09(M+1−boc基)
【0178】
段階C. ベンジル 4−((t−ブトキシカルボニル){(2E)−2−[(t−ブチルスルフィニル)イミノ]エチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート
2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(212mg、1.753mmol)および硫酸銅・一水和物(849mg、4.78mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中の4−[(t−ブトキシカルボニル)(2−オキソエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(600mg、1.59mmol)の溶液に添加し、50℃で加熱した。18時間後、この反応物を濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(75%→95%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を得た(400mg)。MS 380.24(M+1−boc基)
【0179】
段階D. ベンジル 4−((t−ブトキシカルボニル){2−[(t−ブチルスルフィニル)アミノ]−2−ピリジン−4−イルエチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート
エーテル(5mL)中の4−ブロモピリジン(360mg、2.28mmol)を、−78℃でエーテル(15mL)中のn−ブチルリチウムの溶液(2.5M、1.0mL、2.5mmol)に1滴ずつ添加した。30分後、エーテル(6mL)中のベンジル 4−((t−ブトキシカルボニル){(2E)−2−[(t−ブチルスルフィニル)イミノ]エチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(364mg、0.759mmol)をこの混合物に添加した。1時間後、この反応物を周囲温度に温め、塩化アンモニウム飽和溶液(2mL)で反応を停止させ、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(75%→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題化合物を得た(230mg)。MS 559.2(M+1)
【0180】
段階E. 4−[(2−アミノ−2−ピリジン−4−イルエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
トリフルオロ酢酸(5mL)を、ジクロロメタン(10mL)中のベンジル 4−((t−ブトキシカルボニル){2−[(t−ブチルスルフィニル)アミノ]−2−ピリジン−4−イルエチル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(230mg、0.412mmol)の溶液に添加した。1時間後、この反応物を濃縮し、メタノール(5mL)に溶解し、ジオキサン中の4N HCl(4.12mmol)で処理した。1時間後、この反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS 355.2(M+1)
【0181】
段階F. 4−(2−オキソ−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
N,N’−カルボニルジイミダゾール(160mg、0.987mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.232mL、1.3mmol)を、アセトニトリル(5mL)中の4−[(2−アミノ−2−ピリジン−4−イルエチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(140mg、0.95mmol)の溶液に添加した。16時間後、この反応物を濃縮し、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウム飽和溶液とで分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(82mg)。MS 381.1(M+1)
【0182】
段階G. 1−ピペリジン−4−イル−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン
エタノール(15mL)中の4−(2−オキソ−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(55mg、0.145mmol)の溶液を、炭素担持パラジウム(50mg)を用いて1気圧の水素で水素化した。16時間後、この反応物を濾過し、濃縮して、表題生成物を得た。MS 247.2(M+1)
上記中間体について略述した手順に本質的に従って、表2に列挙した化合物を調製した。
【0183】
【表2】


【0184】
【化51】

1−フェニル−4−ピペリジン−4−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
【0185】
段階A. N’−フェニル−2−ピリジン−4−イルアセトヒドラジド
塩酸N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(2.06g、10.76mmol、2.02mmol)、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−オール・水和物(1.45g、10.76mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.69mL、26.9mmol)およびフェニルヒドラジン(970mg、8.97mmol)を、ジメチルホルムアミド(10mL)中の4−ピリジル酢酸塩酸塩(1.23g、8.97mmol)の溶液に添加した。16時間後、この反応物をジクロロメタンおよび飽和重炭酸ナトリウムで処理した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(99%ジクロロメタン→12%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(400mg)。MS 228.5(M+1)
【0186】
段階B. 1−フェニル−4−ピリジン−4−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
N’−フェニル−2−ピリジン−4−イルアセトヒドラジド(460mg、2.02mmol)および水素化カルシウム(141mg、3.34mmol)をジメチルホルムアミド(8mL)に溶解し、170℃で加熱した。8時間後、この反応物は周囲温度に冷却し、これを濾過した。この混合物を濃縮し、再びジクロロメタン(50mL)に溶解した。沈殿を濾過し、高真空下で一晩乾燥させて、所望の生成物を得た。MS 238.04(M+1)
【0187】
段階C. 1−フェニル−4−ピペリジン−4−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン
酸化白金(60mg)を、酢酸(12mL)、濃塩酸(0.100mL)および水(5mL)中の1−フェニル−4−ピリジン−4−イル−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン(180mg、0.758mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、その後、水素(50psi)を詰め戻した。5時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS 244.3(M+1)
【0188】
(実施例1)
【0189】
【化52】

4−(3−オキソ−1−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(137mg、0.411mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.057mL、0.411mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(20mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(83mg、0.411mmol)の溶液に添加した。1時間後、1−フェニル−4−ピペリジン−1,2−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン(50mg、0.205mmol)および追加のトリエチルアミン(0.171mL、1.23mmol)を添加し、この反応物を周囲温度に温め、その後、50℃で加熱した。4時間後、この反応物を濃縮し、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウムとで分配した。有機部分を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(27mg)。MS 603.23(M+1)
【0190】
(実施例2)
【0191】
【化53】

N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(49mg、0.146mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.020mL、0.146mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(5mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(29mg、0.146mmol)の溶液に添加した。1時間後、1−ピペリジン−4−イル−4−ピリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン(36mg、0.146mmol)および追加のトリエチルアミン(0.040mL、0.292mmol)を添加し、この反応物を周囲温度に温めた。16時間後、この反応物を濃縮し、ジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウムとで分配した。有機部分を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→15%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(36mg)。MS 606.23(M+1)
【0192】
上記実施例について略述した手順に本質的に従って、表3に列挙した化合物を調製した。
【0193】
【表3】

【0194】
(実施例5)
【0195】
【化54】

4−(4−シアノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(38mg、0.114mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.017mL、0.120mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(23mg、0.114mmol)の溶液に添加した。1時間後、2−オキソ−1−ピペリジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(23mg、0.120mmol)および追加のトリエチルアミン(0.034mL、0.240mmol)を添加した。反応物を周囲温度に温め、その後、50℃に加熱した。2時間後、この反応物を濃縮し、その後、ジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウムとで分配した。有機部分を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→7%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(40mg)。MS 552.195(M+1)
【0196】
(実施例6)
【0197】
【化55】

4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(338mg、1.014mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.141mL、1.014mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(204mg、1.014mmol)の溶液に添加した。1時間後、4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(200mg、1.014mmol)を添加し、反応物を0℃で10分間攪拌し、その後、50℃に加熱した。4時間後、この反応物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウムとで分配し、有機部分を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。分取逆相クロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物を得た(18mg)。MS 557.21(M+1)
【0198】
(実施例7)
【0199】
【化56】

4−(4−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(127mg、0.382mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.053mL、0.382mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(45mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(77mg、0.382mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(0.106mL、0.764mmol)を4−イソプロピル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(80mg、0.382mmol)とともに添加した。反応物を0℃で10分間攪拌し、その後、50℃に加熱した。2時間後、この反応物を濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。有機部分を1N水酸化ナトリウム溶液(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、100mgの表題化合物を得た。MS 569.24(M+1)
【0200】
(実施例8)
【0201】
【化57】

N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0202】
段階A. アミノ(ピリジン−2−イル)酢酸エチル
炭素担持10%パラジウム(100mg)を、エタノール(20mL)中の(2Z)−(ヒドロキシイミノ)(ピリジン−2−イル)エタン酸エチル(522mg、2.67mmol)の溶液に添加した。この反応容器を排気し、窒素を詰め戻し(3x)、その後、水素(1気圧)を詰め戻した。3時間後、この混合物を濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(500mg)。MS 181.17(M+1)
【0203】
段階B. 4−({[(2−エトキシ−2−オキソ−1−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−アミノ−1−boc−ピペリジン(302mg、1.51mmol)およびトリエチルアミン(0.210mL、1.51mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(970mg、4.8mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のジイソプロピルエチルアミン(0.420mL、3.02mmol)を、アミノ(ピリジン−2−イル)酢酸エチル(272mg、1.51mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。この混合物を濾過し、濃縮し、再び酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N水酸化ナトリウム(3x)、重炭酸ナトリウム飽和溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(330mg)。MS 407.29(M+1)
【0204】
段階C. {[(ピペリジン−4−イルアミノ)カルボニル]アミノ}(ピリジン−2−イル)酢酸エチル
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、0.443mL、0.443mmol)を、−78℃でトルエン(5mL)およびジクロロメタン(5mL)中の4−({[(2−エトキシ−2−オキソ−1−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(150mg、0.369mmol)の溶液に添加し、30分間攪拌し、その後、周囲温度に温めた。4時間後、1Nの酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液(20mL)で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製物質をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。30分後、反応物を濃縮して、表題化合物を得た。MS 307.3(M+1)
【0205】
段階D. [({[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)アミノ](ピリジン−2−イル)酢酸エチル
テトラヒドロフラン(3mL)中の(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(90mg、0.270mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(37uL、0.270mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(54mg、0.270mmol)の溶液に添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(5mL)およびジメチルホルムアミド(1mL)中の追加のトリエチルアミン(74uL、0.540mmol)および{[(ピペリジン−4−イルアミノ)カルボニル]アミノ}(ピリジン−2−イル)酢酸エチル(100mg、0.598mmol)を添加し、0℃で10分間攪拌し、その後、室温に温めた。4時間後、この反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、1Nの水酸化ナトリウム溶液(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→12%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、70mgの表題化合物を得た。
【0206】
段階E. N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、0.108mL、0.108mmol)を、−78℃でトルエン(4mL)およびジクロロメタン(4mL)中の[({[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)アミノ](ピリジン−2−イル)酢酸エチル(60mg、0.090mmol)の溶液に添加し、30分間攪拌し、その後、周囲温度に温めた。4時間後、1Nの酒石酸カリウムナトリウム飽和溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(2x)。併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た。MS 604.2(M+1)
【0207】
(実施例9)
【0208】
【化58】

2−オキソ−1−[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル
【0209】
段階A. 4−アミノ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(1.71g、5.13mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(715uL、5.13mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(45mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(1.03g、5.13mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(1.43mL、10.26mmol)および4−boc−アミノ−ピペリジン(1.03g、5.13mmol)を添加し、0℃で10分間攪拌し、その後、室温に温めた。16時間後、この反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、1Nの水酸化ナトリウム溶液(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)によって精製した。ジオキサン中の4N HCl(20mL)を、メタノール(10mL)中のこのboc保護化合物に添加した。16時間後、この反応物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウムとで分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た(2g)。MS 460.2(M+1)
【0210】
段階B. N−({[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)セリン酸メチル
4−アミノ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(323mg、0.703mmol)およびトリエチルアミン(0.098mL、0.703mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(142mg、0.703mmol)の溶液に添加した。20分後、ジイソプロピルエチルアミン(0.404mL、2.32mmol)を2−アミノ−3−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(251mg、2.32mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、30分間攪拌し、その後、50℃に加熱した。2時間後、この混合物を濃縮し、再び残留物を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を1N水酸化ナトリウム(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(99%ジクロロメタン→15%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(350mg)。MS 605.2(M+1)
【0211】
段階C. 2−オキソ−1−[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル
デス・マーチン・ペルヨージナン(126mg、0.298mmol)を、0℃でジクロロメタン(15mL)中のN−({[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)セリン酸メチル(75mg、0.124mmol)の溶液に添加した。この反応物を周囲温度に温め、4時間攪拌し、チオ硫酸ナトリウム飽和溶液と重炭酸ナトリウム飽和溶液の1:1混合物で反応を停止させた。この混合物をジクロロメタンで抽出し(2x)、併せた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→8%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(55mg)。MS 585.4(M+1)
【0212】
(実施例10)
【0213】
【化59】

2−オキソ−1−[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸
水(2mL)中の水酸化リチウム(43mg、1.03mmol)を、メタノール(2mL)中の2−オキソ−1−[1−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(30mg、0.051mmol)の溶液に添加し、40℃に加熱した。2時間後、この反応物を分取逆相クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た(5mg)。MS 571.2(M+1)
【0214】
(実施例11)
【0215】
【化60】

4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(5mL)中の(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(199mg、0.598mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(83uL、0.598mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(100mg、0.598mmol)の溶液に添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(9mL)およびジメチルホルムアミド(1mL)中の1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(100mg、0.598mmol)を添加し、0℃で10分間攪拌し、その後、室温に温めた。16時間後、この反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、1Nの水酸化ナトリウム溶液(3x)、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、70mgの表題化合物を得た。MS 527.5(M+1)。
【0216】
(実施例12)
【0217】
【化61】

4−(4−ベンジル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(10mL)中の(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(84mg、0.253mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(35uL、0.253mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(51.0mg、0.253mmol)の溶液に添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(20mL)中の4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンフルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン(65mg、0.253mmol)を添加し、0℃で10分間攪拌し、その後、室温に温めた。2時間後、この反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、55mgの表題化合物を得た。MS 617.25(M+1)。
【0218】
(実施例13)
【0219】
【化62】

4−(4−ベンジル−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(23mg、0.069mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(0.009mL、0.069mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(14mg、0.069mmol)の溶液に添加した。1時間後、4−ベンジル−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン(18mg、0.069mmol)および追加のトリエチルアミン(0.027mL、0.207mmol)を添加し、この反応物を周囲温度に温めた。16時間後、この反応物を濃縮し、酢酸エチルと1N水酸化ナトリウム溶液とで分配した。有機部分を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→9%メタノール{1%水酸化アンモニウム}/ジクロロメタン)による精製によって、表題化合物を得た(30mg)。MS 619.6(M+1)。
【0220】
(実施例14および14A)
【0221】
【化63】

4−[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミドおよび4−[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(10mL)中の(3R)−3−アミノ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(74mg、0.22mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびトリエチルアミン(31uL、0.22mmol)を、0℃でテトラヒドロフラン(15mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(44.8mg、0.22mmol)の溶液に添加した。1時間後、追加のトリエチルアミン(62uL、0.44mmol)を4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンと4−(4−フルオロフェニル)−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オンの混合物(58mg、0.222mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、2時間攪拌した。この反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)による精製によって、45mgの不飽和化合物と38mgの飽和化合物を得た。それぞれ、MS 621.3および623.3(M+1)。
【0222】
(実施例15)
【0223】
【化64】

N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(20.0mg、0.06mmol)(Y.−J.Shiら,Tetrahedron,1999,55,909−918)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(12.1mg、0.06mmol)を、アルゴン下でテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(19uL、0.14mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌し、その後、さらなるトリエチルアミン(19uL)と、特許US6,344,449 B1に記載の手順に従って調製した塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(16.8mg、0.06mmol)とを添加した。この反応物を周囲温度に温め、一晩攪拌した。この粗生成物を逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を得た(26.1mg)。MS 603(M+1)。
L−236640
L−251630
【0224】
上記実施例について略述した手順に本質的に従って、表4に列挙した化合物を調製した。
【0225】
【表4】


【0226】
(実施例22)
【0227】
【化65】

4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル
3−ヒドロキシ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(1.0g、2.99mmol)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(0.66g、3.29mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(373uL、2.69mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌した。さらなるクロロギ酸p−ニトロフェニル(0.090g、0.45mmol)を添加し、反応物を1時間攪拌した。追加のトリエチルアミン(830uL、5.98mmol)を塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(837mg、2.99mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。反応物を濃縮し、残留物を塩化メチレンに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗製固体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0から10%の{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)によって精製した。逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)による第二の精製を遂行して、表題化合物を得た(820mg)。MS 604.2155(M+1)
【0228】
(実施例23)
【0229】
【化66】

4−[2−オキソ−4−(3−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル
この表題化合物は、塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンの代わりに塩酸4−(3−メトキシフェニル)−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンを用いたことを除き、4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イルと同じように調製した。MS 634.2266(M+1)
【0230】
(実施例24)
【0231】
【化67】

N−[3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0232】
段階A. [(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]カルバミン酸4−ニトロフェニル
(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(1.21g、3.63mmol)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(201.5mg、3.63mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.48mL、0.3.45mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌した。この溶液を濾過し、濃縮して、表題化合物を淡黄色の固体として得た(1.9g)。
【0233】
段階B. N−[3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]カルバミン酸4−ニトロフェニル(52.8mg、0.11mmol)および1−(ピペリジン−4−イル)イミダゾリジン−2−オン(17.9mg、0.112mmol)を塩化メチレン(1mL)に溶解し、トリエチルアミン(40uL、0.32mmol)を添加した。この反応物を一晩攪拌し、濃縮し、逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)によって精製した。酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムでの処理によって、表題化合物を得た(28mg)。MS 529.2162(M+1)
【0234】
(実施例25)
【0235】
【化68】

N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニルイミダゾリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(20.0g、0.06mmol)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(12.1mg、0.06mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(8.4uL、0.06mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌し、その後、ジメチルスルホキシド(0.5mL)中のさらなるトリエチルアミン(21uL)および4−フェニル−1−ピペリジン−4−イルイミダゾリジン−2−オン・トリフルオロ酢酸塩(21.6mg、0.06mmol)を添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。この粗生成物を逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を得た(18.5mg)。MS 605.2459(M+1)
【0236】
(実施例26)
【0237】
【化69】

N−[3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1[2H]−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【0238】
段階A. [(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]カルバミン酸4−ニトロフェニル
(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(1.21g、3.63mmol)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(201.5mg、3.63mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.48mL、0.3.45mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌した。この溶液を濾過し、濃縮して、表題化合物を淡黄色の固体として得た(1.9g)。
【0239】
段階B. N−[3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1[2H]−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]カルバミン酸4−ニトロフェニル(35.4mg、0.07mmol)および1−ピペリジニル−4−イルテトラヒドロピリミジン−2[1H]−オン(13mg、0.07mmol)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(30uL、0.21mmol)を添加した。この反応物を一晩攪拌し、濃縮し、逆相HPLC(C−18;0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中5%から95%の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルの濃度勾配溶出)によって精製した。酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムでの処理によって、表題化合物を得た(16mg)。MS 543.2323(M+1)
【0240】
(実施例27)
【0241】
【化70】

N’−シアノ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(2−オキソ−4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
ジイソプロピルエチルアミン(107uL、0.615mmol)を、塩化メチレン(5mL)中の(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(205mg、0.615mmol)およびN−シアノカルボンイミド酸ジフェニル(147mg、0.615mmol)の溶液に添加した。この反応物を室温で72時間攪拌し、その後、0.5Nの水酸化ナトリウムで反応を停止させた。この塩化メチレンを水および飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。固体生成物(139mg、0.291mmol)を、塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オン(81.4mg、0.291mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(76.1uL、0.437mmol)とともに、1−ペンタノール(2mL)に溶解し、アルゴン下で一晩還流させた。追加当量の塩酸4−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンを添加し、この反応物を一晩還流させた。反応物を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル;0.1%水酸化アンモニウムを含有する塩化メチレン中0から5%のメタノール;濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を得た。MS 627.2464(M+1)
【0242】
(実施例28)
【0243】
【化71】

N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−(5−オキソ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
(3R)3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(55.0g、0.165mmol)およびクロロギ酸p−ニトロフェニル(33.3mg、0.165mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(23uL、0.165mmol)を添加し、この反応物を1時間攪拌した。追加のトリエチルアミン(34.5uL、0.247mmol)を、ジメチルスルホキシド(1mL)中の塩酸5−フェニル−1−ピペリジン−4−イル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(40.3mg、0.165mmol)とともに添加した。この反応物を室温に温め、一晩攪拌した。この混合物を塩化メチレンと1N水酸化ナトリウムとで分配し、有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン中0%から10%の{5%水酸化アンモニウム/メタノール}の濃度勾配溶出)によって精製して、表題化合物を白色の固体として得た(86mg)。MS 604(M+1) L−236640
【0244】
本発明のある特定の実施形態を参照しながら本発明を説明および例証したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な調節、変更、修正、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。例えば、上で示した本発明の化合物でいずれかの適応症についての治療を受ける哺乳動物の応答の変化の結果として、本明細書において上で述べたような特定の投薬量以外の有効な投薬量を適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
R1は、
1)H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R2は、H、ならびに
1)C1−6アルキル、
2)C3−6シクロアルキル、
3)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
4)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
5)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)sOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4
から独立して選択され;
R7は、
1)H、C0−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)SOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R10およびR11は、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から、独立して選択され、この場合、R10とR11とは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成してよく、この環は、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
R4は、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され;
Wは、O、NR4またはC(R4)2であり;
Xは、CまたはSであり;
Yは、O、(R4)2、NCN、NSO2CH3またはNCONH2であり、またはYは、XがSであるとき、O2であり;
R5は、H、ならびに
1)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル及び複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から、独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)sOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4
から独立して選択され;または、
同じ炭素に結合している2つのR5は、C(R5)2がC=Oになることができるように、置換基=Oを形成し、この場合、HでないR5置換基の数は、0から3の範囲内にあり得;
R6は、H、C1−C6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル[これらは、非置換であるか、以下の置換基で置換されている。
a)(F)pC1−3アルキル、
b)ハロゲン、
c)OR4、
d)O(CH2)sOR4、
e)CO2R4、
f)(CO)NR10R11、
g)O(CO)NR10R11、
h)N(R4)(CO)NR10R11、
i)N(R10)(CO)R11、
j)N(R10)(CO)OR11、
k)SO2NR10R11、
l)N(R10)SO2R11、
m)S(O)mR10、
n)CN、
o)NR10R11、
p)N(R10)(CO)NR4R11、および
q)O(CO)R4]
から独立して選択され;
G−JはN、C(R5)、C=C(R5)、N−C(R5)2、C=N、C(R5)‐C(R5)2、C(R5)−N(R6)およびN−N(R6)から選択され;
Q−TはC(R5)2−C(R5)2、C(R5)=C(R5)、N=C(R5)、C(R5)=N、N=N、N(R6)、C(R5)2−(C=O)、N(R6)−(C=O)およびC(R5)2−N(R6)から選択され;
R3は、H、置換または非置換C1−C3アルキル、CN、F、OR4およびCO2R4から独立して選択され;
pは、q個の炭素を有する置換基について、0から2q+1であり;
mは、0、1または2であり;
sは、1、2または3である。}
の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項2】
式Ia:
【化2】

の請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項3】
式Ib:
【化3】

の請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項4】
R1が、
1)H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から、独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、こ
この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R2が、H、ならびに
1)C1−6アルキル、
2)C3−6シクロアルキル、
3)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、
この場合の置換基は、R4から、独立して選択される。)、
4)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
5)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)(F)pC1−3アルキル、
7)ハロゲン、
8)OR4、
9)O(CH2)sOR4、
10)CO2R4、
11)(CO)NR10R11、
12)O(CO)NR10R11、
13)N(R4)(CO)NR10R11、
14)N(R10)(CO)R11、
15)N(R10)(CO)OR11、
16)SO2NR10R11、
17)N(R10)SO2R11、
18)S(O)mR10、
19)CN、
20)NR10R11、
21)N(R10)(CO)NR4R11、および
22)O(CO)R4
から独立して選択され;
R7が、
1)H、C0−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、1から5個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、R4から独立して選択される。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、
v)O(CO)R4]および
2)アリールまたはヘテロアリール[これは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]
から選択され;
R10およびR11が、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され、この場合、R10とR11とが一緒になり、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルから選択される環を形成してよく、この環は、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されており;
R4が、H、C1−6アルキル、(F)pC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびベンジル(これらは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1−C6アルコキシで置換されている。)から独立して選択され;
Wが、O、NR4またはC(R4)2であり;
G_Jが、Nであり、Q−Tが、C(R5)2−C(R5)2であるか、
G−Jが、Nであり、Q−Tが、C(R5)=C(R5)であるか、
G−Jが、Nであり、Q−Tが、N=C(R5)であるか、
G−Jが、Nであり、Q−Tが、C(R5)=Nであるか、
G−Jが、Nであり、Q−Tが、N=Nであるか、
G−Jが、C=C(R5)であり、Q−Tが、N(R6)であるか、
G−Jが、Nであり、Q−Tが、C(R5)2−(C=O)であるか、
G−Jが、N−C(R5)2であり、Q−Tが、C(R5)2−C(R5)2であるか、
G−Jが、C=C(R5)であり、Q−Tが、C(R5)=C(R5)であるか、
G−Jが、C=C(R5)であり、Q−Tが、C(R5)=Nであるか、
G−Jが、C=C(R5)であり、Q−Tが、N=C(R5)であるか、
G−Jが、C=Nであり、Q−Tが、C(R5)=C(R5)であるか、
G−Jが、N−C(R5)2であり、Q−Tが、C(R5)2−(C=O)であるか、
G−Jが、C(R5)−C(R5)2であり、Q−Tが、N(R6)−(C=O)であるか、
G−Jが、C(R5)−C(R5)2であり、Q−Tが、C(R5)2−C(R5)2であるか、
G−Jが、C(R5)−C(R5)2であり、Q−Tが、C(R5)2−N(R6)であるか、
G−Jが、C(R5)−N(R6)であり、Q−Tが、C(R5)2−C(R5)2であるか、
G−Jが、C(R5)−C(R5)2であり、Q−Tが、N=C(R5)であるか、
G−Jが、N−C(R5)2であり、Q−Tが、C(R5)2−C(R6)であるか、
G−Jが、N−N(R6)であり、Q−Tが、C(R5)2−C(R5)2であるか、
G−Jが、N−C(R5)2であり、Q−Tが、N=C(R5)であり;
R5は、H、ならびに
1)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−6シクロアルキルおよび複素環[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
2)アリールまたはヘテロアリール[これらは、非置換であるか、以下から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されている。
a)C1−6アルキル、
b)C3−6シクロアルキル、
c)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
d)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
e)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
f)(F)pC1−3アルキル、
g)ハロゲン、
h)OR4、
i)O(CH2)sOR4、
j)CO2R4、
k)(CO)NR10R11、
l)O(CO)NR10R11、
m)N(R4)(CO)NR10R11、
n)N(R10)(CO)R11、
o)N(R10)(CO)OR11、
p)SO2NR10R11、
q)N(R10)SO2R11、
r)S(O)mR10、
s)CN、
t)NR10R11、
u)N(R10)(CO)NR4R11、および
v)O(CO)R4]、
3)C1−6アルキル、
4)C3−6シクロアルキル、
5)アリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
6)ヘテロアリール(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
7)複素環(これは、非置換であるか、R4から独立して選択される1から5個の置換基で置換されている。)、
8)(F)pC1−3アルキル、
9)ハロゲン、
10)OR4、
11)O(CH2)sOR4、
12)CO2R4、
13)(CO)NR10R11、
14)O(CO)NR10R11、
15)N(R4)(CO)NR10R11、
16)N(R10)(CO)R11、
17)N(R10)(CO)OR11、
18)SO2NR10R11、
19)N(R10)SO2R11、
20)S(O)mR10、
21)CN、
22)NR10R11、
23)N(R10)(CO)NR4R11、および
24)O(CO)R4
から独立して選択され;または、
同じ炭素に結合している2つのR5は、C(R5)2がC=Oになることができるように、置換基=Oを形成し、この場合、HでないR5置換基の数は、0から3の範囲内にあり得;
R3が、H、置換または非置換C1−C3アルキル、CNおよびCO2R4から、独立して選択され;
pが、q個の炭素を有する置換基について0から2q+1であり;
mが、0から2であり;
sが、1から3である
請求項1に記載の化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々の立体異性体。
【請求項5】
【化4】



から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項6】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛の治療、制御もしくは改善、または頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛のリスクの低減を、このような必要がある哺乳動物患者において行うための方法。

【公表番号】特表2008−526984(P2008−526984A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551403(P2007−551403)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/001252
【国際公開番号】WO2006/078554
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】