説明

CMバンクシステムの一本化テープチェック方法

【課題】CMバンクシステムにおいて、バックアップ用に作成した一本化テープを再作成する際、再作成用ではないテープをVTR装置に誤挿入したことによって上書きした結果、テープに収録されていた放送素材(一本化テープに収録されているのとは異なる放送素材)を消去してしまうといった不具合を除去できるようにすることを目的とする。
【解決手段】一本化テープ新規作成時において、テープ先頭部分に放送日時、サービス番号、ルート情報、ファイル番号をテープ情報として記録し、再作成時、テープ先頭部分を読み込んで再作成用のテープであるか否かをチェックする。そして、再作成用のテープと異なっている場合、操作卓のモニタにエラー表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMバンクシステムでバックアップ用に作成する一本化テープ(例えば、1日分のCM素材を記録)の作成、再作成に係り、更に詳しくは、作成時、再作成時の一本化テープのチェックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CMバンクシステムにより作成した一本化テープを新規作成、再作成する際、従来はテープの妥当性をチェックする機能がなかったことにより、即ち、本当に記録、上書きしても良いテープであるか否かを確認する機能がなかったことにより、新規作成用、再作成用ではないテープにそのまま記録、上書きしてしまう場合がある。この場合、記録、上書きしたテープに別の放送素材が収録されていたとき、別の放送素材を誤って消去してしまうという不具合が発生することがある(文献公知発明に係るものではない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明では、バックアップ用の一本化テープを作成もしくは再作成する際、消去もしくは上書きしてはならない別の放送素材が収録されているテープをVTR装置に誤挿入したことによって上書きすることにより、テープに収録されていた放送素材を消去してしまうといった不具合を除去できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前述の目的を達成するために、一本化テープ新規作成時において、テープ先頭部分に、例えば、放送日時、サービス番号、ルート情報、ファイル番号等の一本化テープに関するテープ情報を記録し、再作成時、先頭部分のテープ情報を読み込んで再作成用のテープであるか否かをチェックし、再作成用のテープであるとき、再作成するようにしたものである。逆に、再作成用のテープではない場合、操作卓のモニタにエラー表示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、一本化テープを再作成する際、テープ先頭部分に記録されたテープ情報により再作成用のテープであるか否かを確認することにより、再作成用のテープと異なっている場合、操作卓のモニタにエラー表示するようにしたため、テープ誤挿入によって上書きされたことが原因で放送素材が消去されるといった不具合を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
まず、CMバンクシステムの構成について、図1を用いて説明する。1はVTR等の映像・音声送出機器から映像・音声をハードディスクに記録、再生する機能を有するビデオサーバ、2は一本化テープを作成するVTR装置及びVTR I/F装置、3は一本化テープを作成するためにビデオサーバ1、VTR装置及びVTR I/F装置2を制御する登録コントローラ、4はユーザーインターフェースを持ち、一本化テープを作成するために扱者が操作する登録卓、5は一本化テープを作成するためのデータを保持しているデータサーバである。
【0007】
次に、本実施例のCMバンクシステムと従来のCMバンクシステムとの相違について、図1、2を用いて説明する。従来のCMバンクシステムでは、登録コントローラ3に格納されている一本化作成用アプリケーションソフトを用いることにより、登録卓4を操作して一本化テープの新規作成、再作成を行っていた。しかし、再作成時において、テープの妥当性をチェックしていなかったことにより、即ち、本当に記録、上書きして良いテープであるか否かを確認していなかったことにより、テープ誤挿入による上書きをした結果、一本化テープとは別の放送素材が収録されていたときにこの放送素材を消去してしまうことがあった。
【0008】
それに対して、本実施例のCMバンクシステムでは、下記(1)〜(3)の通り、新規作成時に記録したテープ先頭の情報を再作成時にチェックすることにより、テープ誤挿入による上書きを防止するため、テープに収録してあった放送素材(再作成用の一本化テープに収録されているのとは異なる放送素材)を誤って消去してしまうことがなくなる。
【0009】
(1)新規作成時にテープ先頭部分に放送日時、サービス番号、ルート番号、ファイル番号等のテープ情報を記録する(図2のステップ11)。
(2)テープ先頭部分に記録されているテープ情報をチェックする(図2のステップ12)。
【0010】
(3)チェックの結果、再作成しようとしているテープと異なるとき、操作卓4のモニタにエラーを表示する(図2のステップ13)。
なお、本実施例では、新規作成時に、無条件でテープ先頭部分に放送日時、サービス番号、ルート番号、ファイル番号等のテープ情報を記録するようにしているが、テープ先頭部分にテープ情報が記録されているか否か、テープ情報が記録されているならばそのテープ情報を基に、本当に新規作成して良いか否かをチェックした結果、新規作成しても良いと判定された場合のみ、テープ情報を記録するようにしても良い。なお、新規作成しては良くないと判定された場合、操作卓のモニタにエラー表示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】CMバンクシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例であるCMバンクシステムにおいて、一本化VTR作成のための登録コントローラの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0012】
1:ビデオサーバ、 2:VTR装置及びVTR I/F装置
3:登録コントローラ、 4:装置登録卓
5:データサーバ、 11〜13:フローチャートのステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本化テープ作成用のVTR装置を有するCMバンクシステムにおいて、
一本化テープ再作成時に、前記VTR装置に挿入されるテープの所定部分に再作成する一本化テープに関するテープ情報が記録されているか否かをチェックし、前記対応するテープ情報が記録されていたとき一本化テープを再作成するようにしたことを特徴とするCMバンクシステムの一本化テープチェック方法。
【請求項2】
請求項1記載のCMバンクシステムの一本化テープチェック方法において、
前記対応するテープ情報が記録されていなかったとき、モニタにエラー表示するようにしたことを特徴とするCMバンクシステムの一本化テープチェック方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−94052(P2006−94052A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276037(P2004−276037)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】