説明

CNS障害の処理及び予防のための胃保持性医薬組成物

本発明の開示は、中枢神経系(CNS)障害の改善、予防及び処理のための方法及び組成物に向けられる。本発明は、CNS障害を有するか、その障害に対して敏感であるか、又はその障害であることが診断された患者の処理及び特に、神経伝達物質系機能不全に関連するそれらの障害を有する患者の処理を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、中枢神経系(CNS)障害の改善、予防及び処理において有用な胃保持性医薬組成物及び関連する方法に向けられる。記載される方法は、CNS障害を有するか、その障害に対して敏感であるか、又はその障害であることが診断された患者の処理及び特に、神経伝達物質系機能不全に関連するそれらの障害、例えば神経変性疾病、例えば初老期痴呆、アルツハイマー型の老人性痴呆及びパーキンソン症候群、例えばパーキンソン病、及び他のCNS障害、例えば注意欠陥障害、分裂病及びトゥーレット症候群を有する患者の処理を目的とする。
【背景技術】
【0002】
CNS障害は、神経学的障害のタイプである。CNS障害は、薬物誘発され得、遺伝的素質、感染又は外傷に起因することができるか、又は未知の病因学のものであり得る。CNS障害は、神経精神疾患及び精神病を含んで成り、そして神経変性疾病、行動異常、認識障害及び認識感情障害を包含する。臨床徴候は、CNS機能不全(すなわち、適切なレベルの神経伝達物質放出、不適切な性質の神経伝達物質受容体、及び/又は神経伝達物質と神経伝達物質受容体との間の不適切な相互作用に起因する障害)に起因した。いくつかのCNS障害は、コリン作動性不全、ドーパミン性不全、アドレナリン性不全及び/又はセロトニン作用不全に起因することができる。比較的一般的な出現のCNS障害は、初老期痴呆(初期開始のアルツハイマー病)、老人性痴呆(アルツハイマータイプの痴呆)、パーキンソン症候群、例えばパーキンソン病、ハンチントン舞踏病、遅発性運動異常症、運動亢進、躁病、注意欠陥障害、心配、難読症、分裂病、及びツウーレット症候群を包含する。
【0003】
パーキンソン病(PD)は、振戦性及び筋肉硬化により特徴づけられる、現在、未知の病因学の虚弱性神経変性疾病である。この疾病の特徴は、ドーパミン作動性ニュウロン(すなわち、ドーパミンを分泌する)の変性に関与するように見える。この疾病の1つの症状は、そのようなドーパミン作動性ニューロンに関連し、そしてドーパミン分泌の工程を調節すると思われるニコチン性受容体の同時損失であることが観察されている。Rinne, et al., Brain Res., Vol. 54, pp. 167-170 (1991 ) 及び Clark, et al., Br. J. Pharm., Vol. 85, pp. 827-835 (1985)を参照のこと。ニコチンはPDの症状を改善することがまた提案されている。Smith et al., Rev. Neurosci., Vol. 3(1), pp. 25-43 (1982)を参照のこと。
【0004】
レボドーパ及びカルビドーパの組合せが、パーキンソン病の症状のための最も効果的な処理であると思われる(The Medical Letter, 35:31-34), 1993)。パーキンソン病に苦しんでいる患者及び/又はそれを有することが診断された患者に関しては、ベンチマーク処理は典型的には、カルビドーパと組合してレボドーパを含む投与形の経口投与である。レボドーパは、ドーパミンの前駆体であるが、しかしドーパミンとは異なって、血液脳バリヤーを通過することができる。しかしながら、末梢血液システムにおいては、及び血液脳バリヤーの通過の前、レボドーパはドーパミンに脱カルボキシル化される。カルビドーパは、ドーパミンへのレボドーパの急速な末梢脱カルボキシル化を阻害する。有害な現象、すなわち副作用、特に腸粘膜及び他の末梢組織においてはレボドーパ転換から循環中に放出されるドーパミンにより引起される嘔気をもたらす高い用量のレボドーパについての必要性が否定される。現在、市販の経口レボドーパ/カルビドーパ組合せ薬剤製品は、即時放出錠剤、例えばSinemet(商標)及びAtamet(商標)、及び延長された放出錠剤、例えばSinemet(商標)CR及び同種医薬品から成る。カルビドーパはまた、組合せ錠剤を取る場合、追加のカルビドーパを必要とするそれらの患者のための単一成分錠剤としても利用できる。
【0005】
即時放出レボドーパ/カルビドーパ錠剤は、1日当たり3〜4度、投与され、そして延長された放出製品は1日当たり2〜3度、投与される。最近、胃における手術開始を通して調節された割合で十二指腸中にレボドーパ及びカルビドーパを注入する外部ポンプが、ヨーロッパ及びカナダにおいて利用できるようになった(Duodopa(商標)、Solvay Pharmaceuticals, Germany)。
【0006】
拍動態様で、例えばパーキンソン患者への即時放出形でのレボドーパの経口投与で、結局2〜3年、外部ドーパミンへのパーキンソン病における影響されるニューロンの暴露が、“オン−オフ”現象の進行を導き、すなわち移動性が個々の投与の後、数時間、改良されるが、しかし硬直及び運動喪失は投与期間の最後で戻ることが知られている。より頻繁な投与はこれを改良するが、しかしジスキネシア、過剰及び異常不随意性運動が、レボドーパレベルが高くなる場合、生じる。
【0007】
レボドーパレベルが一定割合でのIV注入により一定に維持される場合、オン−オフ現象及びジスキネシアは低められることがまた知られている。これはまた、時折り、例えば4又は6時間の代わりに2時間ごとに、細分された毎日の経口投与量を取ることにより模倣される。後者は、経口延長された放出投与形において理論的に現実化され得る。しかしながら、レボドーパのユニーク経口吸収特徴は、比較的一定したレボドーパの血漿レベルを達成するために延長された時間、比較的一定の割合で薬物を供給する経口延長された/調節された放出投与形の達成において問題を提供する。
【0008】
レボドーパは芳香族アミノ酸のための活性輸送機構を通して近位小腸において単に吸収されるでの、これは、胃から小腸に急速に空にされる従来の経口調節された放出投与形の性能を制限する。放出の持続期間は、小腸を通しての移動時間、すなわち約2〜3時間に比較して長い場合、ほとんどの薬物は近位小腸における吸収部位に供給されず、そして吸収もされない。従って、小腸における放出の持続時間は、生物利用能を失わないで比較的短くあるべきである。
【0009】
完全なインビトロ放出(溶解装置1、櫂、pH1)が約2.5時間で生じるそのような場合は、SINEMET(商標)CRについての場合である。長い放出持続性を有する製剤は、レボドーパの低い生物利用能をもたらす。例えばそうだとそても、SINEMET(商標)CRの生物利用能は即時放出錠剤SINEMET(商標)のわずか70〜75%である。食品との投与は、胃の空白化が遅延されるので、実質的に生物利用能を高める。1日当たり2〜3度の薬物のFDA推薦される用量にもかかわらず、何人からの患者は、当然1日当たり4〜6度、薬物の投与を必要とすることができる。
【0010】
十二指腸注入ポンプは、一定速度で、レボードーパ及びカルビドーパを、吸収の小腸部位に直接的に供給することができ、それにより、上部問題を排除する。しかしそのような療法は、開始において(注入管の手術的挿入)も又は維持においても(創傷及び装置注意)、便利ではない。
【0011】
従って、比較的一定した血漿レベルを達成するために延長された時間、比較的一定した速度でレボドーパ及びカルビドーパの延長された/調節された放出を提供することにより、運動障害、例えばパーキンソン病の処理及び予防において効果的に且つ便利に助ける医薬組成物についての当業界における強い必要性が存在する。本発明の開示は、中でも、それらの必要性を満たす。
【0012】
本発明の方法、組成物及び同様のものの追加の態様は、次の記載、図面、実施例及び請求項から明らかであろう。前述の及び次の記載から正しく評価され得るように、本明細書に記載される個々の及びあらゆる特徴、及び複数のそのような特徴の個々の及びあらゆる組合せは、そのような組合せに包含される特徴が互いに矛盾しない場合、本発明の開示の範囲内に包含される。さらに、いずれかの特徴又は特徴の組合せは、本発明のいずれかの態様から特別に排除され得る。本発明の追加の観点及び利点は、特に付随する実施例及び図面に関して考慮される場合、次の記載及び請求項に示される。
【発明の概要】
【0013】
下記に記載され、そして例示される次の観点及びその態様は、説明的且つ例示的であり、発明の範囲を制限するものではない。
1つの観点においては、胃−保持性(“GR”)投与形は、対象、例えば運動障害を有するヒト患者に経口投与のための治療的有効量のレボドーパ及びカルビドーパを含んで成る。
【0014】
1つの態様においては、投与形は第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを含んで成る。もう1つの態様においては、前記第1用量のレボドーパ及び前記第1用量のカルビドーパは、ポリマーマトリックスに分散される。もう1つの態様においては、前記ポリマーマトリックスは少なくとも1つの親水性ポリマーを含んで成る。さらにもう1つの態様においては、前記ポリマーマトリックスは、食物態様で対象の胃における胃保持のために十分なサイズに、流体の吸収に基づいて膨潤する。
【0015】
1つの態様においては、GR投与形は、延長された放出(“ER”)投与形として、第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを含んで成る単層又は一体構造の投与形である。もう1つの態様においては、GR投与形は、約400mg〜約900mg、又は約500mg〜約800mgの合計重量を有する。もう1つの態様においては、GR投与形は、約400 mg、550 mg、600 mg、650 mg、700 mg、750 mg、800 mg、850 mg又は 900 mgの合計重量を有する。
【0016】
1つの態様においては、前記第1用量のレボドーパは、約100mg〜約500mg又は約200mg〜約300mgである。もう1つの態様においては、前記第1用量のレボドーパは、約250mg〜約350mg又は約200mg〜約300mgである。さらにもう1つの態様においては、前記第1用量のレボドーパは、約125 mg、 150 mg、 175 mg、 200 mg 220 mg、 240 mg、 250 mg、 260 mg、 275 mg、 300 mg、 325 mg、 350 mg、 375 mg、 400 mg、 425 mg、 450 mg、 475 mg又は500 mgである。
【0017】
1つの態様においては、前記第1用量のカルバドーパは、約25mg〜約125mg、又は約50mg〜約75mgである。もう1つの態様においては、前記第1用量のカルビドーパは、約60mg〜約90mg、又は約50mg〜約75mgである。さらにもう1つの態様においては、前記第1用量のカルバドーパは、30 mg、 40 mg、 45 mg、 50 mg、 55 mg、 60 mg、 65 mg、 70 mg、 75 mg、 80 mg、 85 mg、 90 mg、 95 mg、 100 mg、 110 mg又は130 mgである。
1つの態様においては、第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は、約10:1〜約1:10である。もう1つの態様においては、前記比は10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1又は2:1である。
【0018】
1つの態様においては、前記投与形はさらに酸化防止剤を含んで成る。もう1つの態様においては、酸化防止剤は、トコフェロール、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸、システインHCl、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、トコフェロール及びメタ亜硫酸水素ナトリウムから成る群から選択される。さらにもう1つの態様においては、酸化防止剤は、約0.01wt%、0.05 wt%、0.1wt%、0.5 wt%、0.75 wt%、1 wt%、2 wt%、3 wt% 又は 4 wt%のwt%(重量%)で投与形に存在する。
【0019】
1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、1又は複数の異なった親水性ポリマーの混合物を含んで成る。もう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、ポリ(酸化エチレン)(PEO)から成る群から選択され、ここで前記PEOは、約300,000ドルトン〜約2,000,000Da(ドルトン)の範囲の分子量を有する。もう1つの態様のいては、PEOは、約900,000ドルトン〜約4,000,000ドルトンの範囲の分子量を有する。さらにもう1つの態様においては、PEOの分子量は、約600,000 Da、900,000 Da、1 ,000,000 Da、2,000,000 Da、4,000,000 Da、5,000,000 Da、7,000,000 Da、9,000,000 Da、10,000,000 Da又は12,000,000 Daの分子量を有する。
【0020】
1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約15wt%〜約70wt%の範囲の量で投与形に存在する。もう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約15wt%〜約65wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約20wt%〜約60wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約30wt%〜約50wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約20 wt%、25 wt%、30 wt%、35 wt%、40 wt%、45 wt%、50 wt%、55 wt%又は60 wt%で投与形に存在する。
【0021】
1つの態様においては、GR投与形はさらに結合剤を含んで成る。もう1つの態様においては、結合剤はポビドン(PVP)又はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。さらにもう1つの態様においては、GR投与形は、約0.1wt%〜約20wt%の範囲の量で、又は約2wt%〜約15wt%の範囲の量で、又は約2wt%〜約8wt%の範囲の量で存在する結合剤を含んで成る。さらにもう1つの態様においては、GR投与形は、ER部分の約1.0 wt%、1.1 wt%、1.2 wt% 1.4 wt%、1.5 wt%、1.7 wt%、1.8 wt%、1.9 wt%、2.0 wt%、2.5 wt%、3.0 wt%、3.5 wt%、4.0 wt%、4.5 wt%、5.0 wt%、5.5 wt%、6.0 wt%、6.5 wt%、7.0 wt%、7.5 wt% 又は 8.0 wt%である量で存在する結合剤を含んで成る。
【0022】
1つの態様においては、GR投与形はさらに充填剤を含んで成る。もう1つの態様においては、充填剤は微晶性セルロース(MCC)及び/又はマンニトールである。もう1つの態様におては、GR投与形は、約35 wt% 〜 約85 wt%、約 45 wt% 〜 約 75 wt%、約 50 wt% 〜 約 65 wt%の充填剤を含んで成る。もう1つの態様においては、GR投与形は、前記投与形の約45 wt%、50 wt%、51 wt%、52 wt%、53 wt%、55 wt%、60 wt%、65 wt%、68 wt%、68 wt%、70 wt%、71 wt%、72 wt%、75 wt%、80 wt%又は85 wt%である量で存在する充填剤を含んで成る。
【0023】
1つの態様においては、前記投与形のER部分はさらに、滑剤を含んで成る。もう1つの態様においては、滑剤はステアリン酸マグネシウムである。もう1つの態様においては、前記投与形のER部分は、約0.5%〜約5.0%の範囲の量で存在する滑剤を含んで成る。さらにもう1つの態様においては、前記投与形のER部分は、約0.1 wt%、0.5 wt%、0.75 wt%、1.0 wt%、1.5 wt%、1.75 wt%、1.80 wt%、1.85 wt%、1.90 wt% 又は2.0 wt%である量で存在する滑剤を含んで成る。
【0024】
1つの態様においては、前記投与形のER部分は、着色剤を含んで成る。もう1つの態様においては、着色剤は、投与形のER部分の約2.0〜5.0wt%である量で存在する。さらにもう1つの態様のおいては、着色剤は、ER部分の約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5又は5.0 wt%である量で存在する。
【0025】
1つの態様においては、前記投与形は、流体を吸収し、そして流体の吸収の前の投与形のサイズの約110%〜約170%のサイズに膨潤する。もう1つの態様においては、投与形は、流体の吸収の前の投与形のサイズの約115%〜約150%のサイズに膨潤する。さらにもう1つの態様におては、投与形は、流体を吸収し、そして投与の30分以内に又は投与形中への流体の吸収の開始の約30分以内に、流体の吸収の前の投与形のサイズの約110%〜約170%、約115%〜約165%、約120%〜約150%、約125%〜約140%のサイズに膨潤する。
【0026】
1つの態様においては、投与形は、その投与形の膨潤に基づいて腐食し始める。もう1つの態様においては、投与形は腐食し、その結果、投与形のサイズは、投与の後、最初の30分後、又は投与形中への流体の吸収の開始の後、最初の30分後、低下し始める。
【0027】
もう1つの態様においては、対象への投与形の投与に基づいて、投与形は、胃及び小腸を包含する上部胃腸管に少なくとも約3〜約8時間の薬物供給を提供する。もう1つの態様においては、投与形は、上部胃腸管に少なくとも4時間、少なくとも6時間又は少なくとも8時間の薬物供給を提供する。さらにもう1つの態様においては、上部胃腸管に少なくとも約6時間〜約8時間の薬物供給を提供する。さらにもう1つの態様におては、投与形は、上部胃腸管に少なくとも約3, 4, 5, 6, 7又は8時間の薬物供給を提供する。
【0028】
1つの態様においては、投与形は、実質的にすべての第1用量のレボドーパ及び実質的にすべての第1用量のカルビドーパを、約6〜12時間、約8〜10時間、又は約7〜9時間、放出する。もう1つの態様においては、投与形は、実質的にすべての第1用量のレボドーパ及び実質的にすべての第1用量のカルビドーパを、約6, 7, 8, 9, 10, 11, 12又は13時間にわたって放出する。さらにもう1つの態様におては、投与形は少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%の第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを、投与形の経口投与の後、約6, 7, 8, 9, 10, 11, 12又は13時間、放出する。
【0029】
1つの態様においては、インビトロ溶解試験においては、投与形は、約15%〜約50%の第1用量のレボドーパ及び約15%〜約50%の第1用量のカルビドーパを、溶解試験の開始から約1時間以内に放出する。もう1つの態様においては、インビトロ溶解試験においては、投与形は、約20%〜約40%の第1用量のレボドーパ及び約20%〜約40%の第1用量のカルビドーパを、溶解試験の開始から約1時間以内に放出する。
【0030】
いくつかの態様においては、投与形は、インビトロ溶解プロフィールを提供し、ここで第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパの個々に関しては、前記第1用量の約40%〜約50%が、投与の約1〜2時間後、投与形に残存する。1つの態様においては、30%以下の第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパが最初の時間以内に放出される。さらにある態様においては、40%以下の第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパが最初の時間以内に放出される。もう1つの態様においては、85%以下の第1のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパが約4時間以内に放出される。もう1つの態様においては、50%以下が約4時間後、放出される。さらにもう1つの態様においては、60%以下が約6時間後、放出される。
【0031】
1つの態様においては、インビトロ溶解試験は、0.1NのHClを含む水性媒体において約37℃で実施されるUSPタイプI溶解試験である。もう1つの態様においては、USPタイプI溶解試験は、150rpmの速度で実施される。
1つの態様においては、インビトロ溶解試験は、0.1NのHClを含む水性媒体において約37℃で実施されるUSPタイプII溶解試験である。もう1つの態様においては、USPタイプII溶解試験は、150rpmの速度で実施される。
【0032】
1つの態様においては、インビトロ溶解試験は、0.1NのHClを含む水性媒体において約37℃で実施されるUSPタイプIII溶解試験である。もう1つの態様においては、USPタイプIII溶解試験は、10rpmの速度で実施される。
1つの態様においては、投与形は、食物態様で対象に経口投与される場合、対象において血漿プロフィールを生成し、ここでレボドーパの血漿レベルは、少なくとも約6〜約10時間、約8〜約12時間、約60〜約8時間、又は約7〜約9時間、維持される。
【0033】
1つの態様においては、用量形は、食物態様で対象に経口投与される場合、12時間の投与期間についてのAUCをもたらし、ここで前記12時間の投与期間についてのAUCは約300ng・時/ml〜約1500ng・時/mlである。もう1つの態様においては、12時間の投与期間についてのAUCは約400ng・時/ml〜約800ng・時/mlである。さらにもう1つの態様においては、12時間の投与期間についてのAUCは、約500ng・時/ml〜約700ng・時/mlである。
【0034】
1つの態様においては、12時間の投与期間の間のCmax:Cminの比は約3:5である。もう1つの態様においては、比は1〜約20、又は1〜約4である。さらにもう1つの態様においては、前記比は約1〜約4である。
もう1つの態様においては、用量形はさらに、即時放出(“IR”)部分に存在する、第2用量のレボドーパ及び第2用量のカルビドーパを含んで成る。
【0035】
1つの態様においては、GR投与形は、第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを含んで成るER部分、第2用量のレボドーパ及び第2用量のカルビドーパを含んで成るIR部分を含んで成る。もう1つの態様においては、GR投与形は、二層錠剤であり、ここで第1層はER部分であり、そして第2層はIR部分である。さらにもう1つの態様においては、GR投与形は、ER部分及びIR部分を含んで成るカプセルである。
【0036】
1つの態様においては、第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比は、約10:1〜約1:10である。もう1つの態様においては、前記比は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1又は 2:1である。
【0037】
1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は、IR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比よりも低い。もう1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は約3:1であり、そしてIR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比は4:1である。さらにもう1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は約3:1であり、そしてIR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比は5:1である。
【0038】
1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は、IR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比よりも高い。もう1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は約4:1であり、そしてIR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比は3:1である。さらにもう1つの態様においては、ER部分における第1用量のレボドーパ:第1用量のカルビドーパの比は約4:1であり、そしてIR部分における第2用量のレボドーパ:第2用量のカルビドーパの比は2:1である。
【0039】
1つの態様においては、第2用量のレボドーパは、約50mg〜約150mg又は約20mg〜約100mgである。もう1つの態様においては、第2用量のレボドーパは、約75mg〜約125mg又は約40mg〜約70mgである。さらにもう1つの態様においては、第2用量のレボドーパは、約40 mg、45 mg、50 mg、55 mg 60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、105 mg、110 mg、115 mg、120 mg又は125 mgである。
【0040】
1つの態様においては、第2用量のカルビドーパは、約15mg〜約50mg又は約5mg〜約25mgである。もう1つの態様においては、第2用量のレボドーパは、約25mg〜約40mg又は約15mg〜約25mgである。さらにもう1つの態様においては、第2用量のレボドーパは、約30 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、110 mg又は130 mgである。
【0041】
1つの態様においては、ER部分は約300mgのレボドーパ及び約75mgのカルビドーパを含んで成り、そしてIR部分は約100mgのレボドーパ及び約35mgのカルビドーパを含んで成る。もう1つの態様においては、ER部分は約240mgのレボドーパ及び約60mgのカルビドーパを含んで成り、そしてIR部分は約60mgのレボドーパ及び約20mgのカルビドーパを含んで成る。
【0042】
1つの態様においては、実質的にすべての第2用量のレボドーパ及び第2用量のカルビドーパが、経口投与後、約1〜約5分、又は約2〜約4分でIR部分から放出される。もう1つの態様におては、実質的にすべての第2用量のレボドーパ及び第2用量のカルビドーパが、経口投与後、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分又は約8分以内でIR部分から放出される。
【0043】
さらにもう1つの態様においては、投与形のIR部分はさらに、充填剤を含んで成る。いくつかの態様においては、結合剤は、ポビドン及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される。もう1つの態様においては、結合剤は、IR部分の約4.5 wt%、5.0 wt%、5.5 wt%、6.0 wt%、6.5 wt%、7.0 wt%、7.5 wt%、8.0 wt%、8.5 wt%、9.0 wt%、9.5 wt% 又は10.0 wt%である量で投与形のIR部分に存在する。
【0044】
1つの態様においては、投与形のIR部分はさらに、充填剤を含んで成る。もう1つの態様においては、充填剤は微晶性セルロース(MCC)及び/又はマンニトールである。もう1つの態様においては、投与形のIR部分は、約35wt%〜約85wt%、約45wt%〜約75wt%、及び約50wt%〜約65wt%の充填剤を含んで成る。もう1つの態様においては、投与形のIR部分は、投与形の約45 wt%、50 wt%、51 wt%、52 wt%、53 wt%、55 wt%、60 wt%、65 wt%、68 wt%、68 wt%、70 wt%、71 wt%、72 wt%、75 wt%、80 wt%又は85 wt%である量で存在する充填剤を含んで成る。
【0045】
1つの態様においては、投与形のIR部分は着色剤を含んで成る。もう1つの態様においては、着色剤は、IR部分の約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5又は5.0 wt%である量で存在する。
いくつかの態様においては、二層錠剤は、約0.1%、0.2% 0.3%、0.4%、0.5%、0.7% 又は1.0%よりも高くない破砕性を有する。
【0046】
いくつかの態様においては、二層錠剤は、少なくとも約10kポンド(また、kpとしても知られている)の硬度を有する。いくつかの態様においては、錠剤は、約9kp〜約25kp、又は約kp〜約20kpの硬度を有する。さらなる態様においては、錠剤は約11、12、13、14、15又は16 kpの硬度を有する。
【0047】
いくつかの態様においては、錠剤は、約85〜約115重量%、又は約90〜約110重量%、又は約95〜約105重量%の含量均一性を有する。他の態様においては、その含量均一性は、約3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.0% 又は0.5%に等しいか又はそれ以下である相対的標準偏差を有する。
【0048】
1つの態様においては、IR部分はさらに、トコフェロール、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸、システインHCl、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム、及びメタ亜硫酸水素ナトリウムから選択された酸化防止剤を含んで成る。さらにもう1つの態様においては、酸化防止剤は、約0.01wt%、0.05 wt%、0.1wt%、0.5 wt%、0.75 wt%、1 wt%、2 wt%、3 wt% 又は 4 wt%のwt%(重量%)で投与形に存在する。
【0049】
もう1つの観点においては、医薬又は胃保持性経口投与形は、レボドーパ及びカルビドーパを含んで成り、ここで前記製剤は、24時間で2度(b.i.d.又は毎日2度)又は24時間で3度(t.i.d.又は毎日3度)、哺乳類に投与される。
【0050】
1つの態様においては、ER部分及びIR部分を含んで成る投与形は、早い開始血漿レベルを含んで成る、対象における血漿プロフィールを生成し、ここで治療的有効量のレボドーパは、投与形の経口投与後、約0.5、1, 1.5又は2時間以内、血液血漿に存在し、続いて、少なくとも約6〜約10時間、又は約8〜約12時間のレボドーパの延長された血漿レベルを伴う。1つの態様においては、レボドーパの延長された血漿レベルは、経口投与形の投与後、約12時間以内に達成されるCmaxの95%以下、例えば90%、85%、80%、75%又は70%であるレベルで維持される。もう1つの態様においては、レボドーパの延長された血漿レベルは、投与形の経口投与の後、約6, 7, 8, 9, 10, 11, 12又は13時間、維持される。
【0051】
治療的有効量の本明細書に記載される投与形又は医薬製剤のいずれかを投与することを含んで成る、運動障害を有する対象を処理するための方法も提供される。
1つの態様においては、対象は、運動障害、例えばパーキンソン病、不穏下肢症候群(RLS)、ハンチントン舞踏病、進行性核上性麻痺、ウィルソン病、トゥレット症候群、癲癇、遅発生ジスキネジー及び種々の慢性振動、チック及びジストニー(但し、それらだけには限定されない)を有する。
【0052】
1つの態様においては、レボドーパ及びカルビドーパの即時放出及び持効性の両者を提供するにおいては、胃保持性投与形は、上記のようなER部分を含んで成る。さらにもう1つの態様におては、胃保持性投与形は、上記のようなIR部分を含んで成る。
1つの態様においては、胃保持性投与形は、約300mgのレボドーパ及び約80mgのカルビドーパを含んで成る。もう1つの態様においては、胃保持性投与形は、約400mgのレボドーパ及び約110mgのカルビドーパを含んで成る。
【0053】
1つの態様においては、胃保持性投与形は、食物モードで対象に投与される。もう1つの態様においては、その投与形は、24時間で対象に食事と共に2度投与される。いくつかの態様においては、投与形は、24時間で、対象に食事と共に3度、投与される。
【0054】
食物モードで上部胃腸管における胃保持のために十分なサイズに、流体の吸収に基づいて膨潤するポリマーから成るERポリマーマトリックスに分散される、第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを含んで成る医薬又は胃保持性投与形の製造方法がまた提供される。
【0055】
いくつかの態様においては、前記方法は、第1粒状化混合物を生成するために、レボドーパ、カルビドーパ及び結合剤を含んで成る第1混合物の湿式粒状化を含んで成る。もう1つの態様においては、湿式粒状化は、水に溶解された結合剤の溶液のレボドーパ粒子上への噴霧を包含する。さらなる態様においては、第1粒状化混合物の粒子が、投与形のER部分を形成するために、ポリマー及び1又は複数の賦形剤と共にブレンドされる。
【0056】
いくつかの態様においては、第1粒状化混合物と共にブレンドされる1又は複数の賦形剤は、充填剤、滑剤及び着色剤から選択される。
さらなる態様においては、湿式粒状化は、流体層粒状化方法である。他の態様におては、前記湿式粒状化は、高剪断粒状化方法である。
さらなる態様においては、前記方法は、投与形のER部分を錠剤に圧縮することを含んで成る。
【0057】
いくつかの態様においては、投与形のER部分の湿式粒状化は、約0.30〜0.40g/mlの範囲の嵩密度を有する粒子を生成する。他の観点においては、湿式粒状化は、約0.35g/ml〜約0.45g/mlの範囲のタイプ密度を有する粒子を生成する。他の態様におては、湿式粒状化は、粒子の少なくとも約50%が250μ以上であるサイズを有する粒子を生成する。さらに他の態様においては、湿式粒状化は、粒子の約20%〜約30%が約150μ〜約250μのサイズを有する粒子を生成する。
【0058】
1つの態様においては、レボドーパ及びカルビドーパを含んで成る医薬及び/又は胃保持性経口投与形の製造方法はさらに、第2粒状化混合物を形成するために、レボドーパ、カルビドーパ及び結合剤を含んで成る第2混合物を湿式粒状化することを含んで成る。さらなる態様においては、第2粒状化混合物は、投与形のIR部分を生成するために、1又は複数の賦形剤と共にブレンドされる。さらなる態様においては、IR部分は、二層錠剤を生成するために、投与形のER部分と共に圧縮される。
【0059】
さらなる態様においては、第2混合物の湿式粒状化は、流動層粒状化により達成される。他の態様においては、第2混合物の湿式粒状化は、高剪断粒状化方法により達成される。
【0060】
本発明の方法、組成物及び同様のものの追加の態様は、次の記載、図面及び請求項から明らかであろう。前述及び次の記載から理解され得るように、本明細書に記載される個々の及びあらゆる特徴、及び複数のそのような特徴の個々の及びあらゆる組合せは、本発明の開示の範囲内に包含され、但しそのような組合せに含まれる特徴はお互い矛盾しない。さらに、いずれかの特徴又は特徴の組合せは、いずれかの態様又は観点から特別に排除され得る。追加の観点及び態様が、特に付随する実施例は図面に関して考慮される場合、次の記載及び請求項に示される。
【0061】
上記方法のいずれか1つにおいては、1つの態様は、一定用量のカバペンチン及び親水性膨潤性ポリマーから成る胃保持性投与形であり、ここで前記投与形は、投与の後、食物モードで胃に保持されるサイズに膨張する。
【0062】
上記に記載される典型的な観点及び態様の他に、本発明の方法、組成物及び同様のものの追加の態様が、次の記載、図面、実施例及び請求項から明らかになるであろう。前述の及び次の記載から正しく評価され得るように、本明細書に記載される個々の及びあらゆる特徴、及び複数のそのような特徴の個々の及びあらゆる組合せは、そのような組合せに包含される特徴が互いに矛盾しない場合、本発明の開示の範囲内に包含される。さらに、いずれかの特徴又は特徴の組合せは、本発明のいずれかの態様から特別に排除され得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、37.0±0.5℃でUSP溶解装置III を用いて決定される場合、LC4SL投与形からのレボドーパ放出についてのインビトロ放出プロフィールを示す。
【図2】図2は、37.0±0.5℃でUSP溶解装置III を用いて決定される場合、LC4SL投与形からのカルビドーパ放出についてのインビトロ放出プロフィールを示す。
【0064】
【図3】図3は、37.0±0.5℃でUSP溶解装置III を用いて決定される場合、LC4SL、 LC6SL、 LC6BL、Mylan 及び Sinemet CR投与形からのレボドーパ放出についてのインビトロ放出プロフィールを示す。
【図4】図4は、LC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CR投与形からのレボドーパ放出についての累積的放出プロフィールを示す。
【0065】
【図5】図5は、5匹の犬に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CR投与形についての平均レボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図6A】図6Aは、5匹の犬の個々に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CRについての個々のレボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図6B】図6Bは、5匹の犬の個々に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CRについての個々のレボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図6C】図6Cは、5匹の犬の個々に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CRについての個々のレボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図6D】図6Dは、5匹の犬の個々に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CRについての個々のレボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図6E】図6Eは、5匹の犬の個々に投与されるLC4SL、LC6SL、LC6BL及びSINEMET(商標)CRについての個々のレボドーパ血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図7A】図7Aは、ヒト対象について決定される場合、LC4SL、LC6BL及びMylan投与形についてのレボドーパ(図7A)及びカルビドーパ(図7B)についての血漿濃度時間プロフィールを示す。
【図7B】図7Bは、ヒト対象について決定される場合、LC4SL、LC6BL及びMylan投与形についてのレボドーパ(図7B)及びカルビドーパ(図7B)についての血漿濃度時間プロフィールを示す。
【0066】
【図8A】図8Aは、時間の関数としてのインビボ吸収プロフィールによりプロットされたインビトロ放出プロフィールを示す。
【図8B】図8Bは、時間の関数としてのインビボ吸収プロフィールによりプロットされたインビトロ放出プロフィールを示す。
【図8C】図8Cは、時間の関数としてのインビボ吸収プロフィールによりプロットされたインビトロ放出プロフィールを示す。
【図8D】図8Dは、時間の関数としてのインビボ吸収プロフィールによりプロットされたインビトロ放出プロフィールを示す。
【図8E】図8Eは、時間の関数としてのインビボ吸収プロフィールによりプロットされたインビトロ放出プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明は、この後、より十分に記載されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なった形で具体化され得、そして本明細書に示される態様で制限されるように解釈されるべきではなく;むしろ、それらの態様は、この開示が十分で且つ完全であり、そして当業者に本発明の範囲を十分に伝えるであろうように、供給される。
【0068】
本明細書に引用されるすべての出版物、特許及び特許出願は、それらの全体を引用により本明細書に組込まれる。
【0069】
定義
本発明の内容に記載及び請求においては、次の用語法が、下記定義に従って使用されるであろう。
【0070】
本明細書及び請求項において使用される場合、単数形“a”、“an”及び“the”は、特に明白に示さない限り、複数指示を包含し;従って、“活性剤”又は“薬理学的活性剤”の参照は、単一の活性剤及び複数の異なった活性剤を組合して包含し、“ポリマー”の参照は、複数のポリマー及び単一のポリマーの混合物、及び同様のものを包含する。
【0071】
本明細書において使用される場合、用語“for example (例えば)”、“for instance(例えば)”、“such as (例えば)”及び“including(例えば)”とは、より一般的な主題を示すために例を導入することを意味する。それらの例は、開示の理解を単に目的として、そしていずれかの態様での制限を意味するものではない。
用語“約”とは、特に所定の量の言及においては、±5%の偏差を包含することを意味する。
【0072】
本明細書に記載される投与形において有用な化合物は、それらの医薬的に許容できる形のいずれかの形で本明細書に示されるそれら、例えば異性体、例えばジアステレオマー及び鏡像異性体、塩、溶媒化合物及び多形形体、並びにラセミ混合物及び適切な場合、本明細書に記載される化合物の純粋な異性体を包含する。
【0073】
用語“調節された放出”とは、薬物の放出が即時ではないいずれかの投与形の言及を意図し、すなわち“調節された放出”の配合物により、経口投与は吸収プール中への薬物の即時放出をもたらさない。この用語は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2000)に定義されるように、“非即時放出”と交換可能的に使用される。調節された放出投与形の例は、“遅延された放出”、“持効性”、“延長された放出”及び“変性された放出”投与形を包含する。しかしながら、一般的に、用語“調節された放出”とは、本明細書において使用される場合、いずれかの非即時放出製剤を包含する。
【0074】
用語“有効量”又は“治療的有効量”とは、毒性効果なしに所望する効果を提供するための薬剤又は薬理学的活性剤の量を言及する。“効果的”である剤の量は、個人の年齢、体重、一般的条件及び他の要因に依存して、又は処理される障害又は疾病のタイプ及び重症度に依存して、個人から個人に変化することができる。いずれかの個人における適切な“有効”量は、通常の実験を用いて、当業者により決定され得る。剤の“有効量”は、治療的有効又は予防的に有効又は両者のいずれかである量を言及することができる。
【0075】
“医薬的に許容できる”とは、例えば“医薬的に許容できるキャリヤー”又は“医薬的に許容できる酸付加塩”において、生物学的に又は他方では、所望される材料を意味し、すなわち前記材料は、いずれの所望しない生物学的効果も引起さないで、又はそれが含まれる組成物中のほかのいずれかの成分と有害な態様で相互作用しないで、患者に投与される医薬組成物中に組込まれ得る。“薬理学的活性”におけるように、用語“薬理学的活性”(又は単純に“活性”)誘導体とは、親化合物及び/又は薬物と同じタイプの薬理学的活性を有する誘導体及び同等物を言及する。用語“医薬的に許容できる”が活性剤の誘導体(例えば、塩)を言及するために使用される場合、その化合物は薬理学的に十分に活性的であることが理解されるべきである。用語“医薬的に許容できる”が賦形剤を言及するために使用される場合、その賦形剤は毒物学的及び製造試験の必要とされる標準に適合し、又はFDA又はそれが比較機関により調製される不活性成分ガイドに基づかれることを包含する。
【0076】
用語“薬物”、“活性剤”、“治療剤”及び/又は“薬理学的活性剤”とは、経口投与のために適切であり、そして有益な生物学的効果、好ましくは疾病又は異常生理学的状態の処理又は予防における治療効果を有する、いずれかの化合物、複合体又は組成物を言及するために、本明細書においては交換可能的に使用される。この用語はまた、本明細書において特別に言及されるそれらの活性剤の医薬的に許容できる、薬理学的活性誘導体、例えば塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、類似体及び同様のもの(但し、それらだけには限定さらない)も包含する。用語“活性剤”、“薬理学的活性剤”及び“薬物”が使用される場合、又は特定の活性剤が特異的に同定される場合、出願人は、活性剤自体、及び医薬的許容できる、薬理学的活性塩、エステル、アミド、プロドラッグ、代謝物、類似体、等を包含することを意図することが理解されるべきである。
【0077】
用語“投与形”とは、患者への投与のための薬物の物理学的配合物を言及する。投与形は、錠剤、カプセル、カプレ、液体、シロップ、ローション、ロゼンジ、エアロゾル、パッチ、浣腸剤、オイル、軟膏、ペースト、再構成のための粉末、香料粉、溶液、スポンジ及びワイプを包含するが、但しそれらだけには限定されない。本発明においては、レボドーパ/カルビドーパ配合物を含んで成る投与形は一般的、錠剤又はカプセルの形で患者に投与されるが、但し液体配合物もまた、本発明下で想定される。
【0078】
用語“投与単位”とは、患者に投与されるべき投与形の単一の単位を言及する。投与単位は典型的には、投与単位の1回の投与により治療効果を達成するのに十分な量の薬物を含むよう配合されるが、但しその投与形のサイズが問題である場合、1つよりも多くの投与単位が所望する効果を達成するために必要である。例えば、薬物の単一投与単位は典型的には、1つの錠剤、1つのカプセル又は1テーブルスプーンの液体である。1つよりも多くの投与単位は、薬物の量が投与形のサイズに対して物理的制限を引起す、治療効果を達成するための十分な薬物を投与する必要がある。
【0079】
“合計の毎日の用量”とは、プロトコールが薬物の1日1度、1日2度又は1日3度の投与を必要とするかどうかに関係なく、24時間で患者に投与される薬物の合計量である。従って、薬物の合計量は、いかに多くの合計薬物が患者に所定の日に投与されるべきかを決定するために、所定の24時間、合計される。しかしながら、特定の患者に投与されるべき薬物の量は、処理を必要とする患者の症状の程度、一般的にレボドーパ及び/又はカルバドーパ又は薬物に対する患者の耐性、患者のサイズ、及び当業者が考慮すべき種々の他の要因のために変化するであろうことが理解されるべきである。
【0080】
用語“非対称用量”とは、24時間で特定薬物の1回以上の等しくない用量の投与を言及する。例えば、特定薬物の2非対称用量が24時間で投与される。非対称用量は典型的には、朝に少用量として及び夜、比例して多くの用量として投与される。
【0081】
“タイトレーション”とは、患者に投与される薬物の毎日の合計量を細分する工程である。“タイトレーション”は、患者の身体によるより高い用量の使用を可能にし、そして患者が、上昇する量の連続した毎日の用量を通して、薬物の続く高い用量を調製することを確かにする。
【0082】
“テーパリング(tapering)”としてもまた言及される“ウィーニング(weaning)”とは、患者が維持用量からより少ない用量を受ける、毎日の合計を低める工程である。“ウィーニング”は、患者が処理を必要とする、より少ない症状を経験する場合、又は処理する医者が、患者が維持用量を低めることができるかどうかを試験したい場合、生じる。事実上、ウィーニングはタイトレーションの正反対であり、そして毎日の維持用量をより低いレベルに連続的に減じることにより生じる。ウィーニングは、患者が実際、投薬を完全に停止する準備ができているかどうかに依存して、Omgの薬物まで下げて生じることができる。
【0083】
“維持”とは、患者が処理下の症状からの所望するレベルの鎮静に達し、そしてそれを維持する必要がある投与量である。その維持量は一般的に、タイトレーションされ、そして企画された時間、維持される。上記で論じられたように、維持用量はまた、ウィーニングにより減じられ得る。当業者に明らかなように、維持用量は、薬物のいずれかの副作用を最少にするよう設定されるべきである。
【0084】
“遅延された放出”投与形は、薬物の放出が、経口投与の後、有限時間、遅延され、この後、薬物の放出が妨害されない、変性された放出投与形の種類である。遅延された放出投与形は時折、胃の低いpHから酸不安定性薬物を保護し、又は適切な場合、全身性暴露を最少にしながら、局部効果のためにGI管を標的化するために使用される。腸溶性被覆が遅延された放出投与を製造するために時折使用される。
【0085】
用語“持効性”及び“延長された放出”とは、延長された時間にわたって薬物の徐々の放出を提供する投与形を言及するために本明細書においては交換可能的に使用される。延長された放出投与形により、その投与形からの薬物の放出速度が、長時間、薬物の治療活性を維持するために、又は薬物の特定用量に関連するいずれかの毒性効果を低めるために遅くされる。延長された放出投与形は、それほど頻繁でない投与を可能にし、従ってコンプライアンスを増強する用量レジメを患者に提供する利点を有する。延長された放出投与形はまた、いくつかの薬物に関連するピーク関連の副作用を減じることができ、そして投与期間にわたって治療濃度を維持し、従って投与間の不十分な治療血漿濃度の期間を回避することができる。
【0086】
用語“変性された放出”とは、遅延された及び延長された放出薬物製品を包含する投与形を言及する。遅延された、及び変性された放出投与形の製造は、当業者に知られており、そして投与形のための所望する活性剤放出プロフィールを生成する必要がある、賦形剤又は賦形剤の組合せを有する投与形の配合を包含する。
【0087】
本明細書に記載される“胃保持性”経口投与形は、延長された放出投与形のタイプである。胃保持性投与形は、下部GI管における低められた吸収性の薬物の供給のために、又は胃又は上部GI管の疾病の局部処理のために有益である。例えば、本発明の胃保持性経口投与形のある態様においては、投与形は、胃腔において膨潤し、そして食物媒体下で患者の胃腔に保持され、その結果、薬物は高くされた治療効果のために放出され得る。Hou et al., Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 20(6):459-497 (2003)を参照のこと。
【0088】
用語“半減期”とは、身体に存在する薬物の残有量の50%を排除する必要がある時間の長さを示すために使用される薬力学的用語である。
【0089】
用語“AUC”(すなわち、“曲線下の面積”、“濃度曲線下の面積”、又は“濃度−時間曲線下の面積”)は、頻繁な間隔でサンプリングされる個人の血液血漿濃度の個々又はプールのプロットに基づいて薬物の生物利用能又は薬物の吸収の程度の測定方法を言及するために使用される薬力学的用語であり;AUCは、患者の血液血漿における未変化の薬物の合計量に直接的に比例する。例えば、AUC対用量のプロットについての線状曲線(すなわち、直線的に上昇する線)は、薬物が血流中にゆっくり放出され、そして患者に一定量の薬物が供給されることを示し;AUC対用量が直線関係である場合、これは一般的に、患者の血流中への薬物の最適な供給を表す。対照的に、非線状AUC対用量曲線は、薬物の急速な放出を示し、その結果、いくらかの薬物が吸収されず、又は薬物が血流に入る前、代謝される。
【0090】
用語“Cmax”(すなわち“最大濃度”)とは、患者の血液血漿における特定の薬物のピーク濃度を示すために使用される薬力学的用語である。
用語“Tmax”(すなわち”最大濃度の時間“又は”Cmaxの時間“とは、Cmaxが薬物投与の間に観察される時点を示すために使用される薬力学的用語である。予期されるように、即時放出及び胃保持性成分を含む投与形は、即時放出投与形についてのCmaxよりも高いが、しかし純粋に胃保持性投与形についてのTmaxよりも低いTmaxを有するであろう。
【0091】
患者における障害又は所望しない生理学的現象に関しての“予防”とは、障害に関係する症状の発生及び/又はその症状の根底にある原因を特異的に阻害するか、又は有意に低めることを言及する。
【0092】
“処理する”“処理”及び“治療”とは、症状の重症度及び/又は頻度の低下、症状及び/又は根底にある原因の排除、症状及び/又はそれらの根底にある原因の発生の予防、及び損傷の改善又は修復を言及する。
【0093】
用語“溶解できる”とは、本明細書において使用される場合、10重量%以上の、好ましくは20重量%以上の水溶解度(20℃での水において測定される)を有する薬物を言及する。用語“わずかに溶解できる”及び“控えめに溶解できる”とは、2〜10重量%の範囲の水溶解度(20℃で測定される)を有する薬物を言及し、そして0.001〜2重量%の範囲の水溶解度を有する薬物は“実質的に不溶性である”として言及される。
【0094】
用語“親水性”及び“疎水性”とは、水性相における化合物の平衡濃度に対する有機相における化合物の平衡濃度の比である分配係数Pにより一般的に定義される。親水性化合物は、1.0以下のP値、典型的には約0.5以下のP値を有し、ここでPはオクタノールと水との間の化合物の分配係数であり、そして疎水性化合物は一般的に、約1.0以上のP値、典型的には約5.0以上のP値を有する。本明細書においてポリマーキャリヤーは親水性であり、そして従って、水性流体、例えばヒト身体に存在する水性流体と適合できる。
【0095】
用語“ポリマー”とは、本明細書において使用される場合、多くの共有結合されるモノマー単位を含む分子を言及し、そして枝分れした、樹状突起性及び星状ポリマー、及び線状ポリマーを包含する。この用語はまた、ホモポリマー及びコポリマー、例えばランダムコポリマー、ブロックコポリマー及びグラフトコポリマー、並びに架橋されていないポリマー及びわずか〜中位の実質的に架橋されたポリマー及び複数の相互貫入架橋ネットワークを包含する。
【0096】
用語“小胞”とは、本明細書において使用される場合、リポイド又は水性材料のいずれか又は両者を含むか又はそれらから成る、小さな(例えば、0.01〜1.0mm)、通常球体の構造を言及する。適切な小胞は、アミノ酸から成る、リポソーム、ナノ粒子及び微小球体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。小胞は通常、膜−結合されるが、それらは必ずしも膜結合される必要はなく、そして本発明の範囲内で、用語“小胞”は、膜−結合された及び膜−結合されていない構造体を包含する。
【0097】
用語“膨潤性”及び“生物腐食性”(又は単純に“腐食性”)とは、本発明の投与形に使用されるポリマーを言及するために使用され、そして“膨潤性”ポリマーは、水を吸収でき、そして結果として物理的に膨潤し、ポリマーが膨潤する程度は分子量又は架橋の程度(架橋されたポリマーに関して)により決定され、そして“膨潤性”ポリマーは水を吸収でき、そして結果として物理的に膨潤するそれらのポリマーであり、ポリマーが膨潤できる程度は、分子量又は架橋の程度(架橋されポリマーについて)により決定され、そして“生物腐食性”又は“腐食性”ポリマーは、胃又はGI管内での運動の結果として、水性流体においてゆっくり溶解し、そして/又は徐々に加水分解し、そして/又は物理的に開放し、又は鎖自体の化学分解を受けるポリマーを言及する。
【0098】
薬物“放出速度”とは、本明細書において使用される場合、単位時間当たりの投与形又は医薬組成物から放出される薬物の量、例えば時間当たりに放出される薬物のmg(mg/時)を言及する。薬物投与形についての薬物放出速度は典型的には、インビトロ溶解速度として、すなわち適切な条件下で及び適切な流体において測定される、単位時間当たり投与形又は医薬組成物から放出される薬物の量として測定される。本明細書に記載される溶解試験の特定の結果は、pH 6.8でシュミレートされた腸液(SIF)900mlに含浸され、そして37℃で一定温度の水浴において平衡化された投与形又は医薬組成物に対して、USPタイプII装置により実施される。放出速度溶液の適切なアリコートが、投与形又は医薬組成物から放出される薬物の量を決定するために試験される。例えば、薬物は、アッセイされるか、又は試験期間、放出される薬物の量を定量化するためにクロマトグラフィーシステム中に注入され得る。
【0099】
インビボ“放出速度”及びインビボ“放出プロフィール”とは、経口投与される投与形、又は二層又は多層錠剤の活性剤含有層(食物モードで胃に投与される場合に投与される)、又はそのオリジナルサイズ又はレベルの0〜10%、好ましくは0〜5%に低められるべき活性成分の含有物が、NMRシフト試薬又は常磁性種、放射線不透種又はマーカー、又は放射性ラベルを用いて視覚的に観察されるか、又はその血漿濃度プロフィールに基づいて、数学的に、例えばデコンボルーション的に決定され得るのにかかる時間を言及する。
【0100】
用語“食物モード”とは、本明細書において使用される場合、胃における食物の存在により患者に典型的には誘発される状態を言及し、食物付与は2種のシグナルをもたらし、その1つは胃拡張に起因すると言われ、そして他は胃における食物に基づく化学シグナルである。食物モードが誘発されると、大きな粒子が小さな粒子よりも長い時間、胃に保持されることが決定されており;従って、食物モードは典型的には、胃における食物の存在により、患者に誘発される。食物モードは、食物の摂取に基づいて胃に入る栄養物により開始される。
【0101】
開始は、30秒〜1分間にわたって、上部GI管の運動パターンの急速且つ深い変化により付随される。前記変化は、GI管に沿ってすべての部位でほとんど同時に観察され、そして胃の内容物が遠位小腸に達する前に生じる。食物モードが確立されるとすぐに、胃は、空腹モードであるが、しかし約半分の振幅を有する、1分当たり3〜4回の連続して及び規則的収縮を生成する。幽門は一部開口し、液体及び小粒子が胃から腸に連続して流れ、ところが幽門開口よりもサイズ的に大きな消化できる粒子は胃に保持される、篩効果を引起す。従って、この篩効果は、約4〜6時間、約1cm以上の粒子の胃における保持を引起す。
【0102】
用語“対象”、“個人”又は“患者”は、本明細書においては交換可能的に使用され、そして脊椎動物、好ましくは哺乳類を言及する。哺乳類は、ヒトを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0103】
用語“破砕性”とは、本明細書において使用される場合、錠剤が破断するか又は破砕する容易さを言及する。破砕性についての試験は、当業者に知られている標準試験である。破砕性は、一定数の錠剤(一般的に20個又はそれ以下の錠剤)を計量し、ラジカルレバーによる反復回転の間、持ち上げられる回転Plexiglasドラムにそれらを配置し、そして次に、約8インチ下げることにより、標準化された条件下で測定される。反復回転(典型的には、25rpmで100の回転)の後、錠剤は再計量され、そして消磨されるか又は破損される配合物の圧分率が計算される。本発明の錠剤の破砕性は好ましくは、約0%〜3%の範囲であり、そして約1%又はそれ以下の値がほとんどの薬物及び食物錠剤状況について許容できると思われる。0%に達する破砕性が特に好ましい。
【0104】
用語“タップ密度”又は“タップ密度(tapped density)”とは、本明細書において使用される場合、粉末の密度の測定を言及する。医薬粉末のタップ密度は、固定された衝撃力及び周波数で粉末を軽くたたくよう設定されるタップ密度テスターを用いて決定される。USP方法によるタップ密度は、タップの数の直線的進行により決定される。
用語“嵩密度”とは、本明細書において使用される場合、粉末の性質を言及し、そしてそれらが占有する合計体積により割算された材料中の多くの粒子の質量として定義される。合計体積は、粒子体積、粒子間ボイド体積及び孔内体積を包含する。
【0105】
用語“キャッピング”とは、本明細書において使用される場合、錠剤主体の上部又は低部冠の部分的又は完全な分離を言及する。多層錠剤に関しては、キャッピングは、多層錠剤内の個々の層の一部の分離を言及する。投与の前、多層錠剤内の層の意図しない分離は、本明細書においては、“分割”として言及される。
【0106】
用語“含量均一性”とは、本明細書において使用される場合、微粒化された又は極微活性成分が粉末混合物にいかに均質に分散されるかの評価を提供するために、圧縮された錠剤の試験を言及する。含量均一性は、特にことわらない限り、USP方法(General Chapters, Uniformity of Dosage Forms)の使用により測定される。多数とは、5,10又はそれ以上の錠剤組成物を言及する。
【0107】
本明細書に言及されるすべての特許、特許出願及び出版物は、それらの全体を引例により本明細書に組込まれる。しかしながら、表現定義を含む特許、特許出願又は出版物が引例により組込まれる場合、それらの表現定義は、それらが見出される、前記組込まれた特許、特許出願又は出版物に適用され、そして本発明の開示又はその請求項には適用されないことが理解されるべきである。
【0108】
典型的な投与形
食物モードでの経口投与に基づいて、対象の胃における胃保持のために十分なサイズに、流体の吸収により、寸法的に自由に膨潤するポリマーマトリックスに分散されるレボドーパ及びカルビドーパを含んで成る医薬経口投与形が本明細書に記載される。調節された放出経口投与形は、1日当たり1,2又は3度の経口投与による効果的処理を可能にし、そして対象における運動障害の処理のために使用され得る。
【0109】
レボドーパ、MSD、芳香族アミノ酸は、白色の結晶性化合物であり、水にわずかに溶解し、そして197.2の分子量を有する。それは、(−)−L−α−アミノ−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸として化学的に示される。その実験式は、C3H11NO4であり、そしてその構造式は下記の通りである:
【0110】
【化1】

【0111】
カルビドーパ、MSD、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼのインヒビターは、白色の結晶性化合物であり、水にわずかに溶解し、そして分子量は約244.3である。それは(−)−l−α−ヒドラジノ−α−メチル−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸一水和物として化学的に示される。その実験式はC10H14N2O4・H2Oであり、そしてその構造式は次の通りである:
【0112】
【化2】

【0113】
錠剤含有率が、226.3の分子量を有する無水カルボドーパに関して表される。
医薬的に許容できる胃保持性投与形が、延長された時間にわたってレボドーパ及びカルビドーパの組合せの、上部胃腸管への放出を提供するよう配合され得、その結果、1日1度又は2度の投与形の経口投与が運動障害の処理のために効果的であることが驚くべきことには発見された。
【0114】
1つの態様においては、第1用量のレボドーパ及びカルビドーパは、胃保持性の延長された放出投与形に存在し、ここで前記レボドーパ及びカルビドーパは、投与に基づいて、食物モードでの対象の胃における胃保持性のために十分なサイズに、流体の吸収により寸法的に自由に膨潤するポリマーマトリックスに分散される。さらに、ポリマーマトリックスは、滑りやすくなり、これにより、蠕動運動に対する耐性を提供し、そしてさらに、胃保持性を促進する。現在記載される投与形においては、レボドーパ及びカルビドーマは、腐食を通して少なくとも一部、投与形から放出され得る。
【0115】
投与形におけるレボドーパ及びカルビドーパの組合せは変化することができるが、しかし典型的には、投与形において、約10:1〜約2:1、及び好ましくは約4:1〜約3:1のレボドーパ:カルビドーパの比の範囲である。さらに、レボドーパ薬物放出の速度は、カルビドーパのその速度に比例する。放出速度は、3,4,5,6,7,8,9,10,11,12時間、又はそれ以上にわたって生じる。
【0116】
得られる投与形は、CNS障害、例えば運動障害の処理において有効である、延長された時間、例えば8,10又は12時間にわたって血液レボドーパ及びカルビドーパの維持レベルの予測できない性質を有する。
十分な用量のレボドーパ及びカルビドーパが典型的には、延長された時間、例えば約3〜約12時間、好ましくは約6〜約8時間、投与形から上部胃腸(GI)管に放出され、レボドーパが最良に吸収される小腸の近位領域への薬物の連続した流れを可能にする。
【0117】
本明細書に開示される投与形は、食物モードで胃に保持されるのに十分な大きさであるサイズに膨潤することが示されるので、食物モードで対象に投与されることが企画される。そのような保持は、胃中への活性剤の延長された放出を可能にする。
【0118】
正常な消化工程においては、胃を通しての物質の通過は、消化モード、食後モード又は食物モードとして、さまざまに言及される生理学的条件により遅延される。食物モード間で、胃は空腹間又は“空腹”モード下にある。前記2種のモード間の差異は胃十二指腸運動活性のパターン下にある。
【0119】
空腹モードにおいては、胃は空腹間移動性運動複合体(“IMMC”)と呼ばれる周期的活性を示す。この活性は4種の段階で生じる:
40〜60分間続く第I段階は、少々か又はまったくない収縮を経験する胃を伴って、最も静止状態である;
不規則な中断パターンで生じ、そして大きさ的に徐々に高まる収縮を除去することにより特徴づけられる第II段階;
約5〜15分間続く、胃及び小腸の両者において蠕動波の強い破壊から成る第III 段階;及び
第IV段階は、次の周期が開始するまで続く、減少性活性の過渡期である。
【0120】
すべての4段階についての合計周期時間は約90分である。最高の活性は、強力な蠕動波が胃から、飲み込まれた唾液、胃分泌物、食物粒子及び粒状残骸を、小腸及び結腸中に送り出す場合、第III 段階において生じる。従って、第III 段階は、次の食事のために上部管を調製し、そして最近の過剰増殖を妨げる腸ハウスキーパーとして作用する。
【0121】
食物モードは、食物の摂取に基づいて胃中に侵入する栄養材料により開始される。開始は、30秒〜1分間にわたって、上部胃腸管の運動パターンの急速且つ強い変化により付随される。変化は、GI管に沿ってすべての部位でほとんど同時に観察され、そして胃の内容物が遠位小腸に達する前に生じる。食物モードが確立されると、胃は、空腹モードの収縮に類似するが、しかし振幅の約半分である収縮に類似する、1分当たり3〜4度の連続し、且つ規則的な収縮を生成する。幽門は一部開口し、液体及び小粒子が胃から腸中に連続して流れる篩効果を引起し、幽門開口よりも大きなサイズの不消化粒子ガリトロベルされ、そして胃に保持される。従って、この篩効果は、約1cmを越える粒子の約4〜6時間の胃での保持を引起す。
【0122】
本明細書に記載される胃保持性投与形は典型的には、そこに分散された少なくとも1つの薬物を有する水−膨潤性ポリマーマトリックスに、少なくとも1つの親水性ポリマーを含む。少なくとも1つ薬物が分散されているポリマーマトリックスが水を吸収し、マトリックスの膨潤を引起し、対象の上部胃腸管(GI)における投与形の保持を促進する。さらに、マトリックスは滑りやすくなり、蠕動運動に対する耐性を付与し、そしてさらに、胃保持性を促進する。
【0123】
本明細書に記載される投与形により、薬物が延長された放出層により胃腸管中に放出される速度は、ポリマーマトリックスが膨潤する速度及び程度に大きく依存する。本発明の投与形に使用されるポリマーは、胃腸管中への及びそれを通して薬物過剰用量又は急速な通過をもたらすために急速過ぎる速度で薬物を放出すべきではなく、又は所望する生物学的効果を達成するために遅過ぎるほどポリマー放出薬物を放出すべきでない。従って、所望する期間、レボドーパ及びカルボドーパの両者についての必要な薬力学を達成する薬物放出の速度を可能にするポリマーは、USP崩壊試験又は溶解試験を用いて決定される場合、本明細書に記載される投与形への使用のために決定される。
【0124】
本明細書に記載される投与形への使用のために適切なポリマーは、胃液の吸収に基づいて膨潤し、そして一定の時間、徐々に腐食するそれらのポリマーを包含する。ポリマーマトリックスの膨潤に基づいて、マトリックスに分散される可溶性薬物は、透過性流体はゆっくり溶解し、そしてマトリックスから拡散するであろう。不十分に又は控えめに溶解する薬物は、ポリマーマトリックスの腐食を通して主に放出される。レボドーパ及びカルビドーパの両者は、水性媒体に不十分に溶解する。腐食は、胃液と投与形の表面との接触に基づいて、膨潤工程と同時に開始する。腐食は、ポリマーゲル−溶液界面を越えてポリマーの溶解に影響を及ぼし、ここで前記ポリマーは、それが拡散又は転換により投与形から輸送され得るよう十分に希釈されるように成っている。これはまた、消化工程の間、胃腸管に存在する流体力学及び機械的力に依存する。
【0125】
膨潤及び腐食が同時に生じる場合、薬物放出は好ましくは、腐食−調節されるべきであり、このことは、選択されたポリマーが、完全な薬物放出が膨潤及び溶解よりも腐食の結果として主に生じるようあるべきであることを意味する。しかしながら、膨潤は、胃への錠剤の保持を可能にするために十分に早い速度で起こるべきである。最少、腐食性胃保持性投与形に関しては、延長された期間が存在すべきであり、この間、投与形は、それが腐食により小さくされる前、そのサイズを維持する。さらに、胃保持された、延長された放出ポリマーマトリックスを形成するために液体を吸収するポリマーは、水の吸収に基づいて寸法的に制限されない態様で膨潤し、そして少なくとも1つの組込まれた薬物の持効性を提供する、非毒性であるいずれかのポリマーである。
【0126】
本発明への使用のために適切な、水膨潤性、腐食性ポリマーは、水との接触に基づいて寸法的に制限されない態様で膨潤し、そして時間にわたって徐々に腐食するそれらのポリマーである。そのようなポリマーの例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:セルロースポリマー及びそれらの誘導体、例えばヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微晶性セルロース;多糖類及びそれらの誘導体;ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリコール、特に高分子量ポリエチレングリコール;キトサン;ポリ(ビニルアルコール)、キサンタンガム;無水マレイン酸コポリマー;ポリ(ビニルピロリドン);澱粉及び澱粉基材のポリマー;マルトデキストリン;ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン);ポリ(エチレンイミン);ポリウレタン、ヒドロゲル;架橋されたポリアクリル酸;及び前述のいずれかの組合せ又はブレンド。
【0127】
さらなる例は、コポリマー、例えばブロックポリマー及びグラフトコポリマーである。コポリマーの特定の例は、BASF Corporation, Chemicals Div., Wyandotte, Mich., USAから入手できるポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーであPLURONIC(商標)及びTECTONIC(商標)である。さらなる例は、“Super Slurper”として知られ、そしてBASF Corporation, Chemicals Div., Wyandotte, Mich., USAから市販されている。加水分解された澱粉ポリアクリロニトリルグラフトコポリマーである。
【0128】
本明細書に記載される投与形の胃保持性部分を形成するために適切な、好ましい膨潤性、腐食性親水性ポリマーは、ポリ(酸化エチレン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリ(酸化エチレン)及びヒドロキシプロピルメチルセルロースの組合せである。ポリ(酸化エチレン)は、置換されていない酸化エチレンの線状ポリマーを言及するために本明細書において使用される。ポリ(酸化エチレン)ポリマーの分子量は、約9×105ドルトン−約8×106ドルトンの範囲であり得る。
【0129】
ポリ(酸化エチレン)ポリマーの好ましい分子量は約5×106ドルトンであり、そしてSENTRY(商標)POLYOX(商標)水溶性樹脂, NF (National Formulary)グレードWSR凝固剤として、The Dow Chemical Company (Midland, Ml)から市販されている。25℃でポリマーの1%水溶液の粘度は好ましくは、4500〜7500センチポアズである。それらの粘度に関しては、1つの種類の好ましいアルキル置換されたセルロースは、粘度が20℃での2%水溶液として約100〜約110,000センチポアズの範囲であるそれらのセルロースを包含する。もう1つの種類は、20℃での1%水溶液として約1,000〜約4,000センチポアズの範囲内にあるそれらを包含する。
【0130】
薬物に対するポリマーの量は、所望する薬物放出速度及びポリマー、その分子量及び配合物に存在できる賦形剤に依存して、変化することができる。しかしながら、延長された放出部分におけるポリマーの量は、摂取(又は胃液への含浸)の後1時間でマトリックス内に薬物の少なくとも約50%を保持するのに十分であろう量である。好ましくは、ポリマーの量は、薬物の少なくとも55%、60%、65%、70%、75%又は80%が摂取の1時間後、延長された放出マトリックスに保持するような量である。ポリマーの量は、薬物の少なくとも約20%, 25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%又は60%が、摂取の4時間後、延長された放出マトリックスに保持するような量である。ポリマーの量は、薬物の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%又は85%が、摂取の6時間以内に放出されるような量である。
【0131】
しかしながら、すべての場合、薬物は、約8,9、又は10時間以内及び好ましくは、摂取の後、約8時間以内にマトリックスからすべて放出され、そしてポリマーマトリックスは、すべての薬物が放出されるまで、実質的に損なわれないで存続するであろう。用語“実質的に損なわれない”とは、ポリマー部分が、胃液に溶解されるようになることのために、又はフラグメント又は小粒子への分解のために、劣化を伴わないでそのサイズ及び形状を実質的に維持するポリマーマトリックスを示すために本明細書において使用される。
【0132】
水−膨潤性ポリマーは、個々に又は組合して使用され得る。ある組み合わせがしばしば、個々に使用される場合、それらの成分よりも薬物のより調節された放出性を提供するであろう。
【0133】
上記で論じられたように、投与形の胃保持性質及び放出プロフィールは、膨潤性ポリマーの分子量に一部依存するであろう。ポリマーは、ポリマーマトリックスの腐食を通して、膨潤を増強し、そしてレオドーパ及びカルビドーパの放出の調節を提供するために、中位〜高い分子量(300,000Da〜12,000,000Da)のものである。適切なポリ(酸化エチレン)ポリマーの例は、900,000Da〜2,000,000Daの程度の分子量(粘度平均)を有するそれらである。低分子量(“MW”)ポリエチレンオキシド、例えばPOLYOXTM 1105 (900,000 MW)を用いる場合、両薬物についての放出性は高い。高分子量ポリエチレンオキシド、例えばPOLYOXTM N-60K (2,000,000 MW) 又h POLYOXTM WSR-301 (4,000,000 MW)の使用は、両薬物についての放出独度を低める。本発明の1つの態様においては、そのような分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーが利用され、ここで約20℃で1%水溶液のその粘度は、約4000cps〜100,000cpsである。
【0134】
胃保持性投与形、又は胃保持性投与形の延長された放出部分は、おおよその分子量及び重量%に関して、一定範囲の親水性膨潤性ポリマーを含んで成る。例えば、胃保持性投与形は、約5wt%〜約70wt%の親水性ポリマーを含んで成るよう配合され得る。もう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約15wt%〜約65wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約20wt%〜約60wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約30wt%〜約50wt%の範囲の量で投与形に存在する。さらにもう1つの態様においては、前記少なくとも1つの親水性ポリマーは、約20 wt%、25 wt%、30 wt%、35 wt%、40 wt%、45 wt%、50 wt%、55 wt%又は60 wt%の量で投与形に存在する。
【0135】
異なったポリ(酸化エチレン)の組合せはまた、異なった投与形特徴に寄与する異なった分子量のポリマーを有するよう企画される。例えば、非常に高い分子量のポリ(酸化エチレン)、例えばPOLYOCTM303(700万の数平均分子量を有する)又はPOLYOXTMCoag(500万の数平均分子量を有する)は、高い膨潤性及び錠剤完全性を提供することにより、崩壊放出に関する拡散性を有意に増強するために使用され得る。低分子量ポリ(酸化エチレン)、例えばPOLYOXTM WSR N-60K(約200万の数平均分子量)及びPOLYOXTM 303 及び/又は POLYOXTM Coagの組込みは、より低い分子量ポリマーは膨潤性を低め、そして効果的錠剤崩壊剤として作用するので、拡散に関して崩壊速度を早める。
【0136】
さらに低い分子量ポリ(酸化エチレン)、例えばPOLYOXTM WSR N-8(約200,000の数平均分子量)の組込みはさらに、崩壊速度を早める。他方では、ポリ(酸化エチレン)、例えばPOLYOXTM WSR N-60K(約200万の数平均分子量)及びさらに低い分子量ポリ(酸化エチレン)、例えばPOLYOXTM N-1105(約900,000Daの数平均分子量)の組込みは、所望する放出速度を提供するために腐食する膨潤性投与形における薬物の拡張された放出性を提供することができる。
【0137】
上記のような親水性ポリマーは、食物モードで胃における保持性を促進するであろう程度に膨潤を付与するために、胃保持性投与形に添加される。典型的な投与形は、投与後30分以内に、その元の体積の約115%まで膨潤することができ、そして後に、流体の吸収の前、投与形の元の体積の130%、140%、150%、160%、170%又はそれ以上である体積に膨潤することができる。
【0138】
本発明の開示に従って経口投与のために調製される投与形は一般的に、他の不活性添加剤(賦形剤)、例えば結合剤、滑剤、砕解剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、着色剤及び同様のものを含むであろう。
【0139】
結合剤は、錠剤に凝集性質を付与し、そして従って、圧縮の後、錠剤が損なわれないまま存続することを確保するために使用される。適切な結合剤材料は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:澱粉(トウモロコシ澱粉及びアルファー澱粉)、セラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース及びラクトース)、ポリエチレングリコール、ワックス及び天然及び合成ガム、例えばアカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース微晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び同様のもの)、及びVeegum。
【0140】
1つの態様においては、GR投与形は、約0.1wt%〜約20wt%の範囲の量、又は約2wt%〜約15wt%の範囲の量、又は約2wt%〜約8wt%の範囲の量で存在する結合剤を含んで成る。もう1つの態様においては、GR投与形は、その投与形の約1.0 wt%、1.1 wt%、1.2 wt%、1.4 wt%、1.5 wt%、1.7 wt%、1.8 wt%、1.9 wt%、2.0 wt%、2.5 wt%、3.0 wt%、3.5 wt%、4.0 wt%、4.5 wt%、5.0 wt%、5.5 wt%、6.0 wt%、6.5 wt%、7.0 wt%、7.5 wt% 又は8.0 wt%である量で存在する結合剤を含んで成る。
【0141】
充填剤は例えば、材料、例えば二酸化珪素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末化されたセルロース、及び微晶性セルロース、並びに可溶性材料、例えばマンニトール、ウレア、スクロース、ラクトース一水和物、デキストロース、塩化ナトリウム及びソルビトールを包含する。溶解性−増強剤、例えば溶解剤自体、乳化剤及び錯化剤(例えば、シクロデキストリン)もまた、本発明の製剤に都合よく包含され得る。1つの態様においては、充填剤は、微晶性セルロース(MCC)又はマンニトール、又はマンニトール及びMCCの混合物である。
【0142】
もう1つの態様においては、GR投与形は、約35wt%〜約85wt%、約45wt%〜約75wt%、約50wt%〜約65wt%の充填剤を含んで成る。もう1つの態様においては、GR投与形は、その投与形の約45 wt%、50 wt%、51 wt%、52 wt%、53 wt%、55 wt%、60 wt%、65 wt%、68 wt%、68 wt%、70 wt%、71 wt%、72 wt%、75 wt%、80 wt%又は85 wt%である量で存在する充填剤を含んで成る。
【0143】
滑剤は、錠剤製造を促進し、紛体流を促進し、そして圧力が軽減される場合、粒子キャッピング(すなわち、粒子破損)を妨げるために使用される。有用な滑剤は、ステアリン酸マグネシウム(0.25wt%〜3wt%、好ましくは0.2wt%〜1.0wt%、より好ましくは約0.5wt%の濃度で)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、及び水素化された植物油(好ましくは、約1wt%〜5wt%、最も好ましくは約2wt%以下で、ステアリン酸及びパルミチン酸の水素化された及び精製されたトリグリセリドから成る)である。溶解性−増強剤、例えば溶解剤自体、乳化剤及び錯化剤(例えば、シクロデキストリン)はまた、本発明の製剤に都合よく含まれ得る。当業者に良く知られている安定剤は、酸化反応を包含する薬物分解反応を阻害するか又は遅延するために使用される。
【0144】
製剤は典型的には、錠剤の形で存在する。他の製剤は、カプセルにマトリックス/活性剤粒子を含む。カプセル封入材料は、高い溶解性であるべきであり、その結果、粒子は、開放され、そしてカプセルが摂取された後、胃において急速に分散されるその投与形は医薬製剤の分野における人々に知られ、そしてGennaro, A. R., editor. "Remington: The Science & Practice of Pharmacy", 21st ed., Williams & Williams, 及びthe "Physician's Desk Reference", 2006, Thomson Healthcareに記載される従来の方法を用いて調製される。
【0145】
本明細書に記載される錠剤は、即時放出又は延長されたモードで成分薬物を供給するために、レボドーパ及びカルビドーパをそれぞれ含む個々の層を有することができる。例えば、レボドーパ及びカルボドーパの即時放出のための層が、延長された放出のための両薬物を含む層に付加され得る。
【0146】
他の胃保持性薬物供給システムは、Franz, et al., アメリカ特許第5,232,704号により記載される膨潤性二層;Wong, et al., アメリカ特許第6,120,803号により記載されるバンドを有する多層錠剤;Sinnreich, アメリカ特許第4,996,058号に記載される膜サック及びガス生成剤;Shell, et al., アメリカ特許第5,972,389号及びShell, et al., WO 9855107号に記載される膨潤性親水性ポリマーシステム;及びCowles et al., アメリカ特許第2009/0028941号により記載される脈動性胃保持性投与形を包含する(それらの引例のすべては、引例により本明細書に組込まれる)。
【0147】
好ましい態様においては、胃保持性投与形は、延長された放出成分(ER層又は部分)及び即時放出成分(IR層又は部分)を含んで成る。ER成分は、胃保持性を促進する十分な大きさに、流体の吸収に基づいて膨潤する水−膨潤性ポリマーマトリックスに少なくとも1つの親水性ポリマーを含んで成る。延長された放出及び即時放出成分の両者は、レボドーパ及びカルビドーパを含む。
【0148】
1つの態様においては、投与形は、即時放出層及び延長された放出層を含んで成る二層錠剤である。二層錠剤は、当業界において知られており、そして当業者は、商業的に入手できる方法に沿って本明細書に開示される方法を用いてそれらを調製することができるであろう。
【0149】
1つの態様においては、即時方出部分は、投与形の延長された放出層におけるレボドーパ及びカルビドーパの量に比較して、低い量でレボドーパ及びカルビドーパを含んで成る。もう1つの観点においては、即時放出部分におけるレボドーパの量は、即時放出部分におけるカルビドーパの量の約2〜5倍、より典型的には3〜4倍である。1つの態様においては、即時放出部分におけるレボドーパ:カルビドーパの比は、約3:1である。好ましい態様においては、即時放出部分におけるレボドーパ:カルビドーパの比は、約3:1である。
好ましい観点においては、即時放出部分は、延長された放出部分と接触して存在する。
【0150】
任意のサブコート層が、保護層における成分から薬物層における薬物を保護することが所望される場合に使用され得る。例えば、腸溶被膜として作用する保護層は、酸成分を含んで成り、そして任意のサブコートはそのような酸成分から薬物を保護するために包含される。サブコート層は、保護層が除去されると、薬物層の比較的即座な放出を可能にする。サブコート層についての適切な材料の例は、例えばOPADRY(R) YS-1 -10699、OPADRY(R) YS-1 -19025- A-Clear及び OPADRY-03K (Colorcon, Pennsylvaniaにより供給される)を包含する。サブコート層はまた、本明細書の他の部分に記載されるいずれかを包含する追加の賦形剤、及びアルカリ性化合物、例えば塩基、塩及び同様のものを含むことができる。サブコート層の厚さは典型的には、製造工程%重量増加規格により決定されるが、しかし約10〜50μmの範囲内であり得る。
【0151】
即時放出部分はさらに、延長された放出成分について上記に記載されるように、賦形剤、例えば結合剤、滑剤、砕解剤、超砕解剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、着色剤及び同様のものを含んで成ることができる。いくつかの態様においては、即時放出部分内の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klncel E)又はポリビニルピロリドンである。即時放出層における結合剤は、約0〜20wt%の範囲の量で存在することができる。
【0152】
砕解剤又は超砕解剤は、錠剤の砕解を促進するために使用され、それにより、溶解速度に関する腐食速度が高められ、そして一般的に、澱粉、クレー、セルロース、アルギン、ガム又は架橋されたポリマー(例えば、架橋されたポリビニルピロリドン)である。いくつかの態様においては、超砕解剤は、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(商標))であり、そして約0.5wt%〜約10wt%の範囲の量で存在する。砕解剤又は超砕解剤は、約0.5wt%〜約2wt%の範囲の量で即時放出成分に存在するか、又は0.5 wt%、1.0 wt%、1.5 wt%、2.0 wt%、2.5 wt%、3.0 wt%、4.0 wt%、5.0 wt%、6.0 wt%、7.0 wt%、8.0 wt%、9.0 wt%又は10.0 wt%の量で存在することができる。
【0153】
1つの態様においては、砕解剤又は超砕解剤は、粒状化の間、その粒状化混合物上に噴霧される。もう1つの態様においては、砕解剤又は超砕解剤は、追加の充填剤及び/又は賦形剤との顆粒のブレンドの間、活性顆粒に添加される。さらにもう1つの態様においては、砕解剤又は超砕解剤は、顆粒化の間及び賦形剤と活性顆粒とのブレンドの間、活性顆粒に添加される。
【0154】
即時放出部分は、経口投与後、最初の1時間、最初の30分又は最初の15分以内に少なくとも80〜100%の活性剤を放出できる。即時放出部分を含んで成る投与形の対象への投与は、対象に治療効率を提供するのに十分なレボドーパの最初の開始血漿レベルを提供できる。1つの態様においては、パーキンソン病の処理のための効果的閾値は約300ng/mlである。もう1つの態様においては、即時放出部分を含んで成る投与形の対象への投与は、その投与形の投与後、約30分、45分、60分、90分又は2時間以内に少なくとも約300nm/mlのレボドーパの血漿レベルを提供する。
【0155】
特定の投与形による供給時間又は薬物供給は、投与形による薬物供給の持続時間とは異なることが当業者により理解される。例として、延長された放出投与形は、薬物の半減期、及び胃腸管を通しての薬物の通過時間に依存して、3,4又はそれ以上の時間にわたって1又は複数の薬物を放出するが、吸収の適切な部位は、投与形からの薬物放出の時間以上の時間、暴露されるであろう。従って、例えば約8時間にわたって1又は複数の薬物を放出する投与形は、約12時間、その薬物の供給を提供できる。
【0156】
現在記載されるような投与形は、標準経口投与サイズとして配合され、次に投与の後、胃液からの水を吸収し、そして食物モーロで胃に保持されるべき十分な大きさサイズに膨潤する追加の好都合な特徴を有する。これは、飲み込むのに困難性を経験する対象、例えばパーキンソン病を有する対象のために特に重要である。
遅延性放出パルスと共に即時放出パルスを組込むための他の方法は、この開示の考慮に基づいて当業者に明らかであろう。
【0157】
薬物放出の2つ以上のパルスを提供する投与形が企画され、そして当業者は、3,4又はさらなる薬物投与パルスを提供するために上記投与形への改良を理解するであろう。複数パルスが、本明細書に記載される態様の変動を用いて可能である。腐食性挿入体を用いての投与形に関しては、多くのパルスが、投与形に2種の同一の又は異なった腐食性挿入体を用いることにより得られ、ここで前記異なった挿入体は異なった腐食時間を提供する。錠剤コアー及び/又はビーズを含んで成る投与形に関しては、追加のパルスが、活性剤を含んで成る層により変更された多くの胃保持性層を用いることにより得られる。
【0158】
いずれかの態様に関しては、薬物の任意の開始(すなわち、即時放出)パルスは、いずれか適切な態様で遅延された放出パルスと組合され得る。一般的に、薬物の開始パルスは、投与形に基づいてすぐに胃において放出される。第2(すなわち、遅延された)パルスの活性剤は、それがいずれかの時点で投与形の投与に従うよう調製され得、そして当業者は、放出の所望する時間をいかにして提供するか、本明細書の開示の観点から理解するであろう。例えば、胃保持性挿入体の壁の厚さの上昇は、投与形の投与と遅延されたパルスの薬物の放出との間の遅延時間を高めるであろう。投与形の投与と遅延されたパルスの放出との間の最適な遅延時間は、多くの要因、例えば処理される条件、処理される患者の物理的特徴及び毎日のルーティン、及び同様のことに依存するであろう。そのような拍動性投与形のさらなる詳細は、アメリカ特許公開番号2009/0028941号(引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0159】
種々の態様においては、遅延されたパルスは、投与形の投与後、約2〜12時間以内、例えば約3〜9時間以内、又は例えば約4〜8時間以内に患者の十二指腸及び/又は小腸に活性剤を放出するであろう。遅延された放出パルスの放出は、投与形の投与後、約3,4,5,6,7,8,9,10, 11又は12時間、標的化され得る。さらなる例として、遅延された放出パルスの放出は、投与形の投与後、約2〜4時間、又は約3〜5時間、又は約5〜7時間、又は約6〜8時間、標的化され得る。
【0160】
一般的に開始パルス(存在する場合)は、遅延されたパルスに存在する活性剤又は薬物の用量の約0.25〜20倍である、活性剤又は薬物の用量を放出する。比として測定される場合、開始パルス:遅延されたパルスの薬物用量比は、約0.25:4、又は0.5:2、又は0.75:1.25であり、そして1:1であり得る。製剤における活性剤の量は典型的には、製剤の合計重量に基づいて、約0.05wt%〜約95wt%の範囲である。例えば、活性剤の量は、約0.05wt%〜約50wt%、又は約0.1wt%〜約25wt%、又は約1wt%〜約15wt%の範囲である。他方では、製剤における活性剤の量は、所望する用量、濃度、投与に基づく血漿レベル、又は同様のものを達成するために測定され得る。
【0161】
活性剤の量は、活性剤の特定の用量(すなわち、患者の単位重量当たりの活性剤の単位重量)を達成するために計算され得る。さらに、処理レジメが、活性剤の予定された全身レベルを維持するよう企画され得る。例えば、製剤及び処理レジメは、成人に関して、約0.001mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲である活性剤の量を提供するよう企画され得る。当業者は、用量が種々の要因、例えば患者の物理的特徴及び処理レジメの持続期間に依存して変化できることを理解するであろう。
【0162】
本明細書に記載される投与形の製造のために有用な多くの材料は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2000) and Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 6th Ed. (Media, PA: Williams & Wilkins, 1995)に記載される。
【0163】
医薬的に許容できる添加剤又は賦形剤は、結合剤(例えば、エチルセルロース、ゼラチン、ガム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、澱粉、糖、ワックス)、砕解剤、着色剤、希釈剤(例えば、硫酸カルシウム、セルロース、リン酸ニカルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微晶性セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール、澱粉、スクロース)、風味剤、滑沢剤(例えば、コロイド状ニ酸化珪素、タルク)、及び滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、モノベヘン酸グリセリル、水素化された植物油、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ナトリウムステアリルフマレート、ステアリン酸、モノベヘン酸ステアリル、タルク)、甘味剤、ポリマー、ワックス及び溶解性抑制材料を包含する。本明細書に記載される投与形は、当業界において十分に確立されている技法、例えば湿式造粒法、流動層顆粒化、乾式顆粒化、直接的圧縮、及び同様の方法により製造され得る。
【0164】
投与形から放出される薬物の遅延されたパルスは、胃保持性マトリックス中に薬物を組込むことにより提供される。投与される薬物が酸感受性である場合、初期パルスに供給される薬物に関しては、遅延されたパルスに供給される薬物は、例えば腸溶被膜を用いることにより酸保護され、そして/又は塩基と共に配合される。
【0165】
レボドーパ及びカルビドーパの供給のための投与形の種々の態様が企画される。1つの態様においては、レボドーパ及び/又はカルビドーパ及び1又は複数のポリマーのブレンドを含んで成る即時放出企画が、延長された放出企画により囲まれる。延長された放出区画は、親水性ポリマーから成り、そして他の区画は、所望する放出速度、例えば即時放出区画からの1つの又は両薬物のパルスによる延長された薬物放出期間の後、中断されるファーストオーダー放出を提供する。もう1つの態様においては、投与形は、1又は両薬物を有する、2種の別々の即時放出企画を含んで成り、そして個々の即時放出区画は刻み目をつけられた延長放出区画により囲まれるか、又は容器に入れられる。
【0166】
刻み目をつけられた延長放出区画は、投与形の2つの個々の部分への分離を可能にし、より少ない用量の患者による摂取の選択を可能にする。もう1つの態様においては、1又は両レボドーパ及びカルビドーパは、微小化された形で、本明細書に記載される投与形のいずれか中に組込まれ、任意には、不活性粒子又はキャリヤーと共に混合される。薬物の微小化された形は、即時放出区画及び延長された放出区画の1つ又は両者中に組込まれ得る。当業者は、多くの層、例えば第2即時放出区画により封入される延長された放出区画により封入される即時放出区画を有する投与形が企画されることを理解するであろう。
【0167】
投与形は、経口投与のために意図される。好ましい経口投与形は、錠剤、カプセル及び同様のものを包含する。錠剤は例えば、風味をつけられた基剤、例えば圧縮されたラクトース、スクリース及びアカシア又はトラガカント、及び有効量の活性剤を含んで成る。錠剤は、薬物製剤の製造の当業者により通常実施され、そして良く知られている、混合、粉砕及び加工段階を包含する通常の錠剤化方法により調製され得る。そのような技法の例は、次のものを包含する:(1)典型的には適切な回転錠剤化プレスに固定される、適切なパンチ及びダイスを用いての直接的圧縮;(2)射出又は圧縮成形;(3)流動層、低又は高剪断粒状化、又はローラー圧縮、続く圧縮による粒状化;(4)ペーストの鋳型中への押出し、又は押出し物の一定の長さへの切断;(5)パンコーチング、流動層コーチング及びボトム噴霧方法(Wurster)及び他のフィルムコーチング方法を包含するコーチング技法;及び(6)粉末層状化。
【0168】
錠剤が直接的圧縮により製造される場合、滑剤の添加は役立ち、そして時々、粉末流を促進し、そして圧縮が放される場合、錠剤の破壊を妨げるために重要である。典型的な滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム(粉末混合物において、0.25〜3重量%、好ましくは約1重量%又はそれ以下の濃度)、ステアリン酸(0.5〜3重量%)及び水素化された植物油(好ましくは、約1〜5重量%、最も好ましくは2重量%でのステアリン酸及びパルミチン酸の水素化された及び精製されたトリグリセリド)である。
【0169】
追加の賦形剤は、顆粒化助剤(2〜5重量%での低分子量HPMC)、結合剤(微晶性セルロース)、及び粉末流動性、錠剤硬度、及び錠剤破砕性を増強するための、及びダイ壁への付着性を低めるための添加剤として添加され得る。他の充填剤及び結合剤、ラクトース(無水又は一水和物)、マルトデキストリン、糖、澱粉及び他の医薬賦形剤を包含するが、但しそれらだけには限定されない。それらの追加の賦形剤は、錠剤の1〜50重量%及びいくつかの場合、それ以上から成ることができる。
【0170】
1つの観点においては、結合剤と共に、湿式粒状化レボドーパ及びカルビドーパを含んで成る単一層錠剤としての胃保持性の延長された放出投与形の製造方法が提供される。湿式粒状化は、流動層又は高剪断粒状化方法であり得る。次に、粒状化された粒子は、錠剤を形成するために圧縮される混合物を形成するために、必要な場合、追加の賦形剤と共にブレンドされる。
【0171】
レボドーパ及びカルビドーパを含んで成る延長された放出ポリマーマトリックスは、例えばPOLYOXTM 1105 (約900,000 ドルトンの分子量)、POLYOXTM N-60K (約2,000,000ドルトンの分子量)、及び/又は POLYOXTM WSR-301 (約4,000,000ドルトンの分子量)を用いて製造され得る。延長された放出ポリマーマトリックスの配合に使用するために適切な追加のポリマーは、上記に詳細に論じられている。圧縮の前、成分は、マトリックス噴霧流動層グラニュレーターを用いて粒状化され得る。
【0172】
流動層粒状化及び得られる粒子の乾燥の後、バッチが、性質、例えば乾燥後の最終減量(LOD)、嵩密度、タップ密度及び粒子サイズに関して特徴づけられる。
乾燥減量(LOD)は、湿度分析計を用いて、個々の粒状化の後、決定される。1gのサンプルが取られ、そして湿度分析計中に負荷される。サンプルは、105℃の温度で5分間、実験される。
【0173】
嵩密度及びタップ密度は次の通りにして決定され得る。メスシリンダーが、一定量の材料(82〜88g)により満たされ、そして体積が記録され、材料嵩密度が決定される。タップ密度が、試験当たり100タップに材料を暴露し、そして新規体積を記録することにより、タップ密度デースターの助けにより決定され得る。
【0174】
粒子サイズの決定は、魂を除去するために20メッシュスクリーンを通して篩にかけられた後、顆粒化のすぐ後で実施される、粒子直径は、44, 53, 75, 106, 150及び250メッシュの開口を有する篩を用いての篩タイプの粒子直径分布ゲージにより決定される。画分がメトラー秤上で計量され、サイズ分布が測定される。これは、延長された放出粒子を含んで成る組成物の粒子直径による定量比率の決定を提供する。標準United States Pharmacopoeia methods (例えばUSP-23 NF 18)に従って篩分析が、例えばMeinter II Sieve Shakerを用いることにより行われ得る。
【0175】
粒状化された混合物は、V−ブレンダーにおいて、ポリマー、充填剤及び滑剤と共にブレンドされ得る。得られる混合物は、改良された楕円形ツールを有するManesty(商標)BB4プレスを用いて、一体構造の単層錠剤に圧縮され得る。錠剤は例えば1分当たり約800の錠剤の速度で調製され得る。
次に、錠剤が砕解及び溶解放出プロフィール、並びに錠剤硬度、破砕性及び内容物均質性に関して、特徴づけられる。
【0176】
錠剤について溶解プロフィールが、USP装置、例えば1分当たり100又は150回転(rpm)で作動するUSP Apparatus 1(バスケット)、100又は150rpmで作動するUSP Apparatus2(櫂)、又は1分当たり10、20又は20サイクル(cpm)又はディップ/分(dpm)で作動するUSP Apparatus3(往復シリンダー)により決定される。すべての場合、溶解媒体は、37±0.5℃の温度で維持される0.1Nの塩酸(HCl)を含む。時間にわたっての累積薬物放出は、薬物含有物についての対表示値%(%LC)として表され、そして溶解媒体サンプリング時間の関数としてプロットされる。錠剤についての得られる累積溶解プロフィールは、製剤に添加される理論的%活性に基づかれる。
【0177】
錠剤硬度は、錠剤が冷却するにつれて、圧縮の後、急速に変化する。硬過ぎる錠剤は、破壊せず、そしてそれが身体を通過する前、溶液に溶解する。現在開示される胃保持性投与形の場合、硬過ぎる錠剤は、食物モードで胃における幽門を通して通過を妨げるのに十分、流体を急速に吸収することはできない。柔らか過ぎる錠剤は離散し、十分には取り扱えず、そして製造において他の欠陥を創造する。柔らかい錠剤は十分にパーゲジすることができず、又は輸送においては一緒にとどまらない。
【0178】
錠剤が圧縮により形成された後、所望には、錠剤は少なくとも9Kポンド〜25Kポンド(Kp)/cm2、好ましくは少なくとも約12kp〜20Kp/cm2の強度を有する。硬度テースターを用いて、錠剤を完全に二等分に分割する(圧壊強度)ために必要とされる負荷が決定される。破壊力が、標準のUSPプロトコールを用いて、Venkel Tablet Hardness Testerにより測定され得る。
【0179】
破壊性は、錠剤を標準化された撹拌工程にゆだねた後、重量低下を%として測定する表面磨耗に対する錠剤の耐性の良く知られた測定である。破壊性質は、最終投与形のいずれかの破壊が処方された投薬よりも少ない投薬を受ける対象にもたらされるので、投与形のいずれかの輸送の間、特に重要である。破壊性は、サンプルの数、ドラム回転の合計数、及び使用されるドラムrpmを特定する、標準USPガイドラインに従ってのRocke Friability Drumを用いて決定され得る。0.8%〜1.0%の破壊値が、許容性の上限を構成するとして見なされる。
【0180】
調製された錠剤は、それらが<6%の相対的標準偏差(RSD)の医薬必要条件を満たすかどうかを決定するために内容物均等性について試験される。個々の錠剤が、1.0NのHClの溶液に配置され、そしてすべてのフラグメントが可視的に溶解するまで、室温で撹拌される。溶解された錠剤を含む溶液が、HPLCにより分析される。
【0181】
前述の成分の他に、種々の添加剤のいずれか、例えば薬物供給、半減期及び患者の許容性を改良する成分を組込むことが、いくつかの場合(例えば、特定の組成物又は投与方法に依存する)、必要であるか又は所望される。適切な添加剤は、酸、酸化防止剤、抗菌剤、緩衝剤、着色剤、結晶成長インヒビター、脱泡剤、希釈剤、皮膚緩和剤、充填剤、風味剤、ゲル化剤、芳香剤、滑剤、推進剤、浸透改質剤、増粘剤、塩、溶媒、界面活性剤、他の化学安定剤、又はそれらの混合物を包含する。それらの添加剤の例は、例えばM. Ash and I. Ash, Handbook of Pharmaceutical Additives (Hampshire, England: Gower Publishing, 1995)(この内容は引例により本明細書に組込まれる)に見出され得る。
【0182】
本開示の投与形の投与についてのガイドは、本明細書に提供される。しかしながら、用量、レジメ、等に対する改良が必要とされ、そして患者ごとの基礎に基づいて実施者により最良に決定されることは、当業者により理解されるであろう。当業者は、通常入手できる知識に基づいてそのような改良を実施できるであろう。投与形は典型的には、1日1度の経口投与のために使用される。
【0183】
本明細書に記載される製剤は、半減期を高めるために任意の保存剤と共に多用量形又は多用量容器に提供され得る。本明細書に記載される状態のいずれか、又は本明細書に記載される投与形を用いて処理され得る状態のいずれかのためのキットがまた企画される。キットは、単一単位容器又は多単一容器のいずれかにおける投与形を含んで成り、そしてさらに、用量又は投与についての説明書、パッケージング挿入物及び同様のものを含んで成る。
【0184】
もう1つの観点においては、上記のように胃保持性の延長された放出投与形の経口投与による、運動障害を有する対象の処理方法が提供される。
現在開示される方法は、多くの運動障害の処理のために有用であり、前記運動障害はパーキンソン病、不穏下肢症候群(RlS)、ハンチントン舞踏病、進行性核上性麻痺、ウィルソン病、トゥーレット症候群、癲癇、遅発性運動異常及び種々の慢性腫瘍、チック及びジストニーを包含するが、但しそれらだけには制限されない。
【0185】
一般的に、特定投与形の投与の頻度は、過剰投与なしで効果的態様を最も効果的な結果を提供するよう決定され、そして次の基準に従って変化する:(1)特定薬物の特徴、例えばその薬理学的特徴及びその物理的特徴、例えば溶解性;(2)膨潤性マトリックスの特徴、例えばその浸透性;及び(3)薬物及びポリマーの相対的量。ほとんどの場合、投与形は、効果的結果が、8時間ごとに1度、12時間ごとに1度、又は24時間ごとに1度の投与により達成されるよう、調製される。前記で論じられたように、患者により飲み込まれる錠剤又はカプセル上に配置される物理的強制のために、ほとんどの投与形は単一投与単位内の限定された量の薬物を単に支持することができる。
【0186】
1つの態様においては、投与形は、治療効率のためにより頻繁な投与を必要とする現在の即時又は持効性放出生成物に比較して、レボドーパ、又はレボドーパ及びカルビドーパの両者の持効性血漿濃度をもたらすために、1日当たり2度(b.i.d.)又は1日当たり3度(t.i.d.)の投与頻度を可能にする。
【0187】
本発明の開示においては、胃保持性投与形は、投与プロトコールによる患者のコンプライアンスを改善する利点を有する。なぜならば、薬物は、所望するレベルの安心性を維持するために、レボドーパ及びカルビドーパの現在入手できる投与形について必要な多用量投与よりもむしろ、1日1度又は1日2度の投与レジメで投与され得るからである。本発明の1つの態様は、1日当たり1度のレジメで、朝又は夜に1度、胃保持性投与形で、レボドーパ及びカルビドーパ、又は医薬的に許容できるその塩を投与することを含んで成る、治療的有効量のレボドーパ及びカルビドーパを、その必要な患者に投与する方法に関する。もう1つの態様は、胃保持性投与形を、1日当たり2度の投与レジメで、朝及び夜1度、胃保持投与形を1日当たり2度、投与することを含んで成る。
【0188】
投与のすべてのモードに関しては、本明細書に記載される胃保持性投与形は、食物モードで、すなわち小食事の消費と共に又はその直後、投与される(引用により本明細書に組込まれるアメリカ公開番号2003/0104062号を参照のこと)。夜での食物モードで投与される場合、胃保持性投与形は、夜じゅう及び次の日までに痛みの連続的な除去を対象に提供することができる。本発明の胃保持性投与形は、その投与形はアセトアミノファン及びオピオイドの延長された放出及びGI管における薬物の卓越した吸収を可能にするので、延長された時間、痛みを除去することができる。
【0189】
いくつかの観点においては、食後又は食物モードはまた、食事の効果と同じか又は類似する効果を有する薬理学的剤の投与により、薬理学的に誘発され得る。それらの食物モード誘発剤は別々に投与され得るか、又はそれらは、シェル、シェル及びコアーの両者、又はすぐ外側の放出被膜に分散される成分として投与形に包含され得る。薬理学的食物モードの誘発剤の例は、発明者Markey, Shell及び Berner による"Pharmacological Inducement of the Fed Mode for Enhanced Drug Administration to the Stomach,"の表題のアメリカ特許第7,405,238号に開示される(この内容は引用により本明細書に組込まれる)。
【0190】
本明細書に記載される投与方法及び投与形はまた、これまでに言及された剤以外の治療剤、例えばCNS以外の状態及び関連する状態の処理のために適切である薬物及び活性剤のためにも適切であることは、当業者により理解されるであろう。そのような治療剤は、経口路を通して通常投与されるそれら、経口投与が所望されるそれら、及び経口路を通してこれまで投与されたことはないが、しかし本明細書に記載される方法及び投与形を用いて経口路を通しての供給から有益であるそれらを包含する。
【0191】
1つの態様においては、本明細書に記載される投与形は、低部GI管において低められた吸収性及び最初の通過代謝のために低められた生物利用能を有する薬物を使用する。低い溶解性の薬物は特に、それらの両吸収問題を有する。なぜならば、肝臓代謝は腎クリアランスを通してそれらの低溶解性薬物を排除するためにそれらを、より極性にしようとし、そして薬物の不良な溶解性が上部GI管を、適切な吸収のために短く過ぎるようにするからである。低い溶解性である下記に列挙される例における薬物のいずれかが、本明細書に記載されるような投与形での投与から有益であると思われる。
【0192】
本明細書に記載される投与形での使用のための他の活性剤は、抗菌剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗痙攣剤、CNS及び呼吸刺激剤、神経緩解剤、睡眠剤及び鎮痛剤、抗不安薬及び精神安定剤、他の抗癌剤、例えば抗新生物剤、抗高脂血症剤、抗高血圧剤、心血管調製物、抗ウィルス剤、性ステロイド、ムスカリン作動性受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、及び高分子活性剤、例えばDNA、RNA、タンパク質及びペプチド薬物を包含することができる。それらの活性剤のいくつかの例は、下記に提供される。
【0193】
本明細書に記載される投与形において有用な鎮痛剤は、一例として、非オピオイド鎮痛剤、例えばアパゾン、エトドラク、ジフェンピラミド、インドメタシン、メクロフェナメート、メフェナム酸、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム及びトルメチン;及びオピオイド鎮痛剤、例えばアルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ドロコード、フェンタニール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルフェノール、メペリディン、メサドン、モルフィン、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、 スフェンタニル及びトラマドールを包含する。
【0194】
本明細書に記載される投与形への使用のために企画される追加の鎮痛剤は、非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)を包含する。投与形において有用な適切な市販のオピオイド鎮痛剤の例は、PERCOCET(商標)(オキシコドン; Dupont Merck Pharmaceuticals, Wilmington, DE), ULTRACET(商標)(トラマドール; Johnson & Johnson, New Brunswick, N.J.)及び CLONOPINTM (クロナゼパム; Hoffmann-LaRoche, Nutley, N.J.)を包含する。鎮痛剤の組合せ、例えば非オピオイド鎮痛剤と組合してのオピオイド鎮痛剤が単一投与形に使用され得る。ヒドロコドン又はヒドロモルフォン及びイブプロフェン又はアセトアミノフェンの組合せが、そのような組合せの例である。
【0195】
投与形において有用な抗癌剤、例えば抗新生物剤、例によれば、パクリタクセル、ドセタクセル、カンプトテシン及びその類似体及び誘導体(例えば、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、20−O−β−グルコピラノシルカンプトテシン)、タキサン(バッカチン、セファロマンニン及びそれらの誘導体)、カルボプラチン、シスプラチン、インターフェロン−α2A、インターフェロン−α2B、インターフェロン−αN3及びインターフェロンファミリーの他の剤、レバミゾール、アルトレタミン、クラトリビン、トレチノイン、プロカルバジン、ダカルバジン、ゲムシタビン、ミトタン、アスパラギナーゼ、ポルフィメル、メスナ、アミンフォスチン、有糸分裂インヒビター、例えばポドフィロトキシン誘導体、例えばテニポシド及びエトポシド、及びビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン及びビンブラスチンを包含する。
【0196】
投与形において有用な抗痙攣剤(抗一発作剤)は、例によれば、アゼタゾラミオド、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロラゼプ酸、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、ラモトリジン、メフェニトイン、メホバルビタール、フェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン、トリメタジオン、 ビガバトリン、トピラメート及びベンゾジアゼピンを包含する。良く知られているようなベンゾジアセピンは多くの兆候、例えば心配、不眠症及び嘔気のために有用である。投与形への有用な、市販の適切な抗痙攣剤の例は、TEGRETOL(商標)(カルバマゼピン; Novartis, Summit, N. J.)、DILANTIN(商標)(Pfizer Inc., New York, N. Y.)及びLAMICTAL(商標)(ラモトリジン (GlaxoSmithKline, Philadelphia, PA)を包含する。
【0197】
投与形への有用な抗うつ剤は、例によれば、三環式抗うつ剤LIMBITROL(商標)(アミトリプチン; Hoffmann-LaRoche, Nutley, N. J.)、TOFRANIL(商標)(イミプラミン; Tyco Healthcare, Mansfiled, MA)、ANAFRANILTM (クロミプラミン; Tyco Healthcare, Mansfield, MA)及びNORPRAMIN(商標)(デシプラミン; Sanofi-Aventis, Bridgewater, NJ. )を包含する。
【0198】
投与形において有用な抗−糖尿病剤は例によれば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、シグリタゾン、グリクラジド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、 ミグリトール、 ピオグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、 トリアンプテリン及びトログリタゾンを包含する。
【0199】
投与形において有用な抗−高血脂血症剤は例によれば、脂肪−低減剤、又は“高脂血性”剤、例えばHMG-CoAレダクターゼインヒビター、例えばアトルバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン及びセリバスタチン、及び他の脂肪−低減剤、例えばクロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル及びタクリンを包含する。
【0200】
投与形において有用な抗−高血圧剤は例によれば、アムロジピン、ベナゼプリル、ダロジピン、ジルチアゼム、ドキサゾシン、エナラプリル、エポサルタン、エスモロール、フェロジピン、フェノルドパム、フォシノプリル、グアナベンズ、グアナドレル、グアネチジン、グアンファシン、ヒドララジン、ロサルタン、メチルチロシン、ミノキシジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、キナプリル、レセルピン、テラゾシン及びバルサルタンを包含する。
【0201】
投与形において有用な抗−炎症剤は例によれば、非ステロイド性抗炎症剤、例えばプロピオン酸誘導体、例えばケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ベノキサプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、ブチブフェン及びフェンブフェン; アパゾン; ジクロフェナック; ジフェンピラミド; ジフルニサール; エトドラク; インドメタシン; ケトロラック; メクロフェナマート; ナブメトン; フェニルブタゾン; ピロキシカム; スリンダク; 及びトルメチン、及びステロイド性抗炎症剤、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン- 21-モノエステル (例えば、ヒドロコルチゾン-21 -アセテート、ヒドロコルチゾン-21-ブチレート、ヒドロコルチゾン-21 -プロピオネート、ヒドロコルチゾン-21 -バレレート、等)、ヒドロコルチゾン-17,21- ジエステル(例えば、ヒドロコルチゾン-17,21-ジアセテート、ヒドロコルチゾン-17-アセテート-21-ブチレート、ヒドロコルチゾン-17,21 -ジブチレート、等)、アルクロメタゾン、デキサメサゾン、フルメタゾン、プレドニソロン、及びメチルプレドニゾロンを包含する。
【0202】
投与形において有用な抗−有糸分裂剤は例によれば、テトラサイクリン抗生物質及び関連化合物(クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、ロリテトラサイクリン); マクロライド抗生物質、例えばエリスロマイシン、クラリスロマイシン及びアジスロマイシン; ストレプトグラミン抗生物質、例えばキヌプリスチン及びダルフォプリスチン; β-ラクタム抗生物質、 例えばペニシリン(例えば、 ペニシリン G、 ペニシリンVK)、 抗ブドウ球菌ペニシリン(例えば、クロキサシリン、ジクロキサシリン、 ナフシリン、 及びオキサシリン)、拡張スペクトルペニシリン (例えば、アミノペニシリン、例えばアンピシリン及びアモキシシリン、 及び抗シュードモナスペニシリン、例えばカルベニシリン)、 及びセファロスポリン(例えば、セファドロキシル、 セフェピム、セファレキシン、セファゾリン、セホキシチン、セホテタン、セフロキシム、セホタキシム、セフタジダイム、及びセフトリアキソン)、及びカルバペネム、例えばイミペナム、 メロペネム及びアズトレオナム; アミノグリコシド抗生物質、例えばストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、及びネオマイシン;
【0203】
糖ペプチド抗生物質、例えばタイコプラニン; ルファンアミド抗生物質、例えばスルファセタミド、スルファベンザミド、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルファメチゾール、及びサルファメトキサゾール; キノロン抗生物質、例えばシプロフロキサシン、ナリジキシン酸、 及びオフロキサシン; 抗-ミコバクテリア、例えばイソニアジド、 リファンピン、リファブチン、エタムブトール、ピラジナミド、エチオナミド、アミノサリチル酸、 及びサイクロセリン; 全身性抗真菌剤、例えばイトラコナゾール、 ケトコナゾール、フルコナゾール、及びアンホテリシンB; 抗ウイルス剤、例えばアシクロビル、 ファミシクロビル、ガンシクロビル、イドクスウリジン、ソリブジン、 トリフルリジン、 バラシクロビル、ビダラビン、ジダノシン、 スタブジン、 ザルシタビン、 ジドブジン、アマンタジン、インターフェロンα、リバビリン及びリマンタジン;及び種々の抗微生物剤、例えばクロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリミキシンB (コリスチン)、バシトラシン、ニトロフラントイン、マンデル酸メテナミン及び馬尿酸メテナミンを包含する。
【0204】
投与形において有用な抗ウィルス剤は例によれば、抗ヘルペス剤、アシクロビア、ファムシクロビル、フォスカーネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビル及びビダラビン;抗レトロウィルス剤、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン及びジドブジン;及び他の抗ウィルス剤、例えばアマンタジン、インターフェロンα、リバビリン及びリマンタジンを包含する。
【0205】
投与形において有用な抗不安定剤及び精神安定剤は例によれば、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、デモキセパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、オキザゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム)、ブスピロン、クロルジアゼポキシド及びドロペリドールを包含する。
【0206】
投与形において有用な、利尿剤と組合して使用される心臓作用剤は例によれば、アミオダロン、アミオジピン、アテノロール、ベプリジル、ビソプロロール、ブレチリウム、カプトプリル、カルベジオ−ル、ジルチアゼム、ジソピラミド、ドフェチリド、エナラプリラート、エナラプリル、エンカイニド、エスモロール、フレカイニド、フォシノプリル、イブチリド、イナムリノン、イルベサルタン、リドカイン、リジノプリル、ロサルタン、メトロプロロール、ナドロール、ニカルジピン、ニフェジピン、プロカインアミド、プロパフェノン、プロプラノロール、キナプリル、キニジン、ラミプリル、トランドラプリル、及びベラパミルを包含する。
【0207】
投与形において有用な心血管作用剤は例によれば、アンギオテンシン転換酵素(ACE)インヒビター、強心性配糖剤、カルシウムチャネル遮断剤、β−遮断剤、抗不整脈剤、心臓保護剤及びアンギオテンシンII受容体遮断剤を包含する。前述の種類の薬物の例は次のものを包含する:ACEインヒビター、例えばエナラプリル、1-カルボキシメチル-3-1-カルボキ-3- フェニル-(1 S)-プロピルアミノ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1 H-(3S)-1-ベンズアゼピン-2-オン、3-(5-アミノ- 1 -カルボキ-1 S-ペンチル)アミノ-2,3,4,5-テトラヒドロ-2-オキソ-3S-1 H-1 -ベンズアゼピン-1 -酢酸 又は 3-(1-エトキシカルボニル-3-フェニル-(1S)-プロピルアミノ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-2-オキソ-(3S)- ベンズアゼピン-1 -酢酸 一塩酸塩;強心性配糖剤、例えばジゴキシン及びジギトキシン;変力剤、例えばアムリノン及びミルリノン;カルシウムチャネル遮断剤、例えばベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニモジピン、ベプリジル、アムロジピン及びジルチアゼム;β−遮断剤、例えばアテノロール、メトプロロール; ピンドロール、プロパフェノン、プロプラノロール、エスモロール、ソタロール、チモロール及びアセブトロール;抗不整脈剤、例えばモリシジン、イブチルド、プロカインアミド、キニジン、ジソピラミド、リドカイン、フェニトイン、トカイニド、メキシレチン、フレカイニド、エンカイニド、ブレチリウム及びアミオダロン;及び心臓保護剤、例えばデクスラゾキサン及びロイコボリン;血管拡張剤、例えばニトログリセリン;及びアルギオテンシンII受容体遮断剤、例えばロザルタン、ヒドロクロロチアジド、イルベサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エポサルタン及びバルサルタン。
【0208】
投与形において有用なCNS及び呼吸刺激剤は例によれば、キサンチン、例えばカフェイン及びテオフィリン; アンフェタミン、例えば amphetamine, ベンズフェタミン塩酸塩、デキストロアンフェタミン、硫酸デキストロアンフェタミン、レブアンフェタミン、レブアンフェタミン塩酸塩、メタンフェタミン、及びメタンフェタミン塩酸塩;及び種々の刺激剤、例えばメチルフェニデート、メチルフェニデート塩酸塩、モダフィニル、ペモリン、シブトラミン及び シブトラミン塩酸塩を包含する。
【0209】
投与形において有用な睡眠剤及び鎮痛剤は例によれば、クロメチアゾール、エチナメート、エトミダート、グルテチミド、メプロバメート、メチプリロン、ゾルオイデム及びバルビツラート(例えば、アモバルビタール、アプロプバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、メホバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、チオペンタール)を包含する。
【0210】
投与形において有用なムスカリン受容体アゴニスト及びアンタゴニストは例によれば、リンエステル、例えばアセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタンコール(カルバミルメチルコリン)、塩化ベタネコール、コリン様作動性自然のアルカロイド類及びその合成類似体、例えばピロカルピン、ムスカリン、McN- A-343、及びオキソトレモリンを包含する。ムスカリン受容体アンタゴニストは一般的に、ベラドンナアルカロイド又はその半合成又は合成類似体、例えばアトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、ホマトロピンメチル臭素、イプラトロピウム、メタンテリン、メトスコポラミン及びチオトロピウムである。
【0211】
投与形において有用な神経緩解剤は例によれば、抗うつ剤、抗躁病剤及び向精神剤を包含し、ここで抗うつ剤は、(a)三環式抗うつ剤、例えばアモキサピン、アミトリプチン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン及びトリミブラミン、(b)セロトニン再摂取インヒビター、例えばシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン及びベンラファキシン、(c)モノアミンオキシダーゼインヒビター、例えばフェネルジン、トラニルシプロミン及び(-)-セレギリン、及び(d)他の“典型的でない”抗うつ剤、例えばネファゾドン、トラゾドン及びベンラファキシンを包含し、そして抗躁病剤及び向精神剤は、(a)フェノチアジン、例えばアセトフェナジン、マレイン酸アセトフェナジン、クロルプロマジン、塩酸クロルプロマジン、フルフェナジン、フルフェナジン・塩酸、エナント酸フルフェナジン、フルフェナジンデカノエート、メソリダジン、メソリダジンベシレート、ペルフェナジン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、トリフルオロペラジン、及び塩酸トリフルオペラジン、(b)チオキサンテン、例えばクロルプロチキセン、チオチキセン及びチオチキセン塩酸塩、及び(c)他の複素環式薬物、例えばカルバマゼピン、クロザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、ハロペリドールデカノエート、ロキサピン 琥珀酸塩、モリンドン、塩酸モリンドン、オランザピン、ピモジド、キエチアピン、リスペリドン及びセルチンドールを包含する。
【0212】
投与形においてペプチド薬物は例によれば、ペプチジルホルモンアクチビン、アミリン、アンジオテンシン、心房性利尿ペプチド(ANP)、カルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、カルシトニンN端フランキングペプチド、毛様体神経栄養因子(CNTF)、副腎皮質刺激ホルモン、(アドレノコルチコトロピンホルモン、 ACTH)、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF or CRH)、表皮成長因子(EGF)、濾胞刺激ホルモン(FSH)、ガストリン、ガストリン阻害ペプチド(GIP)、ガストリン放出ペプチド、ゴナドトロピン放出因子(GnRF 又は GNRH)、成長ホルモン放出因子(GRF、 GRH)、ヒトじゅう毛膜ゴナドトロピン(hCH)、インヒビンA、インヒビンB、インシュリン、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、 α-メラニン細胞刺激ホルモン、 β- メラニン細胞刺激ホルモン、 γ- メラニン細胞刺激ホルモン、メラトニン、モチリン、オキシトシン(ピトシン)、膵臓のポリペプチド、副甲状腺ホルモン(PTH)、胎盤性ラクトゲン、乳腺刺激ホルモン(PRL)、プロラクチン放出抑制因子(PIF)、プロラクチン放出因子(PRF)、セクレチン、ソマトトロピン、(成長ホルモン、 GH)、ソマトスタチン(SIF、成長ホルモン放出阻害要素、 GIF)、チロトロピン、(甲状腺刺激ホルモン、 TSH)、甲状せん刺激ホルモン放出因子(TRH 又は TRF)、チロキシン、血管作動性小腸ペプチド(VIP)、 及びバソプレシンを包含する。他のペプチジル薬物は、シトカイン、例えば、コロニー刺激因子4、ヘパリン結合性神経栄養因子(HBNF)、インターフェロン-α、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n3、インターフェロン-β、等、インターロイキン-1 、インターロイキン-2、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン5、インターロイキン-6、等、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子-α、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子、ミドカイン(MD)、及びサイモポエチンである。
【0213】
本発明のシステムを用いて都合よく供給される他のペプチジル薬物は、エンドルフィン(例えば、デルモルフィン、ダイノルフィン、α-エンドルフィン、β-エンドルフィン、γ-エンドルフィン、σ-エンドルフィン、[Leu5] エンケファリン、[Met5] enkephalin、物質P)、カイニン(例えば、ブラジキニン、風味相乗剤B、ブラジキニン風味相乗剤C、カリジン)、LHRH 類似体 (例えば、ブセレリン、デスロレリン、フェルチレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、ロイプロリド、ルトレリン、ナファレリン、トリプトレリン)、及び血液凝固因子、例えばα1‐アンチトリプシン、α2-マクログロブリン、アンチトロンビンIII、因子 I (フィブリノーゲン)、因子Il (プロトロンビン)、因子III (組織プロトロンビン)、因子V (プロアクセレリン)、因子VII (プロコンバーチン)、因子VIII (抗血友病性グロブリン又は AHG)、因子IX (クリスマス因子、血漿トロンボプラスチン成分又はPTC)、因子X (スチュアート-力因子)、因子Xl (血漿トロンボプラスチン前駆体又はPTA)、因子XII (Hageman 因子)、ヘパリン補因子II、カリクレイン、プラスミン、プラスミノーゲン、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、及びトロンボモデュリン、及びそれらの組合せである。
【0214】
投与形において有用な性ステロイドは例によれば、黄体ホルモン、例えばアセトキシプレグネノロン、 アリルエストレノール、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、シプロテロン、シプロテロン酢酸、デソゲストレル、ジヒドロゲステロン、ジメチステロン、エチステロン(17α-エチニルテストステロン)、エチノジオールジアセテート、フルロゲストンアセタート、 ゲスタデン、ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシプロゲステロン酢酸、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、 ヒドロキシメチルプロゲステロン、 ヒドロキシメチルプロゲステロンアセテート、 3-ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン酢酸、メゲストロール、メゲストロールアセテート、酢酸メレンゲストロール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、 ノルメチステロン及びプロゲステロンを包含する。
【0215】
エストラジオール(例えば、 1 、3、5-エストラトリエン-3、17βジオール、又は"17β-エストラジオール") 及びそのエステル、 例えばエストラジオール安息香酸エステル、吉草酸エステル、シピオネート、ヘプタノエート、デカン酸塩、酢酸及び二酢酸塩; 17α-エストラジオール; エチニルエストラジオール (例えば、 17α-エチニルエストラジオール) 及びそのエステル及びエーテル、 例えばエチニルエストラジオール 3-アセテート及びエチニルエストラジオール 3-ベンゾエート; エストリオール及びエストリオール琥珀酸塩; ポリエステロールホスフェート; エストロン及び そのエステル及び誘導体、 例えばエストロン酢酸、エストロン硫酸、及びピペラジンエストロンスルフェート; キネストロール; メストラノール;及び接合されたウマエストロゲンもまた、この一般的な種類内に包含される。
【0216】
性ステロイドの一般的種類内に包含されるアンドロゲン剤は、薬物、例えば天然に存在するアンドロゲン性アンドロステロン、アンドロステロン酢酸、アンドロステロンプロピオン酸塩、アンドロステロンベンゾエート、アンドロステンジオール、アンドロステンジオール-3-アセテート、アンドロステンジオール-17-アセテート、アンドロステンジオール- 3,17-diアセテート、アンドロステンジオール-17-ベンゾエート、アンドロステンジオール-3-アセテート-17-ベンゾエート、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA; また "プラステロン"とも呼ばれる)、ナトリウムデヒドロエピアンドロステロン硫酸、4-ジヒドロテストステロン(DHT; また"スタノローン"とも呼ばれる)、5α-ジヒドロテストステロン、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エチルエストレノール、ナンドロロンフェンプロピオネート、ナンドロロンデカノエート、フリルプロピオン酸ナンドロロン、ナンドロロンシクロヘキサンプロピオネート、ナンドロロンベンゾエート、ナンドロロンシクロヘキサンカルボキシレート、オキサンドロロン、スタノゾロール及びテストステロン; テストステロンの医薬的に許容できるエステル及び4-ジヒドロテストステロン、典型的にはC-17 位置に存在するヒドロキシ基から形成されるエステル、例えば、エナンタート、プロピオン酸塩、シピオネート、フェニルアセテート、アセテート、イソブチレート、ブシクレート、ヘプタノエート、デカノエート、ウンデカノエート、カプレート及びそのイソカプレートエステル; 及びテストステロンの医薬的に許容できる誘導体、例えばメチルテストステロン、テストラクトン、オキシメトロン及びフルオキシメステロンである。
【0217】
適切な場合、本明細書に記載される活性剤のいずれかは、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、接合体、活性代謝物、異性体、フラグメント、類似体又は同様のものの形で投与され得るが、但し、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、接合体、活性代謝物、異性体、フラグメント、又は類似体は、本発明において医薬的に許容でき、そして薬理学的に活性である。前記剤の塩、エステル、アミド、プロドラッグ、接合体、活性代謝物、異性体、フラグメント、及び類似体は、合成有機化学の当業者に知られている標準方法を用いて調製され得、そして例えばJ. March, Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure, 5th Edition (New York: Wiley-lnterscience, 2001)により記載されている。例えば、適切な場合、本明細書に記載される化合物のいずれかは、プロドラッグの形で存在することができる。プロドラッグは、活性剤への転換を必要とする。
【0218】
適切な場合、本明細書に記載される化合物のいずれかは、医薬的に許容できる塩の形で存在することができる。医薬的に許容できる塩は、いずれかの医薬的に許容できる有機酸又は塩基、いずれかの医薬的に許容できる無機酸又は塩基、又はそれらの組合せから調製され得る。塩を調製するために使用される酸又は塩基は、天然に存在することができる。
【0219】
酸付加塩を調製するための適切な有機酸は、例えばC1-C6アルキル及びC6-C12アリールカルボン酸、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、グリコール酸、クエン酸、ピルビン酸、蓚酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸、フタル酸、及びテレフタル酸、及びアリール及びアルキルスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸及び p-トルエンスルホン酸、及び同様のものを包含する。酸付加塩を調製するための適切な無機酸は、例えば塩酸、臭酸、ヨウ酸、硫酸、硝酸及び リン酸、及び同様のものを包含する。酸付加塩は、適切な塩基による処理により遊離塩基に再転換され得る。
【0220】
塩基付加塩を調製するための適切な有機塩基は、例えば第一、第二及び第三アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、2-ジメチルアミノエタノール、アミノエタノール、エチレンジアミン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、及びポリアミン樹脂、環状アミン、例えばカフェイン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、及びプリン及びアミンの塩 、例えばベタイン、コリン及びプロカイン、及び同様のものを包含する。塩基付加塩を調製するための適切な無機塩基は、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、第二鉄、鉄系、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、又は 亜鉛、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、及び同様ものを包含する。塩基性付加塩は、適切な酸による処理により遊離酸に再転換され得る。
【0221】
活性剤の他の誘導体及び類似体は、合成有機化学の当業者に知られている標準技法を用いて調製され得るか、又は関連文献により推定され得る。さらに、キラル活性剤は、異性体的に純粋な形で存在することができるか、又は異性体のラセミ混合物として投与され得る。
【0222】
本明細書に記載される化合物のいずれかは、本明細書に記載のように製剤において活性剤であり得る。製剤は、本明細書に記載される、1,2,3又は3以上の活性剤及び薬物を含むことができ、そしてまた、本明細書に特別に引用されない、1又は複数の活性剤を含むことができる。
【0223】
投与形又は方法がもう1つの剤、例えば二次鎮痛剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、及び同様のものの投与と組合して使用されるか又は実施される場合、追加の剤は、種々の投与形(例えば、錠剤、カプセル、経口懸濁液及びシロップ)で市販源から入手され得る。追加の剤は、別の投与形として投与され得、又は追加の剤を含んで成る本発明の胃保持性投与形が使用され得る。
【0224】
多くの典型的な観点及び態様が上記に論じられて来たが、当業者は、一定の修飾、順列、付加及びそれらの副−組合せを認識するであろう。従って、請求項は、すべてのそのような修飾、順列、付加及び副−組合せを包含することが解釈される。
【実施例】
【0225】
次の例は、本発明の一定の観点及び利点を示すが、しかし本発明は下記特定の態様に制限されるものではない。
例1LC4SL(L4-4)錠剤の配合
LC4SLとして言及される胃保持性投与形を、単層錠剤として配合し、レボドーパ及びカルビドーパの胃中への約4時間にわたっての持効性放出を提供した。200mgのレボドーパ及び54mgのカルビドーパを有する投与形は、700mgの合計重量を有した。錠剤は25wt%のPOLYOXTM1105(約900,000の分子量を有する)及び約27wt%の微晶性セルロースを含んだ。レボドーパ及びカルビドーパの高剪断顆粒を、下記表1に列挙される賦形剤と共に乾燥ブレンドした。次に錠剤を、0.3937" X 0.6299" MOD OVALダイを有するCarver Pressを用いて製造した。
【0226】
【表1】

【0227】
例2LC6SL(L4-6)錠剤の配合
L4-6胃保持性投与形を、単層錠剤として配合し、レボドーパ及びカルビドーパの胃中への約6時間にわたっての持効性放出を提供した。200mgのレボドーパ及び54mgのカルビドーパを有する投与形は、700mgの合計重量を有した。錠剤は61.6wt%のPOLYOXTM1105(約900,000の分子量を有する)を含んだ。レボドーパ及びカルビドーパの高剪断顆粒を、下記表2に列挙される賦形剤と共に乾燥ブレンドした。次に錠剤を、0.3937" X 0.6299" MOD OVALダイを有するCarver Pressを用いて製造した。
【0228】
【表2】

【0229】
例3LC6BL(L4-6二層)二層錠剤の配合
L4-6二層胃保持性投与形を、二層錠剤として配合し、レボドーパ及びカルビドーパの胃中への約6時間にわたっての持効性放出を提供した。十分な用量のレボドーパ(200mg)及びカルビドーパ(54mg)が、約46.7wt%のPolyox1105を含む第1層に存在する。錠剤は約61.6wt%のPOLYOXTM1105(約900,000の分子量を有する)を含んだ。レボドーパ及びカルビドーパの高剪断顆粒を、賦形剤と共に乾燥ブレンドした。この二層錠剤の活性層中の成分は、下記表3に列挙される。第2層(膨潤層)は、胃における投与形の保持をさらに促進するために、膨潤性胃保持性層として、98.5wt%のPOLYOXTM WSR-303を含んだ。本明細書に記載される配合においては、POLYOXTM WSR-303 TGが第2層に使用されるが、しかしながらPOLYOXTM WSR-303 FPもまた使用され得る。二層投与形は700mgの合計重量を有した。膨潤層のための成分は下記表4に列挙される。錠剤を、0.3937" X 0.6299" MOD OVALダイを有するCarver Pressを用いて製造した。
【0230】
【表3】

【0231】
【表4】

【0232】
例4インビトロ溶解放出プロフィール
上記のようにして製造されたLC4SL、LC6SL及びLC6BL錠剤からのレボドーパ及びカルビドーパのインビトロ溶解放出プロフィールを、37.0±0.5℃で容器当たり250mlの0.1NのHClの溶解媒体を含むUSP 溶解装置 III (Vankel Bio-Dis, Varian, Cary, North Carolina)を用いて決定した。サンプルを、1,2,3,4,5及び6時間で、媒体置換を伴わないで採取した。言及される時点からの溶解サンプルを、280nmの検出波長で、1.0ml/分の流速、25℃のカラム温度を有するC18 HPLCカラム(Thermo Scientificからの、4.6mm×15cm、5μmの粒子サイズ)を用いてのHPLCにより、それぞれレボドーパ及びカルビドーパについて分析した。レボドーパ放出についての結果は、図1に示される。カルビドーパ放出についての結果は図2に示される。
【0233】
例5インビトロ溶解比較
溶解試験をまた実施し、本明細書に記載されるようにして配合された胃保持投与形からの放出プロフィールと、現在市場から入手されたレボドーパ/カルビドーパ持効性放出錠剤の放出プロフィールとを比較した。特に、Merck & Co. (Whitehouse Station, NJ), Inc.により製造されるSINEMET(商標)CR錠剤、及びMylan Pharmaceuticals, lnc (Morgantown, WV)により製造されるレボドーパ/カルビドーパ錠剤と比較した。試験は、30ディップ/分の往復速度により、37.0±0.5℃の温度で、容器当たり250mlの0.1NのHClの溶解媒体を含むUSP 溶解装置III (Vankel Bio-Dis, Varian, Cary, North Carolina)を用いて行われた。
【0234】
溶解サンプリング時点は、次の通りであった:Mylan and Merckからの錠剤については、0.08, 0.25, 0.5, 1 , 2.5, 及び 4 時間;LC6SL錠剤については、1,2,3,4及び5時間;及びLC6BL錠剤については、1,2,3,5及び7時間。言及される時点からの溶解サンプルを、280nmの検出波長で、1.0ml/分の流速、25℃のカラム温度を有するC18 HPLCカラム(Thermo Scientificからの、4.6mm×15cm、5μmの粒子サイズ)を用いてのHPLCにより、それぞれレボドーパ及びカルビドーパについて分析した。
【0235】
溶解試験の結果は、下記表5に示され、そして図3にグラフにより示される。表5における値は、対表示値の%(%LC)に関して、特定される時間で個々の投与形から放出されるレボドーパの量を表す。
【0236】
【表5】

【0237】
例6イヌにおける腐食及び薬力学的研究
4−方向ランダム研究を、イヌにおいて実施し、Merck & Co., Inc.及びMylan Pharmaceuticals, Incにより製造される市販の放出調節されたレボドーパ/カルビドーパ配合物(Sinemet(商標)CR)に比較して、レボドーパ/カルビドーパの胃保持性(GR)放出調節された投与形(LC4SL、LC6SL及びLC6BL)の経口投与に続いてレボドーパの相対的生物利用能及び薬力学を評価した。研究はビーグル犬を使用した。
【0238】
このランダム化された4−方向のクロスオーバー研究を、5匹の健康な雌のビーグル犬(それぞれ、12〜16kgの体重)を用いて実施した。少なくとも14時間の一晩の絶食に続いて、動物に200mgのカルビドーパを投与した。45分後、それらは100gの缶詰のドッグフード(Pedigree Traditional Ground Dinner with Chunky Chicken)を与えられ、そして200mgのレボドーパ及び50mgのカルビドーパを含む、LC4SL、LC6SL又はLC6BL錠剤の単一経口投与形、又は200mgのレボドーパ/50mgのカルビドーパを含む市販の延長された放出性製剤(Sinemet(商標)CR)を投与された。処理は、動物が食事を消費する15分以内に実施された。血液サンプリング及び洗浄からの回収を可能にするために、投与間に少なくとも1週間が存在した。
【0239】
LC4SL、LC6SL及びLC6BL錠剤を、例1−3に記載される方法に従って製造し、但し、ラジオ−オパークストリングスを錠剤の胃腸管及び腐食のためのマーカーとして作用する“X”の形状でセンターに配置した。錠剤を、USP 溶解装置 IIIを用いて、それらの放出速度を決定するためにインビトロで試験し、そしてSinemet CRの放出速度と比較した。
【0240】
ランダム化されたスケジュールを使用し、200mgのレボドーパ及び50mgのカルビドーパを含む4種の異なった投与形をイヌに投与した。投与形Aは、Merck & Co., Incにより製造されるSINEMET(商標)CRであった。投与形Bは、LC4SL錠剤であった。投与形CはLC6SL錠剤であり、そして投与形DはLC6BL二層錠剤であった。
【0241】
ランダム化されたスケジュールは、下記表6に記載される。個々の時間は1週間を表す。個々のイヌは投与形A-Dの個々を受け、1週間の開始で投与形の1つを投与された。
【0242】
【表6】

【0243】
GR投与形の腐食を、錠剤が完全に砕解されるまで、30分ごとに得られた像を伴って、蛍光透視法によりモニターした。ストリングの物理的分離が、錠剤の完全な砕解の時点を表すと見なされた。
【0244】
個々の及び平均錠剤腐食時間が表7に示される。比較のための予測されるヒト腐食時間がまた表7に示される。予測されるヒト腐食時間は、イヌ及びヒト腐食研究が同じ配合に基づいて実施される、GR製剤のこれまでの研究に基づかれる。それらの研究は、数学的関係、HE=DE×1.5+1.3(ここで、HEはヒト腐食時間であり、そしてDEはイヌ腐食時間である)の決定をもたらした。
【0245】
インビボ腐食研究は、LC4SL製剤が、ヒトにおいて約6〜7時間のレボドーパ供給時間を有し、そしてLC6SLの6時間製剤は、約10時間の供給時間を有するであろうことを示す。
【0246】
【表7】

【0247】
錠剤の投与の後、血漿におけるレボドーパ及びカルビドーパのレベルを測定するために、3mlの血液サンプルを、血漿におけるレボドーパ濃度の決定のために、0.057mlの15%(K3)EDTA(抗凝集剤)を含む、5mlのVacutainer(商標)(BD)管に集めた。サンプルを、投与の後、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、10.0、及び12.0時間で頭部静脈から静脈穿刺により採血した。
【0248】
採血の直後、管を軽く数度、逆にし、抗凝集剤と血液サンプルとを混合した。次に、サンプルを、4〜8℃で、1,500rpmで10分間、遠心分離した。次に、1mlの血漿画分を、5mgのメタ重亜流酸ナトリウム(安定化剤)を含むポリプロピレン低温管中にピペットにより入れ、完全に混合し、次に直ちに-80℃で凍結した。すべてのサンプル収集及び低温−管はラベルされ、対象、研究日、時点及び期間を同定した。
【0249】
すべての血漿サンプルを、輸送まで、-80℃で凍結貯蔵した。輸送の前、サンプルを、それらが輸送の間、凍結されたまま存続することを確保するために、十分なドライアイスにより、断熱された容器中にパッケージした(少なくとも72時間)。サンプルは、BASi(West Lafayette, IN)への優先配達のために夜通し出荷された。
【0250】
レボドーパを、自動固相アルミナ抽出方法により、イヌ血漿から抽出した。抽出の前、N−メチルドーパミン塩酸塩を、内部標準として添加した。抽出物を、イオン対試薬リン酸緩衝された移動相を有するLC-18-DB ODSカラムを用いて、電気化学的検出によりHPLCシステム中に注入した。前記方法の濃度範囲は、10ng/ml〜2,000ng/mlであった。
直線的台形法則を用いての非−区画計算を用いて、0〜12時間の曲線下の面積(AUC0-12)を決定し、そして最大濃度(Cmax)及び最大濃度までの時間(tmax)を、データの検査により決定した。比較体に対するGR製剤の相対的生物利用能を、比較体のAUC0-12によりGR錠剤のAUC0-12を割算することにより計算した。さらに、血漿濃度が1500ng/mlに等しいか、又はそれ以上である時間を、GR錠剤について決定し、そしてSinemet CRに比較した。アッセイのための定量化の限界以下の値は、計算のために0であると想定された。
【0251】
本明細書に提供されるすべてのデータは、平均±標準偏差として、又はメジアンとして表される。反復測定による1方向ANOVAを用いて、平均値間に差異が存在するかどうかを決定した。差異が見出される場合、Dunnett試験を用いて、GR製剤平均がPKデータに関して、Sinemet CRとは異なることが決定した。同様に、腐食研究においては、6時間の製剤を、Dunnett試験を用いて、4時間の製剤に比較した。≦0.05のp−値は、有意な差異を示すものとして考慮された。
【0252】
Sinemet CRに比較しての3種のGR製剤のインビトロ溶解試験により決定されるような放出プロフィールが図4に示される。試験条件下で、Sinemet CR(S−CR)は、1時間以内でレボドーパを完全に放出する。比較においては、SL−4H GR錠剤(SL-4HR)は4時間を通してレボドーパのほぼ線状放出を有し、そしてSL-6H GR錠剤(SL-6HR)は、5時間を通して線状放出を有した。BL-6H GR錠剤(BL-6H)は初期時点でレボドーパの幾分早い放出を有し、そして次に、その放出は6〜7時間、完全な放出をもたらす後期時点を示した。
【0253】
個々の製剤についての個々の及び平均薬力学的パラメーターが下記表8〜11に列挙され、そしてGR錠剤についての相対的生物利用能が表12に示される。平均レボドーパ血漿濃度時プロフィールが図5に示され、そして個々のプロフィールが図6A-Eに示される。3種の投与形の濃度時プロフィールは、延長された放出製剤に典型的であった(図3−7)。Sinemet CRに比較して、すべての延長された放出GR錠剤のAUCは有意に高かった(表8、*は、p<0.05の場合、Sinemet CRに比較されることを示す)。Cmax及びtmax値は、延長された放出GR錠剤に関してS-CRとは異ならなかった(それぞれ、表9及び10、p>0.05.しかしながら、レボドーパの血漿濃度が15ng/mlよりも高い持続時間で統計学的に有意な上昇が存在した(表11)。CVは変動変数である。
【0254】
【表8】

【0255】
【表9】

【0256】
【表10】

【0257】
【表11】

【0258】
【表12】

【0259】
レボドーパ延長された放出GR錠剤についての濃度時間プロフィールは、延長された放出比較体(Sinemet CR)に比較しての持効性−放出プロフィールを示す。さらに、Sinemet CRに比較しての相対的生物利用能が有意に高められ、ところがCmax及びtmax値は異ならなかった。tmax値は、より長い放出プロフィールにより予測されるのとは異ならないが、レボドーパ濃度が1500ng/mlよりも高い時間は有意に高められた。これは、プラトーが有意に長い期間、維持され、そして定常状態でより一定したレボドーパ血液レベルをもたらすことを示す。
【0260】
レボドーパ延長された放出GR錠剤のPKプロフィールは、インビトロ放出プロフィールに従う傾向があった。LC4SL(SL-4H)錠剤は、すばやいインビトロ放出と一致するCmaxへの急速な上昇を示した。LC6BL(BL-6H)錠剤はまた、それらのインビトロ放出プロフィールと一致する、LC6SL(SL-6H)よりもCmaxにより急速な上昇を示した。インビトロでのLC6BL錠剤は、初期時点でより急速な放出を示し、そして次にその放出を減速し、他方にLC6SL錠剤は時間にわたってほぼ線状の放出を示し、そして従って、濃度時間プロフィールにおいては、初期時点でレボドーパ血液濃度を低めた。
【0261】
インビボ腐食研究は、LC4SL 4-時間製剤がヒトにおいて約6〜7時間のレボドーパ供給時間を有し、そしてLC6SL 6−時間製剤が約10時間の供給時間を有することを示す。PKモデリングデータは、7〜10時間の予測される放出時間が比較的一定したレボドーパ血液濃度を伴って、ヒトにおいて1日2度の投与をもたらすことができることを示した。
【0262】
結論的には、すべてのGR延長された製剤は、ビーグル犬におけるSINEMET(商標)CRに比較して、レボドーパの放出性を延長し、そしてその生物利用能を高めた。
【0263】
例7フェーズ1薬力学的研究
オープンラベルの3−方向クロスオーバー研究を実施し、パーキンソン病を有する患者の処理のために現在市販されている対照の延長された放出錠剤の投与に比較して、本明細書に記載されるようにして配合された2種の胃保持性(GR(商標))延長された放出錠剤の投与に続いてのレボドーパ/カルビドーパ耐溶性及び薬力学を分析した。
【0264】
この研究の目的は、レボドーパ/カルビドーパER錠剤、LC4SL及びLC6BLの2種の胃保持性試験製剤から供給されるレボドーパ及びカルビドーパの薬力学的プロフィールと、比較体カルビドーパ/レボドーパ延長された放出錠剤から供給されるそれらの薬力学的プロフィールとを比較することであった。パーキンソン病患者は、食物条件下で投与形を投与された。
【0265】
これは、パーキンソン病患者において企画された、ランダム化された、オープンラベルの、単一用量、6−配列、3−処理、3−期間クロスオーバー研究であった。安定した疾病、及び3に等しいか又は3以下の変性されたHoehn & Yahr段階(段階1:一方的疾病、段階2:軽い双方的疾病及び段階3:より進行した双方的疾病)を有する特発性パーキンソン病の診断を有する、少なくとも30歳の18人の患者(7人が男性及び11人が女性)を発録した。標準化された、約750カロリー(脂肪からのカロリーの約40%)の食事の開始後、15分で、対象は、次の試験製剤の1つを投与された:
【0266】
製剤1:4時間のインビトロ放出時間を有する、単層胃保持性レボドーパ200mg/カルビドーパ50mgの延長された放出錠剤(LC4SL);
製剤2:6時間のインビトロ放出時間を有する、二層胃保持性レボドーパ200mg/カルビドーパ50mgの延長された放出錠剤(LC6BL);
比較体:200mgのレボドーパ及び50mgのカルビドーパを含む、市販のカルビドーパ及びレボドーパ延長された放出錠剤(Mylan)。
【0267】
血液サンプルを、投与の前、及び経口投与の後、0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0, 5.0, 6.0, 8.0, 10.0, 12.0, 16.0及び 24.0時間で採取した。レボドーパ及びカルビドーパの血漿濃度を、有効化されたアッセイ方法を用いて分析した。処理投与間に少なくとも7日〜14日が存在した。
【0268】
非区画方法を用いる薬力学的分析を用いて、レボドーパ及びカルビドーパについての次のパラメーターを決定した:最後の時点までの用量投与からの曲線下の面積(AUCo-t)、無限までの用量投与についてのAUC(AUC0-∞)、最大濃度(Cmax)、最大濃度までの時間(tmax)及び最終半減期(t1/2)。
【0269】
個々の製剤についての平均レボドーパ及びカルビドーパ薬力学的パラメーターを、それぞれ表13及び14に列挙する。平均レボドーパ及びカルビドーパ血漿濃度時間プロフィールを、それぞれ図7A及び7Bに示す。胃保持性製剤は、早い放出性の比較体製剤に比較して、レボドーパについて低められたCmax及び延長されたtmaxを有する典型的な延長された放出プロフィールを示した。特に、結果は、LC4SLが、SINEMET(商標)CRのジェネリック(Mylan)バージョンについての約7時間に比較して、約9時間に、300ng/mlの効果的閾値を、レボドーパ血液レベルが越えるメジアン時点を延長したことを示す。研究におけるメジアンピークレボドーパ血液レベルまでの時間は、比較体についての2.8時間に比較して、約4時間に延長された。さらに、個々の対象についてのAUCinfの比率として計算される、比較体製剤に対する単層4時間放出製剤についてのレボドーパの生物利用能は、96±12%である。この値は、二層6時間放出製剤については、75±24%である。
【0270】
【表13】

【0271】
【表14】

【0272】
例8インビトロ−インビボ薬物放出相互関係
錠剤マトリックスの腐食は、本明細書に記載される3種の製剤(LC4SL、LC6SL及びLC6BL)からの薬物放出についての機構であり、そして錠剤の周囲の流体環境の流体力学的条件(撹拌の程度)がこの腐食に影響を及ぼすので、溶解試験によりインビトロで決定される薬物放出を、種々の回転速度又は振動速度での次の3種の異なったUSP装置を用いて、種々の溶解媒体撹拌条件下で評価した:100及び150回転/分(rpm)でのUSP装置1(バスケット);100及び150rpmでのUSP装置2(櫂);及び10、20及び30サイクル/分(cpm)でのUSP装置3(往復シリンダー)。すべての場合、溶解媒体は、37±0.5℃の温度で維持される0.1Nの塩酸(HCl)である。薬物含有率についての対表示値の%(%LC)として表される、時間に対する累積薬物放出を、溶解媒体サンプリング時間の関数としてプロットする。
【0273】
インビボ薬物放出は、レボドーパ吸収が、それらの製剤において時間にわたって拡張する薬物放出に比較して、比較的早いので、インビボ吸収により表される。3種の製剤についてのレボドーパのインビボ吸収時間プロフィールを、Wagner-Nelson方法 (Malcom Rowland, Thomas N. Tozer (Eds.) "Estimation of Adsorption Kinetics from Plasma Concentration Data" in Clinical Pharmacokinetics, pp 480-483, Williams & Wilkins, 1995)を用いて、臨床学的薬力学的研究から得られた血漿濃度時間プロフィールから決定した。この方法に由来する時間にわたっての累積吸収の測定は、最終的に吸収される薬物の合計量の%であるので、これは、吸収される薬物の実際の量の表示として、比較体製剤(AUCinfの比率)に対する試験製剤の生物利用能により掛け算された。
【0274】
インビトロ薬物放出プロフィール及びインビボ吸収プロフィールが、個々の製剤についての時間の関数として一緒にプロットされる(それぞれ、図8A、B及びC)。上記図から見出され得るように、インビトロ放出は、所定の時間でインビボよりも高く、そしてより高い媒体撹拌程度に関して、高い。しかしながら、製剤の01及び03(それぞれ、LC4SL及びLC5BL)に関して、150rpmでのUSP装置1及び2、及び10cpmでのUSP装置3から得られるインビトロ放出プロフィールは、インビボ吸収プロフィールに比較して、非常に類似する傾斜を有する。
【0275】
これは、インビトロプロフィールが1時間までに右にシフトされ(図8D及び8E)、次にインビボ吸収プロフィールとほとんど同時に起こる場合、より明らかである。比較体製剤に関しては、これは、100及び200rpmでのUSP装置1及び2についての場合であり、そして150rpmプロフィールについて1時間の時間シフト、及び100rpmプロフィールについて0.5時間の時間シフトにより、より明白である。インビトロ及びインビボプロフィール間のそれらの時間シフトは、インビボ吸収プロフィールにおけるタイムラグであると思われる。
【0276】
例9延長された放出レボドーパの薬力学的シュミレーション
薬力学的シミュレーション分析を実施し、例7に記載されるフェーズI試験からのデータに基づかれる薬力学的値を予測した。フェーズI試験からのデータを用いて、ピーク及び投与後12時間でのレボドーパ血漿濃度、及び平均C12(投与の後12時間でのレボドーパの血漿濃度)に対する平均Cmaxの比、及びC12に対するCmaxの平均比を計算した。LC4SL製剤に関するC12に対するCmaxの比は、比較体のその約50%であることが表15から見出され得る。これは、同じ1日2度の投与レジメ下で定常状態での血漿濃度の変動は、同じ大きさで、比較体のそれよりも低い傾向を示す。
【0277】
【表15】

【0278】
平均血漿濃度プロフィールを、比較体及びLC4SL製剤についてゼロオーダー入力及びファーストオーダー排除を伴っての1−区画薬力学的モデルに適合せしめた。ゼロオーダー放出時間、分布の見掛け体積、及び排除定数を、固定されたパラメーターとして得、そして表16に示す。
【0279】
【表16】

【0280】
それらのパラメーター及び重複の方法(Gibaldi & Perrier, 1982, Pharmacokinetics, New York: Dekker)を用いて、1日当たり2度又は1日当たり3度の投与下での定常状態での平均、ピーク及びトラフ血漿濃度を、それらの製剤について予測し、そして表17に示す。
【0281】
【表17】

【0282】
同じ投与レジメ下で、シミュレーションは、1日当たり2度(12時間ごと)又は1日当たり3度の投与(8時間ごと)でのLC4SL投与形は、比較体に比較して、投与間隔にわたっての血漿濃度における変動は低く(172%対270%及び71%対164%)、Cmaxは低く、そしてCminは高く、従って比率は低く、そして振れもまた低い。しかしながら、1日当たり2度、投与されるLC6BL製剤が1日3度、投与される比較体に比較される場合、トラフ血漿濃度は、類似するピーク及び平均濃度及び変動にかかわらず、低いであろう(表17)。2種の理論的製剤をまた、シミュレートし、ここでゼロオーダー放出時間は、1日当たり2度、投与される場合LC4SL製剤について、8及び9時間まで延長され、そしてすべての他のパラメーターは同じである。これらの状態下で、LC4SL製剤は、1日当たり2度投与された比較体と比較して、比率と変動にわたり、トラフ濃度に対し低いピークを有した。8時間の理論的製剤についてのトラフ濃度は比較体のそれよりも幾分低く(16%)(311対370ng/ml)、そして9時間の理論的製剤のその濃度は高い(445ng/ml)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給モードで対象の胃腸管における胃保持のために十分なサイズに、流体の吸収に基づいて膨潤する少なくとも1つの親水性ポリマーから成るポリマーマトリックスに分散される、第1用量のレボドーパ及び第1用量のカルビドーパを含んで成る延長された放出部分を含んで成り、ここで前記レボドーパの第1用量及び前記カルビドーパの第1用量が約6〜約8時間、前記ポリマーマトリックスの腐食を通してその投与形から放出される、レボドーパ及びカルビドーパの延長された放出のための医薬経口投与形。
【請求項2】
前記第1用量のレボドーパ:前記第1用量のカルビドーパの比が10:1〜1:1である、請求項1記載の投与形。
【請求項3】
酸化防止剤をさらに含んで成る、請求項1又は2記載の投与形。
【請求項4】
前記ポリマーマトリックスが、少なくとも2種の親水性ポリマーの混合物から成る、請求項1〜3のいずれか1項記載の投与形。
【請求項5】
前記少なくとも1つの親水性ポリマーが、約300,000ドルトン〜約12,000,000ドルトンの分子量を有するポリ(酸化エチレン)である、請求項4記載の投与形。
【請求項6】
前記少なくとも1つの親水性ポリマーが、前記延長された放出部分の約5〜約70重量%の範囲の量で存在する、請求項4又は5記載の投与形。
【請求項7】
対象への投与形の投与に基づいて、その投与形は流体を吸収し、そして投与の後1時間以内、投与の前の投与形サイズの約110%〜170%のサイズに膨潤する、請求項1〜6のいずれか1項記載の投与形。
【請求項8】
約10%〜約40%のレボドーパが、インビトロ溶解試験において約1時間以内に放出される、請求項7記載の投与形。
【請求項9】
前記インビトロ溶解試験が、150rpmの回転速度を有するUSPタイプI溶解方法、150rpmの櫂速度を有するUSPタイプII溶解方法、又は10dpmの浸漬速度を有するUSPタイプIII 溶解方法である、請求項8記載の投与形。
【請求項10】
対象に投与される場合、その投与形が、
治療効率を少なくとも6〜10時間又は8〜12時間、維持するためのレボドーパの延長された血漿レベル;及び
約150ng/ml〜約3000ng/mlのレボドーパのためのCmax及び約150ng/ml〜約3000ng/mlのレボドーパのためのCminを含んで成る、対象における血漿プロフィールを生成する、請求項7記載の投与形。
【請求項11】
対象に投与される場合、その投与形が、
治療効率を少なくとも6〜10時間又は8〜12時間、維持するためのレボドーパの延長された血漿レベル;及び
約300ng/ml〜約1500ng/mlのレボドーパのためのCmax及び約300ng/ml〜約1500ng/mlのレボドーパのためのCminを含んで成る、対象における血漿プロフィールを生成する、請求項7記載の投与形。
【請求項12】
Cminに対するCmaxの比が約4以下か又は約4に等しい、請求項11記載の投与形。
【請求項13】
第2用量のレボドーパ及び第2用量のカルビドーパを含んで成る即時放出部分をさらに含んで成り、前記第2用量の両者が前記即時放出部分に分散され、前記即時放出部分が前記延長された放出部分と接触して存在する、請求項7記載の投与形。
【請求項14】
前記第2用量のレボドーパ:前記第2用量のカルビドーパの比が10:1〜1:1である、請求項13記載の投与形。
【請求項15】
前記投与形が二層錠剤であり、ここで前記即時放出部分が即時放出層であり、そして前記延長された放出部分が延長された放出層である、請求項13記載の投与形。
【請求項16】
対象に投与される場合、その投与形が、
約2時間以内に達成される早い開始血漿レベル:
続いて、治療効率を少なくとも6〜10時間又は8〜12時間、維持するためのカルビドーパの延長された血漿レベル;及び
治療効率を少なくとも6〜10時間又は8〜12時間、維持するためのmgレボドーパ当たり約300ng/ml〜約1500ng/mlのレボドーパのためのCmaxを含んで成る、ヒト患者における血漿プロフィールを生成する、請求項13記載の投与形。
【請求項17】
Cminに対するCmaxの比が約5以下か又は約5に等しい、請求項16記載の投与形。
【請求項18】
運動障害を有する対象を処理するための、請求項1〜17のいずれか1項記載の投与形。
【請求項19】
前記運動障害が、パーキンソン病、ハンティントン舞踏病、残留弱視、アンゲルマン症候群、進行性核上性麻痺、ウィルソン病、トゥーレット症状群、癲癇及びジスキネジアから成る群から選択される、請求項18記載の投与形。
【請求項20】
前記投与形が食事により24時間で2度、経口投与される、請求項18又は19記載の投与形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【公表番号】特表2012−500221(P2012−500221A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523207(P2011−523207)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/053937
【国際公開番号】WO2010/019915
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(502202937)ディポメド,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】