説明

CO2の完全な捕捉を伴って水素を製造し、未転化メタンを再循環させる方法

【課題】製造終了時に存在する不純物、特にメタンを捕捉し、かつ、エネルギー損失なしでそれらを水蒸気改質工程に再循環させ得る水素製造方法を提案する。
【解決手段】水蒸気の存在下に炭化水素供給材料を水蒸気改質するための装置において合成ガスを製造する工程であって、燃料が、反応に必要な熱を提供する、工程と、先行工程において得られた合成ガスを水蒸気転化し、メタンおよび二酸化炭素を含有する水素の流れを生じさせる工程と、水蒸気転化工程から得られた流れの中に存在する二酸化炭素を捕捉して、水素の流れから二酸化炭素を分離する工程と、水素の流れの中に存在するメタンおよび他の不純物(CO、CO)を捕捉し、これを水蒸気改質工程に再循環させる工程とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造の分野に関し、より特定的には、COの完全な捕捉を伴って水素を製造し、未転化メタンを再循環させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際科学界により工業時代以来観察された地球温暖化は、地球の多くの領域の気候および生態系を劇的に改変し得る。温室効果ガスの放出、特に二酸化炭素(CO)が、この温暖化の原因であるように思われる。
【0003】
化石燃料(天然ガス、石油、石炭)は、地球上の即時利用可能な燃料の大部分を構成する。しかしながら、そのような化石燃料は、用いられた場合、COを生じさせ(一般的には、燃焼工程の間)、それ故に、地球温暖化に寄与する。
【0004】
温室効果ガス放出による地球温暖化と闘う一つの推奨解決策は、生じたCOを捕捉し、次いで、それを地下に貯蔵することである。化石燃料を水素に転化し、同時に生じたCOの捕捉および貯蔵することからなる予備燃焼による捕捉を含めて、多くの可能性が調査された。水素(エネルギー担体(energy vector))は、温室効果ガスを排出することなく自由に燃やされ得る。
【0005】
現在、化石燃料から水素を工業スケールで製造するために複数の方法がある。最も一般的な方法は、炉において行われる水蒸気改質天然ガス(SMR:steam methane reforming)であり、これは、その組成物の高いメタン含有量のために高い水素/炭素比を有する供給材料を用いるという利点を有している。簡易化した方法で、接触SMR反応は、以下のように記述され得る:
【0006】
【化1】

【0007】
この高い吸熱反応は平衡化される。高温によって有利とされ、一般的には、天然ガス等の燃料によって加熱された炉において行われる。従来、SMR装置の次には、水蒸気転化の工程(WGS:water gas shift)が行われ、これは、以下の反応によって水素製造を最大にし得る。
【0008】
【化2】

【0009】
貯蔵のためにCOが捕捉されるべき時には、水素リッチな流れからCOを抽出することになるアミン洗浄装置(例えば、活性化MDEA)を用いることが可能であり、水素リッチな流れは、次いで、例えば、発電のためにガスタービンに送られる一方で、COは、圧縮されて地下に送られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
当該タイプの方法ではCOを捕捉する目的は全く達成されない。水素中に依然として存在するメタン、COおよびCOの存在に起因してタービンの出口にCOが依然として残るだけでなく、それがタービンに直接的に送られるためにより多くの天然ガスが入口において必要とされるからである。さらに、水蒸気改質が行われる炉は、天然ガスを用い、それ故に、多量のCOを排出する。COの隔離比はそれ故に低い。
【0011】
当該技術に対する一つの改善は、不純物吸着のために圧力変調モレキュラーシーブを用いる吸着装置を加えることからなる(PSA)。2つの流れが現在得られている:99.99%の高純度水素流れおよび少なくとも20%の水素を含有する不純物の流れである。この低圧力の流れは、水蒸気改質炉のためのバーナーに送られ、これにより、炉に必要な天然ガスの量が低減させられ、それ故に、COが生成する。しかしながら、COの隔離比は低いままである。若干の不純物が炉の煙霧中にCOの形態で出ることになり、さらに、より多くの水素が製造される必要があり、それ故に、より多くの天然ガスが、水蒸気改質供給材料用に用いられなければならないからである。
【0012】
それ故に、本発明の目的は、製造終了時に存在する不純物、特にメタンを捕捉し、かつ、エネルギー損失なしでそれらを水蒸気改質工程に再循環させ得る水素製造方法を提案することによって従来技術の不利益点の1以上を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため、本発明は、炭化水素供給材料および水蒸気から水素を製造する方法であって、
・水蒸気の存在下、炭化水素供給材料を水蒸気改質するための装置において合成ガスを製造する工程であって、燃料が反応に必要な熱を提供する、工程と、
・先行工程において得られた合成ガスを水蒸気転化する工程であって、メタンおよび二酸化炭素を含有する水素の流れを製造する、工程と、
・水蒸気転化工程から得られた流れ中に存在する二酸化炭素を捕捉して、水素の流れから二酸化炭素を分離する工程と、
水素流れ中に存在するメタンおよび他の不純物を捕捉しかつこれを水蒸気改質工程に再循環させる工程と
を包含する方法を提案する。
【0014】
本発明の一つの実施によると、炭化水素供給材料は天然ガスである。
【0015】
本発明の水素製造方法において、不純物の捕捉・再循環の工程は、少なくとも2つの吸着器(adsorber)を含む吸着装置において行われ、少なくとも以下の段階を連続して含む:
・第1の吸着装置上での不純物の吸着;
・第1の吸着装置の再生および第2の吸着装置上での不純物の吸着。
【0016】
本発明の一つの実施形態によると、吸着器の再生段階は、以下のようにして行われる:
・飽和した時に吸着器を分離し、かつ、第2の吸着器を作動状態にする;
・第1の吸着器に、炭化水素供給材料の流れであって、水蒸気改質装置のための供給材料として働かせることを目的とし、水蒸気(これも水蒸気改質装置を目的とする)との交換によって水蒸気の凝結温度より少なくとも20℃高い温度まで加熱された、ものを流す;
・水蒸気改質装置を目的として少なくとも20℃過熱された水蒸気を流通させることによって加熱された吸着器を再生し、不純物を脱着させる;
・吸着器に高純度の熱水素の流れを流すことによって再生された吸着器中に存在する水蒸気を除去する;
水蒸気を含まない吸着器に高純度の冷水素の流れを流す。
【0017】
本発明の一つの実施において、不純物を吸着させる工程は、20〜100℃の範囲の温度で行われる。
【0018】
本発明の一つの実施において、吸着工程は、活性炭または炭素(carbon)モレキュラーシーブタイプの吸着剤により行われる。
【0019】
本発明の一つの実施によると、吸着工程は、物理的水蒸気活性化によって調製された木炭(charcoal)により行われる。
【0020】
本発明の一つの実施によると、吸着工程は、2nm未満の径を有するミクロ孔、50nm超の径を有するマクロ孔およびより少ない量の2〜50nmの径を有するメソ孔を含有する活性炭により行われる。
【0021】
本発明の水素製造方法において、吸着された不純物は、メタン、二酸化炭素および一酸化炭素である。
【0022】
本発明の一つの実施によると、再生された吸着器に流した後に得られた水蒸気で飽和した熱水素の流れの一部は、改質装置用のバーナーに送られ、流れの他の部分は、希釈水蒸気との混合物として発電のためにガスタービンに送られる。
【0023】
本発明の一つの実施によると、再生された吸着器に流した後に得られた冷水素の流れの一部は、外部装置に送られる一方で、水素の残りは、熱洗流(flushing)のために用いられ、次いで、改質装置のバーナーに送られる。
【0024】
本発明の一つの実施によると、吸着器冷却段階後に得られた加熱された水素の流れは、水蒸気との交換によって再加熱され、吸着器中に存在する水蒸気を除去する段階において用いられる。
【0025】
本発明の一つの実施によると、合成ガス製造工程は、2.5〜3.5MPaの範囲の圧力で行われる。
【0026】
本発明の一つの実施によると、二酸化炭素の捕捉工程は、メチルジエチルアミンおよび少なくとも1種の他のアミンを用いるアミン装置において行われる。
【0027】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされ、かつ例として与えられた以下の記載からより良好に理解され、かつ、より明らかにされることになる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、炭化水素供給材料および水蒸気から水素を製造する方法であって、
・水蒸気の存在下に炭化水素供給材料を水蒸気改質するための装置において合成ガスを製造する工程であって、燃料が、反応に必要な熱を提供する、工程と、
・先行工程において得られた合成ガスを水蒸気転化し、メタンおよび二酸化炭素を含有する水素の流れを生じさせる工程と、
・水蒸気転化工程から得られた流れの中に存在する二酸化炭素を捕捉して、水素の流れから二酸化炭素を分離する工程と、
・水素の流れの中に存在するメタンおよび他の不純物(CO、CO)を捕捉し、これを水蒸気改質工程に再循環させる工程と
を包含する方法であり、これにより、製造終了時に存在する不純物、特にメタンを捕捉し、かつ、エネルギー損失なしでそれらを水蒸気改質工程に再循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、従来技術の水素製造方法についての従来のフローチャートを示す。
【図2】図2は、従来技術の水素製造方法についての従来のフローチャートの変形例を示す。
【図3】図3は、本発明の水素製造フローチャートの変形例を示す
【図4】図4は、本発明の水素製造フローチャートの吸着装置の詳細を示す。
【図5】図5は、本発明の水素製造フローチャートのための吸着装置の一部の詳細を示す。
【図6】図6は、吸着装置用の吸着器のための弁調整の配列を示す。
【図7】図7は、本発明の水素製造フローチャートの段階を示す。
【図8】図8は、本発明の水素製造フローチャートの別の段階を示す。
【図9】図9は、本発明の水素製造フローチャートの別の段階を示す。
【図10】図10は、本発明の水素製造フローチャートの別の段階を示す。
【図11】図11は、本発明の水素製造フローチャートの別の段階を示す。
【図12】図12は、本発明による(水蒸気と混合されていない)高純度水素を製造するためのフローチャートの変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1、2および3において見られ得るように、水素を製造する方法の間、ライン(1)中を移動する天然ガスの流れおよびライン(2)中を移動する水蒸気の流れは、供給材料として水蒸気改質装置(11)に送られる。反応に必要な熱は、燃料、例えば、天然ガスの流れによって作られ、ライン(10)を介して水蒸気改質炉に送られる。この反応は、炉出口(110)において炭酸性(carbonic)のガスを含有する煙霧の流れを生じさせる。水蒸気改質反応によって得られたライン(30)中を移動する合成ガスの流れは、主に、水素(H)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)並びに反応が平衡化されているので水蒸気(HO)および少量の未反応メタン(CH)を含有し、また、900℃の温度において、約4%の未反応メタンが残る。この合成ガスの流れは、ライン(30)を介して水蒸気転化装置(12)に送られる。この装置において、大抵の一酸化炭素は、水蒸気を用いて二酸化炭素に転化され、同時に、もう少しの水素を遊離させる。この反応も平衡化され、終了時に、少量の一酸化炭素が残る(高い転化率条件下に0.5%)。転化装置(12)からの出口において、ライン(40)中を移動する得られた転化流れは、本質的に、水素および二酸化炭素を含有する。ライン(40)中を移動するこの流れも、少量のメタンおよび一酸化炭素を含有し、水蒸気の残りは、水蒸気改質反応器の後ろで凝結させられる。
【0031】
転化流れは、次いで、CO捕捉装置(13)に送られる。CO捕捉装置(13)は、アミン装置であってよい;メチルジエチルアミン(MDEA)を少なくとも1種の他のアミンと組み合わせて用いるアミン装置が特に適している。当業者に周知である他のCO捕捉装置を用いることが可能である。
【0032】
COの本質的な部分は分離され、再注入の場所、例えば、排気領域または適切な地層への後の輸送のためにライン(50)を介して圧縮・乾燥装置に送られる。
【0033】
水素リッチなガスは、別のライン(60)を介して排出される。このガスは、少量のメタン、一酸化炭素および少量の捕捉されなかった二酸化炭素(約0.5%)を含む。
【0034】
本発明の方法では、この水素リッチなガスは、活性炭吸着装置(15)に向けられるが、これは、モレキュラーシーブ(14)上で圧力調節(PSA法)により不純物を吸着する装置の方に向けられる従来技術とは対照的である。この従来技術の場合99.99%の高純度の水素が、ライン(70)を介して排出れる一方で、約20%の水素が、不純物の全てと共にパージ(8)に送られる(図2)。
【0035】
本発明の方法において用いられる吸着装置(15)(それ故に、例えば、活性炭または下記実施例において記載される任意の他の固体吸着剤上で操作され得る)において、ライン(2)を介して供給された水蒸気を用いて高圧力で再生が行われる。この水蒸気は、次いで、ライン(90)を介して供給される水蒸気改質装置のための供給材料として用いられる。不純物(CH、CO、CO)は、それ故に、水蒸気改質反応器に再循環させられる。水蒸気改質炉によってCOを放出させないために、ライン(70)を介して出る生じた水素の一部は、水蒸気改質装置において用いられる。ライン(70)からの水素の一部は、それ故に、水蒸気改質装置のためにライン(10)を介してバーナーに送られ、その結果、ライン(110)を介して出る煙霧は、COを含有していない。水素の残りは、ライン(80)を介してガスタービン(16)に送られ、ライン(17)を介して到着する希釈水蒸気と混合される。この構成において、CO隔離比は、100%近くであり得る。
【0036】
本発明において用いられる吸着装置(15)は、容量器(capacity)とも称される複数の吸着器(151)〜(155)によって構成される。操作態様は、図4において、5つの吸着器を有する構成で例証されるが、この構成は、制限的ではない。この吸着装置は、次のパージおよび加圧段階に必要な供給材料メタンをライン(1)を介して供給される。本発明の範囲を逸脱することなく種々の数、例えば5〜10個の容量器が明らかに可能であるが、本発明者らは自ら、本発明をより単純に説明するために5に制限した。
【0037】
吸着装置(15)における吸着サイクルは、複数の段階によって構成される。5つの容量器(151)〜(155)は吸着剤により充填される。ライン(60)を介して到着する精製されるべき水素リッチなガスの流れは、第1の容量器(151)に20〜100℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲、より好ましくは30〜70℃の範囲の温度で送られる。この流れ中に含まれるメタン、COおよびCOは、吸着剤上で捕捉され、精製された水素は、ライン(61)を介して出る。ライン(61)中を移動する水素は、次いで、第5の容量器(155)に送られて、それは、20〜100℃の範囲である操作温度に冷却される。加熱された水素は、ライン(62)を介して第5の容量器を出、熱交換器(21)に送られ、ライン(17)を介して到着する希釈水蒸気との交換によってさらに加熱される。熱水素は、ライン(63)を介して操作圧力における水蒸気の凝結温度より少なくとも20℃高い温度で熱交換器(21)を出る。ライン(63)を介して第4の容量器(154)に供給される熱水素は、再生工程後に容量器中に残っている水蒸気を排出し得る。この水蒸気の一部は、水素との混合物として水蒸気改質バーナーのバーナーにライン(10)を介して送られ、一部は、ライン(80)を介してガスタービン(16)に送られる。図12において例証される変形例において、ライン(62)中を移動する水素の一部は、容量器(155)からの出口において取り出され、冷却水または空気を用いる熱交換器(23)によって冷却され、圧縮機(24)によって圧縮される。それ故に、高純度水素の流れは、例えば、外部消費者の外部装置にライン(15)を介して送られる。ライン(62)からの水素の残りは、交換器(21)によって加熱された後に、容量器(154)に流され、ライン(70)を介してこの容量器を出、次いで、希釈水蒸気(17)と混合され、交換器(21)によって冷却され、ライン(10)を介して燃料として水蒸気改質炉に送られる。
【0038】
第3の容量器(153)は、ライン(2)を介して供給された水蒸気を流される。メタンおよびCOにより満たされた水蒸気は、第3の容量器(153)からライン(91)を介して排出され、第2の熱交換器(20)においてライン(1)を介して到着する天然ガスとの交換によってわずかに冷却され、次いで、第2の容量器(152)から来る天然ガスと混合され、次いで、ライン(90)を介して水蒸気改質装置に送られる。
【0039】
第2の容量器(152)は、最初に、天然ガスの圧力(これは、約3.5MPaである)にされ、次いで、ライン(91)を介して供給された水蒸気との交換によって予備加熱した後にライン(1)を介して到着する熱天然ガス(250〜350℃)を流すことによって徐々に加熱される。
【0040】
図5は、容量器または吸着器の一つ、例えば、第1のもの(151)を示し、これは、活性炭であり得る吸着剤物質を含んでいる。精製されるべき水素、天然ガス、水蒸気、高純度の熱水素および高純度の冷水素をそれぞれ供給するライン(60)、(1)、(2)、(63)および(61)は、弁により容量器に接続され、これは、回路のそれぞれは分離され得ることを意味する。それぞれ、高純度の冷水素、メタンを水蒸気改質装置に、水蒸気を水蒸気改質装置に、水蒸気で飽和した高純度水素および高純度の水素を排出する、ライン(61)、(90)、(91)、(70)および(62)はまた、隔離弁を有する容量器に接続される。
【0041】
この図では単純化のため、本発明者らは、容量器の頂部において入来流れの全ての入口を示し、全ての出口は底部にあるが、これは、単なる一つの可能性であり、本発明の範囲から逸脱することなく任意の他の構成が可能である。
【0042】
図6は、5つの容量器または吸着器(151、152、153、154および155)の平行な配列を示し、これは、装置は、連続的に操作され得ることを意味する。この場合にも、本発明の範囲から逸脱することなく種々の数の容量器が明らかに可能であるが、本発明者らは自ら、本発明をより単純に説明し得るように5つに制限した。
【0043】
図7は、吸着サイクルの操作の第1段階を示す。固体弁(黒)は閉じられ、他は開いている。第1の容量器(151)は、ライン(60)を介して低温の純粋でない水素を受け、種々の不純物を吸着剤上に保有し、高純度の水素はライン(61)を出る。第2の容量器(152)は、丁度回路から取り出され、再生が開始されている。第1に、ライン(1)を介して到着する熱メタンを用いて加圧が行われ、次いで、吸着剤は、メタンによって、250〜350℃の範囲の温度に加熱され、その結果、その時に再生のために用いられる水蒸気が外で凝結するだろう危険性はない(水の蒸気張力は約225℃において2.5MPa、約245℃において3.5MPa)。吸着剤を出るメタンは、ライン(90)を介して水蒸気改質装置に送られる。
【0044】
この第1の段階の間、第3の容量器(153)が再生されるべきである。ライン(2)を介して過熱水蒸気が供給され、吸着剤上に存在するメタン、COおよびCOを脱着させ得る。水蒸気、メタンおよび不純物の混合物は、ライン(91)を介して水蒸気改質装置に送られ、第2の容量器(152)からのメタンと混合されることになる。
【0045】
第4の容量器(154)は、ライン(63)を介して供給され、ライン(70)を介して戻される高純度の熱水素の移動によって水蒸気をパージされるべきである。第5の容量器(155)は、ライン(61)を介して供給される高純度の冷水素によって冷却されるべきである;高純度の水素は、ライン(62)を介して戻される。
【0046】
図8は、以下の段階を示す:第1の容量器(151)は、加圧モードおよび加熱モードに移行し、第2の容量器は再生されるべきであり、第3の容量器(153)はパージされるべきであり、第4の容量器(154)は冷却されるべきであり、第5の容量器(155)は精製されるべき水素のために作動中である。
【0047】
図9は、操作の第3の段階を示す:第1の容量器(151)は、水蒸気流通モードに変わり、第2の容量器(152)はパージされているところであり、第3の容量器(153)は冷却されているところであり、第4の容量器(154)は、水素精製モード中であり、第5の容量器(155)は、メタンによって加熱されているところである。
【0048】
図10は、第4の操作段階を示す:第1の容量器(151)は、パージモードに移行し、第2の容量器(152)は冷却されているところであり、第3の容量器(153)は水素精製モード中であり、第4の容量器(154)はメタンによって加熱されているところであり、第5の容量器(155)は、水蒸気流通モードに移行する。
【0049】
図11は、第5の操作段階を示す:第1の容量器(151)は冷却されているところであり、第2の容量器(152)は水素精製モード中であり、第3の容量器(153)はメタンによって加熱されているところであり、第4の容量器(154)は水蒸気流通モードに移行し、第5の容量器(155)は、パージモードに移行する。
【0050】
サイクルは終わり、次の段階は、第1の段階と同様である。
【0051】
プロセスの間の操作条件および種々の流れの組成は、下記表1に、例えば3.3MPaでの水蒸気改質操作の場合において要約される。
【0052】
【表1】

【0053】
本発明の方法は、それ故に、(アミン洗浄を出る)水素リッチな流れの中に存在する不純物(CH、CO、CO)を捕捉し、かつ、それらを圧力下に水蒸気改質供給材料と共に戻すために用いられ得る。この方法は、以下のように要約され得る。
【0054】
この方法(周期的である)は、複数の容量器を用い、連続する以下の工程を少なくとも含む:
・工程1:水素リッチな流れ中のメタン、COおよびCOの吸着剤上への吸着。この工程は、20〜100℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲、非常に好ましくは30〜70℃の範囲の低温で行われる。高純度の水素はこの工程を出る。吸着剤は、例えば、活性炭であり得る。一旦、吸着剤が飽和近くになると、容量器は、回路から分離され、別の容量器が作動状態にする;
・工程2:先行の工程において分離された容量器中の圧力は、次いで、増加させられ、それは、装置の終了時に圧力下に利用可能なプロセス供給原料(天然ガス)により加熱され、徐々に、水蒸気改質装置において約150℃に予備加熱される。天然ガスは、水蒸気との交換によって約300℃に加熱された後、吸着剤床に送られる。容量器中の熱天然ガスの移動は、吸着剤の床および壁を操作圧力における水蒸気凝結温度より少なくとも20℃高い温度に(3.5MPaにおいて255℃)再加熱し、これにより、次の工程の間の凝結のあらゆる危険性が回避される;
・工程3:再加熱された容量器のための吸着剤は、次いで、水蒸気改質入口において用いられた水蒸気を流通させることによって再生される。水蒸気は、不純物(主としてCH)が吸着剤から脱着させられることを可能にし、それらを水蒸気改質反応器に送る。容量器を出る水蒸気は、交換器に送られ、予備加熱を目的として天然ガスを加熱させる;
・工程4:容量器は、次いで、分離され、次いで、容量器中に依然として存在する水蒸気を除くために高純度の熱水素を流される。熱水蒸気−飽和水素の一部は、次いで、水蒸気改質炉のためのバーナーに送られ、残りは、希釈水蒸気との混合物として、ガスタービンに送られる。現行のタービンは、高純度水素により機能し得ないが、当業者は、50%の水素および水蒸気の混合物によりそれが機能することを可能にするように少し適応させることができるだろう;
・工程5:容量器は、高純度の冷水素を流すことによって冷却される。容量器出口において加熱された水素は、希釈水蒸気との交換によってさらに加熱された後、工程4に送られる。
【0055】
この方法は、プロセスの圧力がわずかにのみ変動する点で、従来技術において用いられるPSA(pressure swing adsorption)法から区別される(圧力変動の大きさは、水素製造ラインの全圧の降下にのみ対応する:例えば、圧力は、3.1と3.7MPaとの間で変わる、すなわち、たったの0.6MPaの圧力差)。脱着は、全圧を低減させることによって行われるのではなく、水蒸気を流すことによって行われ、これは、二重の効果:熱脱着およびCHの分圧の低減を有する。
【0056】
それ故に、本発明は、以下の利点を有する:
・それは、ほとんど全てのCOを捕捉することができる;
・それは、圧縮器なしで、圧力下にメタンを水蒸気改質装置への入口に再循環させることができ、それ故に、エネルギーの喪失を伴わない;
・それは、上流のアミン洗浄装置において捕捉されるべきCOの量に関する規制上の制約を緩めることができ、それ故に、関連したエネルギー消費量を低減させ得る。
【0057】
以下の実施例は、本発明を例証する。
【0058】
(実施例1:本発明に合致する)
脱酸性化装置(MDEA)を出る水素リッチなガスの流れ(5300kmol/h)が、2.6MPaの圧力および57℃の温度で処理され、特にメタンが、これを水蒸気改質装置(SMR)に再循環させるために抽出された。
【0059】
このガスのモル組成は以下の通りである:
・H: 92.9%
・CH: 5.4%
・CO: 1.0%
・CO: 0.1%
・HO: 0.6%
それは、メタンの大部分をこのガスから捕捉することを目的としており、このガスは、約4600kg/hのマスフロー速度を示していた。
【0060】
3.5mmの平均径を有する押出物状に成形された活性炭が用いられた。ミクロ孔容積(77Kでの窒素吸着によって測定される)は、0.505cm/g、メソ孔容積は0.129cm/gであり、マクロ孔容積(水銀ポロシメトリによって測定される)は、0.394cm/gであった。そのBET比表面積は1263m/gであった。
【0061】
この活性炭によるメタンの吸着容量は、57℃での0.143MPaの分圧について、1.1重量%であった。
【0062】
メタンを除去するために、以下の特徴を有する吸着器が用いられた:内径3.9mおよび床全高14.2m。用いられた活性炭の量は70tであった。精製されるべき水素の表面速度は1.5m/分であった。吸着サイクル時間は10分であった。
【0063】
吸着器の床は、以下の配列を用いて再生された:
・水蒸気改質装置のための供給材料として作用する天然ガスを用いた3分にわたる2.6MPaから3.5MPaへの吸着器の加圧;
・過熱水蒸気を用いた先行段階の向流脱着;入口温度は380℃であり、圧力は3.5MPaである。用いられた水蒸気の流量は50t/hであり、7分間にわたる、表面速度は4.3m/分であった;
・3分にわたる2.6MPaへの吸着器の脱圧;工程1の間に得られた精製水素を用いた、吸着器中に依然として存在する過熱水蒸気の排気、7t/hの流量であり、7分間にわたる。
【0064】
これらの条件下に、メタンの95%は水素の流れから除去された。このメタンは、それ故に、圧縮器なしで水蒸気改質装置に直接的に再循環させられ得、それ故に、エネルギーの喪失を伴わなかった。メタンの再循環は、用いられる量の節約に寄与する。
【0065】
(実施例2:本発明に合致する)
複合サイクル(ガスタービン+水蒸気の生成を伴うタービン出口における熱の回収および水蒸気タービン)を用いて400MWの電気が生じさせられるべきであった。
【0066】
天然ガスは、7MPaおよび40℃で提供され、以下のモル組成を有していた:
・CH: 91%
・C: 6%
・C: 1%
・CO: 2%
水蒸気改質、水蒸気転化および活性化MDEA吸着の後、生じたガスは、2.6MPa、57℃であり、以下のモル組成を有していた:
・H: 92.9%
・CH: 5.4%
・CO: 1%
・CO: 0.1%
・HO: 0.6%
それは、5℃過熱され、その結果、それは、もはや飽和しなくなり、吸着剤上の水のあらゆる凝結が回避された。
【0067】
タービンに要求される高純度の水素の流量は、284700Nm/hであった。
【0068】
水蒸気改質炉に要求される高純度の水素の流量は256350Nm/hであった。
【0069】
分離入口における水素の流量は、557280Nm/hであった。
【0070】
天然ガスの流量は166387Nm/hであった。
【0071】
水蒸気改質(3.6MPa,380℃)のための水蒸気の流量は476314Nm/hであった。
【0072】
希釈水蒸気の流量は284700Nm/hであった。
【0073】
工程1:
この工程の間、脱酸性装置(MDEA)を出る水素が、特にCHの吸着によって精製された。
【0074】
圧力は、1〜10MPaの範囲、好ましくは2〜8MPaの範囲、非常に好ましくは1.5〜4MPaの範囲であり、温度は、20〜100℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲であった。
【0075】
ガスの流量は、0.5〜20m/分の範囲、好ましくは1〜10m/分の範囲であった。
【0076】
吸着段階の期間は、1〜60分の範囲、好ましくは1〜30分の範囲、好ましくは1〜15分の範囲であった。
【0077】
工程2:
この工程の間、吸着器、特に精製されるべき水素を含んでいるものは天然ガスを用いて加圧された。圧力変化は、精製されるべき水素の圧力と、利用可能であって過熱水蒸気の圧力との間の変化であった。
【0078】
圧力は、0.05〜2MPa/分の範囲、好ましくは0.1〜1MPa/分の範囲、より好ましくは0.2〜0.5MPa/分の範囲の速さで増加させられた。
【0079】
温度は、20〜400℃の範囲、好ましくは50〜300℃の範囲であった。
【0080】
工程3:
この工程の間、吸着された化合物の脱着が行われ、特に、CHの脱着が過熱水蒸気を用いて行われた。
【0081】
圧力は、1〜10MPaの範囲、好ましくは2〜8MPaの範囲、非常に好ましくは1.5〜4MPaの範囲であり、温度は、20〜400℃の範囲、より好ましくは50〜300℃の範囲であった。
【0082】
ガス流量は、0.5〜20m/分の範囲、好ましくは1〜10m/分の範囲であった。
【0083】
脱着段階の期間は、1〜180分の範囲、好ましくは1〜30分の範囲、より好ましくは1〜15分の範囲であった。
【0084】
脱着段階の期間は、吸着器出口における水蒸気の温度が考慮される圧力における水蒸気の露点より5℃超高くなるように選択され得る。この方法で開始することは、吸着剤のメソ細孔における水の凝結の危険性が大きく制限されることを意味する。
【0085】
工程4:
この工程の間、脱着工程3の終了時において吸着器中に依然として含まれる残留水蒸気のパージが行われた。
【0086】
圧力は、1〜10MPaの範囲、好ましくは2〜8MPaの範囲であり、温度は、20〜400℃の範囲、好ましくは50〜300℃の範囲であった。
【0087】
ガスの流量は、0.5〜20m/分の範囲、好ましくは1〜10m/分の範囲であった。
【0088】
このパージ段階の継続期間は、1〜180分の範囲、好ましくは1〜30分の範囲、好ましくは1〜15分の範囲であった。
【0089】
このパージ段階の継続期間は、吸着器に、例えば吸着器の1〜100容積の範囲、好ましくは吸着器の2〜50容積の範囲の容積のガスを流すように選択され得る。
【0090】
この工程において用いられるガスは、例えば、工程5または工程1の間に生じた精製水素の全部または一部であり得る。
【0091】
工程5:
この工程の間に、工程4において残留過熱水蒸気を丁度パージされた吸着器が冷却された。
【0092】
圧力は、1〜10MPaの範囲、好ましくは2〜8MPaの範囲であり、温度は、20〜200℃の範囲、好ましくは50〜100℃の範囲であった。
【0093】
ガスの流量は、0.5〜20m/分の範囲、好ましくは1〜10m/分の範囲であった。
【0094】
吸着剤冷却段階の継続期間は、1〜180分の範囲、好ましくは1〜30分の範囲、より好ましくは1〜15分の範囲であった。
【0095】
この工程において用いられたガスは、例えば、工程1の間に生じた精製水素の全部または一部であり得る。
【0096】
吸着剤固体:
本発明によると、水素中に存在し、固体上に吸着された不純物の脱着工程は、過熱水蒸気を用いて行われる。吸着剤固体は、過熱水蒸気の存在下に高温、典型的には、室温から350℃の範囲の温度に抵抗することができなければならない。本発明によると、吸着剤は、活性炭または炭素モレキュラーシーブタイプの吸着剤から選択される。
【0097】
選択され得る活性炭群からの好適な例は、例えば酸を用いた化学活性化よりもむしろ水蒸気を用いた物理活性化によって調製された活性炭である。活性化条件は、特に、一般的には600〜900℃である温度に関して本発明の条件下に遭遇されたものよりシビアである。
【0098】
好ましくは、典型的には2nm未満の径を有するミクロ細孔および50nm超の径を有するマクロ細孔および最も低い可能性の量のメソ細孔(2〜50nmの範囲の径)を本質的に含有する活性炭が選択される。これらの径は、例えば、当業者に周知であるBJH法(メソ細孔領域)を用いた77Kにおける窒素吸着等温線およびWashburnの法則を用いた水銀圧入曲線(メソ細孔領域)(これも当業者に周知である)を用いて計算され得る。
【0099】
このような選択についての理由は、吸着剤の床中に存在する水蒸気は特に工程3および4において結果として活性炭のメソ細孔における毛管凝縮の現象(特に、過熱水の温度が考慮される圧力における露点に実質的に落ちる場合)をもたらし得るという事実によって説明される。メソ細孔においてこの毛管凝縮現象を生じさせ得る水蒸気の相対的な圧力は、水に関するパラメータを用いたケルビンの式を用いて計算され得る。この点における参照は、例えば、S. J. GreggおよびK. S. W. Singによる著書(Adsorption, Surface Area and Porosity)およびJ. Rouquerolらによる著書(Adsorption by Powders and Porous Solids)に対してなされるべきである。
【0100】
本発明の関連において用いられた活性炭は、例えば0.5〜5nmの径を有する顆粒状または約0.5〜数mmの長さを有する押出物状、または数ミリメートルの特徴的寸法を有する粉砕材料状に成形される。
【0101】
活性炭のミクロ孔容積は、例えば0.05〜0.80cm/gの範囲である(これは、例えばt-plot法またはDubinin式またはその変形を用いた77Kでの窒素吸着によって測定される)。
【0102】
メソ孔容積は、好ましくは0.05〜0.30cm/gの範囲である(これは、ミクロ孔容積に低減させられた0.98〜0.99に近い相対圧力P/Pにおける77Kでの窒素吸着によって測定される)。
【0103】
マクロ孔容積は、好ましくは0.10〜0.50cm/gの範囲である(これは、水銀圧入によって測定される)。
【0104】
挙げられ得るこの基準を満足する活性炭の例は、Ceca/Arkemaからの活性炭AC35/3、およびPica Carbonからの活性炭PicaCarb E460-EおよびPicactif TA60またはTA90である。
【0105】
この例では、CO放出を伴わないでかつメタンの再循環を伴って400MWの電気が生じさせられた。
【0106】
本発明は上記に与えられた詳述に制限されてはならないことが当業者に明らかであるべきであり、本発明の適用領域を逸脱することなく多くの他の具体的な形態の実施を許容する。結果として、本発明の実施は、例示の目的であると考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲によって規定された範囲を決して逸脱することなく改変され得る。
【符号の説明】
【0107】
1 ライン
2 ライン
10 ライン
11 水蒸気改質装置
12 水蒸気転化装置
13 CO捕捉装置
15 活性炭吸着装置
16 ガスタービン
17 ライン
30 ライン
40 ライン
50 ライン
60 ライン
70 ライン
80 ライン
90 ライン
110 炉出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素供給材料および水蒸気から水素を製造する方法であって、
・水蒸気の存在下に炭化水素供給材料を水蒸気改質するための装置において合成ガスを製造する工程であって、燃料が反応に必要な熱を提供する、工程と、
・先行工程において得られた合成ガスを水蒸気転化し、メタンおよび二酸化炭素を含有する水素の流れを生じさせる工程と、
・該水蒸気転化工程から得られた流れ中に存在する二酸化炭素を捕捉し、水素の流れから二酸化炭素を分離する工程と、
・水素の流れの中に存在する不純物を捕捉し、これを該水蒸気改質工程に再循環させる工程と
を包含する方法
【請求項2】
炭化水素供給材料は天然ガスである、請求項1に記載の水素製造方法。
【請求項3】
不純物の捕捉・再循環工程は、少なくとも2つの吸着器を含む吸着装置において行われ、
・第1の吸着器上に不純物を吸着させる段階と、
・第1の吸着器を再生し、第2の吸着器上に不純物を吸着させる段階と
の連続段階の少なくとも1つを包含する、請求項1または2に記載の水素製造方法。
【請求項4】
吸着器再生段階は、
・飽和した時に吸着器を分離し、第2の吸着器を作動状態にすること;
・第1の吸着器に、炭化水素供給材料であって、水蒸気改質装置のための供給材料として作用させることを目的とし、同様に水蒸気改質装置を目的とした水蒸気との交換によって、水蒸気の凝結温度より少なくとも20℃高い温度に加熱された炭化水素供給材料の流れを流すこと;
・水蒸気改質装置を目的として少なくとも20℃過熱された水蒸気を流通させることによって、加熱された吸着器を再生し、不純物を脱着させること;
・吸着器に、高純度の熱水素の流れを流すことによって再生された吸着器中に存在する水蒸気を除去すること
・水蒸気を含有しない吸着器に、高純度の冷水素の流れを流すこと
により行われる、請求項3に記載の水素製造方法。
【請求項5】
不純物の吸着工程は、20〜100℃の範囲の温度で行われる、請求項3または4に記載の水素製造方法。
【請求項6】
前記吸着工程は、活性炭または炭素モレキュラーシーブタイプの吸着剤により行われる、請求項3〜5のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項7】
前記吸着工程は、物理的水蒸気活性化によって調製された木炭により行われる、請求項3〜6のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項8】
前記吸着工程は、2nm未満の径を有するミクロ孔、50nm超の径を有するマクロ孔およびより少量の2〜50nmの範囲の径を有するメソ孔を含有する活性炭により行われる、請求項3〜7のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項9】
吸着された不純物はメタン、二酸化炭素および一酸化炭素である、請求項3〜8のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項10】
再生された吸着器に流した後に得られた水蒸気で飽和した熱水素の流れの一部は、改質装置用のバーナーに送られ、該流れ他の部分は、希釈水蒸気との混合物として発電のためにガスタービンに送られる、請求項3〜9のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項11】
再生された吸着器に流した後に得られた冷水素の流れの一部は外部の装置に送られる一方で、該水素の残りは、熱洗流のために用いられ、次いで、改質装置のバーナーに送られる、請求項3〜9のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項12】
吸着器冷却段階の後に得られた加熱された水素の流れは、水蒸気との交換によって再加熱され、吸着器中に存在する水蒸気を除去する段階において用いられる、請求項3〜10のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項13】
合成ガス製造工程は、2.5〜3.5MPaの範囲の圧力で行われる、請求項1〜12のいずれか1つに記載の水素製造方法。
【請求項14】
二酸化炭素捕捉工程は、メチルジエチルアミンおよび少なくとも1種の他のアミンを用いるアミン装置において行われる、請求項1〜13のいずれか1つに記載の水素製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−83754(P2010−83754A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224062(P2009−224062)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】