説明

DC−DCコンバータの制御回路

【課題】2つの入力端子及び出力端子を有するDC−DCコンバータの制御が可能で且つ動作モード切替時の出力ノイズを抑制することが可能な制御回路を提供する。
【解決手段】第1の制御信号生成部110は、出力端子OUT2の電圧に基づく信号VO2FBと基準信号BUCK_REFとの誤差を増幅した第1の誤差増幅信号と、入力端子IN1から出力端子OUT1に流れる電流に基づく信号IO1FBまたは入力端子IN1から出力端子OUT2に流れる電流に基づく信号IO2FBと基準信号IlimREFとの誤差を増幅した第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号に基づいて第1の制御信号DTY_BUCKを生成する。第2制御信号生成部120は、出力端子OUT1の電圧に基づく信号VO1FBと基準信号BST_REFとの誤差を増幅した第3の誤差増幅信号に基づいて第2の制御信号DTY_BSTを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDC−DCコンバータの制御回路に関し、特に詳細には、2つの入力端子と2つの出力端子を有するDC−DCコンバータの制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータはその目的や用途に応じて種々の形態を採る。
【0003】
近年、機器の多様化に伴い、外部電圧供給源と内部バッテリーの2つの入力からシステムへの電力供給を行うDC−DCコンバータの制御回路が知られるようになってきている。
【0004】
特許文献1に開示されたDC−DCコンバータの制御回路は、外部電圧供給源及び内部バッテリーの状態に応じて降圧動作と昇圧動作を切り替えて制御する制御回路である。具体的には、外部電圧供給源に接続されたダイオードの両端電圧ΔVが所定の閾値VTHを下回った場合、或いは内部バッテリーから出力端の方向に電流が流れた場合に昇圧動作に切り替え、両端電圧ΔVが所定の閾値VTHを超えた場合に降圧動作(内部バッテリーへの充電)に切り替える制御回路である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0096693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のDC−DCコンバータの制御回路では、昇圧動作と降圧動作の動作モード判定条件の境界において不連続な動作モードの切り替え動作が行われるため、出力にノイズが発生しうる。また、特許文献1に記載のDC−DCコンバータの制御回路では、2つの入力から2つの出力が可能な動作を実現することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、第1及び第2の入力端子、第1及び第2の出力端子の間に接続され第1のスイッチングトランジスタと巻線からなる直列回路、並びに、スター接続を該直列回路と構成する第2のスイッチングトランジスタを備えるDC−DCコンバータの制御回路であって、前記第2の出力端子の電圧に基づく信号と第1の基準信号との誤差を増幅した第1の誤差増幅信号と、前記第1の入力端子から前記第1の出力端子に流れる電流に基づく信号または前記第2の入力端子から前記第2の出力端子に流れる電流に基づく信号と第2の基準信号との誤差を増幅した第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号に基づいて第1の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、前記第1の出力端子の電圧に基づく信号と第3の基準信号との誤差を増幅した第3の誤差増幅信号に基づいて第2の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と、前記第1及び第2の制御信号に基づいて前記第1及び第2のスイッチングトランジスタの駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えるDC−DCコンバータの制御回路により上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
上記本発明回路によれば、2つの入力端子と2つの出力端子を有するDC−DCコンバータの制御が可能であり、且つ、動作モード切替時の出力ノイズを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の基本構成を表す回路図である。
【図2】本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第1実施形態である電流モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【図3】図2に示したDC−DCコンバータの制御回路の第1の動作波形図である。
【図4】図3におけるエリアAを詳細に示すタイミングチャートである。
【図5】図3におけるエリアBを詳細に示すタイミングチャートである。
【図6】図3におけるエリアCを詳細に示すタイミングチャートである。
【図7】図2に示したDC−DCコンバータの制御回路の第2の動作波形図である。
【図8】本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第2実施形態である電流モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【図9】本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第3実施形態である電圧モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【図10】本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第4実施形態である電圧モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明回路の基本構成>
図1は本発明のDC−DCコンバータの制御回路の基本構成を表す回路図である。
【0011】
同図に示す制御回路は、第1及び第2の入力端子(IN1,IN2)、第1及び第2の出力端子(OUT1,OUT2)の間に接続され第1のスイッチングトランジスタ(M1)と巻線すなわち誘導素子(L)からなる直列回路、並びに、スター接続すなわちY接続を該直列回路と構成する第2のスイッチングトランジスタ(M2)を備えるDC−DCコンバータの制御回路であって、さらに、第1の制御信号生成部(110)、第2の制御信号生成部(120)、駆動信号生成部(130)を備える。第2のスイッチングトランジスタ(M2)は、スター接続の共通接続ノードと基準電位であるグランド(GND)の間に接続される。
【0012】
第1の制御信号生成部(110)は、第2の出力端子(OUT2)の電圧に基づく信号(VO2FB)と第1の基準信号(BUCK_REF)との誤差を増幅した第1の誤差増幅信号と、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)または第2の入力端子(IN1)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流に基づく信号(IO2FB)と第2の基準信号(IlimREF)との誤差を増幅した第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号に基づいて第1の制御信号(DTY_BUCK)を生成する。後述の通り、第1の誤差増幅信号及び第2の誤差増幅信号を電流に基づく信号とする実施形態、及び、第1の誤差増幅信号及び第2の誤差増幅信号を電圧信号とする実施形態が可能である。
【0013】
第2の制御信号生成部(120)は、第1の出力端子(OUT1)の電圧に基づく信号(VO1FB)と第3の基準信号(BST_REF)との誤差を増幅した第3の誤差増幅信号に基づいて第2の制御信号(DTY_BST)を生成する。後述の通り、第3の誤差増幅信号を電流に基づく信号とする実施形態、及び、第3の誤差増幅信号を電圧信号とする実施形態が可能である。
【0014】
駆動信号生成部(130)は、第1及び第2の制御信号(DTY_BUCK,DTY_BST)に基づいて第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号(DTY)を生成する。
【0015】
第1のスイッチングトランジスタ(M1)には、オフされている期間はスター接続の共通接続ノードから第1の出力端子(OUT1)に向かう方向にのみ電流を導通するためのダイオードが並列接続されている。第2のスイッチングトランジスタ(M2)には、オフされている期間は基準電位(GND)からスター接続の共通接続ノードに向かう方向にのみ電流を導通するためのダイオードが並列接続されている。
【0016】
図1に表された構成を備えた本発明回路において、第2の出力端子(OUT2)の電圧に基づく信号(VO2FB)、及び、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)または第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流に基づく信号(IO2FB)に基づいて求まる第1の制御信号(DTY_BUCK)と、第1の出力端子(OUT1)の電圧に基づく信号(VO1FB)に基づいて求まる第2の制御信号(DTY_BST)との両方がHIGHの場合に第1のスイッチングトランジスタ(M1)をオンし、一方、第1の制御信号(DTY_BUCK)と第2の制御信号(DTY_BST)の両方がLOWの場合に第2のスイッチングトランジスタ(M2)をオンする制御を行うことで入力条件や出力条件の変化に対応して自動的にスイッチングトランジスタのデューティー比を連続的に変化させることにより、ノイズの発生を抑制しつつ所望の出力電圧を出力することが可能になる。
【0017】
図1に表された構成を備えた本発明回路において、さらに、第1の制御信号(DTY_BUCK)と第2の制御信号(DTY_BST)のいずれか一方がLOWの場合に、第1または第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)をオンする制御をオプションで実行してもよいが、第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)がオフであっても、誘導素子(L)にたまった電流は第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)に並列接続されたダイオードを通じて放電される。上記オプション制御にあっては、第1の制御信号と(DTY_BUCK)と第2の制御信号(DTY_BST)の両方がHIGHの場合に第1のスイッチングトランジスタ(M1)をオンし且つ第2のスイッチングトランジスタ(M2)をオフし、第1の制御信号(DTY_BUCK)と第2の制御信号(DTY_BST)の少なくとも一方がLOWの場合に第1のスイッチングトランジスタ(M1)をオフし且つ第2のスイッチングトランジスタ(M2)をオンすることが好ましい。
【0018】
一方、図1に表された構成から並列ダイオードを除いた構成においても、ダイオードを通じた放電によらない、上記好ましいオプション制御と同様の制御により、入力条件や出力条件の変化に対応して自動的にスイッチングトランジスタのデューティー比を連続的に変化させることにより、ノイズの発生を抑制しつつ所望の出力電圧を出力することが可能になる。
【0019】
ここで、上記各信号に課される要件について説明すると、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)としては、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流との間に一定の関係を有するものであれば特に制限されず、具体的には第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流のピーク値を用いることや、単位時間当たりの最大値と最小値の平均値を用いることや、平滑回路を通過させた値を用いることが可能である。第2の誤差増幅信号を容易に且つ精度良く得るためには、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流を例えばRC回路で平滑化した電流値を、上記信号(IO1FB)として用いることが好ましい。
【0020】
また、第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流に基づく信号(IO2FB)としては、第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流との間に一定の関係を有するものであれば特に制限されず、具体的には第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流のピーク値を用いることや、単位時間当たりの最大値と最小値の平均値を用いることや、平滑回路を通過させた値を用いることが可能である。第2の誤差増幅信号を容易に且つ精度良く得るためには、第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に流れる電流を例えばRC回路で平滑化した電流値を、上記信号(IO2FB)として用いることが好ましい。
【0021】
第1及び第2の出力端子(OUT1,OUT2)の電圧(VO1,VO2)に基づく信号(VO1FB,VO2FB)としては、第1及び第2の出力端子(OUT1,OUT2)における電圧(VO1,VO2)との間に一定の関係を有するものであれば特に制限されず、具体的には第1及び第2の出力端子(OUT1,OUT2)の電圧(VO1,VO2)をそれぞれ抵抗分圧して得られる電圧値を用いることができる。
【0022】
第1の基準信号(BUCK_REF)は、第1の入力端子(IN1)における第1の入力電圧(VIN2)の状態によって決定される任意のレベルの信号であれば特に制限されないが、制御を容易にする観点から第1の入力電圧(VIN2)に連動して一定量大きい値の電圧値であることが好ましい。第1の入力電圧(VIN2)に連動して一定量大きい値の電圧値を得るには、例えば図2に示すように第1の入力電圧(VIN2)を抵抗分圧した電圧値を一定量プラス側にさせるような電源を用いればよいが、これに制限されない。好ましくは、第1の基準信号(BUCK_REF)は第2の出力端子(OUT2)における出力電圧(VO2)が定常状態でVIN2+0.2V=3.7Vとなるように設計される。
【0023】
第2の基準信号(IlimREF)は、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流(IOUT2)が設計基準値を満たすような値であれば特にその形態は制限されない。具体的には、電流(IOUT2)が500mA以下となることが好ましい。
【0024】
第3の基準信号(BST_REF)は、第1の出力端子(OUT1)における出力電圧(VO1)が設計基準値を満たすような値であれば特に制限されない。具体的には、出力電圧(VO1)が定常状態で4.5Vとなるように設計されることが好ましい。
【0025】
以下の説明及び図2以降の図面においては、説明を簡略化するために、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)と第2の基準信号(IlimREF)との誤差を増幅した値を第2の誤差増幅信号として説明するが、本発明はこれに制限されない。
【0026】
<第1実施形態>
図2は本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第1実施形態である電流モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【0027】
同図に示す回路は、図1に示した第1の制御信号生成部(110)が電流モード制御の第1の制御信号生成部(110a)として実施され、図1に示した第2の制御信号生成部(120)が電流モード制御の第2の制御信号生成部(120a)として実施されたものである。
【0028】
第1の制御信号生成部(110a)は、第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)を電流に基づく信号として出力する第1のGm−C回路(211)と、第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)を電流信号として出力する第2のGm−C回路(213)と、第1及び第2のGm−C回路(211,213)から夫々出力された第1及び第2の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C,Ilim_Gm−C)のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力する第1のクリップ回路(216)と、該誤差増幅信号が反転入力端子に入力され、巻線(L)に流れる電流に対応した信号が非反転入力端子に入力される第1のコンパレータ(217)と、第1のクロック信号(SET_BUCK)がセット端子に入力され、第1のコンパレータ(217)の出力及び第2のクロック信号(RESET2_BUCK)がリセット端子に入力されて第1の制御信号(DTY_BUCK)を生成する第1のフリップフロップ(215)とを有する。
【0029】
ここで、巻線(L)に流れる電流に対応した信号は、巻線(L)に流れる電流と直接的または間接的な対応関係を有しているものであれば特に制限されず、巻線(L)に流れる電流そのものであってもよいし、巻線(L)に流れる電流に比例した電流であってもよい。図2の制御回路においては、巻線(L)をスター接続の共通接続ノードから第2の出力端子(OUT2)に向かう方向に流れる電流を用いている。他の具体的な実施形態としては、第1のスイッチングトランジスタ(M1)に流れる電流を用いる形態や、第2のスイッチングトランジスタ(M2)に流れる電流を用いる形態や、巻線(L)を上記と逆方向に流れる電流を用いる形態や、これらを組み合わせて用いる形態を採ることができる。
【0030】
また、第2のクロック信号(RESET2_BUCK)は、第1のクロック信号(SET_BUCK)と同期したクロック信号であることが好ましい。第2のクロック信号(RESET2_BUCK)が、第1のクロック信号(SET_BUCK)と同期したクロック信号である場合、第1のクロック信号(SET_BUCK)と第2のクロック信号(RESET2_BUCK)の位相差が第1の制御信号の最大デューティー比を決定する。図2においては、第2のクロック信号(RESET2_BUCK)は第1のクロック信号(SET_BUCK)に同期しており、第1のコンパレータ(217)から出力がないときは適切なオンデューティー比、具体的には90%となるようなクロック信号を用いている。
【0031】
第2の制御信号生成部(120a)は、第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)を電流に基づく信号として出力する第3のGm−C回路(221)と、第3のGm−C回路(221)から出力された第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)が非反転入力端子に入力され、巻線(L)に流れる電流に対応した信号が反転入力端子に入力される第2のコンパレータ(226)と、第1のフリップフロップ(215)の出力がハイからローになったことを検出してパルス信号を生成するパルス信号生成部(227)と、パルス信号生成部(227)の出力がセット端子に入力され、第2のコンパレータ(226)の出力がリセット端子に入力されて第2の制御信号(BST_BUCK)を生成する第2のフリップフロップ(228)とを有する。
【0032】
駆動信号生成部(230)は、第1の制御信号(DTY_BUCK)と第2の制御信号(BST_BUCK)が入力されるAND回路(231)と、AND回路(231)の出力が入力され、第1のスイッチングトランジスタ(M1)と第2のスイッチングトランジスタ(M2)を相補的に制御する駆動信号を出力するドライバ回路(232)とを有する。
【0033】
(チャージパスコントローラ)
特に制限されないが、第2の入力端子(IN2)に接続される電源が例えば充電可能なバッテリーの様な二次電池である場合、第2の入力端子(IN2)と第2の出力端子(OUT2)との間に、第2の出力端子(OUT2)から第2の入力端子(IN2)の方向に電流が流れることを検知して第2の入力端子(IN2)に接続された電源を充電するような制御を行うチャージパスコントローラを備えることが可能である。
【0034】
(パワースイッチ)
特に制限されないが、第1の入力端子(IN1)に接続される電源が出力端子に接続される負荷の状況や第2の入力端子(IN2)に接続される電源の状態によって、電力を供給されることがある回路構成の場合、第1の出力端子(OUT1)と第1の入力端子(IN1)の間に電力の流れをコントロールすることが可能なパワースイッチを備えることが可能である。
【0035】
(動作の説明)
以下、図3乃至図6を参照し、各信号の値として具体的な数値を挙げて本実施形態の制御回路の動作を説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、上記の要件が満足されればよいことは勿論である。
【0036】
図3は図2に示したDC−DCコンバータの制御回路の動作波形図である。同図は、図2の回路において(1)起動時は第2の入力端子(IN2)に一定の電圧(VIN2)(3.5V)を入力し、(2)一定期間経過後、第1の入力端子(IN1)に外部電圧供給源として入力電圧(VIN2)よりも大きい電圧(VIN1)(5.0V)を入力し、(3)さらに一定期間経過後、第1の入力端子(IN1)に入力電圧(VIN1)を供給することを停止したときの動作波形を表す。
【0037】
図3では一例として、第3の基準信号(BST_REF)は第1の出力端子(OUT1)の出力電圧(VO1)が定常状態で4.5Vとなるように設計されており、第1の基準信号(BUCK_REF)は第2の出力端子(OUT2)の出力電圧(VO2)が定常状態でVIN2+0.2V=3.7Vとなるように設計されており、第2の基準信号(IlimREF)はIN1からOUT1に流れる電流(IOUT2)が500mA以下となるように設計されている。
【0038】
次に、図3における起動直後、スタートアップエリアEを経過した後のエリアAにおける詳細な動作を、図4のタイミングチャートを参照して説明する。
【0039】
第2の出力端子(OUT2)は第2の入力端子(IN2)の入力電圧(VIN2)より電力をもらうので、第2の出力端子(OUT2)の電圧に基づく信号(VO2FB)は第1の基準信号(BUCK_REF)よりも低い電圧となり、第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)は十分大きいプラスの値となる。第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)への電力供給がないため、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)は0以下となるので、第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)は十分大きいプラスの値となる。よって、第1のコンパレータ(217)の反転入力端子には十分大きいプラスの値が入力されるので、エリアAにおいては第1のコンパレータ(217)は出力をせず、第1のフリップフロップ(215)から出力される第1の制御信号(DTY_BUCK)は、第1のクロック信号(SET_BUCK)と第2のクロック信号(RESET2_BUCK)によって定まるオンデューティー比が90%の信号となる。
【0040】
一方、第2のフリップフロップ(228)からは第1の出力端子(OUT1)の出力電圧(VO1)を4.5Vに制御するようなオンデューティー比の第2の制御信号(BST_BUCK)が出力される。
【0041】
以上より、エリアAにおいて第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号は第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)によって生成される第2の制御信号(BST_BUCK)となり、VO1=4.5Vに制御される。
【0042】
なお、第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に電流が流れるため、該電流と抵抗成分(図2においては配線抵抗等の寄生抵抗及び巻線抵抗)に起因する電圧降下分を第2の入力端子(IN2)の電圧(VIN2)から減じた電圧が、第2の出力端子(OUT2)の出力電圧(VO2)として出力される。
【0043】
次に、図3において第1の入力端子(IN1)に入力電圧(VIN1)を供給した後のエリアBにおける詳細な動作を、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
【0044】
第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に5Vの電圧が供給されるため、VO1FB>BST_REFとなり、第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)は十分大きいプラスの値となり、第2のコンパレータ(226)は常にリセットされるので、第2の制御信号(BST_BUCK)は常にHIGHとなる。
【0045】
第2の出力端子(OUT2)には第1の入力端子(IN1)の入力電圧(VIN1)及び第2の入力電圧(VIN2)の両方から電力が供給され、VO2FB>BUCK_REFとなり、第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)は低下する。第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)はまだ500mA以下なので第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)は十分大きいプラスの値となる。第1のクリップ回路(216)により、第1のコンパレータ(217)の反転入力端子には第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)が入力され、該誤差増幅信号によって、第1のコンパレータ(217)からはVO2=BUCK_REFに制御するオンデューティー比の第1の制御信号(DTY_BUCK)が出力される。
【0046】
以上より、エリアBにおいて第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号は第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)によって生成される第1の制御信号(DTY_BUCK)となり、VO2=BUCK_REF=3.7Vとなるように制御される。
【0047】
なお、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に電流が流れるため、該電流と抵抗成分(図2においては配線抵抗等の寄生抵抗)に起因する電圧降下分を第1の入力端子(IN1)の電圧(VIN1)から減じた電圧が、第1の出力端子(OUT1)の出力電圧(VO1)として出力される。
【0048】
次に、第2の出力端子(OUT2)に接続された負荷LO2が変化することにより、該負荷変動分の411mAの電流が、第1の出力端子(OUT1)に接続された負荷LO1に定常的に流れる電流(480mA)に加えて流れることで、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流が500mAを超える(瞬間的な最大理論値が891mAとなる)こととなるエリアCにおける各信号の波形を、図6のタイミングチャートを参照して説明する。
【0049】
第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に5Vの電圧が供給されるため、VO1FB>BST_REFとなり、第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)は十分大きいプラスの値となり、第2のコンパレータ(226)は常にリセットされるので、第2の制御信号(BST_BUCK)は常にHIGHとなる。
【0050】
第2の出力端子(OUT2)には、エリアBと同じく第1の入力端子(IN1)の入力電圧(VIN1)及び第2の入力電圧(VIN2)の両方から電力が供給されているので、第1のGm−C回路(211)は、出力電圧(VO2)についてVO2=3.7Vとなるように制御する第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)を出力する。第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)は第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流が500mAを超えたことを示すので、第2のGm−C回路(213)はオンデューティーを低下させるような第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)を出力する。第1のクリップ回路(216)により、第1のコンパレータ(217)の反転入力端子には第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)が入力され、該誤差増幅信号によって、第1のコンパレータ(217)からは、{第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流}≦500mAとする制御を行うオンデューティー比の第1の制御信号(DTY_BUCK)が出力される。
【0051】
以上より、エリアCにおいて第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号は第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)によって生成される第1の制御信号(DTY_BUCK)となり、結果として第2の入力端子(IN2)から第1の出力端子(OUT1)への不足分の電流が昇圧動作によって供給されるように制御される。
【0052】
なお、第2の入力端子(IN2)から第2の出力端子(OUT2)に電流が流れるため、該電流と抵抗成分(図2においては配線抵抗等の寄生抵抗及び巻線抵抗)に起因する電圧降下分を第2の入力端子(IN2)の電圧(VIN2)から減じた電圧が、第2の出力端子(OUT2)の出力電圧(VO2)として出力される。
【0053】
最後に、第1の入力端子(IN1)に電圧(VIN1)を供給することを止めると電力の供給は電圧(VIN2)のみによるため、エリアAについて説明したとおり、駆動信号は第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)によって生成される第2の制御信号(BST_BUCK)となり、VO1=4.5Vに制御される。
【0054】
(負荷が変動する場合の動作の説明)
図7は本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の電流モード制御で、図2の回路において第1の入力端子(IN1)に電圧(VIN1)を供給し続けている間に、第1及び第2の出力端子(OUT1、OUT2)に接続される負荷(LO1,LO2)が変化した場合の動作波形である。
【0055】
エリアA,Bについては上記図3の場合と同様であるので、以下、図3とは異なる点について説明する。
【0056】
負荷LO1に流れる電流が700mAとなったエリアC1における動作は上記エリアCと同様であり、第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号は第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)によって生成される第1の制御信号(DTY_BUCK)となり、結果として第2の入力端子(IN2)から第1の出力端子(OUT1)への不足分の電流が昇圧動作によって供給されるように制御される。
【0057】
一方、負荷LO1に流れる電流が200mAで、負荷LO2に流れる電流分がOUT1端の電流換算で411mAとなり、負荷LO1と負荷LO2に流れる電流がOUT1端の電流換算の合計で611mAとなったエリアC2における動作は上記エリアCと同様であり、第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号は第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)によって生成される第1の制御信号(DTY_BUCK)となり、結果として第2の入力端子(IN2)から第1の出力端子(OUT1)への不足分の電流が昇圧動作によって供給されるように制御される。
【0058】
<第2実施形態>
図8は本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第2実施形態である電流モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【0059】
同図に示す回路は、図1に示した第1の制御信号生成部(110)が図2に表された形態と同様に電流モード制御の第1の制御信号生成部(110b)として実施され、図1に示した第2の制御信号生成部(120)が図2に表された形態と同様に電流モード制御の第2の制御信号生成部(120b)として実施されたものであるが、第1及び第2の制御信号生成部(110b,120b)の形態が図2に表された第1及び第2の制御信号生成部(110a,120a)とは異なる。
【0060】
すなわち、第1の制御信号生成部(110b)は、第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)を電流に基づく信号として出力する第1のGm−C回路(811)と、第1のGm−C回路(811)から出力された第1の誤差増幅信号(BUCK_Gm−C)が反転入力端子に入力され、巻線(L)に流れる電流に対応した信号が非反転入力端子に入力される第1のコンパレータ(817)と、第1のクロック信号(SET_BUCK)がセット端子に入力され、第1のコンパレータ(817)の出力及び第2のクロック信号(RESET2_BUCK)がリセット端子に入力されて第1の制御信号(DTY_BUCK)を生成する第1のフリップフロップ(818)とを有する。
【0061】
第2の制御信号生成部(120b)は、第2の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C)を電流に基づく信号として出力する第2のGm−C回路(821)と、第3の誤差増幅信号(BST_Gm−C)を電流に基づく信号として出力する第3のGm−C回路(823)と、第2及び第3のGm−C回路(821,823)から夫々出力された第2及び第3の誤差増幅信号(Ilim_Gm−C,BST_Gm−C)のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力する第2のクリップ回路(829)と、第2のクリップ回路(829)からの誤差増幅信号が非反転入力端子に入力され、巻線(L)に流れる電流に対応した信号が反転入力端子に入力される第2のコンパレータ(826)と、第1のフリップフロップ(818)の出力がハイからローになったことを検出してパルス信号を生成するパルス信号生成部(827)と、セット端子にパルス信号生成部(827)の出力が入力され、第2のコンパレータ(826)の出力がリセット端子に入力されて第2の制御信号(BST_BUCK)を生成する第2のフリップフロップ(828)とを有する。
【0062】
他の構成は図2の構成と同様である。
【0063】
本実施形態のDC−DCコンバータの制御回路によれば、第3の誤差増幅信号及び第2の誤差増幅信号のいずれか低いほうの誤差増幅信号を出力する第2のクリップ回路(829)を有することにより、図2に示した第1実施形態の回路と同様の制御が可能となる。
【0064】
<第3実施形態>
図9は本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第3実施形態である電圧モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【0065】
同図に示す回路は、第1及び第2実施形態とは異なり、図1に示した第1の制御信号生成部(110)が電圧モード制御の第1の制御信号生成部(110c)として実施され、図1に示した第2の制御信号生成部(120)が電圧モード制御の第2の制御信号生成部(120c)として実施されたものである。
【0066】
第1の制御信号生成部(110c)は、第2の出力端子(OUT2)の電圧に基づく信号(VO2FB)と第1の基準信号(BUCK_REF)との誤差を増幅した第1の誤差増幅信号(BUCK_Err)を電圧信号として出力する第1の誤差増幅回路(911)と、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(IO1FB)と第2の基準信号(IlimREF)との誤差を増幅した第2の誤差増幅信号(Ilim_Err)を電圧信号として出力する第2の誤差増幅回路(913)と、第1及び第2の誤差増幅回路(911,913)から夫々出力された第1及び第2の誤差増幅信号(BUCK_Err,Ilim_Err)のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力するクリップ回路(916)と、クリップ回路(916)かから出力された誤差増幅信号が反転入力端子に入力され、所定の周期の第1のランプ信号(R1)が非反転入力端子に入力されて第1の制御信号(DTY_BUCK)を生成する第1のPWMコンパレータ(917)とを有する。
【0067】
第2の制御信号生成部(120c)は、第3の誤差増幅信号(BST_Err)を電圧信号として出力する第3の誤差増幅回路(921)と、第3の誤差増幅回路(921)から出力された第3の誤差増幅信号(BST_Err)が非反転入力端子に入力され、第1のランプ信号(R1)と同期した第2のランプ信号(R2)が反転入力端子に入力されて第2の制御信号(BST_BUCK)を生成する第2のPWMコンパレータ(925)を有する。
【0068】
他の構成は図2の構成と同様である。
【0069】
本実施形態のDC−DCコンバータの制御回路によれば、第1、第2の誤差増幅回路(911,913)の出力信号に基づいて生成される第1の制御信号(DTY_BUCK)と、第3の誤差増幅回路(921)の出力信号に基づいて生成される第2の制御信号(BST_BUCK)の(1)両方がHIGHのときに第1のスイッチングトランジスタ(M1)をオンし且つ第2のスイッチングトランジスタ(M2)をオフし、(2)少なくとも一方がLOWの場合に第1のスイッチングトランジスタ(M1)をオフし且つ第2のスイッチングトランジスタ(M2)をオンすることにより、図2及び図8に示した電流モード制御のDC−DCコンバータの制御回路と同様の作用効果が得られる。
【0070】
<第4実施形態>
図10は本発明に係るDC−DCコンバータの制御回路の第4実施形態である電圧モード制御のDC−DCコンバータの制御回路を表す回路図である。
【0071】
同図に示す回路は、第1及び第2の入力端子(IN1,IN2)、第1及び第2の出力端子(OUT1,OUT2)の間に接続され第1のスイッチングトランジスタ(M1)と巻線すなわち誘導素子(L)からなる直列回路、並びに、スター接続すなわちY接続を該直列回路と構成する第2のスイッチングトランジスタ(M2)を備えるDC−DCコンバータの制御回路であるが、図1に示した基本構成を持たず、電圧モード制御の制御回路(1000)を備える。
【0072】
制御回路(1000)は、第2の出力端子(OUT2)の電圧に基づく信号(VO2FB)と第1の基準信号(BUCK_REF)との誤差を増幅した第1の誤差増幅信号(BUCK_Err)を電圧信号として出力する第1の誤差増幅回路(1100)と、第1の入力端子(IN1)から第1の出力端子(OUT1)に流れる電流に基づく信号(I01FB)と第2の基準信号(IlimREF)との誤差を増幅した第2の誤差増幅信号(Ilim_Err)を電圧信号として出力する第2の誤差増幅回路(1200)と、第1の出力端子(OUT1)の電圧に基づく信号(VO1FB)と第3の基準信号(BST_REF)との誤差を増幅した第3の誤差増幅信号(BST_Err)を電圧信号として出力する第3の誤差増幅回路(1300)と、第1〜第3の誤差増幅信号(BUCK_Err,Ilim_Err,BST_Err)のうち最も小さい値の誤差増幅信号を出力するクリップ回路(1400)と、クリップ回路(1400)から出力された誤差増幅信号が反転入力端子に入力され、所定の周期のランプ信号(R1)が非反転入力端子に入力されて第1及び第2のスイッチングトランジスタ(M1,M2)の駆動信号を生成するPWMコンパレータ(1500)とを有する。クリップ回路(1400)がPWMコンパレータ(1500)のオンデューティを定める。
【0073】
本実施形態のDC−DCコンバータの制御回路によれば、第1の誤差増幅信号(BUCK_Err)、第2の誤差増幅信号(Ilim_Err)、第3の誤差増幅信号(BST_Err)のうち最も低い値の誤差増幅信号を出力するクリップ回路(1400)によってPWMコンパレータ(1500)のオンデューティを定める構成を備えることにより、上述の各実施形態と同様の効果が得られるのみならず、第2実施形態のDC−DCコンバータの制御回路(図9)が2つずつ必要としていたPWMコンパレータ及びランプ信号が夫々1つずつで動作が可能であるという利点を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の入力端子、第1及び第2の出力端子の間に接続され第1のスイッチングトランジスタと巻線からなる直列回路、並びに、スター接続を該直列回路と構成する第2のスイッチングトランジスタを備えるDC−DCコンバータの制御回路であって、
前記第2の出力端子の電圧に基づく信号と第1の基準信号との誤差を増幅した第1の誤差増幅信号と、前記第1の入力端子から前記第1の出力端子に流れる電流に基づく信号または前記第2の入力端子から前記第2の出力端子に流れる電流に基づく信号と第2の基準信号との誤差を増幅した第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号に基づいて第1の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
前記第1の出力端子の電圧に基づく信号と第3の基準信号との誤差を増幅した第3の誤差増幅信号に基づいて第2の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と、
前記第1及び第2の制御信号に基づいて前記第1及び第2のスイッチングトランジスタの駆動信号を生成する駆動信号生成手段と
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項2】
前記第1乃至第3の誤差増幅信号は電流に基づく信号であり、
前記第1の制御信号生成手段が、
第1及び第2のGm−C回路から夫々出力された前記第1及び第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力する第1のクリップ回路と、
該誤差増幅信号が反転入力端子に入力され、前記巻線に流れる電流に対応した信号が非反転入力端子に入力される第1のコンパレータと、
第1のクロック信号がセット端子に入力され及び該コンパレータの出力及び第2のクロック信号がリセット端子に入力されて前記第1の制御信号を生成する第1のフリップフロップとを有し、並びに、
前記第2の制御信号生成手段が、
第3のGm−C回路から出力された前記第3の誤差増幅信号が非反転入力端子に入力され及び前記巻線に流れる電流に対応した前記信号が反転入力端子に入力される第2のコンパレータと、
前記第1のフリップフロップの出力がハイからローになったことを検出してパルス信号を生成するパルス信号生成手段と、
該パルス信号生成手段の出力がセット端子に入力され及び前記第2のコンパレータの出力がリセット端子に入力されて前記第2の制御信号を生成する第2のフリップフロップとを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項3】
前記第1乃至第3の誤差増幅信号は電流に基づく信号であり、
前記第1の制御信号生成手段が、
第1のGm−C回路から出力された前記第1の誤差増幅信号が反転入力端子に入力され及び前記巻線に流れる電流に対応した信号が非反転入力端子に入力される第1のコンパレータと、
第1のクロック信号がセット端子に入力され及び該コンパレータの出力及び第2のクロック信号がリセット端子に入力されて前記第1の制御信号を生成する第1のフリップフロップとを有し、並びに、
前記第2の制御信号生成手段が、
第2及び第3のGm−C回路から夫々出力された前記第2及び第3の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力する第2のクリップ回路と、
該誤差増幅信号が非反転入力端子に入力され、前記巻線に流れる電流に対応した信号が反転入力端子に入力される第2のコンパレータと、
前記第1のフリップフロップの出力がハイからローになったことを検出してパルス信号を生成するパルス信号生成手段と、
セット端子に前記パルス信号生成手段の出力が入力され及び前記第2のコンパレータの出力がリセット端子に入力されて前記第2の制御信号を生成する第2のフリップフロップとを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項4】
前記第1乃至第3の誤差増幅信号は電圧信号であり、
前記第1の制御信号生成手段が、
第1及び第2の誤差増幅回路から夫々出力された前記第1及び第2の誤差増幅信号のうち小さいほうの誤差増幅信号を出力するクリップ回路と、
該誤差増幅信号が反転入力端子に入力され及び所定の周期の第1のランプ信号が非反転入力端子に入力されて前記第1の制御信号を生成する第1のPWMコンパレータとを有し、並びに、
前記第2の制御信号生成手段が、
第3の誤差増幅回路から出力された第3の誤差増幅信号が非反転入力端子に入力され及び前記第1のランプ信号と同期した第2のランプ信号が反転入力端子に入力されて前記第2の制御信号を生成する第2のPWMコンパレータを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項5】
第1及び第2の入力端子、第1及び第2の出力端子の間に接続され第1のスイッチングトランジスタと巻線からなる直列回路、並びに、スター接続を該直列回路と構成する第2のスイッチングトランジスタを備えるDC−DCコンバータの制御回路であって、
前記第2の出力端子の電圧に基づく信号と第1の基準信号との誤差を増幅した第1の誤差増幅電圧信号を出力する第1の誤差増幅回路と、
前記第1の入力端子から前記第1の出力端子に流れる電流に基づく信号と第2の基準信号との誤差を増幅した第2の誤差増幅電圧信号を出力する第2の誤差増幅回路と、
前記第1の出力端子の電圧に基づく信号と第3の基準信号との誤差を増幅した第3の誤差増幅電圧信号を出力する第3の誤差増幅回路と、
前記第1乃至第3の誤差増幅信号のうち最も小さい値の誤差増幅電圧信号を出力するクリップ回路と、
該電圧信号が反転入力端子に入力され及び所定の周期のランプ信号が非反転入力端子に入力されて前記第1及び第2のスイッチングトランジスタの駆動信号を生成するPWMコンパレータと
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項6】
前記駆動信号生成手段が、前記第1及び第2の制御信号が入力されるアンド回路と、該アンド回路の出力が入力されて前記第1及び第2のスイッチングトランジスタを相補的に制御する前記駆動信号を出力するドライバ回路とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項7】
前記第1及び第2のスイッチングトランジスタは夫々第1及び第2のダイオードを並列に有し、
前記駆動信号は、前記第1及び第2の制御信号の両方がハイの場合、前記第1のスイッチングトランジスタをオンし且つ前記第2のスイッチングトランジスタをオフし、及び、前記第1及び第2の制御信号の少なくとも一方がローの場合、前記第1のスイッチングトランジスタをオフし且つ前記第2のスイッチングトランジスタをオンすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項8】
前記第1のスイッチングトランジスタは、オフされている期間は前記第1のダイオードを通じて前記スター接続の共通接続ノードから前記第1の出力端子に向かう方向にのみ電流を導通し、
一端を基準電位に結合された前記第2のスイッチングトランジスタは、オフされている期間は前記第2のダイオードを通じて該基準電位から前記共通接続ノードに向かう方向にのみ電流を導通し、
前記駆動信号は、前記第1及び第2の制御信号の両方がハイのとき前記第1のスイッチングトランジスタをオンし、及び、該両方がローのとき前記第2のスイッチングトランジスタをオンする
ことを特徴とする請求項7に記載のDC−DCコンバータの制御回路。
【請求項9】
前記第1のスイッチングトランジスタは、オフされている期間は前記スター接続の共通接続ノードから前記第1の出力端子に向かう方向にのみ電流を導通し、
一端を基準電位に結合された前記第2のスイッチングトランジスタは、オフされている期間は該基準電位から前記共通接続ノードに向かう方向にのみ電流を導通する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータの制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−125046(P2012−125046A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273381(P2010−273381)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】