説明

DPP−IV阻害剤としてのヘキサヒドロピリドイソキノリン

本発明は、式(I)の化合物(式中、R1は、明細書および請求項で定義の通りである)、およびその薬学的に許容される塩に関するものである。本化合物は、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、および耐糖能異常の治療および/または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体、その製造、および医薬としてのその使用に関するものである。
【0002】
特に、本発明は式(I):
【0003】
【化10】

【0004】
[式中、R1は、
【0005】
【化11】

【0006】
(R2は、水素または低級アルコキシであり、
3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲン、またはシクロアルキルから選択され、ただし、R2、R3、R4、R5およびR6の全てが水素ではなく、
7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキルまたはハロゲン化低級アルキルであり、ただし、R7、R8およびR9の全てが水素ではなく、
10は、低級アルキルまたはハロゲン化低級アルキルである)
から選択される]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0007】
酵素ジペプチジルペプチターゼIV(EC.3.4.14.5、以下DPP−IVと略記する)は、いくつかのホルモンの活性の調節に関与する。特にDPP−IVは、インスリン製造および分泌の最も強力な刺激剤の一つであるグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)を、効率よくかつ迅速に分解する。DPP−IVを阻害すると、内因性のGLP−1の効果を増強し、プラズマインスリン濃度が高くなる。耐糖能異常および2型の糖尿病(diabetes mellitus)を患う患者において、プラズマインスリン濃度が高いと危険な高血糖を抑え、したがって組織損傷の危険性を減らす。したがって、DPP−IV阻害剤は、耐糖能異常および2型の糖尿病の治療用薬物候補として示唆されている(たとえば、Villhauer, WO 98/19998)。他の関連する現在の技術水準が、WO 99/38501、DE 19616486、DE 19834591、WO 01/40180、WO 01/55105、US 6110949、WO 00/34241およびUS6011155に見られる。
【0008】
本発明者らは、極めて効率よくプラズマグルコースレベルを下げる、新規なDPP−IV阻害剤を見出した。したがって、本発明の化合物は、糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、および/または耐糖能異常、その外に通常DPP−IVにより不活性にされるペプチドの作用の増幅が治療上の利益を与える他の病状の治療および/または予防に有効である。驚くべきことには、本発明の化合物は、肥満、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防使用することができる。さらに、本発明の化合物は、利尿剤として、高血圧症の治療および/または予防のために用いることができる。予期せざることには、本発明の化合物は、たとえば、薬物動態学およびバイオアベイラビリティ(bioavailability)との関係において、当技術分野において公知の他のDPP−IV阻害剤に比べて、改良された治療および薬理学特性を示す。
【0009】
特記しない限り、以下の定義が、本明細書において本発明を述べるのに用いる種々の用語の意味および範囲を説明し定義するために述べられる。
【0010】
本明細書では、用語「低級」は、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子からなる基を意味するのに用いる。
【0011】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味し、フッ素および塩素が好ましい。最も好ましいハロゲンは、塩素である。
【0012】
用語「アルキル」は、単独でまたは他の基と組み合わせて、炭素原子数1〜20の、好ましくは炭素原子数1〜16の、より好ましくは炭素原子数1〜10の分岐または直鎖状の一価の飽和脂肪族炭化水素基に言及する。用語「低級アルキル」は、単独でまたは他の基と組み合わせて、炭素原子数1〜6の、好ましくは炭素原子数1〜4の分岐または直鎖状の一価のアルキルラジカルに言及味する。この用語は、さらに、基、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチルなどに例証される。好ましい低級アルキル残基は、メチルおよびエチルであり、メチルが特に好ましい。
【0013】
用語「ハロゲン化低級アルキル」は、低級アルキル基の少なくとも1個の水素が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロまたはクロロ、最も好ましくはフルオロに代えられる低級アルキル基に言及する。好ましいハロゲン化低級アルキル基、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、およびクロロメチルの中で、フルオロメチルが特に好ましい。
【0014】
用語「アルコキシ」は、基R’−O−(式中、R’は、アルキルである)に言及する。用語「低級アルコキシ」は、基R’−O−(式中、R’は、低級アルキルである)に言及する。低級アルコキシ基の例は、たとえば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシおよびヘキシルオキシであり、メトキシが特に好ましい。
【0015】
用語「シクロアルキル」は、炭素原子数3〜6、好ましくは3〜5の一価の炭素環式基に言及する。この用語はさらに、基、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルに例証され、シクロプロピルが好ましい。
【0016】
用語「薬学的に許容される塩」は、式(I)の化合物と、生物に対して無毒である無機または有機の酸、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩を含む。酸との好ましい塩は、ギ酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩およびメタンスルホン酸塩であり、塩酸塩が特に好ましい。
【0017】
一つの実施態様では、本発明は式(I):
【0018】
【化12】

【0019】
[式中、R1は、
【0020】
【化13】

【0021】
(R2は、水素または低級アルコキシであり、
3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルから選択され、ただし、R2、R3、R4、R5およびR6の全てが水素ではなく、
7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、ただし、R7、R8およびR9は、すべて水素ではなく
10は、低級アルキルまたはハロゲン化低級アルキルである)
から選択される]
を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0022】
1態様では、R1は、
【0023】
【化14】

【0024】
(式中、R2は、水素または低級アルコキシであり、そしてR3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルから選択され、ただし、R2、R3、R4、R5およびR6の全てが水素ではない)である。
【0025】
好ましい低級アルコキシ残基R2は、メトキシである。
【0026】
3、R4、R5およびR6における好ましい低級アルキル残基は、メチル、エチル、およびイソプロピルであり、メチルが特に好ましい。R3、R4、R5およびR6における好ましいハロゲン化低級アルキル残基は、フルオロメチルである。R3、R4、R5およびR6における好ましいハロゲン残基は、クロロである。R3、R4、R5およびR6における好ましいシクロアルキル残基は、シクロプロピルである。
【0027】
好ましい1態様では、R2、R4、R5およびR6は、水素であり、そしてR3は、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルであり、低級アルキル、たとえばメチルまたはエチル、ハロゲン化低級アルキル、たとえばフルオロメチルまたはハロゲン、たとえばクロロが特に好ましい。
【0028】
別の好ましい態様では、R2、R4およびR5は、水素であり、そしてR3およびR6は、それぞれ独立に、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルであり、低級アルキル、たとえばメチルまたはハロゲン、たとえばクロロが特に好ましい。
【0029】
本発明の別の態様では、R1
【0030】
【化15】

【0031】
(式中、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキルまたはハロゲン化低級アルキルであり、ただし、R7、R8およびR9の全てが水素ではない)である。
【0032】
7、R8およびR9における好ましい低級アルキル残基は、メチルおよびエチルであり、メチルが特に好ましい。R7、R8およびR9における好ましい低級アルコキシ残基は、メトキシである。
【0033】
好ましい態様では、R7およびR9は、水素であり、さらにR8は、低級アルキル、たとえばメチルまたはエチル、あるいは低級アルコキシ、たとえばメトキシである。
【0034】
別の好ましい態様では、R7およびR9は、水素であり、さらにR8は、低級ヒドロキシアルキル、たとえばヒドロキシメチル、またはハロゲン化低級アルキル、たとえばフルオロメチルである。
【0035】
本発明のさらに別の態様では、R1は、
【0036】
【化16】

【0037】
(式中、R10は、低級アルキルまたはハロゲン化低級アルキルである)である。
【0038】
好ましい低級アルキル残基R10は、メチルおよびエチルであり、メチルが特に好ましい。好ましいハロゲン化低級アルキル残基R10は、フルオロメチルである。
【0039】
一般式(I)の好ましい化合物は、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)-1,3,4,6,7,11(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7、−11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)-1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシー1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−イソプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−9,10−ジメトキシー1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール、
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
およびこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるものである。
【0040】
一般式(I)の特に好ましい化合物は、
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリルー1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
およびこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択されるものである。
【0041】
式Iの化合物は、3個以上の不斉炭素原子を有し、光学的に純粋な鏡像異性体、ジアステレオマーの混合物、ラセミ化合物、またはジアステレオアイソマーラセミ化合物の混合物の形態で存在することができる。本発明は、これらの形態の全てを含む。
【0042】
好ましい態様では、R1と、ピリド[2,1a]イソキノリンバックボーンの11b位の水素とは、cis−立体配置にあるのに対して、ピリド[2,1a]イソキノリンバックボーンの2位のアミノ基とは、trans−立体配置にあり、すなわち
【0043】
【化17】

【0044】
である。
【0045】
別の好ましい態様では、R1、ピリド[2,1a]イソキノリンバックボーンの、2位のアミノ基およびそのイソキノリンバックボーンの11b位の水素は、全てcis−立体配置にあり、すなわち
【0046】
【化18】

【0047】
である。
【0048】
本発明における一般式(I)の化合物は、官能基で誘導体化され、インビボで親化合物に戻る転化が可能な誘導体を与え得ることが理解される。
【0049】
本発明は、式Iの化合物の製造方法にも関する。本発明の化合物は、次のスキーム1および2に示すように製造することができる。
【0050】
【化19】

【0051】
3−フェニルおよび3−ピリジル誘導体4の合成は、スキーム1に概略が示され、出発物質として、当技術分野において周知の化合物、ケトン1[Chem. Ber, 95, 2132 (1962)]を用いて行うことができる。金属媒介反応で、適切な条件(塩基、酸素除去)下で、1とアリールハロゲン化物とを反応させ、アリール−およびヘテロアリールケトン3に導く。好ましい金属試薬は、パラジウム触媒である。
【0052】
次に公知方法によりケトンをアミノ官能に転化する。一つの可能性は、溶剤、たとえばエタノール中で塩酸ヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウムを用いて、ケト基の式3のオキシムへの転化である。オキシムを、たとえば接触水素化により還元して、最終化合物4にすることができる。
【0053】
2α、3β、11bβ異性体は、通常主生成物であり、クロマトグラフィーにより他の立体異性体から容易に分離される。
【0054】
そのキラル成分におけるエナンチオマー混合物の分離は、キラル相クロマトグラフィーにより行うことができる。
【0055】
【化20】

【0056】
[Ra=メチルまたはエチル;R100=R10またはC(O)−R101(R101=H、低級アルキル、またはハロゲン化低級アルキル)]
【0057】
ピロール−1−イル誘導体10の合成は、スキーム2に概略が示され、当技術分野において周知の化合物、β−ケトエステル5(Ra=メチルまたはエチル)(Hev. Chem. Acta 1958, 41, 119)を出発とする。溶剤、たとえばメタノール中で、5と酢酸アンモニウムとを反応させ、β−エナミノ−エステル6を得て、これを、好ましくはホウ水素化ナトリウム/トリフルオロ酢酸で、対応するβ−アミノ−エステルに還元する。次にアミノ基をt−ブチルカルバメートに転化し、エステル基を、水/テトラヒドロフラン混合物中で、塩基、好ましくは水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを用いて、加水分解して、酸7を得る。7の2α、3β、11bβ異性体は、主生成物であり、他の考えられるジアステレオマーから、たとえば結晶化により容易に分離される。
【0058】
クルチウス転位によって、酸7からアミン8を作る。この転化のための好ましいプロトコルは、2工程手順であり、この酸をまずジフェニルホスホリルアジド、塩基(たとえばトリエチルアミン)、および2−(トリメチルシリル)−エタノールの混合物と共に、溶剤中、たとえばトルエン中、約70〜110℃で加熱する。次に、2−(トリメチルシリル)−エチルカルバメート中間体を、THF中、約50℃で、フッ化物、たとえばフッ化テトラブチルアンモニウムで脱保護化する(Tetrahedron Lett. 1984, 25, 3515)。
【0059】
酢酸/ピリジン中で、アミン8と適切に置換される2,5−ジメトキシテトラヒドロフランとを約100℃で反応させ(J. Org. Chem. 1998, 63, 6715)て9を得て、これを、当技術分野において公知の方法を用いて最終の式10の化合物に転化させる。
【0060】
本発明はさらに、前記定義の方法により製造される前記定義の式(I)の化合物に関する。
【0061】
上述したように、本発明の式(I)の化合物を、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常の治療および/または予防のための医薬として用いることができる。さらに、本発明の化合物を、利尿剤としてあるいは高血圧症の治療および/または予防のために用いることができる。
【0062】
したがって、本発明は、前記定義の化合物および薬学的に許容されるキャリヤおよび/または佐剤を含む薬学的組成物にも関する。
【0063】
さらに本発明は、治療活性物質として、特にDPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常の治療および/または予防のための治療活性物質として用いる、前記定義の化合物に関する。さらに、本発明は、利尿剤として用いる、あるいは高血圧症の治療および/または予防のための治療活性物質として用いる、前記定義の化合物に関する。
【0064】
別の態様では、本発明は、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための方法、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常の治療および/または予防のための方法であって、前記定義の化合物をヒトまたは動物に投与することを含む方法に関する。さらに本発明は、疾患が高血圧症であるか、または利尿剤が有益な効果を有する、前記定義の治療および/または予防のための方法に関する。
【0065】
本発明はさらに、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常の治療および/または予防のための前記定義の化合物の使用に関する。さらに本発明は、疾患が高血圧症である前記定義の使用、または利尿剤としての使用に関する。
【0066】
さらに、本発明は、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常の治療および/または予防用のための医薬の製造のための前記定義の化合物の使用に関する。このような医薬は、前記定義の化合物を含む。さらに本発明は、疾患が高血圧症である前記定義の使用、または利尿剤の製造のための使用に関する。
【0067】
前記定義の方法および使用に関し、次の疾患:糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護、好ましくはインスリン非依存型糖尿病および/または耐糖能異常が、好ましい態様に関係する。
【0068】
式(I)の化合物は、以下に示す方法により、実施例で示す方法によりまたは類似の方法により製造することができる。個々の反応工程の適切な反応条件は、当業者に公知である。出発物質は、市販されているか、あるいは以下にもしくは実施例で示す方法に類似する方法によりまたは当技術分野において公知の方法により製造することができる。
【0069】
式Iの化合物の活性を決定するために、次のテストを行った。
【0070】
DPP−IV阻害剤の活性を、ヒトプラズマプールに由来する天然のヒトDPP−IVまたは組み換えヒトDPP−IVを用いてテストする。異なるドナーからのヒトクエン酸プラズマをプールし、滅菌条件で0.2ミクロンの膜を通してろ過し、1mLのアリコートを急速凍結し、使用するまで−120℃で保管する。全試験容量100μL中、DPP−IV比色試験ではヒトプラズマ5〜10μL、蛍光試験ではヒトプラズマ1.0μLを酵素源として使用する。N−末端および膜貫通ドメインを限定する、アミノ酸31〜766のヒトDPP−IVシーケンスのcDNAを、Pichia pastorisにクローニングする。ヒトDPP−IVを発現させ、培養媒体から、サイズ排除およびアニオンおよびカチオンクロマトグラフィーを含む慣用のカラムクロマトグラフィーを用いて精製する。クマーシーブルー(Coomassie blue)SDS-PAGEの最終酵素生成物の純度は>95%である。全試験容量100μL中、DPP−IV比色試験では、rec.−h DPP−IV20ng、蛍光試験では、rec−h DPP−IV2ngを酵素源として用いる。
【0071】
フルオロジェニック(fluorogenic)試験では、Ala−Pro−7−アミド−4−トリフルオロメチルクマリン(Calbiochem No 125510)を基質として用いる。10%DMF/H2O中の20mMのストック液を、使用するまで−20℃で保管する。IC50の決定では、最終基質濃度50μMを用いる。動力学的パラメータをKm、Vmax、Kiとして決定する試験では、基質濃度を10〜500μMで変える。
【0072】
比色試験では、H−Ala−Pro−pNA・HCl(Bachem L-1115)を基質として使用する。10%MeOH/H2O中の10mMのストック液を、使用するまで−20℃で保管する。IC50の決定では、最終基質濃度200μMを用いる。動力学的パラメータをKm、Vmax、Kiとして決定する試験では、基質濃度を100〜2000μMで変える。
【0073】
蛍光は、Perkin Elmer Luminescence Spectrometer LS 50Bで、励起波長400nmおよび発光波長505nmで、連続的に15秒ごとに、10〜30分間検出される。初速度定数は、最適線形回帰により計算される。
【0074】
比色基質から遊離するpNAの吸収を、Packard SpectraCountを用いて、405nmで、連続的に2分ごとに、30〜120分間検出する。初速度定数は、最適線形回帰により計算される。
【0075】
DPP−IV活性試験を、96穴プレートにおいて、37℃で、全試験容量100μLで行う。試験緩衝液は、0.1mg/mLのBSAおよび100mMのNaClを含有する50mMのトリス/HClからなる(pH7.8)。テスト化合物を100%DMSOに溶解し、10%DMSO/H2Oで望ましい濃度に希釈する。試験での最終DMSO濃度は、1%(V/V)である。この濃度でのDMSOによる酵素失活は、<5%である。酵素と一緒にプレインキュベート(37℃で10分)する化合物とプレインキュベートしない化合物がある。酵素反応を、基質の添加(application)で開始し、次いで直ちに混合する。
【0076】
テスト化合物のIC50の決定は、少なくとも5種の異なる化合物濃度のDPP−IV阻害の最適非線形回帰により計算される。酵素反応の動力学的パラメータは、少なくとも5種の異なる基質濃度および少なくとも5種の異なるテスト化合物濃度で計算される。
【0077】
本発明の化合物は、次の表に示すように、IC50値0.1nM〜10μM、より好ましくは0.1〜100nMを示す。
【0078】
【表1】

【0079】
式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩を、医薬として、たとえば内腸的、非経口的または局所的投与用医薬製剤の形態で用いることができる。これらは、たとえば経口的に、たとえば錠剤、被覆錠剤、糖衣丸、硬質および軟質のゼラチンカプセル、液剤、エマルションまたは懸濁剤の形態で、大腸的に、たとえば座薬の形態で、非経口的に、たとえば注射液または輸液の形態で、あるいは局所的に、たとえば軟膏、クリームまたは油の形態で投与することができる。経口投与が好ましい。
【0080】
医薬製剤の製造は、当業者によく知られた方法で、記載した式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩を、場合により他の治療上有用な物質と組み合わせて、適切な、無毒の、不活性な、治療上適合性の固体または液体のキャリヤ物質、および、望ましいならば、通常の薬学的佐剤とともに、ガレヌス製剤投与形態にすることにより行うことができる。
【0081】
キャリヤ物質は、無機キャリヤ物質ばかりでなく、有機キャリヤ物質もまた適切である。したがって、たとえば、ラクトース、コーンスターチまたはこれらの誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩を、錠剤、被覆錠剤、糖衣丸および硬質ゼラチンカプセル用キャリヤ物質として用いることができる。軟質ゼラチンカプセル用の適切なキャリヤ物質は、たとえば、植物油、ワックス、脂肪ならびに半固体および液体のポリオールである(しかし、活性成分の性質によっては、軟質ゼラチンカプセルの場合、キャリヤを必要としない)。液剤およびシロップ剤製造用の適切なキャリヤ物質は、たとえば、水、ポリオール、スクロース、転化糖などである。注射液用の適切なキャリヤ物質は、たとえば、水、アルコール、ポリオール、グリセロールおよび植物油である。座薬用の適切なキャリヤ物質は、たとえば、天然または硬化油、ワックス、脂肪、および半液体または液体ポリオールである。局所的配合物用の適切なキャリヤ物質は、グリセリド、半合成および合成グリセリド、水素化油、液体ワックス、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコールならびにセルロース誘導体である。
【0082】
通常の安定剤、防腐剤、湿潤剤および乳化剤、コンシステンシー改善剤、フレーバー改善剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝液物質、可溶化剤、着色剤、およびマスキング剤、および酸化阻害剤が、薬学的添加物として考えられる。
【0083】
式Iの化合物の投与量は、制御される疾患、患者の年齢と個々の病状、および投与方法に依存して広い範囲で変えることができ、当然、各特定の場合で個々の必要に合わせる。成人の患者に対して、1日の投与量約1〜1000mg、特に約1〜l00mgが考えられる。疾患の重度および正確な薬物動態学的プロファイルに依存して、化合物を、1回または数回の1日の投与単位で、たとえば1〜3回の投与単位で、投与することができる。
【0084】
医薬製剤は、式Iの化合物を約1〜500mg、好ましくは1〜100mg含有するのが好都合である。
【0085】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかし、これらはいかなる意味でも本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0086】
実施例1
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルアミン ヒドロクロリド
【0087】
【化21】

【0088】
a)rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン
酢酸パラジウム(21mg、0.01mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(276mg、2.87mmol)、およびトリ−t−ブチルホスフィン(23mg、0.115mmol)を、アルゴン下、テトラヒドロフラン(2mL)に溶解した。3−ブロモトルエン(164mg、0.957mmol)およびrac−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ベンゾ[a]キノリジン−2−オン(250mg、0.957mmol)を、アルゴンの流れの下、連続して加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、エーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(エーテル)にかけて、rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン139mg(0.39mmol、41%)を淡黄色固体として得た。
【0089】
MS(ISP):343.3(M+H)+
【0090】
【表2】

【0091】
b)rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルアミン ヒドロクロリド
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(62mg)、NaOAc(16mg)および塩酸ヒドロキシルアミン(14mg)を、エタノール(2mL)に溶解し、室温で3時間攪拌した。水(2mL)およびNi−Al合金(100mg)を加えた。NaOHを、32%の水溶液(0.35mL)として、この懸濁液に滴下した。水素が発生し、反応混合物は温まった。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。同じ量の塩基およびNi−Al合金を加え、反応混合物を室温でさらに3時間攪拌した。反応混合物を、ろ過し、溶液を塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/NH4OHaq25% 100/5/1)にかけ、生成物をcis−およびtrans−ジアステレオ異性体の混合物として得た。アミンを塩化メチレンに溶解し、エーテル中のHClを加えた。溶剤を蒸発させて、生成物(46mg、67%)を橙色固体として残した。
【0092】
MS(ISP):353.3(M+H)+
【0093】
実施例2
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0094】
【化22】

【0095】
a)rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン
酢酸パラジウム(1.72g)、ナトリウムt−ブトキシド(22.01g)およびrac−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ベンゾ[a]キノリジン−2−オン(20.0g)[D. Beke, C. Szantay, Chem. Ber. 95, 2132 (1962)]の混合物を、高真空下、80℃で蒸発させ、アルゴンを3〜5回入れた。アルゴン下、室温で、脱ガステトラヒドロフラン(220mL)を加えた。反応混合物を室温で15分攪拌し、トリ−t−ブチルホスフィン(1.86g)および3−ブロモトルエン(13.75g)を注射器で同時に加えた。反応混合物を、アルゴン下、20〜25℃で4時間攪拌した。粗反応混合物を氷/水(1L)に注ぎ、沈殿をろ別した。ろ液をt−ブチルメチルエーテルで2回抽出した。有機相を濃縮し、残留物を上で得た沈殿と合わせ、塩化メチレンに溶解し、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。溶剤を蒸発させた。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、325g)により、塩化メチレン/酢酸エチル1:1を溶離剤として用い、精製して、rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(11.9g)を淡黄色固体として得た。
【0096】
MS(ISP):352.4(M+H)+
【0097】
b)rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム
エタノール(500mL)中のrac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(26.95g)の懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(5.82g)および酢酸ナトリウム(6.92g)を加えた。反応混合物を室温で4.5時間攪拌し、冷水(1.5L)を加えた。沈殿をろ別し、ケークを冷水で洗浄し、高真空下、P25で一晩乾燥して、rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム(26.48g)を無色の固体として得た。
【0098】
MS(ISP):367.4(M+H)+
【0099】
c)rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
エタノール/ジオキサン1:1(2400mL)中のrac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム(30.2g)の溶液に、湿ったRa/Ni(150g)を加えた。反応混合物を蒸発させ、水素を入れ、注射器を使って、濃NH4OH(45mL)を加え、水素化を開始した。1.1barおよび室温で4.5時間後、反応混合物を微細なフィルター(注意!)でろ過し、触媒をエタノールで洗浄し、ろ液を濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにかけ、溶離剤として塩化メチレン/メタノール/濃アンモニア95:5:0.5および90:10:0.9を用いて、タイトルの化合物(3.0g)を黄色粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した。
【0100】
MS(ISP):353.4(M+H)+
【0101】
実施例3
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン
【0102】
【化23】

【0103】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン(実施例2)を、溶離剤として15%エタノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は115分であった。
【0104】
MS(ISP):353.3(M+H)+、[α]D+156°(c0.558、クロロホルム).
【0105】
実施例4
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン
【0106】
【化24】

【0107】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン(実施例2)を、溶離剤として15%エタノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は159分であった。
【0108】
MS(ISP):353.3(M+H)+、[α]D−154°(c0.523、クロロホルム).
【0109】
実施例5
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0110】
【化25】

【0111】
実施例2で述べた最後のクロマトグラフィーで、2番目の化合物(20.2g)として溶離した生成物を、淡黄色結晶として得た。
【0112】
MS(ISP):353.4(M+H)+
【0113】
実施例6
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン
【0114】
【化26】

【0115】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン(実施例5)を、溶離剤として20%イソプロパノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は270分であった。
【0116】
MS(ISP):353.4(M+H)+、[α]D−57°(c0.345、クロロホルム).
【0117】
実施例7
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン
【0118】
【化27】

【0119】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン(実施例5)を、溶離剤として20%イソプロパノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は158分であった。
【0120】
MS(ISP):353.4(M+H)+、[α]D+57°(c0.545、クロロホルム).
【0121】
実施例8
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0122】
【化28】

【0123】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。赤橙色粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例15参照)。
【0124】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0125】
実施例9
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン
【0126】
【化29】

【0127】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン(実施例8)を、溶離剤として20%イソプロパノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は350分であった。
【0128】
MS(ISP):354.3(M+H)+、[α]D−67.5°(c0.527、クロロホルム).
【0129】
実施例10
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン
【0130】
【化30】

【0131】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン(実施例8)を、溶離剤として20%イソプロパノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は200分であった。
【0132】
MS(ISP):354.3(M+H)+、[α]D+68.8°(c0.520、クロロホルム).
【0133】
実施例11
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0134】
【化31】

【0135】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。黄色粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例12参照)。
【0136】
MS(ISP):354.4(M+H)+
【0137】
実施例12
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0138】
【化32】

【0139】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。黄色粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例11参照)。
【0140】
MS(ISP):354.4(M+H)+
【0141】
実施例13
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0142】
【化33】

【0143】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例14参照)。
【0144】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0145】
実施例14
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0146】
【化34】

【0147】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例13参照)。
【0148】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0149】
実施例15
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0150】
【化35】

【0151】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。橙色粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例8参照)。
【0152】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0153】
実施例16
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン
【0154】
【化36】

【0155】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン(実施例15)を、溶離剤として20%エタノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は200分であった。
【0156】
MS(ISP):354.3(M+H)+、[α]D+129°(c0.511、クロロホルム).
【0157】
実施例17
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン
【0158】
【化37】

【0159】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン(実施例15)を、溶離剤として20%エタノール/ヘプタンを用いるChiralpak ADカラムを通して分離した後、タイトルの化合物を得た。保持時間は159分であった。
【0160】
MS(ISP):354.3(M+H)+、[α]D−127°(c0.597、クロロホルム).
【0161】
実施例18
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0162】
【化38】

【0163】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例19参照)。
【0164】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0165】
実施例19
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0166】
【化39】

【0167】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例18参照)。
【0168】
MS(ISP):354.3(M+H)+
【0169】
実施例20
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0170】
【化40】

【0171】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例21参照)。
【0172】
MS(ISP):368.1(M+H)+
【0173】
実施例21
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0174】
【化41】

【0175】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例20参照)。
【0176】
MS(ISP):368.1(M+H)+
【0177】
実施例22
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0178】
【化42】

【0179】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例23参照)。
【0180】
MS(ISP):367.4(M+H)+
【0181】
実施例23
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0182】
【化43】

【0183】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例22参照)。
【0184】
MS(ISP):367.4(M+H)+
【0185】
実施例24
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0186】
【化44】

【0187】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例27参照)。
【0188】
MS(ISP):367.4(M+H)+
【0189】
実施例25
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0190】
【化45】

【0191】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例29参照)。
【0192】
MS(ISP):379.3(M+H)+
【0193】
実施例26
rac−3β−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0194】
【化46】

【0195】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。
【0196】
MS(ISP):370.4(M+H)+
【0197】
実施例27
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0198】
【化47】

【0199】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例24参照)。
【0200】
MS(ISP):367.3(M+H)+
【0201】
実施例28
rac−3β−(3−イソプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0202】
【化48】

【0203】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。
【0204】
MS(ISP):381.4(M+H)+
【0205】
実施例29
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0206】
【化49】

【0207】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例25参照)。
【0208】
MS(ISP):379.4(M+H)+
【0209】
実施例30
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン
【0210】
【化50】

【0211】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に最初に溶離した(実施例31参照)。
【0212】
MS(ISP):371.4(M+H)+
【0213】
実施例31
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0214】
【化51】

【0215】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。この生成物は、クロマトグラフィーの時に2番目に溶離した(実施例30参照)。
【0216】
MS(ISP):371.3(M+H)+
【0217】
実施例32
rac−3β−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0218】
【化52】

【0219】
タイトルの化合物を実施例2と同様に製造した。オフホワイト粉末として得た。
【0220】
MS(ISP):383.4(M+H)+
【0221】
実施例33
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
【0222】
【化53】

【0223】
a)2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,6,7,11b−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル
メタノール中の9,10−ジメトキシ−2−オキソ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(Helv. Chim. Acta 1958, 41, 119;4.00g、12.0mmol)および酢酸アンモニウム(13.9g、180mmol)の混合物を、室温で5時間攪拌した。溶剤の蒸発後、残留物を、ジクロロメタンと1Mの水酸化ナトリウム水溶液との間で分配させた。有機層を乾燥(MgSO4)し、ヘプタンでつき砕いて、タイトルの化合物(3.71g、93%)を得た。オフホワイト固体、MS(ISP)333.2(M+H)+
【0224】
b)rac−2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−カルボン酸エチルエステル
トリフルオロ酢酸(120mL)を、テトラヒドロフラン(60mL)中の2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,6,7,11b−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(6.90g、20.8mmol)の溶液に0℃で加え、次いで30分後、均質な溶液をホウ水素化ナトリウム(1.64g、41.5mmol)で処理し、さらに40分攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を、2Mの水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配させた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させた。残留物をジクロロメタン(80mL)に溶解し、ジクロロメタン(50mL)中のジ−t−ブチル−ジカーボネート(4.98g、22.8mmol)の溶液を室温で加えた。溶液を室温で一晩攪拌し、濃縮し、残留物をヘプタン中でつき砕いて、タイトルの化合物(7.44g、83%)を得た。淡黄色固体、MS(ISP)435.4(M+H)+
【0225】
c)rac−2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−カルボン酸
水酸化カリウム(86%、4.47g、68.5mmol)を、テトラヒドロフラン(70mL)および水(70mL)中のrac−2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−カルボン酸エチルエステル(7.44g、17.1mmol)の懸濁液に加えた。還流させながら5時間加熱した後、混合物を真空中で濃縮した。残留物を、1M aq.リン酸カリウム緩衝液(pH6.85)およびジクロロメタンにとり、透明な2相混合物を得るまでエタノールを加えた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、蒸発させて、タイトルの化合物(6.91g、99%)を得た。淡黄色固体、MS(ISN)405.3(M−H)-
【0226】
d)rac−(2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−カルバミン酸 2−トリメチルシラニル−エチルエステル
rac−2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−カルボン酸(6.91g、17.0mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(7.40g、25.6mmol)、トリエチルアミン(1.72g、17.0mmol)、2−(トリメチルシリル)−エタノール(30.2g、256mmol)およびトルエン(40mL)の混合物を、静かに窒素を流しながら、80℃で48時間加熱した。次に、反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/NH4OH 80:1:0.2)にかけ、生成物画分をヘキサン/酢酸エチル1:1中でつき砕いて、タイトルの化合物(5.22g、59%)を得た。白色固体、MS(ISP)522.4(M+H)+
【0227】
e)rac−(3β−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル)−カルバミン酸 t−ブチルエステル
フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1M、42mL、42mmol)中のrac−(2α−t−ブトキシカルボニルアミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−カルバミン酸 2−トリメチルシラニル−エチルエステル(5.22g、10.0mmol)の懸濁液を、50℃で90分加熱した。生じた溶液を真空中で濃縮し、クロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/NH4OH 95:5:0.25)にかけて、タイトルの化合物(3.59g、95%)を得た。淡黄色固体、MS(ISP)378.4(M+H)+
【0228】
f)rac−(3β−(3−ホルミル−ピロール−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル)−カルバミン酸 t−ブチルエステル
2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン−3−カルバルデヒド(73mg、0.41mmol)を、酢酸(1.7mL、29mmol)およびピリジン(1.05mL、13mmol)中のrac−(3β−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル)−カルバミン酸 t−ブチルエステル(140mg、0.37mmol)の溶液に加えた。均質の溶液を、100℃で90分加熱し、次に蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン/酢酸エチル勾配)にかけて、タイトルの化合物(75mg、44%)を得た。白色固体、MS(ISP)456.3(M+H)+
【0229】
g)rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン
rac−[3β−(3−ホルミル−ピロール−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル(75mg、0.17mmol)を、0℃に冷却したトリフルオロ酢酸(1mL)に溶解し、トリエチルシラン(55mg、0.46mmol)で処理し、0℃で1時間攪拌し、真空中で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/MeOH/NH4OH 95:5:0.25)にかけ、タイトルの化合物(48mg、85%)を得た。白色固体、MS(ISP)342.2(M+H)+
【0230】
実施例34
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド
【0231】
【化54】

【0232】
a)rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン
実施例1a)で述べたように、1,3−ジクロロ−ベンゼンを用いて、淡黄色固体として、ケトン化合物(40mg、11%)を得た。
【0233】
MS(ISP):372.2(M+H)+
【0234】
1H NMR (CDCl3): δ=7.38-7.06 (m, 4H), 6.64 (s, 1H), 6.59-6.58 (m, 1H), 4-3.7 (m, 8H), 3.5-3.35 (m, 1H), 3.2-2.6(m, 7H).
【0235】
b)rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(60mg、0.16mmol)を、メタノール(10mL)および塩化メチレン(5mL)に溶解した。酢酸アンモニウム(248mg、3.2mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム(13mg、0.2mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を水で希釈し、塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/25% aqNH3=97/3/0.5)にかけて、ジアステレオマーの1種として最初に溶離する生成物を得た。これをジエチルエーテルに溶解し、エーテル中のHClを加えた。溶剤を蒸発させて、生成物(22mg、33%)を淡黄色固体として残した。
【0236】
Ms(ISP):372.3(M+H)+
【0237】
【表3】

【0238】
実施例35
【0239】
rac−(3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド
【0240】
【化55】

【0241】
実施例1b)で述べた最後のクロマトグラフィーで、2番目の化合物として溶離した生成物を得た。生成物をジエチルエーテルに溶解し、ジエチルエーテル中の1N HClを加えた。溶剤を蒸発させて、生成物(26mg)を淡黄色固体として残した。
【0242】
MS(ISP):373.3(M+H)+
【0243】
【表4】

【0244】
実施例36
rac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール
【0245】
【化56】

【0246】
a)2−ブロモ−4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン
ジクロロメタン(80mL)中の2−ブロモ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン(Lancaster、[CAS 118289-16-01])(7.3g)およびイミダゾール(2.65g)の溶液に、0〜5℃で、ジクロロメタン(20mL)中の塩化t−ブチルジメチルシリル(5.85g)の溶液を15分かけて滴下した。反応混合物を0〜5℃で3時間攪拌し、氷/水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水、炭酸水素ナトリウム飽和溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、シリカゲル(200g)で溶離剤としてジクロロメタン用いてろ過した。生成物を含有する画分を乾燥するまで蒸発させて、2−ブロモ−4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン(10.3g)を無色の液体として得た。
【0247】
MS(ISP):302.0、304.1(M+H)+
【0248】
b)rac−3β[4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−2−イル]−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン
酢酸パラジウム(0.84g)、ナトリウムt−ブトキシド(9.8g)およびrac−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ベンゾ[a]キノリジン−2−オン(8.90g)[D. Beke, C. Szantay, Chem. Ber. 95, 2132 (1962)]の混合物を、高真空下、80℃で蒸発させ、アルゴンで3〜5回フラッシュした。脱ガステトラヒドロフラン(200mL)を、室温、アルゴン下で加えた。反応混合物を室温で15分攪拌し、トリ−t−ブチルホスフィン(0.76g)および2−ブロモ−4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン(10.3g)を、注射器で同時に加えた。反応混合物を、アルゴン下、20〜25℃で、18時間攪拌した。粗反応混合物を氷/水(1L)に注ぎ、2N塩酸で中和し、t−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、400g)により、溶離剤としてシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を用いて精製して、rac−3β−[4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−2−イル]−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(6.9g)を黄色泡状物として得た。
【0249】
MS(ISP):483.4(M+H)+
【0250】
c)rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン
テトラヒドロフラン(340mL)中のrac−3β[4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−2−イル]−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(6.85g)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(11.2g)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、濃縮した。残留物に水/氷を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムを用いて精製し、rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(4.6g)を黄色アモルファス粉末として得た。
【0251】
MS(ISP):369.1(M+H)+
【0252】
d)rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム
この化合物を、実施例2bと同様に、エタノール(140mL)中のrac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン(4.6g)、塩酸ヒドロキシルアミン(0.954g)および酢酸ナトリウム(1.12g)から出発して製造し、rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム(4.67g)を淡黄色結晶として得た。
【0253】
MS(ISP):384.3(M+H)+
【0254】
e)rac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール
この化合物を、実施例2cと同様に、rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オン オキシム(4.60g)から出発して製造し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)にかけた後、rac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール(2.16g)を淡黄色固体として得た。
【0255】
MS(ISP):370.3(M+H)+
【0256】
実施例37
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン塩酸塩
【0257】
【化57】

【0258】
a)[rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル
ジクロロメタン(215mL)中のrac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール(2.15g)の溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(1.27g)を加えた。反応混合物を2時間還流し、濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムを用いて精製して、[rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル(2.35g)を淡黄色固体として得た。
【0259】
MS(ISP):470.3(M+H)+
【0260】
b)[rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル
ジクロロメタン(15mL)中の[rac−3β−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル(0.5g)の溶液に、0℃で、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.515g)を加えた。反応混合物を0〜5℃で2時間攪拌し、氷/重炭酸塩で反応を停止し、ジクロロメタンで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲル(50g)クロマトグラフィーで、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール2、4および8%を用いて精製し、[rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル(0.15g)を黄色泡状物として得た。
【0261】
MS(ISP):472.4(M+H)+
【0262】
c)rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド
ジオキサン(5.0mL)中の[rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イル]−カルバミン酸 t−ブチルエステル(0.095g)の溶液に、4モルHCl/ジオキサン(5.0mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、ジエチルエーテル(75mL)を加えて、塩酸塩を沈殿させた。結晶をろ過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、タイトルの化合物(0.065g)を淡黄色固体として得た。
【0263】
MS(ISP):372.1(M+H)+
【0264】
実施例38
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン。
【0265】
【化58】

【0266】
メタノール/水1:1(5mL)中のrac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド(0.040g)の溶液を、塩基性イオン交換樹脂(IRA-400)で、溶離剤として同じ溶剤を用いてろ過した。生成物画分を合わせ、乾燥するまで蒸発させて、タイトルの化合物(0.025g)を橙色泡状物として得た。
【0267】
MS(ISP):372.1(M+H)+
【0268】
ガレヌス製剤実施例
実施例A
次の成分を含有するフィルム被覆錠剤は、慣用の方法で製造することができる。
【0269】
成分 錠剤当り
核部分:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微結晶セルロース 23.5mg 43.5mg
含水ラクトース 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
ナトリウムスターチグリコレート 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核部分重量) 120.0mg 350.0mg
フィルムコート:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0270】
活性成分をふるい、微結晶セルロースと混合し、混合物をポリビニルピロリドンの水溶液と一緒に顆粒化する。顆粒を、ナトリウムスターチグリコレートおよびステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ、120または350mgの核部分を得る。核部分に、上述したフィルムコートの水溶液/懸濁液を塗る。
【0271】
実施例B
次の成分を含有するカプセルは、慣用の方法で製造することができる。
【0272】
成分 カプセル当り
式(I)の化合物 25.0mg
ラクトース 150.0mg
トウモロコシスターチ 20.0mg
タルク 5.0mg
【0273】
成分をふるい、混合し、寸法2のカプセルに充填する。
【0274】
実施例C
注射液は、次の組成物を有することができる。
【0275】
成分
式(I)の化合物 3.0mg
ポリエチレングリコール400 150.0mg
酢酸 pH5.0に調節する十分量
注射液用の水 1.0mLに調節
【0276】
活性成分を、ポリエチレングリコール400および注射用の水(一部)の混合物に溶解する。pHを酢酸で5.0に調節する。残りの量の水を加えることにより、容量を1.0mLに調節する。溶液をろ過し、適切な過剰量を用いてバイアルに充填し、殺菌する。
【0277】
実施例D
次の成分を含有する軟質ゼラチンカプセルは、慣用の方法で製造することができる。
【0278】
成分
カプセル内容物
式(I)の化合物 5.0mg
黄蝋 8.0mg
水素化大豆油 8.0mg
部分的に水素化された植物油 34.0mg
大豆油 110.0mg
カプセル内容物の重量 165.0mg
ゼラチンカプセル
ゼラチン 75.0mg
グリセロール85% 32.0mg
Karion 83 8.0mg(乾燥物)
二酸化チタン 0.4mg
酸化鉄黄色 1.1mg
【0279】
活性成分を、他の成分の温かい溶融物に溶解し、混合物を適切な寸法の軟質ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟質ゼラチンカプセルを、通常の手順にしたがって処理する。
【0280】
実施例E
次の成分を含有するサシェ(sachet)は、慣用の方法で製造することができる。
【0281】
成分
式(I)の化合物 50.0mg
ラクトース、微粉末 1015.0mg
微結晶セルロース(AVICEL PH 102) 1400.0mg
ナトリウムカルボキシメチルセルロース 14.0mg
ポリビニルピロリドンK30 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 10.0mg
フレーバー添加剤 1.0mg
【0282】
活性成分を、ラクトース、微結晶セルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースと混合し、水中のポリビニルピロリドンの混合物と一緒に顆粒化する。顆粒を、ステアリン酸マグネシウムおよびフレーバー添加剤と混合し、サシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、R1は、
【化2】


(R2は、水素または低級アルコキシであり、
3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルから選択され、ただし、R2、R3、R4、R5およびR6の全てが水素ではなく、
7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ヒドロキシアルキルまたはハロゲン化低級アルキルであり、ただし、R7、R8およびR9の全てが水素ではなく、
10は、低級アルキルまたはハロゲン化低級アルキルである)
から選択される]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(I):
【化3】


[式中、R1は、
【化4】


(R2は、水素または低級アルコキシであり、
3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルから選択され、ただし、R2、R3、R4、R5およびR6の全てが水素ではなく、
7、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、
10は、低級アルキルまたはハロゲン化低級アルキルである)
から選択される]
を有する、請求項1記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
1が、
【化5】


であり、そして、R2、R3、R4、R5およびR6は、請求項1または2定義の通りである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
2、R4、R5およびR6が、水素であり、そして、R3が、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
2、R4、R5およびR6が、水素であり、そして、R3が、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキルまたはハロゲンである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
2、R4およびR5が、水素であり、そして、R3およびR6が、それぞれ独立に、低級アルキル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲンまたはシクロアルキルである、請求項3記載の化合物。
【請求項7】
2、R4およびR5が、水素であり、そして、R3およびR6が、それぞれ独立に、低級アルキルまたはハロゲンである、請求項3記載の化合物。
【請求項8】
1が、
【化6】


であり、そして、R7、R8およびR9が、請求項1または2定義の通りである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項9】
7およびR9が、水素であり、そして、R8が、低級アルキルまたは低級アルコキシである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
1が、
【化7】


であり、そして、R10が、請求項1または2定義の通りである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項11】
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−m−トリル−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)-1,3,4,6,7,11(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7、−11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)-1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(R)−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシー1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−イソプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−シクロプロピル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−9,10−ジメトキシー1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−[2−(2α−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3β−イル)−ピリジン−4−イル]−メタノール、
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(4−フルオロメチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
9,10−ジメトキシ−3(R)−m−トリルー1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−m−トリル−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(S)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(S)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
9,10−ジメトキシ−3(R)−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−1,3,4,6,7,11b(R)−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2(S)−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(4−エチル−ピリジン−2−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−3β−(2,5−ジメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−クロロ−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン ヒドロクロリド、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2β−イルアミン、
rac−3β−(3−フルオロメチル−フェニル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
rac−9,10−ジメトキシ−3β−(3−メチル−ピロール−1−イル)−1,3,4,6,7,11bβ−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2α−イルアミン、
からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
式:
【化8】


(式中、R1は、請求項1または2定義の通りである)の化合物を、
式(I):
【化9】


(式中、R1は、請求項1または2定義の通りである)の化合物に転化することを含む、請求項1〜12のいずれか1項定義の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法により製造される、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物ならびに薬学的に許容されるキャリヤおよび/または佐剤を含む薬学的組成物。
【請求項16】
治療活性物質として用いる、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
DPP−IVに関連する疾患の治療および/または予防のための治療活性物質として用いる、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物をヒトまたは動物に投与することを含む方法であって、DPP−IVに関連する疾患、たとえば糖尿病、インスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、高血圧症、利尿剤が有益な効果を有する疾患、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための方法。
【請求項19】
DPP−IVに関連する疾患の治療および/または予防のための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項20】
糖尿病、インスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、高血圧症、利尿剤が有益な効果を有する疾患、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項21】
DPP−IVに関連する疾患の治療および/または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項22】
糖尿病、インスリン非依存型糖尿病、耐糖能異常、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、高血圧症、利尿剤が有益な効果を有する疾患、肥満、および/または代謝症候群またはβ細胞保護の治療および/または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項23】
実質的に明細書に記載した通りの、新規化合物、製造方法および方法、その外に、このような化合物の使用。

【公表番号】特表2007−526876(P2007−526876A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515909(P2006−515909)
【出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006336
【国際公開番号】WO2005/000846
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】