説明

EP2拮抗薬としてのアゼチジン

本発明は、可変基および置換基が本明細書で規定するとおりである一般式(I)の一群のEP2拮抗薬アゼチジン、特にEP2拮抗薬化合物、医学、特に子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)の治療でのその使用、その合成において有用な中間体、ならびにそれを含有する組成物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の部類のアゼチジン化合物および薬学的に許容できるその誘導体、医学でのその使用、それを含有する組成物、ならびにその調製方法に関する。本発明はまた、そうした化合物および誘導体の調製で使用する中間体に関する。
【0002】
化合物は、プロスタグランジンE(PGE)受容体2(EP2受容体としても知られる)における拮抗薬であることが好ましい。化合物は、DP1(プロスタグランジンD1受容体)および/またはEP4(プロスタグランジンE(PGE)受容体4)に優先した選択性を有するEP2拮抗薬であることがより好ましい。化合物は、DP1およびEP4に優先した選択性を有するEP2拮抗薬であることが最も好ましい。特に、本発明は、子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含めた)原発性および続発性の月経困難症、慢性骨盤痛症候群などの、EP2の介在による状態の治療に有用となるはずであるアゼチジン化合物類に関する。
【背景技術】
【0003】
子宮内膜症は、生殖年齢の女性の10〜20%が罹患する一般的な婦人科疾患であり、それ自体は、子宮腔の外側の位置にある、機能し得る異所性の子宮内膜腺および間質が存在して顕在化する((Prentice 2001年)で総説されている)。子宮内膜症の患者らは、多くの異なる症状および重症度で診察を受けにくる可能性がある。その症状は月経困難症であるのが最も一般的であるが、慢性骨盤痛、性交疼痛症、排便困難症、月経過多、下腹部痛または腰痛、不妊、鼓腸、ならびに排尿時疼痛も、子宮内膜症の一群の症状の一部である。
【0004】
1860年にVon Rokitanskyによって最初に記載されて以来(Von Rokitansky 1860年)、子宮内膜症の正確な病因は不明であるが(Witz 1999年、Witz 2002年)、最も広く受け入れられている説は、生着説またはSampson説である(Sampson 1927年)。Sampson説は、子宮内膜症の発症は、月経中に子宮内膜組織が腹腔に逆行性に播種および生着した結果であると仮定する。子宮内膜の断片は、付着した後、局所性および全身性のホルモンの制御のもとで、血管からの供給を補充し、増殖および脱落のサイクルを経る。卵管が開存している女性では、逆行性の月経は一般的な現象と思われる(LiuおよびHitchcock 1986年)。この疾患はそれ自体、直腸膣子宮内膜症または腺筋症、卵巣嚢胞性子宮内膜腫、ならびに最も一般には腹膜子宮内膜症として顕在化することが多い。骨盤内での付着および病巣成長の主要な部位は、卵巣、広間膜および円索、卵管、子宮頸部、膣、腹膜、ならびにダグラス窩である。その最も重篤な場合では、子宮内膜症は、複数臓器の癒着および線維症を含めて、腹腔に深刻な構造的変形を引き起こし得る。
【0005】
症候性の子宮内膜症は、内科的および外科的に管理することができるが、その意図は、異所的な病変組織を除去することである。外科的処置は、患者の生殖能を保存することを目指して保存的となる場合もあり、または重篤な疾患では比較的根治的となり、尿路、腸、および直腸膣中隔の切開、または腹式子宮全摘出および両側の卵管卵巣摘出を伴う場合もある。医療薬理学的な治療、たとえば、アンドロゲン療法、すなわちダナゾールおよびゲストリノン、一群のGnRH作動薬、すなわちブセレリン、ゴセレリン、ロイプロリド、ナファレリン、およびトリプトレリン、GnRH拮抗薬、すなわちセトロレリクスおよびアバレリクス、ならびに酢酸メドロキシプロゲステロンを含めたプロゲストゲンは、エストロゲン産生を抑制することによって病巣を萎縮させる。こうした手法は、望ましくない副作用がないわけではなく、ダナゾールおよびゲストリノンは、体重増加、男性型多毛症、にきび、気分変化、および心臓血管系へのメタボリックな影響を含む。GnRH作動薬および拮抗薬の群は、エストロゲンの全面的な抑制を引き起こして、血管運動に影響を及ぼし(のぼせ)、骨密度を低下させるが、このためその使用は、6ヶ月のみの治療に制限される。
【0006】
子宮平滑筋腫(Walker 2002年、Flakeら 2003年)または子宮筋腫は、女性に認められる最も一般的な良性腫瘍であり、閉経に達する時期までには女性のほとんどに存在する。子宮筋腫は、米国では最もよくある子宮摘出の適応症であるが、子宮内膜症のように、疾患の根底にある病態生理についてはごくわずかしかわかっていない。子宮内膜症の病変のように、増大した子宮筋腫の存在は、異常な子宮出血、月経困難症、骨盤痛、および不妊と関連付けられる。外科的な管理以外に、GnRH類似体やダナゾールなどの、子宮内膜症に通常使用される医学的処置は、可逆的な低エストロゲン状態を誘発することによって、子宮筋腫の成長を抑制することがわかっている(ChrispおよびGoa 1990年、ChrispおよびGoa 1991年、De Leoら 2002年、Ishiharaら 2003年)。
【0007】
しかし、子宮筋腫および子宮内膜症の今後の疾患管理はどちらも、現在利用可能な薬剤よりも有効であり、十分に許容され、かつ安全な薬剤の開発にかかっている。卵巣の機能を完全に抑制し、骨密度を低下させる現存する薬剤には、長期にわたる有害な影響(主に性機能の変化、骨密度の低下、ならび心血管および血栓性の合併症のリスクの増大)があり、疾患を、詳細には異所性疾患のレベルで修正する、ホルモンに関連しない機序または手法の開発が喚起されている。これらのうちの1つに、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)依存的なPGEシグナル伝達経路を修正する薬剤を含む手法が挙げられる(BoiceおよびRohrer 2005年)。PGEは、Gタンパク質共役型受容体EP1、EP2、EP3、およびEP4を介してその影響を伝える。EP受容体の示差的な発現ならびにその細胞内の共役経路の両方によって、種々の細胞型におけるPGEの多様な生物学的機能が仲介される(Narumiyaら 1999年、Tilleyら 2001年)。EP2およびEP4受容体は、アデニル酸シクラーゼを活性化するGタンパク質に特異的に結合し、cAMPの産生をもたらす。子宮内膜では、増殖期にある腺性上皮でCOX−2発現が増大し、それに伴ってEP2およびEP4受容体発現が増大する((SalesおよびJabbour 2003年、Jabbourら 2006年)で総説されている)。子宮内膜腺癌、腺筋症、子宮内膜症などの子宮内膜の病理学的状態では、この経路が上向き調節されるとみられる(Jabbourら 2001年、Otaら 2001年、Chishimaら 2002年、Jabbour 2003年、Matsuzakiら 2004年b、Buchweitzら 2006年)。COX−2は、排卵、着床、脱落膜化、および分娩(SalesおよびJabbour 2003年)において重要な役割を果たす。EP2受容体が相同性組換えによって除去されているマウスは、胎仔着床および妊孕性が欠如しており(Hizakiら 1999年、Kennedyら 1999年、Tilleyら 1999年)、COX−2によって導かれたPGEが、子宮内膜への影響を一部にはEP2受容体を通して仲介するという考えを裏付けている。COX−2の発現は、正常な正所性の子宮内膜とは対照的に、疾患の異所性の部位で大きく上向き調節されることがわかっており(Otaら 2001年、Chishimaら 2002年、Matsuzakiら 2004年b、Buchweitzら 2006年)、PGE2は、培養物中で子宮内膜上皮細胞の増殖を誘発する(JabbourおよびBoddy 2003年)。子宮内膜症の前臨床疾患モデルでは、COX−2選択的な薬剤での処置によって、疾患の負担が軽減している(Doganら 2004年、Matsuzakiら 2004年a、Ozawaら 2006年、Laschkeら 2007年)。子宮内膜症の患者をロフェコキシブで6ヶ月間治療すると、偽薬と比較して疼痛症状が改善され、成果が得られたことを示唆する臨床研究(Cobellisら 2004年)も1件発表されている。
【0008】
子宮内膜症の患者におけるCOX−2の異常な発現は、いくつかの因果関係を有すると思われる(SalesおよびJabbour 2003年)。第一に、PGEは、異所性の子宮内膜間質細胞でアロマターゼの発現および活性を増強するとみられる(Nobleら 1997年、ZeitounおよびBulun 1999年)。病変によってアロマターゼが異所性に発生すると、局所性のエストロゲン産生が増大して、卵巣による制御および正常な性周期とは無関係に病巣を成長させることになると推測することもできる。アロマターゼ発現に対するPGEの生体外での影響は、選択的EP2受容体作動薬であるブタプロストによって模倣することができるので(ZeitounおよびBulun 1999年)、本発明の化合物が、子宮内膜症、腺筋腫、子宮筋腫、ならびに子宮癌および乳癌などの、異所性のアロマターゼ発現を余儀なくされた増殖障害の治療において有用となるはずであるという考えが裏打ちされる。
【0009】
選択的EP2拮抗薬が細胞増殖を阻害し得る機序は、他にも考えられる。腸ポリープ形成の予防においてセレコキシブなどのCOX−2阻害剤の効果が認められていること(Arberら 2006年)、および家族性大腸ポリポーシスコンプレックスのマウスモデル(Δ716APCマウス)において、COX−2の欠損によって腺腫形成からの保護がなされること(Oshimaら 1996年、Oshimaら 2001年)から、PGE経路は、癌増殖の促進においても鍵となる役割を担うことが示唆される。Δ716APCマウスモデルにおけるポリープ形成および腺腫形成を、EP2受容体の追加の生殖細胞系列を欠損させて交雑させることによっても阻害できることは、PGEが、細胞分化および増殖への影響を、EP2受容体を通して仲介するという見解と一致している(Sonoshitaら 2001年、Senoら 2002年)。さらに、EP2受容体の下流のシグナル伝達経路について明らかになりつつある知見も、EP2が、β−カテニンの調節(Castelloneら 2005年、Castelloneら 2006年)やMAPキナーゼ経路(JabbourおよびBoddy 2003年)などの、細胞周期制御の初期のG1事象において鍵となる役割を果たしていることと一致している。
【0010】
脈管形成、すなわち既存の脈管構造系からの毛細管の出芽は、胎仔の発育、創傷修復、および腫瘍増殖の際に起こる。Δ716APCマウスにおける腺腫の出現に付随するCOX−2発現および血管密度の増大は、子宮内膜症、ならびに卵巣癌、皮膚癌、前立腺癌、胃癌、結腸直腸癌、および乳癌を含めるがこの限りでない悪性状態の臨床検体および前臨床モデルにおいても一貫して認められる(Subbaramaiahら 2002年、Hullら 2003年、Kamiyamaら 2006年)。この過程にCOX−2経路が関与していることは、いくつかの知見(Liuら 2001年、Leahyら 2002年、Changら 2004年、Ozawaら 2006年)によって裏付けられている。子宮内膜症の女性の腹水は、子宮内膜症でない女性より脈管形成活性が高いようであり(GazvaniおよびTempleton 2002年、Bourlevら 2006年)、PGEは、VEGFやアンジオポイエチンなどの血管形成因子の転写を促進することがわかっている((GatelyおよびLi 2004年)で総説されている)。内皮細胞の増殖および遊走の刺激(Kamiyamaら 2006年)ならびに低酸素に対する応答(Critchleyら 2006年)におけるEP2受容体の明確な寄与を示す最近のデータは、本発明の化合物が、子宮内膜症、腺筋症、平滑筋腫、月経過多、黄斑変性症、関節リウマチ、および癌を含めるがこの限りでない血管原性障害の治療において有用となるはずであるという考えと一致し、またこの考えを裏打ちするものである。
【0011】
子宮神経切除および前仙骨神経叢切除の外科的技術はどちらも、原発性および続発性の月経困難症の疼痛症状の管理に使用される(Proctorら 2005年)。COX−1およびCOX−2がアラカドン酸(arachadonic acid)に作用してPGHからPGEが生成されるにつれて、増大したPGEが、腹膜および異所性病巣を神経支配する感覚性の求心性線維に直接の疼痛増感効果をもたらすことになる(Tulandiら 2001年、Al−Fozanら 2004年、Berkleyら 2004年、QuinnおよびArmstrong 2004年、Tokushigeら 2006年a、Tokushigeら 2006年b)。COX−2発現の増大が非月経性の慢性骨盤痛と相関する(Buchweitzら 2006年)ことは、この考えと一致している。マウスモデルでの研究によるいく通りかの証拠からは、疼痛および侵害受容に対するPGEの作用様式の1つがEP2受容体によって仲介されることが示唆される(Ahmadiら 2002年、Reinoldら 2005年、Hoslら 2006年)。本発明の化合物は、したがって、月経困難症、排便困難症、性交疼痛症、過敏性大腸症候群、子宮内膜症、腺筋症、平滑筋腫、慢性骨盤痛、間質性膀胱炎、または炎症性の疼痛状態を含めるがこの限りでない障害に関する疼痛症状の治療に有用となるはずである。
【0012】
子宮内膜症が発症する際は、活性化した炎症細胞が腹腔に補充されるとみられる。子宮内膜症の女性の腹腔マクロファージは、子宮内膜症でない女性のものより多くPGEを放出する(Karckら 1996年、Wuら 2005年)。PGEレベルの上昇が腹腔マクロファージに及ぼす影響の1つは、MMP−9発現が阻害され、それによってマクロファージの食作用機能が弱まって(Wuら 2005年)、腹膜における子宮内膜組織の蓄積が延長されることである。それ自体としてはマクロファージ機能を回復させるので、こうした知見は、子宮内膜症および癌の治療における本発明の化合物の使用をさらに支持する。
【0013】
既知のEP2拮抗薬としてAH6809が挙げられるが(Pelletierら 2001年)、その効力も選択性も医学療法に適するまでに至っていない。
【0014】
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【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の化合物は、潜在的に有用な医薬品特性を有することがわかった。その潜在的な使用としては、その限りでないが、子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)および月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、慢性骨盤痛症候群、思春期早発症、子宮頸部熟化、乳癌、結腸癌、家族性大腸ポリポーシス、結腸直腸腺腫、子宮体癌、前立腺癌、肺癌、睾丸癌、胃癌、黄斑変性症、炎症性および神経因性の疼痛状態、癌性疼痛の治療において有用となるはずのEP2拮抗薬特性が挙げられる。
【0016】
特に重要なのは、以下の疾患または障害、すなわち、子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、慢性骨盤痛症候群である。
【0017】
特に、本発明の化合物および誘導体は、プロスタグランジンE(PGE)受容体2(EP2)拮抗薬としての活性を示し、EP2受容体拮抗作用が必要となる治療に有用となり得る。
【0018】
より詳細には、本発明の化合物および誘導体は、その疼痛症状を含めた子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)の治療に有用となり得る。
【0019】
本明細書では、用語「治療すること」および「治療する」は、症状を緩和し、一時的もしくは永久に原因を解消し、または症状の出現を予防もしくは緩徐化することを意味する。用語「治療」は、上述の適応症に関連する症状および障害の緩和、その原因の(一時的もしくは永久的な)解消、またはその予防を包含する。治療は、前処置でもよいし、症状発症時の治療でもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によれば、式(I)の化合物
【0021】
【化1】

および薬学的に許容できるその誘導体が提供される。
[式中、
は、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニルを表し、
は、ハロ、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキルオキシを表し、
Xは、直接結合、−O−、または−NH−を表し、
Yは、0または1を表し、
Arは、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニル環または5員含硫黄複素環を表し、
は、ハロ、(1個または複数のフルオロで置換されていてもよい)C1〜6アルキル、−NHCOR、−SO、または−ORを表し、
は、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルを表し、
は、C1〜6アルキルを表し、
は、(1個または複数のフルオロで置換されていてもよい)C1〜6アルキル、またはフェニル環を表す。]
【0022】
好ましい実施形態では、式(I*)の化合物
【0023】
【化2】

および薬学的に許容できるその誘導体が提供される。
[式中、
は、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニルを表し、
は、ハロ、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキルオキシを表し、
Xは、直接結合、−O−、または−NH−を表し、
Yは、0または1を表し、
Arは、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニル環または5員含硫黄複素環を表し、
は、ハロ、C1〜6アルキル、ペルフルオロC1〜6アルキル、−NHCOR、−SO、または−ORを表し、
は、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルを表し、
は、C1〜6アルキルを表し、
は、C1〜6アルキル、ペルフルオロC1〜6アルキル、またはフェニル環を表す。]
【0024】
以下の実施形態が好ましい。
(i)Xが直接結合または−NH−を表す、上述の式(I)または(I*)の化合物、
(ii)Xが直接結合を表す、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)の化合物、
(iii)Xが−NH−を表す、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(ii)の化合物、
(iv)Yが0を表す、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(iii)のいずれかの化合物、
(v)Yが1を表す、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(iii)のいずれかの化合物、
(vi)Rが、Zから選択される1個の基で置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(v)のいずれかの化合物、
(vii)Rが、Zから独立して選択される2個の基で置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(v)のいずれかの化合物、
(viii)Zがハロを表すとき、ハロはFまたはClである、上記実施形態のいずれかによる化合物、
(ix)ZがC1〜6アルキルを表すとき、C1〜6アルキルはメチルまたはエチルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(viii)のいずれかの化合物、
(x)ZがC1〜6アルキルオキシを表すとき、C1〜6アルキルオキシはメトキシまたはエトキシである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(ix)の化合物、
(xi)Rが無置換である、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(v)の化合物、
(xii)Arが5員含硫黄複素環を表すとき、5員含硫黄複素環はチエニルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xi)の化合物、
(xiii)Arが、Zから選択される1個の基で置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xii)の化合物、
(xiv)Arが、Zから独立して選択される2個の基で置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xii)の化合物、
(xv)Zがハロを表すとき、ハロはFまたはClである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xiv)の化合物、
(xvi)ZがC1〜6アルキルを表すとき、C1〜6アルキルはメチル、エチル、またはブチルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xv)の化合物、
(xvii)Zが、1個または複数のフルオロで置換されているC1〜6アルキルを表すとき、そのC1〜6アルキルは3個のフルオロで置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xvi)の化合物、
(xviii)RがC1〜6アルキルを表すとき、C1〜6アルキルはメチルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xvii)の化合物、
(xix)RがC3〜6シクロアルキルであるとき、C3〜6シクロアルキルはシクロプロピルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xviii)の化合物、
(xx)Rがメチルを表す、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xix)の化合物、
(xxi)RがC1〜6アルキルを表し、C1〜6アルキルがメチルまたはブチルである、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xx)の化合物、
(xxii)Rが、1個または複数のフルオロで置換されているC1〜6アルキルを表すとき、そのC1〜6アルキルは2または3個のフルオロで置換されている、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xxi)の化合物、
(xxiii)Arが無置換である、式(I)もしくは(I*)または上記実施形態(i)から(xii)の化合物。
【0025】
代替実施形態では、Rは、以下の実施例に関連する意味から選択される。
【0026】
代替実施形態では、Arは、以下の実施例に関連する意味から選択される。
【0027】
好ましい群の化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグは、X、Y、Z、Z、R、R、R、RおよびArが、以下の実施例の化合物に関連する意味を有するものである。
【0028】
より好ましい群の化合物は、以下の実施例の化合物および薬学的に許容できるその誘導体である。
【0029】
上述の本発明の実施形態は、1つまたは複数の別の実施形態と合体させて、別の実施形態を提供することもできるが、そこでは、2つ以上の可変基が組合せの中でより詳細に規定される。たとえば、X、Y、Z、Z、R、R、R、RおよびArの可変基すべてにおいて、上述のより詳細な実施形態でこれらに割り当てられた定義がより限定されている別の実施形態は、本発明の範囲内である。上で記載し、規定したより詳細な実施形態のそのようなすべての組合せが本発明の範囲内である。
【0030】
上の定義では、必要数の炭素原子を含んでいるアルキル基は、指摘する場合を除き、非分枝鎖でも分枝鎖でもよい。例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、およびt−ブチルが挙げられる。アルキルオキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、およびt−ブチルオキシが挙げられる。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられる。ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0031】
薬学的に許容できる誘導体とは、式(I)もしくは(I*)の化合物、またはレシピエントに投与されると、(直接または間接的に)式(I)もしくは(I*)の化合物になることのできる他の任意の化合物の、任意の薬学的に許容できる塩、溶媒和物(水和物を含める)、エステルもしくはアミド、またはそのようなエステルもしくはアミドの塩、またはそのようなエステルもしくはアミドの溶媒和物(水和物を含める)、または錯体、またはこれらの活性代謝産物もしくは残基を意味する。薬学的に許容できる誘導体は、式(I)または(I*)の化合物の塩、溶媒和物(水和物を含める)、エステル、およびアミドであることが好ましい。薬学的に許容できる誘導体は、塩および溶媒和物であることがより好ましい。
【0032】
式(I)または(I*)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基の塩が含まれる。
【0033】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成するものである。例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、サイクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が挙げられる。
【0034】
適切な塩基の塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成するものである。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オールアミン、カリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が挙げられる。
【0035】
酸および塩基の半塩、たとえば半硫酸塩および半カルシウム塩を生成してもよい。
【0036】
適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002年)を参照されたい。
【0037】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3通りの方法の1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式(I)の化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法、
(ii)所望の酸または塩基を使用して、式(I)の化合物の適切な前駆体から、酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去する、または適切な環状前駆体、たとえばラクトンもしくはラクタムを開環することによる方法、または
(iii)式(I)の化合物の塩を、適切な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって別の塩に変換することによる方法。
【0038】
3通りの反応はすべて、通常は溶液中で実施する。得られる塩は、析出する場合もあるので濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させて回収することもできる。得られる塩のイオン化の程度は、完全なイオン化からほとんどイオン化していない程度まで様々でよい。
【0039】
実施例および調製例で言及するものを含めて、以下の経路は、式(I)または(I*)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、本発明の化合物およびその中間体が、本明細書で詳述する方法以外の方法によって、たとえば、本明細書に記載の方法を、たとえば当業界で知られている方法によって適合させることにより生成できるはずであることはわかるであろう。合成、官能基の相互交換、保護基の使用などについての適切な手引書は、たとえば以下のものである。
RC Larockによる「Comprehensive Organic Transformations」、VCH Publishers Inc.(1989年);J.Marchによる「Advanced Organic Chemistry」、Wiley Interscience(1985年);S Warrenによる「Designing Organic Synthesis」、Wiley Interscience(1978年);S Warrenによる「Organic Synthesis−The Disconnection Approach」、Wiley Interscience(1982年);RK MackieおよびDM Smithによる「Guidebook to Organic Synthesis」、Longman(1982年);TW GreeneおよびPGM Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons,Inc.(1999年);およびPJ,Kocienskiによる「Protecting Groups」、Georg Thieme Verlag(1994年)、ならびにあるとすれば前記標準著作の最新版。
【0040】
以下の一般合成法では、別段の指定がない限り、置換基X、Y、R、Z、Ar、Z、R、RおよびRは、上記式(I)または(I*)の化合物に関して上で規定したとおりである。
【0041】
以下の経路は、式(I)または(I*)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、他の方法も等しく実行可能となり得ることがわかるであろう。
【0042】
実施例および調製例で言及するものを含めて、以下の経路は、式(I)または(I*)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、本発明の化合物およびその中間体が、本明細書で詳述する方法以外の方法によって、たとえば、記載する方法を適合させることによって、または当業界で知られている方法によって生成できるはずであることはわかるであろう。合成、官能基の相互交換、保護基の使用などについての適切な手引書の例は、たとえば以下のものである。
RC Larockによる「Comprehensive Organic Transformations」、VCH Publishers Inc.(1989年);J.Marchによる「Advanced Organic Chemistry」、Wiley Interscience(1985年);S Warrenによる「Designing Organic Synthesis」、Wiley Interscience(1978年);S Warrenによる「Organic Synthesis−The Disconnection Approach」、Wiley Interscience(1982年);RK MackieおよびDM Smithによる「Guidebook to Organic Synthesis」、Longman(1982年);TW GreeneおよびPGM Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons,Inc.(1999年);およびPJ,Kocienskiによる「Protecting Groups」、Georg Thieme Verlag(1994年)、ならびにあるとすれば前記標準著作の最新版。
【0043】
以下の経路は、式(I)または(I*)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、他の方法も等しく実行可能となり得ることがわかるであろう。
【0044】
スキーム1は、中間体(III)を中間体(II)でアルキル化することによる式(I)または(I*)の化合物の調製を例示するものである。必要ならば、適切な塩基(炭酸カリウムなど)および/または付加剤(ヨウ化ナトリウムなど)、さらに(II)のLGが適切な脱離基である場合には適切な溶媒を加えることができる。適切な脱離基としては、Cl、Br、I、メシラート、トシラートなどが挙げられる。
【0045】
【化3】

【0046】
使用することのできる典型的な条件は、式(II)のアゼチジンおよび式(III)のテトラゾール化合物を、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはトリエチルアミンと共に、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはアセトニトリル中にて、60℃から溶媒の還流温度までの温度で撹拌するものである。適切な代替法は、塩基に加えて付加剤(ヨウ化ナトリウムやヨウ化テトラブチルアンモニウム)を使用することである。上述の溶媒の代わりに任意の適切な高沸点溶媒を使用することができる。少なくとも1当量の中間体テトラゾール化合物(III)および少なくとも1当量の塩基を使用すべきであり、所望ならば一方または両方の過剰量を使用することもできる。引き続いてのエステル加水分解は、アルキル化が起こった後、反応混合物に適切な塩基または水を加えてin situで行うことができる。この加水分解に適する塩基として、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0047】
スキーム2は、式(IV)の保護された中間体(PGは適切なN保護基である)から式(II)のアゼチジン中間体を調製するのに使用する経路を例示するものである。(「Protecting Groups in Organic Synthesis」、第3版、T.W.GreeneおよびP.G.Wuts、Wiley−Interscience、1999年に記載されているように)適切などんな窒素保護基を使用してもよい。使用に適する一般的な窒素保護基(PG)としては、t−ブトキシカルボニル(t−Boc)(ジクロロメタンや1,4−ジオキサンなどの有機溶媒中にてトリフルオロ酢酸酸や塩化水素などの酸で処理することにより容易に除去される)およびベンジル(適切な触媒存在下での水素化によって、またはクロロギ酸1−クロロエチルでの処理によって容易に除去される)が挙げられる。
【0048】
【化4】

【0049】
式(IV)の化合物は、当業者によく知られている方法によって、たとえば、文献の先例および/または本明細書に記載の調製例に即して、またはそれらを常法に従って適合させて生成することができる。
【0050】
式(V)の化合物は、N保護基(PG)を除去して生成することができる。たとえば、PGがベンジル基である場合、適切な触媒存在下での水素化によって、またはクロロギ酸1−クロロエチルでの処理によって容易に除去することができる。Xが直接結合であるとき、式(V)の中間体化合物を、適切な(活性化した)酸(たとえば酸塩化物RCOClまたは無水物(RCO)O)を用いるなどの標準のアシル化化学反応を使用してアシル化することによりC(O)XR基を導入して、式(II)の化合物を得ることができる。アシル化は、ジクロロメタン、1,2ジクロロエタン、またはテトラヒドロフランなどの溶媒中にて、酸塩化物をトリエチルアミンなどの適切な塩基と共に使用して実施することが好ましい。酸塩化物RCOClは、市販されており、または文献の先例を参照して当業者によく知られるところとなる。
【0051】
Xが−NH−であるとき、式(V)の中間体を適切なイソシアナートRNCOと反応させることによりNR基を導入して、式(II)の化合物を得ることができる。尿素生成は、ジクロロメタン、1,2ジクロロエタン、またはテトラヒドロフランなどの溶媒中にて、イソシアナートをトリエチルアミンなどの適切な塩基と共に使用して実施することが好ましい。イソシアナートRNCOは、市販されており、または文献の先例を参照して当業者によく知られるところとなる。
【0052】
Xが−O−であるとき、標準のカルバマート化学反応を使用してOR基を導入することができる。カルバマート生成は、ジクロロメタンや1,2ジクロロエタンなどの溶媒中にて、適切なクロロカルボナートRO(CO)Clおよび式(V)の中間体を炭酸水素ナトリウムなどの適切な塩基と共に使用して実施することが好ましい。クロロカルボナートRO(CO)Clは、市販されており、または文献の先例を参照して当業者によく知られるところとなる。式(III)の試薬および中間体は、市販されており、または文献の先例および/もしくは本明細書に記載の調製例を参照して当業者によく知られるところとなる。
【0053】
本発明の化合物は、完全な非晶質から完全な結晶の範囲の一連の固体状態で存在し得る。「非晶質」という用語は、材料が分子レベルで長範囲秩序を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理的性質を示し得る状態を指す。通常、このような材料は、特有のX線回折パターンを与えず、固体の性質を示しながらも、より正式には液体であると記述される。加熱すると、固体の性質から液体の性質への変化が起こるが、通常は二次の状態変化(「ガラス転移」)を特徴とする。「結晶」という用語は、材料が、分子レベルで規則的な整った内部構造を有し、明確なピークを伴う特有のX線回折パターンを与える固相を指す。このような材料も、十分に加熱すると液体の性質を示すが、固体から液体への変化は、通常は一次の相変化(「融点」)を特徴とする。
【0054】
本発明の化合物はまた、溶媒和していない形態および溶媒和した形態で存在し得る。「溶媒和物」という用語は、本明細書では、本発明の化合物と、薬学的に許容できる1個または複数の溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子錯体について述べるのに使用する。「水和物」という用語は、前記溶媒が水であるときに用いる。
【0055】
現在受け入れられている有機水和物の分類系統は、隔離部位水和物、チャネル水和物、または金属イオン配位水和物を規定するものである。K.R.Morrisによる「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995年)を参照されたい。隔離部位水和物は、水分子が、介在する有機分子によって、互いとの直接の接触から隔離されている水和物である。チャネル水和物では、水分子は格子チャネルの中に存在し、そこで他の水分子と隣り合っている。金属イオン配位水和物では、水分子は金属イオンに結合している。
【0056】
溶媒または水が堅固に結合しているとき、この錯体は、湿度に関係なく、明確な化学量論性を有することになる。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水の結合が弱いとき、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に左右される。そのような場合では、非化学量論性が標準となる。
【0057】
本発明の範囲内には、薬物および少なくとも1種の他の成分が化学量論量または非化学量論量で存在する(塩および溶媒和物以外の)多構成要素の錯体も含まれる。この種類の錯体としては、クラスレート(薬物−宿主包接錯体)および共結晶が挙げられる。後者は通常、非共有結合性の相互作用によって結合し合った中性の分子成分の結晶性錯体であると定義されるが、中性分子と塩の錯体である場合もあるはずである。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶化によって、または成分を物理的に擦り合わせて調製することができる。O.AlmarssonおよびM.J.ZaworotkoによるChem Commun、第17巻、1889〜1896頁(2004年)を参照されたい。多構成要素錯体の一般的な総説については、HaleblianによるJ Pharm Sci、第64巻(8)、1269〜1288頁(1975年8月)を参照されたい。
【0058】
本発明の化合物は、適切な条件下に置かれたとき、中間状態で(中間相または液晶として)存在する場合もある。中間状態とは、真の結晶状態と真の液体状態(融解物または溶液)の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は「温度転移型」であると記述され、水や別の溶媒などの第2の成分を加えた結果として起こる中間状態は「濃度転移型」であると記述される。濃度転移型の中間相を生成する潜在的可能性を有する化合物は、「両親媒性」であると記述され、イオン性(−COONa、−COO、−SONaなど)または非イオン性(−N(CHなど)の極性頭部基を有する分子からなる。これ以上の情報については、N.H.HartshorneおよびA.Stuartによる「Crystals and the Polarizing Microscope」第4版(Edward Arnold、1970年)を参照されたい。
【0059】
以下では、式(I)または(I*)の化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、多構成要素錯体、および液晶、ならびにその塩の溶媒和物、多構成要素錯体、および液晶への言及を包含する。
【0060】
指摘したように、いわゆる式(I)または(I*)の化合物の「プロドラッグ」も、本発明の範囲内である。したがって、それ自体は薬理活性をほとんどまたはまったくもたなくてもよい式(I)または(I*)の化合物の特定の誘導体を、身体中または身体上に投与したとき、たとえば加水分解による切断によって、所望の活性を有する式Iの化合物に変換することができる。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用についてのこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E.B.Roche、米国薬剤師会編)で見ることができる。
【0061】
本発明によるプロドラッグは、たとえば、式(I)または(I*)の化合物中に存在する適切な官能基を、H.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載のとおりに、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分と交換することにより生成できる。
【0062】
本発明によるプロドラッグの一部の例として、以下のものが挙げられる。
(i)式(I)または(I*)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含んでいる場合、そのエーテル、たとえば、式(I)または(I*)の化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルと交換されている化合物、および
(ii)式(I)または(I*)の化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR、R≠Hである)を含んでいる場合、そのアミド、たとえば、式(I)または(I*)の化合物のアミノ官能基の場合により一方または両方の水素が、(C〜C10)アルカノイルと交換されている化合物。
【0063】
前述の例に従う置換基の別の例および他のプロドラッグタイプの例は、上述の参考文献で見ることができる。
【0064】
さらに、特定の式(I)または(I*)の化合物は、それ自体が他の式(I)または(I*)の化合物のプロドラッグとして働く場合もある。
【0065】
本発明の範囲内には、式(I)または(I*)の化合物の代謝産物、すなわち、薬物が投与されるとin vivoで生成される化合物も含まれる。したがって、本発明の範囲内には、in vivoで生成されるとき、式(I)または(I*)の化合物の代謝産物が想定される。
【0066】
1個または複数の不斉炭素原子を含んでいる式(I)または(I*)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在し得る。式(I)または(I*)の化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含んでいる場合、幾何的なシス/トランス(またはZ/E)異性体が考えられる。構造異性体が低いエネルギー障壁で相互変換可能な場合、互変異性体の異性(「互変異性」)が存在し得る。互変異性は、たとえばイミノ、ケト、またはオキシム基を含んでいる式(I)または(I*)の化合物ではプロトン互変異性、または芳香族部分を含んでいる化合物ではいわゆる原子価互変異性の形をとり得る。これは、単一化合物が複数種の異性を示す場合もあるということである。
【0067】
本発明の範囲内には、複数種の異性を示す化合物を含めて、式(I)または(I*)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体形態、ならびにその1種または複数の混合物が含まれる。対イオンが光学活性のあるもの、たとえば、d−乳酸もしくはl−リシン、またはラセミ体、たとえば、dl−酒石酸もしくはdl−アルギニンである酸付加塩または塩基の塩も含まれる。
【0068】
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技術、たとえばクロマトグラフィーおよび分別結晶化によって分離することができる。
【0069】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術としては、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、または、たとえばキラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
【0070】
別法として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、光学活性のある適切な化合物、たとえばアルコール、または、式(I)または(I*)の化合物が酸もしくは塩基の部分を含んでいる場合、1−フェニルエチルアミンや酒石酸などの塩基もしくは酸と反応させることもできる。得られるジアステレオ異性体混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0071】
本発明のキラルな化合物(およびそのキラルな前駆体)は、0〜50体積%、通常は2%〜20%のイソプロパノール、および0〜5体積%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、鏡像異性体を豊富に含む形で得ることもできる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。
【0072】
任意のラセミ体が結晶化するとき、2種の異なるタイプの結晶が考えられる。最初のタイプは、上で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)であり、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する均質な1形態の結晶が生じる。第2のタイプは、ラセミ混合物または集成体であり、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2形態の結晶が等モル量で生じる。
【0073】
ラセミ混合物中に存在する結晶形は両方が同一の物理的性質を有するが、真のラセミ体と比べると異なる物理的性質を有する場合もある。ラセミ混合物は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。たとえば、E.L.ElielおよびS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、1994年)を参照されたい。
【0074】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号は同じであるが原子質量または質量数が自然界で大部分を占める原子質量または質量数と異なっている原子と交換されている、薬学的に許容できるすべての同位体標識された式(I)または(I*)の化合物を包含する。
【0075】
本発明の化合物中に含めるのに適する同位体の例には、HやHなどの水素、11C、13C、14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iや125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
【0076】
特定の同位体標識された式(I)または(I*)の化合物、たとえば、放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質の組織分布調査において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14Cは、組み込みやすく、検出手段が手近にあることを考えると、この目的に特に有用である。
【0077】
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体で置換すると、代謝安定性がより高いために生じる治療上の特定の利点、たとえば、生体内半減期の延長または投与必要量の減少がもたらされる場合もあり、したがって状況によっては好まれることもある。
【0078】
11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)調査において有用となり得る。同位体標識された式(I)または(I*)の化合物は一般に、当業者に知られている従来の技術によって、または以前から用いられている標識されていない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用しながら、以下で示す実施例および調製例に記載の方法と類似の方法によって調製することができる。
【0079】
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体によって置換されているもの、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOでもよい溶媒和物が含まれる。
【0080】
企図される適応症の処理に最も適する剤形および投与経路を選択するために、式(I)または(I*)の化合物は、その(pH全域での)溶解性および溶液安定性、透過性などの生物薬剤学的な性質を評価すべきである。
【0081】
医薬としての使用を目的とする本発明の化合物は、結晶性または非晶質の製品として投与することができる。そうした本発明の化合物は、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸発乾燥などの方法によって、たとえば固体充填物、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥をこの目的のために使用してもよい。
【0082】
本発明の化合物は、単独で、または他の1種または複数の本発明の化合物と組み合わせて、または他の1種または複数の薬物と組み合わせて(またはこれらの任意の組合せとして)投与することができる。
【0083】
本発明の化合物は、PDE5阻害剤と組み合わせて投与することができる。したがって、本発明の別の態様では、EP2拮抗薬と1種または複数のPDEV阻害剤とを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
【0084】
本発明の化合物と合わせるのに有用なPDEV阻害剤としては、その限りでないが、以下のものが挙げられる。
(i)好ましくは、1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンとしても知られている、5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(たとえばViagra(登録商標)として販売されているシルデナフィル)(EP−A−0463756を参照されたい);5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004を参照されたい);3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO98/49166を参照されたい);3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照されたい);3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られている、(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333を参照されたい);1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られている、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例8を参照されたい);5−[2−i−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例15を参照されたい);5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113、実施例66を参照されたい);5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例124を参照されたい);5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112、実施例132を参照されたい);(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(タダラフィル、IC−351、Cialis(登録商標))、すなわち公開国際出願WO95/19978の実施例78および95の化合物、ならびに実施例1、3、7および8の化合物;1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られている、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル、LEVITRA(登録商標))、すなわち公開国際出願WO99/24433の実施例20、19、337および336の化合物;公開国際出願WO93/07124の実施例11の化合物(エーザイ);Rotella D P、J.Med.Chem.、2000年、第43巻、1257頁の化合物3および14;4−(4−クロロベンジル)アミノ−6,7,8−トリメトキシキナゾリン;N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル]スルホニル]−1−メチル−2−ピロリジンプロパンアミド[「DA−8159」(WO00/27848の実施例68)];7,8−ジヒドロ−8−オキソ−6−[2−プロポキシフェニル]−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリンおよび1−[3−[1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−7,8−ジヒドロ−8−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−g]キナゾリン−6−イル]−4−プロポキシフェニル]カルボキサミド;4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(TA−1790);3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド(DA8159)、ならびにこれらの薬学的に許容できる塩。
【0085】
(ii)4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キノゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸一ナトリウム塩;(+)−シス−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペンタ−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリン−4(3H)オン;フラズロシリン;シス−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシラート;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボキシラート;4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)ピリダジノン;I−メチル−5(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸一ナトリウム塩;Pharmaprojects No.4516(Glaxo Wellcome);Pharmaprojects No.5051(Bayer);Pharmaprojects No.5064(協和発酵;WO96/26940を参照されたい);Pharmaprojects No.5069(Schering Plough);GF−196960(Glaxo Wellcome);E−8010およびE−4010(エーザイ);Bay−38−3045および38−9456(Bayer);FR229934およびFR226807(フジサワ);ならびにSch−51866。
【0086】
PDEV阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、DA−8159、および5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンから選択されることが好ましい。PDE5阻害剤は、シルデナフィルおよび薬学的に許容できるその塩であることが最も好ましい。クエン酸シルデナフィルが好ましい塩である。
【0087】
本発明の化合物は、V1a拮抗薬と組み合わせて投与することもできる。したがって、本発明の別の態様では、EP2受容体拮抗薬と1種または複数のV1a拮抗薬とを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
【0088】
適切なバソプレッシンV1a受容体拮抗薬は、たとえば、WO2004/37809の実施例26である(4−[4−ベンジル−5−(4−メトキシ−ピペリジン−1−イルメチル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル)である。適切なバソプレッシンV1a受容体拮抗薬の別の例は、WO04/074291の実施例5である8−クロロ−5−メチル−1−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアゾ−ベンゾ[e]アズレンまたは薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物である。
【0089】
本発明と共に使用するバソプレッシンV1a受容体拮抗薬の別の例は、SR49049(Relcovaptan)、アトシバン(Tractocile(登録商標))、コニバプタン(YM−087)、VPA−985、CL−385004、Vasotocin、およびOPC21268である。また、WO01/58880に記載されているV1a受容体拮抗薬も、本発明での使用に適する。
【0090】
本発明の化合物は、エストロゲンレベルを低下させ、またはエストロゲン受容体に拮抗作用を示す薬剤と組み合わせて投与することもできる。したがって、本発明の別の態様では、プロゲステロン受容体拮抗薬と、エストロゲンレベルを低下させるかエストロゲン受容体に拮抗作用を示す1種または複数の薬剤とを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
【0091】
エストロゲンレベルを低下させる薬剤としては、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)作動薬、GnRH拮抗薬、およびエストロゲン合成阻害剤が挙げられる。エストロゲン受容体に拮抗作用を示す薬剤、すなわちエストロゲン受容体拮抗薬としては、抗エストロゲン薬が挙げられる。
【0092】
本発明に適するGnRH作動薬としては、リュープロレリン(Prostap−Wyeth)、ブセレリン(Suprefact−Shire)、ゴセレリン(Zoladex−Astra Zeneca)、トリプトレリン(De−capeptyl−Ipsen)、ナファレリン(Synarel−Searle)、デスロレリン(Somagard−Shire)、およびヒストレリン/サプレリン(supprelin)(Ortho Pharmaceutical Corp/Shire)が挙げられる。
【0093】
本発明に適するGnRH拮抗薬としては、(アンタレリクスとしても知られている)テベレリクス、アバレリクス(Plenaxis−Praecis Pharmaceuticals Inc.)、セトロレリクス(Cetrotide−ASTA Medica)、およびガナレリクス(Orgalutran−Organon)が挙げられる。
【0094】
本発明に適する抗エストロゲン薬としては、タモキシフェン、Faslodex(Astra Zeneca)、イドキシフェン(Coombesら(1995年)、Cancer Res.第55巻、1070〜1074頁を参照されたい)、ラロキシフェン、またはEM−652(Labrie,Fら(2001年)、J steroid Biochem Mol Biol、第79巻、213頁)が挙げられる。
【0095】
本発明に適するエストロゲン合成阻害剤としては、アロマターゼ阻害剤が挙げられる。アロマターゼ阻害剤の例には、フォルメスタン(4−OHアンドロステンジオン)、エキセメスタン、アナストロゾール(Arimidex)、およびレトロキソール(letroxole)が含まれる。
【0096】
本発明の化合物は、α2δリガンドと組み合わせて投与することもできる。したがって、本発明の別の態様では、プロゲステロン受容体拮抗薬と1種または複数のα2δリガンドとを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
【0097】
本発明で使用するα2δリガンドの例は、以下の特許文献で全般にまたは詳細に開示されている化合物または薬学的に許容できるその塩、すなわちUS4024175、特にギャバペンチン、EP641330、特にプレガバリン、US5563175、WO−A−97/33858、WO−A−97/33859、WO−A−99/31057、WO−A−99/31074、WO−A−97/29101、WO−A−02/085839、特に[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、WO−A−99/31075、特に3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンおよびC−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、WO−A−99/21824、特に(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、WO−A−01/90052、WO−A−01/28978、特に(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、EP0641330、WO−A−98/17627、WO−A−00/76958、特に(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、WO−A−03/082807、特に(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、および(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、WO−A−2004/039367、特に(2S,4S)−4−(3−フルオロ−フェノキシメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、および(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、EP1178034、EP1201240、WO−A−99/31074、WO−A−03/000642、WO−A−02/22568、WO−A−02/30871、WO−A−02/30881 WO−A−02/100392、WO−A−02/100347、WO−A−02/42414、WO−A−02/32736、およびWO−A−02/28881であり、これらすべてを参照により本明細書に援用する。
【0098】
本発明の組合せで使用する好ましいα2δリガンドとしては、ギャバペンチン、プレガバリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、および(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、またはこれらの薬学的に許容できる塩が挙げられる。
【0099】
本発明の組合せで使用する別の好ましいα2δリガンドは、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチルオクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチルノナン酸、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチルヘプタン酸、および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチルオクタン酸、ならびにこれらの薬学的に許容できる塩である。
【0100】
本発明の組合せで使用する特に好ましいα2δリガンドは、ギャバペンチン、プレガバリン、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチルオクタン酸、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリン、および(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される。
【0101】
本発明の化合物は、オキシトシン受容体拮抗薬と組み合わせて投与することができる。したがって、本発明の別の態様では、プロゲステロン受容体拮抗薬と1種または複数のオキシトシン拮抗薬とを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
【0102】
本発明に適するオキシトシン受容体拮抗薬の例は、アトシバン(Ferring AB)、バルシバン(barusiban)(Ferring AB)、TT−235(Northwestern University)、およびAS−602305(Serono SA)である。
【0103】
上述の公開特許出願の内容、特に、治療活性のある請求項の化合物の一般式およびその中で例示される化合物は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0104】
本発明の化合物は、以下のいずれか1種または複数と組み合わせて投与することもできる。
(i)アロマターゼ阻害剤、
(ii)核内ホルモン受容体モジュレーター、
(iii)血管形成阻害剤、
(iv)VEGF阻害剤、
(v)キナーゼ阻害剤、
(vi)タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、
(vii)プロスタノイド受容体拮抗薬、
(viii)プロスタグランジン合成酵素阻害剤、
(ix)バイオフラボノイド、
(x)アルキル化剤、
(xi)微小管モジュレーター、たとえば微小管安定剤、
(xii)トポイソメラーゼI阻害剤、
(xiii)プロテアーゼ阻害剤、
(xiv)ケモカイン受容体拮抗薬、または
(xv)神経内分泌受容体モジュレーター。
【0105】
したがって、本発明の別の態様では、プロゲステロン受容体拮抗薬と、以下のいずれか1種または複数の薬剤とを含んでいる、子宮内膜症の治療において同時に、別々に、または逐次使用するための複合製剤としての医薬品が提供される。
(i)アロマターゼ阻害剤、
(ii)核内ホルモン受容体モジュレーター、
(iii)血管形成阻害剤、
(iv)VEGF阻害剤、
(v)キナーゼ阻害剤、
(vi)タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、
(vii)プロスタノイド受容体拮抗薬、
(viii)プロスタグランジン合成酵素阻害剤、
(ix)バイオフラボノイド、
(x)アルキル化剤、
(xi)微小管モジュレーター、たとえば微小管安定剤、
(xii)トポイソメラーゼI阻害剤、
(xiii)プロテアーゼ阻害剤、
(xiv)ケモカイン受容体拮抗薬、または
(xv)神経内分泌受容体モジュレーター。
【0106】
一般に、本発明の化合物は、薬学的に許容できる1種または複数の賦形剤と合同で製剤として投与される。「賦形剤」という用語は、本明細書では、本発明の化合物以外の任意の成分について述べるのに使用する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の種類などの要素に応じて決まることになる。
【0107】
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物およびその調製方法は、当業者には直ちに明白となろう。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第19版(Mack Publishing Company、1995年)で見ることができる。
【0108】
本発明の化合物は、経口的に投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むこと、および/または化合物が口から直接血流に入る頬側、舌側、または舌下投与を含むものでよい。
【0109】
経口投与に適する製剤としては、固体、半固体、および液体の系、たとえば、錠剤;多粒子もしくはナノ粒子、液体、または粉末を含有する軟もしくは硬カプセル剤;ロゼンジ(液体充填型を含める);咀嚼剤;ゲル;急速分散型剤形;フィルム;膣坐剤;スプレー;および頬側/粘膜付着性パッチが挙げられる。
【0110】
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。そのような製剤は、(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)軟もしくは硬カプセル剤中に充填剤として使用することもでき、通常は、担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、たとえば小袋から出した固体を再形成して調製することもできる。
【0111】
本発明の化合物は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、第11巻(6)、981〜986頁(2001年)に記載のものなどの、急速溶解急速崩壊型剤形にして使用することもできる。
【0112】
錠剤剤形では、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的な例では剤形の5重量%〜60重量%を占めてよい。薬物に加え、錠剤は一般に崩壊剤も含有する。崩壊剤の例としては、ナトリウムデンプングリコラート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占めることになる。
【0113】
結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン、第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤も含有してよい。
【0114】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの滑剤を場合により含んでもよい。存在するとき、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてよく、滑剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてよい。
【0115】
錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの潤滑剤を含有する。潤滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0116】
考えられる他の成分として、抗酸化剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が挙げられる。
【0117】
好例となる錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の潤滑剤を含有する。
【0118】
錠剤ブレンドを直接またはローラーによって圧縮して、錠剤を形成することができる。別法として、錠剤ブレンドまたは少量ずつのブレンドを、湿式、乾式、または溶融造粒、溶融凝固、または押出し成形の処理にかけた後、打錠することもできる。最終製剤は、1または複数の層を含み、コーティングされていても、またはコーティングされていなくてもよく、カプセル封入されていてもよい。
【0119】
錠剤の製剤は、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」第1巻(Marcel Dekker、ニューヨーク、1980年)で論述されている。
【0120】
摂取可能な経口フィルムは通常、急速溶解性でも粘膜付着性でもよい、水溶性または水膨張性の可撓性薄膜剤形であり、通常は、式(I)または(I*)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤、ならびに溶媒を含む。製剤の一部の構成成分が複数の機能を果たす場合もある。
【0121】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、または合成親水コロイドから選択されるものでよく、通常は、0.01〜99重量%の範囲、より典型的な例では30〜80重量%の範囲で存在する。
【0122】
考えられる他の成分としては、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、(油を含めた)共溶媒、エモリエント、増量剤、消泡剤、界面活性剤、および矯味剤が挙げられる。
【0123】
本発明によるフィルムは通常、可剥性の支持担体または紙上にコーティングされた水溶性薄膜を蒸発乾燥して調製する。これは、乾燥オーブンまたは乾燥トンネル、通常は複合塗工乾燥機で、または凍結乾燥もしくは減圧によって行うことができる。
【0124】
経口投与用の固体製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0125】
本発明の目的に適する変更型放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液、浸透性粒子、被覆粒子などの適切な他の放出技術の詳細は、Vermaらによる「Pharmaceutical Technology On−line」第25巻(2)、1〜14頁(2001年)で見られる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0126】
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、側脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、および皮下が含まれる。非経口投与に適する装置として、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
【0127】
非経口製剤は通常、塩、炭水化物などの賦形剤および(好ましくはpH3〜9にするための)緩衝剤を含有してもよい水溶液であるが、一部の適用例では、無菌の非水性溶液として、または発熱物質を含まない無菌水などの適切な媒体と共に使用する乾燥形態としてより適切に製剤することもできる。
【0128】
たとえば凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術を使用して、容易に実現することができる。
【0129】
非経口溶液の調製で使用する式(I)または(I*)の化合物の溶解性は、溶解性改善剤を混ぜるなどの適切な製剤技術を使用して向上させることもできる。
【0130】
非経口投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。すなわち、本発明の化合物は、懸濁液として、または活性化合物の変更型放出をもたらす移植デポー剤として投与するための固体、半固体、もしくは揺変性液体として製剤することもできる。そのような製剤の例としては、薬物でコートしたステント、ならびに薬物を内包したdl−乳酸−グリコール酸共重合体(PGLA)マイクロスフェアを含む半固体および懸濁液が挙げられる。
【0131】
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち皮膚上(内)に、または経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルションが挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を組み込んでもよい。たとえば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、第88巻(10)、955〜958頁(1999年10月)を参照されたい。
【0132】
他の局所投与手段としては、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、超音波導入法、ならびに微細針または無針(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が挙げられる。
【0133】
局所投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0134】
本発明の化合物は、通常、(単独、またはたとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーからエアロゾルスプレーとして、または点鼻薬として、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0135】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または有効成分を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の薬品を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液と、溶媒としての噴射剤と、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの随意選択の界面活性剤とを含有する。
【0136】
薬物製品は、乾燥粉末または懸濁液製剤にして使用する前に、吸入による送達に適するサイズ(通常は5ミクロン未満)に微粒子化する。これは、スパイラルジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、または噴霧乾燥などの任意の適切な微粉砕法によって実現することができる。
【0137】
吸入器または注入器で使用するためのカプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製のもの)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物と、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤と、l−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤とからなる粉末混合物を含有するように製剤することができる。ラクトースは無水でも一水和物の形でもよく、後者であることが好ましい。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられる。
【0138】
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーでの使用に適する溶液製剤は、1作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有してよく、作動体積は、1μl〜100μlと様々でよい。典型的な製剤は、式(I)または(I*)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することのできる別の溶媒として、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0139】
適切な香味剤、たとえばメントールやl−メントール、または甘味剤、たとえばサッカリンやサッカリンナトリウムを、吸入投与/鼻腔内投与を目的とする本発明の製剤に加えてもよい。
【0140】
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0141】
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で、直腸投与または経膣投与することもできる。カカオ脂が旧来の坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してよい。
【0142】
直腸/経膣投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することもできる。変更型放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が挙げられる。
【0143】
本発明の化合物は、上述の投与方式のいずれかでの使用に向けてその溶解性、溶解速度、矯味、生体利用度、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子物質と組み合わせることもできる。
【0144】
たとえば、薬物−シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路に一般に有用であることがわかっている。包接錯体および非包接錯体のどちらを使用することもできる。薬物との直接の錯形成に代わるものとして、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用してもよい。こうした目的のために最も一般的に使用されるのは、α、β、およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願第WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148で見ることができる。
【0145】
たとえば、特定の疾患または状態を治療する目的のために、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてもよいことは、本発明の範囲内である。
【0146】
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明による式(I)または(I*)の化合物を含有する2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、または分割されたホイル製袋などの、前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤やカプセル剤などの包装に使用されるよく知られたブリスターパックである。
【0147】
本発明のキットは、たとえば経口と非経口の異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物の用量を互いに対して漸増するのに特に適する。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供してもよい。
【0148】
ヒト患者への投与については、本発明の化合物の合計1日量は通常、当然のことながら投与方式に応じて、1mg超〜1000mgの範囲である。たとえば、経口投与では1mg超〜1000mgの合計1日量が必要となる場合もあるが、静脈内の用量では1mg超〜500mgしか必要とならない場合もある。合計1日量は、1回で、または数回に分けて投与することができ、医師の裁量で、本明細書で示す典型的な範囲の範囲外になる場合もある。
【0149】
こうした投与量は、体重が約60kg〜70kgである平均的なヒト対象に基づく。医師は、小児や高齢者などの、体重がこの範囲外にある対象のための用量を容易に決定することができよう。
【0150】
本発明の式(I)または(I*)の化合物は、様々な疾患状態の治療においてEP2拮抗薬として有用である。前記EP2拮抗薬は、Kiとして示すEP2受容体での機能的効力が、約2000nM未満であることが好ましく、より好ましくは1000nM未満、さらにより好ましくは約500nM未満、さらにより好ましくは約100nM未満、さらにより好ましくは約50nM未満であり、EP2機能的効力の前記Kiの測定は、以下のプロトコル1を使用して実施することができる。このアッセイを使用すると、本発明による化合物は、Kiとして示すEP2受容体での機能的効力が2000nM未満となる。
【0151】
本明細書では、好ましい化合物は、EP2受容体での機能的効力が、本明細書で以前に規定したとおりであり、DP1に優先してEP2に選択的である。前記EP2拮抗薬は、DP1に優先してEP2に対して選択性を有することが好ましく、前記EP2受容体拮抗薬は、EP2受容体に対して、DP1受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約20倍、より好ましくは少なくとも約30倍、さらにより好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に少なくとも約1000倍選択的に機能し、前記の相対的な選択性評価は、本明細書に記載のアッセイを使用して実施することのできるDP1およびEP2機能的効力の測定に基づく。DP1活性は、以下のプロトコル2を使用して測定する。
【0152】
前記EP2拮抗薬は、EP4に優先してEP2に対して選択性を有することが好ましく、前記EP2受容体拮抗薬は、EP2受容体に対して、EP4受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に少なくとも約1000倍選択的に機能し、前記の相対的選択性評価は、本明細書に記載のアッセイを使用して実施することのできるEP4およびEP2機能的効力の測定に基づく。EP4活性は、以下のプロトコル3を使用して測定する。
【0153】
最も好ましいEP2拮抗薬は、DP1およびEP4に優先してEP2に対して選択性を有するものであり、前記EP2受容体拮抗薬は、EP2受容体に対して、DP1およびEP4受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約1000倍選択的に機能する。
【0154】
本発明の化合物は、以下で述べるスクリーンで試験することができる。
【0155】
1.0 CHO細胞における化合物の組換え型ヒトプロスタグランジンE2受容体に対するin vitro拮抗効力(IC50)の測定
プロスタグランジンE2(EP−2)受容体は、Gs共役型であり、PGE2によるこの受容体への作動作用によって、セカンドメッセンジャーシグナル伝達分子であるアデノシン3’,5’−環状一リン酸(cAMP)を合成する細胞内アデニル酸シクラーゼ酵素が活性化される。組換え型ヒトEP−2受容体を発現するCHO細胞を、EC50値にほぼ等しいPGE2(5nM)で刺激して、最大cAMPシグナルを得る。刺激した組換え型EP−2細胞を潜在的な拮抗化合物で処理した後のcAMPレベルの低下を測定し、効力(IC50)を以下のように算出した。
【0156】
標準の分子生物学の方法を使用して、ヒトプロスタグランジンE2をコードしている全長cDNAが安定して形質移入されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を樹立した。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に4mMで溶解させた。試験化合物の11段階の半対数単位連続漸増希釈物をDMSO中に調製し、次いでリン酸緩衝溶液(PBS)と0.05%プルロニックF−127界面活性剤とからなる緩衝液で40倍に希釈した。新たに培養した集密度80〜90%の細胞を回収し、90%の増殖培地/10%のDMSOに再懸濁した。平型フリーザーを使用して細胞を凍結させ、クライオバイアルに入った凍結した等分試料として液体窒素中で実験日まで保存した。1バイアルの細胞を37℃の水浴で2分間かけて解凍し、次いで10mlのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に移した。次いで細胞を1000gで5分間遠心分離し、ペレットを1000000細胞/mlでDMEMに再懸濁した。5000個の細胞(5μl)を384ウェルアッセイプレート中の5μlの化合物連続希釈物に加え、37℃で30分間プレインキュベートした。5μlの作動薬(PBS中15nMのPGE2で5nMのFACを得る)を加え、プレートを37℃で90分間さらにインキュベートした。次いで、英国GE HealthcareからDiscoverx cAMP IIキットとしてキットの形で購入したβ−ガラクトシダーゼ酵素断片相補性法を使用して、各ウェルの相対cAMP濃度を測定した。各アッセイウェルからの発光の読みを、最大の効果が得られることが実証されている30μMのS−5751(シオノギ、たとえば米国特許第6693203号を参照されたい)に相当する最大対照ウェルに対するパーセント効果に変換した。シグモイド曲線を、log10阻害剤濃度対パーセント効果のプロットに適合させた。IC50推定値を、シグモイド用量反応曲線の下上の漸近線の中間点の効果を与える試験化合物の濃度として決定した。各実験に標準物質としての文献化合物のIC50測定を含めて、アッセイの一貫性を追跡し、異なる実験で得られる値間の公正な比較を可能にした。PGE2のEC50をこのアッセイにおけるリガンド濃度と組み合わせて用い、Cheng−Prusoffの式を使用して拮抗薬用量反応のKi値を求める。したがって、この拮抗薬プレートと同じインキュベートを使用して、作動薬用量反応曲線を各実験について作成する。
【0157】
2.0 CHO細胞における化合物の組換え型ヒトプロスタグランジンD1受容体に対するin vitro拮抗効力(IC50)の測定
プロスタグランジンD1(DP−1)受容体はGs結合型であり、PGE2によるこの受容体への作動作用によって、セカンドメッセンジャーシグナル伝達分子であるアデノシン3’,5’−環状一リン酸(cAMP)を合成する細胞内アデニル酸シクラーゼ酵素が活性化される。組換え型ヒトDP−1受容体を発現するCHO細胞をEC70値にほぼ等しいBW245C(10nM)で刺激して、最大cAMPシグナルを得る。刺激した組換え型DP−1細胞を潜在的な拮抗化合物で処理した後のcAMPレベルの低下を測定し、効力(IC50)を以下のように算出した。
【0158】
標準の分子生物学の方法を使用して、ヒトプロスタグランジンD1をコードしている全長cDNAが安定して形質移入されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を樹立した。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に4mMで溶解させた。試験化合物の11段階の半対数単位連続漸増希釈物をDMSO中に調製し、次いでリン酸緩衝溶液(PBS)と0.05%のプルロニックF−127界面活性剤とからなる緩衝液で40倍に希釈した。新たに培養した集密度80〜90%の細胞を回収し、90%の増殖培地/10%のDMSOに再懸濁した。平型フリーザーを使用して細胞を凍結させ、クライオバイアルに入った凍結した等分試料として液体窒素中で実験日まで保存した。1バイアルの細胞を37℃の水浴で2分間かけて解凍し、次いで10mlのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に移した。次いで細胞を5分間1000gで遠心分離し、ペレットをDMEMに1000000細胞/mlで再懸濁した。5000個の細胞(5μl)を384ウェルアッセイプレート中の5μlの化合物連続希釈物に加え、37℃で30分間プレインキュベートした。5μlの作動薬(30nMのPBS中BW245Cで10nMのFACを得る)を加え、プレートを37℃で90分間さらにインキュベートした。次いで、英国GE HealthcareからDiscoverx cAMP IIキットとしてキットの形で購入したβ−ガラクトシダーゼ酵素断片相補性法を使用して、各ウェルの相対cAMP濃度を測定した。各アッセイウェルからの発光の読みを、最大の効果が得られることが実証されている30μMのS−5751に相当する最大対照ウェルに対するパーセント効果に変換した。シグモイド曲線を、log10阻害剤濃度対パーセント効果のプロットに適合させた。IC50推定値を、シグモイドの用量反応曲線の上下の漸近線の中間点の効果を与える試験化合物の濃度として決定した。各実験に標準物質としての文献化合物のIC50測定を含めて、アッセイの一貫性を追跡し、異なる実験で得られる値間の公正な比較を可能にした。BW245CのEC70をこのアッセイにおけるリガンド濃度と組み合わせて用い、Cheng−Prusoffの式を使用して拮抗薬用量反応のKi値を求める。したがって、拮抗薬プレートと同じインキュベートを使用して、各実験について作動薬用量反応曲線を作成する。
【0159】
3.0 CHO細胞における化合物の組換え型ヒトプロスタグランジンE4受容体に対するin vitro拮抗効力(IC50)の測定
プロスタグランジンE4(EP−4)受容体はGs結合型であり、PGE2によるこの受容体への作動作用によって、セカンドメッセンジャーシグナル伝達分子であるアデノシン3’,5’−環状一リン酸(cAMP)を合成する細胞内アデニル酸シクラーゼ酵素が活性化される。組換え型ヒトEP−4受容体を発現するCHO細胞をEC50値にほぼ等しいPGE2(6nM)で刺激して、最大cAMPシグナルを得る。刺激した組換え型DP−2細胞を潜在的な拮抗化合物で処理した後のcAMPレベルの低下を測定し、効力(IC50)を以下のように算出した。
【0160】
標準の分子生物学の方法を使用して、ヒトプロスタグランジンE4をコードしている全長cDNAが安定して形質移入されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を樹立した。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に4mMで溶解させた。試験化合物の11段階の半対数単位連続漸増希釈物をDMSO中に調製し、次いでリン酸緩衝溶液(PBS)と0.05%のプルロニックF−127界面活性剤とからなる緩衝液で40倍に希釈した。新たに培養した集密度80〜90%の細胞を回収し、90%の増殖培地/10%のDMSOに再懸濁した。平型フリーザーを使用して細胞を凍結させ、クライオバイアルに入った凍結した等分試料として液体窒素中で実験日まで保存した。1バイアルの細胞を37℃の水浴で2分間かけて解凍し、次いで10mlのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に移した。次いで細胞を5分間1000gで遠心分離し、ペレットをDMEMに1000000細胞/mlで再懸濁した。5000個の細胞(5μl)を384ウェルアッセイプレート中の5μlの化合物連続希釈物に加え、37℃で30分間プレインキュベートした。5μlの作動薬(6nMのPBS中PGE2で2nMのFACを得る)を加え、プレートを37℃で90分間さらにインキュベートした。次いで、英国GE HealthcareからDiscoverx cAMP IIキットとしてキットの形で購入したβ−ガラクトシダーゼ酵素断片相補性法を使用して、各ウェルの相対cAMP濃度を測定した。各アッセイウェルからの発光の読みを、最大の効果が得られることが実証されている30μMの4−{(S)−1−[5−クロロ−2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゾイルアミノ]−エチル}−安息香酸(WO2005105733)に相当する最大対照ウェルに対するパーセント効果に変換した。シグモイド曲線を、log10阻害剤濃度対パーセント効果のプロットに適合させた。IC50推定値を、シグモイドの用量反応曲線の上下の漸近線の中間点の効果を与える試験化合物の濃度として決定した。各実験に標準物質としての文献化合物のIC50測定を含めて、アッセイの一貫性を追跡し、異なる実験で得られる値間の公正な比較を可能にした。PGE2のEC50をこのアッセイにおけるリガンド濃度と組み合わせて用い、Cheng−Prusoffの式を使用して拮抗薬用量反応のKi値を求める。したがって、拮抗薬プレートと同じインキュベートを使用して、各実験について作動薬用量反応曲線を作成する。
【0161】
【表1−1】

【0162】
【表1−2】

【0163】
本発明は、式(I)または(I*)の化合物のすべての多形体およびその晶癖を包含する。
【0164】
本発明の化合物は、従来技術の化合物よりも、強力であり、作用の持続時間が長く、広い範囲の活性を有し、安定であり、副作用が少ないもしくは選択的であり、またはより有用な他の性質をもつという利点を有するといえる。
【0165】
したがって、本発明は、以下のものを提供する。
(i)式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体、
(ii)式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体の調製方法、
(iii)式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体と共に、薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬製剤、
(iv)医薬として使用するための、式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体もしくは組成物、
(v)子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、慢性骨盤痛症候群を治療する医薬を製造するための、式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体もしくは組成物の使用、
(vi)疾患または障害が子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)である、(v)にあるような使用、
(vii)子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、慢性骨盤痛症候群を治療するための哺乳動物の治療方法であって、前記哺乳動物を有効量の式(I)もしくは(I*)の化合物または薬学的に許容できるその誘導体もしくは組成物で治療することを含む方法、
(viii)疾患または障害が子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)である、(vii)にあるような方法、
(xi)本明細書に記載するような新規な中間体、
(x)本明細書に記載するような組合せ。
【0166】
本発明の他の態様は、特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0167】
以下の調製例および実施例は本発明を例示するものであり、いかなる点でも本発明を限定しない。出発材料はすべて、市販品として入手でき、または文献に記載されている。温度はすべて℃とする。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(9385)を使用して実施した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merckシリカゲル60プレート(5729)で実施した。「R」は、TLCプレート上で化合物が移動した距離を溶媒の先頭が移動した距離で割ったものを表す。融点は、Gallenkamp MPD350装置を使用して決定し、補正していない。NMRは、Varian−Unity Inova 400MHz NMR分光計またはVarian Mercury 400MHz NMR分光計を使用して実施した。質量分析は、Finnigan Navigator単収束四極子型エレクトロスプレー質量分析計またはFinnigan aQa APCI質量分析計を使用して実施した。
【0168】
化合物をより前の調製例または実施例について記載した方法で調製したことを述べる場合、当業者ならば、反応時間、試薬の当量数、および反応温度がそれぞれの特定の反応向けに変更されている場合もあること、また異なる後処理もしくは精製条件を用いることがやはり必要または望ましい場合もあることがわかるであろう。
【0169】
本発明を以下の非限定的な実施例によって例示するが、実施例では、以下の略語および定義を使用する。
APCI 大気圧化学イオン化質量スペクトル
br ブロード
δ 化学シフト
d 二重線
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
ES エレクトロスプレーイオン化
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LRMS 低分解能質量スペクトル
m 多重線
Me メチル
m/z 質量スペクトルピーク
NMR 核磁気共鳴
q 四重線
RM 反応混合物
Rt 保持時間
s 一重線
SM 出発材料
soln. 溶液
t 三重線
tlc 薄層クロマトグラフィー
【0170】
疑義を避けるために、本明細書で使用する命名された化合物は、ACD Labs Name Software v7.11(商標)を使用して命名した。
【0171】
化合物をHPLCによって精製する場合、使用する方法は以下に示す2通りである。
【0172】
【表2】

【0173】
調製例1:N−ベンジル−3−クロロ−2,2−ビス(クロロメチル)プロパンアミド
【0174】
【化5】

3−クロロ−2,2−ジクロロメチルプロピオン酸(48.4g、236.0mmol)のトルエン(240mL)溶液に、塩化チオニル(20.5mL、283.0mmol)を加えた。混合物を還流温度で17時間撹拌し、その後これを減圧下で濃縮し、ジクロロメタンと共沸させて、酸塩化物をクリーム色の固体として得た。
【0175】
酸塩化物(52.5g、234.0mmol)のトルエン(340mL)溶液に、トリエチルアミン(49.0mL、352.0mmol)およびベンジルアミン(28.1mL、258.0mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、その後これを減圧下で部分的に濃縮し、次いで、濾過して集めた固体をトルエン(100mL)、次いで水(500mL)で洗浄して、表題化合物を白色固体57.4gとして収率83.1%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 3.92 (s, 6H), 4.52 (d,
2H), 6.20 (s, 1H), 7.33 (m, 5H); LRMS APCI m/z 294 [MH]+
【0176】
調製例2:1−ベンジル−3,3−ビス(クロロメチル)アゼチジン−2−オン
【0177】
【化6】

調製例1に記載の化合物(57.4g、195.0mmol)と臭化テトラブチルアンモニウム(12.6g、39.0mmol)をジクロロメタン(230mL)に混ぜた混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(10M、58.5mL、585.0mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(500mL)とジクロロメタン(200mL)とに分配した。水層をジクロロメタン(50mL)で抽出し直し、有機抽出物を合わせて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣を、ジクロロメタンを溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を有色の油状物50.5gとして収率100%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 3.24 (s, 2H), 3.84 (s,
4H), 4.42 (s, 2H), 7.35 (m, 5H); LRMS APCI m/z 258 [MH]+
【0178】
調製例3:エチル1−ベンジル−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩
【0179】
【化7】

調製例2に記載の化合物(50.4g、195.0mmol)のエタノール(210mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(エタノール中21重量%、66.3mL、205.0mmol)のエタノール(70mL)溶液を0℃で加えた。混合物を還流温度で20時間撹拌し、水(200mL)とジクロロメタン(300mL)とに分配した。水層をジクロロメタン(100mL)で抽出し直し、次いで、有機溶液を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、橙色の油状物を得た。油状物のジクロロメタン(100mL)溶液を、塩化水素のジエチルエーテル溶液(1M、250mL)で処理し、得られるゴム質の沈殿を酢酸エチルで処理して、表題化合物を白色固体43.5gとして収率73.2%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CD3OD) δ: 1.32 (t, 3H), 4.11 (s,
2H), 4.31 (m, 4H), 4.47 (m, 4H), 7.51 (m, 5H); LRMS APCI m/z 268 [MH]+
【0180】
調製例4:エチル3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩
【0181】
【化8】

調製例3に記載の化合物(57.0g、187.4mmol)のエタノール(200mL)溶液に、水酸化パラジウム(炭素上20%、5.7g)を加え、3時間かけて水素化した(30psi、60℃)。反応混合物をArbocel(商標)で濾過し、次いで濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(100mL)で摩砕すると、表題化合物が固体38.5gとして収率96.0%で得られた。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 1.30 (t, 3H), 4.05 (d,
2H), 4.19 (s, 2H), 4.25 (d, 2H), 4.30 (q, 2H); LRMS APCI m/z 178 [MH]+
【0182】
調製例5:エチル3−(クロロメチル)−1−(4−フルオロベンゾイル)アゼチジン−3−カルボキシラート
【0183】
【化9】

調製例4に記載の化合物(37.7g、176.1mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に、塩化4−フルオロベンゾイル(27.9g、176.0mmol)およびトリエチルアミン(53.9mL、380.0mmol)を0℃で加えた。反応混合物を2時間撹拌し、その後ジエチルエーテル(200mL)を加えた。次いでこれを減圧下で濃縮して、表題化合物を赤色の油状物52.7gとして収率99.8%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 1.31 (t, 3H), 3.92 (m,
2H), 4.19 (m, 2H), 4.28 (q, 2H), 4.37 (m, 1H), 4.64 (m, 1H), 7.10 (m, 2H), 7.67
(m, 2H)
【0184】
調製例6:エチル1−ベンゾイル−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート
【0185】
【化10】

表題化合物は、調製例5の方法に従って調製して、所望の化合物を透明な油状物として収率64%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 1.35 (t, 3H), 3.92 (m,
1H), 4.00 (m, 1H), 4.18 (m, 2H), 4.50 (q, 2H), 4.60 (d, 1H), 4.64 (d, 1H),
7.40-7.54 (m, 3H), 7.65 (d, 2H); LRMS APCI m/z 282 [MH]+
【0186】
調製例7:エチル1−(4−クロロベンゾイル)−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート
【0187】
【化11】

表題化合物は、調製例5の方法に従って調製して、所望の化合物を透明な油状物として収率76%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 1.36 (t, 3H), 3.85-4.05
(m, 2H), 4.18 (m, 2H), 4.50 (q, 2H), 4.60 (d, 1H), 4.83 (d, 1H), 7.41(d, 2H), 7.60
(d, 2H); LRMS APCI m/z 316 [MH]+
【0188】
調製例8:エチル3−(クロロメチル)−1−(4−エトキシベンゾイル)アゼチジン−3−カルボキシラート
【0189】
【化12】

表題化合物は、調製例5について記載した方法に従って調製して、所望の化合物を褐色の油状物として定量的収率で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (t, 3H), 1.43 (t,
3H), 3.84 - 4.24 (m, 6H), 4.27 (q, 2H), 4.40 (br s, 1H), 4.64 (br s, 1H), 6.92
(d, 2H), 7.62 (d, 2H); LRMS APCI m/z 326 [MH]+
【0190】
調製例9:エチル3−(クロロメチル)−1−{[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル}アゼチジン−3−カルボキシラート
【0191】
【化13】

調製例4に記載の化合物(200mg、0.774mmol)およびトリエチルアミン(226μL、1.62mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶かした溶液に、0℃で1,2−ジクロロ−3−イソシアナトベンゼン(102μL、0.774mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いでジクロロメタン(20mL)で希釈した後、水(20mL)を加えた。この希薄な(slight)懸濁液を濾過し、層を分離した。水層をジクロロメタン(20mL)でさらに抽出し、有機抽出物を合わせてNaSOで乾燥させ、次いで減圧下で濃縮して、透明な油状物を得た。この油状物を、ヘプタン/酢酸エチル、90:10〜30:70を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色の油状物210mgとして収率74%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ:1.34 (t, 3H), 4.00 (s,
2H), 4.05 (d, 2H), 4.31 (q, 2H), 4.41 (d, 2H), 6.70 (bs, 1H), 7.14-7.22 (m,
2H), 8.20 (m, 1H); LRMS ES m/z 365, 367 [MH]+
【実施例】
【0192】
(実施例1)
1−ベンゾイル−3−[(5−フェニル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル]アゼチジン−3−カルボン酸
【0193】
【化14】

エチル1−ベンゾイル−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート(80mg、0.284mmol)(調製例6を参照のこと)をDMF(2mL)に溶かした撹拌した溶液に、NaI(43mg、0.284mmol)、5−フェニル−1H−テトラゾール(83mg、0.568mmol)、次いでCsCO(463mg、1.42mmol)を加えた。得られる懸濁液を90℃で終夜撹拌した。1M LiOH溶液(6.8μL、0.284mmol)、HO(5mL)、およびメタノール(2mL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌して、加水分解を完了した。得られる溶液を、2M HCl(1.5mL)を使用して酸性化し、次いで減圧下での濃縮によって溶媒体積を減らして、オフホワイトの懸濁液を得た。この懸濁液を濾過し、乾燥させて、表題化合物をオフホワイトの固体として収率45%(47mg)で得た。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ: 4.30 (m, 2H), 4.52 (d, 1H), 4.64
(d, 1H), 5.32 (s, 2H), 7.43-7.63 (m, 8H), 8.02 (m, 2H); LRMS ES m/z 364 [MH]+
【0194】
実施例2〜45は、適切な式(II)のハロ化合物と適切な式(III)のテトラゾール化合物から出発して、実施例1について上述した方法に従って調製した。
【0195】
【化15】

【0196】
【表3−1】

【0197】
【表3−2】

【0198】
【表3−3】

【0199】
【表3−4】

【0200】
【表3−5】

【0201】
(実施例46)
1−(3,5−ジメトキシベンゾイル)−3−({5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−テトラゾール−2−イル}メチル)アゼチジン−3−カルボン酸
【0202】
【化16】

エチル3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラートの溶液(100μmol、0.25Mジクロロエタン溶液を400μL)(調製例4を参照のこと)に、トリエチルアミン(225μmol、0.25Mジクロロエタン溶液を900μL)および塩化3,5−ジメトキシベンゾイル(112.5μmol、0.25Mジクロロエタン溶液を450μL)を加えた。混合物を室温で終夜振盪した。炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)を加え、混合物をボルテックスし、次いで遠心分離した。水層を除去し(1.8mL)、追加の飽和NaHCO(2mL)を加えた。次いで、混合物を再びボルテックスし、遠心分離した。下方の有機層(1.7mL)を収集バイアルに移し、それにジクロロエタン(2mL)を加えた。得られる溶液をボルテックスし、遠心分離した。下方の有機層2mLを収集バイアルに移し、減圧下で溶媒を除去した。
【0203】
得られる残渣にDMF(300μL)を加えた後、NaI(100μmol、0.25M無水DMF溶液を400μL)、5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−テトラゾール(200μmol、0.5M無水DMF溶液を400μL)、およびCsCO粉末(175mg、0.54mmol)を加えた。バイアルにふたをかぶせ、温度90℃で20時間振盪した。次いで、反応液を室温に冷ました後、ボルテックスし、遠心分離した。上部有機層1.1mLを収集バイアルに移し、それにDMF(1mL)を加えた。溶液を再びボルテックスし、遠心分離し、その後上部有機層1mLを収集バイアルに移し、減圧下で溶媒を除去した。
【0204】
残渣にメタノール(2mL)を加えた後、水(1mL)および1M LiOH(300μL)を加えた。バイアルにふたをかぶせ、室温で12時間振盪した。2M HCl水溶液(800μL)を加え、次いで減圧下で溶媒を除去した。次いで残渣をHPLCによって精製した。
LRMS ES m/z 492 [MH]+
【0205】
実施例47〜66は、適切な式(V)のアゼチジン、適切な式RCOClの化合物、および適切な式(III)のテトラゾールから出発して、実施例46について上述した方法に従って調製した。
【0206】
【化17】

【0207】
【表4−1】

【0208】
【表4−2】

【0209】
(実施例67)
1−{[(2,3−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル}−3−[(5−フェニル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル]アゼチジン−3−カルボン酸
【0210】
【化18】

表題化合物は、調製例9に記載の化合物から、実施例1の方法に従って調製して、所望の化合物を無色の油状物6mgとして収率5%で得た。
1H NMR
(400 MHz, CD3OD) δ: 4.32 (d, 2H), 4.45 (d,
2H), 5.30 (s, 2H), 7.19 (m, 1H), 7.29 (m, 1H), 7.49 (m, 3H), 7.57 (m, 1H), 8.06
(m, 2H); LRMS ES m/z 447 [MH]+
【0211】
(実施例68)
3−{[5−(3−フルオロフェニル)−2H−テトラゾール−2−イル]メチル}−1−{[(3−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}アゼチジン−3−カルボン酸
【0212】
【化19】

エチル3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシラート塩酸塩の溶液(150μmol、0.25M無水ジクロロエタン溶液を600μL)(調製例4に記載)に、トリエチルアミン(325μmol、0.25M無水ジクロロエタン溶液を1300μL)を加えた後、1−イソシアナト−3−メトキシベンゼン(162μmol、0.25M無水ジクロロエタン溶液を650μL)を加えた。バイアルにふたをかぶせ、室温で終夜振盪した。次いで水(2mL)を加え、混合物をボルテックスし、遠心分離した。水性の上層1.8mLを除去し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム(2mL)をバイアルに加えた。混合物をボルテックスし、遠心分離し、次いで有機層1.8mLを収集バイアルに移した。水層にジクロロエタン(2mL)を加え、次いで混合物をボルテックスし、遠心分離した。有機層2mLを収集バイアルに移し、減圧下で有機溶媒を除去した。
【0213】
DMF(300μL)をバイアルに加えた後、NaI(150μmol、0.25M無水DMF溶液を600μL)、5−(3−フルオロフェニル)−2H−テトラゾール(300μmol、0.5M無水DMF溶液を600μL)、最後にCsCO粉末(250mg、0.76mmol)を加えた。バイアルにふたをかぶせ、90℃で20時間振盪しながら加熱した。次いでこれを冷却し、減圧下で溶媒を除去した。
【0214】
残渣にメタノール(2mL)を加えた後、水(1mL)および1M LiOH水溶液(300μL)を加えた。次いでバイアルにふたをかぶせ、室温でさらに12時間振盪した。2M HCl水溶液(800μL)を加え、次いで減圧下で溶媒を除去した。次いで残渣をHPLCによって精製した。
LRMS ES m/z 427 [MH]+
【0215】
実施例69〜71は、適切な式(V)のアゼチジン、RNCO、および適切な式(III)のテトラゾールから出発して、実施例68について記載の方法に従って調製した。
【0216】
【化20】

【0217】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】

および薬学的に許容できるその誘導体[式中、
は、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニルを表し、
は、ハロ、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキルオキシを表し、
Xは、直接結合、−O−、または−NH−を表し、
Yは、0または1を表し、
Arは、Zから独立して選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニル環または5員含硫黄複素環を表し、
は、ハロ、(1個または複数のフルオロで置換されていてもよい)C1〜6アルキル、−NHCOR、−SO、または−ORを表し、
は、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルを表し、
は、C1〜6アルキルを表し、
は、(1個または複数のフルオロで置換されていてもよい)C1〜6アルキル、またはフェニル環を表す]。
【請求項2】
Xが直接結合または−NH−を表す、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項3】
が、0個〜2個のZから選択される基で置換されている、請求項1または2に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項4】
Arが、0個〜2個のZから独立して選択される基で置換されている、請求項1から3に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体と、薬学的に許容できる希釈剤、担体、または佐剤とを含む医薬組成物。
【請求項6】
医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項7】
EP2拮抗作用が有効であろう障害を治療する医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項8】
子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛症状を含める)、ならびに慢性骨盤痛症候群を治療する医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項9】
疾患または障害が子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)である、請求項8に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体。
【請求項10】
子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、ならびに慢性骨盤痛症候群を治療する医薬を製造するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその誘導体の使用。
【請求項11】
疾患または障害が子宮内膜症および/または子宮筋腫(平滑筋腫)である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
EP2受容体への拮抗作用が有効であろう障害の治療方法であって、治療有効量の請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容できる誘導体またはその医薬組成物を、その必要のある患者に投与することを含む方法。
【請求項13】
障害が、子宮内膜症、子宮筋腫(平滑筋腫)、月経過多、腺筋症、原発性および続発性の月経困難症(性交疼痛症、排便困難症、および慢性骨盤痛の症状を含める)、ならびに慢性骨盤痛症候群である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
実質的に本明細書に記載するような化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグ、方法、治療方法、併用療法、中間体、または医薬組成物。

【公表番号】特表2011−503169(P2011−503169A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533690(P2010−533690)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054634
【国際公開番号】WO2009/063365
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】