説明

ETCアダプタカード、ETC車載機、携帯端末および課金処理システム

【課題】携帯端末を用いた有料道路の課金処理を可能にするとともに、ETCゲート通過時に携帯端末を他の用途に使うことを可能にする。
【解決手段】ETCアダプタカード10は、携帯端末30との間で通信接続を確立させる端末用通信部16を有し、通信接続の確立された携帯端末に、課金処理に必要なETC情報を要求する。ETCアダプタカード10は、携帯端末から受信したETC情報を記憶させ、スロット挿入により接続されたETC車載機と通信し、ETC情報を読み出しETC車載機20に送信処理する。これにより、ユーザは有料道路の通行料を携帯端末使用料金とともに支払うことができ、ETCカードを作る必要がなくなる。また、ETCゲート通過時に携帯端末30上でアプリケーションを起動しておく必要をなくし、ETCゲートの通過前後においてユーザは携帯端末30を他の用途に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ETCの課金処理に用いられるETCアダプタカード、ETC車載機、携帯端末および課金処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの有料道路では、料金の徴収に必要なコストを削減し、料金所で頻発する渋滞を緩和する目的でETC(Electronic Toll Collection)システムが導入されている。ETCシステムでは、料金所などに設置された路側機と車両に搭載した車載機との間で通信を行い、車両を止めることなく有料道路の料金支払いなどが処理される。ETCカード(ICカード)を利用する方式では、ユーザは料金所を通過する際にETCカードを車載機に差し込んでおく。料金は後日クレジットカード会社を経由してドライバーに請求される。
【0003】
ETCシステムについては開発が進められており、様々なETCシステムが提案されている。その中には、ETCカードに代えて携帯端末を車載機にケーブルで接続し、料金支払いの処理を行うものがある(特許文献1)。特許文献1に記載されるETCシステムでは、ユーザが所有する携帯電話がケーブルによってETC用車載機に接続され、ETCゲート通過時に携帯電話は個人情報をETC用車載機を介して路側アンテナに送信する。
【特許文献1】特開2002−42192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなETCシステムでは、ETCゲート通過中にETC車載機が携帯端末の接続を認証している必要がある。したがって、ETCゲートの通過前後において携帯端末は専用のアプリケーションを起動させておかねばならず、ユーザは携帯端末を通話等の他の用途に用いることができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、携帯端末を用いた有料道路の課金処理を可能にするとともに、ETCゲート通過時に携帯端末を他の用途に使うことを可能にするETCアダプタカード、ETC車載機、携帯端末および課金処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するため、本発明のETCアダプタカードは、携帯端末との間で通信の接続を確立させる端末用通信部と、前記通信の接続が確立された携帯端末に、課金処理に必要なETC情報を要求し、前記携帯端末から受信したETC情報を記憶させるETC情報管理部と、前記ETC情報を記憶するETC情報記憶部と、カードスロットへの挿入により接続されたETC車載機と通信を行う車載機用IF部と、を備え、前記ETC情報管理部は、前記ETC情報記憶部から前記ETC情報を読み出し前記ETC車載機に送信処理することを特徴としている。
【0007】
このように、本発明のETCアダプタカードは、携帯端末から受信したETC情報をスロット挿入されたETC車載機に送信する。これにより、ユーザは有料道路の通行料を携帯端末使用料金とともに支払うことができ、ETCカードを作る必要がなくなる。アプリケーションをインストールするだけでETCシステムが利用可能となるため、ETCカードのようにあらかじめ固有のカードを作成しておく必要がなくユーザは利用したいときにすぐETCを利用できる。したがって、レンタカー利用時にもETCカード無しでETCゲートを通過できる。また、携帯端末を用いるため、ETCカードのように盗難されて不正利用されるおそれがない。ユーザは、DSRC利用時にもガソリンスタンドやドライブスルーでの支払いの決済を携帯端末使用料とともに行える。
【0008】
また、本発明のETCアダプタカードは、従来のカード挿入型のETC車載機を利用し、携帯端末を用いて有料道路の課金処理を行うことを可能にする。すなわち、ETC車載機に、スロットの代わりのインタフェースを設ける必要がなく、ユーザに車載機を買い換える等の負担を課すことがない。また、本発明のETCアダプタカードは、ETC情報記憶部に受信したETC情報を記憶する。したがって、ETCゲート通過時に携帯端末上でアプリケーションを起動しておく必要をなくし、ETCゲートの通過前後においてユーザは携帯端末を他の用途に用いることができる。
【0009】
(2)また、本発明のETCアダプタカードは、前記通信の接続を確立させた携帯端末によるログインおよびログアウトの処理を行うログイン処理部を更に備えることを特徴としている。これにより、複数の携帯端末がETCアダプタカードの近くに存在する場合でも課金処理に使われる携帯端末を特定することができる。また、ログアウトおよびログインにより課金対象となる携帯端末を変更することが可能となる。
【0010】
(3)また、本発明のETCアダプタカードは、前記ETC情報記憶部が、電力供給が遮断されたときに記憶しているETC情報を消去することを特徴としている。このように、電力供給が遮断されたときにETC情報がETCアダプタカードから消去されるため、カードに記憶されている情報の不正使用を防止することができる。たとえば、車両のエンジンをオフにし電力供給を遮断するだけで、カードを抜き差ししなくても以前の情報が消去される。
【0011】
(4)また、本発明のETCアダプタカードは、前記ログイン処理部が、前記通信の接続が確立された携帯端末のログアウトまたは通信の遮断を契機として、前記ETC車載機との通信を遮断することを特徴としている。これにより、通信の接続が確立された携帯端末のログアウトまたは通信の遮断があったときには、ETC車載機はカードを認識しないため、ゲート通過時に路側機との間で認証処理が成功せず、車両はETCゲートを通過することができない。したがって、携帯端末がアダプタカードと通信していない状態で、携帯端末の情報が不正に使用されることはない。
【0012】
(5)また、本発明のETCアダプタカードは、前記ETC情報管理部が、前記ログインした携帯端末のログアウトまたは通信の遮断を契機として、記憶しているETC情報を消去することを特徴としている。このように、通信の接続が確立された携帯端末のログアウトまたは通信の遮断があったときには、ETC情報が消去されるため、ETC情報の不正使用を防止することができる。また、不正使用防止のためETCカードを抜き差しする必要がなくなる。
【0013】
(6)また、本発明のETCアダプタカードは、前記ETC情報管理部が、前記ETC情報記憶部にETC情報を記憶させた際に、前記ETC車載機に前記記憶させたETC情報を送信処理し、前記ETC車載機にカード挿入を認識させることを特徴としている。このように、ETC情報が携帯端末から送信されたときに、ETC車載機はETCアダプタカードを認識する。これにより、ETCアダプタカード挿入時にETC車載機がETCアダプタカードを認識せずエラーになっても、携帯端末との通信によりETCアダプタカードがETCカードと同様に機能する。
【0014】
(7)また、本発明のETCアダプタカードは、前記端末用通信部が、近距離無線通信により携帯端末との間で通信の接続を確立させることを特徴としている。これにより、ケーブル等を用いることなく携帯端末とETCアダプタカードとの通信が可能になり、配線が邪魔にならない。また、ログインしている携帯端末を変更するのが容易となる。
【0015】
(8)また、本発明のETC車載機は、携帯端末との間で通信の接続を確立させる端末用通信部と、前記通信の接続が確立された携帯端末に、課金処理に必要なETC情報を要求し、前記携帯端末から受信したETC情報を記憶させるETC情報管理部と、前記ETC情報を記憶するETC情報記憶部と、前記ETC情報を路側機に送信する際に、前記路側機と通信する路側機用通信部と、を備え、前記ETC情報管理部は、前記ETC情報記憶部から前記ETC情報を読み出し前記路側機に送信処理することを特徴としている。このように、本発明のETC車載機は、ETC情報記憶部にETC情報を記憶し、ETC情報管理部がETC情報を読み出して路側機に送信する。これにより、ユーザは有料道路の通行料を携帯端末使用料金とともに支払うことができ、ETCカードを作る必要がなくなる。また、本発明のETC車載機を用いれば、ETCゲートの通過前後においてユーザは携帯端末を他の用途に用いることができる。
【0016】
(9)また、本発明の携帯端末は、ETC車載機に接続されるETCアダプタカード、またはETC車載機との間で通信の接続を確立させるETC用通信部と、自己を識別するための端末IDに基づいて、課金処理に必要なETC情報を作成するETC情報作成部と、を備え、前記ETC情報作成部は、前記通信の接続が確立されたETCアダプタカードまたはETC車載機に前記ETC情報を送信処理することを特徴としている。このように、本発明の携帯端末は、課金処理に必要なETC情報をETCアダプタカードまたはETC車載機に送信するため、ETC車載機から路側機にETC情報が伝えられ、有料道路の課金処理が可能になる。
【0017】
(10)また、本発明の課金処理システムは、携帯端末に固有の端末IDに基づくETC情報を保持するETC車載機と通信し、前記ETC情報に対応する課金情報を算出する複数の課金情報算出装置と、ネットワークを介し、前記課金情報算出装置から前記ETC情報およびETC情報に対応する課金情報を収集する情報収集部と、前記収集されたETC情報に対応する携帯端末のユーザを特定するユーザ特定部と、前記特定されたユーザに対して、携帯端末の利用料とともに前記課金情報に基づく課金を請求処理する請求処理部と、を備えることを特徴としている。このように、本発明の課金処理システムは、ETC情報から算出された課金情報を複数の課金情報算出装置から収集するため、携帯端末による有料道路の課金処理が可能になる。また、携帯端末に基づくETC情報を用いるため、ユーザは支払いの決済を携帯端末使用料とともに行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザは有料道路の通行料を携帯端末使用料金とともに支払うことができ、ETCカードを作る必要がなくなる。また、本発明によれば、ETCゲート通過時に携帯端末がアプリケーションを起動し、ETC車載機と通信する必要がなく、ETCゲートの通過前後においてユーザは携帯端末を他の用途に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、ETCアダプタカード10の斜視図である。ETCアダプタカード10は、カード本体部11、ETCカード端子12(車載機IF部)および回路部19を備えている。ETCアダプタカード10は、その一端がETC車載機20のカードスロット22に挿入可能な形状に形成されている。ETCアダプタカード10が挿入された際には、回路部19がカードスロット22の外部に出た状態でETCカード端子12がETC車載機20側の端子に接続される。ETCカード端子12は、ETC車載機20の仕様に応じて接触型としてもよいし非接触型としてもよい。回路部19には、CPU、メモリおよび端末用通信部13が内蔵されており、それらはパッケージにより保護されている。端末用通信部13は、近距離無線通信回路により形成される。各部の説明は、後述する。
【0021】
図2は、ETCアダプタカード10を挿入した車載機20および携帯端末30を示す概略図である。ETC車載機20は、カード挿入型のETC車載機である。図2は、ETC車載機20にETCアダプタカード10が挿入されて携帯端末30と通信している様子を示している。ETC車載機20は、車載機本体部21、カードスロット22および表示部23を備えている。図示しないが、車載機本体部21には、カード認証やETC路側機60との通信等の処理を行うためのCPUや、路側機アンテナ61との通信を行うための車載機アンテナを内蔵している。カードスロット22は、ETCカードが奥まで挿入されると、カード端子が車載機側の端子と接続されるように形成されている。
【0022】
携帯端末30は、ETCアダプタカード10に接近すると、ETCアダプタカード10の発する近距離無線通信の電波を検知する。そして、ユーザによりアプリケーションが起動、操作されることで、携帯端末30は、近距離無線通信によりETCアダプタカード10との通信の接続を確立する。そして、携帯端末30はETC情報をETCアダプタカード10に送信する。なお、第1回目の接続の際には、携帯端末30は、パスワードやIDを設定する。2回目以降の接続の際には、上記のとおり自動的に接続がなされる。ただし、このような設定方法は一例であり、これに限定されない。
【0023】
携帯端末30は、携帯電話機であることが好ましいが、課金可能な端末であればPDA端末、携帯ゲーム機その他の携帯端末であってもよい。ETC情報とは、携帯端末を識別して課金処理するための情報である。ETC情報には、たとえば携帯電話番号やsubIDに基づいて作成されたID情報が含まれる。ETC情報におけるID情報は、ETCカードのカードIDに相当する。ETC情報は、ID情報以外にプリペイド方式の場合のデポジット額の残高情報を含んでいてもよい。次に、携帯端末30およびETCアダプタカード10の構成を詳細に説明する。
【0024】
図3は、ETCアダプタカード10および携帯端末30のそれぞれの構成を示す機能ブロック図である。まず、ETCアダプタカード10について説明する。図3に示すように、ETCアダプタカード10は、車載機用IF部12、端末用通信部13、ログイン処理部14、復号化処理部15、ETC情報管理部16、ETC情報記憶部17およびカード制御部18を備えている。
【0025】
車載機用IF部12は、ETCアダプタカード10とETC車載機20とのインタフェースであり、たとえばETCカード端子である。車載機用IF部12は、ETCアダプタカード10がETC車載機20のカードスロット22に挿入された状態で、ETC車載機20のカードIFと接続し、ETC車載機20と情報の送受信を行う。これにより、ETC車載機20には、カードスロット22に代わるインタフェースを設けることなく、携帯端末30を用いて有料道路の課金処理を行うことを可能にする。また、車載機用IF部12は、ETC車載機20から電力の供給を受け、ETC車載機20をETCアダプタカード10の電源とする。
【0026】
端末用通信部13は、携帯端末30との間で通信の接続を確立させるインタフェースである。端末用通信部13は、ブルートゥース(登録商標)等に用いられる近距離無線通信インタフェースであることが好ましい。近距離無線通信を行うことにより、配線が邪魔にならない。ただし、端末用通信部13は、近距離無線通信インタフェースに限定されるものではなく、携帯端末30に接続するためのケーブルを用いたものであってもよい。
【0027】
ログイン処理部14は、CPUで構成され、携帯端末30との通信の接続が確立された後のログイン処理を行う。すなわち、携帯端末30からログイン指示を受けたときに、その携帯端末30を認証し、その携帯端末30をETC処理にログインさせる。これにより、複数の携帯端末30がETCアダプタカード10の近くに存在する場合でも課金処理に使われる携帯端末30が特定される。ログイン指示の際にはユーザに支払いの了承をとるためにパスワードの認証をすることとしてもよい。その場合には、ユーザは携帯端末30でパスワードを要求され、番号を入力することでログイン指示を行う。
【0028】
また、ログイン処理部14は、通信の接続が確立された携帯端末のログアウトまたは通信の遮断を契機として、ETC車載機20との通信を遮断する。ETC車載機20との通信を遮断することにより、ETC車載機20はカードを認識しない。路側機60との間の認証処理が成功しないため、車両40はETCゲートを通過することができない。このように、携帯端末30がETCアダプタカード10と通信していない状態では、携帯端末30の情報が不正に使用されることはない。
【0029】
復号化処理部15は、携帯端末30から受信した、暗号化されたETC情報を復号化処理する。ETC情報管理部16は、復号化されたETC情報をETC情報記憶部17に記憶させる。また、ETC情報管理部16は、ETC情報をETC情報記憶部17から読み出してETC車載機20に送信する。これにより、ETCゲート50通過時に携帯端末30がアプリケーションを起動した状態で、ETC情報を送信する必要がなく、ETCゲート50の通過前後においてユーザは携帯端末30を他の用途に用いることができる。また、ETC情報管理部16は、携帯端末30との通信が遮断されたときやログアウトされたときには、ETC情報をETC情報記憶部17から消去する。このようにして、ETC情報管理部16は、ETC情報を管理する。ETC情報管理部16は、CPUで構成される。
【0030】
また、ETC情報管理部16は、ログインした携帯端末30のログアウトまたは通信の遮断を契機として、記憶しているETC情報を消去する。これにより、ETC情報の不正使用を防止することができる。また、不正使用防止のためにETCカードを抜き差しする必要がなくなる。また、ETC情報管理部16は、ETC情報記憶部17にETC情報を記憶させた際に、ETC車載機20にETC情報を送信し、ETC車載機20にカードの挿入を認識させる。このように、ETC情報が携帯端末から送信されたときに、ETC車載機20はETCアダプタカード10を認識することになる。
【0031】
ETC情報記憶部17は、たとえば不揮発性メモリにより構成され、ETC情報を記憶する。ETC情報記憶部17は、電力の供給が遮断されたときには、記憶を消去する。これにより、カードに記憶されている情報の不正使用を防止することができる。たとえば、車両40を駐車したときにカードを抜かなくても以前の情報が消去される。カード制御部18は、CPUにより構成され、各部の制御を行う。なお、ETCアダプタカード10は、通行履歴情報や課金情報を路側機90から受信し、不揮発性メモリに記憶することができる。これら通行履歴情報や課金情報は、接続されている携帯端末30に関係する情報のみ携帯端末30により読み出すことができる。なお、ETC情報記憶部17は、上記のとおり不揮発性メモリで構成されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
【0032】
次に、携帯端末30について説明する。図3に示すように、携帯端末30は、入力部31、アプリケーション起動部32、記憶部33、ETC用通信部34、表示部35、ETC情報作成部36、暗号化処理部37および端末制御部38を備えている。アプリケーション起動部32、ETC情報作成部36、暗号化処理部37および端末制御部38は、CPUおよびメモリにより構成されている。
【0033】
入力部31は、ユーザがアプリケーションの起動の指示やログイン指示を入力するためのユーザインタフェースである。入力部31は、アプリケーション起動のためのIDやパスワードの入力も受け付ける。入力部31は、たとえば入力キーやタッチパネル等である。アプリケーション起動部32は、ユーザの入力を受け、記憶部33からアプリケーションを読み出し起動する。その際、ユーザ認証を行い認証を完了したときにETC処理用のアプリケーションを起動する。アプリケーション起動部32は、ETC処理用のアプリケーションの起動にともない、ログイン画面の表示、ETCアダプタカード10との通信接続の確立のための処理を行う。記憶部33は、メモリで構成され、ETC情報を送信するためのアプリケーション、ETC情報を算出するための計算式等を記憶している。
【0034】
ETC用通信部34は、ETCアダプタカードとの通信の接続を確立させるインタフェースである。ETC用通信部34は、ブルートゥース(登録商標)等に用いられる近距離無線通信インタフェースであることが好ましい。これにより、ケーブルを省き、配線の取り回しが容易となる。表示部35は、たとえば液晶ディスプレイであり、ユーザへの情報を表示する。表示部35は、ログイン時にはログイン用画面を表示し、ユーザにログインの入力を促す。また、ユーザが、通過履歴情報または課金処理の結果として得られる課金情報を表示させたいときには、アプリケーション上で表示のための操作を行う。携帯端末30は、操作を受けてETCアダプタカードからそれらの情報を受信し表示する。このとき、携帯端末30が読み出すことの出来る情報は、ID情報によりその携帯端末30に関係したものだけに限定され、他の携帯端末を用いた通行履歴情報は表示されない。
【0035】
ETC情報作成部36は、ログインが完了した後に、携帯端末30を識別できる情報に基づいてETC情報を作成する。携帯端末30を識別できる情報とは、たとえば携帯電話番号やsubIDである。携帯電話番号を利用する場合には、道路システム高度化推進機構(ORSE)から携帯電話事業者に割り当てられた仮想的なクレジット会社IDと携帯電話番号とに基づき、計算式を用いてID情報を算出する。subIDを利用する場合にはそのままID情報としてETC情報に含める。このID情報は、仮想カードIDとしてETC車載機20に認識される。たとえば、ETC情報作成部36は、ID情報を「事業者識別番号」+「0」+「携帯電話番号」として、作成することができる。事業者番号が「0070」であり、携帯電話番号が「090−1234−5678」である場合には、上記作成方法によりID情報は、「0077−0090−1234−5678」となる。このようにクレジットカード番号と同じ桁数(16桁)のID番号を作成することが好ましい。なお、上記のID情報の作成方法は一例であり、作成方法はこれに限定されるわけではない。ETC情報には、その他の課金処理のための情報が含まれていてもよい。
【0036】
ETC情報作成部36は、作成されたETC情報をETC暗号化処理部37に暗号化させて通信の接続が確立されたETCアダプタカード10に送信する。暗号化することにより、改ざんや成りすまし等の不正行為を防止することができる。なお、暗号化は必ずしも必要ではなく、本発明はこれに限定されない。端末制御部38は、各部の制御を行う。たとえば、通行履歴情報の送受信をETC用通信部34に行わせる。携帯端末30は、アプリケーション上でユーザから通行履歴情報を要求されたときには、ETCアダプタカード10と通信し、通行履歴情報を読み出すことが可能である。
【0037】
このように、本実施形態では、ETCカードなしでID情報をETC車載機に送信することができる。その結果、ユーザは有料道路の通行料を携帯端末使用料金とともに支払うことができ、ETCカードを作る必要がなくなる。次に、このように構成されるETCアダプタカード10および携帯端末30の動作を説明する。
【0038】
図4は、携帯端末30、ETCアダプタカード10およびETC車載機20のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。まず、ユーザによりETCアダプタカード10がETC車載機20のカードスロット22に挿入される(ステップS1)。ETCアダプタカード10がETC車載機20に挿入されると、ETC車載機20はカードの認証を行う。このときETCアダプタカード10にはETC情報が記憶されていないため、カード認証がエラーとなる。
【0039】
携帯端末30がETCアダプタカード10に近づくと、携帯電話30はETCアダプタカードの発する近距離無線通信の電波を検知する。ユーザにより携帯端末30のアプリケーションが起動され、パスワードが入力されるとETCアダプタカード10および携帯端末30の両者間に近距離無線通信の接続が確立されるとともに(ステップS2)、ETCアダプタカード10側でその携帯端末30が認証される。そして、携帯端末30は、ETC情報を作成し(ステップS4)暗号化し、暗号化されたETC情報をETCアダプタカード10に送信する(ステップS5)。
【0040】
なお、携帯端末30がクレジットカードの機能を持たず、たとえば携帯電話などの通信機能を有する場合、アプリケーションは携帯端末30とETCアダプタカード10の接続を確立する事前に通信事業者のサーバと通信を行い、デポジット額など与信の確認をしてもよい。
【0041】
ETCアダプタカード10は、受信したETC情報を復号化しETC情報記憶部17に記憶する(ステップS6)とともに、ETC情報をETC車載機20に送信する(ステップS7)。ETC車載機20は、ETC情報を受信し、このとき初めてETCアダプタカード10の接続を認識する(ステップS8)。なお、ETC車載機20の認証処理は通常のETCカードに対するものと同じである。このようにして、ETC情報の送信準備が整う。
【0042】
車両40がETCゲート50を通過する際に、ETC車載機20は、路側機アンテナ61を検知する(ステップS9)。ETC車載機20は、このようにして路側機60を検知したときに、ETCアダプタカード10に対してID情報を要求する(ステップS10)。ETCアダプタカード10は、要求に応じてETC情報をETC車載機20に送信し(ステップS11)、ETC車載機20は、路側機60にETC情報およびあらかじめ車載機にセットされた車両情報を送信する(ステップS12)。ETC情報と車両情報を受信した路側機60は、ETC情報および車両情報に基づいて課金計算を行い、算出結果を課金情報として、ETC車載機20に送信する。ETC車載機は課金情報を含む通行履歴情報をETCアダプタカード10に送信し(ステップS13)、ETCアダプタカード10は通行履歴情報を記憶する(ステップ14)。なお、携帯端末30は、ユーザによるの操作により、ETCアダプタカードに記憶された通行履歴情報を後ほど読み出すことも可能とする。その後、たとえばユーザが携帯端末30とETCアダプタカード10との近距離無線通信を切断した(ステップS15)場合には、ETCアダプタカード10は、記憶しているETC情報を消去する(ステップS16)。なお、近距離無線通信を切断した際に、課金情報を含む通行履歴情報を消去しないこととしてもよい。その場合には、たとえばサービスエリア等で休憩を取るために一旦接続が切断された携帯端末30が再接続されても、通行履歴情報は消去されていない。そして、通行履歴情報に通過した入口ゲートの情報が保持されているため、出口ゲートにおいても課金が正しくなされる。
【0043】
また、課金処理が完了していない場合には、ETCアダプタカード10が上記のようにETC情報を自動消去してしまうと携帯端末30が再接続されなかった場合には出口ゲートが開かず事故が発生する可能性が考えられる。たとえば、ETCアダプタカード10が入口ゲートの通行履歴情報を記録しているが、車両がまだ有料道路上に居るために出口ゲートの通過履歴を有さない場合にそのような問題が生じうる。この場合の対処として、メモリ上の最新通行履歴情報において課金処理が完了している場合にのみ、ETCアダプタカード10はETC情報を自動消去することとしてもよい。なお、ユーザがアプリケーション操作し、ログアウトした場合にはこの限りではない。
【0044】
なお、上記の動作例では、ETC車載機20はETCゲート50を通過する際にETCアダプタカード10からETC情報を読み出すが、あらかじめETC車載機20がETC情報を記憶しておき、ETCゲート通過時にETC情報の授受を車載機20と路側機60の間で行うこととしてもよい。このような実施形態は、ETC車載機の仕様に応じて生じうる。その場合、ETC車載機20は、ETCアダプタカード10を認識した際にETC情報を読み出して記憶しておく。そして、路側機60から要求があったときには、ETC車載機20から直接に路側機60にETC情報を送信する。そして、ゲート通過時の処理が終わったときに、ETCアダプタカード10は、通過履歴情報のみを受信する。
【0045】
次に、携帯端末30を用いてETC処理を行った場合の課金処理について説明する。図5は、課金処理システムの構成を模式的に示す概念図である。車両40は、ETCアダプタカード10を挿入されたETC車載機20を搭載している。図5は、車両40がETCゲート50を通過しようとしているところを示している。車両40がETCゲート50に近づくと、ETC車載機20は、路側機アンテナ61の信号を検知し、通信が始まる。
【0046】
一方、路側機60は、路側処理サーバ70(課金情報算出装置)に接続されている。路側処理サーバ70は、路側機60からETC情報を受信し、携帯端末30を識別して課金計算を行う。このような路側処理サーバ70は複数存在する。課金処理サーバ80は、複数の路側処理サーバ70にネットワークを介して接続されており、車両40のETCゲートの通過により算出されたそれぞれ課金情報を路側処理サーバ70から収集している。以下に課金処理サーバ80の構成について説明する。
【0047】
図6は、課金処理サーバの構成を示す機能ブロック図である。課金処理サーバ80は、情報収集部81、ユーザ特定部82および請求処理部83を備えている。上記のように課金処理サーバ80は、各地に設けられた複数の路側処理サーバ70に接続されており、情報収集部81は、複数の路側処理サーバ70から課金情報を収集、蓄積する。ユーザ特定部82は、情報収集部81から課金情報を読み出し、携帯端末30のユーザ情報データベース90の情報と照会し、課金情報に対応する携帯端末30のユーザを特定する。
【0048】
請求処理部83は、携帯端末30のユーザに関するETCの課金料を携帯端末向けのサービスを運営する事業者に請求処理する。事業者とは、たとえば携帯電話の通信事業者であり、サービスとは、たとえば携帯電話の通話サービスやWebサービスである。このようなサービスの提供について、携帯電話の通話料やパケット代等が発生する。携帯端末向けのサービスを運営する事業者は携帯端末の使用料とともにETCの課金料をユーザに請求する。なお、上記の各部は、CPU、メモリ、外部記憶装置等により構成されている。
【0049】
図7は、路側機60、路側処理サーバ70およびETC車載機20のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。まず。路側機60が車両40に搭載されたETC車載機20を検知する(ステップT1)。路側機60は、ETC情報をETC車載機20から取得する。そして、路側機60は、ETC情報を含め通過履歴情報を路側処理サーバに送信する(ステップT2)。路側処理サーバ70は、ETC情報に基づいて課金を算出し(ステップT3)、路側機60に得られた課金情報を送信する(ステップT4)。路側機60は、この情報を通過履歴情報としてETC車載機20に送信する。
【0050】
一方で、路側処理サーバ70は、課金情報を記憶する(ステップT5)とともに、課金情報を課金処理サーバ80に送信する(ステップT6)。この際、ETC情報を識別することで携帯端末30を用いた課金処理であることが分かる。ETC情報には、携帯端末を利用していることが分かるフラグが含まれていてもよいが、直接にID情報から判定することが可能である。したがって、必ずしもフラグは必要ではない。課金処理サーバ80は、課金情報を受信し、課金情報に対応する携帯端末30のユーザを特定する(ステップT7)。そして、特定されたユーザと、対応する課金情報を記憶する(ステップT8)。課金処理サーバ80は、たとえば所定期間ごとに、ETC課金料の請求をまとめて請求処理を行う(ステップT9)。このようにして、課金処理がなされる。
【0051】
(実施形態2)
上記の実施形態では、ETCアダプタカード10およびETC車載機20を介して、ETC情報を携帯端末30から路側機60に送信するが、ETC車載機のみを介してもよい。図8は、携帯端末30と直接に通信するETC車載機100の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、ETC車載機100は、端末用通信部103、ログイン処理部104、復号化処理部105、ETC情報管理部106、ETC情報記憶部107、路側機用通信部108および車載機制御部109を備えている。
【0052】
端末用通信部103は、携帯端末30との間で通信の接続を確立させるインタフェースである。端末用通信部103は、ブルートゥース(登録商標)等に用いられる近距離無線通信インタフェースであることが好ましい。なお、端末用通信部103は、近距離無線通信インタフェースに限定されるものではない。ログイン処理部104は、CPUで構成され、携帯端末30との通信の接続が確立された後のログイン処理を行う。すなわち、携帯端末30からログイン指示を受けたときに、その携帯端末30を認証し、その携帯端末30をETC処理にログインさせる。
【0053】
復号化処理部105は、暗号化されたETC情報を復号化処理する。ETC情報管理部106は、携帯端末30から受信したETC情報をETC情報記憶部107に記憶させる。また、ETC情報管理部106は、ETC情報をETC情報記憶部107から読み出してETC車載機20に送信する。また、ETC情報管理部106は、携帯端末30との通信が遮断されたときやログアウトされたときには、ETC情報をETC情報記憶部107から消去する。ETC情報管理部106は、CPUで構成され、上記のようにETC情報を管理する。
【0054】
ETC情報記憶部107は、メモリにより構成され、ETC情報を記憶する。ETC情報記憶部107は、電力の供給が遮断されたときには、記憶を消去する。これにより、ETC車載機100に記憶されている情報の不正使用を防止することができる。たとえば、車両40を駐車したときに以前の情報が消去される。車載機制御部109は、CPUにより構成され、各部の制御を行う。たとえば、通行履歴情報の送信を端末用通信部103に行わせる。路側機用通信部108は、ETC車載機100がETCゲート50を通過する際に、路側機60と通信する。たとえば、路側機用通信部108は、ETC情報を路側機60に送信し、通行履歴情報を路側機60から受信する。次に、このように構成されるETC車載機100の動作を説明する。
【0055】
図9は、携帯端末30およびETC車載機100のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。まず、携帯端末30がETC車載機に近づくと、携帯端末30はETC車載機の発する近距離無線通信の電波を検知する。ユーザによるアプリケーション起動、操作によりETC車載機100および携帯端末30の間に近距離無線通信の接続が確立される(ステップP1)。携帯端末30は、近距離無線通信の接続が確立されたことを認識し、ユーザにログイン操作を要求する(ステップP2)。ユーザによりログイン指示が入力されると、ETC車載機100はその携帯端末30を認証する。そして、携帯端末30は、ETC情報を作成し(ステップP3)暗号化して、ETC車載機100に送信する(ステップP4)。そして、ETC車載機100は、受信した、暗号化されたETC情報を復号化してETC情報記憶部107に記憶する(ステップP5)。このようにして、ETC情報の送信準備が整う。
【0056】
車両40がETCゲート50を通過する際に、ETC車載機100は、路側機アンテナ61を介して路側機60を検知する(ステップP6)。ETC車載機100は、路側機60を検知したときに、路側機60にETC情報およびあらかじめ車載機にセットされた車両情報を送信する(ステップP7)。ETC情報と車両情報を受信した路側機60は、ETC情報および車両情報に基づいて課金計算を行い、算出結果を課金情報として、ETC車載機100に送信する。ETC車載機100は課金情報を含む通行履歴情報を記憶する(ステップP8)。その後、たとえばユーザが携帯端末30とETC車載機100との近距離無線通信を切断した(ステップP9)場合には、ET車載機100は、記憶しているETC情報を消去する(ステップP10)。このようにして、携帯端末30からETC情報を受けて、携帯端末30に対応する課金処理を行うことが可能である。また、課金情報を含む通行履歴情報は車載機100のETC情報部に保持されているので、ユーザが携帯端末30を操作することにより後ほど参照することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】ETCアダプタカードの斜視図である。
【図2】ETCアダプタカードを挿入した車載機および携帯端末を示す概略図である。
【図3】携帯端末およびETCアダプタカードのそれぞれの構成を示す機能ブロック図である(実施形態1)。
【図4】携帯端末、ETCアダプタカードおよびETC車載機のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】課金処理システムの構成を模式的に示す概念図である。
【図6】課金処理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】路側機、路側処理サーバおよびETC車載機のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】携帯端末と直接に通信するETC車載機の構成を示す機能ブロック図である(実施形態2)。
【図9】携帯端末およびETC車載機のそれぞれの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 ETCアダプタカード
11 カード本体部
12 カード端子(車載機用IF部)
13 端末用通信部
14 ログイン処理部
15 復号化処理部
16 ETC情報管理部
17 ETC情報記憶部
18 カード制御部
19 回路部
20 ETC車載機
21 車載機本体部
22 カードスロット
23 表示部
30 携帯端末
31 入力部
32 アプリケーション起動部
33 記憶部
34 ETC用通信部
35 表示部
36 ETC情報作成部
37 暗号化処理部
38 端末制御部
40 車両
50 ETCゲート
60 路側機
61 路側機アンテナ
70 路側処理サーバ(課金情報算出装置)
80 課金処理サーバ
81 情報収集部
82 ユーザ特定部
83 請求処理部
90 ユーザ情報データベース
100 ETC車載機
103 端末用通信部
104 ログイン処理部
105 復号化処理部
106 ETC情報管理部
107 ETC情報記憶部
108 路側機用通信部
109 車載機制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末との間で通信の接続を確立させる端末用通信部と、
前記通信の接続が確立された携帯端末に、課金処理に必要なETC情報を要求し、前記携帯端末から受信したETC情報を記憶させるETC情報管理部と、
前記ETC情報を記憶するETC情報記憶部と、
カードスロットへの挿入により接続されたETC車載機と通信を行う車載機用IF部と、を備え、
前記ETC情報管理部は、前記ETC情報記憶部から前記ETC情報を読み出し前記ETC車載機に送信処理することを特徴とするETCアダプタカード。
【請求項2】
前記通信の接続を確立させた携帯端末によるログインおよびログアウトの処理を行うログイン処理部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のETCアダプタカード。
【請求項3】
前記ETC情報記憶部は、電力供給が遮断されたときに記憶しているETC情報を消去することを特徴とする請求項1記載または請求項2記載のETCアダプタカード。
【請求項4】
前記ログイン処理部は、前記通信の接続が確立された携帯端末のログアウトまたは通信の遮断を契機として、前記ETC車載機との通信を遮断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のETCアダプタカード。
【請求項5】
前記ETC情報管理部は、前記ログインした携帯端末のログアウトまたは通信の遮断を契機として、記憶しているETC情報を消去することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のETCアダプタカード。
【請求項6】
前記ETC情報管理部は、前記ETC情報記憶部にETC情報を記憶させた際に、前記ETC車載機に前記記憶させたETC情報を送信処理し、前記ETC車載機にカード挿入を認識させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のETCアダプタカード。
【請求項7】
前記端末用通信部は、近距離無線通信により携帯端末との間で通信の接続を確立させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のETCアダプタカード。
【請求項8】
携帯端末との間で通信の接続を確立させる端末用通信部と、
前記通信の接続が確立された携帯端末に、課金処理に必要なETC情報を要求し、前記携帯端末から受信したETC情報を記憶させるETC情報管理部と、
前記ETC情報を記憶するETC情報記憶部と、
前記ETC情報を路側機に送信する際に、前記路側機と通信する路側機用通信部と、を備え、
前記ETC情報管理部は、前記ETC情報記憶部から前記ETC情報を読み出し前記路側機に送信処理することを特徴とするETC車載機。
【請求項9】
ETC車載機に接続されるETCアダプタカード、またはETC車載機との間で通信の接続を確立させるETC用通信部と、
自己を識別するための端末IDに基づいて、課金処理に必要なETC情報を作成するETC情報作成部と、を備え、
前記ETC情報作成部は、前記通信の接続が確立されたETCアダプタカードまたはETC車載機に前記ETC情報を送信処理することを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
携帯端末に固有の端末IDに基づくETC情報を保持するETC車載機と通信し、前記ETC情報に対応する課金情報を算出する複数の課金情報算出装置と、
ネットワークを介し、前記課金情報算出装置から前記ETC情報およびETC情報に対応する課金情報を収集する情報収集部と、
前記収集されたETC情報に対応する携帯端末のユーザを特定するユーザ特定部と、
前記特定されたユーザに対して、携帯端末の利用料とともに前記課金情報に基づく課金を請求処理する請求処理部と、を備えることを特徴とする課金処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−181197(P2008−181197A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12533(P2007−12533)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】