EUVマイクロリソグラフィ用の照明光学系及びこの種の照明光学系を含む照明系並びに投影露光装置
視野ファセットミラーを含むEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系、瞳ファセットミラーを含むその後の光学系、更に、この種の照明光学系を含む照明系、この種の照明系を含む投影露光装置、最後に、微細構造又はナノ構造構成要素を製造する方法、及びこの方法を用いて製造される構成要素を提供する。EUVマイクロリソグラフィのための照明光学系は、長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも有意に大きい延長比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するように機能する。視野ファセットミラー(13)は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する。視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系は、照明光を物体視野(5)に伝達するように機能する。その後の光学系は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含む。視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に視野ファセット(19)のうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)によって物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる。視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)によって物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)を含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K)によって物体視野(5)の照明の補正を与える複数の補正照明視野ファセット(19K)をも備える。その結果は、照明パラメータ、例えば、照明強度分布又は照明角度分布の望ましくない変動を物体視野にわたって補正することを可能にする照明光学系である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野ファセットミラーを含むEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系と、瞳ファセットミラーを含むその後の光学系とに関する。更に、本発明は、この種の照明光学系を含む照明系、及びこの種の照明系を含む投影露光装置に関する。最後に、本発明は、微細構造又はナノ構造構成要素を製造する方法、及びこの方法を用いて製造される構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の投影露光装置は、US6,658,084B2に開示されている。他の投影露光装置は、US6,859,328B2、US2007/0041004A1、US2006/0170895A1、及びEP1,349,009A2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US6,658,084B2
【特許文献2】US6,859,328B2
【特許文献3】US2007/0041004A1
【特許文献4】US2006/0170895A1
【特許文献5】EP1,349,009A2
【特許文献6】EP1,225,481A
【特許文献7】WO2005/040927A2
【特許文献8】US2006/0244941A1
【特許文献9】WO2007/039257A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、例えば、照明強度分布又は照明角度分布の照明パラメータの望ましくない変動を物体視野にわたって補正することができるような方法で冒頭に示した種類の照明光学系を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、冒頭で示した目的は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを含む視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流に配置されたその後の光学系とを用いて、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、視野ファセットのそれぞれの1つに入射する照明光束の部分が、この関連の瞳ファセットによって物体視野上に誘導されるように、瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを用いて物体視野の照明の補正を可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、視野ファセットミラーは、物体視野の照明に寄与する補正照明視野ファセットの個数及び/又は配列に関して異なる少なくとも2つの作動モードの間で切換可能であり、補正照明視野ファセットは、所定の照明光反射率を有し、それによって一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定のパターンを物体視野の長手視野寸法に沿って有する照明強度を有する照明が、長手視野寸法に沿って生じる。
【0006】
本発明によると、これまで全く用いられなかったか、又は有効な方式に用いられなかったEUV光を実際の投影露光に用いられる事実上いかなるEUV照明光も損失させることなく物体視野照明を補正するために用いることができることが見出された。特に、それによって照明強度分布又は照明均一性を物体視野にわたって形成することが可能になる。
【0007】
補正照明ファセットは、EUV光のうちで、例えば、所定の公差限界を超える低強度又は強度変化の理由からこれまで用いられなかった部分に対して露光することができる。これらの補正照明視野ファセットのEUV照明光露光強度、及び従って補正効果強度は、補正照明視野ファセットを配置するための位置を選択することによって定めることができる。照明角度分布の補正の影響は、補正照明視野ファセットに割り当てられる補正照明瞳ファセットの配列によって定めることができる。物体視野内の照明補正は、物体視野にわたる照明光の強度分布の補正に限定することができる。更に、物体視野にわたる照明角度分布を補正することができる。物体視野にわたる強度分布補正と角度分布補正の組合せを考えることができる。長手視野寸法と短手視野寸法の間のアスペクト比は、例えば、2:1、3:1、4:1、又は更に大きく、例えば、7:1、8:1、10:1、13:1、又は更に大きいとすることができる。補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットとは異なる設計を有することができ、例えば、そのサイズ又は反射率、特に、反射率分布に関して基本照明視野ファセットとは異なるとすることができる。補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、アクチュエータによる補正照明視野ファセットの作動によって動的に制御することができ、それによって補正照明視野ファセットからの照明に露光される物体視野内の領域を変更することで、物体視野にわたる照明光の強度分布の動的補正を保証する。補正照明視野ファセットの光束誘導効果を照明光学系の制御デバイスを用いて動的に制御することができることにより、補正照明視野ファセットの補正効果の高い柔軟性が得られる。光束誘導効果は、補正照明視野ファセットの変位、又は例えば補正照明視野ファセットの動的可変遮光のいずれかによって動的に制御することができる。補正照明は、例えば、少なくとも1つの絞り又は絞り構造を用いた部分遮光による補正照明ファセットの遮光によって得ることができる。
【0008】
現在の作動モードは、例えば、能動的補正照明視野ファセットを起動及び停止することによって変更することができる。従って、最初の作動モードでは、全ての補正照明視野ファセットを光束誘導に向けて能動状態にすることができ、それに対して別の作動モードでは、選択された補正照明視野ファセットのみを能動状態にすることができ、更に別の作動モードでは、補正照明視野ファセットのうちのいずれも能動状態にないとすることができる。これはまた、補正照明視野ファセットの補正効果の高い柔軟性を保証する。一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定の分布を有する照明強度を有する照明を物体視野の長手視野寸法に沿って生じる照明光に対する補正照明視野ファセットの反射率を様々な手法で得ることができる。補正照明視野ファセットが、一般的に長手視野寸法と類似の長手視野ファセット寸法にわたって一定の反射率を有する場合には、視野寸法にわたって変化する強度露光は、長手視野ファセット寸法に沿って補正照明視野ファセットの一部分の所定の切り換えを行うことにより、すなわち、例えば、部分補正照明ファセットをその光が物体視野に全く又はある程度までしか到達しないように遮光することによって達成することができる。代替的に、補正照明視野ファセットは、一定の反射率から所定の方式で逸脱する反射率パターンを有することができる。長手視野寸法の方向と一般的に類似の長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱するそのような反射率パターンは、例えば、視野高さに線形に依存し、言い換えれば、照明光学系が装備された投影露光装置の走査方向に対して垂直な視野寸法に線形に依存するようなものとすることができる。例えば、2次又は高次の関数、正弦又は余弦関数、又はステップ関数の形式の他の視野高さ依存性を考えることができる。一般的な規則として、視野高さにわたって1組の直交関数に対応する強度変化を有する補正照明視野ファセットの組を定義することができる。それによって事実上あらゆる望ましい反射率パターンを補正値として定めることが可能になる。視野にわたって所定の強度変化のフーリエ合成を行うために、多項式解析のような所定の関数分布を有する1組の補正照明視野ファセットを用いることができる。反射率パターンのステップ関数は、例えば、補正照明視野ファセットを長手視野ファセット寸法に沿って様々な反射率を有する複数の領域に分割することによって得ることができる。視野ファセットを物体視野へと結像するために、その後の光学系を用いることができる。
【0009】
瞳ファセットミラーの前に配列可能な複数の絞りを設けることができ、これらの絞りの各々は、割り当てられた補正照明視野ファセットの異なる配列の照明光部分を遮光する。これらの絞りは、特に、絞りの各々が、照明光束のうちで基本照明視野ファセットに割り当てられた全ての部分に対して、更に、照明光束のうちで各場合に補正照明視野ファセットから成る別の群に割り当てられた部分に対して半透明であるように設計することができる。
【0010】
この種の絞りは、特に、絞り交換ホルダ内に設けることができる。これらの絞りのうちの1つは、照明光束のうちで基本照明視野ファセットに割り当てられた部分のみが通過することを許されるように、照明光束のうちで全ての補正照明視野ファセットに割り当てられた部分を遮蔽することができる。複数の絞りは、様々な照明状況を考慮することができる。例えば、様々な照明設定(従来型、環状、二重極、四重極、多極)は、それぞれ関連の絞りを用いて達成される異なる補正を必要とする場合がある。
【0011】
照明光学系は、補正照明視野ファセットのうちの少なくとも1つが、物体視野全体を照明するのではなく、その部分区域のみを照明するように構成することができる。物体視野の特定の視野点でこの種の強度補正を必要とする場合には、上述のことにより、これらの視野点における強度を所定の方式で高めることが可能になる。更に、上述の補正照明視野ファセットによって物体視野内に生成された照明を微調節することにより、物体視野の部分区域しか照明しないそのような補正照明視野ファセットの補正効果の微調節が可能である。
【0012】
補正照明視野ファセットの各部分に高反射コーティングを設けない場合がある。補正照明視野ファセットがそのような手法で設計される場合には、反射率は、いかなる高反射コーティングも付加されない部分内で必要に応じて低下する。この種の補正照明視野ファセットは、例えば、反射コーティングが付加される時に望ましい部分を隠蔽することによって製造される。
【0013】
可変反射率を有するEUV灰色フィルタは、視野高さにわたって変化する反射率を有する補正照明視野ファセットの代替の実施形態である。EUV灰色フィルタの代わりに、それぞれの補正照明視野ファセットの前に配置された絞り又は絞り構造を設けることができる。この絞り構造は、互いに隣接して配置され、特に、指形状のものとすることができる複数の個々の絞りで構成することができる。補正照明視野ファセットが、1とは大きく異なるアスペクト比を有する反射面を有する場合には、絞り又は絞り構造を補正照明視野ファセットのファセット基部本体の縦辺に例えば磁気締結手段を用いて固定することができる。この目的のために、特に、磁性ストリップの形状にある永久磁石をファセット基部本体上に、特に、反射面の縦辺を終端させる基部本体側壁上に配置することができる。この種の絞り又は絞り構造は、補正照明視野ファセットのうちの1つに隣接するファセットのファセット基部本体に固定することができる。補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセットの絞り構造を形成するように組み合わせることができる個々のファセットのための保持構造をファセットの反射面に配置することができる。この種の保持構造は、反射面と比較して小さく、特に、永久磁石とすることができる磁性ストリップ又は磁気面又は磁気部分面として構成することができる。磁力に対して代替的又は追加的に、ファンデルワールス力又は接着力は、個々の絞り又は絞り構造全体を固定又は保持するように機能することができる。
【0014】
個別の絞り又は絞り構造は、較正測定又は計算を用いて所定の個々の絞り又は絞り構造の設計に対応する取り付けデバイスを用いて取り付けることができる。個々の絞り又は絞り構造が、磁力によって補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセット上の所定位置に保持される場合には、取り付けデバイスは、絞り又は絞り構造が取り付け位置に移動される時に電磁力によってこれらの絞り又は絞り構造を保持するデバイスとして構成することができる。この種の取り付けデバイスは、取り付け位置から絞り又は絞り構造を取り外す上にも用いることができる。絞り又は絞り構造は、絞り又は絞り構造を吸引によって取り外す剥離デバイスを用いて、巻き取りによって、又は静電力を用いて、例えば、絞り又は絞り構造の材料を荷電し、反対に荷電された剥離デバイスを用いて剥離することによって取り外すか又は剥離することができる。
【0015】
吸収点構造を有する灰色フィルタは、反射面にわたって所定の方式で配分された吸収点構造が補正照明視野ファセットの反射面を覆うことによって形成することができる。この種の点構造は、EUV波長において利用可能な灰色フィルタの変形である。
【0016】
個別の灰色フィルタ部分は、補正照明視野ファセット上に配置することができる。灰色フィルタ部分は、照明光を反射する部分から分離することができる。この種の設計では、「フィルタ」と「反射体」という機能区分は、補正照明視野ファセット上で互いから分離され、それによってこれらの区分の個別処理が容易になる。
【0017】
この種の灰色フィルタ部分内では、吸収点構造を一定の面積密度で配分することができる。その結果、長手視野ファセット寸法に対して垂直な灰色フィルタ部分の幅の変化によって可変反射率が生じる。この種の灰色フィルタ部分は、比較的少ない労力で製造することができる。
【0018】
灰色フィルタ部分の最大幅は、長手視野ファセット寸法に対して垂直な補正照明視野ファセットの幅よりも小さいとすることができる。この種の灰色フィルタは、長手視野ファセット寸法に対して垂直な補正照明視野ファセットの幅にわたる灰色フィルタ部分のフィルタリング効果の最大変化幅が与えられないので、強度変化の微調節を可能にする。
【0019】
灰色フィルタ部分内では、点構造は、変化する面積密度で配分することができる。この種の設計では、フィルタ部分と反射部分への分離は必須ではない。それによってフィルタ部分と反射部分の間の境界効果が回避される。
【0020】
照明光学系は、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセットを有することができる。補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法にわたって同じ反射率パターンを有する典型的な補正照明視野ファセットから成る少なくとも1つの群を含むことができる。そのような群は、類似の強度の影響が、物体視野の異なる照明角度に対して作用されることを保証する。
【0021】
類似する補正照明視野ファセット、言い換えれば、典型的な補正照明視野ファセットは、瞳ファセットミラーによって定められる瞳中心に関して点対称である補正照明瞳ファセットに割り当てることができる。例えば、この種の対称配列は、二重照明設定、すなわち、二重極照明設定のものを補正するために、2つの典型的な補正照明視野ファセットから成る群を形成することを可能にする。各場合に、同じ反射率区域を有する4つの典型的な補正照明視野ファセットから成る群が設けられる場合には、この付設は、物体視野照明のテレセントリック性及び/又は楕円度に影響を及ぼすことなく、物体視野照明の照明パラメータの補正のためなどに機能することができる。代替的に、物体視野照明の強度分布だけではなく、照明角度分布をも所定の方式で影響を受けることを可能にする補正照明瞳ファセットの配列又は補正照明視野ファセットの形状の所定の逸脱を考えることができる。
【0022】
補正照明視野ファセットの有効照明区域は、基本照明視野ファセットの境界形状とは異なる境界形状を有することができる。補正照明視野ファセットの有効照明区域は、補正照明視野ファセットの照明チャンネルに実際に寄与する照明を有する区域である。これを念頭に置いて、補正照明視野ファセット上の遮光区域は、このファセットの有効照明区域に寄与しないことに注意すべきである。代替的に、補正照明視野ファセットの一部分を選択的に遮光することによって境界形状に影響を与える代わりに、基本照明視野ファセットのものとは異なる補正照明視野ファセットの外側形状により、基本照明視野ファセットの境界形状とは異なる境界形状を得ることができる。基本照明視野ファセットは、例えば、矩形境界形状又は湾曲境界形状を有することができる。
【0023】
補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有することができる。それによって更に複雑な強度分布を長手視野ファセット寸法、及び従って長手物体視野寸法にわたって得ることが可能になる。
【0024】
補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの部分表面積である表面積を有することができる。そのような部分視野照明の場合には、この部分視野照明を保証する補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの照明表面積の1%と、大部分、例えば、90%との間にある有効照明表面積を有することができる。補正照明視野ファセットの有効照明表面積は、基本照明視野ファセットのうちの1つが有する照明表面積の5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、及び80%とすることができる。
【0025】
補正照明視野ファセットは、能動的に変位可能な、特に、能動的に傾斜可能及び/又はシフト可能な少なくとも1つのミラーとすることができる。この種のミラーは、物体視野内での補正に向けて物体視野の一部分を選択することを可能にする。
【0026】
補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状及び/又は補正照明瞳ファセットの有効照明区域の境界形状は、遮光体を用いて影響を受けることが可能である。この種の遮光体は、補正照明視野ファセットの補正効果が所定の方式で影響を受けることを可能にする。
【0027】
遮光体を支持する支持構造を視野ファセットミラーの遮光空間に配置することができる。この種の支持構造は、望ましくない遮光を招かない。
【0028】
ファセットミラーの反射面によって定められる反射平面から分離された遮光体は、それぞれの補正照明視野ファセットの補正効果が所定の方式で影響を受けるように、ファセットミラーに対して変位させることができる。この種の遮光体は、他の点では基本照明視野ファセットと異ならないファセットと併用することができる。
【0029】
2つのファセットの間に配置される遮光体は、2つの補正照明ファセットに同時に影響を与えることができる。
【0030】
遮光体は、基部本体を有することができ、これは、2つの隣接するファセット間の間隙に沿って延び、その幅は、2つの隣接するファセット間の間隙の幅よりも大きくなく、その上に2つの隣接するファセット間の間隙の幅よりも大きい幅を有する遮光部分が配置される。
【0031】
この種の遮光体は、長手視野寸法にわたって所定の遮光効果を保証する。
【0032】
ワイヤは、簡易な基部本体である。
【0033】
フィルムストリップ又はテープの形態にある基部本体は、比較的簡易な方式で取り扱うことができる。
【0034】
遮光部分は、ブランク基部本体の縁部から材料を除去又は切削することによって形成されるように設計することができ、基部本体も同じ手法で製造される。遮光部分は、少なくとも、照明光束のビーム方向に対して垂直な寸法における基部本体の厚み変動によって形成することができる。この種の形状又は形成法は、物体視野の視野高さにわたって選択的遮光を得るのに特に適することが見出されている。
【0035】
基部本体の正弦厚み変動は、特定の補正要件を特に有利な方式で満たすものである。ビーム方向に見て互いに対して変位させることができるように、互いに重なって又は隣合って配置された正弦厚み変動を有するいくつかのこの種の基部本体を設けることができる。それによって正弦厚み変動を有する2つの基部本体を互いに対して変位させることで、長手視野寸法にわたる強度分布の微調節が可能になる。
【0036】
円盤形の遮光部分は、その有効遮光サイズに関して、遮光されるビームの方向に対する円盤平面に対する法線の向きに依存して変更することができる。
【0037】
複数の遮光部分は、基部本体に沿って照明光学系の視野平面内の所定の強度分布I(x)に対応して順番に配置することができる。そのような配列は、視野高さ(x)にわたって強度変化を設定する所定の実施可能手段である。
【0038】
各場合に1つの基部本体及び各場合に複数の遮光部分を有する複数の遮光体を設けることができ、これらの遮光体のうちの少なくとも2つは、基部本体に沿った遮光部分の距離、関連の補正照明視野ファセットに対する遮光部分の位置、及び遮光部分の遮光直径というパラメータから成る群のうちの少なくとも1つのパラメータに関して互いに異なっている。この種の遮光体は、補正照明ファセットの影響によって強度変化を重ね合わせることを可能にする。この種の強度変化は、物体視野照明の望ましい所定の強度分布をフーリエ解析方式で生成することを可能にする。
【0039】
長手視野ファセット寸法に沿って、自体に割り当てられた補正照明視野ファセットよりも長い遮光体は、このファセットに対する長手視野ファセット寸法に沿った変位により、所定の方式で影響を受ける場合がある。遮光体の変位は、変化する照明視野の設定を可能にする。
【0040】
遮光体の両端は、各場合に1つのロール上に繰り出し可能式に巻き取ることができ、遮光に用いられる遮光体の区域は、2つのロールの間で誘導される。実際には、この種の遮光体のための保持手段を適用することができる。
【0041】
遮光体を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部は、遮光体を望ましい強度変化に制御方式で適応させることを可能にする。
【0042】
ロール、並びに遮光体を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部は、残りの照明光学系が配置される排除空間の外側に配置することができる。この場合、駆動部及びロールを真空適合にする必要はない。
【0043】
遮光部分の形状を定めるための形成デバイス、特に、切削デバイスは、遮光体の強度変更効果を作動中に調節することを可能にする。
【0044】
遮光体上のマークを検出するための読取デバイスは、例えば、その後の選択に向けて遮光部分のマーク付き又は符号付きシーケンスを定めることを可能にする。更に、この種の読取デバイスは、遮光体上の遮光部分の位置制御を可能にする。
【0045】
遮光体は、2つのファセットの間に挿入される挿入部分を有することができる。この種の挿入部分は、補正照明ファセットに対する遮光体の信頼性の高い位置決めを保証する。
【0046】
ファセットミラーの反射面に対して垂直に変位可能な遮光体は、遮光体の遮光効果の微調節を可能にする。
【0047】
補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの全てによって形成される視野ファセットミラーの照明輪郭の外側に配置することができる。補正照明視野ファセットがそのような手法で配置される場合には、この配列により、これまで積極的に用いられなかった光部分を利用することが可能になる。しかし、一般的に補正照明視野ファセットとして視野ファセットミラーの内部ファセットを用いるように考えることができる。
【0048】
補正照明瞳ファセットは、基本照明瞳ファセットの全てによって形成される瞳ファセットミラーの照明輪郭に配置することができる。補正照明瞳ファセットがそのような手法で配置される場合には、望ましくない低い照明強度を伝達する基本照明瞳ファセットの照明角度からの照明は、これらの基本照明瞳ファセットの直近の補正照明瞳ファセットによって高めることができる。
【0049】
補正照明瞳ファセットのうちの少なくとも1つにこのファセットを可変方式で覆うように割り当てられた遮光体を用いて、関連の補正照明瞳ファセットの補正効果が影響を受けることが可能である。
【0050】
基本照明視野ファセットの少なくとも一部は、これらの基本照明視野ファセットを変位させて、特に、傾斜及び/又はシフトさせるための各場合に少なくとも1つのアクチュエータと協働する。そのような作動による傾斜移動は、特に、瞳ファセットミラー上の光源像の変位をもたらすことができる。この変位は、物体視野照明を補正するのに有利であるとすることができる。
【0051】
同じことは、補正照明視野ファセットの任意的な作動による変位にも当て嵌まる。
【0052】
基本照明瞳ファセットの作動による変位機能、特に、変位機能及び/又はシフト機能は、特に、個々の照明チャンネルの視野寄与のシフトを引き起こすことができる。同様に、照明チャンネル内の瞳ファセットへの視野ファセットの割り当ても可変である。
【0053】
同じことは、補正照明瞳ファセットの作動による変位機能にも当て嵌まる。
【0054】
補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、補正照明瞳ファセットによって完全には伝達されず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向することができ、これは、物体視野照明を補正するための有利な手段とすることができる。
【0055】
照明光束のうちで補正照明瞳ファセットから物体視野に伝達される部分の縁部が、物体視野の縁部において遮断される場合には、同じことが当て嵌まる。
【0056】
補正照明視野ファセットのうちの少なくとも1つは、互いに独立に配向可能な複数の部分補正照明ファセットに分割することができる。この場合、この種の補正照明視野ファセットミラーの少なくとも2つの作動モードは、物体視野照明への部分補正照明ファセットの寄与が、これらのファセットが作動される手法に依存するように、異なる手法で部分補正照明ファセットを作動させることによって得られる。部分補正照明ファセットを用いると、これらのファセットの向きに依存して異なる照明チャンネルを選択することができ、それによって物体視野照明の照明角度分布が部分補正照明ファセットによって影響を受けることが可能になる。物体視野にわたる部分補正照明ファセットの強度寄与を起動又は停止することは、物体視野照明の強度に対する影響を有する場合がある。
【0057】
部分補正照明ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って基本照明視野ファセットよりも小さい延長を有することができる。それによって部分補正照明ファセットのものに対応する延長を有する物体視野部分にわたって物体視野が露光される強度を補正することが可能になる。
【0058】
部分補正照明ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿った少なくとも1つの列で配置することができる。長手視野ファセット寸法に沿った基本照明視野ファセットの延長に対応することができる全延長を有するこの種の列に沿って、例えば、2個,3個、4個、5個、10個又は更にそれ以上の部分補正照明ファセットを存在させることができる。その結果、長手視野寸法に沿った物体視野照明の相応に微細な調節がもたらされる。
【0059】
長手視野ファセット寸法に沿った複数の部分基本照明ファセットへの基本照明視野ファセットの分割は、対応する利点を有する。
【0060】
隣接する部分基本照明ファセットの間に間隙が存在する場合があり、部分補正照明ファセットは、短手視野ファセット寸法の方向に見た時に、間隙を覆うように配置される。部分補正照明ファセットは、これらの間隙によって引き起こされる物体視野照明の望ましくない強度低下を補償することを可能にする。
【0061】
部分補正照明ファセットは、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成することができる。それに対応して、部分基本照明ファセットもまた、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成することができる。その結果、部分ファセットの有利な構造の統合がもたらされる。
【0062】
部分補正照明ファセットは、短手視野ファセット寸法の方向に照明光が部分補正照明ファセットの一部分にしか到達することができないように、視野ファセットミラーの支持体の部分遮光区域上に配置することができる。部分補正照明ファセットは部分的にしか照明されないので、これらの部分補正照明ファセットを用いて、相応に微細な補正強度解像度を得ることができる。
【0063】
部分補正照明ファセットの延長は、短手視野ファセット寸法に沿って基本照明視野ファセットの延長よりも短いとすることができる。部分補正照明ファセットの上述の部分遮光に対して代替的又は追加的に、部分補正照明ファセットの上述の短い延長は、長手視野寸法にわたる物体視野照明の有利に高い補正解像度をもたらすことができる。
【0064】
視野ファセットミラーは、複数の視野ファセットブロックに分割することができ、この場合、部分補正照明ファセットは、視野ファセットブロックのうちの1つの縁部の近くのファセットとすることができ、それによって視野ファセットミラーをモジュールで製造することが可能になる。
【0065】
主支持体平面に対して垂直な方向には、視野ファセットブロックを階段式に互いに千鳥に配置することができる。それによって視野ファセットブロックの統合が容易になる。
【0066】
部分補正照明ファセットは、長手視野寸法に沿っていくつかの列で配置することができる。それによって補正効果の柔軟性が高められる。1つの列又はいくつかの列にある部分補正照明ファセットを能動状態にすることができ、その結果、部分補正照明ファセットの寄与を物体視野の長手視野寸法にわたって可変的に定めることができる。
【0067】
様々な列にある部分補正照明ファセットは、短手視野寸法に沿って異なる延長を有することができる。それによって部分補正照明ファセットの補正効果の柔軟性が更に高まる。物体視野照明が、長手視野寸法にわたって小さな補正しか必要としない場合には、短手視野ファセット寸法に沿って小さい延長を有する部分補正照明ファセットを用いることができる。より大きい補正を必要とする場合には、短手視野寸法に沿ってより大きい延長を有する別の列からの部分補正照明ファセットを用いることができる。
【0068】
実際の用途では、様々な列において短手視野寸法に沿って1:2を上回らない部分補正照明ファセットの延長比は、短手視野寸法に沿って小さい延長を有する列の部分補正照明ファセットを用いる場合には相対強度1を有し、短手視野寸法に沿って大きい延長を有する列の部分補正照明ファセットを用いる場合には相対強度2を有し、両方の部分補正照明ファセット列を用いる場合には相対強度3を有する補正寄与を得ることを可能にする。様々な部分補正照明ファセット列の間の他の延長比、例えば、1:3又は1:4を考えることができる。更に、2つよりも多くの部分補正照明ファセット列を適用することができ、その結果、選択された列が使用状態にあり、そのような部分補正照明ファセット列のうちの3つ又は4つを用いた場合に、例えば、1:2:4又は1:2:4:8の延長比を対応する異なる補正寄与解像度を伴って得ることができる。
【0069】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有する。
【0070】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状及び/又は補正照明瞳ファセットの有効照明区域の境界形状は、遮光体を用いて影響を受け、遮光体を支持する支持構造が、視野ファセットミラーの遮光空間に配置される。
【0071】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するために複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、補正照明瞳ファセットによって完全には伝達されず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向される。
【0072】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、物体視野に完全には到達せず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向される。
【0073】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う照明光反射率を有し、補正照明視野ファセット上には、個別の灰色フィルタ部分が設けられ、灰色フィルタ部分内には、一定の面積密度を有する吸収点構造が設けられ、長手視野ファセット寸法に対して垂直に灰色フィルタ部分の幅を変化させることによって可変反射率が得られる。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0074】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う照明光反射率を有し、補正照明視野ファセット上には、個別の灰色フィルタ部分が設けられ、灰色フィルタ部分内の点構造は、変化する面積密度で配分される。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0075】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、視野ファセットミラーは、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセットを含み、類似する補正照明視野ファセットが、瞳ファセットミラーによって定められる瞳中心に対して点対称な補正照明瞳ファセットに割り当てられる。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0076】
本発明による上述の照明光学系は、その個々の構造的特徴に関して上述したものとは異なる構造的組合せで実施することができる。上述の本発明による照明光学系の光束誘導効果の動的制御性又は少なくとも2つの作動モード間の視野ファセットミラーの切り換えが必須とされていない場合には、照明光学系は、動的に制御可能な光束誘導効果を有するか又は少なくとも2つの作動モード間で切換可能な視野ファセットミラーが設けられた本発明による照明光学系に関して上述した手法で改良することができる。
【0077】
本発明による照明光学系と、物体視野を像視野へと投影するための投影光学系とを含む光学系の利点、この種の光学系と照明光束を生成するためのEUV放射線とを含む投影露光装置の利点、及びレチクルを準備する段階と、照明光に対して感光性を有するコーティングを有するウェーハを準備する段階と、本発明による投影露光装置を用いてレチクルの少なくとも一部分をウェーハ上に投影する段階と、照明光束への露光の後にウェーハ上の感光層を現像する段階とを含む製造方法の利点、並びに本発明により製造された微細構造又はナノ構造構成要素の利点は、本発明による照明光学系を参照して説明したものに対応する。
【0078】
本発明による照明光学系を用いて照明を補正する方法は、放射線源の照明光束を用いて物体視野照明の強度分布又は角度分布を判断する段階と、望ましい強度分布又は角度分布を得るように、補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てを準備する段階とを含むことができ、補正照明視野ファセットは、1組の関数に基づいて設けられ、視野高さにわたって強度変化を有する1組の補正照明視野ファセットが与えられ、強度変化は、この関数の組に対応する。
【0079】
補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てを準備する段階は、特に、計算に基づいて行うことができる。代替的に、この段階は、補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てが記憶された予め生成された較正表に基づいて行うことができ、各場合に補正照明瞳ファセットは、それぞれ検出された強度分布又は角度分布に割り当てられる。補正照明視野ファセットの配列は、1組の関数に基づいて計算され、補正照明視野ファセットは、この関数の組の関数に対応する有効照明光反射率を長手視野寸法にわたって有することができる。
【0080】
物体視野照明の強度分布又は角度分布は、直接測定するか、又は導出形態で測定するかのいずれかとすることができる。導出測定は、例えば、物体平面から分離された平面内で物体視野照明の強度分布又は角度分布を測定することによって行うことができる。代替的に又はそれに追加して、物体視野照明の強度分布又は角度分布は、他のパラメータ、例えば、異なる波長を有する調節放射線又は付随的な放射線の光分布を測定するか、又は特定の構成要素の温度増大のような間接パラメータを測定するか、又は散乱光を測定することによって導出方式で判断することができる。補正照明視野ファセットの配列の計算は、視野ファセットミラー上の補正照明視野ファセットの配列の計算、及び/又は個別又は全ての補正照明視野ファセットの反射率パターン、すなわち、これらの補正照明視野ファセットの有効形状の計算を含むことができる。計算された補正照明視野ファセット配列は、相応に設計された完全に新しい視野ファセットミラーを設けることにより、又は例えば交換可能な絞りを用いて既存の視野ファセットミラーの所定の補正照明視野ファセットを選択することによって与えることができる。
【0081】
照明補正を行う時には、様々な作動モード、及び従って様々な能動的補正照明視野ファセット配列の中から選択を行うことができる。
【0082】
この照明補正方法の利点は、本発明による照明光学系を参照して上述したものに対応する。
【0083】
以下に本発明の実施形態を図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】照明光学系及び投影光学系を含むマイクロリソグラフィ投影露光装置を通る模式的子午断面である。
【図2】補正照明瞳ファセットを覆うためにいくつかの絞りが瞳ファセットミラーに割り当てられた図1による視野ファセットミラーと瞳ファセットミラーとの模式的平面図である。
【図3】様々な種類の補正照明視野ファセットとこれらのファセットにそれぞれ割り当てられた補正照明瞳ファセットとをまとめた平面図である。
【図4】別の実施形態の補正照明視野ファセットの平面図である。
【図5】別の実施形態の補正照明視野ファセットの平面図である。
【図6】全反射平面に関して互いに対して千鳥に配置され、千鳥配列及び傾斜照明が遮光空間を形成する視野ファセットミラーの2つの照明視野ファセットの側面図である。
【図7】単一の視野ファセットとこの視野ファセットに割り当てられた単一の瞳ファセットとを有する照明チャンネルによって行われる照明光学系の物体視野照明を各場合にファセットを平面図に示し、付加的に照明の視野依存性をグラフに示す模式図である。
【図8】9つの視野ファセットと9つの関連の瞳ファセットとの物体視野内での合計で9つの重ね合わせ照明チャンネルをファセット及び物体視野内で重ね合わされる照明チャンネルを各場合に平面図に示す模式図である。
【図9】特定の視野ファセットがワイヤの形態にある基部本体と基部本体上の肉厚区域の形態にある遮光部分とを有する遮光体に割り当てられ、遮光体がこれらの視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与える図8と類似の図である。
【図10】視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与えるための別様に設計された別の実施形態の遮光体対の図8と類似の図である。
【図11】図9に記載の遮光体を有する視野ファセットミラーを遮光体を巻き取るためのロールと共に示す図である。
【図12】ワイヤの形態にある基部本体と遮光部分とを有し、ロール上に誘導されて巻き取られる遮光体を有する個々の視野ファセットの斜視図である。
【図13】特定の視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与えるために2つの視野ファセット間に配置された別の実施形態の遮光体を含む視野ファセットミラーの平面図である。
【図14】2つの視野ファセット間に挿入される挿入部分を有する別の実施形態の遮光体を含む付加的な詳細内容を示す別の実施形態の視野ファセットミラーの平面図である。
【図15】2つの視野ファセットとそれらの間に配置された遮光体とを含む図14に記載の視野ファセットミラーの斜視断面図である。
【図16】2つの視野ファセットブロック間に配置された挿入部分を有する遮光体を有する図14に記載の視野ファセットミラーの視野ファセットの2つのブロックの側面図である。
【図17】各場合に視野ファセットミラーの2つのファセット間に挿入された挿入部分を同様に備えて遮光体の別の実施形態にある2つの遮光体を有する図14に記載の視野ファセットミラーの7つの隣接する視野ファセットを示す図である。
【図18】視野ファセットの2つのブロック間に配置された図17に記載の種類の遮光体を含む実施形態の図16と類似の図である。
【図19】視野ファセットミラーの基本照明視野ファセットの部分表面積を構成する表面積を有する補正照明視野ファセットを含む配列の図7と類似の図である。
【図20】関連の補正照明瞳ファセットを有する図19に記載の補正照明視野ファセットの用途例の図2と類似の図である。
【図21】投影露光装置の放射線源の光源像が瞳ファセットミラーの瞳ファセット上に配置された瞳ファセットミラーの模式的平面図である。
【図22】レチクル部分上で重ね合わされ、ある一定の領域内で互いに重複する2つの照明チャンネルを有する物体視野に対応するレチクル部分の模式図である。
【図23】個別瞳ファセットをその縁部上に入射する光源像と共に示す図である。
【図24】レチクル走査方向に対して見た時に照明チャンネルがレチクル部分の縁部領域上に入射するレチクル部分の図22と類似の図である。
【図25】各場合に個別瞳ファセットの縁部に向けて同じように変位した光源像を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図26】瞳ファセットミラー上に個別に位置決めされるか又は縁部において遮断された光源像を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図27】照明された瞳ファセットの配列を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図28】照明瞳ファセットの別の配列を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図29】照明チャンネルを通じて様々な手法で瞳ファセットに割り当てられた視野ファセットの模式図である。
【図30】横方向に、言い換えれば、レチクル走査方向に対して垂直に遮断された照明チャンネルを有するレチクル部分の図24と類似の図24である。
【図31】横方向に遮断された2つの部分照明チャンネルを用いたレチクル部分の照明の図24と類似の図である。
【図32】補正照明視野ファセットを遮光するための別の実施形態の絞り構造を有する図2に記載のものと類似の視野ファセットミラーの視野ファセットの模式図である。
【図33】補正照明視野ファセットの絞り構造の個々の絞りのための取り付けデバイスをより詳細な模式図に示す図32の方向XXXIIIからの図32に記載の補正照明視野ファセットの側面図である。
【図34】図33の方向XXXIVによる補正照明視野ファセットの側面図である。
【図35】2つの例示している視野ファセットの下側のものが絞り構造を有する補正照明視野ファセットとして構成された2つの隣接する視野ファセットの図32と類似の図である。
【図36】図35の線XXXVIによって回転された側面図である。
【図37】ファセットの反射面に配置された個々の絞りのための保持構造を有する別の実施形態の補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセットの模式的平面図である。
【図38】図37に記載のものと類似の個々の絞りのための別の実施形態の保持手段を含む瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図39】関連の支持体要素を有する別の実施形態の視野ファセットミラーの2つの視野ファセットブロックの側面図である。
【図40】視野ファセットブロックが補正照明視野ファセットを含み、補正照明視野ファセットが、部分的に照明される部分補正照明ファセットへと更に分割された図39の右にある視野ファセットブロックの視野ファセットの平面図である。
【図41】視野ファセットミラーの全反射面の上方から傾斜して見たこの更に別の実施形態の視野ファセットミラーを形成するための図39及び図40に記載の支持体要素及び視野ファセットブロックの全体の配列の斜視図である。
【図42】視野ファセットブロックの各々が、その上側縁部において長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセットの列の形態にある補正照明視野ファセットを含み、全てのファセットブロックが、互いに遮光しないような手法で視野ファセット支持体上に互いに隣接して配置された別の実施形態の視野ファセットミラーの合計で8つの視野ファセットブロックの配列を示す図である。
【図43】2つの部分補正照明ファセット列に分割された補正照明視野ファセットを含む別の実施形態の視野ファセットブロックの図40と類似の図である。
【図44】基本照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿った複数の部分基本照明ファセットに分割され、図44に示す補正照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセット列から成る合計で4つの基本照明視野ファセットを含む別の実施形態の視野ファセットブロックの図40と類似の図である。
【図45】図44に記載の補正照明視野ファセットを有し、図40又は図43に記載の基本照明視野ファセットを有する別の実施形態の視野ファセットブロックの図44と類似の図である。
【図46】補正照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセット列で構成され、部分補正照明ファセットが、上方から見た時に部分基本照明ファセット間の間隙を覆う図44に記載の基本照明視野ファセット及び上部に示す補正照明視野ファセットを含む視野ファセットブロックの図44と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、マイクロリソグラフィ投影露光装置1を通る模式的子午断面図である。投影露光装置1の照明系2は、物体平面6内の物体視野5を照明するために放射線源3及び照明光学系4を含む。この工程では、物体視野5に配置され、図1には示しておらず、微細構造半導体構成要素又はナノ構造半導体構成要素の製造において投影露光装置1を用いて投影される構造が設けられたレチクルが照明される。投影光学系7は、物体視野5を像平面9内の照明視野8へと結像するように機能する。レチクル上の構造は、像平面9内の像視野8の領域に配置された図面には示していないウェーハの感光層上に結像される。
【0086】
放射線源3は、5nmと30nmの間の範囲内で有利放射線を放出するEUV放射線源である。放射線源3は、プラズマ光源、例えば、GDPP(ガス放電生成プラズマ)又はLPP光源(レーザ生成プラズマ)とすることができる。他のEUV放射線源、例えば、シンクロトロンに基づくものを考えることができる。放射線源3によって放出されるEUV放射線10は、コレクター11によって集光される。対応するコレクターは、例えば、EP1,225,481Aに開示されている。コレクター11の下流では、EUV放射線10は、中間焦点面12を通って伝播し、その後視野ファセットミラー13上に入射する。視野ファセットミラー13は、照明光学系4の物体平面6と光学的に共役な平面に配置される。
【0087】
以下ではEUV放射線10を照明光又は結像光とも呼ぶ。
【0088】
視野ファセットミラー13の下流では、EUV放射線10は、瞳ファセットミラー14によって反射される。EUV放射線10は、2つのファセットミラー13、14上に、25°よりも小さいか又はそれに等しい入射角で入射する。従って、2つのファセットミラーは、法線入射作動範囲内でEUV放射線10に露光される。瞳ファセットミラー14は、照明光学系4の投影光学系7の瞳平面と光学的に共役な平面に配置される。ファセットミラー14と、EUV放射線10のビーム経路の順に16、17、及び18と示しているミラーを含む伝達光学系15の形態にある結像光学アセンブリとを用いて、視野ファセットミラー13の視野ファセット19(図2を参照されたい)が、互いに重複するように物体視野5へと結像される。伝達光学系15の最後のミラー18は、かすめ入射ミラーである。伝達光学系15は、瞳ファセットミラー14との組合せでEUV放射線10を視野ファセットミラー13から物体視野5に伝達するためのその後の光学系とも呼ぶ。
【0089】
以下では位置関係の説明を容易にするために直交xyz座標系を用いる。x軸は、図1の作図面に対して垂直に閲覧者に向けて延びている。y軸は、図1の右に向けて延びている。z軸は、図1の上方に延びている。
【0090】
レチクルホルダ(図示せず)によって所定位置に保持されるレチクル、及びウェーハホルダ(図示せず)によって所定位置に保持されるウェーハは、投影露光装置1が使用される時にy方向に同期して走査される。
【0091】
図示の実施形態では、物体視野5は弓形形状を有し、レチクル(図22のレチクル20を参照されたい)は対応する弓形形状を有する。従って、以下では、物体視野5を図22のレチクル20の図を用いて説明する場合がある。物体視野5は、図示の実施形態ではほぼ75°の扇角Sを覆う環セグメントの形状を有する。他の扇角Sを考えることもできる。物体視野5は、半径Riを有する内側弧辺21と、半径Raを有する外側弧辺22と、物体視野5の側部の境界を定める2つの半径方向辺、すなわち、図2の左にある半径方向辺23及び図22の右にある半径方向辺24とによって境界が定められる。物体視野5は、半径方向辺23、24の2つの中心の間でx延長x0を有する。物体視野5は、弧辺21、22の2つの中心の間でy延長y0を有する。物体視野5のアスペクト比x0/y0は、1よりも有意に大きい。図22に図示の実施形態では、このアスペクト比x0/y0はほぼ7:1である。他のアスペクト比、例えば、13:1のアスペクト比を考えることができる。これらのアスペクト比に起因して、x軸を長手視野軸とも呼び、それに対してy軸を短手視野軸と呼ぶ。物体視野5における特定のx座標を視野高さとも呼ぶ。視野ファセットミラー13(図2を参照されたい)の矩形視野ファセット19は、物体視野5のx0/y0アスペクト比に対応するx/yアスペクト比を有する。
【0092】
視野ファセットミラー13の視野ファセット19は、複数の視野ファセット19、すなわち、図示の実施形態では各場合に8つの視野ファセット19を含む視野ファセットブロック25に組み合わされる。図2は、合計で4個のこの種の視野ファセットブロックを示している。実際の用途では、視野ファセットミラー13が、数百個の視野ファセット19を含むような極めて多数のそのような視野ファセットブロック25が存在する。視野ファセットブロック25は、実際の用途では数自由度で調節可能な視野ファセット支持体26上に配置される。視野ファセットミラー13の設計によっては、視野ファセットブロック25及び/又は視野ファセットブロック25内の視野ファセット19は、視野ファセット支持体26に対して調節可能なものとすることができる。
【0093】
瞳ファセットミラー14(図2を参照されたい)は、例えば、瞳ファセット支持体28上に六方最密充填で配置された複数の円形瞳ファセット27を有する。
【0094】
視野ファセット19及び瞳ファセット27は結像効果を有し、例えば、球面凹状を有することができる。
【0095】
瞳ファセット支持体28は、視野ファセット支持体26に対応して調節可能なものとすることができる。瞳ファセット支持体28と同様に、個別瞳ファセット27も、代替的又は追加的に瞳ファセット支持体28に対して調節可能なものとすることができる。
【0096】
ファセット上の高反射コーティングは、実際の用途では、モリブデン層とシリコン層とが交互する多層コーティングである。ファセット19、27は、EUV放射線10に対するミラーファセットである。個々の視野ファセット19及び/又は個別瞳ファセット27を調節するために、これらのファセットを関連のアクチュエータに個別に接続することができる。これらのアクチュエータは、個々の視野ファセットをそれぞれのファセットの反射平面に配置された2つの軸の回りに傾斜させることを可能にするように設計することができる。
【0097】
EUV放射線10の照明光束のうちで視野ファセット19のそれぞれの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット27を通じて物体視野5に伝達されるように、視野ファセット19は、各場合に個別に瞳ファセット27に割り当てられる。従って、これらの2つのファセットミラー13、14は、EUV放射線10を物体視野5に別々のチャンネル内で誘導する複数の照明チャンネルを定める。模式的に示す図2に記載の実施形態は、合計で32個のそのような照明チャンネルを有する。放射線源3は、照明チャンネルの各々内で瞳ファセット27へと結像される。
【0098】
視野ファセット19及び瞳ファセット27は、各場合に2つのファセット種類へと区分される。図2では基本照明視野ファセット19Gを中白で示している。図2では補正照明視野ファセット19Kをハッチングで示している。図2に中白円として例示している基本照明瞳ファセット27Gは、照明チャンネルを通じて基本照明視野ファセット19Gに割り当てられる。
【0099】
図2でハッチングで示している補正照明瞳ファセット27Kは、補正照明視野ファセット19Kに割り当てられる。
【0100】
基本照明視野ファセット19Gは、関連の基本照明瞳ファセット27Gを用いた基本照明チャンネルを通じて物体視野5の基本照明を与える。補正照明視野ファセット19Kは、関連の補正照明瞳ファセット27Kを用いた補正照明チャンネルを通じて物体視野5の補正照明を与える。
【0101】
基本照明視野ファセット19Gとして用いるべき視野ファセットミラー13の視野ファセット19、及び補正照明視野ファセット19Kとして用いるべき視野ファセット19は、EUV放射線10の照明光束への視野ファセットミラー13の露光中の幾何学形状及び強度分布、並びに物体視野5の所定の望ましい照明に依存して選択される。適切な補正照明視野ファセット19Kは、例えば、基本照明を与えるのに十分ではない強度しか持たないもの又は基本照明を与えるのに許容範囲外の強度分布を有するものである。適切な補正照明視野ファセット19Kは、例えば、縁部の近くの視野ファセット19、又は例えば遮光に起因してEUV放射線に全くか、又は減衰したEUV放射線にしか露光されない部分を有する視野ファセット19である。
【0102】
複数の絞り29、30、31、32(図2を参照されたい)が、絞り交換ホルダ33(図1を参照されたい)内に設けられた瞳ファセットミラー14に割り当てられる。絞り交換ホルダ33を用いると、絞り29から32を図1に実線で例示している休止位置と、瞳ファセットミラー14のミラー面の前の図1に破線で示している絞り位置との間で個々に変位させることができる。絞り位置では、絞り29から32は、EUV放射線10が所定の基本照明チャンネルに沿って伝播することを保証する。更に、絞り29から32は、補正照明に向けて用いるべき補正照明瞳ファセット27Kの選択を可能にする。
【0103】
絞り29は、絞り位置にある時に、図2に示している6つの補正照明瞳ファセット27Kの全てによる補正照明を可能にする。それによって基本照明チャンネルの全てと補正照明チャンネルの全てとを同時に経由した物体視野5の重ね合わせ照明が生じる。
【0104】
絞り30は、絞り位置にある時に、図2で27K1で示している2つの補正照明瞳ファセットを遮蔽する。この場合、物体視野5は、全ての基本照明チャンネル及び残りの補正照明チャンネルを経由した重ね合わせ照明に露光される。
【0105】
絞り31は、絞り位置にある時に、補正照明瞳ファセット27K1に加えて2つの更に別の補正照明瞳ファセット27K2を遮蔽する。絞り31を用いる時には、物体視野5は、基本照明チャンネル及び2つの残りの補正照明チャンネルを経由した重ね合わせ放射線に露光される。
【0106】
絞り32は、絞り位置にある時に、補正照明瞳ファセット27kの全てを遮蔽する。この場合、物体視野5は、基本照明チャンネルのみを経由した重ね合わせ照明に露光される。
【0107】
その結果、絞り29から31は、EUV放射線10の照明光束のうちで各場合に補正照明視野ファセット19Kの異なる群に割り当てられた部分が物体視野5へと通過することを可能にする。当然ながら、付加的な絞りを対応する方式で設計することにより、他の伝達群を考えることができる。
【0108】
基本照明視野ファセット19Gと全く同様に、補正照明視野ファセット19Kは、その面にわたって一定の反射率を有することができる。代替的に、少なくとも選択された補正照明視野ファセット19Kに、そのファセット面にわたって変化する反射率を与えることができる。特に、これらの補正照明視野ファセット19Kは、EUV放射線10に対して、長手視野寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う反射率を有する。
【0109】
図3は、そのような補正照明視野ファセット19K1から19K6、及び19K1'から19K6'の例を示している。補正照明視野ファセット19K1から19K6は、補正照明視野ファセットブロック25K内に組み合わされる。補正照明視野ファセット19K1'から19K6'は、補正照明視野ファセットブロック25K'内に組み合わされる。ハッチングで示している部分では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'には、EUV放射線10を高度に反射するコーティングが設けられない。以下ではこれらの部分を減衰部分34と呼ぶ。図3では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'の反射部分35を中白で示している。減衰部分34の形状は、補正照明視野ファセット19K1から19K6の各々において異なる。補正照明視野ファセット19K1と19K1'とは、類似する形の減衰部分34を有する。同じことは、補正照明視野ファセットの対19K2/19K2'から19K6/19K6'に当て嵌まる。2つの視野ファセットブロック25K及び25Kは、x−zミラー対称平面に関して鏡面対称に配置される。
【0110】
補正照明視野ファセット19K1から19K6の別様に設計された減衰部分34に起因して、補正照明視野ファセット19K1から19K6は、各場合に異なる程度でx方向に沿ってEUV放射線10を減衰させる。
【0111】
補正照明視野ファセット19K1は、図3の左手縁部においてEUV放射線10を完全に減衰させる。減衰率は、右手縁部に向けて線形に低下し、その結果、EUV放射線10は、右手縁部において、可能な最も高い効率で反射される。
【0112】
補正照明視野ファセット19K2は、正確に逆の減衰パターンをもたらす減衰部分34を有し、すなわち、EUV放射線10は、図3の左手縁部では減衰されず、それに対して右手縁部では、可能な最大の程度で減衰される。
【0113】
補正照明視野ファセット19K3は、図3によると上下に見た時に三日月形であり、補正照明視野ファセット19K3の中心で接触する2つの減衰部分34を有する。従って、補正照明視野ファセット19K3は、図3の左手縁部において最小減衰率を有し、半分のx高さにおいて最大減衰率まで増大し、その後右手縁部における最小減衰率へと再度低下する減衰パターンをx方向に辿る。
【0114】
補正照明視野ファセット19K3と比較すると、補正照明視野ファセット19K4は、x方向にEUV放射線に対する逆減衰パターンを有する。補正照明視野ファセット19K3及び19K4は、x方向に放物線減衰パターンを生成する。
【0115】
補正照明視野ファセット19K5は、図3の左手縁部においてEUV放射線10に対する最小減衰率を有し、右手縁部における最大減衰率へと増大する減衰パターンをx方向に有する。2つの縁部の間では、減衰率は、x座標の非線形関数である。この減衰率は、連続単調関数の結果である。他のパターンの減衰関数、特に、少なくとも1つの最小値又は少なくとも1つの最大値を有するもの、並びに不連続関数及び/又は非単調関数を考えることができる。
【0116】
補正照明視野ファセット19K6は、補正照明視野ファセット19K5のものと比較して逆の減衰パターンをx方向に有する。
【0117】
減衰部分34では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'は、EUV放射線10に対して10%よりも大幅に低い反射率を有し、図示の実施形態では、この反射率は、ファセットの反射部分35における反射率の0.1%よりも低い。
【0118】
補正照明視野ファセット対19K1/19K1'から19K6/19K6'は、各場合に長手視野寸法にわたって、言い換えれば、x軸に沿って同じ反射率パターンに従う典型的な補正照明視野ファセットの群を形成する。
【0119】
補正照明視野ファセット対19K1/19K1'から19K6/19K6'は、各場合に、瞳ファセットミラー14の中心36関して点対称である補正照明瞳ファセット対27K1/27K1'から27K6/27K6'に割り当てられる。
【0120】
補正照明視野ファセット19K1から19K1'、19K6から19K6'と相互作用する絞り29から32の方式にある絞りは、19K1/19K1'から19K6/19K6'が常に対で遮光されるように構成される。それによって補正照明チャンネルによって引き起こされる可能性がある物体視野照明のテレセントリック性変化が阻止される。
【0121】
物体視野5の照明のテレセントリック性は、以下の通りに定められる。
【0122】
照明される物体視野5の各視野点に対して、この視野点に割り当てられた光束の中心光線が定められる。中心光線は、この視野点から発する光束のエネルギ重み付き方向を有する。理想的な場合には、各視野点の中心光線は、照明光学系又は投影光学系によって定められる主光線に対して平行である。
【0123】
主光線の方向:
【0124】
【数1】
【0125】
は、照明光学系4又は投影光学系7の設計データから既知である。視野点における主光線は、この視野点と投影光学系7の入射瞳の中心点との間を繋ぐ線によって定められる。物体平面6内の物体視野5内の視野点x,yにおける中心光線の方向は次式として得られる。
【0126】
【数2】
【0127】
E(u,v,x,y)は、この視野点に関する瞳座標u,vの関数として、すなわち、それぞれの視野点x,yから見た照明角度の関数としてのエネルギ分布である。
【0128】
【数3】
【0129】
は、点x,y上に入射する全エネルギである。
【0130】
例えば、中心物体視野点x0,y0は、照明光学系4の瞳平面を通過するそれぞれの部分放射線束の貫通点によって定められる方向u,vからの部分放射線束の放射線を受ける。この照明設定では、中心光線sは、部分放射線束の異なるエネルギ又は強度がそれぞれ組み合わされ、主光線方向に対して平行な積分中心光線方向を形成する場合にのみ主光線に沿って延びている。これは、理想的な状況の下にある場合のみである。実際には、中心光線方向:
【0131】
【数4】
【0132】
と主光線方向:
【0133】
【数5】
【0134】
の間の偏位が存在し、これをテレセントリック性誤差:
【0135】
【数6】
【0136】
とも呼び、以下のようになる。
【0137】
【数7】
【0138】
投影露光装置1の実際の用途では、補正されるのは特定の物体視野における静的なテレセントリック性誤差ではなく、x=x0における走査積分テレセントリック性誤差である。このテレセントリック性誤差は次式で得られる。
【0139】
【数8】
【0140】
言い換えれば、走査処理中に物体平面6内で物体視野5を通じて移動するレチクル上の点(x、例えば、x0)によって積分されるテレセントリック性誤差が補正され、xテレセントリック性誤差(tx)とyテレセントリック性誤差(ty)との間で区別が付けられる。yテレセントリック性誤差は、主光線からの中心光線の走査方向に対して垂直な偏位として定められる。xテレセントリック性誤差は、主光線からの中心光線の走査方向の偏位として定められる。
【0141】
代替実施形態の補正照明視野ファセット(図示せず)では、各場合に、図3に記載の実施形態の対19K1/19K1'から19K6/19K6'に対応するEUV反射率の同じxパターンを有する4つの補正照明視野ファセット19Kから成る群が存在する。4つの補正照明視野ファセットから成るこれらの群は、照明チャンネルを通じて瞳ファセットミラー14の中心36の周囲に等しく配分された4つの補正照明瞳ファセットの群に例えば絞りを用いて4つの補正照明チャンネルのそのような群を切り換えることによって楕円度E0°/90°が維持されるように割り当てられる。厳密には、中心36は、照明光学系4の瞳の中心であり、瞳は、瞳ファセットミラー14によって定められる。
【0142】
楕円度は、物体平面6内の物体視野5の照明品質を判断するための別のパラメータである。楕円度の特定は、投影光学系7の入射瞳にわたってエネルギ又は強度それぞれの分布に関するより正確な情報を得るのに役立つ。この目的のために、入射瞳は、数学で一般的な慣習であるように反計時方向にO1からO8と番号が振られた8つの八分円に分割される。視野点の照明への入射瞳の八分円O1からO8によって加えられるエネルギ又は強度の寄与を以下ではエネルギ寄与又は強度寄与I1からI8と呼ぶ。
【0143】
次式の量を−45°/45°楕円度(Elly、E-45°/45°)と呼ぶ。
【0144】
【数9】
【0145】
次式の量を0°/90°楕円度(Ellx,E0°/90°)と呼ぶ。
【0146】
【数10】
【0147】
テレセントリック性誤差の以上の説明に対応して、特定の物体視野点xFP,yFP、又は代替的に走査積分照明(x=xFP,y積分)に関する楕円度を判断することができる。
【0148】
補正照明視野ファセット上の減衰部分34は、ファセットの反射コーティング中に、これらの減衰部分34に反射コーティングが設けられないように減衰部分34を覆うマスクを減衰部分34の位置に付加することによって製造することができる。この場合、反射コーティングは、反射部分35だけに付加される。
【0149】
補正照明視野ファセットのx寸法に依存する関数反射率パターンは、補正照明視野ファセット19K1、19K1'の場合等には、xの線形関数とすることができ、又は補正照明視野ファセット19K2から19K2'の場合等には、xの2次関数とすることができる。xの他の多項式関数、例えば、xのより高次のべき乗関数を考えることができる。例えば、補正照明視野ファセット19Kのx寸法への反射率依存性のフーリエ解析を行う場合には、xの正弦関数又は余弦関数を考えることができる。一般的な規則として、1組の直交関数に対応するxの関数である1組の反射率依存関係を生成するのに、様々な補正照明視野ファセット、例えば、補正照明視野ファセット19K1から19K6を用いることができる。それによって特に、テレセントリック性及び楕円度という照明パラメータに関して、物体視野5内で照明パラメータの事実上あらゆる望ましい照明補正を行うことが可能になる。
【0150】
図4は、例えば、図2又は図3に記載の補正照明視野ファセットを置換することができる別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kを示している。図4に記載の補正照明視野ファセット19Kは、反射部分35から個別の楔形の灰色フィルタ部分37の形態にある減衰部分を有する。
【0151】
図3に記載の実施形態の補正照明視野ファセット19K1/19K1'とは対照的に、図4に記載の実施形態における減衰部分37の最大幅Kは、図4の左手縁部において補正照明視野ファセット19Kのy方向の幅yFFよりも小さい。従って、補正照明視野ファセット19Kは、図4の左手縁部において0以外の反射率を有する。この反射率は、反射部分35の幅の増大に対応して左から右へと線形に増大する。
【0152】
図5は、図2から図4に記載の補正照明視野ファセットを置換することができる別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kを示している。図5に記載の補正照明視野ファセット19Kも同じくx寸法に沿って可変の反射率を有する灰色フィルタである。図5に記載の実施形態では、灰色フィルタは、補正照明視野ファセット19Kの反射面全体を覆う所定の方式で配分された吸収点構造38によって形成される。点構造38は、50μmと150μmの間の範囲内で典型的な直径を有することができる。
【0153】
図5に記載の補正照明視野ファセット19Kの例では、点構造38の面積密度は、左から右へと見た場合に低下しており、その結果、図5に記載の実施形態における反射率変化は、図4に記載の実施形態のものにほぼ対応する。図5に記載の実施形態では、点構造38は、補正照明視野ファセット19Kの反射面にわたって配分される。代替的に、点構造38は、例えば、図3に記載の補正照明視野ファセット19K1から19K6の配列の減衰部分34に対応して形成された残りの反射部分から個別の減衰部分内で一定の面積密度を有するように配置することができる。
【0154】
補正照明視野ファセットの反射率が最初から低減している例えばいかなる反射コーティングも付加されていない減衰部分34の変形として、特に、例えば、アクチュエータを用いて能動的に変位可能な可変遮光体を用いた減衰部分を補正照明視野ファセット19上に設けるように考えることができる。この種の遮光体は、視野ファセットミラー13のレイアウトに起因して遮光される空間39に配置された支持構造を用いて所定位置に保持することができる。図6は、このようにして遮光された空間39を示しており、空間39は、図6の左に配置された視野ファセット19であり、図6の右に示している隣接する補正照明視野ファセット19Kを関連の視野ファセットミラーの反射平面40に関して超えて突出する視野ファセット19、例えば、基本照明視野ファセット19Gによって形成される。この場合、可変遮光体のための支持構造を配置することができる遮光空間39は、視野ファセット19G、19Kを含む視野ファセットミラー上にxz平面に対して角βで、すなわち、反射平面40に対して傾斜して入射するEUV放射線10によって発生する。この場合、可変遮光体は、x寸法において可変である減衰率を伴って補正照明視野ファセット19Kの反射部分41を遮光することができる。x軸は、図6の作図面に対して垂直に作図面に向いて延びている。y軸は、図6の右に向いて延びている。z軸は、図6において下向きに延びている。
【0155】
図6には遮光体を示していない。遮光体は、例えば、x寸法に沿って延び、反射部分41の内外に可変的に移動可能な絞りとすることができる。
【0156】
以下は、補正される不均一な照明が、物体視野5のx軸にわたって如何にして生じる可能性があるかに関する図7及び図8を用いた説明である。
【0157】
図7は、単一の視野ファセット19しか持たない視野ファセットミラー13の模式図である。放射線源3は、円形照明区域42内で視野ファセットミラー13を照明する。この照明は均一ではない。照明強度は、照明区域42内で図7の左上から右下に均一に低下する。その結果、視野ファセット19は、図7の左から右へと低下する強度を有するEUV放射線10に露光される。
【0158】
図7は、単一の瞳ファセット27しか持たない瞳ファセットミラー14の模式図を示している。視野ファセット19と瞳ファセット27は、照明チャンネルを形成する。
【0159】
物体視野5のx方向にわたる強度分布I(x)を図7の下部にあるグラフに示している。物体視野5が、図7に示している照明チャンネルだけによって照明されると仮定する。この場合、図7の左手縁部は最大強度で露光され、図7の43に示している照明角度分布を受ける。3つの更に別の照明角度分布を44から46に模式的に示しており、これらの照明角度分布は、図7の右、言い換えれば、x方向に更に移動した物体視野点に当たる。4つの照明角度分布43から46は、各場合に同じ照明方向を有する。従って、関連付けられた物体点は、全て同じ照明方向から、すなわち、唯一の瞳ファセット27の方向からの照明に露光される。しかし、左から右に見た時に、物体視野点は、低下する照明強度で露光される。
【0160】
この照明変化は、x方向、すなわち、y方向又は走査方向に対して垂直に発生するので、この照明変化は、レチクルが物体視野5によって走査される時でさえも維持される。従って、この強度変化I(x)は、可能な限り低く保たなければならない。この弱い強度変化I(x)は、次式として定められる均一性U(x)の小さい値に対応する。
【0161】
【数11】
【0162】
x=0は、物体視野5の中心におけるx位置、言い換えれば、視野高さに対応する。
【0163】
図8は、視野ファセットブロック25の視野ファセット191から199を有する(上から下へと番号が振られた)合計で9つの異なる照明チャンネルの重ね合わせと、関連の瞳ファセット271'から279'とを示している。瞳ファセット275'は、瞳ファセットミラー14の中心36に配置される。全ての照明チャンネルは、物体視野5内で重ね合わされ、これを図8の右に積み重ねられた矩形で示している。左から右に発生する全ての視野ファセット191から199の照明の強度変化は、この変化が、各場合に同じ単調なパターンをx方向に辿る場合には、物体視野5内の重ね合わせによっては補償することができず、物体視野5内で加算される。補償は、図2から図6を用いて上述の補正照明視野ファセット、及び以下に説明する補正照明視野ファセットを用いて行うことができる。
【0164】
図9は、ここでもまた、9つの照明チャンネルの図8と類似の図を示しており、ここでは、合計で4つの補正照明視野ファセット、すなわち、視野ファセット19K1、19K2、19K8、19K9、及び5つの基本照明視野ファセット、すなわち、視野ファセット19G3から19G7を関連の補正照明瞳ファセット27K1'、27K2'、27K8'、27K9'及び基本照明瞳ファセット27G3'及び27G7'と共に提供している。
【0165】
補正照明視野ファセット19K1、19K2及び19K8、19K9は、各場合にこれらのファセットが互いに隣接する位置において、遮光体47によって遮光される。遮光体47は、視野ファセットミラー13の反射面によって定められる反射平面からある一定の距離の位置に配置される。遮光体47は、各場合に2つの隣接する補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9の間の間隙48の上方に配置される。遮光体47は、間隙48に沿って延びるワイヤの形態にある基部本体49を有する。基部本体49の幅は、y方向に間隙48の幅よりも小さい。基部本体49に沿って、遮光体47の遮光部分50が基部本体49上に配置され、遮光部分49の幅は、2つの隣接する補正照明視野ファセット19Kの間の間隙48の幅よりもy方向に大きい。遮光部分50は、数珠連結しの真珠のようにワイヤ基部本体49上に並ぶ。遮光部分50は、基部本体49のy方向の厚み変動と理解することができる。遮光部分50のy方向の幅、及びx方向に基部本体49に沿った遮光部分50の発生頻度は、EUV放射線10を反射する補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9の面のx方向に対応する変化をもたらす。例えば、図7に記載の照明強度変化I(x)を補正するために、遮光部分50は、遮光部分50の発生頻度が図9の左から右に低下するように配分することができる。それによってx方向に生成される遮光変化が、補正照明視野ファセット19K上の照明変化を超える限り、補正照明視野ファセット19Kは、物体視野5の左から右に増大する照明強度寄与をもたらし、従って、基本照明視野ファセット19Gの反対方向の強度寄与に対する補償寄与をもたらす。
【0166】
図9の配列では、補正照明瞳ファセット27K1',27K2',27K8',27K9'もまた、瞳ファセットミラー14の中心36の周囲に点対称に配置される。既に上述のように、これは、補正照明視野ファセット19Kが使用状態にある時にテレセントリック性及び任意的に楕円度が維持されることを保証する。
【0167】
ワイヤの代わりに、基部本体49には、フィルムストリップ又はテープを装備することができる。遮光部分50は、例えば、侵食によって基部本体49の縁部から材料を除去することによって形成されるように設計することができる。代替実施形態では、遮光部分50は、特に、テープ形の基部本体49の縁部が望ましい形状へと切削されるように設計される。
【0168】
ある一定の補正照明視野ファセット19Kでは、遮光部分50は、互いから一定の空間頻度又は周期で分離することができる。対応する実施形態を図10に示している。この実施形態では、真珠形又はディスク形の遮光部分50を有するワイヤ形の基部本体49は、補正照明視野ファセット19K1と19K2の間、及び補正照明視野ファセット19K8と19K9の間に配置され、遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9のx寸法に沿って規則的に合計で11回繰り返す。補正照明視野ファセット19K2と19K3、及び補正照明視野ファセット19K7と19K8の間には、ワイヤ形の基部本体49及び遮光部分50を有する遮光体47が配置され、これらの遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K2/19K3及び19K7/19K8のx方向に沿って合計で6回繰り返す。補正照明視野ファセット19K3と19K4、及び補正照明視野ファセット19K6と19K7の間には、ワイヤ形の基部本体49及び遮光部分50を有する遮光体47が配置され、これらの遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K3/19K4及び19K6/19K7のx寸法に沿って合計で2回繰り返す。
【0169】
図10に記載の実施形態では、基本照明視野ファセット19G5は、補正照明視野ファセット19K4と19K6の間に配置される。
【0170】
図10に記載の遮光体47を遮光部分50が異なる周期を有して順番に配置されるようなワイヤ絞りとして配置することにより、1組のそれぞれの基底関数の可変選択による補正照明視野ファセット19K1から19K4及び19K6から19K9の縁部吸収のフーリエ合成が可能である。このフーリエ合成は、空間頻度、すなわち、基部本体49に沿った遮光部分50の間の距離、位相、すなわち、例えば、補正照明視野ファセット19K上に入射する図10の左にある先頭の遮光部分50のそれぞれのxオフセット、及び振幅、すなわち、それぞれの遮光部分50のy寸法によって照明補正を微調整することを可能にする。xオフセット、すなわち、遮光体47の遮光部分50のx位置は、図10に方向矢印52によって示しているように、x方向に遮光体47を変位させることによって定めることができる。
【0171】
図10に記載の実施形態では、類似する遮光体47で遮光される補正照明視野ファセット27K'は、同様に、瞳ファセットミラー14の中心36に関して点対称であり、テレセントリック性及び同じく任意的に楕円度が維持されることを保証する。図9及び図10に記載の実施形態では、類似する遮光部分47で遮光される補正照明視野ファセット19K'は、更に視野ファセットブロック25の中心xz平面に関して鏡面対称である。
【0172】
遮光部分50が円盤形である場合には、図10に方向矢印51で示しているように、遮光体47を基部本体49の縦軸の回りに回転させることによって遮光部分50の有効遮光y寸法を変更することができる。
【0173】
図10に記載の実施形態では、遮光部分50は、遮光体47の正弦厚み変動を得るように設計することができる。同様に、互いに重なって配置された正弦厚み変動を有する遮光部分50を含むこの種のいくつかの基部本体49を設けることができる。これらの基部本体の遮光部分の補正効果は、互いに重なって位置するこれらの2つの基部本体49を互いに対して縦方向に変位させることによって微調整することができる。
【0174】
図11は、視野ファセットブロック25の反射平面の上方の遮光体47のための可能な保持手段を示している。
【0175】
基部本体49の両端は、各場合に1つのロール53、54上に巻き取られ、これらのロール53、54への巻き取り、及びこれらのロールからの繰り出しが可能である。遮光に向けて用いられ、補正照明視野ファセット19Kのx延長に対応するx延長を有する遮光体47の遮光区域55は、2つのロール53、54の間で誘導される。図11の左に示しているロール53には、各場合に、基部本体49を巻き取り、繰り出すための駆動部56が設けられる。ロール53、54及び駆動部56は、残りの照明系2が配置される排除空間57の外側に配置することができる。図11では排除空間57に対する固定平面58を破線で示している。
【0176】
図12は、単一の補正照明視野ファセット19Kの近くの図9及び図10に記載の遮光体47の方式にある遮光体47のための代替実施形態の保持手段を示している。遮光体47の基部本体49は、補正照明視野ファセット19Kの反射面59の上方に2つの誘導ロール60を用いて誘導及び支持される。基部本体49の一端は、誘導ロール60を用いてロール53へと誘導され、それに対して基部本体49の他端は、ロール54へと誘導される。2つのロール53、54は、補正照明視野ファセット19Kの反射面59から離れた側に配置される。
【0177】
図13は、テープ61の形態にある基部本体を有する遮光体47の図9の左にある図と類似の図である。遮光部分50を形成するために、テープ61の幅、言い換えれば、そのy寸法は、必要な強度補正を得るのに必要とされるサイズに切削され、遮光部分50は、例えば、腐食によって形成することができる。図3の遮光体47の図によると、テープ61の幅は、関連の補正照明視野ファセット19Kの間の間隙48の全幅を超える。ある一定の領域内では、テープ61の幅は、間隙48の幅に対応することができ、又は補正照明視野ファセット19Kが、図13に記載の遮光体47によってこれらの領域内で遮光されることを阻止するように、この間隙48よりも小さくすることさえ可能である。図11及び図12に記載の実施形態を参照して上述したように、テープ61は、ワイヤ基部本体49に対応して、ロール53、54上に巻き取ることができる。
【0178】
作動に向けて投影露光装置1を準備する時には、上述の実施形態の遮光体47の遮光部分50の形状を例えば物体視野5の照明の較正測定に基づいて形成デバイスを用いて選択することができる。形成デバイスは、例えば、切削デバイス又は腐食デバイスとすることができる。
【0179】
基部本体49に沿って、補正照明視野ファセット19Kによる物体視野照明の補正に課せられる要件に依存して選択される様々なシーケンスの遮光部分50を有するいくつかの連続する遮光区域55を設けることができる。例えば、等距離で連続して配置された遮光部分50を含む遮光区域55の順番にあって、連続する遮光区域55の各々において、連続する遮光部分55の空間頻度が例えば図10に記載の実施形態の異なる空間頻度に依存して変化するシーケンスを設けることができる。連続する遮光区域は、例えば、基部本体49に付加されたマークによって識別することができる。これらのマークは、信号線63を通じて制御デバイス64と信号接続状態にある読取デバイス62(図11を参照されたい)によって光学的に検出することができる。更に、制御デバイス64は、信号線65を通じてロール53の駆動部56と信号接続状態にある。図11には、そこに例示している巻き取り及び繰り出しデバイスの例で読取デバイス62及びそれに接続した制御システムを示している。
【0180】
補正照明視野ファセット19Kと特定の遮光体47との併用を必要とする物体視野照明の較正測定中に強度変化が測定された場合には、読取デバイス62が、必要とされる遮光部分50を有する遮光区域55に割り当てられたマークを検出するまで、関連のロール53の駆動部62が作動される。望ましい遮光区域55は、各場合に制御デバイス64を用いて制御方式で接近される。
【0181】
以下は、補正照明視野ファセット19を生成するための遮光体47を有する別の実施形態の視野ファセットミラー13の図14から図16を用いた説明である。図1から図13を参照して上述したものに対応する構成要素及び機能は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0182】
図14に記載の視野ファセットミラー13は、複数の視野ファセットブロック25に分割され、更にこれらの視野ファセットブロック25は、図2に記載の実施形態の視野ファセットブロック25と同様に複数の視野ファセット19を含む。これらの視野ファセットブロック25の間には、0.5mm幅の間隙66が設けられる。更に、図14は、視野ファセットミラー13を合計で5つの自由度で調節するための調節要素67aを示している。
【0183】
図14から図16に記載の実施形態では、遮光体47は、2つの隣接する補正照明ファセット19Kの間の間隙66内に挿入される挿入部分67を有する。図14から図16に記載の遮光体47の遮光部分50は、間隙66に沿ってx方向に延びる挿入部分67に堅固に接続される。挿入部分67は、遮光部分50と一体で形成することができる。代替的に、図16に示しているように、遮光部分50は、最初は挿入部分67から分離しており、その後に挿入部分67に結合される構成要素として製作することができる。
【0184】
遮光体47の遮光部分50及び挿入部分67は、モリブデンから作ることができる。
【0185】
x方向に沿って延び、関連の補正照明視野ファセット19Kの反射面59を超えて突出する遮光部分50の境界は、例えば、図13に記載のテープ遮光体47の境界と同様に形成することができる。
【0186】
以下は、図17及び図18を用いた別の実施形態の遮光体47の説明である。図17は、遮光体47が、視野ファセットブロック25において隣接する視野ファセット19の間に挿入された実施形態を示している。図18は、遮光体47が、隣接する視野ファセットブロック25の間に挿入された実施形態を示している。図17及び図18に記載の遮光体47は、挿入部分67の視野ファセット19の反射面59を超えて突出する延長部を形成する遮光部分50を有する。図18に模式的に示しているアクチュエータ68は、図18に方向矢印69で示しているように、遮光体47を反射面59に対して垂直に変位させることを可能にする。図17の模式的で誇張した図で示しているように、補正照明視野ファセット19Kの可変遮光に向けて、遮光部分50の自由縁部70が、x方向に沿って見た時にそのx位置に依存する関数に対応して形成される。
【0187】
以下は、図19を用いた更に別の実施形態の補正照明視野ファセットの説明である。図1から図18を参照して上述したものに対応する構成要素及び機能は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0188】
図19は、単一の基本照明視野ファセット19Gと、基本照明チャンネルを通じてこの基本照明視野ファセット19Gに割り当てられた基本照明瞳ファセット27Gとを有する単一の基本照明チャンネルの図7と類似の図である。図19の上部には、これらの2つの基本照明ファセット19G、27Gを各場合にこれらの基本照明ファセット19G、27Gの反射面59の凹球面形状を指定するxz断面図に示している。図19は、補正照明視野ファセット71を更に示している。この補正照明視野ファセット71は矩形であり、基本照明視野ファセット19Gの部分表面積のサイズを有するミラー部分である。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gと同じ延長をy方向に有する。x寸法では、補正照明視野ファセット71の延長は、基本照明視野ファセット19Gの延長の4分の1である。従って、図19の例では、補正照明視野ファセット71のミラー面は、基本照明視野ファセット19Gの4分の1である。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gの幅と比較すると無視することができる幅をx方向に有するy方向に延びる薄い真空適合バー72によって所定位置に保持される。バー72は、駆動部(図示せず)を用いてバー72を相応に操作することにより、y方向(方向矢印73を参照されたい)とx方向(方向矢印74を参照されたい)とに変位させることができ、その縦軸(方向矢印75を参照されたい)の回りにピボット回転可能である。それによって一方で照明区域42上の補正照明視野ファセット71の位置を変更し、他方でEUV放射線10に対する補正照明視野ファセット71の偏向角を変更することが可能になる。
【0189】
補正照明ファセット71には、補正照明チャンネルを通じて補正照明瞳ファセット76が割り当てられる。この補正照明チャンネルは、図19の右下に示している物体視野5の4分の1を照明するように、補正照明ファセット71、76の傾斜角によって調節される。補正照明瞳ファセット76は、瞳ファセットミラー14上の基本照明瞳ファセット27Gの直近に存在する。
【0190】
補正照明瞳ファセット76は、可変遮光絞り77によって部分的に覆うことができる。遮光絞り77は、駆動部(図示せず)によってx方向(方向矢印79)に変位させることができるx方向に延びるバー78によって所定位置に保持される。遮光絞り77のバー78の進路は、バー78によっていかなる他の瞳ファセットも遮光されないようなものである。
【0191】
遮光絞り77の遮光体は、遮光絞り77が完全に挿入された時に補正照明瞳ファセット76の下側半分を覆う半円形状を有する。図19に示している位置では、遮光絞り77は、補正照明視野ファセット76の右下でほぼ4分の1を遮光する。遮光絞り77は、補正照明チャンネル上の照明強度を微調整することを可能にする。
【0192】
図7に記載のI(x)図に対応する図19の下部にある強度図I(x)は、補正照明ファセット71、76の効果を示している。図19に記載の実施形態では、x方向に見た時に物体視野5の左にある4分の3は、図7に記載の実施形態におけるものと同じ照明を受ける。物体視野5のx方向に見た時に一番右にある4分の1は、基本照明瞳ファセット27Gからの照明と補正照明瞳ファセット76からの照明とから構成された照明角度分布を与える。
【0193】
その結果、図19の右下にある物体視野5の4分の1は、物体視野5の残りの4分の3の照明強度の平均値にほぼ対応する照明強度を受け、各場合に照明は、密接した瞳ファセット27G及び76の方向から到達する。従って、補正照明視野ファセット71及び補正照明瞳ファセット76を含む補正照明チャンネルは、基本照明チャンネルを通じて物体視野5の右下4分の1内に与えられる照明強度の補償を可能にし、いかなる補正も与えられない場合には、この照明強度は低下することになる。
【0194】
一方で基本照明視野ファセット19Gの表面積と他方で補正照明視野ファセット71の表面積との1:100と1:1の間の他の比を考えることができる。それは、照明強度分布I(x)の特に微細な補正を保証する。
【0195】
図20は、この例では10個の基本照明視野ファセット19Gが装備された視野ファセットミラー13内の関連の補正照明瞳ファセット76を有するいくつかの補正照明視野ファセット71の例示的な配列を示している。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gの照明に用いられないEUV放射線10の照明区域42の縁部に配置される。図20に記載の実施形態は、合計で10個の基本照明チャンネル及び6個の補正照明チャンネルを含む。この場合、補正照明瞳ファセット76は、瞳ファセットミラー14の中心36に関して点対称な対で配置される。
【0196】
以下は、一方で瞳ファセットに対して光源像をシフトさせ、他方で物体視野上の照明チャンネルをシフトさせることによる照明補償の図21から図31を用いた説明である。
【0197】
図21は、各場合に放射線源3の光源像81が中心に配置された12個の瞳ファセット27を含む例示的な瞳ファセットミラー14を示している。
【0198】
図22は、レチクル20のうちで等しい輪郭を有する物体視野5の位置に存在し、言い換えれば、現在、放射線に露光されている部分を示している。レチクル20のこの部分は、その上に重ね合わされた2つの視野ファセット像82、83を有する。2つの視野ファセット像82、83は、対応する照明チャンネルに割り当てられる。視野ファセット像82は、扇角Sにわたってレチクル20を照明する。扇角Sにわたる視野ファセット像82の半径方向延長は、図22の視野ファセット像82の上下にレチクル20のこの視野ファセット像82によって覆われないストリップが存在するように、レチクル20の関連の半径方向延長y0よりも小さい。視野ファセット像83は、扇角Sを覆い、レチクル20によって覆われる扇角Sを超えて両方の側に突出する。視野ファセット像83の半径方向延長は、視野ファセット像82のものに対応する。図22は、照明チャンネルに割り当てられた異なる視野ファセット像82、83の配列及び重ね合わせの種類が、レチクル20に対応する物体視野5にわたる照明強度分布及び照明角度分布に対して決定的であることを示している。物体視野5との完全な重ね合わせからの視野ファセット像82、83の所定の偏位は、物体視野5にわたる照明パラメータの望ましくない変動を補償又は補正するのに用いることができる。
【0199】
図23は、光源像81のうちの1つが、関連の瞳ファセット27によって完全には反射されず、その縁部において所定の方式で遮断される場合を示している。それに応じて、この瞳ファセット27に割り当てられた照明方向は、物体視野5の照明に対して低い照明強度しか寄与しない。光源像81は、図23に記載の補正照明瞳ファセット27Kに割り当てられた補正照明視野ファセット19Kをアクチュエータを用いて傾斜させることによって所定の方式で遮断することができる。
【0200】
図24は、関連の視野ファセット像84がレチクル20又は物体視野5それぞれから正のy方向に部分的に移動するような補正照明瞳ファセット27Kの所定の傾斜によって達成される補正を示している。移動した部分は、例えば、レチクル20の近くに配置された視野絞り又はUNICOM絞りを用いて遮断することができる。照明光学系4の視野平面に配置することができる対応する視野絞りは、WO2005/040927A2、US2006/0244941A1、又はWO2007/039257A1に開示されている。
【0201】
図25及び図26は、補正照明瞳ファセット27Kに対する光源像81の変位の2つの例を示している。図25では、全ての光源像81は、補正照明瞳ファセット27Kの最外縁で遮断されるように補正照明瞳ファセット27K上で下向きに逸脱されている。それに応じて、これらの補正照明瞳ファセット27Kの補正照明チャンネルは、残りの瞳ファセット27の照明チャンネルと比較して低い強度に露光される。
【0202】
図26では、光源像81は、瞳ファセットミラー14の縁部に配置された補正照明瞳ファセット27K上で個々に変位している。光源像81のうちの一部は、左手の縁部の方向に変位しており、それに対して他のものは、補正照明瞳ファセット27Kの上側縁部、下側縁部、右手縁部、又は右下手縁部の方向に変位しており、光源像81は、部分的に遮断される。図26の右に示している補正照明瞳ファセット27Kのうちの1つでは、光源像81は、ファセットの中心36に留まる。図26に記載の瞳ファセットミラー14の中心36の近くには4つの基本照明瞳ファセット27Gが配置され、光源像81は、光源像81が完全に反射されるように、各場合に基本照明瞳ファセット27G上で中心に配置される。その結果、物体視野5上では、図26に記載のこの部分的に遮断された像に対応する照明補正が提供される。
【0203】
光源像81は、個々の補正照明視野ファセット19Kを傾斜させる視野ファセット支持体26全体を傾斜させるか、又は放射線源3をシフトさせることによって補正照明瞳ファセット27K上で変位させることができる。
【0204】
図27及び図28は、補正照明設定を変更するのにこれらの図に示している補正照明瞳ファセット27Kを如何に用いることができるかを示している。図27及び図28に記載の実施形態では、放射線に露光される補正照明瞳ファセット27Kよりも1つ多くの補正照明瞳ファセット27Kが設けられる。従って、補正照明瞳ファセット27Kのうちの1つは放射線に露光されない。放射線に露光されない補正照明瞳ファセット27Kを図27の右下に示している。
【0205】
図28に記載の瞳ファセットミラー14の照明は、図27に記載のものと比較して修正されている。図28に記載の照明例では、照明チャンネルを通じて補正照明瞳ファセット27K1に割り当てられた補正照明視野ファセット19K1(図示せず)は、この場合、補正照明視野ファセット19K1が、以前には放射線に露光されていなかった補正照明瞳ファセット27K2を照明するように、図27と比較して変位している。それに応じて、補正照明の重ね合わせ角度の変化も生じる。この重ね合わせ角度変化は、例えば、物体視野5の照明のテレセントリック性を補正するのに用いることができる。
【0206】
図29は、補正照明ファセットを用いる別の手法を示している。前の図とは対照的に、図29は、湾曲物体視野5に対応して形成された湾曲補正照明視野ファセット19Kを示している。
【0207】
図29には、補正照明瞳ファセットのうちの2つ27K1及び27K2への補正照明視野ファセット19K1、19K2の第1の割り当てを実線矢印を用いて例示している。代替的に、割り当ては、図29に破線矢印を用いて例示しているようなものとすることができる。
【0208】
補正照明視野ファセット19K1は、補正照明瞳ファセット27K2に割り当てられ、それに対して補正照明視野ファセット19K2は、補正照明瞳ファセット27K1に割り当てられる。補正照明視野ファセット19K1、19K2が放射線源3によって異なる手法で照明される時には、割り当ての各変化は、補正照明の変化をもたらす。補正照明瞳ファセット27Kへの補正照明視野ファセット19Kの割り当ては、較正測定を用いて決められる物体視野5の照明によっては、補正照明ファセット19K、27Kを対応する手法で傾斜させることによって変更することができる。
【0209】
図30は、図30の左にある視野縁部における視野ファセット像85の部分遮蔽の図24と類似の図を示している。視野ファセット像85が、物体視野5及びレチクル20に対してxy平面内である扇角だけ傾斜される場合には、それによって物体視野5のうちで放射線に露光されない図30に記載の右手縁部にある区域86が生じ、その反対側では、視野ファセット像85のうちで、例えば、視野絞りによって遮蔽され、従って、物体視野5上に入射しない部分が生じる。従って、放射線に露光されない区域86は、照明チャンネルを誘導して視野ファセット像85をもたらす補正照明瞳ファセット27Kの方向からのいかなる光も受けない。従って、図30に記載のこの遮光も、物体視野5にわたる照明角度分布を補正するのに用いることができる。
【0210】
図31は、例えば、図19及び図20に記載の補正照明視野ファセット71によって生成することができる部分視野ファセット像87、88を関連の補正照明瞳ファセット27Kを傾斜させ、必要に応じてこれらの部分視野ファセット像87、88を縁部で遮断する(部分視野ファセット像88を参照されたい)ことによって変位させる可能性を示している。それによって物体視野照明の補正を微調整することが可能になる。
【0211】
以下は、補正照明視野ファセット19Kを遮光することによる別の補正照明変形の図32から図34を用いた説明である。図1から図31を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0212】
図32から図34に記載の実施形態では、遮光体は、絞り構造89によって形成される。この絞り構造89は、複数の個別の絞り90を含む。図32に記載の補正照明視野ファセット19Kの反射面の平面図では、様々な個別の絞り90は、その形状が矩形であり、一方では走査方向に、言い換えれば、y方向に、他方では走査方向に対して垂直に、言い換えれば、x方向に異なる延長を示している。x方向及びy方向における個別の絞り90のこれらの様々な延長は、補正照明視野ファセット19Kの反射面内に突出する絞り構造89の絞り縁部91の個々のプロフィール形状をもたらす。絞り縁部91のこのプロフィール形状に対応して、補正照明視野ファセットにわたって走査方向に対して垂直に、言い換えれば、x方向に照明光の強度分布の補正が生じる。各補正照明視野ファセット19Kでは、例えば、2個、3個、5個、10個、20個、30個、又は更に多くの個別の絞り90を設けることができる。この場合、個別の絞り90は、相応に小さい延長しか持たない。個別の絞り90は、これらの個別の絞りの間にいかなる間隙も事実上持たずにx方向に互いに隣接する。個別の絞り90は、x方向に重複してもよく、又は個別の絞り90の間に小さい間隙がx方向に存在してもよい。
【0213】
個別の絞り90の補正照明視野ファセット19Kの反射面に対して垂直な、言い換えれば、z方向の厚みは0.3mmを上回らず、図示の実施形態では、この厚みは0.2mmである。
【0214】
個別の絞り90は磁性材料で作られるか、又は磁性コーティングを有する。個別の絞り90は、絞り縁部91とは反対端において、磁力によって磁性ストリップ92上の所定位置に保持される。
【0215】
磁性ストリップ92は、x方向に沿って補正照明視野ファセット19Kの縁部に取り付けられる。z方向には、磁性ストリップ92は、補正照明視野ファセット19Kの反射面又は反射平面40それぞれを超えて若干、すなわち、約0.2mm突出する。この突出長さは、補正照明視野ファセット19Kの反射面40からの個別の絞り90の距離に対応する。従って、個別の絞り90は、補正照明視野ファセット19Kの反射面40に接触しない。
【0216】
磁性ストリップ92は、反射面40が設けられた補正照明視野ファセット19Kの面のうちの最大で20%を覆う。図示の実施形態では、磁性ストリップ92は、この面のうちの15%未満を覆う。
【0217】
個別の絞り90は、可動取り付けデバイス93を用いて磁性ストリップ92に取り付けられる。取り付けデバイス93は、コイル94、強磁性芯95、及び交流電源96を含む電磁石94を有する。芯95は、磁性ストリップ92へと転送される個別の絞り90を受け取る。転送される個別の絞り90が、取り付けデバイス93を用いて磁性ストリップ92の所定のx位置に移動されると、転送される絞り90が、取り付けデバイス93によって磁気引力を用いて磁性ストリップ92へと移動されるように、スイッチ97を用いて電磁石が停止される。取り付けデバイス93は、x方向の変位(図33の双方向矢印98を参照されたい)に向けて駆動することができる。取り付けデバイス93の変位移動は、図33には示していない中央制御デバイスによって制御される。
【0218】
それぞれの個別の絞り90は、取り付けデバイス93を逆順序に用いて磁性ストリップから取り外すことができる。
【0219】
以下は、別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kの図35及び図36を用いた説明である。図1から図34、及び特に図32から図34を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0220】
図35及び図36に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19Kの遮光体の個別の絞り90を装着するための磁性ストリップ92は、図35で補正照明視野ファセット19Kの上方に示している補正照明視野ファセット19Kに隣接する視野ファセット19内に横方向に統合される。この実施形態では、磁性ストリップ92は、図36に示しているように隣接する視野ファセット19の基部本体の側壁に配置される。
【0221】
図35及び図36に記載の実施形態では、個別の絞り90は、傾斜した、すなわち、L字形のyz断面を有する。個別の絞り90は、磁性ストリップ92に隣接する保持脚99、及び補正照明視野ファセット19Kの反射面を遮光するための絞り脚100を含む。この場合、絞り脚100は、z方向に0.2mmの厚みを有し、z方向に見た時に補正照明視野ファセット19Kの反射面40の0.2mm上方に配置される。同様に、保持脚99も、y方向に0.2mmの厚みを有する。
【0222】
個別の絞り90は、照明光10を完全に反射及び/又は吸収する要素とすることができる。代替的に、個別の絞り90の少なくともいくつかの部分は、照明光10を部分的に透過させるものとすることができる。この場合、個々の個別の絞り90にわたる透過率パターンは、特に、x方向に考えることができるが、y方向に考えることもできる。
【0223】
以下は、補正照明視野ファセット19Kの例による別の実施形態の補正照明ファセットの図37を用いた説明である。補正照明瞳ファセット27aは、対応する設計のものとすることができる。図1から図36、特に、図32から図36を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0224】
磁気面部分101は、図37に記載の補正照明視野ファセット19Kの反射面に配置される。これらの面部分101は、図32から図36に記載の実施形態の磁性ストリップ92と同じ材料で作られた磁石面である。磁気面部分101は、x方向及びy方向に補正照明視野ファセット19Kのx延長及びy延長よりも大幅に小さい延長を有する。
【0225】
図37に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19Kの反射面内に合計で12個のこの種の面部分が設けられる。
【0226】
磁気面部分101の面延長は非常に小さいので、磁気面部分10の全てを組み合わせても補正照明視野ファセット19Kの合計面の20%未満しか占有せず、それによって補正照明視野ファセット19Kの反射面40は僅かな程度にしか低減しない。
【0227】
物体視野5上に定義される強度分布又は照明角度分布によっては、磁気面部分101の一部又は全てに図32から図36に記載の実施形態の個別の絞り90のものに対応する機能を有する個別の絞り102が設けられる。個別の絞り102は、図37の例に示しているようにxy平面上への投影状態で見た時に非常に異なる境界形状を有することができる。
【0228】
代替的に又はそれに追加して、補正照明視野ファセット19Kには、磁気面部分101に対応する磁気面部分103を設けることができ、磁気面部分103は、図37に面部分103のうちの1つの実施例によって示しているように、補正照明視野ファセット19Kの照明光によって使用可能な反射面40の外側に配置される。この場合、この面部分103は、補正照明視野ファセット19Kの有利反射面内に少なくとも部分的に突出する個別の絞り102のうちの1つを保持することができる。
【0229】
図38は、図37に記載の実施形態における磁気面部分101の方式で磁気面部分104を有する実施形態の瞳ファセットミラー14を示している。図38に記載の実施形態では、磁気面部分104は、瞳ファセットミラー14の瞳ファセット27の間に配置される。図38に磁気面部分104のうちの2つの例によって示しているように、磁気面部分104には、物体視野5の照明角度分布を定めるための個別の絞り105を設けることができ、従って、個別の絞り105は、補正照明瞳ファセット27Kを少なくとも部分的に遮光する。個別の絞り105は、個別の絞り105をそれぞれの磁気面部分104に隣接させるのに用いる保持部分106、及び補正照明瞳ファセット27Kを少なくとも部分的に覆う遮光部分107を有する。遮光部分107は、瞳ファセット27の円形形状に適合する形状を有し、この形状は、遮光部分107が補正照明瞳ファセット27Kを完全に覆うことができるようなサイズのものである。
【0230】
図32から図38に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19K又は補正照明瞳ファセット27Kを遮光して物体視野5にわたる強度分布又は照明角度分布を調整する遮光体の遮光効果の迅速な調整が可能である。この目的のために、最初にシステムの性能、言い換えれば、物体視野5にわたる強度分布及び照明角度分布が、例えば、較正測定を用いて測定される。この測定は、像平面9又はウェーハ平面それぞれの領域内で行うことができる。測定の後に、それぞれの光学補正要素、すなわち、例えば、補正照明視野ファセット19K又は補正照明瞳ファセット27K上で必要とされる遮光が計算される。その後、個々の個別の絞り90、102、105、又は図32から図38に記載の実施形態において絞り構造89を形成するための複数のそのような個別の絞りから成る遮光体が、取り付けデバイス93を用いてそれぞれの補正照明視野ファセット19K及び/又はそれぞれの補正照明瞳ファセット27Kに取り付けられる。
【0231】
以下は、基本照明視野ファセット及び補正照明視野ファセットを含む視野ファセットブロックを有する更に別の実施形態の視野ファセットミラーの図39から図46を用いた説明である。図1から図38を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0232】
図39は、視野ファセットミラー13の2つの視野ファセットブロック25を示しており、40個を超えるそのような視野ファセットブロック25を含む視野ファセットミラー13の配列を図41に示している。図41に記載の視野ファセットミラー13は、凹状のボウルに似た全反射面形状を有する。視野ファセットブロック25の各々は、支持体要素108によって支持され、支持体要素108は、図41に記載の視野ファセットミラー13の視野ファセット支持体(図示せず)に示していない方式で堅固に接続される。
【0233】
図39から図41に記載の実施形態では、視野ファセットブロック25の各々は、複数の基本照明視野ファセット19Gを有し、各場合に1つの補正照明視野ファセット19Kを含む。図39の右に示している視野ファセットブロック25の補正照明視野ファセット19Kは、この視野ファセットブロック25の最も左に配置された視野ファセット19である。この補正照明視野ファセット19Kは、照明光10、言い換えればEUV放射線に完全には露光されず、その大部分は、図39の左に示している隣接する視野ファセットブロック25によって遮光される。図39には、これを図39の左に示している視野ファセットブロック25の傍らをかろうじて通過する照明光束10の光線によって模式的に示している。
【0234】
図39の左に示している視野ファセットブロック25の遮光効果を図40に例示している。図40では、照明光3のうちで図40に示している視野ファセットブロック25に隣接する視野ファセットブロック25の傍を通過する部分を照明区域109によって例示している。補正照明視野ファセット19Kの走査方向に対応するy延長、言い換えれば、短手視野寸法では、補正照明視野ファセット19Kの全y延長y0のうちの僅かな部分yiしか照明光3によって照明されない。比yi/y0は、例えば、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6とすることができる。
【0235】
図40に記載の補正照明視野ファセット19Kは、互い独立に配向可能な複数の部分補正照明ファセット110に分割される。この部分補正照明ファセット110は、延長x0=y0を有する正方形の形状にある反射面を有する。部分補正照明ファセット110は、互いに独立に切換可能又は作動可能なマイクロミラーである。
【0236】
部分補正照明ファセット110は、照明区域109内に完全に配置されないことに起因して、支持体要素108、及び従って視野ファセットミラー13の支持体の部分的に遮光される区域上に配置される。
【0237】
図40に記載の補正照明視野ファセット19kの部分補正照明ファセット110の隣接するものの間は、長手視野寸法xに沿って互いからの距離xaを有する。比xa/x0は、ここでもまた、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6である。個別部分補正照明ファセット110の切り換え位置に依存して、この距離xaに起因して補正照明視野ファセット19K全体は、長手視野寸法xに沿って、すなわち、長手視野ファセット寸法xにも沿ってステップ関数の形態にあるパターンを有し、このパターンは、所定の方式で一定の反射率から逸脱する。長手視野ファセット寸法xに沿って、反射率は、部分補正ファセット110の延長x0にわたって値R0を有し、それに対して間隙xaに沿っては、反射率は、値R=0を有する。
【0238】
図40に記載の部分補正照明ファセット110は、物体視野5内の照明不均一性の柔軟な補正、又は投影光学系7における強度効果又は照明角度効果の所定の過補償を提供するように、物体視野5の所定の部分へと結像される前に、関連の補正照明瞳ファセットの傾斜により、互いに独立に特定の照明チャンネルに配向され、かつ割り当てることができる。部分補正照明ファセット110が作動される場合には、関連の部分照明チャンネルを停止することができ、言い換えれば、部分補正照明ファセット110は、この部分ファセット110上に入射する照明光が以降物体視野5に到達することができない位置に移動される。
【0239】
部分補正照明ファセット110は、物体視野5にわたる照明強度及び/又は物体視野5にわたる照明角度分布に影響を与える補正効果を有することができる。
【0240】
補正照明視野ファセット19K全体内の図40に記載の部分補正照明ファセット110の配列は、1組のステップ関数に基づくこの補正照明視野ファセット19Kの配列を与える。この場合、様々な視野ファセットブロック25を用いることにより、1組のステップ関数に対応する強度変化を視野高さxにわたって有する1組の補正照明視野ファセット19Kを設けることができる。代替的に又はそれに追加して、部分補正照明関数110の組を用いて、単一の補正照明視野ファセット19K内に1組のステップ関数に基づく類似の付設を行うことができる。この場合、補正照明ファセット19Kは、図41に記載の視野ファセットミラー13の様々な視野ファセットブロック25の間で類似の又は異なる部分補正照明ファセット110に分割することができ、異なる部分補正照明ファセット110の場合には、異なる補正照明視野ファセット19Kが、長手視野寸法xに沿って部分補正照明ファセット110へと異なる方式で分割される。
【0241】
図42は、別の実施形態の視野ファセットミラー13の一部である合計で8つの視野ファセットブロック25の配列を示している。
【0242】
図42に記載の配列では、視野ファセットブロック25は、xy平面に対して平行な支持体平面を有する図42には示していない平面視野ファセット支持体上に互い隣接して配置される。図42に記載の視野ファセットブロック25の各々は、合計で5つの基本照明視野ファセット19G、及び1つの補正照明視野ファセット19Kを含み、補正照明視野ファセット19Kは、長手視野寸法xに沿って互いに独立に配向可能であり、かつ互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成される複数の部分補正照明ファセット111に分割される。補正照明視野ファセット19Kの各々は、各場合に同じx延長x0を有する合計で9つの部分補正照明ファセット111を含む。部分補正照明ファセット111のy延長y0は、基本照明視野ファセット19Gのy延長yFFよりも有意に小さい。ここでもまた、比y0/yFFは、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6である。
【0243】
隣接する部分補正照明ファセット111の間では、ここでもまた、延長x0よりも非常に小さい間隙xaが存在する。比xa/x0は、例えば、1:10又は1:20とすることができる。
【0244】
部分補正照明ファセット110とは対照的に、部分補正照明ファセット111は完全に照明される。部分補正照明ファセット111は、基本照明視野ファセットと比較して小さいそのy延長に起因して、部分補正照明ファセット110に対応する補正効果を有する。
【0245】
図42と比較して、図43は、別の実施形態の視野ファセットブロック25の拡大図である。図43に記載の視野ファセットブロック25の補正照明視野ファセット19Kは、部分補正照明ファセット114a及び114bの2つの列112、113に分割される列112、113は、長手視野寸法又は視野ファセット寸法xに沿って延びている。異なる列112、113内の部分補正照明ファセット114a、114bは、異なる延長ya及びybを有し、延長ya/ybの比は、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6であるようなものである。部分補正照明ファセット114a及び114bは、ここでもまた、互いに独立に作動可能な、従って、配向可能なマイクロミラーとして構成される。
【0246】
部分補正照明ファセット110、111に関して上述したように、部分補正照明ファセット114a、114bもまた、物体視野5にわたる強度分布又は照明角度分布を補正又は補償するために照明チャンネルを柔軟に割り当てるか、又は関連の部分照明チャンネルを起動又は停止するのに用いることができる。部分補正照明ファセット114a、114bの異なるy延長ya、ybは、そのような補正の相対的な影響を事前に定めることを可能にする。例えば、物体視野の図43に記載の視野ファセットの右手縁部に割り当てられた縁部において、左手縁部におけるものよりも強い強度低下を必要とする場合には、図43の最も右の部分補正照明ファセット114b及び図43の最も左の部分補正照明ファセット114aが停止される。この例では、部分補正照明ファセット114aと部分補正照明ファセット114bの両方を停止することにより、物体視野5の視野ファセットの右手縁部に割り当てられた縁部において更に高い遮光効果を得ることができる。
【0247】
図44は、合計で3つの基本照明視野ファセット19Gと1つの補正照明視野ファセット19Kとを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。図44に記載の実施形態でもまた、基本照明視野ファセット19Gは、長手視野寸法xに沿って複数の部分基本照明ファセット115に分割される。基本照明視野ファセット19Gの設計は、図40に記載の補正照明視野ファセット19Kの設計に対応する。ここでもまた、部分基本照明ファセット115は、互いに独立に作動可能な、従って、配向可能なマイクロミラーである。従って、基本照明視野ファセット19Gはまた、物体視野5の照明の大まかな補正に向けて用いることができる。この場合、微細な補正は、図44に記載の実施形態では、互いに独立に配向可能な長手視野寸法xに沿って並んだ複数の部分補正照明ファセット116から成る補正照明視野ファセット19Kを用いて行われる。部分補正照明ファセット116の反射面は、部分基本照明ファセット115のものよりも大幅に小さい。これらの反射面の比は、例えば、1:10又は1:20である。更に、小さい比を考えることもできる。隣接する部分補正視野ファセット116のx距離は、これらの部分補正照明ファセット116のx延長にほぼ対応する。隣接する部分補正照明ファセット116の間の他のx距離、特に、より小さいx距離を考えることができる。部分補正照明ファセット116は、間隙xaが部分基本照明ファセット115の間に位置するx位置に配置されるように長手視野寸法xに沿って配列することができる。図44の部分補正照明ファセット116aは、そのような配列の例である。
【0248】
図45は、図43に記載の実施形態のものに対応する基本照明視野ファセット19Gと、部分補正照明ファセット116を含み、かつ図44に記載のものに対応する1つの補正照明視野ファセット19Kとを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。
【0249】
図46は、図44に記載のものに対応する、言い換えれば部分基本照明ファセット115に分割された基本照明視野ファセット19Gを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。補正照明視野ファセット19Kは、長手視野寸法xに沿って図44に記載の実施形態の部分補正視野ファセット116とは異なる延長を有する部分補正照明ファセット117に分割される。図46に記載の実施形態では、部分補正照明ファセット117は、各場合に、走査方向yに見た時に隣接する部分基本照明ファセット115の間の間隙xaを覆うように配置される。従って、図46に記載の実施形態では、部分補正照明ファセット117は、長手視野寸法xに沿って部分基本照明ファセット115に対して千鳥に配置され、部分補正照明ファセット117は、隣接する部分基本照明ファセット115の間の間隙xaの位置に配置される。縁部にある2つの部分補正照明ファセット117aを除き、図46に記載の補正照明視野ファセット119Kの残りの部分補正照明ファセット117は、部分基本照明ファセット115のx延長に対応するx延長を有し、その結果、隣接する部分補正照明ファセット117のx方向の距離も、距離xaと同様である。
【0250】
従って、部分補正ファセット117は、部分基本照明ファセット115を用いて、物体視野5の照明によって引き起こされる間隙効果を補償するのに用いることができる。
【0251】
図43から図46に記載の視野ファセットブロック25は、図42に記載の視野ファセットブロック25の配列に対して用いることができ、又は代替的に図41に記載の視野ファセットブロック25の配列に対して用いることができる。
【0252】
図示していない補正照明視野ファセット19Kの実施形態では、2つよりも多くの部分補正照明ファセット列が存在する。図43に記載の実施形態における2つの列112、113の代わりに、例えば、1:2:4又は1:2:4:8のy延長比を有することができる3つ又は更に多くの部分補正照明ファセット列が存在することができる。対応する補正1組のステップ関数に対応する他の延長比を考えることができる。
【0253】
基本照明視野ファセット19G及び補正照明視野ファセット19K、並びに上述の部分ファセットから成るファセット配列は、必ずしも形状が矩形である必要はなく、弓形形状を有することができる。弓形視野ファセットは、当業者には基本的に公知である。この場合、弓形視野ファセットは、対応する弓形形状を有する物体視野へと結像することができる。
【0254】
上述の実施形態では、物体視野照明は、矩形補正照明視野ファセット19K又は71それぞれを用いて補正される。本発明は、この種の矩形補正照明視野ファセット19K又は71に制限されない。特に、弓形物体視野の照明の補正を提供するために、上述の実施形態において湾曲補正照明視野ファセットを用いることができる。湾曲補正照明視野ファセットが用いられる場合には、基本照明視野ファセットも湾曲したものとすることができる。湾曲視野ファセットの形状は、弓形物体視野のものに対応することができる。
【0255】
照明光学系4を用いた照明補正は、以下の通りに行われる。第1の段階では、対応する検出器を用いて物体視野5内の照明強度分布が決められる。物体視野内の照明角度分布を付加的に測定することができる。次に、この測定結果に基づいて補正照明視野ファセット19K又は71の設計が計算され、同様に、この測定に基づいて、補正照明瞳ファセット27K又は76が、これらの補正照明視野ファセット19K又は71に割り当てられる。その後、計算された設計及び割り当てが照明光学系4内に与えられ、この段階は、例えば、用いられる補正照明視野ファセット19Kの絞り29から33による所定の選択によって行うことができる。次に、レチクル20及び照明感光コーティングが付加されたウェーハが準備される投影露光が続き、この投影露光中に、レチクル20の少なくとも一部分が投影露光装置1を用いてウェーハ上に投影される。照明光束10へのウェーハ上の感光層の露光の後に、この層は現像され、微細構造構成要素又はナノ構造構成要素、例えば、半導体チップが得られる。
【0256】
上述の補正照明視野ファセットの様々な変形は、その光束誘導効果を動的に制御するように機能することができる。この目的のために、補正照明視野ファセットは、投影露光装置の制御デバイスによって作動させることができる。この作動は、物体視野又は代替的に像視野内の長手視野寸法に沿った強度分布の測定に基づいて行うことができる。
【0257】
補正照明視野ファセットを含む視野ファセットミラー13が作動される時には、個々の補正照明視野ファセット又は補正照明視野ファセットの群を起動又は停止することができ、特に、これらが能動的に変位可能又は遮光可能である場合にそうすることができる。
【0258】
補正照明視野ファセットの上述の実施形態のうちの一部では、物体視野のうちの部分区域のみを照明することができる。部分区域のみの照明は、特定の視野高さにおける、すなわち、視野の部分区域内の強度降下を補正照明視野ファセットを用いてこれらの視野点に付加的な照明光を供給することによって補償するのに用いることができる。
【0259】
以上の補正照明視野ファセットの様々な実施形態の有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有することができる。この境界は、補正照明視野ファセットの高反射区域とその低反射区域又は無反射区域との間の分離線とすることができる。少なくとも1つの屈曲点を有する境界は、物理的に存在するファセット境界とすることができる。この境界は、相応に形成された遮光体によって生成することができる。
【符号の説明】
【0260】
13 視野ファセットミラー
19 視野ファセット
19G 基本照明視野ファセット
19K 補正照明視野ファセット
27 瞳ファセット
27G 基本照明瞳ファセット
27K 補正照明瞳ファセット
x 長手視野寸法
y 短手視野寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野ファセットミラーを含むEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系と、瞳ファセットミラーを含むその後の光学系とに関する。更に、本発明は、この種の照明光学系を含む照明系、及びこの種の照明系を含む投影露光装置に関する。最後に、本発明は、微細構造又はナノ構造構成要素を製造する方法、及びこの方法を用いて製造される構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の投影露光装置は、US6,658,084B2に開示されている。他の投影露光装置は、US6,859,328B2、US2007/0041004A1、US2006/0170895A1、及びEP1,349,009A2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US6,658,084B2
【特許文献2】US6,859,328B2
【特許文献3】US2007/0041004A1
【特許文献4】US2006/0170895A1
【特許文献5】EP1,349,009A2
【特許文献6】EP1,225,481A
【特許文献7】WO2005/040927A2
【特許文献8】US2006/0244941A1
【特許文献9】WO2007/039257A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、例えば、照明強度分布又は照明角度分布の照明パラメータの望ましくない変動を物体視野にわたって補正することができるような方法で冒頭に示した種類の照明光学系を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、冒頭で示した目的は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを含む視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流に配置されたその後の光学系とを用いて、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、視野ファセットのそれぞれの1つに入射する照明光束の部分が、この関連の瞳ファセットによって物体視野上に誘導されるように、瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを用いて物体視野の照明の補正を可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、視野ファセットミラーは、物体視野の照明に寄与する補正照明視野ファセットの個数及び/又は配列に関して異なる少なくとも2つの作動モードの間で切換可能であり、補正照明視野ファセットは、所定の照明光反射率を有し、それによって一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定のパターンを物体視野の長手視野寸法に沿って有する照明強度を有する照明が、長手視野寸法に沿って生じる。
【0006】
本発明によると、これまで全く用いられなかったか、又は有効な方式に用いられなかったEUV光を実際の投影露光に用いられる事実上いかなるEUV照明光も損失させることなく物体視野照明を補正するために用いることができることが見出された。特に、それによって照明強度分布又は照明均一性を物体視野にわたって形成することが可能になる。
【0007】
補正照明ファセットは、EUV光のうちで、例えば、所定の公差限界を超える低強度又は強度変化の理由からこれまで用いられなかった部分に対して露光することができる。これらの補正照明視野ファセットのEUV照明光露光強度、及び従って補正効果強度は、補正照明視野ファセットを配置するための位置を選択することによって定めることができる。照明角度分布の補正の影響は、補正照明視野ファセットに割り当てられる補正照明瞳ファセットの配列によって定めることができる。物体視野内の照明補正は、物体視野にわたる照明光の強度分布の補正に限定することができる。更に、物体視野にわたる照明角度分布を補正することができる。物体視野にわたる強度分布補正と角度分布補正の組合せを考えることができる。長手視野寸法と短手視野寸法の間のアスペクト比は、例えば、2:1、3:1、4:1、又は更に大きく、例えば、7:1、8:1、10:1、13:1、又は更に大きいとすることができる。補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットとは異なる設計を有することができ、例えば、そのサイズ又は反射率、特に、反射率分布に関して基本照明視野ファセットとは異なるとすることができる。補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、アクチュエータによる補正照明視野ファセットの作動によって動的に制御することができ、それによって補正照明視野ファセットからの照明に露光される物体視野内の領域を変更することで、物体視野にわたる照明光の強度分布の動的補正を保証する。補正照明視野ファセットの光束誘導効果を照明光学系の制御デバイスを用いて動的に制御することができることにより、補正照明視野ファセットの補正効果の高い柔軟性が得られる。光束誘導効果は、補正照明視野ファセットの変位、又は例えば補正照明視野ファセットの動的可変遮光のいずれかによって動的に制御することができる。補正照明は、例えば、少なくとも1つの絞り又は絞り構造を用いた部分遮光による補正照明ファセットの遮光によって得ることができる。
【0008】
現在の作動モードは、例えば、能動的補正照明視野ファセットを起動及び停止することによって変更することができる。従って、最初の作動モードでは、全ての補正照明視野ファセットを光束誘導に向けて能動状態にすることができ、それに対して別の作動モードでは、選択された補正照明視野ファセットのみを能動状態にすることができ、更に別の作動モードでは、補正照明視野ファセットのうちのいずれも能動状態にないとすることができる。これはまた、補正照明視野ファセットの補正効果の高い柔軟性を保証する。一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定の分布を有する照明強度を有する照明を物体視野の長手視野寸法に沿って生じる照明光に対する補正照明視野ファセットの反射率を様々な手法で得ることができる。補正照明視野ファセットが、一般的に長手視野寸法と類似の長手視野ファセット寸法にわたって一定の反射率を有する場合には、視野寸法にわたって変化する強度露光は、長手視野ファセット寸法に沿って補正照明視野ファセットの一部分の所定の切り換えを行うことにより、すなわち、例えば、部分補正照明ファセットをその光が物体視野に全く又はある程度までしか到達しないように遮光することによって達成することができる。代替的に、補正照明視野ファセットは、一定の反射率から所定の方式で逸脱する反射率パターンを有することができる。長手視野寸法の方向と一般的に類似の長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱するそのような反射率パターンは、例えば、視野高さに線形に依存し、言い換えれば、照明光学系が装備された投影露光装置の走査方向に対して垂直な視野寸法に線形に依存するようなものとすることができる。例えば、2次又は高次の関数、正弦又は余弦関数、又はステップ関数の形式の他の視野高さ依存性を考えることができる。一般的な規則として、視野高さにわたって1組の直交関数に対応する強度変化を有する補正照明視野ファセットの組を定義することができる。それによって事実上あらゆる望ましい反射率パターンを補正値として定めることが可能になる。視野にわたって所定の強度変化のフーリエ合成を行うために、多項式解析のような所定の関数分布を有する1組の補正照明視野ファセットを用いることができる。反射率パターンのステップ関数は、例えば、補正照明視野ファセットを長手視野ファセット寸法に沿って様々な反射率を有する複数の領域に分割することによって得ることができる。視野ファセットを物体視野へと結像するために、その後の光学系を用いることができる。
【0009】
瞳ファセットミラーの前に配列可能な複数の絞りを設けることができ、これらの絞りの各々は、割り当てられた補正照明視野ファセットの異なる配列の照明光部分を遮光する。これらの絞りは、特に、絞りの各々が、照明光束のうちで基本照明視野ファセットに割り当てられた全ての部分に対して、更に、照明光束のうちで各場合に補正照明視野ファセットから成る別の群に割り当てられた部分に対して半透明であるように設計することができる。
【0010】
この種の絞りは、特に、絞り交換ホルダ内に設けることができる。これらの絞りのうちの1つは、照明光束のうちで基本照明視野ファセットに割り当てられた部分のみが通過することを許されるように、照明光束のうちで全ての補正照明視野ファセットに割り当てられた部分を遮蔽することができる。複数の絞りは、様々な照明状況を考慮することができる。例えば、様々な照明設定(従来型、環状、二重極、四重極、多極)は、それぞれ関連の絞りを用いて達成される異なる補正を必要とする場合がある。
【0011】
照明光学系は、補正照明視野ファセットのうちの少なくとも1つが、物体視野全体を照明するのではなく、その部分区域のみを照明するように構成することができる。物体視野の特定の視野点でこの種の強度補正を必要とする場合には、上述のことにより、これらの視野点における強度を所定の方式で高めることが可能になる。更に、上述の補正照明視野ファセットによって物体視野内に生成された照明を微調節することにより、物体視野の部分区域しか照明しないそのような補正照明視野ファセットの補正効果の微調節が可能である。
【0012】
補正照明視野ファセットの各部分に高反射コーティングを設けない場合がある。補正照明視野ファセットがそのような手法で設計される場合には、反射率は、いかなる高反射コーティングも付加されない部分内で必要に応じて低下する。この種の補正照明視野ファセットは、例えば、反射コーティングが付加される時に望ましい部分を隠蔽することによって製造される。
【0013】
可変反射率を有するEUV灰色フィルタは、視野高さにわたって変化する反射率を有する補正照明視野ファセットの代替の実施形態である。EUV灰色フィルタの代わりに、それぞれの補正照明視野ファセットの前に配置された絞り又は絞り構造を設けることができる。この絞り構造は、互いに隣接して配置され、特に、指形状のものとすることができる複数の個々の絞りで構成することができる。補正照明視野ファセットが、1とは大きく異なるアスペクト比を有する反射面を有する場合には、絞り又は絞り構造を補正照明視野ファセットのファセット基部本体の縦辺に例えば磁気締結手段を用いて固定することができる。この目的のために、特に、磁性ストリップの形状にある永久磁石をファセット基部本体上に、特に、反射面の縦辺を終端させる基部本体側壁上に配置することができる。この種の絞り又は絞り構造は、補正照明視野ファセットのうちの1つに隣接するファセットのファセット基部本体に固定することができる。補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセットの絞り構造を形成するように組み合わせることができる個々のファセットのための保持構造をファセットの反射面に配置することができる。この種の保持構造は、反射面と比較して小さく、特に、永久磁石とすることができる磁性ストリップ又は磁気面又は磁気部分面として構成することができる。磁力に対して代替的又は追加的に、ファンデルワールス力又は接着力は、個々の絞り又は絞り構造全体を固定又は保持するように機能することができる。
【0014】
個別の絞り又は絞り構造は、較正測定又は計算を用いて所定の個々の絞り又は絞り構造の設計に対応する取り付けデバイスを用いて取り付けることができる。個々の絞り又は絞り構造が、磁力によって補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセット上の所定位置に保持される場合には、取り付けデバイスは、絞り又は絞り構造が取り付け位置に移動される時に電磁力によってこれらの絞り又は絞り構造を保持するデバイスとして構成することができる。この種の取り付けデバイスは、取り付け位置から絞り又は絞り構造を取り外す上にも用いることができる。絞り又は絞り構造は、絞り又は絞り構造を吸引によって取り外す剥離デバイスを用いて、巻き取りによって、又は静電力を用いて、例えば、絞り又は絞り構造の材料を荷電し、反対に荷電された剥離デバイスを用いて剥離することによって取り外すか又は剥離することができる。
【0015】
吸収点構造を有する灰色フィルタは、反射面にわたって所定の方式で配分された吸収点構造が補正照明視野ファセットの反射面を覆うことによって形成することができる。この種の点構造は、EUV波長において利用可能な灰色フィルタの変形である。
【0016】
個別の灰色フィルタ部分は、補正照明視野ファセット上に配置することができる。灰色フィルタ部分は、照明光を反射する部分から分離することができる。この種の設計では、「フィルタ」と「反射体」という機能区分は、補正照明視野ファセット上で互いから分離され、それによってこれらの区分の個別処理が容易になる。
【0017】
この種の灰色フィルタ部分内では、吸収点構造を一定の面積密度で配分することができる。その結果、長手視野ファセット寸法に対して垂直な灰色フィルタ部分の幅の変化によって可変反射率が生じる。この種の灰色フィルタ部分は、比較的少ない労力で製造することができる。
【0018】
灰色フィルタ部分の最大幅は、長手視野ファセット寸法に対して垂直な補正照明視野ファセットの幅よりも小さいとすることができる。この種の灰色フィルタは、長手視野ファセット寸法に対して垂直な補正照明視野ファセットの幅にわたる灰色フィルタ部分のフィルタリング効果の最大変化幅が与えられないので、強度変化の微調節を可能にする。
【0019】
灰色フィルタ部分内では、点構造は、変化する面積密度で配分することができる。この種の設計では、フィルタ部分と反射部分への分離は必須ではない。それによってフィルタ部分と反射部分の間の境界効果が回避される。
【0020】
照明光学系は、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセットを有することができる。補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法にわたって同じ反射率パターンを有する典型的な補正照明視野ファセットから成る少なくとも1つの群を含むことができる。そのような群は、類似の強度の影響が、物体視野の異なる照明角度に対して作用されることを保証する。
【0021】
類似する補正照明視野ファセット、言い換えれば、典型的な補正照明視野ファセットは、瞳ファセットミラーによって定められる瞳中心に関して点対称である補正照明瞳ファセットに割り当てることができる。例えば、この種の対称配列は、二重照明設定、すなわち、二重極照明設定のものを補正するために、2つの典型的な補正照明視野ファセットから成る群を形成することを可能にする。各場合に、同じ反射率区域を有する4つの典型的な補正照明視野ファセットから成る群が設けられる場合には、この付設は、物体視野照明のテレセントリック性及び/又は楕円度に影響を及ぼすことなく、物体視野照明の照明パラメータの補正のためなどに機能することができる。代替的に、物体視野照明の強度分布だけではなく、照明角度分布をも所定の方式で影響を受けることを可能にする補正照明瞳ファセットの配列又は補正照明視野ファセットの形状の所定の逸脱を考えることができる。
【0022】
補正照明視野ファセットの有効照明区域は、基本照明視野ファセットの境界形状とは異なる境界形状を有することができる。補正照明視野ファセットの有効照明区域は、補正照明視野ファセットの照明チャンネルに実際に寄与する照明を有する区域である。これを念頭に置いて、補正照明視野ファセット上の遮光区域は、このファセットの有効照明区域に寄与しないことに注意すべきである。代替的に、補正照明視野ファセットの一部分を選択的に遮光することによって境界形状に影響を与える代わりに、基本照明視野ファセットのものとは異なる補正照明視野ファセットの外側形状により、基本照明視野ファセットの境界形状とは異なる境界形状を得ることができる。基本照明視野ファセットは、例えば、矩形境界形状又は湾曲境界形状を有することができる。
【0023】
補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有することができる。それによって更に複雑な強度分布を長手視野ファセット寸法、及び従って長手物体視野寸法にわたって得ることが可能になる。
【0024】
補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの部分表面積である表面積を有することができる。そのような部分視野照明の場合には、この部分視野照明を保証する補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの照明表面積の1%と、大部分、例えば、90%との間にある有効照明表面積を有することができる。補正照明視野ファセットの有効照明表面積は、基本照明視野ファセットのうちの1つが有する照明表面積の5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、及び80%とすることができる。
【0025】
補正照明視野ファセットは、能動的に変位可能な、特に、能動的に傾斜可能及び/又はシフト可能な少なくとも1つのミラーとすることができる。この種のミラーは、物体視野内での補正に向けて物体視野の一部分を選択することを可能にする。
【0026】
補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状及び/又は補正照明瞳ファセットの有効照明区域の境界形状は、遮光体を用いて影響を受けることが可能である。この種の遮光体は、補正照明視野ファセットの補正効果が所定の方式で影響を受けることを可能にする。
【0027】
遮光体を支持する支持構造を視野ファセットミラーの遮光空間に配置することができる。この種の支持構造は、望ましくない遮光を招かない。
【0028】
ファセットミラーの反射面によって定められる反射平面から分離された遮光体は、それぞれの補正照明視野ファセットの補正効果が所定の方式で影響を受けるように、ファセットミラーに対して変位させることができる。この種の遮光体は、他の点では基本照明視野ファセットと異ならないファセットと併用することができる。
【0029】
2つのファセットの間に配置される遮光体は、2つの補正照明ファセットに同時に影響を与えることができる。
【0030】
遮光体は、基部本体を有することができ、これは、2つの隣接するファセット間の間隙に沿って延び、その幅は、2つの隣接するファセット間の間隙の幅よりも大きくなく、その上に2つの隣接するファセット間の間隙の幅よりも大きい幅を有する遮光部分が配置される。
【0031】
この種の遮光体は、長手視野寸法にわたって所定の遮光効果を保証する。
【0032】
ワイヤは、簡易な基部本体である。
【0033】
フィルムストリップ又はテープの形態にある基部本体は、比較的簡易な方式で取り扱うことができる。
【0034】
遮光部分は、ブランク基部本体の縁部から材料を除去又は切削することによって形成されるように設計することができ、基部本体も同じ手法で製造される。遮光部分は、少なくとも、照明光束のビーム方向に対して垂直な寸法における基部本体の厚み変動によって形成することができる。この種の形状又は形成法は、物体視野の視野高さにわたって選択的遮光を得るのに特に適することが見出されている。
【0035】
基部本体の正弦厚み変動は、特定の補正要件を特に有利な方式で満たすものである。ビーム方向に見て互いに対して変位させることができるように、互いに重なって又は隣合って配置された正弦厚み変動を有するいくつかのこの種の基部本体を設けることができる。それによって正弦厚み変動を有する2つの基部本体を互いに対して変位させることで、長手視野寸法にわたる強度分布の微調節が可能になる。
【0036】
円盤形の遮光部分は、その有効遮光サイズに関して、遮光されるビームの方向に対する円盤平面に対する法線の向きに依存して変更することができる。
【0037】
複数の遮光部分は、基部本体に沿って照明光学系の視野平面内の所定の強度分布I(x)に対応して順番に配置することができる。そのような配列は、視野高さ(x)にわたって強度変化を設定する所定の実施可能手段である。
【0038】
各場合に1つの基部本体及び各場合に複数の遮光部分を有する複数の遮光体を設けることができ、これらの遮光体のうちの少なくとも2つは、基部本体に沿った遮光部分の距離、関連の補正照明視野ファセットに対する遮光部分の位置、及び遮光部分の遮光直径というパラメータから成る群のうちの少なくとも1つのパラメータに関して互いに異なっている。この種の遮光体は、補正照明ファセットの影響によって強度変化を重ね合わせることを可能にする。この種の強度変化は、物体視野照明の望ましい所定の強度分布をフーリエ解析方式で生成することを可能にする。
【0039】
長手視野ファセット寸法に沿って、自体に割り当てられた補正照明視野ファセットよりも長い遮光体は、このファセットに対する長手視野ファセット寸法に沿った変位により、所定の方式で影響を受ける場合がある。遮光体の変位は、変化する照明視野の設定を可能にする。
【0040】
遮光体の両端は、各場合に1つのロール上に繰り出し可能式に巻き取ることができ、遮光に用いられる遮光体の区域は、2つのロールの間で誘導される。実際には、この種の遮光体のための保持手段を適用することができる。
【0041】
遮光体を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部は、遮光体を望ましい強度変化に制御方式で適応させることを可能にする。
【0042】
ロール、並びに遮光体を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部は、残りの照明光学系が配置される排除空間の外側に配置することができる。この場合、駆動部及びロールを真空適合にする必要はない。
【0043】
遮光部分の形状を定めるための形成デバイス、特に、切削デバイスは、遮光体の強度変更効果を作動中に調節することを可能にする。
【0044】
遮光体上のマークを検出するための読取デバイスは、例えば、その後の選択に向けて遮光部分のマーク付き又は符号付きシーケンスを定めることを可能にする。更に、この種の読取デバイスは、遮光体上の遮光部分の位置制御を可能にする。
【0045】
遮光体は、2つのファセットの間に挿入される挿入部分を有することができる。この種の挿入部分は、補正照明ファセットに対する遮光体の信頼性の高い位置決めを保証する。
【0046】
ファセットミラーの反射面に対して垂直に変位可能な遮光体は、遮光体の遮光効果の微調節を可能にする。
【0047】
補正照明視野ファセットは、基本照明視野ファセットの全てによって形成される視野ファセットミラーの照明輪郭の外側に配置することができる。補正照明視野ファセットがそのような手法で配置される場合には、この配列により、これまで積極的に用いられなかった光部分を利用することが可能になる。しかし、一般的に補正照明視野ファセットとして視野ファセットミラーの内部ファセットを用いるように考えることができる。
【0048】
補正照明瞳ファセットは、基本照明瞳ファセットの全てによって形成される瞳ファセットミラーの照明輪郭に配置することができる。補正照明瞳ファセットがそのような手法で配置される場合には、望ましくない低い照明強度を伝達する基本照明瞳ファセットの照明角度からの照明は、これらの基本照明瞳ファセットの直近の補正照明瞳ファセットによって高めることができる。
【0049】
補正照明瞳ファセットのうちの少なくとも1つにこのファセットを可変方式で覆うように割り当てられた遮光体を用いて、関連の補正照明瞳ファセットの補正効果が影響を受けることが可能である。
【0050】
基本照明視野ファセットの少なくとも一部は、これらの基本照明視野ファセットを変位させて、特に、傾斜及び/又はシフトさせるための各場合に少なくとも1つのアクチュエータと協働する。そのような作動による傾斜移動は、特に、瞳ファセットミラー上の光源像の変位をもたらすことができる。この変位は、物体視野照明を補正するのに有利であるとすることができる。
【0051】
同じことは、補正照明視野ファセットの任意的な作動による変位にも当て嵌まる。
【0052】
基本照明瞳ファセットの作動による変位機能、特に、変位機能及び/又はシフト機能は、特に、個々の照明チャンネルの視野寄与のシフトを引き起こすことができる。同様に、照明チャンネル内の瞳ファセットへの視野ファセットの割り当ても可変である。
【0053】
同じことは、補正照明瞳ファセットの作動による変位機能にも当て嵌まる。
【0054】
補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、補正照明瞳ファセットによって完全には伝達されず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向することができ、これは、物体視野照明を補正するための有利な手段とすることができる。
【0055】
照明光束のうちで補正照明瞳ファセットから物体視野に伝達される部分の縁部が、物体視野の縁部において遮断される場合には、同じことが当て嵌まる。
【0056】
補正照明視野ファセットのうちの少なくとも1つは、互いに独立に配向可能な複数の部分補正照明ファセットに分割することができる。この場合、この種の補正照明視野ファセットミラーの少なくとも2つの作動モードは、物体視野照明への部分補正照明ファセットの寄与が、これらのファセットが作動される手法に依存するように、異なる手法で部分補正照明ファセットを作動させることによって得られる。部分補正照明ファセットを用いると、これらのファセットの向きに依存して異なる照明チャンネルを選択することができ、それによって物体視野照明の照明角度分布が部分補正照明ファセットによって影響を受けることが可能になる。物体視野にわたる部分補正照明ファセットの強度寄与を起動又は停止することは、物体視野照明の強度に対する影響を有する場合がある。
【0057】
部分補正照明ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って基本照明視野ファセットよりも小さい延長を有することができる。それによって部分補正照明ファセットのものに対応する延長を有する物体視野部分にわたって物体視野が露光される強度を補正することが可能になる。
【0058】
部分補正照明ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿った少なくとも1つの列で配置することができる。長手視野ファセット寸法に沿った基本照明視野ファセットの延長に対応することができる全延長を有するこの種の列に沿って、例えば、2個,3個、4個、5個、10個又は更にそれ以上の部分補正照明ファセットを存在させることができる。その結果、長手視野寸法に沿った物体視野照明の相応に微細な調節がもたらされる。
【0059】
長手視野ファセット寸法に沿った複数の部分基本照明ファセットへの基本照明視野ファセットの分割は、対応する利点を有する。
【0060】
隣接する部分基本照明ファセットの間に間隙が存在する場合があり、部分補正照明ファセットは、短手視野ファセット寸法の方向に見た時に、間隙を覆うように配置される。部分補正照明ファセットは、これらの間隙によって引き起こされる物体視野照明の望ましくない強度低下を補償することを可能にする。
【0061】
部分補正照明ファセットは、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成することができる。それに対応して、部分基本照明ファセットもまた、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成することができる。その結果、部分ファセットの有利な構造の統合がもたらされる。
【0062】
部分補正照明ファセットは、短手視野ファセット寸法の方向に照明光が部分補正照明ファセットの一部分にしか到達することができないように、視野ファセットミラーの支持体の部分遮光区域上に配置することができる。部分補正照明ファセットは部分的にしか照明されないので、これらの部分補正照明ファセットを用いて、相応に微細な補正強度解像度を得ることができる。
【0063】
部分補正照明ファセットの延長は、短手視野ファセット寸法に沿って基本照明視野ファセットの延長よりも短いとすることができる。部分補正照明ファセットの上述の部分遮光に対して代替的又は追加的に、部分補正照明ファセットの上述の短い延長は、長手視野寸法にわたる物体視野照明の有利に高い補正解像度をもたらすことができる。
【0064】
視野ファセットミラーは、複数の視野ファセットブロックに分割することができ、この場合、部分補正照明ファセットは、視野ファセットブロックのうちの1つの縁部の近くのファセットとすることができ、それによって視野ファセットミラーをモジュールで製造することが可能になる。
【0065】
主支持体平面に対して垂直な方向には、視野ファセットブロックを階段式に互いに千鳥に配置することができる。それによって視野ファセットブロックの統合が容易になる。
【0066】
部分補正照明ファセットは、長手視野寸法に沿っていくつかの列で配置することができる。それによって補正効果の柔軟性が高められる。1つの列又はいくつかの列にある部分補正照明ファセットを能動状態にすることができ、その結果、部分補正照明ファセットの寄与を物体視野の長手視野寸法にわたって可変的に定めることができる。
【0067】
様々な列にある部分補正照明ファセットは、短手視野寸法に沿って異なる延長を有することができる。それによって部分補正照明ファセットの補正効果の柔軟性が更に高まる。物体視野照明が、長手視野寸法にわたって小さな補正しか必要としない場合には、短手視野ファセット寸法に沿って小さい延長を有する部分補正照明ファセットを用いることができる。より大きい補正を必要とする場合には、短手視野寸法に沿ってより大きい延長を有する別の列からの部分補正照明ファセットを用いることができる。
【0068】
実際の用途では、様々な列において短手視野寸法に沿って1:2を上回らない部分補正照明ファセットの延長比は、短手視野寸法に沿って小さい延長を有する列の部分補正照明ファセットを用いる場合には相対強度1を有し、短手視野寸法に沿って大きい延長を有する列の部分補正照明ファセットを用いる場合には相対強度2を有し、両方の部分補正照明ファセット列を用いる場合には相対強度3を有する補正寄与を得ることを可能にする。様々な部分補正照明ファセット列の間の他の延長比、例えば、1:3又は1:4を考えることができる。更に、2つよりも多くの部分補正照明ファセット列を適用することができ、その結果、選択された列が使用状態にあり、そのような部分補正照明ファセット列のうちの3つ又は4つを用いた場合に、例えば、1:2:4又は1:2:4:8の延長比を対応する異なる補正寄与解像度を伴って得ることができる。
【0069】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有する。
【0070】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットの有効照明区域の境界形状及び/又は補正照明瞳ファセットの有効照明区域の境界形状は、遮光体を用いて影響を受け、遮光体を支持する支持構造が、視野ファセットミラーの遮光空間に配置される。
【0071】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するために複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、補正照明瞳ファセットによって完全には伝達されず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向される。
【0072】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、照明光束のうちで補正照明視野ファセットから補正照明瞳ファセットに伝達される部分が、物体視野に完全には到達せず、縁部において所定の方式で遮断されるように、補正照明瞳ファセットに対して配向される。
【0073】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う照明光反射率を有し、補正照明視野ファセット上には、個別の灰色フィルタ部分が設けられ、灰色フィルタ部分内には、一定の面積密度を有する吸収点構造が設けられ、長手視野ファセット寸法に対して垂直に灰色フィルタ部分の幅を変化させることによって可変反射率が得られる。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0074】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野に放射線源からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、補正照明視野ファセットは、長手視野ファセット寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う照明光反射率を有し、補正照明視野ファセット上には、個別の灰色フィルタ部分が設けられ、灰色フィルタ部分内の点構造は、変化する面積密度で配分される。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0075】
本発明によると、冒頭で示した目的は、更に、長手視野寸法と短手視野寸法の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野からの照明光束を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によって達成され、照明光学系は、物体視野内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセットを有する視野ファセットミラーと、照明光を物体視野に伝達するための視野ファセットミラーの下流にあるその後の光学系とを含み、その後の光学系は、複数の瞳ファセットを有する瞳ファセットミラーを含み、視野ファセットは、照明光束のうちで各場合に視野ファセットのうちの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセットを通じて物体視野上に誘導されるように、各場合に瞳ファセットに個々に割り当てられ、視野ファセットミラーは、関連の基本照明瞳ファセットを通じて物体視野の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセットを含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセットを通じて物体視野の照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセットをも含み、視野ファセットミラーは、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセットを含み、類似する補正照明視野ファセットが、瞳ファセットミラーによって定められる瞳中心に対して点対称な補正照明瞳ファセットに割り当てられる。これらの補正照明視野ファセットの光束誘導効果は、動的に制御可能なものとすることができる。
【0076】
本発明による上述の照明光学系は、その個々の構造的特徴に関して上述したものとは異なる構造的組合せで実施することができる。上述の本発明による照明光学系の光束誘導効果の動的制御性又は少なくとも2つの作動モード間の視野ファセットミラーの切り換えが必須とされていない場合には、照明光学系は、動的に制御可能な光束誘導効果を有するか又は少なくとも2つの作動モード間で切換可能な視野ファセットミラーが設けられた本発明による照明光学系に関して上述した手法で改良することができる。
【0077】
本発明による照明光学系と、物体視野を像視野へと投影するための投影光学系とを含む光学系の利点、この種の光学系と照明光束を生成するためのEUV放射線とを含む投影露光装置の利点、及びレチクルを準備する段階と、照明光に対して感光性を有するコーティングを有するウェーハを準備する段階と、本発明による投影露光装置を用いてレチクルの少なくとも一部分をウェーハ上に投影する段階と、照明光束への露光の後にウェーハ上の感光層を現像する段階とを含む製造方法の利点、並びに本発明により製造された微細構造又はナノ構造構成要素の利点は、本発明による照明光学系を参照して説明したものに対応する。
【0078】
本発明による照明光学系を用いて照明を補正する方法は、放射線源の照明光束を用いて物体視野照明の強度分布又は角度分布を判断する段階と、望ましい強度分布又は角度分布を得るように、補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てを準備する段階とを含むことができ、補正照明視野ファセットは、1組の関数に基づいて設けられ、視野高さにわたって強度変化を有する1組の補正照明視野ファセットが与えられ、強度変化は、この関数の組に対応する。
【0079】
補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てを準備する段階は、特に、計算に基づいて行うことができる。代替的に、この段階は、補正照明視野ファセットの配列及びこれらの補正照明視野ファセットへの補正照明瞳ファセットの割り当てが記憶された予め生成された較正表に基づいて行うことができ、各場合に補正照明瞳ファセットは、それぞれ検出された強度分布又は角度分布に割り当てられる。補正照明視野ファセットの配列は、1組の関数に基づいて計算され、補正照明視野ファセットは、この関数の組の関数に対応する有効照明光反射率を長手視野寸法にわたって有することができる。
【0080】
物体視野照明の強度分布又は角度分布は、直接測定するか、又は導出形態で測定するかのいずれかとすることができる。導出測定は、例えば、物体平面から分離された平面内で物体視野照明の強度分布又は角度分布を測定することによって行うことができる。代替的に又はそれに追加して、物体視野照明の強度分布又は角度分布は、他のパラメータ、例えば、異なる波長を有する調節放射線又は付随的な放射線の光分布を測定するか、又は特定の構成要素の温度増大のような間接パラメータを測定するか、又は散乱光を測定することによって導出方式で判断することができる。補正照明視野ファセットの配列の計算は、視野ファセットミラー上の補正照明視野ファセットの配列の計算、及び/又は個別又は全ての補正照明視野ファセットの反射率パターン、すなわち、これらの補正照明視野ファセットの有効形状の計算を含むことができる。計算された補正照明視野ファセット配列は、相応に設計された完全に新しい視野ファセットミラーを設けることにより、又は例えば交換可能な絞りを用いて既存の視野ファセットミラーの所定の補正照明視野ファセットを選択することによって与えることができる。
【0081】
照明補正を行う時には、様々な作動モード、及び従って様々な能動的補正照明視野ファセット配列の中から選択を行うことができる。
【0082】
この照明補正方法の利点は、本発明による照明光学系を参照して上述したものに対応する。
【0083】
以下に本発明の実施形態を図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】照明光学系及び投影光学系を含むマイクロリソグラフィ投影露光装置を通る模式的子午断面である。
【図2】補正照明瞳ファセットを覆うためにいくつかの絞りが瞳ファセットミラーに割り当てられた図1による視野ファセットミラーと瞳ファセットミラーとの模式的平面図である。
【図3】様々な種類の補正照明視野ファセットとこれらのファセットにそれぞれ割り当てられた補正照明瞳ファセットとをまとめた平面図である。
【図4】別の実施形態の補正照明視野ファセットの平面図である。
【図5】別の実施形態の補正照明視野ファセットの平面図である。
【図6】全反射平面に関して互いに対して千鳥に配置され、千鳥配列及び傾斜照明が遮光空間を形成する視野ファセットミラーの2つの照明視野ファセットの側面図である。
【図7】単一の視野ファセットとこの視野ファセットに割り当てられた単一の瞳ファセットとを有する照明チャンネルによって行われる照明光学系の物体視野照明を各場合にファセットを平面図に示し、付加的に照明の視野依存性をグラフに示す模式図である。
【図8】9つの視野ファセットと9つの関連の瞳ファセットとの物体視野内での合計で9つの重ね合わせ照明チャンネルをファセット及び物体視野内で重ね合わされる照明チャンネルを各場合に平面図に示す模式図である。
【図9】特定の視野ファセットがワイヤの形態にある基部本体と基部本体上の肉厚区域の形態にある遮光部分とを有する遮光体に割り当てられ、遮光体がこれらの視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与える図8と類似の図である。
【図10】視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与えるための別様に設計された別の実施形態の遮光体対の図8と類似の図である。
【図11】図9に記載の遮光体を有する視野ファセットミラーを遮光体を巻き取るためのロールと共に示す図である。
【図12】ワイヤの形態にある基部本体と遮光部分とを有し、ロール上に誘導されて巻き取られる遮光体を有する個々の視野ファセットの斜視図である。
【図13】特定の視野ファセットの有効照明区域の境界形状に影響を与えるために2つの視野ファセット間に配置された別の実施形態の遮光体を含む視野ファセットミラーの平面図である。
【図14】2つの視野ファセット間に挿入される挿入部分を有する別の実施形態の遮光体を含む付加的な詳細内容を示す別の実施形態の視野ファセットミラーの平面図である。
【図15】2つの視野ファセットとそれらの間に配置された遮光体とを含む図14に記載の視野ファセットミラーの斜視断面図である。
【図16】2つの視野ファセットブロック間に配置された挿入部分を有する遮光体を有する図14に記載の視野ファセットミラーの視野ファセットの2つのブロックの側面図である。
【図17】各場合に視野ファセットミラーの2つのファセット間に挿入された挿入部分を同様に備えて遮光体の別の実施形態にある2つの遮光体を有する図14に記載の視野ファセットミラーの7つの隣接する視野ファセットを示す図である。
【図18】視野ファセットの2つのブロック間に配置された図17に記載の種類の遮光体を含む実施形態の図16と類似の図である。
【図19】視野ファセットミラーの基本照明視野ファセットの部分表面積を構成する表面積を有する補正照明視野ファセットを含む配列の図7と類似の図である。
【図20】関連の補正照明瞳ファセットを有する図19に記載の補正照明視野ファセットの用途例の図2と類似の図である。
【図21】投影露光装置の放射線源の光源像が瞳ファセットミラーの瞳ファセット上に配置された瞳ファセットミラーの模式的平面図である。
【図22】レチクル部分上で重ね合わされ、ある一定の領域内で互いに重複する2つの照明チャンネルを有する物体視野に対応するレチクル部分の模式図である。
【図23】個別瞳ファセットをその縁部上に入射する光源像と共に示す図である。
【図24】レチクル走査方向に対して見た時に照明チャンネルがレチクル部分の縁部領域上に入射するレチクル部分の図22と類似の図である。
【図25】各場合に個別瞳ファセットの縁部に向けて同じように変位した光源像を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図26】瞳ファセットミラー上に個別に位置決めされるか又は縁部において遮断された光源像を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図27】照明された瞳ファセットの配列を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図28】照明瞳ファセットの別の配列を有する瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図29】照明チャンネルを通じて様々な手法で瞳ファセットに割り当てられた視野ファセットの模式図である。
【図30】横方向に、言い換えれば、レチクル走査方向に対して垂直に遮断された照明チャンネルを有するレチクル部分の図24と類似の図24である。
【図31】横方向に遮断された2つの部分照明チャンネルを用いたレチクル部分の照明の図24と類似の図である。
【図32】補正照明視野ファセットを遮光するための別の実施形態の絞り構造を有する図2に記載のものと類似の視野ファセットミラーの視野ファセットの模式図である。
【図33】補正照明視野ファセットの絞り構造の個々の絞りのための取り付けデバイスをより詳細な模式図に示す図32の方向XXXIIIからの図32に記載の補正照明視野ファセットの側面図である。
【図34】図33の方向XXXIVによる補正照明視野ファセットの側面図である。
【図35】2つの例示している視野ファセットの下側のものが絞り構造を有する補正照明視野ファセットとして構成された2つの隣接する視野ファセットの図32と類似の図である。
【図36】図35の線XXXVIによって回転された側面図である。
【図37】ファセットの反射面に配置された個々の絞りのための保持構造を有する別の実施形態の補正照明視野ファセット又は補正照明瞳ファセットの模式的平面図である。
【図38】図37に記載のものと類似の個々の絞りのための別の実施形態の保持手段を含む瞳ファセットミラーの図21と類似の図である。
【図39】関連の支持体要素を有する別の実施形態の視野ファセットミラーの2つの視野ファセットブロックの側面図である。
【図40】視野ファセットブロックが補正照明視野ファセットを含み、補正照明視野ファセットが、部分的に照明される部分補正照明ファセットへと更に分割された図39の右にある視野ファセットブロックの視野ファセットの平面図である。
【図41】視野ファセットミラーの全反射面の上方から傾斜して見たこの更に別の実施形態の視野ファセットミラーを形成するための図39及び図40に記載の支持体要素及び視野ファセットブロックの全体の配列の斜視図である。
【図42】視野ファセットブロックの各々が、その上側縁部において長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセットの列の形態にある補正照明視野ファセットを含み、全てのファセットブロックが、互いに遮光しないような手法で視野ファセット支持体上に互いに隣接して配置された別の実施形態の視野ファセットミラーの合計で8つの視野ファセットブロックの配列を示す図である。
【図43】2つの部分補正照明ファセット列に分割された補正照明視野ファセットを含む別の実施形態の視野ファセットブロックの図40と類似の図である。
【図44】基本照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿った複数の部分基本照明ファセットに分割され、図44に示す補正照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセット列から成る合計で4つの基本照明視野ファセットを含む別の実施形態の視野ファセットブロックの図40と類似の図である。
【図45】図44に記載の補正照明視野ファセットを有し、図40又は図43に記載の基本照明視野ファセットを有する別の実施形態の視野ファセットブロックの図44と類似の図である。
【図46】補正照明視野ファセットが、長手視野寸法に沿って並んだ部分補正照明ファセット列で構成され、部分補正照明ファセットが、上方から見た時に部分基本照明ファセット間の間隙を覆う図44に記載の基本照明視野ファセット及び上部に示す補正照明視野ファセットを含む視野ファセットブロックの図44と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、マイクロリソグラフィ投影露光装置1を通る模式的子午断面図である。投影露光装置1の照明系2は、物体平面6内の物体視野5を照明するために放射線源3及び照明光学系4を含む。この工程では、物体視野5に配置され、図1には示しておらず、微細構造半導体構成要素又はナノ構造半導体構成要素の製造において投影露光装置1を用いて投影される構造が設けられたレチクルが照明される。投影光学系7は、物体視野5を像平面9内の照明視野8へと結像するように機能する。レチクル上の構造は、像平面9内の像視野8の領域に配置された図面には示していないウェーハの感光層上に結像される。
【0086】
放射線源3は、5nmと30nmの間の範囲内で有利放射線を放出するEUV放射線源である。放射線源3は、プラズマ光源、例えば、GDPP(ガス放電生成プラズマ)又はLPP光源(レーザ生成プラズマ)とすることができる。他のEUV放射線源、例えば、シンクロトロンに基づくものを考えることができる。放射線源3によって放出されるEUV放射線10は、コレクター11によって集光される。対応するコレクターは、例えば、EP1,225,481Aに開示されている。コレクター11の下流では、EUV放射線10は、中間焦点面12を通って伝播し、その後視野ファセットミラー13上に入射する。視野ファセットミラー13は、照明光学系4の物体平面6と光学的に共役な平面に配置される。
【0087】
以下ではEUV放射線10を照明光又は結像光とも呼ぶ。
【0088】
視野ファセットミラー13の下流では、EUV放射線10は、瞳ファセットミラー14によって反射される。EUV放射線10は、2つのファセットミラー13、14上に、25°よりも小さいか又はそれに等しい入射角で入射する。従って、2つのファセットミラーは、法線入射作動範囲内でEUV放射線10に露光される。瞳ファセットミラー14は、照明光学系4の投影光学系7の瞳平面と光学的に共役な平面に配置される。ファセットミラー14と、EUV放射線10のビーム経路の順に16、17、及び18と示しているミラーを含む伝達光学系15の形態にある結像光学アセンブリとを用いて、視野ファセットミラー13の視野ファセット19(図2を参照されたい)が、互いに重複するように物体視野5へと結像される。伝達光学系15の最後のミラー18は、かすめ入射ミラーである。伝達光学系15は、瞳ファセットミラー14との組合せでEUV放射線10を視野ファセットミラー13から物体視野5に伝達するためのその後の光学系とも呼ぶ。
【0089】
以下では位置関係の説明を容易にするために直交xyz座標系を用いる。x軸は、図1の作図面に対して垂直に閲覧者に向けて延びている。y軸は、図1の右に向けて延びている。z軸は、図1の上方に延びている。
【0090】
レチクルホルダ(図示せず)によって所定位置に保持されるレチクル、及びウェーハホルダ(図示せず)によって所定位置に保持されるウェーハは、投影露光装置1が使用される時にy方向に同期して走査される。
【0091】
図示の実施形態では、物体視野5は弓形形状を有し、レチクル(図22のレチクル20を参照されたい)は対応する弓形形状を有する。従って、以下では、物体視野5を図22のレチクル20の図を用いて説明する場合がある。物体視野5は、図示の実施形態ではほぼ75°の扇角Sを覆う環セグメントの形状を有する。他の扇角Sを考えることもできる。物体視野5は、半径Riを有する内側弧辺21と、半径Raを有する外側弧辺22と、物体視野5の側部の境界を定める2つの半径方向辺、すなわち、図2の左にある半径方向辺23及び図22の右にある半径方向辺24とによって境界が定められる。物体視野5は、半径方向辺23、24の2つの中心の間でx延長x0を有する。物体視野5は、弧辺21、22の2つの中心の間でy延長y0を有する。物体視野5のアスペクト比x0/y0は、1よりも有意に大きい。図22に図示の実施形態では、このアスペクト比x0/y0はほぼ7:1である。他のアスペクト比、例えば、13:1のアスペクト比を考えることができる。これらのアスペクト比に起因して、x軸を長手視野軸とも呼び、それに対してy軸を短手視野軸と呼ぶ。物体視野5における特定のx座標を視野高さとも呼ぶ。視野ファセットミラー13(図2を参照されたい)の矩形視野ファセット19は、物体視野5のx0/y0アスペクト比に対応するx/yアスペクト比を有する。
【0092】
視野ファセットミラー13の視野ファセット19は、複数の視野ファセット19、すなわち、図示の実施形態では各場合に8つの視野ファセット19を含む視野ファセットブロック25に組み合わされる。図2は、合計で4個のこの種の視野ファセットブロックを示している。実際の用途では、視野ファセットミラー13が、数百個の視野ファセット19を含むような極めて多数のそのような視野ファセットブロック25が存在する。視野ファセットブロック25は、実際の用途では数自由度で調節可能な視野ファセット支持体26上に配置される。視野ファセットミラー13の設計によっては、視野ファセットブロック25及び/又は視野ファセットブロック25内の視野ファセット19は、視野ファセット支持体26に対して調節可能なものとすることができる。
【0093】
瞳ファセットミラー14(図2を参照されたい)は、例えば、瞳ファセット支持体28上に六方最密充填で配置された複数の円形瞳ファセット27を有する。
【0094】
視野ファセット19及び瞳ファセット27は結像効果を有し、例えば、球面凹状を有することができる。
【0095】
瞳ファセット支持体28は、視野ファセット支持体26に対応して調節可能なものとすることができる。瞳ファセット支持体28と同様に、個別瞳ファセット27も、代替的又は追加的に瞳ファセット支持体28に対して調節可能なものとすることができる。
【0096】
ファセット上の高反射コーティングは、実際の用途では、モリブデン層とシリコン層とが交互する多層コーティングである。ファセット19、27は、EUV放射線10に対するミラーファセットである。個々の視野ファセット19及び/又は個別瞳ファセット27を調節するために、これらのファセットを関連のアクチュエータに個別に接続することができる。これらのアクチュエータは、個々の視野ファセットをそれぞれのファセットの反射平面に配置された2つの軸の回りに傾斜させることを可能にするように設計することができる。
【0097】
EUV放射線10の照明光束のうちで視野ファセット19のそれぞれの1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット27を通じて物体視野5に伝達されるように、視野ファセット19は、各場合に個別に瞳ファセット27に割り当てられる。従って、これらの2つのファセットミラー13、14は、EUV放射線10を物体視野5に別々のチャンネル内で誘導する複数の照明チャンネルを定める。模式的に示す図2に記載の実施形態は、合計で32個のそのような照明チャンネルを有する。放射線源3は、照明チャンネルの各々内で瞳ファセット27へと結像される。
【0098】
視野ファセット19及び瞳ファセット27は、各場合に2つのファセット種類へと区分される。図2では基本照明視野ファセット19Gを中白で示している。図2では補正照明視野ファセット19Kをハッチングで示している。図2に中白円として例示している基本照明瞳ファセット27Gは、照明チャンネルを通じて基本照明視野ファセット19Gに割り当てられる。
【0099】
図2でハッチングで示している補正照明瞳ファセット27Kは、補正照明視野ファセット19Kに割り当てられる。
【0100】
基本照明視野ファセット19Gは、関連の基本照明瞳ファセット27Gを用いた基本照明チャンネルを通じて物体視野5の基本照明を与える。補正照明視野ファセット19Kは、関連の補正照明瞳ファセット27Kを用いた補正照明チャンネルを通じて物体視野5の補正照明を与える。
【0101】
基本照明視野ファセット19Gとして用いるべき視野ファセットミラー13の視野ファセット19、及び補正照明視野ファセット19Kとして用いるべき視野ファセット19は、EUV放射線10の照明光束への視野ファセットミラー13の露光中の幾何学形状及び強度分布、並びに物体視野5の所定の望ましい照明に依存して選択される。適切な補正照明視野ファセット19Kは、例えば、基本照明を与えるのに十分ではない強度しか持たないもの又は基本照明を与えるのに許容範囲外の強度分布を有するものである。適切な補正照明視野ファセット19Kは、例えば、縁部の近くの視野ファセット19、又は例えば遮光に起因してEUV放射線に全くか、又は減衰したEUV放射線にしか露光されない部分を有する視野ファセット19である。
【0102】
複数の絞り29、30、31、32(図2を参照されたい)が、絞り交換ホルダ33(図1を参照されたい)内に設けられた瞳ファセットミラー14に割り当てられる。絞り交換ホルダ33を用いると、絞り29から32を図1に実線で例示している休止位置と、瞳ファセットミラー14のミラー面の前の図1に破線で示している絞り位置との間で個々に変位させることができる。絞り位置では、絞り29から32は、EUV放射線10が所定の基本照明チャンネルに沿って伝播することを保証する。更に、絞り29から32は、補正照明に向けて用いるべき補正照明瞳ファセット27Kの選択を可能にする。
【0103】
絞り29は、絞り位置にある時に、図2に示している6つの補正照明瞳ファセット27Kの全てによる補正照明を可能にする。それによって基本照明チャンネルの全てと補正照明チャンネルの全てとを同時に経由した物体視野5の重ね合わせ照明が生じる。
【0104】
絞り30は、絞り位置にある時に、図2で27K1で示している2つの補正照明瞳ファセットを遮蔽する。この場合、物体視野5は、全ての基本照明チャンネル及び残りの補正照明チャンネルを経由した重ね合わせ照明に露光される。
【0105】
絞り31は、絞り位置にある時に、補正照明瞳ファセット27K1に加えて2つの更に別の補正照明瞳ファセット27K2を遮蔽する。絞り31を用いる時には、物体視野5は、基本照明チャンネル及び2つの残りの補正照明チャンネルを経由した重ね合わせ放射線に露光される。
【0106】
絞り32は、絞り位置にある時に、補正照明瞳ファセット27kの全てを遮蔽する。この場合、物体視野5は、基本照明チャンネルのみを経由した重ね合わせ照明に露光される。
【0107】
その結果、絞り29から31は、EUV放射線10の照明光束のうちで各場合に補正照明視野ファセット19Kの異なる群に割り当てられた部分が物体視野5へと通過することを可能にする。当然ながら、付加的な絞りを対応する方式で設計することにより、他の伝達群を考えることができる。
【0108】
基本照明視野ファセット19Gと全く同様に、補正照明視野ファセット19Kは、その面にわたって一定の反射率を有することができる。代替的に、少なくとも選択された補正照明視野ファセット19Kに、そのファセット面にわたって変化する反射率を与えることができる。特に、これらの補正照明視野ファセット19Kは、EUV放射線10に対して、長手視野寸法に沿って、一定の反射率から所定の方式で逸脱する所定のパターンに従う反射率を有する。
【0109】
図3は、そのような補正照明視野ファセット19K1から19K6、及び19K1'から19K6'の例を示している。補正照明視野ファセット19K1から19K6は、補正照明視野ファセットブロック25K内に組み合わされる。補正照明視野ファセット19K1'から19K6'は、補正照明視野ファセットブロック25K'内に組み合わされる。ハッチングで示している部分では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'には、EUV放射線10を高度に反射するコーティングが設けられない。以下ではこれらの部分を減衰部分34と呼ぶ。図3では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'の反射部分35を中白で示している。減衰部分34の形状は、補正照明視野ファセット19K1から19K6の各々において異なる。補正照明視野ファセット19K1と19K1'とは、類似する形の減衰部分34を有する。同じことは、補正照明視野ファセットの対19K2/19K2'から19K6/19K6'に当て嵌まる。2つの視野ファセットブロック25K及び25Kは、x−zミラー対称平面に関して鏡面対称に配置される。
【0110】
補正照明視野ファセット19K1から19K6の別様に設計された減衰部分34に起因して、補正照明視野ファセット19K1から19K6は、各場合に異なる程度でx方向に沿ってEUV放射線10を減衰させる。
【0111】
補正照明視野ファセット19K1は、図3の左手縁部においてEUV放射線10を完全に減衰させる。減衰率は、右手縁部に向けて線形に低下し、その結果、EUV放射線10は、右手縁部において、可能な最も高い効率で反射される。
【0112】
補正照明視野ファセット19K2は、正確に逆の減衰パターンをもたらす減衰部分34を有し、すなわち、EUV放射線10は、図3の左手縁部では減衰されず、それに対して右手縁部では、可能な最大の程度で減衰される。
【0113】
補正照明視野ファセット19K3は、図3によると上下に見た時に三日月形であり、補正照明視野ファセット19K3の中心で接触する2つの減衰部分34を有する。従って、補正照明視野ファセット19K3は、図3の左手縁部において最小減衰率を有し、半分のx高さにおいて最大減衰率まで増大し、その後右手縁部における最小減衰率へと再度低下する減衰パターンをx方向に辿る。
【0114】
補正照明視野ファセット19K3と比較すると、補正照明視野ファセット19K4は、x方向にEUV放射線に対する逆減衰パターンを有する。補正照明視野ファセット19K3及び19K4は、x方向に放物線減衰パターンを生成する。
【0115】
補正照明視野ファセット19K5は、図3の左手縁部においてEUV放射線10に対する最小減衰率を有し、右手縁部における最大減衰率へと増大する減衰パターンをx方向に有する。2つの縁部の間では、減衰率は、x座標の非線形関数である。この減衰率は、連続単調関数の結果である。他のパターンの減衰関数、特に、少なくとも1つの最小値又は少なくとも1つの最大値を有するもの、並びに不連続関数及び/又は非単調関数を考えることができる。
【0116】
補正照明視野ファセット19K6は、補正照明視野ファセット19K5のものと比較して逆の減衰パターンをx方向に有する。
【0117】
減衰部分34では、補正照明視野ファセット19K1から19K6及び19K1'から19K6'は、EUV放射線10に対して10%よりも大幅に低い反射率を有し、図示の実施形態では、この反射率は、ファセットの反射部分35における反射率の0.1%よりも低い。
【0118】
補正照明視野ファセット対19K1/19K1'から19K6/19K6'は、各場合に長手視野寸法にわたって、言い換えれば、x軸に沿って同じ反射率パターンに従う典型的な補正照明視野ファセットの群を形成する。
【0119】
補正照明視野ファセット対19K1/19K1'から19K6/19K6'は、各場合に、瞳ファセットミラー14の中心36関して点対称である補正照明瞳ファセット対27K1/27K1'から27K6/27K6'に割り当てられる。
【0120】
補正照明視野ファセット19K1から19K1'、19K6から19K6'と相互作用する絞り29から32の方式にある絞りは、19K1/19K1'から19K6/19K6'が常に対で遮光されるように構成される。それによって補正照明チャンネルによって引き起こされる可能性がある物体視野照明のテレセントリック性変化が阻止される。
【0121】
物体視野5の照明のテレセントリック性は、以下の通りに定められる。
【0122】
照明される物体視野5の各視野点に対して、この視野点に割り当てられた光束の中心光線が定められる。中心光線は、この視野点から発する光束のエネルギ重み付き方向を有する。理想的な場合には、各視野点の中心光線は、照明光学系又は投影光学系によって定められる主光線に対して平行である。
【0123】
主光線の方向:
【0124】
【数1】
【0125】
は、照明光学系4又は投影光学系7の設計データから既知である。視野点における主光線は、この視野点と投影光学系7の入射瞳の中心点との間を繋ぐ線によって定められる。物体平面6内の物体視野5内の視野点x,yにおける中心光線の方向は次式として得られる。
【0126】
【数2】
【0127】
E(u,v,x,y)は、この視野点に関する瞳座標u,vの関数として、すなわち、それぞれの視野点x,yから見た照明角度の関数としてのエネルギ分布である。
【0128】
【数3】
【0129】
は、点x,y上に入射する全エネルギである。
【0130】
例えば、中心物体視野点x0,y0は、照明光学系4の瞳平面を通過するそれぞれの部分放射線束の貫通点によって定められる方向u,vからの部分放射線束の放射線を受ける。この照明設定では、中心光線sは、部分放射線束の異なるエネルギ又は強度がそれぞれ組み合わされ、主光線方向に対して平行な積分中心光線方向を形成する場合にのみ主光線に沿って延びている。これは、理想的な状況の下にある場合のみである。実際には、中心光線方向:
【0131】
【数4】
【0132】
と主光線方向:
【0133】
【数5】
【0134】
の間の偏位が存在し、これをテレセントリック性誤差:
【0135】
【数6】
【0136】
とも呼び、以下のようになる。
【0137】
【数7】
【0138】
投影露光装置1の実際の用途では、補正されるのは特定の物体視野における静的なテレセントリック性誤差ではなく、x=x0における走査積分テレセントリック性誤差である。このテレセントリック性誤差は次式で得られる。
【0139】
【数8】
【0140】
言い換えれば、走査処理中に物体平面6内で物体視野5を通じて移動するレチクル上の点(x、例えば、x0)によって積分されるテレセントリック性誤差が補正され、xテレセントリック性誤差(tx)とyテレセントリック性誤差(ty)との間で区別が付けられる。yテレセントリック性誤差は、主光線からの中心光線の走査方向に対して垂直な偏位として定められる。xテレセントリック性誤差は、主光線からの中心光線の走査方向の偏位として定められる。
【0141】
代替実施形態の補正照明視野ファセット(図示せず)では、各場合に、図3に記載の実施形態の対19K1/19K1'から19K6/19K6'に対応するEUV反射率の同じxパターンを有する4つの補正照明視野ファセット19Kから成る群が存在する。4つの補正照明視野ファセットから成るこれらの群は、照明チャンネルを通じて瞳ファセットミラー14の中心36の周囲に等しく配分された4つの補正照明瞳ファセットの群に例えば絞りを用いて4つの補正照明チャンネルのそのような群を切り換えることによって楕円度E0°/90°が維持されるように割り当てられる。厳密には、中心36は、照明光学系4の瞳の中心であり、瞳は、瞳ファセットミラー14によって定められる。
【0142】
楕円度は、物体平面6内の物体視野5の照明品質を判断するための別のパラメータである。楕円度の特定は、投影光学系7の入射瞳にわたってエネルギ又は強度それぞれの分布に関するより正確な情報を得るのに役立つ。この目的のために、入射瞳は、数学で一般的な慣習であるように反計時方向にO1からO8と番号が振られた8つの八分円に分割される。視野点の照明への入射瞳の八分円O1からO8によって加えられるエネルギ又は強度の寄与を以下ではエネルギ寄与又は強度寄与I1からI8と呼ぶ。
【0143】
次式の量を−45°/45°楕円度(Elly、E-45°/45°)と呼ぶ。
【0144】
【数9】
【0145】
次式の量を0°/90°楕円度(Ellx,E0°/90°)と呼ぶ。
【0146】
【数10】
【0147】
テレセントリック性誤差の以上の説明に対応して、特定の物体視野点xFP,yFP、又は代替的に走査積分照明(x=xFP,y積分)に関する楕円度を判断することができる。
【0148】
補正照明視野ファセット上の減衰部分34は、ファセットの反射コーティング中に、これらの減衰部分34に反射コーティングが設けられないように減衰部分34を覆うマスクを減衰部分34の位置に付加することによって製造することができる。この場合、反射コーティングは、反射部分35だけに付加される。
【0149】
補正照明視野ファセットのx寸法に依存する関数反射率パターンは、補正照明視野ファセット19K1、19K1'の場合等には、xの線形関数とすることができ、又は補正照明視野ファセット19K2から19K2'の場合等には、xの2次関数とすることができる。xの他の多項式関数、例えば、xのより高次のべき乗関数を考えることができる。例えば、補正照明視野ファセット19Kのx寸法への反射率依存性のフーリエ解析を行う場合には、xの正弦関数又は余弦関数を考えることができる。一般的な規則として、1組の直交関数に対応するxの関数である1組の反射率依存関係を生成するのに、様々な補正照明視野ファセット、例えば、補正照明視野ファセット19K1から19K6を用いることができる。それによって特に、テレセントリック性及び楕円度という照明パラメータに関して、物体視野5内で照明パラメータの事実上あらゆる望ましい照明補正を行うことが可能になる。
【0150】
図4は、例えば、図2又は図3に記載の補正照明視野ファセットを置換することができる別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kを示している。図4に記載の補正照明視野ファセット19Kは、反射部分35から個別の楔形の灰色フィルタ部分37の形態にある減衰部分を有する。
【0151】
図3に記載の実施形態の補正照明視野ファセット19K1/19K1'とは対照的に、図4に記載の実施形態における減衰部分37の最大幅Kは、図4の左手縁部において補正照明視野ファセット19Kのy方向の幅yFFよりも小さい。従って、補正照明視野ファセット19Kは、図4の左手縁部において0以外の反射率を有する。この反射率は、反射部分35の幅の増大に対応して左から右へと線形に増大する。
【0152】
図5は、図2から図4に記載の補正照明視野ファセットを置換することができる別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kを示している。図5に記載の補正照明視野ファセット19Kも同じくx寸法に沿って可変の反射率を有する灰色フィルタである。図5に記載の実施形態では、灰色フィルタは、補正照明視野ファセット19Kの反射面全体を覆う所定の方式で配分された吸収点構造38によって形成される。点構造38は、50μmと150μmの間の範囲内で典型的な直径を有することができる。
【0153】
図5に記載の補正照明視野ファセット19Kの例では、点構造38の面積密度は、左から右へと見た場合に低下しており、その結果、図5に記載の実施形態における反射率変化は、図4に記載の実施形態のものにほぼ対応する。図5に記載の実施形態では、点構造38は、補正照明視野ファセット19Kの反射面にわたって配分される。代替的に、点構造38は、例えば、図3に記載の補正照明視野ファセット19K1から19K6の配列の減衰部分34に対応して形成された残りの反射部分から個別の減衰部分内で一定の面積密度を有するように配置することができる。
【0154】
補正照明視野ファセットの反射率が最初から低減している例えばいかなる反射コーティングも付加されていない減衰部分34の変形として、特に、例えば、アクチュエータを用いて能動的に変位可能な可変遮光体を用いた減衰部分を補正照明視野ファセット19上に設けるように考えることができる。この種の遮光体は、視野ファセットミラー13のレイアウトに起因して遮光される空間39に配置された支持構造を用いて所定位置に保持することができる。図6は、このようにして遮光された空間39を示しており、空間39は、図6の左に配置された視野ファセット19であり、図6の右に示している隣接する補正照明視野ファセット19Kを関連の視野ファセットミラーの反射平面40に関して超えて突出する視野ファセット19、例えば、基本照明視野ファセット19Gによって形成される。この場合、可変遮光体のための支持構造を配置することができる遮光空間39は、視野ファセット19G、19Kを含む視野ファセットミラー上にxz平面に対して角βで、すなわち、反射平面40に対して傾斜して入射するEUV放射線10によって発生する。この場合、可変遮光体は、x寸法において可変である減衰率を伴って補正照明視野ファセット19Kの反射部分41を遮光することができる。x軸は、図6の作図面に対して垂直に作図面に向いて延びている。y軸は、図6の右に向いて延びている。z軸は、図6において下向きに延びている。
【0155】
図6には遮光体を示していない。遮光体は、例えば、x寸法に沿って延び、反射部分41の内外に可変的に移動可能な絞りとすることができる。
【0156】
以下は、補正される不均一な照明が、物体視野5のx軸にわたって如何にして生じる可能性があるかに関する図7及び図8を用いた説明である。
【0157】
図7は、単一の視野ファセット19しか持たない視野ファセットミラー13の模式図である。放射線源3は、円形照明区域42内で視野ファセットミラー13を照明する。この照明は均一ではない。照明強度は、照明区域42内で図7の左上から右下に均一に低下する。その結果、視野ファセット19は、図7の左から右へと低下する強度を有するEUV放射線10に露光される。
【0158】
図7は、単一の瞳ファセット27しか持たない瞳ファセットミラー14の模式図を示している。視野ファセット19と瞳ファセット27は、照明チャンネルを形成する。
【0159】
物体視野5のx方向にわたる強度分布I(x)を図7の下部にあるグラフに示している。物体視野5が、図7に示している照明チャンネルだけによって照明されると仮定する。この場合、図7の左手縁部は最大強度で露光され、図7の43に示している照明角度分布を受ける。3つの更に別の照明角度分布を44から46に模式的に示しており、これらの照明角度分布は、図7の右、言い換えれば、x方向に更に移動した物体視野点に当たる。4つの照明角度分布43から46は、各場合に同じ照明方向を有する。従って、関連付けられた物体点は、全て同じ照明方向から、すなわち、唯一の瞳ファセット27の方向からの照明に露光される。しかし、左から右に見た時に、物体視野点は、低下する照明強度で露光される。
【0160】
この照明変化は、x方向、すなわち、y方向又は走査方向に対して垂直に発生するので、この照明変化は、レチクルが物体視野5によって走査される時でさえも維持される。従って、この強度変化I(x)は、可能な限り低く保たなければならない。この弱い強度変化I(x)は、次式として定められる均一性U(x)の小さい値に対応する。
【0161】
【数11】
【0162】
x=0は、物体視野5の中心におけるx位置、言い換えれば、視野高さに対応する。
【0163】
図8は、視野ファセットブロック25の視野ファセット191から199を有する(上から下へと番号が振られた)合計で9つの異なる照明チャンネルの重ね合わせと、関連の瞳ファセット271'から279'とを示している。瞳ファセット275'は、瞳ファセットミラー14の中心36に配置される。全ての照明チャンネルは、物体視野5内で重ね合わされ、これを図8の右に積み重ねられた矩形で示している。左から右に発生する全ての視野ファセット191から199の照明の強度変化は、この変化が、各場合に同じ単調なパターンをx方向に辿る場合には、物体視野5内の重ね合わせによっては補償することができず、物体視野5内で加算される。補償は、図2から図6を用いて上述の補正照明視野ファセット、及び以下に説明する補正照明視野ファセットを用いて行うことができる。
【0164】
図9は、ここでもまた、9つの照明チャンネルの図8と類似の図を示しており、ここでは、合計で4つの補正照明視野ファセット、すなわち、視野ファセット19K1、19K2、19K8、19K9、及び5つの基本照明視野ファセット、すなわち、視野ファセット19G3から19G7を関連の補正照明瞳ファセット27K1'、27K2'、27K8'、27K9'及び基本照明瞳ファセット27G3'及び27G7'と共に提供している。
【0165】
補正照明視野ファセット19K1、19K2及び19K8、19K9は、各場合にこれらのファセットが互いに隣接する位置において、遮光体47によって遮光される。遮光体47は、視野ファセットミラー13の反射面によって定められる反射平面からある一定の距離の位置に配置される。遮光体47は、各場合に2つの隣接する補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9の間の間隙48の上方に配置される。遮光体47は、間隙48に沿って延びるワイヤの形態にある基部本体49を有する。基部本体49の幅は、y方向に間隙48の幅よりも小さい。基部本体49に沿って、遮光体47の遮光部分50が基部本体49上に配置され、遮光部分49の幅は、2つの隣接する補正照明視野ファセット19Kの間の間隙48の幅よりもy方向に大きい。遮光部分50は、数珠連結しの真珠のようにワイヤ基部本体49上に並ぶ。遮光部分50は、基部本体49のy方向の厚み変動と理解することができる。遮光部分50のy方向の幅、及びx方向に基部本体49に沿った遮光部分50の発生頻度は、EUV放射線10を反射する補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9の面のx方向に対応する変化をもたらす。例えば、図7に記載の照明強度変化I(x)を補正するために、遮光部分50は、遮光部分50の発生頻度が図9の左から右に低下するように配分することができる。それによってx方向に生成される遮光変化が、補正照明視野ファセット19K上の照明変化を超える限り、補正照明視野ファセット19Kは、物体視野5の左から右に増大する照明強度寄与をもたらし、従って、基本照明視野ファセット19Gの反対方向の強度寄与に対する補償寄与をもたらす。
【0166】
図9の配列では、補正照明瞳ファセット27K1',27K2',27K8',27K9'もまた、瞳ファセットミラー14の中心36の周囲に点対称に配置される。既に上述のように、これは、補正照明視野ファセット19Kが使用状態にある時にテレセントリック性及び任意的に楕円度が維持されることを保証する。
【0167】
ワイヤの代わりに、基部本体49には、フィルムストリップ又はテープを装備することができる。遮光部分50は、例えば、侵食によって基部本体49の縁部から材料を除去することによって形成されるように設計することができる。代替実施形態では、遮光部分50は、特に、テープ形の基部本体49の縁部が望ましい形状へと切削されるように設計される。
【0168】
ある一定の補正照明視野ファセット19Kでは、遮光部分50は、互いから一定の空間頻度又は周期で分離することができる。対応する実施形態を図10に示している。この実施形態では、真珠形又はディスク形の遮光部分50を有するワイヤ形の基部本体49は、補正照明視野ファセット19K1と19K2の間、及び補正照明視野ファセット19K8と19K9の間に配置され、遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K1/19K2及び19K8/19K9のx寸法に沿って規則的に合計で11回繰り返す。補正照明視野ファセット19K2と19K3、及び補正照明視野ファセット19K7と19K8の間には、ワイヤ形の基部本体49及び遮光部分50を有する遮光体47が配置され、これらの遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K2/19K3及び19K7/19K8のx方向に沿って合計で6回繰り返す。補正照明視野ファセット19K3と19K4、及び補正照明視野ファセット19K6と19K7の間には、ワイヤ形の基部本体49及び遮光部分50を有する遮光体47が配置され、これらの遮光部分50は、補正照明視野ファセット19K3/19K4及び19K6/19K7のx寸法に沿って合計で2回繰り返す。
【0169】
図10に記載の実施形態では、基本照明視野ファセット19G5は、補正照明視野ファセット19K4と19K6の間に配置される。
【0170】
図10に記載の遮光体47を遮光部分50が異なる周期を有して順番に配置されるようなワイヤ絞りとして配置することにより、1組のそれぞれの基底関数の可変選択による補正照明視野ファセット19K1から19K4及び19K6から19K9の縁部吸収のフーリエ合成が可能である。このフーリエ合成は、空間頻度、すなわち、基部本体49に沿った遮光部分50の間の距離、位相、すなわち、例えば、補正照明視野ファセット19K上に入射する図10の左にある先頭の遮光部分50のそれぞれのxオフセット、及び振幅、すなわち、それぞれの遮光部分50のy寸法によって照明補正を微調整することを可能にする。xオフセット、すなわち、遮光体47の遮光部分50のx位置は、図10に方向矢印52によって示しているように、x方向に遮光体47を変位させることによって定めることができる。
【0171】
図10に記載の実施形態では、類似する遮光体47で遮光される補正照明視野ファセット27K'は、同様に、瞳ファセットミラー14の中心36に関して点対称であり、テレセントリック性及び同じく任意的に楕円度が維持されることを保証する。図9及び図10に記載の実施形態では、類似する遮光部分47で遮光される補正照明視野ファセット19K'は、更に視野ファセットブロック25の中心xz平面に関して鏡面対称である。
【0172】
遮光部分50が円盤形である場合には、図10に方向矢印51で示しているように、遮光体47を基部本体49の縦軸の回りに回転させることによって遮光部分50の有効遮光y寸法を変更することができる。
【0173】
図10に記載の実施形態では、遮光部分50は、遮光体47の正弦厚み変動を得るように設計することができる。同様に、互いに重なって配置された正弦厚み変動を有する遮光部分50を含むこの種のいくつかの基部本体49を設けることができる。これらの基部本体の遮光部分の補正効果は、互いに重なって位置するこれらの2つの基部本体49を互いに対して縦方向に変位させることによって微調整することができる。
【0174】
図11は、視野ファセットブロック25の反射平面の上方の遮光体47のための可能な保持手段を示している。
【0175】
基部本体49の両端は、各場合に1つのロール53、54上に巻き取られ、これらのロール53、54への巻き取り、及びこれらのロールからの繰り出しが可能である。遮光に向けて用いられ、補正照明視野ファセット19Kのx延長に対応するx延長を有する遮光体47の遮光区域55は、2つのロール53、54の間で誘導される。図11の左に示しているロール53には、各場合に、基部本体49を巻き取り、繰り出すための駆動部56が設けられる。ロール53、54及び駆動部56は、残りの照明系2が配置される排除空間57の外側に配置することができる。図11では排除空間57に対する固定平面58を破線で示している。
【0176】
図12は、単一の補正照明視野ファセット19Kの近くの図9及び図10に記載の遮光体47の方式にある遮光体47のための代替実施形態の保持手段を示している。遮光体47の基部本体49は、補正照明視野ファセット19Kの反射面59の上方に2つの誘導ロール60を用いて誘導及び支持される。基部本体49の一端は、誘導ロール60を用いてロール53へと誘導され、それに対して基部本体49の他端は、ロール54へと誘導される。2つのロール53、54は、補正照明視野ファセット19Kの反射面59から離れた側に配置される。
【0177】
図13は、テープ61の形態にある基部本体を有する遮光体47の図9の左にある図と類似の図である。遮光部分50を形成するために、テープ61の幅、言い換えれば、そのy寸法は、必要な強度補正を得るのに必要とされるサイズに切削され、遮光部分50は、例えば、腐食によって形成することができる。図3の遮光体47の図によると、テープ61の幅は、関連の補正照明視野ファセット19Kの間の間隙48の全幅を超える。ある一定の領域内では、テープ61の幅は、間隙48の幅に対応することができ、又は補正照明視野ファセット19Kが、図13に記載の遮光体47によってこれらの領域内で遮光されることを阻止するように、この間隙48よりも小さくすることさえ可能である。図11及び図12に記載の実施形態を参照して上述したように、テープ61は、ワイヤ基部本体49に対応して、ロール53、54上に巻き取ることができる。
【0178】
作動に向けて投影露光装置1を準備する時には、上述の実施形態の遮光体47の遮光部分50の形状を例えば物体視野5の照明の較正測定に基づいて形成デバイスを用いて選択することができる。形成デバイスは、例えば、切削デバイス又は腐食デバイスとすることができる。
【0179】
基部本体49に沿って、補正照明視野ファセット19Kによる物体視野照明の補正に課せられる要件に依存して選択される様々なシーケンスの遮光部分50を有するいくつかの連続する遮光区域55を設けることができる。例えば、等距離で連続して配置された遮光部分50を含む遮光区域55の順番にあって、連続する遮光区域55の各々において、連続する遮光部分55の空間頻度が例えば図10に記載の実施形態の異なる空間頻度に依存して変化するシーケンスを設けることができる。連続する遮光区域は、例えば、基部本体49に付加されたマークによって識別することができる。これらのマークは、信号線63を通じて制御デバイス64と信号接続状態にある読取デバイス62(図11を参照されたい)によって光学的に検出することができる。更に、制御デバイス64は、信号線65を通じてロール53の駆動部56と信号接続状態にある。図11には、そこに例示している巻き取り及び繰り出しデバイスの例で読取デバイス62及びそれに接続した制御システムを示している。
【0180】
補正照明視野ファセット19Kと特定の遮光体47との併用を必要とする物体視野照明の較正測定中に強度変化が測定された場合には、読取デバイス62が、必要とされる遮光部分50を有する遮光区域55に割り当てられたマークを検出するまで、関連のロール53の駆動部62が作動される。望ましい遮光区域55は、各場合に制御デバイス64を用いて制御方式で接近される。
【0181】
以下は、補正照明視野ファセット19を生成するための遮光体47を有する別の実施形態の視野ファセットミラー13の図14から図16を用いた説明である。図1から図13を参照して上述したものに対応する構成要素及び機能は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0182】
図14に記載の視野ファセットミラー13は、複数の視野ファセットブロック25に分割され、更にこれらの視野ファセットブロック25は、図2に記載の実施形態の視野ファセットブロック25と同様に複数の視野ファセット19を含む。これらの視野ファセットブロック25の間には、0.5mm幅の間隙66が設けられる。更に、図14は、視野ファセットミラー13を合計で5つの自由度で調節するための調節要素67aを示している。
【0183】
図14から図16に記載の実施形態では、遮光体47は、2つの隣接する補正照明ファセット19Kの間の間隙66内に挿入される挿入部分67を有する。図14から図16に記載の遮光体47の遮光部分50は、間隙66に沿ってx方向に延びる挿入部分67に堅固に接続される。挿入部分67は、遮光部分50と一体で形成することができる。代替的に、図16に示しているように、遮光部分50は、最初は挿入部分67から分離しており、その後に挿入部分67に結合される構成要素として製作することができる。
【0184】
遮光体47の遮光部分50及び挿入部分67は、モリブデンから作ることができる。
【0185】
x方向に沿って延び、関連の補正照明視野ファセット19Kの反射面59を超えて突出する遮光部分50の境界は、例えば、図13に記載のテープ遮光体47の境界と同様に形成することができる。
【0186】
以下は、図17及び図18を用いた別の実施形態の遮光体47の説明である。図17は、遮光体47が、視野ファセットブロック25において隣接する視野ファセット19の間に挿入された実施形態を示している。図18は、遮光体47が、隣接する視野ファセットブロック25の間に挿入された実施形態を示している。図17及び図18に記載の遮光体47は、挿入部分67の視野ファセット19の反射面59を超えて突出する延長部を形成する遮光部分50を有する。図18に模式的に示しているアクチュエータ68は、図18に方向矢印69で示しているように、遮光体47を反射面59に対して垂直に変位させることを可能にする。図17の模式的で誇張した図で示しているように、補正照明視野ファセット19Kの可変遮光に向けて、遮光部分50の自由縁部70が、x方向に沿って見た時にそのx位置に依存する関数に対応して形成される。
【0187】
以下は、図19を用いた更に別の実施形態の補正照明視野ファセットの説明である。図1から図18を参照して上述したものに対応する構成要素及び機能は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0188】
図19は、単一の基本照明視野ファセット19Gと、基本照明チャンネルを通じてこの基本照明視野ファセット19Gに割り当てられた基本照明瞳ファセット27Gとを有する単一の基本照明チャンネルの図7と類似の図である。図19の上部には、これらの2つの基本照明ファセット19G、27Gを各場合にこれらの基本照明ファセット19G、27Gの反射面59の凹球面形状を指定するxz断面図に示している。図19は、補正照明視野ファセット71を更に示している。この補正照明視野ファセット71は矩形であり、基本照明視野ファセット19Gの部分表面積のサイズを有するミラー部分である。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gと同じ延長をy方向に有する。x寸法では、補正照明視野ファセット71の延長は、基本照明視野ファセット19Gの延長の4分の1である。従って、図19の例では、補正照明視野ファセット71のミラー面は、基本照明視野ファセット19Gの4分の1である。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gの幅と比較すると無視することができる幅をx方向に有するy方向に延びる薄い真空適合バー72によって所定位置に保持される。バー72は、駆動部(図示せず)を用いてバー72を相応に操作することにより、y方向(方向矢印73を参照されたい)とx方向(方向矢印74を参照されたい)とに変位させることができ、その縦軸(方向矢印75を参照されたい)の回りにピボット回転可能である。それによって一方で照明区域42上の補正照明視野ファセット71の位置を変更し、他方でEUV放射線10に対する補正照明視野ファセット71の偏向角を変更することが可能になる。
【0189】
補正照明ファセット71には、補正照明チャンネルを通じて補正照明瞳ファセット76が割り当てられる。この補正照明チャンネルは、図19の右下に示している物体視野5の4分の1を照明するように、補正照明ファセット71、76の傾斜角によって調節される。補正照明瞳ファセット76は、瞳ファセットミラー14上の基本照明瞳ファセット27Gの直近に存在する。
【0190】
補正照明瞳ファセット76は、可変遮光絞り77によって部分的に覆うことができる。遮光絞り77は、駆動部(図示せず)によってx方向(方向矢印79)に変位させることができるx方向に延びるバー78によって所定位置に保持される。遮光絞り77のバー78の進路は、バー78によっていかなる他の瞳ファセットも遮光されないようなものである。
【0191】
遮光絞り77の遮光体は、遮光絞り77が完全に挿入された時に補正照明瞳ファセット76の下側半分を覆う半円形状を有する。図19に示している位置では、遮光絞り77は、補正照明視野ファセット76の右下でほぼ4分の1を遮光する。遮光絞り77は、補正照明チャンネル上の照明強度を微調整することを可能にする。
【0192】
図7に記載のI(x)図に対応する図19の下部にある強度図I(x)は、補正照明ファセット71、76の効果を示している。図19に記載の実施形態では、x方向に見た時に物体視野5の左にある4分の3は、図7に記載の実施形態におけるものと同じ照明を受ける。物体視野5のx方向に見た時に一番右にある4分の1は、基本照明瞳ファセット27Gからの照明と補正照明瞳ファセット76からの照明とから構成された照明角度分布を与える。
【0193】
その結果、図19の右下にある物体視野5の4分の1は、物体視野5の残りの4分の3の照明強度の平均値にほぼ対応する照明強度を受け、各場合に照明は、密接した瞳ファセット27G及び76の方向から到達する。従って、補正照明視野ファセット71及び補正照明瞳ファセット76を含む補正照明チャンネルは、基本照明チャンネルを通じて物体視野5の右下4分の1内に与えられる照明強度の補償を可能にし、いかなる補正も与えられない場合には、この照明強度は低下することになる。
【0194】
一方で基本照明視野ファセット19Gの表面積と他方で補正照明視野ファセット71の表面積との1:100と1:1の間の他の比を考えることができる。それは、照明強度分布I(x)の特に微細な補正を保証する。
【0195】
図20は、この例では10個の基本照明視野ファセット19Gが装備された視野ファセットミラー13内の関連の補正照明瞳ファセット76を有するいくつかの補正照明視野ファセット71の例示的な配列を示している。補正照明視野ファセット71は、基本照明視野ファセット19Gの照明に用いられないEUV放射線10の照明区域42の縁部に配置される。図20に記載の実施形態は、合計で10個の基本照明チャンネル及び6個の補正照明チャンネルを含む。この場合、補正照明瞳ファセット76は、瞳ファセットミラー14の中心36に関して点対称な対で配置される。
【0196】
以下は、一方で瞳ファセットに対して光源像をシフトさせ、他方で物体視野上の照明チャンネルをシフトさせることによる照明補償の図21から図31を用いた説明である。
【0197】
図21は、各場合に放射線源3の光源像81が中心に配置された12個の瞳ファセット27を含む例示的な瞳ファセットミラー14を示している。
【0198】
図22は、レチクル20のうちで等しい輪郭を有する物体視野5の位置に存在し、言い換えれば、現在、放射線に露光されている部分を示している。レチクル20のこの部分は、その上に重ね合わされた2つの視野ファセット像82、83を有する。2つの視野ファセット像82、83は、対応する照明チャンネルに割り当てられる。視野ファセット像82は、扇角Sにわたってレチクル20を照明する。扇角Sにわたる視野ファセット像82の半径方向延長は、図22の視野ファセット像82の上下にレチクル20のこの視野ファセット像82によって覆われないストリップが存在するように、レチクル20の関連の半径方向延長y0よりも小さい。視野ファセット像83は、扇角Sを覆い、レチクル20によって覆われる扇角Sを超えて両方の側に突出する。視野ファセット像83の半径方向延長は、視野ファセット像82のものに対応する。図22は、照明チャンネルに割り当てられた異なる視野ファセット像82、83の配列及び重ね合わせの種類が、レチクル20に対応する物体視野5にわたる照明強度分布及び照明角度分布に対して決定的であることを示している。物体視野5との完全な重ね合わせからの視野ファセット像82、83の所定の偏位は、物体視野5にわたる照明パラメータの望ましくない変動を補償又は補正するのに用いることができる。
【0199】
図23は、光源像81のうちの1つが、関連の瞳ファセット27によって完全には反射されず、その縁部において所定の方式で遮断される場合を示している。それに応じて、この瞳ファセット27に割り当てられた照明方向は、物体視野5の照明に対して低い照明強度しか寄与しない。光源像81は、図23に記載の補正照明瞳ファセット27Kに割り当てられた補正照明視野ファセット19Kをアクチュエータを用いて傾斜させることによって所定の方式で遮断することができる。
【0200】
図24は、関連の視野ファセット像84がレチクル20又は物体視野5それぞれから正のy方向に部分的に移動するような補正照明瞳ファセット27Kの所定の傾斜によって達成される補正を示している。移動した部分は、例えば、レチクル20の近くに配置された視野絞り又はUNICOM絞りを用いて遮断することができる。照明光学系4の視野平面に配置することができる対応する視野絞りは、WO2005/040927A2、US2006/0244941A1、又はWO2007/039257A1に開示されている。
【0201】
図25及び図26は、補正照明瞳ファセット27Kに対する光源像81の変位の2つの例を示している。図25では、全ての光源像81は、補正照明瞳ファセット27Kの最外縁で遮断されるように補正照明瞳ファセット27K上で下向きに逸脱されている。それに応じて、これらの補正照明瞳ファセット27Kの補正照明チャンネルは、残りの瞳ファセット27の照明チャンネルと比較して低い強度に露光される。
【0202】
図26では、光源像81は、瞳ファセットミラー14の縁部に配置された補正照明瞳ファセット27K上で個々に変位している。光源像81のうちの一部は、左手の縁部の方向に変位しており、それに対して他のものは、補正照明瞳ファセット27Kの上側縁部、下側縁部、右手縁部、又は右下手縁部の方向に変位しており、光源像81は、部分的に遮断される。図26の右に示している補正照明瞳ファセット27Kのうちの1つでは、光源像81は、ファセットの中心36に留まる。図26に記載の瞳ファセットミラー14の中心36の近くには4つの基本照明瞳ファセット27Gが配置され、光源像81は、光源像81が完全に反射されるように、各場合に基本照明瞳ファセット27G上で中心に配置される。その結果、物体視野5上では、図26に記載のこの部分的に遮断された像に対応する照明補正が提供される。
【0203】
光源像81は、個々の補正照明視野ファセット19Kを傾斜させる視野ファセット支持体26全体を傾斜させるか、又は放射線源3をシフトさせることによって補正照明瞳ファセット27K上で変位させることができる。
【0204】
図27及び図28は、補正照明設定を変更するのにこれらの図に示している補正照明瞳ファセット27Kを如何に用いることができるかを示している。図27及び図28に記載の実施形態では、放射線に露光される補正照明瞳ファセット27Kよりも1つ多くの補正照明瞳ファセット27Kが設けられる。従って、補正照明瞳ファセット27Kのうちの1つは放射線に露光されない。放射線に露光されない補正照明瞳ファセット27Kを図27の右下に示している。
【0205】
図28に記載の瞳ファセットミラー14の照明は、図27に記載のものと比較して修正されている。図28に記載の照明例では、照明チャンネルを通じて補正照明瞳ファセット27K1に割り当てられた補正照明視野ファセット19K1(図示せず)は、この場合、補正照明視野ファセット19K1が、以前には放射線に露光されていなかった補正照明瞳ファセット27K2を照明するように、図27と比較して変位している。それに応じて、補正照明の重ね合わせ角度の変化も生じる。この重ね合わせ角度変化は、例えば、物体視野5の照明のテレセントリック性を補正するのに用いることができる。
【0206】
図29は、補正照明ファセットを用いる別の手法を示している。前の図とは対照的に、図29は、湾曲物体視野5に対応して形成された湾曲補正照明視野ファセット19Kを示している。
【0207】
図29には、補正照明瞳ファセットのうちの2つ27K1及び27K2への補正照明視野ファセット19K1、19K2の第1の割り当てを実線矢印を用いて例示している。代替的に、割り当ては、図29に破線矢印を用いて例示しているようなものとすることができる。
【0208】
補正照明視野ファセット19K1は、補正照明瞳ファセット27K2に割り当てられ、それに対して補正照明視野ファセット19K2は、補正照明瞳ファセット27K1に割り当てられる。補正照明視野ファセット19K1、19K2が放射線源3によって異なる手法で照明される時には、割り当ての各変化は、補正照明の変化をもたらす。補正照明瞳ファセット27Kへの補正照明視野ファセット19Kの割り当ては、較正測定を用いて決められる物体視野5の照明によっては、補正照明ファセット19K、27Kを対応する手法で傾斜させることによって変更することができる。
【0209】
図30は、図30の左にある視野縁部における視野ファセット像85の部分遮蔽の図24と類似の図を示している。視野ファセット像85が、物体視野5及びレチクル20に対してxy平面内である扇角だけ傾斜される場合には、それによって物体視野5のうちで放射線に露光されない図30に記載の右手縁部にある区域86が生じ、その反対側では、視野ファセット像85のうちで、例えば、視野絞りによって遮蔽され、従って、物体視野5上に入射しない部分が生じる。従って、放射線に露光されない区域86は、照明チャンネルを誘導して視野ファセット像85をもたらす補正照明瞳ファセット27Kの方向からのいかなる光も受けない。従って、図30に記載のこの遮光も、物体視野5にわたる照明角度分布を補正するのに用いることができる。
【0210】
図31は、例えば、図19及び図20に記載の補正照明視野ファセット71によって生成することができる部分視野ファセット像87、88を関連の補正照明瞳ファセット27Kを傾斜させ、必要に応じてこれらの部分視野ファセット像87、88を縁部で遮断する(部分視野ファセット像88を参照されたい)ことによって変位させる可能性を示している。それによって物体視野照明の補正を微調整することが可能になる。
【0211】
以下は、補正照明視野ファセット19Kを遮光することによる別の補正照明変形の図32から図34を用いた説明である。図1から図31を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0212】
図32から図34に記載の実施形態では、遮光体は、絞り構造89によって形成される。この絞り構造89は、複数の個別の絞り90を含む。図32に記載の補正照明視野ファセット19Kの反射面の平面図では、様々な個別の絞り90は、その形状が矩形であり、一方では走査方向に、言い換えれば、y方向に、他方では走査方向に対して垂直に、言い換えれば、x方向に異なる延長を示している。x方向及びy方向における個別の絞り90のこれらの様々な延長は、補正照明視野ファセット19Kの反射面内に突出する絞り構造89の絞り縁部91の個々のプロフィール形状をもたらす。絞り縁部91のこのプロフィール形状に対応して、補正照明視野ファセットにわたって走査方向に対して垂直に、言い換えれば、x方向に照明光の強度分布の補正が生じる。各補正照明視野ファセット19Kでは、例えば、2個、3個、5個、10個、20個、30個、又は更に多くの個別の絞り90を設けることができる。この場合、個別の絞り90は、相応に小さい延長しか持たない。個別の絞り90は、これらの個別の絞りの間にいかなる間隙も事実上持たずにx方向に互いに隣接する。個別の絞り90は、x方向に重複してもよく、又は個別の絞り90の間に小さい間隙がx方向に存在してもよい。
【0213】
個別の絞り90の補正照明視野ファセット19Kの反射面に対して垂直な、言い換えれば、z方向の厚みは0.3mmを上回らず、図示の実施形態では、この厚みは0.2mmである。
【0214】
個別の絞り90は磁性材料で作られるか、又は磁性コーティングを有する。個別の絞り90は、絞り縁部91とは反対端において、磁力によって磁性ストリップ92上の所定位置に保持される。
【0215】
磁性ストリップ92は、x方向に沿って補正照明視野ファセット19Kの縁部に取り付けられる。z方向には、磁性ストリップ92は、補正照明視野ファセット19Kの反射面又は反射平面40それぞれを超えて若干、すなわち、約0.2mm突出する。この突出長さは、補正照明視野ファセット19Kの反射面40からの個別の絞り90の距離に対応する。従って、個別の絞り90は、補正照明視野ファセット19Kの反射面40に接触しない。
【0216】
磁性ストリップ92は、反射面40が設けられた補正照明視野ファセット19Kの面のうちの最大で20%を覆う。図示の実施形態では、磁性ストリップ92は、この面のうちの15%未満を覆う。
【0217】
個別の絞り90は、可動取り付けデバイス93を用いて磁性ストリップ92に取り付けられる。取り付けデバイス93は、コイル94、強磁性芯95、及び交流電源96を含む電磁石94を有する。芯95は、磁性ストリップ92へと転送される個別の絞り90を受け取る。転送される個別の絞り90が、取り付けデバイス93を用いて磁性ストリップ92の所定のx位置に移動されると、転送される絞り90が、取り付けデバイス93によって磁気引力を用いて磁性ストリップ92へと移動されるように、スイッチ97を用いて電磁石が停止される。取り付けデバイス93は、x方向の変位(図33の双方向矢印98を参照されたい)に向けて駆動することができる。取り付けデバイス93の変位移動は、図33には示していない中央制御デバイスによって制御される。
【0218】
それぞれの個別の絞り90は、取り付けデバイス93を逆順序に用いて磁性ストリップから取り外すことができる。
【0219】
以下は、別の実施形態の補正照明視野ファセット19Kの図35及び図36を用いた説明である。図1から図34、及び特に図32から図34を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0220】
図35及び図36に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19Kの遮光体の個別の絞り90を装着するための磁性ストリップ92は、図35で補正照明視野ファセット19Kの上方に示している補正照明視野ファセット19Kに隣接する視野ファセット19内に横方向に統合される。この実施形態では、磁性ストリップ92は、図36に示しているように隣接する視野ファセット19の基部本体の側壁に配置される。
【0221】
図35及び図36に記載の実施形態では、個別の絞り90は、傾斜した、すなわち、L字形のyz断面を有する。個別の絞り90は、磁性ストリップ92に隣接する保持脚99、及び補正照明視野ファセット19Kの反射面を遮光するための絞り脚100を含む。この場合、絞り脚100は、z方向に0.2mmの厚みを有し、z方向に見た時に補正照明視野ファセット19Kの反射面40の0.2mm上方に配置される。同様に、保持脚99も、y方向に0.2mmの厚みを有する。
【0222】
個別の絞り90は、照明光10を完全に反射及び/又は吸収する要素とすることができる。代替的に、個別の絞り90の少なくともいくつかの部分は、照明光10を部分的に透過させるものとすることができる。この場合、個々の個別の絞り90にわたる透過率パターンは、特に、x方向に考えることができるが、y方向に考えることもできる。
【0223】
以下は、補正照明視野ファセット19Kの例による別の実施形態の補正照明ファセットの図37を用いた説明である。補正照明瞳ファセット27aは、対応する設計のものとすることができる。図1から図36、特に、図32から図36を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0224】
磁気面部分101は、図37に記載の補正照明視野ファセット19Kの反射面に配置される。これらの面部分101は、図32から図36に記載の実施形態の磁性ストリップ92と同じ材料で作られた磁石面である。磁気面部分101は、x方向及びy方向に補正照明視野ファセット19Kのx延長及びy延長よりも大幅に小さい延長を有する。
【0225】
図37に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19Kの反射面内に合計で12個のこの種の面部分が設けられる。
【0226】
磁気面部分101の面延長は非常に小さいので、磁気面部分10の全てを組み合わせても補正照明視野ファセット19Kの合計面の20%未満しか占有せず、それによって補正照明視野ファセット19Kの反射面40は僅かな程度にしか低減しない。
【0227】
物体視野5上に定義される強度分布又は照明角度分布によっては、磁気面部分101の一部又は全てに図32から図36に記載の実施形態の個別の絞り90のものに対応する機能を有する個別の絞り102が設けられる。個別の絞り102は、図37の例に示しているようにxy平面上への投影状態で見た時に非常に異なる境界形状を有することができる。
【0228】
代替的に又はそれに追加して、補正照明視野ファセット19Kには、磁気面部分101に対応する磁気面部分103を設けることができ、磁気面部分103は、図37に面部分103のうちの1つの実施例によって示しているように、補正照明視野ファセット19Kの照明光によって使用可能な反射面40の外側に配置される。この場合、この面部分103は、補正照明視野ファセット19Kの有利反射面内に少なくとも部分的に突出する個別の絞り102のうちの1つを保持することができる。
【0229】
図38は、図37に記載の実施形態における磁気面部分101の方式で磁気面部分104を有する実施形態の瞳ファセットミラー14を示している。図38に記載の実施形態では、磁気面部分104は、瞳ファセットミラー14の瞳ファセット27の間に配置される。図38に磁気面部分104のうちの2つの例によって示しているように、磁気面部分104には、物体視野5の照明角度分布を定めるための個別の絞り105を設けることができ、従って、個別の絞り105は、補正照明瞳ファセット27Kを少なくとも部分的に遮光する。個別の絞り105は、個別の絞り105をそれぞれの磁気面部分104に隣接させるのに用いる保持部分106、及び補正照明瞳ファセット27Kを少なくとも部分的に覆う遮光部分107を有する。遮光部分107は、瞳ファセット27の円形形状に適合する形状を有し、この形状は、遮光部分107が補正照明瞳ファセット27Kを完全に覆うことができるようなサイズのものである。
【0230】
図32から図38に記載の実施形態では、補正照明視野ファセット19K又は補正照明瞳ファセット27Kを遮光して物体視野5にわたる強度分布又は照明角度分布を調整する遮光体の遮光効果の迅速な調整が可能である。この目的のために、最初にシステムの性能、言い換えれば、物体視野5にわたる強度分布及び照明角度分布が、例えば、較正測定を用いて測定される。この測定は、像平面9又はウェーハ平面それぞれの領域内で行うことができる。測定の後に、それぞれの光学補正要素、すなわち、例えば、補正照明視野ファセット19K又は補正照明瞳ファセット27K上で必要とされる遮光が計算される。その後、個々の個別の絞り90、102、105、又は図32から図38に記載の実施形態において絞り構造89を形成するための複数のそのような個別の絞りから成る遮光体が、取り付けデバイス93を用いてそれぞれの補正照明視野ファセット19K及び/又はそれぞれの補正照明瞳ファセット27Kに取り付けられる。
【0231】
以下は、基本照明視野ファセット及び補正照明視野ファセットを含む視野ファセットブロックを有する更に別の実施形態の視野ファセットミラーの図39から図46を用いた説明である。図1から図38を参照して上述したものに対応する構成要素は、同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0232】
図39は、視野ファセットミラー13の2つの視野ファセットブロック25を示しており、40個を超えるそのような視野ファセットブロック25を含む視野ファセットミラー13の配列を図41に示している。図41に記載の視野ファセットミラー13は、凹状のボウルに似た全反射面形状を有する。視野ファセットブロック25の各々は、支持体要素108によって支持され、支持体要素108は、図41に記載の視野ファセットミラー13の視野ファセット支持体(図示せず)に示していない方式で堅固に接続される。
【0233】
図39から図41に記載の実施形態では、視野ファセットブロック25の各々は、複数の基本照明視野ファセット19Gを有し、各場合に1つの補正照明視野ファセット19Kを含む。図39の右に示している視野ファセットブロック25の補正照明視野ファセット19Kは、この視野ファセットブロック25の最も左に配置された視野ファセット19である。この補正照明視野ファセット19Kは、照明光10、言い換えればEUV放射線に完全には露光されず、その大部分は、図39の左に示している隣接する視野ファセットブロック25によって遮光される。図39には、これを図39の左に示している視野ファセットブロック25の傍らをかろうじて通過する照明光束10の光線によって模式的に示している。
【0234】
図39の左に示している視野ファセットブロック25の遮光効果を図40に例示している。図40では、照明光3のうちで図40に示している視野ファセットブロック25に隣接する視野ファセットブロック25の傍を通過する部分を照明区域109によって例示している。補正照明視野ファセット19Kの走査方向に対応するy延長、言い換えれば、短手視野寸法では、補正照明視野ファセット19Kの全y延長y0のうちの僅かな部分yiしか照明光3によって照明されない。比yi/y0は、例えば、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6とすることができる。
【0235】
図40に記載の補正照明視野ファセット19Kは、互い独立に配向可能な複数の部分補正照明ファセット110に分割される。この部分補正照明ファセット110は、延長x0=y0を有する正方形の形状にある反射面を有する。部分補正照明ファセット110は、互いに独立に切換可能又は作動可能なマイクロミラーである。
【0236】
部分補正照明ファセット110は、照明区域109内に完全に配置されないことに起因して、支持体要素108、及び従って視野ファセットミラー13の支持体の部分的に遮光される区域上に配置される。
【0237】
図40に記載の補正照明視野ファセット19kの部分補正照明ファセット110の隣接するものの間は、長手視野寸法xに沿って互いからの距離xaを有する。比xa/x0は、ここでもまた、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6である。個別部分補正照明ファセット110の切り換え位置に依存して、この距離xaに起因して補正照明視野ファセット19K全体は、長手視野寸法xに沿って、すなわち、長手視野ファセット寸法xにも沿ってステップ関数の形態にあるパターンを有し、このパターンは、所定の方式で一定の反射率から逸脱する。長手視野ファセット寸法xに沿って、反射率は、部分補正ファセット110の延長x0にわたって値R0を有し、それに対して間隙xaに沿っては、反射率は、値R=0を有する。
【0238】
図40に記載の部分補正照明ファセット110は、物体視野5内の照明不均一性の柔軟な補正、又は投影光学系7における強度効果又は照明角度効果の所定の過補償を提供するように、物体視野5の所定の部分へと結像される前に、関連の補正照明瞳ファセットの傾斜により、互いに独立に特定の照明チャンネルに配向され、かつ割り当てることができる。部分補正照明ファセット110が作動される場合には、関連の部分照明チャンネルを停止することができ、言い換えれば、部分補正照明ファセット110は、この部分ファセット110上に入射する照明光が以降物体視野5に到達することができない位置に移動される。
【0239】
部分補正照明ファセット110は、物体視野5にわたる照明強度及び/又は物体視野5にわたる照明角度分布に影響を与える補正効果を有することができる。
【0240】
補正照明視野ファセット19K全体内の図40に記載の部分補正照明ファセット110の配列は、1組のステップ関数に基づくこの補正照明視野ファセット19Kの配列を与える。この場合、様々な視野ファセットブロック25を用いることにより、1組のステップ関数に対応する強度変化を視野高さxにわたって有する1組の補正照明視野ファセット19Kを設けることができる。代替的に又はそれに追加して、部分補正照明関数110の組を用いて、単一の補正照明視野ファセット19K内に1組のステップ関数に基づく類似の付設を行うことができる。この場合、補正照明ファセット19Kは、図41に記載の視野ファセットミラー13の様々な視野ファセットブロック25の間で類似の又は異なる部分補正照明ファセット110に分割することができ、異なる部分補正照明ファセット110の場合には、異なる補正照明視野ファセット19Kが、長手視野寸法xに沿って部分補正照明ファセット110へと異なる方式で分割される。
【0241】
図42は、別の実施形態の視野ファセットミラー13の一部である合計で8つの視野ファセットブロック25の配列を示している。
【0242】
図42に記載の配列では、視野ファセットブロック25は、xy平面に対して平行な支持体平面を有する図42には示していない平面視野ファセット支持体上に互い隣接して配置される。図42に記載の視野ファセットブロック25の各々は、合計で5つの基本照明視野ファセット19G、及び1つの補正照明視野ファセット19Kを含み、補正照明視野ファセット19Kは、長手視野寸法xに沿って互いに独立に配向可能であり、かつ互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして構成される複数の部分補正照明ファセット111に分割される。補正照明視野ファセット19Kの各々は、各場合に同じx延長x0を有する合計で9つの部分補正照明ファセット111を含む。部分補正照明ファセット111のy延長y0は、基本照明視野ファセット19Gのy延長yFFよりも有意に小さい。ここでもまた、比y0/yFFは、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6である。
【0243】
隣接する部分補正照明ファセット111の間では、ここでもまた、延長x0よりも非常に小さい間隙xaが存在する。比xa/x0は、例えば、1:10又は1:20とすることができる。
【0244】
部分補正照明ファセット110とは対照的に、部分補正照明ファセット111は完全に照明される。部分補正照明ファセット111は、基本照明視野ファセットと比較して小さいそのy延長に起因して、部分補正照明ファセット110に対応する補正効果を有する。
【0245】
図42と比較して、図43は、別の実施形態の視野ファセットブロック25の拡大図である。図43に記載の視野ファセットブロック25の補正照明視野ファセット19Kは、部分補正照明ファセット114a及び114bの2つの列112、113に分割される列112、113は、長手視野寸法又は視野ファセット寸法xに沿って延びている。異なる列112、113内の部分補正照明ファセット114a、114bは、異なる延長ya及びybを有し、延長ya/ybの比は、1:2、1:3、1:4、1:5、又は1:6であるようなものである。部分補正照明ファセット114a及び114bは、ここでもまた、互いに独立に作動可能な、従って、配向可能なマイクロミラーとして構成される。
【0246】
部分補正照明ファセット110、111に関して上述したように、部分補正照明ファセット114a、114bもまた、物体視野5にわたる強度分布又は照明角度分布を補正又は補償するために照明チャンネルを柔軟に割り当てるか、又は関連の部分照明チャンネルを起動又は停止するのに用いることができる。部分補正照明ファセット114a、114bの異なるy延長ya、ybは、そのような補正の相対的な影響を事前に定めることを可能にする。例えば、物体視野の図43に記載の視野ファセットの右手縁部に割り当てられた縁部において、左手縁部におけるものよりも強い強度低下を必要とする場合には、図43の最も右の部分補正照明ファセット114b及び図43の最も左の部分補正照明ファセット114aが停止される。この例では、部分補正照明ファセット114aと部分補正照明ファセット114bの両方を停止することにより、物体視野5の視野ファセットの右手縁部に割り当てられた縁部において更に高い遮光効果を得ることができる。
【0247】
図44は、合計で3つの基本照明視野ファセット19Gと1つの補正照明視野ファセット19Kとを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。図44に記載の実施形態でもまた、基本照明視野ファセット19Gは、長手視野寸法xに沿って複数の部分基本照明ファセット115に分割される。基本照明視野ファセット19Gの設計は、図40に記載の補正照明視野ファセット19Kの設計に対応する。ここでもまた、部分基本照明ファセット115は、互いに独立に作動可能な、従って、配向可能なマイクロミラーである。従って、基本照明視野ファセット19Gはまた、物体視野5の照明の大まかな補正に向けて用いることができる。この場合、微細な補正は、図44に記載の実施形態では、互いに独立に配向可能な長手視野寸法xに沿って並んだ複数の部分補正照明ファセット116から成る補正照明視野ファセット19Kを用いて行われる。部分補正照明ファセット116の反射面は、部分基本照明ファセット115のものよりも大幅に小さい。これらの反射面の比は、例えば、1:10又は1:20である。更に、小さい比を考えることもできる。隣接する部分補正視野ファセット116のx距離は、これらの部分補正照明ファセット116のx延長にほぼ対応する。隣接する部分補正照明ファセット116の間の他のx距離、特に、より小さいx距離を考えることができる。部分補正照明ファセット116は、間隙xaが部分基本照明ファセット115の間に位置するx位置に配置されるように長手視野寸法xに沿って配列することができる。図44の部分補正照明ファセット116aは、そのような配列の例である。
【0248】
図45は、図43に記載の実施形態のものに対応する基本照明視野ファセット19Gと、部分補正照明ファセット116を含み、かつ図44に記載のものに対応する1つの補正照明視野ファセット19Kとを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。
【0249】
図46は、図44に記載のものに対応する、言い換えれば部分基本照明ファセット115に分割された基本照明視野ファセット19Gを含む別の実施形態の視野ファセットブロック25を示している。補正照明視野ファセット19Kは、長手視野寸法xに沿って図44に記載の実施形態の部分補正視野ファセット116とは異なる延長を有する部分補正照明ファセット117に分割される。図46に記載の実施形態では、部分補正照明ファセット117は、各場合に、走査方向yに見た時に隣接する部分基本照明ファセット115の間の間隙xaを覆うように配置される。従って、図46に記載の実施形態では、部分補正照明ファセット117は、長手視野寸法xに沿って部分基本照明ファセット115に対して千鳥に配置され、部分補正照明ファセット117は、隣接する部分基本照明ファセット115の間の間隙xaの位置に配置される。縁部にある2つの部分補正照明ファセット117aを除き、図46に記載の補正照明視野ファセット119Kの残りの部分補正照明ファセット117は、部分基本照明ファセット115のx延長に対応するx延長を有し、その結果、隣接する部分補正照明ファセット117のx方向の距離も、距離xaと同様である。
【0250】
従って、部分補正ファセット117は、部分基本照明ファセット115を用いて、物体視野5の照明によって引き起こされる間隙効果を補償するのに用いることができる。
【0251】
図43から図46に記載の視野ファセットブロック25は、図42に記載の視野ファセットブロック25の配列に対して用いることができ、又は代替的に図41に記載の視野ファセットブロック25の配列に対して用いることができる。
【0252】
図示していない補正照明視野ファセット19Kの実施形態では、2つよりも多くの部分補正照明ファセット列が存在する。図43に記載の実施形態における2つの列112、113の代わりに、例えば、1:2:4又は1:2:4:8のy延長比を有することができる3つ又は更に多くの部分補正照明ファセット列が存在することができる。対応する補正1組のステップ関数に対応する他の延長比を考えることができる。
【0253】
基本照明視野ファセット19G及び補正照明視野ファセット19K、並びに上述の部分ファセットから成るファセット配列は、必ずしも形状が矩形である必要はなく、弓形形状を有することができる。弓形視野ファセットは、当業者には基本的に公知である。この場合、弓形視野ファセットは、対応する弓形形状を有する物体視野へと結像することができる。
【0254】
上述の実施形態では、物体視野照明は、矩形補正照明視野ファセット19K又は71それぞれを用いて補正される。本発明は、この種の矩形補正照明視野ファセット19K又は71に制限されない。特に、弓形物体視野の照明の補正を提供するために、上述の実施形態において湾曲補正照明視野ファセットを用いることができる。湾曲補正照明視野ファセットが用いられる場合には、基本照明視野ファセットも湾曲したものとすることができる。湾曲視野ファセットの形状は、弓形物体視野のものに対応することができる。
【0255】
照明光学系4を用いた照明補正は、以下の通りに行われる。第1の段階では、対応する検出器を用いて物体視野5内の照明強度分布が決められる。物体視野内の照明角度分布を付加的に測定することができる。次に、この測定結果に基づいて補正照明視野ファセット19K又は71の設計が計算され、同様に、この測定に基づいて、補正照明瞳ファセット27K又は76が、これらの補正照明視野ファセット19K又は71に割り当てられる。その後、計算された設計及び割り当てが照明光学系4内に与えられ、この段階は、例えば、用いられる補正照明視野ファセット19Kの絞り29から33による所定の選択によって行うことができる。次に、レチクル20及び照明感光コーティングが付加されたウェーハが準備される投影露光が続き、この投影露光中に、レチクル20の少なくとも一部分が投影露光装置1を用いてウェーハ上に投影される。照明光束10へのウェーハ上の感光層の露光の後に、この層は現像され、微細構造構成要素又はナノ構造構成要素、例えば、半導体チップが得られる。
【0256】
上述の補正照明視野ファセットの様々な変形は、その光束誘導効果を動的に制御するように機能することができる。この目的のために、補正照明視野ファセットは、投影露光装置の制御デバイスによって作動させることができる。この作動は、物体視野又は代替的に像視野内の長手視野寸法に沿った強度分布の測定に基づいて行うことができる。
【0257】
補正照明視野ファセットを含む視野ファセットミラー13が作動される時には、個々の補正照明視野ファセット又は補正照明視野ファセットの群を起動又は停止することができ、特に、これらが能動的に変位可能又は遮光可能である場合にそうすることができる。
【0258】
補正照明視野ファセットの上述の実施形態のうちの一部では、物体視野のうちの部分区域のみを照明することができる。部分区域のみの照明は、特定の視野高さにおける、すなわち、視野の部分区域内の強度降下を補正照明視野ファセットを用いてこれらの視野点に付加的な照明光を供給することによって補償するのに用いることができる。
【0259】
以上の補正照明視野ファセットの様々な実施形態の有効照明区域の境界形状は、少なくとも1つの屈曲点を有することができる。この境界は、補正照明視野ファセットの高反射区域とその低反射区域又は無反射区域との間の分離線とすることができる。少なくとも1つの屈曲点を有する境界は、物理的に存在するファセット境界とすることができる。この境界は、相応に形成された遮光体によって生成することができる。
【符号の説明】
【0260】
13 視野ファセットミラー
19 視野ファセット
19G 基本照明視野ファセット
19K 補正照明視野ファセット
27 瞳ファセット
27G 基本照明瞳ファセット
27K 補正照明瞳ファセット
x 長手視野寸法
y 短手視野寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流に配置されたその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、前記照明光束(10)のうちで該視野ファセット(19)のそれぞれの1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)によって前記物体視野(5)上に誘導されるように、該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
前記視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を用いて前記物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)を含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を用いて該物体視野(5)の該照明の補正をもたらす複数の補正照明視野ファセット(19K;71)をも含み、
前記視野ファセットミラー(13)は、前記物体視野(5)の前記照明に寄与する前記補正照明視野ファセット(19K;71)の個数及び/又は配列に関して異なる少なくとも2つの作動モードの間で切換可能であり、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、前記照明光(10)に対して所定の反射率を有し、これは、一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定のパターンを長手視野寸法(x)に沿って有する照明強度を備えた照明を前記物体視野(5)の該長手視野寸法(x)に沿ってもたらす、
ことを特徴とする照明光学系。
【請求項2】
前記瞳ファセットミラー(14)の前に配列可能であり、各々が、異なる配列の割り当てられた補正照明視野ファセット(19K)の照明光部分を遮光する複数の絞り(29から32;77)を特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
【請求項3】
前記補正照明視野ファセット(71)の少なくとも1つが、前記物体視野(5)全体を照明せず、その部分区域のみを照明することを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項4】
前記補正照明視野ファセット(19K)のうちのいくつかの部分(34)には、高反射コーティングが設けられないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項5】
前記補正照明視野ファセット(19K)のうちの少なくともいくつかの部分は、可変反射率を有するEUV灰色フィルタとして設計されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項6】
前記灰色フィルタは、前記補正照明視野ファセット(19K)の反射面を所定の分布の吸収点構造(38)で覆うことによって形成されることを特徴とする請求項5に記載の照明光学系。
【請求項7】
前記補正照明視野ファセット(19K)上には、前記吸収点構造(38)を有する灰色フィルタ部分(37)が設けられ、
前記灰色フィルタ部分(37)は、吸収点構造も持たない残りの補正照明視野ファセット(19K)から分離される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項8】
前記吸収点構造(38)は、前記灰色フィルタ部分(37)に一定の面積密度で配置され、可変反射率が、前記長手視野ファセット寸法(x)に垂直(y)である該灰色フィルタ部分(37)の幅を変化させることによって達成されることを特徴とする請求項7に記載の照明光学系。
【請求項9】
前記灰色フィルタ部分(37)の最大幅(K)が、前記長手視野ファセット寸法(y)に垂直な前記補正照明視野ファセット(19K)の幅(yFF)よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の照明光学系。
【請求項10】
前記灰色フィルタ部分において、前記点構造(38)は、変化する面積密度で配置されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項11】
少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセット(19K)を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項12】
補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')が、前記類似する補正照明視野ファセット(19K1/19K1',19K2/19K2',19K3/19K3',19K4/19K4',19K5/19K5',19K6/l9K6')に割り当てられ、該割り当てられた補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')は、前記瞳ファセットミラー(14)によって形成される瞳の中心(36)に関して点対称であることを特徴とする請求項11に記載の照明光学系。
【請求項13】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域が、前記基本照明視野ファセット(19G)の境界形状から逸脱する境界形状を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項14】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域の境界形状が、少なくとも1つの屈曲点を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項15】
前記補正照明視野ファセット(71)は、基本照明視野ファセット(19G)の部分表面積である表面積を有することを特徴とする請求項3から請求項14のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項16】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)は、少なくとも1つの能動的に変位可能なミラーであることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項17】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)は、少なくとも1つの能動的に傾斜可能及び/又はシフト可能なミラーであることを特徴とする請求項16に記載の照明光学系。
【請求項18】
前記補正照明視野ファセット(19K)の有効照明区域及び/又は前記補正照明瞳ファセット(27K)の有効照明区域の境界形状が、遮光体(47)によって影響を受けることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項19】
前記遮光体(47)を支持するための支持構造が、前記視野ファセットミラー(13)の遮光空間(39)に配置されることを特徴とする請求項18に記載の照明光学系。
【請求項20】
前記遮光体(47)は、前記ファセットミラー(13,14)の反射面(59)によって形成された反射平面から距離を置いて配置されることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の照明光学系。
【請求項21】
前記遮光体(47)は、2つのファセット(19K1/19K2,19K8/19K9)の間に取り付けられることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項22】
前記遮光体(47)は、基部本体(49)を含み、
前記基部本体は、2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の間隙(48)に沿って延び、
前記基部本体の幅が、前記2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の前記間隙(48)の幅よりも大きくなく、かつ
前記基部本体上に、前記2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の前記間隙(48)の前記幅よりも大きい幅を有する遮光部分(50)が配置される、
ことを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項23】
基部本体(49)としてのワイヤを特徴とする請求項22に記載の照明光学系。
【請求項24】
基部本体(49)としてのフィルムストリップ又はテープを特徴とする請求項22に記載の照明光学系。
【請求項25】
前記遮光部分(50)は、それらが、ブランク基部本体(49)の縁部から材料を除去することによって形成されるような方法で構成されることを特徴とする請求項22から請求項24のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項26】
前記遮光部分は、それらが、前記ブランク基部本体(49)の前記縁部から材料を切削することによって形成されるような方法で構成されることを特徴とする請求項25に記載の照明光学系。
【請求項27】
前記遮光部分(50)は、少なくとも前記照明光束(10)のビーム方向に垂直な寸法(y)における前記基部本体(49)の厚み変動によって形成されることを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項28】
前記基部本体(49)の正弦厚み変動を特徴とする請求項27に記載の照明光学系。
【請求項29】
前記遮光部分(50)は、円盤形であることを特徴とする請求項22から請求項28のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項30】
複数の遮光部分(50)が、照明光学系(4)の視野平面(6)内の所定の強度分布(I(x))に対応するシーケンスで前記基部本体(49)に沿って配置されることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項31】
各場合に1つの基部本体(49)及び各場合に複数の遮光部分(50)であり、前記遮光体(47)の少なくとも2つが、以下のパラメータ:
前記基部本体(49)に沿った前記遮光部分(50)の距離、
関連の補正照明ファセット(19K)に対する前記遮光部分(50)の位置、
前記遮光部分(50)の遮光直径、
の群のうちの少なくとも1つにおいて互いに異なる複数の遮光体(47)を特徴とする請求項18から請求項30のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項32】
前記遮光体(47)は、それに割り当てられた前記補正照明ファセット(19K)よりも前記長手視野ファセット寸法(x)に沿ってより長いことを特徴とする請求項18から請求項31のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項33】
前記遮光体(47)の両端が、それらを繰り出すことができる少なくとも1つのロール(53,54)上に巻き取られ、遮光に用いられる該遮光体(47)の区域(55)が、該2つのロール(53,54)の間で誘導されることを特徴とする請求項32に記載の照明光学系。
【請求項34】
前記遮光体(47)を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部を特徴とする請求項33に記載の照明光学系。
【請求項35】
前記ロール(53,54)及び前記駆動部(56)は、残りの照明光学系(4)が配置される排除空間(57)の外側に配置されることを特徴とする請求項34に記載の照明光学系。
【請求項36】
前記遮光部分(50)の形態を定めるための形成デバイスを特徴とする請求項22から請求項35のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項37】
前記遮光体(47)上のマークを検出するための読取デバイス(62)を特徴とする請求項18から請求項36のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項38】
前記遮光体(47)は、2つのファセット(19K)の間に挿入される挿入部分(67)を含むことを特徴とする請求項18から請求項37のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項39】
前記遮光体(47)は、前記ファセットミラー(13)の反射面(59)に対して垂直に変位可能(69)であることを特徴とする請求項38に記載の照明光学系。
【請求項40】
前記補正照明視野ファセット(71)は、前記視野ファセットミラー(13)の基本照明輪郭の外側に配置され、該輪郭は、前記基本照明視野ファセット(19G)の全てによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項41】
前記補正照明瞳ファセット(27K)は、前記瞳ファセットミラー(14)の基本照明輪郭内に配置され、該輪郭は、前記基本照明瞳ファセット(27G)の全てによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項40のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項42】
遮光体(77)が、前記補正照明瞳ファセット(76)の少なくとも1つに割り当てられ、該遮光体(77)は、該補正照明瞳ファセット(76)を可変方式で覆うことを特徴とする請求項1から請求項41のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項43】
前記基本照明視野ファセット(19G)の少なくとも一部が、該基本照明視野ファセット(19G)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項42のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項44】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の少なくとも一部が、該補正照明視野ファセット(19K;71)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項43のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項45】
前記基本照明瞳ファセット(27G)の少なくとも一部が、該基本照明瞳ファセット(27G)の変位に向けて少なくとも1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項44のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項46】
前記補正照明瞳ファセット(27K;76)の少なくとも一部が、該補正照明瞳ファセット(27K;76)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項45のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項47】
前記補正照明視野ファセット(19K)は、前記照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から前記補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)によって完全には伝達されず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向されることを特徴とする請求項1から請求項46のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項48】
前記補正照明瞳ファセット(27K)は、前記照明光束(10)のうちで該補正照明瞳ファセット(27K)から前記物体視野(5)に伝達される部分が、該物体視野(5)に完全には到達せず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該物体視野に対して配向されることを特徴とする請求項1から請求項47のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項49】
前記補正照明視野ファセット(19K)の少なくとも1つが、互いに独立に配向可能である複数の部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)に分割されることを特徴とする請求項1から請求項48のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項50】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116)は、前記基本照明視野ファセット(19G)よりも前記長手視野ファセット寸法(x)に沿ってより小さい延長を有することを特徴とする請求項49に記載の照明光学系。
【請求項51】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)は、前記長手視野ファセット寸法に沿って少なくとも1つの列で配置されることを特徴とする請求項49又は請求項50に記載の照明光学系。
【請求項52】
前記基本照明視野ファセット(19G)は、前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って複数の部分基本照明ファセット(115)に分割されることを特徴とする請求項49から請求項51に記載の照明光学系。
【請求項53】
隣接する部分基本照明ファセット(115)の間に間隙(x0)が存在し、前記部分補正照明ファセット(116a;117)の少なくとも一部は、それらが、前記短手視野ファセット寸法(y)の方向に見た時に該間隙(x0)を覆うような方法で配置されることを特徴とする請求項52に記載の照明光学系。
【請求項54】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)及び/又は前記部分基本照明ファセット(11)は、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして設計されることを特徴とする請求項49から請求項53のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項55】
前記部分補正照明ファセット(110)は、該部分補正照明ファセット(110)の一部分(yi)のみが、前記短手視野ファセット寸法(y)の方向に照明光(3,109)によって到達可能であるように、前記視野ファセットミラー(13)の支持体(26,108)の部分遮光区域上に配置されることを特徴とする請求項49から請求項54のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項56】
前記部分補正照明ファセット(114a,114b;116;117)は、前記基本照明視野ファセット(y0)よりも前記短手視野ファセット寸法に沿ってより短い延長(ya,yb)を有することを特徴とする請求項49から請求項55のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項57】
前記視野ファセットミラー(13)は、複数の視野ファセットブロック(25)に分割され、前記補正照明視野ファセット(19K)は、各場合に該視野ファセットブロック(25)のうちの1つの縁部でファセット(19)を形成することを特徴とする請求項49から請求項56のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項58】
前記視野ファセットブロック(25)は、前記視野ファセットミラー(13)の前記支持体(26)の主支持体平面に垂直な方向(z)に階段の方式で互いに対して千鳥に配置されることを特徴とする請求項57に記載の照明光学系。
【請求項59】
前記部分補正照明ファセット(114)は、前記長手視野寸法(x)に沿っていくつかの列(112,113)で配置されることを特徴とする請求項49から請求項58のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項60】
前記部分補正照明ファセット(114)は、前記短手視野寸法(y)に沿って様々な列(112,113)において異なる延長(ya,yb)を有することを特徴とする請求項59に記載の照明光学系。
【請求項61】
1:2よりも大きくない前記延長の間の比(ya/yb)を特徴とする請求項60に記載の照明光学系。
【請求項62】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域の境界形状が、少なくとも1つの屈曲点を有する、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項63】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)の有効照明区域及び/又は該補正照明瞳ファセット(27K)の有効照明区域の境界形状が、遮光体(47)を用いて影響を受け、
前記遮光体(47)を支持するための支持構造体が、前記視野ファセットミラー(13)の遮光空間(39)に配置される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項64】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)は、照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から該補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)によって完全には伝達されず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項65】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)は、照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から該補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)に完全には到達せず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項66】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、一定の反射率から所定の方式で逸脱する前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って所定のパターンに従う前記照明光(10)に対する反射率を有し、
個別の灰色フィルタ部分(37)が、前記補正照明視野ファセット(19K)上に設けられ、
前記灰色フィルタ部分(37)には、一定の面積密度を有する吸収点構造(38)が設けられ、可変反射率が、前記長手視野ファセット寸法(x)に対して垂直(y)に該灰色フィルタ部分(37)の幅を変化させることによって達成される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項67】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、一定の反射率から所定の方式で逸脱する前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って所定のパターンに従う前記照明光(10)に対する反射率を有し、
灰色フィルタ部分(37)が、前記補正照明視野ファセット(19K)上に設けられ、
吸収点構造(38)が、変化する面積密度で前記灰色フィルタ部分(37)に配置される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項68】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記視野ファセットミラー(13)は、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセット(19K)を含み、
補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')が、前記類似する補正照明視野ファセット(19K1/19K1',19K2/19K2',19K3/19K3',19K4/19K4',19K5/19K5',19K6/l9K6')に割り当てられ、該割り当てられた補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')は、前記瞳ファセットミラー(14)によって形成される瞳の中心(36)に関して点対称である、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項69】
請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系と、
像視野(8)上への物体視野(5)の投影のための投影光学系(7)と、
を含むことを特徴とする光学系。
【請求項70】
請求項69に記載の光学系と、
照明光束(10)を発生させるためのEUV放射線源(3)と、
を含むことを特徴とする投影露光装置。
【請求項71】
請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系(4)を用いた照明補正の方法であって、
放射線源(3)の照明光束(10)を用いて物体視野(5)の照明の強度分布又は角度分布を検出する段階と、
望ましい強度分布又は角度分布を得るために、補正照明視野ファセット(19K;71)の配列、及びこれらの補正照明視野ファセット(19K;71)への補正照明瞳ファセット(27K;76)の割り当てを準備する段階と、
を含み、
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の前記配列は、1組の関数に基づいて準備され、視野高さにわたってこの関数の組に対応する強度変動を有する1組の補正照明視野ファセットが設けられる、
ことを特徴とする方法。
【請求項72】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の前記配列を準備する段階の後に、対応する作動モードが選択されて切り換えられることを特徴とする請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系(4)を用いた請求項71に記載の方法。
【請求項73】
微細構造構成要素を製造する方法であって、
レチクル(20)を準備する段階と、
照明光束(10)に対して感光性のコーティングを有するウェーハを準備する段階と、
請求項70に記載の投影露光装置を用いて、前記レチクル(20)の少なくとも一部分を前記ウェーハ上に投影する段階と、
前記照明光束(10)への露光の後に前記ウェーハ上の層を現像する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項71又は請求項72のいずれか1項に記載の照明補正が、前記投影の前に行われることを特徴とする請求項73に記載の方法。
【請求項75】
請求項73又は請求項74に記載の方法に従って製造された構成要素。
【請求項1】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流に配置されたその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、前記照明光束(10)のうちで該視野ファセット(19)のそれぞれの1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)によって前記物体視野(5)上に誘導されるように、該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
前記視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を用いて前記物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)を含むだけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を用いて該物体視野(5)の該照明の補正をもたらす複数の補正照明視野ファセット(19K;71)をも含み、
前記視野ファセットミラー(13)は、前記物体視野(5)の前記照明に寄与する前記補正照明視野ファセット(19K;71)の個数及び/又は配列に関して異なる少なくとも2つの作動モードの間で切換可能であり、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、前記照明光(10)に対して所定の反射率を有し、これは、一定の強度露光から所定の方式で逸脱する所定のパターンを長手視野寸法(x)に沿って有する照明強度を備えた照明を前記物体視野(5)の該長手視野寸法(x)に沿ってもたらす、
ことを特徴とする照明光学系。
【請求項2】
前記瞳ファセットミラー(14)の前に配列可能であり、各々が、異なる配列の割り当てられた補正照明視野ファセット(19K)の照明光部分を遮光する複数の絞り(29から32;77)を特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
【請求項3】
前記補正照明視野ファセット(71)の少なくとも1つが、前記物体視野(5)全体を照明せず、その部分区域のみを照明することを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項4】
前記補正照明視野ファセット(19K)のうちのいくつかの部分(34)には、高反射コーティングが設けられないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項5】
前記補正照明視野ファセット(19K)のうちの少なくともいくつかの部分は、可変反射率を有するEUV灰色フィルタとして設計されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項6】
前記灰色フィルタは、前記補正照明視野ファセット(19K)の反射面を所定の分布の吸収点構造(38)で覆うことによって形成されることを特徴とする請求項5に記載の照明光学系。
【請求項7】
前記補正照明視野ファセット(19K)上には、前記吸収点構造(38)を有する灰色フィルタ部分(37)が設けられ、
前記灰色フィルタ部分(37)は、吸収点構造も持たない残りの補正照明視野ファセット(19K)から分離される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項8】
前記吸収点構造(38)は、前記灰色フィルタ部分(37)に一定の面積密度で配置され、可変反射率が、前記長手視野ファセット寸法(x)に垂直(y)である該灰色フィルタ部分(37)の幅を変化させることによって達成されることを特徴とする請求項7に記載の照明光学系。
【請求項9】
前記灰色フィルタ部分(37)の最大幅(K)が、前記長手視野ファセット寸法(y)に垂直な前記補正照明視野ファセット(19K)の幅(yFF)よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の照明光学系。
【請求項10】
前記灰色フィルタ部分において、前記点構造(38)は、変化する面積密度で配置されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項11】
少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセット(19K)を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項12】
補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')が、前記類似する補正照明視野ファセット(19K1/19K1',19K2/19K2',19K3/19K3',19K4/19K4',19K5/19K5',19K6/l9K6')に割り当てられ、該割り当てられた補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')は、前記瞳ファセットミラー(14)によって形成される瞳の中心(36)に関して点対称であることを特徴とする請求項11に記載の照明光学系。
【請求項13】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域が、前記基本照明視野ファセット(19G)の境界形状から逸脱する境界形状を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項14】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域の境界形状が、少なくとも1つの屈曲点を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項15】
前記補正照明視野ファセット(71)は、基本照明視野ファセット(19G)の部分表面積である表面積を有することを特徴とする請求項3から請求項14のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項16】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)は、少なくとも1つの能動的に変位可能なミラーであることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項17】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)は、少なくとも1つの能動的に傾斜可能及び/又はシフト可能なミラーであることを特徴とする請求項16に記載の照明光学系。
【請求項18】
前記補正照明視野ファセット(19K)の有効照明区域及び/又は前記補正照明瞳ファセット(27K)の有効照明区域の境界形状が、遮光体(47)によって影響を受けることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項19】
前記遮光体(47)を支持するための支持構造が、前記視野ファセットミラー(13)の遮光空間(39)に配置されることを特徴とする請求項18に記載の照明光学系。
【請求項20】
前記遮光体(47)は、前記ファセットミラー(13,14)の反射面(59)によって形成された反射平面から距離を置いて配置されることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の照明光学系。
【請求項21】
前記遮光体(47)は、2つのファセット(19K1/19K2,19K8/19K9)の間に取り付けられることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項22】
前記遮光体(47)は、基部本体(49)を含み、
前記基部本体は、2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の間隙(48)に沿って延び、
前記基部本体の幅が、前記2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の前記間隙(48)の幅よりも大きくなく、かつ
前記基部本体上に、前記2つの隣接するファセット(19K1/19K2)の間の前記間隙(48)の前記幅よりも大きい幅を有する遮光部分(50)が配置される、
ことを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項23】
基部本体(49)としてのワイヤを特徴とする請求項22に記載の照明光学系。
【請求項24】
基部本体(49)としてのフィルムストリップ又はテープを特徴とする請求項22に記載の照明光学系。
【請求項25】
前記遮光部分(50)は、それらが、ブランク基部本体(49)の縁部から材料を除去することによって形成されるような方法で構成されることを特徴とする請求項22から請求項24のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項26】
前記遮光部分は、それらが、前記ブランク基部本体(49)の前記縁部から材料を切削することによって形成されるような方法で構成されることを特徴とする請求項25に記載の照明光学系。
【請求項27】
前記遮光部分(50)は、少なくとも前記照明光束(10)のビーム方向に垂直な寸法(y)における前記基部本体(49)の厚み変動によって形成されることを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項28】
前記基部本体(49)の正弦厚み変動を特徴とする請求項27に記載の照明光学系。
【請求項29】
前記遮光部分(50)は、円盤形であることを特徴とする請求項22から請求項28のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項30】
複数の遮光部分(50)が、照明光学系(4)の視野平面(6)内の所定の強度分布(I(x))に対応するシーケンスで前記基部本体(49)に沿って配置されることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項31】
各場合に1つの基部本体(49)及び各場合に複数の遮光部分(50)であり、前記遮光体(47)の少なくとも2つが、以下のパラメータ:
前記基部本体(49)に沿った前記遮光部分(50)の距離、
関連の補正照明ファセット(19K)に対する前記遮光部分(50)の位置、
前記遮光部分(50)の遮光直径、
の群のうちの少なくとも1つにおいて互いに異なる複数の遮光体(47)を特徴とする請求項18から請求項30のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項32】
前記遮光体(47)は、それに割り当てられた前記補正照明ファセット(19K)よりも前記長手視野ファセット寸法(x)に沿ってより長いことを特徴とする請求項18から請求項31のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項33】
前記遮光体(47)の両端が、それらを繰り出すことができる少なくとも1つのロール(53,54)上に巻き取られ、遮光に用いられる該遮光体(47)の区域(55)が、該2つのロール(53,54)の間で誘導されることを特徴とする請求項32に記載の照明光学系。
【請求項34】
前記遮光体(47)を巻き取り、かつ繰り出すための駆動部を特徴とする請求項33に記載の照明光学系。
【請求項35】
前記ロール(53,54)及び前記駆動部(56)は、残りの照明光学系(4)が配置される排除空間(57)の外側に配置されることを特徴とする請求項34に記載の照明光学系。
【請求項36】
前記遮光部分(50)の形態を定めるための形成デバイスを特徴とする請求項22から請求項35のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項37】
前記遮光体(47)上のマークを検出するための読取デバイス(62)を特徴とする請求項18から請求項36のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項38】
前記遮光体(47)は、2つのファセット(19K)の間に挿入される挿入部分(67)を含むことを特徴とする請求項18から請求項37のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項39】
前記遮光体(47)は、前記ファセットミラー(13)の反射面(59)に対して垂直に変位可能(69)であることを特徴とする請求項38に記載の照明光学系。
【請求項40】
前記補正照明視野ファセット(71)は、前記視野ファセットミラー(13)の基本照明輪郭の外側に配置され、該輪郭は、前記基本照明視野ファセット(19G)の全てによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項41】
前記補正照明瞳ファセット(27K)は、前記瞳ファセットミラー(14)の基本照明輪郭内に配置され、該輪郭は、前記基本照明瞳ファセット(27G)の全てによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項40のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項42】
遮光体(77)が、前記補正照明瞳ファセット(76)の少なくとも1つに割り当てられ、該遮光体(77)は、該補正照明瞳ファセット(76)を可変方式で覆うことを特徴とする請求項1から請求項41のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項43】
前記基本照明視野ファセット(19G)の少なくとも一部が、該基本照明視野ファセット(19G)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項42のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項44】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の少なくとも一部が、該補正照明視野ファセット(19K;71)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項43のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項45】
前記基本照明瞳ファセット(27G)の少なくとも一部が、該基本照明瞳ファセット(27G)の変位に向けて少なくとも1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項44のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項46】
前記補正照明瞳ファセット(27K;76)の少なくとも一部が、該補正照明瞳ファセット(27K;76)の変位に向けて各場合に1つのアクチュエータと協働することを特徴とする請求項1から請求項45のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項47】
前記補正照明視野ファセット(19K)は、前記照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から前記補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)によって完全には伝達されず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向されることを特徴とする請求項1から請求項46のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項48】
前記補正照明瞳ファセット(27K)は、前記照明光束(10)のうちで該補正照明瞳ファセット(27K)から前記物体視野(5)に伝達される部分が、該物体視野(5)に完全には到達せず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該物体視野に対して配向されることを特徴とする請求項1から請求項47のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項49】
前記補正照明視野ファセット(19K)の少なくとも1つが、互いに独立に配向可能である複数の部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)に分割されることを特徴とする請求項1から請求項48のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項50】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116)は、前記基本照明視野ファセット(19G)よりも前記長手視野ファセット寸法(x)に沿ってより小さい延長を有することを特徴とする請求項49に記載の照明光学系。
【請求項51】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)は、前記長手視野ファセット寸法に沿って少なくとも1つの列で配置されることを特徴とする請求項49又は請求項50に記載の照明光学系。
【請求項52】
前記基本照明視野ファセット(19G)は、前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って複数の部分基本照明ファセット(115)に分割されることを特徴とする請求項49から請求項51に記載の照明光学系。
【請求項53】
隣接する部分基本照明ファセット(115)の間に間隙(x0)が存在し、前記部分補正照明ファセット(116a;117)の少なくとも一部は、それらが、前記短手視野ファセット寸法(y)の方向に見た時に該間隙(x0)を覆うような方法で配置されることを特徴とする請求項52に記載の照明光学系。
【請求項54】
前記部分補正照明ファセット(110;111;114;116;117)及び/又は前記部分基本照明ファセット(11)は、互いに独立に作動可能なマイクロミラーとして設計されることを特徴とする請求項49から請求項53のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項55】
前記部分補正照明ファセット(110)は、該部分補正照明ファセット(110)の一部分(yi)のみが、前記短手視野ファセット寸法(y)の方向に照明光(3,109)によって到達可能であるように、前記視野ファセットミラー(13)の支持体(26,108)の部分遮光区域上に配置されることを特徴とする請求項49から請求項54のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項56】
前記部分補正照明ファセット(114a,114b;116;117)は、前記基本照明視野ファセット(y0)よりも前記短手視野ファセット寸法に沿ってより短い延長(ya,yb)を有することを特徴とする請求項49から請求項55のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項57】
前記視野ファセットミラー(13)は、複数の視野ファセットブロック(25)に分割され、前記補正照明視野ファセット(19K)は、各場合に該視野ファセットブロック(25)のうちの1つの縁部でファセット(19)を形成することを特徴とする請求項49から請求項56のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項58】
前記視野ファセットブロック(25)は、前記視野ファセットミラー(13)の前記支持体(26)の主支持体平面に垂直な方向(z)に階段の方式で互いに対して千鳥に配置されることを特徴とする請求項57に記載の照明光学系。
【請求項59】
前記部分補正照明ファセット(114)は、前記長手視野寸法(x)に沿っていくつかの列(112,113)で配置されることを特徴とする請求項49から請求項58のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項60】
前記部分補正照明ファセット(114)は、前記短手視野寸法(y)に沿って様々な列(112,113)において異なる延長(ya,yb)を有することを特徴とする請求項59に記載の照明光学系。
【請求項61】
1:2よりも大きくない前記延長の間の比(ya/yb)を特徴とする請求項60に記載の照明光学系。
【請求項62】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K;71)の有効照明区域の境界形状が、少なくとも1つの屈曲点を有する、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項63】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)の有効照明区域及び/又は該補正照明瞳ファセット(27K)の有効照明区域の境界形状が、遮光体(47)を用いて影響を受け、
前記遮光体(47)を支持するための支持構造体が、前記視野ファセットミラー(13)の遮光空間(39)に配置される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項64】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)は、照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から該補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)によって完全には伝達されず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項65】
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)が、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)が、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられる、
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
視野ファセットミラー(13)が、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、該補正照明視野ファセット(19K)は、照明光束(10)のうちで該補正照明視野ファセット(19K)から該補正照明瞳ファセット(27K)に伝達される部分が、該補正照明瞳ファセット(27K)に完全には到達せず、その縁部において所定の方式で遮断されるような方法で該補正照明瞳ファセット(27K)に対して配向される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項66】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、一定の反射率から所定の方式で逸脱する前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って所定のパターンに従う前記照明光(10)に対する反射率を有し、
個別の灰色フィルタ部分(37)が、前記補正照明視野ファセット(19K)上に設けられ、
前記灰色フィルタ部分(37)には、一定の面積密度を有する吸収点構造(38)が設けられ、可変反射率が、前記長手視野ファセット寸法(x)に対して垂直(y)に該灰色フィルタ部分(37)の幅を変化させることによって達成される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項67】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記補正照明視野ファセット(19K)は、一定の反射率から所定の方式で逸脱する前記長手視野ファセット寸法(x)に沿って所定のパターンに従う前記照明光(10)に対する反射率を有し、
灰色フィルタ部分(37)が、前記補正照明視野ファセット(19K)上に設けられ、
吸収点構造(38)が、変化する面積密度で前記灰色フィルタ部分(37)に配置される、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項68】
長手視野寸法(x)と短手視野寸法(y)の間で1よりも大きいアスペクト比を有する物体視野(5)に放射線源(3)からの照明光束(10)を誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系(4)であって、
物体視野(5)内に所定の照明条件を設定するための複数の視野ファセット(19)を有する視野ファセットミラー(13)と、
照明光(10)を前記物体視野(5)内に伝達するために前記視野ファセットミラー(13)の下流にあるその後の光学系(14,15)と、
を含み、
前記その後の光学系(14,15)は、複数の瞳ファセット(27)を有する瞳ファセットミラー(14)を含み、前記視野ファセット(19)は、照明光束(10)のうちで各場合に該視野ファセット(19)の1つに入射する部分が、関連の瞳ファセット(27)を通じて前記物体視野(5)上に誘導されるように、各場合に該瞳ファセット(27)に個々に割り当てられ、
視野ファセットミラー(13)は、関連の基本照明瞳ファセット(27G)を通じて物体視野(5)の基本照明を与える複数の基本照明視野ファセット(19G)だけではなく、関連の補正照明瞳ファセット(27K;76)を通じて該物体視野(5)の該照明を補正することを可能にする複数の補正照明視野ファセット(19K;71)も含み、
前記視野ファセットミラー(13)は、少なくとも2つの類似する補正照明視野ファセット(19K)を含み、
補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')が、前記類似する補正照明視野ファセット(19K1/19K1',19K2/19K2',19K3/19K3',19K4/19K4',19K5/19K5',19K6/l9K6')に割り当てられ、該割り当てられた補正照明瞳ファセット(27K1,/27K1',27K2/27K2',27K3/27K3',27K4/27K4',27K5/27K5',27K6/27K6')は、前記瞳ファセットミラー(14)によって形成される瞳の中心(36)に関して点対称である、
ことを特徴とする照明光学系(4)。
【請求項69】
請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系と、
像視野(8)上への物体視野(5)の投影のための投影光学系(7)と、
を含むことを特徴とする光学系。
【請求項70】
請求項69に記載の光学系と、
照明光束(10)を発生させるためのEUV放射線源(3)と、
を含むことを特徴とする投影露光装置。
【請求項71】
請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系(4)を用いた照明補正の方法であって、
放射線源(3)の照明光束(10)を用いて物体視野(5)の照明の強度分布又は角度分布を検出する段階と、
望ましい強度分布又は角度分布を得るために、補正照明視野ファセット(19K;71)の配列、及びこれらの補正照明視野ファセット(19K;71)への補正照明瞳ファセット(27K;76)の割り当てを準備する段階と、
を含み、
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の前記配列は、1組の関数に基づいて準備され、視野高さにわたってこの関数の組に対応する強度変動を有する1組の補正照明視野ファセットが設けられる、
ことを特徴とする方法。
【請求項72】
前記補正照明視野ファセット(19K;71)の前記配列を準備する段階の後に、対応する作動モードが選択されて切り換えられることを特徴とする請求項1から請求項68のいずれか1項に記載の照明光学系(4)を用いた請求項71に記載の方法。
【請求項73】
微細構造構成要素を製造する方法であって、
レチクル(20)を準備する段階と、
照明光束(10)に対して感光性のコーティングを有するウェーハを準備する段階と、
請求項70に記載の投影露光装置を用いて、前記レチクル(20)の少なくとも一部分を前記ウェーハ上に投影する段階と、
前記照明光束(10)への露光の後に前記ウェーハ上の層を現像する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項71又は請求項72のいずれか1項に記載の照明補正が、前記投影の前に行われることを特徴とする請求項73に記載の方法。
【請求項75】
請求項73又は請求項74に記載の方法に従って製造された構成要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図24】
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【図28】
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【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
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【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公表番号】特表2011−519172(P2011−519172A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506588(P2011−506588)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002584
【国際公開番号】WO2009/132756
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002584
【国際公開番号】WO2009/132756
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】
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