説明

FFCケーブル

【課題】作業者が、折曲げ位置又は折曲り角度を目視で確認しながら折曲げ作業を正確に行うことのできるFFCケーブルを提供する。
【解決手段】外皮フィルム11,12に、線状導電パターン10の長さ方向Xに直交する方向Yの多数の直線31を表示する。直線31,31の相互間隔を等間隔に定めて目盛りとして使用する。一定本数ごとに位置している直線31aを太線で表示する。直線31,31の相互間隔寸法を1mmに定める。中間部の複数箇所を直角に折り曲げたFFCケーブルAによって液晶表示モジュールのドライバ基板40とデジタル基板60とを接続すると、FFCケーブルAが一定の引き廻し経路に配備される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折返し状に直角又は略直角に折り曲げて使用されるフレキシブルフラットケーブル(FFCケーブル)に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のFFCケーブルについては、折曲げ精度を高めるための対策が講じられた先行例が種々提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。このうち、特許文献1では、導電パターンを斜めに横切る折曲げ線に沿って、強度の小さい折曲げガイドを設けることによって、折曲げ位置の精度を高めることが示唆されている。また、特許文献2では、配線層を斜めに横切る折曲ガイド線をフィルム材表面に印刷しておくことによって、折曲げ位置の精度を高めることが示唆されている。
【0003】
また、フレキシブルプリント基板では、折曲げ作業性を改善するための対策として、配線パターンを被覆している保護フィルムの一部を削除することも提案されている(たとえば、特許文献3参照)。さらに、折返し位置を規定する折返し位置決めパターンを形成したフレキシブル多層プリント配線板用基材も知られている(たとえば、特許文献4参照)。
【0004】
図4は従来例によるFFCケーブルAを説明的に示した一部破断正面図、図5は折返し状に折り曲げられた図4のFFCケーブルAを説明的に示した正面図である。
【0005】
このFFCケーブルAは、並列する複数の線状導電パターン10…が、ベースフィルムやカバーフィルムといった外皮フィルム11,12によって被覆されている。また、線状導電パターン10…はその長さ方向の両端部が、外皮フィルムの欠除箇所13,14から外部に露出する電極15,16として形成されている。
【0006】
上記のような基本構成を備えたFFCケーブルAにおいて、その両端部の電極15,16は、所定の回路を備える配線基板に実装されたコネクタ(不図示)に差込み接続される。このような態様でFFCケーブルAの線処理を行う場合、FFCケーブルAの引き廻し経路を一定に定めてそのFFCケーブルAが他の電気電子部品などとの間で電気的物理的な悪影響を及ぼさないようにすることが要求されることがある。たとえば、テレビジョン受像機などの液晶表示モジュールに備わっているドライバ基板とデジタル基板とを接続するFFCケーブルでは、上記のようにFFCケーブルAの引き廻し経路が一定に定められる。
【0007】
そこで、FFCケーブルAを、線状導電パターン10…の長さ方向の中間部の1箇所又は複数箇所で折返し状に折り曲げる、ということが行われる。一般的な折曲げ工程では、図5のように、FFCケーブルAをその幅方向に対して斜めに傾斜した折曲げ線20に沿って折返し状に折り曲げることが行われる。そして、その折曲げ工程では、折曲げ線20を境にして区画される一方側領域Z1と他方側領域Z2とのうち、たとえば一方側領域Z1の長さLを適切に定めることや、一方側領域Z1と他方側領域Z2との折曲り角度(開き角度)θが直角又は許容できる範囲内で略直角であること、などが要求される。
【0008】
そこで、従来では、それらの要求を満たして折曲げ位置や折曲り角度の精度といった折曲げ精度を高めるために、折り曲げ後のFFCケーブルAの適正な形状を、あらかじめ帯状の紙片を折り曲げて作製し、こうして作製された紙製ダミーの形状に合わせてFFCケーブルAを折り曲げるという作業を行うことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−235735号公報
【特許文献2】実開平5−25757号公報
【特許文献3】特開2010−129685号公報
【特許文献4】特開2004−311833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記したような紙製ダミーをあらかじめ作製したり、そのダミーの形状に合わせてFFCケーブルAを折り曲げたりすることは、煩わしいだけでなく一定の熟練が必要になるという問題があった。
【0011】
また、紙製ダミーの形状に合わせてFFCケーブルAを折り曲げる作業を行ったとしても、折曲げ位置の精度を確保できずに、上記した一方側領域Z1の長さLに許容し得ない程度の誤差が生じたり、折曲り角度の精度を確保できずに、一方側領域Z1と他方側領域Z2との折曲り角度θが直角にならず、図2のように直角よりも狭い許容範囲外の角度になったり、直角よりも広い許容範囲外の角度になったりする、という事態の起こり得るおそれがあるという問題があった。
【0012】
一方、先行例としての特許文献1のものでは、折曲げガイドにスリットを設けるなどの手段を講じてその強度を弱めるという対策を講じているため、FFCケーブルの構成がそれだけ複雑になるという不利がある。
【0013】
特許文献2のものでは、フィルム材表面に印刷した折曲げ線に沿って折り曲げるので、折曲げ位置の精度を高めることが容易である、ということが云える。しかしながら、折曲げ箇所が折曲げ線を印刷した箇所だけに限定されてしまうため、FFCケーブルの引き廻しの仕様が異なる機器に対しては、その機器に特化した折曲げ線をあらかじめ印刷した専用のFFCケーブルを特別に使用しなければならないという不便がある。
【0014】
特許文献3のものでは、配線パターンを被覆している保護フィルムの一部を削除することが必要であるので、その削除作業にコストと手間がかかるという不利がある。
【0015】
特許文献4のものは、折返し位置を規定する折返し位置決めパターンを形成するというものであるので、FFCケーブルの構成が複雑になるだけでなく、並列する複数の線状導電パターンを外皮フィルムによって被覆したような帯状のFFCケーブルに適用するには不向きである。
【0016】
本発明は、以上の問題や状況に鑑みてなされたものであり、作業者が、折曲げ位置又は折曲り角度を目視で確認しながら折曲げ作業を正確に行うことのできる対策を講じることによって、折曲げ位置又は折曲り角度などの折曲げ精度を容易に高めることのできるFFCケーブルを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、テレビジョン受像機などの液晶表示モジュールに備わっているドライバ基板とデジタル基板との相互間に亘って引き廻されたFFCケーブルの折曲げ位置や折曲り角度の精度が許容できる範囲に定まっていることを、事後的に目視によって容易に確認することが可能なFFCケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るFFCケーブルは、並列する複数の線状導電パターンが外皮フィルムによって被覆されていて、上記線状導電パターンの長さ方向の中間部で折返し状に折り曲げて使用される。そして、このFFCケーブルでは、上記外皮フィルムに、線状導電パターンの上記長さ方向に直交する方向の直線がその線状導電パターンの長さ方向に並んでなる直線群が表示されている。
【0019】
並列する複数の線状導電パターンが外皮フィルムによって被覆されているようなこの種のFFCケーブルは、線状導電パターンの長さ方向のどの部分の幅寸法も一様な帯状に形成されている。そのため、上記構成のように、外皮フィルムに表示された直線群に含まれる多数の直線が、線状導電パターンの長さ方向に直交する方向に延びていると、当該FFCケーブルの中間部を折返し状に折り曲げて、その外皮フィルムの幅方向に位置している外形輪郭線をいずれかの上記直線に沿わせて平行又は略平行になるように目視で位置合わせするだけで、折曲り角度が必然的に直角又は略直角になり、折曲り角度の精度を必要程度に容易に維持することが可能になる。また、外皮フィルムの上記外形輪郭線を沿わせるべき上記直線を特定し、その特定の直線の位置を目安にして当該FFCケーブルを折返し状に折り曲げるだけで、折曲げ位置の精度を必要程度に容易に容易に維持することが可能になる。
【0020】
本発明において、直線群に含まれる上記直線は、その相互間隔が等間隔に定められた目盛りとして形成されていることが望ましい。この構成であれば、外皮フィルムの上記外形輪郭線を沿わせるべき上記直線を特定し、その特定の直線の位置を目安にして当該FFCケーブルを折返し状に折り曲げるだけで、折曲げ位置の寸法精度を特定しやすくなる。また、この発明では、目盛りとしての直線の相互間隔をたとえば1mmに定めておくことが可能であり、そのようにしておくと、折曲げ位置を具体的な寸法に関連付けることが可能になる。
【0021】
本発明において、直線群に含まれる直線を上記のように目盛りとして形成した場合には、一定本数ごとに位置している直線が、他の直線と異なる態様で表示されていることが望ましい。この構成であると、他の直線と異なる態様で表示されている直線を目安にして、折曲げ位置の具体的な寸法を認識しやすくなるという利点がある。なお、一定本数ごとに位置している直線を他の直線と異なる態様で表示するための具体例としては、当該直線を他の直線よりも線幅の広い太線(幅広の太線)で表示したり、当該直線を他の直線と区別しやすい色で表示したりする、といった手段を挙げることができる。
【0022】
本発明において、上記線状導電パターンはその長さ方向の両端部が上記外皮フィルムの欠除箇所から外部に露出する電極として形成され、上記線状導電パターンの長さ方向の中間部が折返し状に折り曲げられ、その折曲げ箇所の折曲線を境にして区画される一方側領域と他方側領域とのうち、他方側領域に属する上記外皮フィルムの幅方向に位置している外形輪郭線が、一方側領域に属する上記外皮フィルムに表示された上記直線に沿っていると共に、線状導電パターンの長さ方向の一端部に形成されている上記電極が、液晶表示モジュールのドライバ基板に実装されているコネクタに接続され、かつ、線状導電パターンの長さ方向の他端部に形成されている上記電極が、上記液晶表示モジュールのデジタル基板に実装されているコネクタに接続されている、という構成を採用することが可能である。この構成であれば、液晶表示モジュールのドライバ基板とデジタル基板とが、折曲り角度の精度が必要程度に維持されたFFCケーブルによって接続されている、という事実が、接続作業後に事後的に目視によって容易に確認することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明に係るFFCケーブルによれば、作業者が、折曲げ位置又は折曲り角度の適否を目視で確認しながら折曲げ作業を正確に行うことができるようになる。そのため、従来のように紙製ダミーを製作したり、折り曲げられたFFCケーブルを紙製ダミーに合わせて折曲げ精度を確認したりする、といった煩わしい作業を行うことが不要になる。また、テレビジョン受像機などの液晶表示モジュールに備わっているドライバ基板とデジタル基板との相互間に亘るFFCケーブルの正確な引き廻し経路を定めることが容易に可能になるだけでなく、事後的にFFCケーブルの折曲げ精度が必要程度に保たれていることを容易に確認することも容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るFFCケーブルを説明的に示した正面図である。
【図2】折り曲げられた図1のFFCケーブルを説明的に示した正面図である。
【図3】液晶表示モジュールに使用されているFFCケーブルを説明的に示した正面図である。
【図4】従来例によるFFCケーブルを説明的に示した一部破断正面図である。
【図5】折り曲げられた図4のFFCケーブルを説明的に示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は本発明に係るFFCケーブルAを説明的に示した正面図、図2は折返し状に折り曲げられた図1のFFCケーブルAを説明的に示した正面図である。
【0026】
図例のFFCケーブルAは、並列する複数の線状導電パターン10…が、ベースフィルムやカバーフィルムといった外皮フィルム11,12によって被覆されている。また、線状導電パターン10…はその長さ方向の両端部が、外皮フィルムの欠除箇所13,14から外部に露出する電極15,16として形成されている。上記のような基本構成を備えたFFCケーブルAにおいて、その両端部の電極15,16は、所定の回路を備える配線基板に実装されたコネクタ(不図示)に差込み接続される。
【0027】
この実施形態において、少なくとも一方側の外皮フィルム12(たとえばカバーフィルム)に、線状導電パターン10の長さ方向Xに直交する方向Yに延びる多数の直線31…が間隔を隔てて表示されている。これらの直線31…の集合によって直線群30が形成されている。直線31の表示手段には、たとえば印刷が選ばれる。図例では、直線群30の表示範囲を、FFCケーブルAの両端の電極15,16を除く有効長領域Zの全体としてある。
【0028】
この実施形態では、直線群30に含まれるそれぞれの直線31…は、その相互間隔が等間隔、具体的には1mmの間隔を隔てて位置する目盛りとして形成されている。また、一定本数ごとに位置している直線、たとえば、直線31をその並び方向に順に数えて5本目ごとに位置している直線31a、言い換えると、4本の直線31…を挟む両側の直線31a,31a、さらに言い換えると、上記並び方向で5mmごとに位置している直線31aは、他の直線31と異なる態様で表示されている。図例では、他の直線31と異なる態様で表示されている直線31a…の表示態様が、他の直線31…よりも線幅の広い太線(幅広の太線)になっている。しかし、その表示態様は、他の直線31…と区別しやすい色で直線31aを表示することによってもよい。
【0029】
上記のように構成されているFFCケーブルAでは、任意の1本の直線31を選択し、選択した当該直線31が、有効長領域Aの端縁から数えて何本目の直線に相当するかを目視によって数えるだけで、有効長領域Aの端縁から当該直線31までの長さを具体的な数値によって知ることができる。このため、FFCケーブルAを折返し状に折り曲げる工程では、所定の1本の直線31を目安にした上で、有効長領域Aの端縁とその折曲げ箇所との間に1mmおきに表示されている直線31の本数を数えるだけで、その間の寸法の具体的な数値を目視によって容易に知ることができる。また、有効長領域Aの端縁からその折曲げ箇所に至る寸法が長いときには、その間に太線で5mm間隔おきに表示されている直線31aが何本存在しているかを数えるという工程を併せ行うことによって、有効長領域Aの端縁からその折曲げ箇所に至る寸法の具体的な数値を目視によって即座に知ることができる。
【0030】
たとえば、図2に示したFFCケーブルAにおいて、線状導電パターン10の長さ方向X(図1参照)の中間部の所定位置でそのFFCケーブルAを折返し状に直角又は略直角に折り曲げる工程では、折り曲げる側(後述する他方側領域Z2)の外皮フィルム11,12の幅方向に位置している外形輪郭線aに最も近い箇所に位置している一方側領域Z1(後述する)の直線31を目視によって認識し、有効長領域Aの端縁からその直線31に至る長さを目視によって算出するだけで、上記有効長領域Z(図1参照)の端縁からその外形輪郭線aに至る離間長さ(符号Lで示してある)を具体的数値で容易に知ることができる。したがって、FFCケーブルAを折返し状に直角又は略直角に折り曲げる工程において、折曲げ位置を定めるためには、その折曲げ位置に見合う箇所に表示されている1本の直線31を選択し、その直線31に対して、折り曲げる側の外皮フィルム11,12の上記外形輪郭線aを位置合わせするという手順を行うだけで、折曲げ位置を正確に定めることが可能になる。
【0031】
また、上記のようにして折曲げ位置を定めた上で、外皮フィルム11,12の外形輪郭線aを、目安として選択した上記直線31に沿わせて両者を目視によって平行又は略平行に位置合わせした後で、斜めに傾斜した折曲げ線20に沿う折曲げ位置を折り曲げると、折曲り角度θが、直角又は許容できる範囲内で略直角になる。こうしてFFCケーブルAを折り曲げると、FFCケーブルAが、折曲げ線20を境にして一方側領域Z1と他方側領域Z2とに区画される。
【0032】
ここでは、FFCケーブルAの中間部の1箇所を折り曲げる場合を説明したけれども、FFCケーブルAの中間部の複数箇所を折り曲げる場合でも同様である。すなわち、折り曲げ箇所が有効長領域Zの端縁に隣接している場合には、上記の手順に従って折曲げ位置や折曲り角度θを定める折曲げ工程を行えばよい。また、折曲げ箇所が他の折曲げ箇所に隣接している場合には、他の折曲げ箇所を起点として上記に準じた手順に従って折曲げ位置や折曲り角度θを定める折曲げ工程を行えばよい。
【0033】
ところで、テレビジョン受像機などの液晶表示モジュールにおいて、そのドライバ基板とデジタル基板とをFFCケーブルAを用いて電気的に接続するときには、FFCケーブルAの線処理に際し、FFCケーブルAの引き廻し経路を一定に定めることが行われる。すなわち、FFCケーブルAを複数箇所で折り曲げてその全体の曲り形状を保形した上で、そのFFCケーブルAを、他の電気電子部品などとの間で電気的物理的な悪影響を及ぼさない箇所に引き廻すということが行われる。
【0034】
図3にはそのような事例を説明的に示している。同図において、40はドライバ基板、41はそのドライバ基板40に実装されたコネクタ、50は液晶表示モジュールの背部に設けられた板金製のシャーシ、60はシャーシ50に取り付けられたデジタル基板、61はデジタル基板60に実装されたコネクタを、それぞれ示している。FFCケーブルAは、上記した折曲げ工程に従って線状導電パターンの長さ方向中間部の4箇所が折返し状に直角又は略直角に折り曲げられている。21,22,23,24はそれぞれの折曲げ箇所の折曲げ線を示している。この事例では、FFCケーブルAの一方側の電極16が、ドライバ基板40側のコネクタ41に差込み接続され、他方側の電極15が、デジタル基板60側のコネクタ61に差込み接続されている。
【0035】
図3の態様で使用されているFFCケーブルAでは、たとえば折曲げ線21を境にして区画される一方側領域Z1と他方側領域Z2とのうち、他方側領域Z2に属する外皮フィルムの幅方向に位置している外形輪郭線aは、一方側領域Z1に属する外皮フィルムに表示された直線31(図2参照)に沿っている。他の各折曲げ線22,23,24を境にして区画される一方側領域と他方側領域との関係についても同様である。
【0036】
この事例によると、FFCケーブルAの外皮フィルムの外形輪郭線aと、折曲げ位置や折曲り角度θを定めるための目安として選択された直線31(図1又は図2参照)と、の位置関係を目視によって確認するという作業を行うだけで、定規を用いて寸法や曲り角度を図ったりすることなく、さらには紙製ダミーにFFCケーブルAを合わせるといった作業を行うことなく、液晶表示モジュールのドライバ基板40とデジタル基板60とが、折曲り角度の精度が必要程度に維持されたFFCケーブルAによって接続されているという事実を、接続作業後に事後的に目視によって容易に確認することが可能になる。
【0037】
図1に示した実施形態では、直線31,31の相互間隔を1mmに定めてあるけれども、この点は、直線の相互間隔をランダムに定めておいてもよく、そのような形態であっても、折曲り角度を、直角又は許容できる範囲内で略直角に容易に定めることが可能である。また、折曲げ位置に関しても、直線を目安にして許容できる範囲内の精度に定めることが可能である。また、直線31を目盛りとして形成する場合に、直線の相互間隔を1mm以外の寸法に定めることも可能である。
【符号の説明】
【0038】
A FFCケーブル
a 外皮フィルムの外形輪郭線
10 線状導電パターン
11,12 外皮フィルム
13,14 外皮フィルムの欠除箇所
15,16 電極
20,21,22,23,24 折曲げ線
30 直線群
31,31a 直線
X 線状導電パターンの長さ方向
Y 線状導電パターンの長さ方向に直交する方向
Z1 一方側領域
Z2 他方側領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列する複数の線状導電パターンが外皮フィルムによって被覆されていて、上記線状導電パターンの長さ方向の中間部で折返し状に折り曲げて使用されるFFCケーブルにおいて、
上記外皮フィルムに、線状導電パターンの上記長さ方向に直交する方向の直線がその線状導電パターンの長さ方向に並んでなる直線群が表示されていることを特徴とするFFCケーブル。
【請求項2】
直線群に含まれる上記直線は、その相互間隔が等間隔に定められた目盛りとして形成されている請求項1に記載したFFCケーブル。
【請求項3】
一定本数ごとに位置している直線が、他の直線と異なる態様で表示されている請求項2に記載したFFCケーブル。
【請求項4】
一定本数ごとに位置している上記直線の表示態様に、他の直線よりも幅広の太線が選択されている請求項3に記載したFFCケーブル。
【請求項5】
直線群に含まれる上記直線の相互間隔寸法が1mmに定められ、かつ、4本の上記直線を挟む両側に各別に位置している2本の直線の表示態様が上記太線である請求項4に記載したFFCケーブル。
【請求項6】
上記線状導電パターンはその長さ方向の両端部が上記外皮フィルムの欠除箇所から外部に露出する電極として形成され、上記線状導電パターンの長さ方向の中間部が折返し状に折り曲げられ、その折曲げ箇所の折曲げ線を境にして区画される一方側領域と他方側領域とのうち、他方側領域に属する上記外皮フィルムの幅方向に位置している外形輪郭線が、一方側領域に属する上記外皮フィルムに表示された上記直線に沿っていると共に、線状導電パターンの長さ方向の一端部に形成されている上記電極が、液晶表示モジュールのドライバ基板に実装されているコネクタに接続され、かつ、線状導電パターンの長さ方向の他端部に形成されている上記電極が、上記液晶表示モジュールのデジタル基板に実装されているコネクタに接続されている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載したFFCケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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