説明

GLP−1類似体

【課題】グルカゴン様ペプチド-1アミド(GLP−1)は、グルカゴン前駆体プレプログルカゴン(preproglucagon)の組織特異的翻訳後プロセシングにより、小腸L-細胞で合成され、食事に応答して循環系に放出されるが、代謝的に安定なGLP-1類似体、その医薬的に許容可能な塩を提供する。
【解決手段】グルカゴン様ペプチド-1のペプチド類似体、その医薬的に許容可能な塩、哺乳動物を処置するためのかかる類似体を使用する方法、及び前記類似体を含む処置に有用な医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、グルカゴン様ペプチド-1のペプチド類似体、その医薬的に許容可能な塩、哺乳動物を処置するためのかかる類似体を使用する方法及び、前記類似体を含む前記処置に有用な医薬組成物に関する。
【0002】
グルカゴン様ペプチド-1(7-36)アミド(GLP-1)は、グルカゴン前駆体プレプログル
カゴン(preproglucagon)の組織特異的翻訳後プロセシングにより、小腸L-細胞で合成され(Varndell,J.M.ら、J.Histochem Cytochem、1985年:33巻:1080-6頁)、食事に応答して循環系に放出される。GLP-1の血漿濃度は、約15 pmol/Lの絶食レベルから40 pmol/L
のピーク食後レベルに上昇する。これは、血漿グルコース濃度での所定の上昇に関しては、血漿インスリンの上昇は、グルコースを静脈投与した場合と比較して経口投与するときの約3倍である(Kreymann,B.ら、Lancet 1987年:2巻、1300-4頁)。インクレチン効果
として知られる、インスリン放出のこの栄養増加は、主として体液性であり、GLP-1は現
在、人において最も強力な生理学的インクレチンであると考えられている。インスリン分泌促進作用に加えて、GLP-1は、グルカゴン分泌を抑制し、胃内容排出を遅延させ(Wettergren.A.ら、Dig Dis Sci 1993年:38巻:665-73頁)、末梢グルコース処理(peripheral glucose disposal)を促進することができる(D’Alessio,D.A.ら、J.Clin Invest、1994年:93巻:2293-6頁)。
【0003】
1994年に、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)に罹患している患者でGLP-1の1回の皮
下(s/c)用量が完全に食後グルコースレベルを元に戻すことができたことが観察された
ため、GLP-1の治療的潜在性が示唆された(Gutniak,M.K.ら、Diabetes Care、1994年:17巻;1039-44頁)。この効果は、インスリン放出の増加と、グルカゴン分泌の低下の両方
によって媒介されるものと考えられた。さらに、GLP-1の静脈注射は、NIDDMに罹患している患者における食後胃内容排出を遅延させることを示した(Williams,B.ら、J.Clin Endo
Metab、1996年;81巻:327-32頁)。スルホニルウレアと違って、GLP-1のインスリン分
泌促進作用は、血漿グルコース濃度に依存する(Holz,G.G.4thら、Nature、1993年:361
巻:362-5頁)。かくして、低血漿グルコース濃度におけるGLP-1-媒介性インスリン放出
の喪失は、深刻な低血糖症に効く。この作用の組み合わせによって、NIDDMを処置するた
めに現在使用される他の薬剤よりも特徴的な潜在的な治療的効果をGLP-1に与える。
【0004】
健康な被験者に与えたとき、GLP-1は血糖レベル並びにインスリン及びグルカゴン濃度
に大きく影響を与えることが多くの研究から明らかになってきている(Orskov,C、Diabetologia、35巻:701-711頁、1992年;Holst,J.J.ら、Potential of GLP-1 in diabetes management in Glucagon III,Handbook of Experimental Pharmacology,Lefevbre PJ編、Berlin、Springer Verlag、1996年、311-326頁)効果(これはグルコース依存性である)(Kreymann,B.ら、Lancet ii:1300-1304頁、1987年;Weir,G.C.ら、Diabetes、38巻:338-342頁、1989年)。さらに、糖尿病に罹患している患者でも効果的であり(Gutniak,M.
,N.Engl J Med,226巻:1316-1322頁,1992年;Nathan,D.M.ら、Diabetes Care 15:270-276頁、1992年)、2型糖尿病被検体における血中グルコースレベルを正常にし(Nauck,M.A.ら、Diagbetologia 36巻:741-744頁、1993年)、1型糖尿病患者において血糖コント
ロールを改善し(Creutzfeldt,W.O.ら、Diabetes Care、19巻:580-586頁、1996年)、治療薬としてのその可能性を高めた。
【0005】
しかしながら、GLP-1は、代謝的に不安定であり、in-vivoでわずか1〜2分の血漿半減期(t1/2)しか有さない。外因的に投与したGLP-1も急速に分解される(Deacon,C.F.ら、Diabetes、44巻:1126-1131頁、1995年)。この代謝的不安定性が、天然のGLP-1の治療的潜
在性を制限している。従って、天然のGLP-1より活性及び/またはより代謝的に安定なGLP-1類似体の需要がある。
【0006】
発明の概要
本発明の一つの側面においては、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を
特色とする:
【0007】
【化1】

【0008】
式中、A7はL-His、Ura、Paa、Pta、Amp、Tma-His、des-アミノ-Hisであるか、または欠失しており;
A8はAla、β-Ala、Gly、Ser、D-Ala、Aib、Acc、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;
A9はGlu、N-Me-Glu、N-Me-AspまたはAspであり;
A10はGly、Acc、β-AlaまたはAibであり;
A11はThrまたはSerであり;
A12はPhe、Acc、Aic、Aib、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Cha、Trpまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A13はThrまたはSerであり;
A14はSerまたはAibであり;
A15はAspまたはGluであり;
A16はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、AlaまたはChaであり;
A17はSer、AibまたはThrであり;
A18はSer、LysまたはThrであり;
A19はTyr、Cha、Phe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Accまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A20はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Pheまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A21はGluまたはAspであり;
A22はGly、Acc、β-Ala、GluまたはAibであり;
A23はGln、Asp、AsnまたはGluであり;
A24はAla、Aib、Val、Abu、TleまたはAccであり;
A25はAla、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A26はLys、Arg、hArg、Orn、Lys(Nε-デカノイル))、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A27はGlu、Asp、Leu、AibまたはLysであり;
A28はPhe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、(X6、X7、X8、X9、X10)Phe、Aic、Acc、Aib、ChaまたはTrpであり;
A29はIle、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、AlaまたはPheであり;
A30はAla、AibまたはAccであり;
A31はTrp、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Phe、Acc、Aib、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはChaであり;
A32はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはA
laであり;
A33はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lysまたは(X6、X7
、X8、X9、X10)Pheであり;
A34はLys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A35はβ-Ala、D-Ala、Gaba、Ava、HN-(CH2m-C(O)、Aib、Acc、D-ArgまたはD-アミノ酸であり;
A36はL-若しくはD-Arg、D-若しくはL-Lys、またはLys(Nε-デカノイル)若しくはLys
(Nε-ドデカノイル)またはD-若しくはL-hArg、D-若しくはL-OrnまたはHN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)、またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A37はGly、β-Ala、Gaba、Aib、Acc、Act、Apc、Aun、Ava、Pro、Dhp、Dmt、Pip、3-Hpr、4-Hpr、L-若しくはD-Arg、L-若しくはD-AspまたはGlu、Lys(Nε-デカノイル)、Lys
(Nε-ドデカノイル)、Lys(Nε-オクタノイル)、Lys(Nε-テトラデカノイル)、またはSer(O-デカノイル)であり;
A38はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc
、Act、Arg、Ava、Gly、β-Ala、Gaba、またはHN-(CH2s-C(O)であり;
A39はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc
、Act、Arg、Aun、Gly、β-Ala、Gaba、Lys(Nε-オクタノイル)、HN-(CH2s-C(O)
であるか、または欠失しており;
R1はOH、NH2であり;(C1-C30)アルコキシ、またはNH-X2-CH2-Z0であり、ここでX2
(C0-C2)、(C4-C9)または(C11-C19)炭化水素部分であり、及びZ0はH、OH、CO2HまたはCONH2であり;
X3は、
【0009】
【化2】

【0010】

【0011】
【化3】

【0012】
または−C(O)-NHR12であり、ここでX4はそれぞれの場合で独立して、-C(O)-、-NH-C
(O)-または-CH2-であり、ここでfはそれぞれの場合で独立して1と29を含んで1〜29の整数であり;
R2及びR3はそれぞれ、H、(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、場合により置
換されたフェニル(C1-C30)アルキル、場合により置換されたナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキル、及びヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルからなる群から独立して選択され;
ここで前記場合により置換されたフェニル(C1-C30)アルキル部分のフェニル基及び、前記場合により置換されたナフチル(C1-C30)アルキル部分の前記ナフチル部分は、ハロ、OH、NH2、NO2及びCNからなる群からそれぞれの場合で独立して選択される一つ以上の置換基でそれぞれの場合で独立して置換されているか;
またはR2とR3の一方は、
【0013】
【化4】

【0014】
、(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、C(O)X5
【0015】
【化5】

【0016】
、または
【0017】
【化6】

【0018】
であり;ここでYはH、OHまたはNH2であり;rは0〜4であり;qは0〜4であり;及びX5は(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、フェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒ
ドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
X6、X7、X8、X9、X10はそれぞれの場合において、H、(C1-C6)アルキル、OH、OR4、NO2、CN、及びハロからなる群から独立して選択され;
R4は(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、フェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
eは、それぞれの場合で独立して、1と4を含んで1〜4の整数であり;
mは、それぞれの場合で独立して、5と24を含んで5〜24の整数であり;
sは、それぞれの場合で独立して、5と10を含んで5〜10、または12と20を含んで12〜20
の整数であり;
nは、それぞれの場合で独立して、1と5を含んで1〜5の整数であり;
R10及びR11はそれぞれ、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C30)アルキル、(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))または
【0019】
【化7】

【0020】
であり;及び
R12及びR13は、それぞれの場合で独立して(C1-C30)アルキルであり;
但し、A7がUra、PaaまたはPtaであるとき、R2及びR3は欠失しており;
R10が(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))また
は、
【0021】
【化8】

【0022】
であるとき、R11はHまたは(C1-C30)アルキルであり;
(i)式(I)の化合物の少なくとも一つのアミノ酸は、hGLP-1(7-38または-39)NH2ともhGLP-1(7-38または-39)OHの天然配列とも同一ではなく;
(ii)式(I)の化合物は、hGLP-1(7-38または-39)NH2でもhGLP-1(7-38、または-39)OH(ここで一つの位置は、Alaにより置換されている)の類似体でもなく;
(iii)式(I)の化合物は、(Arg26,34、Lys38)hGLP-1(7-38)-E、(Lys26(Ne-ア
ルカノイル))hGLP-1(7-38)-E、(Lys34(Ne-アルカノイル))hGLP-1(7-38)-E、(Lys26,34-ビス(Ne-アルカノイル))hGLP-1(7-38)-E、(Arg26、Lys34(Ne-アルカノ
イル))hGLP-1(8-38)-E、(Arg26,34、Lys36(Ne-アルカノイル))hGLP-1(7-38)-Eでも(Arg26,34、Lys38(Ne-アルカノイル))hGLP-1(7-38)-E(式中、Eは-OHまたは-NH2である)でもない;
(iv)式(I)の化合物は、Z1-hGLP-1(7-38)-OH、Z1-hGLP-1(7-38)-NH2ではなく;ここでZ1は以下のものからなる群から選択される:
(a)(Arg26)、(Arg34)、(Arg26,34)、(Lys36)、(Arg26、Lys36)、(Arg34
、Lys36)、(D-Lys36)、(Arg36)、(D-Arg36)、(Arg26,34、Lys36)または(Arg26,36、Lys34);
(b)(Asp21);
(c)(Aib8)、(D-Ala8)及び(Asp9)の少なくとも一つ;及び
(d)(Tyr7)、(N-アシル-His7)、(N-アルキル-His7)、(N-アシル-D-His7)または(N-アルキル-D-His7);及び
(v)式(I)の化合物は、群(a)〜(d)に列記された置換基のどの二つの組み合わせでもない。
【0023】
上記化合物の好ましい化合物群は、式中、A11はThrであり;A13はThrであり;A15はAspであり;A17はSerであり;A18はSerまたはLysであり;A21はGluであり;A23はGlnまたはGluであり;A27はGlu、Leu、AibまたはLysであり;及び、A31はTrp、Phe、1Nalまたは2Nalであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0024】
上記化合物群の好ましい化合物群は、式中、A9はGlu、N-Me-GluまたはN-Me-Aspであり
;A12はPhe、Acc、1Nal、2Nal、またはAicであり;A16はVal、AccまたはAibであり;A19
はTyr、1Nalまたは2Nalであり;A20はLeu、AccまたはChaであり;A24はAla、AibまたはAccであり;A25はAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;A28はPhe、1Nalまたは2Nalであり;A29はIleまたはAccであり;A30はAlaまたはAibであり;A32はLeu、AccまたはChaであり;
及びA33はVal、LysまたはAccであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
上記化合物群の好ましい化合物群は、式中、A8はAla、Gly、Ser、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cであり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはCha
であり;A22はGly、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle
、A6cまたはA5cであり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまた
はA5cであり;A35はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5c、D-ArgまたはAccであり;A37はGly、Aib、β-Ala、D-Ala、Pro、Asp、AunまたはD-Aspであり;A38はD-またはL-His、Asn、Ser、Apc、Act、Gly、β-AlaまたはGabaであり;及びA39はSer、ThrまたはAibであるもの、ま
たはその医薬的に許容可能な塩である。
【0026】
上記化合物群の好ましい化合物群は、それぞれの場合において、X4は-C(O)-であり;及びR1はOH若しくはNH2であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0027】
上記化合物群の好ましい化合物群は、R2はHであり、及びR3は(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、
【0028】
【化9】

【0029】
であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0030】
上記化合物群の好ましい化合物群は、式中、R10は(C1-C30)アシル、(C1-C30)アル
キルスルホニル若しくは
【0031】
【化10】

【0032】
であり、及びR11はHであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0033】
上記化合物群の好ましい化合物群は、式中、R10は(C4-C20)アシル、(C4-C20)アル
キルスルホニル若しくは
【0034】
【化11】

【0035】
であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0036】
式(I)の好ましい化合物は、式中、A8はAla、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cで
あり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A22はGly
、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle、A6cまたはA5cで
あり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまたはA5cであり;A35
はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5cまたはD-Argであり;及びA37はGly、Aib、β-Ala、D-Ala
、ProまたはD-Aspであり;A38はD-若しくはL-His、Asn、Ser、Gly、β-AlaまたはGabaで
あり;及びA39はSerであるか、または欠失しており;それぞれの場合において、X4は-C(O)-であり;eはそれぞれの場合において独立して1または2であり;R1はOHまたはNH2であり;R10は(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニルまたは
【0037】
【化12】

【0038】
であり、及びR11はHであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0039】
上記化合物のより好ましいものは、式中、R10は(C4-C20)アシル、(C4-C20)アルキ
ルスルホニル若しくは
【0040】
【化13】

【0041】
であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0042】
式(I)のより好ましい化合物は、前記化合物がその医薬的に許容可能な塩であるもの
である。
【0043】
上記化合物群のより好ましいものは、以下の式の化合物またはその医薬的に許容可能な塩である:
(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,Pro37,Ser38,39)hGLP-1(7-39)-NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Asn38)hGLP-1(7-38)-NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Ser38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,β-Ala37,His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Ava38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Ava38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
【0044】
もう一つの側面において、本発明は、式(II)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩に関する:
【0045】
【化14】

【0046】
式中、R7は、
【0047】
【化15】

【0048】
であり、
A8はAla、β-Ala、Gly、Ser、D-Ala、Aib、Acc、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;
A9はGlu、N-Me-Glu、N-Me-AspまたはAspであり;
A10はGly、Acc、β-AlaまたはAibであり;
A11はThrまたはSerであり;
A12はPhe、Acc、Aic、Aib、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Cha、Trpまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A13はThrまたはSerであり;
A14はSerまたはAibであり;
A15はAspまたはGluであり;
A16はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、AlaまたはChaであり;
A17はSer、AibまたはThrであり;
A18はSer、LysまたはThrであり;
A19はTyr、Cha、Phe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Accまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A20はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Pheまたは(X6、X7、X8、X9、X10)P
heであり;
A21はGluまたはAspであり;
A22はGly、Acc、β-Ala、GluまたはAibであり;
A23はGln、Asp、AsnまたはGluであり;
A24はAla、Aib、Val、Abu、TleまたはAccであり;
A25はAla、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A26はLys、Arg、hArg、Orn、Lys(Nε-デカノイル))、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A27はGlu、Asp、Leu、AibまたはLysであり;
A28はPhe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、(X6、X7、X8、X9、X10)Phe、Aic、Acc、Aib、ChaまたはTrpであり;
A29はIle、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、AlaまたはPheであり;
A30はAla、AibまたはAccであり;
A31はTrp、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Phe、Acc、Aib、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはChaであり;
A32はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはAlaであり;
A33はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lysまたは(X6、X7
、X8、X9、X10)Pheであり;
A34はLys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A35はβ-Ala、D-Ala、Gaba、Ava、HN-(CH2m-C(O)、Aib、Acc、D-Arg、D-アミノ酸であるか、または欠失しており;
A36はL-若しくはD-Arg、D-若しくはL-Lys、またはLys(Nε-デカノイル)またはLys(Nε-ドデカノイル)またはD-若しくはL-hArg、D-若しくはL-OrnまたはHN-CH((CH2n-N
(R10R11))-C(O)、HN-CH((CH2e-X3)-C(O)であるか、または欠失しており;
A37はGly、β-Ala、Gaba、Aib、Acc、Act、Apc、Aun、Ava、Pro、Dhp、Dmt、Pip、3-Hpr、4-Hpr、L-若しくはD-Arg、L-若しくはD-AspまたはGlu、Lys(Nε-デカノイル)、Lys
(Nε-ドデカノイル)、Lys(Nε-オクタノイル)、Lys(Nε-テトラデカノイル)、Ser
(O-デカノイル)であるか、または欠失しており;
A38はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc
、Act、Arg、Ava、Gly、β-Ala、Gaba、HN-(CH2s-C(O)であるか、または欠失しており;
A39はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc
、Act、Arg、Aun、Gly、β-Ala、Gaba、Lys(Nε-オクタノイル)、HN-(CH2s-C(O)
であるか、または欠失しており;
R1はOH、NH2であり;(C1-C30)アルコキシ、またはNH-X2-CH2-Z0であり、ここでX2
(C0-C20)炭化水素部分であり、Z0はH、OH、CO2HまたはCONH2であり;
X3は、
【0049】
【化16】

【0050】

【0051】
【化17】

【0052】
または−C(O)-NHR12であり、ここでX4は、それぞれの場合で独立して、-C(O)-、-NH-C(O)-または-CH2-であり、ここでfは、それぞれの場合で独立して、1と29を含んで1〜29の整数であり;
X6、X7、X8、X9、X10は、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C6)アルキル、OH、OR4、NO2、CN、及びハロから選択され;
R4は(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、フェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5は、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C6)アルキル、OH、OR4
、NO2、CN、及びハロから選択され;
Z1及びZ2は一緒に結合して環系を形成することができ;
eは、それぞれの場合で独立して、1と4を含んで1〜4の整数であり;
mは、それぞれの場合で独立して、5と24を含んで5〜24の整数であり;
nは、それぞれの場合で独立して、1と5を含んで1〜5の整数であり;
tは、それぞれの場合で独立して、0と4を含んで0〜4の整数であり;
R10及びR11はそれぞれ、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C30)アルキル、(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))または
【0053】
【化18】

【0054】
であり;及び
R12及びR13はそれぞれ、それぞれの場合で独立して(C1-C30)アルキルであり;
但し、
R7はC(O)X11ではなく、ここでX11はフェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
R10が(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))また
は、
【0055】
【化19】

【0056】
であるとき、R11はHまたは(C1-C30)アルキルである。
【0057】
上記化合物の好ましい化合物群は、A11はThrであり;A13はThrであり;A15はAspであり;A17はSerであり;A18はSerまたはLysであり;A21はGluであり;A23はGlnまたはGluであ
り;A27はGlu、Leu、AibまたはLysであり;及びA31はTrp、Phe、1Nalまたは2Nalであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0058】
上記化合物群の好ましい化合物群は、A7は4-イミダゾール-カルボニル、4-ニトロフェ
ニル-アセチル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル、4-ヒドロキシフェニル-アセチル、3-(4-アミノフェニル)-プロピオニル、3-(4-ニトロフェニル)-プロピオニル、3-(3,4-ジフルオロフェニル)-プロピオニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル-アセ
チルまたは4-アミノフェニル-アセチルであり;A9はGlu、N-Me-GluまたはN-Me-Aspであり;A12はPhe、Acc、1Nal、2Nal、またはAicであり;A16はVal、AccまたはAibであり;A19
はTyr、1Nalまたは2Nalであり;A20はLeu、AccまたはChaであり;A24はAla、AibまたはAccであり;A25はAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;A28はPhe、1Nalまたは2Nalであり;A29はIleまたはAccであり;A30はAlaまたはAibであり;A32はLeu、AccまたはChaであり;
及びA33はVal、LysまたはAccであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0059】
上記化合物群の好ましい化合物群は、A8はAla、Gly、Ser、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cであり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A22はGly、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle、A6cまたはA5cであり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまたはA5cで
あり;A35はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5c、D-Arg、AccまたはGlyであり;A37はGly、Aib
、β-Ala、D-Ala、Pro、Asp、AunまたはD-Aspであり;A38はD-若しくはL-His、Asn、Ser
、Apc、Act、Gly、β-AlaまたはGabaであり;及びA39はSer、ThrまたはAibであるもの、
またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0060】
上記化合物群の好ましい化合物群は、X4は、それぞれの場合において-C(O)-であり;及びR1はOHまたはNH2であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0061】
式(II)の好ましい化合物は、式中A8はAla、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cで
あり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A22はGly
、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle、A6cまたはA5cで
あり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまたはA5cであり;A35
はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5c、D-ArgまたはGlyであり;及びA37はGly、Aib、β-Ala、D-Ala、ProまたはD-Aspであり;A38はD-またはL-His、Asn、Ser、Gly、β-AlaまたはGaba
であり;及びA39はSerであるか、または欠失しており;X4は、それぞれの場合において-C(O)-であり;eはそれぞれの場合において、独立して1または2であり;R1はOHまたはNH2であり;R10は(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニルまたは、
【0062】
【化20】

【0063】
であり、及びR11はHであるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0064】
上記化合物のより好ましいものは、式中、R10は(C4-C20)アシル、(C4-C20)アルキ
ルスルホニルまたは
【0065】
【化21】

【0066】
であるもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0067】
式(II)のより好ましい化合物は、以下の式の化合物またはその医薬的に許容可能な塩である:
(4Hppa7)GLP-1(7-36)NH2
(3Hppa7)GLP-1(7-36)NH2
(フェニルアセチル7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-イミダゾール-カルボニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-ニトロフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-ヒドロキシフェニルアセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-アミノフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(3-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-フェニル-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(4-アミノフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(4-ニトロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(2-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(3,4-ジフルオロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2;若しくは
((3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
【0068】
式(II)のより好ましい化合物は、前記化合物がその医薬的に許容可能な塩であるものである。
【0069】
式(I)または(II)のもう一つのより好ましい化合物は、本発明の開示の実施例部分
の以下に具体的に列挙したもの、またはその医薬的に許容可能な塩である。
【0070】
別の側面において、本発明は、上記定義のごとき式(I)または(II)の化合物または
その医薬的に許容可能な塩の有効量と、医薬的に許容可能なキャリヤまたは希釈剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0071】
さらに別の側面において、本発明は、GLP-1レセプター由来のアゴニスト効果を誘発さ
せることが必要な患者において、GLP-1レセプター由来のアゴニスト効果を誘発させる方
法であって、上記定義のごとき式(I)または(II)の化合物またはその医薬的に許容可
能な塩の有効量を前記被検体に投与することを含む、前記方法を提供する。
【0072】
さらなる側面において、本発明は、I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴン産生腫
瘍、気道の分泌疾患、代謝異常、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、処置動脈の再狭窄、神経変性病、腎不全、鬱血性心不全、ネフローゼ症症候群、肝硬変、肺水腫、高血圧症、呼吸困難の処置(米国特許出願第2004/0235726 A1号)及び、食物の摂取減少が望まし
い疾患からなる群から選択される疾患の上記疾患の処置の必要な被検体における処置方法であって、上記定義のごとき式(I)または(II)の化合物またはその医薬的に許容可能
な塩の有効量を前記被検体に投与することを含む、前記方法を提供する。上記方法の好ましい方法は、処置すべき疾患がI型糖尿病またはII型糖尿病であるものである。被検体か
らアンタゴニスト作用を誘発させる本発明のGLP-1類似体は、以下のもの:低血糖症及び
、胃腸切除または小腸切除に伴う吸収不良症の処置に使用することができる。
【0073】
N-末端アミノ酸を除いては、本明細書におけるアミノ酸の全ての略号(たとえばAla)
は、構造:-NH-CH(R)-CO-{式中、R及びR'はそれぞれ独立して、水素またはアミノ酸の側鎖(たとえば、Alaに関しては、R=CH3及びR'=H)であるか、RとR'は結合して環系を
形成することができる}を表す。N-末端アミノ酸に関しては、略号は、構造:=N-C(R)
(R')-CO-{式中、"="は、本明細書中に定義されるR2及びR3への結合を表す}を表す。R2及びR3は、上記定義の通りであるが、A7がUra、PaaまたはPtaであるときを除く、このときUra、Paa及びPtaは、des-アミノアミノ酸として見なされるので、R2とR3は存在しない

【0074】
本明細書では、以下の一般に使用される略号を使用する。
【0075】
Abu:α-アミノ酪酸;
Acc:1-アミノ-1-シクロ(C3-C9)アルキルカルボン酸;
A3c:1-アミノ-1-シクロプロパンカルボン酸;
A4c:1-アミノ-1-シクロブタンカルボン酸;
A5c:1-アミノ-1-シクロペンタンカルボン酸;
A6c:1-アミノ-1-シクロヘキサンカルボン酸;
Act:4-アミノ-4-カルボキシテトラヒドロピラン;
Ado:12-アミノドデカン酸;
Aec:4-(2-アミノエチル)-1-カルボキシメチル-ピペラジン(即ち、構造:
【0076】
【化22】

【0077】
);
Aib:α-アミノイソ酪酸;
Aic:2-アミノインダン-2-カルボン酸;
AlaまたはA:アラニン;
β-Ala:ベータ-アラニン;
Amp:4-アミノ-フェニルアラニン;
Apc:4-アミノ-4-カルボキシピペリジン;
ArgまたはR:アルギニン;
hArg:ホモアルギニン;
AsnまたはN:アスパラギン;
AspまたはD:アスパラギン酸;
Aun:11-アミノウンデカン酸;
Ava:5-アミノ吉草酸;
Cha:β-シクロヘキシルアラニン;
Dhp:3,4-デヒドロプロリン;
Dmt:5,5-ジメチルチアゾリジン-4-カルボン酸;
Gaba:γ-アミノ酪酸;
GlnまたはQ:グルタミン;
GluまたはE:グルタミン酸;
GlyまたはG:グリシン
HisまたはH:ヒスチジン;
4Hppa:3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸;
3Hppa:3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸;
3Hyp:trans-3-ヒドロキシ-L-プロリン(即ち、(2S,3S)-3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸);
4Hyp:4-ヒドロキシプロリン(即ち、(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン
酸);
IleまたはI:イソロイシン;
LeuまたはL:ロイシン;
LysまたはK:リジン;
1Nal:β-(1-ナフチル)アラニン;
2Nal:β-(2-ナフチル)アラニン;
Nle:ノルロイシン;
N-Me-Ala:N-メチル-アラニン;
N-Me-Asp:N-メチル-アスパラギン酸;
N-Me-Glu:N-メチル-グルタミン酸;
N-Me-Gly:N-メチル-グリシン;
Nva:ノルバリン;
Orn:オルニチン;
Paa:trans-3-(3-ピリジル)アクリル酸;
2Pal:β-(2-ピリジニル)アラニン;
3Pal:β-(3-ピリジニル)アラニン;
4Pal:β-(4-ピリジニル)アラニン;
PheまたはF:フェニルアラニン;
(3,4,5F)Phe:3,4,5-トリフルオロフェニルアラニン;
(2,3,4,5,6)Phe:2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニルアラニン;
Pip:ピペコリン酸;
ProまたはP:プロリン;
Pta:(4-ピリジルチオ)酢酸;
SerまたはS:セリン;
ThrまたはT:トレオニン;
Tle:tert-ロイシン;
Tma-His:N,N-テトラメチルアミジノ-ヒスチジン;
TrpまたはW:トリプトファン;
TyrまたはY:チロシン;
Ura:ウロカニン酸;
ValまたはV:バリン。
【0078】
本明細書中で使用する特定の他の略号は以下の通りである:
2BrZ:2-ブロモベンジルオキシカルボニル;
2ClZ:2-クロロベンジルオキシカルボニル;
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル;
Bzl:ベンジル;
DCM:ジクロロメタン;
DIC:N,N-ジイソプロピルカルボジイミド;
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン;
Dmab:4-{N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル
)-アミノ}ベンジル;
DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DNP:2,4-ジニトロフェニル;
Fm:ホルミル;
Fmoc:9-フルオレニルメトキシカルボニル;
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサ
フルオロホスフェート;
cHex:シクロヘキシル;
HF:フッ化水素;
HOAT:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
HOBt:1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール;
Mmt:4-メトキシトリチル;
NMP:N-メチルピロリドン;
OcHex:O-シクロヘキシル;
PAM樹脂:4-ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂;
Pbf:2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル;
tBu:tert-ブチル;
TIS:トリイソプロピルシラン;
TOS:トシル;
trt:トリチル;
TFA:トリフルオロ酢酸;
TFFH:テトラメチルフルオロアミジニウムヘキサフルオロホスフェート;
Xan:キサンチル;
Z:ベンジルオキシカルボニル。
【0079】
上記式において、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシフェニルアルキル及びヒドロキシナフチルアルキルは、1-4ヒドロキシ置換基を含んでいてもよい。COX5は、-C=OX5を表す。-C=OX5の例としては、アセチル及びフェニルプロピオニルが挙げられるが、これらに限定
されない。
【0080】
Lys(Ne-アルカノイル)により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0081】
【化23】

【0082】
(Ne-アルキルスルホニル)により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0083】
【化24】

【0084】
Lys(Ne-(2-(4-アルキル-1-ピペラジン)-アセチル))により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0085】
【化25】

【0086】
Asp(1-(4-アルキル-ピペラジン))により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0087】
【化26】

【0088】
Asp(1-アルキルアミノ)により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0089】
【化27】

【0090】
Lys(Ne-Aec-アルカノイル)により意味されるものは、以下の構造によって表される:
【0091】
【化28】

【0092】
上記構造における変数nは、1〜30である。Lys(Ne-Aec-アルカノイル)は、以下の構造によって表される:
【0093】
【化29】

【0094】
「ハロ」なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを包含する。
【0095】
「(C1-C30)炭化水素部分」なる用語は、アルキル、アルケニル及びアルキニルを包含し、アルケニル及びアルキニルの場合には、C2-C30である。
【0096】
本発明のペプチドは、もう一つのフォーマット、たとえば(A5c8)hGLP-1(7-36)NH2
により表され、これは最初の括弧の間に配置された天然配列からの置換アミノ酸を有することを示す(たとえばhGLP-1においてAla8の代わりにA5c8)。略号GLP-1は、グルカゴン-様ペプチド-1を意味し;hGLP-1はヒトグルカゴン-様ペプチド-1を意味する。括弧の間の
数は、ペプチド内に存在するアミノ酸の数を指す(たとえば、hGLP-1(7-36)は、ヒトGLP-1に関するペプチド配列のアミノ酸7から36である)。hGLP-1(7-37)の配列は、Mojsov,S.,Int. J. Peptide Protein Res,40巻,1992年,333-342頁に列記されている。hGLP-1(7-36)NH2中の「NH2」なる表示は、ペプチドのC-末端がアミド化されていることを示す。hGLP-1(7-36)は、そのC-末端が遊離酸であることを意味する。hGLP-1(7-38)において、位置37と38の残基は、それぞれGlyとArgである。
【0097】
発明の詳細な説明
本発明のペプチドは、標準的な固相ペプチド合成により製造することができる。たとえば、Stewart,J.M.ら、Solid Phase Synthesis(Pierce Chemical Co.,第二版、1984年
)を参照されたい。上記一般式の置換基R2とR3は、当業界で公知の標準的な方法により、N-末端アミノ酸の遊離アミンに結合させることができる。たとえばアルキル基、たとえば(C1-C30)アルキルは、還元性アルキル化を使用して結合させることができる。ヒドロキシアルキル基、たとえば(C1-C30)ヒドロキシアルキルも、還元性アルキル化により結合させることができ、ここで前記遊離ヒドロキシル基はt-ブチルエステルにより保護する。アシル基、たとえばCOE1は、塩化メチレン中、完成した樹脂を、各3モル当量の遊離酸と
ジイソプロピルカルボジイミドの両方とともに1時間混合することにより、N-末端アミノ
酸の遊離アミンに、遊離酸、たとえばE1COOHをカップリングさせて結合させることができる。この遊離酸が遊離ヒドロキシ基、たとえば3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル酢酸を
含む場合、このカップリングは、追加の3モル当量のHOBTを使用して実施すべきである。
【0098】
R1がNH-X2-CH2-CONH2(即ち、Z0=CONH2)であるとき、このペプチドの合成は、MBHA樹
脂に結合したBocHN-X2-CH2-COOHで開始する。R1がNH-X2-CH2-COOH(即ちZ0=COOH)であるとき、ペプチドの合成は、PAM樹脂に結合したBoc-HN-X2-CH2-COOHで開始する。この特別
な段階に関しては、4モル当量のBoc-HN-X2-COOH、HBTU及びHOBtと、10モル当量のDIEAを
使用する。カップリング時間は約8時間である。
【0099】
A5c、A6c及び/またはAibを含む本発明のGLP-1類似体の合成において、これらの残基及び、これらの直後の残基に関してはカップリング時間は2時間である。
【0100】
上記一般式の置換基R2及びR3は、当業界で公知の標準的な方法によりN-末端アミノ酸の遊離アミンに結合させることができる。(C1-C30)アルキルなどのアルキル基は、還元性アルキル化を使用して結合させることができる。(C1-C30)ヒドロキシアルキルなどのヒドロキシアルキル基も、還元性アルキル化を使用して結合させることができ、ここで前記遊離ヒドロキシル基はt-ブチルエステルにより保護する。COX5などのアシル基は、完成した樹脂を、3モル当量の塩化メチレン中、遊離酸とジイソプロピルカルボジイミドの両方
とともに、約1時間混合することにより、X5COOHなどの遊離酸をN-末端アミノ酸の遊離ア
ミンにカップリングすることにより結合させることができる。この遊離酸が3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル酢酸などの遊離ヒドロキシル基を含む場合、カップリングは、追加
の3モル当量のHOBTを使用して実施すべきである。
【0101】
本発明のペプチドは、医薬的に許容可能な塩の形態で提供することができる。そのような塩の例としては、これらに限定されないが、有機酸(たとえば、酢酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸またはパモ酸)、無機酸(たとえば、塩酸、硫酸またはリン酸)、及びポリマー酸(たとえばタンニン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸またはポリ乳酸-グリコール酸のコポリマー)により形成されるものが挙げられる
。本発明のペプチドの塩を形成する典型的な方法は当業界で公知であり、塩交換の標準的な方法により実施することができる。従って、本発明のペプチドのTFA塩(このTFA塩は、分取HPLCを使用し、TFAを含む緩衝液で溶出するペプチド精製から得られる)は、少量の0.25 N酢酸水溶液中にこのペプチドを溶解して酢酸塩などの別の塩に転化させることがで
きる。得られた溶液をセミ-プレップHPLCカラム(Zorbax,300SB,C-8)に適用する。こ
のカラムを(1)0.1 N酢酸アンモニウム水溶液で0.5時間;(2)0.25 N酢酸水溶液で0.5
時間;及び(3)一次勾配液(溶液Bが20%〜100%、30分)で、流速4 ml/分(溶液Aは0.25 N酢酸水溶液である;溶液Bはアセトニトリル/水(80/20)中0.25 N酢酸である)で溶出する。ペプチドを含む画分を集め、凍結乾涸させる。
【0102】
当業者には公知の如く、GLP-1の公知且つ潜在的な用途は多種多様である(Todd,J.F.ら、Clinical Science,1998年,95巻,325-329頁;及びTodd,J.F.ら,European Journal of Clinical Investigation,1997年,27巻,533-536頁を参照されたい)。かくして、本
発明の化合物をアゴニスト効果を誘発させる目的で投与するのは、GLP-1自体と同じ効果
を有し得る。GLP-1のこれらの多様な用途は、下記の処置にまとめることができる:I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴン産生腫瘍、気道の分泌疾患、代謝異常、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、処置動脈の再狭窄、神経変性病、腎不全、鬱血性心不全、ネフローゼ症症候群、肝硬変、肺水腫、高血圧症、呼吸困難の処置(米国特許出願第2004/0235726 A1号)、食物の摂取減少が望ましい疾患。被検体からアンタゴニスト作用を誘発さ
せる本発明のGLP-1類似体は、以下の疾患の処置に使用できる:低血糖症及び、胃腸切除
または小腸切除に伴う吸収不良症候群。
【0103】
従って本発明は、活性成分として、医薬的に許容可能なキャリヤと組み合わせた式(I
)または(II)の化合物の少なくとも一種を含む医薬組成物を本発明の範囲内に含む。
【0104】
本発明の組成物中の活性成分の用量は変動し得る;しかしながら、活性成分の量は、好適な剤形が得られるようであることが必要である。選択された用量は、所望の治療効果、投与経路及び処置期間に依存する。通常、本発明の活性に関する有効量は、1×10-7〜200
mg/kg/日、好ましくは1×10-4〜100 mg/kg/日の範囲であり、これは一回または複数回に分けて投与することができる。
【0105】
本発明の化合物は、経口、非経口(たとえば筋肉内、腹腔内、静脈内または皮下注射またはインプラント)、鼻、膣、直腸、舌下または局所投与経路により投与することができ、それぞれの投与経路に好適な剤形を提供するために医薬的に許容可能なキャリヤと共に配合することができる。
【0106】
経口投与用の固体剤形としては、カプセル、錠剤、ピル、粉末及び粒子が挙げられる。そのような固体剤形では、活性化合物を蔗糖、ラクトースまたはスターチなどの少なくとも一種の不活性な医薬的に許容可能なキャリヤと混合する。そのような剤形は、通常の慣行通り、そのような不活性希釈剤以外の他の追加の物質、たとえばステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も含むことができる。カプセル、錠剤及びピルの場合、剤形は緩衝剤を含むこともできる。錠剤及びピルは、さらに腸溶性コーティングで製造することができる。
【0107】
経口用途用の液体剤形としては、これらに限定されないが、水などの当業界で通常使用される不活性希釈剤を含む、医薬的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシルなどが挙げられる。そのような不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、フレーバー剤及び香料などのアジュバントも含むことができる。
【0108】
非経口投与用の本発明の製剤としては、これらに限定されないが、滅菌の水性または非水性溶液、懸濁液、エマルションなどが挙げられる。非水性溶媒またはビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、たとえばオリーブ油及びトウモロコシ油、ゼラチン並びにエチルオレエートなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。そのような剤形は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントも含むことができる。これらは、バクテリアを捕捉するフィルターを通す濾過により、組成物に殺菌剤を配合することにより、組成物を照射することにより、または組成物を加熱することによって殺菌することができる。これらは滅菌固体組成物の形状でも製造することができ、これを滅菌水または他の滅菌の注射可能な媒体に使用直前に溶解することができる。
【0109】
直腸または膣投与用の組成物は、座剤であるのが好ましく、これは活性物質に加えて、ココアバターまたは座剤用ワックスなどの賦形剤を含むことができる。
【0110】
鼻または舌下用途用組成物も、当業界で公知の標準的な賦形剤を使用して製造する。
【0111】
さらに、本発明の化合物は、以下の特許及び特許出願に記載されたような徐放性組成物中で投与することができる。米国特許第5,672,659号は、生物活性剤とポリエステルとを
含む徐放性組成物について記載する。米国特許第5,595,760号は、ゲル化可能な形態で生
物活性剤を含む徐放性組成物について記載する。米国特許第5,821,221号は、生物活性剤
とキトサンとを含むポリマー性徐放性組成物について記載する。米国特許第5,916,883号
は、生物活性剤とシクロデキストリンとを含む徐放性組成物について記載する。PCT国際
公開第WO99/38536号は、生物活性剤の吸着性徐放性組成物について記載する。PCT国際公
開第WO00/04916号は、水中油型プロセスでペプチドなどの治療薬を含む微粒子の製造プロセスについて記載する。PCT国際公開第WO00/09166号は、ペプチドなどの治療薬とホスホ
リル化ポリマーを含む複合体について記載する。PCT国際公開第WO00/25826号は、ペプチ
ドなどの治療薬と、非重合可能なラクトンを保持するポリマーとを含む複合体について記載する。
【0112】
他に定義しない限り、本明細書中で使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者には普通に理解される意味をもつ。また、本明細書中で述べた全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体を参照として含む。
【0113】
以下の実施例は、本発明のペプチドの合成法について記載する。この方法は、当業者には公知である。他の方法も当業者には公知である。実施例は説明の目的のために提供したものであり、本発明の範囲をいかなる方法にも限定するものではない。
【0114】
Boc-βAla-OH、Boc-D-Arg(Tos)-OH及びBoc-D-Asp(OcHex)は、Nova Biochem、San Diego、カリフォルニアから購入した。Boc-Aun-OHは、Bachem、King of Prussia、PAから
購入した。Boc-Ava-OH及びBoc-Ado-OHは、Chem-Impex International、Wood Dale、ILか
ら購入した。Boc-Nal-OHは、Synthetech,Inc.、Albany、ORから購入した。
【0115】
実施例1
((3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
表記ペプチド、本明細書中、((3F,4HO)-フェニルアセチル7)hGLP-1(7-36)NH2
もいう、をフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)化学を使用して、Applied Biosystemsモデル433Aペプチド合成器(Foster City,CA)で合成した。0.66 mmol/gの置換基をもつRinkアミド-4-メチルベンジルヒドリルアミン(MBHA)樹脂(Novabiochem.,San Diego,CA)を使用した。使用したこのFmocアミノ酸(AnaSpec,San Jose,CA)は、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asp(tBu)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Glu(tBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-IIe-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH及びFmoc-Val-OHであった。樹脂に結合した最後の残基は、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル酢酸(Aldrich,Milwaukee,Wi.)であった。この合成を0.1 mmolスケールで実施した
。このFmoc基は、N-メチルピロリドン(NMP)中、20%ピリジンで30分間処理することにより除去した。各カップリング段階で、Fmocアミノ酸(3当量,0.3 mmol)を、NMP中0.45 Mの2-(1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,2,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート/1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール(HBTU/HOBT)の溶液2 ml中で最初に
予備活性化した。この活性化アミノ酸エステル、1 mlのジイソプロピルエチルアミン(DIEA)及び1 mlのNMPを樹脂に添加した。ABI 433Aペプチド合成器は、以下の反応サイクル
を実施するようにプログラムした:(1)NMPで洗浄;(2)NMP中20%ピペリジンで30分間
、Fmoc保護基を除去;(3)NMPで洗浄;(4)予備活性化Fmocアミノ酸と1時間結合。この樹脂を順に表記ペプチドの配列に従って結合させた。ペプチド鎖が組上がったら、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)とジクロロメタン(DCM)を使用して完全に樹脂を除去した。
【0116】
ペプチド鎖のアセンブリの最後で、ペプチド-樹脂を振盪器上の反応容器に移し、TFA、H2Oとトリイソプロピルシラン(TIS)(9.5 ml/0.85 ml/0.8 ml)の混合物で4時間処理した。樹脂を濾別し、濾液を200 mlのエーテルに注いだ。沈殿物を濾過により集め、エーテルで十分に洗浄した。この粗生成物をアセトニトリルと酢酸水溶液との混合物に溶解し、C18DYNAMAX-100 A0のカラム(4×43 cm)の逆相分取HPLC系(Varian,Walnut Creek,CA
)で精製した。カラムは、90%A:10%B〜50%A:50%B(ここでAは水中0.1%TFAであり、Bは
アセトニトリル中0.1%TFAである)の一次勾配液を使用して約1時間で溶出した。画分は分
析HPLCでチェックし、純粋な生成物を含むものはプールし、凍結乾涸させると、白色固体5.6 mg(収率1.7%)が得られた。純度は分析HPLC系によりチェックすると、95.1%である
ことが判明した。エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)により、分子量3312.3であった(計算した分子量3312.6と一致)。
【0117】
実施例2
(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,Pro37,Ser38,39)hGLP-1(7-39)-NH2
表記化合物は、好適な保護化アミノ酸(AnaSpec,San Jose,CA)を使用して実施例1で記載の手順に実質的に従って合成した。保護化ペプチド鎖のアセンブリの最後に、追加の工程を加えて、NMP中20%ピペリジンを30分間使用することによりN-末端Fmoc-保護基を除
去した。次いでこのペプチド樹脂は、実施例1に記載の手順を使用して、洗浄し、開裂し
、精製し、キャラクタリゼーションした。収率は7.9%であった。純度は95.0%であった。
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)により、分子量3629.40であった(計算
した分子量3628.00と一致)。
【0118】
以下の実施例は、上記の好適な手順に従って実施することができる。
【0119】
実施例3:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Asn38)hGLP-1(7-38)-NH2
実施例4:((4-イミダゾール-カルボニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例5:((3-(3-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例6:((3-フェニル-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例7:((4-ニトロフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例8:((3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例9:((4-ヒドロキシフェニルアセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例10:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Ser38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例11:(Aib8,35,37,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例12:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例13:(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例14:(Aib8,35,37,Arg26,34,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例15:(Aib8,35,37,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例16:((3-(4-アミノフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例17:((3-(4-ニトロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例18:((3-(2-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例19:((3-(3,4-ジフルオロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2

実施例20:(Aib8,35,Arg26,34,β-Ala37,His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例21:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例22:(Aib8,35,37,Arg26,34,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例23:(Aib8,35,37,Arg26,34,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例24:(Aib8,35,37,Arg26,34,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例25:(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例26:(Aib8,35,37,Arg26,34,His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例27:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例28:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,Ava38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例29:(Aib8,35,37,Arg26,34,Ava38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例30:(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例31:(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例32:((4-アミノフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
実施例33:(Aib8,35,37,Gly38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例34:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例35:(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,D-His38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例36:(Aib8,35,37,Arg26,34,Phe31,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例37:(Aib8,35,Arg26,34,Phe31,β-Ala37,38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例38:(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,β-Ala38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例39:(Aib8,35,37,Arg34,Phe31,Gaba38)hGLP-1(7-38)NH2
実施例40:((3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
【0120】
本明細書中に例示した化合物の代表的なサンプルの物理的データを表1に示す。
【0121】
【化30】

【0122】
【化31】

【0123】
本発明の化合物は、以下の手順に従ってGLP-1結合化合物として活性を試験することが
できる。
【0124】
細胞の培養:
GLP-1レセプターを発現するRIN 5Fラットインスリノーマ細胞(ATCC-#CRL-2058,American Type Culture Collection,Manassas,VA)を、10%ウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養し、5%CO2/95%空気の加湿雰囲気中、約37℃で保持した

【0125】
放射性リガンド結合:
膜は、Brinkman Polytron(Westbury,NY)(設定6、15秒)を使用し、20 mlの氷冷50 mM Tris-HCl中でRIN細胞をホモジナイズすることにより放射性リガンド研究用に調製した。ホモジネートを遠心分離(39,000 g/10分)で2回洗浄し、最終ペレットを、2.5 mM MgCl2、0.1 mg/mlバシトラシン(Sigma Chemical,St.Louis,MO)及び0.1%BSAを含む50 mM Tris-HClに再懸濁させた。アッセイ用に、アリコート(0.4 ml)を0.05 nM(125I)GLP-1(7-36)(〜2200 Ci/mmol,New England Nuclear,Boston,MA)と、非標識化競合試験
ペプチド0.05 mlを使用するかまたは使用せずにインキュベートした。100分インキュベーション(25℃)した後、結合した(125I)GLP-1(7-36)を、予め0.5%ポリエチレンイミ
ンで浸漬しておいたGF/Cフィルター(Brandel,Gaithersburg,MD)を通して迅速に濾過
することによって遊離体から分離した。次いでフィルターを氷冷50 mM Tris-HClの5 mlアリコートで3回洗浄し、フィルター上にトラップされた結合放射能をガンマ線スペクトロ
メトリー(Wallac LKB,Gaithersburg,MD)によりカウントした。特異的結合は、総(125I)GLP-1(7-36)結合から1000 nM GLP1(7-36)(Bachem,Torrence,CA)の存在下で
の結合を差し引いたものとして定義した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩であって:
【化1】

式中、R7は、
【化2】

であり、
A8はAla、β-Ala、Gly、Ser、D-Ala、Aib、Acc、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;
A9はGlu、N-Me-Glu、N-Me-AspまたはAspであり;
A10はGly、Acc、β-AlaまたはAibであり;
A11はThrまたはSerであり;
A12はPhe、Acc、Aic、Aib、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Cha、Trpまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A13はThrまたはSerであり;
A14はSerまたはAibであり;
A15はAspまたはGluであり;
A16はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、AlaまたはChaであり;
A17はSer、AibまたはThrであり;
A18はSer、LysまたはThrであり;
A19はTyr、Cha、Phe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Accまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A20はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Pheまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A21はGluまたはAspであり;
A22はGly、Acc、β-Ala、GluまたはAibであり;
A23はGln、Asp、AsnまたはGluであり;
A24はAla、Aib、Val、Abu、TleまたはAccであり;
A25はAla、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A26はLys、Arg、hArg、Orn、Lys(Nε-デカノイル))、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A27はGlu、Asp、Leu、AibまたはLysであり;
A28はPhe、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、(X6、X7、X8、X9、X10)Phe、Aic、Acc、Aib、ChaまたはTrpであり;
A29はIle、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、AlaまたはPheであり;
A30はAla、AibまたはAccであり;
A31はTrp、2-Pal、3-Pal、4-Pal、1Nal、2Nal、Phe、Acc、Aib、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはChaであり;
A32はLeu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、(X6、X7、X8、X9、X10)PheまたはAlaであり;
A33はVal、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lysまたは(X6、X7、X8、X9、X10)Pheであり;
A34はLys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;
A35はβ-Ala、D-Ala、Gaba、Ava、HN-(CH2m-C(O)、Aib、Acc、D-Arg、D-アミノ酸であるか、または欠失しており;
A36はL-若しくはD-Arg、D-若しくはL-Lys、またはLys(Nε-デカノイル)またはLys(Nε-ドデカノイル)またはD-若しくはL-hArg、D-若しくはL-OrnまたはHN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)、HN-CH((CH2e-X3)-C(O)であるか、または欠失しており;
A37はGly、β-Ala、Gaba、Aib、Acc、Act、Apc、Aun、Ava、Pro、Dhp、Dmt、Pip、L-若しくはD-Arg、L-若しくはD-AspまたはGlu、Lys(Nε-デカノイル)、Lys(Nε-ドデカノイル)、Lys(Nε-オクタノイル)、Lys(Nε-テトラデカノイル)、Ser(O-デカノイル)であるか、または欠失しており;
A38はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc、Act、Arg、Ava、Gly、β-Ala、Gaba、HN-(CH2s-C(O)であるか、または欠失しており;
A39はD-若しくはL-His、L-若しくはD-Ala、Asn、Gln、Ser、Thr、Acc、Ado、Aib、Apc、Act、Arg、Aun、Gly、β-Ala、Gaba、Lys(Nε-オクタノイル)、HN-(CH2s-C(O)であるか、または欠失しており;
R1はOH、NH2であり;(C1-C30)アルコキシ、またはNH-X2-CH2-Z0であり、ここでX2は(C0-C20)炭化水素部分であり、Z0はH、OH、CO2HまたはCONH2であり;
X3は、
【化3】


【化4】

または−C(O)-NHR12であり、ここでX4は、それぞれの場合で独立して、-C(O)-、-NH-C(O)-または-CH2-であり、ここでfは、それぞれの場合で独立して、1と29を含んで1〜29の整数であり;
X6、X7、X8、X9、X10は、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C6)アルキル、OH、OR4、NO2、CN、及びハロから選択され;
R4は(C1-C30)アルキル、(C2-C30)アルケニル、フェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5は、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C6)アルキル、OH、OR4、NO2、CN、及びハロから選択され;
Z1及びZ2は一緒に結合して環系を形成することができ;
eは、それぞれの場合で独立して、1と4を含んで1〜4の整数であり;
mは、それぞれの場合で独立して、5と24を含んで5〜24の整数であり;
nは、それぞれの場合で独立して、1と5を含んで1〜5の整数であり;
tは、それぞれの場合で独立して、0と4を含んで0〜4の整数であり;
R10及びR11はそれぞれ、それぞれの場合で独立して、H、(C1-C30)アルキル、(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))または
【化5】

であり;及び
R12及びR13はそれぞれ、それぞれの場合で独立して(C1-C30)アルキルであり;
但し、
R7はC(O)X11ではなく、ここでX11はフェニル(C1-C30)アルキル、ナフチル(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C1-C30)アルキル、ヒドロキシ(C2-C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C1-C30)アルキルまたはヒドロキシナフチル(C1-C30)アルキルであり;
R10が(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH2))または、
【化6】

であるとき、R11はHまたは(C1-C30)アルキルである。
【請求項2】
A11はThrであり;A13はThrであり;A15はAspであり;A17はSerであり;A18はSerまたはLysであり;A21はGluであり;A23はGlnまたはGluであり;A27はGlu、Leu、AibまたはLysであり;及びA31はTrp、Phe、1Nalまたは2Nalである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
A7は4-イミダゾール-カルボニル、4-ニトロフェニル-アセチル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル、4-ヒドロキシフェニル-アセチル、3-(4-アミノフェニル)-プロピオニル、3-(4-ニトロフェニル)-プロピオニル、3-(3,4-ジフルオロフェニル)-プロピオニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチルまたは4-アミノフェニル-アセチルであり;A9はGlu、N-Me-GluまたはN-Me-Aspであり;A12はPhe、Acc、1Nal、2Nal、またはAicであり;A16はVal、AccまたはAibであり;A19はTyr、1Nalまたは2Nalであり;A20はLeu、AccまたはChaであり;A24はAla、AibまたはAccであり;A25はAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN-CH((CH2n-N(R10R11))-C(O)またはHN-CH((CH2e-X3)-C(O)であり;A28はPhe、1Nalまたは2Nalであり;A29はIleまたはAccであり;A30はAlaまたはAibであり;A32はLeu、AccまたはChaであり;及びA33はVal、LysまたはAccである、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
A8はAla、Gly、Ser、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cであり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A22はGly、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle、A6cまたはA5cであり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまたはA5cであり;A35はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5c、D-Arg、AccまたはGlyであり;A37はGly、Aib、β-Ala、D-Ala、Pro、Asp、AunまたはD-Aspであり;A38はD-若しくはL-His、Asn、Ser、Apc、Act、Gly、β-AlaまたはGabaであり;及びA39はSer、ThrまたはAibである、請求項3に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
X4は、それぞれの場合において-C(O)-であり;及びR1はOHまたはNH2である、請求項4に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項6】
A8はAla、D-Ala、Aib、A6c、A5c、N-Me-Ala、N-Me-D-AlaまたはN-Me-Glyであり;A10はGlyであり;A12はPhe、1Nal、2Nal、A6cまたはA5cであり;A16はVal、A6cまたはA5cであり;A20はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A22はGly、β-Ala、GluまたはAibであり;A24はAlaまたはAibであり;A29はIle、A6cまたはA5cであり;A32はLeu、A6c、A5cまたはChaであり;A33はVal、Lys、A6cまたはA5cであり;A35はAib、β-Ala、Ado、A6c、A5c、D-ArgまたはGlyであり;及びA37はGly、Aib、β-Ala、D-Ala、ProまたはD-Aspであり;A38はD-またはL-His、Asn、Ser、Gly、β-AlaまたはGabaであり;及びA39はSerであるか、または欠失しており;X4は、それぞれの場合において-C(O)-であり;eはそれぞれの場合において、独立して1または2であり;R1はOHまたはNH2であり;R10は(C1-C30)アシル、(C1-C30)アルキルスルホニルまたは、
【化7】

であり、及びR11はHである、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
R10は(C4-C20)アシル、(C4-C20)アルキルスルホニルまたは
【化8】

である、請求項6に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
(4Hppa7)GLP-1(7-36)NH2
(3Hppa7)GLP-1(7-36)NH2
(フェニルアセチル7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-イミダゾール-カルボニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-ニトロフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-ヒドロキシフェニルアセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((4-アミノフェニル-アセチル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(3-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-フェニル-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(4-アミノフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(4-ニトロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(2-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2
((3-(3,4-ジフルオロフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2;若しくは
((3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロピオニル)7)hGLP-1(7-36)NH2である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と、医薬的に許容可能なキャリヤまたは希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項10】
GLP-1レセプター由来のアゴニスト効果を誘発させることが必要な患者において、GLP-1レセプター由来のアゴニスト効果を誘発させるための、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を含む、医薬組成物。
【請求項11】
I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴン産生腫瘍、気道の分泌疾患、代謝異常、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、処置動脈の再狭窄、神経変性病、腎不全、鬱血性心不全、ネフローゼ症症候群、肝硬変、肺水腫、高血圧症、呼吸困難の処置、食物の摂取減少が望ましい疾患、低血糖症、及び、胃腸切除または小腸切除に伴う吸収不良症候群からなる群から選択される疾患を治療するための、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を含む、医薬組成物。
【請求項12】
前記疾患がI型糖尿病またはII型糖尿病である、請求項11に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2010−174016(P2010−174016A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40070(P2010−40070)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【分割の表示】特願2006−545362(P2006−545362)の分割
【原出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(509120469)イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (51)
【氏名又は名称原語表記】IPSEN PHARMA S.A.S.
【住所又は居所原語表記】65 Quai Georges Gorse,F−92100 Boulogne Billancourt FRANCE
【Fターム(参考)】