説明

GPR119作動薬

【課題】新規な糖尿病治療剤を提供する。
【解決手段】GPR119作動薬として具体例は3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル、3−[2−[4−(テトラゾール−1−イル)フェノキシメチル]ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル、3−[2−(5−メタンスルホニルインドール−1−イルメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル等が示される化合物またはその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はGPR119作動薬に関する。
【背景技術】
【0002】
生活習慣病の一つである糖尿病は、世界中でその患者数は増加傾向にある。糖尿病の治療方法としては、食事療法、運動療法そして薬物療法(インスリン注射剤、経口糖尿病薬)に分けられる。経口糖尿病薬としては、α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース、ボグリボース)、インスリン抵抗性改善剤(塩酸ピオグリタゾン)、ビグアナイド系製剤(塩酸メトホルミン)、スルフォニル尿素系製剤(グリベンクラミド、グリメピリド)、速効型インスリン分泌促進剤(ミチグリニドカルシウム水和物)等が市販されている。
さらに最近では、インスリンの分泌を増強させる消化管ホルモンであるインクレチン(incretin)製剤(エクセナチド)やDPP IV阻害剤(シタグリプチン)が開発、販売されており、またSGLT阻害剤に関する開発も進められている。
ところで、GPR119はN−Oleoylethanolamideを内因性ligandとするG蛋白質共役型受容体(GPCR)であり、膵β細胞からインスリンの分泌を亢進する受容体として報告されている。(非特許文献1) そしてGPR119作動薬はin vivoでの作用においてインクレチンの一つであるGlucagon like peptide−1(GLP−1)の血漿中濃度を上げることが認められており(非特許文献2)、間接的にもインスリンの分泌亢進に寄与している可能性がある。さらに、高脂肪食負荷ラットにおいて体重増加を抑制する作用が報告されており(非特許文献1)、エネルギー代謝に関与している可能性も示唆されている。これらのことから、GPR119作動薬は、糖尿病治療薬としての可能性のみならず、肥満、メタボリックシンドロームといった生活習慣病への適応も期待されている。
GPR119作動薬としては、たとえば特許文献1には、次の化合物(A)等が記載され、
【0003】
【化1】

【0004】
また特許文献2には、次の化合物(B)等が記載され、
【0005】
【化2】

【0006】
また特許文献3には、次の化合物(C)等が記載されている。
【0007】
【化3】

【0008】
しかしながら、後記一般式(I)、(II)又は(III)で表される本発明化合物と上記の化合物(A)、(B)及び(C)とは、構造上明確な相違がある。即ち、上記化合物(A)では、アザビシクロ環が5員環のトリアゾール環の窒素原子と結合しているのに対し、本発明化合物では、アザビシクロ環が6員環のピリジン環等の炭素原子と結合している。
また上記化合物(B)では、アザビシクロ環とピリミジン環が途中に酸素原子を介して結合しているのに対し、本発明化合物では、アザビシクロ環とピリジン環等が直接結合している。
さらに上記化合物(C)では、ピペリジン環と5員環のチアゾール環が結合しているのに対し、本発明化合物では、アザビシクロ環と6員環のピリジン環等が結合している。

一方、特許文献4には、アザビシクロ環がピリジン環の炭素原子と結合している次の化合物(D)が記載されている。
【0009】
【化4】

【0010】
この化合物(D)と本発明化合物とは、本発明化合物(I)におけるA−Bの部分が相違し、しかも特許文献4においては、化合物(D)がレニン阻害剤の合成中間体である旨の記載はあるが、GPR119アゴニスト作用を有する旨の記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 2009/014910
【特許文献2】WO 2009/055331
【特許文献3】WO 2008/083238
【特許文献4】WO 2007/088514
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Overton HA他,Cell Metab.,2006,3,167−75.
【非特許文献2】Chu ZL他,Endocrinology,2008,149,2038−47.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は下記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにこれらを有効成分として含有する糖尿病治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
即ち、本発明は、次の一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
【化5】

【0016】
(式中、Arはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択される置換基で置換されていても良いフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基を表し、
Aは(CH、C(O)、S、O、NR又は結合手を表し、
ここで、mは1〜3の整数を表し、Rは水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
Bは(C(R)H)、S、O、CH=CH、NR又は結合手を表し、
ここで、nは1〜3の整数を表し、R及びRは水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表す。
但し、AがS、O又はNRのとき、BはS、O又はNRではない。
U,Vの何れか一つはNで、他方はCRであるか、又はU及びVが共にNであり、
ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
及びRは同一又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又はC1−8アルキル基を表し、
及びRは同一又は異なり、水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
、X、X、X、X及びXは同一又は異なり、(CR1011又は結合手を表し、
ここでR10及びR11は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
pは1又は2を表し、
Yは単結合、2重結合、C(O)、C=NOR12、C=C(R13)(R14)、C(R15)(R16)、O、NR17又はS(O)を表す。
ここで、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
qは0〜2の整数を表す。
但し、X又はXが結合手のとき、Yは2重結合ではなく、そしてYが2重結合のとき、X及びXは、(CR1011を表す。
そして、ZはC(O)OR18、C(O)R19、SO20、C(O)NR2122若しくはCHC(O)N(R23)(R24)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5又は6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表す。)

また、本発明は、次の一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、T、T、T及びTの何れか1つはC(R25)又はNを表し、残りはC(R26)を表す。
ここでR25及びR26は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
03及びR04は同一又は異なり水素原子又はC1−8アルキル基を表し、
実線と破線とからなる2重線は、単結合または2重結合を表し、
01は(CH、C(O)又は結合手を表し、
ここでrは1〜3の整数を表し、
01は(C(R27)H)、S、O、CH=CH、NR28又は結合手を表し、
ここで、sは1〜3の整数を表し、R27及びR28は水素原子又はC1−8アルキル基を表す。
但し、A01がCH又は結合手のとき、B01はS、O又はNR28ではない。
01及びV01の何れか1つはNで、他方はCR29であるか、又はU01及びV01が共にNであり、
ここで、R29は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
01及びR02は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
01はC(O)OR30、C(O)R31、SO32、C(O)NR3334又はCHC(O)N(R35)(R36)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5若しくは6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R30、R31、R32、R33、R34、R35及びR36はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そして、tは1又は2を表す。)

また、本発明は、次の一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0019】
【化7】

【0020】
(式中、R07、R08及びR09は同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
Qは、C(R37)又はNを表し、
ここで、R37は、上記R07、R08及びR09と同じものであり、
02は(CH、O、S、NR38又は結合手を表し、
ここでuは1〜3の整数を表し、R38は水素原子又はC1−8アルキル基を表し、
02は(C(R39)H)、S、O、CH=CH又はNR40を表し、
ここで、vは1〜3の整数を表し、R39及びR40は水素原子又はC1−8アルキル基を表す。
但し、A02がO、S又はNR38のとき、B02はO、S又はNR40ではない。
02及びV02の何れか1つはNで、他方はCR41であるか、又はU及びVが共にNであり、
ここで、R41は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
05及びR06は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
02はC(O)OR42、C(O)R43、SO44、C(O)NR4546又はCHC(O)N(R47)(R48)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5若しくは6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そして、wは1又は2を表す。)
【0021】
また、本発明は、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤に関する。
さらにまた、本発明は、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するGPR119作動薬に関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)で表される本発明化合物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。

(1)
Arがシアノ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択される何れか1つの置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(2)
ArがC1−8アルキルスルホニル基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(3)
ArがC1−8アルキルスルホニル基とC1−8アルキル基又はハロゲン原子の何れか1つの置換基の2個の置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(4)
Arが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(5)
Arが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基とC1−8アルキル基又はハロゲン原子の何れか一つの置換基の2個の置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(6)
AがCHで、Bが結合手である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(5)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(7)
AがOで、BがCHである上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(5)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(8)
U及びVの何れか一つがNで、他方がCHである上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(7)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(9)
UがNで、VがCHである上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(7)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(10)
、X、X及びXがCHである上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(9)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(11)
及びXが結合手である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(9)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(12)
Yが単結合である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(11)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(13)
、R及びRが水素原子である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(12)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(14)
ZがC(O)OR18である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(13)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(15)
18がC1−8アルキルである上記(14)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(16)
Zが3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(13)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(17)
及びRの何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(16)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0023】
上記一般式(II)で表される本発明化合物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(18)
25及びR26が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基、又は5又は6員環のヘテロアリール基である上記一般式(II)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(19)
、T、T及びTの何れか1つがC(C1−8アルキルスルホニル基)である上記一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(20)
、T、T及びTの何れか1つがC(C1−8アルキルスルホニル基)であり、残りの何れか1つがC(C1−8アルキル基)又はC(ハロゲン原子)である上記一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(21)
、T、T及びTの何れか1つがC(1−テトラゾリル基)又はC(1,2,4−トリアゾール−1−イル基)である上記一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(22)
、T、T及びTの何れか1つがC(1−テトラゾリル基)又はC(1,2,4−トリアゾール−1−イル基)であり、残りの何れか1つがC(C1−8アルキル基)又はC(ハロゲン原子)である上記一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(23)
01が結合手である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(22)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(24)
01がCHで、B01が結合手である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(22)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(25)
01及びV01の何れか一つがNで、他方がCHである上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(24)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(26)
01がNで、V01がCHである上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(24)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(27)
01がC(O)OR30である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(26)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(28)
30がC1−8アルキルである上記(27)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(29)
01が3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(26)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(30)
01及びR02の何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(29)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(31)
03及びR04が水素原子である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(30)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(32)
tが1である上記一般式(II)で表される化合物又は上記(18)〜(31)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0024】
上記一般式(III)で表される本発明化合物のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(33)
07、R08及びR09が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基、又は5又は6員環のヘテロアリール基である上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(34)
07、R08及びR09の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基である上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(35)
07、R08及びR09の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基であり、残りの何れか1つがC1−8アルキル基又はハロゲン原子である上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(36)
07、R08及びR09の何れか1つが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基である上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(37)
07、R08及びR09の何れか1つが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基であり、残りの何れか1つがC1−8アルキル基又はハロゲン原子である上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(38)
02がOで、B02がCHである上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(37)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(39)
02及びV02の何れか一つがNで、他方がCHである上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(38)記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(40)
02がNで、V02がCHである上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(38)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(41)
02がC(O)OR42である上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(40)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(42)
42がC1−8アルキルである上記(41)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(43)
02が3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(40)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(44)
05及びR06の何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(43)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
(45)
wが1である上記一般式(III)で表される化合物又は上記(33)〜(44)記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【0025】
上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等が挙げられ、C1−8アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基若しくはヘキシル基等が挙げられる。
またC3−8シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、C1−8アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基若しくはプロポキシ基等が挙げられ、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基若しくはトリフルオロメチル基等が挙げられ、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基としては、フルオロメトキシ基若しくはトリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
また、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)としては、メトキシカルボニル基若しくはエトキシカルボニル基等が挙げられ、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、アセチル基等が挙げられ、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、メチルアミノカルボニル基若しくはエチルアミノカルボニル基等が挙げられ、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)としては、ジメチルアミノカルボニル基若しくはジエチルアミノカルボニル基等が挙げられ、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)としては、メトキシカルボニルメチルカルボニル基若しくはエトキシカルボニルメチルカルボニル基等が挙げられる。
また、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、メタンスルホニルメチル基若しくはエタンスルホニルメチル基等が挙げられ、C1−8アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基若しくはエチルアミノ基等が挙げられ、C2−12ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基若しくはジエチルアミノ基等が挙げられ、C1−8アルキルスルホニルアミノ基としては、メタンスルホニルアミノ基若しくはエタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、アセチルアミノ基等が挙げられる。
また、C1−8アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基若しくはエチルスルフィニル基等が挙げられ、C1−8アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基若しくはエタンスルホニル基等が挙げられ、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基としては、シクロプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基等が挙げられる。
1−8アルキルアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基若しくはエチルアミノスルホニル基等が挙げられ、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基としては、ジメチルアミノスルホニル基若しくはジエチルアミノスルホニル基等が挙げられる。
また、フェニル基で置換されたC1−8アルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
またC2−8アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられる。
また3〜6員環のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物で、Arのフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基が有していても良い置換基、上記一般式(II)で表される化合物のR25、R26並びに上記一般式(III)で表される化合物のR07、R08、R09の5又は6員環のヘテロアリール基としては、1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基等が挙げられる。
【0026】
また、上記一般式(I)でのZ、上記一般式(II)のZ01及び上記一般式(III)のZ02の5又は6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)としては、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又はピリミジン−2−イル基等が挙げられる。
なお上記Z、Z01及びZ02の5又は6員環のヘテロアリール基はフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はi−プロピル基等のC1−8アルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等の3〜7員環のシクロアルキル基、トリフルオロメチル基等の1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基等の置換基を有していても良い。
また、上記一般式(I)で表される化合物で、Arのフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基が有していても良い置換基数は、1〜3個である。
また、上記一般式(I)で表される化合物で、アザビシクロ環としては、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン及び2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンが好ましい。
上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物において、薬学的に許容される塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、又はフマル酸塩、メシル酸塩等の有機酸との塩が挙げられる。
本発明には、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物には、ラセミ体や光学活性体等も含まれる。
本発明には、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物には、これらの水和物、溶媒和物も含まれる。
【0027】
次に、上記一般式(II)で表される化合物、又はその薬理学的に許容される塩の製造方法を次に示す。
以下に、A01がCH、B01が結合手の製造方法を例示するが、他の類似化合物についても同様の方法で製造することができる。
【0028】
【化8】

【0029】
<A法>
【0030】
【化9】

【0031】
【化10】

【0032】
【化11】

【0033】
【化12】

【0034】
(式中、Haloは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を表し、Lは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、または、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、R01,R02,R03,R04,T,T,T,T,U01,V01,Z01,及びtは前記と同じ。)

1)出発原料(a)は、公知の方法(M.V.Chelliah et.al.,J.Med.Chem.,2007,50,5147,WO2006114213など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。また、出発原料(b)は、公知の方法(G.Shyamali et.al.,Can.J.Chem.,2006,84,555,WO2007081995など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。

2)第1工程
出発原料(a)と出発原料(b)の反応は、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に関与しない溶媒中、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム等の塩基存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体等の触媒を用いて反応させることにより、一般式(c)の化合物を得ることができる。この場合、反応温度は20℃〜110℃である。

3)第2工程
一般式(c)の化合物の一般式(d)の化合物への変換は、メタノール、エタノール等の反応に関与しない溶媒中、パラジウム−炭素等を触媒として接触水素添加する方法で得ることができる。

4)第3工程
一般式(d)の化合物の一般式(e)の化合物への変換は、トルエン、ジクロロメタン等の反応に関与しない溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、あるいは非存在下、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、塩化チオニル等を反応させることにより得ることができる。

5)第4工程
一般式(e)の化合物の一般式(g)の化合物への変換は、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン等の反応に関与しない溶媒中、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、クラウンエーテル等の添加剤の存在下、あるいは非存在下に一般式(f)の化合物を反応させることにより得ることができる。この場合、反応温度は室温〜130℃である。

また、一般式(g)で表される化合物は、下記のB法によっても製造することができる。

<B法>
【0035】
【化13】

【0036】
【化14】

【0037】
【化15】

【0038】
【化16】

【0039】

(式中、Haloは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を表し、Lは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、または、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、R01,R02,R03,R04,T,T,T,T,U01,V01,Z01,及びtは前記と同じ。)

1)第1工程
出発原料(a)の一般式(h)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

2)第2工程
一般式(h)の化合物の一般式(i)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

3)第3工程
一般式(i)の化合物の一般式(j)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

4)第4工程
一般式(j)の化合物の一般式(g)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。


次に、上記一般式(III)で表される化合物、又はその薬理学的に許容される塩の製造方法を次に示す。
以下に、A02がO、B02がCHの製造方法を例示するが、他の類似化合物についても同様の方法で製造することができる。
【0040】
【化17】

【0041】
<C法>
【0042】
【化18】

【0043】

(式中、R05,R06,R07,R08,R09,Q,U02,V02,Z02,及びwは前記と同じ。)

1)出発原料(k)は、前記A法で述べた方法と同様にして合成することができる。

2)第1工程
一般式(k)の化合物の一般式(m)の化合物への変換は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン等の反応に関与しない溶媒中、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル等のアゾジカルボン酸エステルと、トリフェニルホスフィン等の存在下、一般式(l)で表されるフェノール、ヘテロアリールアルコールを反応させることにより得ることができる。この場合、反応温度は0℃〜80℃である。

また、一般式(k)の化合物の一般式(m)の化合物への変換は、下記のD法によっても行うことができる。

<D法>
【0044】
【化19】

【0045】
【化20】

【0046】

(式中、Lは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、または、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、R05,R06,R07,R08,R09,Q,U02,V02,Z02,及びwは前記と同じ。)

1)第1工程
一般式(k)の化合物の一般式(n)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

2)第2工程
一般式(n)の化合物の一般式(m)の化合物への変換は、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン等の反応に関与しない溶媒中、水素化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、一般式(l)で表されるフェノール、ヘテロアリールアルコールを反応させることにより得ることができる。この場合、反応温度は0℃〜80℃である。


また、一般式(m)で表される化合物は、下記のE法によっても製造することができる。

<E法>
【0047】
【化21】

【0048】
【化22】

【0049】
【化23】

【0050】
(式中、Haloは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を表し、Lは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、または、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、R05,R06,R07,R08,R09,Q,U02,V02,Z02,及びwは前記と同じ。)

1)出発原料(o)は、前記A法で述べた方法と同様にして合成することができる。

2)第1工程
出発原料(o)の一般式(p)の化合物への変換は、前記D法で述べた方法と同様にして行うことができる。

3)第2工程
一般式(p)の化合物の一般式(q)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

4)第3工程
一般式(q)の化合物の一般式(m)の化合物への変換は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

なお、一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物は上記の製造方法、後記実施例、並びに前記の特許文献1〜4等を参考にして製造することもできる。
【0051】
本発明の代表化合物例を次に示す。
(代表化合物例1)
【0052】
【化24】

【0053】
(式中、R42、R43、R44,R45、R46、A、B、U、V、Q及びR41は表1〜3記載の通り。)
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】


【0056】
【表3】

【0057】
(代表化合物例2)
【0058】
【化25】

【0059】
(式中、R42,R43,R44,R45,R46、A,B,U,V,Q及びR41は表4〜6記載の通り。)
【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
(代表化合物例3)
【0064】
【化26】

【0065】
(式中、Ar、A、B、R45、R46、X40、Q及びR41は表7及び8記載の通り。)

【0066】
【表7】

【0067】
【表8】

【0068】
次に薬理試験について述べる。
(薬理実験1)
ヒトGPR119を導入した細胞における被検化合物の細胞内cAMP量の上昇作用を測定することにより、GPR119アゴニスト作用を検討した。以下に試験方法を示す。
(1)ヒトGPR119定常発現細胞の構築
ヒトGPR119 遺伝子(NM_178471)はATCCから購入し(ATCC No.10807349)、5’側にBamHIサイト、3’側にApa IサイトができるようにPCR増幅をおこなった(プライマー:tcctggatccatggaatcatctttctcatt(配列番号1)、tcctgggcccttagccatcaaactctgagc(配列番号2))。PCR条件は以下のとおりである。DNA ポリメラーゼ(KOD−Plus−Ver.2;TOYOBO#KOD−211)を用いて1サイクルあたり98℃で10秒間2本鎖DNAを熱変性し、55℃で30秒間プライマーを変性した1本鎖DNA にアニーリングさせ、引き続き68℃で1分15秒間DNA伸長反応させる。これを35サイクル繰り返した。PCR産物をインサートとしてプラスミドpcDNA5/FRT/TO(Invitrogen#V6520−20)に組み込み、できたプラスミドをFlp−in T−Rex−293細胞(invitorogen#R78007)に導入した。導入法については製品のプロトコール通り行った。
【0069】
(2)細胞内cAMP測定方法
上記方法により作成したヒトGPR119定常発現細胞を2500 cells/wellの濃度になるように96穴プレートに播種した(培地は、10%牛胎児血清(FBS )を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)培地を用いた)。細胞を播種して24時間後、tetracyclin(invitrogen#Q10019)(最終濃度20ng/mL)を添加し、hGPR119の発現を誘導した。24時間後、培地を捨て、被検化合物を含むassay buffer(0.5mM IBMX PBS(−))で37℃30分間刺激した。市販のキット(HitHunterTM cAMP XS+ Assay(GE Healthcare#90007503))及び測定機(FLUOstar Optima:BMG LABTECH)を用いて細胞内cAMP量を測定した。被検化合物は100% DMSOに溶解し、終濃度1%で添加した。
【0070】
(3)試験結果
後記実施例7の表9から明らかなように実施例記載の化合物が、優れたGPR119アゴニスト作用を示した。
【0071】
従って、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩は、GPR119アゴニスト作用、並びに血糖低下作用を有することから、糖尿病治療薬として期待され、さらに肥満、メタボリックシンドロームといった生活習慣病への適応も期待されている。
上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩は、公知の糖尿病治療薬との併用で用いることもできる。
【0072】
上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩は、ヒトに対して経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法により投与することができる。また、他の糖尿病治療剤と併用することも可能である。
製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、例えば錠剤の場合、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などが用いられる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。注射剤の調製には溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などが用いられる。
【0073】
投与量は通常成人においては、注射剤で有効成分である上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩を1日約0.01mg〜100mg,経口投与で1日1mg〜2000mgであるが、年齢、症状等により増減することができる。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0074】
3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル

(1)3−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボン酸t−ブチル

5−ブロモ−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチルピリジン(2.67g、6.86mmol)及び3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボン酸t−ブチル(2.30g、6.86mmol)を無水ジメチルホルムアミド(34mL)に溶解し、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)・ジクロロメタン付加体(112mg、0.14mmol)及び炭酸セシウム(4.47g、13.72mmol)を加えた。90℃で一晩加熱攪拌後、室温まで放冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=12:1)により精製し、表題化合物(2.02g,収率68%)を淡黄色油状物として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
0.11(6H,s),
0.95(9H,s),
1.50(9H,s),
1.6−1.8(1H,m),
1.9−2.1(2H,m),
2.1−2.3(2H,m),
2.9−3.2(1H,m),
4.3−4.6(2H,m),
4.81(2H,s),
6.47(1H,br s),
7.44(1H,d,J=8Hz),
7.65(1H,dd,J=2Hz,8Hz),
8.48(1H,d,J=2Hz).

(2)3−(2−ヒドロキシメチルピリジン−5−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル
上記で得た3−[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボン酸t−ブチル(800mg,1.85mmol)を無水テトラヒドロフラン(19mL)に溶解し、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオリド−テトラヒドロフラン溶液(2.78mL,2.78mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。
得られた残留物をメタノール(15mL)に溶解し、10%パラジウム−炭素(47mg)を加え、室温1気圧で5時間接触水素添加した。反応混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮し、表題化合物(473mg,収率80%,ジアステレオマー比=1:2)を無色透明油状物として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.50(9H,s),
1.6−2.1(5H,m),
2.4−3.0(3.33H,m),
3.1−3.2(0.67H,m),
4.2−4.5(2H,m),
4.7−4.9(2H,m),
7.2−7.3(1H,m),
7.58(0.67H,d,J=8Hz),
7.65(0.33H,d,J=8Hz),
8.43(0.67H,s),
8.45(0.33H,s).

(3)3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル

窒素雰囲気下、上記で得た3−(2−ヒドロキシメチルピリジン−5−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル(24mg,0.075mmol)を塩化メチレン(0.8mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(0.016mL,0.12mmol)を加えた。続いてメタンスルホニルクロライド(7μL,0.095mmol)を滴下し、室温で3時間攪拌後、水(1mL)を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去し、3−[2−(メタンスルホニルオキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチルの粗体を得た。
次に、窒素雰囲気下、4−メタンスルホニルフェノール(16mg,0.098mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)に溶解し、氷冷下、水素化ナトリウム(5mg,0.119mmol)を加えた。室温で30分撹拌後、再度氷冷下、上記で得られた3−[2−(メタンスルホニルオキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチルのN,N−ジメチルホルムアミド(0.4mL)溶液を加えた。室温で3時間、50℃で1時間撹拌後、室温まで放冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)により精製し、表題化合物(21mg,収率56%,ジアステレオマー比=1:2)を淡黄色アモルファスとして得た。

FAB−MS(m/z):473(M+1)
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.34(9H,s),
1.6−2.2(7.33H,m),
2.4−2.6(0.67H,m),
2.6−2.8(0.33H,m),
3.03(3H,s),
3.1−3.3(0.67H,m),
4.2−4.5(2H,m),
5.24(2H,s),
7.0−7.2(2H,m),
7.3−7.5(1H,m),
7.54(0.67H,dd,J=2Hz,8Hz),
7.59(0.33H,dd,J=2Hz,8Hz),
7.8−7.9(2H,m),
8.44(0.67H,d,J=2Hz),
8.52(0.33H,d,J=2Hz).
【実施例2】
【0075】
3−[2−[4−(テトラゾール−1−イル)フェノキシメチル]ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル

3−(2−ヒドロキシメチルピリジン−5−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル(46mg,0.144mmol)を用い、実施例1(3)に記載した方法によってメタンスルホニル化物の粗体を得た。
次に、1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラゾール(21mg、0.13mmol)をエタノールに溶解し、水酸化カリウム溶液(20%エタノール溶液,0.26mL,0.13mmol)を加えた。室温にて15分撹拌後、減圧下溶媒を留去し、乾固させた。得られた残留物を窒素雰囲気下N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、氷冷下、粗製のメタンスルホニル化物のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液を加えた。室温で20時間撹拌後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)により精製し、表題化合物(21mg,収率32%,ジアステレオマー比=1:2)を微褐色結晶として得た。

FAB−MS(m/z):463(M+1)
m.p.:154−155℃
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.50(9H,s),
1.5−2.2(7H,m),
2.4−2.6(1H,m),
2.6−2.8(0.33H,m),
3.0−3.2(0.67H,m),
4.2−4.5(2H,m),
5.24(2H,s),
7.1−7.2(2H,m),
7.4−7.5(1H,m),
7.5−7.6(3H,m),
8.46(0.67H,d,J=2Hz),
8.50(0.33H,d,J=2Hz),
8.91(1H,s).
【実施例3】
【0076】
3−[2−(5−メタンスルホニルインドール−1−イルメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル

3−(2−ヒドロキシメチルピリジン−5−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル(50mg,0.157mmol)を用い、実施例1(3)に記載した方法によってメタンスルホニル化物の粗体を得た。
上記のメタンスルホニル化物の粗体、5−メタンスルホニルインドール(31mg,0.157mmol)、水酸化カリウム(36mg,0.157mmol)及び18−クラウン−6−エーテル(41mg,0.157mmol)を無水トルエン(1.6mL)に懸濁させ、80℃で一晩加熱攪拌した。室温まで放冷した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)により精製し、表題化合物(14mg,収率19%,ジアステレオマー比=1:10)を白色アモルファスとして得た。

FAB−MS(m/z):496(M+1)
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.49(9H,s),
1.5−2.1(7.8H,m),
2.4−2.6(0.2H,m),
2.6−2.7(0.1H,m),
3.0−3.2(0.9H,m),
3.07(3H,s),
4.1−4.5(2H,m),
5.46(2H,s),
6.6−6.8(2H,m),
7.3−7.4(2H,m),
7.4−7.5(1H,m),
7.5−7.6(0.1H,m),
7.70(0.9H,dd,J=2Hz,9Hz),
8.2−8.3(1H,m),
8.43(0.9H,d,J=2Hz),
8.47(0.1H,d,J=2Hz).
【実施例4】
【0077】
8−(5−エチルピリミジン−2−イル)−3−[6−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−3−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン

実施例1に記載した3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸t−ブチル(50mg,0.11mmol)をジクロロメタン(0.55mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.55mL)を加えた。室温にて2時間撹拌後、反応液を減圧下濃縮乾固した。
得られた3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンの粗体を無水アセトニトリル(1mL)に溶解し、炭酸カリウム(76mg、0.55mmol)及び2−ブロモ−5−エチルピリミジン(26μL、0.22mmol)を加えた。80℃で12時間加熱撹拌後、室温まで放冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)により精製し、表題化合物(10mg,収率19%,ジアステレオマー比=1:7)を白色結晶として得た。

FAB−MS(m/z):479(M+1)
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.1−1.3(3H,m),
1.6−2.2(7.74H,m),
2.4−2.6(2H,m),
2.6−2.7(0.39H,m),
3.02(3H,s),
3.2−3.4(0.87H,m),
4.7−4.9(2H,m),
5.21(1.74H,s),
5.23(0.26H,s),
7.0−7.2(2H,m),
7.34(0.87H,d,J=8Hz),
7.38(0.13H,d,J=8Hz).
7.48(0.87H,dd,J=2Hz,8Hz),
7.60(0.13H,dd,J=2Hz,8Hz),
7.8−7.9(2H,m),
8.19(0.26H,s),
8.20(1.74H,s),
8.42(0.87H,d,J=2Hz),
8.48(0.13H,d,J=2Hz).
【実施例5】
【0078】
8−(5−イソプロピル−[1.2.4]オキサジアゾール−3−イル)−3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン

(1)3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボニトリル

実施例4に記載した方法によって得た3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタンの粗体(0.41mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(69mg,0.82mmol)の水(1mL)溶液を加えた。氷冷下にて、臭化シアン(24mg,0.227mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を加えて30分間撹拌し、さらに室温で2時間攪拌した。反応混合物を飽和重層水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)により精製し、表題化合物(127mg,収率78%,ジアステレオマー比=1:2)を無色透明油状物として得た。

FAB−MS(m/z):498(M+1)
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.6−2.3(9.33H,m),
2.50−2.7(0.67H,m),
3.0−3.3(1H,m),
3.03(3H,m),
4.1−4.2(2H,m),
5.25(2H,s),
7.1−7.2(2H,m),
7.4−7.5(1H,m),
7.6−7.7(1H,m),
7.8−7.8(2H,m),
8.49(0.67H,d,J=2Hz),
8.57(0.33H,d,J=2Hz).

(2)N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミジン

上記で得た3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボニトリル(127mg,0.32mmol)をエタノール(1.6mL)に溶解し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(0.26mL)を加え、60℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温に戻して、減圧下溶媒を留去し、表題化合物(116mg,収率84%)を得た。

FAB−MS(m/z):431(M+1)

(3)8−(5−イソプロピル−[1.2.4]オキサジアゾール−3−イル)−3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン

N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミジン(116mg、0.27mmol)、イソ酪酸(53μL,0.27mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・一水和物(45mg,0.30mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.7mL)に溶解し、氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン(155μL,0.89mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(62mg,0.32mmol)を加えた。室温で6時間攪拌後、反応混合物を飽和重層水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をトルエン(5.4mL)に懸濁し、6時間加熱還流した。反応混合物を室温に戻して、減圧下溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1:4)により精製し、表題化合物(81mg,収率62%,ジアステレオマー比=1:2)を白色結晶として得た。

FAB−MS(m/z):483(M+1)
m.p.:165−167℃
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.37(6H,d,J=7Hz),
1.8−3.3(10H,m),
3.02(2.01H,s),
3.03(0.99H,s),
4.3−4.5(2H,m),
5.23(1.34H,s),
5.24(0.66H,s),
7.0−7.2(2H,m),
7.3−7.5(1H,m),
7.52(0.67H,dd,J=2,8Hz),
7.62(0.33H,dd,J=2,8Hz),
7.8−7.9(2H,m),
8.45(0.67H,d,J=2Hz),
8.51(0.33H,d,J=2Hz).
【実施例6】
【0079】
5−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル

(1)5−ブロモ−2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン

5−ブロモ−2−(ヒドロキシメチル)ピリジン(344mg、2.0mmol)、4−メタンスルホニルフェノール(376mg、2.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(577mg、2.2mmol)を無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジエチルの2.2mol/Lトルエン溶液(1.0mL、2.2mmol)を滴下した。室温で16時間攪拌後、反応溶液に酢酸エチルを加え、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)により精製し、表題化合物(636mg,収率93%)を白色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
3.04(3H,s),
5.23(2H,s),
7.10(2H,d,J=9Hz),
7.40(1H,d,J=8Hz),
7.8−7.9(3H,m),
8.68(1H,d,J=2Hz).

(2)5−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン−5−イル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル

上記で得た5−ブロモ−2−(4−メタンスルホニルフェノキシメチル)ピリジン(150mg,0.44mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−2−アザノルボルネン(86mg,0.44mmol)、ピペリジン(135μL,1.36mmol)、酢酸パラジウム(5mg,0.022mmol)、トリフェニルホスフィン(12mg,0.044mmol)及びギ酸(43μL,1.14mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に懸濁させ、80℃で6時間加熱攪拌した。室温まで放冷した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2,クロロホルム:酢酸エチル=1:1)により精製し、表題化合物(4mg,収率2%)を白色アモルファスとして得た。

FAB−MS(m/z):459(M+1)
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.48(3.6H,s)
1.51(5.4H,s),
1.5−1.7(2H,m),
1.9−2.0(2H,m),
2.6−2.8(1H,m),
3.0−3.1(3.4H,m),
3.1−3.4(2.6H,m),
4.12(0.6H,s)
4.34(0.4H,s)
5.25(2H,s),
7.11(2H,d,J=9Hz),
7.39(0.4H,d,J=8Hz),
7.43(0.6H,d,J=8Hz),
7.54(0.6H,d,J=8Hz),
7.58(0.4H,d,J=8Hz),
7.87(2H,d,J=9Hz),
8.50(1H,s).

【実施例7】
【0080】
薬理実験1
(1)ヒトGPR119定常発現細胞の構築
ヒトGPR119 遺伝子(NM_178471)はATCCから購入し(ATCC No.10807349)、5’側にBamHIサイト、3’側にApaIサイトができるようにPCR増幅をおこなった(プライマー:TCCTGGATCCatggaatcatctttctcatt、TCCTGGGCCCttagccatcaaactctgagc)。PCR条件は以下のとおりである。DNA ポリメラーゼ(KOD−Plus−Ver.2;TOYOBO#KOD−211)を用いて1サイクルあたり98℃で10秒間2本鎖DNAを熱変性し、55℃で30秒間プライマーを変性した1本鎖DNA にアニーリングさせ、引き続き68℃で1分15秒間DNA伸長反応させる。これを35サイクル繰り返した。PCR産物をインサートとしてプラスミドpcDNA5/FRT/TO(Invitrogen#V6520−20)に組み込み、できたプラスミドをFlp−in T−Rex−293細胞(invitorogen#R78007)に導入した。導入法については製品のプロトコール通り行った。

(2)細胞内cAMP測定方法
上記方法により作成したヒトGPR119定常発現細胞を2500 cells/wellの濃度になるように96穴プレートに播種した(培地は、10%牛胎児血清(FBS )を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)培地を用いた)。細胞を播種して24時間後、tetracyclin(invitrogen#Q10019)(最終濃度20ng/mL)を添加し、hGPR119の発現を誘導した。24時間後、培地を捨て、被検化合物を含むassay buffer(0.5mM IBMX PBS(−))で37℃30分間刺激した。市販のキット(HitHunterTM cAMP XS+ Assay(GE Healthcare#90007503))及び測定機(FLUOstar Optima:BMG LABTECH)を用いて細胞内cAMP量を測定した。被検化合物は100% DMSOに溶解し、終濃度1%で添加した。
【0081】
(3)実験結果
試験結果を表9に示す。
【0082】
【表9】

【0083】
表9から明らかなように実施例記載の化合物が、優れたGPR119アゴニスト作用を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。

【化1】

(式中、Arはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択される置換基で置換されていても良いフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基を表し、
Aは(CH、C(O)、S、O、NR又は結合手を表し、
ここで、mは1〜3の整数を表し、Rは水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
Bは(C(R)H)、S、O、CH=CH、NR又は結合手を表し、
ここで、nは1〜3の整数を表し、R及びRは水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表す。
但し、AがS、O又はNRのとき、BはS、O又はNRではない。
U,Vの何れか一つはNで、他方はCRであるか、又はU及びVが共にNであり、
ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
及びRは同一又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又はC1−8アルキル基を表し、
及びRは同一又は異なり、水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
、X、X、X、X及びXは同一又は異なり、(CR1011又は結合手を表し、
ここでR10及びR11は水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
pは1又は2を表し、
Yは単結合、2重結合、C(O)、C=NOR12、C=C(R13)(R14)、C(R15)(R16)、O、NR17又はS(O)を表す。
ここで、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は水素原子、C1−8アルキル基又は3〜6員環のシクロアルキル基を表し、
qは0〜2の整数を表す。
但し、X又はXが結合手のとき、Yは2重結合ではなく、そしてYが2重結合のとき、X及びXは、(CR1011を表す。
そして、ZはC(O)OR18、C(O)R19、SO20、C(O)NR2122若しくはCHC(O)N(R23)(R24)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5又は6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表す。)
【請求項2】
Arがシアノ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択される何れか1つの置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
ArがC1−8アルキルスルホニル基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
ArがC1−8アルキルスルホニル基とC1−8アルキル基又はハロゲン原子の何れか1つの置換基の2個の置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Arが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Arが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基とC1−8アルキル基又はハロゲン原子の何れか一つの置換基の2個の置換基で置換されたフェニル基、ピリジル基、インドリル基、インドリニル基又はピロロピリジル基である請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
AがCHで、Bが結合手である請求項1〜6記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
AがOで、BがCHである請求項1〜6記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
U及びVの何れか一つがNで、他方がCHである請求項1〜8記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
UがNで、VがCHである請求項1〜8記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
、X、X及びXがCHである請求項1〜10記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
及びXが結合手である請求項1〜11記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Yが単結合である請求項1〜12記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
、R及びRが水素原子である請求項1〜13記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
ZがC(O)OR18である請求項1〜14記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
18がC1−8アルキルである請求項15記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Zが3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である請求項1〜14記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
及びRの何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である請求項1〜17記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
次の一般式(II)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【化2】

(式中、T、T、T及びTの何れか1つはC(R25)又はNを表し、残りはC(R26)を表す。
ここでR25及びR26は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
03及びR04は同一又は異なり水素原子又はC1−8アルキル基を表し、
実線と破線とからなる2重線は、単結合または2重結合を表し、
01は(CH、C(O)又は結合手を表し、
ここでrは1〜3の整数を表し、
01は(C(R27)H)、S、O、CH=CH、NR28又は結合手を表し、
ここで、sは1〜3の整数を表し、R27及びR28は水素原子又はC1−8アルキル基を表す。
但し、A01がCH又は結合手のとき、B01はS、O又はNR28ではない。
01及びV01の何れか1つはNで、他方はCR29であるか、又はU01及びV01が共にNであり、
ここで、R29は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
01及びR02は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
01はC(O)OR30、C(O)R31、SO32、C(O)NR3334又はCHC(O)N(R35)(R36)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5若しくは6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R30、R31、R32、R33、R34、R35及びR36はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そして、tは1又は2を表す。)
【請求項20】
25及びR26が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基、又は5又は6員環のヘテロアリール基である請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
、T、T及びTの何れか1つがC(C1−8アルキルスルホニル基)である請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
、T、T及びTの何れか1つがC(C1−8アルキルスルホニル基)であり、残りの何れか1つがC(C1−8アルキル基)又はC(ハロゲン原子)である請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
、T、T及びTの何れか1つがC(1−テトラゾリル基)又はC(1,2,4−トリアゾール−1−イル基)である請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
、T、T及びTの何れか1つがC(1−テトラゾリル基)又はC(1,2,4−トリアゾール−1−イル基)であり、残りの何れか1つがC(C1−8アルキル基)又はC(ハロゲン原子)である請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
01が結合手である請求項19〜24記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
01がCHで、B01が結合手である請求項19〜24記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
01及びV01の何れか一つがNで、他方がCHである請求項19〜26記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
01がNで、V01がCHである請求項19〜26記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
01がC(O)OR30である請求項19〜28記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
30がC1−8アルキルである請求項29記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
01が3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である請求項19〜28記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
01及びR02の何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である請求項19〜31記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
03及びR04が水素原子である請求項19〜32記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
tが1である請求項19〜33記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
次の一般式(III)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【化3】

(式中、R07、R08及びR09は同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、C2−12ジアルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
Qは、C(R37)又はNを表し、
ここで、R37は、上記R07、R08及びR09と同じものであり、
02は(CH、O、S、NR38又は結合手を表し、
ここでuは1〜3の整数を表し、R38は水素原子又はC1−8アルキル基を表し、
02は(C(R39)H)、S、O、CH=CH又はNR40を表し、
ここで、vは1〜3の整数を表し、R39及びR40は水素原子又はC1−8アルキル基を表す。
但し、A02がO、S又はNR38のとき、B02はO、S又はNR40ではない。
02及びV02の何れか1つはNで、他方はCR41であるか、又はU及びVが共にNであり、
ここで、R41は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
05及びR06は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基を表し、
02はC(O)OR42、C(O)R43、SO44、C(O)NR4546又はCHC(O)N(R47)(R48)を表すか、又はハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い5若しくは6員環のヘテロアリール基(ヘテロアリール環は、環構成原子として炭素原子及び窒素原子を有し、更に酸素原子又は硫黄原子を有していても良く、そして環を構成する炭素原子を介してアザビシクロ環の窒素原子と結合している)を表し、
ここで、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48はC1−8アルキル、C2−8アルケニル基、3〜6員環のシクロアルキル基、フェニル基又はフェニル基で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そして、wは1又は2を表す。)
【請求項36】
07、R08及びR09が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルホニル基、3〜6員環のシクロアルキルスルホニル基、スルファモイル基、フェニルスルホニル基、又は5又は6員環のヘテロアリール基である請求項35記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
07、R08及びR09の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基である請求項35記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
07、R08及びR09の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基であり、残りの何れか1つがC1−8アルキル基又はハロゲン原子である請求項35記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
07、R08及びR09の何れか1つが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基である請求項35記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
07、R08及びR09の何れか1つが1−テトラゾリル基又は1,2,4−トリアゾール−1−イル基であり、残りの何れか1つがC1−8アルキル基又はハロゲン原子である請求項35記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
02がOで、B02がCHである請求項35〜40記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
02及びV02の何れか一つがNで、他方がCHである請求項35〜41記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
02がNで、V02がCHである請求項35〜41記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
02がC(O)OR42である請求項35〜43記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
42がC1−8アルキルである請求項44記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
02が3−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、5−C1−8アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基又は5−C1−8アルキルピリミジン−2−イル基である請求項35〜43記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
05及びR06の何れか一方が水素原子で、他方が水素原子、C1−8アルキル又はハロゲン原子である請求項35〜46記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項48】
wが1である請求項35〜47記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項49】
請求項1〜48記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤。
【請求項50】
請求項1〜48記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するGPR119作動薬。

【公開番号】特開2013−47188(P2013−47188A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292010(P2009−292010)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】