説明

HCCIエンジン

【構成】
HCCIエンジン12の燃焼室に導入する燃料の反応性または空燃気の反応性を調節することによってHCCIエンジン12の燃焼タイミングを制御する。空燃気の反応性をより強くすると、行程早期で燃焼が生じ、空燃気の反応性を低くすると、燃焼が遅延する。一つの実施態様では、吸気空燃気の反応性を、吸気空燃気を部分酸化する吸気システム22、24内の触媒28を使用して調節する。別な実施態様では、エンジンに噴射する前に、触媒70または非熱式プラズマ発生器72に燃料の一部を流すことによって燃料の反応性を調節する。さらに別な実施態様では、エンジンに燃料を噴射する前に、燃料添加剤82、84を燃料に添加して、燃料の反応性を抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体としてHCCIエンジンの制御方法および制御装置に、特に、HCCI燃焼に使用される燃料、または空気/燃料混合物(混合気)の反応性を変更することによってHCCIエンジンの燃焼タイミングを制御する制御方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HCCI(均質混合気圧縮点火)は、予め混合した混合気の熱力学的条件が燃焼開始に好適な条件になるまで、圧縮行程時にこの混合気の温度を高くする燃焼モードである。HCCI燃焼は、希薄な均質混合気がエンジン圧縮行程に向けて燃焼を開始した時点で生じる燃焼である。均質な混合気を発生するために、通常の自動車用ポート形燃料噴射器を用いるか、あるいは行程の初期に、即ち下死点(BDC)付近で燃料をシリンダに直接噴射すればよい。混合気の熱力学的条件および温度/時間履歴については、予備的な発炎反応が発生するように正確でなければならない。HCCI燃焼は、希薄な混合気が複数の位置で燃焼するため、ピーク発炎温度がバルクガス温度と同じになるのが特徴である。通常のディーゼル拡散発炎燃焼に対してピーク発炎温度が低くなると、NOx排出量が、従来の代表的なディーゼル燃焼のNOx排出量よりも90%〜98%小さくなる。
【0003】
HCCI燃焼は制御が難しい。その主な理由は、各圧縮行程で燃焼の開始(SOC)を正確かつ反復的に制御できないからである。条件が燃焼に向かない場合には、ミスファイヤが生じる。例えば、燃焼開始が早すぎると、圧縮行程で混合気が燃焼する結果、エンジンに損傷が発生することもあり、またサイクル効率が低くなる。また、早期SOCが生じると、次のエンジンサイクル時にガス温度が高くなり、これが再び早期SOCを招く。例えば、HCCI燃焼が発生するレベルまで吸気温度を高くするために、HCCIエンジンの場合、排気ガス再循環(EGR)を使用している。
【0004】
ところが、吸気温度制御による燃焼位相整合にはいくつかの固有な問題がある。第1に、吸気温度は制御作用が弱い。即ち、温度変化が大きくても、燃焼位相整合の変化はごく穏やかに過ぎない。第2に、吸気温度が高くなると、体積効率が低くなる上に、動力出力が小さくなる。第3に、吸気温度を完全に制御できたとしても、反応位相整合の制御はごくわずかに過ぎない。また、再循環排気ガスを使用して温度制御した場合には、排気ガスが希薄になり、これが燃焼速度に影響する。さらに、実際のエンジンで、吸気温度を制御することは難しい。HCCIエンジンの場合、燃焼タイミングを効果的に制御できないため、動力出力および出力効率が低くなる。
【0005】
Daniel W.Dickeyに1998年11月10日付けで特許が付与され、かつ本願発明の譲渡者に譲渡され、“ディーゼルエンジンにおけるHCCI燃焼の制御装置および制御方法”を発明の名称とするUSP5,832,880には、水を噴射することによって各燃焼サイクルの圧縮行程時に、あるいは膨張行程時の初期に、燃焼の開始を調節することによってHCCI燃焼を制御する制御装置および制御方法が開示されている。この公報に記載されている制御装置および制御方法の場合、HCCIエンジンの燃焼開始を制御できるが、エンジンの燃焼室に水および燃料の両者を供給するために、車載吸水器、水ポンプ、配水装置および複式流体(dual−fluid)噴射器が必要である。これらの要請は、コストがかかり、またHCCIディーゼルエンジンの制御を複雑化する。
【特許文献1】USP5,832,880
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のHCCI燃焼の制御方法に関する上記問題を解決することを対象とするものである。即ち、吸気温度制御や水の噴射に頼らないHCCI燃焼の制御方法および制御装置を実現することが望ましい。また、動力出力やエンジン効率に犠牲を強いることなく、あるいはエンジンにかなりのコストをかけることなく、HCCI燃焼を効果的に制御できる制御方法および制御装置を実現することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によれば、本発明は、空気源とHCCIエンジンの吸気ポートとの間に延設され、流路部およびバイパス部を有する吸気マニホルドを利用する、HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法を提供するものである。このバイパス部内に、バイパス部を流れる空燃気を酸化する触媒を配設する。この態様による方法では、さらに、吸気マニホルドの流路部とバイパス部との間の位置で吸気マニホルドと流体連絡する燃料源を利用する。空気の連続流れを吸気マニホルドに導入する。この空気の連続流れに燃料を噴射し、吸気マニホルド内に空燃気を生成する。吸気マニホルドの流路部およびバイパス部を流れる空燃気の相対量を制御する手段を設ける。少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、このエンジン運転パラメータの検出値に応じて、吸気マニホルドの流路部およびバイパス部を流れる空燃気の相対量を制御する。
【0008】
本発明の第2態様によれば、本発明は、燃料源から、HCCIエンジンの燃焼室と流体連絡する少なくとも一つの燃料導入ポートまで延設した燃料導管を利用する、HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法を提供するものである。この燃料導管は、流路部およびバイパス部を有する。このバイパス部内には、流れる燃料を分解する手段を配設する。この態様による方法では、さらに、燃料導管の流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段を利用する。少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、このエンジン運転パラメータの検出値に応じて、燃料導管の流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する。
【0009】
本発明の第3態様によれば、本発明は、空気源とHCCIエンジンの燃焼室と流体連絡する少なくとも一つの燃料導入ポートとの間に延設した燃料導管を利用する、HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法を提供するものである。この態様による方法では、さらに、燃料の反応性を変更する少なくとも一つの燃料添加剤源を利用する。この燃料添加剤源は、燃料導管と制御自在に流体連絡する。少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応じて、燃料導管に導入される燃料添加剤の量を制御する。
【0010】
本発明の第4態様によれば、本発明は、HCCIエンジンの燃焼室内に空燃気を導入する吸気ポートを利用した、HCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置を提供するものである。この態様による装置は、吸気マニホルドを空気源とHCCIエンジンの吸気ポートとの間に延設して構成する。この吸気マニホルドは、流路部およびバイパス部を有する。空気源とバイパス部との間の位置において吸気マニホルドと制御された状態で流体連絡するように燃料源を配設し、吸気マニホルドに導入された燃料が空燃気を生成する。バイパス部を流れる空燃気を酸化する触媒を吸気マニホルドのバイパス部内に配設する。この装置は、さらに、吸気マニホルドの流路部およびバイパス部を流れる空燃気の相対量を制御する手段、および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段を有する。この装置は、また、吸気マニホルドの流路部およびバイパス部を流れる空燃気の相対量を制御する手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段と電気的に連絡する電子制御装置を有する。そして、この電子制御装置が、検出エンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号に応答して、吸気マニホルドの流路部およびバイパス部を流れる空燃気の相対量を制御する手段に制御信号を発信する。
【0011】
本発明の第5態様によれば、本発明は、HCCIエンジンの燃焼室と直接流体連絡する少なくとも一つの燃料噴射器を有し、空気源とこの燃料噴射器との間に燃料導管を延設したHCCIエンジンの燃料タイミング制御装置を提供するものである。この燃料導管は、流路部およびバイパス部を有する。このバイパス部内に、流れる燃料を分解する手段を配設する。この態様による装置は、さらに、燃料導管の流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段、および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段を有する。この装置は、また、燃料導管の流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段と電気的に連絡する電子制御装置を有する。そして、この電子制御装置が、検出エンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号に応答して、燃料導管の流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段に制御信号を発信する。
【0012】
本発明の第6態様によれば、本発明は、空気源と少なくとも一つの原料導入ポートとの間に第1導管を有し、混合時に、燃料の反応性を変更できる組成物をもつ少なくとも一つの燃料添加剤源を有するHCCIエンジンの燃焼タイミングの制御装置を提供するものである。この態様による装置は、さらに、燃料添加剤源および燃料導管と制御された状態で流体連絡する第2導管を有する。第2導管を流れる燃料添加剤の量を制御する手段を設けるともに、少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段を設ける。この装置は、さらに、第2導管を流れる燃料添加剤の量を制御する手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段と電気的に連絡する電子制御装置を有する。そして、この電子制御装置が、検出エンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号に応答して、第2燃料導管を流れる燃料の量を制御する手段に制御信号を発信する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面について、本発明の構成および運転を詳しく説明する。
【0014】
本発明では、エンジンの燃焼室内に導入される燃料または空燃気の反応性を調節することによって燃焼位相整合を制御する有効な手段によってHCCIエンジンの燃焼タイミングを調節する。空燃気の反応性をより高くする場合には、サイクルの初期で燃焼させ、また空燃気の反応性を抑える場合には、反応位相整合を遅延させる。本発明を実施するさいには、吸気の反応性をいくつかの方法の一つで調節することができる。これら方法それぞれについて、実施態様により以下説明する。
【0015】
図1は、HCCIエンジンの燃焼タイミングを制御する装置の一実施態様を示す概略図である。この実施態様の装置10は、本発明に従ってHCCIエンジン12の燃焼タイミングを制御するために好適な装置で、空気源16と吸気ポート18との間に吸気マニホルド14を延設して構成する。なお、この吸気ポート18により、エンジン12の図示を省略した燃焼室内に空燃気を導入する。吸気マニホルド14は、流路部22とバイパス部24とを有する。空気源16とバイパス部24との間にある位置において、通常の燃料噴射器48か、あるいは図示を省略したスロットル噴射によって燃料源26から燃料を導入し、この位置にある吸気マニホルド内で空燃気を形成する。
【0016】
本発明では、バイパス部24を流れる空燃気を酸化するのに好適な組成をもつ触媒28を吸気マニホルド14のバイパス部24内に配設することが重要である。好適な触媒を例示のみを目的として挙げると、ゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムである。
【0017】
本発明装置10は、さらに、吸気マニホルド14の流路部22およびバイパス部24を流れる空燃気の相対量を制御する手段30、例えばモジュレート式三方向流量制御弁32を有する。
【0018】
また、本発明装置10は、少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、この検出エンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する手段34を有する。図示の実施態様では、この手段34は、エンジンの運転を制御するためによく利用されているセンサ、例えばクランクシャフト位置センサ36または排気ガス温度センサ38を有する。クランクシャフト位置センサ36および排気ガス温度センサ38は、それぞれ検出エンジン運転パラメータ、即ち、それぞれエンジン運転速度および排気ガス温度に相関する各信号40、42を発信する。本発明装置10は、さらに、通常のプログラム式電子制御装置44を有し、この電子制御装置44は、三方向流量制御弁32と電気的に連絡するとともに、信号40によってクランクシャフト位置センサ36に、そして信号42によって排気ガス温度センサ38に電気的に連絡する。電子制御装置44のプログラムについては、三方向流量制御弁32を調節する制御信号46を発信することによって、検出エンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号40、42のいずれかあるいは両者、またはここでは具体的に示さない他のセンサ信号の検出値に応答して、吸気マニホルド14の流路部22およびバイパス部24に流れる空燃気の相対量を調節するようになっている。
【0019】
図示の実施態様の場合、燃料源26は、モジュレート式三方向流量弁32の上流位置にある吸気マニホルド14内に燃料噴射器48を配設して構成する。燃料ポンプ52と燃料噴射器48との間に燃料ライン50を延設する。燃料ポンプ52は、燃料タンク54と流体連絡する。燃料ポンプ52の運転については、電子制御装置44からの制御信号56によって制御する。そして、噴射タイミングおよび吸気マニホルド14に噴射される燃料の量については、電子制御装置44からの電気信号56によって制御する。
【0020】
次に、HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法の第1実施態様を説明するが、部品番号は図1に示す装置10と同じである。本発明方法では、吸気マニホルド14を空気源16とエンジン10の吸気ポート18との間に延設し、これに、流路部22とバイパス部24とを配設する。燃料源26については、吸気マニホルド14の流路部22およびバイパス部24を流れる空燃気の相対量を制御する手段30になる、モジュレート式三方向流量制御弁32と空気源16との間にある位置において吸気マニホルド14と流体連絡するように配設する。さらに、本発明方法では、空気の連続流れを吸気マニホルド14に導入するとともに、この空気の連続流れに燃料を噴射し、吸気マニホルド14内に空燃気を生成する。吸気マニホルド14の流路部22およびバイパス部24を流れる空燃気の相対量については、上記と同様に、少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応じて制御する。
【0021】
次に、本発明の別な実施態様を説明するが、これら実施態様における構成部品は上記の第1実施態様と同じ番号である。なお、これら実施態様において第1実施態様と異なる、あるいは第1実施態様で使用しない部品については、異なる番号を付して説明する。
【0022】
図2は、HCCIエンジンにおける燃焼タイミング制御装置の第2実施態様の概略図である。この実施態様では、燃焼室に燃料を直接噴射するか、あるいはポート噴射を介して噴射する前に、母体燃料の反応性を変更することによって燃焼タイミングを制御する。図2に示す実施態様では、HCCIエンジン12´の燃焼タイミング制御装置10´は、燃料源26と燃料噴射器60との間に燃料レール58によって燃料導管62を延設して構成する。この燃料導管62は、流路部64とバイパス部66とを有する。モジュレート式三方向流量制御弁などの手段74を設けて、燃料導管62の流路部64およびバイパス部66を流れる燃料の相対量を制御する。このモジュレート式三方向流量制御弁74については、その動作を電子制御装置44からの信号76によって制御する。この実施態様の電子制御装置44のプログラムについては、それぞれクランクシャフト位置センサ36および排気ガス温度センサ38、または図示を省略した他のセンサからの信号の少なくとも一つを受信し、モジュレート式三方向流量制御弁74に制御信号76を発信することによって、燃料導管62の流路部64およびバイパス部66を流れる燃料の相対量を制御するように構成する。
【0023】
ここで重要なことは、バイパス部66に、燃料導管62のバイパス部66を流れる母体燃料の反応性を変更する手段68を内蔵させることである。この実施態様の図2に示す第1実施例では、バイパス部66を流れる燃料の反応性を変更する手段68は、好ましくはゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの混合体からなる群から選択される還元触媒70で構成する。この触媒70は、比較的低い温度で酸化剤(空気ではない)の不在下において母体燃料の部分分解を促すことによって、噴射前に燃料の反応性を変更するものである。
【0024】
図3に示す第2実施例では、燃料導管62のバイパス部66に内蔵させる手段68´ととして、例えばコロナ放電装置などの非熱的プラズマ発生器72を使用する。一例を挙げると、カリフォルニア州シャーマンオークのLitex社のLitex CDD(登録商標)で、以前はガソリン式自動車エンジンが発生する有害な排出物を抑制するために使用されていたものである。この非熱式プラズマ発生器72は、エネルギーの高い低温電気放電を発生することによって、燃料ガスからエネルギー電子および遊離ラジカルを発生するものである。発生したこれら粒子が次に安定な粒子種に衝突し、酸化剤の不在下で分解を促す。あるいは、同様に、燃料の反応性を変更するために燃料導管62のバイパス部66に、他の非熱式プラズマ発生器、例えばストリーマ形ミクロ放電装置や誘電放電装置を利用することもできる。非熱式プラズマ発生器72は、電子制御装置44からの信号76によって制御する。
【0025】
図2および図3に示した実施例では、母体燃料の一部を触媒または非熱式プラズマで処理し、燃料を反応性のより強い、安定性のより低い分子に分解する。これら実施例では、燃料噴射器60の先端部を図示の各燃焼室内に配設するか、あるいは各燃焼室の吸気ポートに設ける。通常の場合と同様に、燃料噴射器60の作動、即ち開放、開放の持続および閉鎖は、電子制御装置44からの信号20によって制御する。
【0026】
従って、図2および図3に示した装置10´は、上記手段68によって燃料導管62のバイパス部66を流れる母体燃料26の反応性を変更することによってHCCIエンジン12´の燃焼タイミングを制御するために使用するのが好適である。燃料導管64の流路部64およびバイパス部66を流れる燃料の相対量については、エンジン運転パラメータと相関関係をもつ少なくとも一つの信号40、42に従って調節される電子制御装置44から受信される制御信号76に従って調節されるモジュレート式三方向流量制御弁74の開閉動作によって制御する。
【0027】
HCCIエンジン12´´の燃焼タイミングを調節する装置10´´の第3実施態様では、一つかそれ以上の燃料添加剤を利用して、使用する一種の燃料の反応性を変更する。具体的には、装置10´´の第1導管80を燃料源26および燃料噴射器60と制御自在に流体連絡させる。この装置10´´は、さらに、混合時に母体燃料26の反応性を変更できる組成をもつ少なくとも一つの燃料添加剤の添加剤源82/84を有する。なお、よく知られているように、各種添加剤はごく少量の使用でも、燃料の反応性を変更できる。一般的にいって、ディーゼル燃料のセタン改良剤や点火加速剤として一般に使用されているエチル−ヘキシル−ナイトレートやアルキルナイトレート処理組成物などの反応性向上剤を使用すると、燃料の反応性を上げることが容易になる。また、テトラ−エチル−鉛などの燃料反応性低下剤を少量使用しても、燃料の反応性を下げることができる。
【0028】
上記装置10´´は、さらに、第2導管86を介して第1導管80に流れる燃料添加剤82/84の量を制御するモジュレート式四方向流量制御弁88を有する。このモジュレート式四方向流量制御弁88の開閉動作については、電子制御装置44からの信号90によって制御する。
【0029】
本実施態様を実施するさいには、一次燃料ラインに燃料添加剤82/84を制御自在に導入することができる。なお、図4に示すように、添加剤の制御および分布をより改善するためには、第1導管80に流路部92およびバイパス部94を設けるとともに、このバイパス部94と四方向流量制御弁88とを流体連絡することが望ましい。このように構成すると、バイパス部94から排出される燃料26と所定の添加剤を混合し、処理済み燃料と未処理燃料とをブレンドし、噴射前に所望の反応特性を実現することができる。
【0030】
第1導管80の流路部92およびバイパス部94を流れる燃料の相対量については、モジュレート式三方向流量制御弁96によって制御する。また、このモジュレート式三方向流量制御弁96の開閉動作については、電子制御装置44からの制御信号98によって調節する。四方向流量制御弁88の開閉動作および調節を対象とする制御信号90、および三方向流量制御弁96の調節および開閉動作を対象とする制御信号98は、センサ信号40/42によって得られる少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に従ってプログラム式電子制御装置44が発生する。
【0031】
以上、本発明をその好適な実施態様について説明してきたが、当業者ならば、上記装置および方法は、本発明を応用するための代表的な構成を例示するものであることを認識できるはずである。例えば、図2、図3および図4の実施態様に示すように、燃料噴射器については、燃焼室内に直接配設してもよく、あるいは各燃焼室への吸気ポートに配設してもよい。本発明装置の上記構成および本発明方法の応用はいずれも特許請求の範囲に包含されるものである。なお、本発明の上記以外の態様、特徴および作用効果については、特許請求の範囲とともに以上の説明および図面から理解できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】HCCIエンジンの燃焼室に空燃気の反応性を変更することによってHCCI燃焼タイミングを制御する本発明の一実施態様を示す概略図である。
【図2】HCCIエンジンの燃焼室内に噴射する前に、制御量の燃料を触媒に流すことによってHCCI燃焼タイミングを制御する本発明の別な実施態様を示す概略図である。
【図3】HCCIエンジンの燃焼室内に噴射する前に、制御量の燃料を非熱式プラズマ発生器に流すことによってHCCI燃焼タイミングを制御する本発明のさらに別な実施態様を示す概略図である。
【図4】HCCIエンジンに変更された燃料を導入する前に、燃料の反応性を変更する添加剤を混合することによってHCCI燃焼タイミングを制御する本発明のさらに別な実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
【0033】
12:HCCIエンジン、
22、24:吸気ポート、
28:触媒、
70:触媒、
72:非熱式プラズマ発生器、
82、84:添加剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法において、
空気源と上記エンジンの吸気ポートとの間に延設され、流路部とバイパス部とを有する吸気マニホルドの上記バイパス部に上記吸気マニホルドの上記バイパス部を流れる空燃気を酸化する触媒を配設し、
上記空気源と上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部との間の位置において燃料源を上記吸気マニホルドと流体連絡させ、
空気の連続流れを上記吸気マニホルドに導入し、
燃料を上記空気の連続流れに噴射して上記吸気マニホルド内に空燃気を生成し、
上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する手段を設け、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、そして
上記の少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応答して、上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項2】
HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法において、
母体燃料源と上記エンジンの燃焼室と流体連絡する少なくとも一つの燃料導入ポートとの間に延設され、流路部とバイパス部とを有する燃料導管の上記バイパス部に上記燃料導管の上記バイパス部を流れる上記母体燃料の反応性を変更する手段を配設し、
上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段を設け、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、そして
上記の少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応答して、上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる上記燃料の相対量を制御することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項3】
流路部およびバイパス部を設けた燃料導管に、この燃料導管の上記バイパス部に触媒を配設した請求項2記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項4】
燃料導管に流路部およびバイパス部を設けた燃料導管に、この燃料導管の上記バイパス部に非熱式プラズマ発生器を配設した請求項2記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項5】
上記燃料導管のバイパス部に配設され、この燃料導管のバイパス部を流れる母体燃料の反応性を変更する上記手段が、上記燃料導管のバイパス部と制御自在に流体連絡する少なくとも一つの燃料添加剤の添加剤源を有し、上記燃料導管のバイパス部を流れる母体燃料の制御された部分に所定の添加剤を制御自在に混合する請求項2記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項6】
HCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法において、
燃料源と上記エンジンの燃焼室と流体連絡する少なくとも一つの燃料導入ポートとの間に燃料導管を延設し、
上記燃料導管と制御自在に流体連絡する、燃料の反応性を変更する少なくとも一つの燃料添加剤源を設け、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、そして
上記の少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応答して、上記燃料導管に導入される上記燃料添加剤の量を制御することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項7】
燃料の反応性を変更する少なくとも一つの燃料添加剤源を設けるさいに、燃料の反応性を高くする第1燃料添加剤源および燃料の反応性を低くする第2燃料添加剤源を設け、上記燃料導管に導入される上記燃料添加剤の量を制御するさいに、上記の少なくとも一つのエンジン運転パラメータの検出値に応答して、第1燃料添加剤源および第2燃料添加剤源の一つから選択される燃料添加剤の量の制御を選択する請求項6記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御方法。
【請求項8】
HCCIエンジンの燃焼室内に空燃気を導入する吸気ポートをもつHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置において、
空気源とHCCIエンジンの上記吸気ポートとの間に延設され、流路部とバイパス部とを有する吸気マニホルドと、
上記空気源と上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部との間の位置において上記吸気マニホルドと制御状態で流体連絡し、これによって、上記吸気マニホルドに噴射された燃料が空燃気を生成する燃料源と、
上記吸気マニホルドの上記バイパス部内に配設され、この吸気マニホルドの上記バイパス部を流れる空燃気を酸化する触媒と、
上記マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項9】
上記触媒を、ゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの混合体からなる群から選択した請求項8記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項10】
HCCIエンジンの燃焼室と直接流体連絡する少なくとも一つの燃料噴射器を有するHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置において、
母体燃料源と少なくとも一つの燃料噴射器との間に延設され、流路部およびバイパス部を有し、このバイパス部内に、上記バイパス部を流れる母体燃料の反応性を変更する手段を設けた燃料導管と、
上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出する上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項11】
上記燃料導管の上記バイパス部内に配設され、この燃料導管の上記バイパス部を流れる上記母体燃料の反応性を変更する上記手段が還元触媒を有する請求項10記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項12】
上記還元触媒をゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの混合体からなる群から選択した請求項11記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項13】
上記燃料導管の上記バイパス部内に配設され、この燃料導管の上記バイパス部を流れる上記母体燃料の反応性を変更する上記手段が非熱式プラズマ発生器を有する請求項10記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項14】
上記非熱式プラズマ発生器がコロナ放電装置を有する請求項13記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項15】
所定の反応性をもつ燃料源と少なくとも一つの燃料導入ポートとの間に延設された第1導管を有するHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置において、
混合時に、上記燃料の所定の反応性を変更できる組成をもつ少なくとも一つの燃料添加剤源と、
少なくとも一つの燃料添加剤源および上記燃料導管と制御された状態で流体連絡する第2導管と、
上記燃料添加剤源から第2導管を介して第1導管に流れる上記燃料添加剤の量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記燃料添加剤源から第2導管を介して第1導管に流れる上記燃料添加剤の量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、第2導管を流れる燃料添加剤の量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項16】
少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の上記所定の反応性を高くできる組成をもつ添加剤源を有する請求項15記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項17】
上記燃料の上記所定の反応性を高くできる組成をもつ添加剤源が、ディーゼル燃料のセタン向上剤および点火加速剤として使用可能なエチル−ヘキシル−ナイトレートおよびアルキル−ナイトレート処理組成物からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤からなる請求項16記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項18】
上記の少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ添加剤源を有する請求項15記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項19】
上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ添加剤源が、テトラ−エチル−鉛を有する請求項18記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項20】
混合時に、上記燃料の所定の反応性を変更できる組成をもつ少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の所定の反応性を高くできる組成をもつ第1燃料源と、そして上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ第2燃料源とを有する請求項15記載のHCCIエンジンの燃焼タイミング制御装置。
【請求項21】
少なくとも一つの燃焼室と、
この燃焼室内に空燃気を導入する吸気ポートと、
空気源と上記吸気ポートとの間に延設され、流路部とバイパス部とを有する吸気マニホルドと、
上記空気源と上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部との間の位置において上記吸気マニホルドと制御状態で流体連絡し、これによって、上記吸気マニホルドに上記位置において噴射された燃料が空燃気を生成する燃料源と、
上記吸気マニホルドの上記バイパス部内に配設され、この吸気マニホルドの上記バイパス部を流れる空燃気を酸化する触媒と、
上記マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記吸気マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、上記マニホルドの上記流路部およびバイパス部を流れる上記空燃気の相対量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジン。
【請求項22】
上記触媒を、ゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの混合体からなる群から選択した請求項21記載のHCCIエンジン。
【請求項23】
少なくとも一つの燃焼室と、
この燃焼室と直接流体連絡する燃料噴射器と、
燃料源と、
この燃料源と上記燃料噴射器との間に延設され、流路部およびバイパス部を有し、このバイパス部内に、上記バイパス部を流れる燃料を分解する手段を設けた燃料導管と、
上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出する上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、上記燃料導管の上記流路部およびバイパス部を流れる燃料の相対量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジン。
【請求項24】
上記燃料導管の上記バイパス部内に配設され、この燃料導管の上記バイパス部を流れる上記燃料を分解する上記手段が還元触媒を有する請求項23記載のHCCIエンジン。
【請求項25】
上記還元触媒をゼオライト、銅、白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの混合体からなる群から選択した請求項24記載のHCCIエンジン。
【請求項26】
上記燃料導管の上記バイパス部内に配設され、この燃料導管の上記バイパス部を流れる上記燃料を分解する上記手段が非熱式プラズマ発生器を有する請求項23記載のHCCIエンジン。
【請求項27】
上記非熱式プラズマ発生器がコロナ放電装置を有する請求項26記載のHCCIエンジン。
【請求項28】
燃料導入ポートと、
所定の反応性をもつ燃料源と、
情景燃料導入ポートと上記燃料源との間に延設した第1導管と、
混合時に、上記燃料の所定の反応性を変更できる組成をもつ少なくとも一つの燃料添加剤源と、
少なくとも一つの燃料添加剤源および第1導管と制御された状態で流体連絡する第2導管と、
上記燃料添加剤源から第2導管を介して第1導管に流れる上記燃料添加剤の量を制御する手段と、
少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発生する手段と、そして
上記燃料添加剤源から第2導管を介して第1導管に流れる上記燃料添加剤の量を制御する上記手段および少なくとも一つのエンジン運転パラメータを検出し、検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ信号を発信する上記手段と電気的に連絡し、上記の検出されたエンジン運転パラメータと相関関係をもつ上記信号に応答して、第2導管を流れる燃料添加剤の量を制御する上記手段に制御信号を発信する電子制御装置とを有することを特徴とするHCCIエンジン。
【請求項29】
少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の上記所定の反応性を高くできる組成をもつ添加剤源を有する請求項28記載のHCCIエンジン。
【請求項30】
上記燃料の上記所定の反応性を高くできる組成をもつ添加剤源が、ディーゼル燃料のセタン向上剤および点火加速剤として使用可能なエチル−ヘキシル−ナイトレートおよびアルキル−ナイトレート処理組成物からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤からなる請求項29記載のHCCIエンジン。
【請求項31】
上記の少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ添加剤源を有する請求項28記載のHCCIエンジン。
【請求項32】
上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ添加剤源が、テトラ−エチル−鉛を有する請求項31記載のHCCIエンジン。
【請求項33】
混合時に、上記燃料の所定の反応性を変更できる組成をもつ少なくとも一つの燃料添加剤源が、上記燃料の所定の反応性を高くできる組成をもつ第1燃料源と、そして上記燃料の所定の反応性を低くできる組成をもつ第2燃料源とを有する請求項28記載のHCCIエンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−503223(P2006−503223A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545214(P2004−545214)
【出願日】平成15年7月11日(2003.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/021741
【国際公開番号】WO2004/036015
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【Fターム(参考)】