説明

HIVインテグラーゼインヒビター

本発明は、HIVインテグラーゼを阻害し、ヒトDNAへのウイルス組み込みを予防する式I:


の一連の二環式ピリミジノン化合物を含む。この作用により、本化合物は、HIV感染およびAIDSの治療に有用である。本発明はまた、HIVに感染したものを治療するための医薬組成物および方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2005年11月16日に出願された米国仮出願第60/737,062号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)(これは、免疫系の破壊、および生命を危うくする日和見性感染症を撃退する能力がないことを特徴とする致命的な疾患)に関与する病原体として同定されている。最近の統計学(UNAIDS: Report on the Global HIV/AIDS Epidemic, December 1998)は、世界中の33百万もの人々が該ウイルスに感染していることを示唆する。既に感染している多数の個体に加えて、ウイルスは広がり続けている。1998年からの見積もりは、その年だけで6百万近い新たな感染を指摘している。同年において、HIVおよびAIDSに関連して約2.5百万人が死亡した。
【0003】
現在、該感染症と闘うために利用可能な多数の抗ウイルス薬が存在する。これらの医薬は、それらが標的とするウイルスタンパク質、およびそれらの作用様式に基づいて、3クラスに分類することができる。特に、サキナビル、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビルおよびアンプレナビルは、HIVによって発現するアスパルチルプロテアーゼの競合的なインヒビターである。ジドブジン、ジダノシン、スタブジン、ラミブジン、ザルシタビンおよびアバカビルは、基質模倣体として作用してウイルスcDNA合成を停止する、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターである。非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターである、ネバリピン(nevaripine)、デラビルジンおよびエファビレンツは、非競合的な(または、不競合的な)機構によってウイルスcDNAの合成を阻害する。単独で使用する場合に、これらの医薬は、ウイルス複製を減少するのに有効である。ウイルスは全ての公知の剤に対する耐性を容易に発生するので、該効果はほんの一時的なものである。しかしながら、併用療法は、多数の患者においてウイルスの減少および耐性出現の抑制の両方において非常に有効であることが分かった。併用療法が広く使用されている米国において、HIV関連の死亡数は低下している(Palella, F. J.; Delany, K. M.; Moorman, A. C.; Loveless, M. O.; Furher, J.; Satten, G. A.; Aschman, D. J.; Holmberg, S. D. N. Engl. J. Med. 1998, 338, 853-860)。
【0004】
残念なことに、全ての患者が応答性であるわけではなく、多数はこの療法に失敗する。事実、約30〜50%の患者が結局、併用療法に失敗する。ほとんどの場合における治療の失敗は、ウイルス耐性の出現によって引き起こされる。ウイルス耐性は、感染経過中のHIV-1の急速なターンオーバーと高いウイルス突然変異率とが相まって生じる。これらの状況下で、不十分な薬効、複雑な薬物レジメンに対するコンプライアンスの低さ、並びに曝露に対する内在する薬理学的な障壁によって生じる不完全なウイルス抑制は、耐性が出現する豊富な素因となる。より不安なことに、最近の結果により、ウイルス血中レベルが検出可能なレベル以下(<50コピー/mL)に低下する場合でさえも、低レベルの複製が続くことが示唆されている(Carpenter, C. C.; Cooper, D. A.; Fischl, M. A.; Gatell, J. M.; Gazzard, B. G.; Hammer, S. M.; Hirsch, M. S.; Jacobsen, D. M.; Katzenstein, D. A.; Montaner, J. S.; Richman, D. D.; Saag, M. S.; Schechter, M.; Schooley, R. T.; Thompson, M. A.; Vella, S.; Yeni, P. G.; Volberding, P. A. JAMA 2000, 283, 381-390)。耐性の割合を低下して、ウイルス複製をさらに抑制する新規な抗ウイルス剤(好ましくは他のウイルス酵素を標的とする)に対する要求が明らかに存在する。
【0005】
HIVは、3つの酵素、逆転写酵素、アスパルチルプロテアーゼ、およびインテグラーゼを発現する。3つ全てが、AIDSおよびHIV感染症を治療するための標的である。HIVインテグラーゼは、ウイルスcDNAの宿主細胞ゲノム中への挿入(これは、ウイルスの生活環において重要な段階である)を触媒する。ジケト酸化合物のクラスに属するHIVインテグラーゼインヒビターは、ウイルス組み込みを阻止し、細胞中でのHIV-1複製を阻害した(Hazuda et al. Science 2000, 287, 646)。また最近、HIVインテグラーゼインヒビターは、AIDSおよびHIV感染症を治療するための臨床治験に入ることが許可された(Neamati Expert. Opin. Ther. Patents 2002, 12, 709, Pais and Burke Drugs Fut. 2002, 27, 1101)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題と課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の説明
【0007】
本発明は、式Iの化合物(医薬的に許容される塩を含む)、それらの医薬組成物、およびHIVイングテラーゼを阻害してHIVまたはAIDSに感染した患者を治療する際におけるそれらの使用を包含する。
【0008】
本発明の一つの態様は式I:
【化1】

[式中、
R1は(Ar1)アルキルであり;
R2は水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり;
R3はSO2N(R6)(R7)であり;
R4は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R5は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R6およびR7はそれらが結合する窒素と共に、アゼチジニル、(R8)-アゼチジニル、ピロリジニル、(R8)-ピロリジニル、ピペリジニル、(R8)-ピペリジニル、ジアルキルピペリジニル、トリアルキルピペリジニル、ピペラジニル、4-(R9)-ピペラジニル、ジアルキルピペラジニル、ジアルキル-4-(R9)-ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、
【化2】

であり;
R8はヒドロキシ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルCONH、アルキルCON(アルキル)、(メチルチオ)テトラヒドロフラニル、(アミノ)テトラヒドロフラニル、(アルキルアミノ)テトラヒドロフラニル、(ジアルキルアミノ)テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、(アゼチジニル)アルキル、(ピロリジニル)アルキル、(ピペリジニル)アルキル、(ピペラジニル)アルキル、(ホモピペリジニル)アルキル、または(モルホリニル)アルキルであり;
R9はアルキル、(シクロアルキル)アルキル、SO2R10、またはCOR11であり;
R10は水素、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R11は水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R12は水素またはアルキルであるか; または
2つのR12が一緒になって、CH2CH2、CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2、OCH2CH2、CH2OCH2、OCH2CH2CH2、CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2CH2、N(R13)CH2CH2、CH2N(R13)CH2、N(R13)CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2、CH2CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2CH2、またはCH2CH2N(R13)CH2CH2CH2(ただし、該2つのR12は共通の炭素原子に結合する)であり;
R13は水素またはアルキルであり;
R14およびR15は一緒になって、C3-5アルキレンであり;
Ar1
【化3】

であり;
Ar2はハロ、アルキル、およびアルコキシから選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルまたはピリジニルであり; および
X-Y-ZはC(R12)2OC(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2C(R12)2、C(R12)2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2CH2、C(Ar2)=CHCH2、C(Ar2)=CHCH2CH2、C(Ar2)=CHCH2CH2CH2、(R12)2N(R13)C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R12)CO、C(R12)2N(R12)COC(R12)2、C(R12)2N(R12)COC(R12)2C(R12)2、C(R14)2N(R15)CO、C(R14)2N(R15)COC(R12)2、C(R14)2N(R15)COC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2C(R12)2、またはSC(R12)2C(R12)2C(R12)2C(R12)2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0009】
本発明の別の態様は式I:
【化4】

[式中、
R1は(Ar1)アルキルであり;
R2は水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり;
R3はSO2N(R6)(R7)であり;
R4は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R5は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R6およびR7はそれらが結合する窒素と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、(R8)-ピペリジニル、ピペラジニル、4-(R9)-ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R8はヒドロキシまたはアルキルであり;
R9はアルキル、(シクロアルキル)アルキル、SO2R10、またはCOR11であり;
R10は水素、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R11は水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R12は水素またはアルキルであるか; または
2つのR12が一緒になって、CH2CH2、CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2、OCH2CH2、CH2OCH2、OCH2CH2CH2、CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2CH2、N(R13)CH2CH2、CH2N(R13)CH2、N(R13)CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2、CH2CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2CH2、またはCH2CH2N(R13)CH2CH2CH2(ただし、該2つのR12は共通の炭素原子に結合する)であり;
R13は水素またはアルキルであり;
R14およびR15は一緒になって、C3-5アルキレンであり;
Ar1
【化5】

であり;
Ar2はハロ、アルキル、およびアルコキシから選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルまたはピリジニルであり; および
X-Y-ZはC(R12)2OC(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2C(R12)2、C(R12)2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2CH2、C(Ar2)=CHCH2、C(Ar2)=CHCH2CH2、C(Ar2)=CHCH2CH2CH2、(R12)2N(R13)C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R12)CO、C(R12)2N(R12)COC(R12)2、C(R12)2N(R12)COC(R12)2C(R12)2、C(R14)2N(R15)CO、C(R14)2N(R15)COC(R12)2、C(R14)2N(R15)COC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2C(R12)2、またはSC(R12)2C(R12)2C(R12)2C(R12)2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0010】
本発明の別の態様は、R1
【化6】

である式Iの化合物である。
【0011】
本発明の別の態様は、R4が水素またはハロである式Iの化合物である。
【0012】
本発明の別の態様は、R2が水素である式Iの化合物である。
【0013】
本発明の別の態様は、X-Y-ZがC(R12)2OC(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2、またはC(R12)2OC(R12)2C(R12)2C(R12)2である式Iの化合物である。
【0014】
本発明の別の態様は、X-Y-ZがC(R12)2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2、またはC(R12)2CH2CH2CH2CH2である式Iの化合物である。
【0015】
本発明の別の態様は、X-Y-ZがC(Ar2)=CHCH2、C(Ar2)=CHCH2CH2、またはC(Ar2)=CHCH2CH2CH2である式Iの化合物である。
【0016】
本発明の別の態様は、X-Y-Zが(R12)2N(R13)C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2、またはC(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2C(R12)2である式Iの化合物である。
【0017】
本発明の別の態様は、X-Y-ZがN(R12)COC(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R12)CO、C(R12)2N(R12)COC(R12)2、C(R12)2N(R12)COC(R12)2C(R12)2、C(R14)2N(R15)CO、C(R14)2N(R15)COC(R12)2、またはC(R14)2N(R15)COC(R12)2C(R12)2である式Iの化合物である。
【0018】
本発明の別の態様は、X-Y-ZがSC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2C(R12)2、またはSC(R12)2C(R12)2C(R12)2C(R12)2である式Iの化合物である。
【0019】
本発明の別の態様は、
【化7】

[式中、
R1は(Ar1)アルキルであり;
R2は水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり;
R3はSO2N(R6)(R7)であり;
R4は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R5は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R6およびR7はそれらが結合する窒素と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、(R8)-ピペリジニル、ピペラジニル、4-(R9)-ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R8はヒドロキシまたはアルキルであり;
R9はアルキル、(シクロアルキル)アルキル、SO2R10、またはCOR11であり;
R10は水素、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R11は水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R12は水素またはアルキルであるか; または
2つのR12が一緒になって、CH2CH2、CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2、OCH2CH2、CH2OCH2、OCH2CH2CH2、CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2CH2、N(R13)CH2CH2、CH2N(R13)CH2、N(R13)CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2、CH2CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2CH2、またはCH2CH2N(R13)CH2CH2CH2(ただし、該2つのR12は共通の炭素原子に結合する)であり;
R13は水素またはアルキルであり;
R14およびR15は一緒になって、C3-5アルキレンであり; および
Ar1
【化8】

である]
からなる群から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0020】
式Iの化合物について、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、Ar1、Ar2、Ar3、およびX-Y-Zのいずれの範囲も、他の置換基のいずれの範囲とも独立して用いられうる。各置換基の種類の例は、他の例から独立している。
【0021】
特に断りがなければ、これらの用語は下記の意味を有する。「アルキル」とは、1〜6個の炭素で構成される直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。「アルケニル」とは、少なくとも一つの二重結合を有しており、2〜6個の炭素で構成される直鎖または分枝鎖のアルケニル基を意味する。「シクロアルキル」とは、3〜7個の炭素で構成される単環系を意味する。「ヒドロキシアルキル」、「アルコキシ」および置換アルキル部を伴う他の用語は、該アルキル部について1〜6個の炭素原子で構成される直鎖および分岐鎖の異性体が含まれる。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、モノハロ置換アルキルからペルハロ置換アルキルの全てのハロゲン化異性体を含む。「アリール」には、炭素環および複素環芳香族置換基が含まれる。括弧でくくられた用語、および複数の括弧でくくられた用語は、当業者に対して結合関係を明確化するように意図されている。例えば、((R)アルキル)のような用語は、置換基Rでさらに置換されたアルキル置換基を意味する。
【0022】
本発明は、該化合物の全ての医薬的に許容される塩形態を含む。医薬的に許容される塩とは、対イオンが該化合物の生理学的活性または毒性に有意に寄与せず、薬理学的な等価物として機能する塩である。これらの塩は、市販の試薬を使用する通常の有機学的な技術に従って製造することができる。アニオン性塩形態には、酢酸塩、アシストラート(acistrate)、ベシル酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩(glucouronate)、臭化水素塩、塩酸塩、ヨウ化水素塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシレート、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレート、およびキシノフォエート(xinofoate)が挙げられる。カチオン性塩形態には、アンモニウム、アルミニウム、ベンザチン、ビスマス、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、リチウム、マグネシウム、メグルミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン(tromethamine)および亜鉛の塩が挙げられる。
【0023】
ある本発明のいくつかの化合物は、立体異性体で存在する。本発明は、該化合物の全ての立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)を含む。エナンチオマーの例を下記に示す。立体異性体を製造しそして分離する方法は、当該分野において知られる。
【化9】

【0024】
本発明は、該化合物の全ての互変異性型を含む。互変異性の対の例を以下に示す。
【化10】

【0025】
合成方法
【0026】
本発明の化合物は、当該分野において知られる様々な方法(下記のスキームおよび具体的な実施態様の項目を含む)によって製造し得る。該合成スキーム中に示される種類例は、特許請求の範囲または明細書の残りの部分における種類例とは区別され、そして混乱すべきでない。該スキーム中の種類例は、どのようにして本発明の化合物を製造するかを単に例示するものであると意図する。
【0027】
いくつかの化合物は、スキームIに従って、適当に置換された複素環I-1から合成することができる(RaおよびPは保護基として機能しうる)(Greene, T. W. and Wutz, P. G. M. Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, 1991, John Wiley and Sons, New Yorkを参照)。Pがベンジルまたは置換ベンジルであるとき、それは水素化分解(H2-Pd/C)または酸加水分解(トリフルオロ酢酸)によって除去するができ、中間体I-2を得る。I-2はアミンI-3との反応により、I-4にアミノ基転移することができる。多くのケースにおいて、この反応は、塩基の存在下にI-3とI-2を一緒に加熱することのよって行うことができる。別法として、標準的なアミドカップリング剤を使用して、アミド結合の形成を生じさせることができる。Raが低級アルキル基であるとき、Raはエステル加水分解条件下で、例えばNaOH、LiOH、またはKOHなどと反応させて除去することができ、対応するカルボン酸I-5を得る。別法として、RaはNaIを用いる求核置換により除去することができる。Raがベンジルおよび置換ベンジルであるとき、Raは水素化分解により除去することができる。中間体I-5はアミド結合形成剤(例えばBOP、DCC、EDCI、PyBrop、PyBopまたは他の試薬)を用いて結合することができる(March, J. Advanced Organic Chemistry, Fourth Edition 1992 John Wiley & Sons, New Yorkを参照)。得られた中間体I-6は、中間体I-1についての記載されたように、脱保護することができる。
スキームI
【化11】

【0028】
スキームIIにおいて、中間体II-3は、Sunderland, J. S.; Botta, M.; Aime, S.; Raymond, K. N. Inorg. Chem. (2001), 40, 6756-6756、に記載されるのと同様の方法を用いて、II-1およびII-2が縮合して中間体II-3を生じることで、調製することができる。この反応は通常、塩基(例えば、水素化ナトリウム(NaH)、ナトリウムエトキシド(EtONa)またはリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS))の存在下で行われる。該引用文献中に記載される方法を用いて、II-3は適当に置換されたアミジンII-4と縮合して、II-5を形成する。置換基Bは、-ハロ(Cl、BrまたはI)などの離脱基であることができ、または適当な条件下で、例えば対応するメチルスルホン酸エステルを形成することにより、離脱基に変換されうる。置換基Bが硫化メチル基であるときは、それをヨードメタンと反応させてジメチルスルホニウム中間体を形成し、求核攻撃に向けて活性化して、閉環を生じる。
スキームII
【化12】

【0029】
スキームIIIにおいて、中間体II-3は環式-アミジンと縮合して、中間体I-1を生じうる。中間体III-1は既知の方法を用いて調製することができる(Patai, S. and Rappoport, Z. The Chemistry of Amidines and Imidates, Volume 2, 1991, John Wiley & Sons, New Yorkを参照)。
スキームIII
【化13】

【0030】
スキームIVにおいて、ニトリルIV-1(可能な離脱基Bを有する)は、ヒドロキシルアミンと反応して、中間体IV-2を形成しうる。この中間体は適当に保護されたアルキンと反応してIV-3を形成し、これを文献(Culbertson, T. P. Journal of Heterocyclic Chemistry, 1979, 16, 1423-1424)の方法に従って再編成して、中間体IV-4を得ることができる。
スキームIV.
【化14】

【0031】
スキームVに示されるように、2-(メチルチオ)エタノールは適当なα-ハロ酢酸(V-1)(XはCl、Br、OTs、OMsまたはOTfなどの離脱基である)でアルキル化されて、中間体V-2を得ることができる。これに続いて、該カルボン酸は、既知の合成方法(Geilen et al. Tetrahedron Letters 2002、43、419-421)を用いて、対応するアミジン誘導体に変換することができる。上記のように、該アミジンを塩基(例えば、ナトリウムエトキシド)の存在下で中間体V-5とさらに反応させ、中間体V-6を得ることができる。該スルフィドエーテルのメチル化をV-6をヨードメタンと反応させることによって達成し、得られたスルホニウム誘導体(V-7)を塩基と反応させて、二環式テンプレートV-8が得られる。この中間体をスキームIに記載の方法を用いる最終化合物の合成に用いることができる。
スキームV
【化15】

【0032】
スキームVIにおいて、3-メチルチオプロパナールをよく知られた化学反応を用いてジオキソランVI-1に変換する。ヨウ化亜鉛(ZnI2)の存在下でのトリメチルシリルシアニド(TMSCN)との反応により、中間体VI-2を得る。アンモニアとの反応によりアミジンVI-3が得られ、これを上記のスキームに記載の方法に従ったピリミジノンVI-4の合成に用いた。続くCH3SO2Clおよびトリエチルアミン(Et3N)との反応により、対応する二環式中間体VI-5を得る。スキームIに記載されるように該合成の完了を行うことができる。
スキームVI
【化16】

【0033】
別法がスキームVIIに示される。この合成経路は適当に置換されたケトンから始まり、対応するニトリル中間体VII-1に変換される。順にこれは2-クロロエタノールと反応して化合物VII-2が得られ、ヒドロキシルアミンおよびアセチレンジカルボキシレートエステルと反応して、中間体VII-4を得る。該中間体を加熱して中間体VII-5を得る。対応するアミド誘導体の合成をスキームIに従って達成することができる。
スキームVII
【化17】

【0034】
スキームVIIIにおいて、官能基保護の手段としてのVII-5のヒドロキシル基のベンジル化は、塩基性条件下(例えば、K2CO3またはNaH)に臭化ベンジルを用いて達成することができる。VIII-1のエステル基のけん化によりVIII-2が得られ、よく知られたアミド結合形成剤(例えばベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)またはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU))を用いて、適当に置換されたアミン(R1R2NH)と結合する。別法として、塩化オキサリルとの反応により対応する酸塩化物を得ることができ、適当なアミンと反応して該アミド結合を形成することができる。該ベンジル基の除去は、CF3CO2HまたはH2(Pd-C)との反応を含む種々の条件下で達成することができる。
スキームVIII
【化18】

【0035】
さらに別法において、スキームIXに従って本発明のいくつかの化合物を合成することができる。スキームIXにおいて、ピリミジノンIX-3は、上記のスキームに記載されるそれらと同様の方法を用いて得ることができる。この中間体は種々の経路に従って該最終生成物に処理することができる。1つにおいて、該ヒドロキシル基をベンゾイル化して中間体IX-4が得られ、さらにK2CO3と反応して閉環し、該二環式テンプレートIX-5を得る。別法として、IX-3のK2CO3との直接的な反応により中間体IX-6を得ることができる。中間体IX-5、IX-6をスキームIに記載の方法を用いる最終生成物の合成に用いることができる。
スキームIX
【化19】

【0036】
スキームXにおいて、IX-3を用いて、該ベンジル化中間体X-1を合成することができる。この中間体を、スキームVIIIに記載の方法と類似の方法を用いて、最終生成物まで処理することができる。
スキームX
【化20】

【0037】
さらに別法において、スキームXIは、5-フルオロ-2-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリドを出発物質として例示のスルホンアミドの合成を示す。
スキームXI
【化21】

【0038】
さらに別法において、スキームXIIは2,4-ジフルオロベンゾニトリルから出発するベンジルアミンを含むスルホンアミドの合成への代替経路を示す。
スキームXII
【化22】

【0039】
本発明のいくつかの例は、スキームXIII〜XXIXに示された方法に従って合成することができる。
スキームXIII
【化23】

スキームXIV
【化24】

スキームXV
【化25】

スキームXVI
【化26】

スキームXVII
【化27】

スキームXVIII
【化28】

スキームXIX
【化29】

スキームXX
【化30】

スキームXXI
【化31】

スキームXXII
【化32】

スキームXXIII
【化33】

スキームXXIV
【化34】

スキームXXV
【化35】

スキームXXVI
【化36】

スキームXXVII
【化37】

スキームXXVIII
【化38】

スキームXXIX
【化39】

【0040】
生物学的方法
【0041】
HIV-インテグラーゼ阻害活性
HIV-インテグラーゼに対するインビトロ活性を評価するために、ビオチン標識基質DNA(5pmol)をストレプトアビジンでコーティングしたPVT SPAビーズ(Amersham Pharmacia Biotech)(100μg)と結合した。組み換えインテグラーゼ(0.26ng)を該ビーズと一緒に37℃で90分間インキュベートした。未結合酵素を、該複合体を洗浄することによって除去し、続いてインヒビターおよびP33標識標的DNA(0.1fmol)を加えた。該反応を、EDTAを最終濃度10mMまで加えることによって、停止させた。試料をTopCountNXT(Packard)中でカウントし、そして該CPMを組み込みの基準として使用した。該反応条件は、A. EngelmanおよびR. Craigieによる, J. Virol. 69, 5908-5911(1995)中に記載する通りとした。基質および標的DNAの配列は、Nucleic Acid Research 22,1121-1122(1994)中に記載される。
【0042】
結果を表1に示す。Aに匹敵する活性とは、IC50=0.002〜0.10μMを有する化合物をいうのに対し、BおよびCは、それぞれIC50=0.1〜1.0μMおよびIC50≧1.0μMを有する化合物を示す。
【表1−1】

【表1−2】

【0043】
HIV複製の阻害
組み換えNL-Rlucウイルスを構築し、ここで、NL4-3由来のnef遺伝子のセクションはRenilla Luciferase遺伝子で置き換えた。該NL-RLucウイルスを、2個のプラスミド、pNLRLucおよびpVSVenvの同時形質移入によって調製した。該pNLRLucは、PvuII部位上でpUC18中にクローニングしたNL-Rluc DNAを含み、一方で該pVSVenvは、LTRプロモーターと結合したVSV Gタンパク質についての遺伝子を含む。形質移入は、使用説明書に従って、リポフェクトアミンプラス(LipofectAMINE PLUS)キット(インビトロゲン社製)(Carlsbad, CA)を用いて、293T細胞上でpVSVenvに対するpNLRLucの比率が1:3で行ない、生成する該偽型ウイルスをMT-2細胞中で力価を測定した。
【0044】
化合物に対するウイルスの感受性は、該化合物の段階希釈の存在下でインキュベートすることによって測定した。50%有効濃度(EC50)は、半有効式の指数関数的なフォーム、(Fa)=1/[1+(ED50/薬物濃度)m](Johnson VA, Byington RT. Infectivity Assay. In Techniques in HIV Research. ed. Aldovini A, Walker BD. 71-76. New York: Stockton Press. 1990)を用いることによって算出した。化合物の抗ウイルス活性は、3個の血清条件、10%FBS、15mg/mLヒト血清アルブミン/10%FBS、または40%ヒト血清/5%FBS下で評価し、少なくとも2個の実験からの結果を用いて、該EC50値を算出した。結果を、表2に示す。Aに相当する活性は、EC50=0.003〜0.10μMを有する化合物を意味し、一方でBおよびCは、それぞれEC50=0.1〜1.0μMおよびEC50≧1.0μMを有する化合物を示す。
【表2−1】

【表2−2】

【0045】
医薬組成物および使用方法
【0046】
本発明の化合物は、HIVインテグラーゼを阻害する。ジケト酸化合物のクラスに属するHIVインテグラーゼインヒビターは、ウイルス組み込みを防止して、細胞中でのHIV-1複製を阻害した(Hazuda et al. Science 2000, 287, 646)。最近、HIVインテグラーゼインヒビターが、AIDSおよびHIV感染症を治療するための臨床治験に入ることを許可されている(Neamati Expert. Opin. Ther. Patents 2002, 12, 709, Pais and Burke Drugs Fut. 2002, 27, 1101)。
【0047】
従って、本発明の別の態様は、式Iで示される化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量を、医薬的に許容される担体と共に投与することを含む、ヒト患者におけるHIV感染症を治療するための方法である。
【0048】
本発明の別の態様は、式Iで示される化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量を、AIDSまたはHIV感染症の治療のために使用される少なくとも1つの他の剤の治療有効量と一緒に投与することを含む、ヒト患者におけるHIV感染症を治療する方法であって、該他の剤とは、ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、HIV融合インヒビター、HIV接着インヒビター、CCR5インヒビター、CXCR4インヒビター、HIV出芽または成熟インヒビター、およびHIVインテグラーゼインヒビターからなる群から選択される。
【0049】
本発明の別の態様は、該薬剤がヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターである方法である。
【0050】
本発明の別の態様は、HIV逆転写酵素インヒビターが、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノフォビル、ザルシタビンおよびジドブジン、またはそれらの医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される、方法である。
【0051】
本発明の別の態様は、該薬剤が非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターである方法である。
【0052】
本発明の別の態様は、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターがデラビルジン、エファビレンツおよびネビラピン、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される方法である。
【0053】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIVプロテアーゼインヒビターである方法である。
【0054】
本発明の別の態様は、HIVプロテアーゼインヒビターがアンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビル、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される方法である。
【0055】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV融合インヒビターである方法である。
【0056】
本発明の別の態様は、HIV融合インヒビターがエンフュービルタイドもしくはT-1249、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である方法である。
【0057】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV接着インヒビターである方法である。
【0058】
本発明の別の態様は、該薬剤がCCR5インヒビターである方法である。
【0059】
本発明の別の態様は、CCR5インヒビターがSch-C、Sch-D、TAK-220、PRO-140、およびUK-427,857、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される、方法である。
【0060】
本発明の別の態様は、該薬剤がCXCR4インヒビターである方法である。
【0061】
本発明の別の態様は、CXCR4インヒビターがAMD-3100、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である方法である。
【0062】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV出芽または成熟インヒビターである方法である。
【0063】
本発明の別の態様は、出芽または成熟インヒビターがPA-457、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である方法である。
【0064】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIVインテグラーゼインヒビターである方法である。
【0065】
本発明の別の態様は、式Iで示される化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量を、AIDSまたはHIV感染症の治療のために使用される少なくとも1つの他の薬剤、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物であって、ここで、該他の薬剤とは、ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、HIV融合インヒビター、HIV接着インヒビター、CCR5インヒビター、CXCR4インヒビター、HIV出芽または成熟インヒビター、およびHIVインテグラーゼインヒビターからなる群から選択される。
【0066】
本発明の別の態様は、該薬剤がヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターである組成物である。
【0067】
本発明の別の態様は、ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターがアバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノフォビル、ザルシタビンおよびジドブジン、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される組成物である。
【0068】
本発明の別の態様は、該薬剤が非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターである組成物である。
【0069】
本発明の別の態様は、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターがデラビルジン、エファビレンツおよびネビラピン、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される組成物である。
【0070】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIVプロテアーゼインヒビターである組成物である。
【0071】
本発明の別の態様は、HIVプロテアーゼインヒビターがアンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビル、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される組成物である。
【0072】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV融合インヒビターである組成物である。
【0073】
本発明の別の態様は、HIV融合インヒビターがエンフュービルタイドもしくはT-1249、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である組成物である。
【0074】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV接着インヒビターである組成物である。
【0075】
本発明の別の態様は、該薬剤がCCR5インヒビターである組成物である。
【0076】
本発明の別の態様は、CCR5インヒビターがSch-C、Sch-D、TAK-220、PRO-140およびUK-427,857、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される組成物である。
【0077】
本発明の別の態様は、該薬剤がCXCR4インヒビターである方法である。
【0078】
本発明の別の態様は、CXCR4インヒビターがAMD-3100またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である方法である。
【0079】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIV出芽または成熟インヒビターである組成物である。
【0080】
本発明の別の態様は、出芽または成熟インヒビターがPA-457またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である組成物である。
【0081】
本発明の別の態様は、該薬剤がHIVインテグラーゼインヒビターである組成物である。
【0082】
式Iで示される化合物を少なくとも1つの抗HIV剤と共に投与することを意味する「組み合わせ」、「同時投与」、「併用]および同様な用語とは、AIDSおよびHIV感染症の分野における当業者によって理解されている通り、該成分が抗レトロウイルス併用療法または高活性抗レトロウイルス療法(HAART)の一部であることを意味する。
【0083】
「治療上有効な」とは、AIDSおよびHIV感染症の分野における当業者によって理解されている通り、有意な患者利益を供するのに必要とされる薬剤の量を意味する。通常、治療の目標は、ウイルス量の抑制、免疫機能の回復および保存、生活の質の改善、並びにHIV関連の罹患率および死亡率の低下である。
【0084】
「患者」とは、HIVウイルスに感染し、AIDSおよびHIV感染症の分野における当業者によって理解されている通り療法に適するヒトを意味する。
【0085】
「治療」、「療法」、「レジメン」、「HIV感染症」、「ARC」、「AIDS」、および関連用語は、AIDSおよびHIV感染症の分野における当業者によって理解されている通り使用される。
【0086】
本発明の化合物は通常、式Iで示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物として提供され、従来の賦形剤を含み得る。治療有効量とは、有意な患者利益を供するのに必要とされる量である。医薬的に許容される担体とは、許容し得る安全性プロファイルを有する従来既知の担体である。組成物は、全ての通常の固体および液体の剤型(例えば、カプセル剤、錠剤、トローチ剤、および粉剤、並びに液体懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、および液剤を含む)を包含する。組成物は通常の製剤技術を用いて製造され、従来の賦形剤(例えば、結合剤および湿潤剤)およびビヒクル(例えば、水およびアルコール)は一般的に、組成物のために使用される。
【0087】
固体組成物は通常、用量単位で処方され、用量当たりの有効成分の約1〜1000mgを供する組成物が好ましい。用量の例としては、1mg、10mg、100mg、250mg、500mg、および1000mgが挙げられる。概して、他の抗レトロウイルス剤は、臨床的に使用されたそのクラスの薬剤と同様な単位レンジで存在する。典型的には、これは0.25〜1000mg/単位である。
【0088】
液体組成物は通常、用量単位レンジである。通常、該液体組成物は、1〜100mg/mLの単位用量レンジである。用量の例は、1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLである。概して、他の抗レトロウイルス剤は、臨床的に使用されたそのクラスの薬剤と同様な単位レンジで存在する。典型的には、これは、1〜100mg/mLである。
【0089】
本発明は、全ての従来の投与様式を包含し;経口および非経口の方法が好ましい。通常、該投与レジメンは、臨床的に使用される他の抗レトロウイルス剤と同様である。典型的には、該1日用量は、1日当たり1〜100mg/体重kgである。通常、経口的にはより多くの化合物が必要とされ、そして非経口的にはより少ない。しかしながら、該具体的な用量レジメンは、適切な医学的な判断を用いて医師によって決定される。
【0090】
本発明はまた、該化合物が併用療法で投与される方法も包含する。すなわち、該化合物は、AIDSおよびHIV感染症を治療するのに有用な他の剤と併用して(しかし、別々に)使用することができる。これらの薬剤のいくつかは、HIV接着インヒビター、CCR5インヒビター、CXCR4インヒビター、HIV細胞融合インヒビター、HIVインテグラーゼインヒビター、HIVヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、HIV非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、発芽および成熟インヒビター、免疫調節剤、および抗感染症剤を含む。これらの併用方法において、式Iで示される化合物は通常、他の薬物と組み合わせて毎日、1〜100mg/体重kgの1日用量で投与される。該他の薬剤は通常、治療学的に使用される量で与えられる。しかしながら、該具体的な投与レジメンは、適切な医学的な判断を用いて医師によって決定される。
【0091】
表3は、本発明に適当であるAIDSおよびHIV感染症を治療するのに有用な薬剤を例示する。
【表3】













【実施例】
【0092】
具体的な実施態様の説明
【0093】
中間体1
【化40】

1-(5-フルオロ-2-メチルフェニルスルホニル)ピペラジン: 5-フルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド(35.1g、168.5mmol)/ジエチルエーテル(50mL)をピペラジン(28.8g、337.0mmol)/ジエチルエーテル(500mL)およびトリエチルアミン(47mL、337.0mmol)の懸濁液に滴加した。該白色懸濁液を室温にて1.5時間攪拌した。該混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。該有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。濃縮して白色固体が得られ、ジエチルエーテルでトリチュレートして、標記の化合物を白色固体として得た(30.95g、収率36%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.57(1H, dd, J=8.6, 2.7 Hz), 7.25(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.12(1H, td, J=8.1, 2.8 Hz), 3.13-3.10(4H, m), 2.98-2.85(4H, m), 2.55(3H, s), 1.69(1H, bs). LCMS(M+H) C11H16FN2O2S: 計算値: 259.09; 実測値: 259.18.
【0094】
中間体2
【化41】

2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(5-フルオロ-2-メチルフェニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)エタノン: 中間体1(30.9g、120mmol)、トリエチルアミン(16.8mL、120mmol)およびトリフルオロエチルアセテート(18mL、150mmol)のメタノール(60mL)中混合物を室温にて18時間攪拌した。該混合物を濃縮し、該残渣を不溶性の固体をフィルター除去しながら酢酸エチルおよび水間に分配した。該有機相を1N HCl水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄した。乾燥(Na2SO4)して濃縮した後、標記の化合物が無色油状物として得られ、放置により白色固体に固化した(37.5g、収率88%). 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.58(1H, dd, J=8.4, 2.9 Hz), 7.29(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.18(1H, td, J=8.0, 2.8 Hz), 3.76-3.73(2H, m), 3.68-3.65(2H, m), 3.28-3.23(4H, m), 2.55(3H, s). LCMS(M+H): C13H15F4N2O3S: 計算値355.07; 実測値: 355.14.
【0095】
中間体3
【化42】

1-(4-(2-(ブロモメチル)-5-フルオロフェニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン: 中間体2(37.5g、105.9mmol)、NBS(19.4g、105.9mmol)およびAIBN(0.45g、2.8mmol)の四塩化炭素(500mL)中混合物を4時間還流した。該混合物を冷却し、濃縮し、EtOAcで溶出するシリカゲルで精製し、出発物質および二臭化副生成物が混入した標記の化合物を琥珀色油状物として得た(41.0g)。 LCMS(M+H)C13H14F4N2O3SBr: 計算値: 433.97; 実測値: 433.01.
【0096】
中間体4
【化43】

1-(4-(2-(アジドメチル)-5-フルオロフェニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン: 中間体3(41.0g、純粋でない)をDMF(100mL)に溶解した。アジ化ナトリウム(6.2g、94mmol)を加え、該混合物を80℃にて4時間攪拌した。該混合物を冷却し、ほとんど乾固するまで濃縮した。該残渣をEtOAcおよび水間に分配した。該有機相を水、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標記の化合物を無色油状物として得た(23.8g、2つの工程を経た収率57%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.64-7.56(2H, m), 7.36-7.27(1H, m), 4.72(2H, s), 3.78-3.64(4H, m), 3.28-3.23(4H, m).
【0097】
中間体5
【化44】

1-(4-(2-(アミノメチル)-5-フルオロフェニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン: 中間体4(23.8g、60.2mmol)をEtOH(100mL)、EtOAc(30mL)および1N HCl水溶液(60mL、60mmol)に溶解し、該溶液を、N2をそれに通してバブリングすることで脱気した。ついで10%Pd/C(1.0g)を加え、該混合物をH2下50 psiにて18時間振盪した。該反応混合物をセリットによりろ過し、該溶液を濃縮した。該残渣をEtOAcおよび水間に分配した。該水相を凍結乾燥し、標記の化合物を白色固体HCl塩として得た(7.91g、収率32%)。 LCMS(M+H)C13H16F4N3O3S: 計算値: 370.08; 実測値: 370.17.
【0098】
中間体6
【化45】

(4-フルオロ-2-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)メタンアミン: 中間体5(7.9g、19.5mmol)および水酸化カリウム(5.6g、98mmol)のMeOH(50mL)中溶液を室温にて30分間攪拌した。該反応の間に形成した固体をろ過して除去し、該溶液を濃縮した。得られた油状物を水に溶解し、1N HCl水溶液で酸性にした。該水溶液をEtOAcで洗浄し、凍結乾燥し、標記の化合物を白色固体HCl塩として得た(6.7g、収率100%)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6)δ: 9.47(1H, bs), 8.66(2H, bs), 7.92(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.80-7.73(2H, m), 4.32(2H, s), 3.38-3.32(4H, m), 3.20-3.17(4H, m). LCMS(M+H)C11H17FN3O2S: 計算値: 274.10; 実測値: 274.20.
【0099】
中間体7
【化46】

4-(5-フルオロ-2-メチルフェニルスルホニル)モルホリン: 中間体1の方法に従い、5-フルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド(10.0g、48mmol)、トリエチルアミン(13.9mL、100mmol)およびモルホリン(8.37g、96mmol)を用いて、白色固体として標記の化合物を得た(10.07g、収率81%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.58(1H, dd, J=8.6, 2.7 Hz), 7.27(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.15(1H, td, J=8.1, 2.8 Hz), 3.72-3.68(4H, m), 3.16-3.13(4H, m), 2.57(3H, s). LCMS(M+H)C11H15FNO3S: 計算値: 260.07; 実測値: 260.15.
【0100】
中間体8
【化47】

4-(2-(ブロモメチル)-5-フルオロフェニルスルホニル)モルホリン: 中間体3の方法に従い、中間体7(10.0g、38.6mmol)を用いて、標記の化合物が黄色油状物として得られ、精製なしに処理した。
【0101】
中間体9
【化48】

4-(2-(アジドメチル)-5-フルオロフェニルスルホニル)モルホリン: 中間体4の方法に従い、中間体8(未精製)を用いて、標記の化合物を淡黄色油状物として得た(8.21g、2つの工程を経た収率71%)。
【0102】
中間体10
【化49】

(4-フルオロ-2-(モルホリノスルホニル)フェニル)メタンアミン: 中間体5の方法に従い、中間体9を用いて 標記の化合物を褐色固体HCl塩として得た(4.29g、収率51%)。 1H NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 7.80-7.73(2H, m), 7.57(1H, td, J=8.1, 2.8 Hz), 4.43(2H, s), 3.76-3.73(4H, m), 3.19-3.15(4H, m). LCMS(M+H)C11H16FN2O3S: 計算値:275.08; 実測値: 275.15.
【0103】
中間体11
【化50】

中間体10の方法に従い、4-ヒドロキシピペリジンを用いて調製した。 1H NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 7.78-7.71(2H, m), 7.54(1H, t, J=8.2, 2.9 Hz), 4.43(2H, s), 3.82-3.74(1H, m), 3.56-3.49(2H, m), 3.12-3.04(2H, m), 1.98-1.89(2H, m), 1.66-1.55(2H, m). LCMS(M+H)C12H18N2O3FS: 計算値: 289.10; 実測値: 289.16.
【0104】
中間体12
【化51】

1,4,8-トリオキサ-スピロ[4.5]デカン. テトラヒドロ-4-ピラノン(10g、99.9mmol), エチレングリコール(20mL、150mmol)および触媒的トルエンスルホン酸の混合物をベンゼン(120mL)中で5時間還流した。室温に冷却後, 該ベンゼン層を、該フラスコの底の暗色油状物から静かに移して、濃縮した。得られた油状物を塩化メチレンに入れ、分液漏斗中で振盪した。該CH2Cl2層を不溶性油状物から静かに移した。該CH2Cl2層を濃縮し、中間体16を淡黄色油状物として得た(11.62g、収率81%)。 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 3.91(4H, s), 3.71(4H, t, J=5.5 Hz), 1.68(4H, t, J=5.7 Hz).
【0105】
中間体13
【化52】

(E)-2-{[4-(2-ヒドロキシエトキシ)テトラヒドロピラン-4-カルボキシイミドイル]-アミノオキシ}ブタ-2-エン二酸ジエチルエステル. 中間体12(6.0g、41.7mmol)およびZnI2(45mg、触媒的)の攪拌した混合物を水浴に入れて、これにシアン化トリメチルシリル(5.6mL、41.7mmol)をシリンジで加えた。18時間後、さらにZnI2(1.63g、13.76 mol%)を加え、室温にて2時間攪拌した。プロトンNMR分析により50%完了が示され、さらにシアン化トリメチル(2.8mL、20.85mmol)を加え、1時間攪拌した。この粗反応混合物にEtOH(50mL)、続いて50%ヒドロキシルアミン水溶液(2.56mL、41.7mmol)を加え、80℃にて2時間攪拌した。ついで、該反応混合物を氷水浴中で冷却し、ジエチルアセチレンジカルボキシレート(7.0mL、56.25mmol)を5分間かけて加えた。ついで、冷浴を除去し, 室温にて15時間攪拌し、濃縮し、ヘキサン/EtOAc混合液を用いたシリカゲルカラムのフラッシュクロマトグラフィーにより、該残渣を精製し、中間体13を黄色油状物として得た(9.3g、60%)。 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 5.72(1H, d, J=22.7 Hz), 5.50(1H, bs), 5.29(1H, bs), 4.33-4.23(2H, m), 4.19-4.04(2H, m), 3.95-3.87(1H, m), 3.79-3.63(6H, m), 3.43-3.39(2H, m), 2.15-1.74(4H, m), 1.35-1.19(6H, m). LCMS [M+H] C16H27N2O8: 計算値:375.17; 実測値: 375.19.
【0106】
中間体14
【化53】

5-ヒドロキシ-2-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)テトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸エチルエステル. 中間体13(9.3g、25mmol)のキシレン(150mL)中溶液を18時間還流した。室温に冷却後、該混合物を0.2M Na2CO3と共に振盪した。該水相をEtOAcで洗浄し、濃HClで酸性にし、CH2Cl2で抽出した。該有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。得られた残渣をエーテルでトリチュレートし、中間体14を褐色固体として(0.87g、収率10%)および不純物生成物(2.36g)を得た。 LCMS [M+H] C14H21N2O7: 計算値:329.13; 実測値: 329.15.
【0107】
中間体15
【化54】

攪拌した中間体14(0.86g、2.6mmol)のTHF(10mL)中溶液に0℃にてメタンスルホニルクロリド(0.613mL、7.9mmol)、続いてトリエチルアミン(1.07mL、7.9mmol)を加えた。該混合物を室温に徐々に加温しながら4時間攪拌し、その後、EtOAcで希釈した。該混合物を水、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮し、暗色油状物を得た。これをEtOH(20mL)およびTHF(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.56g、4.04mmol)を加えた。該混合物を室温にて18時間攪拌し、EtOAc(200mL)で希釈し、該固体をろ過して除去した。該溶液を濃縮し、該残渣をメタノールでトリチュレートした。ろ過して、中間体15を白色固体として得た(0.23g、23%) 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 4.41(2H, q, J=7.2 Hz), 4.03-3.98(4H, m), 3.88-3.82(2H, m), 3.74(2H, t, J=11.2 Hz), 3.50(3H, s), 2.44(2H, dt, J=13.1, 4.9 Hz), 1.76(2H, d, J=13.9 Hz), 1.38(3H, t, J=7.1 Hz). LCMS [M+H] C15H21N2O8S3: 計算値: 389.10; 実測値: 389.13.
【0108】
中間体16
【化55】

中間体15(1.1g、2.8mmol)のEtOH(20mL)中懸濁液に、ナトリウムエトキシド(0.25g、3.66mmol)を加え、得られた混合物を1時間還流し, 冷却し、濃縮した。該残渣をEtOAcおよび水間に分配し、該水相を1N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄し, 乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。該残渣をEt2Oでトリチュレートし、標記の化合物をろ過して白色固体として集めた(0.84g、収率97%)。 1H-NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 10.62(1H, s), 4.42(2H, q, J=7.2 Hz), 4.00(4H, s), 3.89-3.84(2H, m), 3.76(2H, t, J=11.8, 1.9 Hz), 2.41(2H, td, J=1.3, 5.5 Hz), 1.75(2H, dd, J=13.9, 1.8 Hz), 1.41(3H, t, J=7.1 Hz). LCMS [M+H] C14H19N2O6: 計算値: 311.12; 実測値: 311.21.
【0109】
中間体17
【化56】

1-(2-クロロエトキシ)シクロペンタンカルボニトリル: 攪拌したシクロペンタノンエチレンケタール(128.17g、1モル)およびシアン化トリメチルシリル(100g、1モル)の混合物にヨウ化亜鉛(1.3g、4mmol)を5℃にて一度に加えた。1時間後、冷浴を除去し、室温にて一晩(18時間)放置した。これに2N HCl水溶液(500mL)およびMeOH(100mL)加え、室温にて1時間攪拌した。ついで、該反応混合物を分液漏斗に移し、CH2Cl2(4×250mL)で抽出した。合わせたCH2Cl2抽出物を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して、茶色液体を得た。
上記茶色液体のCH2Cl2(200mL)中溶液を攪拌した塩化チオニル(91.2mL、1.25モル)のCH2Cl2(250mL)中溶液にカニューレで1時間かけて加えた。該添加フラスコをCH2Cl2(50mL)でリンスし、該反応混合物に加えた。得られた茶色反応混合物を3時間還流し、冷却し、濃縮し、暗色液体を得た。これをエーテル(250mL)で希釈し, 水(2×100mL), 飽和NaHCO3(2×100mL)で洗浄し, 乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して、暗褐色液体が得られ、これを蒸留して、標記の化合物を無色液体として得た (129.146g、74.4%、BP 68-71℃ @ 0.8 mmHg)。 1HNMR(500 MHz, CDCl3)δ: 3.79(2H, t, J=5.5 Hz), 3.61(2H, t, J=5.5 Hz), 2.16-1.99(4H, m), 1.85-1.71(4H, m).
【0110】
中間体18
【化57】

中間体17(129.14g、0.7437モル), 50%ヒドロキシルアミン水溶液(54.7mL、0.8925モル)およびNa2CO3(31.532g、0.2975モル)のMeOH/H2O(2 : 1 , 500mL)中混合物を室温にて6時間および65℃にて2時間攪拌した。得られた澄明反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をEtOH/H2O(1:3, 500mL)に再溶解し, 氷水浴中で冷却し、ジエチルアセチレンジカルボキシレート(119.1mL、0.7437mol)と15分間かけて反応させた。室温にて2時間攪拌した後、該反応混合物をエーテル(500mL)で希釈し, 水層を流し、有機層を水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し, 乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して、黄色油状物を得た。10〜30%EtOAc/Hexの混合液を用いるシリカゲルカラムのフラッシュクロマトグラフィーにより、純粋な生成物を黄色液体として得た(196g、77.43%)。 1HNMR(500 MHz, CDCl3)δ: 4.36-4.20(2H, m), 4.18-4.12(2H, m), 3.99-3.90(2H, m), 3.59-3.56(1H, m), 3.51-3.47(1H, m), 3.30(1H, d, JAB=16.2 Hz), 2.92(1H, d, JAB=16.2 Hz), 2.27-2.21(1H, m), 2.13-2.07(1H, m), 2.01-1.91(2H, m), 1.79-1.68(2H, m), 1.29(3H, t, J=7.0 Hz), 1.24(3H, t, J=7.0 Hz). HRMS(M + H)C16H25N2O6: 計算値: 341.1713, 実測値: 341.1711.
【0111】
中間体19
【化58】

中間体18(196g、0.5758モル)の1,2,4-トリメチルベンゼン(1.5 リットル)中溶液を155℃にて7時間加熱し、該暗色反応混合物を室温にゆっくりと冷却した。該結晶化した生成物をろ過し、ヘキサンで洗浄し、淡茶色粉末(58.622g)を得た。該ろ液を濃縮し、得られた残渣をトリチュレートして、さらに生成物38.484gを淡茶色粉末として得た。該ろ液を再び濃縮し、得られた暗色残渣をエーテル(500mL)に入れ、0.5M Na2CO3水溶液(2×200mL)で抽出した。該有機層を捨て、合わせた水層を慎重に濃HCl(40mL)で酸性にした。該沈殿生成物をろ過し、乾燥して、黄色粉末として得た(6.1876g)。合わせた収量は103.2936g(61%)であった。1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 10.49(1H, s), 4.44(2H, q, J=7.0 Hz), 4.03-3.97(4H, m), 2.28-2.22(2H, m), 2.06-2.01(2H, m), 1.93-1.81(4H, m), 1.42(3H, t, J=7.0 Hz). HRMS(M+H)C14H19N2O5: 計算値: 295.1294; 実測値: 295.1293.
【0112】
中間体20
【化59】

5,8-ジオキサ-スピロ[3.4]オクタン. シクロブタノン(7.7g、0.11mol)、エチレングリコール(6.82g、0.11mol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1mmol)のベンゼン(200mL)中溶液をDean-Starkトラップで14時間加熱還流した。冷却後、該混合物を重炭酸ナトリウム水溶液(飽和, 15mL)、ついでブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、濃縮し、9.37g(82%)の中間体24を無色液体として得た。: 1H NMR(CDCl3, 500 MHz)δ: 3.87(4H, s), 2.31(4H, t, J=8 Hz), 1.67(2H, qt, J=8 Hz); 13C NMR(CDCl3, 125.77 Hz)δ: 109.08 , 63.87, 35.58, 11.42.
【0113】
中間体21
【化60】

2-{[1-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロブタンカルボキシイミドイル]-アミノオキシ}ブタ-2-エン二酸ジエチルエステル. 中間体20(5.70g、50mmol)およびシアン化トリメチルシリル(5.05g、50mmol)の混合物に触媒的量のZnI2(12mg)を〜10℃の低温水浴中で加え、、該混合物を室温にて5時間攪拌し、10.7gの1-(2-トリメチルシラニルオキシエトキシ)シクロブタンカルボニトリルを流動的油状物として得た: 1H NMR(CDCl3, 500 MHz)δ: 3.75(2H, t, J=5 Hz), 3.55(2H, t, J=5 Hz), 2.51-2.56(2H, m), 2.30-2.37(2H, m), 1.91-1.98(2H, m), 0.124(9H, s,); 13C NMR(CDCl3, 125.77 Hz)δ: 120.43, 72.05, 67.71, 61.49, 34.02, 12.91, -0.29. LC/MS m/z 142(M+H-SiMe3).
1-(2-トリメチルシラニルオキシエトキシ)シクロブタンカルボニトリル(3.5g、16.4mmol)および50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.08g、16.4mmol)のEtOH(16mL)中溶液をオイルバス中で攪拌し、80℃にて2.5時間加熱し、ついで室温に冷却した。溶液にジエチルアセチレンジカルボキシレート(2.93g、17.2mmol)を氷浴中で滴加し、該混合物を室温にて5時間攪拌した。この混合物を真空下で濃縮し、中間体21を含有する6.16gの粗茶色がかった油状物を得た: 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 1.19-1.38(6 H, m)1.72-1.86(2 H, m)2.06-2.24(2 H, m)2.29-2.49(2 H, m)3.26-3.38(2 H, m)3.65-3.76(2 H, m)4.11-4.19(2 H, m)4.24-4.38(2 H, m)5.67(0.25 H, s)5.85(0.5 H, s). HRMS(M+H)C15H25N2O7: 計算値: 345.1662; 実測値: 345.1648.
【0114】
中間体22
【化61】

5-ヒドロキシ-2-[1-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-シクロブチル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-カルボン酸エチルエステル. 粗中間体21(5.9g)のキシレン(30mL)中溶液を150〜155℃にて20時間加熱した。該混合物を真空中で濃縮し、該残渣をEtOAc(30mL)に再溶解して、1M 炭酸ナトリウム水溶液(3×20mL)で抽出した。該水性抽出物を、濃HClを慎重に添加して酸性にし、この混合物をCH2Cl2(2×20 ml)で抽出した。該合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して、22(1.19g、3つの工程を経て24%)を茶色がかった油状物として得た: LC/MS m/z 299(M+H).
【0115】
中間体23
【化62】

エチル 1-(メチルスルホニル)-5-(メチルスルホニルオキシ)-2-(1-(2-(メチルスルホニルオキシ)エトキシ)-シクロブチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキシレート: 冷却(0℃)した、22(7.23g、25mmol)の無水テトラヒドロフラン中溶液と塩化メタンスルホニル(Aldrich)を滴下により反応させた。該溶液を室温に加温し、4時間攪拌した。該反応物を真空中で濃縮し、該粗生成物を酢酸エチル(75mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。該有機溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム ), ろ過して固体を除去し、真空中で濃縮し、23を褐色油状物として得た。これをさらに精製することなく、次の反応に用いた。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 4.49(2H, q, J=7.0 Hz), 4.35-4.38(2H, m), 3.93-4.00(1H, m), 3.66-3.67(3H, s), 3.62-3.65(2H, m), 3.44-3.46(3H, s), 3.05-3.07(3H, s), 2.74-2.82(1H, m), 2.60-2.67(2H, m), 2.41-2.49(2H, m), 1.43(3H, t, J=7.0 Hz). LCMS(M+H): 532.94.
【0116】
中間体24
【化63】

上記で得られた23の無水エタノール(50mL)および無水テトラヒドロフラン(75mL)中溶液に無水炭酸カリウム(3.46g、25mmol)を加え、該反応物を加熱(65℃)しながら、20時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、該粗生成物を水(150mL)に溶解し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。該水層を、6.0N 塩酸を用いて酸性(pH〜1〜2)にし、得られた固体を酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせ抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム ), ろ過して固体を除去し、濃縮し、24(4.30g、61%)を淡褐色固体として得た。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 10.57(1H, s), 4.46(2H, q, J=7.2 Hz), 3.97(4H, s), 2.67-2.73(2H, m), 2.27-2.33(2H, m), 2.10-2.18(1H, m), 1.98-2.06(1H, m), 1.44(3H, t, J=7.2 Hz). 13C NMR(126 MHz, CDCl3)δ: 169.56, 157.68, 150.41, 148.19, 125.24, 79.09, 62.63, 58.52, 42.66, 34.72, 14.18, 13.87; LC/MS(M+H): 281.13.
【0117】
中間体25
【化64】

2-(2-クロロエトキシ)-2-メチルプロパンニトリル.(Navalokina, R. Et al J. Org. Chem. USSR(Engl. Trans.), 1980, 16, 1382-1386. 2)Ramalingam, K. US-4,864,051, 1989.). 250mL丸底フラスコにZnCl2(68.14g、0.5モル)を入れ、ついで真空下で加熱して溶解した。室温に戻った後、該物質をN2雰囲気下に置いた。これにアセトンシアノヒドリン(45.66mL、0.5モル)、続いて2-クロロエタノール(50.24mL、0.75モル)を加え、該混合物を前もって加熱したオイルバス(60℃)に入れた。60℃にて18〜20時間攪拌した後、該反応混合物を冷却し, 水(300mL)で希釈し、CH2Cl2(5×100mL)で洗浄した。該合わせたCH2Cl2抽出物を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、真空下で濃縮し、該粗生成物を黄色液体として得た。vigreuxカラムを用いた真空蒸留(10mm Hg)により精製を達成した。65〜75℃の間に沸騰した画分を集め、所望の生成物を無色油状物として得た(47.1g、収率63.8%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 3.85(2H, t, J=5.8 Hz), 3.64(2H, t, J=5.8 Hz), 1.60(6H, s).
【0118】
中間体26
【化65】

エチル 2-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-8,8-ジメチル-2,5,6,8-テトラヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾロ[3,2-c][1,4]オキサジン-2-カルボキシレート. 攪拌した中間体25(14.7g、0.10モル)およびNaI(1.5g、10mmol)のエタノール(50mL)中溶液に、ヒドロキシルアミン(18.4g、0.30モル)の水溶液(50%)を加え、これにより発熱反応を生じた。これに続いて、該反応混合物を80℃にて2時間加熱した。室温まで冷却してから、該溶媒を除去した。得られた残渣を1:1 エタノール/H2O(100mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。これにジエチルアセチレンジカルボキシレート(17.6mL、0.110モル)を10分間かけて加えた。該反応混合物を室温に加温して、1時間攪拌した。これに続いて、それを酢酸エチル(250mL)で希釈し、H2O(2×100mL), ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、該粗生成物を黄色油状物として得た。20-40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムのフラッシュクロマトグラフィーにより、標記の化合物を粘稠淡黄色油状物として得た(15.29g、収率48.6%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 4.35-4.28(2H, m), 4.18-4.12(2H, m), 3.60-3.56(1H, m), 3.51-3.47(1H, m), 3.30(1H, d, J=16.2 Hz), 2.94(1H, d, J=16.2 Hz), 1.52(3H, s), 1.51(3H, s), 1.29(3H, t, J=7.0 Hz), 1.24(3H, t, J=7.0 Hz). LCMS(M+H)計算値: C14H23N2O7: 315.16; 実測値: 315.33.
【0119】
中間体27
【化66】

エチル 3-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-4-オキソ-4,6,7,9-テトラヒドロピリミド[2,1-c][1,4]オキサジン-2-カルボキシレート. 中間体26(31.16g)の1,2,4-トリメチルベンゼン(200mL)中溶液を180℃にて5時間加熱した。得られた暗色反応溶液を冷却し、ついで濃縮し、暗褐色ペーストが得られ、これを酢酸エチル(250mL)に入れ、0.5M Na2CO3水溶液(4×50mL)で抽出した。該有機層を捨て、該水層を、濃HCl(20mL)を慎重に添加して酸性にし、その後CH2Cl2(4×50mL)で抽出した。合わせたCH2Cl2層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して、暗色ペーストが得られ、これをエーテル(100mL)に溶解し、開放したフラスコ中で室温にて静置した。得られた茶色/淡黄色固体をろ過し、標記の化合物を得た。生成物を含有する該母液を再処理し、さらなる物質を得た(2つの工程を経て合わせた収率〜18-20%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 10.55(1H, s), 4.45(2H, q, J=7.0 Hz), 4.02(4H, s), 1.61(6H, s), 1.43(3H, t, J=7.0 Hz). HRMS(M+H)C12H17N2O5: 計算値: 269.1138; 実測値: 269.1149. 元素分析 C12H16N2O5: 計算値: C, 53.72; H, 6.01; N, 10.44. 実測値: C, 53.71; H, 6.04; N, 10.30.
【0120】
中間体28
【化67】

1-(3-クロロプロピル)シクロペンタンカルボニトリル. 攪拌したシクロペンタンカルボニトリル(1.04mL、10mmol)のTHF(20mL)中溶液に-78℃にてLiHMDS(1M THF中、11mL)をシリンジで加えた。30分後, 1-クロロ-3-ヨードプロパン(1.6mL、15mmol)を一度に加え、室温にゆっくり加温した。20時間後、該反応混合物を飽和塩化アンモニウム(1mL)でクエンチし, EtOAc(100mL)で希釈し, 乾燥し(MgSO4)、ろ過し、濃縮し、中間体28が黄色油状物として得られ、これを次の工程さらに精製することなく用いた。
【0121】
中間体29
【化68】

攪拌した、先の実験からの中間体28および塩酸ヒドロキシルアミン(1.39g、20mmol)の1:1 EtOH/水(30mL)中混合物に炭酸ナトリウム(1.6g、15mmol)を5分間かけて加えた。ついで、該反応混合物を80℃にて15時間攪拌し、乾固するまで濃縮した。得られた白色残渣を1:1 EtOH/水(30mL)に溶解し、ジエチルアセチレンジカルボキシレート(2.4mL、15mmol)を加えた。1時間後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮し、褐色油状物を得た。9:1, 4:1および7:1 ヘキサン/EtOAc混合液を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより、中間体29を淡黄色油状物として得た(1.03g、30%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 4.34-4.11(4H, m), 3.50-3.46(1H, m), 3.38-3.34(1H, m), 3.31(1H, d, J=16.2 Hz), 2.91(1H, d, J=16.2 Hz), 2.23-2.13(2H, m), 1.95-1.89(2H, m), 1.74-1.69(2H, m), 1.62(2H, t, J=5.9 Hz), 1.54-1.48(2H, m), 1.34-1.23(8H, m). HRMS(M+H)C17H27N2O5: 計算値: 339.1920; 実測値: 339.1923.
【0122】
中間体30
【化69】

中間体29(1.0g、2.955mmol)の3, 4-ジクロロトルエン(10mL)中溶液を210℃にて15時間加熱した。ついで、該反応混合物を真空下で濃縮し、該残渣をMeOH/水 (0.1%TFA含有)(グラジエント溶出)を用いた分取HPLCで精製した。該生成物を含有する画分を合わせて濃縮し、中間体30を暗色ペーストとして得た(0.8639g、28.6%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 10.75(1H, br s), 4.43(2H, q, J=7.0 Hz), 4.03(2H, t, J=5.8 Hz), 2.25-2.20(2H, m), 1.99-1.93(4H, m), 1.79-1.64(6H, m), 1.42(3H, t, J=7.0 Hz), . HRMS(M+H)C15H21N2O4: 計算値: 293.1501; 実測値: 293.1513.
【0123】
中間体31
【化70】

アゼチジンを用いて中間体10の方法に従い調製した。 1H NMR(500 MHz, DMSO-d6)δ: 1.81 - 2.26(m, 2 H)3.82(t, J=7.63 Hz, 4 H)4.30(s, 2 H)7.66 - 7.82(m, 2 H)7.90(dd, J=8.55, 5.19 Hz, 1 H)8.52(s, 3 H); LC/MS m/z 245(M+H).
【0124】
中間体32
【化71】

フェニルメタンチオール(4.2mL、36mmol)のトルエン(40mL)中溶液に水素化ナトリウム(0.96g、36mmol、90 wt%)を加え、該混合物を室温にて1時間攪拌した。この反応混合物に2,4-ジフルオロベンゾニトリル(5.0g、36mmol)を加え、110℃にて3時間攪拌した。該混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水, 飽和NaHCO3水溶液で洗浄し, 乾燥(Na2SO4)して、ろ過した。該ろ液を該生成物が溶液からクラッシュするまで濃縮した。該固体をろ過して集め、ヘキサン/EtOAc(2:1)で洗浄し、白色結晶として標記の化合物を得た(6.25g、収率71%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 7.59(1H, dd, J=8.5, 5.8 Hz), 7.35 -7.26(5H, m), 7.04(1H, dd, J=8.8, 2.4 Hz), 6.92(1H, td, J=8.1, 2.3 Hz), 4.23(2H, s). LC/MS m/z 244(M+H).
【0125】
中間体33
【化72】

塩素を、攪拌した中間体32(3.98g、16.4mmol)の氷酢酸(20mL)中懸濁液に通して、30℃より上に維持して30分間かけて、バブリングした。得られた黄色溶液を水で希釈し、該生成物をEtOAcで抽出した。合わせ有機相を飽和NaHCO3水溶液(2×)で洗浄し, 乾燥(Na2SO4)し、ろ過した。ろ液を濃縮して、標記の化合物が粘着性白色固体として得られ、これを精製することなく用いた。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.99(1H, dd, J=8.4, 4.7 Hz), 7.90(1H, dd, J=7.3, 2.6 Hz), 7.57-7.51(1H, m).
【0126】
中間体34
【化73】

中間体33(4.00mmol)およびヘキサメチレンイミン(0.68mL、6mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(10%〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記の化合物を黄色油状物として得た(0.68g、収率61%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.83(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.77(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.34 - 7.28(1H, m), 3.43 - 3.39(4H, m), 1.77 - 1.71(4H, m), 1.63-1.59(4H, m). LC/MS m/z 283(M+H).
【0127】
中間体35
【化74】

攪拌したLAH(2.6mL、2.6mmol、1M THF中)のTHF(3mL)混合溶液に, 中間体34(0.68g、2.4mmol)のTHF(2mL)中溶液を滴加した。得られた混合物を室温にて1.5時間攪拌し、ついでNaOH(2mL、0.5 M)でクエンチした。該固体をろ過して除去し、残りの溶液を水で洗浄し濃縮した。該残渣をEt2Oに入れ、エーテルHCl(1N)と共に攪拌した。得られた生成物を水に溶解し、凍結乾燥し標記の化合物を粘着性オレンジ色固体HCl塩として得た(0.35g、収率45%)。 LC/MS m/z 287(M+H).
【0128】
中間体36
【化75】

中間体33(17mmol)および3-ピロリジノール(1.7mL、20.4mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(10%〜100%EtOAc/ヘキサン)により、標記の化合物を白色固体として得た(1.08g, 収率24%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.79(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.37 - 7.31(1H, m), 4.49(1H, s), 3.61 - 3.45(4H, m), 2.11 - 1.92(2H, m), 1.75 - 1.74(1H, m). LC/MS m/z 271(M+H).
【0129】
中間体37
【化76】

中間体35の方法に従い、中間体36を用いて、標記の化合物を黄色固体HCl塩として得た(0.43g、収率35%)。 LC/MS m/z 275(M+H).
【0130】
中間体38
【化77】

中間体33(3.8mmol)およびピペリジン(0.99mL、10mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(10%〜80%EtOAc/ヘキサン)により、標記の化合物を淡黄色固体として得た(0.835g, 収率81%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.71(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.37-7.31(1H, m), 3.25-3.21(4H, m), 1.68-1.60(4H, m), 1.53-1.46(2H, m). LC/MS m/z 269(M+H).
【0131】
中間体39
【化78】

中間体35の方法に従い、中間体38を用いて、標記の化合物を淡褐色固体HCl塩として得た(0.61g、収率65%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.76-7.68(2H, m), 7.51(1H, td, J=8.2, 2,6 Hz), 4.44(2H, s), 3.19-3.16(4H, m), 1.64-1.57(4H, m), 1.52-1.47(2H, m). LC/MS m/z 273(M+H).
【0132】
中間体40
【化79】

中間体33(3.8mmol)および1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン(1.43g、10mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(10%〜100%EtOAc/ヘキサン)により、標記の化合物を淡黄色固体として得た(0.877g, 収率71%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.71(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.38 - 7.32(1H, m), 3.90(4H, s), 3.41-3.47(4H, m), 1.79 - 1.76(4H, m). LC/MS m/z 327(M+H).
【0133】
中間体41
【化80】

中間体35の方法に従い、中間体40を用いて、標記の化合物を白色粉末HCl塩として得た(0.88g、収率89%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.79 - 7.69(2H, m), 7.52(1H, td, J=8.1, 2.7 Hz), 4.44(2H, s), 3.99(4H, s), 3.36 - 3.32(4H, m), 1.86 - 1.82(4H, m). LC/MS m/z 331(M+H).
【0134】
中間体42
【化81】

中間体33(3.8mmol)および4-スピロ[3-(2-ピロリジノン)]ピペリジン HCl(0.41g、2.1mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CH2Cl2)により、標記の化合物を黄色泡状物として得た(0.264g, 収率37%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.72(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.37 - 7.31(1H, m), 5.71(1H, s), 3.71 - 3.63(2H, m), 3.33 - 3.21(4H, m), 1.98 - 1.90(4H, m), 1.63 - 1.55(2H, m). LC/MS m/z 338(M+H).
【0135】
中間体43
【化82】

中間体35の方法に従い、中間体42を用いて、白色粉末HCl塩として標記の化合物を得た(0.265g、収率90%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.79 - 7.69(2H, m), 7.52(1H, td, J=8.2, 2.6 Hz), 4.45(2H, s), 3.76 - 3.69(2H, m), 3.35 - 3.31(2H, m), 2.90 - 2.81(2H, m), 2.04 - 1.99(2H, m), 1.83 - 1.73(2H, m), 1.64 - 1.60(2H, m). LC/MS m/z 342(M+H).
【0136】
中間体44
【化83】

中間体33(3.8mmol)およびピロリジン(0.83mL、10mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(10%〜100%EtOAc/ヘキサン)により、標記の化合物を白色固体として得た(0.57g, 収率58%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.77(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.36 - 7.30(1H, m), 3.44 - 3.40(4H, m), 1.2 - 1.88(4H, m). LC/MS m/z 255(M+H).
【0137】
中間体45
【化84】

中間体35の方法に従い、中間体44を用いて、白色固体HCl塩として標記の化合物を得た(0.265g、収率90%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.76 - 7.68(2H, m), 7.50(1H, td, J=8.2, 2.9 Hz), 4.46(2H, s), 3.35 - 3.30(4H, s), 1.91 - 1.86(4H, s). LC/MS m/z 259(M+H).
【0138】
中間体46
【化85】

中間体33(7.7mmol)および3-(N-アセチル-N-メチルアミノ)ピロリジン(1.42g、10mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(30%〜100%EtOAc/ヘキサン〜10%MeOH/CH2Cl2)により、黄色泡状物として標記の化合物を得た(0.887g, 収率35%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.87(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.75(1H, dd, J=7.7, 2.6 Hz), 7.40 - 7.34(1H, m), 5.23 - 5.13(1H, m), 3.76 - 3.69(1H, m), 3.48 - 3.42(1H, m), 3.35 - 3.26(2H, m), 2.90(3H, s), 2.11 - 1.98(2H, m), 2.05(3H, s). LC/MS m/z 326(M+H).
【0139】
中間体47
【化86】

中間体35の方法に従い、中間体46を用いて、標記の化合物を白色泡状物HCl塩として得た(0.947g、収率>100%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.79 - 7.69(2H, m), 7.55 - 7.48(1H, m), 5.00 - 4.89(1H, m), 4.44(2H, s), 3.64 - 3.39(2H, m), 3.31 - 3.20(2H, m), 2.89(2H, s), 2.73(1H, s), 2.22 - 2.00(2H, m), 2.10(1H, s), 2.05(2H, s). LC/MS m/z 330(M+H).
【0140】
中間体48
【化87】

中間体33(5.5mmol)および2,6-ジメチルピペラジン(0.81g、7.1mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(0%〜10%MeOH/CH2Cl2)により、標記の化合物を褐色固体として得た(1.258g, 77%収率)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.70(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.38 - 7.32(1H, m), 3.74 - 3.73(1H, m), 3.71 - 3.69(1H, m), 2.98 - 2.87(2H, m), 2.18(2H, dd, J=11.5, 10.8 Hz), 1.40(1H, bs), 1.04(3H, s), 1.02(3H, s). LC/MS m/z 298(M+H).
【0141】
中間体49
【化88】

中間体35の方法に従い、中間体48を用いて、標記の化合物を白色固体HCl塩として得た(0.711g、100%収率)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.80(1H, dd, J=8.4 , 2.9 Hz), 7.72(1H, dd, J=8.8, 5.1 Hz), 7.56(1H, td, J=8.2, 2.6 Hz), 4.44(2H, s), 4.00(2H, dd, J=13.3, 2.0 Hz), 3.59 - 3.48(2H, m), 2.77(2H, dd, J=13.2, 11.7 Hz), 1.31(3H, s), 1.29(3H, s). LC/MS m/z 302(M+H).
【0142】
中間体50
【化89】

中間体48(0.625g、2.1mmol)/アセトン(10mL)および炭酸カリウム(2.4g、15.0mmol)の混合物を5分間還流した。この混合物にヨードメタン(0.6g、3mmol)のアセトン(5mL)中溶液を2時間ずつ還流して2バッチで加えた。4時間後, 該混合物を冷却し、ろ過し、濃縮した。得られた残渣をCH2Cl2に入れ、ろ過し、フラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CH2Cl2)により精製して、標記の化合物を無色油状物として得た(0.318g、49%収率)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.85(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.69(1H, dd, J=7.7, 2.6 Hz), 7.39 - 7.32(1H, m), 3.66(2H, d, J=11.7 Hz), 2.48 - 2.40(2H, m), 2.34 - 2.28(2H, m_, 2.21(3H, s), 1.08(3H, s), 1.06(3H, s). LC/MS m/z 312(M+H).
【0143】
中間体51
【化90】

中間体35の方法に従い、中間体50を用いて、標記の化合物を白色粉末HCl塩として得た(0.381g、収率100%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.80(1H, dd, J=8.4, 2.9 Hz), 7.74(1H, dd, J=8.6, 5.3 Hz), 7.56(1H, td, J=8.5, 2.6 Hz), 4.43(2H, s), 4.01 - 3.96(2H, m), 3.55 - 3.47(2H, m), 2.92(3H, s), 3.93 - 2.85 2H, m), 1.38(3H, s), 1.36(3H, s). LC/MS m/z 316(M+H).
【0144】
中間体52
【化91】

中間体33(6mmol)および(R)-1-N-Boc-2-メチルピペラジン(1.0g、5mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(0%〜100%EtOAc/ヘキサン)により標記の化合物を褐色固体として得た(1.461g, 76%収率)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.86(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.70(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.40 - 7.33(1H, m), 4.36 - 4.31(1H, m), 3.93(1H, d, J=13.5 Hz), 3.82(1H, dt, J=11.8, 1.6 Hz), 3.59(1H, d, J=12.4 Hz), 3.21 - 3.12(1H, m), 2.80(1H, dd, J=12.1, 3.7 Hz), 2.59(1H, td, J=12.0, 3.4 Hz), 1.40(9H, s), 1.19(3H, d, J=6.9 Hz). LC/MS m/z 284(M+H).
【0145】
中間体53
【化92】

中間体35の方法に従い、中間体52を用いて、標記の化合物を白色泡状物HCl塩として(1.27g、79%収率)得た。 1H NMR(300 MHz, CD3OD)δ: 7.80 - 7.71(2H, m),7.56(1H, td, J=8.1, 4.0 Hz), 4.44(2H, s), 4.40 - 4.36(1H, m), 3.99 - 3.94(1H, m), 3.79 - 3.74(1H, m), 3.62(1H, td, J=12.2, 1.8 Hz), 3.18(1H, td, J=12.9, 3.4 Hz), 2.84(1H, dd, J=12.1, 3.7 Hz), 2.65(1H, td, J=1f2.1, 3.7 Hz), 1.45(9H, s), 1.23(3H, d, J=6.6 Hz). LC/MS m/z 388(M+H).
【0146】
中間体54
【化93】

中間体33(5mmol)および1-((3R, 4S)-4-(メチルチオ)テトラヒドロフラン-3-イル)ピペラジン(0.5g、2.5mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(0%〜100%EtOAc/ヘキサン)により、標記の化合物を黄色固体として得た(0.741g、収率77%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.86(1H, dd, J=8.4, 4.7 Hz), 7.71(1H, dd, J=7.7, 2.6 Hz), 7.40 - 7.34(1H, m), 4.15(1H, t, J=8.4 Hz), 3.88 - 3.83(1H, m), 3.73(1H, bs), 3.60(1H, dd, J=9.5, 5.8 Hz), 3.28(4H, bs), 3.12(1H, bs), 2.99(1H, bs), 2.75 -2.69(2H, m), 2.58 - 2.53(2H, m), 2.10(3H, s). LC/MS m/z 386(M+H).
【0147】
中間体55
【化94】

中間体35の方法に従い、中間体54を用いて、標記の化合物を茶色泡状物HCl塩として得た(0.518g、収率59%)。 LC/MS m/z 390(M+H).
【0148】
中間体56
【化95】

中間体33(5mmol)および2-(ピロリジン-1-イルメチル)モルホリン(0.5g、2.9mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CH2Cl2)により、標記の化合物を黄色油状物として得た(0.419g、41%収率)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 7.87(1H, dd, J=8.6, 4.9 Hz), 7.72(1H, dd, J=8.0, 2.6 Hz), 7.41 - 7.34(1H, m), 3.98 - 3.92(1H, m), 3.74 - 3.60(4H, m), 2.86 - 2.77(1H, m), 2.63 - 2.39(7H, m), 1.77 - 1.73(4H, m). LC/MS m/z 354(M+H).
【0149】
中間体57
【化96】

中間体35の方法に従い、中間体56を用いて、白色泡状物HCl塩として標記の化合物を得た(0.450g、収率87%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.78 - 7.71(2H, m), 7.54(1H, td, J=8.1, 2.7), 4.44 - 3.97(2H, m), 3.77 - 3.59(5H, m), 3.33 - 3.25(2H, m), 3.15 - 3.06(2H, m), 2.85(1H, td, J=11.7, 3.3 Hz), 2.59(1H, td, J=11.7, 10.2 Hz), 2.16 - 2.08(2H, m), 2.00 - 1.96(2H, m). LC/MS m/z 358(M+H).
【0150】
中間体58
【化97】

中間体33(5mmol)および(3S, 4S)-N,N-ジメチル-4-ピペラジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3-アミン(0.5g、2.5mmol)を用いて、中間体1の方法に従い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CH2Cl2)により、標記の化合物を黄色油状物として得た(0.363g、収率14%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 7.88(1H, dd, J=8.5, 4.9 Hz), 7.73(1H, dd, J=7.8, 2.6 Hz), 7.40 - 7.37(1H, m), 3.82 - 3.70(4H, m), 3.30 - 3.28(4H, m), 3.11(1H, bs), 2.98(1H, bs), 2.71 - 2.67(2H, m), 2.60 - 2.55(2H, m), 2.27(6H, s). LC/MS m/z 383(M+H).
【0151】
中間体59
【化98】

中間体35の方法に従い、中間体58および溶媒としてEtOHを用いて、標記の化合物を黄色泡状物HCl塩として得た(0.419g、収率89%)。 1H NMR(300 MHz, D2O)δ: 7.78(1H, dd, J=8.2, 2,7 Hz), 7.72(1H, dd, J=8.5, 5.2 Hz), 7.54(1H, td, J=8.2, 2.6 Hz), 4.42(2H, s), 4.41 - 4.39(1H, m), 4.28 - 4.15(4H, m), 4.11 - 4.08(1H, m), 3.51(4H, bs), 3.43 - 3.39(2H, m), 2.94(6H, s). LC/MS m/z 387(M+H).
【0152】
実施例1
【化99】

中間体20(0.84g、2,7mmol)、中間体6(2.8g、8.1mmol)およびトリエチルアミン(2.9mL、20mmol)のEtOH/DMF(20mL、1:1)中混合物を90℃にて24時間攪拌した。該混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(YMC Combiprep ODS-A、30mm×50mm、MeOH/H2O/0.1%TFA)で精製し、標記の化合物を白色固体として得た(0.63g、収率36%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 8.50(1H, t, J= 6.6 Hz), 7,26(1H, dd, J=8.6, 5.3 Hz), 7.53(1H, dd, J=8.4, 2.9 Hz), 7.25(1H, td, J=8.0, 2.6 Hz), 4.80(2H, d, J=6.9 Hz), 3.98(4H, s), 3.85-3.70(4H, m), 3.31-3.28(4H, m), 3.03-3.00(4H, m), 2.31(2H, td, J=13.0, 5.2 Hz), 1.74(2H, d, J=13.2 Hz). HRMS(M+H)C23H29FN5O7S: 計算値: 538.17718; 実測値: 538.1751.
【0153】
実施例2
【化100】

化合物1(0.07g、0.107mmol), トリエチルアミン(0.06mL、0.428mmol)およびホルムアルデヒド(0.080mL 37wt%水中, 1.07mmol)をDCE(4mL)中で一緒に攪拌した。これに固体ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.091g、0.428mmol)を加え、得られた混合物を室温にて24時間攪拌した。該反応物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。該水相をでCH2Cl2洗浄した。該有機相を合わせ水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。濃縮して、標記の化合物を白色固体として得た(0.054g、収率92%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 11.90(1H, bs), 8.52(1H, t, J=6.8 Hz), 7.62(1H, dd, J= 8.4, 5.1 Hz), 7.51(1H, dd, J=8.4, 2.6 Hz), 7.24(1H, td, J=8.2, 3.0 Hz), 4.79(2H, d, J=6.6 Hz), 3.98(3H, s), 3.85-3.70(4H, m), 3.34(4H, bs), 2.58(4H, bs), 2.36-2.26(4H, m), 1.73(2H, d, J=13.2 Hz), 1.56(2H, bs). HRMS(M+H) C24H31FN5O7S: 計算値: 552.19283; 実測値: 552.1928. 元素分析 C24H30FN5O7S: 計算値: C, 52.26; H, 5.48; N, 12.70; F, 3.44; S, 5.81; 実測値: C, 52.35; H, 5.41; N, 12.44; F, 3.24; S, 5.99.
【0154】
実施例3
【化101】

化合物1(0.07g、0.1mmol)およびトリエチルアミン(0.03mL、0.214mmol)のTHF(3mL)中混合物に、クロロギ酸メチル(0.008mL、0.11mmol)を加え、得られた混合物を室温にて2時間攪拌した。該混合物をEtOAcおよび水間に分配した。該有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮し、標記の化合物を白色固体として得た(0.058g、収率98%)。 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ: 11.81(1H, d, J=17.2 Hz), 8.49(1H, t, J=6.9 Hz), 7.63(1H, dd, J=8.4, 5.1 Hz), 7.50(1H, dd, J=8.2, 2.7 Hz), 7.26(1H, td, J=7.9, 2.8 Hz), 4.79(2H, d, J=6.9 Hz), 3.99(4H, s), 3.85-3.70(4H, m), 3.67(3H, s), 3.60-3.57(4H, m), 3.37-3.21(4H, m), 2.30(2H, td, J=13.1, 5.5 Hz), 1.74(2H, d, J=12.8 Hz). HRMS(M+H)C25H31FN5O9S: 計算値: 596.1827; 実測値: 596.1848.
【0155】
以下の実施例は、適当な中間体および試薬の組み合わせを用いて、上記の方法に従って調製した。
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【表4−4】

【表4−5】

【表4−6】

【表4−7】

【表4−8】

【表4−9】

【表4−10】

【表4−11】

【0156】
化合物41
【化102】

化合物37(0.21g、0.35mmol)のCH2Cl2(2mL)中溶液にTFA(2mL)を加え、得られた混合物を室温にて2時間攪拌し、濃縮し、標記の化合物を茶色泡状物TFA塩として得た(0.168g、収率77%)。 1H NMR(500 MHz, DMSO)δ: 7.71(1H, dd, J=8.4, 2.4 Hz), 7.64(1H, td, J=8.3, 2.6 Hz), 7.55(1H, dd, J=8.7, 5.3 Hz), 4.79(2H, s), 4.01 - 3.99(2H, m), 3.86 - 3.84(2H, m), 3.82 - 3.76(2H, m), 3.44 - 3.39(2H, m), 3.16 - 3.12(1H, m), 3.03 - 2.98(1H, m), 2.83 - 2.79(1H, m), 1.56(6H, s), 1.22(3H, d, J=6.4 Hz). HRMS(M+H) C22H29FN5O6S: 計算値: 510.1823; 実測値: 510.1818.
【0157】
化合物42
【化103】

化合物41(0.10g、0.16mmol)、トリエチルアミン(0.07mL、0.5mmol)およびホルムアルデヒド(0.12mL、1.6mmol、37wt% H2O中)の1,2-ジクロロエタン(4mL)中混合物にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.106g、0.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて18時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした後、該水相をCH2Cl2で洗浄した。該有機相を合わせ、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/CH2Cl2)で精製して、標記の化合物を白色固体として得た(0.0126g、収率15%)。 1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ: 11.83(1H, bs), 8.62(1H, t, J=6.6 Hz), 7.66(1H, dd, J=8.5, 5.2 Hz), 7.53(1H, dd, J=8.4, 2.6 Hz), 7.27(1H, td, J=7.9, 2.4 Hz), 4.77(2H, d, J= 6.7 Hz), 3.99(4H, s), 3.63 - 3.61(1H, m), 3.53 - 3.51(1H, m), 2.97(1H, t, J=8.8 Hz), 2.87 - 2.85(1H, m), 2.58(1H, t, J=8.8 Hz), 2.40(1H, t, J=10.4 hz), 2.32(3H, s), 2.30(1H, bs), 1.58(6H, s), 1.09(3H, d, J=6.1 Hz). HRMS(M+H)C23H31FN5O6S: 計算値: 524.1979; 実測値: 524.1996.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1は(Ar1)アルキルであり;
R2は水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり;
R3はSO2N(R6)(R7)であり;
R4は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R5は水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R6およびR7はそれらが結合する窒素と共に、アゼチジニル、(R8)-アゼチジニル、ピロリジニル、(R8)-ピロリジニル、ピペリジニル、(R8)-ピペリジニル、ジアルキルピペリジニル、トリアルキルピペリジニル、ピペラジニル、4-(R9)-ピペラジニル、ジアルキルピペラジニル、ジアルキル-4-(R9)-ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、
【化2】

であり;
R8はヒドロキシ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルCONH、アルキルCON(アルキル)、(メチルチオ)テトラヒドロフラニル、(アミノ)テトラヒドロフラニル、(アルキルアミノ)テトラヒドロフラニル、(ジアルキルアミノ)テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、(アゼチジニル)アルキル、(ピロリジニル)アルキル、(ピペリジニル)アルキル、(ピペラジニル)アルキル、(ホモピペリジニル)アルキル、または(モルホリニル)アルキルであり;
R9はアルキル、(シクロアルキル)アルキル、SO2R10、またはCOR11であり;
R10は水素、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R11は水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒドロキシピペリジニル、ピペリジニル、4-(アルキル)ピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R12は水素またはアルキルであるか; または
2つのR12が一緒になって、CH2CH2、CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2、OCH2CH2、CH2OCH2、OCH2CH2CH2、CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2、OCH2CH2CH2CH2CH2、CH2OCH2CH2CH2CH2、CH2CH2OCH2CH2CH2、N(R13)CH2CH2、CH2N(R13)CH2、N(R13)CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2、CH2CH2N(R13)CH2CH2、N(R13)CH2CH2CH2CH2CH2、CH2N(R13)CH2CH2CH2CH2、またはCH2CH2N(R13)CH2CH2CH2(ただし、該2つのR12は共通の炭素原子に結合する)であり;
R13は水素またはアルキルであり;
R14およびR15は一緒になって、C3-5アルキレンであり;
Ar1
【化3】

であり;
Ar2はハロ、アルキル、およびアルコキシから選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルまたはピリジニルであり; および
X-Y-Zは、C(R12)2OC(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2C(R12)2、C(R12)2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2CH2、C(Ar2)=CHCH2、C(Ar2)=CHCH2CH2、C(Ar2)=CHCH2CH2CH2、(R12)2N(R13)C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R13)C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R12)CO、C(R12)2N(R12)COC(R12)2、C(R12)2N(R12)COC(R12)2C(R12)2、C(R14)2N(R15)CO、C(R14)2N(R15)COC(R12)2、C(R14)2N(R15)COC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2C(R12)2、またはSC(R12)2C(R12)2C(R12)2C(R12)2である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
R6およびR7がそれらが結合する窒素と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、(R8)-ピペリジニル、ピペラジニル、4-(R9)-ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルであり;
R8がヒドロキシまたはアルキルであり; および
R9がアルキル、(シクロアルキル)アルキル、SO2R10、またはCOR11である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1
【化4】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R4が水素またはハロである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R2が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
X-Y-ZがSC(R12)2C(R12)2、SC(R12)2C(R12)2C(R12)2、またはSC(R12)2C(R12)2C(R12)2C(R12)2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
X-Y-ZがC(R12)2OC(R12)2、C(R12)2OC(R12)2C(R12)2、またはC(R12)2OC(R12)2C(R12)2C(R12)2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
X-Y-ZがC(R12)2OCH2、C(R12)2OCHCH2、またはC(R12)2OCH2CH2CH2である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
X-Y-ZがC(R12)2CH2CH2、C(R12)2CH2CH2CH2、またはC(R12)2CH2CH2CH2CH2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
X-Y-ZがC(Ar2)=CHCH2、C(Ar2)=CHCH2CH2、またはC(Ar2)=CHCH2CH2CH2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
X-Y-ZがN(R12)COC(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R12)COC(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2、N(R12)SO2C(R12)2C(R12)2C(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2、N(R12)N(R12)COC(R12)2C(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2、N(R14)N(R15)COC(R12)2C(R12)2、C(R12)2N(R12)CO、C(R12)2N(R12)COC(R12)2、C(R12)2N(R12)COC(R12)2C(R12)2、C(R14)2N(R15)CO、C(R14)2N(R15)COC(R12)2、またはC(R14)2N(R15)COC(R12)2C(R12)2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
【化5】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
治療有効量の請求項1に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含むことを特徴とする、HIV感染を治療するのに有用な組成物。
【請求項15】
AIDSまたはHIV感染の治療のために使用されるヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、HIV融合インヒビター、HIV接着インヒビター、CCR5インヒビター、CXCR4インヒビター、HIV出芽または成熟インヒビター、およびHIVインテグラーゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤の治療有効量および医薬的に許容される担体をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量をその必要がある患者に投与することを特徴とする、HIV感染を治療するための方法。
【請求項17】
ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、HIV融合インヒビター、HIV結合インヒビター、CCR5インヒビター、CXCR4インヒビター、HIV出芽および成熟インヒビター、およびHIVインテグラーゼインヒビターからなる群から選択され、AIDSまたはHIV感染の治療に用いられる少なくとも1つの他の薬剤の治療有効量を投与することをさらに特徴とする、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2009−515985(P2009−515985A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541316(P2008−541316)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/044378
【国際公開番号】WO2007/059229
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】