説明

III族窒化物結晶、III族窒化物結晶基板および半導体デバイスの製造方法

【課題】{0001}面を除いて任意に特定される{hkil}面に対して面方位のばらつきが小さな主面を有するIII族窒化物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】本III族窒化物結晶の製造方法は、{0001}面を除いて任意に特定される{hkil}面に対して結晶片10の主面10m内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下である複数の結晶片10を調製し、{hkil}面に対して複数の結晶片10の主面10mの全面10a内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下になるようにかつ結晶片10の主面10mの少なくとも一部が露出するように複数の結晶片10を配置して、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に、第2のIII族窒化物結晶20を成長させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面(ここで、h、k、iおよびlは整数であり、i=−(h+k)の関係を有する。以下同じ。)に対して面方位のばらつきが小さな主面を有するIII族窒化物結晶、III族窒化物結晶基板の製造方法に関する。また、本発明は、上記III族窒化物結晶基板を含む半導体デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光デバイス、電子デバイス、半導体センサなどに好適に用いられるIII族窒化物結晶は、通常、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法などの気相法、フラックス法などの液相法により、(0001)面の主面を有するサファイア基板または(111)A面の主面を有するGaAs基板などの主面上に結晶成長させることにより製造される。このため、通常得られるIII族窒化物結晶は、面方位が{0001}の主面を有する。
【0003】
面方位が{0001}の主面を有するIII族窒化物結晶を基板としてその主面上にMQW(多重量子井戸)構造の発光層を形成させた発光デバイスは、III族窒化物結晶が有する<0001>方向の極性により、発光層内において自発分極が生じるため、発光効率が低下する。このため、{0001}以外の面方位の主面を有するIII族窒化物結晶の製造が求められている。
【0004】
基板の主面の面方位に左右されずに、任意の面方位の表面を有する窒化ガリウム結晶の作成方法として以下のいくつかの方法が提案されている。
【0005】
たとえば、特開2005−162526号公報(特許文献1)は、気相法により成長させたGaN結晶から、複数個の直方体の結晶塊を切り出し、一方、別途準備したサファイア基板の表面にシリコン酸化膜を被覆し、次いで基板に達する複数個の凹部を形成し、上記複数個の結晶塊をその上部表面が所望の任意の同一面方位となるようにして上記凹部に埋め込み、この結晶塊を種として気相法により、任意の面方位の表面を有するGaN結晶を成長させる方法を開示する。
【0006】
また、特開2006−315947号公報(特許文献2)は、複数の窒化物半導体バーを隣り合う窒化物半導体バーのC面同士が対向し、各窒化物半導体バーのM面が上面となるように配列し、配列された窒化物半導体バーの上面に窒化物半導体層を形成する方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−162526号公報
【特許文献2】特開2006−315947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の特許文献1の方法は、サファイア基板中に埋め込まれたGaNの結晶の結晶塊を種としてGaN結晶の成長を行なうため、サファイアとGaNとの熱膨張係数の相違により、結晶成長後の冷却の際にGaN結晶に亀裂や歪みが生じ、結晶性の高いGaN結晶が得られなかった。
【0009】
また、上記の特許文献1の方法によりAlを含むIII族窒化物結晶、たとえば、AlxGayIn1-x-yN結晶(x>0、y≧0、x+y≦1)を成長させると、Al原料はシリコン酸化膜に対して選択性がないため、シリコン酸化膜上にもAlxGayIn1-x-yN結晶が成長するため、結晶性の高いAlxGayIn1-x-yN結晶が得られなかった。
【0010】
また、上記の特許文献2の方法は、窒化物半導体バーのC面同士を対向させているため、C面に対して垂直な面(たとえばM面など)以外の任意に特定される面方位を有する窒化物半導体層が得られない。
【0011】
さらに、上記の特許文献2の方法において用いられる窒化物半導体バーは、窒化物半導体とは異種の化学組成を有するサファイア、SiC、シリコン、GaAsなどの異種ウエハ上に成長させた窒化物半導体ウエハを短冊状にスライスしたものである。ここで、異種ウエハ上に成長した窒化物半導体ウエハは大きな結晶歪みと反りを有しているため、かかる窒化物半導体ウエハからスライスされた窒化物半導体バーはM面に対する主面内の面方位のばらつきが大きい。このため、複数の窒化物半導体バーのM面上に成長させた窒化物半導体層も、M面に対する主面内の面方位のばらつきが大きくなる。このため、かかる窒化物半導体層を含む半導体デバイスの特性が低下して歩留まりが低下する。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決し、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して面方位のばらつきが小さな主面を有するIII族窒化物結晶、III族窒化物結晶基板およびIII族窒化物結晶基板を含む半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ある局面に従えば、第1のIII族窒化物結晶から複数の結晶片を切り出して、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して各結晶片の主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下である複数の結晶片を調製する工程と、{hkil}面に対して複数の結晶片の主面の全面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下になるようにかつ各結晶片の主面の少なくとも一部が露出するように複数の結晶片を配置する工程と、複数の結晶片の主面の露出部分上に、各結晶片の主面の露出部分上に成長する第1の結晶領域および第1の結晶領域が互いに接合する領域である第2の結晶領域を含んで一体化するように第2のIII族窒化物結晶を成長させる工程と、を備えるIII族窒化物結晶の製造方法である。
【0014】
本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、複数の結晶片を調製する工程において、{hkil}面に対して各結晶片の主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれを0.2°以下とし、複数の結晶片を配置する工程において、{hkil}面に対して複数の結晶片の主面の全面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれを0.2°以下とすることができる。また、第2のIII族窒化物結晶は、0.002Ωcmの導電性を少なくとも有することができる。
【0015】
また、本発明は、別の局面に従えば、上記の製造方法により得られた第2のIII族窒化物結晶からのIII族窒化物結晶基板の製造方法であって、第2のIII族窒化物結晶に、第2のIII族窒化物結晶の成長方向に垂直な主面を形成する工程を備えるIII族窒化物結晶基板の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、さらに別の局面に従えば、上記の製造方法により得られたIII族窒化物結晶基板を含む半導体デバイスの製造方法であって、第1の結晶領域と第2の結晶領域とを含むIII族窒化物結晶基板を準備する工程と、III族窒化物結晶基板の第1の結晶領域内に半導体デバイスを形成する工程と、を備える半導体デバイスの製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して面方位のばらつきが小さな主面を有するIII族窒化物結晶、III族窒化物結晶基板およびIII族窒化物結晶基板を含む半導体デバイスの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかるIII族窒化物結晶およびIII族窒化物結晶基板の製造方法の一例を示す概略図である。ここで、(a)は複数の結晶片を調製する工程を示す概略斜視図であり、(b)は複数の結晶片を配置する工程を示す概略斜視図であり、(c)はIII族窒化物結晶を成長させる工程およびIII族窒化物結晶に主面を形成する工程を示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法の別の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法のさらに別の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明にかかる半導体デバイスの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
結晶幾何学においては、結晶面の面方位を表わすために(hkl)または(hkil)などの表示(ミラー表示)が用いられる。III族窒化物結晶などの六方晶系の結晶における結晶面の面方位は、(hkil)で表わされる。ここで、h、k、iおよびlはミラー指数と呼ばれる整数であり、i=−(h+k)の関係を有する。この面方位(hkil)の面を(hkil)面という。また、(hkil)面に垂直な方向((hkil)面の法線方向)は、[hkil]方向という。また、{hkil}は(hkil)およびそれに結晶幾何学的に等価な個々の面方位を含む総称的な面方位を意味し、<hkil>は、[hkik]およびそれに結晶幾何学的に等価な個々の方向を含む総称的な方向を意味する。
【0020】
(実施形態1)
図1を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法の一実施形態は、第1のIII族窒化物結晶1から複数の結晶片10を切り出して、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.5°以下である複数の結晶片10を調製する工程を備える(図1(a)参照)と、{hkil}面に対して複数の結晶片10の主面10mの全面10aの任意の点における面方位のずれが0.5°以下になるようにかつ各結晶片10の主面10mの少なくとも一部が露出するように複数の結晶片10を配置する工程(図1(b)参照)と、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に、各結晶片10の主面10mの露出部分上に成長する第1の結晶領域20sおよび第1の結晶領域20sが互いに接合する領域である第2の結晶領域20tを含んで一体化するように第2のIII族窒化物結晶20を成長させる工程(図1(c))と、を備える。
【0021】
(結晶片の調製工程)
図1(a)を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、第1のIII族窒化物結晶1から複数の結晶片10を切り出して、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.5°以下になるように複数の結晶片10を調製する工程(結晶片の調製工程)を備える。
【0022】
{hkil}面に対して各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.5°以下の複数の結晶片10を調製することにより、各結晶片10の主面10m上に面方位のばらつきが小さな主面を有する結晶を成長させることが可能となる。ここで、各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれは、各結晶片の主面の任意の点におけるX線回折法により測定することができる。
【0023】
また、成長させる結晶の主面における面方位のばらつきをより小さくする観点から、複数の結晶片10は、{hkil}面に対して各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.2°以下であることが好ましい。
【0024】
結晶片の調製工程は、特に制限はないが、たとえば以下のようにして行なわれる。複数の結晶片10が切り出される第1のIII族窒化物結晶1は、特に制限はないが、一般的には、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、昇華法などの気相法またはフラックス法などの液相法を用いて、III族窒化物結晶とは化学組成が異なるサファイア基板、SiC基板、GaAs基板などの異種基板を用いて成長されたもの(たとえば、これらの異種基板上に成長されたもの、または、これらの異種基板上に成長されたIII族窒化物結晶から切り出された基板上に成長されたもの)である場合が多く、主面は通常{0001}面であり、結晶歪みにより主面内における面方位のばらつきが大きい。
【0025】
図1(a)を参照して、上記の第1のIII族窒化物結晶1から複数の結晶片10を切り出す。ここで、複数の結晶片10の主面10mが第1のIII族窒化物結晶1の主面1mから傾斜角θ(0°<θ≦90°)を有するように切り出すことにより、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面{hkil}面に近い面方位を有する主面10mを有する複数の結晶片10が得られる。
【0026】
結晶片10の主面10mと第1のIII族窒化物結晶1の{0001}面である主面1mとの傾斜角θは、特に制限はないが、結晶片10の主面10mの極性を低減する観点から、5°より大きいことが好ましく、40°より大きいことがより好ましい。
【0027】
こうして得られる各結晶片10においても、結晶歪みにより主面10m内における面方位のばらつきが大きい。このため、切り出される各結晶片10は、各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.5°以下となるように調製ができるように十分小さな大きさ(図1に示すように、結晶片が四角形平板の場合は、幅W1×幅W2×厚さT)とする。すなわち、結晶片の大きさは各結晶片が有する結晶歪みの大きさにより異なり、結晶片の結晶歪みが小さいほど結晶片を大きくすることができる。
【0028】
切り出された各結晶片10を、各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.5°以下となるように調製する方法には、特に制限はないが、結晶片の主面の中央部における面方位をX線回折法により測定し、かかる面方位が目的に応じて任意に特定される{hkil}面に対して0.01°未満となるように、結晶片の両側の主面を研削および/または研磨する方法が、調製が容易な観点から、好ましく挙げられる。ここで、結晶片の両側の主面は互いに平行になるように研削および/または研磨することが好ましい。
【0029】
また、結晶片の主面以外の側面は、特に制限はないが、主面に対して垂直に切り出されるとが好ましい。かかる側面を形成することにより各結晶片の側面が互いに接するように複数の結晶片を配置することが容易になる。また、かかる側面は研削および/または研磨されることがより好ましい。
【0030】
(結晶片の配置工程)
また、図1(b)を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、{hkil}面に対して複数の結晶片10の主面10mの全面10aの任意の点における面方位のずれが0.5°以下になるようにかつ各結晶片10の主面10mの少なくとも一部が露出するように複数の結晶片10を配置する工程(結晶片の配置工程)を備える。
【0031】
上記のように複数の結晶片10を配置することにより、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に面方位のばらつきが小さな主面を有する結晶を成長させることが可能となる。ここで、複数の結晶片10の主面10mの全面10aの任意の点における面方位のずれは、複数の結晶片10の主面10mの全面10aの任意の点におけるX線回折法により測定することができる。
【0032】
また、成長させる結晶の主面における面方位のばらつきをより小さくする観点から、{hkil}面に対して各結晶片10の主面10mの任意の点における面方位のずれが0.2°以下である複数の結晶片10を、{hkil}面に対して複数の結晶片の主面の全面の任意の点における面方位のずれが0.2°以下となるように配置することが好ましい。
【0033】
{hkil}面に対して複数の結晶片10の主面10mの全面10aの任意の点における面方位のずれが0.5°以下になるように複数の結晶片10を配置する方法には、特に制限はないが、たとえば複数の結晶片10の主面10mが互いに平行になるように配置する方法が挙げられる。
【0034】
また、複数の結晶片10は、それぞれの結晶片10の[0001]方向が同じ方向になるように配置することが好ましい。かかる配置がされている複数の結晶片10の主面10mは、互いに同じ方向の極性を有しているため、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に面方位のばらつきがより小さな主面を有する結晶を成長させることが可能となる。
【0035】
また、各結晶片10の主面10mの少なくとも一部が露出するように複数の結晶片10を配置する方法には、複数の結晶片10の主面の露出部分上に一体化した結晶を成長させることができる限り、特に制限はなく、図1(b)および(c)に示すように、複数の結晶片10の側面10tが互いに接するように配置することができ、図2に示すように複数の結晶片10の側面10tが互いに離れるように配置することができ、図3に示すように複数の結晶片10が主面10mの一部分で互いに重なるように配置することができる。なお、図2において、複数の結晶片10の主面の露出部分上に一体化した結晶を成長させるために、複数の結晶片10の側面10t間の距離は小さいことが好ましく、たとえば成長させる結晶がGaN結晶の場合は200μm以下であることが好ましい。
【0036】
(第2のIII族窒化物結晶の成長工程)
また、図1(c)を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に、各結晶片10の主面10mの露出部分上に成長する第1の結晶領域20sおよび第1の結晶領域20sが互いに接合する領域である第2の結晶領域20tを含んで一体化するように第2のIII族窒化物結晶20を成長させる工程(第2のIII族窒化物結晶の成長工程)を備える。
【0037】
上記のように第2のIII族窒化物結晶を成長させることにより、大きな主面を有し、その主面内における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物結晶が得られる。
【0038】
図1(c)、図2および図3を参照して、第2のIII族窒化物結晶20の成長工程においては、各結晶片10の主面10mの露出部分上に結晶(第1の結晶領域20s)が成長して、複数の結晶片10の側面10tの上方で複数の第1の結晶領域20sが接合し一体化するように第2のIII族窒化物結晶20を成長させる。第1の結晶領域20sが互いに接合する領域を第2の結晶領域20tと呼ぶ。かかる第2の結晶領域20tは、第1の結晶領域20sが接合している領域であるため、第1の結晶領域20sに比べて、結晶性が低く転位密度が高くなる。このため、カソードルミネッセンス法で転位の発生状態を観察することにより、第1の結晶領域20sと第2の結晶領域と20tとを容易に判別することができる。
【0039】
第2のIII族窒化物結晶を成長させる方法は、複数の第1の結晶領域が1以上の第2の結晶領域で接合して一体化するように結晶成長できるものであれば特に制限はなく、HVPE法、MOCVD法などの気相法、フラックス法などの液相法などが挙げられる。
【0040】
複数の結晶片10の主面10mの面方位は、{hkil}面からのずれが0.5°(好ましくは0.2°)以下であることから、第2のIII族窒化物結晶は、ほぼ<hkil>方向に成長する。
【0041】
(実施形態2)
図1(c)を参照して、本発明にかかるIII族窒化物結晶基板の製造方法の一実施形態は、実施形態1により得られた第2のIII族窒化物結晶20からのIII族窒化物結晶基板20pの製造方法であって、第2のIII族窒化物結晶20に、第2のIII族窒化物結晶20の成長方向に垂直な主面20m,20nを形成する工程(主面形成工程)を備える。かかる製造方法により、大きな主面20m,20nを有し、その主面20m,20n内における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物結晶基板20pが得られる。
【0042】
本実施形態のIII族窒化物結晶基板の製造方法の主面形成工程において、具体的には、第2のIII族窒化物結晶20をその結晶成長方向である<hkil>方向に垂直な面で切り出すこと、または第2のIII族窒化物結晶20の結晶成長後の主面20gを研削および/または研磨して<hkil>方向に垂直な面を形成することにより、第2のIII族窒化物結晶20にその結晶の成長方向に垂直な主面20m,20nを形成する。これにより、結晶の成長方向に垂直な主面20m,20nを有するIII族窒化物結晶基板20pが得られる。
【0043】
なお、第2のIII族窒化物結晶をその結晶成長方向である<hkil>方向に垂直でない所定の面で切り出すこと、または第2のIII族窒化物結晶の結晶成長後の主面を研削および/または研磨して<hkil>方向に垂直でない所定の面を形成することにより、結晶の成長方向に垂直でない所定の主面を有するIII族窒化物結晶基板が得られる。かかるIII族窒化物結晶基板の主面における面方位のばらつきは小さい。
【0044】
(実施形態3)
図4を参照して、本発明にかかる半導体デバイスの製造方法の一実施形態は、実施形態2により得られたIII族窒化物結晶基板20pを含む半導体デバイスの製造方法であって、第1の結晶領域20sと第2の結晶領域20tとを含むIII族窒化物結晶基板20pを準備する工程(III族窒化物結晶基板の準備工程)と、III族窒化物結晶基板20pの第1の結晶領域20s内に半導体デバイスを形成する工程(半導体デバイス形成工程)と、を備える。かかる製造方法により、歩留まりよく特性の高い半導体デバイスが得られる。
【0045】
かかる半導体デバイスとしては、特に制限はないが、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor;高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAW(Surface Acoustic Wave;表面弾性波)デバイス、振動子、共振子、発振器、MEMS(Micro Electro Mechanical System)部品、電圧アクチュエータなどが挙げられる。
【0046】
本実施形態の半導体デバイスの製造方法のIII族窒化物結晶基板の準備工程おいて、実施形態3のIII族窒化物結晶基板20pが準備される。かかるIII族窒化物結晶基板20pは、複数の結晶片10の主面10mの露出部分上に成長した第1の結晶領域20sと複数の第1の結晶領域が接合している領域である第2の結晶領域20tとを含む。
【0047】
また、本実施形態の半導体デバイスの製造方法の半導体デバイス形成工程において、たとえば、以下の半導体デバイスが形成される。図4を参照して、III族窒化物結晶基板20pの一方の主面20m上に半導体層41を形成し、半導体層41上にショットキー電極42を所定のピッチで形成し、III族窒化物結晶基板20pの他方の主面20n上にオーミック電極43を形成して、半導体デバイス40を形成する。ここで、ショットキー電極42は、III族窒化物結晶基板20pの第2の結晶領域20tの直上領域を避けて第1の結晶領域20sの直上領域内に形成されている。このため、III族窒化物結晶基板20pの第1の結晶領域20s内に半導体デバイスが形成されている。
【実施例】
【0048】
1.第1のGaN結晶(第1のIII族窒化物結晶)の準備
HVPE法により直径2インチ(50.8mm)のサファイア基板上に成長させたGaN結晶から切り出して得られた、主面が(0001)面で直径が2インチ(50.8mm)で曲率半径が2mmのGaN下地基板(GaN下地基板A)と、主面が(0001)面で直径が2インチ(50.8mm)で曲率半径が5mmのGaN下地基板(GaN下地基板B)と、を準備した。
【0049】
かかるGaN下地基板AおよびGaN下地基板のそれぞれの主面上に、HVPE法により、厚さ12mmの第1のGaN結晶(第1のIII族窒化物結晶1)を成長させた(図1(a)参照)。ここで、GaN下地基板A上に成長させた第1のGaN結晶をGaN結晶1Aと呼び、GaN下地基板B上に成長させた第1のGaN結晶をGaN結晶1Bと呼ぶ。
【0050】
2.結晶片の調製
図1(a)を参照して、GaN結晶1A(第1のIII族窒化物結晶1)をその(0001)主面1mに対して62°の傾斜角θを有する複数の平面で切り出して、ほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ1mmの複数のGaN結晶片A0を作製した。同様に、GaN結晶1Bをその(0001)主面に対して62°の傾斜角θを有する複数の平面で切り出して、ほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ1mmの複数のGaN結晶片B0を作製した。
【0051】
GaN結晶Aのほぼ中央部から切り出したGaN結晶片A0の主面(幅W1:14mm×幅W2:50mm)内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、X線回折法で測定したところ、<11−20>方向のずれが1.2°、<0001>方向のずれが0.25°であった。また、GaN結晶Bのほぼ中央部から切り出したGaN結晶片B0の主面(10mm×50mm)内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.47°、<0001>方向のずれが0.10°であった。
【0052】
さらに、GaN結晶片A0を11mm角にダイシングして、複数のGa結晶片C0を形成した。GaN結晶片C0の主面の中央点における面方位の(1−101)面に対するずれをX線回折法で測定し、このずれが0.01°未満になるようにGaN結晶片Cの両側の主面を研削および研磨して、さらにGaN結晶片C0の側面を主面に垂直に切り出して、幅W1:10mm×幅W2:10mm×厚さT:0.5mmのGaN結晶片C(結晶片10)を得た。同様にして、GaN結晶片B0から、幅W1:10mm×幅W2:10mm×厚さT:0.5mmのGaN結晶片D(結晶片10)を得た。ここで、GaN結晶片Cの主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、X線回折法で測定したところ、<11−20>方向のずれが0.25°、<0001>方向のずれが0.24°であった。また、GaN結晶片Dの主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.08°、<0001>方向のずれが0.07°であった。
【0053】
また、GaN結晶片A0の側面を主面に垂直に切り出して、幅W1:10mm×幅W2:50mm×厚さT:1.0mmのGaN結晶片A(結晶片10)を得た。同様にして、GaN結晶片B0から、幅W1:10mm×幅W2:50mm×厚さT:1.0mmのGaN結晶片B(結晶片10)を得た。ここで、GaN結晶片Aの主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが1.1°、<0001>方向のずれが0.20°であった。また、GaN結晶片Bの主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.45°、<0001>方向のずれが0.07°であった。
【0054】
3.結晶片の配置
図1(b)を参照して、25枚のGaN結晶片C(結晶片10)を、それらの主面が平行になるようかつそれらの側面が互いに隣接するように、縦方向および横方向にそれぞれ5枚ずつ配置した。このとき、25枚のGaN結晶片Cの主面10mの全面10a内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.25°、<0001>方向のずれが0.24°となる。また、同様にして、25枚のGaN結晶片Dを縦方向および横方向にそれぞれ5枚ずつ配置した。このとき、25枚のGaN結晶片Dの主面10mの全面10a内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.08°、<0001>方向のずれが0.07°となる。
【0055】
なお、5枚のGaN結晶片A(幅W1:10mm×幅W2:50mm×厚さT:1mm)をそれらの主面が平行になるようかつそれらの側面が互いに隣接するように、幅W1方向に5枚配置した。このとき、5枚のGaN結晶片Aの主面10mの全面10a内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが1.1°、<0001>方向のずれが0.20°となる。また、5枚のGaN結晶片B(幅W1:10mm×幅W2:50mm×厚さT:1mm)を配置した。このとき、5枚のGaN結晶片Bの主面10mの全面10a内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.45°、<0001>方向のずれが0.07°となる。
【0056】
4.第2のGaN結晶(第2のIII族窒化物結晶)の成長およびGaN結晶基板の作製
図1(c)を参照して、25枚のGaN結晶片C(結晶片10)の主面10m上に、HVPE法により、第2のGaN結晶(第2のIII族窒化物結晶20)であるGaN結晶2Cを成長させた。このGaN結晶2Cを(1−101)面に平行な平面で切り出して、ほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ12mmのGaN結晶基板C(III族窒化物結晶基板)を作製した。また、同様にして、25枚のGaN結晶片C(結晶片10)の主面10m上に、GaN結晶2Dを成長させて、このGaN結晶2Dからほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ12mmのGaN結晶基板D(III族窒化物結晶基板)を作製した。
【0057】
GaN結晶基板C(III族窒化物結晶基板20p)の主面20m内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.25°、<0001>方向のずれが0.26°であった。また、GaN結晶基板Dの主面20m内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.08°、<0001>方向のずれが0.08°であった。
【0058】
なお、5枚のGaN結晶片Aの主面上に、上記と同様に、HVPE法により、第2のGaN結晶(第2のIII族窒化物結晶20)であるGaN結晶2Aを成長させて、このGaN結晶2Aを(1−101)面に平行な平面で切り出して、ほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ12mmのGaN結晶基板A(III族窒化物結晶基板)を作製した。また、同様にして、5枚のGaN結晶片Bの主面上に、第2のGaN結晶(第2のIII族窒化物結晶20)であるGaN結晶2Bを成長させて、このGaN結晶2Bを(1−101)面に平行な平面で切り出して、ほぼ(1−101)面の主面を有する厚さ12mmのGaN結晶基板B(III族窒化物結晶基板)を作製した。
【0059】
GaN結晶基板A(III族窒化物結晶基板20p)の主面20m内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが1.3°、<0001>方向のずれが1.5°であった。また、GaN結晶基板Bの主面20m内の1mmピッチで配置された各点における面方位の(1−101)面に対するずれは、<11−20>方向のずれが0.5°、<0001>方向のずれが0.6°であった。
【0060】
このように、{hkil}面に対して結晶片の主面の任意の点における面方位のずれが0.5°以下(好ましくは、0.2°以下)である複数の結晶片を調製し、{hkil}面に対して複数の結晶片の主面の全面の任意の点における面方位のずれが0.5°以下(好ましくは、0.2°以下)になるようにかつ結晶片の主面の少なくとも一部が露出するように複数の結晶片を配置して、複数の結晶片の主面の露出部分上に、第2のIII族窒化物結晶を成長させることにより、{hkil}面に対して面方位のばらつきが小さな主面を有するIII族窒化物結晶およびIII族窒化物結晶基板が得られた。
【0061】
ここで、本実施例では、GaN結晶片(結晶片10)の調製において、結晶片の主面のチルト角(<hkil>方向からのずれ角をいう。以下同じ。)を低減する調整を行なったが、結晶片の主面のツイスト角(<hkil>方向の回りずれ角をいう。以下同じ。)を低減する調整は行なっていない。これはチルト角が、その上に形成するIII族窒化物半導体層(III族窒化物結晶層)の特性により多きな影響を与えるためである。もちろん必要に応じてツイスト角を低減する調整を行なえばよい。そのためには、結晶片の側面を切り出す際に、結晶片のツイスト角を低減する調整をすればよい。
【0062】
なお、得られたGaN結晶基板A、B、CおよびDの導電性を測定すると(ナプコン株式会社製EC−80を使用)、主面の全面で0.002Ωcmと高い導電性が確認された。これはHVPE成長雰囲ガスに含まれる酸素が(1−101)面の結晶成長面に高効率で取り込まれたためだと考えている。
【0063】
5.半導体デバイスの作製
図4を参照して、GaN結晶基板C(III族窒化物結晶基板20p)の一方の主面20m上に、MOCVD法により厚さ15μmでキャリア密度が1×1016cm-3のn型GaN層(半導体層41)を成長させた。このn型GaN層(半導体層41)上に、真空蒸着法により、Auからなる直径450μmのショットキー電極42を2mmピッチで形成した。ここで、ショットキー電極42は、GaN結晶基板C(III族窒化物結晶基板20p)の第2の結晶領域20tの直上領域を避けて第1の結晶領域20sの直上領域内に形成した。また、GaN結晶基板C(III族窒化物結晶基板20p)の他方の主面20n上に、Ti/Alからなるオーミック電極43を形成した。こうして半導体デバイスC(半導体デバイス40)を得た。半導体デバイスCのショットキー電極42とオーミック電極43との間に逆電圧を印可して、半導体デバイスの耐圧性能を評価した。
【0064】
耐圧1000V以上を良品とするとき、400チップ中295チップが良品であったことから、製品の歩留まりは74%であった。また、耐圧500V以上を良品とするとき、400チップ中385チップが良品であったことから、製品の歩留まりは96%であった。
【0065】
上記と同様にして、GaN結晶基板Dを用いて半導体デバイスDを作製し、GaN結晶基板Aを用いて半導体デバイスAを作製し、GaN結晶基板Bを用いて半導体デバイスBを作製した。
【0066】
半導体デバイスDについて、耐圧1000V以上を良品とするとき400チップ中385チップが良品であったことから製品の歩留まりは96%であり、耐圧500V以上を良品とするとき400チップ中395チップが良品であったことから製品の歩留まりは99%であった。
【0067】
半導体デバイスAについて、耐圧1000V以上を良品とするとき400チップ中12チップが良品であったことから製品の歩留まりは3%であり、耐圧500V以上を良品とするとき400チップ中52チップが良品であったことから製品の歩留まりは13%であった。
【0068】
半導体デバイスBについて、耐圧1000V以上を良品とするとき400チップ中84チップが良品であったことから製品の歩留まりは21%であり、耐圧500V以上を良品とするとき400チップ中350チップが良品であったことから製品の歩留まりは87%であった。
【0069】
上記のように、半導体デバイス中のIII族窒化物結晶基板の主面における面方位のばらつきが大きくなるほど、半導体デバイスの歩留まりが極端に低下する。これは、III族窒化物結晶基板の主面における面方位のばらつきが大きくなると、その主面上に成長する半導体層の成長面にマクロステップが発生して、結晶成長面のモフォロジーの平坦性が損なわれるためと考えている。
【0070】
上記のように、良品の基準が耐圧500V以上であれば、(1−101)面を主面とするIII族窒化物結晶基板については、(1−101)面に対する主面内の面方位のばらつきが0.5°以下であれば、半導体デバイスの歩留まりが高くなる。また、(11−22)面または(1−100)面を主面とするIII族窒化物基板についても、(11−22)面または(1−100)面に対する主面内の面方位のばらつきは、0.5°以下であればよい。
【0071】
また、良品の基準が耐圧1000V以上であっても、(1−101)面を主面とするIII族窒化物結晶基板については、(1−101)面に対する主面内の面方位のばらつきが0.2°以下であれば、半導体デバイスの歩留まりが高くなる。また、(11−22)面または(1−100)面を主面とするIII族窒化物基板についても、(11−22)面または(1−100)面に対する主面内の面方位のばらつきは、0.2°以下が好ましい。
【0072】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 第1のIII族窒化物結晶、1m,10m,20g,20m,20n 主面、10 結晶片、10a 全面、10t 側面、20 第2のIII族窒化物結晶、20p III族窒化物結晶基板、20s 第1の結晶領域、20t 第2の結晶領域、40 半導体デバイス、41 半導体層、42 ショットキー電極、43 オーミック電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のIII族窒化物結晶から複数の結晶片を切り出して、{0001}面を除いて任意に特定される結晶幾何学的な面である{hkil}面に対して各前記結晶片の主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下である複数の前記結晶片を調製する工程と、
前記{hkil}面に対して複数の前記結晶片の主面の全面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.5°以下になるようにかつ各前記結晶片の主面の少なくとも一部が露出するように複数の前記結晶片を配置する工程と、
複数の前記結晶片の主面の露出部分上に、各前記結晶片の主面の露出部分上に成長する第1の結晶領域および前記第1の結晶領域が互いに接合する領域である第2の結晶領域を含んで一体化するように第2のIII族窒化物結晶を成長させる工程と、を備えるIII族窒化物結晶の製造方法。
【請求項2】
複数の前記結晶片を調製する工程において、前記{hkil}面に対して各前記結晶片の主面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.2°以下であり、
複数の前記結晶片を配置する工程において、前記{hkil}面に対して複数の前記結晶片の主面の全面内に1mmピッチで配置された各点における面方位のずれが0.2°以下である請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
【請求項3】
前記第2のIII族窒化物結晶は、0.002Ωcmの導電性を少なくとも有する請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかの製造方法により得られた前記第2のIII族窒化物結晶からのIII族窒化物結晶基板の製造方法であって、
前記第2のIII族窒化物結晶に、前記第2のIII族窒化物結晶の成長方向に垂直な主面を形成する工程を備えるIII族窒化物結晶基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4の製造方法により得られた前記III族窒化物結晶基板を含む半導体デバイスの製造方法であって、
前記第1の結晶領域と前記第2の結晶領域とを含む前記III族窒化物結晶基板を準備する工程と、
前記III族窒化物結晶基板の前記第1の結晶領域内に半導体デバイスを形成する工程と、を備える半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−82628(P2013−82628A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−24385(P2013−24385)
【出願日】平成25年2月12日(2013.2.12)
【分割の表示】特願2008−139585(P2008−139585)の分割
【原出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】