説明

IL‐15とIL‐15Rαとの複合体及びその使用

本発明は、インターロイキン‐15(「IL‐15」)のシグナル伝達又は機能を調節する薬剤(「治療薬」)、及び免疫機能を調節するための該薬剤の使用に関する。治療薬は、IL‐15と該IL‐15の受容体との相互作用を標的とし、及びIL‐15誘発性シグナル伝達を調節する。治療薬は、IL‐15仲介性免疫機能を調節し得るヒト対象への投与のためのポリ‐β‐1‐◆4‐N‐アセチルグルコサミン等のポリマーとともに製剤される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、そのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれている2007年6月27日に出願された米国仮出願第60/937,471号の利益を要求する。
【0002】
(政府の権利)
本発明は、保健福祉省の一機関である国立衛生研究所による共同の研究及び開発の合意実施で、創作された。米国の政府は、本発明における特定の権利を有する。
【0003】
(1.本発明の分野)
本発明は、癌、感染性疾患、自己免疫疾患、及び移植片拒絶反応を含むが、これらに限定されるわけではない、IL‐15仲介性シグナル伝達を包含する疾患の予防、治療及び/又は管理のためにIL‐15仲介性機能を調節する治療薬に関する。
【背景技術】
【0004】
(2.本発明の背景)
サイトカインであるインターロイキン‐15(IL‐15)は、身体における多くの細胞によって産生されるリンホカインの4α螺旋束ファミリーの一員である。IL‐15は、自然免疫系及び適応免疫系の両者の活性を調節する上での中枢の役割、例えば、病原体を侵すことに対する記憶T細胞応答の維持、アポトーシスの阻害、樹状細胞の活性化、並びにナチュラルキラー(NK)細胞の増殖及び細胞傷害性活性の誘導を担っている。
【0005】
IL‐15受容体は、3つのポリペプチド、すなわちタイプ特異的IL‐15受容体α(「IL‐15Ra」)、IL‐2/IL‐15受容体β(又はCD122)(「β」)、及び複数のサイトカイン受容体によって共有される共通γ鎖(又はCD132)(「γ」)からなる。IL‐15Raは、広範な種類の細胞タイプによって発現されると考えられているが、β及びγと関連する必要はない。IL‐15シグナル伝達は、IL‐15Ra、β、及びγのヘテロ二量体複合体を通じて;β及びγのヘテロ二量体複合体を通じて、又はマスト細胞において見出されるサブユニットIL‐15RXを通じて生じることが示されている。
【0006】
IL‐15は、可溶性タンパク質であるが、内在性IL‐15は、血清又は体液において容易に検出できず、代わりに、該内在性IL‐15は、いくつかの種類のアクセサリー細胞によって発現され又は獲得される膜結合型形態として主に生じる。例えば、IL‐15mRNAは造血性系列及び非造血性系列の両者の細胞において検出されるが、T細胞はIL‐15を産生しない。代わりに、IL‐15は、T細胞における細胞表面複合体を形成するIL‐15Raに結合する。IL‐15は、受容体の細胞外ドメインのエクソン2における「スシドメイン」を介して高い親和性でIL‐15Raに特異的に結合する。エンドソーム貫通再利用及び細胞表面への遊走し戻し後に、これらのIL‐15は、Jak/Stat経路を介するIL‐15仲介性シグナル伝達を誘導するIL‐15Rβγ低親和性受容体複合体を発現する傍観細胞(bystander cell)を活性化する特性を獲得する。受容体の膜貫通ドメインに対して隣接して遠位の細胞外ドメインにおける切断部位で切断されるIL‐15Raの天然の可溶性形態(「sIL‐15Ra」)が観察されている。腫瘍壊死因子α変換酵素(TACE/ADAM17)は、この過程に包含されるプロテアーゼとして含意されている。
【0007】
免疫系におけるその多面的な役割に基づいて、IL‐15仲介性機能を調節するよう設計された多様な治療法が探究されてきた。例えば、外来性IL‐15の投与は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者の免疫機能を増強できる。その免疫増強活性と調和して、内在性IL‐15の高い発現は、自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、及び乾癬を有する患者において観察される。IL‐15Raの可溶性形態(sIL‐15Ra)がIL‐15仲介性シグナル伝達のアンタゴニストであることをいくつかの研究が報告したので、sIL‐15Raは、自己免疫炎症性疾患を治療するために探究されてきた。それにもかかわらず、近年の報告は、IL‐15がsIL‐15Ra又はスシドメインと複合体形成した場合、該IL‐15の免疫増強機能を維持することを示唆している。
【0008】
IL‐15の機能を理解する上でなされる進展の量にもかかわらず、多様な形態のIL‐15Raが単独で又はIL‐15と複合体形成した場合に、治療方法の一部としてのIL‐15の機能を調節するためにどのように使用できるかは不明である。
【発明の概要】
【0009】
(3.発明の要約)
本発明は、インターロイキン‐15(「IL‐15」)のシグナル伝達又は機能を調節する薬剤(「治療薬」)及び免疫機能を調節する該薬剤の使用に関する。該治療薬は、IL‐15とIL‐15の受容体との間の相互作用を標的とし、IL‐15誘発性シグナル伝達を調節する。該治療薬は、ヒト対象へ投与してIL‐15仲介性免疫機能を調節するために、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミン等のポリマーとともに製剤され得る。
【0010】
本発明は、IL‐15シグナル伝達を誘発しかつIL‐15仲介性免疫機能を増強する治療薬(すなわち、アゴニスト性治療薬)を提供する。該アゴニスト性治療薬は、このような治療法を必要とする対象におけるIL‐15仲介性免疫機能を増強するのに有用である。特に、アゴニスト性治療薬は、IL‐15仲介性免疫機能を増強するのに有益な、障害の予防、治療及び/又は管理に有用である。このような障害に関する制限のない例には、癌及び感染性疾患が含まれる。具体的な実施態様において、本発明は、癌又は感染性疾患の治療を必要とする、ヒト対象へ有効量のアゴニスト性治療薬を投与することを含む、ヒト対象における癌又は感染性疾患の治療方法を提供する。
【0011】
アゴニスト性治療薬には、IL‐15受容体のβγサブユニットに結合しかつインターロイキン‐15受容体α(「IL‐15Ra」)に共有結合し又は非共有結合したIL‐15(「IL‐15/IL‐15Ra複合体」)を含む複合体が含まれる。IL‐15/IL‐15Ra複合体は、未変性のIL‐15Ra又はIL‐15Ra誘導体に共有結合し又は非共有結合した未変性のIL‐15又はIL‐15誘導体を含み得る。一実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、IL‐15Ra誘導体を含み、IL‐15Ra誘導体は、未変性のIL‐15Raの可溶性形態である。別の実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体はIL‐15Ra誘導体を含み、IL‐15Ra誘導体は、内在性プロテアーゼによる切断を阻害する変異を含む。具体的な実施態様において、IL‐15Raの細胞外ドメイン切断部位は、異種性のプロテアーゼによって特異的に認識される切断部位と置換される。具体的な実施態様において、内在性加工酵素によって切断されるIL‐15Raの細胞外ドメイン切断部位は、可溶性IL‐15Raの切断及び産生ができない異種性ドメイン(例えば、異種性膜貫通ドメイン)又は合成アミノ酸配列と置換される。ある実施態様において、内在性加工酵素によって切断されるIL‐15Raの細胞外ドメイン切断部位は、可溶性IL‐15Raの切断及び産生を阻害するよう変異する。一実施態様において、IL‐15Raの細胞外ドメイン切断部位は、異種性細胞外ドメイン切断部位(例えば、IL‐15Raを切断する内在性加工酵素と関連していない別の酵素によって認識され及び切断される異種性膜貫通ドメイン)と置換される。
【0012】
IL‐15及びIL‐15Raに加えて、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、異種性分子を含み得る。異種性分子は、IL‐15及び/又はIL‐15Raに抱合され得る。異種性分子は、IL‐15及びIL‐15Raが互いに結合するのを干渉せず又は防止せずかつIL‐15/IL‐15Ra複合体とIL‐15受容体のβγサブユニットの間の相互作用に干渉しない又は防止しない様式で、IL‐15又はIL‐15Raに抱合される。いくつかの実施態様において、異種性分子は、予防し、治療し及び/又は管理するよう企図する、疾患と関連した抗原である。このような抗原に関する制限のない例には、ウイルス抗原、細菌抗原、寄生虫抗原、及び腫瘍抗原が含まれる。他の実施態様において、異種性分子は、予防し、治療し及び/又は管理するよう企図する、疾患と関連した抗原に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、標的としたい細胞によって発現する細胞性抗原(例えば、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施態様において、異種性分子は、タンパク質の安定性を増大させる。ある実施態様において、異種性分子は、免疫グロブリン又はその断片のFcドメインである。他の実施態様において、異種性分子は、免疫グロブリン分子又はその断片のFcドメインではない。
【0013】
IL‐15/IL‐15Ra複合体は、ヒト対象へ投与して、IL‐15仲介性免疫機能を増強するよう製剤され得る。具体的な実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、対象(好ましくは、ヒト対象)への投与のために、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミン等のポリマーとともに製剤され得る。また、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、獣医学的使用のために及び/又はIL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合する抗体を作製するために非ヒト対象へ投与され得る。
【0014】
具体的な実施態様において、本発明は、IL‐15仲介性免疫機能の増強を必要とするヒト対象へ、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミンポリマーとともに製剤された有効量のIL‐15/IL‐15Ra複合体を含む組成物を投与することを含む、ヒト対象におけるIL‐15仲介性免疫機能の増強方法を包含し、この中で、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、ヒトIL‐15Ra又はその誘導体へ共有結合し又は非共有結合したヒトIL‐15又はその誘導体を含む。さらなる実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Raを含む。別の実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Ra誘導体を含む。さらに別の実施態様において、ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐15Ra誘導体は可溶性である。具体的な実施態様において、該方法はさらに、ヒト対象へ1つ以上の他の治療用ポリペプチド(例えば、サイトカイン又は増殖因子)又は治療法を投与することを含む。
【0015】
また、アゴニスト性治療薬には、発現時にIL‐15/IL‐15Ra複合体を生じるIL‐15及びIL‐15Raをコードする核酸、並びにIL‐15及びIL‐15Raをコードする核酸を細胞へ導入することによってIL‐15/IL‐15Ra複合体を組換えで発現するよう操作された細胞が含まれる。該核酸は、遺伝子治療プロトコールの一部として対象(好ましくは、ヒト対象)へ投与され得る。具体的な実施態様において、該核酸は、対象(好ましくは、ヒト対象)への投与のために、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミン等のポリマーとともに製剤される。或いは、該核酸は、インビトロ及び/又はインビボでの使用に適した多量のIL‐15/IL‐15Ra複合体を産生するよう、細胞へ形質移入され得る(具体的な実施態様においては、安定して形質移入され得る。)。一実施態様において、該核酸を発現するよう操作された細胞は、細胞系列である。別の実施態様において、該核酸を発現するよう操作された細胞は、対象(好ましくは、ヒト対象)由来の初代細胞である。具体的な実施態様において、該核酸を発現するよう操作された細胞は、癌細胞又は病原体に感染した細胞である。
【0016】
IL‐15及びIL‐15Raを発現させるよう操作された細胞は、インビトロ及びインビボでの使用に適した多量のIL‐15/IL‐15Ra複合体を産生するよう使用され得る。また、IL‐15及びIL‐15Raを発現するよう操作された細胞は、遺伝子治療プロトコールの一部として対象(好ましくは、ヒト対象)へ投与され得る。具体的な実施態様において、IL‐15及びIL‐15Raを発現するよう操作された、照射された癌細胞が、癌患者へ投与される。具体的な実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体を発現するよう操作された細胞は、IL‐15仲介性免疫機能を増強するようヒト対象へ投与するために製剤される。別の実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体を発現するよう操作された細胞は、対象(好ましくは、ヒト対象)への投与のために、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミン等のポリマーとともに製剤される。また、本発明は、本明細書に記載されている方法によって作製されるヒトIL‐15及びヒトIL‐15Raを組換えで発現する照射された癌細胞、並びに本明細書に記載されている照射された癌細胞を含む医薬組成物に関する。具体的な実施態様において、医薬組成物は、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミンポリマーとともに製剤された照射された癌細胞を含む。
【0017】
本発明の一態様は、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Raを組換えで発現する照射された癌細胞を製造する方法に関し、該方法は、(i)癌と診断された対象から癌細胞を単離する工程;(ii)組換えヒトIL‐15又はその誘導体及びヒトIL‐15Ra又はその誘導体をコードする核酸コンストラクトを導入する工程;及び(iii)該癌細胞を照射する工程を含む。具体的な実施態様において、ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐15Ra誘導体は可溶性である。
【0018】
具体的な実施態様において、本発明は、哺乳動物IL‐15又はその誘導体及び哺乳動物IL‐15Ra又はその誘導体を組換えで発現する細胞を提供し、この中で、該細胞は、少なくとも0.6pgの哺乳動物IL‐15又はその誘導体を発現する。具体的な実施態様において、少なくとも0.6pgの哺乳動物IL‐15又はその誘導体を発現する細胞は、無血清培地において増殖する。
【0019】
本発明は、ヒト対象における癌を治療する方法に関し、癌の治療を必要とするヒト対象へ、(i)ヒトIL‐15又はその誘導体、及び(ii)ヒトIL‐15Ra又はその誘導体を組換えで同時発現するよう操作された、照射された癌細胞を含む組成物を投与することを含む。具体的な実施態様において、癌細胞は、対象から癌細胞を単離することによって得られる。さらなる実施態様において、照射された癌細胞は、(照射前に)癌細胞を操作してヒトIL‐15又はその誘導体及びヒトIL‐15Ra又はその誘導体を組換えで同時発現させることによって得られる。別の実施態様において、照射された癌細胞は、(照射の前に)癌細胞を操作してヒトIL‐15及びヒトIL‐15Ra誘導体を組換えで同時発現させることによって得られる。さらに別の実施態様において、ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐15Ra誘導体は可溶性である。ある実施態様において、照射された癌細胞はさらに、1つ以上の他の治療用ポリペプチド(例えば、サイトカイン又は増殖因子)を組換えで発現する。
【0020】
また、本発明は、IL‐15シグナル伝達を低下させ又は阻害し、かつIL‐15仲介性免疫機能を抑制する治療薬(すなわち、アンタゴニスト性治療薬)を提供する。アンタゴニスト性治療薬には、IL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合して、内在性IL‐15/IL‐15Ra複合体がIL‐15受容体のβγサブユニットに結合するのを防止する抗体、及びこのような抗体を発現するよう操作された細胞が含まれる。アンタゴニスト性治療薬は、このような治療を必要とする対象におけるIL‐15仲介性免疫機能を抑制するのに有用である。特に、アンタゴニスト性治療薬は、IL‐15仲介性免疫機能を抑制するのに有益な、障害の予防、治療及び/又は管理に有用である。このような障害に関する制限のない例には、自己免疫障害、移植片対宿主病、移植片拒絶反応、及び免疫障害が含まれる。具体的な実施態様において、本発明は、自己免疫障害又は炎症性障害の治療を必要とするヒト対象へ、内在性IL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合する有効量の抗体を投与することを含む、ヒト対象における自己免疫障害又は炎症性障害の治療方法を提供する。さらなる実施態様において、該抗体は、内在性IL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合し、かつ互いに複合体形成しないときにIL‐15単独に対して又はIL‐15Ra単独に対して特異的に結合しない。具体的な実施態様において、本発明は、自己免疫障害又は炎症性障害の治療を必要とするヒト対象へ、IL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合しかつ細胞培養物において又はインビトロで決定されるようにβ‐γ受容体複合体に対するIL‐15/IL‐15Ra複合体の結合を低下させる有効量の抗体を投与することを含む、ヒト対象における自己免疫障害又は炎症性障害の治療方法に関する。該方法のさらなる実施態様において、抗体は、モノクローナルヒト化抗体である。
【0021】
(3.1.用語)
本明細書で使用されるように、「約」及び「ほぼ」という用語は、修飾数値又は数値の範囲に対して使用されるとき、値又は範囲からの妥当な偏差、典型的には値又は範囲の5%又は10%超及び5%又は10%未満が、列挙される値又は範囲の企図される意味内にとどまることを示す。
【0022】
本明細書で使用されるように、「抗体(antibody)」及び「抗体(antibodies)」という用語は、抗原結合部位を含有する分子、例えば免疫グロブリンを指す。該抗体には、モノクローナル抗体、多選択性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、ポリクローナル抗体、単一ドメイン抗体、ラクダ化(camelized)抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab')断片、ジスルフィド結合型二重特異性Fv(sdFv)、細胞内抗体、及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗Id抗体及び抗体に対する抗抗Id抗体)、並びに上述のいずれかのエピトープ結合断片が含まれるが、これらに限定されるわけではない。特に、該抗体には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性のある断片が含まれる。該免疫グロブリン分子は、いずれかのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスに属することができる。
【0023】
本明細書で使用されるように、「疾患」及び「障害」という用語は、容態、特に病理学的容態、及びより具体的には、IL‐15シグナル伝達によって影響される疾患を指すために互換可能に使用される。
【0024】
本明細書で使用されるように、「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」という用語、及び抗体の脈絡における類似の用語は、抗原(例えば、エピトープ又は免疫複合体)に特異的に結合しかつ別の分子に特異的に結合しない分子を指す。抗原に特異的に結合する分子は、例えば、イムノアッセイ、ビアコア、又は当技術分野で公知の他のアッセイによって決定されるように、親和性のより低い他のペプチド又はポリペプチドに結合し得る。好ましくは、抗原を特異的に結合する分子は、他のタンパク質と交差反応しない。抗原を特異的に結合する分子は、例えばイムノアッセイ、ビアコア、又は当業者に公知の他の技術によって同定できる。
【0025】
本明細書で使用されるように、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」という用語並びに受容体(例えば、未変性IL‐15Ra)とリガンド(例えば、未変性IL‐15)の相互作用の脈絡における類似の用語は、リガンドと受容体との特異的な結合又は会合を指す。好ましくは、リガンドは、他の分子に対するよりも受容体に対する高い親和性を有する。具体的な実施態様において、リガンドは未変性のIL‐15であり、未変性の受容体はIL‐15Raである。別の具体的な実施態様において、リガンドは、未変性のIL‐15/IL‐15Ra複合体であり、未変性の受容体はβγ受容体複合体である。さらなる実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、βγ受容体複合体に結合し、IL‐15仲介性シグナル伝達を活性化する。受容体を特異的に結合するリガンドは、例えばイムノアッセイ、ビアコア、又は当業者に公知の他の技術によって同定できる。
【0026】
本明細書で使用されるように、タンパク質又はポリペプチドの脈絡における「未変性のIL‐15」及び「未変性のインターロイキン‐15」という用語は、未成熟の又は前駆体の及び成熟の形態を含む天然の哺乳動物インターロイキン‐15アミノ酸配列を指す。多様な種の未変性哺乳動物インターロイキン‐15のアミノ酸配列についてのGeneBank受託番号に関する制限のない例には、NP_000576(ヒト、未成熟形態)、CAA62616(ヒト、未成熟形態)、NP_001009207(イエネコ、未成熟形態)、AAB94536(クマネズミ属、未成熟形態)、AAB41697(クマネズミ属、未成熟形態)、NP_032383(マウス、未成熟形態)、AAR19080(イヌ)、AAB60398(アカゲザル、未成熟形態)、AAI00964(ヒト、未成熟形態)、AAH23698(マウス、未成熟形態)、及びAAH18149(ヒト)が含まれる。長いシグナルペプチド(下線部)及び成熟ヒト未変性IL‐15(斜字体)を含む未変性ヒトIL‐15の未成熟/前駆体形態のアミノ酸配列が提供される:
【化1】

いくつかの実施態様において、未変性のIL‐15は、天然の哺乳動物IL‐15の未成熟の又は前駆体の形態である。他の実施態様において、未変性のIL‐15は、天然の哺乳動物IL‐15の成熟形態である。具体的な実施態様において、未変性のIL‐15は、天然のヒトIL‐15の前駆体形態である。別の実施態様において、未変性のIL‐15は、天然のヒトIL‐15の成熟形態である。一実施態様において、未変性のIL‐15タンパク質/ポリペプチドは、単離され又は精製されている。
【0027】
本明細書で使用されるように、核酸の脈絡における「未変性のIL‐15」及び「未変性の「インターロイキン‐15」という用語は、未成熟の又は前駆体の及び成熟の形態を含む哺乳動物インターロイキン‐15をコードする天然の核酸配列を指す。多様な種の未変性哺乳動物IL‐15のヌクレオチド配列についてのGeneBank受託番号に関する制限のない例には、NM_000585(ヒト)、NM_008357(マウス)、及びRNU69272(ラット)が含まれる。長いシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)及び成熟ヒト未変性IL‐15をコードするヌクレオチド配列(斜字体)を含む未変性ヒトIL‐15の未成熟/前駆体形態をコードするヌクレオチド配列が提供される:
【化2】

具体的な実施態様において、核酸は、単離され又は精製された核酸である。いくつかの実施態様において、核酸は、未成熟の又は前駆体の形態の天然の哺乳動物IL‐15をコードする。他の実施態様において、核酸は、成熟形態の天然の哺乳動物IL‐15をコードする。具体的な実施態様において、未変性のIL‐15をコードする核酸は、前駆体形態の天然のヒトIL‐15をコードする。別の実施態様において、未変性のIL‐15をコードする核酸は、成熟型の天然のヒトIL‐15をコードする。
【0028】
本明細書で使用されるように、タンパク質又はポリペプチドの脈絡における「IL‐15誘導体」及び「インターロイキン‐15誘導体」という用語は、下記を指す:(a)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドと少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であるポリペプチド;(b)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一である核酸配列によってコードされるポリペプチド;(c)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドに対して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれより多くのアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失及び/又は置換)を含有するポリペプチド;(d)核酸によってコードされるポリペプチドは、高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする核酸とハイブリッド形成できる;(e)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、少なくとも20個の連続したアミノ酸、少なくとも30個の連続したアミノ酸、少なくとも40個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸、又は少なくとも150個の連続したアミノ酸の未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする核酸配列とハイブリッド形成できる核酸配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの断片。また、IL‐15誘導体には、哺乳動物IL‐15ポリペプチドの天然の成熟形態のアミノ酸配列と異種性のシグナルペプチドアミノ酸配列とを含むポリペプチドが含まれる。具体的な実施態様において、IL‐15誘導体は、未変性のヒトIL‐15ポリペプチドの誘導体である。別の実施態様において、IL‐15誘導体は、天然のヒトIL‐15ポリペプチドの未成熟の又は前駆体の形態の誘導体である。別の実施態様において、IL‐15誘導体は、天然のヒトIL‐15ポリペプチドの成熟形態の誘導体である。一実施態様において、IL‐15誘導体は単離され又は精製されている。
【0029】
好ましい実施態様において、IL‐15誘導体は、当技術分野で周知のアッセイ、例えばELISA、ビアコア、免疫共沈降によって測定されるように、IL‐15Raポリペプチドを結合する未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有する。別の好ましい実施態様において、IL‐15誘導体は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば電気移動度(electromobility)シフトアッセイ、ELISA及び他のイムノアッセイによって測定されるように、IL‐15仲介性シグナル伝達を誘導する未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有する。
【0030】
%同一性は、当業者に公知の方法を使用して決定できる。具体的な実施態様において、%同一性は、Sequence Analysis Software Package(バージョン10;Genetics Computer Group社, University of Wisconsin Biotechnology Center, Madison, Wisconsin)の「Best Fit」又は「Gap」プログラムを使用して決定される。ハイブリッド形成条件(例えば、高い、中程度の、及び典型的なストリンジェンシー条件)に関する情報は記載されており、例えば、米国特許出願公報第US2005/0048549号(例えば、第72〜73段落)を参照されたい。
【0031】
本明細書で使用されるように、核酸の脈絡における「IL‐15誘導体」及び「インターロイキン‐15誘導体」という用語は、下記を指す:(a)哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一である核酸配列;(b)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列であるポリペプチドをコードする核酸配列;(c)哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれより多くの核酸塩基変異(すなわち、付加、欠失及び/又は置換)を含有する核酸配列;(d)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列とハイブリッド形成する核酸配列;(e)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列の断片とハイブリッド形成する核酸配列;及び(f)哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列の断片をコードする核酸配列。具体的な実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15誘導体は、ヒトIL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。別の実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15誘導体は、未成熟の又は前駆体の形態のヒトIL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。別の実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15誘導体は、成熟形態のヒトIL‐15ポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。
【0032】
IL‐15誘導体核酸配列には、成熟の及び未成熟の形態のIL‐15ポリペプチドを含む未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドをコードする、コドンの最適化された核酸配列が含まれる。他の実施態様において、IL‐15誘導体核酸には、アミノ酸配列に影響を及ぼさずに哺乳動物IL‐15RNA転写産物の安定性を高めるために、潜在的なスプライシング部位及び不安定性要素(例えば、A/T又はA/Uの豊富な要素)を排除する変異を含有する哺乳動物IL‐15RNA転写産物をコードする核酸が含まれる。
【0033】
好ましい実施態様において、IL‐15誘導体核酸配列は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば、ELISA、ビアコア、免疫共沈降によって測定されるように、IL‐15Raを結合する未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有するタンパク質又はポリペプチドをコードする。別の好ましい実施態様において、IL‐15誘導体核酸配列は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば電気移動度シフトアッセイ、ELISA及び他のイムノアッセイによって測定されるように、IL‐15仲介性シグナル伝達を誘導する未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有するタンパク質又はポリペプチドをコードする。
【0034】
本明細書で使用されるように、「IL‐15」及び「インターロイキン‐15」という用語は、未変性のIL‐15、IL‐15誘導体、又は未変性のIL‐15及びIL‐15誘導体を指す。
【0035】
本明細書で使用されるように、タンパク質又はポリペプチドの脈絡における「未変性のIL‐15Ra」及び「未変性のインターロイキン‐15受容体α」という用語は、未成熟の又は前駆体の及び成熟の形態並びに天然のアイソフォームを含む天然の哺乳動物インターロイキン‐15受容体α(「IL‐15Ra」)アミノ酸配列を指す。多様な未変性の哺乳動物IL‐15Raのアミノ酸配列についてのGeneBank受託番号に関する制限のない例には、NP_002180(ヒト)、ABK41438(アカゲザル)、NP_032384(マウス)、Q60819(マウス)、CAI41082(ヒト)が含まれる。シグナルペプチド(下線部)及び成熟のヒト未変性IL‐15Ra(斜字体)を含む未変性の全長のヒトIL‐15Raの未成熟の形態のアミノ酸配列が提供される。
【化3】

シグナルペプチド(下線部)及び成熟ヒト未変性IL‐15Ra(斜字体)を含む未変性の可溶性ヒトIL‐15Raの未成熟形態のアミノ酸配列が提供される:
【化4】

いくつかの実施態様において、未変性のIL‐15Raは、未成熟形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドである。他の実施態様において、未変性のIL‐15Raは、成熟形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドである。ある実施態様において、未変性のIL‐15Raは、可溶性形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドである。他の実施態様において、未変性のIL‐15Raは、全長の形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドである。具体的な実施態様において、未変性のIL‐15Raは、未成熟の形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドである。別の実施態様において、未変性のIL‐15Raは、成熟形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドである。ある実施態様において、未変性のIL‐15Raは、可溶性形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドである。他の実施態様において、未変性のIL‐15Raは、全長の形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドである。一実施態様において、未変性のIL‐15Raタンパク質又はポリペプチドは単離され又は精製されている。
【0036】
本明細書で使用されるように、核酸の脈絡における「未変性のIL‐15Ra」及び「未変性のインターロイキン‐15受容体α」という用語は、未成熟の又は前駆体の及び成熟の形態を含む哺乳動物インターロイキン‐15受容体αをコードする天然の核酸配列を指す。多様な種の未変性の哺乳動物IL‐15Raのヌクレオチド配列についてのGeneBank受託番号に関する制限のない例には、NM_002189(ヒト)、EF033114(アカゲザル)、及びNM_008358(マウス)が含まれる。シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)及び成熟ヒト未変性IL‐15Raをコードするヌクレオチド配列(斜字体)を含む未成熟形態の未変性のヒトIL‐15Raをコードするヌクレオチド配列が提供される。
【化5】

シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)及び成熟のヒト可溶性未変性IL‐15Raをコードするヌクレオチド配列(斜字体)を含む未成熟形態の未変性の可溶性ヒトIL‐15Raタンパク質又はポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が提供される。
【化6】

具体的な実施態様において、核酸は、単離され又は精製された核酸である。いくつかの実施態様において、天然の核酸は、未成熟形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。他の実施態様において、天然の核酸は、成熟形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。ある実施態様において、天然の核酸は、可溶性形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。他の実施態様において、天然の核酸は、全長形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。ある実施態様において、天然の核酸は、可溶性形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。他の実施態様において、天然の核酸は、全長形態の天然の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする。具体的な実施態様において、天然の核酸は、前駆体形態の天然のヒトIL‐15ポリペプチドをコードする。別の実施態様において、天然の核酸は、成熟型の天然のヒトIL‐15ポリペプチドをコードする。ある実施態様において、天然の核酸は、可溶性形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドをコードする。他の実施態様において、天然の核酸は、全長形態の天然のヒトIL‐15Raポリペプチドをコードする。
【0037】
本明細書で使用されるように、タンパク質又はポリペプチドの脈絡における「IL‐15Ra誘導体」及び「インターロイキン‐15受容体α誘導体」という用語は下記を指す:(a)未変性の哺乳動物IL‐15ポリペプチドと少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であるポリペプチド;(b)未変性の哺乳動物IL‐15Raポリぺプチドをコードする少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一の核酸配列核酸配列によってコードされるポリペプチド;(c)未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドと比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれより多くのアミノ酸変異(すなわち、付加、欠失及び/又は置換)を含有するポリペプチド;(d)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする核酸配列とハイブリッド形成できる核酸配列によってコードされるポリペプチド;(e)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、少なくとも20個の連続したアミノ酸、少なくとも30個の連続したアミノ酸、少なくとも40個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸、又は少なくとも150個の連続したアミノ酸の未変性哺乳動物IL‐15ポリペプチドの断片をコードする核酸配列とハイブリッド形成できる核酸配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドの断片。また、IL‐15Ra誘導体には、天然の成熟形態の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドのアミノ酸配列と異種性のシグナルペプチドアミノ酸配列とを含むポリペプチドが含まれる。具体的な実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、未変性のヒトIL‐15Raポリペプチドの誘導体である。別の実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、未成熟形態の天然のヒトIL‐15ポリペプチドの誘導体である。別の実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、成熟形態の天然のヒトIL‐15ポリペプチドの誘導体である。一実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、可溶性形態の未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドである。具体的な実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、精製され又は単離されている。
【0038】
好ましい実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば、ELISA、ビアコア、免疫共沈降によって測定されるように、IL‐15ポリペプチドを結合する未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有する。別の好ましい実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば電気移動度シフトアッセイ、ELISA及び他のイムノアッセイによって測定されるように、IL-15仲介性シグナル伝達を誘導する未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有する。
【0039】
本明細書で使用されるように、核酸の脈絡における「IL‐15Ra誘導体」及び「インターロイキン‐15受容体α誘導体」という用語は下記を指す:(a)哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一である核酸配列;(b)未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドの少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列であるポリペプチドをコードする核酸配列;(c)哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれより多くの核酸の変異(すなわち、付加、欠失及び/又は置換)を含有する核酸配列;(d)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列とハイブリッド形成する核酸配列;(e)高い、中程度の又は典型的なストリンジェンシーのハイブリッド形成条件下で、哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列の断片とハイブリッド形成する核酸配列;及び(f)哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列の断片をコードする核酸配列。具体的な実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15Ra誘導体は、ヒトIL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。別の実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15Ra誘導体は、未成熟形態のヒトIL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。別の実施態様において、核酸の脈絡におけるIL‐15Ra誘導体は、成熟形態のヒトIL‐15Raポリペプチドをコードする天然の核酸配列の誘導体である。一実施態様において、IL‐15Ra誘導体は、可溶性である哺乳動物IL‐15Raポリペプチドをコードする核酸配列を指す。
【0040】
IL‐15Ra誘導体核酸配列には、成熟の及び未成熟の形態のIL‐15Raポリペプチドを含む未変性のIL‐15Raポリペプチドをコードする、コドンの最適化された核酸配列が含まれる。他の実施態様において、IL‐15Ra誘導体核酸には、アミノ酸配列に影響を及ぼさずにIL‐15Ra RNA転写産物の安定性を高めるために、潜在的なスプライシング部位及び不安定性要素(例えば、A/T又はA/Uの豊富な要素)を排除する変異を含有するIL‐15RaRNA転写産物をコードする核酸が含まれる。
【0041】
好ましい実施態様において、IL‐15Ra誘導体核酸配列は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば、ELISA、ビアコア、免疫共沈降によって測定されるように、IL‐15を結合する未変性の哺乳動物IL‐15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有するタンパク質又はポリペプチドをコードする。別の好ましい実施態様において、IL‐15Ra誘導体核酸は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば、電気移動度シフトアッセイ、ELISA及び他のイムノアッセイによって測定されるように、IL‐15仲介性シグナル伝達を誘導する未変性の哺乳動物IL‐15Raの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を保有するタンパク質又はポリペプチドをコードする。
【0042】
本明細書で使用されるように、「IL‐15Ra」及び「インターロイキン‐15受容体α」という用語は、未変性のIL‐15Ra、IL‐15Ra誘導体、又は未変性のIL‐15Ra及びIL‐15Ra誘導体を指す。
【0043】
本明細書で使用されるように、「IL‐15/IL‐15Ra複合体」という用語は、互いに共有結合し又は非共有結合したIL‐15とIL‐15Raとを含む複合体を指す。好ましい実施態様において、IL‐15Raは、IL‐15について比較的高い親和性を有し、例えば、当技術分野において公知の技術、例えばKinEx Aアッセイ、プラズマ表面共鳴(例えば、ビアコアアッセイ)によって測定されるように10〜50pMのKdを有する。別の好ましい実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、当技術分野で周知のアッセイ、例えば電気移動度シフトアッセイ、ELISA及び他のイムノアッセイによって測定されるように、IL‐15仲介性シグナル伝達を誘導する。いくつかの実施態様において、IL‐15/IL‐15Ra複合体は、βγ鎖に特異的に結合する能力を保有する。
【0044】
本明細書で使用されるように、「対象」及び「患者」という用語は、互換可能に使用され、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット等)及び霊長類(例えば、サル及びヒト)等の哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0045】
本明細書で使用されるように、化学的に合成された化合物又は薬剤(例えば、抗体等のタンパク質性薬剤を含む。)の脈絡における「精製された」及び「単離された」という用語は、化学的に合成される場合、化学的前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない化合物又は薬剤を指す。具体的な実施態様において、該化合物又は薬剤は、他の異なる化合物又は薬剤を(乾燥重量による)60%、65%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%含まない。
【0046】
本明細書で使用されるように、天然源、例えば細胞から得られることのできる化合物又は薬剤(抗体及びポリペプチド等のタンパク質性薬剤を含む。)の脈絡で使用される場合、「精製された」及び「単離された」という用語は、天然源、例えば環境由来の土壌粒子、鉱物、化学物質、及び/又はこれらに限定されるわけではないが、細胞に存在する細胞片、細胞壁材料、膜、細胞小器官、核酸のバルク、炭水化物、タンパク質、及び/又は脂質等の天然源由来の細胞性材料からの混入材料を実質的に含まない化合物又は薬剤を指す。「天然源材料を実質的に含まない」という句は、調製物の単離される材料(例えば、細胞の細胞性構成要素)から分離された化合物又は薬剤の該調製物を指す。このように、単離された化合物又は薬剤には、(乾燥重量による)約30%、20%、10%、5%、2%又は1%未満の細胞性材料及び/又は混入材料を有する化合物又は薬剤の調製物が含まれる。
【0047】
「単離された」核酸配列またはヌクレオチド配列は、核酸配列又はヌクレオチド配列の天然源に存在する他の核酸分子から分離されたものである。さらに、cDNA分子等の「単離された」核酸配列又はヌクレオチド配列は、組換え技術によって作製される場合、他の細胞性材料又は細胞培地を実質的に含まないことができ、又は化学的に合成される場合、化学的前駆体を実質的に含まないことができる。ある実施態様において、「単離された」核酸配列又はヌクレオチド配列は、異種性の細胞において組換えで発現する核酸配列又はヌクレオチド配列である。
【0048】
いくつかの実施態様において、「核酸」、「ヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリボ核酸、リボヌクレオチド、及びリボ核酸、並びにそれらのポリマー形態を指し、一本鎖又は二本鎖のいずれかの形態を含む。ある実施態様において、このような用語には、天然のヌクレオチドの公知の類似体、例えば、基準核酸と同様の結合特性を有するペプチド核酸(「PNA」)が含まれる。いくつかの実施態様において、このような用語は、デオキシリボ核酸(例えば、cDNA又はDNA)を指す。他の実施態様において、このような用語は、リボ核酸(例えば、mRNA又はRNA)を指す。
【0049】
本明細書で使用されるように、「治療法(therapies)」及び「治療法(therapy)」という用語は、疾患、例えば、癌、感染性疾患、自己免疫疾患、移植片対宿主病、及び移植片拒絶反応、又はそれらと関連した症状の予防、治療、管理、又は寛解において使用できるプロトコール、方法、組成物、処方、及び/又は薬剤を指すことができる。ある実施態様において、「治療法(therapies)」及び「治療法(therapy)」は、当業者に公知の疾患又はそれと関連した症状の治療、管理、予防、又は寛解において有用な生物学的治療法、支持療法、及び/又は他の治療法を指す。一実施態様において、治療法にはアゴニスト性治療薬が含まれる。一実施態様において、治療法にはアンタゴニスト性治療薬が含まれる。一実施態様において、治療法はアゴニスト性治療薬ではない。一実施態様において、治療法はアンタゴニスト性治療薬ではない。
【0050】
本明細書で使用されるように、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸の鎖を指すよう互換可能である。いくつかの実施態様において、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸を含む巨大分子を指す。
【0051】
本明細書で使用されるように、ヌクレオチド配列の脈絡における「断片」という用語は、関心対象の、例えばIL‐15、IL‐15Raの遺伝子のヌクレオチド配列の少なくとも5個の連続した核酸塩基、少なくとも10個の連続した核酸塩基、少なくとも15個の連続した核酸塩基、少なくとも20個の連続した核酸塩基、少なくとも25個の連続した核酸塩基、少なくとも40個の連続した核酸塩基、少なくとも50個の連続した核酸塩基、少なくとも60個の連続した核酸塩基、少なくとも70個の連続した核酸塩基、少なくとも80個の連続した核酸塩基、少なくとも90個の連続した核酸塩基、少なくとも100個の連続した核酸塩基、少なくとも125個の連続した核酸塩基、少なくとも150個の連続した核酸塩基、少なくとも175個の連続した核酸塩基、少なくとも200個の連続した核酸塩基、又は少なくとも250個の連続した核酸塩基を含むヌクレオチド配列を指す。核酸は、RNA、DNA、又は化学的に修飾されたそのバリアントであり得る。具体的な実施態様において、断片は、IL‐15又はIL‐15Raの断片である。
【0052】
本明細書で使用されるように、「断片」という用語は、タンパク質性薬剤(例えば、タンパク質又はポリペプチド)の断片の脈絡であり、タンパク質性薬剤、例えばIL‐15及びIL‐15Raポリペプチドの8個以上の連続したアミノ酸、10個以上の連続したアミノ酸、15個以上の連続したアミノ酸、20個以上の連続したアミノ酸、25個以上の連続したアミノ酸、50個以上の連続したアミノ酸、75個以上の連続したアミノ酸、100個以上の連続したアミノ酸、150個以上の連続したアミノ酸、200個以上の連続したアミノ酸、10〜150個の連続したアミノ酸、10〜200個の連続したアミノ酸、10〜250個の連続したアミノ酸、10〜300個の連続したアミノ酸、50〜100個の連続したアミノ酸、50〜150個の連続したアミノ酸、50〜200個の連続したアミノ酸、50〜250個の連続したアミノ酸、又は50〜300個の連続したアミノ酸から構成される断片を指す。
【0053】
本明細書で使用されるように、「組み合わせで」という用語は、2つ以上の治療法(例えば、1つ以上の予防薬及び/又は治療薬)の使用を指す。「組み合わせで」という用語の使用は、治療法が、疾患又は障害を有する対象へ投与される桁数を制限しない。第一の治療法(例えば、予防薬又は治療薬)は、疾患若しくは障害又はそれらの症状を有する対象への第二の治療法(例えば、予防薬又は治療薬)の投与の前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、又は12週間前)に、同時に、又は後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、又は12週間後)に投与できる。
【0054】
本明細書で使用されるように、「ヒト早熟児」という用語は、37週未満の在胎期間で生まれたヒト乳児を指す。
【0055】
本明細書で使用されるように、「ヒト乳児」という用語は、新生児から1歳までの歳のヒトを指す。
【0056】
本明細書で使用されるように、「ヒト子供」という用語は、1歳から18歳までであるヒトを指す。
【0057】
本明細書で使用されるように、「ヒト成人」という用語は、18歳以上であるヒトを指す。
【0058】
本明細書で使用されるように、「高齢のヒト」は、65歳以上のヒトを指す。
【0059】
本明細書で使用されるように、対象への治療法の投与の脈絡における「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、これらに限定されるわけではないが、疾患又は障害の進行、速度及び/又は期間の低下又は阻害、疾患又は障害の1つ以上の症状の寛解、及び/又は1つ以上の治療法の投与から結果として生じる疾患又は障害の1つ以上の症状の期間の低下等の治療法から対象が得る有益な効果を指す。具体的な実施態様において、癌の脈絡におけるこれらの用語には、対象への治療法の投与後の1つ、2つ、又は3つ又はそれより多くの結果が含まれるが、これらに限定されるわけではない:(1)腫瘍又は新生物の発達の低下;(2)腫瘍の形成の低下;(3)原発癌、局所癌、及び/又は転移性癌の根絶、除去、又は制御;(4)転移拡延の低下;(5)死亡率の低下;(6)生存率の増大;(7)生存の長さの増大;(8)軽快中の患者数の増大;(9)入院率の低下;(10)入院の長さの低下;(11)10%超、又は8%超、又は6%超、又は4%超増大しないような腫瘍の大きさの維持;好ましくは腫瘍の大きさは2%超増加しない。
【0060】
本明細書で使用されるように、対象への治療法の投与の脈絡における「予防する」、「予防すること」及び「予防」という用語は、対象における疾患又は障害の発症又は再発の阻害を指す。
【0061】
本明細書で使用されるように、対象への治療法の投与の脈絡における「管理する」、「管理すること」及び「管理」という用語は、疾患又は障害の治癒を結果として生じない治療法から対象が得る有益な効果を指す。ある実施態様において、対象は、疾患又は障害と関連した症状の進行又は悪化を予防するよう、疾患又は障害を「管理する」ために1つ以上の治療法を投与される。
【図面の簡単な説明】
【0062】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の治療を必要とするヒト対象へ、(i)ヒトIL‐15又はその誘導体、及び(ii)ヒトIL‐15受容体α(「IL‐15Ra」)又はその誘導体を組換えで同時発現するよう操作された、照射された癌細胞を含む組成物を投与することを含む、ヒト対象における癌を治療する方法。
【請求項2】
前記照射された癌細胞を、前記対象から得られた癌細胞を使用して生成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記照射された癌細胞が、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Ra又はそれらの誘導体を組換えで発現する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記照射された癌細胞が、ヒトIL‐15誘導体及びヒトIL‐15Raを組換えで発現する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
前記照射された癌細胞が、ヒトIL‐15誘導体及びヒトIL‐15Ra誘導体を組換えで発現する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項6】
前記ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐15Ra誘導体が可溶性である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記照射された癌細胞が、1つ以上の他の治療用ポリペプチドをさらに組換えで発現する、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
自己免疫障害又は炎症性障害の治療を必要とするヒト対象へ、IL‐15/IL‐15Ra複合体に特異的に結合し、かつ細胞培養物又はインビトロにおいて決定されるようにβ‐γ受容体複合体に対するIL‐15/IL‐15Ra複合体の結合を低下させる有効量の抗体を投与することを含む、ヒト対象における自己免疫障害又は炎症性障害の治療方法。
【請求項9】
前記抗体が、モノクローナルヒト化抗体である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
IL‐15仲介性免疫機能の増強を必要とするヒト対象へ、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミンポリマーとともに製剤された有効量のIL‐15/IL‐15Ra複合体を含む組成物を投与することを含み、ここで、該IL‐15/IL‐15Ra複合体が、ヒトIL‐15Ra又はその誘導体に共有結合し又は非共有結合したヒトIL‐15又はその誘導体を含む、ヒト対象におけるIL‐15仲介性免疫機能の増強方法。
【請求項11】
前記IL‐15/IL‐15Ra複合体が、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Ra又はそれらの誘導体を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記IL‐15/IL‐15Ra複合体が、ヒトIL‐15誘導体及びヒトIL‐15Raを含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記IL‐15/IL‐15Ra複合体が、ヒトIL‐15誘導体及びヒトIL‐15Ra誘導体を含む、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐Ra誘導体が可溶性である、請求項10〜13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、前記ヒト対象へ1つ以上の他の治療用ポリペプチドを投与することをさらに含む、請求項10〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Raを組換えで発現する照射された癌細胞を製造する方法であって、(i)癌と診断された対象から癌細胞を単離する工程;(ii)組換えヒトIL‐15又はその誘導体とヒトIL‐15Ra又はその誘導体とをコードする核酸コンストラクトを導入する工程;及び(iii)該癌細胞を照射する工程を含む、前記方法。
【請求項17】
前記ヒトIL‐15Ra又はヒトIL‐15Ra誘導体が可溶性である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
請求項16又は請求項17記載の方法によって製造された、ヒトIL‐15及びヒトIL‐15Raを組換えで発現する照射された癌細胞。
【請求項19】
請求項18記載の照射された癌細胞を含む医薬組成物。
【請求項20】
前記照射された癌細胞が、ポリ‐β‐1→4‐N‐アセチルグルコサミンポリマーとともに製剤されている、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
哺乳動物IL‐15又はその誘導体と哺乳動物IL‐15Ra又はその誘導体とを組換えで発現する細胞であって、少なくとも0.6pgの哺乳動物IL‐15又はその誘導体を発現する、前記細胞。
【請求項22】
前記細胞が、無血清培地において増殖する、請求項21記載の細胞。

【公表番号】特表2010−531878(P2010−531878A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514839(P2010−514839)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/008084
【国際公開番号】WO2009/002562
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(510002095)マリン ポリマー テクノロジーズ,インコーポレーテッド (1)
【出願人】(510002280)アメリカ合衆国 (7)
【Fターム(参考)】