説明

LEDユニット

【課題】複雑な構成および可変機構を有することなく、光軸を下方に向けた画像表示が可能なLEDユニットを提供する。
【解決手段】前面カバー11と、LED素子12を実装したプリント基板14と、プリント基板14を収容する本体フレーム15とを備え、前面カバー11には、LED素子12が配置されるLED素子用孔16が貫通して形成され、そのLED素子用孔16は、前面カバー11の背面から正面に向かってすべて下方へ傾いた状態で穿設されている。これにより、LED素子12は、その光軸がLED素子用孔16を穿設した方向に向けられた状態でLED素子用孔16に保持される。LEDユニットは、傾けることなしに光軸を下方へ向けることが実現されているので、LEDユニットをマトリックス状に密着配置して表示画面を構成した場合に、表示画像は乱れることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDユニットに関し、特に複数のLED素子を平面的に配置してなるものであって、これらをさらに複数個並べて大画面の表示装置を構成することができるLEDユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
競技場やビルの壁面に設置される表示装置は、サービスを提供する範囲に応じて画面に大きさが決められている。サービス提供範囲が広い場合、つまり、遠方から視認できるようにするには、単純に画面サイズを大きくすればよい。ただ、近くからも視認できるようにするには、表示装置の設置場所の高さおよび設置方法を考慮する必要がある。
【0003】
サービス提供範囲が狭い場合、たとえば広い待合室などに案内のために設置されている表示装置は、なるべく近くからも見えるようにするために、表示装置を設置するときに、表示装置自体を傾けて設置することが行われている。これは、表示装置を構成する表示素子には、正面から左右上下方向にずれて見たときに、正常に見ることができなくなる視認角度があるからである。この視認角度は、小さい場合に視認距離が長く、大きい場合には視認距離が短くなる。このため、視認角度の小さい表示素子を使用した表示装置を高所に設置する場合、表示装置を下向きに傾けることで、表示装置を近い距離からでも見ることができるようになる。
【0004】
ところが、大画面の表示装置の場合、表示装置自体が重量物であるため、傾けて設置することが困難になる。そこで、表示装置を構成するLEDユニットの光軸を上下方向に可変可能にすることが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の構造によれば、水平方向に延びる細長いパネルを有し、その下端にパネルを前傾可能に回動できる軸を有し、パネルには、複数のLEDユニットが水平方向に並べて取り付けられている。LEDユニットの光軸を上下方向に変更するには、パネルを傾斜させ、所望の角度位置にてそのパネルをボルトで固定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−200054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の構造では、同じパネルに固定された水平方向のLEDユニットはすべて同時に光軸を変更することができるが、この調整は、垂直方向に並べられたパネルについても同じようにかつすべて同じ角度に調整する必要があるという問題点があった。また、それぞれのLEDユニットは、水平方向には同一平面上に並んでいるが、垂直方向には、同一平面上にないため、隣接するLEDユニットの下辺と上辺とが一致する方向以外は、画像が部分的に重なったり離れたりすることがあるという問題点があった。
【0007】
また、現在のLEDユニットは、LED素子とLED素子を実装するプリント基板とは、設備やコスト等の製造上の問題により、垂直にしか実装できないという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、複雑な構成および可変機構を有することなく、光軸を下方に向けた画像表示が可能で、従来の設備やコストで製造可能なLEDユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では上記の課題を解決するために、複数のLED素子を平面的に配置して構成されるLEDユニットにおいて、前記LED素子が実装されるプリント基板と、前記プリント基板の前記LED素子が実装される側に配置され、前記プリント基板の実装面に垂直な方向に対して傾斜した方向に穿設されたLED素子用孔を有し、リード線を前記傾斜した方向に曲げた前記LED素子が前記LED素子用孔に収容される前面カバーと、を備えていることを特徴とするLEDユニットが提供される。
【0010】
このようなLEDユニットによれば、LED素子が収容されるLED素子用孔は、プリント基板の実装平面に対する垂直方向から傾斜した方向に穿設したことで、LED素子の光軸を一斉に同じ方向に向けるよう変更することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成のLEDユニットは、LED素子が収容されるLED素子用孔を斜めに穿設したことで、LEDユニットを傾けなくても、LED素子の光軸を変更することができるという利点がある。
【0012】
LEDユニットの光軸をLED素子の光軸によって変更しているので、LEDユニットを並べて構成される高所に設置された表示装置は、従来技術のように光軸を変更するための複雑な機構を設ける必要がなく、表示画面を常に垂直に設置することにより、見る方向によって画像が乱れることなく表示させることができる。
【0013】
また、高所に設置された表示装置の表示画面が同一高さでも従来のLEDユニットに比べ、近距離からの視認が可能となり、サービスが向上される。さらに、表示装置の設計も複雑な機構を設ける必要がないため、容易に設計でき、製品コストが安くでき、設置時や設置後の調整の際にも複雑な機構がないため、容易に作業を行うことができる。しかも、従来とLEDユニットを構成する部品点数が変わらないため、従来の設備が使用可能で、製造コストも従来と同等で製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係るLEDユニットの外観を示す図であって、(A)はLEDユニットの正面図、(B)は(A)のA−A矢視断面図である。
【図2】LEDユニットの構成要素の相互接続関係を示す説明図である。
【図3】LED素子を実装したプリント基板の例を示す図である。
【図4】LEDユニットの組み立て手順を示す図であって、(A)はプリント基板が固定された本体フレームと前面カバーとの組み立て前の状態を示し、(B)はLED素子が前面カバーに接触した状態を示し、(C)はLED素子がLED素子用孔に装着された状態を示している。
【図5】第2の実施の形態に係るLEDユニットの部分拡大断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係るLEDユニットの組み立て途中の状態を示す部分拡大断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るLEDユニットの組み立て後の状態を示す部分拡大断面図である。
【図8】第4の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図である。
【図9】第5の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図である。
【図10】第6の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図であって、(A)はLED素子の装着状態を示す部分断面図であり、(B)はLED素子用孔のB矢視図(部分正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係るLEDユニットの外観を示す図であって、(A)はLEDユニットの正面図、(B)は(A)のA−A矢視断面図であり、図2はLEDユニットの構成要素の相互接続関係を示す説明図、図3はLED素子を実装したプリント基板の例を示す図である。
【0016】
第1の実施の形態に係るLEDユニットは、図1の(A)に示したように、正面から見たときに、前面カバー11に複数のLED素子12がマトリックス状に配置されている。図示の例では、このLEDユニットは、32x32=1024個のLED素子12が実装され、これ1つでたとえば1文字分を表示するのに使用することができる。また、表示装置は、このようなLEDユニットをマトリックス状に複数個密着配置することによって表示画面が構成される。
【0017】
LEDユニットの前面カバー11は、それぞれのLED素子12の上部において前方へ突出したひさし形の覆いであるフード13が一体に形成されている。図示の例では、1つのLEDユニットに設けられているフード13は、LED素子12の水平方向の並びに1本ずつで、合計32本である。
【0018】
LEDユニットは、図1の(B)の断面図に示したように、正面側に配置される前面カバー11と、LED素子12を実装したプリント基板14と、LED素子12およびプリント基板14を収容する本体フレーム15とを備えている。ここで、LED素子12は、砲弾型の形状を有し、前面カバー11に貫通形成されたLED素子用孔16に収容されている。このLED素子用孔16は、前面カバー11の背面から正面に向かって下方へ傾いた状態で穿設されており、そこに収容されるLED素子12は、その光軸が水平よりも下方へ向いた状態で保持されている。そのため、LEDユニットをマトリックス状に密着配置して構成される表示装置は、傾斜可能なLEDユニットで構成される表示装置に比較して、画面が見る方向によって部分的に重なったり分離したりするような乱れた画像表示になることはない。また、表示装置の設計も複雑な機構を設ける必要がないため、容易に設計でき、製品コストが安くでき、設置時や設置後の調整の際にも複雑な機構がないため、容易に作業を行うことができる。
【0019】
前面カバー11、プリント基板14および本体フレーム15は、図2に示すような関係で相互に結合されている。すなわち、前面カバー11の背面側には、前面カバー固定部17が突設されており、その前面カバー固定部17には、前面カバー固定ねじ18と螺合するねじ山が形成されている。プリント基板14は、前面カバー固定部17に対応する位置に前面カバー固定部用孔19が穿設され、本体フレーム15は、前面カバー固定部17に対応する位置に前面カバー固定ねじ用孔20が穿設されている。
【0020】
本体フレーム15は、また、その内面側に、プリント基板固定部21が突設され、そのプリント基板固定部21には、プリント基板固定ねじ22と螺合するねじ山が形成されている。プリント基板14は、本体フレーム15のプリント基板固定部21に対応する位置にプリント基板固定ねじ用孔23が穿設されている。
【0021】
ここで、プリント基板14は、プリント基板固定ねじ22を本体フレーム15のプリント基板固定部21に螺合することによって本体フレーム15に固定される。前面カバー11は、前面カバー固定ねじ18を前面カバー11の前面カバー固定部17に螺合することによって本体フレーム15に固定される。
【0022】
なお、前面カバー11の前面カバー固定部17および本体フレーム15のプリント基板固定部21は、図2に示すように同一平面上に形成されているのではなく、実際には、前面カバー11および本体フレーム15に分散配置されている。たとえば、LED素子12を実装したプリント基板14を示す図3から明らかなように、前面カバー固定部17は、プリント基板14に形成された9個の前面カバー固定部用孔19に対応する位置に形成されている。また、プリント基板固定部21は、プリント基板14に形成された4個のプリント基板固定ねじ用孔23に対応する位置に形成されている。なお、本内容は、実施の一例であり、各部品を固定する方法は、これに限定されるものではない。
【0023】
次に、プリント基板14のLED素子12の実装面(図3の正面図の面)に対して垂直方向に実装されたLED素子12を、前面カバー11の面に対して垂直方向から傾いた方向に穿設されたLED素子用孔16に装着して、LEDユニットを組み立てる手順について説明する。
【0024】
図4はLEDユニットの組み立て手順を示す図であって、(A)はプリント基板が固定された本体フレームと前面カバーとの組み立て前の状態を示し、(B)はLED素子が前面カバーに接触した状態を示し、(C)はLED素子がLED素子用孔に装着された状態を示している。
【0025】
LEDユニットの組み立ては、先に、プリント基板14にLED素子12を実装し、そのプリント基板14と本体フレーム15とを組み立てておく。なお、プリント基板14にLED素子12を実装するとき、LED素子12は、その砲弾形状の部分がプリント基板14から所定の距離だけ離間され、かつ、プリント基板14の面に対して垂直方向に向けられた状態でリード線12aのはんだ付けが行われる。
【0026】
次に、図4の(A)に示したように、プリント基板14に実装されたLED素子12の光軸中心と前面カバー11に形成されたLED素子用孔16の裏面側開口の開口中心とを一致させるように、本体フレーム15および前面カバー11の位置決めを行う。
【0027】
次に、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を接近させて、図4の(B)に示したように、LED素子12の先端の半球部分がLED素子用孔16に嵌るようにする。
【0028】
次に、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を上下方向に移動させる。これにより、LED素子12は、その先端の半球部分がLED素子用孔16に嵌った状態のまま、光軸中心が傾斜したLED素子用孔16の軸中心に一致するよう傾斜され、それに合わせてリード線12aが曲げられる。その後、LED素子12の光軸の方向に、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を平行移動して接近させることで、図4の(C)に示したように、LED素子12の砲弾形状の部分がLED素子用孔16に装着される。その後、前面カバー固定ねじ18を前面カバー11の前面カバー固定部17に螺合することによって前面カバー11が本体フレーム15に固定される。なお、本内容は、一例であり、これに限定されるものではない。設備やコスト上の問題がなければ、プリント基板14にLED素子12を実装した後、前面カバーを実装する前に、LED素子12をLED素子用孔16に嵌合できるようにあらかじめLED素子12のリード線12aを曲げておき、前面カバーを固定することも可能であり、あらかじめリード線12aを曲げたLED素子12をプリント基板14に実装することも可能である。
【0029】
図5は第2の実施の形態に係るLEDユニットの部分拡大断面図である。
この第2の実施の形態に係るLEDユニットは、第1の実施の形態に係るLEDユニットが室内用表示装置に適用されるものであるのに対し、屋外に設置される表示装置に適用されるものである。
【0030】
この第2の実施の形態に係るLEDユニットによれば、本体フレーム15の前面カバー11が取り付けられる側のプリント基板14の全面が防水用シール部材24によって充填されている。この防水用シール部材24は、LED素子12のリード線12aが完全に隠れるだけの厚さになっていて、LED素子12のリード線12aに雨水が接触しないようにしている。しかも、プリント基板14は、裏面側にLED素子12の点灯制御を行う制御回路、駆動回路、その他電子部品などが実装されているので、裏面側への雨水の浸入も防止される。
【0031】
防水用シール部材24は、LED素子12のリード線12aを図4の(C)に示したように屈曲した後、LED素子12をLED素子用孔16から引き抜き、本体フレーム15を水平状態にしてプリント基板14の面に充填される。その後、防水用シール部材24が固まる前に、前面カバー11を本体フレーム15に取り付けて固定することによってLEDユニットが完成される。
【0032】
このとき、必要に応じて、防水用シール部材24を充填する前に、プリント基板14に開けられた前面カバー固定部用孔19に前面カバー固定部17の外径にほぼ等しい円柱状の栓で封止しておく。この栓は、充填した防水用シール部材24の流動性が低減後、前面カバー11を本体フレーム15に取り付ける直前に外される。
【0033】
または、LED素子12のリード線12aを屈曲する前の図4の(A)に示した段階で先に防水用シール部材24を充填しておいてもよい。この場合、プリント基板14に開けられた前面カバー固定部用孔19から防水用シール部材24が容易に侵入しないようにするため、適当な粘性の防水用シール部材24が用いられる。つまり、前面カバー固定部用孔19およびその近傍を除く全面に防水用シール部材24を充填し、LED素子12のリード線12aを屈曲し、前面カバー11を本体フレーム15に取り付けている間に、前面カバー固定部用孔19の周囲が埋まって固まるようにする。なお、本内容は一例であり、これに限定するものではない。
【0034】
図6は第3の実施の形態に係るLEDユニットの組み立て途中の状態を示す部分拡大断面図、図7は第3の実施の形態に係るLEDユニットの組み立て後の状態を示す部分拡大断面図である。
【0035】
この第3の実施の形態に係るLEDユニットによれば、本体フレーム15から前面カバー11に向かって本体フレーム15側の位置決め部材である位置決めガイド部25が突設され、前面カバー11には、その位置決めガイド部25に対応する位置に前面カバー11側の位置決め部材である位置決めピン26が突設されている。位置決めピン26は、細長い円錐形状を有し、前面カバー11と一体に形成されている。位置決めガイド部25は、その先端部に位置決めピン26の先端部を案内する漏斗形状の導入部を有し、基端部には位置決めピン26の先端部を固定する嵌合部を有し、本体フレーム15と一体に形成されている。
【0036】
本体フレーム15に前面カバー11を取り付けるとき、図6に示したように、LED素子12の光軸中心と前面カバー11のLED素子用孔16の裏面側開口の開口中心とを一致させながら、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を接近させる。このとき、位置決めピン26および位置決めガイド部25は、同一軸線上にはなく、LED素子12は、その先端の半球部分がLED素子用孔16に嵌ったときに位置決めピン26が位置決めガイド部25の導入部に接触するような位置関係にしている。
【0037】
次に、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を上下方向に移動させて、LED素子12のリード線12aを一斉に曲げる。その後、LED素子12の光軸の方向に、本体フレーム15および前面カバー11の一方または双方を平行移動して接近させることで、図7に示したように、LED素子12の砲弾形状の部分がLED素子用孔16に装着される。このとき、位置決めピン26が位置決めガイド部25に導入され、最終的に、位置決めピン26の先端部が位置決めガイド部25の嵌合部に嵌合される。これにより、前面カバー11および本体フレーム15は、取り付けることが容易にできるようになる。
【0038】
図8は第4の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図である。
この第4の実施の形態に係るLEDユニットは、前面カバー11の前面カバー固定部17に対応する本体フレーム15の位置にカラー27を備えている。このカラー27は、プリント基板14を貫通する長さを有し、本体フレーム15と一体に形成されている。このため、前面カバー固定部17は、カラー27の端面に当接する長さに形成され、カラー27を貫通して延びる前面カバー固定ねじ18によって螺合される。
【0039】
カラー27は、好ましくは、図示のように防水用シール部材24の層を貫通する長さに形成される。これにより、プリント基板14の前面カバー固定部用孔19は、カラー27で塞がれる。このため、本体フレーム15にプリント基板固定ねじ22で固定したプリント基板14の上に防水用シール部材24を充填した場合に、防水用シール部材24がプリント基板14の背面にまで流動することがない。これにより、前面カバー11組み立て前に、防水用シール部材24を充填する作業が実施可能となり、第2の実施の形態よりもLEDユニットの組み立て作業が容易になり、プリント基板14の裏面側への雨水の浸入が防止される。
【0040】
また、位置決めピン26にタップを切り、位置決めガイド部25に穴を空けて、本体フレーム15の裏側より前面カバー固定ねじ18で固定することで位置決めガイドと前面カバー固定とを兼ねることも可能である。この場合、ガイド部25にOリングゴムを入れ、それに位置決めピン26で圧力を加えることにより、位置決めガイド部25における防水性を保つことができる。なお、本内容は、実施の一例であり、これに限定されるものではない。
【0041】
図9は第5の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図である。
この第5の実施の形態に係るLEDユニットは、LED素子12が前面カバー11のLED素子用孔16に入り易いようにしている。すなわち、LED素子用孔16の背面側の縁周部には、テーパ28が形成されている。これにより、1024個あるLED素子12の光軸がすべて正確に平行でなかったとしても、LED素子12をLED素子用孔16に挿入するときにLED素子12の頭部をテーパ28がガイドするので、すべてのLED素子12の挿入がスムーズになる。
【0042】
図10は第6の実施の形態に係るLEDユニットを示す部分拡大断面図であって、(A)はLED素子の装着状態を示す部分断面図であり、(B)はLED素子用孔のB矢視図(部分正面図)である。
【0043】
この第6の実施の形態に係るLEDユニットは、LED素子用孔16の内壁にLED素子12の挿入方向に沿って延びる複数のリブ29が内設されている。このリブ29は、断面を円弧形状にしてLED素子12とは線接触にすることでLED素子用孔16へLED素子12を挿入するときの接触抵抗を低減するとともに、すべてのLED素子12の光軸が平行になるようにLED素子用孔16内で支持する。
【0044】
なお、この図示の実施の形態では、LED素子12を4つのリブ29によって四方から支持する構成にしているが、LED素子用孔16の内周壁に複数個のリブ29を周方向に均等配置した構成でもよい。また、第5の実施の形態と組み合わせることにより、リブを上か下に1つ設ける構成でも可能となる。なお、本内容は、実施の一例であり、これに限定されるものではなく、他の方法でもよい。
【符号の説明】
【0045】
11 前面カバー
12 LED素子
12a リード線
13 フード
14 プリント基板
15 本体フレーム
16 LED素子用孔
17 前面カバー固定部
18 前面カバー固定ねじ
19 前面カバー固定部用孔
20 前面カバー固定ねじ用孔
21 プリント基板固定部
22 プリント基板固定ねじ
23 プリント基板固定ねじ用孔
24 防水用シール部材
25 位置決めガイド部
26 位置決めピン
27 カラー
28 テーパ
29 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED素子を平面的に配置して構成されるLEDユニットにおいて、
前記LED素子が実装されるプリント基板と、
前記プリント基板の前記LED素子が実装される側に配置され、前記プリント基板の実装面に垂直な方向に対して傾斜した方向に穿設されたLED素子用孔を有し、リード線を前記傾斜した方向に曲げた前記LED素子が前記LED素子用孔に収容される前面カバーと、
を備えていることを特徴とするLEDユニット。
【請求項2】
前記LED素子用孔は、前記LED素子が挿入される側の縁周部にテーパが形成されていることを特徴とする請求項1記載のLEDユニット。
【請求項3】
前記LED素子用孔は、前記LED素子用孔の内壁に前記LED素子の挿入方向に延びる複数のリブが内設され、前記リブが前記LED素子を支持していることを特徴とする請求項1または2記載のLEDユニット。
【請求項4】
前記LED素子は、砲弾形状を有し、その砲弾形状の部分が前記LED素子用孔に収容されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のLEDユニット。
【請求項5】
前記プリント基板を収容して固定するとともに前記前面カバーが取り付けられて固定される本体フレームをさらに備え、
前記前面カバーおよび前記本体フレームの少なくとも一方に、前記前面カバーを前記本体フレームに取り付けることにより前記LED素子の光軸を前記LED素子用孔の軸中心に一致するよう傾斜させる位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のLEDユニット。
【請求項6】
前記LED素子を実装している側の前記プリント基板の表面には、少なくとも前記LED素子のリード線が埋没するだけの厚さの防水用シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のLEDユニット。
【請求項7】
前記本体フレームは、前記プリント基板を貫通した位置で前記前面カバーを固定するカラーを備えていることを特徴とする請求項5記載のLEDユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−74186(P2013−74186A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213092(P2011−213092)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】