説明

LNG利用圧縮機

【課題】LNGの気化を利用してBOGなどを圧縮できるLNG利用圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダ筒11内に往復動自在にピストン13を設け、そのピストン13の一方のシリンダ筒11をジャケット16で覆ってシリンダ筒11内の一方に膨張室14Aを形成すると共にピストン13の他方のシリンダ筒11内に圧縮室14Bを形成し、圧縮室14B内にピストン13を膨張室14A側に付勢するバネ15を設け、上記膨張室14AにLNG供給ライン17とLNG排出ライン18を接続し、他方圧縮室14ВにBOG供給ライン21を接続すると共に吐出ライン22を接続し、上記ジャケット16に膨張室14A内に導入されたLNGをガス化させる温水ライン25と排水ライン26を接続したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNGサテライト基地などのLNG貯蔵タンクから払い出され気化されたNGや、貯蔵タンクの頂部から排出されるBOGを需要圧まで圧縮する圧縮機に係り、特にLNGの気化時の体積膨張を利用してBOGやNGを圧縮するLNG利用圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNGサテライト基地においては、貯蔵タンクに貯蔵されたLNG(液化天然ガス)を温水式や空温式の気化器に払い出して気化し、これを需要圧(0.4MPa)まで圧縮機で昇圧して需要系のボイラ等に供給している。
【0003】
この貯蔵タンクは、内外二重槽で形成されるが、貯蔵中に貯蔵タンク内への入熱により貯蔵タンク内のLNGが蒸発してBOG(ボイルオフガス)となりタンク気相部に溜まり、タンク内圧力は上昇する傾向にある。
【0004】
一般にLNGが大気圧下でガス化すると、600倍になるため、貯蔵タンク内の圧力は、貯蔵タンクの耐圧近くまで上昇することも可能である。
【0005】
この貯蔵タンクは、タンクローリーからLNGを3〜4日おきに受け入れるが、この際に、加圧蒸発器を用いてタンクローリー内を加圧して、LNGを貯蔵タンクに送液するようにしている。
【0006】
上述のようにNG(天然ガス)の送ガス圧力を0.4MPaとした場合、LNGタンク内にタンクローリーからLNGを受け入れる際には、タンク内圧力が送ガス圧力より高いとLNGの受け入れはできないため、貯蔵タンクの運転圧力を0.3MPa以下に落圧する必要がある。
【0007】
このためには貯蔵タンク内の気相部に溜まったBOGを排出して落圧する必要があるが、BOGを排出しても、排出先に低圧となったBOGを利用する利用系はなく、BOGを別途BOG圧縮機にて0.4MPaに昇圧して、需要系のNGと混ぜて排出する必要がある。
【0008】
このように、サテライト基地においては、気化後のNG用圧縮機とBOG用圧縮機の2台が必要となり、設備費とランニングコストがかかってしまう。
【0009】
【特許文献1】特開2006−283736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のようにLNGは気化器に導入されてガス化すると、その体積は、600倍になるため、気化器でガス化したガスでピストンを駆動して、ポンプとすることが特許文献1に提案されているが、シリンダとピストン構造が複雑で、かつ流路の切り換えのためのバルブなどを必要とし、車載用など小型のポンプには適用できるものの、サテライト基地のBOG圧縮機など大型のものには適用できない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、LNGの気化を利用してBOGなどを圧縮できるLNG利用圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、シリンダ筒内に往復動自在にピストンを設け、そのピストンの一方のシリンダ筒をジャケットで覆ってシリンダ筒内の一方に膨張室を形成すると共にピストンの他方のシリンダ筒内に圧縮室を形成し、圧縮室内にピストンを膨張室側に付勢するバネを設け、上記膨張室にLNG供給ラインとLNG排出ラインを接続し、他方圧縮室にBOG供給ラインを接続すると共に吐出ラインを接続し、上記ジャケットに膨張室内に導入されたLNGをガス化させる温水ラインと排出ラインを接続したことを特徴とするLNG利用圧縮機である。
【0013】
請求項2の発明は、LNGを貯蔵する貯蔵タンクにLNGの払出ラインが接続され、そのLNG払出ラインに気化器とバッファータンクが接続され、バッファータンクからNGが需要系に供給されるLNGサテライト基地において、上記LNG供給ラインが、上記気化器上流側の払出ラインより分岐して接続され、上記LNG排出ラインが上記払出ラインに接続された気化器の下流側に接続され、BOG供給ラインが貯蔵タンクの気相部に接続され、上記吐出ラインが上記バッファータンクの上流側に接続される請求項1記載のLNG利用圧縮機である。
【0014】
請求項3の発明は、シリンダ筒内の一方にジャケットを設け、そのジャケットに往復動自在な膨張側ピストンを設けると共にシリンダ筒内の他方に往復動自在な膨張側ピストンを設けてピストンを構成し、その膨張側ピストンのジャケット内に膨張室を形成すると共に圧縮側ピストンのシリンダ筒に圧縮室を形成し、圧縮室内にピストンを膨張室側に付勢するバネを設け、上記膨張室にLNG供給ラインとLNG排出ラインを接続し、他方圧縮室にNG供給ラインを接続すると共に吐出ラインを接続し、上記ジャケットに膨張室内に導入されたLNGをガス化させる温水ラインと排出ラインを接続したことを特徴とするLNG利用圧縮機である。
【0015】
請求項4の発明は、LNGを貯蔵する貯蔵タンクにLNGの払出ラインが接続され、そのLNG払出ラインに気化器とバッファータンクが接続され、バッファータンクからNGが需要系に供給されるLNGサテライト基地において、上記LNG供給ラインが、上記気化器上流側の払出ラインより分岐して接続され、上記LNG排出ラインが上記払出ラインに接続された気化器の下流側に接続され、上記NG供給ラインがバッファータンクに接続された請求項2記載のLNG利用圧縮機である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、LNGの膨張エネルギーを利用してBOGやNGを圧縮することができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1は、本発明のLNG利用圧縮機10の構造を示したものである。
【0019】
図において、11はシリンダ筒で、筒体部12cの両端に略半円球状の端部12a、12bが設けられて構成される。筒体部12c内にはキャップ状のピストン13が往復移動自在に設けられ、ピストン13にて、シリンダ筒11内が、膨張室14Aと圧縮室14Вとに仕切られる。
【0020】
圧縮室14В側のピストン13の一方と端部12b間にはバネ15が設けられ、バネ15にて、ピストン13が膨張室14A側に常時付勢されるようにされる。
【0021】
シリンダ筒11の膨張室14A側は、そのシリンダ筒11の膨張室14を覆うようにジャケット16が設けられる。
【0022】
シリンダ筒11の膨張室14Aには、LNG供給ライン17が接続されると共にNG排出ライン18が接続される。LNG供給ライン17には、開閉弁19が接続され、NG排出ライン18には開閉弁20が接続される。
【0023】
シリンダ筒11の圧縮室14Вには、BOG供給ライン21が接続されると共にBOG吐出ライン22が接続される。BOG供給ライン21には、逆止弁23が接続される。
【0024】
シリンダ筒11内にはピストン13の位置を検出するリミットスイッチ24A、24Bが設けられ、リミットスイッチ24A、24BのON・OFF信号にて開閉弁20が開閉制御されるようになっている。すなわち膨張室14A側のリミットスイッチ24Aにピストン13が当たってONとなったときには、開閉弁20が閉じられると共にその状態を保持し、圧縮室14В側のリミットスイッチ24Bにピストン13が当たってONとなったときに、開閉弁20が閉から開とされると共にピストン13がリミットスイッチ24Aに当たってONとされるまで開状態を保持するように開閉制御される。
【0025】
ジャケット16には、温水(または海水や水を含む)ライン25が接続されると共に排水ライン26が接続される。
【0026】
次に、このLNG利用圧縮機10の作動を説明する。
【0027】
先ず、ピストン13は、バネ15によりリミットスイッチ24Aに当たる位置にあり、その状態で開閉弁20が閉じられ、膨張室14Aに、LNG供給ライン17からLNGが供給される。他方圧縮室14Bには、後述する貯蔵タンクから低圧のBOGが供給される。
【0028】
この状態で、供給ライン25からジャケット16に温水(海水、水を含む)が供給されると膨張室14A内に供給されたLNGが気化し、その気化時のガス圧で、バネ15の力に抗してピストン13を圧縮室14В側に移動する。これにより圧縮室14В内のBOGは圧縮されてBOG吐出ライン22から高圧のBOGとして吐出される。
【0029】
ピストン13が圧縮室14В側に移動してリミットスイッチ24Bに当たると、開閉弁20が開とされ、膨張室14Aでガス化したNGがNG排出ライン18から排出され、その結果バネ15の力によりピストン13が膨張室14A側に移動し、リミットスイッチ24Aに当たる位置に移動すると、開閉弁20が閉となり、再度膨張室14A内のLNGがジャケット16の温水で加熱されてガス化し、上述したようにBOGを圧縮する。
【0030】
LNGは気化すると600倍に体積が膨張するため、膨張室14Aに導入するLNGは少量導入して蒸発させ、その蒸発したガス(NG)を全て開閉弁20から排気するようにすることで、膨張室14A内の圧力が下がりLNG供給ライン17からのLNGの受け入れが可能となる。またこの際、LNG供給ライン17は、ジャケット16を通して供給されるため、ジャケット16内の供給ライン17を断熱しておき、ライン17内で蒸発しないようにする。
【0031】
次に、図1のLNG利用圧縮機10をBOGの圧縮に用いたフローを図2により説明する。
【0032】
図2において、30は、タンクローリー31からのLNG32を貯蔵する貯蔵タンクで、タンクローリー31からのLNGは、受入ライン33からボトムフィードライン34を介して貯蔵タンク30の底部から受け入れ、または、トップフィードライン35を介して貯蔵タンク30の頂部から受け入れられる。
【0033】
ボトムフィードライン34にはタンク加圧蒸発器36が接続され、貯蔵タンク30内のLNG32をタンク加圧蒸発器36内に導入してガス化させ、これを加圧ライン37、圧力制御弁38を介して貯蔵タンク30の気相部30Gに供給して貯蔵タンク30内をLNG払い出しのために加圧できるようになっている。
【0034】
貯蔵タンク30の底部にはLNG払出ライン40が接続され、そのLNG払出ライン40に遮断弁41、流量調整弁42、LNG気化器43、圧力調整弁44、バッファータンク45が接続され、バッファータンク45のNGがライン46にて需要系に供給されるようになっている。
【0035】
LNG利用圧縮機10は、貯蔵タンク30の払出ライン40からのLNGを一部導入して膨張させ、その膨張エネルギーで貯蔵タンク30の頂部から排出されるBOGを圧縮するように接続される。
【0036】
先ず遮断弁41と流量調整弁42間の払出ライン40から分岐してLNG供給ライン17が接続され、そのLNG供給ライン17に開閉弁19を介して膨張室14Aが接続され、膨張室14AのNG排出ライン18が、気化器43の下流の払出ライン40に接続され、そのNG排出ライン18に、開閉弁20を介してNG加温器47が接続される。
【0037】
また、貯蔵タンク30の頂部に接続した加圧ライン37より分岐してBOG供給ライン21が接続され、そのBOG供給ライン21に、開閉弁23を介してLNG利用圧縮機10の圧縮室14Bが接続され、圧縮室14Вの吐出側のBOG吐出ライン22が、圧力調整弁44とバッファータンク45間の払出ライン40に接続され、そのBOG吐出ライン22にBOG加温器48が接続される。
【0038】
以上において、バッファータンク45からライン46にて需要系に供給されるNGの送ガス圧力を0.4MPaとした場合、タンクローリー31からLNGを受け入れる際には、貯蔵タンク30の運転圧力を0.3MPaに落圧する必要がある。この時BOGをBOG供給ライン21に排出すると共にLNG利用圧縮機10の圧縮室14Bに導入し、他方払出ライン40からのLNGの一部をLNG供給ライン17からLNG利用圧縮機10の膨張室14Aに供給し、ジャケット16に温水を供給して膨張室14A内のLNGを膨張させることでピストン13を駆動して圧縮室14B内のBOGを圧縮して0.4MPaに圧縮して気化器43の下流側の払出ライン40に供給することで、電気代が不要でしかも払い出すLNGの一部を僅かな温水を使用して膨張させることで低ランニングコストでBOGをバッファータンク45、ライン46を介して需要系に送ガスすることが可能となる。
【0039】
ここで、貯蔵タンク30からLNG(温度−150℃、圧力0.47MPa)を、1,049kg/hで払い出すとし、貯蔵タンク30からのBOGを0.3MPaに落圧すべくBOG(温度−100℃)を、71kg/h排出するとしたとき、LNG利用圧縮機10の膨張室14Aには、49kg/hを供給することで、BOGを0.5MPaに圧縮することが可能となる。
【0040】
このLNG利用圧縮機10は、圧縮比が2以下の場合、LNGの蒸発による膨張のみでBOGの圧縮が可能であり、1サイクルに要する時間も2秒程度ですみ、LNG利用圧縮機10のシリンダ筒11の容積も小さくてよく、例えばシリンダ径を0.2m、長さ1m以下のコンパクトな構造とすることができる。
【0041】
また圧縮比を2以上とする場合には、シリンダ径を大きく(0.6m)、長さを5mとすることで、圧縮比を5以上とすることも可能である。
【0042】
次に、図3、図4によりBOGを圧縮する以外に、送ガスするNGを圧縮する実施の形態を説明する。
【0043】
先ず、図3は図1に示したLNG利用圧縮機の変形例を示したものである。
【0044】
図1の実施の形態においては、膨張室14A側のシリンダ筒11の外周をジャケット16で覆う例で説明したが、本実施の形態においては、シリンダ筒11内にジャケット16aを形成し、そのジャケット16aの内周に膨張室14Aを形成し、そのジャケット16aに膨張側ピストン13Aを往復動自在に設け、圧縮室14В側に圧縮側ピストン13Bを往復動自在に設け、両ピストン13A、13Bを連結棒13Cで連結してピストン13を構成したものである。
【0045】
膨張室14Aには、LNG供給ライン17とNG排出ライン18が接続され、そのLNG供給ライン17に開閉弁19が接続され、NG排出ライン18に開閉弁20が接続される。圧縮室14Вには、NG供給ライン21aとNG吐出ライン22aが接続され、NG供給ライン21aに逆止弁23が接続される。
【0046】
ジャケット16aには、温水ライン25が接続されると共に排水ライン26が接続される。
【0047】
このLNG利用圧縮機10aにおいては、基本的には図1のLNG利用圧縮機10と同じであるが、LNG供給ライン17から開閉弁19を介して膨張室14Aに供給されたLNGはジャケット16aに供給される温水で蒸発されて膨張側ピストン13Aを圧縮室14В側に移動する。これにより、連結棒13Cを介して圧縮側ピストン13Bが、リミットスイッチ24Вに当たるまで圧縮室14В内のNGを圧縮し、その圧縮したNGを排出後は、バネ15の力で、再度膨張側ピストン13Aがリミットスイッチ24Aに当たる位置まで戻って再度圧縮を繰り返すが、膨張室14Aは、圧縮室14Вより断面積が小さく形成されており、圧縮比が2以下の圧縮に適していると共に、膨張室14AでのLNGの気化膨張時間を短くできるため、1サイクルに要する時間を短くすることができ、NGの送ガスに適したものとすることができる。
【0048】
図4は、図3に示したLNG利用圧縮機10aで、貯蔵タンク30から払い出され気化されたNGを圧縮する形態を示したものである。
【0049】
貯蔵タンク30の払出ライン40には、遮断弁41、流量調整弁42、LNG気化器43、バッファータンク45が接続され、そのバッファータンク45にNG供給ライン21aが接続され、そのNG供給ライン21aに熱交換器50を介してLNG利用圧縮機10aの圧縮室14Bが接続され、圧縮室14Вで圧縮されたNGが、圧力調整弁44を介してNG吐出ライン22aより需要系に供給されるようになっている。
【0050】
また遮断弁41と流量調整弁42間の払出ライン40から分岐してLNG供給ライン17が接続され、そのLNG供給ライン17に、バッファータンク45からのNGと熱交換する熱交換器50が接続されると共に開閉弁19を介して膨張室14Aが接続され、膨張室14AのNG排出ライン18が、開閉弁20を介して気化器43の下流の払出ライン40に接続される。また熱交換器50にはNGとの熱交換でガス化したBOGを排出するBOG排出ライン51が接続される。
【0051】
また貯蔵タンク30の気相部30G内のBOGを排出するBOG排出ライン52が接続されると共にそのBOG排出ライン52に遮断弁53が接続される。
【0052】
この図4の実施の形態では、貯蔵タンク30から払出ライン40を介してLNGを払い出す際には、流量調整弁42を閉じておき、LNGをLNG供給ライン17から熱交換器50を通してバッファータンク45からのNGと熱交換して膨張室14Aに供給する。この際、熱交換器50で気化したNGはBOG排出ライン51から排出する。膨張室14Aに供給されたLNGは、ジャケット16aに供給される温水(海水)で加熱膨張されて、LNG利用圧縮機10aの膨張側ピストン13Aを駆動した後、NG排出ライン18からバッファータンク45に供給される。バッファータンク45のNGは、NG供給ライン21aから熱交換器50を通して、圧縮室14Bに供給され、そこで圧縮側ピストン13Bで圧縮され、圧力調整弁44で需要圧にされてNG吐出ライン22aより需要系に供給される。
【0053】
この図4のフローにおいて、貯蔵タンク30からのLNGの一部を流量調整弁42を介して気化器43に導入してNG排出ライン18からのNGと合流させてバッファータンク45に供給し、その上で、熱交換器50を通して、圧縮室14Bに供給することで、NG吐出ライン22aより需要系に供給されるNG供給量を調整することができる。
【0054】
このように、LNGの膨張エネルギーを利用して、LNG利用圧縮機10aを駆動し、またLNG気化後のNGを、膨張エネルギーで駆動されるLNG利用圧縮機10aで圧縮して需要系に供給することができる。
【0055】
通常貯蔵タンク30から払い出されるLNGは0.3MPa程度であり、LNG利用圧縮機10aでは、これを0.4MPa程度に圧縮すればよいため、送ガスをLNG自身の圧力で加圧することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1のLNG利用圧縮機を用いたLNGサテライト基地のフロー図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図4】図3のLNG利用圧縮機を用いたLNGサテライト基地のフロー図である。
【符号の説明】
【0057】
11 シリンダ筒
13 ピストン
14A 膨張室
14B 圧縮室
15 バネ
16 ジャケット
18 NG排出ライン
21 BOG供給ライン
22 BOG吐出ライン
25 温水ライン
26 排水ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ筒内に往復動自在にピストンを設け、そのピストンの一方のシリンダ筒をジャケットで覆ってシリンダ筒内の一方に膨張室を形成すると共にピストンの他方のシリンダ筒内に圧縮室を形成し、圧縮室内にピストンを膨張室側に付勢するバネを設け、上記膨張室にLNG供給ラインとLNG排出ラインを接続し、他方圧縮室にBOG供給ラインを接続すると共に吐出ラインを接続し、上記ジャケットに膨張室内に導入されたLNGをガス化させる温水ラインと排出ラインを接続したことを特徴とするLNG利用圧縮機。
【請求項2】
LNGを貯蔵する貯蔵タンクにLNGの払出ラインが接続され、そのLNG払出ラインに気化器とバッファータンクが接続され、バッファータンクからNGが需要系に供給されるLNGサテライト基地において、上記LNG供給ラインが、上記気化器上流側の払出ラインより分岐して接続され、上記LNG排出ラインが上記払出ラインに接続された気化器の下流側に接続され、BOG供給ラインが貯蔵タンクの気相部に接続され、上記吐出ラインが上記バッファータンクの上流側に接続される請求項1記載のLNG利用圧縮機。
【請求項3】
シリンダ筒内の一方にジャケットを設け、そのジャケットに往復動自在な膨張側ピストンを設けると共にシリンダ筒内の他方に往復動自在な膨張側ピストンを設けてピストンを構成し、その膨張側ピストンのジャケット内に膨張室を形成すると共に圧縮側ピストンのシリンダ筒に圧縮室を形成し、圧縮室内にピストンを膨張室側に付勢するバネを設け、上記膨張室にLNG供給ラインとLNG排出ラインを接続し、他方圧縮室にNG供給ラインを接続すると共に吐出ラインを接続し、上記ジャケットに膨張室内に導入されたLNGをガス化させる温水ラインと排出ラインを接続したことを特徴とするLNG利用圧縮機。
【請求項4】
LNGを貯蔵する貯蔵タンクにLNGの払出ラインが接続され、そのLNG払出ラインに気化器とバッファータンクが接続され、バッファータンクからNGが需要系に供給されるLNGサテライト基地において、上記LNG供給ラインが、上記気化器上流側の払出ラインより分岐して接続され、上記LNG排出ラインが上記払出ラインに接続された気化器の下流側に接続され、上記NG供給ラインがバッファータンクに接続された請求項2記載のLNG利用圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−127184(P2010−127184A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302909(P2008−302909)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(592009281)IHIプラント建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】