説明

LNG設備の保冷システム

【課題】 LNG船2からLNGタンク1への受入配管5によるLNGの受入時以外において、受入配管5を保冷し、かつタンク1への入熱を回避する。
【解決手段】 LNGタンク1内のLNGを、ガス出荷用ポンプ9により、受入配管5に、受入時と逆方向又は同方向に通流させて、受入配管5を保冷する。その後、LNGはガス出荷配管8に流して、LNG気化器を含むガス出荷部3に供給し、出荷する。また、ガス出荷配管8内のLNGの一部をオリフィス20を介して液出荷配管10を通流させて後、ガス出荷部3へ供給するようにし、液出荷配管10を保冷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG(液化天然ガス)を受入れて貯留し適宜出荷するLNG設備の保冷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LNG受入基地などのLNG設備は、低温(約−160℃)のLNGを貯留するためのLNGタンクと、LNG船からのLNGの受入時にLNG船からLNGタンクまでLNGを輸送するための受入配管と、LNGタンク内のLNGを出荷するための出荷配管と、を備えている。
【0003】
このようなLNG設備では、LNG船からのLNGの受入れは、何日かおきに行われるので、受入配管は、LNGの受入時には低温に保持されるが、LNGの受入れが行われない間、外部からの自然入熱によって温度上昇する。従って、そのままの状態でLNGの受入れを開始すると、急激な温度変化により配管にストレスが生じて、悪影響を及ぼす。このため、受入れの前に配管を冷却しておく必要があるが、急冷できないので、冷却作業に時間がかかる。従って、可能な限り、受入配管を冷却状態に保つ保冷システムが必要となる。
【0004】
そこで、特許文献1に記載されているように、LNGタンク内のLNGを受入配管に通して再びLNGタンクに戻す循環経路を構成し、LNGの受入れを行わない場合には、適量のLNGを強制循環させて、受入配管を低温に保持する技術(保冷循環)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3069391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、保冷循環を行う場合には、受入配管の冷却により温度上昇したLNGがタンクに戻されるため、タンク内のLNGが温度上昇し、大量のBOG(ボイルオフガス)が発生し、タンク内の圧力を上昇させてしまい、そのままではタンクに悪影響を及ぼすため、BOGをタンク外へ処理して所定の圧力に保つBOG処理設備とそのランニングコストがかかる。
【0007】
また、保冷循環のために比較的多量のLNGを循環させるためのポンプ動力が必要となり、そのランニングコストも大きい。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑み、LNGタンクへの入熱やポンプ動力の負担増を回避することができるLNG設備の保冷システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では、LNG設備においては、LNGタンク内のLNGを出荷するための出荷配管として、LNGを液状態のままローリー車等に断続的に出荷するための液出荷配管とは別に、LNGを需要家等にガス状態にしてパイプライン等で出荷すべくLNG気化器に連続供給するためのガス出荷配管とがあり、ガス出荷配管でのLNGの供給は連続的であることに着目した。
【0010】
従って、本発明では、LNGタンクと、LNG船からのLNGの受入時にLNG船からLNGタンクまでLNGを輸送するための受入配管と、LNGタンク内のLNGをガス出荷用ポンプによりガス出荷部へ連続供給するためのガス出荷配管と、を備えるLNG設備において、出荷時のLNGの流れを切替える流路切替装置を設け、この流路切替装置は、LNGタンク内のLNGをガス出荷用ポンプにより受入配管を通流させて後、ガス出荷配管からガス出荷部へ供給する保冷モードを有する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)タンクへ戻す強制循環方式(クローズドサイクル)に対して、オープンサイクルとして、受入配管の冷却に用いたLNGをタンクに戻さず、そのまま出荷することで、入熱を系外に排出できる。従って、タンクはこの入熱の影響を受けないので、BOGの発生を低減でき、BOG処理設備とそのランニングコストの低減を図ることができる。
(2)また、ガス出荷用のポンプの運転でガス出荷と保冷運転を直列の流れで同時に兼ねることが可能となることから、ガス出荷のためのポンプ能力と保冷のためのポンプ能力とをそれぞれ加算する必要がないので、どちらか大きい方の能力を有すればよく、その分、設備コストとランニングコストの低減を図ることができる。
(3)また、系外に排出された入熱はLNGをプレヒートさせた状態でガス出荷部へ供給されるため、ガス出荷部にてLNGを熱交換器で加温して気化させるLNG気化器の加温用の熱エネルギーの節約となり、省エネ効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示すLNG設備の概略図
【図2】第1保冷モードでの流れを示す図
【図3】第2保冷モードでの流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すLNG設備(LNG受入基地)の概略図である。
【0014】
LNG受入基地は、低温のLNGを貯留するためのLNGタンク1を備え、桟橋に着岸・係留されたLNG船2により運搬されるLNGを受入れて貯留する。また、タンク1内のLNGを需要家(一般消費者、ガス会社、工業ユーザなど)や自家消費機器にガス状態にして連続供給すべくLNGを熱交換により気化させるLNG気化器を備えたガス出荷部3(ここにはパイプラインの圧力を変化させる昇圧ポンプや減圧設備なども含まれる)と、タンク1内のLNGを液状態のままローリー車や内航船に積込んで断続出荷するLNG出荷部4とを備えている。
【0015】
受入配管5は、LNG船2からのLNGの受入時に、LNG船2からLNGタンク1までLNGを輸送するための配管であり、その一端部は、桟橋に設置されるLNG受入用のローディングアーム6に、受入用のバルブV1を介して接続され、他端部は、LNGタンク1の上部に開口している。尚、この配管5の比較的下流側には後述する流路切替用のバルブV5が介装されている。
【0016】
ガス出荷配管8は、タンク1内に配置したガス出荷用ポンプ9により、ガス出荷部3へLNGを連続供給するための配管であり、一端部は、ポンプ9の吐出側に接続され、他端部は、ガス出荷部3に接続されている。尚、この配管8の比較的上流側には、後述する流路切替用のバルブV3、V4が直列に介装されている。
【0017】
液出荷配管10は、タンク1内に配置した液出荷用ポンプ11により、LNG出荷部4へLNGを断続出荷するための配管であり、一端部は、ポンプ11の吐出側に接続され、他端部は、液出荷用のバルブV2を介してLNG出荷部4に接続されている。
【0018】
ここにおいて、ガス出荷配管8の比較的上流側に流路切替用のバルブV3、V4を直列に介装し、受入配管5の比較的下流側に流路切替用のバルブV5を介装する。また、ガス出荷配管8のバルブV3上流と受入配管5のバルブV5上流とを配管12により接続し、この配管12に流路切替用のバルブV6、V7を直列に介装する。
【0019】
また、受入配管5のバルブV1近傍かつ下流側から、バルブV8を介して分岐する配管13を設け、この配管13は、ガス出荷配管8のバルブV3、V4間に接続する。
また、前記配管12のバルブV6、V7間から分岐する配管14を設け、この配管14は、バルブV9を介装した上で、ガス出荷配管8のバルブV4下流に接続する。
【0020】
また、前記配管12のバルブV6、V7間から分岐する別の配管15を設け、この配管15は、バルブV10を介装した上で、LNGタンク1の上部に開口させる。
また、前記配管13と、受入配管5のバルブV5下流側とを接続する配管16を設け、この配管16にバルブV11を介装する。
【0021】
バルブV10、V11は、自動調整バルブであり、ガス出荷用ポンプ9の吐出側に設けた流量計17の信号、又は、前記配管13に設けた流量計18の信号が、制御装置7を介して入力され、これらの信号に基づいて開度調整される。
【0022】
また、ガス出荷配管8のバルブV4下流側から液出荷配管10の比較的上流側へ連通配管19を設けて、ここに流量規制用のオリフィス20を介装する。
【0023】
また、液出荷配管10の比較的下流側(バルブV2上流側)から分岐する配管21を設け、この配管21は先端側を更に2つの配管22、23に分岐させる。そして、一方の配管22は、ガス出荷部3へ接続し、他方の配管23は、バルブV12を介装した上で、LNGタンク1の上部に開口させる。
バルブV12は、自動調整バルブであり、前記配管21に設けた流量計24の信号が入力され、この信号に基づいて開度調整される。
【0024】
次に作用を説明する。流路切替用のバルブV3〜V9は、流路切替装置として設けられており、これらの切替えにより、受入モード、及び、保冷モード(第1及び第2保冷モード)が実現される。
【0025】
受入モードは、LNG船2からのLNGをLNGタンク1に受入れるモードであり、バルブV1、V5、V6を開き、バルブV7、V8、V9を閉じる。
従って、LNG船2からのLNGは、ローディングアーム6、バルブV1を経て、受入配管5を通り、バルブV5を経て、タンク1内に流入する。
【0026】
かかる受入れ中に出荷する際は、バルブV3、V4を開くことで、ガス出荷が可能であり、液出荷ポンプ11を運転し、バルブV2を開くことで、液出荷が可能である。すなわち、ガス出荷は、タンク1内のLNGをガス出荷用ポンプ9により吐出して、ガス出荷配管8(バルブV3、V4)を通して、LNG気化器3へ送ることにより可能である。液出荷は、タンク1内のLNGを液出荷用ポンプ11により吐出して、液出荷配管10を通し、バルブV2を介してLNG出荷部4へ送ることにより可能である。
【0027】
保冷モードは、受入時以外の時に、受入配管5を保冷するため、LNGタンク1内のLNGを受入配管5を通流させて後、出荷するモードであり、第1保冷モードと第2保冷モードとがある。
【0028】
第1保冷モードは、受入配管5を通流させる際に、受入時と逆方向に通流させるモードであり、図2により説明する。
第1保冷モードでは、バルブV1、V3、V5、V9を閉じ、バルブV6、V7、V8、V4を開く。
【0029】
従って、LNGタンク1内のLNGは、ガス出荷用ポンプ9により吐出され、配管12のバルブV6、V7を通って、受入配管5へ流入し、受入時とは逆方向に流れて、受入配管5を冷却する。その後、LNGは、バルブV8から配管13を通って流れ、バルブV4からガス出荷配管8に流入し、ガス出荷部3へ連続供給される。
【0030】
従って、タンク1へ戻す強制循環方式(クローズドサイクル)に対して、オープンサイクルとして、受入配管5の冷却に用いたLNGをタンク1に戻さず、そのまま出荷することで、入熱を系外に排出できる。これにより、BOGの発生を低減でき、BOG処理設備(BOG圧縮機、BOG加温器など)とそのランニングコストの低減を図ることができる。
【0031】
また、ガス出荷用ポンプ9の運転でガス出荷と保冷運転を直列の流れで同時に兼ねることが可能となることから、ガス出荷のためのポンプ能力と保冷のためのポンプ能力をそれぞれ加算する必要がないので、どちらか大きい方の能力を有すればよく、その分、設備コストとランニングコストの低減を図ることができる。
【0032】
また、排出された入熱はLNGをプレヒートさせた状態で、ガス出荷部3のLNG気化器へ供給されるため、LNGを熱交換器で加温して気化させるLNG気化器への加温用熱エネルギーの節約となり、省エネ効果が期待される。
【0033】
但し、ガス出荷部3での要求出荷流量が少ない場合は、一部のLNGをバルブV10、V11によりタンク1に戻す。
バルブV10は、ポンプ9の保護のため最低流量(ポンプミニマム流量)を確保するためのもので、ポンプ9の吐出側流量を流量計17により監視し、ガス出荷部3側の要求出荷流量がポンプミニマム流量より少ない場合に、バルブV10を開いて余剰LNGをタンク1に戻すことで、ポンプミニマム流量を確保している。
【0034】
バルブV11は、受入配管5の保冷のための最低流量(保冷ミニマム流量)を確保するためのもので、受入配管5を出た保冷用流量を流量計18により監視し、要求出荷流量が保冷ミニマム流量より少ない場合に、バルブV11を開いて余剰LNGをタンク1に戻すことで、保冷ミニマム流量を確保している。この場合、受入配管5の運転圧力の範囲内において配管内に入熱を蓄熱することも可能であるため、タンク1へ戻す保冷ミニマム流量を一時的であれば抑制することができる。例えば受入配管5の圧力計25と温度計26を監視しながら一定期間保冷ミニマム流量を抑制した後に、再びガス出荷部3側の要求出荷流量が所定の流量に回復すればタンク1へ戻す必要はなくなる。
【0035】
LNG出荷部4でのLNG出荷が行われるときは、液出荷用ポンプ11が運転されると共に、バルブV2が開き、液出荷配管10を通じてLNGがLNG出荷部4へ送られる。
【0036】
その一方、LNG出荷部4でのLNG出荷が行われないときは、液出荷配管10を保冷する必要がある。このため、ガス出荷配管8と液出荷配管10とを連通配管19により接続し、ここにオリフィス20を介装してある。
【0037】
これにより、ガス出荷配管8を流れるLNGの一部が連通配管19のオリフィス20を介して液出荷配管10を流れ、液出荷配管10を保冷することができる。そして、液出荷用配管10を冷却したLNGは、配管21、22を経て、ガス出荷部3に供給される。よって、ここでもタンク1への入熱を回避できる。但し、ガス出荷部3側の要求出荷流量が少ない場合、余剰LNGは、バルブV12を経て、配管23により、タンク1に戻される。尚、ここでは、受入配管5の保冷で例示した蓄熱を利用したタンク1への戻り量を一時的に抑制する構成を省略しているが、同様な制御装置を設けることで、バルブV12を制御してタンク1への戻りを抑制させることも可能である。従って、状況に応じて好適な実施形態を選択すればよい。
【0038】
第2保冷モードは、受入配管5を通流させる際に、受入時と同方向に通流させるモードであり、図3により説明する。
第2保冷モードでは、バルブV1、V4、V5、V6を閉じ、バルブV3、V7、V8、V9を開く。
【0039】
従って、LNGタンク1内のLNGは、ガス出荷用ポンプ9により吐出され、ガス出荷配管8のバルブV3を通り、配管13を通って、バルブV8から、受入配管5へ流入し、受入時と同方向に流れて、受入配管5を冷却する。その後、LNGは、配管12のバルブV7を通り、配管14のバルブV9を通って、ガス出荷配管8に流入し、LNG気化器3へ連続供給される。
従って、第2保冷モードでも、受入配管5の冷却に用いたLNGをタンク1に戻さず、そのまま出荷することで、入熱を系外に排出できる。
【0040】
第2保冷モードの場合は、バルブV11がポンプ9の保護のため最低流量(ポンプミニマム流量)を確保するように機能する。すなわち、ポンプ9の吐出側流量を流量計17により監視し、ガス出荷部3側の要求出荷流量がポンプミニマム流量より少ない場合に、バルブV11を開いて余剰LNGをタンク1に戻すことで、ポンプミニマム流量を確保する。
【0041】
また、バルブV10が受入配管5の保冷のための最低流量(保冷ミニマム流量)を確保するように機能する。すなわち、受入配管5に入る保冷用流量を流量計18により監視し、ガス出荷部3側の要求出荷流量が保冷ミニマム流量より少ない場合に、バルブV10を開いて余剰LNGをタンク1に戻すことで、保冷ミニマム流量を確保している。この場合、タンク1へ戻す保冷ミニマム流量の抑制については第1保冷モードと同じである。
【0042】
LNG出荷部4でのLNG出荷が行われないときの、液出荷配管10の保冷については、第1保冷モードと同じである。
【0043】
本実施形態によれば、出荷時のLNGの流れを切替える流路切替装置(流路切替用のバルブV3〜V9)を設け、この流路切替装置が、LNGタンク1内のLNGをガス出荷用ポンプ9により受入配管5を通流させて後、ガス出荷配管8からガス出荷部3へ供給する保冷モードを有する構成とすることにより、(1)タンク1への入熱の低減、(2)保冷用のポンプ負担増の回避、(3)LNGプレヒートといった効果を得ることができる。
【0044】
また、保冷モードでは、受入配管5を通流させる際に、受入時と逆方向に通流させることにより(第1保冷モード)、タンク1から受入配管5に流入させるまでのLNGの経路長を短縮でき、受入配管5に流入するまでの入熱を低減して、保冷効果を向上させることができる。
【0045】
また、保冷モードでは、受入配管5を通流させる際に、受入時と同方向に通流させることにより(第2保冷モード)、タンク1から受入配管5に流入させるまでのLNGの経路長は長くなるものの、流れに逆らうことがないので、受入配管5内に残存しているガスを排出・除去するのが容易となるなどの効果が得られる。
【0046】
また、本実施形態では、保冷モードとして、受入配管5を受入時と逆方向に通流させる第1保冷モードと、受入配管を受入時と同方向に通流させる第2保冷モードとを有し、これらは選択可能であるので、状況に応じて、好適なモードを選択できるという効果が得られる。但し、いずれか一方の保冷モードのみを持つようにしてもよく、このようにすることで配管及びバルブ数、更には制御装置を簡略化できる。
【0047】
また、本実施形態によれば、第1及び第2保冷モードでは、ガス出荷部3側の要求出荷流量が受入配管5の保冷用最低流量より少ない時は、余剰分をLGNタンク1へ戻すことにより、要求出荷量が少ない場合に受入配管5の保冷を優先させることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、第1及び第2保冷モードでは、ガス出荷配管8内のLNGの一部をオリフィス20を介して液出荷配管10を通流させて後、ガス出荷部3へ供給することにより、断続出荷で、非出荷時に入熱を受ける液出荷配管10を保冷でき、かつ連続出荷用とするので、タンク1への入熱を回避できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、第1及び第2保冷モードでは、ガス出荷部3側の要求出荷流量が液出荷配管10の保冷用最低流量より少ない時は、余剰分をLNGタンク1へ戻すことにより、要求出荷量が少ない場合に液出荷配管10の保冷を優先させることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、第1及び第2保冷モードでは、受入配管5と液出荷配管10の運転圧力の範囲内において配管内に入熱を蓄熱することも可能であるため、タンク1へ戻す保冷ミニマム流量を一時的であれば抑制することができる。
【0051】
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1 LNGタンク
2 LNG船
3 ガス出荷部(LNG気化器など)
4 LNG出荷部(ローリー車など)
5 受入配管
6 ローディングアーム
7 制御装置
8 ガス出荷配管
9 ガス出荷用ポンプ
10 液出荷配管
11 液出荷用ポンプ
12〜16 配管
17、18 流量計
19 連通配管
20 オリフィス
21〜23 配管
24 流量計
25 圧力計
26 温度計
V1 受入用のバルブ
V2 液出荷用のバルブ
V3〜V9 流路切替え用のバルブ
V10〜V12 自動調整バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNGを貯留するためのLNGタンクと、LNG船からのLNGの受入時にLNG船からLNGタンクまでLNGを輸送するための受入配管と、LNGタンク内のLNGをガス出荷用ポンプによりガス出荷部へ連続供給するためのガス出荷配管と、を備えるLNG設備において、
出荷時のLNGの流れを切替える流路切替装置を設け、
この流路切替装置は、前記LNGタンク内のLNGを前記ガス出荷用ポンプにより前記受入配管を通流させて後、前記ガス出荷配管から前記ガス出荷部へ供給する保冷モードを有することを特徴とする、LNG設備の保冷システム。
【請求項2】
前記保冷モードでは、前記受入配管を通流させる際に、受入時と逆方向に通流させることを特徴とする請求項1記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項3】
前記保冷モードでは、前記受入配管を通流させる際に、受入時と同方向に通流させることを特徴とする請求項1記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項4】
前記保冷モードとして、前記受入配管を受入時と逆方向に通流させる第1保冷モードと、前記受入配管を受入時と同方向に通流させる第2保冷モードとを有し、これらは選択可能であることを特徴とする請求項1記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項5】
前記保冷モードでは、前記ガス出荷部側の要求出荷流量が前記受入配管の保冷用最低流量より少ない時は、余剰分を前記LNGタンクへ戻すことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項6】
LNGタンク内のLNGを液出荷用ポンプにより断続出荷するための液出荷配管を更に備え、
前記保冷モードでは、前記ガス出荷配管内のLNGの一部をオリフィスを介して前記液出荷配管を通流させて後、前記ガス出荷部へ供給することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項7】
前記保冷モードでは、前記ガス出荷部側の要求出荷流量が前記液出荷配管の保冷用最低流量より少ない時は、余剰分を前記LNGタンクへ戻すことを特徴とする請求項6記載のLNG設備の保冷システム。
【請求項8】
前記余剰分を前記LNGタンクへ戻す制御を、蓄熱により抑制することを特徴とする請求項5又は請求項7記載のLNG設備の保冷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−117574(P2012−117574A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266036(P2010−266036)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】