説明

MRI誘導装置、及び準リアルタイムに該装置を追跡し、該装置の動的可視化を生成することができるMRI誘導介入システム

MRI適合性カテーテルが、反対側に位置する遠位端部及び近位端部を有する細長い可撓性シャフトを備える。ハンドルが、近位端部に取り付けられ、シャフト遠位端部を関節動作させるように構成される、シャフト遠位端部と連通状態にあるアクチュエータを備える。シャフトの遠位端部は、アブレーション先端を備えることができ、MRIスキャナーに電気的に接続されるアブレーション先端に隣接して位置決めされた少なくとも1つのRF追跡コイルを含む。少なくとも1つのRF追跡コイルは、MRI環境に露出されたときに結合を低減する回路に電気的に接続される。各RF追跡コイルは、1回巻〜10回巻のソレノイドコイルであり、約0.25mmと約4mmとの間の、カテーテルの縦方向に沿う長さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRI誘導システムに関し、特に、心房細動(AFIB)を治療するEPシステム等のMRI誘導心臓システムに適することができる。
【0002】
[関連出願]
本願は、2009年6月16日に出願された米国仮特許出願第61/187,323号、2009年6月23日に出願された米国仮特許出願第61/219,638号、及び2009年11月13日に出願された米国仮特許出願第61/261,103号の利益及び優先権を主張するものであり、これらの米国仮特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書にその全体が説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
心拍障害(不整脈)は、心臓の鼓動の仕方を協調させる、心臓に対する電気パルスに機能不全が存在するときに起こる。不整脈中、心臓は、速く鼓動しすぎることもあるし、遅く鼓動しすぎることもるし、又は不規則に鼓動することもある。カテーテルアブレ−ションは、不整脈を治療するための広く用いられる治療であり、患者の血管にカテーテルを通して心臓内にカテーテルを入れることを伴う。いくつかの実施形態では、カテーテル先端を通じて無線周波数(RF)エネルギーを印加し、不整脈を引起す異常な心臓組織を破壊することができる。他の実施形態では、カテーテル先端を、心臓組織を極低温でアブレートするように構成することができる。
【0004】
心臓内でのアブレーション治療中に、カテーテルの配置を誘導することが重要である。従来のアブレーション処理(procedure)は、カテーテルの誘導及び心臓組織のアブレーションを容易にするために、X線及び/又は超音波撮像技術を用いて行われる。従来の心臓EP(電気生理学)システムは、電子解剖学的マップを用いるX線に基づくシステムである。電子解剖学的マップは、感知された電気的活動を示す心臓の仮想表現である。そのようなシステムの例には、カリフォルニア州ダイヤモンドバーのBiosense Webster社からのCarto(登録商標)電子解剖学的マッピングシステム及びミネソタ州セントポールのEndocardial Solutions社からのEnSite NavX(登録商標)システムを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、MRIを用いて、X線に基づくシステムでは提供されない組織の詳細を得ることができ、及び/又は、介入的(診断及び/又は治療)処置に関連する放射線への患者の露出を低減することができるMRI誘導システムが引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、簡略化した形態で概念のうちの抜粋したものを紹介するために設けられ、それらの概念は、以下の詳細な説明で更に述べられることが理解されるべきである。本概要は、本開示の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することも意図していなければ、本発明の範囲を制限することも意図していない。
【0007】
本発明のいくつかの実施の形態では、MRI適合性アブレーションカテーテルが、遠位端部、反対側に位置する近位端部、及び近位端部と遠位端部との間に延在する少なくとも1つの管腔を有する細長い可撓性シャフトを備える。ハンドルが、近位端部に取り付けられ、主本体部、及びシャフト遠位端部と連通するとともにシャフト遠位端部を関節動作させるように構成されるアクチュエータ(例えば、レバー、ピストン、サムスライダー、ノブ等)を含む。いくつかの実施の形態では、アクチュエータは、ハンドル主本体部に対して伸張位置と後退位置との間で可動であるピストンである。ハンドルは、MRIスキャナーと電気的に通信するように構成された電気コネクターインターフェースを含む。
【0008】
シャフトの遠位端部は、アブレーション先端及びアブレーション先端に隣接して位置決めされた少なくとも1つのRF追跡コイルを含み、少なくとも1つのRF追跡コイルは、該少なくとも1つのRF追跡コイルと電気コネクターインターフェースとの間に延在し、該少なくとも1つのRF追跡コイルをMRIスキャナーに電気的に接続するように構成された導電性リード線を含む。導電性リード線は、MRIスキャナーの動作周波数の4分の1波長の奇数高調波(odd harmonic)/奇数倍(odd multiple)を規定するのに十分な長さを有する。また、少なくとも1つのRF追跡コイルは、少なくとも1つのRF追跡コイルがMRI環境に露出されると、結合を低減する回路に電気的に接続される。シャフト遠位端部は、局所的な電気信号又は特性を検出するように構成された少なくとも1つの感知電極及び温度を測定する熱電対を含むこともできる。いくつかの実施の形態では、カテーテルの先端上のアブレーション電極の上流の遠位端にある少なくとも1つのRF追跡コイルは、隣接する離間した関係で一対のRF追跡コイルを備える。
【0009】
各RF追跡コイルは、約1回巻〜10回巻のソレノイドコイルとすることができ、約0.25mmと約4mmとの間のカテーテルの長手方向の長さを有する。いくつかの実施の形態では、各RF追跡コイルは、カテーテルシャフト内に引っ込み、MRI適合性材料の層が、RF追跡コイルを覆い、カテーテルシャフトの外側表面と実質的に同一平面上にある。このMRI適合性材料は、加熱を低減するヒートシンクの機能を果たすことができる。
【0010】
プルワイヤは、シャフト管腔を通って延在することができ、遠位端及び反対側に位置する近位端を有する。例示的なプルワイヤはケブラー(Kevlar)ストリング/ケーブルである。プルワイヤ遠位端はシャフト遠位端部に取り付けられ、プルワイヤ近位端はピストンに取り付けられる。ピストンの移動は、アブレーション処置中にアブレーション先端の位置決めを容易にするために、シャフト遠位端部の関節動作(articulation)を引き起こす。いくつかの実施の形態では、シャフト遠位端部は、該シャフト遠位端部を非関節動作(non-articulated)位置に付勢するように構成されるバイアス部材を含む。
【0011】
いくつかの実施の形態では、シャフト遠位端部は、少なくとも1つの流体出口ポートからカテーテルシャフトの近位端部までカテーテルシャフト管腔を通って長手方向に延在する灌注管腔と流体連通する該少なくとも1つの流体出口ポートを含む。灌注管腔は、カテーテルシャフトの近位端部の流体/溶液源と流体連通する。
【0012】
本発明のいくつかの実施の形態では、MRI適合性マッピングカテーテルが、遠位端部、反対側に位置する近位端部、及び近位端部と遠位端部との間に延在する少なくとも1つの管腔を有する細長い可撓性シャフトを含む。複数の感知電極が、シャフト遠位端部において離間した関係で配列され、少なくとも1つのRF追跡コイルは、シャフト遠位端部に位置決めされ、少なくとも1つのRF追跡コイルは、少なくとも1つの追跡コイルをMRIスキャナーに電気的に接続するように構成された導電性リード線を含み、導電性リード線は、MRIスキャナーの動作周波数の4分の1波長の奇数高調波/奇数倍を規定するのに十分な長さを有する。近位端部に取り付けられたハンドル及びハンドルに取り付けられたアクチュエータは、シャフト遠位端部と連通する。アクチュエータの作動は、シャフト遠位端部の関節動作を引き起こす。
【0013】
各RF追跡コイルは、約1回巻〜10回巻のソレノイドコイルとすることができ、約0.25mmと約4mmとの間のカテーテルの長手方向の長さを有する。いくつかの実施の形態では、各RF追跡コイルは、カテーテルシャフト内に引っ込み、MRI適合性材料の層が、RF追跡コイルを覆い、カテーテルシャフトの外側表面と実質的に同一平面上にある。
【0014】
プルワイヤは、シャフト管腔を通って延在することができ、遠位端及び反対側に位置する近位端を有する。プルワイヤ遠位端はシャフト遠位端部に取り付けられ、プルワイヤ近位端はピストンに取り付けられる。ピストンの移動は、アブレーション処置中にアブレーション先端の位置決めを容易にするために、シャフト遠位端部の関節動作を引き起こす。いくつかの実施の形態では、シャフト遠位端部は、シャフト遠位端部を非関節動作位置に付勢するように構成されるバイアス部材を含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施の形態によれば、MRI誘導介入システムが、上述したアブレーションカテーテル及びマッピングカテーテル等の蛇行状で及び/又は自然の管腔経路を介して患者に導入されるように構成された少なくとも1つのカテーテルを備える。該少なくとも1つのカテーテルは、遠位端部、反対側に位置する近位端部を有する細長い可撓性シャフトと、MRIスキャナーのチャネルに接続された少なくとも1つのRF追跡コイルとを有する。回路が、MRIスキャナーと通信し及び/又はMRIスキャナー内に存在するようになっており、(a)座標系を有する3D MRI画像空間に関連付けられた関連の解剖学的スキャン平面を用いて外科処置中に、MR画像データを取得し、患者の標的解剖学的構造の一連の準リアルタイム(RT)MRI画像を生成し、(b)3D MRI画像空間の座標系を用いて、少なくとも1つのカテーテルの少なくとも遠位端部の位置に関連する座標を識別し、(c)標的患者解剖学的構造のRT画像データ及び患者の標的解剖学的構造の事前に取得されてレジストレーションされた第1の体積モデルを用いて3D画像空間内での少なくとも1つのカテーテルの準RTインタラクティブ可視化をレンダリングするように構成され、回路は、可視化において物理的表現で少なくとも1つのカテーテルを示す。
【0016】
回路と通信するユーザインターフェースを有するディスプレイが、MRI誘導介入処置中に可視化を表示するように構成される。ユーザインターフェースは、標的解剖学的組織の準RT画像だけを含むか、解剖学的組織の準RT画像及び解剖学的構造のレジストレーションされたモデルを含むか、又は解剖学的構造のレジストレーションされたモデルだけを含むように、ユ−ザが(a)可視化を回転させ、(b)表示される可視化を変更することを可能にするように構成される。MRIスキャナーは、少なくとも1つの追跡コイルからの追跡信号の信号取得を、準RT MRI画像の画像データとインターリーブするように構成され、回路は、MR画像データを得るために用いられるスキャン平面から独立した3D画像空間内で少なくとも1つのカテーテルを電子的に追跡するように構成され、それにより、少なくとも1つのカテーテルは、少なくとも1つの準RT MRI画像のMR画像データを得るために用いられる関連の解剖学的スキャン平面のいずれにもある必要がなく、少なくとも1つのカテーテルの遠位端部は曲線形状をとることができる。また、回路は、3次元画像空間内で少なくとも1つのカテーテルの先端位置に近接する装置−組織界面を計算するように構成され、回路は、装置−組織界面を規定するために、先端を超えて、規定された距離を軸方向に前に投影するように構成され、計算される組織界面位置は、少なくとも1つのカテーテルを使用する処置中に、及び/又は、該処置に時間的に近接して、MR画像データを得るために用いられる少なくとも1つのスキャン平面を自動的に規定するために用いられる。
【0017】
一実施の形態に関して説明される態様は、これに関連して特に説明されないが、異なる実施の形態に組み込むことができることに留意されたい。すなわち、全ての実施の形態及び/又は任意の実施の形態の特徴は、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、それに応じて、出願当初の請求項を変更する権利又は任意の新たな請求項を出願する権利を保有し、この権利には、出願当初の任意の請求項を、他の任意の請求項に従属させ、及び/又は、他の任意の請求項の任意の特徴を組み込むように、出願当初はそのように特許請求されていない場合であっても補正できる権利が含まれる。本発明のこれらの目的及び/又は態様並びに他の目的及び/又は態様について、以下に記される明細書において詳細に説明する。
【0018】
本明細書の一部を成す添付図面は、いくつかの例示的な実施形態を示す。図面及び説明はともに、例示的な実施形態を完全に説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態による準RT MRIデータを用いる装置組織界面を示すように構成されたMRI誘導システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態によるスキャナーチャネルに電気的に接続された追跡コイルを有する体内装置の概略図である。
【図3】本発明の実施形態によるワークステーション及びディスプレイを有するMRIシステムの概略図である。
【図4】本発明の実施形態による例示的な追跡コイル調整回路の回路図である。
【図5A】本発明の実施形態による体内可撓性医療装置の物理的表現を有する例示的なインタラクティブ視覚化の検討される画面ショットである。
【図5B】本発明の実施形態による体内可撓性医療装置の物理的表現を有する例示的なインタラクティブ視覚化の検討される画面ショットである。
【図5C】本発明の実施形態による体内可撓性医療装置の物理的表現を有する例示的なインタラクティブ視覚化の検討される画面ショットである。
【図5D】本発明の実施形態による体内可撓性医療装置の物理的表現を有する例示的なインタラクティブ視覚化の検討される画面ショットである。
【図6】本発明の実施形態による、一方はインタラクティブ視覚化を示し、他方は少なくとも1つの関連の準RT MRI画像を示す2つの表示ウィンドウを有するディスプレイの概略図である。
【図7】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図8】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図9】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図10】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図11】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図12】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図13】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図14】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図15】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図16】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図17】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図18】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図19】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図20】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図21】本発明の実施形態による、ディスプレイ上の例示的な視覚化及び画像、並びにMRI誘導処置を容易にするために生成することができるUI制御の検討される画面ショットである。
【図22A】本発明の実施形態による、物理的表現としてレンダリングされた体内装置(例えば、アブレーションカテーテル)及びMRI画像がクローズアップされた、体内装置の例示的な(検討される)画面ショットである。
【図22B】本発明の実施形態による、物理的表現としてレンダリングされた体内装置(例えば、アブレーションカテーテル)及びMRI画像がクローズアップされた、体内装置の例示的な(検討される)画面ショットである。
【図23】本発明の実施形態による、体内装置の誘導及び/又は位置決めに役立つように用いることができるナビゲーション表示を示す例示的な(検討される)画面ショットである。
【図24A】本発明の実施形態による、体内装置の誘導及び/又は位置決めに役立つように用いることができるナビゲーション表示を示す例示的な(検討される)画面ショットである。
【図24B】本発明の実施形態による、体内装置の誘導及び/又は位置決めに役立つように用いることができるナビゲーション表示を示す例示的な(検討される)画面ショットである。
【図24C】本発明の実施形態による、体内装置の誘導及び/又は位置決めに役立つように用いることができるナビゲーション表示を示す例示的な(検討される)画面ショットである。
【図24D】本発明の実施形態による、体内装置の誘導及び/又は位置決めに役立つように用いることができるナビゲーション表示を示す例示的な(検討される)画面ショットである。
【図25】本発明の実施形態による、臨床的な判断に役立つことができる情報を提供することができる患者データ及び標的となる(臨床的に識別された)治療ゾーンを示す追加の更なる例示的な(検討される)画面ショットである。
【図26】本発明の実施形態による、臨床的な判断に役立つことができる情報を提供することができる患者データ及び標的となる(臨床的に識別された)治療ゾーンを示す追加の更なる例示的な(検討される)画面ショットである。
【図27】本発明の実施形態による、臨床的な判断を行うのに役立つことができる情報を提供することができる患者データ及び標的となる(臨床的に識別された)治療ゾーンを示す追加の更なる例示的な(検討される)画面ショットである。
【図28】本発明の実施形態による、臨床的な判断を行うのに役立つことができる情報を提供することができる患者データ及び標的となる(臨床的に識別された)治療ゾーンを示す追加の更なる例示的な(検討される)画面ショットである。
【図29】本発明の実施形態によるMRI介入スイートの概略図である。
【図30】本発明の実施形態によるデータ処理回路又はデータ処理システムの概略図である。
【図31】本発明のいくつかの実施形態による例示的なアブレーションカテーテルの斜視図である。
【図32A】図31のアブレーションカテーテルの遠位端部の部分斜視図である。
【図32B】本発明のいくつかの実施形態による、関節構成にある図31のアブレーションカテーテルの遠位端部を示す図である。
【図33】本発明のいくつかの実施形態による図31のアブレーションカテーテルの先端部分の拡大部分斜視図である。
【図34】線34−34に沿った図31のアブレーションカテーテルの先端部分の断面図である。
【図35】本発明のいくつかの実施形態による図31のアブレーションカテーテルの遠位端部の側面図である。
【図36】図35のアブレーションカテーテルの先端部の拡大部分図である。
【図37】線37−37に沿った図35のアブレーションカテーテルの断面図である。
【図38】線38−38に沿った図35のアブレーションカテーテルの断面図である。
【図39】線39−39に沿った図38のアブレーションカテーテルの断面図である。
【図40】図39の断面図と同じ位置の図38のアブレーションカテーテルの断面図であり、本発明のいくつかの実施形態による先端アセンブリの内部で利用可能な自由空間の例示的な内径を示す断面図である。
【図41】図37の断面図と同じ位置の図35のアブレーションカテーテルの断面図であり、本発明のいくつかの実施形態によるカテーテルシャフト管腔の内部の例示的な内径及びワイヤ/構成要素を示す断面図である。
【図42】本発明のいくつかの実施形態によるカテーテルシャフト管腔の内部に配置することができる例示的な数のワイヤを示す、図35のアブレーションカテーテルの断面図である。
【図43】本発明のいくつかの実施形態による、カバーが除去された状態の、図31のアブレーションカテーテルの近位端のハンドルの斜視図である。
【図44】図43のハンドルの分解斜視図である。
【図45】組立てられた構成にある図44のハンドルを示す図である。
【図46】本発明のいくつかの実施形態による図31のアブレーションカテーテルで利用される例示的な追跡コイル回路の略図である。
【図47A】図46のRF追跡コイル回路がそれぞれの複数のRF追跡コイルとともに利用されていない3.0T MRI環境における図31のアブレーションカテーテルのMRI画像である。
【図47B】Z方向における図47AのMRI画像のMRI信号強度を示す図である。
【図47C】X方向における図47AのMRI画像のMRI信号強度を示す図である。
【図48A】本発明のいくつかの実施形態による、図46のRF追跡コイル回路がそれぞれの複数のRF追跡コイルとともに利用されている3.0T MRI環境における図31のアブレーションカテーテルのMRI画像である。
【図48B】Z方向における図48AのMRI画像のMRI信号強度を示す図である。
【図48C】X方向における図48AのMRI画像のMRI信号強度を示す図である。
【図49】本発明のいくつかの実施形態による、PINダイオードによって1つの端で短絡された3λ/4同軸ケーブルの入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【図50】本発明のいくつかの実施形態によるマッピングカテーテルの遠位端の部分斜視図である。
【図51A】本発明の他の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位端の部分断面図である。
【図51B】図51Aのアブレーションカテーテルの遠位端の部分拡大図である。
【図52A】本発明のいくつかの実施形態によるループカテーテルの遠位端の部分斜視図である。
【図52B】図52Aのループカテーテルの側面図である。
【図52C】図52Aのループカテーテルの端面図である。
【図53】本発明の他の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位端の側面図である。
【図54A】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが2回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのX軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図54B】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが2回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのY軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図54C】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが2回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのZ軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図55A】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが4回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのX軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図55B】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが4回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのY軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図55C】本発明のいくつかの実施形態による、各コイルが4回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについてのZ軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。
【図56】図54A〜図54C及び図55A〜図55Cのカテーテルについての信号対雑音比を比較する表である。
【図57A】本発明のいくつかの実施形態による、端と端を離間した関係で(end-to-end spaced-apart relationship)複数のRFシールドを含む図31の装置のシースの部分側面図である。
【図57B】線57B−57Bに沿った図57Aのシースの断面図である。
【図57C】線57C−57Cに沿った図57Aのシースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
これより、本発明について、本発明の実施形態が示される添付図面を参照して以下においてより十分に説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全で完璧なものになり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。同様の番号が、全体を通して同様の要素を指す。或る実施形態に関して考察するが、一実施形態の特徴又は動作を他の実施形態に適用できることが理解されよう。
【0021】
図面では、線、層、特徴、構成要素、及び/又は領域の厚さは、明確にするために誇張される場合があり、破線(流れ図の回路に示される破線等)は、他に規定のない限り、オプションの特徴又は動作を示す。加えて、動作(又はステップ)の順序は、他に特別に示されない限り、特許請求の範囲内に提示される順序に限定されない。
【0022】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、本発明の限定を意図するものではない。本明細書において用いられる場合、文脈によりその他の場合が明らかに示される場合を除き、数量が特定されていないものは、単数及び複数を包含することを意図される(the singular forms “a”, “an” and “the” are intended to include the plural form as well)。本明細書において用いられる場合、用語「備える、含む(comprise)」及び/又は「備えている、含んでいる(comprising)」が、述べられている特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。本明細書において用いられる場合、用語「及び/又は(and/or)」は、関連付けられて列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」として省略される場合がある。
【0023】
他に規定のない限り、本明細書において用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。一般に用いられる辞書内で定義されるような用語が、本明細書の文脈及び関連する分野での意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において、理想化された、又は過度に形式張った意味で明確に定義される場合を除き、そのような意味で解釈されるべきではないことが更に理解されよう。既知の機能又は構造については、簡潔及び/又は明確にするために詳細に説明しない場合がある。
【0024】
層、領域、又は基板等の特徴が、別の特徴又は要素の「上」にあるものとして参照される場合、その特徴は他の要素の上に直接あることもできるし、介在要素が存在することもできることが理解されよう。これとは対照的に、要素が別の特徴又は要素の「直接上に」あるものとして参照される場合、介在要素は存在しない。特徴又は要素が、別の特徴又は要素に「接続」又は「結合」されたものとして参照される場合、その特徴又は要素は、他の要素に直接接続することもできるし、介在要素が存在することもできることも理解されよう。これとは対照的に、特徴又は要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されたものとして参照される場合、介在要素は存在しない。一実施形態に関して説明されるか又は示されるが、そのように説明されるか又は示される特徴は、他の実施形態に適用することもできる。
【0025】
用語「回路」は、全体がソフトウェアの実施形態、又はソフトウェア態様及びハードウェア態様、特徴、並びに/若しくは構成要素(例えば、説明される或る動作又は方法ステップをプログラム的に指示及び/若しくは実行するための、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)が関連付けられ、内部に埋め込まれ、並びに/又は、ASICにより実行可能な少なくとも1つのプロセッサ及びソフトウェアを含む)を組み合わせた実施形態を指す。回路は、1つ以上の位置に存在することができ、1つの構成要素に統合するか又は分散することができ、例えば、全体的にMRスキャナー制御キャビネット内に存在し、部分的にMRスキャナー制御キャビネット内に存在し、全体的に臨床医ワークステーション等の別個の構成要素若しくはシステム内に存在するが、MRスキャナー電子装置と通信し、及び/又はMRスキャナー電子装置間のインターフェース内に存在し、リモートプロセッサに存在し、そしてこれらの組み合わせに存在することができる。
【0026】
用語「プリセットスキャン平面(preset scan plane)」は、MRI誘導治療処置又は診断処置中に患者の関連の解剖学的組織の位置に関連するものとして、MRIスキャナーが後で使用するために電子的に(プログラム的に)規定されたスキャン平面を指す。プリセットスキャン平面は、3D撮像空間内にその後レジストレーションされるか又は位置合わせされる患者の解剖学的構造の体積モデル又は体積マップに基づいて規定することができ、患者組織の準リアルタイムMR画像データを取得するために用いることができる。実際のプリセットスキャン平面は、通常、対応する関連のスキャン平面の所望の空間位置を選択するために用いられるモデルが、3D撮像空間にレジストレーションされた後に電子的に規定される。
【0027】
用語「マップ」は、用語「モデル」と交換可能に用いられ、患者の標的解剖学的組織の体積レンダリングを指す。用語「組織特徴化(又は特徴)マップ」は、MR画像データを用いて、心臓組織の1つ以上の選択された組織パラメーター、状況、又は挙動を示す、標的解剖学的構造又はその一部分のレンダリングされた体積(通常3D、4D、又は4DMP)視覚化及び/又は画像を指し、例えば、組織特徴化マップは、関心のある組織特徴(複数の場合もあり)の相対的な程度又は度合いを、通常、異なる色、不透明度、及び/又は強度で示すように、標的解剖学的組織、例えば、心臓又はその一部分(例えば、左心房)の少なくとも1つの定義された組織特徴を示す、レンダリングされた部分的又は大域的な解剖学的マップである。特に、組織特徴化マップ又はモデルは、MR画像データではなく心臓の異なる領域の感知された電気活動に基づく電子解剖学的(EA)マップ又はモデルと対比されるべきである。いくつかの実施形態では、電子解剖学的マップ及び/又は組織特徴マップからの組織データを、患者の解剖学的構造(例えば、左心房)の事前に取得されたモデルに対して選択的に(ディスプレイ上で)オンオフ切り替えすることができる。組織特徴マップは、EAモデルとともに含めることができ、及び/又は、2つ以上の組織特徴マップを併合して複合マップにするか若しくは複合マップとして示すこともできるし、重ねて互いに位置合わせして示すこともできる。したがって、視覚化は、別々に示され、互いに重ねられ、及び/又は、複合マップとして統合される一種又は両種の体積組織マップを用いることができる。
【0028】
実際の視覚化は、解剖学的構造のマップが、異なる強度、不透明度、色、テクスチャ等の異なる視覚的特徴で特徴又は電気出力を表すデータとともに、平坦な2D及び/又は3D体積画像に見える2D内にあるように、画面又はディスプレイに示すことができる。4Dマップは、動き(例えば、鼓動する心臓及び/若しくは血流を有する心臓、呼吸している肺、又は他の動いている構造)とともに3Dの解剖学的構造(例えば、心臓)を示すこともできるし、心臓又はその一部分の輪郭の3D解剖学的モデル上に追加の情報を示すこともできる。用語「心臓」は、隣接する血管系、例えば、肺静脈の分岐を含むことができる。
【0029】
用語「4Dマルチパラメトリック視覚化」(4DMP)は、視覚化に示される空間的に符号化又は相関付けられた機能情報を有する4D視覚化画像(例えば、鼓動する心臓の3D画像)を意味する。4DMP視覚化には、fMRIデータ及び/又はツールの3Dモデルに基づいて心臓の空間的に相関付けられた機能データ(例えば、電気データ)を提供するために用いられる1つ若しくは複数のツールを提供することができる。ここでも、3D視覚化、4D視覚化、及び/又は4DMP視覚化は、処置中の患者の単なる単数又は複数のMRI画像ではなく、複数のデータソースを組み合わせて、解剖学的形状とともに空間的に符号化された機能の視覚化を提供することができる、レンダリングされた視覚化である。したがって、視覚化は、解剖学的構造の準RT MRI画像データとともに患者の標的解剖学的組織のレンダリングモデルを含むことができ、該モデルに対して体内の位置に、少なくとも1つの医療装置のレンダリングされた視覚化を有する。図は、視覚化等の画面ショットの予期される例を含むことができ、必ずしも手術システム/ディスプレイの実際の画面ショットを表すものではない。
【0030】
用語「クローズアップ」は、関連付けられた画像が、大域的画像又は通常のナビゲーションビューに対して相対的に拡大されて示され、局所的な組織を示すことを意味する。用語「高分解能」は、画像データが通常の画像データよりも高い分解能で得られることを意味する(通常、より長いスキャン時間を必要とし、及び/又は内部アンテナを用いて、SNRを増大させる)。例えば、局所的な組織のアブレーションビューをナビゲーションビュー内でMRI画像よりも高い分解能で示すことができる。用語「表面(en face)」は、組織の壁(例えば、心筋の壁)を通り、表面に対して実質的に平行な(正接する)ビューを指す。
【0031】
用語「プログラム的に」は、動作又はステップをデジタルシグナルプロセッサ及び/又はコンピュータープログラムコードにより、指示及び/又は実行できることを意味する。同様に、用語「電子的に」は、ステップ又は動作を、手作業で又は単に精神的なステップを用いて実行するのではなく、電子構成要素を用いて自動的に実行できることを意味する。
【0032】
用語「標的アブレーション経路」は、危険な病状/状況(例えば、AFIB)を治療するため、心臓組織内に所望の電気的隔離を作るために選択される所望の傷パターンを示す。標的アブレーション経路は、任意の特定の方向又は順序でたどる必要はない。経路は、1つ以上の連続した又は隣接した傷、又はいくつかの非連続若しくは非隣接の傷を含みうる。傷は、(直線であるか、又は円形若しくは曲線等の曲率を有するかにかかわらず)線形とすることができる。任意の1つの介入処置において、医師は、所望のパターン/絶縁部を生成するために、1つ以上の標的経路を規定することができる。いくつかの実施形態によれば、標的アブレーション経路は、標的アブレーション経路の許容可能な境界上の最大限界(例えば、幅、周囲長等)に関連付けられた関連物理限界を電子的に規定するために用いることができる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、体内医療装置の少なくとも一部分が追跡され、その位置が3D撮像空間(例えば、X、Y、Z座標)内で識別される。ツールの様々な位置追跡手段及び/又は撮像空間へのカテーテルのレジストレーション手段を利用することができる。例えば、体内装置は、視準マーカー(fiducial marker)を含むこともできるし、視準マーカーのアンテナ組み合わせを受けることもできる。用語「視準マーカー」は、電子画像認識、MRI画像データの電子問い合わせ、又は三次元電気信号を用いて識別することができ、3D空間内で位置を規定し、及び/又は特徴若しくは構成要素を見つけるためのマーカーを指す。視準マーカーは、ツールの一部分の幾何学的形状、ツール上若しくはツール内の構成要素、コーティング、又は、能動的若しくは受動的である視準マーカー(複数の場合もある)(例えば、受動の場合、マーカーはMR信号を提供しない)を十分な強度でMRI可視にして、3D空間内のツール及び/若しくはツールの構成要素の位置情報及び/若しくは向き情報を識別する流体充填コーティング(又は異なる種類の視準マーカーの組み合わせ)等であるが、これらに限定されない任意の適した形式で提供することができる。特定の実施形態において更に後述するように、装置は、MRスキャナーにより検出(受信)され、撮像空間の3D座標系内のコイルの各位置、ひいては3D画像空間内でそのような追跡コイルを有する装置を識別するために用いられる信号を生成する、MRIスキャナーに電気的に接続された少なくとも1つの追跡コイルを備える。
【0034】
用語「MRIスキャナー又はMRスキャナー」は、磁気共鳴撮像システムを指すために交換可能に用いられ、磁石と、動作構成要素、例えばRF増幅機と、勾配増幅器と、例えば、パルスシーケンスを方向付け、スキャン平面を選択し、MRデータを得るプロセッサ(プロセッサは制御キャビネット内に保持することができる)を含む動作回路部とを含む。本発明の実施形態は、任意のMRIスキャナーとともに利用することができ、任意のMRIスキャナーには、GE Healthcare:Signa 1.5T/3.0T、Philips Medical Systems:Achieva 1.5T/3.0T、Integra 1.5T、Siemens:MAGNETOM Avanto、MAGNETOM Espree、MAGNETOM Symphony、MAGNETOM Trio、及びMAGNETOM Verioが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
用語「RFセーフ」は、カテーテル及び任意の(導電性)リード線が、RF信号、特にMRIシステムに関連付けられたRF信号に曝された場合、局所的な組織を不注意で過度に加熱するか又は計画された治療を妨害する計画外の電流を誘導せずに、安全に動作するように構成されることを意味する。用語「MRI可視」は、装置がMRI画像内で直接的又は間接的に可視であることを意味する。可視性は、装置の近傍のMRI信号のSNR増大により示すことができる。装置は、MRI受信アンテナとして動作して、局所的な組織から信号を収集することができ、及び/又は、装置は、適した医療等級水性ベースのコーティング、流体(例えば、水性流体)が充填されたチャネル又は内腔等を介して、実際にMRI信号自体を生成する。用語「MRI適合」は、いわゆる構成要素(複数の場合もあり)が、MRI環境内での使用に関して安全であり、したがって、通常、高磁場環境での存在及び/又は動作に適した非強磁性MRI適合性材料(複数の場合もあり)で作製されることを意味する。用語「高磁場」は、約0.5Tを越え、通常は1.0Tを越え、より一般的には約1.5Tと10Tとの間の磁場強度を指す。本発明の実施形態は、1.5Tシステム及び/又は3.0Tシステムに特に適することができる。
【0036】
一般的に言えば、有利なことに、本発明の実施形態によるシステムは、手術空間が撮像空間であり、追跡が、撮像空間にレジストレーションしなければならない別個の追跡システムを用いる必要がないように、撮像空間内で行われるように構成することができる。いくつかの実施形態では、追跡は、同じ3D撮像空間内で実行されるが、可撓性体内医療装置は、MR画像データを得て、局所的な解剖学的組織の画像を生成するために用いられる撮像スキャン平面から独立して追跡され、視覚化内に物理的表現として示される。
【0037】
用語「準リアルタイム」は、低レイテンシ及び高フレームレートの両方を指す。レイテンシは一般に、事象が発生してから、事象が表示されるまでの時間(合計処理時間)として測定される。追跡のために、フレームレートは約100fps(フレーム毎秒)〜撮像フレームレートの範囲をとることができる。いくつかの実施形態では、追跡は、撮像フレームレートで更新される。準「リアルタイム」の撮像の場合、フレームレートは通常、約1fps〜約20fpsであり、いくつかの実施形態では、約3fps〜約7fpsである。病変を撮像する場合、用いられるシーケンスに応じて、新しい画像を約1秒〜7秒毎に生成することができる。「準リアルタイム」であるとみなすために必要な低レイテンシは一般に、約1秒以下である。いくつかの実施形態では、追跡情報のレイテンシは、約0.01秒であり、撮像データとインターリーブする場合には、通常、約0.25秒〜0.5秒である。したがって、追跡に関して、既知の体内装置の位置、向き、及び/又は構成を有する視覚化は、約1fps〜約100fpsの低レイテンシで更新することができる。撮像に関して、準リアルタイムMR画像データを用いた視覚化は、通常、約0.01ms〜約1秒未満という低いレイテンシで、通常、約1fps〜20fpsのフレームレートで提示することができる。システムは、追跡信号及び画像信号データを一緒に用いて、視覚化内に解剖学的組織及び1つ以上の体内装置を準リアルタイムで動的に提示することができる。いくつかの実施形態では、MR画像データが得られ、体内装置(例えば、追跡コイルデータを用いた可撓性カテーテル)を有する、結果の視覚化(複数の場合もあり)及び準RT MR画像(複数の場合もあり)が生成されている間、追跡信号データが得られ、関連付けられた空間座標が求められる。
【0038】
いくつかの実施形態では、MR画像データは、アブレーション中、薬剤又は他の材料の送達中、弁の修復又は交換中、内膜の修復中等の能動的な処置中に得られ、局所的な解剖学的組織の1つ以上の準RT MR画像とともに、この処置に用いられる可撓性体内装置(例えば、カテーテル、ニードル等)を有する結果の視覚化(複数の場合もあり)は、実質的に連続して生成される。いくつかの特定の実施形態では、システムは、心臓組織内に所望の電気的隔離を作る傷パターンの経壁傷(transmural lesion)を配置して、危険な病状/状況(例えば、AFIB)を治療するのに用いられる心臓EPシステムである。アブレーションは、いかなる特定の方向又は順序も辿る必要がない。アブレーションを実行して、1つ以上の連続した又は隣接した傷、及び/又は、いくつかの非連続若しくは非隣接の傷を生成することができる。傷は(直線であるか、又は円形若しくは曲線等の曲率を有するかにかかわらず)線形とすることができる。
【0039】
用語「体内装置」は、例えば、通常、約5フレンチ〜約12フレンチのサイズを有するが、他のサイズも適切とすることができるカテーテル、ニードル(例えば、注入、縫合、及び生検)、鉗子(小型)、メス又は他の切断部材、アブレーション又は刺激プローブ、注入又は他の流体送達カニューラ、マッピングプローブ若しくはマッピングカテーテル又は光学プローブ若しくは光学カテーテル、シース、誘導ワイヤ、ファイバースコープ、拡張器、ハサミ、インプラント材料送達カニューラ又はバレル等を含む任意の診断用医療装置又は治療用医療装置を指すように広く用いられる。
【0040】
用語「追跡部材」は、本明細書で用いられるとき、小型RF追跡コイル、受動マーカー、及び受信アンテナを含む、MRI画像内で見える全ての種類の構成要素を含む。本発明のいくつかの実施形態では、小型RF追跡コイルは、MRIスキャナーのチャネルに接続することができる。MRスキャナーは、追跡コイルのデータ取得を画像データ取得とインターリーブするよう動作するように構成することができる。追跡データは、約10ミリ秒(又はそれ未満)がかかる「追跡シーケンスブロック」において取得される。いくつかの実施形態では、追跡シーケンスブロックは、画像データの各取得間に実行することができる(「撮像シーケンスブロック」)。したがって、追跡コイルの座標は、各画像取得の直前に同じレートで更新することができる。追跡シーケンスは、全ての追跡コイルの座標を同時に与えることができる。したがって、通常、装置の追跡に用いられるコイルの数は、コイルの追跡に要する時間に実質的に影響しない。
【0041】
MRIは、優れた軟部組織コントラスト、任意の断層平面を規定する能力、及び電離放射線露出がないこと等、X線撮像技術に勝るいくつかの異なる利点を有する。さらに、MRIは、1)準リアルタイムインタラクティブ撮像、2)重要な心内膜解剖学的標識点の直接的な可視化、3)卵円窩を含む中隔の直接的な高分解能撮像、4)ニードル先端−組織界面の可視化、5)3次元空間においてニードル位置を能動的に追跡する能力、及び6)放射線露出をなくすこと、を含む経中隔穿刺処置を誘導することに対してMRIを特に適したものにするいくつかの特定の利点を提供する。
【0042】
本発明の実施形態は、MRI環境(例えば、介入医療スイート)内で、いくつかの実施形態では心臓位置を含む、関心のある被検者の任意の所望の内部領域に診断装置又は介入装置を誘導及び/又は配置するように構成することができる。被検者は、動物被験体及び/又は人被検者とすることができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態は、心臓が鼓動している間(すなわち、患者が人工心肺装置を付けて心停止する必要がない)に最小の侵襲性のMRI誘導処置を介して、心臓不整脈を処置するために組織をアブレートし、及び/又は、幹細胞若しくは他の心臓再生細胞若しくは心臓再生生成物を、心臓壁等の心臓組織内に送達するのに用いることができるシステムを提供する。
【0044】
図1は、スキャナー10Sと、装置−組織界面100iにある標的組織100の近傍に体内可撓性医療装置80(例えば、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル等)とを有するMRI介入システム10を示す。システム10は、体内の装置80の3D位置を電子的に追跡し、3D撮像空間に関連付けられた座標系内の装置80の先端部分80t(例えば、アブレーションの先端)の位置を識別し、及び/又は「知る」ように構成することができる。図1に示されるように、装置80は、その遠位端部に複数の離間された追跡部材82を含むことができる。特定の実施形態では、装置80は、アブレーションカテーテルとすることができ、先端80tは、アブレーション電極、アブレーション電極80eを含むことができる(通常、装置の遠位端部に少なくとも1つ)。電極80eは、用いられる場合、感知電極及びアブレーション電極の両方とすることができる。
【0045】
追跡部材82は、小型追跡コイル、受動マーカー、及び/又は受信アンテナを備えることができる。好ましい実施形態では、追跡部材82は、MRIスキャナー10Sのチャネル10chに接続された少なくとも1つの小型追跡コイル82cを含む(図2)。MRスキャナー10Sは、追跡コイル82cのデータ取得を画像データ取得とインターリーブするよう動作するように構成することができる。追跡データは通常、約10ミリ秒(又はそれ未満)がかかる「追跡シーケンスブロック」において取得される。いくつかの実施形態では、追跡シーケンスブロックは、画像データの各取得間に実行することができる(画像データの取得は「撮像シーケンスブロック」と呼ぶことができる)。したがって、追跡コイルの座標は、各画像取得の直前に同じレートで更新することができる。上述したように、追跡シーケンスは、全ての追跡コイルの座標を同時に与えることができる。
【0046】
本発明の実施形態は、MRI誘導処置中に臨床的な判断を容易にするのに役立つことができるとともに、インタラクティブな視覚化100vにおいて臨床医に準リアルタイムの解剖学的画像データを提示することができる新しいプラットフォームを提供する。視覚化100v(図5A〜図5D)は、体内装置80が体内で標的位置に移動する際、ユーザーが表示されている視覚化若しくはビューを回転、クロッピング、若しくは他の形式で変更する際、及び/又は、能動的な治療若しくは診断的な処置工程中、例えば、標的病変部位をアブレートする間、通常約5秒という直列MRI画像データ取得間の最小のレイテンシ時間で、通常、0.001秒〜1秒等の約1秒以下の最小レイテンシ時間で実質的に連続して、動的に生成することができる。システム10は、追跡信号(複数の場合もあり)及び画像信号データを一緒に用いて、装置80(通常、複数の装置)を動的に追跡し、解剖学的組織及び1つ以上の体内装置80の視覚化を準リアルタイムで提示することができる。
【0047】
用語「物理的表現」は、装置が、実際に撮像されるのではなく、視覚化内で物理的な形態でレンダリングされることを意味する。物理的表現は、例えば、少なくとも1つの幾何学的形状、アイコン、及び/又はシンボルを有するグラフィックを含んだ任意の形態とすることができる。物理的表現は、通常、三次元の形態にすることができる。いくつかの特定の実施形態では、物理的表現は、関連付けられた装置の少なくとも一部分(例えば、遠位端部)の物理的な外観及び/又は構成の実際の形状及び構成に実質的に対応する仮想グラフィックによる実質的な複製とすることができる(例えば、図22A、図22B参照)。物理的表現は、装置80の寸法及び構成のアプリオリな知識に基づいて電子的に生成することができる。特定の装置の遠位端部にある先端及び各追跡コイルは、幾何学的形状(同じ又は異なる形状、例えば、先端には矢印及び追跡コイルには球形、枠、又は他の1つ以上の(通常は3Dの)形状)で、それぞれ3D空間内の実際の位置に、そして装置内での相対位置に示すことができ、それぞれは、同じ色又は異なる色であって同じ形状又は異なる形状でレンダリングすることができる。例えば、先端及び近傍の各追跡コイルは、異なる色で示すことができる。
【0048】
用語「蛇行性」は、通常、血管系等の自然の内腔に関連付けられた体内の曲線経路を指す。用語「動的視覚化」は、体内の装置(複数の場合もあり)の移動を示す一連の視覚化を指し、鼓動する心臓又は呼吸サイクル等に基づく移動を示すことができる。
【0049】
用語「事前取得」は、モデルの生成に用いられるデータ又は実際の患者の解剖学的組織のマップが、能動的な治療処置又は診断処置の開始前に得られたことを意味し、同じMRIセッションの直前を含むことができるが、セッション中は含まず、又は処置よりも前の時間(通常、数日又は数週間前)を含むことができる。
【0050】
本発明の実施形態は、体内装置が標的経路(自然の内腔又は腔とすることができる)を通って所定位置に移動する際に異なる非線形構成/形状をとることができるように、通常、自然の内腔及び/又は蛇行路を介して、MRI環境(例えば、介入医療スイート)内で可撓性体内診断装置及び/又は可撓性体内介入装置を被験者の関心のある任意の所望の内部領域に誘導及び/又は配置するように構成することができる。被験者は動物被験体及び/又は人間被験者とすることができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態は、心臓が鼓動している間(すなわち、患者が人工心肺装置を付けて心停止する必要がない)の最小の侵襲性のMRI誘導処置を介した、心臓不整脈の治療のための組織のアブレーションの容易化、心臓弁の修復若しくは交換、血管系の修復、洗浄、若しくは清掃、及び/若しくはステントの配置、並びに/又は、幹細胞、他の心臓再生細胞、若しくは、心臓再生生成物の、心臓壁等の心臓組織への送達に用いることができるシステムを提供する。心臓処置は、心臓の内部又は心臓の外部から行うことができる。システムは、治療薬を送達するため、又は例えば、脳、胃腸系、泌尿生殖器(genourinary)系、脊椎(中心管、クモ膜下腔、若しくは他の領域)、血管系、又は他の体内位置を含む任意の体内位置に別の処置又は診断の評価を行うことにも適することができる。例示的な標的領域の追加の考察を本文書の末尾に見出すことができる。
【0052】
システム10及び/又は回路60c(図2及び図3)は、装置80の寸法及び挙動についてのアプリオリな情報(例えば、操縦可能な装置の場合、或るプルワイヤの伸長又は収縮が存在する場合に予想される曲率量、さまざまなコイル82から先端までの距離等)に基づいて、装置の先端80tの位置並びに可撓性装置の形状及び向きを計算することができる。装置80の既知の情報を用いて、追跡信号はMR画像データと同じX、Y、Z座標系に空間的に関連付けられるため、回路60cは、解剖学的組織の準RT MR画像とともに、装置80の遠位端部の位置の物理的表現を示す視覚化を高速で生成することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、MRIスキャナー10S内にあり(図2)、及び/又はスキャナー10Sと通信する(図3)回路60cがMR画像データを取得する間、追跡信号データが得られ、関連付けられた空間座標が特定される。逆の動作を用いることもできる。次に、回路60cは、結果の視覚化(複数の場合もあり)100v(例えば、図5A〜図5D参照)を高速でレンダリングすることができ、可撓性装置(複数の場合もあり)80は、関連付けられた追跡コイルデータ及び準RT MR画像(複数の場合もあり)を用いて識別された3D撮像空間内の装置の空間座標に基づく物理的表現を用いて示される。
【0054】
回路60cは、MRスキャナー10S(例えば、制御キャビネット)に完全に統合することもできるし、MRスキャナー10Sに部分的に統合することもできるし、MRスキャナー10Sと別個であるが、MRスキャナー10Sと通信することもできる。MRスキャナー10Sに完全には統合されない場合、回路60cは、部分的又は完全に、ワークステーション60並びに/又はリモートの若しくは他のローカルなプロセッサ(複数の場合もあり)及び/若しくはASICに存在することができる。図3は、臨床医ワークステーション60がインターフェース44を介してMRスキャナー10Sと通信することができることを示す。同様に、磁石室内の装置80を、オプションとしてパッチパネル250に統合することができるインターフェースボックス86を介して、MRスキャナー10Sに接続することができる。
【0055】
図2及び図3に示されるように、例えば、システム10は、回路60c及び/又はスキャナー10Sと通信する少なくとも1つの(インタラクティブ)ディスプレイ20を含むことができる。ディスプレイ20は、インタラクティブ視覚化100vを表示するように構成することができる。視覚化100vは、表示される準リアルタイムMRI画像により示される体内解剖学的構造に対する装置80の移動を動的に示すことができる。
【0056】
システム10は、ディスプレイ20と通信する、グラフィックUI(GUI)等のいくつかのUI制御(25c)(図7)を有するユーザーインターフェース(UI)25を含むことができ、ユーザーが、視覚化100v内及び/又は視覚化100vとともに表示することができる異なる組織特徴化マップ及び/又はオプションのEAマップ(若しくはそれらのマップからのデータ)を含む、標的組織の事前取得されるか又はその場で(in situ)生成される1つ以上のマップ及び/又は画像30の表示を選択することができるようにするよう構成することができる。例えば、システム10は、ユーザーが、事前取得された画像データ(セグメント化MRA(segmented MRA:磁気共鳴血管造影法)又は他の画像スライス)に基づいて、患者の血管系及び/又は線維組織のマップを、該マップ又はマップからのデータが視覚化内のモデル100Mの少なくとも1つにレジストレーションされて重ねられている状態又は組み込まれた状態で表示するように選択することができるようにするよう構成することができ、ユーザーにより選択的にオンまたはオフにすることができる。この情報は、臨床医が治療部位を選択するか、又は治療部位を避けるか、又はその他の方法で臨床的な判断に影響を及ぼすのに役立つことができる。例えば、心臓用途の場合、比較的大きな血流を有する血管系が、心臓組織内の標的病変に示される場合、及び/又は、線維組織が示される場合、臨床医は、別のスポットを選ぶか、又はより長くアブレートして、経壁傷を形成することができる。表示オプションの更なる例について、更に後述する。
【0057】
いくつかの実施形態では、システム/回路は、非選択的な彩度のインタラクティブな適用を利用して、準リアルタイムのスキャンで造影剤の存在を示すことができる。このオプションは、例えば、創傷領域を縁取る標的組織への画像誘導カテーテルナビゲーション中に役立つことができる。例えば、特に、(準)リアルタイムスキャンでの遅延増強効果の領域を示すために用いられる撮像技法を説明している、Dick他「Real Time MRI enables targeted injection of labeled stem cells to the border of recent porcine myocardial infarction based on functional and tissue characteristics」(Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 11, p. 365(2003)); Guttman他「Imaging of Myocardial Infarction for Diagnosis and Intervention Using Real-Time Interactive MRI Without ECG-Gating or Breath-Holding」(Mag. Reson. Med, 52: 354-361(2004))、並びにDick及びGuttman他「Magnetic Resonance Fluoroscopy Allows Targeted Delivery of Mesenchymal Stem Cells to Infarct Borders in Swine」( Circulation, 2003; 108:2899-2904)を参照されたい。これらの文献は、その内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【0058】
図2は、装置80が、各追跡コイル82cをMRスキャナー10Sのチャネル10chに接続する、同軸ケーブル等の少なくとも1つの導体81を含むことができることを示す。MRスキャナー10Sは、少なくとも16個の別個のチャネルを含むことができ、通常、より多数のチャネルを含むが、より少数でも同様に動作することができる。各装置80は、約1個〜10個の追跡コイル、通常は約1個〜4個を含むことができる。特定の装置80上のコイル82cは、異なる巻数、隣接するコイル82cとの異なる寸法間隔(2個以上のコイルが用いられる場合)、及び/又は他の構成で配置することができる。回路60cは、既知の形状及び/若しくは幾何学的形状、又は予測可能な若しくは既知の変更可能(偏向可能)な形状若しくは形態(例えば、偏向可能な端部)を有する既知の装置上での追跡コイルの互いに対する位置/ポジションに基づいて、装置レンダリングを生成するように構成することができる。回路は、物理的な装置のCAD(コンピューター支援設計)モデルからのデータに基づいて、レンダリングのために装置の実際の形状及び向きを識別又は計算することができる。回路は、身体により、若しくは内部構成要素若しくは外部構成要素により、装置に対して加えられた力、並びに/又は3D画像空間内の異なる追跡コイルのポジション及び既知の相対(寸法)間隔に基づいて、既知又は予測可能な形状挙動に関するデータを含むことができる。
【0059】
図3に示されるように、ディスプレイ20は、MRIスキャナー10Sと通信する臨床医ワークステーション60内に設けることもできるし、該臨床医ワークステーション60に関連付けることもできる。他のディスプレイを設けることもできる。MRIスキャナー10Sは通常、遮蔽室内の磁石15及び磁石室内の電子装置と通信する制御室内の制御キャビネット11(及び他の構成要素)を含む。MRIスキャナー10Sは、当業者に既知の任意のMRIスキャナーとすることができる。
【0060】
追跡コイル82cはそれぞれ、空間座標のより高速のシステム識別のために、追跡信号の安定化に役立つことができる調整回路を含むことができる。図4は、追跡コイル82cに特に適することができる調整回路83の例を示す。示されるように、CON1は同軸ケーブル81を装置80の遠位端部上の追跡コイル82cに接続し、その一方で、J1はMRスキャナーチャネル10chに接続する。スキャナー10Sは、DCバイアスを回路83に送信し、U1ダイオードを「オン」に調整して、電気短絡を生み出し、電気短絡は追跡コイル上で高インピーダンス(開回路)を生み出して、追跡コイル上の電流を回避し、及び/又は、よりよい追跡信号(安定性)を生み出す。調整回路は、50オーム整合回路(スキャナー周波数への狭帯域)を有し、ケーブルを各MRスキャナーチャネルに電気的に接続するように構成することができる。ダイオードU1が開いている場合、追跡コイルデータをMRスキャナー受信機チャネル10chに送信することができる。C1コンデンサ及びC2コンデンサは、大きなDC遮断コンデンサである。C4はオプションであるが、構成要素のばらつき(許容差)を考慮するように微調整(通常、約2ピコファラド〜12ピコファラド)を可能にすることができる。他の調整回路及び/又は追跡信号安定化構成を用いることができると考えられる。調整回路83は、体内装置80内(ハンドル(例えば、図31の440)又は他の外部等)、コイル82cを各MRIスキャナーチャネル10chに接続するコネクター内、スキャナー10S内、インターフェースボックス86内(図2)、パッチパネル250に存在することができ、及び/又は、回路83は、これらの構成要素若しくは他の構成要素のうちの2つ以上に分散させることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、各追跡コイル82cは、MRIスキャナー10Sの動作周波数における1/4波長の規定された奇数高調波/倍数、例えば、3.0T MRIスキャナーの場合、約123.3MHzでλ/4、3λ/4、5λ/4、7λ/4を規定するのに十分な近位回路基板(調整回路及び/又は減結合/整合回路を保持することができる)を介したダイオードまでの長さを有する同軸ケーブル81に接続することができる。この長さは、より精密でスピーディな局所化のために、追跡信号の安定化に役立つこともできる。調整RFコイルは、通常、約1mm以下の範囲内の精密な局所化のために、安定した追跡信号を提供することができる。複数(例えば、密に離間された2個)の隣接する追跡コイルが、実質的に剛性の材料上に固定される場合、調整RF追跡コイル82は、対応する追跡ポジション信号に対して実質的に一定の空間差を提供することができる。
【0062】
システム10内で用いられる追跡シーケンスは、読み取り方向に対して垂直な信号の位相を意図的にずらして、1)大きな物体及び2)追跡コイルに結合する、カテーテルの他の信号敏感部分(例えば、カテーテルの軸に沿った同軸ケーブル)により感知された領域、からの不要な信号を減衰させることができる。これは、追跡コイルのポジションを示す鋭いピークのみを残す傾向を有する。
【0063】
追跡シーケンスブロックは、小フリップ角励起の複数(通常、約3回)の繰り返しを含むことができ、又はそれらの複数の繰り返しからなることができる。各繰り返しは、追跡コイル座標のx成分、y成分、又はz成分を連続して示すように設計される。周波数符号化が、x方向に沿って用いられてx座標が得られ、y方向に沿って用いられてy座標が得られ、z方向に沿って用いられてz座標が得られる。周波数符号化がx方向の場合、その他の2つの方向(y及びz)は、空間的に符号化されず、全ての励起領域からそれらの方向において投影(空間的に積分された)信号を生成する。勾配の位相をずらすことで、これらの投影に含まれる不要な信号の減衰が試みられる。追跡シーケンスブロックが完了すると、スポイラー勾配を用いて、撮像シーケンスブロックを実行する前に、追跡からの残りのあらゆる横断信号(transverse signal)の位相をずらすことができる。
【0064】
撮像シーケンスブロックは、加速率に応じて、単一スライスの画像の再構築に用いられるデータの一部分を取得する。加速率が1の場合、画像の全てのデータが収集される。加速率が2の場合、半分が収集される等である。複数のスライスがアクティベートされる場合、連続した各撮像ブロックは、ラウンドロビン形式で次のスライスのデータを収集する。任意の磁化準備(例えば、飽和パルス)がアクティベートされる場合、これらは、追跡シーケンスブロック後、撮像シーケンスブロックの直前に実行される。
【0065】
追跡手段及びアブレーションカテーテルの更なる考察を米国特許第6,701,176号及び米国仮特許出願第61/261,103号に見出すことができ、これらの特許及び出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。例示的なアブレーションカテーテルについて、更に後述する。
【0066】
これより、体内装置80の物理的表現80R、標的とする解剖学的構造の体積モデル100M、及び準リアルタイムMRI画像100MRIを有する視覚化100vの例である図5A〜図5D及び図6を参照する。回路60c/スキャナー10Sは、視覚化100v内に、患者の標的解剖学的組織(心臓として示される)100Mの少なくとも一部分の3D体積モデルを、該モデルが3D撮像空間にレジストレーションされた状態で、撮像空間内の少なくとも1つの体内装置80Rの少なくとも遠位端部の物理的表現とともに提示するように構成される。オプションとして、視覚化を実行して、追跡コイルの識別された位置及び定義されたフォームファクター並びに/又は装置上の実際のコイル配置に関する寸法データを用いて、異なる色で医療装置の遠位端部の物理的表現内に追跡コイルを示すことができる。
【0067】
回路60cは、通常、互いに対して斜めであるか、又は直交し、可視化100vの少なくとも主要部分を通って延びる少なくとも2つの視覚基準平面41、42(第3の交差する平面43とともに示される)を有する視覚化100vを生成するように構成することができる。平面41、42(及び43)は、透明及び/又は半透明とすることができる。これらの平面は、各二次元画像スライスに対応する異なる色の外周で示すことができる(類似の色又は同じ色の外周を有するサムネイルとしてディスプレイ上に表示することもできる)。
【0068】
平面41、42は、撮像空間内で互いに対して移動することもできるし、一緒にロックすることもでき、いずれの場合も、平面41、42は、撮像空間内でモデル100Mに対して移動するように構成することができる。図5A〜図5Dに示されるように、ユーザーは、視覚化100vを回転させズームすることができ、ディスプレイに示される視覚化は自動的に調整される。これもまた示されるように、可撓性装置80は、視覚化内の少なくとも1つの準RT MRI画像100MRIのMRデータを得るために用いられる関連の解剖学的スキャン平面のいずれにも必要ではなく、可撓性装置80の遠位端部80dは曲線形状をとることができ、先端80tは異なる標的ポジションに操縦又は誘導することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、図5Dに示されるように、回路60cは、少なくとも1つの装置80の先端位置を矢印82aと関連付け、遠位端部80dにある各追跡コイル82が色を有する形状82sを有し、各追跡コイル82が他の追跡コイルと異なる色をそれぞれ有し、線又はスプライン82lが先端82aとコイル82cとを結び、線82lが屈曲し、湾曲し、移動して、視覚化100v内で装置80の移動を反映できるように、視覚化をレンダリングするように構成される。システム/回路は、MRスキャナー追跡コイルチャネルからの追跡コイルデータを用いて生成されるカラー強調表示された画像を表示して、装置(例えば、カテーテル)の物理的表現の3Dレンダリング内でカラー強調表示された特徴としてコイルを表示するように構成することができる。
【0070】
図6は、一方の表示ウィンドウ20w内にはインタラクティブ視覚化100v及びMRI画像の双方を示し、第2の表示ウィンドウ20w内にはMRI画像100MRIのみを示すようにシステム10を構成できることを示す。第2のウィンドウ20w内のMRI画像100MRIは通常、第1の表示ウィンドウ20w内のインタラクティブ視覚化100v内でユーザーにより識別される標的解剖学的組織の位置に関連付けられる。
【0071】
図7に示されるように、ディスプレイ20は、医師又は他の臨床医が、標的組織の準リアルタイムのMR画像100MRIを、標的解剖学的構造のモデル100Mとともに示す(図7)か、及び/又は、別個の表示ウィンドウ内に示す(図6、図13〜図16)かを選択することができるようにするよう構成することができるUI25を有することができる。回路60は、UI25を用いて少なくとも1つのディスプレイ20と通信する。
【0072】
UI25は、ユーザーが、解剖学的組織の準RT画像のみを含むように、解剖学的組織の準RT画像及び心臓のレジストレーションされたモデルを含むように、又はレジストレーションされたモデルのみを含むように、表示されている視覚化を変更(フェード)できるようにするように構成することができ、例えば、視覚化100v内に両種の画像を示す図7を、モデル100Mのみを示す図9とともに参照されたい。UI25は、これらのオプションのオン/オフ選択とすることができ、又は1つの表示オプションから別の表示オプションに「フェード」することができる。示されるように、視覚スライド制御25cにより、ユーザーは、((準)RT MRI100MRIからモデル100Mのみに)示されるものを変更することができる。
【0073】
回路60cは、MR画像空間内における装置位置を示すMRI画像を生成するように構成することもできる。UI25は、ユーザーが、位置を確認するため、又は追加の視覚的入力のために、装置のレンダリングビュー対装置の実際の画像を有する視覚化に入るか又は該視覚化から抜けるように装置80のレンダリングをオフにし、及び/又は、フェードすることができるようにするよう構成することもできる。装置は、MR画像内での視覚的認識を容易にするように、他の視準マーカー(例えば、受信アンテナ等の受動マーカー又は能動マーカー)を含みうる。
【0074】
UI25は、通常、臨床医/医師が、画面の関心のある領域にカーソルを配置するか、又はタッチすることにより、マップ100M内の関心のある領域を選択することができるようにするタッチスクリーン入力制御を含むことができる複数のGUI制御25cを含む。これは、システムに、その領域のリアルタイムのMR画像データを取得させ、ディスプレイ上に関連付けられた画像を提供させ、及び/又は、空間内のその位置においてスキャン平面(事前設定スキャン平面とすることができる)を規定させることができる。
【0075】
図7を再び参照すると、例えば、ディスプレイ20は、複数のユーザー選択可能な異なるマップ30を提供するUI25と通信することができ、それにより、マップ又はマップからのデータを、撮像空間にレジストレーションされた表示されている3D解剖学的マップから「オンオフ切り替え」することができる。異なるマップは、撮像空間にレジストレーションされる、患者特有の3D(体積)解剖学的マップ及び/又は3D解剖学的マップに示すことができるデータを含むことができる。組織特徴化マップの場合、マップは、上述したように、内部に組み込まれたMR画像データからとられる空間的に相関付けられた組織特徴化データを含む。UI25は、異なる機能及び/又は動作のために複数の異なるGUI制御25cを含むことができる。GUI制御25cは、トグル、一方向に引く方向感度を有するタッチスクリーン、又は他のグラフィック若しくは物理的な入力とすることもできる。
【0076】
ユーザー選択可能な患者固有マップ30は、複数の組織マップを含み、通常は、閲覧のためにユーザーが選択することができる、処置に関連付けられた少なくとも1つ、より一般的にはいくつかの種類の組織特徴化マップ(又はレジストレーションされた解剖学的モデルに示される、そのようなマップに関連付けられたデータ)を含む。UI25は、ユーザーが組織特徴マップのうちの2つ以上を選択し、そのようなデータを一緒に(重ねられ、レジストレーションされ、及び/又は、複合画像/マップとして)表示するか、又は別個に表示することができるようにするGUI制御も含みうる。示されるように、マップ30及び/又はマップ30からのデータは、少なくとも複数の以下のユーザー選択可能データを含みうる:
(a)一領域での組織情報、例えば、実際の傷パターンを示し、局所的なアブレーション情報(LA(左心房)、PV(肺静脈)等)を臨床医が閲覧できるようにする局所評価スキャンマップ32r(図17)及び/又は大域評価スキャンマップ32g(図13)、
(b)事前処置MRI心臓スキャン34(図7)、
(c)第1の時点(処置の1週間前又は直前等)で撮影されたDHE1(遅延超増強効果(Delayed Hyper Enhancement))組織特徴化マップ35a(図28)、
(d)潜在的に処置の終了に向かう処置中等の第2の時点で撮影されたDHE2組織特徴化マップ35b(心臓アブレーション処置の場合、処置の終了前にPV(肺静脈)又は他の標的の完全な電気的隔離を確認するために用いることができる−代替的に、DHE2マップに前のEPアブレーション処置の終了を関連付けることができる)(図27)、
(e)EA(電子解剖学的)マップ35c(図17)、
(f)浮腫組織特徴化マップ35d(図19)、
(g)他の組織特徴化マップ35e、例えば、
(i)処置中の組織のアブレーションにより生じた温度増大ポジションを示す複合熱的組織特徴化マップ、
(ii)欠乏性(酸素が奪われるか、又は欠如する)組織特徴化マップ、
(iii)低酸素又は壊死組織特徴化マップ、
(iv)線維組織マップ、
(v)血管系マップ、
(vi)癌細胞/組織マップ(癌が治療される条件である場合)、
(h)1つ以上の標的部位37p(本明細書では交換可能に部位55tとも呼ばれる)を有する少なくとも1つの処置計画マップ37M及び参照しやすいように異なる色、不透明度、及び/又は強度で示される実際の部位37a(例えば、標的部位及び実際のアブレーション部位)を示す後期組織マップ(例えば、図10を参照すると、標的には赤/暗いスポットが関連付けられ、実際のものには緑又はより明るいスポットが関連付けられる)、並びに
(i)外科/撮像空間内の装置80の物理的表現を示す装置ビュー36、例えば、所定位置に示される装置80として、所定位置に示されるアブレーションカテーテル36a及び/又はマッピング(ループ)カテーテル36bを有する(図9、図11)。これらの装置マップ36は、例えば、ナビゲーションモード中に使用/表示することができる。デフォルト動作は、これらの装置を少なくともナビゲーションモードで示すこととすることができるが、ユーザーは、この選択を選択解除することができる。
【0077】
組織マップ30(又は組織特徴化データ)は、通常、3D座標画像空間にレジストレーションされる(手作業で又は自動電子画像位置合わせレジストレーション手段を介して)。いくつかの実施形態では、患者の関連の画像スキャン平面又はMR画像データを、組織特徴化マップのうちの1つ以上のものにインポートし、及び/又は、組み込むことができ、それによって、(複数の場合もあり)マップを、組織特徴化マップ上の解剖学的組織の位置に相関付けられたMR画像データを用いて(リアルタイムを含む)時間の経過に伴って更新することができ、自動的に又はユーザーによる要求を受けて、(更新された)組織特徴化マップ30上に示すことができる。EAマップは、MRI画像空間内のカテーテルの追跡及び/又はマッピングを用いて生成することができ、追跡及び/マッピングにより、より正確に又はタイムリーにEAマップを提供することができる。
【0078】
組織マップ(複数の場合もあり)30は、組織の正常及び異常な状態、状況及び/又は挙動を示すMR画像データを用いて生成することができる。例えば、組織特徴化マップ(複数の場合もあり)は、関心のある領域における心臓組織及び/又は大域的な心臓組織の熱プロファイルを異なる色(又はグレースケール)で示すことができる。他の実施形態では、組織特徴化マップは、心臓の解剖学的モデルの正常な組織と同様に、梗塞組織、壊死組織若しくは創傷組織等の他の損傷した組織、低酸素組織、欠乏性組織、浮腫性組織(例えば、浮腫を有する)、及び/若しくは線維組織、又は他の形で負傷したか、劣化したか、若しくは異常な組織のうちの1つ以上のものを示すことができる。更に他の実施形態では、組織特徴化マップは、壁の動きがより小さいか又はより大きい心臓の部分(例えば、LA又は後壁)等を示すことができる。
【0079】
パラメーター又は組織特徴が、各組織特徴化マップ30において、損傷しているか、劣化しているか、若しくは他の形で異常あるか、又は治療により影響を受けているものとして示されるか、それとも正常であるか又は治療を受けていないものとして示されるかは、患者自身の組織特徴のピクセルの強度、若しくは通常の正常値及び/若しくは異常値の母集団「平均(norm)」に関連付けられた事前定義される値又は範囲、又は上記の組み合わせに基づくことができる。
【0080】
したがって、例えば、正常な壁の運動は、定義された母集団平均との比較に基づいて識別することができ、正常な壁の運動からの異なる逸脱は、正常な壁の運動の組織と異なる色で深刻、中程度、又は最小として示すことができる。
【0081】
別の例では、熱的組織特徴化マップ30は、他の隣接又は非隣接細胞に対して相対的に高い温度を有する組織を示すことができる。したがって、例えば、アブレーション中、又はアブレーション後間もなく、傷のついた組織及びその近傍の組織は、傷のついていない温度又は正常の体温の組織に対して相対的に高い温度を有する場合がある。規定されたレベルを超えて高い強度及び/又は強度レベルを有する面積又は体積は、アブレートされた組織として識別することができる。さまざまなアブレーション部位55tを、温度が高い面積としてマップ30に示すことができ(処置中、さまざまな時刻に取得される)、熱的組織特徴化マップ30内に自動的に組み込まれ、及び/又は、要求を受けて表示される。
【0082】
いくつかの実施形態では、組織特徴マップ30は、(例えばT−1ショートニング)造影剤の摂取及び滞留に関連して取得されたMR画像データを用いる。通常、組織での滞留時間が長いほど、不健康な組織(梗塞組織、壊死組織、傷のついた組織等)が関連付けられ、例えば、T1加重シーケンスを用いて、1つ以上の造影剤の滞留差を示すことで、MR画像データ内の画像強度の差により視覚的に検出可能である。これは、遅延増強効果(DE)、遅延超増強効果(DHE)、又は遅延造影(LGE)と呼ばれる。上述したように、いくつかの実施形態では、システム/回路は、非選択的な彩度のインタラクティブな適用を利用して、準リアルタイムスキャンで造影剤の存在を示すことができる。このオプションは、例えば、創傷領域を縁取る標的組織への画像誘導カテーテルナビゲーション中に役立つことができる。したがって、DHE組織特徴化マップ内のDHE画像データは、事前取得することができ、及び/又は、準RT画像データを含みうる。
【0083】
組織マップは、通常、上述したように、体積に関連付けられた組織特徴化属性を示すか又は表示する体積的な3D又は4Dの解剖学的マップである。マップは、カラーとすることができ、異なる組織特徴が異なる色で示され、及び/又は、特定の特徴の異なる程度がグレースケール若しくは色分けして示された理解容易なマップ又は画像を提供するように色分けすることができる。用語「色分け」は、或る特徴又は状態が、異なる色、色相、若しくは不透明度、及び/又は、異なる強度の複数の色で示されて、例えば、組織内の病変と正常若しくは病変のない組織とを示す等、組織の異なる状況若しくは状態又は異なる組織及び同様の組織を視覚的に強調することを意味する。
【0084】
いくつかの実施形態では、UI25は、臨床医が、或る組織特徴化の種類の強度を増減するか又は色を変更して、例えば、異なる表示パラメーターを用いて、例えば、高コントラスト色及び/又は強度、より暗い不透明度等で、病変組織又は浮腫を有する組織を表示することができるようにするよう構成することができる。組織特徴化マップ30内/上の傷部位(複数の場合もあり)等の処置部位は、三次元空間(例えば、アブレーション電極をアクティベートしてアブレートする場合、電極が、追跡コイル等の位置検出器に基づいて配置される)内のポジションに基づいて定義することができるが、通常、追加又は代替として、関連付けられたスキャン平面でのMRI画像データに関連付けられて、MRI画像内にアブレーション部位(複数の場合もあり)を示す。MR画像データは、処置中におけるアブレーション後又はアブレーション中の組織属性、例えば、DHE、熱、浮腫等の変化を反映することもできる。
【0085】
回路60cは、事前処置又は処置開始時の組織データ及び処置中の組織データから生成される差異マップ又は比較マップである組織マップ37M(図27)を生成して、処置に基づく差異を示すように構成することができる。「前」マップ及び「後」マップをディスプレイ上で電子的に重ねて、異なる色、不透明度、及び/若しくは強度で示すことができるか、又は関心のある領域(ROI)内の各画像からの対応するピクセル値を差し引いて差異マップを示すか、若しくは他の形式で複合マップに統合することができる。ここでも、UI25により、臨床医は、前組織特徴化マップ又は後組織特徴化マップを選択若しくは選択解除(若しくはトグル)するか、又は差異を視覚的に検討できるようにディスプレイの基本設定を調整することができる。
【0086】
局所更新組織マップ32を用いて、標的治療部位又は実際の治療部位の治療に成功したか否か、例えば、アブレートされた位置が所望の経壁傷形成を有するか否かを評価することができる。例えば、UI25により、臨床医は、単に、局所評価組織マップ等のインタラクティブマップ100M上で、関心のある所望領域を示すことによって(例えば、ディスプレイ上のスポットを、指、カーソル、又は他の方法で選択することによって)、実際にアブレートされた組織の高分解能ビュー又は拡大ビューを選択することができる。例えば、医師が組織特徴化マップに示される所望のスポットの実際の組織を見ることができるように、LSPV内の疑いのある組織の高分解能MR画像を示すことができる。新しい標的を必要に応じてマップ上に電子的にマーキングすることができ、新しい標的位置に自動的に電子的にスキャン平面を選択し、識別し、又は他の方法で関連付けることができる。
【0087】
図13は、並んだ閲覧ウィンドウを有するディスプレイ20を示し、一方のウィンドウはマップ100M(組織特徴化マップとすることができる)を有する視覚化を示し、他方のウィンドウは、能動的な治療モード中の局所的な組織の少なくとも1つの準RT MRI画像を有する。
【0088】
図22A及び図22Bは、局所的な組織の軸方向ビュー及び表面ビューの2つのウィンドウを示す。図22Aは、アブレーション前の組織を示し、図22Bはアブレーション中又はアブレーション後の組織を示す。例えば、アブレーションモード中、システムは、デフォルト表示ルールを用いて、治療中、例えばアブレーション中に影響を受ける組織の準リアルタイムのMR画像データを表示することができ、通常、本発明の実施形態による局所的な組織及び治療(アブレーション先端)の表面ビュー及び側面ビューの両方を示す。或る実施形態では、インタラクティブ視覚化マップ100v及び/又はモデル100Mは、アブレーションの全て又は一部中に表示されない場合がある。
【0089】
図8、図12、及び図25を参照すると、いくつかの実施形態では、UI25は、ユーザー入力制御25cも含むことができ、ユーザーが組織計画マップ37M上で標的アブレーション部位55tを識別及び/又は選択(例えばマーキング)し、続いて、計画したアブレーション組織マップ若しくは実際のアブレーション組織マップ37aを提供することを可能にするか、又は(閲覧に際して比較が容易なように異なる色で重ねることができる)計画部位及び実際の部位の両方を示す複合マップに併合される(図10)。
【0090】
図14、図17、図22A、及び図22Bは、実際のMR画像データに基づいて示すことができる組織の拡大ビュー(高分解能画像)を示す。これによって、医師は、治療(例えば、アブレーション)の前及び/又は治療中に治療(例えば、アブレーション)の標的とされた組織を見ることが可能になる。この種の表示は、計画段階中に、又は組織固有のデータについて、治療の最中よりはむしろ、アブレーション後に傷を評価するために実行することができる。いくつかの実施形態では、拡大画像ビューは、インタラクティブ視覚化でのユーザー入力に応答して示すことができる。すなわち、画像ビューは、マップ100M内又はマップ100M上への標的治療部位55tの配置に基づくことができる。
【0091】
図14は、臨床医(医師)が、左のウィンドウの左側に向かって円として示されるインタラクティブ視覚化100vのモデル100M上のエリアをマーキングすることができることを示す。図15は、傷パターンが不完全な場合があることを示す。図16は、図14にマーキングされたエリアが、右側の閲覧ウィンドウ内のクローズアップビューのスキャン平面を規定することができることを示す。
【0092】
図10、図12、及び図13は、医師(ユーザー)により選択される所望の経壁傷パター及び/又は電気的隔離パターンを形成するためのいくつかの標的アブレーション部位37p/55tを有する「完全な」計画マップ37Mを示す。図10は、計画治療部位及び実際の治療部位の両方を示す。計画アブレーションパターンが示された後、又はマーク若しくは特定の傷部位が選択され、及び/又は、計画マップ37M上に配置された後、医師/ユーザーは、スポットのリアルタイムMR画像データを検討し、選択された部位が所望の標的アブレーション部位(複数の場合もあり)55tであることを確認することができる。図8は、ディスプレイが、準リアルタイムの患者のMRIデータとともに、モデル100Mに適用される計画アブレーション部位パターン55tを示すことができることを示す。
【0093】
いくつかの実施形態では、計画治療(例えば、アブレーション)パターンは、治療すべき事前定義された条件及び標的解剖学的組織と関連付けられた或る視準に基づいて電子的に生成される(デフォルト)テンプレートを用いることができる。テンプレートは、電子的に記憶して、異なる患者にわたって用いることができるそのような条件の臨床医固有の好みに基づくこともできる。テンプレートは、患者固有の解剖学的組織又は他の情報に基づいて変更することができる。アブレーションパターンは、画像空間へのレジストレーション前に、モデル100M上に電子的に「描画」又はマーキングすることができる。システムは、画像空間へのレジストレーション後、記された異なる傷部位又はエリアの関連のスキャン平面を電子的に識別するか、又は標的アブレーション部位(複数の場合もあり)を含む局所的な解剖学的組織の輪郭に一致するスキャン平面を提案するように構成することができる。
【0094】
図17は、ディスプレイが、1つの表示ウィンドウにインタラクティブ視覚化100vを示すことができ、示される領域での前のアブレーションが、傷又は他の治療の局所的評価のための新しい(又は現在の)スキャン平面の定義に用いることができる関連付けられた電子スキャン平面(複数の場合もあり)を有することができることを示す。
【0095】
図20は、視覚化100vを用いて、所望の治療計画(アブレーション部位)を確認し、局所的なスキャン平面を設定することができることを示す。ユーザー入力によるMR画像データよりも優勢的にモデルを示す視覚化を有する図8との差にも留意されたい。
【0096】
モデル/マップ100Mは、ワイヤグリッド形態(図9)で、又はユーザー入力若しくはデフォルト設定に基づいて変わる強度若しくは不透明度で示すことができる。図9は、視覚化100v内で抑制されるか又は示されない準RT画像データも示す。
【0097】
図22Aは、上述したように、治療(例えば、アブレーション)ビュー(複数の場合もあり)のスキャン平面を、追跡コイル(複数の場合もあり)82cの識別された位置に基づいて自動的に特定できることを示す。
【0098】
回路60cは、3D空間内の実際の位置に相関付けられた各標的アブレーション部位に関連付けられたスキャン平面を電子的に定義し、事前設定することができ、次に、該スキャン平面を、その標的位置の事前設定スキャン平面として電子メモリに電子的に記憶する。治療ビューモード(例えば、アブレーションビューモード)のMRI画像は、処置中、治療装置80が標的解剖学的組織(例えば、心臓)の対応する物理的位置に達したときに自動的に表示することができる。計画標的部位55tを用いて、治療装置80(例えば、アブレーションカテーテル)が標的部位に関連付けられた定義位置の近傍にあるときは常に、医師ビュー(3D斜視)、例えば、事前設定ビューを定義することもできる。したがって、計画マップ37M内で識別される標的部位55tを用いて、更なる臨床医の入力を必要とせずに、リアルタイムMRIに関連付けられたスキャン平面及び表示される3Dビューの両方を事前設定することができる。
【0099】
処置中、装置80(例えば、アブレーションカテーテル)の遠位端が、標的治療(例えば、アブレーション)部位55tに対応する位置に近づく際、回路60c(例えば、MRスキャナー10S)は、装置の遠位端部の計算された位置に基づいて、「オンザフライ」で定義されるスキャン平面(通常、スライスが、約0mm〜4mm、通常は約1mm〜2mm等、装置から離れ、及び/又は、装置を越えて前方に或る距離突出された領域を含むように選択される)を用いて、及び/又は、その位置に関連付けられた事前設定平面のうちの1つ以上のものを用いて、先端及び/又は遠位端部の位置に「嵌る(snap to)」スキャン平面を自動的に選択して、関連付けられた組織のリアルタイムMR画像データを得ることができる。スキャン平面は、治療前又は治療中、装置の移動(通常、追跡コイルにより検出される)に応じて調整することができる。図11は、装置80が標的組織の近傍にあるか又は標的組織に接触するときに呼び戻される事前設定スキャン平面を用いる自動ビューを示す。
【0100】
例えば、いくつかの実施形態では、回路60c及び/又はMRスキャナー10Sは、医師がアブレーションカテーテルを動かした場合、アブレーション中の組織の準リアルタイムのMRIを示す側面ビュー及び表面ビューを含む、傷のアブレーションを示すスライスを得るようにスキャナー平面を調整することができる。スキャン平面は、装置の線に沿った、関連の組織を含む距離だけ軸方向外側に突出したスライスを含むように選択される。
【0101】
視覚化及び/又はアブレーション若しくは他の治療ビューモード内での「新しい」画像データの実質的に連続した収集に加えて、データをアルゴリズム及び他の手段で処理して、連続して更新される関心のある解剖学的組織の患者固有の解剖学的組織特徴化マップを生成し、外科医に準リアルタイムで、又は要求を受けて提示することもできる。
【0102】
図23は、システムが、部位へのナビゲーションにおいて役立つ追加の視覚的指標及び「標的」マークを用いて治療装置80の位置を示すことができることを示す。
【0103】
図24A〜図24Dは、システムが、MRI誘導を用いて位置合わせを容易にする視覚的なナビゲーションマーカーを生成することができることを示す。
【0104】
特定の実施形態では、アブレーション中、MR温度測定(2D)を用いて、カテーテルに沿ったスライスを撮影し、温度プロファイルの増大を示すことで、リアルタイムのアブレーション形成を示すことができる。2D及び/又は3D GREパルスシーケンスを用いて、MR画像データを得ることができると考えられる。しかし、他のパルスシーケンスを用いることもできる。
【0105】
図18及び図19は、通常、インタラクティブ視覚化100v内のマップ100Mとして用いられる、心臓介入処置中に用いるためにインポートする(そして画像空間にレジストレーションする)ことができる事前取得した患者データのマップ30の例を示す。図18に示されるように、EAマップは、患者がMRIスキャナー内にいる間、又はEAマップを、組織特徴化マップ30等のディスプレイ20に示されている異なるマップにレジストレーションすることができるX線に基づくシステムから、実際の介入処置前(通常、直前)に得ることができる。いくつかの実施形態では、組織特徴化マップは、EAマップ(X線撮像モダリティからインポートするか、又はMRIスキャナー内で生成することができる)からのデータ又はEAマップを包含し、組み込み、上に重ね、又は下に重ねて、電子マップと組織特徴化マップとを統合した結合マップを定義することができる。電気活動は、当業者に既知のように、インピーダンス、又は心臓組織の分画された電気活動若しくは正常な電気活動を感知できる他の電気パラメーターを検出できる電気活動センサーを介して検出することができる。電子解剖学的マップ又はそこからのデータは、用いられる場合、視覚化マップ100M(例えば、異なる組織特徴化マップ)にレジストレーションすることができ、それにより、介入中に生成されるMRデータを用いるMRデータ更新を生成し、統合マップに表示することができる。
【0106】
また、UI25は、EAマップからの情報が、所望のようにマップ100Mに対し電子的に除去又は削除(及び/又は再追加)されるように、臨床医がEAマップ(用いられる場合)を選択又は選択解除できるようにするように構成することができる。他の実施形態では、マップ100Mは、EAマップとは別に保持され、用いられる場合、EAマップは、組織特徴化マップから離れた別個のウィンドウ又は画面に示される。
【0107】
図21及び図27は、MRI DHE組織特徴化マップの例を示す。図21は、計画された処置の前、通常は約1週間前に撮影された事前処置「計画」DHE画像を示す。いくつかの実施形態では、現在の処置での標的部位の計画に役立つように、不完全な電気的隔離/傷形成の位置を示すDHE画像を、前のアブレーション処置の後に撮影することができる。計画マップを視覚化内のマップ上に配置することができ、それにより、ユーザー/医師は、上述したように、標的アブレーション部位55tにマーキングすることができる(いくつかの実施形態では、処置中、アブレーション前に、事前設定スキャン平面及びビューを定義することもできる)。図27は、アブレーション部位の評価に用いることができる処置内DHEマップを示す。
【0108】
図28は、本発明の実施形態に従って、マップ100Mがレンダリングされて、標的及び実際のアブレーション部位の位置を(異なる色で)示し、臨床医が、創傷の形成及び/又は計画された処置内処置(procedure intra-procedure)からの差異を評価できることを示す。
【0109】
MRIスキャナー10S(図1〜図3)は、実質的に連続して動作して、更新されたマップ100Mを、要求時に又は自動的に視覚化内に生成するために用いることができる画像データを提供することができる。この動作は、「バックグラウンドで」、例えば、ユーザーにとってトランスペアレントに行うことができ、処置の過程中に更新画像及び追跡データを提供する間、処置を遅くさせないようにする。
【0110】
いくつかの実施形態では、装置−組織界面100i(図1、図22A、図22B)は、T1加重FLASHシーケンス(T1wFLASH)を用いて視覚化して、先端80tの位置を突き止めることができる。RF又は他のアブレーションエネルギーを送ることができ、心筋又は他の標的組織の変化及び傷の形成を、T2加重HASTE(T2wHASTE)シーケンスを用いて準リアルタイムで視覚化することができる。リアルタイム(RT)MRIシーケンス、T1wFLASH、及びT2wHASTE画像スライスを位置合わせして、装置80を、組織に接触した際又はアブレーションエネルギーがアクティベートされた際に視覚化することができるようにし、治療、例えばアブレーションエネルギーを受けながら、装置80(例えば、カテーテル)、装置−組織界面100i、及び/又は(心筋)組織を視覚化できるようにする。
【0111】
いくつかの特定の実施形態では、(アブレーションモードではなく)ナビゲーションモード中、高分解能アブレーションモードで用いられるものとは異なるパルスシーケンス、例えば、約5.5fpsでGRE又はSSFP(例えば、TrueFISP)パルスシーケンスを用いるRT MRIシーケンス等を用いて、カテーテル80を視覚化することができ、追跡コイル82cを空間的な配向及び位置決めに用いることができる。(準)リアルタイムの通常のスキャンパラメーターは、エコー時間(TE)1.5ms、反復時間(TR)3.5ms、フリップ角約45度又は約12度、スライス厚5mm、分解能1.8mm×2.4mm、低減係数(R)2での並行撮像を含む。SSFPを用いるいくつかの実施形態では、フリップ角は約45度である。
【0112】
装置の位置が(追跡コイル82cを用いて)適切であると見なされると、関連付けられたスキャン平面でのパルスシーケンスを用いて、カテーテル先端80tと(心筋)組織との界面の高分解能視覚化を生成することができる。例えば、上述したようなT1加重3DFLASHシーケンス(T1wFLASH)である。アブレーション又は他の治療中の心筋又は他の標的組織画像は、内積取得(IVA)(Inner Volume Acquisition)ダークブラッド準備T2加重HASTE(T2wHASTE)シーケンス又はダークブラッド準備ターボスピンエコー(TSE)シーケンスを用いて取得することができる。HASTE及びTSEシーケンスパラメーターの例には、それぞれ、TE=79ms/65ms、TR=3心拍、約4mm厚の3枚の連続スライス、分解能1.25mm×1.78mm/1.25mm×1.25mm、SPAIR法を用いた脂肪飽和、及びR=2の並行撮像が含まれる。
【0113】
通常の心拍数及び自由呼吸が、撮像の難問を呈する可能性がある。いくつかの実施形態では、(準)RTナビゲーション撮像スライス(例えば、5.5fpsのGREパルスシーケンス)は、カテーテル−組織界面の視覚化のために、高分解能組織界面スライス(例えば、T1wFLASH)と位置合わせすることができる。続けて、T1wFLASHを用いて得られるスライスは、エネルギー輸送中、心筋組織/損傷特徴のダークブラッド準備したT2w Haste撮像を用いて得られるスライスと位置合わせすることができる。このステップ毎の手法により、心房内の特定点の位置を確実に特定することができ、組織をアブレートしている間、組織を同時に視覚化して、傷形成に関連付けられた組織の損傷を準リアルタイムで評価することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、異なるシーケンスを用いて取得されたスライスをインタレースして、カテーテルを視覚化し傷を加えるためのインタラクティブな環境を提供することができ、UIは、ユーザーが、これらのビューを切り替えられるようにすることができ、又はこれらの画像スライス若しくはナビゲーションかアブレーション若しくは介入モード/ビューかに基づいてビューを変更することができる。本明細書において説明するシーケンスが、適したシーケンスの例として提供され、他の既知のシーケンス又は新たに開発されたシーケンスを、心臓アブレーション又は他の解剖学的処置若しくは介入処置に用いることができることが考えられることにも留意する。
【0115】
図29は、患者がガントリー16上の磁石ボア内外に平行移動する場合であっても(磁石は剥き出し又は閉磁石構成とすることができる)所定位置に留まる、患者に接続された複数のリード線を接続する一体型ケーブル管理システムとともに心臓MRI介入スイート19を用いて、臨床医が患者に直接アクセスできるようにする特定の一実施形態を示す。リード線の他端は、患者から離れて(通常、磁石室ではなく制御室内に)配置された電源、モニター、及び/又は制御装置に接続する。図29に示されるように、MRI介入スイート19は、IVポール140(通常、スキャナーテーブル/ガントリー16に取り付けられる)と、パッチベイ135及び/又は137に接続する、天井を通して配線される(例えば、上方に天井を通ってその上に延びる)ケーブル200nの接続ブロック150とを含むことができる(但し、「n」は通常、約1〜400であり、通常、約5〜100である)。麻酔カート160の天井210nも、天井を通して配線することができる(但し、nは通常、約1〜400であり、通常、約5〜100である)。天井200n、210nは、部屋10a、10bの間を天井を通って延び、パッチパネル250を通じて遠隔装置500に接続することができる。いくつかの実施形態では、フットペダルケーブル220nも同様に、床トラフを通ってパッチパネル/第2の部屋10bに延びることができる(但し、「n」は通常、約1本〜100本のケーブルである)。例示的な心臓スイートの追加の説明については、米国特許出願第12/708,773号を参照されたい。この米国特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。ケーブルは、代替的に、床の下、床上、又は床を覆って配線し、壁に懸架し、ワイヤレス接続を利用する等(及びこれらの組み合わせ)が可能である。
【0116】
当業者には既知のように、通常、単一の患者の心臓(AFIB)EP処置中に約60個〜100個の傷が生成される。他の心臓処置は、約1個のアブレーション又は60個未満のアブレーションしか必要としない場合がある。通常の患者の介入心臓処置は、約4時間未満、例えば、約1時間〜2時間続く。各傷部位は、約30秒〜約2分アブレートすることができる。選択される治療及び/又は治療中の状況に応じて、線形治療傷(「連続」ドラッグ法傷)又は「スポット」傷を生成することができる。連続傷は、一連の重なるスポットアブレート傷又は連続した「ドラッグ」傷として形成することができる。
【0117】
システムは、監視回路を含むことができ、どの装置が患者のパッチベイに接続されているかを自動的に検出することができる。これを達成できる一方法は、パッチベイ及び/又はインターフェース並びにそれらに接続された様々な装置内にID抵抗を用いることによるものである。MRIスキャナーコンピューター若しくはプロセッサ又は臨床医ワークステーションモジュール若しくはプロセッサは、接続CON1、CON2、及びCON3を介して抵抗を監視することができる。装置80(図1)は、CON1、CON2、及びCON3に接続する線により抵抗を変更する内蔵抵抗を有することができる。抵抗値の変更は、どの装置が接続されているかの監視に役立つ。その特定が行われると、スキャナーは、特定の取得パラメーター、表示パラメーターを自動的にロードし、処置の進行を更新して、例えば、ワークステーション60(図3)等のディスプレイ20に表示することができる。
【0118】
MRスキャナー10Sと装置80との電気的な絶縁は、MRIスイート内外の低域フィルターを介して提供することができる。当業者には既知のように、MRIスイート内の構成要素は、MRIスイートを包むRFシールドに内蔵された導波管を用いて外部構成要素に接続することができる。用いられる場合、アブレーションカテーテル80aは、適切なエネルギー源、例えば、3T磁場用に構成された(3Tシステムが用いられる場合)MR適合性インターフェース回路を有するStockert70 RF生成器(米国カリフォルニア州ダイヤモンドバーBiosense Webster社)等の適切なエネルギー源に接続されたRFアブレーションカテーテルとすることができる。システムは、Siemens Verioシステム(独国エルランゲンSiemens Healthcare社)又は他の適したスキャナー並びに当業者に既知のように、脊椎及び/又は身体アレイコイル等の適した外部撮像コイルを有するEPスイートを備えることができる。
【0119】
本発明の実施形態は、ナビゲーション及びマッピングソフトウェア特徴と併せて利用することができる。例えば、本明細書において説明される装置及びシステムの現在及び/又は将来のバージョンは、適応投影ナビゲーション及び/又は3D体積マッピング技術を有する特徴を含むことができ、後者は、米国特許出願第10/076,882号に関連付けられた態様を含むことができ、この米国特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。。
【0120】
本明細書では、アブレーション電極を用いる心臓EP処置に関連して主に説明するが、他のアブレーション技法、例えば、レーザーアブレーション、熱的(加熱液体)アブレーション、及び極寒冷アブレーション等を用いることができる。同様に、システム及び構成要素は、例えば、MRIを用いた心臓又は他の組織内の標的位置への生物製剤又は他の薬剤治療の送達を含む他のMRI誘導外科介入処置に対して有用とすることができる。
【0121】
介入器具によっては、局所的な組織のSNRを向上させるために、MRI受信アンテナを含むことができる。いくつかの実施形態では、アンテナは、約1cm〜5cmの焦点距離又は信号受信長さを有し、通常、局所的な組織からMRI信号を受信する約1cm〜2.5cmの閲覧長さを有するように構成される。MRIアンテナは、同軸アンテナ及び/又は三軸アンテナを備えるように形成することができる。しかし、他のアンテナ構成、例えば、ホイップアンテナ、コイルアンテナ、ループレスアンテナ、及び/又はループアンテナ等を用いることができる。例えば、米国特許第5,699,801号、同第5,928,145号、同第6,263,229号、同第6,606,513号、同第6,628,980号、同第6,284,971号、同第6,675,033号、及び同第6,701,176号を参照されたい。これらの米国特許は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。米国特許出願公開第2003/0050557号、同第2004/0046557号、及び同第2003/0028095号も参照されたい。これらの米国特許出願公開は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。画像データは、処置中、経食道アンテナカテーテルにより得られる画像データを含むこともできる。例えば、米国特許第6,408,202号を参照されたい。この米国特許は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【0122】
上述したように、本発明の実施形態は、全体的にソフトウェアの実施形態又はソフトウェア態様及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、本明細書では、全てまとめて「回路」又は「モジュール」と呼ばれる。さらに、本発明は、媒体内に実施されたコンピューター使用可能プログラムコードを有するコンピューター使用可能記憶媒体上のコンピュータープログラム製品の形態をとることができる。ハードディスク、CD−ROM、光学記憶装置、インターネット若しくはイントラネットをサポートするような伝送媒体、又は磁気記憶装置を含む任意の適したコンピューター可読媒体を利用することができる。いくつかの回路、モジュール、又はルーチンは、アセンブリ言語又はマイクロコードでさえも書くことができ、性能及び/又はメモリの使用を強化する。プログラムモジュールのうちの任意又は全ての機能を、離散ハードウェア構成要素、1つ若しくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラムされたデジタルシグナルプロセッサ若しくはマイクロコントローラーを用いて実施できることも更に理解されよう。本発明の実施形態は、特定のプログラミング言語に限定されない。
【0123】
本明細書において考察されるデータ処理システム、方法ステップ若しくは動作、モジュール又は回路(又はその部分)の動作を実行するコンピュータープログラムコードは、開発の便宜上、Phyton、Java(登録商標)、AJAX(非同期Java(登録商標)スクリプト)、C、及び/又はC++等の高水準プログラミング言語で書くことができる。加えて、例示的な実施形態の動作を実行するコンピュータープログラムコードは、インタープリター言語等であるがこれに限定されない他のプログラミング言語で書くこともできる。いくつかのモジュール又はルーチンは、アセンブリ言語又はマイクロコードであっても書くことができ、性能及び/又はメモリの使用を強化する。しかし、実施形態は、特定のプログラミング言語に限定されない。プログラムモジュールのうちの任意又は全ての機能を、離散ハードウェア構成要素、1つ若しくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラムされたデジタルシグナルプロセッサ若しくはマイクロコントローラーを用いて実施することもできることが更に理解されよう。プログラムコードは、全体的に1つのコンピューター(例えば、ワークステーションコンピューター又はスキャナーのコンピューター)で、部分的に1つのコンピューターで、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行することができ、部分的にワークステーションのコンピューター又はスキャナーのコンピューターで、部分的にローカル及び/又はリモートの別のコンピューターで、又は、全体的に別のローカル若しくはリモートのコンピューターで実行することができる。後者のシナリオでは、他のローカル又はリモートのコンピューターは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を通じてユーザーのコンピューターに接続することができ、又は接続は(例えば、インターネットサービスプロバイダーを用いてインターネットを通じて)外部コンピューターに対して行うことができる。
【0124】
本発明は、部分的に、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータープログラムモジュール製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック並びにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせを、コンピュータープログラム命令により実施できることが理解されよう。これらのコンピュータープログラム命令は、汎用コンピューター、専用コンピューター、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、命令が、コンピューター又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されると、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施する手段を作成するような機械を生成することができる。
【0125】
これらのコンピュータープログラム命令は、コンピューター又は他のプログラム可能なデータ処理装置に、コンピューター可読メモリに記憶されている命令が、フローチャート及び又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施する命令手段を含む製品を生成するような特定の形式で機能するように指示することができるコンピューター可読メモリに記憶することもできる。
【0126】
コンピュータープログラム命令は、コンピューター又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードして、一連の動作ステップをコンピューター又は他のプログラム可能な装置で実行させて、コンピューター又は他のプログラム可能な装置で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能/動作のうちのいくつか又は全てを実施するステップを提供するようなコンピューター実施プロセスを生成することもできる。
【0127】
本明細書のフローチャート及び図のうちのいくつかのブロック図は、本発明の実施形態の可能な実施態様の例示的なアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理的機能(複数の場合もあり)を実施する1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの部分を表す。いくつかの代替の実施態様では、ブロックに記される機能が、図に記される順序から外れて実行できることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、関わる機能に応じて、実質的に同時に実行することができ、又は時にはそれらのブロックを逆の順序で実行することができ、又は2つ以上のブロックを組み合わせることができる。
【0128】
ワークステーション60及び/若しくはインターフェース44、48、又はパッチベイは、システムがMRIスキャナー10S及びフィルター等と協働できるようにする減結合/調整回路を含むこともできる。例えば、米国特許第6,701,176号、同第6,904,307号、及び米国特許出願公開第2003/0050557号を参照されたい。これらの特許文献は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。いくつかの実施形態では、体内装置80は、安全なMRI動作を可能にして、組織内への電流又は電圧の望ましくない堆積の危険性を低減する(望ましくない加熱を阻止又は回避する)ように構成される。装置80は、一連の軸方向に離間されたバラン回路又は他の適した回路構成等のRFチョークを含むことができる。例えば、RF誘導電流を阻止することができるRF阻止同軸ケーブルの追加の説明については、米国特許第6,284,971号を参照されたい。この米国特許は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。電極、又はカテーテル(若しくは他の介在装置)上若しくはカテーテル(若しくは他の介在装置)内の他の構成要素を接続する導体は、一連の前後セグメントを含むこともでき(例えば、リード線を長さに沿っていくつかの回数、長手方向にそれ自体に巻くことができる)、及び/又は、高インピーダンス回路を含みうる。例えば、米国特許出願第11/417,594号、同第12/047,602号、及び同第12/090,583号を参照のこと。これらの米国特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【0129】
示されないが、いくつかの実施形態では、所望の細胞処置、生物学的処置及び/又は標的エリアに対する薬剤治療を行うために用いられる、1つ以上の管腔及び出口ポートを装置に構成することができる。
【0130】
図30は、システム10とともに用いることができる回路又はデータ処理システム190の概略図である。回路及び/又はデータ処理システム190は、任意の適した1つ以上の装置内のデジタルシグナルプロセッサ内に組み込むことができる。図30に示されるように、プロセッサ310は、アドレス/データバス348を介してMRIスキャナー10S及びメモリ314と通信し、及び/又は、それらに統合される。プロセッサ310は、任意の市販又はカスタムのマイクロプロセッサとすることができる。メモリ314は、データ処理システムの機能の実施に用いられるソフトウェア及びデータを含むメモリ装置の全体的な階層を表す。メモリ314は、以下の種類の装置、すなわちキャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、SRAM、及びDRAMを含むがことができるが、これらに限定されない。
【0131】
図30は、メモリ314がデータ処理システムで用いられるいくつかのカテゴリのソフトウェア及びデータ、すなわち、オペレーティングシステム349、アプリケーションプログラム350、入出力(I/O)装置ドライバー358、及びデータ356を含むことができることを示す。データ356は、装置(アブレーションカテーテル)の寸法(例えば、追跡コイルから先端までの距離)及び患者固有の画像データ355を含むこともできる。図36は、アプリケーションプログラム354が、追跡コイル位置識別計算モジュール351、視覚化レンダリングモジュール352、インタラクティブ視覚化(及びUI)モジュール353、組織特徴化マップモジュール356、及び標的アブレーション部位に対する事前設定スキャン平面モジュール354、及びUIインターフェースモジュール353を含むことができることも示す。
【0132】
当業者には理解されるように、オペレーティングシステム349は、OS/2、AIX、又はニューヨーク州アーモンクInternational Business Machines Corporation社からのzOS、ワシントン州レドモント、Microsoft社からのWindows(登録商標) CE、Windows(登録商標) NT、Windows(登録商標)95、Windows(登録商標)98、Windows(登録商標)2000、Windows(登録商標)XP、Windows(登録商標) Vista、Windows(登録商標)7、Windows(登録商標) CE又は他のWindows(登録商標)バージョン、Palm OS、Symbian OS、Cisco IOS、VxWorks、UNIX(登録商標)又はLinux(登録商標)、Apple Computer社からのMac OS、Lab View、又はプロプライエタリオペレーティングシステム等のデータ処理システムとの併用に適した任意のオペレーティングシステムとすることができる。例えば、スキャナーのシーケンス生成機で実行され、パルスシーケンス波形タイミングを精密に制御することができるVxWorksである。
【0133】
I/O装置ドライバー358は、通常、アプリケーションプログラム350がオペレーティングシステム349を通してアクセスして、I/Oデータポート(複数の場合もあり)、データ記憶装置356、及び或るメモリ314の構成要素等の装置と通信するソフトウェアルーチンを含む。アプリケーションプログラム350は、データ処理システムの様々な特徴を実施するプログラムを示し、本発明の実施形態による動作をサポートする少なくとも1つのアプリケーションを含むことができる。最後に、データ356は、アプリケーションプログラム350、オペレーティングシステム349、I/O装置ドライバー358、及びメモリ314に存在することができる他のソフトウェアプログラムにより用いられる静的データ及び動的データを表す。
【0134】
本発明は、例えば、図30ではアプリケーションプログラムであるモジュール350、352、353、354、356を参照して示されるが、当業者には理解されるように、本発明の教示から利益をなお受けながら、他の構成を利用することもできる。例えば、オペレーティングシステム349、I/O装置ドライバー358、又はデータ処理システムの他のそのような論理部に、モジュールを組み込むこともできる。したがって、本発明は、図30の構成に限定されるものと解釈されるべきではなく、本明細書において説明される動作を実行可能な任意の構成を包含することが意図される。さらに、モジュール、すなわち、モジュール350、352、353、354、356のうちの1つ以上のものは、別個又は単一のプロセッサ、MRIスキャナー10S、又はワークステーション60等の他の構成要素と通信するか、又は完全に若しくは部分的に組み込むことができる。
【0135】
I/Oデータポートを用いて、情報をデータ処理システム、ワークステーション、MRIスキャナー、及び別のコンピューターシステム又はネットワーク(例えば、インターネット)の間で、又はプロセッサにより制御される他の装置に転送することができる。これらの構成要素は、多くの従来のデータ処理システムで用いられるような従来の構成要素とすることができ、本明細書において説明されるように動作するように本発明により構成することができる。
【0136】
組織特徴化マップの非限定的な例について以下において考察する。
【0137】
熱的組織特徴化マップ
熱的組織特徴化マップは、所与の時点での熱的な状態に基づくこともできるし、異なる時間(例えば、アブレーション処置の異なる時間での異なるポイントのアブレーション中及び/又はアブレーション後)での異なる組織位置の加熱の複合として提供することもできる。熱的マップは、アブレーションカテーテルの先端の位置が、その時のその位置での熱的活動/状態に相関付けられるように、異なる時間に内部アブレーションカテーテル(例えば、先端)の位置にレジストレーションすることができ、その理由は、それが熱的活動/加熱の増大を示すその領域の画像データが生成される時間枠であるためである。すなわち、画像スキャン平面は、アブレーションカテーテルの先端の位置にある組織を示すように撮影される。画像スキャン平面は、通常、アブレーションの先端の前にある傷組織が撮像されるように、追跡コイルから既知の距離だけ前方に突出する。
【0138】
MR熱的データは、温度撮像技法(MR温度測定)を用いて得ることができ、温度又は位相の変動を示す。パルスシーケンスの例には、例えば、SSFP及び2D GREを含む。
【0139】
血管系組織特徴化マップ
患者のセグメント化MRA(磁気共鳴血管造影法)撮像ボリュームを用いて、血管系組織特徴化マップを生成することができ、このマップは、血流が増大したエリア並びに/又は血管構造内の大きなチャネル及び小さなチャネルを示すことができる。
【0140】
線維組織特徴化マップ
患者のコントラストに基づくか、又はコントラストに基づかないMRI画像が、標的組織(例えば、心臓)内の線維組織を識別することができる。
【0141】
コントラストに基づく組織特徴化マップ
組織損傷は、健康な組織及び不健康な組織のうちの両方ではなく一方に取り付くか又は主に保持される薬剤等の造影剤に基づいて、MR画像データを用いて示すか又は検出することができ、例えば、造影剤は、MR画像データが(ピクセル強度を用いて)視覚的に差異を識別するように、他方よりも一方により多く摂取されるか、取り付くか、又は存在若しくは停留する。造影剤は、現在は通常ガドリニウムであり、任意の既知の、又は将来開される生物適合性薬剤のうちの1つ以上のものとすることができるが、薬剤に結合し、一種類の組織に存在するが他(例えば、不健康な組織)には存在しないエピトープに選択的に結合して、エピトープが他ではなく一種類にのみ大量に存在するようにする、抗体又は抗体の派生物若しくは成分を含むこともできる。代替的に、エピトープは、両種の組織に存在するが、立体ブロック効果により一種には結合し難い。
【0142】
画像空間にレジストレーションされた組織特徴化マップによって、臨床医が、創傷の形成(PVの隔離)及びLA心筋体積への増強量の両方を評価することができるようになり、不良な結果予測を示すことができ、臨床医は、アブレーションの継続、又はアブレーション位置若しくはプロトコルの変更を決める(例えば、臨床判断を促す)ことができる。
【0143】
遅延超増強効果MRIに用いることができるパルスシーケンスの例には、例えば、勾配エコー、Siemens MRIスキャナーでのTrueFISP等のSSFP(定常状態自由歳差運動)、GE MRIスキャナーでのFIESTA、及びPhilips MRIスキャナーでのb−FFEが含まれる。
【0144】
浮腫組織特徴化マップ
アブレーション後(及び/又は間)、組織は通常、浮腫を有する。これは、例えば、T2加重ターボスピンエコー、HASTE(Siemensチーム)、SSFP、又はT2加重勾配リコールエコー(GRE)等のパルスシーケンスを用いてMRI内で検出することができる。
【0145】
組織特徴化マップによっては、浮腫及び熱的マップを重ねるか、又は他の形式で組み合わせて、処置の評価に用いることができる複合マップとして示すことができる。例えば、肺静脈を隔離するための創傷の形成が完全であるか、又は不完全であるかを視覚的に評価するために用いることができる。PV隔離のための完全な創傷の形成がAFIBのよりよい予後に関連すると考えられる。
【0146】
心臓壁運動組織特徴化マップ
MRIを用いて、心臓壁の運動を評価することができる。異常な運動を組織特徴化マップ上で視覚的に示すことができる。心臓壁の運動の特定に用いることができるパルスシーケンスの例には、例えば、DENSE、HARP、及びMRタギングが含まれる。
【0147】
したがって、本発明の実施形態が、MRI誘導心臓処置、例えば、MRI誘導処置の全体を通じて、標的解剖学的構造/領域(例えば、心房等の心臓の房)の患者固有の解剖学的組織特徴化マップ又はマップに示すことができる関連データを実質的に連続して収集して構築するハードウェア及び/又はソフトウェアを含むシステム並びに関連の方法論を対象とすることが理解されよう。システムの実施形態は、組織の治療中、例えば、アブレーション中、組織の処置中に事前設定ビューにおいて準リアルタイムで生成し示すことができる。
【0148】
実施形態を主にMRI誘導心臓システムに関して説明したが、システムは、他の解剖学的領域及び他の治療薬の送達若しくは適用並びに診断処置に用いることができる。例えば、食道及び食道付近の解剖学的組織、例えば、大動脈、冠状動脈、縦隔、それらのエリアの構造についての解剖学的情報をもたらすために肝胆道(hepaticobiliary)系又は膵臓、(肝臓、胆嚢、胆管、及び膵臓の構造をまとめた)「脾臓・肝胆道」構造、(肺及び気管気管支を含む構造である)気管気管支肺構造、(例えば、鼻を通して導入された装置を、異常、例えば、先天性又は他の動脈瘤について、ウィリス氏動脈環及び関連する血管構造を評価するように適応させることができる)鼻咽腔系、近傍の気道消化管系又は甲状腺、外耳管又は耳管、中耳又は内耳の異常の解剖学的評価を可能にし、隣接する頭蓋内構造及び病変の評価を更に可能にする。
【0149】
本発明のシステム及び方法は、基底細胞癌腫等の程度が容易には診断されない病変に対して特に有用とすることができる。これらの病変は、神経を辿って眼窩又は頭蓋内エリアに入る場合があり、切除している切除中の外科医又はリンパ節侵襲の可能性があるエリアについて生検を行っている外科医にリアルタイム情報を提供するのに、従来の撮像モダリティでは、切除を行っている外科医に対し延長部が明確ではない。
【0150】
システムが、耳、鼻、及び喉の構造、並びに通常、耳鼻咽喉科の範疇にある上述した近位気道食道系をまとめて指す「頭及び首」内で使用可能なことも考えられる。用語「頭及び首」は、本明細書において用いられる場合、甲状腺、副甲状腺、耳下、及び頸部リンパ節等の首の構造を更に含み、顔面神経を含むがこれらに限定されない脳神経の頭蓋外部分も含み、顔面神経は、入口から内耳道内に外側に含まれる。用語「頭及び首」は、本明細書において用いられる場合、動眼筋及び神経、涙腺、及び付随する構造を含む眼窩又は眼球の構造も含む。本明細書において用いられる場合、用語「頭及び首」は、上記頭及び首構造の近傍の頭蓋内構造を更に含む。これらの頭蓋内構造は、例として、脳下垂体、松果腺、様々な脳神経の核、脳神経の頭蓋内延長部、小脳橋角、ウィリス氏動脈環、及び関連する血管構造、硬膜、及び髄膜を含むことができる。
【0151】
更に他の実施形態では、システムは、尿道、前立腺、膀胱、子宮頸部、子宮、及びそれらの近傍にある解剖学的組織等の泌尿生殖器(genourinary)系に用いることができる。本明細書において用いられる場合、用語「泌尿生殖器」は、尿路、男性器系、及び女性器系の構造を含むものとする。尿路構造は、尿道、膀胱、尿管、腎臓、及び関連する神経、血管、リンパ、及び付属の構造を含む。男性生殖器は、前立腺、貯精嚢、睾丸、副睾丸、及び関連の神経、血管、リンパ、管、及び付属の構造を含む。女性生殖器は、膣、子宮頸部、非妊娠又は妊娠子宮、卵管、卵巣、卵子、受精卵、胚、胎児を含む。用語「泌尿生殖器」は、尿道脇組織、尿生殖隔膜、又は骨盤底の筋肉等の上記構造を囲むか又は支持する骨盤構造を更に指す。装置は、女性の尿失禁又は出血の評価及び治療のために尿道を経て配置されるように構成することができ、局所的な組織、例えば、尿道脇組織の異なる層の高分解能画像を用いることができる。例えば、尿道の周囲の筋肉層の明らかに識別される分断は、外科的に修復できるが、異常な部位についての詳細な解剖学情報により誘導もしなければならないことが理解される。装置は、尿管若しくは腎盤、尿路、又は膣及びその近傍の解剖学的組織の解析のために膣を経る等、泌尿生殖器系内に配置するように構成することもできる。例えば、経膣又は大腿骨頸部を経た子宮内への配置は、腫瘍形成の診断、子宮内膜症の診断及び治療、並びに不妊症の評価又は骨盤痛病的現象に繋がる骨盤疾患の診断、治療、子宮頸部及び子宮の悪性腫瘍の評価/治療及びステージの特定並びに母体及び胎児の解剖学的評価を可能にする等の産科での使用において有用とすることができる。
【0152】
別の実施形態では、システムを、通常、肛門を通して直腸、S字結腸、又は下行結腸内の或る深さ(level)まで挿入し、そこで、指定された解剖学的組織を視覚化することができる経直腸ルートで直腸又は結腸の評価及び/又は治療に用いることができる。例えば、この手法を用いて、前立腺の解剖学的組織を描写し、経直腸又は経尿道で行われた病変の生検又は切除を更に誘導することができる。
【0153】
他の実施形態では、本発明のシステム及び方法を用いて、胃腸系の構造の評価、診断、若しくは治療又は胃腸解剖学的組織の領域の評価、診断、若しくは治療を行うことができる。本明細書において用いられる場合、用語「胃腸」は、食道、胃、十二指腸、空腸、及び回腸(小腸)、虫垂、及び結腸を含む消化器系の構造を含むものとする。用語「胃腸解剖学的組織」は、胃腸系の構造、並びに腸隔膜等の周囲支持構造及び腹膜、横隔膜、及び後腹膜腔等の囲む構造を指すものとする。胃腸系の疾患は、胃腸解剖学的組織の疾患と同様に、医療分野において既知である。例示的な実施形態では、体内装置を胃に通すことができる。
【0154】
他の実施形態では、本発明のシステム及び方法は、血管系の評価、診断、及び治療に用いることができる。血管系は、体の静脈及び静脈両方の血管を含むことが理解される。血管系は、正常血管、異常血管、名称付きの血管、名称のない血管、及び新血管形成を含む。血管系へのアクセスは、当業者の施術者が精通した技法を用いて行われる。本発明は、全てのサイズの血管内に用いることができ、体内装置は、遠位冠状動脈循環、頭蓋内循環、遠位末端の循環、又は腹部内臓の遠位循環を含むような小口径血管に入るように寸法を適合させることができる。これらのシステム及び方法により、さらに、血管系内への装置の位置決めが、装置が配置された特定の血管に隣接するか又は近傍にある構造内の状態の評価、診断、及び治療に有用とすることができる。そのような構造は「血管周囲構造」と呼ばれる。例として、冠状動脈内に配置された装置は、血管自体についての情報並びに血管が広がる心筋又は血管に隣接する心筋についての情報を提供することができる。したがって、位置決めされた装置は、心筋組織に向けられた治療介入を誘導することができ、血管自体に向けられた血管内又は血管外の操作を誘導することもできる。血管系内の本発明のシステム及び方法を用いて、いくつかの他の用途が存在し、通常の実験(routine experimentation)だけで開発し得ることが当業者には容易に理解されるであろう。
【0155】
意図される目的及び解剖学に適うように変更されたシステム、装置及び本発明の方法を用いる解剖学的構造へのアクセスが、例において上述したように、自然に発生した解剖学的な口又は内腔を介して提供できることが理解される。しかし、これらのシステム及び方法を用いて解剖学的構造にアクセスすることは、付加的に、医療的に作られた一時的又は永久的な口を用いて提供することもできることが更に理解される。
【0156】
また、方法及びシステムは、手動システムではなくロボット駆動システムと協働することができる。
【0157】
アブレーションカテーテル
図31〜図46を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、MRI誘導アブレーション処置で用いるための可撓性(操向可能)アブレーションカテーテル80が示される。アブレーションカテーテル80は、少なくとも1つの管腔404(図34)が中を通る細長い可撓性ハウジング又はシャフト402を備え、反対側に位置する遠位端部406及び近位端部408をそれぞれ備える。遠位端部406は、標的組織をアブレートするアブレーション電極410e(図33)を有するアブレーション先端410を備える。412、414として個々に識別され、そして、図2及び図3のコイル82cと同等の一対のRF追跡コイルは、示されるように、アブレーション先端410から上流に位置決めされる。アブレーション先端410は、局所的な電気信号又は特性を感知する第2の電極を含むこともできるし、アブレーション電極410eが、2極性であり、アブレート及び感知の両方を行うこともできる。
【0158】
カテーテル80の近位端部408は、ハンドル440に動作可能に固定される。カテーテルシャフト402は、例えばポリエステル又は他のポリマー材料等の可撓性の生体適合性及びMRI適合性を有する材料から形成される。しかし、種々の他の種類の材料を、カテーテルシャフト402を形成するために利用することができ、本発明の実施形態は、任意の特定の材料の使用に限定されない。いくつかの実施形態では、シャフト近位端部408は、遠位端部406より硬質である材料から形成される。近位端は、遠位端部406と近位端部408との間の中間部よりも硬質とすることができる。
【0159】
カテーテル80は、組織内への電流又は電圧の漏出(deposition)によって引き起こされる望ましくない加熱の可能性を低減するように構成することができる。カテーテル80は、一連の軸方向に離間したバルン回路(Balun circuit)又は他の適した回路構成等のRFチョークを含むことができる。例えば、RF誘発電流を阻止することができるRF阻止同軸ケーブルのさらなる記述について米国特許第6,284,971号を参照されたい。
【0160】
図32A及び図32Bは、実質的に細長い構成(図32A)であって関節動作式及び/又は曲線状の構成(図32B)である、図31のアブレーションカテーテル80の遠位端部406をそれぞれ示す。遠位端部406を、関節動作させ、曲げ、及び/又は変形させる能力は、アブレーション処置中に所望の位置に(例えば、心臓内に)アブレーション先端410を位置決めすることを容易にする。用語「関節動作(articulation)」は、本明細書で用いられるように、アブレーション先端部410が移動される、修正される、又は形作ることができる全ての方法(例えば、曲線状移動、変形移動等)を含むことを意図される。
【0161】
図示する実施形態では、遠位端部406の関節動作は、カテーテルシャフト402内に配設されたプルワイヤ436(図37)の移動によって達成される。プルワイヤ436の移動は、以下で述べるように、カテーテル近位端部408のハンドル440によって達成される。ハンドル440は、遠位端部406を関節動作させるための、プルワイヤ436と連携するアクチュエータとして役立つ。さまざまな種類のアクチュエータ(例えば、レバー、ピストン、サムスライダー、ノブ等)を利用することができる。本発明の実施形態は、図示したハンドル及びプルワイヤアクチュエータに限定されない。
【0162】
図33は、図31のアブレーションカテーテル80の遠位端部406の拡大部分斜視図である。遠位端部406は、アブレーション先端410及び通常少なくとも2つのRF追跡コイル412、414を有する。RF追跡コイル412、414は、アブレーション先端410の上流であって、アブレーション先端410に隣接して離間した関係で位置決めされる。RF追跡コイル412、414は、カテーテルシャフト管腔404を通って長手方向にそれぞれ延在し、ハンドル(図43)内の電気コネクターインターフェース450で終端するそれぞれのケーブル(例えば、同軸ケーブル)416、418(図34)を介して、3D空間内でカテーテル80の位置を追跡するために、MRIスキャナーのそれぞれのチャネルに電気的に接続される。図33の図示する実施形態では、RF追跡コイル412、414は、図示するように、カテーテルシャフト402に固定されるそれぞれのコイルホルダー415内で支持される。RF追跡コイル412、414は、近い間隔で置くことができ、またいくつかの実施形態では、アブレーション先端410から約12mm以内とすることができる。いくつかの実施形態では、RF追跡コイル412、414はそれぞれ、ほぼ2回巻〜16回巻であり、約0.25mmと約4mmとの間のカテーテルシャフト402の長手方向の長さLを有することができる。本発明の実施形態は、図示する2つのRF追跡コイル412、414に限定されない。他の巻回数及び縦長さを有するRF追跡コイルを用いることができる。さらに、本発明の他の実施形態によれば、1つ又は3つ以上の(例えば、1つ、3つ、4つ等の)RF追跡コイルを遠位端部406に位置させることができる。
【0163】
図示するように、例えば図34では、各コイルホルダー415は、それぞれのRF追跡コイル412、414がその中に配設される、それぞれの陥凹部415aを有する。各陥凹部415aは、それぞれの各コイル412、414がカテーテルシャフト402の外側表面402aに対して僅かに引っ込むような半径方向深さを有する。他の実施形態では、各陥凹部415aは、それぞれの各コイルがカテーテルシャフト402の外側表面402aに対して実質的に同一平面上になるような半径方向深さを有することができる。他の実施形態では、RF追跡コイル412、414は、シャフト402内に埋め込むことができる。追跡コイル412は、先端遠位コイルと呼ばれる場合があり、追跡コイル414は、先端近位コイルと呼ばれる場合がある。いくつかの実施形態では、追跡コイル412、414は、材料層(図示せず)で覆うことができる。例えば、ポリマー材料、エポキシ等の層を利用することができる。各コイル412、414は、コイル412、414を覆う材料層がカテーテル80の外側表面402aと実質的に同一平面上になるように、それぞれの各コイルホルダー415内に引っ込めることができる。
【0164】
図示する実施形態では、アブレーション先端410は、ハンドル440内の電気コネクターインターフェース450(図44)まで管腔404内を長手方向に延在し、アブレーション電極410eをRF発生器に接続するRFワイヤ420に接続される電極410eを含む。RFアブレーション電極410eは、RFエネルギーを受け取り、組織をアブレートすることが可能な導電性材料から形成される。例示的な材料は、銅、並びに、プラチナ等の生体適合性材料を含む。他の実施形態では、アブレーション先端410は、低温で組織をアブレートするように構成された低温アブレーション電極/装置を含むことができる。例えば、アブレーションカテーテル80は、RFアブレーションカテーテルとすることができるが、追加又は代替として、極寒冷アブレーション(例えば、極寒冷アブレーション)、レーザーアブレーション、マイクロ波アブレーション、及び更には化学的アブレーションを含む他のアブレーションを適用するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションは、超音波エネルギーを用いて実行することができる。特定の実施形態では、アブレーションはHIFU(高密度焦点式超音波)を用いて実行することができる。MRIが用いられる場合、これは、磁気共鳴誘導焦点式超音波と呼ばれることがあり、多くの場合、MRgFUSと略される。カテーテルを用いて、エネルギーを標的組織に向けるこの種のエネルギーは、組織を加熱して、壊死を生じさせることができる。
【0165】
導体81及び/又はRFワイヤ420は、(例えば、その長さに沿って、複数回、長さ方向に自身に巻付くことができる)一連の前後セグメントを含むことができ、積層した巻線を含むことができ、及び/又は、高インピーダンス回路を含むことができる。例えば、米国特許出願第11/417,594号、同第12/047,832号、及び同第12/090,583号を参照されたい。これらの出願は、開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。導体(例えば、同軸ケーブル)81及び/又はRFワイヤ420は、その長さの一部分又は全てにわたって、前後の積層セグメントとして共巻(co-wound)及び/又は構成することができる。
【0166】
図35を参照すると、アブレーションカテーテル80のカテーテル遠位端部406は、図示するように、離間した関係にある第2の対のRF追跡コイル422、424を備えることができる。図示するRF追跡コイル422、424は、カテーテルシャフト402の陥凹部402b内に配設される。各陥凹部402bは、それぞれの各RF追跡コイル422、424がカテーテルシャフト402の外側表面402aに対して僅かに引っ込むような半径方向深さを有する。一方、いくつかの実施形態では、各陥凹部402bは、それぞれの各RF追跡コイル422、424がカテーテルシャフト402の外側表面402aに対して実質的に同一平面上になるような半径方向深さを有することができる。他の実施形態では、RF追跡コイル422、424は、シャフト402内に埋め込むことができる。図示する各RF追跡コイル422、424は、ハンドル440内の電気コネクターインターフェース450(図43)まで管腔404内を長手方向に延在するそれぞれの同軸ケーブル426、428(図38)に接続される。
【0167】
いくつかの実施形態では、追跡コイル422、424は、材料層(図示せず)で覆うことができる。例えば、ポリマー材料、エポキシ等のスリーブ又は層を利用することができる。各コイル422、424は、コイル422、424を覆う材料層がカテーテル80の外側表面402aと実質的に同一平面上になるように、カテーテルシャフト402内に引っ込めることができる。いくつかの実施形態では、図53に示すように、4つの全てのRF追跡コイル412、414、422、424は、約0.003インチ(約0.08mm)の厚さを有する熱収縮材料のスリーブ等、材料のスリーブ又は層480で覆うことができる。
【0168】
図38を参照すると、本発明のいくつかの実施形態では、カテーテル80は、アブレーション先端410から電気コネクターインターフェース450までシャフト管腔404内を長手方向に延在するリード線を有する熱電対430を備える。熱電対430は、アブレーション先端410の温度、及び/又はアブレーション先端410に隣接する温度を測定するように構成される。熱電対430は、アブレーション中に、及び/又は、他の時点で温度を監視することを可能にするように構成することができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、アブレーション先端410には、組織のアブレーションの前、その最中、及び/又はその後に生理食塩水等の流体/溶液が流れる流路に連通する1つ以上の出口ポート432(図33)が設けられる。流体/溶液は、1つ以上の出口ポート432からハンドル440までカテーテルシャフト管腔404を通って長手方向に延在する灌注管腔434を介して出口ポート432(複数の場合もあり)に提供される。灌注管腔434は、カテーテルシャフトの近位端部408で、通常ハンドル440において、流体/溶液源と流体連通している。流体/溶液は、冷却液を提供することができ、及び/又は、アブレーション先端410との組織の結合を改善することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、先に述べたように、プルワイヤ436(図38)は、遠位端部406からカテーテル近位端部408のハンドル440までカテーテルシャフト管腔404内を長手方向に延在する。プルワイヤ436は、管腔404の内部壁404aに取り付けられるスリーブ438内を長手方向に延在することができる。プルワイヤ436は、カテーテル80の遠位端部406の近くでスリーブ438に取り付けられ、その他の部分では、スリーブ内を摺動可能に配設される。ハンドル440に向かう方向にプルワイヤ436を引っ張ることによって、カテーテルの遠位端部406が一方向に関節動作する。ハンドル440から離れる反対方向にプルワイヤ436を押すことによって、遠位端部406が別の異なる方向に関節動作する。いくつかの実施形態では、遠位端部406は、関節動作された遠位端部406を非関節動作位置まで戻す、ばね等のバイアス部材を含むことができる。
【0171】
プルワイヤ436は、非金属ワイヤ、ケーブル、編組ワイヤ等を含むがそれらに限定されない種々の非金属材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、単フィラメントワイヤを利用することができる。他の実施形態では、マルチフィラメントワイヤ及び/又は編組ワイヤを利用することができる。例示的なフィラメント材料は、Kevlar(登録商標)フィラメント及びAramid(登録商標)フィラメントを含むことができるが、それらに限定されない。
【0172】
図37及び図39は、図示するカテーテル80の遠位端部406の断面図である。図37は、図35の線37−37に沿った断面図であり、RF追跡コイル412、414、422、及び424にそれぞれ接続される同軸ケーブル416、418、426、及び428の位置及び構成を示す。図37は、アブレーション先端410に接続され、アブレーション電極410eにRFエネルギーを提供するRFワイヤ420の位置及び構成も示す。図37は、熱電対430の位置、及び灌注管腔434の位置も示す。図39は、図38の線30−30に沿った断面図であり、RF追跡コイル412、414に接続される同軸ケーブル416、418の位置及び構成を示す。図39は、アブレーション電極410eに接続されたRFワイヤ420の位置及び構成、熱電対430の位置、及び灌注管腔434の位置も示す。
【0173】
図40は、図39の断面図と同じ位置における図示したカテーテル80の断面図であり、本発明のいくつかの実施形態による、先端アセンブリ401の内部で利用可能な例示的な直径又は自由空間を示す。図40は、熱電対430、同軸ケーブル416、418、プルワイヤ436、スリーブ438、及びRFワイヤ420のそれぞれの直径も示す。図41は、図37の断面図と同じ位置における図示したアブレーションカテーテル80の断面図であり、本発明のいくつかの実施形態による、カテーテルシャフト管腔404の内部で利用可能な例示的な直径又は自由空間を示す。図41は、熱電対430、同軸ケーブル416、418、プルワイヤ436、スリーブ438、及びRFワイヤ420のそれぞれの直径も示す。図42は、本発明のいくつかの実施形態による、カテーテルシャフト管腔404の内部に配置することができる例示的な数のワイヤを示す図示したカテーテル80の断面図である。
【0174】
図43は、本発明のいくつかの実施形態による、カテーテルシャフト402の近位端部408に接続されるハンドル440の斜視図である。ハンドル440は、反対側に位置する遠位端部442及び近位端部444を有する主本体部を有する。図43では、電気コネクターインターフェース450(PCBとして示す)における、シャフト管腔404からハンドル440内に延在する種々のリード線の終端を示すために、ハンドル主本体部441からカバー443(図44)が除去されている。電気コネクターインターフェース450は、ハンドル440の近位端444でアダプター452に電気的に接続される。アダプター452は、アブレーションカテーテル80をMRIスキャナー10Sに接続し、RF追跡コイル412、414、422、424の動作を容易にする1つ以上のケーブルを受け取るように構成される。アダプター452は、アブレーション先端410をアブレーション源に接続するように構成される。図示する実施形態では、電気コネクターインターフェース450は、以下で述べる減結合回路を含むこともできる。
【0175】
図示する実施形態では、ハンドル440の遠位端部442は、ハンドル主本体部441に移動可能に固定され、ハンドル主本体部441に対して伸張位置と後退位置との間で可動であるピストンを含む。図43では、ピストン446は後退位置にある。ピストン446は、伸張位置と後退位置との間でのピストン446の移動によって、プルワイヤ436がそれに対応して伸張及び後退し、それにより、カテーテル80の遠位端部401の関節動作が引き起こされるように、プルワイヤ436に接続される。
【0176】
図44は、本発明のいくつかの実施形態による、図43のハンドル440の拡大斜視図である。電気コネクターインターフェース450は、主本体部441内に示され、電気コネクターインターフェース450に電気的に接続されるアダプター452は、ハンドル近位端部444に示される。図45は、図44のハンドルの斜視図であり、ピストン446は後退位置にあり、カバー443は締結具447を介して主本体部441に固定される。
【0177】
図46を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、個々のMRIチャネル及びそれぞれのRF追跡コイル412、414、422、424とともに利用することができる別のRF追跡コイル同調回路460が示される。図示する実施形態では、それぞれの各同軸ケーブル416、418、426、428は、約123.3MHzで約3λ/4のダイオードからの長さ(例えば、約45インチ)を有する約50オームインピーダンス極細径同軸ケーブルである。しかし、MRIスキャナーの動作周波数においてλ/4波長、又はλ/4波長の他の奇数高調波/奇数倍等の他のケーブル及び/又はケーブル長を、本発明の実施形態に従って利用することができる。各同軸ケーブル416、418、426、428について、それぞれのRF追跡コイル412、414、422、424は、図示するように、一端に接続され、追跡コイル460は、他端に接続される。
【0178】
各追跡コイル回路(460,図46;83,図4)は、PINダイオード(462,図46;UI,図4)及びDCブロッキングコンデンサ464(図46)を含むことができ、通常、ハンドル440内に位置するが、他の実施形態では、追跡コイル回路460は、中間又は遠位端部(図示せず)の近くでカテーテルシャフト管腔404内に位置することができる。各追跡コイル回路460は、MRIスキャナーに電気的に接続され、スキャナー動作中の望ましくない結合によって生じるそれぞれのチャネル内の信号雑音を低減することができる。いくつかの実施形態では、追跡コイル回路460は、例えば、図49に示すように、スキャナー動作中にMRIスキャナーによってPINダイオード462が短絡するとき、RF追跡コイルの両端に100オームインピーダンスを生成することができる。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態では、RF追跡コイル412、414、422、424は、ほぼ2回巻〜16回巻の巻数のソレノイドコイルとすることができる。しかし、他のコイル構成を、本発明の実施形態に従って利用することができる。RF追跡コイル412、414、422、424はそれぞれ、同じ数の巻回又は異なる数の巻回を有することもできるし、RF追跡コイル412、414、422、424のうちの異なるRF追跡コイルは、異なる数の巻回を有することもできる。3.0Tにおいてほぼ2回巻〜4回巻の巻数を有するRF追跡コイルが、追跡目的に適した信号を提供すると考えられる。
【0180】
図47Aは、各RF追跡コイル(412、414、422、424)のためのRF追跡コイル回路460を用いない場合の、3.0テスラ(T)MRI環境におけるアブレーションカテーテル80を示す。先端部における追跡コイル(すなわち、コイル412)は、10回巻のソレノイドコイルである。カテーテル80内での種々の電気構成要素及びワイヤの存在によってMRI環境で生成される望ましくない結合は、特にRF追跡コイル424の近傍で明確に示される。図47Bは、Z方向における図47AのMRI画像のMRI信号強度グラフ470を示す。望ましくない結合は、グラフ領域472に明確に示される。図47Cは、X方向における図47AのMRI画像のMRI信号強度を示す。
【0181】
図48Aは、3.0T MRI環境におけるアブレーションカテーテル80を示し、この環境では、図46のRF追跡コイル同調回路460が、望ましくない結合を制御及び削減するために各RF追跡コイル(412、414、422、424)とともに利用される。先端部における追跡コイルは16回巻のソレノイドコイルである。図48Bは、Z方向における図48AのMRI画像のMRI信号強度グラフ470を示す。望ましくない結合が存在しないことは、図39AのMRI画像と、図48Bのグラフ470の領域472との両方で明確に示される。図48Cは、X方向における図48AのMRI画像のMRI信号強度を示す。
【0182】
マッピングカテーテル
図50を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、MRI誘導処置で用いるための可撓性(操向可能)マッピングカテーテル80が示される。マッピングカテーテル80は、反対側に位置する遠位端部及び近位端部を有する細長い可撓瀬ハウジング又はシャフト602を含み、遠位端部606だけが示される。遠位端部606は、図示するように、離間した関係で配列された、局所的な電気信号又は特性を感知する複数の電極608を含む。第1の電極608a及び第2の電極608bは、カテーテル80の先端610に隣接して位置決めされる。残りの電極(608c〜608d、608e〜608f、608g〜608h、608i〜608j)は、図示するように、第1の2つの電極608a〜608bから上流に配置される。
【0183】
カテーテル80の近位端部は、よく知られているように、ハンドルに動作可能に固定される。カテーテルシャフト602は、例えばポリエステル又は他のポリマー材料等の可撓性、生体適合性、及びMRI適合性を有する材料から形成される。しかし、さまざまな他の種類の材料が、カテーテルシャフト602を形成するために利用することができ、本発明の実施形態は、任意の特定の材料の使用に限定されない。いくつかの実施形態では、シャフト遠位端部606は、近位端部、及び遠位端部と近位端部との間の中間部よりも硬質である材料から形成される。
【0184】
カテーテル80は、組織内の電流又は電圧の望ましくない堆積の可能性を低減するように構成することができる。カテーテル80は、一連の軸方向に離間されたバラン回路又は他の適した回路構成等のRFチョークを含むことができる。例えば、RF誘導電流を阻止することができるRF阻止同軸ケーブルの更なる説明については、米国特許第6,284,971号を参照されたい。
【0185】
マッピングカテーテル80は、図示するように、離間した関係で複数の追跡コイル612、614、616(コイル80c(図2〜3)と同等である)を備える。追跡コイル612は、図示するように、第1の対の電極608aと608bとの間に配置される。カテーテル80は、3D空間の位置を追跡するために、追跡コイル612、614、616をMRスキャナーに接続する同軸ケーブル81を備えることができる。導体81は、(例えば、長さ方向において長さに沿ってそれ自体に数回巻くことができる)一連の前後セグメントを含み、積層巻線を含み、及び/又は、高インピーダンス回路を含みうる。例えば、米国特許出願第11/417,594号、同第12/047,832号、及び同第12/090,583号を参照されたい。これらの米国特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。導体(例えば、同軸ケーブル)81は、長さの一部分又は全てについて、一方向に又は積層セグメントで前後に共巻きすることができる。
【0186】
遠位端部606の関節動作は、アブレーションカテーテル80に対する上述したようなプルワイヤ(図示せず)の移動によって、又は当業者によって理解されるように遠位端部606に連通する別のアクチュエータによって達成することができる。
【0187】
電極608は、近い間隔で置くことができ、いくつかの実施形態では、約2.5mmだけ離間した対で配列することができる。いくつかの実施形態では、RF追跡コイル612、614、616はそれぞれ、ほぼ2回巻〜16回巻であり、約0.25mmと約4mmとの間のカテーテル602の長手方向の長さを有することができる。本発明の実施形態では、図示する3つのRF追跡コイル612、614、616に限定されない。他の巻数及び縦長さを有するRF追跡コイルを用いることができる。さらに、本発明の他の実施形態によれば、1つ又は4つ以上のRF追跡コイル(例えば、1つ、4つ、5つ等)を利用することができる。
【0188】
ここで図51A〜51Bを参照すると、本発明の他の実施形態による、MRI誘導処置で用いるための可撓性(操向可能)マッピングカテーテル80が示される。示されるマッピングカテーテル80は、反対側に位置する遠位及び近位端部を有する細長い可撓瀬ハウジング又はシャフト702を備え、遠位端部706だけが示される。カテーテル80の近位端部は、既知のように、ハンドルに動作可能に固定される。カテーテルシャフト702は、ポリエステル又は他のポリマー材料等の可撓性の生体適合性及びMRI適合性をもつ材料から形成される。しかし、他の様々な種類の材料を利用して、カテーテルシャフト702を形成することができ、本発明の実施形態は、いかなる特定の材料の使用にも限定されない。いくつかの実施形態では、シャフト遠位端部706は、近位端部、及び遠位端部と近位端部との間の中間部分よりも硬質の材料から形成される。
【0189】
カテーテル80は、組織内への電流又は電圧の望ましくない堆積の危険性を低減するように構成することができる。カテーテル80は、一連の軸方向に離間されたバラン回路又は他の適した回路構成等のRFチョークを含むことができる。例えば、RF誘導電流を阻止することができるRF阻止同軸ケーブルの追加の説明については、米国特許第6,284,971号を参照されたい。この米国特許は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【0190】
遠位端部706は、図示するように、離間した関係で配列された、局所的な電気信号又は特性を感知する複数の電極708a〜708dを含む。第1の電極708aは、アブレーション先端710に隣接して位置する。第2の電極708bは、アブレーション先端710から約5.8mmに位置する。第3の電極708c及び第4の電極708dは、アブレーション先端710からそれぞれ約10.1mm及び13mmに位置する。
【0191】
図示したアブレーション電極80は、離間した関係で複数のRF追跡コイル712、714、716、718(コイル80c(図2〜3)と同等)も含む。追跡コイル712は、図示するように、第1の電極608aと第2の電極608bとの間に位置決めされ、追跡コイル714は、第3の電極608cと第4の電極608dとの間に位置決めされる。カテーテル80は、3D空間内でカテーテル80の位置を追跡する追跡コイル712、714、716、718を外部装置に接続する同軸ケーブル81を備えることができる。導体81は、(その長さに沿って、複数回、長さ方向に自身に巻付くことができる)一連の前後セグメントを含むことができる、積層した巻線を含むことができ、及び/又は、高インピーダンス回路を含むことができる。例えば、米国特許出願第11/417,594号、同第12/047,832号、及び同第12/090,583号を参照されたい。導体(例えば、同軸ケーブル)81は、その長さの一部分又は全てにわたって、前後の積層セグメントとして共巻及び/又は構成することができる。
【0192】
遠位端部706の関節動作は、上述したようにプルワイヤ(図示せず)の移動によって、又は当業者によって理解されるように遠位端部706に連通する別のアクチュエータによって達成することができる。
【0193】
ここで図52A〜52Cを参照すると、本発明の他の実施形態による、MRI誘導式プロシージャで使用するための可撓性(操向可能)マッピングカテーテル80が示される。図示したカテーテル80は、「ループ」カテーテルであり、反対側に位置する遠位端部及び近位端部を有する細長い可撓瀬ハウジング又はシャフト802を備え、遠位端部806だけが示される。カテーテル80の近位端部は、既知のように、ハンドルに動作可能に固定される。カテーテルシャフト802は、ポリエステル又は他のポリマー材料等の可撓性の生体適合性及びMRI適合性をもつ材料から形成される。しかし、他の様々な種類の材料を利用して、カテーテルシャフト802を形成することができ、本発明の実施形態は、いかなる特定の材料の使用にも限定されない。いくつかの実施形態では、シャフト遠位端部は、近位端部、及び/又は遠位端部と近位端部との間の中間部分よりも硬質の材料から形成される。
【0194】
カテーテル80は、組織内への電流又は電圧の望ましくない堆積の可能性を低減するように構成することができる。カテーテル80は、一連の軸方向に離間されたバラン回路又は他の適した回路構成等のRFチョークを含むことができる。例えば、RF誘導電流を阻止することができるRF阻止同軸ケーブルの追加の説明については、米国特許第6,284,971号を参照されたい。
【0195】
遠位端部806は、図示するように、「ループ」形状になるように関節動作可能であり、離間した関係で複数のRF追跡コイル812、814、816、818、820(コイル80c(図2〜3)と同等)を備える。カテーテル80は、3D空間内でカテーテル80のロケーションを追跡するトラッキングコイル812、814、816、818、820を外部デバイスに接続する同軸ケーブル81を備えることができる。導体81は、(その長さに沿って、複数回、長さ方向に自身に巻付くことができる)一連の前後セグメントを含むことができる、積層した巻線を含むことができ、及び/又は、高インピーダンス回路を含むことができる。例えば、米国特許出願第11/417,594号、同第12/047,832号、及び同第12/090,583号を参照されたい。導体(例えば、同軸ケーブル)81は、その長さの一部分又は全てにわたって、前後の積層セグメントとして共巻及び/又は構成することができる。
【0196】
遠位端部806の関節動作は、上述したようにプルワイヤ(図示せず)の移動によって、又は当業者によって理解されるように遠位端部806に連通する別のアクチュエータによって達成することができる。
【0197】
図54A〜図54Cは、本発明のいくつかの実施形態による、また、各コイルが2回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについての、X軸、Y軸、及びZ軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。図55A〜図55Cは、本発明のいくつかの実施形態による、また、各コイルが4回巻を有する、4つの追跡コイルカテーテルについての、X軸、Y軸、及びZ軸投影の場合の距離に対する信号対雑音比のプロットである。図56は、図54A〜図54C及び図55A〜図55Cのカテーテルについての信号対雑音比を比較する表である。図54A〜54C及び図55A〜図55Cのプロットは、2回巻及び4回巻だけを有する小型RF追跡コイルの実現可能性をそれぞれ示す。これらのプロットは、回路(83,図4;460,図46)がどれほど有効であるかという有意性を示す。
【0198】
ここで図57A〜57Cを参照すると、図31〜図46のアブレーションカテーテル80のシャフト402は、端と端を離間した関係でシャフト402の壁W内に同軸に配設された複数のRFシールド900を備えることができる。RFシールド900は、図50、図51A〜図51B、図52A〜図52Cのカテーテルを備える、本明細書で述べるカテーテルのうちの任意のカテーテルとともに利用することができる。RFシールド900は、MRI環境に露出されるときに、シャフト402に沿うRF結合を妨害するように構成される。一対のRFシールド900が図57Aに示されるが、多くの更なるRFシールド900を、端と端を離間した関係で細長いシース壁W内に同軸に配設できることが理解される。例示を容易にするために、2つのRFシールド900だけが示される。
【0199】
図57B〜図57Cでより明確に示すために、各RFシールド900は、反対側に位置する端部902a、902bを有する細長い内側管状導体902、内部導体902を同軸に囲む細長い誘電体層904、及び誘電体層904を同軸に囲み、反対側に位置する端部906a、906bを有する細長い外側管状導体906を備える。内側管状導体902及び外側管状導体906は、端部の一方だけで互いに電気的に接続される。反対側に位置するそれぞれの端部は電気的に絶縁される。図示する実施形態では、内側管状導体902及び外側管状導体906は、隣接する端部902a、902bでジャンパーワイヤ910を介して互いに電気的に接続される(図57C)。
【0200】
いくつかの実施形態では、内側導体及び外側導体は、薄膜絶縁体(例えば、積層された薄い可撓性本体)の両側の導電性材料の薄膜フォイル層として形成することができる。
【0201】
RFシールド900は、シャフト402の関節動作を可能にするのに十分に離間しており、硬質の箇所が全くない。いくつかの実施形態では、隣接するRFシールド900は、約0.1インチと約1.0インチとの間で離間することができる。
【0202】
内側管状導体902及び外側管状導体906を一端だけで電気的に接続し(すなわち、短絡し)、導体をグラウンドに取り付けないことによって、各RFシールド900は、対象となる周波数において有効な並列共振回路を形成し、及び/又は、短絡していない位置の内部シールドにおいて高いインピーダンスを生成する4分の1波長共振チョークとして役立つ。各RFシールド900は、電気リード線等の導電性部材に沿う共振RF波の形成、したがって、そのような周波数におけるシャフト402に沿った望ましくないRFエネルギーの伝送を妨げる。
【0203】
図示するRFシールド900はそれぞれ、RFシールド900の長さL及び/又は誘電体層304の厚さを調整することによって特定の周波数に同調することができる。通常、RFシールド900の長さLは、約20インチ(20”)以下である。しかし、RFシールド900は特定の長さに限定されない。
【0204】
本発明の実施形態は、ナビゲーション及びマッピングソフトウェア特徴と併せて利用することができる。例えば、本明細書において説明されるシステム10及びマッピングカテーテル80の現在及び/又は将来のバージョンは、適応投影ナビゲーション及び/又は3D体積マッピング技術を有する特徴を含むことができ、後者は、米国特許出願第10/076,882号に関連付けられた態様を含むことができ、この米国特許出願は、その開示内容を引用することにより、本明細書に完全に説明されているかのごとく本明細書の一部をなすものとする。
【0205】
図面及び本明細書において、本発明の実施形態を開示し、特定の用語が利用されているが、これらの用語は限定目的ではなく一般性及び説明の意味で用いられており、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載される。したがって、上記は、本発明の例示であり、限定として解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例示的な実施形態について説明したが、本発明の新規の教示及び利点から実質的に逸脱せずに、多くの変更が例示的な実施形態において可能なことを当業者であれば容易に理解するであろう。したがって、全てのそのような変更は、特許請求の範囲において規定される本発明の範囲内に含まれることが意図される。特許請求の範囲では、手段プラス機能(means-plus-function:ミーンズプラスファンクション)節は、用いられる場合、記された機能を実行するものとして本明細書において説明された構造、及び構造均等物のみならず、均等な構造も包含することを意図される。したがって、上記が本発明の例示であり、開示された特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、開示された実施形態への変更並びに他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本発明は、均等物が含まれる以下の特許請求の範囲により規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端部及び反対側に位置する近位端部を有する細長い可撓性シャフトと、
前記近位端部に取り付けられたハンドルであって、MRIスキャナーと電気的に通信するように構成された電気コネクターインターフェースを含む、ハンドルと、
前記遠位端部に隣接して位置決めされた少なくとも1つのRF追跡コイルであって、該少なくとも1つの追跡コイルは、該少なくとも1つのRF追跡コイルと前記電気コネクターインターフェースとの間に延在するとともに該少なくとも1つの追跡コイルをMRIスキャナーに電気的に接続するように構成された導電性リード線を含み、前記導電性リード線は、前記MRIスキャナーの動作周波数の4分の1波長の奇数高調波/奇数倍を規定するのに十分な長さを有する、少なくとも1つのRF追跡コイルと
を備える、MRI適合性カテーテル。
【請求項2】
前記シャフト遠位端部にアブレーション先端を更に備え、RF導体が、前記シャフト内で、前記ハンドルの前記電気コネクターインターフェースまで長手方向に延在するとともに、前記アブレーション先端がRF発生器に接続されている、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項3】
前記シャフト遠位端部に少なくとも1つの感知電極を更に備える、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの感知電極は、離間した関係で配列された複数の感知電極を含み、前記RF追跡コイルは、2つの隣接する前記感知電極間に位置決めされる、請求項3に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項5】
前記シャフト遠位端部に熱電対を更に備える、請求項2に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項6】
前記シャフト遠位端部に少なくとも1つの流体出口ポートを更に備え、該少なくとも1つの流体出口ポートは、該少なくとも1つの流体出口ポートから前記カテーテルシャフトの前記近位端部まで前記カテーテルシャフト管腔を通って長手方向に延在する灌注管腔と流体連通する、請求項2に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項7】
前記灌注管腔は、前記カテーテルシャフトの近位端部の流体/溶液源と流体連通する、請求項6に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項8】
前記ハンドルに取り付けられ、前記シャフト遠位端部と連通するアクチュエータを更に備え、該アクチュエータの作動は、前記シャフト遠位端部の関節動作を引き起こす、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項9】
前記アクチュエータは、
前記ハンドルに移動可能に固定され、前記ハンドルに対して伸張位置と後退位置との間で可動であるピストンと、
シャフト管腔を通って延在し、遠位端及び反対側に位置する近位端を有するプルワイヤであって、前記プルワイヤ遠位端は前記シャフト遠位端部に取り付けられ、前記プルワイヤ近位端は前記ピストンに取り付けられ、前記ピストンの移動は、前記シャフト遠位端部の関節動作を引き起こす、プルワイヤと
を備える、請求項8に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項10】
前記プルワイヤは、非金属であって、単一ワイヤ、マルチフィラメントワイヤ、及び/又は、編組ワイヤを備える、請求項8に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項11】
前記シャフト遠位端部は、前記シャフト遠位端部を非関節動作位置に付勢するように構成されるバイアス部材を備える、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項12】
前記バイアス部材は非金属である、請求項11に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項13】
前記少なくとも1つのRF追跡コイルは、該少なくとも1つのRF追跡コイルがMRI環境に露出されたときに結合を低減する回路に電気的に接続される、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項14】
前記少なくとも1つのRF追跡コイルは、隣接する離間した関係にある第1のRF追跡コイル及び第2のRF追跡コイルを含む、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項15】
前記少なくとも1つのRF追跡コイルは、1回巻〜10回巻のソレノイドコイルである、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項16】
前記少なくとも1つのRF追跡コイルは、0.25mmと4mmとの間の前記カテーテルの長手方向に沿う長さを有する、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項17】
前記少なくとも1つのRF追跡コイルは、前記カテーテルシャフト内に引っ込むものである、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項18】
MRI適合性材料の層が、前記少なくとも1つのRF追跡コイルを覆い、前記カテーテルシャフトの外側表面と実質的に同一平面上にある、請求項17に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項19】
前記導電性リード線は同軸ケーブルである、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項20】
前記細長いシャフト内に同軸に配設された少なくとも1つのRFシールドを更に備え、該少なくとも1つのRFシールドは、
細長い内側導体及び外側導体であって、各導体はそれぞれの反対側に位置する第1の端部及び第2の端部を有する、細長い内側導体及び外側導体と、
前記内側導体と前記外側導体との間に挟まれ、前記内側導体を囲むMRI適合性材料の細長い誘電体層とを備え、前記内側導体及び外側導体の前記それぞれの第1の端部だけが電気的に接続され、前記第2の端部は電気的に絶縁される、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項21】
前記内側導体及び外側導体はそれぞれ、508mm(20インチ)以下の長さを有する、請求項20に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項22】
前記内側導体及び外側導体はそれぞれ、1.27mm(0.05インチ)以下の厚さを有する、請求項20に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項23】
前記内側導体及び外側導体は、導電性フォイル、導電性編組、又は導電性表面を有するフィルムを含む、請求項20に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項24】
前記少なくとも1つのRFシールドは、端と端が離間した関係にある複数のRFシールドを含む、請求項20に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項25】
前記少なくとも1つの追跡コイルは、少なくとも3つの離間した追跡コイルを含み、前記追跡コイルの少なくとも2つは、前記シャフトの実質的に剛性の遠位端部上で、固定した関係で互いに近い間隔で置かれる、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項26】
前記少なくとも1つの感知電極は、抵抗器又は抵抗性材料を有する、請求項3に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項27】
前記RF導体は、その長さに沿って一連の前後のセグメントを含む、請求項2に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項28】
前記RF導体は、その長さに沿って一連の前後のセグメントを含む、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項29】
前記少なくとも1つの追跡コイルは、複数の離間した同調追跡コイルであり、各同調追跡コイルは、それぞれの同軸ケーブルを用いて、前記装置の近位端にダイオードを有する同調回路に接続され、前記同軸ケーブルはそれぞれ、λ/4、又はλ/4のより高次の奇数高調波(3λ/4、5λ/4)である前記追跡コイルから前記ダイオードまでの測定されたMRIスキャナーにおける電気的長さを有し、前記回路は、少なくとも1mmの精度で前記追跡コイルの位置を識別するように構成される、請求項1に記載のMRI適合性カテーテル。
【請求項30】
蛇行状で及び/又は自然の管腔経路を介して患者に導入されるように構成された少なくとも1つのカテーテルであって、遠位端部と、該遠位端部の反対側に位置する近位端部とを有する細長い可撓性シャフトと、導電性リード線を介してMRIスキャナーのチャネルに接続された少なくとも1つのRF追跡コイルであって、前記導電性リード線は、前記MRIスキャナーの動作周波数の4分の1波長の奇数高調波/奇数倍を規定するのに十分な長さを有する、少なくとも1つのRF追跡コイルとを備える、少なくとも1つのカテーテルと、
前記MRIスキャナーと通信し及び/又は前記MRIスキャナー内に存在している回路であって、(a)座標系を有する3D MRI画像空間に関連付けられた関連の解剖学的スキャン平面を用いて外科処置中に、MR画像データを取得し、患者の標的解剖学的組織の一連の準リアルタイム(RT)MRI画像を生成し、(b)前記3D MRI画像空間の座標系を用いて、前記少なくとも1つのカテーテルの少なくとも遠位端部の位置に関連付けられた座標を識別し、(c)標的患者解剖学的構造のRT画像データ及び患者の標的解剖学的構造の事前に取得されてレジストレーションされた第1の体積モデルを用いて前記3D画像空間内での前記少なくとも1つのカテーテルの準RTインタラクティブ可視化をレンダリングするように構成され、前記回路は、前記可視化において物理的表現で前記少なくとも1つのカテーテルを示す、回路と
を備える、MRI誘導介入システム。
【請求項31】
前記少なくとも1つのカテーテルは、
前記近位端部に取り付けられたハンドルと、
前記ハンドルに取り付けられ、前記シャフト遠位端部と連通するアクチュエータであって、該アクチュエータの作動は、前記シャフト遠位端部の関節動作を引き起こすものである、アクチュエータと、
前記シャフト遠位端部のアブレーション先端であって、少なくとも1つのRF追跡コイルは、前記アブレーション先端に隣接して位置決めされる、アブレーション先端と
を更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記シャフト遠位端部は、前記シャフト遠位端部を非関節動作位置に付勢するように構成されるバイアス部材を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記シャフト遠位端部に少なくとも1つの感知電極を更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記シャフト遠位端部に熱電対を更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記シャフト遠位端部に少なくとも1つの流体出口ポートを更に備え、該少なくとも1つの流体出口ポートは、該少なくとも1つの流体出口ポートから前記カテーテルシャフトの前記近位端部まで前記カテーテルを通って長手方向に延在する灌注管腔と流体連通し、前記灌注管腔は、前記カテーテルシャフトの前記遠位端部で流体/溶液源と流体連通する、請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つのカテーテルは、
前記近位端部に取り付けられたハンドルと、
前記ハンドルに取り付けられ、前記シャフト遠位端部と連通するアクチュエータであって、該アクチュエータの作動は、前記シャフト遠位端部の関節動作を引き起こすものである、アクチュエータと、
前記シャフト遠位端部に、離間した関係で配列された複数の対の感知電極と
を更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項37】
MRI誘導介入処置中に前記可視化を表示するように構成された前記回路と通信するユーザインターフェースを有するディスプレイを更に備え、前記ユーザインターフェースは、前記標的解剖学的組織の準RT画像だけを含むか、前記解剖学的組織の前記準RT画像及び前記解剖学的構造の前記レジストレーションされたモデルを含むか、又は前記解剖学的構造の前記レジストレーションされたモデルだけを含むように、ユ−ザが(a)前記可視化を回転させ、(b)表示される可視化を変更することを可能にするように構成される、請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
前記MRIスキャナーは、前記少なくとも1つの追跡コイルからの追跡信号の信号取得を、前記準RT MRI画像の画像データとインターリーブするように構成され、前記回路は、前記MR画像データを得るために用いられるスキャン平面から独立した前記3D画像空間内で前記少なくとも1つのカテーテルを電子的に追跡するように構成され、それにより、前記少なくとも1つのカテーテルは、前記少なくとも1つの準RT MRI画像のMR画像データを得るために用いられる前記関連の解剖学的スキャン平面のいずれにもある必要がなく、前記少なくとも1つのカテーテルの前記遠位端部は曲線形状をとることができる、請求項30に記載のシステム。
【請求項39】
前記回路は、前記3次元画像空間内で前記少なくとも1つのカテーテルの先端位置に近接する装置−組織界面を計算するように構成され、前記回路は、前記装置−組織界面を規定するために、前記先端を超えて、規定された距離を軸方向に前に投影するように構成され、前記計算される組織界面位置は、前記少なくとも1つのカテーテルを使用する処置中に、及び/又は、該処置に時間的に近接して、前記MR画像データを得るために用いられる少なくとも1つのスキャン平面を自動的に規定するために用いられる、請求項30に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの追跡コイルは、少なくとも3つの離間した追跡コイルを備え、前記追跡コイルのうちの少なくとも2つは、前記シャフトの実質的に剛性の遠位端部上で、固定した関係で互いに近い間隔で置かれ、前記回路は、前記先端の計算された位置にあるか又は前記計算された位置を超えた或る距離にある、投影される組織−装置界面を早撮りし、少なくとも1つのスキャン平面を用いて、前記2つの遠位追跡コイルだけからの追跡コイル信号データ及び前記2つの追跡コイル間の既知の空間的関係に基づいて、前記組織−装置界面の準リアルタイム画像データを得るように、前記スキャナーに指示するように構成される、請求項30に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの追跡コイルは、それぞれの同軸ケーブルを用いて、前記装置の近位端でダイオードに接続される複数の離間した同調追跡コイルであり、前記同軸ケーブルはそれぞれ、λ/4、又はλ/4のより高次の奇数高調波(3λ/4、5λ/4)である前記追跡コイルから前記ダイオードまで測定された前記スキャナーにおける電気的長さを有し、前記回路は、実質的に一定であって正確な物理的オフセット距離を規定するそれぞれの追跡信号を用いて、互いに固定した空間的関係にある2つの隣接する追跡コイルから追跡コイル信号を得るように構成される、請求項30に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47A】
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【図47B】
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【図47C】
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【図48A】
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【図48B】
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【図48C】
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【図49】
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【図50】
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【図51A】
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【図51B】
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【図52A】
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【図52B】
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【図52C】
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【図53】
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【図54A】
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【図54B】
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【図54C】
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【図55A】
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【図55B】
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【図55C】
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【図56】
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【図57A】
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【図57B】
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【図57C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2012−529977(P2012−529977A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516263(P2012−516263)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/038824
【国際公開番号】WO2010/148088
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(507028365)エムアールアイ・インターヴェンションズ,インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】