説明

PGDS阻害剤としてのフェニルオキサジアゾール誘導体

本発明は、式(I):
【化1】


(式中、R1、R2及びR3は本明細書中で定義されたとおりである)の化合物、該化合物を含む医薬組成物、該化合物を製造するための中間体及び方法、並びにアレルギー性及び/又は炎症性障害、特にアレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び加齢性黄斑変性(AMD)のような障害を処置するための該化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルオキサジアゾール化合物、それらの製造、これらの化合物を含む医薬組成物、及びプロスタグランジンD合成酵素の阻害により調節され得る疾患状態の処置におけるそれらの薬学的用途に関する。
【背景技術】
【0002】
最もよく見られるアトピー性疾患であるアレルギー性鼻炎は、ヒト人口全体の約5〜約22パーセントに及ぶ範囲の推定有病率を有し、くしゃみ、鼻汁及び鼻詰まりの症状で特徴づけられる。これらの症状は、肥満細胞及び他の炎症細胞から放出される多数のメディエータにより引き起こされると考えられている。抗ヒスタミン薬のような現在の治療は、くしゃみ及び鼻汁に効果的に対処するが、患者のクオリティオブライフに影響を及ぼす鍵となる症状である鼻詰まりにはほとんど効果がない。
【0003】
アレルギー性鼻炎、気管支ぜん息、アレルギー性結膜炎及びアトピー性皮膚炎の患者における局所的アレルゲンチャレンジは、鼻及び気管支の洗浄液、涙及び皮膚チャンバー液(skin chamber fluids)におけるプロスタグランジンD2「(PGD2)」レベルの急速な上昇を生じるということが示された。PGD2は多くの炎症作用、例えば結膜及び皮膚における血管浸透性の増加、鼻気道抵抗の増加、気道狭窄並びに結膜及び気管への好酸球浸潤を有する。PGD2は、免疫学的チャレンジで肥満細胞から産生されるアラキドン酸の主要なシクロオキシゲナーゼ生成物である[非特許文献1]。PGD2の主要な供給源である活性化された肥満細胞は、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎及び他の疾患のような状態においてアレルギー反応を促進する鍵となる役割を果たすものの一つである[非特許文献2]。
【0004】
スルフヒドリル化合物の存在下で、プロスタグランジンD合成酵素「(PGDS)」の触媒作用によって、プロスタノイド類の一般的な前駆体であるPGH2の異性化によりPGD2が形成される。PGDS酵素の2つのアイソフォームがある:L−PGDS;及びH−PGDS。H−PGDSは細胞質内酵素であり、これは末梢組織に分布しており、そして抗原提示細胞、肥満細胞、巨核球、及びTh2リンパ球に局在している。生成物PGD2の作用はG−タンパク質共役型受容体:Dプロスタグランジン「(DP)」及びcrTH2により媒介される。(1)非特許文献3、(2)非特許文献4、及び(3)非特許文献5を参照のこと。
【0005】
理論に拘束されることを望まないが、PGD2の形成を阻害することは鼻詰まりに効果を有するはずであり、従ってアレルギー性鼻炎において治療上有効であるはずである。さらに本発明者らは、PGDS阻害剤が気管支ぜん息、加齢性黄斑変性(AMD)及び/又は又は(an/or or)慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような多数の他の適応症において治療上有効であるはずであると考える。
【0006】
加齢性黄斑変性(AMD)は変性でかつ進行性の眼疾患であり、黄斑の変性に起因して良好な中心視野の喪失をもたらす。AMDは50歳より高い年齢の個人について欧州及び米国において失明の最も一般的な原因である。
【0007】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は進行性の炎症性疾患であり、慢性気管支炎及び肺気腫を含む。症状としては、気流制限、過剰粘液産生、咳、減少した運動能力及び減少したクオリティオブライフが挙げられる。
【0008】
PGDS阻害剤は報告されている。化合物HQL−79は弱いPGDS阻害剤であると報告されており、そしてモルモット及びラットモデルにおいて抗喘息性である(非特許文献6)。化合物トラニラストはPGDS阻害剤として記載される(非特許文献7)。以下の公開された特許出願もPGDS阻害剤を開示する:
特許文献1及び2 − ピリジン及びピリミジンカルボキサミド類;
特許文献3 − ピリミジンカルボキサミド類;
特許文献4 − ベンゾイミダゾール誘導体;
特許文献5 − ピペラジン(チオ)カルボキサミド類;並びに
特許文献6 − イミン及びアミド誘導体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US2008/0207651A1
【特許文献2】US2008/0146569A1
【特許文献3】JP2007−51121
【特許文献4】WO2007/007778
【特許文献5】WO2008/122787
【特許文献6】WO2005/094805
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Lewis、RA、Soter NA、Diamond PT、Austen KF、Oates JA、Roberts LJ II、Prostaglandin D2 generation after activation of rat and human mast cells with anti−IgE、J.Immunol.129、1627−1631、1982
【非特許文献2】Brightling CE、Bradding P、Pavord ID、Wardlaw AJ、New Insights into the role of the mast cell in asthma、Clin.Exp.Allergy 33、550−556、2003
【非特許文献3】Prostaglandin D Synthase:Structure and Function.T.Urade and O.Hayaishi、Vitamin and Hormones、2000、58、89−120
【非特許文献4】J.J.Murray、N.Engl.J.Med.、1986 Sept.25;315(13):800
【非特許文献5】Urade et.al,、J.Immunology 168:443−449、2002
【非特許文献6】Matsusshita、et al.、Jpn.J.Pharamcol.78:11、1998
【非特許文献7】Inhibitory Effect of Tranilast on Prostaglandin D Synthesase.K.Ikai、M.Jihara、K.Fujii、and Y.Urade.Biochemical Pharmacology、1989、28、2773−2676
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
R1は水素又はC1−C6アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0012】
本発明の別の局面は、薬学的に有効な量の式(I)の化合物及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物である。
【0013】
本発明の別の局面は、式(I)の化合物を患者に投与することにより、それを必要とする患者においてアレルギー性疾患及び/又は炎症性疾患、特にアレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び/又は加齢性黄斑変性(AMD)のような障害を処置する方法に関する。本発明の別の局面は、式(I)の化合物を製造するための方法である。
【0014】
発明の詳細な説明
用語の定義
上記のそして本発明の説明全体を通して使用される以下の用語は、別の指示がなければ、以下の意味を有すると理解されるものとする:
「アルキル」は、1〜約20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素を意味する。特定のアルキルは1〜約12個の炭素原子を有する。より特定のアルキルは低級アルキルである。分枝鎖は、1つ又はそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチル又はプロピルが直鎖アルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」は線状アルキル鎖である1〜約4個の炭素原子を意味し、直鎖でも分子鎖でもよい。
【0015】
「ヒドロキシアルキル」はOH−アルキル−を意味する。特定のヒドロキシアルキルはヒドロキシ(C1−C6)アルキル−である。例となるヒドロキシアルキルとしては1−ヒドロキシ−1−メチル−エチルが挙げられる。
【0016】
「本発明の化合物」及び同等の表現は、本明細書で以前に記載される式(I)の化合物を包含するよう意図される。中間体への言及は、それら自体が特許請求されていてもいなくても、文脈からそれが可能である場合、それらの塩、N−オキシド及び溶媒和物を包含するよう意図される。
【0017】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。特定のハロ又はハロゲンはフルオロ又はクロロである。
【0018】
「患者」はヒト及び他の動物を含む。
【0019】
「薬学的に許容しうる塩」は、本発明の化合物の、非毒性の無機酸付加塩及び有機酸付加塩、並びに塩基付加塩を指す。これらの塩は化合物の最終の単離及び精製の間にインサイチュで製造しても、その遊離塩基形態の精製された化合物を別に適切な有機酸又は無機酸と反応させて、そのようにして形成された塩を単離することにより製造してもよい。いくつかの場合は、化合物自体が分子上の塩基性部位を自己プロトン化して、内部両性塩を形成することができる。
【0020】
「適切なカップリング試薬」は、アミンをカルボン酸と反応させるために適した試薬を指す。適切なカップリング試薬としては、限定されないが、DMTMM、カルボニルジイミダゾール(CDI)及びTBTU、DCC、ホスホニウム塩、並びにウロニウム塩が挙げられる。
【0021】
例となる酸付加塩としては、臭化水素塩、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル酸、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシラート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチラート(naphthylate)、メシラート、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、スルファミン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、メチレン−ビス−β−ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチシン酸塩、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩及びラウリルスルホン酸塩が挙げられる。例えばS.M.Berge,et al.、「Pharmaceutical Salts,」 J.Pharm.Sci.、66、1−19(1977)(参照により本明細書に加入される)を参照のこと。塩基付加塩はまた、その酸形態の精製された化合物を適切な有機塩基又は無機塩基と別に反応させて、そのようにして形成された塩を単離することにより製造することもできる。塩基付加塩には薬学的に許容しうる金属塩及びアミン塩が含まれる。適切な金属塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムの塩が挙げられる。特定の塩基付加塩はナトリウム塩又はカリウム塩である。適切な無機塩基付加塩は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化亜鉛を含む金属塩基から製造される。適切なアミン塩基付加塩は、安定な塩を形成するために十分な塩基性を有するアミンから製造され、これには特に、それらの低い毒性及び医療用途についての許容性のために医薬品化学において頻繁に使用されるアミンが含まれる。アンモニア、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、例えばリジン及びアルギニン、並びにジシクロヘキシルアミン。
【0022】
本発明の特定の実施態様は、式(I)[式中:
R1は水素であり;
R2は水素であり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0023】
本発明の別の特定の実施態様は、式(I)[式中:
R1はC1−C6アルキルであり;
R2は水素であり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0024】
本発明の別の特定の実施態様は:
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ベンジルアミド;
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド;又は
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド;
である式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0025】
当然のことながら、本発明は、言及される特定の実施態様の全ての適切な組み合わせを包含する。
【0026】
本発明はまた、薬学的に許容しうる担体と混合して、薬学的に有効な量の本発明の化合物を含む医薬組成物もその範囲内に含む。
【0027】
本発明の化合物はPGDS阻害剤であり、従って、アレルギー性疾患及び/又は炎症性疾患、特にアレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性副鼻腔炎(rhinosinusitus)(CRS)、及び加齢性黄斑変性(AMD)のような障害を処置するために有用である。従って、本明細書における別の発明は、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び/又は加齢性黄斑変性(AMD)に罹患した患者を処置する方法に関し、該方法は、薬学的に有効な量の式(I)の化合物を患者に投与することを含む。
【0028】
上記の適応症及び障害に加えて、式Iの化合物を含むPGDS阻害剤は、DP1、DP2、TP及びPPARガンマ関連疾患を含むPGD2媒介疾患の処置に有用である。このような疾患及び障害としては以下が挙げられる:
1) アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、顔面紅潮を含む皮膚疾患 Proc Natl Acad Sci U.S.A.2006 Apr 25;103(17):6682−7);
2) 好酸球性食道炎(eosophagitis)のような消化系のアレルギー性疾患;
3) アルツハイマー病及びクラッベ病のような神経変性疾患(The Journal of Neuroscience、April 19、2006、26(16):4383−4393);
4) デュシェンヌ型筋ジストロフィー及び多発性筋炎のような筋疾患(American Journal of Pathology.2009;174:1735−1744);
5) 増加した好酸球に関連する状態又は好酸球増多症候群;
6) ぶどう膜炎、グレーブス眼症、アレルギー性結膜炎及び緑内障のような眼の疾患;
7) 糖尿病性網膜症のような糖尿病に関連する血管損傷又はメタボリックシンドロームに関連する血管損傷(Diabetes Res Clin Pract.2007 Jun;76(3):358−67);並びに
8) 関節リウマチ及び変形性関節症のような骨疾患(J Rheumatol 2006;33:1167−75)。
【0029】
処置に関する本明細書における言及は、PGDSを阻害するための予防的治療、さらにはPGDSに関連する確立された急性若しくは慢性若しくは生理的な状態を処置してそれらに罹患した患者を本質的に治療するため、又はそれらに関連する生理的状態を寛解させるための予防的治療を含むと理解されるべきである。本明細書で考察される生理的状態には、抗アレルギー性鼻炎及び/又は抗喘息処置が認可されている可能な臨床的状況の、全てではないがいくつかを含む。この分野の当業者には、処置を必要とする状況が十分にわかる。
【0030】
実際には、本発明の化合物を薬学的に許容しうる投与形態でヒト及び他の哺乳動物に、経口、吸入、直腸、鼻腔、頬側、舌下、膣、結腸、非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、髄腔内及び硬膜外を含む)、槽内及び腹腔内を含む局所又は全身投与により投与され得る。当然のことながら、特定の経路は例えばレシピエントの生理学的条件によって変わり得る。
【0031】
「薬学的に許容しうる投与形態」は本発明の化合物の投薬形態を指し、そしてこれらとしては、例えば、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、液体製剤(懸濁剤を含む)、スプレー剤、吸入剤錠剤(inhalants tablets)、ロゼンジ、乳剤、液剤、顆粒剤、カプセル剤及び坐剤、さらには注射用液体製剤(リポソーム製剤を含む)が挙げられる。技術及び処方はRemington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版に見られ得る。
【0032】
本発明の特定の局面は、医薬組成物の形態で投与するための本発明の化合物を提供する。
【0033】
薬学的に許容しうる担体は、投与形式及び投薬形態の性質に依存して、薬学的に許容しうる担体、希釈剤、コーティング、アジュバント、添加剤又はビヒクル、例えば保存剤、フィラー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、乳化安定剤、懸濁化剤、等張剤、甘味料、矯味矯臭剤、香料、着色剤、抗菌剤、抗真菌剤、他の治療薬、滑沢剤、吸着遅延又は促進剤、及び調剤用剤(dispensing agents)を含む群より選択される少なくとも1つの成分を含む。
【0034】
例となる懸濁化剤としては、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天及びトラガカント、又はこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0035】
微生物の活動を防止するための例となる抗菌剤及び抗真菌剤としては、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などが挙げられる。
【0036】
例となる等張剤としては、糖類、塩化ナトリウムなどが挙げられる。
【0037】
吸収を延長させるための例となる吸着遅延剤としては、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンが挙げられる。
【0038】
吸収を増強するための例となる吸着促進剤としては、ジメチルスルホキシド及び関連類似体が挙げられる。
【0039】
例となる希釈剤、溶媒、ビヒクル、可溶化剤、乳化剤及び乳化安定剤としては、水、クロロホルム、スクロース、エタノール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、安息香酸ベンジル、多価アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)60、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンの脂肪酸エステル、植物油(例えば、綿実油、落花生油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)及び注射用有機エステル類、例えばオレイン酸エチルなど、又はこれらの物質の適切な混合物が挙げられる。
【0040】
例となる添加剤としては、ラクトース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムが挙げられる。
【0041】
例となる崩壊剤としては、デンプン、アルギン酸及び特定の複合ケイ酸塩(complex silicates)が挙げられる。
【0042】
例となる滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、さらには高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0043】
薬学的に許容しうる担体の選択は、一般的に溶解性のような活性化合物の化学的特性、特定の投与様式及び薬務において見られる規定に従って決定される。
【0044】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤若しくは錠剤のような固形投薬形態のような別個の単位として、又は散剤若しくは顆粒剤として;水性液体若しくは非水性液体中の液剤若しくは懸濁剤のような液状投薬形態として、又は水中油液状乳剤若しくは油中水液状乳剤として提供され得る。活性成分はボーラス、舐剤又はペースト剤として提供されてもよい。
【0045】
「固形投薬形態」は固形である本発明の化合物の投薬形態を意味し、例えばカプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、糖衣剤又は顆粒剤である。このような固形投薬形態において、本発明の化合物は、少なくとも1つの不活性な通常の添加剤(又は担体)、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、又は:(a)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸のようなフィラー若しくは増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシアのような結合剤、(c)例えばグリセロールのような湿潤剤(humectants)、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩及び炭酸ナトリウムのような崩壊剤、(e)例えばパラフィンのような溶液凝固遅延剤(solution retarders)、(f)例えば第四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤、(g)例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤(wetting agents)、(h)例えばカオリン及びベントナイトのような吸着剤、(i)例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムのような滑沢剤、(j)乳白剤、(k)緩衝剤、並びに腸管の特定の部分において遅延された様式で本発明の化合物を放出する薬剤と混合される。
【0046】
錠剤は圧縮又は成形により、場合により1つ又はそれ以上の補助的な成分を用いて製造され得る。圧縮錠は、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存料、表面活性剤又は分散剤と混合された、粉末又は顆粒のような自由流動形態の活性成分を適切な機械で圧縮することにより製造され得る。ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤と混合された、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムのような添加剤並びにデンプン、アルギン酸及び特定の複合ケイ酸塩のような崩壊剤が使用され得る。不活性液体希釈剤を用いて湿らされた粉末状化合物の混合物を適切な機械で成形して成形錠を製造し得る。錠剤は場合により被覆されていても分割されていてもよく、その中にある活性成分の遅延放出又は制御放出をもたらすように製剤化されていてもよい。
【0047】
固形組成物はまた、ラクトース又は乳糖、さらには高分子量ポリエチレングリコール等のような添加剤を使用して、軟及び硬充填ゼラチンカプセル剤におけるフィラーとしても使用され得る。
【0048】
所望の場合、かつより効果的な分布のために、生体適合性で生分解性のポリマーマトリックス(例えば、ポリ(d,l−ラクチドco−グリコリド))、リポソーム、及びミクロスフェアのような徐放性又は標的化されたデリバリーシステム中に化合物をマイクロカプセル化するか結合させ、そして皮下又は筋内デポーと呼ばれる技術によって皮下注射又は筋内注射して、2週間又はそれより長期の間、化合物(単数又は複数)の連続的な徐放をもたらすことができる。化合物は、例えば細菌保持フィルターを通すろ過、又は滅菌水若しくはいくつかの他の滅菌注射可能媒体に使用の直前に溶解させることができる滅菌固形組成物の形態の減菌剤を組み込むことにより滅菌され得る。
【0049】
「液状投薬形態」は、患者に投与しようとする活性化合物の用量が液状形態、例えば薬学的に許容しうる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤であることを意味する。活性化合物に加えて、液状投薬形態は、溶媒のような当該分野で一般に使用される不活性希釈剤、可溶化剤及び乳化剤を含有し得る。
【0050】
水性懸濁剤が使用される場合、それらは乳化剤又は懸濁化を促進する薬剤を含有し得る。
【0051】
局所投与に適した医薬組成物は、患者に局所投与されるために適した形態である製剤を意味する。この製剤は、当該分野で一般的に知られるような、局所軟膏、膏薬、散剤、スプレー剤及び吸入剤、ゲル剤(水又はアルコールベースのもの)、クリーム剤として提供されても、経皮バリアを通って化合物の制御放出を可能にするパッチでの適用のためのマトリックス基剤中に組み込まれてもよい。軟膏で製剤化される場合、活性成分はパラフィン系又は水混和性の軟膏基剤のいずれかと共に使用され得る。あるいは、活性成分は水中油クリーム基剤を用いたクリーム剤で製剤化され得る。眼での局所投与に適した製剤としては点眼剤が挙げられ、ここで活性成分は活性成分に適した担体、特に水性溶媒中に溶解又は懸濁される。 口での局所投与に適した製剤としては、風味付けされた基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むトローチ剤;並びに適切な液状担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤が挙げられる。
【0052】
エマルジョン医薬組成物の油相は、公知の方法で公知の成分から構成され得る。相は乳化剤(他にはエマルジェント(emulgent)としても知られる)を含むだけでよいが、望ましくは少なくとも1つの乳化剤と、脂肪若しくは油脂との混合物、又は脂肪及び油脂との混合物を含む。特定の実施態様において、親水性乳化剤は安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。一緒になると乳化剤(安定剤を伴うか又は伴わない)は乳化ろうを構成し、そして油脂及び脂肪と共に、クリーム製剤の油性分散相を形成する乳化軟膏基剤を構成する。
【0053】
所望の場合、クリーム基剤の水相は、例えば、多価アルコール、すなわちプロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG 400を含む)並びにそれらの混合物のような2つ又はそれ以上のヒドロキシル基を有するアルコールを最少(a least)30%(質量/質量)含み得る。局所製剤は、望ましくは活性成分の吸収、又は皮膚若しくは他の罹患した領域を通る浸透を増強する化合物を含む。
【0054】
組成物に適した油脂又は脂肪の選択は、所望の特性の達成に基づく。従って、クリーム剤は特に、チューブ又は他の容器からの漏出を避けるために適切な稠度を有し、脂っぽくなく、染色性でなく、そして洗い落とせる製品であるべきである。直鎖若しくは分枝鎖の、一塩基性若しくは二塩基性のアルキルエステル類、例えばミリスチン酸ジ−イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、又はCrodamol CAPとして知られる分枝鎖エステルのブレンドが使用され得る。これらは必要とされる特性に依存して単独で使用されても組み合わせて使用されてもよい。あるいは、高融点の脂質、例えば白色ワセリン及び/又は流動パラフィン若しくは他の鉱油を使用することができる。
【0055】
直腸又は膣投与に適した医薬組成物は、患者に直腸投与又は膣投与するために適切な形態であり、かつ少なくとも1つの本発明の化合物を含有する製剤を意味する。坐剤はこのような製剤のための特定の形態であり、これは本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール又は坐剤ろうを混合することにより製造され得、これらは常温で固体であるが体温では液体であり、従って直腸又は膣腔で溶融して活性成分を放出する。
【0056】
注射により投与される医薬組成物は、経筋(transmuscular)、静脈内、腹腔内、及び/又は皮下の注射によるものであり得る。本発明の組成物は、特に生理的に適合性の緩衝液、例えばハンクス液又はリンゲル液中の液剤で製剤化される。さらに、本組成物を固形形態で製剤化して使用直前に再溶解又は懸濁してもよい。凍結乾燥した形態も含まれる。製剤は無菌であり、乳剤、懸濁剤、水性及び非水性の注射液剤が含まれ、これらは懸濁化剤及び増粘剤、並びに抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬及び製剤を等張性にする溶質を含有し得、そして意図されたレシピエントの血液に適切に調整されたpHを有する。
【0057】
鼻腔投与又は吸入投与に適した本発明の医薬組成物は、患者に鼻腔投与又は吸入により投与するために適した形態である組成物を意味する。本組成物は、例えば1〜500ミクロンの範囲の粒径(30ミクロン、35ミクロンなどのように20〜500ミクロンの間の範囲で5ミクロンきざみの粒径を含む)を有する粉末形態の担体を含有し得る。例えば鼻腔用スプレー又は点鼻薬としての投与に適した、担体が液体である組成物は、活性成分の水性又は油性の液剤を含む。エアロゾル投与に適した組成物は従来の方法にしたがって製造され得、そして他の治療剤と共に送達され得る。吸入療法は、定量吸入器又はいずれかの適切な乾燥粉末吸入器、例えば特許出願WO2004/026380、及び米国特許第5,176,132号に記載されるようなEclipse、Spinhaler(登録商標)、又はUltrahaler(登録商標)により容易に施される。
【0058】
本発明の組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、患者についての特定の組成物及び投与方法に対して所望の応答を得るために有効である活性成分の量を得るように変更され得る。従っていずれかの特定の患者についての選択された投薬量レベルは、所望の治療効果、投与経路、所望の処置期間、疾患の病因及び重症度、患者の状態、体重、性別、食事及び年齢、各活性成分の種類及び効力、吸収速度、代謝及び/又は排泄並びにその他の因子を含む様々な因子に依存する。
【0059】
患者に単回用量又は分割用量で投与される本発明の化合物の総日用量は、例えば1日あたり約0.001〜約100mg/体重kgの量、そして特に0.01〜10mg/kg/日の量であり得る。例えば成人において、用量は一般的に、吸入により1日あたり約0.01〜約100、特に約0.01〜約10mg/体重kg、経口投与により1日あたり約0.01〜約100、特に0.1〜70、より特に0.5〜10mg/体重kg、そして静脈内投与により1日あたり約0.01〜約50、特に0.01〜10mg/体重kgである。組成物中の活性成分のパーセントは、適切な投薬量が得られるような比率を構成するように変更され得る。投薬量単位組成物は、日用量を構成するために使用されるような量又はそのような約数を含有し得る。明らかに、数個の単位投薬形態をほぼ同時に投与してもよい。投薬量は、所望の治療効果を得るために必要なだけ頻繁に投与され得る。より高い用量又はより低い用量に対して急速に反応し得る患者もおり、かなり低い維持用量が適切であると分かるかもしれない。他の患者については、各特定の患者の生理的要件にしたがって、1日あたり1〜4回の用量の割合で長期の処置をする必要があるかもしれない。当然のことながら、他の患者については、1日あたり多くて1回又は2回の用量を処方することが必要だろう。
【0060】
製剤は薬学分野において周知の方法のいずれかにより単位投薬量で製造され得る。このような方法は、薬学的に活性な成分を、1つ又はそれ以上の補助成分を構成する担体と合わせる工程を含む。一般に、製剤は活性成分を液状担体又は微粉化固形担体又は両方と均一かつ密接に合わせて、次いで必要な場合は製品を成形することにより製造される。
【0061】
製剤は、単回用量又は複数回用量の容器、例えばエラストマーの栓で密閉されたアンプル及びバイアルで提供され得、そしてフリーズドライ(凍結乾燥)条件で貯蔵され得、滅菌液体担体、例えば注射用の水を使用直前に添加するだけでよい。即時調合用(Extemporaneous)注射液剤及び懸濁剤は、以前に記載した種類の滅菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から製造され得る。
【0062】
本発明の化合物は、公知の方法(従来使用される方法又は文献に記載される方法、例えばComprehensive Organic Transformations、VCH publishers、1989においてR.C.Larockにより記載されるものを意味する(is a meant))の応用又は適応により製造され得る。
【0063】
本明細書以後に記載される反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオ又はカルボキシ基が最終生成物で望まれる場合に、反応へのそれらの望ましくない参加を避けるためにこれらの反応性官能基を保護する必要があるかもしれない。従来の保護基が標準的技法にしたがって使用され得る。例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd edition、John Wiley & Sons、Inc.、1999を参照のこと。
【0064】
式(I)の化合物は、(以下のスキームIに示されるように)XI型のアミンをピリジルピリミジニルカルボン酸(製造はスキームIIに示される)と脱水カップリング試薬(例えばDMTMM)の存在下で種々の溶媒(限定されないがDMFが挙げられる)中にて反応させることにより製造され得る。適切なカップリング試薬としては、限定されないが、DMTMM、カルボニルジイミダゾール(CDI)及びTBTU、DCC、ホスホニウム塩、並びにウロニウム塩が挙げられる。式(I)の化合物はまた、(以下のスキームIaに示されるように)XI型のアミンとピリジルピリミジニルエステル(製造はスキームIIに示される)との、0.1〜1.0当量の1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)の存在下での直接カップリングによっても製造され得る。この反応は溶媒がない状態で行っても、添加した溶媒(限定されないが、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素が挙げられる)の存在下で行ってもよい。TBD以外の強塩基(限定されないがDBU及びテトラメチルグアニジンが挙げられる)を使用しても生成物が得られる。アミンXIはスキームIIIに詳細に示される方法により製造され得る。臭化ベンジル(benzylic bromide)VIIをジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレートと、塩基(限定されないが炭酸セシウムが挙げられる)の存在下で種々の溶媒(限定されないがDMF が挙げられる)中にて反応させて化合物VIIIが得られ得る。次いでVIII型のこれらの化合物をヒドロキシルアミンと(塩基の存在下で(限定されないが、ヒドロキシルアミンの塩、例えばヒドロキシルアミン塩酸塩が使用される場合はトリエチルアミンが挙げられる))種々の溶媒(限定されないがメタノールが挙げられる)中にて反応させてアミドキシムIXが得られ得る。このアミドキシムを、カルボキシ官能基(限定されないがメチルカルボキシレートが挙げられる)を含有する化合物と塩基(限定されないが炭酸カリウムが挙げられる)の存在下で、溶媒(限定されないがトルエンが挙げられる)の存在下若しくは溶媒なしで(特定の場合には、カルボキシ官能基が反応の溶媒としての役目を果たす)反応させて、オキサジアゾールXが得られ得る。次いでオキサジアゾールXを酸性条件(限定されないがメタノール中の塩化水素が挙げられる)に曝露させてアミンXIが得られ得る。R1アルキル置換基がアミンXIにおいて望ましい場合、これらのアミンはスキームIVにしたがって(エナンチオ富化された形態又はラセミ形態のいずれか)、Ellmanにより開発されたtert−ブチルスルフィンアミド方法論を使用して製造され得る。
【0065】
スキームI
【化2】

ここでR1、R2及びR3は式(I)において定義されたとおりである
【0066】
スキームIa
【化3】

ここでR1、R2及びR3は式(I)において定義されたとおりであり、R4はC1−C3アルキルである
【0067】
スキームII
【化4】

【0068】
スキームIII
【化5】

ここでR1、R2及びR3は式(I)において定義されたとおりである
【0069】
スキームIV
【化6】

ここでR1、R2及びR3は式(I)において定義されたとおりである。
【0070】
当然のことながら、本発明の化合物は不斉中心を含有し得る。これらの不斉中心は独立してR配置又はS配置のいずれかであり得る。当業者には当然のことながら、本発明の特定の化合物は幾何異性も示し得る。当然のことながら、本発明は本明細書上記の式(I)の化合物の、個々の幾何異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物(ラセミ混合物を含む)を含む。このような異性体はそれらの混合物から公知の方法、例えばクロマトグラフィー技術及び再結晶技術の応用若しくは適応により分離することができるか、又はそれらはそれらの中間体の適切な異性体から別々に製造される。
【0071】
本発明の化合物、それらの方法又は製造及びそれらの生物学的活性は、説明としてのみ示され、本発明の範囲を限定するとは解釈されるべきではない以下の実施例を調べることによりさらに明らかとなるだろう。本発明の化合物は、例えば以下の分析方法により同定される。
【0072】
質量スペクトル(MS)をMicromass LCT質量分析計を使用して記録する。方法は質量をm/z100から1000までスキャンするポジティブエレクトロスプレーイオン化である。
【0073】
300MHz 1H核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)を周囲温度でVarian Mercury(300MHz)分光計を使用してASW 5mmプローブを用いて記録する。1H NMR化学シフト(δ)は百万分の一(ppm)で内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を参照して示される。
【0074】
以下の実施例及び製造において、さらには出願の残りの部分において使用されるように、そこで使用される用語は示される意味を有するものとする:「kg」=キログラム、「g」=グラム、「mg」=ミリグラム、「μg」=マイクログラム、「mol」=モル、「mmol」=ミリモル、「M」=モル濃度、「mM」=ミリモル濃度、「μM」=マイクロモル濃度、「nM」=ナノモル濃度、「L」=リットル、「mL」又は「ml」=ミリリットル、「μL」=マイクロリットル、「℃」=摂氏温度、「mp」又は「m.p.」=融点、「bp」又は「b.p.」=沸点、「mm of Hg」=ミリメートル水銀柱での圧力、「cm」=センチメートル、「nm」=ナノメートル、「abs.」=無水、「conc.」=濃(縮)、「c」=g/mLでの濃度、「rt」=室温、「TLC」=薄層クロマトグラフィー、「HPLC」=高速液体クロマトグラフィー、「i.p.」=腹腔内、「i.v.」=静脈内、「s」=一重線、「d」=二重線;「t」=三重線;「q」=四重線;「m」=多重線、「dd」=二重二重線;「br」=幅広、「LC」=液体クロマトグラフィー、「MS」=質量スペクトルグラフ、「ESI/MS」=エレクトロスプレーイオン化/質量スペクトルグラフ、「RT」=保持時間、「M」=分子イオン、「PSI」=ポンド/平方インチ、「DMSO」=ジメチルスルホキシド、「DMF」=N,N−ジメチルホルムアミド、「DCM」=ジクロロメタン、「HCl」=塩酸、「SPA」=シンチレーション近接アッセイ、「EtOAc」=酢酸エチル、「PBS」=リン酸緩衝化生理食塩水、「IUPAC」=国際純正応用化学連合、「MHz」=メガヘルツ、「MeOH」=メタノール、「N」=規定、「THF」=テトラヒドロフラン、「min」=分、「N2」=窒素ガス、「MeCN」又は「CH3CN」=アセトニトリル、「Et2O」=エチルエーテル、「TFA」=トリフルオロ酢酸、「〜」=約、「MgSO4」=硫酸マグネシウム、「Na2SO4」=硫酸ナトリウム、「NaHCO3」=炭酸水素ナトリウム、「Na2CO3」=炭酸ナトリウム、「MCPBA」=3−クロロペルオキシ安息香酸、「NMP」=N−メチルピロリドン、「PS−DCC」=ポリマー担持−ジシクロヘキシルカルボジイミド、「LiOH」=水酸化リチウム、「PS−トリスアミン」=ポリマー担持−トリスアミン、「PGH2」=プロスタグランジンH2、「PGD2」=プロスタグランジンD2;「PGE2」=プロスタグランジンE2、「hPGDS」=造血器型(Hematopoietic)PGD2合成酵素、「GSH」=グルタチオン(還元型)、「EIA」=酵素免疫アッセイ、「KH2PO4」=リン酸カリウム、一塩基性、「K2HPO4」=リン酸カリウム、二塩基性、「FeCl2」=塩化鉄、「MOX」=メトキシルアミン;「EtOH」=エタノール、「DMSO」=ジメチルスルホキシド、「Ag2O」=酸化銀(I)、「HATU」=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、「HOAt」=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、「DIPEA」=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、「HOTT」=S−(1−オキシド−2−ピリジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルチウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、「HCTU」=N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、「PyBrOP」=ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、「LiAlH4」=水素化リチウムアルミニウム、「PyAOP」=(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、「TBTU」=O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N,N,−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート、「NaHMDS」=ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、「NMP」=N−メチル−2−ピロリジノン、「HOSA」=ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸、「DMTMM」=4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド、「TMSN3」=トリメチルシリルアジド、「TBAF」=フッ化テトラブチルアンモニウム、「TFAA」=トリフルオロ酢酸無水物。
【実施例】
【0075】
上の例に記載される手順と類似した手順にしたがって以下の化合物を製造した:
【0076】
実施例1
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−ベンジルアミド
【化7】

【0077】
工程1
【化8】

3−ブロモメチル−ベンゾニトリル(42.9g、219mmol、1当量)をジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレート(50g、230.13mmol、1.05当量)及び炭酸セシウム(74.98g、230.13mmol、1.05当量)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(230mL)中で混合した。この反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いでジエチルエーテル(500mL)と水(1L)との間で分配した。水層を追加分のジエチルエーテル(250mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層をブライン(2x200mL)で洗浄した。次いで有機層を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そして真空で濃縮して油状物を得、これをゆっくりと結晶化させて2−[(3−シアノフェニル)メチル]−イミドジカルボン酸 1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(72g、99%)を得た。MS:333(M+H)、355(M+Na)。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.47(s、18H)、4.79(s、2H)、7.42(t、1H)、7.54−7.60(m、3H)。
【0078】
工程2
【化9】

ヒドロキシルアミン塩酸塩(23.43g、375mmol、2.5当量)を、2−[(3−シアノフェニル)メチル]−イミドジカルボン酸 1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(50g、150mmol、1当量)のメタノール(450mL)中の溶液に加え、そしてこの混合物を氷水浴で冷却した。トリエチルアミン(37.87g、375mmol、2.5当量)を加え、そして反応混合物を終夜撹拌し、浴が解凍するにつれてゆっくりと室温まで昇温させた。次いで反応混合物を真空で濃縮して残留物を酢酸エチル(1L)と水(500mL)との間で分配した。水層を追加分の酢酸エチル(200mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そしてろ過した。この時点でヘプタン及びトルエン(それぞれ100mL)を加え、そして反応混合物を真空で濃縮して2−[[3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル]メチル]−イミドジカルボン酸 1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステルを透明ゲル(54.7g(>99%)として得、これをさらに精製することなくそのまま使用した。
【0079】
工程3
【化10】

炭酸カリウム(4.35g、31.46mmol、1.15当量)を、トルエン(30mL)中の工程2からの2−[[3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル]メチル]−イミドジカルボン酸 1,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル(10g、27.36mmol、1当量)を入れたフラスコに加え、続いて2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(3.716g、31.46mmol、1.15当量)を加えた。反応混合物を加熱還流させた。48時間後、反応混合物をEtOAc(300mL)と水(200mL)との間で分配した。EtOAcをブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮して残留物をそのまま得た。
ジオキサン中4N HCl(60mL)を、前の反応からの残留物(27mmol)のp−ジオキサン(60mL)中の氷冷した混合物に加えた。氷水浴を外して反応混合物を室温まで昇温させた。6時間後、反応混合物をジエチルエーテル(200mL)で希釈した。白色固形物をろ過により集めてジエチルエーテル(〜50mL)で希釈し、次いで真空で乾燥して3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−ベンジル−アミン塩酸塩(5.84g、2工程で79%)を得た。
MS:234(M+H).1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.626(s、6H)、4.13−4.15(d、2H)、6.11(bs、1H)、7.62(t、1H)、7.72(d、1H)、8.02(d、1H)、8.15(s、1H)、8.45(bs、3H)。
【0080】
工程4
【化11】

N−−メチルモルホリン(NMM)(1.12g、11.12mmol、1当量)を、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2.24g、11.12mmol、1当量)及び3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−ベンジル−アミン塩酸塩(3g、11.12mmol、1当量)のDMF(50mL)中混合物に加えた。室温で5分間撹拌した後、4−(4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリン−4−イウムクロリド(DMTMM)(3.08g、11.12mmol、1当量)を加え、そして反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を氷水(500mL)に入れて希釈し、そして懸濁液をEtOAc(2x300mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブラインで洗浄し(2x100mL)、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して粗生成物を得、これを酢酸エチル/エタノールを使用して再結晶して2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−ベンジルアミドを白色結晶性固体として得た(1.95g、42%)。注:収率はカップリングパートナー及び再結晶に使用される溶媒の純度によって変わる。MS:417(M+H).1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.62(s、6H)、4.65(d、2H)、6.08(s、1H)、7.54−7.63(m、3H)、7.93(d、1H)、7.99−8.04(m、2H)、8.45(d、1H)、8.79(d、1H)、9.37(s、2H)、9.57(t、1H)。
【0081】
あるいは、カップリングはCDI(カルボニルジイミダゾール)又はTBTUを使用して達成され得る。以下に示すカップリングは、例えばDMF及び/又はTHF中で行ってもよい。
【0082】
【化12】

【0083】
5Lジャケット付き反応器にカルボン酸68.89g及びDMF約346mlを加えた。このスラリーにCDI 74.9gを22±2℃で加えた。アミン(79.87g)をDMF約69mLに溶解し、そして8分間かけて何度も加えた。これにより粘度の高いスラリーが透明な黄色/褐色溶液に変化した。温度は35℃に上昇した。ヘプタン(202ml)を加え、続いて水(596ml)をゆっくりと20分かけて加えた。水を加える間、温度は22から33℃に上昇した。反応混合物を撹拌するにつれて結晶が形成し始めた。水(5.15L)を加えた。反応混合物を直径185mmブフナー漏斗でろ過し、そして水2x750mLで洗浄した。ケーキを集めて真空下で乾燥し(45℃、圧力100mbar、窒素気流)、生成物122.15gを得た。
【0084】
HPLC方法:Eclipse XDBフェニルカラム、3.5ミクロン、4.6x150mm、254nmで検出、グラジエント:5:95:0.1% ACN/水/TFAで開始、次いで8分間かけて70:30:0.1% ACN/水/TFAまで一定割合で変化させて(ramped)、4.5分保持した;生成物保持時間:6.5分。
【0085】
あるいは、カップリングは以下に示されるように酸塩化物を介して進行し得る。
【化13】

【0086】
磁気撹拌、温度コントローラー、及びFirestone Valve(N2)を備えた100mL三つ口丸底フラスコに2−[3−(3−アミノメチルフェニル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル]−プロパン−2−オール遊離塩基(600mg、2.57mmole、1eq)、NMP(5mL)及びトリエチルアミン(2.25mL)を入れた。2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボニルクロリドHCl(0.7g、2.7mmole、約96%酸)を加えた。反応を約2.5時間後にトルエン(5mL)及び水(5x10mL)を加えることによりクエンチした。反応混合物をろ過してケーキをトルエン及び水で洗浄して固形物(0.85g、収率79%)を得た。
【0087】
1H NMR(300MHz、d6−DMSO):δ=1.61(s、6H)、4.64(d、2H)、6.08(s、1H)、7.6(m、3H)、7.95(d、1H)、8.04(m、2H)、8.45(d、1H)、8.8(d、1H)、9.37(s、1H)、9.57(t、1H)。
【0088】
実施例1a
3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−ベンジル−アミン塩酸塩の代替の合成
スキームV
【化14】

【0089】
スキームV−工程1
オーバーヘッドメカニカル撹拌機、熱電対プローブ及び窒素パージを備えた5−Lのジャケット付きガラス反応器に20−25℃にて3−シアノベンズアルデヒド(100.0g、0.763mol、1.0eq.)及びエタノール(200proof)(394.5g、500mL、5体積/質量部)を入れた。この懸濁液に滴下漏斗を介してヒドロキシルアミン塩酸塩(159.0g、2.288mole、3.0eq.)の水(250mL、2.5部)溶液を30〜45分間かけて温度を20〜25℃に維持しながら入れた。滴下漏斗を水(20mL)ですすぎ、そしてすすぎ液を反応器に加えた。NH2OH.HCl溶液約45mLを加えた後、固形物は溶解して透明溶液を生じた。10分以内にこの溶液は濁り、固体が結晶化して懸濁液を生じた。この固体はヒドロキシルアミンのアルデヒド官能基への付加から生じたオキシムと考えられる。この懸濁液を20〜25℃で1時間撹拌した。懸濁液に滴下漏斗を介して炭酸ナトリウム(121.25g、1.144mole、1.5 eq,)の水(390mL、3.9部)溶液を1.5〜2.0時間かけて20〜22℃の温度を維持しながら入れた。滴下漏斗を水(20mL)ですすぎ、そしてすすぎ液を反応器に加えた。CO2の発生が観察された。この懸濁液を29〜30℃に加熱し、そして29〜30℃で24時間撹拌した。水(1.32L、13.2部)を反応器に45〜60分かけて30〜32℃の温度を維持しながら入れた。この懸濁液を加熱して76〜78℃に30〜60分間保持して透明溶液を得た。この溶液を55〜60℃に90分かけて冷却した。生成物は55〜60℃で結晶化した。懸濁液を55〜60℃で60分撹拌した。懸濁液を20〜22℃に8〜12時間かけて冷却した。懸濁液を2〜5℃に冷却し、そして2〜5℃で4時間撹拌した。懸濁液をろ過し(ブフナー漏斗、外径14.5cm)、そしてケーキを水(250mL、2.5部)で洗浄した。ケーキを吸引下で5時間乾燥した。このケーキを乾燥皿に移し、そして真空下(25−50torr、50℃、N2)で60時間乾燥して生成物127.33g(収率93.2%)を99.9%の純度(HPLC)を有する白色結晶性固体として得た。
【0090】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAに変化させた;生成物保持時間:3.6−4.4分(3つのピーク)。
【0091】
スキームV−工程2
オーバーヘッドメカニカル撹拌機、熱電対プローブ及び窒素パージを備えた5−Lのジャケット付きガラス反応器に22〜27℃で(N−ヒドロキシ−3−ヒドロキシイミノメチル)ベンズアミジン)(100.0g、0.558mol、1.0eq.)及び1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(267.3g、260mL、2.6体積/質量部)を入れた。この懸濁液に滴下漏斗を介して2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(197.8g、1.674mole、3.0eq.)を15〜30分かけて25〜27℃の温度を維持しながら入れた。この混合物を25〜27℃で30〜45分間撹拌し、透明溶液を得た。この溶液に滴下漏斗を介して25質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(361.7g、1.674モル、3.0eq.)を30〜60分かけて25〜27℃の温度を維持しながら入れた。この溶液を29−30℃で7時間加熱した。29〜30℃で30〜45分後に、溶液は懸濁液に変わった。水(1.8L、18部)を滴下漏斗を介して30〜60分かけて22〜25℃の温度を維持しながら入れた。懸濁液は溶解してpH12.2(pHメーター)を有する透明溶液を生じた。溶液のpHを、塩酸(37.1質量%)(77.4g、0.787モル、1.4eq)を30〜45分間かけて22〜25℃の温度を維持しながら入れることにより5.0に調整した。塩酸で酸性化すると生成物は結晶化した。5〜10℃に冷却し、そして5〜10℃で2時間撹拌した後、懸濁液をろ過し(ブフナー漏斗、内径27.5cm)、そしてケーキを水(700mL、7部)で洗浄し、そして吸引下で7時間乾燥した。このケーキを乾燥皿に移して真空下で(25〜50torr、50℃、N2)20〜24時間乾燥して生成物132.0g(収率95.6%)を99.7%(HPLC)の純度を有する白色結晶性固体として得た。
【0092】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAに変化させた;生成物保持時間:10.8分。
【0093】
スキームV−工程3
オーバーヘッドメカニカル撹拌機、熱電対プローブ及び窒素パージを備えた5−Lジャケット付きガラス反応器に、20〜25℃にて3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ベンズアルデヒドオキシム(100.0g、0.404mol、1.0eq.)及び氷酢酸(1888.2g、1.8L、18体積/質量部)を入れた。この懸濁液を28〜30℃に加熱し、透明溶液が得られるまで撹拌した(30〜45分)。溶液を22〜24℃に冷却し、そして亜鉛末(105.8g、1.618モル、4.0eq.)を滴下漏斗を介して90〜120分かけて22〜26℃の温度を維持しながら加えた。注:亜鉛末の添加は発熱性であった。懸濁液を24〜26℃で2〜3時間撹拌した。懸濁液をN2下で(N2供給を備えた逆さの漏斗(inverted funnel))セライト(40g)でろ過した。固形物をEtOH(200proof)/H2O(1/1、894.5g、1L、10部)及びEtOH(200proof)(250mL、197.3g、2.5部)で洗浄した。ろ液を5−Lの反応器に移し、そして減圧下で(45−50torr、44−47℃、ジャケット温度50〜55℃)約350mL(3.5部)の体積まで濃縮した。N2で真空を破り、そして反応器を22℃に冷却した。この混合物は粘度の高い懸濁液であった。トルエン(2162.5g、2.5L、25部)をこの反応器に入れて、懸濁液を減圧下(70〜75torr、42〜47℃、ジャケット温度50〜55℃)で体積約350mL(3.5部)まで濃縮した。N2で真空を破り、そして反応器にトルエン(129.8g、150mL、1.5部)を22℃にて入れた。懸濁液を22℃で15〜20分間撹拌し、そして層を分離させた。上層は主にトルエンであり、そして低層は所望の生成物の酢酸塩を含有していた。
【0094】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAに変化させた;生成物保持時間:7.9分
【0095】
スキームV−工程4a
2−MeTHF(1290.0g、1.5L、15部)を反応器に加えた。水酸化アンモニウム水溶液(29.5質量%)(353.8g、400mL、4部)を滴下漏斗を介して30〜45分かけて20〜25℃の温度を維持しながら入れた。この混合物を22〜25℃で30〜45分間撹拌し、そして層を分離させた。水相のpHは塩基性(観察されたpHは10.9)であるはずである。有機相を15.3質量%の塩化ナトリウム水溶液(2x442.1g、2x400mL、2x4部)で洗浄した。注:15.3質量%NaCl水溶液はNaCl(180g)を水(1000g)に溶解することによって調製した。有機相を減圧下で(100〜110torr、30〜34℃、ジャケット温度35−40℃)体積約900mL(9部)まで濃縮した。真空をN2で破り、そして溶液をろ過して少量のNaCl(約400mg)を除去した。漏斗を2−MeTHF(86.0g、100mL、1部)ですすいで2−[3−(3−アミノメチルフェニル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル]−プロパン−2−オール遊離塩基の2−MeTHF/トルエン(899.0g、1L、10部)中の溶液を得た。溶液のアッセイ(w/w)により生成物(83.61g、9.3質量%)が収率88.7%で95.1 A%(HPLC);2−MeTHF 68.7質量%及びトルエン21.2質量%の純度で得られた。
【0096】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAまで変化させた;生成物保持時間:7.8分
【0097】
スキームV−工程4
メカニカル撹拌機、熱電対プローブ及びN2入り口を備えた5L反応器にTHF(1.5L)及び2−[3−(3−アミノメチルフェニル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル]−プロパン−2−オールAcOH(111.27g)を入れた。この溶液は懸濁液に変化した。Na2CO3(85.73g)の水(600ml)溶液を冷却しながら(熱電対15℃)ゆっくりと加えた。反応混合物を室温で約10分間撹拌した。THF(90mL)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(97.1g)を滴下漏斗を介して約12分かけて冷却しながら(熱電対を15℃に設定した)加えた。この反応混合物を加温した(熱電対を22℃に設定した)。混合物は最初に懸濁液に見えた後、2つの別の層に分離し、その後再び懸濁液になった。酢酸エチル(750mL)を加え、そして懸濁液を15分間室温で撹拌した。セライト(545(25g)を反応器に加えて混合物を15分間撹拌した。スラリーを4L三角フラスコに移した。これをセライト545を通してろ過した(セライト545 100gを入れたガラスろ過器、Kimax 2000mL−125C)。セライト/亜鉛塩を酢酸エチル(500mL)で洗浄した。有機層を集めて1/1 H2O/飽和NaCl水溶液(2x500mL)で洗浄した(水層のpH5〜7)。ろ液をきれいな反応器に入れて、その反応器に上下続きの(one−piece)蒸留装置を取り付けた(P=250torr、Δp=5torr、熱電対を40℃に設定した)。反応器中の液体の体積が約250mLになったときに、圧力をN2で均一にし、そして反応混合物を冷却した(熱電対を22℃に設定した)。反応器に酢酸エチル(1500mL)を入れた。反応器中の溶液の体積が約500mLになるまで蒸留を再開した(P=180−200torr、Δp=5torr、熱電対を50℃に設定した)。圧力をN2で均一にし、そして反応混合物を冷却した(熱電対を22℃に設定した)。{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−ベンジル−カルバミン酸(carbvamic acid)tert−ブチルエステルの収量は126.46g(定量的、酢酸エチル溶液)であった。この溶液を工程5で使用した。
【0098】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAに変化させた;生成物保持時間:13.8分
【0099】
スキームV−工程5
メカニカル撹拌機、熱電対及びN2入り口を備えた5L反応器に、{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−ベンジル−カルバミン酸(carbvamic acid)tert−ブチルエステル(126.46g)を酢酸エチル(ethjyl)中の溶液(工程4から)として入れた。溶液を冷却した(3〜15℃)。HClガス(102g)をレクチャーボトルから30分かけて加えた。反応混合物を45分かけて15℃に加温し、そしてスラリーが形成した。このスラリーを三角フラスコ(1L)に移した。次いで内容物をブフナー漏斗を使用してろ過した。ケーキを酢酸エチル(350mL)ですすいで吸引乾燥した。次いで固形物を乾燥皿に移して乾燥し(0.9インチHg、35C、N2)、固形物83.52g(工程3〜5総収率76.6%)を得た。
【0100】
HPLC方法:Zorbax Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、25℃、240nmで検出、グラジエント:5:95:0.1 CH3CN/H2O/TFA 無勾配2分、次いで一定割合で16分かけて90:10:0.1 CH3CN/H2O/TFAに変化させた;生成物保持時間:8.0分。
【0101】
実施例1b:
【化15】

撹拌及び窒素ブランケット(blanket)を備えた反応器に2−Me−THF(5mL)、エステル(500mg)、ベンジルアミン(545mg)及び1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エン(TBD)(97.5mg、0.3eq)を入れて黄色がかった懸濁液を得た。反応器を79℃に予熱した加熱ブロックに置いた。反応混合物を約3時間撹拌し、次いでブロックから外して室温まで放冷させて、次いで氷浴中に置いて15分間撹拌し、そしてろ過した。反応器及びケーキを1mL冷2−Me−THFですすいだ。こびりついた(caked)白色物質を5x2mL水で室温にてすすぎ、そして1.5時間吸引乾燥した。白色固形物(0.77g)をオーブンに移して70℃(N2、45mbar)で終夜加熱した。収量:750mg、77%。
【0102】
代替の後処理:2−Me−THF(4mL)、エステル(300mg)、ベンジルアミン(327mg)及び1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]デカ−5−エン(TBD)(58.5mg、0.3eq)を使用して反応を完了させた後、混合物を水2mLを用いて分配させ、そして冷却した。有機相を分離し、2−Me−THF 2mLで希釈し、次いで水5mLで洗浄した。合わせた水層を2−Me−THF 2mLで抽出した。合わせた有機相を濃縮して乾燥した。収量:0.57g、97%。
【0103】
HPLC方法:Eclipse XDB C8カラム、5ミクロン、4.6x150mm、35℃、270nmで検出、グラジエント:5:95:0.1% ACN/水/TFA 5分保持、次いで一定割合で7分かけて50:50:0.1% ACN/水/TFAに変化させて3分保持;生成物保持時間:12.9分。
【0104】
実施例2
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド
【化16】

【0105】
工程1
【化17】

3−アセチルベンゾニトリル(5g、34.4mmol)を、THF(70mL)中の(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(3.48g、28.7mmol)及びチタン(IV)エトキシド(13.1g、57.4mmol)を入れたフラスコに加え、そして反応混合物を75℃で終夜加熱した。反応混合物を冷却し(−48℃)、そしてL−Selectride(1M THF溶液、57.4mL)を1時間かけて滴下した。反応混合物を2時間撹拌し、そして室温まで昇温させた。次いで反応混合物を0℃に冷却し、そしてメタノール(3mL)を加えた。ブライン(150mL)を撹拌しながら加えて、懸濁液をセライトを通してろ過した。粗製物質を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そして真空下でエバポレートした。未精製物(cruse)をカラムクロマトグラフィーでヘプタン−酢酸エチルを用いて溶離してN−[(1S)−1−(3−シアノフェニル)エチル]−2−メチル−[S(R)]−2−プロパンスルフィンアミド(78%)を得た。
MS:251(M+H)
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.22(s、9H)、1.54(d、3H)、3.36(bs、1H)、4.55−4.7(m、1H)、7.43(d、1H)、7.46(d、1H)、7.56−7.6(m、2H)、7.64(s、1H)。
【0106】
工程2
【化18】

N−ヒドロキシ−3−[(S)−1−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルアミノ)−エチル]−ベンズアミジン
ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.43g、55mmol)及びメタノール(70mL)を、N−[(1S)−1−(3−シアノフェニル)エチル]−2−メチル−[S(R)]−2−プロパンスルフィンアミド(5.5g、22mmol)を入れたフラスコに加えて、この懸濁液を氷水浴で冷却した。トリエチルアミン(5.55g、55mmol)をこのフラスコに加え、そして反応混合物を一晩で室温まで昇温させた。反応混合物を減圧下でエバポレートし、そして粗製物を水とDCMとの間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)、そして減圧下でエバポレートしてN−ヒドロキシ−3−[(S)−1−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルアミノ)−エチル]−ベンズアミジン(5.48g)を得た。
MS:284(M+H).1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.21(s、9H)、1.52(s、3H)、3.33(s、1H)、3.77(bs、1H)、4.59−4.61(m、1H)、4.88(1H、bs)、7.35−7.37(m、2H)、7.50−7.52(m、1H)、7.64(s、1H)
【0107】
工程3
【化19】

2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド
2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチル(20mL)及びK2CO3(806mg、5.8mmol)を、N−ヒドロキシ−3−[(S)−1−(2−メチル−プロパン−2−スルフィニルアミノ)−エチル]−ベンズアミジン(1.5g、5.3mmol)を入れたフラスコに加え、そして6時間加熱還流させた。反応混合物を減圧下でエバポレートし、そして水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーでヘプタン−酢酸エチル混合物を用いて溶出して2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド(1.05g)を得た。
MS:352(M+H).
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.22(s、9H)、1.58(d、3H)、1.75(s、6H)、3.48(bs、1H)、4.65(m、1H)、7.45−7.47(m、2H)、8.01(m、1H)、8.08(s、1H)
【0108】
工程4
【化20】

−{3−[3−((S)−1−アミノ−エチル)−フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−プロパン−2−オール塩酸塩
p−ジオキサン中の塩化水素(4N、1.42mL)を、2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド(1g、2.85mmol)のメタノール(3mL)中の冷却した溶液に0℃で加え、そして20分間撹拌した。ジエチルエーテル(30mL)を加え、デカンテーションし、そして残留物をジエチルエーテルの別のアリコートで洗浄した。残留物を真空で乾燥して2−{3−[3−((S)−1−アミノ−エチル)−フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−プロパン−2−オール塩酸塩(560mg)を得た。
MS:231(ES+、−OHイオン化)
1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.55(d、3H)、1.63(s、6H)、4.53−4.57(m、1H)、6.1(bs、1H)、7.64(t、1H)、7.76(d、1H)、8.01(d、1H)、8.15(s、1H)、8.56(bs、2H)
【0109】
工程5
N−−メチルモルホリン(NMM)(196mg、1.94mmol)を、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(390mg、1.94mmol)及び2−{3−[3−((S)−1−アミノ−エチル)−フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−プロパン−2−オール塩酸塩(550mg、1.94mmol)のDMF(20mL)中の混合物に加えた。室温で5分間撹拌した後、4−(4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリン−4−イウムクロリド(DMTMM)(537mg、1.94mmol)を加え、そして反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、そして懸濁液をEtOAc(7x100mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空で濃縮して粗生成物を得、これをHPLC(C18カラム)によりアセトニトリル−水混合物で溶出して精製し、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミドを非晶質ガラス状物質(650mg、78%)として得た。
MS:431(M+H)。
1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.58(d、3H)、1.62(s、6H)、5.3(m、1H)、7.56(t、1H)、7.7(d、1H)、7.92(m、2H)、8.08(s、1H)、8.43(t、1H)、8.72(d、1H)、8.9(d、1H)、9.47(s、2H)、9.59(d、1H)。
[+]d(メタノール)=+57.2o
【0110】
実施例3
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド
【化21】

【0111】
工程1
【化22】

硫酸水素カリウム(13.6g、100mmol)を、3−ホルミルベンゾニトリル(7.21g、55mmol)及び(S)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(6.06g、50mmol)のトルエン(500mL)中の混合物に加え、そして45℃で2日間加熱した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下でエバポレートし、そしてカラムクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘプタン混合物で溶出して精製し、N−[(3−シアノフェニル)メチレン]−2−メチル−,[S(S)]−2−プロパンスルフィンアミド(9.65g)を得た。
MS:235(M+H)。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.29(s、9H)、7.62(t、1H)、7.79(d、1H)、8.04(d、1H)、8.17(bs、1H)、8.60(s、1H)。
【0112】
工程2
【化23】

臭化メチルマグネシウム(3Mジエチルエーテル溶液34.3mL、102.9mmol)を、30分かけてN−[(3−シアノフェニル)メチレン]−2−メチル−,[S(S)]−2−プロパンスルフィンアミド(9.65g、41.18mmol)のDCM(200mL)溶液に−45℃で加え、そしてその温度で4時間撹拌した。次いで冷却浴を外して−10℃まで昇温させて飽和NaHCO3(250mL)でクエンチした。有機層を分離し、そして水層をさらにDCM(100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて乾燥し(Na2SO4)、そして減圧下でエバポレートして2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸 [(R)−1−(3−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドを主生成物として得た。
MS:251(M+H)。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.22(s、9H)、1.54(d、3H)、3.35(s、1H)、4.56−4.65(m、1H)、7.42−7.48(m、1H)、7.56−7.59(m、2H)、7.64(s、1H)。
【0113】
工程3
【化24】

塩化水素(p−ジオキサン中4N、21mL)を、2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸 [(R)−1−(3−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド(10.29g、41.1mmol)のメタノール(21mL)溶液に加え、そして室温で40分間撹拌した。次いで反応混合物を減圧下でエバポレートし、そして粗製物質をジエチルエーテルを用いてトリチュレーションしてオフホワイトの固形物を得、これをメチルt−ブチルエーテル及びエタノール混合物から結晶化させて3−((R)−1−アミノ−エチル)−ベンゾニトリル塩酸塩を主生成物として得た。
MS:147(M+H)。
1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.53(d、3H)、4.45−4.52(m、1H)、7.65(t、1H)、7.84−7.91(m、2H)、8.03(s、1H)、8.67(bs、3H)。
【0114】
工程4
【化25】

N−−メチルモルホリン(NMM)(1.01g、10mmol)を、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸(2g、10mmol)及び3−((R)−1−アミノ−エチル)−ベンゾニトリル塩酸塩(1.82g、10mmol)のDMF(50mL)中混合物に加えた。室温で10分間撹拌した後、4−(4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリン−4−イウムクロリド(DMTMM)(10mmol)を加え、そして反応混合物を終夜室温で撹拌した。反応混合物を水(500mL)と酢酸エチル(300mL)との間で分配し、そして水層をさらに酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を飽和NaHCO3(100mL)、そしてブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、次いで減圧下でエバポレートして2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 [(R)−1−(3−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドを主生成物として得(3.2g)、これを次の反応(アミドキシム形成)にそのまま利用した。
【0115】
工程5
【化26】

ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.52gg、24.2mmol)を、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 [(R)−1−(3−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド(3.2g、9.7mmol)のメタノール(40mL)中の冷却した溶液に加え、そして懸濁液を氷水浴で冷却した。トリエチルアミン(2.44g、24.2mmol)をフラスコに加え、そして反応混合物を一晩かけて室温まで昇温させた。反応混合物を減圧下でエバポレートし、そして粗製物質を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)そして減圧下でエバポレートした。トルエン(50mL)及びCHCl3(50mL)を加え、そして減圧下でエバポレートして2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 {(R)−1−[3−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−フェニル]−エチル}−アミド(3g)を主生成物として得た。
MS:363(M+H)。
1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.54(d、3H)、5.18−5.27(m、1H)、5.80(bs、2H)、7.35(t、1H)、7.44(d、1H)、7.54−7.60(m、2H)、7.74(s、1H)、8.45(d、1H)、8.79(d、1H)、9.26(d、1H)、9.35(s、2H)、9.60(s、1H)。
【0116】
工程6
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド
2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチル(2mL)及びK2CO3(219mg、1.59mmol)を、2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸 {(R)−1−[3−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−フェニル]−エチル}−アミド(0.5g、1.38mmol)を入れたマイクロ波バイアルに加え、そしてマイクロ波で180℃に10分間加熱した。反応混合物を減圧下でエバポレートし、そして逆相HPLCにより精製して2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミドを主化合物として得た(110mg)。
MS:431(M+H)。
1H NMR(300MHz、DMSO):δ=1.58(d、3H)、1.61(s、6H)、5.27−5.31(m、1H)、6.08(s、1H)、7.53−7.60(m、2H)、7.67(d、1H)、7.91(d、1H)、8.02(t、1H)、8.08(s、1H)、8.45(d、1H)、8.79(d、1H)、9.35−9.39(m、3H)。
【0117】
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミドもまた、2−{3−[3−((R)−1−アミノ−エチル)−フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−プロパン−2−オール塩酸塩を2−{3−[3−((S)−1−アミノ−エチル)−フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−プロパン−2−オール塩酸塩の代わりに用いたこと以外は実施例2と類似する手順に従って製造することができた。
【0118】
造血器型PGD2合成酵素の阻害剤を同定するためのインビトロアッセイプロトコル
本発明の化合物は、以下のアッセイのいずれか1つに従ってPGD2合成酵素に対する酵素阻害活性について試験することができる。
【0119】
アッセイ1:蛍光偏光アッセイ
PCT公開WO2004/016223、実施例IIに記載されるとおり。
【0120】
アッセイ2:酵素免疫アッセイ(EIA)法
I.アッセイ溶液
a.0.1M K2HPO4/KH2PO4緩衝液(pH7.4)の調製
1M KH2PO4(Sigma、カタログ番号P−8709)から0.1M KH2PO4を調製
2HPO4の粉末(Fisher、BP363−500)から0.1M K2HPO4を調製
0.1M K2HPO4を0.1M KH2PO4と混合してpHを7.4に調整
b.0.5% γ−グロブリンの調製
γ−グロブリン0.1g(Sigma、カタログ番号G−5009)を20mL 0.1M K2HPO4/KH2PO4緩衝液(pH7.4)に加え、そして1−mL/バイアルアリコートを作製し、そして−80℃で貯蔵した。
c.100mM GSHの調製
GSH(Sigma、カタログ番号G−6529)307mgを0.1M K2HPO4/KH2PO4緩衝液(pH7.4)10mLに加えて−80℃で貯蔵した。
d.反応緩衝液の調製:
0.1M K2HPO4/KH2PO4緩衝液(pH7.4) 198mL
2mM GSH − 100mM GSHから調製
0.4gグリセロール
0.5%γ−グロブリン 2mL
グリセロール0.4g及び0.5%γ−グロブリン2mLを0.1M K2HPO4/KH2PO4緩衝液(pH7.4)198mLに加えた。
アッセイの前に100mM GSH 0.4mLを反応緩衝液19.6mLに加えた(2つの96ウェルプレートに十分)。
e.FeCl2/クエン酸反応停止液の調製:(8mg/mL FeCl2、0.1Mクエン酸)
新鮮なFeCl2(IGN、カタログ番号158046)40mgを5mL 0.1Mクエン酸(Sigma、カタログ番号C0759)に加えた。
f.MOX試薬の調製:
10%EtOH − EtOH 1mLを超純水9mLに加えた
メトキシルアミン(Cayman、カタログ番号400036/)0.1gを10%EtOH(10mL)中に溶解させた。
酢酸ナトリウム(Cayman、カタログ番号400037)0.82gをMOX溶液に加えて溶解させた。
【0121】
II.材料及び方法
ジメチルスルホキシド(DMSO;Sigma;カタログ番号D2650)
プロスタグランジンD2−MOX発現EIAキット(Caymen Chemical、カタログ番号500151)
アッセイの前に、ポリプロピレンチューブ中のアセトン10mL及び空の96ウェルプレートを氷で冷却した。化合物希釈以外の全ての手順を氷上で行った。
【0122】
III.化合物希釈
1.化合物をDMSOで希釈
【表1】

【0123】
2.それぞれ上記の濃度の化合物2μLを96ウェルプレートにて反応緩衝液38μLに希釈して混合した。
【0124】
IV.酵素及び基質溶液調製
1.0.39ng/μL酵素溶液の調製(化合物添加後に最終で0.35ng/μL)。
4mg/mLヒト−PGDS 4μLを反応緩衝液396μLと混合した(酵素濃度を40μg/mLとした)。40μg/mL h−PGDS 46.8μLを反応緩衝液4.753mLに加えて総体積 4.8mLとした。
2.基質溶液(PGH2)の調製:0.1mg/mLのPGH2 0.375mLをアセトン1.625mLに加えた。
【0125】
V.酵素反応:
1.酵素溶液60μLをU底ポリプロピレンプレートにおいて氷上で化合物ウェル及びポジティブコントロール(化合物なし)に加えた。
2.反応緩衝液60μ及び反応緩衝液中5%DMSO 6.6μLをプレートのネガティブコントロールウェルに加えた。
3.反応緩衝液中で希釈した化合物6.6μLを化合物ウェルに加えて混合した。
4.反応緩衝液中5%DMSO 6.6μLをポジティブコントロールウェルに加えた。5.プレートを氷中で少なくとも30分間インキュベートした。
6.基質(PGH2)溶液20μLを、氷上のU底96ウェルプレートにおける化合物ウェル、ネガティブコントロールウェル、及びポジティブコントロールウェルに加えた。
7.低温室で約25〜28分間プレートを乾燥した。
8.酵素溶液(上記)45μLを、乾燥PGH2を含む96ウェルにピペットで取り、そして3回混合した。氷上で1分間インキュベートした。
9.FeCl2溶液45μLを各ウェルに加えて混合した。
10.MOX溶液90μLを加えて混合した。
11.30分間60℃でインキュベート。
12.サンプルをEIA緩衝液で2500倍に希釈。
【0126】
VI.EIAアッセイ
Caymanにより提供されるEIAキットにおける手順にしたがってアッセイを行った。総PGD2レベル(pg/mL)をEIAキット(Caymen Chemical、カタログ番号500151)によりサンプルにおいて決定した。
【0127】
PGD2の量を以下のように計算した
以下の等式に従って%ポジティブコントロールを計算した;
%ポジティブコントロール=(化合物値−ネガティブコントロール)/(ポジティブ値−ネガティブコントロール値)× 100
【数1】

化合物値=化合物を含むサンプルについてのEIAアッセイにおける標準曲線から得られたPGD2レベル(pg/mL)
ネガティブコントロール値=酵素を含まないサンプルについてEIAアッセイにおいて標準曲線から得られたPGD2レベル(pg/mL)
ポジティブコントロール値=酵素を含むが化合物を含まないサンプルについてEIAアッセイにおける標準曲線から得られたPGD2レベル(pg/mL)
IC50をexcel fitにより決定して、IC50曲線についての4パラメータロジスティックモデルを使用してy=1/2Ymaxである場合のx値を得た。
【0128】
結果
本発明の範囲内の化合物は、蛍光偏光アッセイ又はEIAアッセイにおいて、約1ナノモル濃度〜約30マイクロモル濃度、特に約1ナノモル濃度〜約1マイクロモル濃度、そしてより特に約1ナノモル濃度〜約100ナノモル濃度の範囲内の濃度で50%阻害を生じた。
【0129】
【表2】

【0130】
本発明は、その精神又は本質的な特質から逸脱することなく他の特定の形態で具体化され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
R1は水素又はC1−C6アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
R1が水素であり、R2が水素であり、そしてR3がヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ベンジルアミドである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1がC1−C6アルキルであり、R2が水素であり、そしてR3がヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((S)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミド及び2−ピリジン−2−イル−ピリミジン−5−カルボン酸((R)−1−{3−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−フェニル}−エチル)−アミドからなる群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項7】
患者に薬学的有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、それを必要とする患者のアレルギー性疾患又は炎症性疾患を処置するための方法。
【請求項8】
アレルギー性疾患又は炎症性疾患が、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患及び加齢性黄斑変性からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(I)
【化2】

[式中、
R1は水素又はC1−C6アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を製造するための方法であって、式XI
【化3】

[式中、R1、R2及びR3は式Iにおいて定義されたとおりである]
の化合物を、式
【化4】

の酸化合物と適したカップリング試薬の存在下で反応させる工程を含む、上記方法。
【請求項10】
式Iの化合物が
【化5】

であり、そして式XIの化合物が
【化6】

である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
適したカップリング試薬がDMTMM、CDI、及びTBTUからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式(I)
【化7】

[式中、
R1は水素又はC1−C6アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を製造するための方法であって、式XI
【化8】

[式中、R1、R2及びR3は式Iにおいて定義されたとおりである]
の化合物を式
【化9】

[式中、R4はC1−C3アルキルである]
のエステル化合物と、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)の存在下で反応させる工程を含む、上記方法。
【請求項13】
式Iの化合物が
【化10】

であり、そして式XIの化合物が
【化11】

である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
エステル化合物のR4がCH3である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式(I)
【化12】

[式中、
R1は水素又はC1−C6アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を製造するための方法であって、式XI
【化13】

[式中、R1、R2及びR3は式Iにおいて定義されたとおりである]
の化合物を式
【化14】

の酸クロリド化合物と反応させる工程を含む、上記方法。
【請求項16】
式Iの化合物が
【化15】

であり、そして式XIの化合物が
【化16】

である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】

【化17】

の化合物又はその酸付加塩。
【請求項18】

【化18】

の化合物又はその酸付加塩。
【請求項19】

【化19】

の化合物。
【請求項20】

【化20】

の化合物。
【請求項21】


【化21】

[式中、R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物又はその酸付加塩。
【請求項22】
【化22】

又はその酸付加塩である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
酸塩が塩酸塩である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】

【化23】

[式中、R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
の化合物を製造するための方法であって、式
【化24】

[式中、R2は水素、ハロゲン又はC1−C3アルキルであり;そして
R3はヒドロキシアルキルである]
のオキシム化合物を還元する工程を含む、上記方法。

【公表番号】特表2013−507376(P2013−507376A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533302(P2012−533302)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051727
【国際公開番号】WO2011/044307
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】