説明

POSシステムと連携した保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販売決済方法

【課題】POSシステムと連携し、顧客の希望購入商品に対する要望にきめ細かく答えることが可能な保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販売方法を提供する。
【解決手段】商品販売事業者のホストコンピューター1-1には、顧客端末3-1,3-2から顧客データ、希望の購入商品、保管ロッカー4場所及び保管時間に関するデータを受信し、POSサーバーに対して希望購入商品の在庫、希望保管ロッカー4の空満を確認し、前記顧客端末3-1,3-2及び保管ロッカー端末4-2a〜4-2nに対して確認したデータを送信し、前記保管ロッカー端末4-2a〜4-2nで、電子決済カード2より顧客の生体認証データと保管ロッカー端末4-2a〜4-2nで読取った生体認証データとを照合及び電子決済を実行し、保管ロッカー4を開錠して購入した商品を受け取る保管ロッカー4を介した商品販売システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入した商品を一時的に保管するロッカーを介して商品の受け渡しを行うこ
とにより、商品の納品場所、受取時を自在に選択し得ると共に購入代金の決済を簡便に実
現できるPOSシステムと連携した商品販売システム及び商品販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カタログを配布して電話やファクシミリで注文を受け商品を受取人に提供する通
信販売や、インターネットを用いて商品情報の提供と受注を同時に実現することによりカ
タログの配布を不要としたネットショッピングなどの商品販売方法が利用されている。
このような商品販売方法において、注文した商品は宅配業者の手により受取人の手元ま
で配送される。ここで利用される宅配業者は、商品の配達を確実に執り行うために受取証
を用意しておき、受取人の捺印あるいは署名と引き替えに商品を手渡すようにしている。
【0003】
一方、手荷物等の一時的に保管手段として、コインロッカーの利用が知られている。
通常のコインロッカーでは、利用者が預ける物をロッカーボックスに格納した後、コイ
ン投入口にコインを入れてロッカーボックスを施錠し、鍵を抜き取って、利用期間中これ
を保管する。
ロッカー利用後にこの鍵を用いてロッカーを開錠すると、投入したコインがロッカーに
査収され、ロッカーボックスが開いて預けた荷物を取り出すことが可能となる。
【0004】
また、従来の通信販売における商品受け渡し方法では、宅配業者が受取人の手元へ直接
配達するため、配達時に受取人が不在の場合は商品を受け取ることができない。
この場合に宅配業者は商品を一旦持ち帰って後日に再度配達することになり、重複する
手間となる。
また、受取人も宅配業者に連絡して再配達の日時を指定する必要があり面倒である。ま
た商品と引き替えに受取証への捺印等により納品を確認しているため、納品確認作業が煩
雑なものになる。
【0005】
また、受取人が自宅や勤務先等に直接届けられるのを望まない場合や、訪問先の近くで
商品を受け取りたい場合などに、最寄りの駅などで、配送業者と直接対面することなく商
品を受け取ることができれば便利である。
この場合に、上述した従来のロッカーシステムを用いて商品を引き渡すことが考えられ
る。すなわち商品提供者は受取人の指定するロッカーに商品を入れておき、受取人が都合
の良いときにロッカーまで出向いて商品を取り出すことが可能である。
しかし、この場合は商品提供者又はその配送業者によるロッカーの施錠、及び受取人に
よるロッカーの開錠に物理的な鍵を必要とするため、鍵の受け渡しが面倒である。
【0006】
また、特公平7−11806号公報には、センタで集中管理するロッカーを介して注文
品の受け渡しを実現するシステムが開示されている。この公報記載のシステムでは、顧客
毎にIDカードを発行しておき、注文に係る商品をロッカーに格納して、当該ロッカーは
IDカード及びパスワードにより認証できた場合にのみ開錠して商品を取り出せるように
している。(例えば、特許文献1参照)
そして、この場合には、顧客毎のデータ登録及びIDカード発行を要するため顧客管理
部門における手間がかかり、またロッカーにID読み取り部や入力キー等を設ける必要が
あるため構成が複雑となり設置コストが高くなってしまう。
【0007】
また、このように構成されるロッカーシステムは、IDカードを有さない人物は利用で
きないため、例えば受取人が別の者に受取を委任したいような場合に、IDカードの受け
渡しが必要となる。更に、このロッカーシステムは、IDカードを用いる商品受け渡しシ
ステムに利用が限定されてしまい、不特定の者が一時的に物を預ける従来通りのロッカー
として利用することができない。
【0008】
また、上述の問題点を解決するものとして、商品を一時的に保管するロッカーシステム
を介して商品の受け渡しを行うことにより商品宅配における不在時の問題等を解消すると
ともに、低コストで構築することができ通常のロッカーとしての利用も可能な商品受け渡
し方法が知られている。(例えば、特許文献2参照)
【0009】
上記公報には、「商品を一時的に保管するロッカーボックスの施錠及び開錠動作をネッ
トワークを介して通信端末と相互通信可能なロッカー管理者により一元管理することによ
り、商品提供者から商品受取人へと商品を受け渡す方法において、前記ロッカー管理者が
商品受取人の情報を保存するステップと、前記商品提供者が注文に係る商品を適宜のロッ
カーボックスに格納するステップと、前記ロッカー管理者と前記商品提供者間で通信を行
い、前記商品提供者からの要求に応じて当該ロッカーボックスを施錠するステップと、前
記商品受取人と前記ロッカーボックス管理者との間で通信を行い、この商品受取人が前記
商品の真正な受取人であるか否かを確認するステップと、この真正な商品受取人からの要
求に応じて前記ロッカー管理者が前記ロッカーボックスを開錠するステップと、を含むこ
とを特徴とする商品受け渡し方法。」(請求項1)が開示されている。
【特許文献1】特公平07−11806号公報
【特許文献2】特開2002−226050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の商品受け渡し方法では、ロッカー管理者が商品提供者と商品受取人との間に
介在しているため、販売システムとして複雑になると共に、商品受取人はロッカーボック
ス管理者との間で商品の受け渡し毎に通信を行って、商品受取人が商品の真正な受取人で
あるか否かを確認するステップを必要とするので、商品受取人(顧客)の個人情報が漏洩
する可能性が生じる。
また、顧客が直接ロッカーに行かずに、代理(受任者)による商品の受取りが困難であ
るという問題がある。
また、上記商品受渡し方法では、商品提供者の現在の商品の在庫の調査に時間を要し、
顧客の希望購入商品の在庫が不足している場合等の顧客の要望に十分には答えることがで
きないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、ロッカー管理者を置かずに、商品販売人と顧客との間で契約をして、
電子決済カードの発行を受けるだけで、その後は、商品の購入及び商品の受渡し及び電子
決済を、契約した顧客本人のみでなく、顧客から委任を受けた受任者でも、商品販売人及
びロッカー管理者との対面によるプライバシーの露出なしに、生体認証による高度な個人
認証によって安全に行うことが可能な保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販
売方法を提供することにある。
また、既存のPOSシステムと連携することによって、顧客の希望購入商品に対する要望
にきめ細かく答えることが可能な保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販売方
法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の保管ロッカーを介した商品販売システムは、
商品販売事業者のホストコンピューターと、複数の保管ロッカーに対して備えられた少
なくとも1台の保管ロッカー端末と、前記商品販売事業者と予め契約をした顧客に対して
発行された電子決済カードを保有する顧客が使用する顧客端末と、前記商品販売事業者の
運営するPOSシステムのPOSサーバーと、を通信回線を介して接続した保管ロッカーを介し
た商品販売システムであって、
前記ホストコンピューターには、
前記顧客端末からの、顧客IDを含む顧客データ、希望購入商品、希望保管ローカー場所
及び保管時間に関するデータを受信し、前記希望商品の在庫、希望保管ロッカーの空満の
確認の後に、前記顧客端末及び保管ロッカー端末に対して決定した保管ロッカー場所、保
管ロッカー番号及び有効保管期間に関するデータを送信する手段と、
前記POSサーバーに対して、前記希望購入商品の在庫の確認の依頼を送信し、その結果
を受信する手段と、を備え、
前記POSサーバーには、
前記ホストコンピューターから前記希望購入商品の在庫の確認の依頼を受信し、当該PO
Sサーバーの保有する商品在庫データに基づいて、前記希望購入商品の在庫の確認を実行
する在庫確認手段と、
前記希望購入商品の在庫が無い場合に、当該POSサーバーから、前記保管時間に間に合
うように不足する商品の発注を行う不足商品発注手段と、を備え
前記保管ロッカー端末で、前記電子決済カードに予め格納された顧客の生体認証データ
と保管ロッカー端末で読取った生体認証データとを照合及び電子決済を実行し、顧客が購
入した商品が納入された保管ロッカーを開錠して購入した商品を受け取ることを特徴とす
る。
【0013】
また、前記顧客端末からの前記希望購入商品、希望保管ローカー場所及び保管時間の入
力は、前記顧客端末の表示手段のメニュー画面からの選択指示が可能であることを特徴と
する。
また、前記メニュー画面は、複数の表示された料理名の選択及び何人前を選択するだけ
で、当該料理に必要な複数の材料及び各材料の量を計算して出力されることを特徴とする
。 また、前記料理に必要な複数の材料は、冷凍、冷蔵、保温又は常温に区分されて、前
記保管ロッカーの常温保管部、保温保管部、冷蔵保管部及び冷凍保管部に分別されて納入
されることを特徴とする。
【0014】
本発明の商品販売決済方法は、
商品販売事業者のホストコンピューターと、複数の保管ロッカーに対して備えられた少
なくとも1台の保管ロッカー端末と、前記商品販売事業者と予め契約をした顧客に対して
発行された電子決済カードを保有する顧客が使用する顧客端末と、前記商品販売事業者の
運営するPOSシステムのPOSサーバーと、を通信回線を介して接続された保管ロッカーを介
した商品販売システムを使用した商品販売決済方法であって、
前記ホストコンピューターに対して、
前記顧客端末から前記ホストコンピューターに対して、顧客IDを含む顧客データ、希望
購入商品、希望保管ローカー場所及び保管時間に関するデータを送信するステップと、
前記ホストコンピューターから前記POSサーバーに対して、前記希望購入商品の在庫の
確認の依頼を送信するステップと、
前記確認の依頼を受信して、当該POSサーバーの保有する商品在庫データに基づいて、
前記希望購入商品の在庫の確認を実行するステップと、
前記希望購入商品の在庫が無い場合に、当該POSサーバーから、前記保管時間に間に合
うように不足する商品の発注を行う不足商品発注ステップと、
前記希望商品の在庫、希望保管ロッカーの空満の確認の後に、前記顧客端末及び保管ロ
ッカー端末に対して決定した保管ロッカー場所、保管ロッカー番号及び有効保管期間に関
するデータを送信するステップと、
を含み、前記電子決済カードに予め格納された顧客の生体認証データと保管ロッカー端
末で読取った生体認証データとを照合及び電子決済を実行し、顧客が購入した商品が納入
された保管ロッカーを開錠して購入した商品を受け取ることを特徴とする。
【0015】
また、前記保管ロッカー端末による、前記読取った生体認証データと、前記電子決済カ
ードから読出した顧客本人の生体認証データとを照合する生体認証データ照合ステップが
不一致であった場合に、
前記電子決済カードに予め記録された受任者の生体認証データと前記読取った生体認証
データとの照合を実行するステップを含むことを特徴とする。
また、前記商品購入希望入力ステップでの入力に、更に、商品の電子決済の委任の有無
を設定する項目を含み、前記電子決済の委任の設定がされている場合にのみ、委任が設定
されている受任者について前記請求項のステップを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ロッカー管理者を置かずに、商品販売人と顧客との間で契約をして、
電子決済カードの発行を受けるだけで、その後は、商品の購入及び商品の受渡し及び電子
決済を、契約した顧客本人のみでなく、顧客から委任を受けた受任者でも、商品販売人及
びロッカー管理者との対面によるプライバシーの露出なしに、生体認証による高度な個人
認証によって安全に行うことが可能な保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販
売方法を実現できる。
また、既存のPOSシステムと連携することによって、顧客の希望購入商品に対する要望
にきめ細かく答えることが可能な保管ロッカーを介した商品販売システム及び商品販売方
法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1を用いて本発明の保管ロッカーを介した商品販売システムの説明をする。
図1は、本発明の保管ロッカーを介した商品販売システムの構成を示す機能ブロック図
である。
図1において、1は本発明の商品販売システムを運営する事業者(例えば、商品販売事
業者)で、1-1は当該事業者の保有するホストコンピューター、1-2は事業者の店舗であり
、2は前記事業者と契約した顧客に発行された電子決済カードである。
前記ホストコンピューターには、前記顧客からの少なくとも顧客ID、希望購入商品、
希望保管ローカー場所及び保管時間の入力に従って、希望商品の在庫、希望保管ロッカー
の空満の確認の後に、前記顧客端末及び保管ロッカー端末に対して決定した保管ロッカー
場所、保管ロッカー番号及び有効保管期間に関するデータを送信する図示しない手段を備
えている。
また、前記ホストコンピューターには、本発明の特徴である、顧客からの希望商品の注
文の1例として、料理名とその料理の人数(何人前)が入力された場合の当該料理に必要
な材料(調味料を含む)と、その量を対応付けたテーブル(データベース)1-1a、パーテ
ィ名とその料理の人数が入力された場合の当該パーティに必要な材料(飲物含む)と、そ
の量を対応付けたテーブル(データベース)1-1b及び、当該商品(材料)の在庫及びその
日の値段を確認するための、POSシステムのデータベースにアクセスする商品在庫確認手
段1-1Cを備えている。
なお、本発明では、POSシステムとは、店舗における商品販売における会計レジスター
における会計処理のみでなく、店舗内の商品の在庫データ管理及び在庫が不足若しくは無
くなった際の商品追加発注処理をも実行できるシステムを意味する。
【0018】
また、前記電子決済カードには、顧客本人データ(ID)、前記電子決済に使用する情報
(例えば、電子決済のための予め予納された金額データ、又は顧客の契約した金融機関の
口座データ)と、少なくとも当該電子決済カードを保有する顧客の生体認証を実行するた
めの生体認証データが予め記録されている。
なお、本発明では、顧客(本人)IDとは、当該顧客を一意に識別できる識別情報(例え
ば、数値やアルファベット等で構成されるコードである。この識別情報を「顧客(本人)
ID」という。)
また、前記電子決済カードには、前記顧客が予め登録した当該顧客の委任を受けた少な
くとも1名の受任者の生体認証を実行するための生体認証データが予め記録されている。
【0019】
また、3-1及び3-2は顧客端末(例えば、携帯端末又はPC(パーソナルコンピュータ)で
あり、4は保管ロッカーである。
また、前記顧客端末には、前記ホストコンピューターに送信する、少なくとも、顧客I
D、希望購入商品、希望保管ローカー場所及び保管時間を入力する入力手段と、前記ホス
トコンピューターから決定した保管ロッカー場所、保管ロッカー番号及び有効保管期間を
受信する受信手段を備えている。
保管ロッカー4には、複数のロッカー(1)〜ロッカー(n)4-2a〜4-2n及びロッカー端末4
−1が含まれている。
また、ロッカー端末4-1は、生体認証(データ)読取手段4-1a、カード(電子決済カー
ド挿入孔)4-1b、入力及び電子決済手段4-1c、表示手段4-1e及びそれらを制御するロッカ
ー制御部(CPU)を備えている。
カード挿入孔4-1bは、電子決済カードをロッカー端末に挿入して電子決済カードとロッ
カー端末との間でデータを送受信する場合に必要で、電子決済カードとロッカー端末との
間で、非接触(電波又は磁気)によってデータの送受信が可能な場合には、電子決済カー
ドと、ロッカー端末にそれぞれ送受信装置(R/W(リーダーライター))を設けることに
よってカード挿入孔は必要がなくなる。
【0020】
そして、ロッカー端末には、前記ホストコンピューターから送信された保管ロッカー場
所、保管ロッカー番号及び有効保管期間を設定する設定手段と、前記電子決済カードで電
子決済に必要な、前記電子決済カードに格納されたデータを読取る電子決済カード読取手
段と、前記顧客の生体認証を実行するための生体認証データを読取る生体認証データ読取
手段と、電子決済を実行する電子決済手段及び表示手段(ディスプレイ)4-1eを備えてい
る。
前記ホストコンピューターと、保管ロッカー端末と、顧客端末とは通信回線5を介して
接続され、相互にデータの送受信が可能である。
【0021】
また、6は本発明の商品販売システムを運営する事業者の運営するPOSシステムのサー
バー(POSサーバー)である。
前記POSシステムのサーバー6には、商品販売事業者(店)の商品の全てに関する在庫
データ及び在庫データが無くなった若しくは少なくなった際の商品追加発注に関するソフ
トウエアが存在している。
そして、本発明の特徴は、ホストコンピューター1とPOSシステムのサーバーとが通信
回線を介して接続されて当該ホストコンピューター1とPOSシステムのサーバーとが協同
して動作する点にある。
【0022】
次に、本発明の生体情報を読出して電子決済に伴う個人認証を実行して電子決済を行う
電子決済カード(ICカードで構成するのが適している。)の構成を図2を用いて説明す
る。
図2において、2は電子決済に伴う個人認証を実行に使用する電子決済カードの構成を
示す図である。
2の電子決済カードは、従来のICカードと同様に、制御部2-1、記憶部2-2及びアンテ
ナ2-3を有する。
記憶部2-2には、当該電子決済カードを保有する顧客本人データ(ID、顧客の金融機関
の口座データ及び/又は予納金額データ等)が2-2aに格納されている。
また、記憶部2-2には、顧客本人の個人認証を実行するために、生体情報として、指紋
、掌紋、虹彩、顔、静脈パターン、音声、耳型、DNA等の内の少なくとも一つが2-2bに
格納されている。
【0023】
記憶部2-2には更に、顧客本人から委任を受けることが可能な登録者の個人認証を実行
するために、生体情報として、指紋、掌紋、虹彩、顔、静脈パターン、音声、耳型、DN
Aの内の少なくとも一つが2-2c及び2-2dに格納されている。
また、前記記憶部の2-2c及び2-2dには、顧客本人から当該登録者毎に委任の条件として
電子決済の実行可能な期間、1回の電子決済での最大金額等の委任条件が格納されている

また、アンテナ2-3は図示しない外部機器(電子決済処理装置)と当該電子決済カード
との間の電子決済処理に伴うデータの送受を非接触状態で行うための送受信アンテナであ
って、電子決済カードが接触式通信の場合には、アンテナは省略されて、代わりに接触端
子が設けられる。
【0024】
次に、本発明の保管ロッカーを介した商品販売方法の1例を図3のフローチャートを用
いて説明する。
・顧客が本発明の保管ロッカーを介した商品販売システムの運営事業者と契約をして、例
えば図2に示す如き電子決済カードの発行を受ける。(ステップS1)
・顧客が保管ロッカーを介した商品販売システムでの商品の販売を希望する際に、顧客端
末から商品販売システムを運営する事業者の保有するホストコンピューターに電子決済カ
ードの発行時に付与されたIDを使用してアクセス(接続)する。(ステップS2)
なお、アクセスに使用する顧客端末としては、顧客の保有する携帯端末又はパーソナルコ
ンピューター(PC)等通信回線を介してホストコンピューターに接続できるものであれば
特に制限はない。
【0025】
・顧客が接続した顧客端末から購入希望商品、希望保管ロッカーの場所、希望保管期間、
必要に応じて受取人の委任の有無等を入力する。(ステップS3)
・POSシステムのサーバー6との連携がない場合には、以下の手順である。
・ホストコンピューターは、顧客端末から受信した購入希望商品の在庫の有無、希望保管
ロッカーの場所の空き保管ロッカーの有無等を確認して、購入希望商品の在庫有りで、且
つ希望保管ロッカー場所の保管ロッカー空有りの場合に、保管ロッカーを決定後に、決定
した保管ロッカー場所、保管ロッカー番号、及び有効保管期間(○○日の××時から何(
日)時間保管)、受取人の委任の有無等に関するデータと顧客本人データ(ID)と共に顧
客端末及び決定された保管場所の保管ロッカー端末に送信する。(ステップS4)
【0026】
POSシステムのサーバー6と連携時の特有の手順を図4のフローチャートを用いて以下
に説明する。
・顧客端末からホストコンピューターに対する希望購入商品、希望保管ローカー場所及び
保管時間データを受信する。(ステップS4-1)
・ホストコンピューターからPOSサーバーに対して、希望購入商品の在庫の確認の依頼を
する。(ステップS4-2)
・POSサーバーの保有する商品在庫データに基づいて希望購入商品の在庫の確認を実行す
る。(ステップS4-3)
・希望購入商品の在庫が無い場合に、POSサーバーから、保管時間に間に合うように不足
する商品の発注を行う。(ステップS4-4)
・決定した保管ロッカー場所、保管ロッカー番号、及び有効保管期間を前記顧客端末及び
決定した保管ロッカー端末に送信する。(ステップS4-5)
【0027】
・保管ロッカー端末は、ホストコンピューターから受信したデータに基づいて、顧客デー
タ(ID)、保管ロッカー番号及び有効保管期間を設定する。(ステップS5)
・商品販売事業者が顧客の購入希望商品を決定した保管ロッカーに収納して当該保管ロッ
カーを閉錠する。(ステップS6)
これ以降、顧客による保管ロッカーからの購入した商品の取出しが可能な状態になる。

【0028】
・顧客が保管ロッカーの設置場所に出向いて、先ず顧客保有する電子決済カードを保管ロ
ッカー端末のカード挿入孔に挿入した状態で顧客の生体認証データを読取らせる。(ステ
ップS7)
顧客端末には、ステップS4で送信された顧客本人データが受信されて保持されているの
で、顧客の電子決済カードから読取った時点で、保管ロッカー端末が管理する保管ロッカ
ーの何れかに顧客の購入した商品が収納されていることが確認できるので、保管ロッカー
端末は顧客の生体認証データの読取りが可能な状態になっている。
【0029】
・保管ロッカー端末が、電子決済カードに格納された顧客本人の生体認証データを読出す
。(ステップS8)
なお、電子決済カードと保管ロッカー端末との間で電子決済処理に伴うデータの送受を
非接触状態で行うための送受信手段(例えば、アンテナ)を電子決済カード及び保管ロッ
カー端末が備えている場合には、電子決済カードをカード挿入孔に挿入する必要はなく、
当該電子決済カードを保管ロッカー端末の近くにかざすだけでよい。
【0030】
・ステップS7で保管ロッカー端末より読取った生体認証データと、ステップS8で電子決済
カードに格納された顧客本人の生体認証データとの照合を行う。(ステップS9)
・ステップS9の判断がYesの場合には、商品販売に伴う電子決済を実行する。(ステップS
11)
・保管ロッカー端末は、電子決済が正常に終了した場合には、保管ロッカーを開錠可能な
状態にする。(ステップS12)
この状態で、顧客は、購入した商品を保管ロッカーから取出すことができる。
また、保管ロッカー端末は、当該保管ロッカーが使用可能になった旨の情報をホストコ
ンピューターに通知する。
・ステップS9の判断がNoの場合には、保管ロッカー端末が、電子決済カードに格納された
受任者の生体認証データを読出す。(ステップS10)
その後、ステップS9,S10の処理を電子決済カードに登録されている受任者の数だけ繰り
返す。
【0031】
次に、本発明のホストコンピューターに搭載されたデータベースの1つである料理名−
材料テーブルを使用した料理名からの入力について図5を用いて説明する。
顧客端末からホストコンピューターへアクセスして、顧客ID、希望購入商品、希望保
管ローカー場所及び保管時間を入力後、図示しないメニューの項目選択によって、料理名
−材料テーブルを選択すると、顧客端末の表示画面には図5(a)のメニュー画面が表示さ
れる。
この画面上で、顧客が▲又は▼を操作することによって、任意の料理名(例えば、「肉
じゃが」を選択して□(確定キー)を押すと、ホストコンピューターがデータベースの1
つである料理名−材料テーブルを検索して顧客端末の表示画面には、図5(b)の表示がな
される。
【0032】
また、本発明のホストコンピューターに搭載された別のデータベースであるパーティ名
−材料テーブルを使用した料理名からの入力について図6を用いて説明する。
顧客端末からホストコンピューターへアクセスして、顧客ID、希望購入商品、希望保
管ローカー場所及び保管時間を入力後、図示しないメニューの項目選択によって、パーテ
ィ名−材料テーブルを選択すると、顧客端末の表示画面には図6(a)のメニュー画面が表
示される。
この画面上で、顧客が▲又は▼を操作することによって、任意のパーティ名(例えば、
「パーティセットA」を選択して□(確定キー)を押すと、ホストコンピューターがデー
タベースの1つであるパーティ名材料テーブルを検索して顧客端末の表示画面には、図6
(b)の表示がなされる。
【0033】
本発明のホストコンピューターに搭載されたデータベースには、上記の料理名−材料テ
ーブル及びパーティ名−材料テーブル以外にも、任意のメニューテーブルを格納できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の保管ロッカーを介した商品販売システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の電子決済を行う電子決済カードの構成を示す図である。
【図3】本発明の保管ロッカーを介した商品販売方法の動作を説明する基本フローチャートである。
【図4】本発明の保管ロッカーを介した商品販売方法の動作を説明する詳細なフローチャートである。
【図5】本発明のデータベースの1つである料理名−材料テーブルを使用した料理名からの入力例を説明する図である。
【図6】本発明のデータベースの別の1つであるパーティ名−材料テーブルを使用した料理名からの入力例を説明する図である。
【符号の説明】
【0035】
1:商品販売事業者
1-1:商品販売事業者ホストコンピューター
1-1a:料理名−材料対応テーブル
1-1b:パーティ名−材料対応テーブル
1-1c:商品在庫確認手段
1-2:販売事業者店舗
2:電子決済カード
3-1,3-2:顧客端末
4:保管ロッカー
4-1:保管ロッカー端末
4-1a:生体認証データ読取手段
4-1b:電子決済カード挿入孔
4-1c:入力・電子決済手段
4-1d:保管ロッカー端末(CPU)
4-1e:表示手段
4-2a〜4-2n:保管ロッカー
5:通信回線
6:POSサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売事業者のホストコンピューターと、複数の保管ロッカーに対して備えられた少
なくとも1台の保管ロッカー端末と、前記商品販売事業者と予め契約をした顧客に対して
発行された電子決済カードを保有する顧客が使用する顧客端末と、前記商品販売事業者の
運営するPOSシステムのPOSサーバーと、を通信回線を介して接続した保管ロッカーを介し
た商品販売システムであって、
前記ホストコンピューターには、
前記顧客端末からの、顧客IDを含む顧客データ、希望購入商品、希望保管ローカー場所
及び保管時間に関するデータを受信し、前記希望商品の在庫、希望保管ロッカーの空満の
確認の後に、前記顧客端末及び保管ロッカー端末に対して決定した保管ロッカー場所、保
管ロッカー番号及び有効保管期間に関するデータを送信する手段と、
前記POSサーバーに対して、前記希望購入商品の在庫の確認の依頼を送信し、その結果
を受信する手段と、を備え、
前記POSサーバーには、
前記ホストコンピューターから前記希望購入商品の在庫の確認の依頼を受信し、当該PO
Sサーバーの保有する商品在庫データに基づいて、前記希望購入商品の在庫の確認を実行
する在庫確認手段と、
前記希望購入商品の在庫が無い場合に、当該POSサーバーから、前記保管時間に間に合
うように不足する商品の発注を行う不足商品発注手段と、を備え
前記保管ロッカー端末で、前記電子決済カードに予め格納された顧客の生体認証データ
と保管ロッカー端末で読取った生体認証データとを照合及び電子決済を実行し、顧客が購
入した商品が納入された保管ロッカーを開錠して購入した商品を受け取ることを特徴とす
る保管ロッカーを介した商品販売システム。
【請求項2】
前記顧客端末からの前記希望購入商品、希望保管ローカー場所及び保管時間の入力は、
前記顧客端末の表示手段のメニュー画面からの選択指示が可能であることを特徴とする請
求項1に記載の保管ロッカーを介した商品販売システム。
【請求項3】
前記メニュー画面は、複数の表示された料理名の選択及び何人前を選択するだけで、当
該料理に必要な複数の材料及び各材料の量を計算して出力されることを特徴とする請求項
2に記載の保管ロッカーを介した商品販売システム。
【請求項4】
前記料理に必要な複数の材料は、冷凍、冷蔵、保温又は常温に区分されて、前記保管ロ
ッカーの常温保管部、保温保管部、冷蔵保管部及び冷凍保管部に分別されて納入されるこ
とを特徴とする請求項3に記載の保管ロッカーを介した商品販売システム。
【請求項5】
商品販売事業者のホストコンピューターと、複数の保管ロッカーに対して備えられた少
なくとも1台の保管ロッカー端末と、前記商品販売事業者と予め契約をした顧客に対して
発行された電子決済カードを保有する顧客が使用する顧客端末と、前記商品販売事業者の
運営するPOSシステムのPOSサーバーと、を通信回線を介して接続された保管ロッカーを介
した商品販売システムを使用した商品販売決済方法であって、
前記ホストコンピューターに対して、
前記顧客端末から前記ホストコンピューターに対して、顧客IDを含む顧客データ、希望
購入商品、希望保管ローカー場所及び保管時間に関するデータを送信するステップと、
前記ホストコンピューターから前記POSサーバーに対して、前記希望購入商品の在庫の
確認の依頼を送信するステップと、
前記確認の依頼を受信して、当該POSサーバーの保有する商品在庫データに基づいて、
前記希望購入商品の在庫の確認を実行するステップと、
前記希望購入商品の在庫が無い場合に、当該POSサーバーから、前記保管時間に間に合
うように不足する商品の発注を行う不足商品発注ステップと、
前記希望商品の在庫、希望保管ロッカーの空満の確認の後に、前記顧客端末及び保管ロ
ッカー端末に対して決定した保管ロッカー場所、保管ロッカー番号及び有効保管期間に関
するデータを送信するステップと、
を含み、
前記電子決済カードに予め格納された顧客の生体認証データと保管ロッカー端末で読取
った生体認証データとを照合及び電子決済を実行し、顧客が購入した商品が納入された保
管ロッカーを開錠して購入した商品を受け取ることを特徴とする商品販売決済方法。
【請求項6】
前記保管ロッカー端末による、前記読取った生体認証データと、前記電子決済カードか
ら読出した顧客本人の生体認証データとを照合する生体認証データ照合ステップが不一致
であった場合に、
前記電子決済カードに予め記録された受任者の生体認証データと前記読取った生体認証
データとの照合を実行するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の商品販売決
済方法。
【請求項7】
前記商品購入希望入力ステップでの入力に、更に、商品の電子決済の委任の有無を設定
する項目を含み、
前記電子決済の委任の設定がされている場合にのみ、委任が設定されている受任者につ
いて前記請求項6のステップを実行することを特徴とする商品販売決済方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−152840(P2010−152840A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332974(P2008−332974)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】