説明

PWM信号生成回路及びPWM制御回路

【課題】 デューティ比の変更が容易で、かつ、周囲温度変化等による影響を防止することが可能なPWM信号生成回路及びPWM制御回路を提供する。
【解決手段】 コンデンサ22に電流i1が流れて充電が開始された当初、まだコンパレータ21の負入力端子とコンデンサ22との接続点Bにおける電圧レベルVbは、上記充電時閾値TH1を下回っており、充電時閾値TH1を上回ったときに、コンパレータ21がロー状態に反転し、コンパレータ21の出力点Cに流れ込み放電が開始される。コンデンサ22への放電開始当初は、まだ、接続点Bにおける電圧レベルVbは、上記放電時閾値TH2を上回っており、これを下回ったときに、コンパレータ21がハイ状態に復帰し、再び上記充電動作に切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM信号生成回路及びPWM制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両のヘッドランプについては各国で安全基準があり、この安全基準によれば、ヘッドランプを日中においても夜間の輝度に対する所定の割合(例えば12.5%、22.5%)の輝度で点灯させて走行する必要がある。そこで、従来から、ヘッドライトの日中点灯(デイライト)についてはPWM制御によって夜間点灯に対して所定の割合で点灯させるものがある。このPWM制御の構成としては、例えばマイコンや専用ICによって生成したPWM信号に基づきヘッドランプの点灯制御を行うものがある。
【0003】
ところが、上記マイコン等によるPWM制御を行う構成では、車両に搭載されたバッテリー電圧(例えば12V)を5V程度に変換してマイコンに与える必要があり、このための構成が必要となるという問題がある。また、ヘッドランプは、例えば、その周囲を覆うリフレクタの反射率が搭載される車両の車種等によって異なるため、このリフレクタの反射率の相違に応じてPWM制御のデューティ比を調整して上記安全基準を満たすようにする必要がある。しかしながら、上記マイコン等によるPWM制御では、所定のデューティ比のPWM信号を出力するようにプログラムが設定されており、このデューティ比を変更するには、プログラム自体を変更する必要があり、手間と時間がかかるという問題がある。
【0004】
一方、例えば、下記特許文献1には、発振回路を含むハード構成でPWM制御を行うPWM制御回路が開示されている。
【特許文献1】特開平7−154965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1のものでは、周囲温度の変化や回路素子の劣化などによってPWM制御回路の回路定数が変化すると、これに伴って、デューティ比が変動してしまうという問題があった。特に、車両などは周囲温度変化が激しい環境下で使用されることが多く、このような問題が大きく影響する。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、デューティ比の変更が容易で、かつ、周囲温度変化等による影響を防止することが可能なPWM信号生成回路及びPWM制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るPWM信号生成回路は、出力側が第1抵抗を介して電源ライン側に接続されたコンパレータと、
前記電源ラインとグランドラインとの間の電圧を分圧した電圧を前記コンパレータの第1入力端子に与える分圧回路と、前記分圧回路に対して並列接続され、前記電源ライン側に配される第2抵抗及び前記グランドライン側に配されるコンデンサを有してなり、当該コンデンサの充電量に応じた電圧を前記コンパレータの第2入力端子に与えるRC直列回路と、前記コンパレータの出力を前記第1入力端子側に帰還させる第1帰還ラインと、前記コンパレータの出力を、当該コンパレータの出力側から前記負入力端子に向かう電流の流れを規制する電流規制手段、及び、第3抵抗を介して前記第2入力端子側に帰還させる第2帰還ラインと、を備えることを特徴とする。
なお、本発明では、例えば、PWM信号生成回路のコンパレータからの出力信号をPWM信号として出力する構成や、PWM信号生成回路のコンパレータの前記第1入力端子側の入力電圧信号をPWM信号として出力する構成などが含まれる。
【0008】
請求項2の発明に係るPWM信号生成回路は、オペアンプと、前記電源ラインとグランドラインとの間の電圧を分圧した電圧を前記オペアンプの第1入力端子に与える分圧回路と、前記分圧回路に対して並列接続され、前記電源ライン側に配される第2抵抗及び前記グランドライン側に配されるコンデンサを有してなり、当該コンデンサの充電量に応じた電圧を前記オペアンプの第2入力端子に与えるRC直列回路と、前記オペアンプの出力を前記第1入力端子側に帰還させる第1帰還ラインと、前記オペアンプの出力を、当該オペアンプの出力側から前記負入力端子に向かう電流の流れを規制する電流規制手段、及び、第3抵抗を介して前記第2入力端子側に帰還させる第2帰還ラインと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のPWM信号生成回路において、前記第1入力端子側の電圧信号を、PWM信号として出力することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のPWM信号生成回路において、前記第3抵抗は、前記電流規制手段に対して前記第2入力端子側に配され、前記RC直列回路は、前記第2抵抗と前記コンデンサとは、前記第3抵抗を介して直列接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のPWM信号生成回路において、前記RC直列回路は、前記電流規制手段としての電流規制素子と同一温度特性を有する回路素子を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載のPWM信号生成回路において、前記電流規制素子と前記回路素子とが同一チップ内に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明に係るPWM制御回路は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載のPWM信号生成回路と、前記PWM信号生成回路から出力されるPWM信号が入力され、当該PWM信号レベルと基準信号レベルとの大小比較に応じて反転する出力信号を出力する比較回路と、スイッチ手段を有し、当該スイッチ手段のオンオフ動作に応じて、前記基準信号レベルを、前記PWM信号の振幅範囲内の第1レベルと、前記PWM信号の振幅範囲外の第2レベルとの間で切り替えるPWM信号出力制御回路と、を備える。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載のPWM制御回路において、前記PWM信号出力制御回路の比較回路から出力された出力信号に基づきオンオフ動作するとともに、所定の温度または所定の電流量に達したときに強制的に遮断動作をする保護機能を有する半導体スイッチとを備え、前記半導体スイッチに連なる電源から負荷への電力供給を制御するPWM制御回路であって、前記半導体スイッチの出力電位に基づき当該半導体スイッチの遮断動作を検知する遮断検知手段と、前記遮断検知手段にて前記遮断動作が検知されたことを条件に、前記基準信号レベルを強制的に前記第2レベルにするPWM信号出力停止手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
<請求項1,2の発明>
本請求項1の構成によれば、コンパレータの出力がハイ状態(コンパレータ内部のオープンコレクタ出力がオフ動作してハイレベル信号を出力した状態)にあるとき、電源ラインから第2抵抗を介して流れる電流によってコンデンサが充電され、この充電量に応じた電圧がコンパレータの第2入力端子に与えられる。一方、分圧回路及び第1抵抗に流れる電流によって当該コンパレータの第1入力端子に与えられる電圧(以下、このときの電圧レベルを「充電時閾値」という)が決まる。
そして、コンデンサの充電量に応じた電圧レベルが充電時閾値を上回ると、コンパレータの出力がロー状態(コンパレータ内部のオープンコレクタ出力がオン動作してローレベル信号を出力した状態)となる。これにより、コンデンサから放電電流が第2帰還ライン及びコンパレータの出力側を介してグランドに流れ込み、コンデンサの充電量が徐々に低下していく。また、これとともに、分圧回路からの一部の電流及び第1抵抗に流れる電流がコンパレータの出力側を介してグランドに流れ込み、コンパレータの第1入力端子に与えられる電圧が上記充電時閾値よりも低いレベルになる(以下、このときの電圧レベルを「放電時閾値」という)。
【0016】
そして、コンデンサの充電量に応じた電圧レベルが上記放電時閾値を下回ると、コンパレータの出力がハイ状態に復帰し、再びコンデンサへの充電動作が行われるとともに、上記充電時閾値がコンパレータの第1入力端子に与えられるようになる。
以上の動作により、コンパレータの出力信号の波形や第1入力端子側の電圧信号の波形が、矩形状のパルス波形となりPWM信号として利用できる。
【0017】
また、本請求項2の構成によれば、オペアンプのプッシュプル出力がハイ状態(オペアンプ内部のプッシュプル回路の高電位側トランジスタがオン動作してハイレベル信号を出力する状態)にあるとき、電源ラインから第2抵抗を介して流れる電流によってコンデンサが充電され、この充電量に応じた電圧がオペアンプの第2入力端子に与えられる。一方、分圧回路に流れる電流によって当該オペアンプの第1入力端子に与えられる電圧(以下、このときの電圧レベルを「充電時閾値」という)が決まる。
そして、コンデンサの充電量に応じた電圧レベルが充電時閾値を上回ると、オペアンプのプッシュプル出力がロー状態(オペアンプ内部のプッシュプル回路の低電位側トランジスタがオン動作してローレベル信号を出力する状態)となる。これにより、コンデンサから放電電流が第2帰還ラインを介してグランドに流れ込み、コンデンサの充電量が徐々に低下していく。また、これとともに、分圧回路からの一部の電流がオペアンプの出力側を介してグランドに流れ込み、オペアンプの第1入力端子に与えられる電圧が上記充電時閾値よりも低いレベルになる(以下、このときの電圧レベルを「放電時閾値」という)。
【0018】
そして、コンデンサの充電量に応じた電圧レベルが上記放電時閾値を下回ると、オペアンプのプッシュプル出力がハイ状態に復帰し、再びコンデンサへの充電動作が行われるとともに、上記充電時閾値がオペアンプの第1入力端子に与えられるようになる。
以上の動作により、オペアンプの出力信号の波形や第1入力端子側の電圧信号の波形が、矩形状のパルス波形となりPWM信号として利用できる。
【0019】
このような構成であれば、例えば第2抵抗と第3抵抗の抵抗値の比を変更するだけでPWM信号のデューティ比を容易に調整することができる。また、周囲温度や回路素子の劣化によって回路定数が変化し、放電時閾値及び充電時閾値が変動しても、これに対応してコンデンサの充電時間及び放電時間も変化し、結果的に、コンデンサの充電時間と放電時間との比、即ち、PWM信号のデューティ比をほぼ一定に保つことができる。
また、コンデンサの充放電電流の電流量は、その充電量に応じて非線形的に変化する。従って、上記放電時閾値及び充電時閾値を定める電流と、コンデンサに充放電を行う電流とが共通の経路を流れる構成とすると、同一環境下においてもコンデンサの充電量に応じて放電時閾値及び充電時閾値が変動してしまい、結局、PWM信号のデューティ比が変動してしまうという問題が生じる。これに対して、本構成では、上記放電時閾値及び充電時閾値を定める電流と、コンデンサに充放電を行う電流とがそれぞれ独立の経路を流れる構成であるから、デューティ比が安定したPWM信号を生成することができる。
【0020】
<請求項3の発明>
請求項1,2の発明には、PWM信号生成回路のコンパレータやオペアンプからの出力信号をPWM信号として出力する構成も含まれる。しかし、この構成では、PWM信号レベルが、充電時閾値を定める第1抵抗やオペアンプのプッシュプル回路に流れる電流の影響を受けてしまうおそれがある。従って、本請求項2の構成のように、コンパレータやオペアンプの第1入力端子側の電圧信号を、PWM信号として出力する構成がより望ましい。
【0021】
<請求項4の発明>
例えば、PWM信号のデューティ比を例えば20%以下或いは80%以上にしたい場合、第2抵抗及び第3抵抗の抵抗値の比を変えればよいわけであるが、あまり大きな抵抗値の抵抗を使用すると温度変化等による影響を受け易くなってしまう。そこで、本構成では、コンデンサへの充電は電源ラインからの電流を少なくとも第2抵抗に流して行う一方で、コンデンサからの放電は第3抵抗を介して行う構成とした。
【0022】
<請求項5の発明>
本構成によれば、RC直列回路に上記電流規制手段としての電流規制素子と同一温度特性を有する回路素子を設けた構成になっている。従って、温度変化があっても、放電電流量と充電電流量とが同じように変化するため、PWM信号のデューティ比に対する影響を抑制することができる。
【0023】
<請求項6の発明>
本構成によれば、電流規制手段と回路素子は同一チップ内に設けられているから、周囲温度変化に対して同等の影響を受けることになり、より精度の高いデューティ比のPWM信号を生成できる。
【0024】
<請求項7の発明>
本構成によれば、スイッチ手段をオンオフ動作させるだけで、PWM制御の駆動とその停止を容易に切り替えることができる。
【0025】
<請求項8の発明>
過熱や過電流に対する保護機能付きの半導体スイッチは、遮断動作と復帰動作とを繰り返すことで自己破壊するおそれがある。特に、PWM信号を与えて半導体スイッチのオンオフ動作をさせる構成では、このオンオフ動作に応じて半導体スイッチが遮断動作と復帰動作を繰り返すおそれがある。そこで、本構成では、遮断検知手段によって半導体スイッチが遮断動作をしたことを検知し、これに基づきPWM信号出力制御回路のスイッチ手段のオンオフ動作に基づきPWM制御を強制的に停止させる構成とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
本実施形態のPWM制御回路10は、制御信号としてのPWM(Pulse Width Modulation。パルス幅変調)信号S1を、半導体スイッチとしてのサーマルFET11の入力に与えてオンオフ動作させることでこのサーマルFET11の出力側に連なる電源12(例えばバッテリー)から1対のヘッドランプ13,13への電力供給をPWM制御するためのものである。
【0027】
1.本実施形態の構成
(1)PWM制御回路の全体構成
図1に示すように、サーマルFET11は、ドレインが電源12の高電位側に連なる電源ラインL1に接続され、ソースが1対のヘッドランプ13,13に対してそれぞれヒューズ14,14を介して接続されている。そして、PWM制御回路10は、PWM信号生成回路20によってPWM信号としての出力信号S2を生成し、比較回路等を介してサーマルFET11のゲートに与えてオンオフ動作させる構成になっている。
【0028】
(2)サーマルFETの内部構成
サーマルFET11は、過熱保護機能を有した周知な構成からなり、詳説はしないが、内部にFET11aと、温度検出手段としての温度センサと、制御回路と、スイッチとを備えて構成されている(図1ではこのうちFET11aのみ図示)。このうちFET11aは、ゲートに入力されるPWM信号S1に応じてオンオフ動作し、電源12からヘッドランプ13に対する電力供給量を制御する。温度センサは、FET11aのチャネル温度を検出し、この検出温度に対応する温度検出信号を出力する。制御回路は、温度センサからの温度検出信号を受けて、その検出温度が所定の温度以上である場合、過熱異常であるとしてスイッチをオン動作させることでFET11aのソースをグランドレベルに短絡させる動作をする。
【0029】
以上のような構成により、サーマルFET11は、例えばヘッドランプ13の短絡等によって電源12及びヘッドランプ13に連なる電力供給ラインL2に過電流が流れて所定の温度以上になったときに強制的にソース電位をグランドレベルに短絡させてヘッドランプ13への電力供給を停止する過熱保護機能を動作させる。その後、この停止動作によってFET11aのチャネル温度が低下して上記所定の温度を下回ると、再びスイッチがオフされてヘッドランプ13への電力供給を再開する。
【0030】
(3)PWM信号生成回路
(a)回路構成
PWM信号生成回路20は、図1に示すように、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータ21(本発明でいう「コンパレータ」に相当)を1つ備えて構成されている。コンパレータ21の出力側は電源12に連なる電源ラインL1に対し出力抵抗R1を介して接続されている。また、電源ラインL1と、電源12の低電位側に連なるグランドラインL3(コモンライン)との間には、例えば1対の分圧用抵抗R2,R3が直列接続され、これらの接続点Aの電位(分圧した電圧)がコンパレータ21の正入力端子(本発明の「第1入力端子」に相当)に与えられる。つまり、本実施形態では、1対の分圧用抵抗R2,R3によって本発明の「分圧回路」が構成されている。
【0031】
また、同じく電源ラインL1とグランドラインL3との間には、充電用抵抗R4、ダイオードD1、充放電用抵抗R5及びコンデンサ22(本発明でいう「コンデンサ」に相当)が直列接続されている。そして、コンデンサ22の端子間電圧がコンパレータ21の負入力端子(本発明の「第2入力端子」に相当)に与えられている。ここで、ダイオードD1は、アノード側が電源ラインL1側に接続され、カソード側がコンデンサ22側に接続されており、コンデンサ22への充電電流の流れを許容する一方で、コンデンサ22からの放電電流の流れを阻止する役目を果たす。なお、充電用抵抗R4とコンデンサ22とが本発明の「RC直列回路」に相当する。
【0032】
次いで、コンパレータ21の出力は、正帰還抵抗R6を介して正帰還され、更に、ダイオードD2及び充放電用抵抗R5を介して負帰還されている。ここで、ダイオードD2は、アノード側がコンデンサ22側に接続され、カソード側がコンパレータ21の出力側に接続されており、コンデンサ22への充電電流の流れを阻止する一方で、コンデンサ22からの放電電流の流れを許容する役目を果たす。なお、ダイオードD1とダイオードD2とは、同一チップに収容されて一体化されている。
【0033】
(b)回路動作
次に、PWM信号生成回路20の回路動作について図2の回路図と、図3に示すタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0034】
(充電時)
PWM制御回路10に電源が投入されると、図2(A)に示すように、電源ラインL1から充電用抵抗R4、ダイオードD1及び充放電用抵抗R5を介してコンデンサ22に電流i1が流れて充電が開始される。その一方で、電源ラインL1から分圧回路を構成する分圧用抵抗R2,R3を介してグランドラインL3に電流i2が流れるとともに、電源ラインL1から出力抵抗R1、正帰還抵抗R6及び抵抗R3をを介してグランドラインL3に電流i3が流れる。つまり、このとき、分圧用抵抗R2,R3間の接続点Aにおける電圧レベルVaは、電源電圧Vccと、分圧用抵抗R2,R3、出力抵抗R1及び正帰還抵抗R6とによって定まり、この電圧レベルが充電時閾値TH1として、コンパレータ21の正入力端子に与えられる。図3に示すように、コンデンサ22への充電開始当初は、まだ、コンパレータ21の負入力端子とコンデンサ22との接続点Bにおける電圧レベルVbは、上記充電時閾値TH1を下回っており、コンパレータ21の出力はハイ状態(つまりコンパレータ21内部のオープンコレクタ回路がオフ動作して出力点Cの電圧レベルVcがハイレベルとなる信号吐き出し状態)となっている。
【0035】
(放電時)
そして、コンデンサ22の充電が継続され、接続点Bにおける電圧レベルVb(コンデンサ22の端子間電圧)が充電時閾値TH1を上回ったときに、コンパレータ21がロー状態(つまりコンパレータ21内部のオープンコレクタ回路がオン動作して出力点Cの電圧レベルVcがローレベルとなる信号引き込み状態)に反転する。これにより、図2(B)に示すように、電源ラインL1から充電用抵抗R4及びダイオードD1を介して流れる電流は負帰還ラインL4を通ってコンパレータ21の出力点C(グランドラインL3)に流れ込むようになり、コンデンサ22の充電が停止される。それとともに、コンデンサ22からの放電電流i4も充放電用抵抗R5及びダイオードD2(負帰還ラインL4)を介してコンパレータ21の出力点Cに流れ込み放電が開始される。
【0036】
この一方で、電源ラインL1から出力抵抗R1を流れる電流もコンパレータ21の出力点Cに流れ込む。それとともに、電源ラインL1から抵抗R2を通る電流i5は、正帰還ラインL5を介してコンパレータ21の出力点Cに流れ込む電流i6と、抵抗R3を介してグランドラインL3に流れ込む電流i5−i6に分流される。これにより、図3に示すように、分圧用抵抗R2,R3間の接続点Aにおける電圧レベルVaは、上記充電時閾値TH1よりも低いレベルとなり、この電圧レベルがこの電圧レベルが放電時閾値TH2として、コンパレータ21の正入力端子に与えられるようになる。
【0037】
コンデンサ22への放電開始当初は、まだ、接続点Bにおける電圧レベルVbは、上記放電時閾値TH2を上回っており、コンパレータ21の出力はロー状態になっている。そして、コンデンサ22の放電が継続され、接続点Bにおける電圧レベルVbが放電時閾値TH2を下回ったときに、コンパレータ21の出力がハイ状態に復帰し、再び上記充電動作に切り替わる。
【0038】
以上の充放電動作を繰り返すことにより、コンパレータ21の出力点Cにおける電圧レベルVc、分圧用抵抗R2,R3間の接続点Aにおける電圧レベルVaは、それぞれパルス状のオンオフ信号を出力するようになり、もってPWM信号が生成される。本実施形態では、接続点Aにおける電圧信号S2をPWM信号として利用する構成になっている。なお、この出力信号S2のデューティ比は、上記充電動作時間と放電動作時間との比に対応し、この比は、充電用抵抗R4及び充放電用抵抗R5の抵抗値関係、又は、各閾値TH1,TH2を定める出力抵抗R1、分圧用抵抗R2,R3及び正帰還抵抗R6の各抵抗値を調整することにより任意に定めることができる。なお、本実施形態では、1周期に対して放電時間が10〜20%の間の特定の割合になるように調整されている。
【0039】
(4)PWM制御の駆動及び停止を制御するための構成
本実施形態では、PWM信号生成回路20の後段に、本発明の「比較回路」及び「PWM信号出力制御回路」に相当する回路が設けられている。
【0040】
図1中の符号30は、本発明の比較回路に相当するコンパレータであり、この負入力端子に上述のPWM信号生成回路20からの出力信号S2が与えられる。一方、正入力端子には、電源ラインL1とグランドラインL3との間に直列接続された1対の抵抗R7,R8の接続点Dの電圧レベルVdが基準信号レベルとして与えられるようになっている。また、電源ラインL1と接続点Dとの間には、その間を短絡させるオン動作を行うスイッチ手段としてのトランジスタ31が設けられている。
【0041】
このトランジスタ31のベースは、抵抗R9及びスイッチ手段としてのトランジスタ32を介してグランドラインL3に接続されている。このような構成により、トランジスタ32がオフ状態にあるときは、トランジスタ31もオフ状態となり、電源電圧Vccを抵抗R7及び抵抗8で分圧した第1レベルTH3の分圧電圧がコンパレータ30の正入力端子に与えられる。ここで、この第1レベルTH3は、上記出力信号S2の振幅範囲内(ハイレベルとローレベルの間の電圧レベル)に設定されている。
【0042】
これに対して、トランジスタ32のベースに制御信号S3が与えられてオン動作をすると、トランジスタ31もオン動作して接続点Dの電圧レベルVdが電源電圧Vcc側にプルアップされ、この電圧レベルが第2レベルTH4としてコンパレータ30の正入力端子に与えられる。ここで、この第2レベルTH4は、上記出力信号S2のハイレベルよりも高いレベルである。このような構成により、後述するように、抵抗R7〜R9、トランジスタ31,32が本発明の「PWM信号出力制御回路」として機能する。
【0043】
(5)サーマルFET保護のための構成
続いて、前述したように、過電流が流れたサーマルFET11に対してPWM信号S1を与えるオンオフ動作が継続されると、このサーマルFET11は遮断動作と復帰動作とを繰り返して自己破壊してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、サーマルFET11の遮断動作を検知して、これに基づきPWM制御を停止、換言すればPWM信号の出力を停止させる構成が設けられている。
【0044】
具体的には、図1中の符号40は、上記NchのFET11aを駆動するための昇圧回路内蔵ICであるデュアルコンパレータであり、出力用の第4ピンP4はFET11aのゲートに接続され、第2ピンP2が抵抗10を介してFET11aのドレインに接続され、第1ピンP1が抵抗11を介してFET11aのソースに接続されている。また、電源入力用の第5ピンP5は電源ラインL1に接続され、接地用の第3ピンP3及び第8ピンP8はグランドラインL3に接続されている。また、入力用の第7ピンP7は、コンパレータ30の出力点Eに接続されている。そして、ステータス(status)端子として第6ピンP6は、トランジスタ41、及び、抵抗R12を介してトランジスタ31のベースに接続されている。このトランジスタ41は、ベースが抵抗13、接続点E及び抵抗R14を介して電源ラインL1に接続され、また、エミッタとベースとが抵抗R15を介して接続されている。
【0045】
2.本実施形態の動作
(1)日中点灯と夜間点灯との切換
本実施形態に係るPWM制御回路10に電源12が投入されると、前述したようにPWM生成回路20はパルス状の出力信号S2の出力を開始する。ここで、例えば、日中走行でヘッドライトを点灯させる場合(デイライト)、所定の操作をすることでトランジスタ32に制御信号S3が与えられないようになる。このとき、図3(C)(D)前半部分に示すように、コンパレータ30の正入力端子に与えられる接続点Dの電圧レベルVdは、出力信号S1の振幅レベル範囲内の第1レベルTH3にある。従って、同図(E)前半部分に示すように、コンパレータ30の出力点Eの電圧レベルVeは、上記出力信号S2に対してレベル反転したパルス波形となる。そして、このレベル反転した出力信号S4がデュアルコンパレータ40の第7ピンP7に与えられ、このまま第4ピンP4からFET11aのゲートにPWM信号S1として与えられる。これにより、次述する夜間点灯時に対して約10〜20%の輝度でヘッドライトを点灯させる日中点灯(デイライト)となる。
【0046】
一方、夜間走行でヘッドライトを点灯させる場合には、所定の操作をすることでトランジスタ32に制御信号S3を与える。これにより、今度は、コンパレータ30の正入力端子に与えられる接続点Dの電圧レベルVdは、出力信号S1のハイレベルよりも高い第2レベルTH4となる。従って、図3(E)後半部分に示すように、コンパレータ30の出力点Eの電圧レベルVeは、常時ハイレベルとなり、このハイレベル信号がデュアルコンパレータ40を介してFET11aのゲートに与えられ、FET11aは常時オン状態となり、上記PWM制御による日中点灯よりも高い輝度の夜間点灯に切り替わる。
【0047】
(2)サーマルFETの保護動作
また、上記日中点灯時において、サーマルFET11に過電流が流れ遮断動作が実行されると、デュアルコンパレータ40は、FET11aのドレイン電位及びソース電位に基づき当該FET11aが遮断動作したことを検知し、これによって第6ピンP6をハイレベルからローレベルに切り替える。これにより、トランジスタ41のベース−エミッタ間の電圧が所定値以上となり当該トランジスタ41がオン動作する。これにより、トランジスタ31がオン動作して、コンパレータ30の正入力端子に与えられる接続点Dの電圧レベルVdがハイレベルとなり、上記トランジスタ32に制御信号S3を与えたとき(上述した夜間点灯時)と同様、コンパレータ30からの出力が常時ハイレベルとなる。つまり、夜間点灯に切り替わるのである(図3(D)後半部分参照)。これにより、サーマルFET11は過電流時において遮断動作と復帰動作とを繰り返すことがなくなり、自己破壊を防止できるのである。
【0048】
3.本実施形態の効果
(1)本実施形態の構成であれば、例えば充電用抵抗R4と充放電用抵抗R5の抵抗値の比を変更するだけでPWM信号S2のデューティ比を容易に調整することができる。また、周囲温度や回路素子の劣化によって回路定数が変化し、充電時閾値TH1及び放電時閾値TH2が変動しても、これに対応してコンデンサ22の充電時間及び放電時間も変化し、結果的に、コンデンサ22の充電時間と放電時間との比、即ち、PWM信号S2のデューティ比をほぼ一定に保つことができる。
また、本構成では、上記充電時閾値TH1及び放電時閾値TH2を定める電流と、コンデンサ22に充放電を行う電流とがそれぞれ独立の経路を流れる構成であるから、デューティ比が安定したPWM信号S2を生成することができる。しかも、このような構成を、1つのコンパレータ21を用いて実現することができるため、回路の小型化等を図ることができる。
【0049】
(2)PWM信号生成回路20のコンパレータ21からの出力信号をPWM信号として出力する構成も考えられるが、この構成では、PWM信号レベルが、充電時閾値TH1を定める出力抵抗R1に流れる電流の影響を受けてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、コンパレータ21の正入力端子側の電圧信号を、PWM信号として出力する構成とした。
【0050】
(3)本実施形態では、電源ラインL1からの電流を充電用抵抗R4と充放電用抵抗R5に流してコンデンサ22の充電を行い、充放電用抵抗R5のみを介してコンデンサ22の放電を行う構成とした。このような構成であれば、PWM信号S1のデューティ比を15〜20%程度にしたい場合であっても、大きな抵抗値の抵抗を用いることを避けて温度変化等による影響を抑制できる。
【0051】
(4)また、充電用抵抗R4と充放電用抵抗R5との間に、コンデンサ22からの放電電流が充電用抵抗R4側に逆流することを規制するダイオードD1を設けた構成になっている。従って、これらの充電用抵抗R4及び充放電用抵抗R5の抵抗値の変更によるデューティ比の調整が容易になる。
【0052】
(5)更に、ダイオードD1とダイオードD2とは、電流規制素子として同一チップ内に設けられているから、周囲温度変化に対して同等の影響を受けることになり、より精度の高いデューティ比のPWM信号S2を生成できる。
【0053】
(6)また、トランジスタ32に制御信号を与えてオンオフ動作させるだけで、PWM制御の駆動と停止、つまり、日中点灯(デイライト)と夜間点灯とを容易に切り替えることができる。
【0054】
(7)また、サーマルFET11に過電流が流れ遮断動作が実行されると、デュアルコンパレータ40がその遮断動作を検知し、これによってトランジスタ41,31をオン動作させ、コンパレータ30からの出力信号をPWM信号から一定レベル信号(ハイレベル信号)へと強制的に切り替える構成とした。これにより、サーマルFET11の自己破壊を防止できる。
【0055】
<実施形態2>
図4は(請求項2の発明に対応する)実施形態2を示す。前記実施形態1との相違は、主としてコンパレータ21をオペアンプ50に代えたところにあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
図4は、実施形態2の構成を示した回路図である。なお、同図は、PWM制御回路のうちPWM信号生成回路51部分のみが示されている。同図に示すように、本実施形態2は、上記実施形態1の図1に対して、コンパレータ21をオペアンプ50に代えるとともに、出力抵抗1を取り除いてオペアンプ50の出力と電源ラインL1との接続を外した構成である。オペアンプ50内部のプッシュプル回路の高電位側トランジスタ50aがオンしてハイレベル信号を出力した状態が、上記実施形態1におけるコンパレータ21がハイ状態に対応する。また、オペアンプ50内部のプッシュプル回路の低電位側トランジスタ50bがオンしてローレベル信号を出力した状態が、上記実施形態1におけるコンパレータ21がロー状態に対応する。
このように、コンパレータ21をオペアンプ50に代えた構成であっても、上記実施形態1と同等の効果を得ることができる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記各実施形態では、負荷としてヘッドランプ11,11としたが、PWM制御を要するものであれば、例えばヘッドランプ以外の車両用ランプ、パワーウインドウ用駆動モータやワイパー用駆動モータなどであってもよい。
【0057】
(2)上記各実施形態では、第2抵抗に相当する充電用抵抗R4とコンデンサ22とを、第3抵抗に相当する充放電用抵抗R5を介して直列接続される構成としたが、これに限らず、充放電用抵抗R5を介さずに直列接続した構成であってもよい。また、この場合、負帰還ラインL4における充放電用抵抗R5を、電流規制手段に相当するダイオードD2に対してコンパレータ21の出力点C側に接続する構成であっても勿論よい。しかし、上記実施形態の構成であれば、抵抗値の大きい抵抗を用いることなくデューティ比の極めて小さい或いは極めて大きいPWM信号を生成することができる。
【0058】
(3)上記各実施形態では、コンデンサ22からの放電電流が充電用抵抗R4側に流れることを規制するために回路素子に相当するダイオードD1を設けた構成としたが、これを設けない構成であってもよい。
【0059】
(4)上記各実施形態では、正帰還ラインL5に正帰還抵抗R6を設けた構成としたが、この正帰還抵抗R6を設けない構成であってもよい。
【0060】
(5)上記各実施形態では、本発明の「第1入力端子」をコンパレータ21の正入力端子とし、本発明の「第2入力端子」をコンパレータ21の負入力端子としたが、これとは逆に、本発明の「第1入力端子」をコンパレータ21の負入力端子とし、本発明の「第2入力端子」をコンパレータ21の正入力端子とした構成であってもよい。具体的には、図1の構成に対してコンパレータ21の正入力端子を接続点B側に接続し、負入力端子を接続点A側に接続した構成である。
【0061】
(6)上記各実施形態では、回路素子としてダイオードD1を設けたが、これに限らず、負帰還ラインL4に接続された電流規制素子(ダイオードD2)と同じ温度特性の回路素子であれば他の回路素子(抵抗等)であってもよい。
【0062】
(7)上記各実施形態では、本発明の「半導体スイッチ」として、所定の温度に達したときに遮断動作をする過熱保護機能付きのサーマルFET11を用いたが、これに限らず、電源から負荷への電流量が所定値以上になったことを検知した遮断動作をする過電流保護機能付きの半導体スイッチであってもよい。
【0063】
(8)上記トランジスタ31,32,41は、TFT等のユニポーラトランジスタ、バイポーラトランジスタのいずれであってもよい。また、コンパレータ30は、オペアンプであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1に係るPWM制御回路の回路構成図
【図2】PWM信号生成回路の電流の流れを示す説明図
【図3】各点における信号波形を示すタイムチャート
【図4】実施形態2のPWM信号生成回路の回路構成図
【符号の説明】
【0065】
10…PWM制御回路
11…サーマルFET(半導体スイッチ)
12…電源
13…ヘッドランプ(負荷)
20,51…PWM信号生成回路
21…コンパレータ
22…コンデンサ
30…コンパレータ(比較回路)
31…トランジスタ(スイッチ手段)
40…デュアルコンパレータ(遮断検知手段、PWM信号出力停止手段)
41…トランジスタ(PWM信号出力停止手段)
50…オペアンプ
D1…ダイオード(回路素子)
D2…ダイオード(電流規制手段、電流規制素子)
L1…電源ライン
L3…グランドライン
L4…負帰還ライン(第2帰還ライン)
L5…正帰還ライン(第1帰還ライン)
R1…出力抵抗(第1抵抗)
R2,R3…分圧用抵抗(分圧回路)
R4…充電用抵抗(第2抵抗)
R5…充放電用抵抗(第3抵抗)
S1,S2,S4…PWM信号、出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力側が第1抵抗を介して電源ライン側に接続されたコンパレータと、
前記電源ラインとグランドラインとの間の電圧を分圧した電圧を前記コンパレータの第1入力端子に与える分圧回路と、
前記分圧回路に対して並列接続され、前記電源ライン側に配される第2抵抗及び前記グランドライン側に配されるコンデンサを有してなり、当該コンデンサの充電量に応じた電圧を前記コンパレータの第2入力端子に与えるRC直列回路と、
前記コンパレータの出力を前記第1入力端子側に帰還させる第1帰還ラインと、
前記コンパレータの出力を、当該コンパレータの出力側から前記負入力端子に向かう電流の流れを規制する電流規制手段、及び、第3抵抗を介して前記第2入力端子側に帰還させる第2帰還ラインと、を備えることを特徴とするPWM信号生成回路。
【請求項2】
オペアンプと、
前記電源ラインとグランドラインとの間の電圧を分圧した電圧を前記オペアンプの第1入力端子に与える分圧回路と、
前記分圧回路に対して並列接続され、前記電源ライン側に配される第2抵抗及び前記グランドライン側に配されるコンデンサを有してなり、当該コンデンサの充電量に応じた電圧を前記オペアンプの第2入力端子に与えるRC直列回路と、
前記オペアンプの出力を前記第1入力端子側に帰還させる第1帰還ラインと、
前記オペアンプの出力を、当該オペアンプの出力側から前記負入力端子に向かう電流の流れを規制する電流規制手段、及び、第3抵抗を介して前記第2入力端子側に帰還させる第2帰還ラインと、を備えることを特徴とするPWM信号生成回路。
【請求項3】
前記第1入力端子側の電圧信号を、PWM信号として出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のPWM信号生成回路。
【請求項4】
前記第3抵抗は、前記電流規制手段に対して前記第2入力端子側に配され、
前記RC直列回路は、前記第2抵抗と前記コンデンサとは、前記第3抵抗を介して直列接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のPWM信号生成回路。
【請求項5】
前記RC直列回路は、前記電流規制手段としての電流規制素子と同一温度特性を有する回路素子を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のPWM信号生成回路。
【請求項6】
前記電流規制素子と前記回路素子とが同一チップ内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のPWM信号生成回路。
【請求項7】
上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載のPWM信号生成回路と、
前記PWM信号生成回路から出力されるPWM信号が入力され、当該PWM信号レベルと基準信号レベルとの大小比較に応じて反転する出力信号を出力する比較回路と、
スイッチ手段を有し、当該スイッチ手段のオンオフ動作に応じて、前記基準信号レベルを、前記PWM信号の振幅範囲内の第1レベルと、前記PWM信号の振幅範囲外の第2レベルとの間で切り替えるPWM信号出力制御回路と、を備えるPWM制御回路。
【請求項8】
前記PWM信号出力制御回路の比較回路から出力された出力信号に基づきオンオフ動作するとともに、所定の温度または所定の電流量に達したときに強制的に遮断動作をする保護機能を有する半導体スイッチとを備え、
前記半導体スイッチに連なる電源から負荷への電力供給を制御するPWM制御回路であって、
前記半導体スイッチの出力電位に基づき当該半導体スイッチの遮断動作を検知する遮断検知手段と、
前記遮断検知手段にて前記遮断動作が検知されたことを条件に、前記基準信号レベルを強制的に前記第2レベルにするPWM信号出力停止手段と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のPWM制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−140587(P2006−140587A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326363(P2004−326363)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】