QoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法
【課題】リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することを課題とする。
【解決手段】端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【解決手段】端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、QoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年パケット交換網において、帯域や遅延特性などの通信速度品質、いわゆるQoS(Quality of Service)を保証するサービスの提供が検討されている。ここで、パケット交換網とは、電気通信事業者等が保有する通信専用の回線網のことであり、データ通信には、回線を占有せずに柔軟にリソースを選択して通信を行う「パケット通信」が利用される。かかるパケット交換網でQoSを保証する仕組みとしては、一般的に、QoS要求を受け付ける「QoS要求受付装置」と、リソースを管理する「リソース管理装置」とが設置され、「QoS要求受付装置」と「リソース管理装置」とがQoS要求やリソースに関する情報を送受信することで、パケット交換網に接続する要求元(例えば、ユーザ端末やアプリケーションサーバなど)にQoS保証サービスを提供する。
【0003】
具体的に説明すると、QoS保証サービスは、以下のような手順で提供される。まず、図15の(A)に示すように、QoS要求受付装置が、要求元からQoS要求を受け付ける(図15の(A)の(1)を参照)。次に、要求元にQoS要求を満たすリソースを割り当てることを目的として、QoS要求受付装置が、リソース管理装置に対してリソース確保要求を送信する(図15の(A)の(2)を参照)。すると、リソース管理装置は、QoS要求を満たすリソースがあるか否かを確認し、リソースがある場合には、管理しているリソース情報を更新するなど、リソースの割り当てに必要な処理を行い(図15の(A)の(3)を参照)、QoS要求受付装置に、リソース確保応答を返す(図15の(A)の(4)を参照)。すると、QoS要求受付装置は、リソース管理装置の応答によって要求元にリソースを割り当てることが可能か否かを把握し、把握した内容に基づいて要求元に応答を返す(図15の(A)の(5)を参照)。
【0004】
また、図15の(B)に示すように、要求元からリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると(図15の(B)の(1)を参照)、QoS要求受付装置は、リソース管理装置に対してリソース解放通知を送信し(図15の(B)の(2)を参照)、リソース管理装置は、管理しているリソース情報を更新するなど、リソースの解放に必要な処理を行う(図15の(B)の(3)を参照)。
【0005】
かかるQoS保証サービスにおいて、QoS要求受付装置やリソース管理装置は、QoS要求で受け付けた通信速度品質で要求元がリソースを利用できることを担保する必要がある。言い替えると、リソース管理装置は、ネットワークのリソースを管理するとともに、現に利用されているリソースを把握し、リソース割り当てに際し、QoS要求を満たすリソースがあるか否かを確認する必要がある。また、リソース管理装置は、複数のQoS要求を同時に受け付けた場合に生じうるリソースのダブルブッキングを避けなければならないので、リソース割り当てに際し、一つ一つシーケンシャルにリソースを確認する必要がある。例えば、特許文献1に開示されている手法では、リソース管理装置が、要求元からQoS要求(呼)を受け付ける度に、呼がどの経路を通過するかを確認し、通過経路を構成するリンク各々について、バースト継続時間が上限を超えないか否かを確認するなどしている。
【0006】
ところで、図16に示すように、大量のQoS要求が発生する大規模なパケット交換網において、上記したようなQoS保証サービスを提供する場合には、QoS要求受付装置においては、QoS要求の数が増加することから、QoS要求受付の負荷が増大する(図16の1を参照)。また、リソース管理装置においては、管理対象のリソースが増加することから、リソース管理の負荷が増大する(図16の2を参照)。さらに、リソース管理装置におけるリソースの割り当てに要する時間が増大することから、QoS要求受付装置における待ち時間が増大し、全体として、リソース割り当てに要する時間が増大する(図16の3を参照)。
【0007】
このため、一般的には、図17に示すように、QoS要求受付装置を複数配備し、QoS要求受付の処理を分散することで、QoS要求受付装置におけるQoS要求受付の負荷を軽減している。また、リソース管理装置を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、管理単位ごとにリソースを管理するようにすることで、リソース管理装置におけるリソース管理の負荷を軽減している。
【0008】
【特許文献1】特開2004−241835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記した従来の技術では、QoS要求受付の負荷やリソース管理の負荷を軽減することはできても、リソース割り当てに要する時間を軽減することはできないという課題があった。具体的に説明すると、QoS要求受付装置を複数配備し、リソース管理装置を複数配備することでは、リソース割り当てに要する時間を軽減することはできず、むしろ、仮にQoS要求が複数のエリアにまたがる通信の要求である場合などには、QoS要求受付装置が、複数のリソース管理装置にリソース割り当ての確認を行わなければならず、リソース割り当てに要する時間は、軽減されるどころか増大するおそれすらある。
【0010】
なお、リソース割り当てに要する時間を軽減することができないという課題は、QoS要求受付装置を複数配備し、リソース管理装置を複数配備した場合はもちろんのこと、QoS要求受付装置を単数配備し、リソース管理装置を単数配備した場合にも、同様に課題となる。
【0011】
そこで、この発明は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能なQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手順と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手順によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手順と、前記判定手順によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を停止する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を変更する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに当該ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が前記新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記新たなQoS要求で要求される帯域が前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記空きのリソースに関する情報を当該情報の有効期間とともに管理し、前記空きリソース情報保持手順によって前記空きのリソースに関する情報が保持された期間が前記有効期間を超えた場合には、当該空きリソース情報保持手順によって保持された当該情報を削除するとともに、当該情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知を前記リソース管理部に送信するリソース返却手順と、をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
また、請求項8に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付装置であって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手段と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手段によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手段と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項9に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法であって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持工程と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持工程によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1、8または9の発明によれば、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けてネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、リソース管理部が管理するリソースにQoS要求を満たすリソースが残っている場合に、リソースから端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース管理部から受信して端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるので、リソース管理装置にリソース確保要求を送信することなく、空きリソース情報保持部(リソースキャッシュ)に保持されたリソースを再利用することで、新たなQoS要求を満たすリソースを割り当てる手法であることから、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を停止する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を停止する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0023】
また、請求項3の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を変更する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともにネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を変更する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0024】
また、請求項4の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【0025】
また、請求項5の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【0026】
また、請求項6の発明によれば、QoS要求受付装置は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【0027】
また、請求項7の発明によれば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、空きのリソースに関する情報が保持された期間が有効期間を超えた場合には、保持された情報を削除するとともに、情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理部に送信するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法の実施例を説明する。なお、以下では、実施例で用いる主要な用語、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴、実施例1におけるQoS提供システムの構成(QoS提供システムは、QoS要求受付装置とリソース管理装置とから構成される)、実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順、実施例1の効果を順に説明し、続いて、他の実施例について説明する。
【実施例1】
【0029】
[用語の説明]
まず最初に、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。「QoS」とは、「Quality of Service」の略語であり、具体的には、パケット交換網などの回線網において、ネットワークに接続するユーザ端末やアプリケーションサーバなどの「端末」に対し、ネットワーク側でネットワークの「通信速度品質」を保証するサービスのことである。
【0030】
ここで、「通信速度品質」とは、「端末」がネットワークにおいて通信する際の通信速度を示す『帯域』や、「端末」がネットワークにおいて通信する際に許容しなければならない遅延を示す『遅延特性』などのことである。ネットワークにおいて、音声データや動画像データ等の各種データを送受信する「端末」にとって、『帯域』や『遅延特性』などの「通信速度品質」は重大な関心事項であり、「通信速度品質」は、当初「端末」が要求した「QoS要求」を満たすようにネットワーク側で確保されなければならない。
【0031】
そこで、かかる「通信速度品質」がネットワーク側でどのように確保されるかについて考えると、「通信速度品質」は、物理的なネットワークそのものとしての「リソース」に依存するものであることから、通常、ネットワーク側で、「リソース」ごとの『帯域』や『遅延特性』などを管理し、「端末」から要求される「QoS要求」を満たすように、「端末」に対して「リソース」を割り当てることになる。
【0032】
具体的には、ネットワーク側のルータの配下などに「QoS要求受付装置」と「リソース管理装置」(特許請求の範囲に記載の「リソース管理部」に対応する)とが設置され、「QoS要求受付装置」が、「端末」から「通信速度品質」等を指定した「QoS要求」を受け付けると、受け付けた内容を「リソース管理装置」に送信し、「リソース管理装置」が管理するリソースに「QoS要求」を満たすリソースが残っている場合に、「リソース管理装置」が、残っているリソースから「リソース」を割り当て、「QoS要求受付装置」が、「リソース管理装置」から割り当てられた「リソース」に関する情報(例えば、リソースの区間、帯域、遅延特性などに関する情報)を「端末」に送信するなどする。
【0033】
ところで、ネットワークの規模が大規模になればなるほど、上記したQoS保証サービスの提供は難しくなると考えられる。特に、「端末」に対して「QoS要求」を満たす「リソース」を割り当てる際には、「リソース管理装置」が、「リソース」ごとに管理している『帯域』や『遅延特性』などの膨大な情報を確認したり更新したりしなければならないが、ネットワークの規模が大規模になれば、この確認や更新も複雑になることから、結果として、リソース割り当てに多くの時間を要することになる。このため、本発明に係るQoS要求受付装置が、いかにして、リソース割り当てに要する時間を軽減しているかが重要な点になる。
【0034】
[実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴]
続いて、図1を用いて、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明するための図である。なお、以下の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とで構成されるQoS提供システム全体について説明する。また、以下の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが別々の異なる装置で実現されている事例について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが同一の装置で実現されている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0035】
実施例1に係るQoS要求受付装置は、上記したように、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けて、端末にリソースを割り当てることを概要とし、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することを主たる特徴とする。
【0036】
この主たる特徴について簡単に説明すると、実施例1におけるQoS提供システムは、図1に示すように、本発明に係るQoS要求受付装置と、リソース管理装置とから構成される。また、実施例1において、リソース管理装置は、リソース管理装置1とリソース管理装置2とに分かれている。これは、後に詳細に説明するように、実施例1においては、リソース管理装置を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、リソース管理装置が管理単位ごとにリソースを管理することを前提としているからである。
【0037】
例えば、図1に示すように、リソース管理装置1は、区間「ER1→ER2」のリソースを管理しており、リソース管理装置2は、区間「ER5→ER4」のリソースを管理している。なお、説明の便宜上から、区間「ER1→ER2」と表記するが、本表記は通信の方向を限定するものではなく、「ER2→ER1」方向の通信を行うリソースについても、含まれるものであるとする。
【0038】
ここで、図1の例示では、QoS提供システムが、ある端末に対し、すでにあるリソースを割り当てていた状況を想定している。すなわち、図1の(A)に示すように、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とが、すでにある端末に対して割り当てられていた状況を想定している。
【0039】
一方、リソース管理装置1およびリソース管理装置2が管理するリソースについて具体的に説明すると、リソース管理装置1は、図1の例示では、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「20Mbps」、遅延「180msec」、および残帯域「18Mbps」を管理している。これは、区間「ER1→ER2」のリソースの物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延特性が「180msec」以下であり、いずれの端末にも利用されていない空きの帯域が「18Mbps」であることを示している。上記したように、図1の例示では、QoS提供システムが、ある端末に対し、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)をすでに払い出していることから、リソース管理装置1が管理するリソースの残帯域が「18Mbps」となっている。また、言い替えると、リソース管理装置1は、区間「ER1→ER2」について、「18Mbps」以下の帯域を要求し、「180msec」以上の遅延特性を許容する「QoS要求」であれば、リソースを割り当てられることになる。リソース管理装置2についても同様である。
【0040】
このような構成のもと、実施例1に係るQoS要求受付装置は、まず、端末から、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける(図1の(A)の(1)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、端末から、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とが、不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける。
【0041】
すると、QoS要求受付装置は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する(図1の(A)の(2)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報として、ID「R1」およびID「R2」のリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部に保持する(図1の(B)の空きリソース情報保持部を参照)。
【0042】
なお、この時、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース管理装置1およびリソース管理装置2に対して、ID「R1」およびID「R2」のリソースが端末において不要になったことを通知しない。
【0043】
次に、実施例1に係るQoS要求受付装置は、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付ける(図1の(B)の(1)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、区間「ER5→ER1」のリソースとして、帯域「1Mbps」、遅延「200msec」を要求する新たなQoS要求を受け付ける。
【0044】
続いて、QoS要求受付装置は、空きリソース情報保持部によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する(図1の(B)の(2)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0045】
そして、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる(図1の(B)の(3)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報として、ID「R1」およびID「R2」のリソースに関する情報を、新たなQoS要求を要求した端末に送信して、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とを、新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【0046】
なお、この時も、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース管理装置1およびリソース管理装置2に対して、ID「R1」およびID「R2」のリソースを端末に対して割り当てたことを通知しなくてよい。また、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たさないことが判定された場合には、新たなQoS要求をリソース管理装置に送信するなどして、リソース管理装置によるリソースの割り当てを要求することになる。
【0047】
このようにして、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0048】
なお、上記では、説明の便宜上から、端末がQoS要求を要求する際に、リソースの区間(例えば、「ER1→ER5」など)を指定する手法を説明したが、実際には、端末は、通信速度品質などの要求の他に通信相手を指定するのみで、QoS要求受付装置側がリソースの区間を割り出す手法など、運用の実態に即した様々な手法を適用することができる。
【0049】
[実施例1におけるQoS提供システムの構成]
次に、図2〜図10を用いて、実施例1におけるQoS提供システムの構成について説明する。図2は、実施例1に係るQoS要求受付装置の構成を示すブロック図であり、図3は、実施例1におけるリソース管理装置の構成を示すブロック図であり、図4は、実施例1における全体構成を説明するための図であり、図5は、実施例1におけるネットワーク構成を説明するための図であり、図6および図7は、リソース情報保持部を説明するための図であり、図8は、リソース管理装置情報保持部を説明するための図であり、図9は、リソース情報保持部について説明するための図であり、図10は、空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【0050】
まず、図2を用いて、実施例1におけるQoS提供システムを構成するQoS要求受付装置の構成について簡単に説明する。QoS要求受付装置10は、図2に示すように、入力部11と、出力部12と、入出力制御I/F部13と、通信部14と、記憶部20と、制御部30とから構成される。記憶部20は、制御部30による各種処理に用いるデータを記憶する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、空きリソース情報保持部21と、リソース情報保持部22と、リソース管理装置情報保持部23とを備える。なお、空きリソース情報保持部21は、特許請求の範囲に記載の「空きリソース情報保持手順」に対応する。
【0051】
また、制御部30は、QoS要求受付装置10を制御して各種処理を実行する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、QoS要求受付部31と、リソース不要通知受付部32と、QoS要求判定部33と、リソース割当部34とを備える。なお、QoS要求判定部33は、特許請求の範囲に記載の「判定手順」に対応し、リソース割当部34は、特許請求の範囲に記載の「リソース割当手順」に対応する。QoS要求受付装置10を構成するこれらの部については、後に詳細に説明する。
【0052】
次に、図3を用いて、実施例1におけるQoS提供システムを構成するリソース管理装置の構成について簡単に説明する。リソース管理装置40は、図3に示すように、入力部41と、出力部42と、入出力制御I/F部43と、通信部44と、記憶部50と、制御部60とから構成される。記憶部50は、制御部60による各種処理に用いるデータを記憶する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、リソース情報保持部51を備える。また、制御部60は、リソース管理装置40を制御して各種処理を実行する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、リソース情報管理部61を備える。リソース管理装置40を構成するこれらの部については、後に詳細に説明する。
【0053】
続いて、図4を用いて、実施例1におけるQoS提供システムの全体構成を説明する。図4に示すように、QoS提供システムは、QoS要求受付装置10を複数配備し、QoS要求受付の処理を分散することで、QoS要求受付装置におけるQoS要求受付の負荷を軽減している。また、図4に示すように、QoS提供システムは、リソース管理装置40を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、管理単位ごとにリソースを管理するようにすることで、リソース管理装置40におけるリソース管理の負荷を軽減している。なお、実施例1においては、QoS提供システムが、QoS要求受付装置10を複数配備し、リソース管理装置40を複数配備する事例について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS提供システムが、QoS要求受付装置10を単数配備し、リソース管理装置40を単数配備する事例にも、本発明を同様に適用することができる。
【0054】
次に、図5を用いて、実施例1におけるネットワーク構成について説明する。図5に示すように、実施例1におけるネットワークは、2つのエリア、すなわち、エッジルータ「ER1」〜「ER3」と、コアルータ「C1」および「C2」とで構成されるエリア1と、エッジルータ「ER4」〜「ER6」と、コアルータ「C3」および「C4」とで構成されるエリア2とから構成される。また、「ER1」と「ER4」との間のリンクは十分に帯域があり、遅延が無視できる程度に少ないことを前提とする。
【0055】
また、「ER1」には、エリア1を対象とするQoS要求受付装置10(1)とリソース管理装置40(1)とが接続され、「ER6」には、エリア2を対象とするQoS要求受付装置10(2)とリソース管理装置40(2)とが接続されているものとする。さらに、実施例1においては、「端末」として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とするので、「端末」による通信は、「ER1」に接続している「ホームエージェント」を経由する経路で行われることになる。なお、実施例1においては、「端末」として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とするが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図5に示すように、「端末」として、「ER5」に接続する「固定端末」を前提とする場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0056】
以下では、このような全体構成やネットワーク構成を前提とするQoS要求受付装置10およびリソース管理装置40の各部の機能について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上から、リソース管理装置40の各部の機能についてまず説明し、次に、QoS要求受付装置10の各部の機能について説明することとする。
【0057】
[リソース管理装置40]
図3に戻ると、実施例1におけるリソース管理装置40は、ネットワークのリソースを管理する装置であって、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、管理するリソースから端末にリソースを割り当て、割り当てられるリソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する装置である。もっとも、本発明におけるリソース管理装置40は、すべてのQoS要求を受け付けて、リソースを割り当てるものではなく、QoS要求受付装置10でリソースを割り当てられなかったQoS要求についてのみ、リソースを割り当てるものである。
【0058】
入力部41は、制御部60による各種処理に用いるデータや、各種処理をするための操作指示などを、キーボード、マウス、記憶媒体、または通信部44などによって入力する。例えば、入力部41は、ネットワークのリソースに関する情報を、キーボードなどによって入力し、入力されたリソースに関する情報は、後述するリソース情報保持部51によって保持される。
【0059】
出力部42は、制御部60による各種処理の結果や、各種処理をするための操作指示などを、モニタ、またはプリンタなどに出力する。例えば、出力部42は、リソース情報保持部51によって保持されたリソースに関する情報を、モニタなどに出力し、出力されたリソースに関する情報は、リソース管理装置40を運用する運用者などによって確認されるなどする。
【0060】
入出力制御I/F部43は、入力部41および出力部42と、記憶部50および制御部60との間におけるデータ転送を制御する。
【0061】
通信部44は、通信用の一般的なライブラリを備え、QoS要求受付装置10やルータなどとの間で通信を行う。例えば、通信部44は、QoS要求受付装置10を介して端末から送信されるQoS要求を受信し、受信されたQoS要求は、後述するリソース情報管理部61による処理に利用される。また、例えば、通信部44は、リソース情報管理部61によって端末に割り当てられたリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10に送信する。
【0062】
リソース情報保持部51は、ネットワークのリソースに関する情報を保持する。具体的には、リソース情報保持部51は、入力部41によって入力されたリソースに関する情報を保持し、保持したリソースに関する情報は、後述するリソース情報管理部61による処理に利用されるなどする。
【0063】
例えば、リソース情報保持部51は、図6および図7で示すような、リソースに関する情報を保持する。ここで、実施例1において、リソース管理装置40は、リソース管理装置40(1)とリソース管理装置40(2)との2台によって、エリア1のリソースとエリア2のリソースとを各々管理しており、図6は、エリア1のリソースを管理するリソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51を説明するための図であり、図7は、エリア2のリソースを管理するリソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51を説明するための図である。
【0064】
例えば、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、図6の(A)に示すように、エリア1のリソースとして、区間「ER1→ER2」のリソース、および、区間「ER1→ER3」のリソースを管理し、各々の区間について、QoSクラス「遅延保証」、および、「帯域保証」のリソースを管理している。より具体的に例を挙げて説明すると、図6の(A)の一行目に示すように、リソース情報保持部51は、エリア1において、区間「ER1→ER2」のQoSクラス「遅延保証」のリソースとして、物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延「180msec」以下のリソースがあることを管理しており、かかるリソースがいずれの端末にも利用されていない空き帯域が「20Mbps」であることを管理している。なお、説明の便宜上から、区間「ER1→ER2」と表記するが、本表記は通信の方向を限定するものではなく、「ER2→ER1」方向の通信を行うリソースについても、含まれるものであるとする。
【0065】
ところで、リソース情報保持部51は、上記したようなネットワークのリソースに関する情報を、ネットワークにおいて本格的にQoS保証サービスが提供される前までなどに保持することが通常であると考えられる。すなわち、本格的にQoS保証サービスが提供される前までに、ネットワークを運用する運用者や、ネットワーク管理装置40を運用する運用者などによって、リソース管理装置40にリソースに関する情報が入力され、リソース情報保持部51がリソースに関する情報を保持することになる。こうしてリソース情報保持部51によって保持されたリソースに関する情報が図6の(A)に示す情報であるとすると、図6の(B)に示す情報は、ネットワークにおいて本格的にQoS保証サービスが提供され始めた後に、リソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報の一例を示すものである。
【0066】
例えば、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、図6の(B)の一行目に示すように、エリア1において、区間「ER1→ER2」のQoSクラス「遅延保証」のリソースとして、物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延「180msec」以下のリソースがあることを管理しており、かかるリソースがいずれの端末にも利用されていない空き帯域が「18Mbps」であることを管理している。つまり、図6の(A)の一行目と比較すると、空き帯域に関する情報が、「20Mbps」から「18Mbps」へと変更されており、本格的にQoS保証サービスが提供され始めたことで、後述するリソース情報管理部61によって端末にリソースが割り当てられるなどすることで、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51が管理するリソースに関する情報にも、変更が生じたことがわかる。
【0067】
なお、例えば、ネットワークの構成に変更が生じ、ネットワークのリソースに関する情報に変更が生じた場合などにも、リソース情報保持部51が管理するリソースに関する情報に変更が生じることになる。言い替えると、リソース情報保持部51は、ネットワークのリソースに関する情報として、現状を反映したリソースに関する情報を動的に保持しているといえる。また、図7については説明を割愛するが、リソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51も、エリア2のリソースを管理している。
【0068】
リソース情報管理部61は、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、管理するリソースから端末にリソースを割り当て、割り当てられるリソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。もっとも、上記したように、本発明におけるリソース情報管理部61は、すべてのQoS要求を受け付けて、リソースを割り当てるものではなく、QoS要求受付装置10でリソースを割り当てられなかったQoS要求についてのみ、リソースを割り当てるものである。
【0069】
具体的には、リソース情報管理部61は、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、リソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報から、QoS要求を満たすリソースが残っているか否かを判定し、リソースが残っている場合には、端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース情報保持部51から取得し、リソース情報保持部51の情報を更新するなどして、リソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。
【0070】
例えば、リソース情報管理部61は、端末から、区間「ER1→ER2」、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」のリソースを要求するQoS要求を受け付けると、図6の(A)に示すリソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報から、QoS要求を満たすリソースが残っているか否かを判定し、図6の(A)の一行目に示すリソースが帯域「20Mbps」残っている場合であることから、端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース情報保持部51から取得し、リソース情報保持部51の情報を図6の(B)に示すように更新するなどして、リソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。
【0071】
[QoS要求受付装置10]
図2に戻ると、実施例1におけるQoS要求受付装置10は、QoS要求を端末から受け付ける装置であって、端末からのQoS要求を受け付けると、端末に割り当てられるリソースに関する情報を端末に送信する装置である。本発明におけるQoS要求受付装置10は、端末からQoS要求を受け付けた際に、すぐにQoS要求をリソース管理装置40に送信するのではなく、QoS要求受付装置10が備えるリソースキャッシュ(空きリソース情報保持部21に対応する)にあるリソースがQoS要求を満たすか否かを判定し、満たすことが判定された場合には、リソースキャッシュにあるリソースを端末に割り当てるものである。
【0072】
入力部11は、制御部30による各種処理に用いるデータや、各種処理をするための操作指示などを、キーボード、マウス、記憶媒体、または通信部14などによって入力する。例えば、入力部11は、リソース管理装置40を示すIPアドレスを、キーボードなどによって入力し、入力されたIPアドレスは、後述するリソース管理装置情報保持部23によって保持される。
【0073】
出力部12は、制御部30による各種処理の結果や、各種処理をするための操作指示などを、モニタ、またはプリンタなどに出力する。例えば、出力部12は、空きリソース情報保持部21やリソース情報保持部22によって保持されたリソースに関する情報を、モニタなどに出力し、出力されたリソースに関する情報は、QoS要求受付装置10を運用する運用者などによって確認されるなどする。
【0074】
入出力制御I/F部13は、入力部11および出力部12と、記憶部20および制御部30との間におけるデータ転送を制御する。
【0075】
通信部14は、通信用の一般的なライブラリを備え、端末、リソース管理装置40やルータなどとの間で通信を行う。例えば、通信部14は、端末から送信されるQoS要求を受信し、受信されたQoS要求は、後述するQoS要求受付部31による処理に利用される。また、例えば、通信部14は、リソース割当部34によって端末に割り当てられたリソースに関する情報を、端末に送信する。
【0076】
リソース管理装置情報保持部23は、リソース管理装置40に関する情報として、リソース管理装置40各々が管理するリソースの区間と、リソース管理装置40各々のIPアドレスとを保持する。具体的には、リソース管理装置情報保持部23は、入力部11によって入力されたリソース管理装置40に関する情報を保持し、保持したリソース管理装置40に関する情報は、後述するQoS要求受付部31による処理に利用される(QoS要求受付部31が、リソース確保要求をリソース管理装置40に送信する際などに利用される)などする。
【0077】
例えば、リソース管理装置情報保持部23は、図8で示すように、区間とリソース管理装置40を示すIPアドレスとを対応づけて保持する。
【0078】
リソース情報保持部22は、QoS要求受付装置10が要求を受け付けたQoS要求について、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持する。具体的には、リソース情報保持部22は、端末に対してリソース管理装置40からリソースが割り当てられた場合、あるいは、端末に対して後述するリソース割当部34からリソースが割り当てられた場合のいずれについても、QoS要求受付装置10が要求を受け付けたQoS要求について、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報であるとして、割り当てられたリソースに関する情報を保持する。
【0079】
例えば、リソース情報保持部22は、図9で示すような、リソースに関する情報を保持する。ここで、図9の(A)、(B)、および(C)は、リソース情報保持部22が保持するリソースに関する情報の変遷を示すものである。すなわち、例えば、図9の(A)は、図5に示すところの「ER2」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられていることを示している。また、例えば、図9の(B)は、図5に示すところの「ER3」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられていることを示すものである。また、例えば、図9の(C)は、移動端末1が、ネットワークに接続していない状況を示すものであり、現にリソースが割り当てられていないことを示すものである。
【0080】
なお、実施例1においては、リソース情報保持部22が、端末に対してリソース管理装置40からリソースが割り当てられた場合、あるいは、端末に対して後述するリソース割当部34からリソースが割り当てられた場合のいずれについても、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、QoS要求受付装置10は、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持せず、端末からリソース不要通知を受け付けた際に、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を端末から受信して保持する手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0081】
空きリソース情報保持部21は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きリソースに関する情報として保持する。具体的には、空きリソース情報保持部21は、後述するリソース不要通知受付部32によって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知が受け付けられると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を空きリソースに関する情報として保持し、保持した情報は、後述するQoS要求判定部33による処理に利用されるなどする。
【0082】
例えば、空きリソース情報保持部21は、図10で示すような、空きリソースに関する情報を保持する。ここで、図10の(A)、(B)、および(C)は、空きリソース情報保持部21が保持する空きリソースに関する情報の変遷を示すものである。すなわち、図10の(A)は、時系列的には図9の(A)に対応しており、図5に示すところの「ER2」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられているが、空きリソースは生じていない状況を示すものである。また、例えば、図10の(B)は、時系列的には図9の(B)に対応しており、図5に示すところの「ER3」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられており、すなわち、区間「ER1→ER2」が、空きリソースに関する情報として空きリソース情報保持部21に保持されている状況を示すものである。また、例えば、図10の(C)は、時系列的には図9の(C)に対応しており、移動端末1が、ネットワークに接続していない状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」のみならず、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについても、空きリソースに関する情報として空きリソース情報保持部21に保持されている状況を示すものである。
【0083】
このように、空きリソース情報保持部21は、端末に割り当てられたリソースであって、端末からリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、空きリソースに関する情報として保持する。
【0084】
QoS要求受付部31は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を、ネットワークに接続する端末から受け付ける。具体的には、QoS要求受付部31は、QoS要求を端末から受け付けると、後述するQoS要求判定部33にQoS要求を送信する。また、QoS要求受付部31は、QoS要求判定部33によって判定された結果、QoS要求受付装置10において端末にリソースを割り当てられない場合には、従来からのQoS要求受付装置と同様に、端末から受け付けたQoS要求を、リソース管理装置40に送信する。また、QoS要求受付部31は、リソース管理装置40によって端末に対するリソースの割り当てが行われた場合には、従来からのQoS要求装置と同様に、リソース管理装置40によって割り当てられたリソースに関する情報を、端末に送信する。
【0085】
リソース不要通知受付部32は、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける。具体的には、リソース不要通知受付部32は、リソース不要通知を端末から受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部21に保持させる。
【0086】
例えば、リソース不要通知受付部32は、移動端末1から、区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると(図9の(A)および(B)を参照)、区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部21に保持させる(図10の(B)を参照)。
【0087】
QoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。具体的には、QoS要求判定部33は、QoS要求受付部31において、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、判定の結果を、リソース割当部34やQoS要求受付部31に送信する。
【0088】
具体的には、実施例1において、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0089】
例えば、QoS要求判定部33は、QoS要求受付部31において、再び、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とのリソースについて、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定し、判定の結果を、リソース割当部34に送信する。
【0090】
リソース割当部34は、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoSを満たすリソースとして割り当てる。具体的には、リソース割当部34は、QoS要求判定部33によって空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信する。
【0091】
例えば、リソース割当部34は、空きのリソースに関する情報で割り当てられる帯域「2Mbps」で、遅延「180msec」で割り当てられるリソースに関する情報を、新たなQoS要求を要求した端末に送信する。
【0092】
[実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順]
次に、これまでQoS提供システムの構成を説明する際に利用した図面と、図11および図12とを用いて、実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順を説明する。図11は、空きリソース情報保持処理の手順を示すフローチャートであり、図12は、リソース割当処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
[QoS提供システムによる処理の手順]
以下では、ひとつの事例を想定して説明する。想定する事例は、第一の段階から第四の段階まで、4つの段階に分けられる。第一の段階は、図5に示すように、「ER2」に接続する移動端末1が、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。第二の段階は、図5に示すように、移動端末1が「ER3」の配下に移動したことで、「ER3」に接続する移動端末1が、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。第三の段階は、移動端末1が通信を終了した段階である。第四の段階は、図5に示すように、「ER2」に接続する固定端末が、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。
【0094】
まず、第一の段階について説明すると、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER2」に接続する移動端末1から、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、通信の経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0095】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21(リソースキャッシュ)によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、QoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第一の段階では、図10の(A)に示すように、空きリソース情報保持部21は空きのリソースに関する情報を保持していないものとする。このため、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソース管理装置40(2)に、区間「ER5→ER4」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信し、リソース管理装置40(1)に、区間「ER1→ER2」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信する。
【0096】
すると、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51、および、リソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51のいずれも、QoS要求を満たすリソースを保持していることから(図6の(A)および図7の(A)を参照)、リソース管理装置40(1)のリソース情報管理部61、および、リソース管理装置40(2)のリソース情報管理部61は、「2Mbps」分の帯域を残帯域から差し引き(図6の(B)および図7の(B)を参照)、このリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に送信する。
【0097】
そして、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソースに関する情報を受信して、受付OKのリプライメッセージを移動端末1に送信する。なお、実施例1においては、この時、QoS要求受付装置10(1)のリソース情報保持部22に、リソースに関する情報が保持される。
【0098】
次に、第二の段階について説明すると、移動端末1は、「ER3」の配下に移動し、移動したことをホームエージェントに通知するとともに、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に、リソース不要通知として、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに、ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を送信する。具体的には、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER3」に接続する移動端末1から、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求する新たなQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、区間「ER1→ER2」のリソースが不要になり、新たに区間「ER1→ER3」のリソースが必要になったことを判断する。
【0099】
ここで、QoS要求受付装置10(1)は、不要になった区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として、空きリソース情報保持部21に保持する。次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。第二の段階では、図10の(B)に示すように、空きリソース情報保持部21は空きのリソースに関する情報を保持しているが、区間「ER1→ER3」について保持するものではない。このため、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソース管理装置40(1)に、区間「ER1→ER3」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信する。
【0100】
すると、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、QoS要求を満たすリソースを保持していることから(図6の(B)を参照)、リソース管理装置40(1)のリソース情報管理部61は、「2Mbps」分の帯域を残帯域から差し引き、このリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に送信する。
【0101】
そして、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソースに関する情報を受信して、受付OKのリプライメッセージを移動端末1に送信する。なお、実施例1においては、この時、QoS要求受付装置10(1)のリソース情報保持部22に、リソースに関する情報が保持される。
【0102】
続いて、第三の段階について説明すると、移動端末1が通信を終了した段階であるので、QoS要求受付装置10(1)は、不要になった区間「ER1→ER3」および区間「ER5→ER4」のリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として、空きリソース情報保持部21に保持する(図10の(C)を参照)。
【0103】
そして、第四の段階について説明すると、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER2」に接続する固定端末から、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求する新たなQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0104】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第四の段階では、図10の(C)に示すように、空きリソース情報保持部21は、空きのリソースに関する情報を保持しているので、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報が、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。
【0105】
具体的には、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0106】
そして、QoS要求受付装置10(1)のリソース割当部34が、空きのリソースに関する情報(OKのリプライメッセージなど)を、固定端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【0107】
[空きリソース情報保持処理の手順]
次に、図11を用いて、空きリソース情報保持処理の手順について説明すると、QoS要求受付装置10は、リソース不要通知受付部32において、端末から、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けたか否かを判定する(ステップS1101)。リソース不要通知を受け付けていない場合には(ステップS1101否定)、QoS要求受付装置10は、リソース不要通知受付部32において、端末からリソース不要通知を受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0108】
一方、リソース不要通知を受け付けた場合には(ステップS1101肯定)、QoS要求受付装置10は、空きリソース情報保持部21において、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する(ステップS1102)。
【0109】
[リソース割当処理の手順]
次に、図12を用いて、リソース割当処理の手順について説明すると、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1201)。新たなQoS要求を受け付けていない場合には(ステップS1201否定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、いずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0110】
一方、新たなQoS要求を受け付けた場合には(ステップS1201肯定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求判定部33において、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoSを満たすか否かを判定する(ステップS1202)。新たなQoSを満たさない場合には(ステップS1202否定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、新たなQoS要求をリソース管理装置40に送信する(ステップS1204)。
【0111】
一方、新たなQoS要求を満たす場合には(ステップS1202肯定)、QoS要求受付装置10は、リソース割当部34において、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる(ステップS1203)。
【0112】
このようにして、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0113】
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1によれば、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けてネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、リソース管理部が管理するリソースにQoS要求を満たすリソースが残っている場合に、リソースから端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース管理部から受信して端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるので、リソース管理装置にリソース確保要求を送信することなく、空きリソース情報保持部(リソースキャッシュ)に保持されたリソースを再利用することで、新たなQoS要求を満たすリソースを割り当てる手法であることから、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0114】
また、実施例1によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を変更する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともにネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を変更する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0115】
また、実施例1によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【実施例2】
【0116】
ところで、これまで実施例1として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報を保持する手法について説明したが、空きのリソースに関する情報の有効期間を管理する手法ではなかった。そこで、以下では、実施例2として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、情報の保持された期間が有効期間を超えた場合には、この情報で割り当てられたリソースをリソース管理装置に返却する手法について説明する。
【0117】
[実施例2に係るQoS要求受付装置の構成]
実施例2に係るQoS要求受付装置10の空きリソース情報保持部21は、図13に示すように、空きのリソースに関する情報を、情報の有効期間とともに管理する。具体的には、実施例2におけるQoS要求受付装置10は、空きのリソースに関する情報の有効期間(賞味期限)を定義している。また、実施例2におけるQoS要求受付装置10は、リソース返却部(特許請求の範囲に記載の「リソース返却手順」に対応する)をさらに備え、リソース返却部が、空きリソース情報保持部21によって空きのリソースに関する情報が保持された期間が、定義された有効期間を超えた場合には、空きリソース情報保持部21によって保持された情報を削除するとともに、この情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理装置40に送信する。
【0118】
具体的に例を挙げて説明すると、QoS要求受付装置10は、空きリソースに関する情報の有効期間(賞味期限)として、「2分」を定義する。リソース返却部は、空きリソース情報保持部21によって空きのリソースに関する情報が保持された期間が「2分」を超えた場合には(「2分」の間、空きリソースに関する情報で割り当てられたリソースが、一度も新たなQoS要求に再利用されていなかった場合には)、空きリソース情報保持部21によって保持された情報(区間「ER5→ER4」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「180msec以内」で利用可能なリソース)を削除するとともに、リソース返却通知をリソース管理装置40に送信する(リソース管理装置40は、リソース情報保持部51に保持するリソースに関する情報のうち、区間「ER5→ER4」のリソースの遅延保証クラスの残帯域を、「18Mbps」から「20Mbps」に戻す)。
【0119】
ここで、図13の例示では、空きリソース情報保持部21が、リソースと「保持し始めた時間」とを対応づけて管理しており、リソース返却部は、現在の時刻から「保持し始めた時間」を差し引いた値が、別途定義された有効期間を超えた場合に、空きリソース情報保持部21によって保持された情報を削除するとともに、リソース返却通知をリソース管理装置40に送信することになる。なお、実施例2においては、上記したような形式で空きリソース情報保持部21やリソース返却部が有効期間を管理する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、空きリソース情報保持部21が、空きリソースに関する情報を保持した時から有効期間を逆にカウントする(減算する)ことで、リソース返却部が、情報が保持された期間が有効期間を超えたか否かを管理する手法や、空きリソース情報保持部21が、空きリソースに関する情報の再利用の回数をも管理し、リソース返却部が、情報が保持された期間が有効期間を超えた空きリソースに関する情報のうち、再利用の回数が少ない情報から削除する手法など、具体的に実現する手法はいずれでもよい。
【0120】
[実施例2の効果]
上記してきたように、実施例2によれば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、空きのリソースに関する情報が保持された期間が有効期間を超えた場合には、保持された情報を削除するとともに、情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理部に送信するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【0121】
具体的に説明すると、QoS要求受付装置が空きリソースとして保持しているリソース(リソースキャッシュ)は、QoS要求受付装置に占有されているものであり、他のQoS要求受付装置において利用することができない。このため、新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てられないリソース(再利用されにくいリソース)は、有効期間(賞味期限)を超えた場合には、リソース管理装置に返却することによって、QoS要求受付装置が、無駄にリソースを占有することがなく、任意のリソース管理装置が返却されたリソースを利用することが可能になる。
【実施例3】
【0122】
ところで、これまで実施例1および2として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。QoS要求受付装置が、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する手法にも、本発明を同様に適用することができる。そこで、以下では、実施例3として、QoS要求受付装置が、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として判定する手法について、説明する。
【0123】
[実施例3に係るQoS要求受付装置の構成]
実施例3に係るQoS要求受付装置10のQoS要求判定部33は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0124】
具体的に例を挙げて説明すると、QoS要求受付装置10のQoS要求判定部33は、所定の閾値として、「80%」を定義しているものとする。実施例1において説明した第四の段階において、「ER2」に接続する固定端末から、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0125】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、QoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第四の段階では、図10の(C)に示すように、空きリソース情報保持部21は、空きのリソースに関する情報を保持しているので、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報が、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。
【0126】
具体的には、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることの他に、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値「80%」を超えたことをも条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0127】
すると、QoS要求判定部33は、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」に占める割合「50%」が、所定の閾値「80%」を超えていないことから、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たさないものとして、リソース管理装置40(1)に、新たなQoS要求を送信する。
【0128】
ここで、同じ区間で、帯域「2Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求する別のQoS要求が発生すると、今度は、別のQoS要求で要求される帯域「2Mbps」がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」に占める割合「100%」が、所定の閾値「80%」を超え、他の条件も満たすことから、QoS要求受付装置10(1)のリソース割当部34は、空きのリソースに関する情報(OKのリプライメッセージなど)を、固定端末に送信して、空きのリソースを別のQoS要求を満たすリソースとして割り当てることになる。
【0129】
仮に、QoS要求受付装置10(1)が、先に要求を受け付けた帯域「1Mbps」のQoS要求に対して、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースを割り当ててしまった場合には、「2Mbps」の帯域のうち、「1Mbps」分しか利用されないことから、残り「1Mbps」分が無駄になってしまうことになる。しかも、次の帯域「2Mbps」のQoS要求がきたときには、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースはすでに利用されており、利用できないことになる。このように、閾値による制御をしなかった場合に比較すると、閾値による制御をした場合は、帯域「1Mbps」分多くのリソースを使用することが可能になり、効率的にリソースの割り当てを行うことが可能になる。
【0130】
[実施例3の効果]
上記してきたように、実施例3によれば、QoS要求受付装置は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【実施例4】
【0131】
[他の実施例]
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上記した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0132】
これまで、上記の実施例においては、端末として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とし、端末からQoS要求受付装置に通知されるリソース不要通知は、ネットワークに接続する移動端末がネットワークに対する接続を変更する場合におけるリソース変更要求であることを想定して説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、端末として、通常の固定端末を前提とし、固定端末からQoS要求受付装置に通知されるリソース不要通知は、ネットワークに接続する固定端末がネットワークに対する接続を停止する場合におけるリソース解放通知であることを想定しても、本発明を同様に適用することができる。
【0133】
また、上記の実施例においては、QoS要求によって要求されるリソースが、複数のエリアをまたがった事例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求によって要求されるリソースが、一つのエリアに閉じている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0134】
また、上記の実施例においては、QoS要求受付装置が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するにあたり、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件とする手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。QoS要求受付装置が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するにあたり、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であることのみを条件とする場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0135】
[システム構成等]
また、上記の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが別々の異なる装置で実現されている事例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが同一の装置で実現されている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0136】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、リソース管理装置のリソース情報保持部の更新)の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる(例えば、ネットワーク管理装置などからリソース情報を受信して自動的に更新するなど)。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0137】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示(例えば、図2や図3など)の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0138】
[プログラム]
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図14を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するQoS要求受付プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図14は、QoS要求受付プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0139】
図14に示すように、コンピュータ70は、キャッシュ71、RAM72、HDD73、ROM74およびCPU75をバス76で接続して構成される。ここで、ROM74には、上記の実施例1と同様の機能を発揮するQoS要求受付プログラム、つまり、図14に示すように、QoS要求受付プログラム74a、リソース不要通知受付プログラム74b、QoS要求判定プログラム74c、およびリソース割当プログラム74dがあらかじめ記憶されている。
【0140】
そして、CPU75は、これらのプログラム74a、74b、74cおよび74dを読み出して実行することで、図14に示すように、各プログラム74a、74b、74cおよび74dは、QoS要求受付プロセス75a、リソース不要通知受付プロセス75b、QoS要求判定プロセス75cおよびリソース割当プロセス75dとなる。なお、各プロセス75a、75b、75cおよび75dは、図2に示した、QoS要求受付部31、リソース不要通知受付部32、QoS要求判定部33およびリソース割当部34にそれぞれ対応する。
【0141】
また、HDD73には、図14に示すように、空きリソース情報テーブル73a、リソース情報テーブル73b、およびリソース管理装置情報テーブル73cが設けられる。なお、各テーブル73a、73b、および73cは、図2に示した、空きリソース情報保持部21、リソース情報保持部22、およびリソース管理装置情報保持部23にそれぞれ対応する。
【0142】
ところで、上記した各プログラム74a、74b、74cおよび74dについては、必ずしもROM74に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ70に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ70の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ70に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」に記憶させておき、コンピュータ70がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
以上のように、本発明に係るQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けて、リソースを割り当てることに有用であり、特に、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係るQoS要求受付装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1におけるリソース管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1における全体構成を説明するための図である。
【図5】実施例1におけるネットワーク構成を説明するための図である。
【図6】リソース情報保持部を説明するための図である。
【図7】リソース情報保持部を説明するための図である。
【図8】リソース管理装置情報保持部を説明するための図である。
【図9】リソース情報保持部について説明するための図である。
【図10】空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【図11】空きリソース情報保持処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】リソース割当処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施例2における空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【図14】QoS要求受付プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【図17】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0145】
10 QoS要求受付装置
11 入力部
12 出力部
13 入出力制御I/F部
14 通信部
20 記憶部
21 空きリソース情報保持部
22 リソース情報保持部
23 リソース管理装置情報保持部
30 制御部
31 QoS要求受付部
32 リソース不要通知受付部
33 QoS要求判定部
34 リソース割当部
40 リソース管理装置
41 入力部
42 出力部
43 入出力制御I/F部
44 通信部
50 記憶部
51 リソース情報保持部
60 制御部
61 リソース情報管理部
【技術分野】
【0001】
この発明は、QoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年パケット交換網において、帯域や遅延特性などの通信速度品質、いわゆるQoS(Quality of Service)を保証するサービスの提供が検討されている。ここで、パケット交換網とは、電気通信事業者等が保有する通信専用の回線網のことであり、データ通信には、回線を占有せずに柔軟にリソースを選択して通信を行う「パケット通信」が利用される。かかるパケット交換網でQoSを保証する仕組みとしては、一般的に、QoS要求を受け付ける「QoS要求受付装置」と、リソースを管理する「リソース管理装置」とが設置され、「QoS要求受付装置」と「リソース管理装置」とがQoS要求やリソースに関する情報を送受信することで、パケット交換網に接続する要求元(例えば、ユーザ端末やアプリケーションサーバなど)にQoS保証サービスを提供する。
【0003】
具体的に説明すると、QoS保証サービスは、以下のような手順で提供される。まず、図15の(A)に示すように、QoS要求受付装置が、要求元からQoS要求を受け付ける(図15の(A)の(1)を参照)。次に、要求元にQoS要求を満たすリソースを割り当てることを目的として、QoS要求受付装置が、リソース管理装置に対してリソース確保要求を送信する(図15の(A)の(2)を参照)。すると、リソース管理装置は、QoS要求を満たすリソースがあるか否かを確認し、リソースがある場合には、管理しているリソース情報を更新するなど、リソースの割り当てに必要な処理を行い(図15の(A)の(3)を参照)、QoS要求受付装置に、リソース確保応答を返す(図15の(A)の(4)を参照)。すると、QoS要求受付装置は、リソース管理装置の応答によって要求元にリソースを割り当てることが可能か否かを把握し、把握した内容に基づいて要求元に応答を返す(図15の(A)の(5)を参照)。
【0004】
また、図15の(B)に示すように、要求元からリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると(図15の(B)の(1)を参照)、QoS要求受付装置は、リソース管理装置に対してリソース解放通知を送信し(図15の(B)の(2)を参照)、リソース管理装置は、管理しているリソース情報を更新するなど、リソースの解放に必要な処理を行う(図15の(B)の(3)を参照)。
【0005】
かかるQoS保証サービスにおいて、QoS要求受付装置やリソース管理装置は、QoS要求で受け付けた通信速度品質で要求元がリソースを利用できることを担保する必要がある。言い替えると、リソース管理装置は、ネットワークのリソースを管理するとともに、現に利用されているリソースを把握し、リソース割り当てに際し、QoS要求を満たすリソースがあるか否かを確認する必要がある。また、リソース管理装置は、複数のQoS要求を同時に受け付けた場合に生じうるリソースのダブルブッキングを避けなければならないので、リソース割り当てに際し、一つ一つシーケンシャルにリソースを確認する必要がある。例えば、特許文献1に開示されている手法では、リソース管理装置が、要求元からQoS要求(呼)を受け付ける度に、呼がどの経路を通過するかを確認し、通過経路を構成するリンク各々について、バースト継続時間が上限を超えないか否かを確認するなどしている。
【0006】
ところで、図16に示すように、大量のQoS要求が発生する大規模なパケット交換網において、上記したようなQoS保証サービスを提供する場合には、QoS要求受付装置においては、QoS要求の数が増加することから、QoS要求受付の負荷が増大する(図16の1を参照)。また、リソース管理装置においては、管理対象のリソースが増加することから、リソース管理の負荷が増大する(図16の2を参照)。さらに、リソース管理装置におけるリソースの割り当てに要する時間が増大することから、QoS要求受付装置における待ち時間が増大し、全体として、リソース割り当てに要する時間が増大する(図16の3を参照)。
【0007】
このため、一般的には、図17に示すように、QoS要求受付装置を複数配備し、QoS要求受付の処理を分散することで、QoS要求受付装置におけるQoS要求受付の負荷を軽減している。また、リソース管理装置を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、管理単位ごとにリソースを管理するようにすることで、リソース管理装置におけるリソース管理の負荷を軽減している。
【0008】
【特許文献1】特開2004−241835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記した従来の技術では、QoS要求受付の負荷やリソース管理の負荷を軽減することはできても、リソース割り当てに要する時間を軽減することはできないという課題があった。具体的に説明すると、QoS要求受付装置を複数配備し、リソース管理装置を複数配備することでは、リソース割り当てに要する時間を軽減することはできず、むしろ、仮にQoS要求が複数のエリアにまたがる通信の要求である場合などには、QoS要求受付装置が、複数のリソース管理装置にリソース割り当ての確認を行わなければならず、リソース割り当てに要する時間は、軽減されるどころか増大するおそれすらある。
【0010】
なお、リソース割り当てに要する時間を軽減することができないという課題は、QoS要求受付装置を複数配備し、リソース管理装置を複数配備した場合はもちろんのこと、QoS要求受付装置を単数配備し、リソース管理装置を単数配備した場合にも、同様に課題となる。
【0011】
そこで、この発明は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能なQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手順と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手順によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手順と、前記判定手順によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を停止する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を変更する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに当該ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が前記新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記判定手順は、前記新たなQoS要求で要求される帯域が前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記空きリソース情報保持手順は、前記空きのリソースに関する情報を当該情報の有効期間とともに管理し、前記空きリソース情報保持手順によって前記空きのリソースに関する情報が保持された期間が前記有効期間を超えた場合には、当該空きリソース情報保持手順によって保持された当該情報を削除するとともに、当該情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知を前記リソース管理部に送信するリソース返却手順と、をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
また、請求項8に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付装置であって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手段と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手段によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手段と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項9に係る発明は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法であって、前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持工程と、前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持工程によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1、8または9の発明によれば、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けてネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、リソース管理部が管理するリソースにQoS要求を満たすリソースが残っている場合に、リソースから端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース管理部から受信して端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるので、リソース管理装置にリソース確保要求を送信することなく、空きリソース情報保持部(リソースキャッシュ)に保持されたリソースを再利用することで、新たなQoS要求を満たすリソースを割り当てる手法であることから、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を停止する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を停止する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0023】
また、請求項3の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を変更する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともにネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を変更する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0024】
また、請求項4の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【0025】
また、請求項5の発明によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【0026】
また、請求項6の発明によれば、QoS要求受付装置は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【0027】
また、請求項7の発明によれば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、空きのリソースに関する情報が保持された期間が有効期間を超えた場合には、保持された情報を削除するとともに、情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理部に送信するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法の実施例を説明する。なお、以下では、実施例で用いる主要な用語、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴、実施例1におけるQoS提供システムの構成(QoS提供システムは、QoS要求受付装置とリソース管理装置とから構成される)、実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順、実施例1の効果を順に説明し、続いて、他の実施例について説明する。
【実施例1】
【0029】
[用語の説明]
まず最初に、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。「QoS」とは、「Quality of Service」の略語であり、具体的には、パケット交換網などの回線網において、ネットワークに接続するユーザ端末やアプリケーションサーバなどの「端末」に対し、ネットワーク側でネットワークの「通信速度品質」を保証するサービスのことである。
【0030】
ここで、「通信速度品質」とは、「端末」がネットワークにおいて通信する際の通信速度を示す『帯域』や、「端末」がネットワークにおいて通信する際に許容しなければならない遅延を示す『遅延特性』などのことである。ネットワークにおいて、音声データや動画像データ等の各種データを送受信する「端末」にとって、『帯域』や『遅延特性』などの「通信速度品質」は重大な関心事項であり、「通信速度品質」は、当初「端末」が要求した「QoS要求」を満たすようにネットワーク側で確保されなければならない。
【0031】
そこで、かかる「通信速度品質」がネットワーク側でどのように確保されるかについて考えると、「通信速度品質」は、物理的なネットワークそのものとしての「リソース」に依存するものであることから、通常、ネットワーク側で、「リソース」ごとの『帯域』や『遅延特性』などを管理し、「端末」から要求される「QoS要求」を満たすように、「端末」に対して「リソース」を割り当てることになる。
【0032】
具体的には、ネットワーク側のルータの配下などに「QoS要求受付装置」と「リソース管理装置」(特許請求の範囲に記載の「リソース管理部」に対応する)とが設置され、「QoS要求受付装置」が、「端末」から「通信速度品質」等を指定した「QoS要求」を受け付けると、受け付けた内容を「リソース管理装置」に送信し、「リソース管理装置」が管理するリソースに「QoS要求」を満たすリソースが残っている場合に、「リソース管理装置」が、残っているリソースから「リソース」を割り当て、「QoS要求受付装置」が、「リソース管理装置」から割り当てられた「リソース」に関する情報(例えば、リソースの区間、帯域、遅延特性などに関する情報)を「端末」に送信するなどする。
【0033】
ところで、ネットワークの規模が大規模になればなるほど、上記したQoS保証サービスの提供は難しくなると考えられる。特に、「端末」に対して「QoS要求」を満たす「リソース」を割り当てる際には、「リソース管理装置」が、「リソース」ごとに管理している『帯域』や『遅延特性』などの膨大な情報を確認したり更新したりしなければならないが、ネットワークの規模が大規模になれば、この確認や更新も複雑になることから、結果として、リソース割り当てに多くの時間を要することになる。このため、本発明に係るQoS要求受付装置が、いかにして、リソース割り当てに要する時間を軽減しているかが重要な点になる。
【0034】
[実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴]
続いて、図1を用いて、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明するための図である。なお、以下の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とで構成されるQoS提供システム全体について説明する。また、以下の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが別々の異なる装置で実現されている事例について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが同一の装置で実現されている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0035】
実施例1に係るQoS要求受付装置は、上記したように、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けて、端末にリソースを割り当てることを概要とし、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することを主たる特徴とする。
【0036】
この主たる特徴について簡単に説明すると、実施例1におけるQoS提供システムは、図1に示すように、本発明に係るQoS要求受付装置と、リソース管理装置とから構成される。また、実施例1において、リソース管理装置は、リソース管理装置1とリソース管理装置2とに分かれている。これは、後に詳細に説明するように、実施例1においては、リソース管理装置を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、リソース管理装置が管理単位ごとにリソースを管理することを前提としているからである。
【0037】
例えば、図1に示すように、リソース管理装置1は、区間「ER1→ER2」のリソースを管理しており、リソース管理装置2は、区間「ER5→ER4」のリソースを管理している。なお、説明の便宜上から、区間「ER1→ER2」と表記するが、本表記は通信の方向を限定するものではなく、「ER2→ER1」方向の通信を行うリソースについても、含まれるものであるとする。
【0038】
ここで、図1の例示では、QoS提供システムが、ある端末に対し、すでにあるリソースを割り当てていた状況を想定している。すなわち、図1の(A)に示すように、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とが、すでにある端末に対して割り当てられていた状況を想定している。
【0039】
一方、リソース管理装置1およびリソース管理装置2が管理するリソースについて具体的に説明すると、リソース管理装置1は、図1の例示では、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「20Mbps」、遅延「180msec」、および残帯域「18Mbps」を管理している。これは、区間「ER1→ER2」のリソースの物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延特性が「180msec」以下であり、いずれの端末にも利用されていない空きの帯域が「18Mbps」であることを示している。上記したように、図1の例示では、QoS提供システムが、ある端末に対し、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)をすでに払い出していることから、リソース管理装置1が管理するリソースの残帯域が「18Mbps」となっている。また、言い替えると、リソース管理装置1は、区間「ER1→ER2」について、「18Mbps」以下の帯域を要求し、「180msec」以上の遅延特性を許容する「QoS要求」であれば、リソースを割り当てられることになる。リソース管理装置2についても同様である。
【0040】
このような構成のもと、実施例1に係るQoS要求受付装置は、まず、端末から、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける(図1の(A)の(1)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、端末から、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とが、不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける。
【0041】
すると、QoS要求受付装置は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する(図1の(A)の(2)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報として、ID「R1」およびID「R2」のリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部に保持する(図1の(B)の空きリソース情報保持部を参照)。
【0042】
なお、この時、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース管理装置1およびリソース管理装置2に対して、ID「R1」およびID「R2」のリソースが端末において不要になったことを通知しない。
【0043】
次に、実施例1に係るQoS要求受付装置は、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付ける(図1の(B)の(1)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、区間「ER5→ER1」のリソースとして、帯域「1Mbps」、遅延「200msec」を要求する新たなQoS要求を受け付ける。
【0044】
続いて、QoS要求受付装置は、空きリソース情報保持部によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する(図1の(B)の(2)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0045】
そして、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる(図1の(B)の(3)を参照)。例えば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報として、ID「R1」およびID「R2」のリソースに関する情報を、新たなQoS要求を要求した端末に送信して、区間「ER1→ER2」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R1」)と、区間「ER5→ER4」のリソースとして、帯域「2Mbps」、遅延「180msec」のリソース(ID「R2」)とを、新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【0046】
なお、この時も、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース管理装置1およびリソース管理装置2に対して、ID「R1」およびID「R2」のリソースを端末に対して割り当てたことを通知しなくてよい。また、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たさないことが判定された場合には、新たなQoS要求をリソース管理装置に送信するなどして、リソース管理装置によるリソースの割り当てを要求することになる。
【0047】
このようにして、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0048】
なお、上記では、説明の便宜上から、端末がQoS要求を要求する際に、リソースの区間(例えば、「ER1→ER5」など)を指定する手法を説明したが、実際には、端末は、通信速度品質などの要求の他に通信相手を指定するのみで、QoS要求受付装置側がリソースの区間を割り出す手法など、運用の実態に即した様々な手法を適用することができる。
【0049】
[実施例1におけるQoS提供システムの構成]
次に、図2〜図10を用いて、実施例1におけるQoS提供システムの構成について説明する。図2は、実施例1に係るQoS要求受付装置の構成を示すブロック図であり、図3は、実施例1におけるリソース管理装置の構成を示すブロック図であり、図4は、実施例1における全体構成を説明するための図であり、図5は、実施例1におけるネットワーク構成を説明するための図であり、図6および図7は、リソース情報保持部を説明するための図であり、図8は、リソース管理装置情報保持部を説明するための図であり、図9は、リソース情報保持部について説明するための図であり、図10は、空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【0050】
まず、図2を用いて、実施例1におけるQoS提供システムを構成するQoS要求受付装置の構成について簡単に説明する。QoS要求受付装置10は、図2に示すように、入力部11と、出力部12と、入出力制御I/F部13と、通信部14と、記憶部20と、制御部30とから構成される。記憶部20は、制御部30による各種処理に用いるデータを記憶する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、空きリソース情報保持部21と、リソース情報保持部22と、リソース管理装置情報保持部23とを備える。なお、空きリソース情報保持部21は、特許請求の範囲に記載の「空きリソース情報保持手順」に対応する。
【0051】
また、制御部30は、QoS要求受付装置10を制御して各種処理を実行する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、QoS要求受付部31と、リソース不要通知受付部32と、QoS要求判定部33と、リソース割当部34とを備える。なお、QoS要求判定部33は、特許請求の範囲に記載の「判定手順」に対応し、リソース割当部34は、特許請求の範囲に記載の「リソース割当手順」に対応する。QoS要求受付装置10を構成するこれらの部については、後に詳細に説明する。
【0052】
次に、図3を用いて、実施例1におけるQoS提供システムを構成するリソース管理装置の構成について簡単に説明する。リソース管理装置40は、図3に示すように、入力部41と、出力部42と、入出力制御I/F部43と、通信部44と、記憶部50と、制御部60とから構成される。記憶部50は、制御部60による各種処理に用いるデータを記憶する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、リソース情報保持部51を備える。また、制御部60は、リソース管理装置40を制御して各種処理を実行する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、リソース情報管理部61を備える。リソース管理装置40を構成するこれらの部については、後に詳細に説明する。
【0053】
続いて、図4を用いて、実施例1におけるQoS提供システムの全体構成を説明する。図4に示すように、QoS提供システムは、QoS要求受付装置10を複数配備し、QoS要求受付の処理を分散することで、QoS要求受付装置におけるQoS要求受付の負荷を軽減している。また、図4に示すように、QoS提供システムは、リソース管理装置40を複数配備し、リソースを複数の管理単位(例えば、エリアごと)に分割し、管理単位ごとにリソースを管理するようにすることで、リソース管理装置40におけるリソース管理の負荷を軽減している。なお、実施例1においては、QoS提供システムが、QoS要求受付装置10を複数配備し、リソース管理装置40を複数配備する事例について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS提供システムが、QoS要求受付装置10を単数配備し、リソース管理装置40を単数配備する事例にも、本発明を同様に適用することができる。
【0054】
次に、図5を用いて、実施例1におけるネットワーク構成について説明する。図5に示すように、実施例1におけるネットワークは、2つのエリア、すなわち、エッジルータ「ER1」〜「ER3」と、コアルータ「C1」および「C2」とで構成されるエリア1と、エッジルータ「ER4」〜「ER6」と、コアルータ「C3」および「C4」とで構成されるエリア2とから構成される。また、「ER1」と「ER4」との間のリンクは十分に帯域があり、遅延が無視できる程度に少ないことを前提とする。
【0055】
また、「ER1」には、エリア1を対象とするQoS要求受付装置10(1)とリソース管理装置40(1)とが接続され、「ER6」には、エリア2を対象とするQoS要求受付装置10(2)とリソース管理装置40(2)とが接続されているものとする。さらに、実施例1においては、「端末」として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とするので、「端末」による通信は、「ER1」に接続している「ホームエージェント」を経由する経路で行われることになる。なお、実施例1においては、「端末」として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とするが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図5に示すように、「端末」として、「ER5」に接続する「固定端末」を前提とする場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0056】
以下では、このような全体構成やネットワーク構成を前提とするQoS要求受付装置10およびリソース管理装置40の各部の機能について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上から、リソース管理装置40の各部の機能についてまず説明し、次に、QoS要求受付装置10の各部の機能について説明することとする。
【0057】
[リソース管理装置40]
図3に戻ると、実施例1におけるリソース管理装置40は、ネットワークのリソースを管理する装置であって、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、管理するリソースから端末にリソースを割り当て、割り当てられるリソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する装置である。もっとも、本発明におけるリソース管理装置40は、すべてのQoS要求を受け付けて、リソースを割り当てるものではなく、QoS要求受付装置10でリソースを割り当てられなかったQoS要求についてのみ、リソースを割り当てるものである。
【0058】
入力部41は、制御部60による各種処理に用いるデータや、各種処理をするための操作指示などを、キーボード、マウス、記憶媒体、または通信部44などによって入力する。例えば、入力部41は、ネットワークのリソースに関する情報を、キーボードなどによって入力し、入力されたリソースに関する情報は、後述するリソース情報保持部51によって保持される。
【0059】
出力部42は、制御部60による各種処理の結果や、各種処理をするための操作指示などを、モニタ、またはプリンタなどに出力する。例えば、出力部42は、リソース情報保持部51によって保持されたリソースに関する情報を、モニタなどに出力し、出力されたリソースに関する情報は、リソース管理装置40を運用する運用者などによって確認されるなどする。
【0060】
入出力制御I/F部43は、入力部41および出力部42と、記憶部50および制御部60との間におけるデータ転送を制御する。
【0061】
通信部44は、通信用の一般的なライブラリを備え、QoS要求受付装置10やルータなどとの間で通信を行う。例えば、通信部44は、QoS要求受付装置10を介して端末から送信されるQoS要求を受信し、受信されたQoS要求は、後述するリソース情報管理部61による処理に利用される。また、例えば、通信部44は、リソース情報管理部61によって端末に割り当てられたリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10に送信する。
【0062】
リソース情報保持部51は、ネットワークのリソースに関する情報を保持する。具体的には、リソース情報保持部51は、入力部41によって入力されたリソースに関する情報を保持し、保持したリソースに関する情報は、後述するリソース情報管理部61による処理に利用されるなどする。
【0063】
例えば、リソース情報保持部51は、図6および図7で示すような、リソースに関する情報を保持する。ここで、実施例1において、リソース管理装置40は、リソース管理装置40(1)とリソース管理装置40(2)との2台によって、エリア1のリソースとエリア2のリソースとを各々管理しており、図6は、エリア1のリソースを管理するリソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51を説明するための図であり、図7は、エリア2のリソースを管理するリソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51を説明するための図である。
【0064】
例えば、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、図6の(A)に示すように、エリア1のリソースとして、区間「ER1→ER2」のリソース、および、区間「ER1→ER3」のリソースを管理し、各々の区間について、QoSクラス「遅延保証」、および、「帯域保証」のリソースを管理している。より具体的に例を挙げて説明すると、図6の(A)の一行目に示すように、リソース情報保持部51は、エリア1において、区間「ER1→ER2」のQoSクラス「遅延保証」のリソースとして、物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延「180msec」以下のリソースがあることを管理しており、かかるリソースがいずれの端末にも利用されていない空き帯域が「20Mbps」であることを管理している。なお、説明の便宜上から、区間「ER1→ER2」と表記するが、本表記は通信の方向を限定するものではなく、「ER2→ER1」方向の通信を行うリソースについても、含まれるものであるとする。
【0065】
ところで、リソース情報保持部51は、上記したようなネットワークのリソースに関する情報を、ネットワークにおいて本格的にQoS保証サービスが提供される前までなどに保持することが通常であると考えられる。すなわち、本格的にQoS保証サービスが提供される前までに、ネットワークを運用する運用者や、ネットワーク管理装置40を運用する運用者などによって、リソース管理装置40にリソースに関する情報が入力され、リソース情報保持部51がリソースに関する情報を保持することになる。こうしてリソース情報保持部51によって保持されたリソースに関する情報が図6の(A)に示す情報であるとすると、図6の(B)に示す情報は、ネットワークにおいて本格的にQoS保証サービスが提供され始めた後に、リソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報の一例を示すものである。
【0066】
例えば、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、図6の(B)の一行目に示すように、エリア1において、区間「ER1→ER2」のQoSクラス「遅延保証」のリソースとして、物理的な帯域が「20Mbps」であり、遅延「180msec」以下のリソースがあることを管理しており、かかるリソースがいずれの端末にも利用されていない空き帯域が「18Mbps」であることを管理している。つまり、図6の(A)の一行目と比較すると、空き帯域に関する情報が、「20Mbps」から「18Mbps」へと変更されており、本格的にQoS保証サービスが提供され始めたことで、後述するリソース情報管理部61によって端末にリソースが割り当てられるなどすることで、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51が管理するリソースに関する情報にも、変更が生じたことがわかる。
【0067】
なお、例えば、ネットワークの構成に変更が生じ、ネットワークのリソースに関する情報に変更が生じた場合などにも、リソース情報保持部51が管理するリソースに関する情報に変更が生じることになる。言い替えると、リソース情報保持部51は、ネットワークのリソースに関する情報として、現状を反映したリソースに関する情報を動的に保持しているといえる。また、図7については説明を割愛するが、リソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51も、エリア2のリソースを管理している。
【0068】
リソース情報管理部61は、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、管理するリソースから端末にリソースを割り当て、割り当てられるリソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。もっとも、上記したように、本発明におけるリソース情報管理部61は、すべてのQoS要求を受け付けて、リソースを割り当てるものではなく、QoS要求受付装置10でリソースを割り当てられなかったQoS要求についてのみ、リソースを割り当てるものである。
【0069】
具体的には、リソース情報管理部61は、QoS要求受付装置10を介して端末からのQoS要求を受け付けると、リソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報から、QoS要求を満たすリソースが残っているか否かを判定し、リソースが残っている場合には、端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース情報保持部51から取得し、リソース情報保持部51の情報を更新するなどして、リソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。
【0070】
例えば、リソース情報管理部61は、端末から、区間「ER1→ER2」、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」のリソースを要求するQoS要求を受け付けると、図6の(A)に示すリソース情報保持部51によって保持されるリソースに関する情報から、QoS要求を満たすリソースが残っているか否かを判定し、図6の(A)の一行目に示すリソースが帯域「20Mbps」残っている場合であることから、端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース情報保持部51から取得し、リソース情報保持部51の情報を図6の(B)に示すように更新するなどして、リソースに関する情報をQoS要求受付装置10に送信する。
【0071】
[QoS要求受付装置10]
図2に戻ると、実施例1におけるQoS要求受付装置10は、QoS要求を端末から受け付ける装置であって、端末からのQoS要求を受け付けると、端末に割り当てられるリソースに関する情報を端末に送信する装置である。本発明におけるQoS要求受付装置10は、端末からQoS要求を受け付けた際に、すぐにQoS要求をリソース管理装置40に送信するのではなく、QoS要求受付装置10が備えるリソースキャッシュ(空きリソース情報保持部21に対応する)にあるリソースがQoS要求を満たすか否かを判定し、満たすことが判定された場合には、リソースキャッシュにあるリソースを端末に割り当てるものである。
【0072】
入力部11は、制御部30による各種処理に用いるデータや、各種処理をするための操作指示などを、キーボード、マウス、記憶媒体、または通信部14などによって入力する。例えば、入力部11は、リソース管理装置40を示すIPアドレスを、キーボードなどによって入力し、入力されたIPアドレスは、後述するリソース管理装置情報保持部23によって保持される。
【0073】
出力部12は、制御部30による各種処理の結果や、各種処理をするための操作指示などを、モニタ、またはプリンタなどに出力する。例えば、出力部12は、空きリソース情報保持部21やリソース情報保持部22によって保持されたリソースに関する情報を、モニタなどに出力し、出力されたリソースに関する情報は、QoS要求受付装置10を運用する運用者などによって確認されるなどする。
【0074】
入出力制御I/F部13は、入力部11および出力部12と、記憶部20および制御部30との間におけるデータ転送を制御する。
【0075】
通信部14は、通信用の一般的なライブラリを備え、端末、リソース管理装置40やルータなどとの間で通信を行う。例えば、通信部14は、端末から送信されるQoS要求を受信し、受信されたQoS要求は、後述するQoS要求受付部31による処理に利用される。また、例えば、通信部14は、リソース割当部34によって端末に割り当てられたリソースに関する情報を、端末に送信する。
【0076】
リソース管理装置情報保持部23は、リソース管理装置40に関する情報として、リソース管理装置40各々が管理するリソースの区間と、リソース管理装置40各々のIPアドレスとを保持する。具体的には、リソース管理装置情報保持部23は、入力部11によって入力されたリソース管理装置40に関する情報を保持し、保持したリソース管理装置40に関する情報は、後述するQoS要求受付部31による処理に利用される(QoS要求受付部31が、リソース確保要求をリソース管理装置40に送信する際などに利用される)などする。
【0077】
例えば、リソース管理装置情報保持部23は、図8で示すように、区間とリソース管理装置40を示すIPアドレスとを対応づけて保持する。
【0078】
リソース情報保持部22は、QoS要求受付装置10が要求を受け付けたQoS要求について、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持する。具体的には、リソース情報保持部22は、端末に対してリソース管理装置40からリソースが割り当てられた場合、あるいは、端末に対して後述するリソース割当部34からリソースが割り当てられた場合のいずれについても、QoS要求受付装置10が要求を受け付けたQoS要求について、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報であるとして、割り当てられたリソースに関する情報を保持する。
【0079】
例えば、リソース情報保持部22は、図9で示すような、リソースに関する情報を保持する。ここで、図9の(A)、(B)、および(C)は、リソース情報保持部22が保持するリソースに関する情報の変遷を示すものである。すなわち、例えば、図9の(A)は、図5に示すところの「ER2」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられていることを示している。また、例えば、図9の(B)は、図5に示すところの「ER3」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられていることを示すものである。また、例えば、図9の(C)は、移動端末1が、ネットワークに接続していない状況を示すものであり、現にリソースが割り当てられていないことを示すものである。
【0080】
なお、実施例1においては、リソース情報保持部22が、端末に対してリソース管理装置40からリソースが割り当てられた場合、あるいは、端末に対して後述するリソース割当部34からリソースが割り当てられた場合のいずれについても、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、QoS要求受付装置10は、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を保持せず、端末からリソース不要通知を受け付けた際に、現に端末に割り当てられているリソースに関する情報を端末から受信して保持する手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0081】
空きリソース情報保持部21は、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きリソースに関する情報として保持する。具体的には、空きリソース情報保持部21は、後述するリソース不要通知受付部32によって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知が受け付けられると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を空きリソースに関する情報として保持し、保持した情報は、後述するQoS要求判定部33による処理に利用されるなどする。
【0082】
例えば、空きリソース情報保持部21は、図10で示すような、空きリソースに関する情報を保持する。ここで、図10の(A)、(B)、および(C)は、空きリソース情報保持部21が保持する空きリソースに関する情報の変遷を示すものである。すなわち、図10の(A)は、時系列的には図9の(A)に対応しており、図5に示すところの「ER2」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられているが、空きリソースは生じていない状況を示すものである。また、例えば、図10の(B)は、時系列的には図9の(B)に対応しており、図5に示すところの「ER3」に移動端末1が接続している状況を示すものであり、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについて、現にリソースが割り当てられており、すなわち、区間「ER1→ER2」が、空きリソースに関する情報として空きリソース情報保持部21に保持されている状況を示すものである。また、例えば、図10の(C)は、時系列的には図9の(C)に対応しており、移動端末1が、ネットワークに接続していない状況を示すものであり、区間「ER1→ER2」のみならず、区間「ER1→ER3」と区間「ER5→ER4」とについても、空きリソースに関する情報として空きリソース情報保持部21に保持されている状況を示すものである。
【0083】
このように、空きリソース情報保持部21は、端末に割り当てられたリソースであって、端末からリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、空きリソースに関する情報として保持する。
【0084】
QoS要求受付部31は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を、ネットワークに接続する端末から受け付ける。具体的には、QoS要求受付部31は、QoS要求を端末から受け付けると、後述するQoS要求判定部33にQoS要求を送信する。また、QoS要求受付部31は、QoS要求判定部33によって判定された結果、QoS要求受付装置10において端末にリソースを割り当てられない場合には、従来からのQoS要求受付装置と同様に、端末から受け付けたQoS要求を、リソース管理装置40に送信する。また、QoS要求受付部31は、リソース管理装置40によって端末に対するリソースの割り当てが行われた場合には、従来からのQoS要求装置と同様に、リソース管理装置40によって割り当てられたリソースに関する情報を、端末に送信する。
【0085】
リソース不要通知受付部32は、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付ける。具体的には、リソース不要通知受付部32は、リソース不要通知を端末から受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部21に保持させる。
【0086】
例えば、リソース不要通知受付部32は、移動端末1から、区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると(図9の(A)および(B)を参照)、区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報を、空きリソース情報保持部21に保持させる(図10の(B)を参照)。
【0087】
QoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。具体的には、QoS要求判定部33は、QoS要求受付部31において、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、判定の結果を、リソース割当部34やQoS要求受付部31に送信する。
【0088】
具体的には、実施例1において、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0089】
例えば、QoS要求判定部33は、QoS要求受付部31において、再び、区間「ER1→ER2」と区間「ER5→ER4」とのリソースについて、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定し、判定の結果を、リソース割当部34に送信する。
【0090】
リソース割当部34は、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoSを満たすリソースとして割り当てる。具体的には、リソース割当部34は、QoS要求判定部33によって空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信する。
【0091】
例えば、リソース割当部34は、空きのリソースに関する情報で割り当てられる帯域「2Mbps」で、遅延「180msec」で割り当てられるリソースに関する情報を、新たなQoS要求を要求した端末に送信する。
【0092】
[実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順]
次に、これまでQoS提供システムの構成を説明する際に利用した図面と、図11および図12とを用いて、実施例1におけるQoS提供システムによる処理の手順を説明する。図11は、空きリソース情報保持処理の手順を示すフローチャートであり、図12は、リソース割当処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
[QoS提供システムによる処理の手順]
以下では、ひとつの事例を想定して説明する。想定する事例は、第一の段階から第四の段階まで、4つの段階に分けられる。第一の段階は、図5に示すように、「ER2」に接続する移動端末1が、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。第二の段階は、図5に示すように、移動端末1が「ER3」の配下に移動したことで、「ER3」に接続する移動端末1が、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。第三の段階は、移動端末1が通信を終了した段階である。第四の段階は、図5に示すように、「ER2」に接続する固定端末が、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を行う段階である。
【0094】
まず、第一の段階について説明すると、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER2」に接続する移動端末1から、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、通信の経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0095】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21(リソースキャッシュ)によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、QoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第一の段階では、図10の(A)に示すように、空きリソース情報保持部21は空きのリソースに関する情報を保持していないものとする。このため、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソース管理装置40(2)に、区間「ER5→ER4」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信し、リソース管理装置40(1)に、区間「ER1→ER2」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信する。
【0096】
すると、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51、および、リソース管理装置40(2)のリソース情報保持部51のいずれも、QoS要求を満たすリソースを保持していることから(図6の(A)および図7の(A)を参照)、リソース管理装置40(1)のリソース情報管理部61、および、リソース管理装置40(2)のリソース情報管理部61は、「2Mbps」分の帯域を残帯域から差し引き(図6の(B)および図7の(B)を参照)、このリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に送信する。
【0097】
そして、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソースに関する情報を受信して、受付OKのリプライメッセージを移動端末1に送信する。なお、実施例1においては、この時、QoS要求受付装置10(1)のリソース情報保持部22に、リソースに関する情報が保持される。
【0098】
次に、第二の段階について説明すると、移動端末1は、「ER3」の配下に移動し、移動したことをホームエージェントに通知するとともに、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に、リソース不要通知として、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに、ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を送信する。具体的には、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER3」に接続する移動端末1から、「ER5」に接続する通信相手1との間の通信について、帯域「2Mbps」、遅延「400msec以内」でリソースを利用することを要求する新たなQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、区間「ER1→ER2」のリソースが不要になり、新たに区間「ER1→ER3」のリソースが必要になったことを判断する。
【0099】
ここで、QoS要求受付装置10(1)は、不要になった区間「ER1→ER2」のリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として、空きリソース情報保持部21に保持する。次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。第二の段階では、図10の(B)に示すように、空きリソース情報保持部21は空きのリソースに関する情報を保持しているが、区間「ER1→ER3」について保持するものではない。このため、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソース管理装置40(1)に、区間「ER1→ER3」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を送信する。
【0100】
すると、リソース管理装置40(1)のリソース情報保持部51は、QoS要求を満たすリソースを保持していることから(図6の(B)を参照)、リソース管理装置40(1)のリソース情報管理部61は、「2Mbps」分の帯域を残帯域から差し引き、このリソースに関する情報を、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31に送信する。
【0101】
そして、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31は、リソースに関する情報を受信して、受付OKのリプライメッセージを移動端末1に送信する。なお、実施例1においては、この時、QoS要求受付装置10(1)のリソース情報保持部22に、リソースに関する情報が保持される。
【0102】
続いて、第三の段階について説明すると、移動端末1が通信を終了した段階であるので、QoS要求受付装置10(1)は、不要になった区間「ER1→ER3」および区間「ER5→ER4」のリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として、空きリソース情報保持部21に保持する(図10の(C)を参照)。
【0103】
そして、第四の段階について説明すると、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求受付部31が、「ER2」に接続する固定端末から、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求する新たなQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0104】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第四の段階では、図10の(C)に示すように、空きリソース情報保持部21は、空きのリソースに関する情報を保持しているので、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報が、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。
【0105】
具体的には、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることを条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0106】
そして、QoS要求受付装置10(1)のリソース割当部34が、空きのリソースに関する情報(OKのリプライメッセージなど)を、固定端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる。
【0107】
[空きリソース情報保持処理の手順]
次に、図11を用いて、空きリソース情報保持処理の手順について説明すると、QoS要求受付装置10は、リソース不要通知受付部32において、端末から、リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けたか否かを判定する(ステップS1101)。リソース不要通知を受け付けていない場合には(ステップS1101否定)、QoS要求受付装置10は、リソース不要通知受付部32において、端末からリソース不要通知を受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0108】
一方、リソース不要通知を受け付けた場合には(ステップS1101肯定)、QoS要求受付装置10は、空きリソース情報保持部21において、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報を、いずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する(ステップS1102)。
【0109】
[リソース割当処理の手順]
次に、図12を用いて、リソース割当処理の手順について説明すると、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1201)。新たなQoS要求を受け付けていない場合には(ステップS1201否定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、いずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けたか否かを判定する処理に戻る。
【0110】
一方、新たなQoS要求を受け付けた場合には(ステップS1201肯定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求判定部33において、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoSを満たすか否かを判定する(ステップS1202)。新たなQoSを満たさない場合には(ステップS1202否定)、QoS要求受付装置10は、QoS要求受付部31において、新たなQoS要求をリソース管理装置40に送信する(ステップS1204)。
【0111】
一方、新たなQoS要求を満たす場合には(ステップS1202肯定)、QoS要求受付装置10は、リソース割当部34において、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して、空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てる(ステップS1203)。
【0112】
このようにして、実施例1に係るQoS要求受付装置は、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0113】
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1によれば、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けてネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、リソース管理部が管理するリソースにQoS要求を満たすリソースが残っている場合に、リソースから端末に割り当てられるリソースに関する情報をリソース管理部から受信して端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、端末からリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、リソース不要通知で通知されたリソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持し、ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすか否かを判定し、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、空きのリソースに関する情報を新たなQoS要求を要求した端末に送信して空きのリソースを新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるので、リソース管理装置にリソース確保要求を送信することなく、空きリソース情報保持部(リソースキャッシュ)に保持されたリソースを再利用することで、新たなQoS要求を満たすリソースを割り当てる手法であることから、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することが可能になる。
【0114】
また、実施例1によれば、QoS要求受付装置は、リソース不要通知として、ネットワークに接続する端末がネットワークに対する接続を変更する場合における、端末がリソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともにネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けるので、端末がネットワークに対する接続を変更する機会に、空きのリソースに関する情報を保持することが可能になる。
【0115】
また、実施例1によれば、QoS要求受付装置は、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを確実に行うことが可能になる。
【実施例2】
【0116】
ところで、これまで実施例1として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報を保持する手法について説明したが、空きのリソースに関する情報の有効期間を管理する手法ではなかった。そこで、以下では、実施例2として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、情報の保持された期間が有効期間を超えた場合には、この情報で割り当てられたリソースをリソース管理装置に返却する手法について説明する。
【0117】
[実施例2に係るQoS要求受付装置の構成]
実施例2に係るQoS要求受付装置10の空きリソース情報保持部21は、図13に示すように、空きのリソースに関する情報を、情報の有効期間とともに管理する。具体的には、実施例2におけるQoS要求受付装置10は、空きのリソースに関する情報の有効期間(賞味期限)を定義している。また、実施例2におけるQoS要求受付装置10は、リソース返却部(特許請求の範囲に記載の「リソース返却手順」に対応する)をさらに備え、リソース返却部が、空きリソース情報保持部21によって空きのリソースに関する情報が保持された期間が、定義された有効期間を超えた場合には、空きリソース情報保持部21によって保持された情報を削除するとともに、この情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理装置40に送信する。
【0118】
具体的に例を挙げて説明すると、QoS要求受付装置10は、空きリソースに関する情報の有効期間(賞味期限)として、「2分」を定義する。リソース返却部は、空きリソース情報保持部21によって空きのリソースに関する情報が保持された期間が「2分」を超えた場合には(「2分」の間、空きリソースに関する情報で割り当てられたリソースが、一度も新たなQoS要求に再利用されていなかった場合には)、空きリソース情報保持部21によって保持された情報(区間「ER5→ER4」のリソースについて、帯域「2Mbps」、遅延「180msec以内」で利用可能なリソース)を削除するとともに、リソース返却通知をリソース管理装置40に送信する(リソース管理装置40は、リソース情報保持部51に保持するリソースに関する情報のうち、区間「ER5→ER4」のリソースの遅延保証クラスの残帯域を、「18Mbps」から「20Mbps」に戻す)。
【0119】
ここで、図13の例示では、空きリソース情報保持部21が、リソースと「保持し始めた時間」とを対応づけて管理しており、リソース返却部は、現在の時刻から「保持し始めた時間」を差し引いた値が、別途定義された有効期間を超えた場合に、空きリソース情報保持部21によって保持された情報を削除するとともに、リソース返却通知をリソース管理装置40に送信することになる。なお、実施例2においては、上記したような形式で空きリソース情報保持部21やリソース返却部が有効期間を管理する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、空きリソース情報保持部21が、空きリソースに関する情報を保持した時から有効期間を逆にカウントする(減算する)ことで、リソース返却部が、情報が保持された期間が有効期間を超えたか否かを管理する手法や、空きリソース情報保持部21が、空きリソースに関する情報の再利用の回数をも管理し、リソース返却部が、情報が保持された期間が有効期間を超えた空きリソースに関する情報のうち、再利用の回数が少ない情報から削除する手法など、具体的に実現する手法はいずれでもよい。
【0120】
[実施例2の効果]
上記してきたように、実施例2によれば、QoS要求受付装置は、空きのリソースに関する情報を情報の有効期間とともに管理し、空きのリソースに関する情報が保持された期間が有効期間を超えた場合には、保持された情報を削除するとともに、情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知をリソース管理部に送信するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【0121】
具体的に説明すると、QoS要求受付装置が空きリソースとして保持しているリソース(リソースキャッシュ)は、QoS要求受付装置に占有されているものであり、他のQoS要求受付装置において利用することができない。このため、新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てられないリソース(再利用されにくいリソース)は、有効期間(賞味期限)を超えた場合には、リソース管理装置に返却することによって、QoS要求受付装置が、無駄にリソースを占有することがなく、任意のリソース管理装置が返却されたリソースを利用することが可能になる。
【実施例3】
【0122】
ところで、これまで実施例1および2として、QoS要求受付装置が、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。QoS要求受付装置が、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する手法にも、本発明を同様に適用することができる。そこで、以下では、実施例3として、QoS要求受付装置が、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として判定する手法について、説明する。
【0123】
[実施例3に係るQoS要求受付装置の構成]
実施例3に係るQoS要求受付装置10のQoS要求判定部33は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことをも条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0124】
具体的に例を挙げて説明すると、QoS要求受付装置10のQoS要求判定部33は、所定の閾値として、「80%」を定義しているものとする。実施例1において説明した第四の段階において、「ER2」に接続する固定端末から、「ER5」に接続する通信相手2との間の通信について、帯域「1Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求するQoS要求を受け付けると、QoS要求受付装置10(1)は、経路が、「ER5→ER4→ER1→ER2」であることを、別途保持するネットワークトポロジ情報や経路情報などから取得する。
【0125】
次に、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きリソース情報保持部21によって保持された空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、QoS要求を満たすか否かを判定する。ここで、第四の段階では、図10の(C)に示すように、空きリソース情報保持部21は、空きのリソースに関する情報を保持しているので、QoS要求受付装置10(1)のQoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報が、新たなQoS要求を満たすか否かを判定する。
【0126】
具体的には、QoS要求判定部33は、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」が、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」以上であること、並びに、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延「180msec」が、新たなQoS要求で要求される遅延「200msec」以下であることの他に、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値「80%」を超えたことをも条件として、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たすことを判定する。
【0127】
すると、QoS要求判定部33は、新たなQoS要求で要求される帯域「1Mbps」が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」に占める割合「50%」が、所定の閾値「80%」を超えていないことから、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが、新たなQoS要求を満たさないものとして、リソース管理装置40(1)に、新たなQoS要求を送信する。
【0128】
ここで、同じ区間で、帯域「2Mbps」、遅延「200msec以内」でリソースを利用することを要求する別のQoS要求が発生すると、今度は、別のQoS要求で要求される帯域「2Mbps」がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域「2Mbps」に占める割合「100%」が、所定の閾値「80%」を超え、他の条件も満たすことから、QoS要求受付装置10(1)のリソース割当部34は、空きのリソースに関する情報(OKのリプライメッセージなど)を、固定端末に送信して、空きのリソースを別のQoS要求を満たすリソースとして割り当てることになる。
【0129】
仮に、QoS要求受付装置10(1)が、先に要求を受け付けた帯域「1Mbps」のQoS要求に対して、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースを割り当ててしまった場合には、「2Mbps」の帯域のうち、「1Mbps」分しか利用されないことから、残り「1Mbps」分が無駄になってしまうことになる。しかも、次の帯域「2Mbps」のQoS要求がきたときには、空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースはすでに利用されており、利用できないことになる。このように、閾値による制御をしなかった場合に比較すると、閾値による制御をした場合は、帯域「1Mbps」分多くのリソースを使用することが可能になり、効率的にリソースの割り当てを行うことが可能になる。
【0130】
[実施例3の効果]
上記してきたように、実施例3によれば、QoS要求受付装置は、新たなQoS要求で要求される帯域がリソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するので、上記の効果に加え、リソース割り当てを効率的に行うことが可能になる。
【実施例4】
【0131】
[他の実施例]
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上記した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0132】
これまで、上記の実施例においては、端末として、モバイルIPプロトコルを利用する移動端末を前提とし、端末からQoS要求受付装置に通知されるリソース不要通知は、ネットワークに接続する移動端末がネットワークに対する接続を変更する場合におけるリソース変更要求であることを想定して説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、端末として、通常の固定端末を前提とし、固定端末からQoS要求受付装置に通知されるリソース不要通知は、ネットワークに接続する固定端末がネットワークに対する接続を停止する場合におけるリソース解放通知であることを想定しても、本発明を同様に適用することができる。
【0133】
また、上記の実施例においては、QoS要求によって要求されるリソースが、複数のエリアをまたがった事例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求によって要求されるリソースが、一つのエリアに閉じている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0134】
また、上記の実施例においては、QoS要求受付装置が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するにあたり、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が、新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件とする手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。QoS要求受付装置が、リソースに関する情報で割り当てられるリソースが新たなQoS要求を満たすことを判定するにあたり、リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が、新たなQoS要求で要求される帯域以上であることのみを条件とする場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0135】
[システム構成等]
また、上記の実施例においては、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが別々の異なる装置で実現されている事例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、QoS要求受付装置とリソース管理装置とが同一の装置で実現されている事例についても、本発明を同様に適用することができる。
【0136】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、リソース管理装置のリソース情報保持部の更新)の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる(例えば、ネットワーク管理装置などからリソース情報を受信して自動的に更新するなど)。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0137】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示(例えば、図2や図3など)の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0138】
[プログラム]
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図14を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するQoS要求受付プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図14は、QoS要求受付プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0139】
図14に示すように、コンピュータ70は、キャッシュ71、RAM72、HDD73、ROM74およびCPU75をバス76で接続して構成される。ここで、ROM74には、上記の実施例1と同様の機能を発揮するQoS要求受付プログラム、つまり、図14に示すように、QoS要求受付プログラム74a、リソース不要通知受付プログラム74b、QoS要求判定プログラム74c、およびリソース割当プログラム74dがあらかじめ記憶されている。
【0140】
そして、CPU75は、これらのプログラム74a、74b、74cおよび74dを読み出して実行することで、図14に示すように、各プログラム74a、74b、74cおよび74dは、QoS要求受付プロセス75a、リソース不要通知受付プロセス75b、QoS要求判定プロセス75cおよびリソース割当プロセス75dとなる。なお、各プロセス75a、75b、75cおよび75dは、図2に示した、QoS要求受付部31、リソース不要通知受付部32、QoS要求判定部33およびリソース割当部34にそれぞれ対応する。
【0141】
また、HDD73には、図14に示すように、空きリソース情報テーブル73a、リソース情報テーブル73b、およびリソース管理装置情報テーブル73cが設けられる。なお、各テーブル73a、73b、および73cは、図2に示した、空きリソース情報保持部21、リソース情報保持部22、およびリソース管理装置情報保持部23にそれぞれ対応する。
【0142】
ところで、上記した各プログラム74a、74b、74cおよび74dについては、必ずしもROM74に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ70に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ70の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ70に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」に記憶させておき、コンピュータ70がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
以上のように、本発明に係るQoS要求受付プログラム、QoS要求受付装置およびQoS要求受付方法は、ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求をネットワークに接続する端末から受け付けて、リソースを割り当てることに有用であり、特に、リソース割り当てに要する時間を軽減し、QoS要求受付を高速に処理することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施例1に係るQoS要求受付装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係るQoS要求受付装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1におけるリソース管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1における全体構成を説明するための図である。
【図5】実施例1におけるネットワーク構成を説明するための図である。
【図6】リソース情報保持部を説明するための図である。
【図7】リソース情報保持部を説明するための図である。
【図8】リソース管理装置情報保持部を説明するための図である。
【図9】リソース情報保持部について説明するための図である。
【図10】空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【図11】空きリソース情報保持処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】リソース割当処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施例2における空きリソース情報保持部について説明するための図である。
【図14】QoS要求受付プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【図17】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0145】
10 QoS要求受付装置
11 入力部
12 出力部
13 入出力制御I/F部
14 通信部
20 記憶部
21 空きリソース情報保持部
22 リソース情報保持部
23 リソース管理装置情報保持部
30 制御部
31 QoS要求受付部
32 リソース不要通知受付部
33 QoS要求判定部
34 リソース割当部
40 リソース管理装置
41 入力部
42 出力部
43 入出力制御I/F部
44 通信部
50 記憶部
51 リソース情報保持部
60 制御部
61 リソース情報管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手順と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手順によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするQoS要求受付プログラム。
【請求項2】
前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を停止する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けることを特徴とする請求項1に記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項3】
前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を変更する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに当該ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けることを特徴とする請求項1に記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項4】
前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項5】
前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が前記新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項6】
前記判定手順は、前記新たなQoS要求で要求される帯域が前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項7】
前記空きリソース情報保持手順は、前記空きのリソースに関する情報を当該情報の有効期間とともに管理し、
前記空きリソース情報保持手順によって前記空きのリソースに関する情報が保持された期間が前記有効期間を超えた場合には、当該空きリソース情報保持手順によって保持された当該情報を削除するとともに、当該情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知を前記リソース管理部に送信するリソース返却手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項8】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付装置であって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手段と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手段によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手段と、
を備えたことを特徴とするQoS要求受付装置。
【請求項9】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法であって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持工程と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持工程によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当工程と、
を含んだことを特徴とするQoS要求受付方法。
【請求項1】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法をコンピュータに実行させるQoS要求受付プログラムであって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手順と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手順によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするQoS要求受付プログラム。
【請求項2】
前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を停止する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースを解放することを通知するリソース解放通知を受け付けることを特徴とする請求項1に記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項3】
前記空きリソース情報保持手順は、前記リソース不要通知として、前記ネットワークに接続する前記端末が当該ネットワークに対する接続を変更する場合における、当該端末が前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するとともに当該ネットワークの他のリソースを利用することを要求するリソース変更要求を受け付けることを特徴とする請求項1に記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項4】
前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項5】
前記判定手順は、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域が前記新たなQoS要求で要求される帯域以上であること、並びに、前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの遅延が前記新たなQoS要求で要求される遅延以下であることを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項6】
前記判定手順は、前記新たなQoS要求で要求される帯域が前記リソースに関する情報で割り当てられるリソースの帯域に占める割合が、所定の閾値を超えたことを条件として、当該リソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすことを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項7】
前記空きリソース情報保持手順は、前記空きのリソースに関する情報を当該情報の有効期間とともに管理し、
前記空きリソース情報保持手順によって前記空きのリソースに関する情報が保持された期間が前記有効期間を超えた場合には、当該空きリソース情報保持手順によって保持された当該情報を削除するとともに、当該情報で割り当てられたリソースを返却することを通知するリソース返却通知を前記リソース管理部に送信するリソース返却手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のQoS要求受付プログラム。
【請求項8】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付装置であって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持手段と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持手段によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当手段と、
を備えたことを特徴とするQoS要求受付装置。
【請求項9】
ネットワークのリソースを所定の通信速度品質で利用することを要求するQoS要求を当該ネットワークに接続する端末から受け付けて当該ネットワークのリソースを管理するリソース管理部に送信し、当該リソース管理部が管理するリソースに当該QoS要求を満たすリソースが残っている場合に、当該リソースから当該端末に割り当てられるリソースに関する情報を当該リソース管理部から受信して当該端末に送信するQoS要求受付方法であって、
前記端末から前記リソースに関する情報で割り当てられたリソースが不要になったことを通知するリソース不要通知を受け付けると、当該リソース不要通知で通知された当該リソースに関する情報をいずれの端末にも利用されていない空きのリソースに関する情報として保持する空きリソース情報保持工程と、
前記ネットワークに接続するいずれかの端末から新たなQoS要求を受け付けると、前記空きリソース情報保持工程によって保持された前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが当該新たなQoS要求を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記空きのリソースに関する情報で割り当てられるリソースが前記新たなQoS要求を満たすことが判定された場合には、当該空きのリソースに関する情報を当該新たなQoS要求を要求した前記端末に送信して当該空きのリソースを当該新たなQoS要求を満たすリソースとして割り当てるリソース割当工程と、
を含んだことを特徴とするQoS要求受付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【公開番号】特開2008−193430(P2008−193430A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26101(P2007−26101)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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