ＲＣ用プラスチック仮枠
【課題】 従来のプラスチック仮枠は、いずれも定尺サイズで使用する事を前提として造られている為、使用する部位により大きさの異なるタイプの仮枠を多数用意しておく必要があり、さらに、枠本体と補強用のリブが一体で成形されている為、運搬や取り回しの点で作業効率が悪くなるといった問題点を抱えていた。
【解決手段】 コンクリートに接する面の仮枠に、押出し成形プラスチックで成形された仮枠を使用すると共に、その仮枠を補強する為の補強材を別々に構成し、それらとＬ形鋼材を固定金具で固定し作業の効率を向上させる。
【解決手段】 コンクリートに接する面の仮枠に、押出し成形プラスチックで成形された仮枠を使用すると共に、その仮枠を補強する為の補強材を別々に構成し、それらとＬ形鋼材を固定金具で固定し作業の効率を向上させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＲＣコンクリート住宅用のプラスチック仮枠に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ＲＣコンクリート住宅のコンクリートを打設する際は、現在でも木製の仮枠を使用して行われており、仮枠は、木製の合板に桟木を打ち付けて製作している。しかし、この仮枠組立作業には、多くの手間と時間が必要であり、工事全体の中で仮枠工事に占める時間が多くかかり、全体の工期にも多大な影響を及ぼしていた。さらに、一度使用した木製の仮枠はセパレーターの穴が開いている上に、解体する際、桟木が痛みやすく、次の現場に転用する場合、仮枠の補修と再加工の手間もかかり、これらの問題を改善する事が望まれていた。さらに、木製の仮枠は、森林資源を保護すると云う観点からも問題となっていた。
【０００３】
このような事情から、これまでの問題を解決する為に、プラスチックを原料とした仮枠が考案され、すでに市販されて現場で使用されている。
【０００４】
このプラスチックを原料とした仮枠は、従来の木製の仮枠と比べた場合、桟木をせき板の大きさに合わせて加工し、組立てる作業が不要となり、しかも耐久性があるため繰り返し使用する事が可能となると共に、切断した端材等を回収して、再度リサイクルする事も可能となり、自然破壊や環境保護と云う面でも貢献する事が出来る。
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来のプラスチックを原料とした仮枠は、図１０と図１１に示したように、いずれも定尺（一例をあげれば６００ミリメートル×１２００ミリメートル）サイズで使用する事を前提として造られている為、使用する部位により大きさの異なるタイプの仮枠を多数用意しておく必要があり、その為に、プラスチック仮枠を保管して置く為の広い倉庫と数多くの高価な金型が必要であった。
【０００６】
さらに、プラスチックを原料とした仮枠は、枠本体と複数の補強用のリブが所定の間隔をもって一体で成形されているために重くなり、運搬や建物内での取り回しの点で作業効率が悪くなるといった問題があった。
【０００７】
本発明は、上記の様な従来の欠点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、押出し成形でプラスチック仮枠を作る事により、必要な仮枠の高さに応じて、プラスチック仮枠を必要とする長さに切断して製造する事が可能となる為、数多くの高価な金型を用意する必要が無くなると共に、仮枠本体と仮枠本体を補強する為のリブを、個別に製造して現場で組立てるように構成した為、持ち運びが容易となり、安価で組立が容易なプラスチック仮枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
かかる課題を達成するために、請求項１に記載の発明は、ＲＣコンクリート住宅の仮枠構造において、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事を特徴とする。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の構成に加え、押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開けた事を特徴とする。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、請求項１に記載の構成に加え、水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒状には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事を特徴とする。
【００１１】
請求項４に記載の発明は、請求項１及至３のいずれか一つに記載の構成に加え、押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を固定結合した事を特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１に記載の発明によれば、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事により、従来は、プラスチック仮枠は射出成形され、いずれも定尺サイズで使用する事を前提として造られていた為、高価な金型を多数必要としたばかりでなく、プラスチック仮枠を保管して置く為の広い倉庫を必要としていたものが、コンクリート面の仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用した事により、押出し成形金型が一つで済むようになり、多数の高価な金型が不要となる為、コンクリート面の仮枠を安価に製造する事が出来るようになると共に、コンクリート面の仮枠と、それを支える補強材を別々に構成した為、運搬や仮枠組立が容易となり、大幅にコストの低減を図る事が出来る。
【００１３】
請求項２に記載の発明によれば、押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開け、押出し成形により、長材で製造した押出し成形プラスチック仮枠を、必要な長さに切断して、必要な高さの仮枠を自由に製造する事が可能となる為、一つの押出し成形金型で、コンクリート面の仮枠に使用する押出し成形プラスチック仮枠を製造する事が可能となり、大幅にコストの低減を図る事が出来る。
【００１４】
請求項３に記載の発明によれば、水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事により、同一形状の押出し成形プラスチック仮枠同士を簡単に接合させると共に、仮枠の強度を高める事が可能となり、建築現場における作業効率を大幅に高めることが出来る。
【００１５】
請求項４に記載の発明によれば、押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を結合した事により、従来は、横方向のプラスチック仮枠同士を固定する為だけに用いられてきた固定金具を、壁仮枠外端太の役目をするＬ形鋼材にも固定穴を開け、固定金具で、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材を同時に固定した為、現場で容易に仮枠を組立てながら、同時に補強する事が可能となり、建築現場における作業効率を大幅に高めることが出来る。
【実施例】
【００１６】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
［発明の実施の形態］
【００１７】
図１及至図９には、この発明の実施の形態を示す。
【００１８】
図１は、押出し成形プラスチック仮枠１の断面図である。押出し成形プラスチック仮枠１は、押出し成形プラスチックで成形される。コンクリート当接面２は平面形状で成形され、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠１同士を接合させる為に、コンクリート当接面２の一方が、コの字形成形部４で示すようにコの字形形状で成形されて当接面３が成形され、他方は、Ｌ字形成形部７で示すようにＬ形形状で成形され、Ｌ字形成形部７には、契合穴６と固定穴９が開けられ、Ｌ字形成形部７には当接面１０が成形される。さらに、コンクリート当接面２の裏面には、補強の為の凸形補強部５が成形される。
【００１９】
図２は、水平固定支持材１１の平面図である。水平固定支持材１１は、射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠１と組み合わされる様に、一端が平板状ベースプレート１６で成形され、その先端は、押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６と契合する際に、容易に契合できる様に角形棒状１５に面取加工されており、押出し成形プラスチック仮枠１と固定する為の穴１４が開けられる。更に、他端は平板状ベースプレート１７で成形され、その先端は、押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６と契合する際に、容易に契合できる様に角形棒状１９に面取加工されており、押出し成形プラスチック仮枠１と固定する為の穴１８が開けられる。また、平板状ベースプレート１７の角部には、コの字形に成形された契合凹部２１が成形される。なお、水平固定支持材１１の中央部は断面Ｈ形構造１３で成形され、契合凹部２１側の凸部当接面１２は、図１の凸形補強部５と当接するように平面状に成形される。
【００２０】
図３は、図１の押出し成形プラスチック仮枠１と図２の水平固定支持材１１を契合して仮枠として組立てた図面である。コの字形成形部４と契合凹部２１が噛み合い、契合穴６に平板状ベースプレート１６の角形棒状１５が挿入され、凸形補強部５が凸部当接面１２と当接した状態を図示す。
【００２１】
図４は、図３の複数の仮枠をＬ形鋼材２７で固定した図面である。押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６に角形棒状１５が挿入されると共に、隣に位置する押出し成形プラスチック仮枠１の水平固定支持材１１の角形棒状１９も同様に契合穴６に挿入され、Ｌ字形成形部７の当接面１０と当接面３が当接すると共に、当接面２０も当接面１０に当接され、次に、穴１４と穴１８にピン２５が挿入され固定される。さらに、横に並べて設置された押出し成形プラスチック仮枠１を一体的に固定する為に、Ｌ形鋼材２７をＬ字形成形部７の当接面８と当接させ、図５で示した、固定金具２６を固定穴９とＬ形鋼材２７に開けられた固定穴３１に挿入して回転固定させる事により、押出し成形プラスチック仮枠１とＬ形鋼材２７を固定させる事が出来る。
【００２２】
図５は、固定金具２６を、図５ｃの正面図、図５ａの平面図、図５ｂの側面図で示す。固定金具２６は、丸棒の先端を挿入しやすい様に円錐状に加工し、Ｌ形部２８をＬ形形状に加工した後、コの字形部２９を、コの字形形状に加工し、後端の折曲部３０をＬ形鋼材２７に嵌め込みやすいように折り曲げ形成される。
【００２３】
図６の、図６ａは押出し成形プラスチック仮枠１を立体図で示す。図６ｂは水平固定支持材１１を立体図で示す。
【００２４】
図７は、図１の押出し成形プラスチック仮枠１と、図２の水平固定支持材１１を契合した状態を立体図で示す。
【００２５】
図８は、図７で示した、押出し成形プラスチック仮枠１と、水平固定支持材１１を契合した状態を横に複数個並べた状態を立体図で示す。
【００２６】
図９は、図８で示した、押出し成形プラスチック仮枠１をＬ形鋼材２７と固定金具２６で固定した状態を立体図で示す。なお、Ｌ形鋼材２７には、押出し成形プラスチック仮枠１の固定穴９とＬ形鋼材２７を固定金具２６で固定する為の固定穴３１が開けられる。
【００２７】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係るＲＣ用プラスチック仮枠について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【００２８】
図１の凸形補強部５は一箇所のみ書かれているが、強度補強の為に複数箇所設ける事も可能である。
【００２９】
図２の断面Ｈ形構造１３はＨ形構造にこだわらず、Ｈ形のウェブ面に補強の為、複数のリブを成形する事もありえる。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】押出し成形プラスチック仮枠の断面図である。
【図２】水平固定支持利の平面図である。
【図３】図１の押出し成形プラスチック仮枠と図２の水平固定支持材を契合した図面である。
【図４】複数個の図３を、固定金具と、Ｌ形鋼材で固定した図面である。
【図５】固定金具を第三角法で表した図面である。
【図６】押出し成形プラスチック仮枠と水平固定支持材の立体図である。
【図７】図１の押出し成形プラスチック仮枠と図２の水平固定支持材を契合した状態の立体図である。
【図８】複数個の図７を横に並べて契合した立体図である。
【図９】図８をＬ形鋼材と固定金具で固定した立体図である。
【図１０】従来のプラスチック仮枠の立体図である。
【図１１】図１０を固定金物で横方向に２枚組み付けた立体図である。
【符号の説明】
【００３１】
１ 押出し成形プラスチック仮枠
２ コンクリート当接面
３ 当接面
４ コの字形成形部
５ 凸形補強部
６ 契合穴
７ Ｌ字形成形部
８ 当接面
９ 固定穴
１０ 当接面
１１ 水平固定支持材
１２ 凸部当接面
１３ 断面Ｈ形構造
１４ 穴
１５ 角形棒状
１６ 平板状ベースプレート
１７ 平板状ベースプレート
１８ 穴
１９ 角形棒状
２０ 当接面
２１ 契合凹部
２５ ピン
２６ 固定金具
２７ Ｌ形鋼材
２８ Ｌ形部
２９ コの字形部
３０ 折曲部
３１ 固定穴
３２ 従来のプラスチック仮枠
３３ 固定穴
３４ 固定穴
３５ リブ
３６ 固定金物
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＲＣコンクリート住宅用のプラスチック仮枠に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ＲＣコンクリート住宅のコンクリートを打設する際は、現在でも木製の仮枠を使用して行われており、仮枠は、木製の合板に桟木を打ち付けて製作している。しかし、この仮枠組立作業には、多くの手間と時間が必要であり、工事全体の中で仮枠工事に占める時間が多くかかり、全体の工期にも多大な影響を及ぼしていた。さらに、一度使用した木製の仮枠はセパレーターの穴が開いている上に、解体する際、桟木が痛みやすく、次の現場に転用する場合、仮枠の補修と再加工の手間もかかり、これらの問題を改善する事が望まれていた。さらに、木製の仮枠は、森林資源を保護すると云う観点からも問題となっていた。
【０００３】
このような事情から、これまでの問題を解決する為に、プラスチックを原料とした仮枠が考案され、すでに市販されて現場で使用されている。
【０００４】
このプラスチックを原料とした仮枠は、従来の木製の仮枠と比べた場合、桟木をせき板の大きさに合わせて加工し、組立てる作業が不要となり、しかも耐久性があるため繰り返し使用する事が可能となると共に、切断した端材等を回収して、再度リサイクルする事も可能となり、自然破壊や環境保護と云う面でも貢献する事が出来る。
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来のプラスチックを原料とした仮枠は、図１０と図１１に示したように、いずれも定尺（一例をあげれば６００ミリメートル×１２００ミリメートル）サイズで使用する事を前提として造られている為、使用する部位により大きさの異なるタイプの仮枠を多数用意しておく必要があり、その為に、プラスチック仮枠を保管して置く為の広い倉庫と数多くの高価な金型が必要であった。
【０００６】
さらに、プラスチックを原料とした仮枠は、枠本体と複数の補強用のリブが所定の間隔をもって一体で成形されているために重くなり、運搬や建物内での取り回しの点で作業効率が悪くなるといった問題があった。
【０００７】
本発明は、上記の様な従来の欠点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、押出し成形でプラスチック仮枠を作る事により、必要な仮枠の高さに応じて、プラスチック仮枠を必要とする長さに切断して製造する事が可能となる為、数多くの高価な金型を用意する必要が無くなると共に、仮枠本体と仮枠本体を補強する為のリブを、個別に製造して現場で組立てるように構成した為、持ち運びが容易となり、安価で組立が容易なプラスチック仮枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
かかる課題を達成するために、請求項１に記載の発明は、ＲＣコンクリート住宅の仮枠構造において、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事を特徴とする。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の構成に加え、押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開けた事を特徴とする。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、請求項１に記載の構成に加え、水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒状には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事を特徴とする。
【００１１】
請求項４に記載の発明は、請求項１及至３のいずれか一つに記載の構成に加え、押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を固定結合した事を特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１に記載の発明によれば、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事により、従来は、プラスチック仮枠は射出成形され、いずれも定尺サイズで使用する事を前提として造られていた為、高価な金型を多数必要としたばかりでなく、プラスチック仮枠を保管して置く為の広い倉庫を必要としていたものが、コンクリート面の仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用した事により、押出し成形金型が一つで済むようになり、多数の高価な金型が不要となる為、コンクリート面の仮枠を安価に製造する事が出来るようになると共に、コンクリート面の仮枠と、それを支える補強材を別々に構成した為、運搬や仮枠組立が容易となり、大幅にコストの低減を図る事が出来る。
【００１３】
請求項２に記載の発明によれば、押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開け、押出し成形により、長材で製造した押出し成形プラスチック仮枠を、必要な長さに切断して、必要な高さの仮枠を自由に製造する事が可能となる為、一つの押出し成形金型で、コンクリート面の仮枠に使用する押出し成形プラスチック仮枠を製造する事が可能となり、大幅にコストの低減を図る事が出来る。
【００１４】
請求項３に記載の発明によれば、水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事により、同一形状の押出し成形プラスチック仮枠同士を簡単に接合させると共に、仮枠の強度を高める事が可能となり、建築現場における作業効率を大幅に高めることが出来る。
【００１５】
請求項４に記載の発明によれば、押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を結合した事により、従来は、横方向のプラスチック仮枠同士を固定する為だけに用いられてきた固定金具を、壁仮枠外端太の役目をするＬ形鋼材にも固定穴を開け、固定金具で、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材を同時に固定した為、現場で容易に仮枠を組立てながら、同時に補強する事が可能となり、建築現場における作業効率を大幅に高めることが出来る。
【実施例】
【００１６】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
［発明の実施の形態］
【００１７】
図１及至図９には、この発明の実施の形態を示す。
【００１８】
図１は、押出し成形プラスチック仮枠１の断面図である。押出し成形プラスチック仮枠１は、押出し成形プラスチックで成形される。コンクリート当接面２は平面形状で成形され、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠１同士を接合させる為に、コンクリート当接面２の一方が、コの字形成形部４で示すようにコの字形形状で成形されて当接面３が成形され、他方は、Ｌ字形成形部７で示すようにＬ形形状で成形され、Ｌ字形成形部７には、契合穴６と固定穴９が開けられ、Ｌ字形成形部７には当接面１０が成形される。さらに、コンクリート当接面２の裏面には、補強の為の凸形補強部５が成形される。
【００１９】
図２は、水平固定支持材１１の平面図である。水平固定支持材１１は、射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠１と組み合わされる様に、一端が平板状ベースプレート１６で成形され、その先端は、押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６と契合する際に、容易に契合できる様に角形棒状１５に面取加工されており、押出し成形プラスチック仮枠１と固定する為の穴１４が開けられる。更に、他端は平板状ベースプレート１７で成形され、その先端は、押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６と契合する際に、容易に契合できる様に角形棒状１９に面取加工されており、押出し成形プラスチック仮枠１と固定する為の穴１８が開けられる。また、平板状ベースプレート１７の角部には、コの字形に成形された契合凹部２１が成形される。なお、水平固定支持材１１の中央部は断面Ｈ形構造１３で成形され、契合凹部２１側の凸部当接面１２は、図１の凸形補強部５と当接するように平面状に成形される。
【００２０】
図３は、図１の押出し成形プラスチック仮枠１と図２の水平固定支持材１１を契合して仮枠として組立てた図面である。コの字形成形部４と契合凹部２１が噛み合い、契合穴６に平板状ベースプレート１６の角形棒状１５が挿入され、凸形補強部５が凸部当接面１２と当接した状態を図示す。
【００２１】
図４は、図３の複数の仮枠をＬ形鋼材２７で固定した図面である。押出し成形プラスチック仮枠１の契合穴６に角形棒状１５が挿入されると共に、隣に位置する押出し成形プラスチック仮枠１の水平固定支持材１１の角形棒状１９も同様に契合穴６に挿入され、Ｌ字形成形部７の当接面１０と当接面３が当接すると共に、当接面２０も当接面１０に当接され、次に、穴１４と穴１８にピン２５が挿入され固定される。さらに、横に並べて設置された押出し成形プラスチック仮枠１を一体的に固定する為に、Ｌ形鋼材２７をＬ字形成形部７の当接面８と当接させ、図５で示した、固定金具２６を固定穴９とＬ形鋼材２７に開けられた固定穴３１に挿入して回転固定させる事により、押出し成形プラスチック仮枠１とＬ形鋼材２７を固定させる事が出来る。
【００２２】
図５は、固定金具２６を、図５ｃの正面図、図５ａの平面図、図５ｂの側面図で示す。固定金具２６は、丸棒の先端を挿入しやすい様に円錐状に加工し、Ｌ形部２８をＬ形形状に加工した後、コの字形部２９を、コの字形形状に加工し、後端の折曲部３０をＬ形鋼材２７に嵌め込みやすいように折り曲げ形成される。
【００２３】
図６の、図６ａは押出し成形プラスチック仮枠１を立体図で示す。図６ｂは水平固定支持材１１を立体図で示す。
【００２４】
図７は、図１の押出し成形プラスチック仮枠１と、図２の水平固定支持材１１を契合した状態を立体図で示す。
【００２５】
図８は、図７で示した、押出し成形プラスチック仮枠１と、水平固定支持材１１を契合した状態を横に複数個並べた状態を立体図で示す。
【００２６】
図９は、図８で示した、押出し成形プラスチック仮枠１をＬ形鋼材２７と固定金具２６で固定した状態を立体図で示す。なお、Ｌ形鋼材２７には、押出し成形プラスチック仮枠１の固定穴９とＬ形鋼材２７を固定金具２６で固定する為の固定穴３１が開けられる。
【００２７】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係るＲＣ用プラスチック仮枠について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【００２８】
図１の凸形補強部５は一箇所のみ書かれているが、強度補強の為に複数箇所設ける事も可能である。
【００２９】
図２の断面Ｈ形構造１３はＨ形構造にこだわらず、Ｈ形のウェブ面に補強の為、複数のリブを成形する事もありえる。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】押出し成形プラスチック仮枠の断面図である。
【図２】水平固定支持利の平面図である。
【図３】図１の押出し成形プラスチック仮枠と図２の水平固定支持材を契合した図面である。
【図４】複数個の図３を、固定金具と、Ｌ形鋼材で固定した図面である。
【図５】固定金具を第三角法で表した図面である。
【図６】押出し成形プラスチック仮枠と水平固定支持材の立体図である。
【図７】図１の押出し成形プラスチック仮枠と図２の水平固定支持材を契合した状態の立体図である。
【図８】複数個の図７を横に並べて契合した立体図である。
【図９】図８をＬ形鋼材と固定金具で固定した立体図である。
【図１０】従来のプラスチック仮枠の立体図である。
【図１１】図１０を固定金物で横方向に２枚組み付けた立体図である。
【符号の説明】
【００３１】
１ 押出し成形プラスチック仮枠
２ コンクリート当接面
３ 当接面
４ コの字形成形部
５ 凸形補強部
６ 契合穴
７ Ｌ字形成形部
８ 当接面
９ 固定穴
１０ 当接面
１１ 水平固定支持材
１２ 凸部当接面
１３ 断面Ｈ形構造
１４ 穴
１５ 角形棒状
１６ 平板状ベースプレート
１７ 平板状ベースプレート
１８ 穴
１９ 角形棒状
２０ 当接面
２１ 契合凹部
２５ ピン
２６ 固定金具
２７ Ｌ形鋼材
２８ Ｌ形部
２９ コの字形部
３０ 折曲部
３１ 固定穴
３２ 従来のプラスチック仮枠
３３ 固定穴
３４ 固定穴
３５ リブ
３６ 固定金物
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＲＣコンクリート住宅の仮枠構造において、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事を特徴とするＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項２】
押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開けた事を特徴とする請求項１に記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項３】
水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒状には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事を特徴とする請求項１に記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項４】
押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を結合した事を特徴とする請求項１及至３のいずれか一つに記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項１】
ＲＣコンクリート住宅の仮枠構造において、仮枠に押出し成形プラスチック仮枠を使用すると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠同士の側面を水平固定支持材で固定し、さらに、押出し成形プラスチック仮枠の室内側と、概ねＬ形に構成されたＬ形鋼材を、固定金具で固定した事を特徴とするＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項２】
押出し成形プラスチック仮枠は、コンクリートに接する面が平面で構成され、その室内側には凸状で水平固定支持材の側面と当接する凸形補強部が成形されると共に、隣り合う、押出し成形プラスチック仮枠の側面と組合わせる部分は、一方がコの字形に成形され、他方はＬ字形に成形され、Ｌ字形部には、水平固定支持材を支えるための契合穴と、Ｌ形鋼材と接合させる為の固定穴を開けた事を特徴とする請求項１に記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項３】
水平固定支持材は射出成形プラスチックで作られており、押出し成形プラスチック仮枠の側面のＬ字形に開けた契合穴に契合するように、両端が角形棒状で成形されると共に、一方の角形棒状には押出し成形プラスチック仮枠に成形されたコの字形部分に契合するように契合凹部が構成され、さらに両端の角形棒状には、押出し成形プラスチック仮枠から脱落しないように固定用の穴が開けられる。また中間部は両端の角形棒状を支え、さらに押出し成形プラスチック仮枠の凸形補強部に当接するように断面Ｈ形構造で構成された事を特徴とする請求項１に記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【請求項４】
押出し成形プラスチック仮枠を室内側から補強する為に、概ねＬ形に形成されたＬ形鋼材を、押出し成形プラスチック仮枠に対して横方向に配置すると共に、押出し成形プラスチック仮枠とＬ形鋼材を固定する為、押出し成形プラスチック仮枠のＬ形部に開けた固定穴と、Ｌ形鋼材に開けた固定穴に、Ｌ字形とコの字形を組合わせた形に作られた固定金具を挿入して回転固定し、横方向の押出し成形プラスチック仮枠同士を結合した事を特徴とする請求項１及至３のいずれか一つに記載のＲＣ用プラスチック仮枠。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００９−２８７３７３（Ｐ２００９−２８７３７３Ａ）
【公開日】平成２１年１２月１０日（２００９．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１６６５５０（Ｐ２００８−１６６５５０）
【出願日】平成２０年５月３０日（２００８．５．３０）
【出願人】（５０４１９６４９２）株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 (33)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１２月１０日（２００９．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年５月３０日（２００８．５．３０）
【出願人】（５０４１９６４９２）株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 (33)
【Ｆターム（参考）】
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