説明

RFIDタグ内蔵型インレイ、これを含むカード、及びRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法

【課題】RFIDタグ内蔵型インレイを製造するためのRFIDタグ製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、樹脂で充填された樹脂領域、及び所定のパターンをなす非樹脂領域が形成されたマスターの表面をメッキし、非樹脂領域上に複数のパターン回路部を形成する段階と、複数のパターン回路部が形成されたマスターの上側にコアフィルム層をボンディングする段階と、コアフィルム層を金属マスターから分離しながら前記複数のパターン回路部をコアフィルム層側に転写させる段階と、複数のパターン回路部の間の空間に絶縁部を形成する段階と、絶縁部上で前記複数のパターン回路部同士を電気的に連結するジャンパー線を形成する段階とを含んでなる。これにより、RFIDタグ内蔵型インレイを容易に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
RFIDタグ内蔵型インレイ、これを含むカード、及びRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法に係り、より詳しくは、マスターを用いたメッキ過程によって容易に製造することが可能なRFIDタグ内蔵型インレイ、これを含むカード、及びRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、無線技術の発達に伴い、後払い制ハイパスカードから交通カード、銀行カードに至るまで様々な分野でRFID(Radio Frequency Identification)システム又はコンビネーション型スマートカードシステムが使用されている。コンビネーション型スマートカードシステムとは、ICチップがカードの表面に露出しているタイプのスマートカードを用いるシステムを意味する。
【0003】
RFIDシステムは、基本的に、RFIDタグ及びRFIDリードから構成される。RFIDタグにはアンテナ回路パターンが内蔵される。具体的には、13.5MHz回路パターンは、コイルの形に製作され、外部からの電磁波によって電気エネルギーを誘導し、或いはRFID ICチップから送信しようとする信号を外部へ放射する機能を行うことができる。よって、RFIDタグ内蔵型インレイの製造において、その回路パターンの製造工程とICチップの回路連結部としてのパッド部の形成は重要な部分を占める。
【0004】
従来では、RFIDタグ内蔵型のインレイ回路パターンを製作しようとする場合、コイルを直接基板上で複数回巻いてコアフィルム層に固定させる工程や、コアフィルムと銅箔とがラミネートされた基板上にエッチング回路パターンを製作する工程などを行った。
【0005】
ところが、コイルを直接基板上に集積させる方式は、工程上の難しさがあり、量産にも不適であるという問題点があった。また、エッチングを用いる場合は、回路パターンの間隔を精密に保ちながらインレイに製造し難いため、回路パターン同士が重なるショート(short)現象が生じるおそれがあるという問題点があって、RFIDタグインレイ又はコンビネーション型カードの生産に適用することが難しいという問題点があった。
【0006】
特に、従来の技術によれば、回路パターンの接続部、すなわちパッド部の実現が別途の工程で行われて量産性に劣るという問題点が指摘されてきた。よって、より便利な方式で精密な構造のRFIDタグ内蔵型インレイを製造することが可能な製造方法に関する開発必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、樹脂領域及び非樹脂領域を含むマスターを用いてメッキ方式でRFIDタグの回路パターンを製作して、便利にRFIDタグ内蔵型インレイを製造することが可能なRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法、この方法によって製造されるRFIDタグ内蔵型インレイ、及びこれを含むカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施例に係るRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法は、樹脂で充填された樹脂領域、及び所定のパターンをなす非樹脂領域が形成されたマスターの表面をメッキし、前記非樹脂領域上に複数のパターン回路部を形成する段階と、前記複数のパターン回路部が形成されたマスターの上側にコアフィルム層をボンディングする段階と、前記コアフィルム層を分離して前記複数のパターン回路部を前記コアフィルム層側に転写させる段階と、前記複数のパターン回路部の間の空間に絶縁部を形成する段階と、前記絶縁部上で前記複数のパターン回路部同士を電気的に連結するジャンパー線を形成する段階と、を含んでなる。
【0009】
ここで、前記複数のパターン回路部は、前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1導電部、及び前記コアフィルム層の表面から前記第1導電部の内側に形成された第2導電部を含んでもよい。
【0010】
前記第1導電部の両端にはそれぞれ第1外部パッド及び第1内部パッドが形成され、前記第2導電部の両端にはそれぞれ第2外部パッド及び第2内部パッドが形成されてもよい。
【0011】
一方、本RFIDタグ内蔵型インレイの製造方法は、前記複数のパターン回路部上に、前記第1内部パッド及び第2内部パッドそれぞれの少なくとも一部を露出させるカバーレイ層を形成する段階と、前記カバーレイ層の露出した部分に、前記第1内部パッド及び第2内部パッドそれぞれと電気的に連結されるRFIDチップを配置する段階と、をさらに含んでもよい。
【0012】
前記絶縁部は、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成されてもよい。
【0013】
一方、前記ジャンパー線を形成する段階は、前記第1外部パッド及び前記第2外部パッドそれぞれの少なくとも一部と、前記絶縁部の少なくとも一部を露出させるマスクを形成する段階と、前記露出した部分に導電性物質をプリントして前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを互いに連結するジャンパー線を形成する段階と、前記マスクを除去する段階とを含んでもよい。
【0014】
前記マスターの非樹脂領域を離型処理する段階をさらに含んでもよい。
【0015】
上述したような実施例において、前記樹脂はテフロンであってもよい。
【0016】
前記RFIDタグは13.56MHz用RFIDタグであってもよい。
【0017】
一方、本発明の一実施例に係るRFIDタグ内蔵型インレイは、コアフィルム層と、前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1導電部と、前記コアフィルム層の表面から前記第1導電部の内側に形成された第2導電部と、前記第1導電部の一端に形成される第1内部パッドと、前記第1導電部の他端に形成される第1外部パッドと、前記第2導電部の一端に形成される第2内部パッドと、前記第2導電部の他端に形成される第2外部パッドと、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成された絶縁部と、前記絶縁部上に形成され、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを電気的に連結するジャンパー線と、を含んでなる。
【0018】
一方、本発明の一実施例に係るカードは、コアフィルム層と、前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1導電部と、前記コアフィルム層の表面から前記第1導電部の内側に形成された第2導電部と、前記第1導電部の一端に形成される第1内部パッドと、前記第1導電部の他端に形成される第1外部パッドと、前記第2導電部の一端に形成される第2内部パッド、前記第2導電部の他端に形成される第2外部パッド、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成された絶縁部と、前記絶縁部上に形成され、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを電気的に連結するジャンパー線と、前記第1導電部及び前記第2導電部が形成されている前記コアフィルム層の全面を覆いながら、前記第1内部パッド及び前記第2内部パッドそれぞれの少なくとも一部を露出させるカバーレイ層と、前記露出した部分で前記第1内部パッド及び前記第2内部パッドそれぞれに電気的に連結されるRFIDチップと、を含んでもよい。
【0019】
好ましくは、前記ジャンパー線によって連結される前記第1導電部及び前記第2導電部は13.56MHz用RFIDタグに使用される回路パターンを構成してもよい。
【発明の効果】
【0020】
上述したような本発明の様々な実施例によれば、マスターを用いてRFIDタグ内蔵型インレイ、及びこれを含むカードを便利かつ迅速に製造することができる。特に、マスターの表面には樹脂領域と非樹脂領域が設けられ、非樹脂領域でのみメッキが行われてRFID回路パターンを精密に製作することができる。マスターは繰り返し使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に係るRFIDタグ内蔵型インレイを製造するためのマスター構成の一例を示す平面図である。
【図2】図1のマスターの断面を示す断面図である。
【図3】図1のマスターを用いてRFIDタグ内蔵型インレイを製造する過程を説明するための断面図である。
【図4】図1のマスターを用いてRFIDタグ内蔵型インレイを製造する過程を説明するための断面図である。
【図5】図1のマスターを用いてRFIDタグ内蔵型インレイを製造する過程を説明するための断面図である。
【図6】図5の断面図に対応する平面図である。
【図7】複数のパターン回路部の間の空間に絶縁部を形成する過程を説明するための平面図である。
【図8】複数のパターン回路部の間を連結するジャンパー線を製造する過程を説明するための平面図である。
【図9】複数のパターン回路部の間を連結するジャンパー線を製造する過程を説明するための平面図である。
【図10】RFIDタグ回路パターン上にカバーレイ層及びRFIDチップを搭載してRFIDタグ内蔵型インレイを完成する過程を説明するための平面図である。
【図11】RFIDタグ回路パターン上にカバーレイ層及びRFIDチップを搭載してRFIDタグ内蔵型インレイを完成する過程を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明について具体的に説明する。
図1は本発明の一実施例に係るRFIDタグ製造方法に使用されるマスターの構成を示す模式図である。
【0023】
図1によれば、マスター100の表面には樹脂領域110及び非樹脂領域120、130が設けられる。樹脂領域110とは、マスター100の表面に設けられた溝(groove)の内部に樹脂が充填された部分を意味する。非樹脂領域120、130とは、マスター100の表面上における、樹脂が充填されていない部分を意味する。図1の場合、非樹脂領域120、130は、第1導電部を形成するために設けられた第1領域120と、第2導電部を形成するために設けられた第2領域130に区分される。
【0024】
一方、マスター100は、RFIDタグの回路パターンを製作するための一種の型枠、すなわち金型の役目を示す部分である。すなわち、非樹脂領域120、130上には導電性物質が形成され、パターン回路部をなす。したがって、非樹脂領域120、130はRFIDタグに埋め込まれる回路パターンに対応する形状に製作される。
【0025】
図1のマスター100は多様な方式で製作できる。一例として、マスター100はフォトエッチング(Photolitho−Etching)方式で製作された金属エッチングマスターであってもよい。マスター100が金属を含む形で具現される場合、金属マスターと呼ばれてもよい。
【0026】
一方、樹脂領域110に充填される樹脂としては、耐薬品性に優れる、或いは特定の処理(例えば、熱処理など)後に非粘着性が優秀になる特性を持つ任意の物質が使用できる。具体的には、フッ素系高分子樹脂、特にフルオロエチレン樹脂が使用できる。一例として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を使用してもよい。或いは、シリコン系高分子樹脂を使用してもよい。
【0027】
フッ素系高分子樹脂として、特に、米国デュポン社がPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)樹脂に対して商標登録したテフロン(Teflon)が例示できる。テフロンは、一般プラスチックに比べて耐熱性、耐薬品性、研磨性、耐低温性、電気絶縁性、及び高周波特性に優れるうえ、特異な非粘着性及び低摩擦特性があるため、本パターン構造物の製作に使用するには適する。
【0028】
図2は図1のマスター100のA−B線に沿った断面図である。図2によれば、マスター100は表面上の所定の形状の溝が設けられ、その溝の内部に樹脂が充填されることにより樹脂領域110を構成し、樹脂領域110を除いた残り部分は非樹脂領域120を構成する。樹脂領域110の深さ及び面積はマスター100の製造工程の条件によって様々に変更できる。
【0029】
図3〜図5は本発明の一実施例に係るRFIDタグの製造方法を説明するための断面図である。
【0030】
図3に示すように、樹脂領域110及び非樹脂領域120、130が設けられたマスター100の表面に対してメッキを施し、パターン回路部141、142を形成する。
【0031】
メッキ作業はニッケルや銀、銅などの金属を用いて行われる。具体的には、硫酸銅メッキ液などの銅メッキ液を用いて、銅メッキ浴で略30℃で5分〜15分間メッキすることにより、パターン回路部141、142を形成することができる。この場合、メッキ電源は直流又はパルス電源を用いることができる。パターン回路部141、142の厚さはメッキ時間又はメッキ電源の制御によって調整することができる。すなわち、直流又はパルス電源の印加時間やパルス幅の変調、電流密度などを制御することにより、パターン回路部141、142の厚さを適切に調整することができる。
【0032】
複数のパターン回路部141、142のうち、第1パターン回路部141は非樹脂領域の第1領域120に対応する部分に形成されたメッキ物質を意味し、第2パターン回路部142は非樹脂領域の第2領域130に対応する部分に形成されたメッキ物質を意味する。
【0033】
したがって、第1パターン回路部141は、マスター100の縁部に沿って巻線される形態であり、第2パターン回路部142は、第1パターン回路部141の内側に形成され、第1パターン回路部141から一定の距離離れた形態であってもよい。
【0034】
一方、本発明の他の実施例によれば、メッキに先立ち、非樹脂領域120、130の表面を離型処理することができる。すなわち、パターン回路部141、142がメッキにより形成された後、後続の工程でコアフィルム層(図示せず)側に転写されなければならないので、分離が容易でなければならない。このために、非樹脂領域120、130の表面を予め離型処理しておくことができる。
【0035】
このような状態で図4のようにコアフィルム層200をマスター100にボンディングさせる。
【0036】
図4に示すように、コアフィルム層200は結合剤層210及び支持層220を含む。
【0037】
ボンディング過程を具体的に説明すると、まず、別途設けられた支持層220の表面に結合剤を塗り付け、結合剤層210を形成する。これにより、形成された結合剤層210がマスター100の表面に向かうように、コアフィルム層200とマスター100とを結合させる。
【0038】
結合過程は、減圧性粘着剤などと同じ物性を示す結合剤がコートされたポリエステルフィルム又はポリ塩化ビニルフィルムをパターン回路部141、142側に結合させる方式で行われ得る。
【0039】
具体的には、ポリエステル系ホットメルト液又はホットメルトフィルムが結合剤として使用できる。このような結合剤は、物質層の表面でコート、乾燥、硬化又はラミネートなどの工程を経て結合フィルムの形で具現され、コアフィルム層200をマスター100側に結合させることができる。
【0040】
また、コアフィルム層200の支持層220は、RFIDタグ又はカードに通常使用するプラスチック材質、すなわちポリエステルフィルム又はポリ塩化ビニルフィルムなどが使用でき、その他に、紙材質、金属、ゴムなどの様々な材質が使用できる。但し、金属のように導電性を有する支持層220を使用する場合、パターン回路部141、142におけるRF受信及び放射作業が正常的に行われるように支持層220の表面上に絶縁処理が施されてもよい。
【0041】
一方、結合工程はラミネート設備によっても行われ得る。ラミネート(laminating)とは、内容物をポリエステルなどの薄いフィルム又はガラスなどのシートの間に挟んだ後、貼り合わせる工程を意味する。具体的には、ローラーや熱板、熱板内蔵ローラーなどを用いて熱と圧力を加えて接着させる熱ラミネート(hot laminating)工程などが使用できる。
【0042】
結合工程は、粘着剤と同じ物性を示す結合剤の場合には常温で行われ得る。
【0043】
結合剤層210及び支持層220は、後続の工程でパターン回路部141、142と共にマスター100から分離され、パターン回路部141、142を支持する。
【0044】
図4では結合剤層210が樹脂領域110と一定の距離離れているものと示しているが、結合過程で結合剤層210が樹脂領域110と接してもよい。
【0045】
図4に示すように、コアフィルム層200がマスター100にボンディングされた後、所定の時間が経過すると、コアフィルム層200をマスター100から分離させる。この過程で、マスター100の表面に形成されていたパターン回路部141、142がコアフィルム層200上に転写される。
【0046】
図5はパターン回路部141、142が転写されたコアフィルム層200の構成を示す模式図である。図5によれば、パターン回路部141、142は結合剤層210内に一定の部分挿入されているが、これは一例に該当し、結合剤層210の表面にパターン回路部141、142が固定されてもよく、支持層220の表面にまで達するほどパターン回路部141、142が挿入されていてもよい。
【0047】
図6は図5の断面図に対応する平面図である。
【0048】
図6によれば、第1パターン回路部141はコアフィルム層200の縁部に沿って複数回巻線された形で形成され、第2パターン回路部142は第1パターン回路部141の内側の空間に配置される。図6において、第2パターン回路部142は一本の線みたいに示されているが、第2パターン回路部142もコイルの形に製作されてもよい。すなわち、第1パターン回路部142の内側面に沿って少なくとも1回巻線される形で第2パターン回路部142を具現することもできる。また、必ずしも2つのパターン回路部が形成されるべき必要はなく、実施例によって3つ以上のパターン回路部が形成されてもよい。
【0049】
図6の第1パターン回路部141の両端のうち、一端には第1内部パッド141−aが形成され、他端には第1外部パッド141−bが形成される。そして、第2パターン回路部142の両端のうち、一端には第2内部パッド142−aが形成され、他端には第2外部パッド142−bが形成される。すなわち、各パターン回路部は、パターンをなす線部分と、その線の両端に設けられるパッドとからなる。
【0050】
図3〜図6で説明したように、パターン回路部はマスター100を用いて一括的に製作される。すなわち、パターンをなす線部分とパッド部分が一括的に製作できる。よって、コイルとパッドを別々に製作しなければならないという厄介さが解消される。
【0051】
図6では、第1及び第2内部パッド141−a、142−aは互いに並んで配置された状態を示したが、各パッド141−a、142−a、141−b、142−bの位置及び形状は多様に変更できる。
【0052】
上述したようにマスター100を用いてメッキ過程を行い、複数のパターン回路部を一括的に製作することができるので、RFID回路パターンを容易に製作することができる。特に、マスター100上で樹脂領域110と非樹脂領域120、130を精密に製作しておき、繰り返し使用することができるので、製造過程で不良パターンが発生する回数を減らすことができるうえ、経済的にRFID回路パターンを製作することができる。
【0053】
このような方式で製造された回路パターンは、13.56MHz用RFIDタグに使用される回路パターンであってもよい。これにより製造される最終RFIDタグは13.56MHz用RFIDタグになれる。
【0054】
図6のようにコアフィルム層200上に複数のパターン回路部141、142が形成されると、各パターン回路部141、142の一端に設けられた第1外部パッド141−bと第2外部パッド142−bとを電気的に連結させるための工程が行われる。この場合、第1パターン回路部141をなす線とショートしないように、第1外部パッドと第2外部パッド141−b、142−bとの間の領域に絶縁部を形成する。
【0055】
図7は絶縁部150が形成されたコアフィルム層200の上側構成を示す。
【0056】
絶縁部150は通常の絶縁物質からなってもよい。絶縁部150は、ステッカーの形に製作され、第1外部パッド141−bと第2外部パッド142−bとの間に付着する方式で形成できる。
【0057】
又は、絶縁液を第1外部パッド141−bと第2外部パッド142−bとの間の空間に滴下した後、凝固させる方式で形成されてもよい。
【0058】
一方、図7では絶縁部150が全体コアフィルム層200の一部分にのみ形成されるものと示しているが、必ずしもこれに限定されるのではない。すなわち、コアフィルム層200上で各外部パッド及び各内部パッドのみを除いた全面に、絶縁部を形成することができる。具体的には、各外部パッド及び各内部パッドの位置にマスクを被せた後、絶縁液でコートする方式、又は該当部分のみを除いた部分に接着剤を用いて絶縁部をボンディングする方式などを用いて、絶縁部を形成することができる。
【0059】
図8及び図9は複数のパターン回路部同士141、142を電気的に連結させるジャンパー線を製造するための工程の一例を示す。
【0060】
すなわち、図8のようにコアフィルム層200の全面にマスク160を被せる。マスク160の一領域には露出部161が設けられる。図8に示すように、露出部161は第1外部パッド141−b及び第2外部パッド142−bそれぞれの少なくとも一部分と、絶縁部150の少なくとも一部分を露出させる。図8のようにマスク160が被せられた状態で、導電性物質をコートする。導電性物質のコーティングはローラーを用いたプリント、スタンピングなどの工程で行われ得る。このような状態でマスク160を除去すると、図9に示すようにジャンパー線170が形成される。ジャンパー線170は伝導性ペーストからなってもよい。
【0061】
図9によれば、ジャンパー線170は、絶縁部150の上側を介して第1外部パッド141−bと第2外部パッド142−bとを電気的に連結する形に製作される。絶縁部150によって、第1外部パッド141−bを除いた第1パターン回路部141の他の部分と電気的に連結されることが防止される。
【0062】
このようにジャンパー線170が製作されると、図10に示すように、パターン回路部141、142の上にカバーレイ層300を積層する。カバーレイ層200は、ポリエステルフィルムやポリ塩化ビニルフィルムなどのプラスチック、又は紙材質からなってもよい。カバーレイ層300はRFIDタグのインレイの外観に該当する部分であるので、カバーレイ層300の素材はカードの後続の工程に対して問題を起こさない材質からなってもよい。また、カバーレイ層300は、接着剤を用いて、パターン回路部141、142の上側でコアフィルム層200と結合することができる。接着剤の種類は、上述した結合剤層210と同一であってもよく、これとは異なる接着剤を使用してもよい。
【0063】
カバーレイ層300の一領域には露出部310が形成される。露出部310は下側の第1内部パッド141−a及び第2内部パッド142−aそれぞれの少なくとも一部が露出するように、適切なサイズ及び位置に形成される。
【0064】
次に、図11に示すように露出部310にRFIDチップを配置する。RFIDチップは露出部310を介して露出した第1内部パッド141−a及び第2内部パッド142−aそれぞれと電気的に連結される。これにより、RFIDタグ400の製作が完了する。
【0065】
一方、RFIDチップが配置された後、透明膜をコートするなどの表面処理を施してもよい。
【0066】
以上、本発明の好適な実施例について図示及び説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能なのは勿論のことであり、それらの変形実施は本発明の技術的思想又は展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0067】
100 マスター
110 樹脂領域
120、130 非樹脂領域
141 第1パターン回路部
142 第2パターン回路部







































【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ内蔵型インレイを製造するためのRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法において、
樹脂で充填された樹脂領域、及び所定のパターンをなす非樹脂領域が形成されたマスターの表面をメッキし、前記非樹脂領域上に複数のパターン回路部を形成する段階と、
前記複数のパターン回路部が形成されたマスターの上側にコアフィルム層をボンディングする段階と、
前記コアフィルム層を分離して前記複数のパターン回路部を前記コアフィルム層側に転写させる段階と、
前記複数のパターン回路部の間の空間に絶縁部を形成する段階と、
前記絶縁部上で前記複数のパターン回路部同士を電気的に連結するジャンパー線を形成する段階と、を含んでなることを特徴とする、RFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項2】
前記複数のパターン回路部は、
前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1パターン回路部、及び前記コアフィルム層の表面から前記第1パターン回路部の内側に形成された第2パターン回路部を含み、
前記第1パターン回路部の両端にはそれぞれ第1外部パッド及び第1内部パッドが形成され、前記第2パターン回路部の両端にはそれぞれ第2外部パッド及び第2内部パッドが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項3】
前記複数のパターン回路部の上側に、前記第1内部パッド及び第2内部パッドそれぞれの少なくとも一部を露出させるカバーレイ層を形成する段階と、
前記カバーレイ層の露出した部分に、前記第1内部パッド及び第2内部パッドそれぞれと電気的に連結されるRFIDチップを配置する段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項4】
前記絶縁部は前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成されることを特徴とする、請求項3に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項5】
前記ジャンパー線を形成する段階は、
前記第1外部パッド及び前記第2外部パッドそれぞれの少なくとも一部と、前記絶縁部の少なくとも一部を露出させるマスクを形成する段階と、
前記露出した部分に導電性物質をプリントして前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを互いに連結するジャンパー線を形成する段階と、
前記マスクを除去する段階と、を含んでなることを特徴とする、請求項4に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項6】
前記マスターの非樹脂領域を離型処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項7】
前記樹脂がテフロンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項8】
前記RFIDタグ内蔵型インレイは13.56MHz用コンビネーション型スマートカードに使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のRFIDタグ内蔵型インレイの製造方法。
【請求項9】
コアフィルム層と、
前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1パターン回路部と、
前記コアフィルム層の表面から前記第1パターン回路部の内側に形成された第2パターン回路部と、
前記第1パターン回路部の一端に形成される第1内部パッドと、
前記第1パターン回路部の他端に形成される第1外部パッドと、
前記第2パターン回路部の一端に形成される第2内部パッドと、
前記第2パターン回路部の他端に形成される第2外部パッドと、
前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成された絶縁部と、
前記絶縁部上に形成され、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを電気的に連結するジャンパー線と、を含んでなることを特徴とする、RFIDタグ内蔵型インレイ。
【請求項10】
コアフィルム層と、
前記コアフィルム層の表面の縁部に沿って巻線された形の第1パターン回路部と、
前記コアフィルム層の表面から前記第1パターン回路部の内側に形成された第2パターン回路部と、
前記第1パターン回路部の一端に形成される第1内部パッドと、
前記第1パターン回路部の他端に形成される第1外部パッドと、
前記第2パターン回路部の一端に形成される第2内部パッドと、
前記第2パターン回路部の他端に形成される第2外部パッドと、
前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとの間の空間に形成された絶縁部と、
前記絶縁部上に形成され、前記第1外部パッドと前記第2外部パッドとを電気的に連結するジャンパー線と、
前記第1外部パッド及び前記第2パターン回路部が形成されている前記コアフィルム層の全面を覆いながら、前記第1内部パッド及び前記第2内部パッドそれぞれの少なくとも一部を露出させるカバーレイ層と、
前記露出した部分で前記第1内部パッド及び前記第2内部パッドそれぞれと電気的に連結されるRFIDチップと、を含んでなり、
前記ジャンパー線によって連結される前記第1パターン回路部及び前記第2パターン回路部は13.56MHz用RFIDタグに使用される回路パターンを構成することを特徴とする、カード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−513156(P2013−513156A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541943(P2012−541943)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008562
【国際公開番号】WO2011/068359
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512133742)サムウォン エフエー カンパニー,リミテッド (1)
【出願人】(512133753)イーモト カンパニー,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】