説明

RFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム

【課題】検出感度が高いと共に微小化が可能なRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及びこれを用いてシステム構築を簡素化した計測システムを得る。
【解決手段】RFIDタグ内蔵型CMCセンサは、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信し、該コマンド信号に対応してセンサデータの解析及び記録処理と該処理にて得られた計測データの伝送制御を行うセンサ入力端子付きRFIDタグと、前記リーダーから送信されるキャリア信号を受信し、該キャリア信号を分周器にて分周して得られた変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサと該CMCセンサより出力される信号を適性レベルのセンサデータに変換する検出器にて成るCMCセンサユニットとにて構成し、当該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ内でセンサ信号処理を行い、RFIDタグ通信にて計測データを前記リーダーに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMC(Carbon Micro Coil:カーボンマイクロコイル)センサ及びこれを利用して身体の体温,脈拍,血圧等を計測するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、出生率減少に伴う少子高齢化により高齢者の人口割合が増大している。このような高齢社会における国の医療費は、2004年で約32兆円であり、更には2010年で約40兆円,2025年では約70兆円と予想されている。該医療費のうち特に老人医療費の増加が著しく、原因として入院医療費の高騰と入院期間の長期化が挙げられる。また、前記長期入院の原因として、大腿骨等の骨折,脳卒中,脳梗塞等により寝たきり状態となることにある。
【0003】
今後の超高齢社会に向けて充実した医療を受けるためには、現行の医療制度や保険制度の見直しを図り、肥大化した医療費を削減する必要がある。このためには、日常の生活習慣を見直して健康な体の維持を図り傷病にかからないことを目的とする一次予防や、傷病の発生を予兆し、寝たきり患者の発生を減少させるための早期予兆検出を行う二次予防が必要となる。また最近、生活習慣病のうち内臓脂肪型肥満を原因とした高血圧,高脂血症,糖尿病は動脈硬化を引き起こし易くする状態いわゆるメタボリックシンドロームと呼ばれ、心筋梗塞,狭心症,脳梗塞等の生命に関わる重大な疾患の原因となることが判明されてきた。
【0004】
このため、生活習慣病にかかるリスクの高い人(通常は健康体であるが健康診断等により生活習慣病の発症リスクを指摘されている人)の身体状況を、24時間且つリアルタイムに行い、平常状態と異常状態との変化を比較して検出された異常信号を取得管理することにより、生活習慣病や骨折等の傷病の発生を予兆して寝たきり患者の発生を減少させるための早期予兆検出及び管理を行うサービスが必要となり、本願出願人は特願2006−213879号公報の『疾病予兆管理サービス』を提案した。
【0005】
【特許文献1】特願2006−213879
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報に記載した身体の各測定部位に取り付けるセンサは特に限定はしていないものの、例えば体温の測定であればサーミスタ、脈拍や血圧の測定であればストレインゲージ等が一般的である。しかしながら、前記従来型センサは検出感度が低く微少変化を測定することができないという問題点があった。また、柔軟性がなく微小化も困難であるため、センサを皮膚に直接貼り付けた際に違和感が生じてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたものであり、検出感度が高く微少変化も容易に測定することができ、更には柔軟性を有して微小化が可能であり、皮膚に直接貼り付けた際にも違和感を生じさせることがない、RFIDタグ内蔵型CMCセンサと、該RFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いることによりシステム構築を簡素化して身体の体温,脈拍,血圧等を容易に計測することができる計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにあっては、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信し、該コマンド信号に対応してセンサデータの解析及び記録処理と該処理にて得られた計測データの伝送制御を行うセンサ入力端子付きRFIDタグと、前記リーダーから送信されるキャリア信号を受信し、該キャリア信号を分周器にて分周して得られた変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサと該CMCセンサより出力される信号を適性レベルのセンサデータに変換する検出器にて成るCMCセンサユニットとにて構成し、当該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ内でセンサ信号処理を行い、RFIDタグ通信にて計測データを前記リーダーに送信することにより、システム構築を簡素化して身体の体温,脈拍,血圧等を容易に計測することができることを特徴とする。
【0009】
上記センサ入力端子付きRFIDタグは、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信するためのアンテナ及びRFIDチップと、CMCセンサ及び検出器にセンサ駆動用電源を供給するための電源回路と、前記CMCセンサ及び検出器にて得られたセンサデータの解析処理を行うためのA/D変換器とにて構成する。
【0010】
上記CMCセンサユニットは、リーダーから送信されるキャリア信号を受信するためのアンテナ及び前記キャリア信号を分周して変調信号を得るための分周器と、前記変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサと、前記CMCセンサより出力される位相差信号又は電位差信号より適性レベルのセンサデータを出力する検出器とにて構成する。
【0011】
また、本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムにあっては、リーダー及び当該リーダーと無線通信を行うことにより計測データの伝送が行える1個乃至複数のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにて構成したものを1ユニットとし、システムの規模により1ユニット乃至複数ユニットをネットワークに接続して構成する。
【0012】
上記リーダーは、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のセンサ入力端子付きRFIDタグ間との無線通信及びCMCセンサの駆動を行うためのRFID通信部と、外部ネットワークと通信を行うためのネットワーク通信部と、前記各通信部の制御を行うためのCPUと、メモリ,クロック及び電源部とにて構成する。
【0013】
また、リーダーとRFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のセンサ入力端子付きRFIDタグ間との無線通信及びRFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のCMCセンサの駆動に用いるキャリアは、RFID通信用として電波法で定められた周波数及び電波送信レベルを使用する。
【0014】
なお、上記CMCセンサとは、皮膚に直接貼り付けても違和感のないようなエラストマー樹脂中に、一定のコイル径とコイルピッチを有した螺旋形状のCMCを均一に分散させて形成したものである。該CMCセンサは、微小化及び薄膜化が容易であり、LCR複合共振回路により微少な圧力変化や温度変化等を高感度でセンシングできるものである。例えば、圧力検出感度は0.1Pa以下であり、これは市販の触覚センサの1000〜10000倍以上という優れた高感度を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システムによれば、身体の体温,脈拍,血圧等を計測する際において、検出感度が高く微少変化も容易に測定することができるという効果を奏する。更には柔軟性を有して微小化が可能であり、皮膚に直接貼り付けた際にも違和感を生じさせることがないという効果を奏する。また、リーダーとRFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のセンサ入力端子付きRFIDタグ間との無線通信及びCMCセンサの駆動に用いるキャリア周波数をRFID通信用として電波法で定められた周波数で統一したため、リーダーの設置個数が少なく済み、システム構築が簡素化されるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を図を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを構成する概略回路ブロック図であり、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3は、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信し、該コマンド信号に対応してセンサデータの解析及び記録処理と該処理にて得られた計測データの伝送制御を行うセンサ入力端子付きRFIDタグ4と、前記リーダーから送信されるキャリア信号を受信し、該キャリア信号を分周器11にて分周して得られた変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサ12と、該CMCセンサ12より出力される信号を適性レベルのセンサデータに変換する検出器13にて成るCMCセンサユニット6とにて構成し、当該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内でセンサ信号処理を行い、RFIDタグ通信にて計測データを前記リーダーに送信する。
【0018】
上記センサ入力端子付きRFIDタグ4は、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信するためのアンテナ5及びRFIDチップ8と、CMCセンサ12及び検出器13にセンサ駆動用電源10を供給するための電源回路と、前記CMCセンサ12及び検出器13にて得られたセンサデータの解析処理を行うためのA/D変換器9とにて構成する。なお、該A/D変換器9は、RFIDチップ8に内蔵して一体化したものであっても構わない。
【0019】
上記CMCセンサユニット6は、リーダーから送信されるキャリア信号を受信するためのアンテナ7及び前記キャリア信号を分周して変調信号を得るための分周器11と、前記変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサ12と、前記CMCセンサ12より出力される位相差信号又は電位差信号より適性レベルのセンサデータを出力する検出器13とにて構成する。
【0020】
次に、図2は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの概略構成図であり、計測システムは、リーダー1及び当該リーダー1と無線通信を行うことにより計測データの伝送が行える1個乃至複数のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ3にて構成したものを1ユニットとし、計測システムの規模により1ユニット乃至複数ユニットをネットワークに接続して構成する。なお、前記ネットワークは、インターネットやイントラネットなどが一般的であるが、特に限定するものではない。また、小規模であればスタンドアロンであっても構わない。また、該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3は、身体の体温,脈拍,血圧等を測定する箇所に直接貼り付けることができる構造とする。このため、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のセンサ入力端子付きRFIDタグ4は、パッシブ動作を行うバッテリーレス型が好適となる。
【0021】
次に、図3は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムで用いるリーダーの概略回路ブロック図であり、リーダー1は、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のセンサ入力端子付きRFIDタグ4間との無線通信及びCMCセンサ12の駆動を行うためのアンテナ2及びRFID通信部14と、ネットワークと通信を行うためのネットワーク通信部16と、前記各通信部の制御を行うためのCPU15と、メモリ17,クロック18及び電源部19とにて構成する。
【0022】
また、リーダー1とRFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のセンサ入力端子付きRFIDタグ4間との無線通信及びRFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のCMCセンサ12の駆動に用いるキャリアは、RFID通信用として電波法で定められた周波数及び電波送信レベルを使用し、例えば953MHz帯が好適となる。該953MHz帯は、遠隔型RFIDタグ通信で用いられる周波数であり、通信距離はパッシブ動作であっても3〜5m程度ある。
【0023】
図4は図1における検出器が位相検出器の場合の動作原理図であり、センシングの変化により計測信号と基準信号に位相変化が生じる用途に適応する。この場合、検出器13の一方の入力端子に基準信号を入力し、他方の入力端子に計測信号を入力すると、内蔵ログアンプにて信号レベルを適正に調整した後、両信号の位相差を演算してアナログ信号(電圧信号)で出力するものである。この型のICとして、例えばアナログデバイセズ社のAD8302があり、位相差の測定範囲は−180〜+180°で±90°の違いを区別しないのが一般的であるため、−90°を中心とする0〜−180°又は+90°を中心とする0〜+180°の範囲となる。出力電圧は、−180〜0°の範囲で0〜1.8V、0〜+180°の範囲で1.8V〜0Vであり、どちらか一方の位相範囲を使用する。このように、検出器13は前記IC又は同等の機能を有したICを使用する。
【0024】
図5は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにおけるセンサ入力端子付きRFIDタグの第一実施例の回路ブロック図であり、センサ入力端子付きRFIDタグ4は、CMCセンサユニット6からのセンサデータをA/D変換器9で計測データに変換して得られたシリアルデータを入力し、読出しコマンドにてリーダー1に送信するなどの機能を有するRFIDチップ8と、該RFIDチップ8にアンテナ5を接続して構成する。
【0025】
上記アンテナ5はリーダー1と電磁波による無線通信を行うため、RFIDチップ8内又は一部RFIDチップ8外の同調キャパシタ(図示せず)から成る同調回路20に接続し、953MHz帯等のキャリア周波数に同調させて共振回路を構成する。
【0026】
上記同調回路20の後段には、リーダー1のアンテナ2から出力された電磁波が当該センサ入力端子付きRFIDタグ4のアンテナ5を通過した時に発生する誘導起電力の電圧波形を検波したり、該誘導起電力を半波又は全波整流して直流電圧を取り出すための整流回路21を接続する。
【0027】
次に、上記整流回路21の後段には、検波したキャリアを分周してシステム用のクロックを生成するためのクロック生成回路22と、信号受信時においてキャリアから信号を取り出す復調動作を行ったり信号送信時においてスイッチング素子(図示せず)により変調動作を行うための変復調回路23と、上記直流電圧を安定化して当該RFIDチップ8及び周辺回路に回路電源を供給したり、充電用コンデンサ25に充電電圧を供給するための電源回路24を接続する。該電源回路24は、CMCセンサユニット6を駆動するセンサ駆動用電源10の供給にも使用される。
【0028】
次に、上記変復調回路23の後段には、該変復調回路23の制御や不揮発性メモリであるFRAM(Ferroelectric RAM:米国Ramtron社の登録商標)27に対する当該RFIDチップ8のIDデータや計測データ等の書込み又は読出し制御を行うためのロジック回路26を接続する。該ロジック回路26には、外部のA/D変換器9で得られたシリアルデータを入力するためのクロック信号(CLK)とシリアル入力信号(SI)の端子を設ける。
【0029】
上記FRAM27は強誘電体型の不揮発性メモリであり、回路電源がOFFになっても当該RFIDチップ8のIDデータや計測データ等は消失することはない。また、データの書込み電圧は、EEPROMやフラッシュメモリのように高圧に昇圧する必要がないため、昇圧回路が簡略化される。また、書込み又は読出し速度はDRAMと同等であり、EEPROMやフラッシュメモリよりはるかに高速であるという特徴を持つものである。このように、不揮発性メモリとしてはFRAM27が好適であるが、他のメモリを使用しても構わない。
【0030】
また、図6は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにおけるセンサ入力端子付きRFIDタグの第二実施例の回路ブロック図であり、基本的には上記第一実施例と同様であるが、外部のA/D変換器9をA/D変換回路28として内蔵した点のみが異なる。この場合、前記A/D変換回路28には、CMCセンサユニット6で得られたセンサデータを入力するためのアナログ入力信号(Ai)の端子を設ける。何れの実施例においても、センサデータは、A/D変換器9又はA/D変換回路28に内蔵のスケーラーアンプ(図示せず)にて適正レベルにスケーリングした後、A/D変換を行うことにより計測データが得られる。なお、前記A/D変換器9又はA/D変換回路28の入力端子が複数チャンネルある場合は、CMCセンサユニット6も同数用意することにより、体温,脈拍,血圧等を一度に計測することが可能となる。
【0031】
次に、計測システムの動作概要をフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図7は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの計測開始時のフローチャートである。該動作ではまず、リーダー1内のRFID通信部14よりRFIDタグ内蔵型CMCセンサ3に対し、計測開始コマンドを送信する。(ステップS1−1)該コマンド信号は、キャリアにマンチェスタ符号を重畳した変調波である。
【0033】
次に、上記コマンド信号は、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のセンサ入力端子付きRFIDタグ4のアンテナ5で受信される。(ステップS1−2)この時、該アンテナ5及びRFIDチップ8内の同調回路20にて変調信号が共振し、誘導起電力が発生する。そこで、該誘導起電力をRFIDチップ8内の電源回路24より充電用コンデンサ25に充電し、当該RFIDチップ8及び周辺回路用電源並びにCMCセンサユニット6を駆動するセンサ駆動用電源10とする。(ステップS1−3)
【0034】
次に、上記コマンド信号は、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のCMCセンサユニット6のアンテナ7でも受信され、分周器11にて分周して変調信号を生成する。(ステップS1−4)該変調信号は、CMCセンサ12の駆動信号として用いられると共に、基準信号として前記検出器13に入力する。(ステップS1−5)次に、CMCセンサ12にて対象物の微少変化のセンシングを行い、得られた計測信号を同様に前記検出器13に入力する。(ステップS1−6)
【0035】
次に、上記検出器13にて得られたセンサデータを、センサ入力端子付きRFIDタグ4内のA/D変換器9又はRFIDチップ8に内蔵のA/D変換回路28に入力し、計測データとしてデジタルデータに変換する。(ステップS1−7)その後、RFIDチップ8内のロジック回路26の制御により前記計測データをFRAM27に書込む。(ステップS1−8)以上のようにして、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3により、身体の体温,脈拍,血圧等の計測が行われる。
【0036】
図8は本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの計測データ読出し時のフローチャートである。該動作ではまず、リーダー1内のRFID通信部14よりRFIDタグ内蔵型CMCセンサ3に対し、データ読出しコマンドを送信する。(ステップS2−1)
【0037】
次に、上記コマンド信号は、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のRFIDタグ4のアンテナ5で受信される。(ステップS2−2)
【0038】
次に、RFIDチップ8内のロジック回路26の制御により計測データをFRAM27より読出す。(ステップS2−3)
【0039】
次に、キャリア信号に対して上記計測データで変調をかけ、リーダー1に応答することによりデータ読出しが行われる。(ステップS2−4)
【0040】
以上のようにして、該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3内のセンサ入力端子付きRFIDタグ4及びCMCセンサユニット6が同一のリーダー1と無線通信を行うため、システム構築を簡素化した計測システムが得られることになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
上記においては、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ3を用いることによりシステム構築を簡素化して身体の体温,脈拍,血圧等を容易に計測することができる計測システムについて説明したが、計測の対象物を身体に限定せず、例えば建築構造物や機械等とすれば、当該建築構造物や機械等の微少な振動や歪み及び温度変化を容易に検出することができる計測システムが得られる。このように、本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システムは、あらゆる計測システムに応用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを構成する概略回路ブロック図である。
【図2】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの概略構成図である。
【図3】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムで用いるリーダーの概略回路ブロック図である。
【図4】図1における検出器が位相検出器の場合の動作原理図である。
【図5】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにおけるセンサ入力端子付きRFIDタグの第一実施例の回路ブロック図である。
【図6】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにおけるセンサ入力端子付きRFIDタグの第二実施例の回路ブロック図である。
【図7】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの計測開始時のフローチャートである。
【図8】本発明のRFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムの計測データ読出し時のフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 リーダー
2 アンテナ
3 RFIDタグ内蔵型CMCセンサ
4 センサ入力端子付きRFIDタグ
5 アンテナ
6 CMCセンサユニット
7 アンテナ
8 RFIDチップ
9 A/D変換器
10 センサ駆動用電源
11 分周器
12 CMCセンサ
13 検出器
14 RFID通信部
15 CPU
16 ネットワーク通信部
17 メモリ
18 クロック
19 電源部
20 同調回路
21 整流回路
22 クロック生成回路
23 変復調回路
24 電源回路
25 充電用コンデンサ
26 ロジック回路
27 FRAM
28 A/D変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ内蔵型CMCセンサにあっては、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信し、該コマンド信号に対応してセンサデータの解析及び記録処理と該処理にて得られた計測データの伝送制御を行うセンサ入力端子付きRFIDタグと、前記リーダーから送信されるキャリア信号を受信し、該キャリア信号を分周器にて分周して得られた変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサと該CMCセンサより出力される信号を適性レベルのセンサデータに変換する検出器にて成るCMCセンサユニットとにて構成し、当該RFIDタグ内蔵型CMCセンサ内でセンサ信号処理を行い、RFIDタグ通信にて計測データを前記リーダーに送信することにより、システム構築を簡素化して身体の体温,脈拍,血圧等を容易に計測することができることを特徴とした、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項2】
上記センサ入力端子付きRFIDタグは、リーダーから送信されるRFIDタグ通信用のコマンド信号を受信するためのアンテナ及びRFIDチップと、CMCセンサ及び検出器にセンサ駆動用電源を供給するための電源回路と、前記CMCセンサ及び検出器にて得られたセンサデータの解析処理を行うためのA/D変換器とにて構成することを特徴とした、請求項1に記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項3】
上記CMCセンサユニットは、リーダーから送信されるキャリア信号を受信するためのアンテナ及び前記キャリア信号を分周して変調信号を得るための分周器と、前記変調信号により微少変化のセンシングを行うCMCセンサと、前記CMCセンサより出力される位相差信号又は電位差信号より適性レベルのセンサデータを出力する検出器とにて構成することを特徴とした、請求項1に記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項4】
RFIDタグ内蔵型CMCセンサを用いた計測システムにあっては、リーダー及び当該リーダーと無線通信を行うことにより計測データの伝送が行える1個乃至複数のRFIDタグ内蔵型CMCセンサにて構成したものを1ユニットとし、システムの規模により1ユニット乃至複数ユニットをネットワークに接続して構成することを特徴とした、請求項1から3の何れかに記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項5】
上記リーダーは、RFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のセンサ入力端子付きRFIDタグ間との無線通信及びCMCセンサの駆動を行うためのRFID通信部と、外部ネットワークと通信を行うためのネットワーク通信部と、前記各通信部の制御を行うためのCPUと、メモリ,クロック及び電源部とにて構成することを特徴とした、請求項1から4の何れかに記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項6】
リーダーとRFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のセンサ入力端子付きRFIDタグ間との無線通信及びRFIDタグ内蔵型CMCセンサ内のCMCセンサの駆動に用いるキャリアは、RFID通信用として電波法で定められた周波数及び電波送信レベルを使用することを特徴とした、請求項1から5の何れかに記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。
【請求項7】
センサ入力端子付きRFIDタグがバッテリーレス型であることを特徴とした、請求項1から6の何れかに記載のRFIDタグ内蔵型CMCセンサ及び計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−204233(P2008−204233A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40530(P2007−40530)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(394007610)株式会社テルヤ (30)
【出願人】(301046617)ペガサスネット株式会社 (34)
【出願人】(501360979)
【Fターム(参考)】