U字溝切断装置
【課題】サイズが異なる場合でも、切断刃を交換するだけで容易に切断できるU字溝切断装置の提供。
【解決手段】U字溝2内に収納されるレール3と、レール3上を走行可能な架台5上に切断機本体6を設け、切断機本体6は切断刃61を回転駆動する切断制御機構69と、切込駆動装置7とを有し、切断制御機構69は切断刃駆動用電動機62の回転速度計測手段691と滑り周波数演算機692と周波数演算器694と、ギャップ磁束数が一定となる値が予め入力されている電圧演算器695とを備え、さらに、切断刃61のサイズに対応できる周波数設定器696と、滑り周波数演算器692の滑り周波数と電動機回転速度とを加える加算器697とを設け、加算器697と周波数設定器696との出力を周波数演算器694と電圧演算器695に入力し、周波数演算器694と電圧演算器695からの出力を指令値として、インバータ693で誘導電動機62を駆動する。
【解決手段】U字溝2内に収納されるレール3と、レール3上を走行可能な架台5上に切断機本体6を設け、切断機本体6は切断刃61を回転駆動する切断制御機構69と、切込駆動装置7とを有し、切断制御機構69は切断刃駆動用電動機62の回転速度計測手段691と滑り周波数演算機692と周波数演算器694と、ギャップ磁束数が一定となる値が予め入力されている電圧演算器695とを備え、さらに、切断刃61のサイズに対応できる周波数設定器696と、滑り周波数演算器692の滑り周波数と電動機回転速度とを加える加算器697とを設け、加算器697と周波数設定器696との出力を周波数演算器694と電圧演算器695に入力し、周波数演算器694と電圧演算器695からの出力を指令値として、インバータ693で誘導電動機62を駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製のU字溝で、内幅長と側壁の厚さが異なるU字溝の上面に、グレーティングを含む溝蓋やその他の載置物(以下単に溝蓋等という)を載置・収納するための載置面を形成するためのU字溝切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の用水路は、コンクリート製のU字溝と呼ばれている排水溝によって完全に整備されつつある。併し、この様なU字溝の、特に早い時代に整備されたものは、その殆どが開放型のものであり、その上部をグレーティングや溝蓋等によって覆うことはなされていないことが多い。ところが、交通量が多くなってくると、開放型のU字溝は安全の確保とともに、路面拡張に資することが要望されるようになってきた。
更に、このU字溝は、製造当初は溝蓋を載置することを予定していないものであったため、このU字溝の上面に溝蓋を載置するためには、U字溝の周囲を掘り起こし、U字溝上方の形状を変更するべき箇所の型枠が設置できるような空間を確保した後、U字溝の上部の切除、型枠の設置、新規上部形状の形成のためのコンクリートの打設と、多岐に亘る作業を必要とするため、多額の費用と手間、さらには短からぬ工期を費やしていた。
【0003】
ここで、U字溝ブロックの切断作業用の油圧源を外部の小型のショベル系の掘削作業機から供給を受けるU字溝切断用アタッチメントが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
然るに、前記装置(アタッチメント)の提案目的は、専ら、不要になったU字溝を処理する為、そのU字溝内をコンクリートや土砂で埋めてその上を蓋で覆う際に、そのU字溝の上部を切断する装置の提案である。
その装置は、整地作業を含めて全体の作業を考える場合は効果的と思われるが、切断作業自体は、作業性も悪く、作業能率も良いとは言えない。また、U字溝の内幅長が異なる場合(例えば、内幅長300〜750mm)には、それぞれに、サイズに合った、性能的にも異なる別のアタッチメントを用意しないと対応できない。また、U字溝の内幅長が小さく(例えば、内幅長300mm)且つ側壁が厚い場合(例えば、100〜200mm)には切断刃固有の最大切断深さの関係から完全に切断することが難しく、更にU字溝の両側壁の切断位置の高さや水平度等を保つことが難しいという問題もある。
【0005】
また、別の従来技術の一つとして、既設のU字溝そのものを利用して、載置段部を構成する垂直方向の切れ込みを正しい位置で、しかもそのU字溝の長手方向に沿って自動的に載置段部を形成する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
然るに、該装置は、電動のコンクリートカッターで、U字溝の上部を、それぞれ、垂直、水平及び斜めに切断出来るが、内幅長と側壁厚が上記の様に異なる場合のU字溝の切断作業は、サイズに合った切断刃との交換と、これに伴う駆動装置の変更(モータの出力アップや減速機の減速比の変更等)が必要になるという問題がある。
【特許文献1】特開2002−225027公報
【特許文献2】特開2000−1836公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、U字溝の内幅長と側壁厚が異なる場合にも、モータの出力アップを行わずに、切断刃を交換するだけで側壁の上部を完全に且つ容易に切断でき、更に、スペースを取らずコンパクトで、しかも、騒音値が低く抑えることが出来ると共に、給水及び廃水処理が簡単に行うことの出来るU字溝切断装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、U字溝の両側壁の切断位置の高さ及び水平度を所定の水準に保つことの出来るU字溝切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、溝蓋等を載置するためにU字溝2の上部に載置部を形成するU字溝切断装置において、該U字溝2内に収納されるレール3と、該レール3を位置決めするジャッキ4と、該レール3上に走行自在に設けた架台5とを備え、該架台5上には切断機本体6が設置され、該切断機本体6は切断刃61を回転駆動するための切断制御機構69と、切断機本体6がレール3により走行させるための送り駆動装置8と、前記切断刃61でU字溝2の内側上部に切込みを行なうための切込駆動装置7とを有し、前記切断制御機構(69)は切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する回転速度計測手段691とトルク特性を決定する滑り周波数演算器692とインバータ693の周波数を決定する周波数演算器694と、前記電動機62の励磁インダクタンスによって作られるギャップ磁束数が常に一定となるV/f値が予め回路中に入力されている電圧演算器695とを備え、さらに、使用条件によって最高速度の周波数を設定して切断刃61のサイズに対して切断刃61の適正周速に対応できる周波数設定器696と、前記の電動機62の回転速度からの滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機回転速度とを加える加算器697とを設け、該加算器697からの加算値と前記周波数設定器696で設定された最高速度の周波数とは前記周波数演算器694と電圧演算器695に入力され、前記電動機62は誘導電動機であって、前記周波数演算器694と電圧演算器695からの演算出力を前記インバータ693の周波数指令値および電圧指令値とする可変周波数インバータで高速回転で駆動され、その電動機62に接続された減速機63を有している。
【0009】
本発明の実施に際し、溝蓋等を載置するために、U字溝2の上部21uに載置部を形成するU字溝切断装置1において、該U字溝2内に配置されるレール3と該レール3に係合しつつレール3上を移動可能に設けられた架台5と該架台上5に設置されU字溝2の上部21uを完全に切断する切断機本体6と前記架台上5に設置され前記切断機本体6の先端部を左右に揺動させ前記U字溝2の上部21uの内側から切り込みを形成する切込み駆動装置7と前記架台上5に設置されU字溝切断装置1全体を前記レール3に沿って移動させる送り駆動装置8とから構成され、前記レール3はレール3を支持しレール3の位置を決定するジャッキ4を備え、前記切断機本体6は切断機本体6の先端部に複数の大きさの異なる切断刃の内の何れかの切断刃61を選択して回転可能に取付け該切断刃61を回転駆動させる切断刃駆動用電動機62と切断制御機構69を備え、前記切込み駆動装置7は前記切断機本体6を取り付けた旋回台71と該旋回台71を旋回させる切込み用電動機72を備え、前記送り駆動装置8は前記レール3に係合して前記架台5を前記レール3に沿って案内するガイドローラ81とガイドレールに係合する回転体を回転駆動させる送り用電動機82とを備え、前記切断機本体6の切断制御機構69は前記切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する回転速度計測手段(速度センサ691)と切断刃駆動用電動機62のトルク特性を決定する滑り周波数演算器692とインバータ693と該インバータ693の周波数を決定する周波数演算器694とインバータ693に入力する電圧を演算する電圧演算器695と切断制御機構69に入力する電流・電圧の周波数を設定する周波数設定器696と前記滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機速度を加え合わせる加算器697とを有し、前記電圧演算器695は該演算器695の回路中に前記電動モータ62の励磁インダクタンスによって形成されるギャップ磁束数が常に一定となるようにV/f値が予め入力されており、当該切断制御機構69は前記周波数設定器696によって取付けたカッター61の直径及び使用条件に対応した最高速度の周波数を設定して該周波数に対応する電流を前記インバータ693に入力するとともに、前記電動モータ62の回転速度を前記速度検出器691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御する様に構成される。
【0010】
ここで、前記切断刃駆動用電動機62を冷却するための冷却水は、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記切断機本体6は切断機本体6の先端部に複数の大きさの異なる切断刃の内の何れかの切断刃61を選択して回転可能に取付けられている上、切断機本体6の切断制御機構69によって、U字溝2の内幅長と側壁の厚さが異なる場合にも、カッター駆動用電動機62の出力アップを行わずに、切断刃61を交換するだけで、U字溝2の側壁の上部21uを完全に切断出来る。
【0012】
U字溝2の内幅Lが狭く、側壁厚さTが厚過ぎる場合でも、切込時に数種類の切断刃61を段階的に取替る事により、その後は、最大径の切断刃61にて、連続的に且つ完全な切断作業を行うことが出来る。
その際、各直径の切断刃61毎にその切断刃61に対応した最高速度の周波数を設定してその周波数に対応する電流をインバータ693に入力するとともに、電動モータ62の回転速度を前記速度検出器691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御するので、最も効率の良い切断が可能となる。
【0013】
更に、カッター駆動用電動機62は水冷方式を採用し、且つ、高速回転で密閉式であるため冷却水を、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することにより、給水、廃水の設備も簡素化出来、加えて、給水、排水に要する動力源の大きさを縮小することが出来、騒音値も低く抑えることが出来るので環境上の問題も解決できると共に、狭いU字溝内でスペースを取らず、コンパクトに収めることが出来るという効果がある。
【0014】
また、レール3はジャッキ4によって支持されており、そのジャッキ4を調節することにより、U字溝2の両側壁21の切断位置の高さ及び水平度を所定の水準に容易に保つことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1と図2は、夫々、本発明の実施形態のU字溝切断装置の構成を示す平面図および正面図である。
【0017】
図1及び図2において、全体を符号1で示すU字溝切断装置は、大きなユニット単位としては、図3に断面を示すU字溝2内に配置されるレール3と、該レール3に係合しつつレール3上を移動可能に設けられた架台5と、該架台5上に設置されU字溝2の内側21上部を部分的に切断(21u;図3参照)する切断機本体6と、前記架台5上に設置され前記切断機本体6の先端部を左右に揺動させU字溝2の内側21上部に切り込みを形成する切込み駆動装置7と、前記架台5上に設置されU字溝切断装置1全体を前記レール3に沿って移動させる送り駆動装置8とから構成されている。
なお、図3において、符号Lは内幅長を、符号21は内側側部を、符号21uは内側上部を、符号Tは側壁の厚みを示す。
【0018】
前記レール3は、図10に詳細断面形状を示すように、例えば、角鋼管31とその角鋼管31の両側面31a,31aに溶接によって接合された1対の等辺山形鋼32,32とで構成され、そのレール3を構成する角鋼管31の底面は図示の例では1対のジャッキ4(図1及び図2でも図示)の各々の中央固定部41の上面に固着されている。
【0019】
ジャッキ4は、中央固定部41とその中央固定部41から左右両方向に伸縮する伸縮部42、42と、その伸縮部42,42の両先端の押圧部材43,43とで構成され、前記伸縮部42に伸張方向の力を与えることで、左右双方の押圧部43,43がU字溝2の内部側面21の高さ方向の所定の位置を押圧して、ジャッキ4及びジャッキ4に固着したレール3のU字溝2の内部側面21の高さ方向における位置が決定されるように構成されている。
【0020】
図4は、前記切断機(以降、切断機をカッターと言う)本体6の平面詳細図で、図5は、図4の側面図を示す。図4及び図5において、カッター本体6は、複数種類の直径を有し交換可能な円盤状切断刃61と、その切断刃61を回転駆動させる切断刃駆動用モータ62と、その切断刃駆動用モータ62の回転数を落とすための減速機63と、一端が減速機63に接続され、減速機63の回転方向を直角に変換する回転方向変換機63Cと、回転方向変換機63Cの他端に接続され、切断刃軸65を収容する切断刃コラム64とを備え、前記切断刃61は切断刃軸65の先端に取付けられている。
【0021】
従って、切断刃駆動用モータ62を回転させると、回転速度は前記減速機63によって減速され、回転方向変換機63Cによってモータ62の水平軸周りの回転方向が、垂直軸周りの回転方向に変換され、垂直に配置された切断刃軸65に回転力が伝達される。
【0022】
前記切断刃駆動用モータ62の胴部には図示しない冷却水供給ラインから冷却水を供給するための給水口62a及びモータ62の冷却が終わった冷却水が排水される排水口62bが形成され、更にその排水口62bは、冷却水ライン(例えばホース)Lwによって前記切断刃コラム64の外周部に形成された給水口64aと接続され、一旦モータ62を冷却した冷却水は再度切断刃コラム64及び切断刃軸65を介して、切断刃61を冷却する様に構成されている。
【0023】
前記架台5(図4及び図5では示していない;図2参照)の先端で、且つ切断刃61の下方に配置された切断刃カバー用架台67が架台5の先端に取付けられており、その切断刃カバー用架台67には、前記切断刃コラム64の図示左方側には切断刃カバー68Aが、図示していないブラケットによって取付けられ、前記切断刃コラム64の図示右方側には切断刃カバー68Bが図示していないブラケットによって取付けられている。
【0024】
また、切断刃カバー68Aは、図示の左端側にヒンジ68hを有しており、カバーの右側の端部、即ち切断刃コラム64側が上方に持ち上げられて開放されるように構成されている。一方、カッターカバー68Bは、図示の右端側にヒンジ(図示していない)を有しており、左側の端部、即ち切断刃コラム64側が上方に持ち上げられて開放されるように構成されている。
【0025】
切断刃カバー68Aの左端側及びカッターカバー68Bの右端側には前記冷却水で切断刃の冷却が終わった冷却水を排出する排水口68bが設けられている。冷却後の廃水は、切断刃カバー68A,68Bの排水口68bより、図示しない排水ポンプ等により吸引され処理される。
【0026】
図2及び図5における符号81はガイドローラを示し、符号85はそのガイドローラ81を軸支するとともに、架台5及び切断刃カバー用架台67に立設して架台5及び切断刃カバー架台67を、ガイドローラ81を以って前記レール3に沿って移動可能に前記レール3に係合せしめる架台脚を示している。
尚、ガイドローラ81と前記レール3との係合の形態については図10を参照して後述する。
【0027】
次に、図6を参照して、切込み駆動装置7について説明する。
切込み駆動装置7は、前記カッター本体6の基盤6Bの後端底部6Baを取り付けた旋回台71と、切込用モータ72と、減速機73と、旋回台71及び減速機73を支持する取付け基台74を備えている。そして、該取付け基台74はボルトBによって前記架台5に固定されている。
【0028】
前記旋回台71の内部には、図示しない旋回軸、軸受が内蔵され、切込用モータ72の回転は、減速機73を介して、旋回台71の旋回軸に伝えられ、連結されたカッター本体6を旋回させ、及びカッター本体6の先端に取り付けられた切断刃61を旋回させ、前記U字溝2の内側21上部の切込み21uを行う。
ここで、前記切断刃3は約180度旋回(首振り)出来るので、U字溝2の内側の両側面21を切削出来、切込み操作の切断限界は、図示しない、それぞれのリミットスイッチにより制限される構造になっている。
【0029】
次に、図7〜図10を参照して、送り駆動装置8について説明する。
送り駆動装置8は前記レール3に係合して前記架台5及び切断刃カバー架台67(図7〜図10では省略して描いている)をレール3に沿って案内するガイドローラ81と、送り用電動機82と、該電動機82の回転速度を減速する減速機83とを備えている。
【0030】
送り用電動機82と減速機83とは公知の手段によって接続され、減速機83で送り用電動機82側の反対側(出力軸側)が前記架台5に公知の手段によって取付けられている。
【0031】
一方、ガイドローラ81は架台5及び切断刃カバー架台67(図7〜図10では省略して描いている)から下方に延在する架台脚85の先端に回転自在に軸支されている。図10に示すように、ガイドローラ81のプロフィルは、円柱の一部が楔状に括れており、その楔状の括れの最深部が、ガイドレール3の等辺山形鋼32の三角の頂部に係合するように配置されている。
【0032】
図9に示すように、前記減速機83の出力軸83Sの先端には、接続部材Jを介してスプロケットホイール84が取付けられ、図示の例では、図示しない駆動チェーンがそのスプロケットホイール84に係合している。
ここで、装置全体の走行速度は、切替装置により切断時と切断無し時に切替られ、移動時の速度を考慮して決定されている。
【0033】
次に、カッター本体6の切断制御機構69について図11を参照して説明する。
切断制御機構69は、前記切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する速度センサ691と、切断刃駆動用電動機62のトルク特性を決定する滑り周波数演算器692と、インバータ693と、該インバータ693の周波数を決定する周波数演算器694と、インバータ693に印加する電圧を演算する電圧演算器695と、切断制御機構69に入力する電流・電圧の周波数を設定する周波数設定器696と、前記滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機速度を加え合わせる加算器697とから構成されている。
【0034】
前記電圧演算器695は該演算器695の回路中に前記電動モータ62の励磁インダクタンスによって形成されるギャップ磁束数が常に一定となるようにV/f値が予め入力されている。
【0035】
切断制御機構69は前記周波数設定器696によって取付けたカッター61の直径及び使用条件に対応した最高速度の周波数を設定して該周波数の電流を前記インバータ693に入力するとともに、前記電動モータ62の回転速度を前記速度センサ691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御する。
【0036】
次に、図12に基づいて、本実施形態のカッター本体6の駆動用電動機62と従来技術の汎用カッターとの特性を比較する。
【0037】
図12の実線の特性線A1〜A5は、本実施形態においてインバータ制御の3相200Vで、インバータ入口の定格電流17.5Aを設定し、減速比1/5の減速機63を用いたときの駆動用電動機62の負荷トルク特性を示す。この特性線図A1〜A5によれば、負荷トルクが変わっても、回転数は常に一定という特性を示す。
一方、破線で示す従来技術の汎用カッターの特性曲線Bは切断刃の周速35m/secの時の回転数に対する負荷トルクの特性曲線を示す。
また、一点鎖線Cは、前記本実施形態の特性曲線上の定格電流(インバータ入口電流)の値を示す点を結んだ曲線を示す。
【0038】
従来技術の汎用カッターの周速は、コンクリート切削では、通常35〜40m/secが最も切削効率が良いとされており、前述の様に本実施形態では負荷トルクが変わっても、切断刃の回転数が常に一定に保たれる(即ち、周速が35m/secで一定である)ので、本実施形態のカッター本体6は、最も良い条件で切削出来ることを示す。カッターの切断速度を更に上げる為、定格電流の限界以下であれば、負荷トルクを上げても良い。
【0039】
次に、U字溝全幅切断作業の方法について、次の2つの例を挙げて、図3及び図13〜図16を参照して説明する。
【0040】
先ず、切断刃61がU字溝2の内幅長L(図3参照)よりやや小さく、側壁21の厚さT(図3参照)が、下表の切断刃の最大切削深さ以内にある場合の第1例について説明する。一般に、コンクリートカッターの切断刃の最大切削深さは次のようになっている。
切断刃径 最大切削深さ(W)
吋 mm
10 70
12 95
14 120
16 145
18 170
従って、切断刃61がU字溝2内に挿入出来る時は、切断厚さは、それぞれの切断刃径に対する最大切削深さまでは完全に切断できる。
しかし、例えば、U字溝2の内幅長Lが300mmで側壁の厚みが100mmの場合、切断刃径は10吋しか使用できないが、この場合の完全に切断できる側壁の厚さTは上表から70mmであるので、本発明の技術的範囲であるU字溝の全幅は切断出来ないことになる。
【0041】
次に、第2例について説明する。
先ず、U字溝2の内幅長Lが300mmで、側壁厚さTが170mmと仮定すると、切断刃径10吋しか使用できないが、14吋、18吋と切断刃を順次交換することで、切断能力の低下なく完全に切断することが出来る。
【0042】
次に、第2例の切断作業の一例について図13〜図16に基づいて説明する。図13は、切断時の第1ステップ、図13は第2ステップ、図14は第3ステップを示し、図15は、それぞれ(図12〜図14)のハツリ(斜線部)作業の状況図を示す。
【0043】
具体例として、U字溝の内幅長Lが300mmで、側壁厚さTが170mmの場合の最も効率的で具体的な切断操作について説明する。
【0044】
先ず、第1ステップ(図12)で、10吋の切断刃61を装着し、電源を入れ、切断刃駆動用モータ62の回転数を設定(例えば、図9で2300r/min)した後、切断刃駆動用モータ62を起動し、U字溝2の側壁21の片側の切り込みを始める。この場合、切り込み速度は、インバータ入口電流は定格以下になるように調整する。最大切込深さ(例えば、70mm)に達したら、切り込み駆動装置は自動的に停止する(リミットスイッチ作動)。
【0045】
次いで、送り駆動装置8を駆動し、所定の長さ(例えば1m)切削する(矢印Y1の方向)。この切削中も、前記入口電流は定格以下に保つ様に調整する。切削後は電源を停止する。
次いで、反対側の側壁21についても同様の操作により切り込みを入れる(矢印Y2の方向)。
【0046】
両側の切り込みが終わったら、切断刃61をU字溝2の中央部に戻した後、切断面の上部のコンクリート部を、14吋の切断刃61が入るように、所定の長さ(例えば500mm)をハツル(図16のハッチング部D1)。
【0047】
次いで、14吋(図13参照)、18吋(図14参照)と同様の操作を行う(図13〜図15参照;矢印Y3〜Y6まで)。
【0048】
最終ハツリ作業(図16のハッチング部D1〜D3)が終われば、18吋を装着して、以後は、連続して、定格電流以下に保ちながら切断作業を続けることが出来る(図12の特性線A1参照)。
【0049】
上述したような実施形態のU字溝切断装置1によれば、U字溝2の内幅長Lが狭く、それに比べて側壁の厚さTが厚い場合の切断作業は、小さな直径の切断刃61から逐次大きな直径の切断刃61に段階的に取替る事により、その後は、最大径の切断刃にて、連続的に且つ効果的な切断作業を行うことが出来る。
【0050】
更に、カッター駆動用電動機62を冷却するための冷却水を、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することにより、給水、廃水の設備も簡素化出来、加えて、給水、排水に要する動力源の大きさを縮小することが出来、騒音値も低く抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例U字溝切断装置の構成を示す平面図。
【図2】図1に対応する側面図。
【図3】U字溝の断面図。
【図4】本発明の実施形態における切断機本体の平面図の正面図。
【図5】図4に対応する側面図。
【図6】本発明の実施形態における切込み駆動装置の側面図。
【図7】本発明の実施形態における送り駆動装置の平面図。
【図8】図7のA−A断面矢視図。
【図9】図7のB−B断面矢視図。
【図10】図7のC−C断面矢視図。
【図11】本発明の実施形態における切断制御機構の構成を示したブロック図。
【図12】本発明の実施形態における切断機本体と従来技術の汎用カッターの特性を比較した特性図。
【図13】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が10吋の場合の図。
【図14】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が14吋の場合の図。
【図15】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が18吋の場合の図。
【図16】本実施例のハツリ作業説明図で最終段階での切断刃の直径が10吋〜18吋を同時に示した図。
【符号の説明】
【0052】
1・・・U字溝切断装置
2・・・U字溝
3・・・レール
4・・・ジャッキ
5・・・架台
6・・・切断機本体/カッター本体
7・・・切込駆動装置
8・・・送り駆動装置
61・・・切断刃
62・・・切断刃駆動用電動機/切断駆動用モータ
63・・・減速機
71・・・旋回台
72・・・切込み用電動機/切込用モータ
73・・・減速機
81・・・ガイドローラ
82・・・送り用電動機/送り用モータ
83・・・減速機
84・・・スプロケット
85・・・架台脚
691・・・回転速度計測手段/速度センサ
692・・・滑り周波数演算器
693・・・インバータ
694・・・周波数演算器
695・・・電圧演算器
696・・・周波数設定器
697・・・加算器
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製のU字溝で、内幅長と側壁の厚さが異なるU字溝の上面に、グレーティングを含む溝蓋やその他の載置物(以下単に溝蓋等という)を載置・収納するための載置面を形成するためのU字溝切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の用水路は、コンクリート製のU字溝と呼ばれている排水溝によって完全に整備されつつある。併し、この様なU字溝の、特に早い時代に整備されたものは、その殆どが開放型のものであり、その上部をグレーティングや溝蓋等によって覆うことはなされていないことが多い。ところが、交通量が多くなってくると、開放型のU字溝は安全の確保とともに、路面拡張に資することが要望されるようになってきた。
更に、このU字溝は、製造当初は溝蓋を載置することを予定していないものであったため、このU字溝の上面に溝蓋を載置するためには、U字溝の周囲を掘り起こし、U字溝上方の形状を変更するべき箇所の型枠が設置できるような空間を確保した後、U字溝の上部の切除、型枠の設置、新規上部形状の形成のためのコンクリートの打設と、多岐に亘る作業を必要とするため、多額の費用と手間、さらには短からぬ工期を費やしていた。
【0003】
ここで、U字溝ブロックの切断作業用の油圧源を外部の小型のショベル系の掘削作業機から供給を受けるU字溝切断用アタッチメントが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
然るに、前記装置(アタッチメント)の提案目的は、専ら、不要になったU字溝を処理する為、そのU字溝内をコンクリートや土砂で埋めてその上を蓋で覆う際に、そのU字溝の上部を切断する装置の提案である。
その装置は、整地作業を含めて全体の作業を考える場合は効果的と思われるが、切断作業自体は、作業性も悪く、作業能率も良いとは言えない。また、U字溝の内幅長が異なる場合(例えば、内幅長300〜750mm)には、それぞれに、サイズに合った、性能的にも異なる別のアタッチメントを用意しないと対応できない。また、U字溝の内幅長が小さく(例えば、内幅長300mm)且つ側壁が厚い場合(例えば、100〜200mm)には切断刃固有の最大切断深さの関係から完全に切断することが難しく、更にU字溝の両側壁の切断位置の高さや水平度等を保つことが難しいという問題もある。
【0005】
また、別の従来技術の一つとして、既設のU字溝そのものを利用して、載置段部を構成する垂直方向の切れ込みを正しい位置で、しかもそのU字溝の長手方向に沿って自動的に載置段部を形成する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
然るに、該装置は、電動のコンクリートカッターで、U字溝の上部を、それぞれ、垂直、水平及び斜めに切断出来るが、内幅長と側壁厚が上記の様に異なる場合のU字溝の切断作業は、サイズに合った切断刃との交換と、これに伴う駆動装置の変更(モータの出力アップや減速機の減速比の変更等)が必要になるという問題がある。
【特許文献1】特開2002−225027公報
【特許文献2】特開2000−1836公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、U字溝の内幅長と側壁厚が異なる場合にも、モータの出力アップを行わずに、切断刃を交換するだけで側壁の上部を完全に且つ容易に切断でき、更に、スペースを取らずコンパクトで、しかも、騒音値が低く抑えることが出来ると共に、給水及び廃水処理が簡単に行うことの出来るU字溝切断装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、U字溝の両側壁の切断位置の高さ及び水平度を所定の水準に保つことの出来るU字溝切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、溝蓋等を載置するためにU字溝2の上部に載置部を形成するU字溝切断装置において、該U字溝2内に収納されるレール3と、該レール3を位置決めするジャッキ4と、該レール3上に走行自在に設けた架台5とを備え、該架台5上には切断機本体6が設置され、該切断機本体6は切断刃61を回転駆動するための切断制御機構69と、切断機本体6がレール3により走行させるための送り駆動装置8と、前記切断刃61でU字溝2の内側上部に切込みを行なうための切込駆動装置7とを有し、前記切断制御機構(69)は切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する回転速度計測手段691とトルク特性を決定する滑り周波数演算器692とインバータ693の周波数を決定する周波数演算器694と、前記電動機62の励磁インダクタンスによって作られるギャップ磁束数が常に一定となるV/f値が予め回路中に入力されている電圧演算器695とを備え、さらに、使用条件によって最高速度の周波数を設定して切断刃61のサイズに対して切断刃61の適正周速に対応できる周波数設定器696と、前記の電動機62の回転速度からの滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機回転速度とを加える加算器697とを設け、該加算器697からの加算値と前記周波数設定器696で設定された最高速度の周波数とは前記周波数演算器694と電圧演算器695に入力され、前記電動機62は誘導電動機であって、前記周波数演算器694と電圧演算器695からの演算出力を前記インバータ693の周波数指令値および電圧指令値とする可変周波数インバータで高速回転で駆動され、その電動機62に接続された減速機63を有している。
【0009】
本発明の実施に際し、溝蓋等を載置するために、U字溝2の上部21uに載置部を形成するU字溝切断装置1において、該U字溝2内に配置されるレール3と該レール3に係合しつつレール3上を移動可能に設けられた架台5と該架台上5に設置されU字溝2の上部21uを完全に切断する切断機本体6と前記架台上5に設置され前記切断機本体6の先端部を左右に揺動させ前記U字溝2の上部21uの内側から切り込みを形成する切込み駆動装置7と前記架台上5に設置されU字溝切断装置1全体を前記レール3に沿って移動させる送り駆動装置8とから構成され、前記レール3はレール3を支持しレール3の位置を決定するジャッキ4を備え、前記切断機本体6は切断機本体6の先端部に複数の大きさの異なる切断刃の内の何れかの切断刃61を選択して回転可能に取付け該切断刃61を回転駆動させる切断刃駆動用電動機62と切断制御機構69を備え、前記切込み駆動装置7は前記切断機本体6を取り付けた旋回台71と該旋回台71を旋回させる切込み用電動機72を備え、前記送り駆動装置8は前記レール3に係合して前記架台5を前記レール3に沿って案内するガイドローラ81とガイドレールに係合する回転体を回転駆動させる送り用電動機82とを備え、前記切断機本体6の切断制御機構69は前記切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する回転速度計測手段(速度センサ691)と切断刃駆動用電動機62のトルク特性を決定する滑り周波数演算器692とインバータ693と該インバータ693の周波数を決定する周波数演算器694とインバータ693に入力する電圧を演算する電圧演算器695と切断制御機構69に入力する電流・電圧の周波数を設定する周波数設定器696と前記滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機速度を加え合わせる加算器697とを有し、前記電圧演算器695は該演算器695の回路中に前記電動モータ62の励磁インダクタンスによって形成されるギャップ磁束数が常に一定となるようにV/f値が予め入力されており、当該切断制御機構69は前記周波数設定器696によって取付けたカッター61の直径及び使用条件に対応した最高速度の周波数を設定して該周波数に対応する電流を前記インバータ693に入力するとともに、前記電動モータ62の回転速度を前記速度検出器691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御する様に構成される。
【0010】
ここで、前記切断刃駆動用電動機62を冷却するための冷却水は、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記切断機本体6は切断機本体6の先端部に複数の大きさの異なる切断刃の内の何れかの切断刃61を選択して回転可能に取付けられている上、切断機本体6の切断制御機構69によって、U字溝2の内幅長と側壁の厚さが異なる場合にも、カッター駆動用電動機62の出力アップを行わずに、切断刃61を交換するだけで、U字溝2の側壁の上部21uを完全に切断出来る。
【0012】
U字溝2の内幅Lが狭く、側壁厚さTが厚過ぎる場合でも、切込時に数種類の切断刃61を段階的に取替る事により、その後は、最大径の切断刃61にて、連続的に且つ完全な切断作業を行うことが出来る。
その際、各直径の切断刃61毎にその切断刃61に対応した最高速度の周波数を設定してその周波数に対応する電流をインバータ693に入力するとともに、電動モータ62の回転速度を前記速度検出器691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御するので、最も効率の良い切断が可能となる。
【0013】
更に、カッター駆動用電動機62は水冷方式を採用し、且つ、高速回転で密閉式であるため冷却水を、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することにより、給水、廃水の設備も簡素化出来、加えて、給水、排水に要する動力源の大きさを縮小することが出来、騒音値も低く抑えることが出来るので環境上の問題も解決できると共に、狭いU字溝内でスペースを取らず、コンパクトに収めることが出来るという効果がある。
【0014】
また、レール3はジャッキ4によって支持されており、そのジャッキ4を調節することにより、U字溝2の両側壁21の切断位置の高さ及び水平度を所定の水準に容易に保つことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1と図2は、夫々、本発明の実施形態のU字溝切断装置の構成を示す平面図および正面図である。
【0017】
図1及び図2において、全体を符号1で示すU字溝切断装置は、大きなユニット単位としては、図3に断面を示すU字溝2内に配置されるレール3と、該レール3に係合しつつレール3上を移動可能に設けられた架台5と、該架台5上に設置されU字溝2の内側21上部を部分的に切断(21u;図3参照)する切断機本体6と、前記架台5上に設置され前記切断機本体6の先端部を左右に揺動させU字溝2の内側21上部に切り込みを形成する切込み駆動装置7と、前記架台5上に設置されU字溝切断装置1全体を前記レール3に沿って移動させる送り駆動装置8とから構成されている。
なお、図3において、符号Lは内幅長を、符号21は内側側部を、符号21uは内側上部を、符号Tは側壁の厚みを示す。
【0018】
前記レール3は、図10に詳細断面形状を示すように、例えば、角鋼管31とその角鋼管31の両側面31a,31aに溶接によって接合された1対の等辺山形鋼32,32とで構成され、そのレール3を構成する角鋼管31の底面は図示の例では1対のジャッキ4(図1及び図2でも図示)の各々の中央固定部41の上面に固着されている。
【0019】
ジャッキ4は、中央固定部41とその中央固定部41から左右両方向に伸縮する伸縮部42、42と、その伸縮部42,42の両先端の押圧部材43,43とで構成され、前記伸縮部42に伸張方向の力を与えることで、左右双方の押圧部43,43がU字溝2の内部側面21の高さ方向の所定の位置を押圧して、ジャッキ4及びジャッキ4に固着したレール3のU字溝2の内部側面21の高さ方向における位置が決定されるように構成されている。
【0020】
図4は、前記切断機(以降、切断機をカッターと言う)本体6の平面詳細図で、図5は、図4の側面図を示す。図4及び図5において、カッター本体6は、複数種類の直径を有し交換可能な円盤状切断刃61と、その切断刃61を回転駆動させる切断刃駆動用モータ62と、その切断刃駆動用モータ62の回転数を落とすための減速機63と、一端が減速機63に接続され、減速機63の回転方向を直角に変換する回転方向変換機63Cと、回転方向変換機63Cの他端に接続され、切断刃軸65を収容する切断刃コラム64とを備え、前記切断刃61は切断刃軸65の先端に取付けられている。
【0021】
従って、切断刃駆動用モータ62を回転させると、回転速度は前記減速機63によって減速され、回転方向変換機63Cによってモータ62の水平軸周りの回転方向が、垂直軸周りの回転方向に変換され、垂直に配置された切断刃軸65に回転力が伝達される。
【0022】
前記切断刃駆動用モータ62の胴部には図示しない冷却水供給ラインから冷却水を供給するための給水口62a及びモータ62の冷却が終わった冷却水が排水される排水口62bが形成され、更にその排水口62bは、冷却水ライン(例えばホース)Lwによって前記切断刃コラム64の外周部に形成された給水口64aと接続され、一旦モータ62を冷却した冷却水は再度切断刃コラム64及び切断刃軸65を介して、切断刃61を冷却する様に構成されている。
【0023】
前記架台5(図4及び図5では示していない;図2参照)の先端で、且つ切断刃61の下方に配置された切断刃カバー用架台67が架台5の先端に取付けられており、その切断刃カバー用架台67には、前記切断刃コラム64の図示左方側には切断刃カバー68Aが、図示していないブラケットによって取付けられ、前記切断刃コラム64の図示右方側には切断刃カバー68Bが図示していないブラケットによって取付けられている。
【0024】
また、切断刃カバー68Aは、図示の左端側にヒンジ68hを有しており、カバーの右側の端部、即ち切断刃コラム64側が上方に持ち上げられて開放されるように構成されている。一方、カッターカバー68Bは、図示の右端側にヒンジ(図示していない)を有しており、左側の端部、即ち切断刃コラム64側が上方に持ち上げられて開放されるように構成されている。
【0025】
切断刃カバー68Aの左端側及びカッターカバー68Bの右端側には前記冷却水で切断刃の冷却が終わった冷却水を排出する排水口68bが設けられている。冷却後の廃水は、切断刃カバー68A,68Bの排水口68bより、図示しない排水ポンプ等により吸引され処理される。
【0026】
図2及び図5における符号81はガイドローラを示し、符号85はそのガイドローラ81を軸支するとともに、架台5及び切断刃カバー用架台67に立設して架台5及び切断刃カバー架台67を、ガイドローラ81を以って前記レール3に沿って移動可能に前記レール3に係合せしめる架台脚を示している。
尚、ガイドローラ81と前記レール3との係合の形態については図10を参照して後述する。
【0027】
次に、図6を参照して、切込み駆動装置7について説明する。
切込み駆動装置7は、前記カッター本体6の基盤6Bの後端底部6Baを取り付けた旋回台71と、切込用モータ72と、減速機73と、旋回台71及び減速機73を支持する取付け基台74を備えている。そして、該取付け基台74はボルトBによって前記架台5に固定されている。
【0028】
前記旋回台71の内部には、図示しない旋回軸、軸受が内蔵され、切込用モータ72の回転は、減速機73を介して、旋回台71の旋回軸に伝えられ、連結されたカッター本体6を旋回させ、及びカッター本体6の先端に取り付けられた切断刃61を旋回させ、前記U字溝2の内側21上部の切込み21uを行う。
ここで、前記切断刃3は約180度旋回(首振り)出来るので、U字溝2の内側の両側面21を切削出来、切込み操作の切断限界は、図示しない、それぞれのリミットスイッチにより制限される構造になっている。
【0029】
次に、図7〜図10を参照して、送り駆動装置8について説明する。
送り駆動装置8は前記レール3に係合して前記架台5及び切断刃カバー架台67(図7〜図10では省略して描いている)をレール3に沿って案内するガイドローラ81と、送り用電動機82と、該電動機82の回転速度を減速する減速機83とを備えている。
【0030】
送り用電動機82と減速機83とは公知の手段によって接続され、減速機83で送り用電動機82側の反対側(出力軸側)が前記架台5に公知の手段によって取付けられている。
【0031】
一方、ガイドローラ81は架台5及び切断刃カバー架台67(図7〜図10では省略して描いている)から下方に延在する架台脚85の先端に回転自在に軸支されている。図10に示すように、ガイドローラ81のプロフィルは、円柱の一部が楔状に括れており、その楔状の括れの最深部が、ガイドレール3の等辺山形鋼32の三角の頂部に係合するように配置されている。
【0032】
図9に示すように、前記減速機83の出力軸83Sの先端には、接続部材Jを介してスプロケットホイール84が取付けられ、図示の例では、図示しない駆動チェーンがそのスプロケットホイール84に係合している。
ここで、装置全体の走行速度は、切替装置により切断時と切断無し時に切替られ、移動時の速度を考慮して決定されている。
【0033】
次に、カッター本体6の切断制御機構69について図11を参照して説明する。
切断制御機構69は、前記切断刃駆動用電動機62の回転速度を計測する速度センサ691と、切断刃駆動用電動機62のトルク特性を決定する滑り周波数演算器692と、インバータ693と、該インバータ693の周波数を決定する周波数演算器694と、インバータ693に印加する電圧を演算する電圧演算器695と、切断制御機構69に入力する電流・電圧の周波数を設定する周波数設定器696と、前記滑り周波数演算器692で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機速度を加え合わせる加算器697とから構成されている。
【0034】
前記電圧演算器695は該演算器695の回路中に前記電動モータ62の励磁インダクタンスによって形成されるギャップ磁束数が常に一定となるようにV/f値が予め入力されている。
【0035】
切断制御機構69は前記周波数設定器696によって取付けたカッター61の直径及び使用条件に対応した最高速度の周波数を設定して該周波数の電流を前記インバータ693に入力するとともに、前記電動モータ62の回転速度を前記速度センサ691で検出し、その速度の関数である周波数に前記滑り周波数演算器692によって求めた滑り周波数を前記加算器697で加算処理し、その加算値を電圧演算器695及び周波数演算器694を介してインバータ693にフィードバックすることによって電動モータ62の回転速度を制御する。
【0036】
次に、図12に基づいて、本実施形態のカッター本体6の駆動用電動機62と従来技術の汎用カッターとの特性を比較する。
【0037】
図12の実線の特性線A1〜A5は、本実施形態においてインバータ制御の3相200Vで、インバータ入口の定格電流17.5Aを設定し、減速比1/5の減速機63を用いたときの駆動用電動機62の負荷トルク特性を示す。この特性線図A1〜A5によれば、負荷トルクが変わっても、回転数は常に一定という特性を示す。
一方、破線で示す従来技術の汎用カッターの特性曲線Bは切断刃の周速35m/secの時の回転数に対する負荷トルクの特性曲線を示す。
また、一点鎖線Cは、前記本実施形態の特性曲線上の定格電流(インバータ入口電流)の値を示す点を結んだ曲線を示す。
【0038】
従来技術の汎用カッターの周速は、コンクリート切削では、通常35〜40m/secが最も切削効率が良いとされており、前述の様に本実施形態では負荷トルクが変わっても、切断刃の回転数が常に一定に保たれる(即ち、周速が35m/secで一定である)ので、本実施形態のカッター本体6は、最も良い条件で切削出来ることを示す。カッターの切断速度を更に上げる為、定格電流の限界以下であれば、負荷トルクを上げても良い。
【0039】
次に、U字溝全幅切断作業の方法について、次の2つの例を挙げて、図3及び図13〜図16を参照して説明する。
【0040】
先ず、切断刃61がU字溝2の内幅長L(図3参照)よりやや小さく、側壁21の厚さT(図3参照)が、下表の切断刃の最大切削深さ以内にある場合の第1例について説明する。一般に、コンクリートカッターの切断刃の最大切削深さは次のようになっている。
切断刃径 最大切削深さ(W)
吋 mm
10 70
12 95
14 120
16 145
18 170
従って、切断刃61がU字溝2内に挿入出来る時は、切断厚さは、それぞれの切断刃径に対する最大切削深さまでは完全に切断できる。
しかし、例えば、U字溝2の内幅長Lが300mmで側壁の厚みが100mmの場合、切断刃径は10吋しか使用できないが、この場合の完全に切断できる側壁の厚さTは上表から70mmであるので、本発明の技術的範囲であるU字溝の全幅は切断出来ないことになる。
【0041】
次に、第2例について説明する。
先ず、U字溝2の内幅長Lが300mmで、側壁厚さTが170mmと仮定すると、切断刃径10吋しか使用できないが、14吋、18吋と切断刃を順次交換することで、切断能力の低下なく完全に切断することが出来る。
【0042】
次に、第2例の切断作業の一例について図13〜図16に基づいて説明する。図13は、切断時の第1ステップ、図13は第2ステップ、図14は第3ステップを示し、図15は、それぞれ(図12〜図14)のハツリ(斜線部)作業の状況図を示す。
【0043】
具体例として、U字溝の内幅長Lが300mmで、側壁厚さTが170mmの場合の最も効率的で具体的な切断操作について説明する。
【0044】
先ず、第1ステップ(図12)で、10吋の切断刃61を装着し、電源を入れ、切断刃駆動用モータ62の回転数を設定(例えば、図9で2300r/min)した後、切断刃駆動用モータ62を起動し、U字溝2の側壁21の片側の切り込みを始める。この場合、切り込み速度は、インバータ入口電流は定格以下になるように調整する。最大切込深さ(例えば、70mm)に達したら、切り込み駆動装置は自動的に停止する(リミットスイッチ作動)。
【0045】
次いで、送り駆動装置8を駆動し、所定の長さ(例えば1m)切削する(矢印Y1の方向)。この切削中も、前記入口電流は定格以下に保つ様に調整する。切削後は電源を停止する。
次いで、反対側の側壁21についても同様の操作により切り込みを入れる(矢印Y2の方向)。
【0046】
両側の切り込みが終わったら、切断刃61をU字溝2の中央部に戻した後、切断面の上部のコンクリート部を、14吋の切断刃61が入るように、所定の長さ(例えば500mm)をハツル(図16のハッチング部D1)。
【0047】
次いで、14吋(図13参照)、18吋(図14参照)と同様の操作を行う(図13〜図15参照;矢印Y3〜Y6まで)。
【0048】
最終ハツリ作業(図16のハッチング部D1〜D3)が終われば、18吋を装着して、以後は、連続して、定格電流以下に保ちながら切断作業を続けることが出来る(図12の特性線A1参照)。
【0049】
上述したような実施形態のU字溝切断装置1によれば、U字溝2の内幅長Lが狭く、それに比べて側壁の厚さTが厚い場合の切断作業は、小さな直径の切断刃61から逐次大きな直径の切断刃61に段階的に取替る事により、その後は、最大径の切断刃にて、連続的に且つ効果的な切断作業を行うことが出来る。
【0050】
更に、カッター駆動用電動機62を冷却するための冷却水を、当該電動機62を冷却した後に、切削中の切断刃61の冷却水として再び利用することにより、給水、廃水の設備も簡素化出来、加えて、給水、排水に要する動力源の大きさを縮小することが出来、騒音値も低く抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例U字溝切断装置の構成を示す平面図。
【図2】図1に対応する側面図。
【図3】U字溝の断面図。
【図4】本発明の実施形態における切断機本体の平面図の正面図。
【図5】図4に対応する側面図。
【図6】本発明の実施形態における切込み駆動装置の側面図。
【図7】本発明の実施形態における送り駆動装置の平面図。
【図8】図7のA−A断面矢視図。
【図9】図7のB−B断面矢視図。
【図10】図7のC−C断面矢視図。
【図11】本発明の実施形態における切断制御機構の構成を示したブロック図。
【図12】本発明の実施形態における切断機本体と従来技術の汎用カッターの特性を比較した特性図。
【図13】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が10吋の場合の図。
【図14】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が14吋の場合の図。
【図15】本実施例の切断作業説明図で途中段階での切断刃の直径が18吋の場合の図。
【図16】本実施例のハツリ作業説明図で最終段階での切断刃の直径が10吋〜18吋を同時に示した図。
【符号の説明】
【0052】
1・・・U字溝切断装置
2・・・U字溝
3・・・レール
4・・・ジャッキ
5・・・架台
6・・・切断機本体/カッター本体
7・・・切込駆動装置
8・・・送り駆動装置
61・・・切断刃
62・・・切断刃駆動用電動機/切断駆動用モータ
63・・・減速機
71・・・旋回台
72・・・切込み用電動機/切込用モータ
73・・・減速機
81・・・ガイドローラ
82・・・送り用電動機/送り用モータ
83・・・減速機
84・・・スプロケット
85・・・架台脚
691・・・回転速度計測手段/速度センサ
692・・・滑り周波数演算器
693・・・インバータ
694・・・周波数演算器
695・・・電圧演算器
696・・・周波数設定器
697・・・加算器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝蓋等を載置するためにU字溝(2)の上部に載置部を形成するU字溝切断装置において、該U字溝(2)内に収納されるレール(3)と、該レール(3)を位置決めするジャッキ(4)と、該レール(3)上に走行自在に設けた架台5とを備え、該架台5上には切断機本体(6)が設置され、該切断機本体(6)は切断刃(61)を回転駆動するための切断制御機構(69)と、切断機本体(6)がレール(3)により走行させるための送り駆動装置(8)と、前記切断刃(61)でU字溝(2)の内側上部に切込みを行なうための切込駆動装置(7)とを有し、前記切断制御機構(69)は切断刃駆動用電動機(62)の回転速度を計測する回転速度計測手段(691)とトルク特性を決定する滑り周波数演算器(692)とインバータ(693)の周波数を決定する周波数演算器(694)と、前記電動機(62)の励磁インダクタンスによって作られるギャップ磁束数が常に一定となるV/f値が予め回路中に入力されている電圧演算器(695)とを備え、さらに、使用条件によって最高速度の周波数を設定して切断刃(61)のサイズに対して切断刃(61)の適正周速に対応できる周波数設定器(696)と、前記の電動機(62)の回転速度からの滑り周波数演算器(692)で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機回転速度とを加える加算器(697)とを設け、該加算器(697)からの加算値と前記周波数設定器(696)で設定された最高速度の周波数とは前記周波数演算器(694)と電圧演算器(695)に入力され、前記電動機(62)は誘導電動機であって、前記周波数演算器(694)と電圧演算器(695)からの演算出力を前記インバータ(693)の周波数指令値および電圧指令値とする可変周波数インバータで高速回転で駆動され、その電動機(62)に接続された減速機(63)を有することを特徴とするU字溝切断装置。
【請求項1】
溝蓋等を載置するためにU字溝(2)の上部に載置部を形成するU字溝切断装置において、該U字溝(2)内に収納されるレール(3)と、該レール(3)を位置決めするジャッキ(4)と、該レール(3)上に走行自在に設けた架台5とを備え、該架台5上には切断機本体(6)が設置され、該切断機本体(6)は切断刃(61)を回転駆動するための切断制御機構(69)と、切断機本体(6)がレール(3)により走行させるための送り駆動装置(8)と、前記切断刃(61)でU字溝(2)の内側上部に切込みを行なうための切込駆動装置(7)とを有し、前記切断制御機構(69)は切断刃駆動用電動機(62)の回転速度を計測する回転速度計測手段(691)とトルク特性を決定する滑り周波数演算器(692)とインバータ(693)の周波数を決定する周波数演算器(694)と、前記電動機(62)の励磁インダクタンスによって作られるギャップ磁束数が常に一定となるV/f値が予め回路中に入力されている電圧演算器(695)とを備え、さらに、使用条件によって最高速度の周波数を設定して切断刃(61)のサイズに対して切断刃(61)の適正周速に対応できる周波数設定器(696)と、前記の電動機(62)の回転速度からの滑り周波数演算器(692)で演算された滑り周波数と周波数に換算した電動機回転速度とを加える加算器(697)とを設け、該加算器(697)からの加算値と前記周波数設定器(696)で設定された最高速度の周波数とは前記周波数演算器(694)と電圧演算器(695)に入力され、前記電動機(62)は誘導電動機であって、前記周波数演算器(694)と電圧演算器(695)からの演算出力を前記インバータ(693)の周波数指令値および電圧指令値とする可変周波数インバータで高速回転で駆動され、その電動機(62)に接続された減速機(63)を有することを特徴とするU字溝切断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−192677(P2006−192677A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5903(P2005−5903)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000107251)ジェーピーイー株式会社 (18)
【出願人】(502220403)株式会社スカイ・アーク (6)
【出願人】(000230836)日本興業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000107251)ジェーピーイー株式会社 (18)
【出願人】(502220403)株式会社スカイ・アーク (6)
【出願人】(000230836)日本興業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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