説明

VCSELベースの光通信リンクを制御する方法及び装置

【課題】VCSELベースの光通信リンクを制御する技術を提供する。
【解決手段】送信器は、光媒体に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をバイアスし得る。該バイアスが、VCSELによって光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定する。送信器はまた、光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、該データを用いてVCSELを変調し得る。送信器はまた、受信器からフィードバックチャネルを介して、受信器によって検知されたVCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又はVCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルを受信し、VCSELによって光媒体へ出力される光パワーを安定化させるよう、誤差ベクトル又は命令ベクトルに基づいて、VCSELのバイアスを調整し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は概して光通信に関する。
【背景技術】
【0002】
光による信号伝達は、高速ショートリーチ(短距離)通信リンクで、電気による信号伝達に取って代わるものである。高速ショートリーチ光リンクの光源は、典型的に、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)である。VCSELによって生成された光が、光媒体(例えば、ファイバ又は導波路)に結合され、そして、受信器にて例えばフォトダイオード(PD)によって検知される。
【0003】
経年劣化(エイジング)及び温度依存性という、VCSELの動作に影響を及ぼす2つの問題がある。デバイスが古くなるにつれて、あるいは温度が上昇するにつれて、VCSELの出力がその公称条件の出力から劣化し、それによってリンクが、より多くのビット誤りを生成したり、極端なケースでは機能しなくなったりし得る。温度及びエイジングとともに、VCSELの閾値電流ITHは上昇し、スロープ効率ηは低下する。これらの変化は何れも、所与のバイアス及び変調電流で、より低い出力パワーをVCSELに生じさせることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
VCSELベースの光通信リンクを制御する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、送信器は、光媒体に結合されたVCSELをバイアスし得る。該バイアスが、VCSELによって光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定する。送信器はまた、光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、該データを用いてVCSELを変調し得る。送信器はまた、受信器からフィードバックチャネルを介して、受信器によって検知されたVCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又はVCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルを受信し、VCSELによって光媒体へ出力される光パワーを安定化させるよう、誤差ベクトル又は命令ベクトルに基づいて、VCSELのバイアスを調整し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ショートリーチ光リンクの一例を示す図である。
【図2】VCSELの直流(DC)性能を例示する図である。
【図3】バイアス電流に対するVCSELの帯域幅を例示する図である。
【図4】変調電流に対するVCSELの出力パワーを例示する図である。
【図5】エイジング及び温度によるVCSEL性能への影響を例示する図である。
【図6】適応型フィードバック制御を用いるネットワークシステムを一例を示す図である。
【図7】適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの一例を示す図である。
【図8】図7のVCSELベースの送信器及び受信器における信号レベルを例示する図である。
【図9】適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの他の一例を示す図である。
【図10】適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、ショートリーチ(短距離)光リンクの一例を示している。特定の実施形態において、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を、ショートリーチ高速光リンクの光源とし得る。非限定的な一例として、VCSELは、送信器内にあり、送信されるべきデータを用いて、レーザドライバ(LD)回路によってバイアス及び変調され得る。特定の実施形態において、VCSELによって生成された光は、光媒体(例えば、ファイバ又は導波路など)に結合され、受信器にて例えばフォトダイオード(PD)によって検知され得る。この開示では特定の構成をした特定のVCSELが説明されるが、この開示は如何なる好適な構成をした如何なる好適なVCSELをも意図するものである。
【0008】
図2は、VCSELの直流(DC)性能の一例を示している。特定の実施形態において、VCSELのDC性能は、所与のバイアス電流でどれだけ多くの光パワーを放射するかをプロットすることによって特徴付けられ得る。非限定的な一例として、VCSELがその閾値ITHより上でバイアスされるとき、VCSELはバイアス電流に(比例定数ηで)線形比例した光パワーを生成し得る。非限定的な他の一例として、VCSELがその閾値ITHより下でバイアスされるとき、VCSELは無視できる出力パワーのみを生成し得る。定数ηは、VCSELのスロープ効率として知られており、その単位はワット/アンペア(W/A)である。特定の実施形態において、より高い効率というのは、VCSELが所与の電流で、より高い出力パワーを生成することを意味する。
【0009】
図3は、バイアス電流に対するVCSELの帯域幅の一例を示している。特定の実施形態において、VCSELの高速性能は、それがどのようにバイアスされるかに依存し得る。非限定的な一例として、VCSELの帯域幅はバイアス電流とともに増減する。帯域幅は、小さいバイアス電流では低くなるが、閾値電流を上回るバイアス電流の平方根で線形に拡大し得る。従って、高速リンク内のVCSELは、その閾値電流レベルより十分に上でバイアスされる。この開示では特定の様式で機能するVCSELが説明されるが、この開示は如何なる好適な様式で機能するVCSELをも意図するものである。
【0010】
図4は、変調電流に対するVCSELの出力パワーの一例を示している。特定の実施形態において、VCSELベースの通信リンクにおけるLOW(低)及びHIGH(高)の論理レベルは、ゼロでない2つの正のパワーレベルによって表され得る。ここでは、LOW論理レベルの出力パワーをPとし、HIGH論理レベルのパワーレベルをPとする。特定の実施形態において、等数のLOWシンボル及びHIGHシンボルが伝送され、平均出力パワーレベルPavgはPとPとの中間とし得ると仮定する。
【0011】
図5は、VCSEL性能に対するエイジング及び温度の影響の一例を示している。特定の実施形態において、エイジング及び温度依存性は、VCSELの動作に影響を及ぼし得る2つの問題である。非限定的な一例として、VCSELが古くなるにつれて、あるいは温度が上昇するにつれて、VCSELの出力がその公称条件の出力から劣化し、それによってリンクが、より多くのビット誤りを生成したり、極端なケースでは機能しなくなったりし得る。非限定的な他の一例として、温度及びエイジングとともに、VCSELの閾値電流ITHは上昇し、スロープ効率ηは低下し得る。特定の実施形態において、VCSELは、エイジング又は温度上昇の結果として、所与のバイアス及び変調電流で、より低い出力パワー(例えば、より低いP、P及びPavg)を生成することになり得る。この開示では特定の原因によって特定の様式で劣化するVCSELが説明されるが、この開示は如何なる原因によって如何なる様式で劣化するVCSELをも意図するものである。
【0012】
特定の実施形態において、温度又はエイジングがVCSELにどのように影響するかとは無関係にリンクが低いビット誤り率(BER)で機能するよう、VCSELの動作が制御/安定化(レギュレート)され得る。非限定的な一例として、VCSELは、温度変化又はエイジング効果に応じたVCSEL出力の変化を検知し、且つフィードバックを介してVCSELの動作を調整することによって安定化され得る。この開示では特定の手法でVCSELを制御することが説明されるが、この開示は如何なる好適な手法でVCSELを制御することをも意図するものである。
【0013】
図6は、適応型フィードバック制御を用いるネットワークシステムの一例を示している。図6に示すように、ネットワークシステム600は、チャネルによって接続される複数のネットワーク要素610を含み得る。特定の実施形態において、チャネルは光チャネルとし得る。非限定的な一例として、チャネルはファイバ又は導波路とし得る。ネットワークシステム600はまた、フィードバックチャネルを含み得る。特定の実施形態において、フィードバックチャネルは、光チャネル、電気チャネル又は論理チャネルとし得る。特定の実施形態において、フィードバック情報がフィードバックチャネル中を伝送され得る。一部の実施形態において、フィードバックチャネルは、上記チャネルと別個のものでなくてもよい。
【0014】
ネットワーク要素610は、送信器(TX)620と受信器(RX)630とを含み得る。特定の実施形態において、TX620は、フィードバック監視部(モニタ)と調整可能(アジャスタブル)フィルタとを含み得る。一部の実施形態において、調整可能フィルタのパラメータはフィードバック監視部によって制御され得る。特定の実施形態において、調整可能フィルタは、伝送の品質又は信頼性に影響を及ぼし得る歪みを補償するために、チャネルで伝送されるべきデータを事前調整し得る。
【0015】
RX630は、検出器と適応コントローラとを含み得る。特定の実施形態において、検出器は受信信号をサンプリングし、適応コントローラは、受信信号を処理して、TX620へ戻される適応情報を生成し得る。非限定的な一例として、適応情報は、フィードバックチャネルを介してTX620に通信され得る。特定の実施形態において、適応コントローラは、チャネルでの受信信号の伝送速度より遅い速度で受信信号を処理してもよい。この遅めの処理速度は、この処理によるネットワークシステム600の動作への影響を抑制することができ、それにより、チャネル速度を高めることが可能になり得る。
【0016】
図7は、適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの一例を示している。特定の実施形態において、VCSELによって生成された光信号が光チャネルにカップリングされ得る。光チャネルは更に、フォトダイオード(PD)にカップリングされ得る。特定の実施形態において、PDは光信号を受信し、それを電流IPDに変換し得る。電流IPDは、トランスインピーダンス増幅器(TIA)によって電圧dに変換され得る。電圧dはサンプリングスイッチによってサンプリングされ、データシーケンスdが生成され得る。特定の実施形態において、検出器は、伝送された元々のシーケンス:
(外1)


(以下、“キャップa”と表記する)を復元し得る。一部の実施形態において、これらの処理は、例えば25Gb/sといった完全なチャネル速度で実行され得る。
【0017】
特定の実施形態において、TIAの出力にローパスフィルタ(LPF)が接続され得る。このLPFは、電圧dのDC(すなわち、平均)レベルを検知して、dに対応する誤差信号:
(外2)

(以下、“バーe”と表記する)を生成し得る。特定の実施形態において、バーeは、PDのアノードに接続される電流源の振幅を調整するために使用され得る。フィードバックのおかげで、バーeは、PDによって生成される電流の平均値Iavgを電流源に作り出させる値に落ち着き得る。IPDからIavgを減じると、平均値がゼロの正味電流Iacが残され得る。斯くして、PD及びTIAを含んだフィードバックループが、PDのオフセット補償のタスクを実行し得る。特定の実施形態において、オフセット補償処理は、LPFのため、チャネル速度より実質的に遅い速度で実行され得る。
【0018】
特定の実施形態において、RXは、Iacを処理するためにオフセット補償機構を必要とし得る。VCSELは2つの正の非ゼロ電流の間の振幅で変調され、VCSELは正の非ゼロの平均出力パワーを生じ得る。DCカップリングされたリンクにおいて、AC信号(Iac)は、信号のDC成分(Iavg)が除去されないと、最大感度で検知・処理されることができない。
【0019】
特定の実施形態において、オフセット補償ループは更に、VCSELに対する温度変動又はエイジングの影響を補償するために使用され得る。具体的には、バーeが落ち着く値は、図8が示すように、先ずVCSELによって生成され、信号チャネルを通った後に受信器でPDによって検知される平均信号レベルの指標を提供する。RX内のオフセット補償ループは、バーeが落ち着く値の変化を監視することによってVCSELの放射パワーを安定化させるために使用されることができる。図7はこのことも例示している。
【0020】
特定の実施形態において、アキュムレータ(ACCUM)がバーeを累積して、ベクトル出力:
(外3)

(以下、“バーE”と表記する)を生成する。適応コントローラがバーEを処理して、調整可能(ADJ)フィルタへの命令ベクトルCを発令する。特定の実施形態において、命令ベクトルCはフィードバック(FB)チャネルを介して調整可能フィルタに伝送される。一部の実施形態において、Cは、調整可能フィルタ用の係数を含み、あるいは該係数を得るための中間情報を含む。
【0021】
特定の実施形態において、(単にTXでローカルにではなく)RXで誤差情報を検出することにより、VCSELの動作が安定化され得るだけでなく、通信リンク全体の動作も安定化され得る。結果として、温度依存性又はVCSELエイジングのほかの要因も補償されることができ、それにより、例えばミスアライメント又はカップリング損失などといった起こり得るチャネル機能障害にかかわらず、リンク性能が維持され得る。さらに、この方式は、リンクの動作環境の変化(これは、ラインカード(すなわち、ネットワーク要素)がオンザフライで挿入されたり取り外されたりし得るブレードサーバラック内で動作される結果であり得る)に応答することになる。
【0022】
特定の実施形態において、単純なデジタル回路によって誤差情報が取得されることから、更なる利点がもたらされ得る。これらの処理は、大規模なアナログ回路及び/又は例えば補助のPD、光パワースプリッタ若しくはカップラなどの追加の光学部品を必要としないので、誤差検出及び誤差補正の処理が大きい面積やリンクに対するパワーペナルティを課すことがない。特定の実施形態において、誤差の生成は、チャネル速度より有意に遅い速度で実行され得る。非限定的な一例として、アキュムレータは、適応ベクトルCを形成する前に時間を掛けてバーeの複数の値を累積してもよいので、より低い速度で動作し得る。従って、誤差補正回路は、チャネルを通過するデータシーケンスの速度に対してあまり悪影響を有しない。
【0023】
図9は、適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの他の一例を示している。特定の実施形態において、2つのサブサンプリングスイッチ910がデータシーケンスd及びキャップaをサンプリングし、サブサンプリングされたデータシーケンスd及びキャップaを生成する。これらのスイッチのサンプリングレートは、チャネル速度の1/N倍、例えば1/16倍又はそれ未満である。誤差演算器がこれら2つのシーケンスから誤差情報eを決定し、該情報がデジタルLPFによってフィルタリングされて誤差シーケンスであるバーeが生成される。図7においてのように、アキュムレータが誤差情報バーeを累積し、適応コントローラが命令ベクトルCを生成する。特定の実施形態において、誤差情報は、何れもデジタル回路とし得る誤差演算器とデジタルLPFとによって生成されてもよい。そうすることは、この誤差補正方式が一層高いプログラム可能度及び柔軟性で動作することを可能にし得る。
【0024】
図10は、適応型フィードバック制御を用いるVCSELベースの光リンクの他の一例を示している。特定の実施形態において、取得された誤差情報バーeが、PDのアノードに接続された電流源を制御してもよい。特定の実施形態において、電流源を制御することにバーeを使用することによって、必要な面積及び電力が低減される。結果として、完全なチャネル速度で動作しなければならない回路が1つ少なくなる。特定の実施形態において、VCSELの適応型制御のためだけに含められた如何なる回路も、完全なチャネル速度で動作しなくてもよい。これは、ネットワークシステムの効率を高めることになり得る。
【0025】
特定の実施形態において、VCSELの性能の劣化が受信器で検知され得るので、VCSELの光パワーの全てが受信器に伝送され得る。結果として、送信器には、VCSELの性能を検知するために、例えばパワースプリッタ、監視用PD又はホログラフィックレンズなどの追加回路は必要とされず、それにより、送信器の面積及び電力の要求が少なくなり得る。特定の実施形態において、チャネル速度より十分に低い速度で誤差情報を演算することにより、データの伝送に対する影響が抑制され得る。故に、データ伝送速度が高められ、通信システムは、VCSELの動作の適応化及び安定化によって一層効率的に動作し得る。
【0026】
ここでは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体への言及は、1つ以上の一過性でない有形のコンピュータ読み取り可能記憶媒体保有構造をも包含するものである。非限定的な一例として、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は適宜、半導体ベースあるいはその他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は特定用途向けIC(ASIC)など)、ハードディスク、HDD、ハイブリッド式ハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、磁気光ディスク、磁気光ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ホログラフィック記憶媒体、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、セキュアデジタルドライブ、若しくはその他の好適なコンピュータ読み取り可能記憶媒体、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。コンピュータ読み取り可能な一過性でない記憶媒体は、必要に応じて、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性との組み合わせとし得る。
【0027】
ここでは、“又は”は、その他のことが明示的或いは文脈的に指し示されない限り、両立的なものであって排他的なものではない。故に、ここでは、“A又はB”は、その他のことが明示的或いは文脈的に指し示されない限り、“A、B、又は双方”を意味する。また、“及び”は、その他のことが明示的或いは文脈的に指し示されない限り、結合及びそれぞれの双方である。故に、ここでは、“A及びB”は、その他のことが明示的或いは文脈的に指し示されない限り、“結合的あるいは個別的にA及びB”を意味する。
【0028】
この開示は、ここで例示した実施形態への、当業者に理解されるであろう全ての変更、代用、変形、改変及び改良を包含するものである。同様に、添付の請求項は適宜、ここで例示した実施形態への当業者に理解されるであろう全ての変更、代用、変形、改変及び改良を包含するものである。また、特定の機能を実行するように適応され、構成され、可能にされ、設定され、有効にされ、動作可能にされ、あるいは動作する装置若しくはシステム又はそれらの構成要素への、請求項中での参照は、装置、システム又は構成要素がそのように適応、構成、可能化、設定、有効化、動作可能化あるいは動作される限り、それ又はその特定機能が活性化され、オンにされ、あるいは解除されようとなかろうと、その装置、システム又は構成要素を包含するものである。
【0029】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
【0030】
(付記1) 送信器にて、光媒体に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をバイアスするステップであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定する、ステップと、
前記光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、前記送信器にて、該データを用いて前記VCSELを変調するステップと、
前記送信器にて、前記受信器からフィードバックチャネルを介して:
前記受信器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記VCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出されたものである、命令ベクトル、
を受信するステップと、
前記送信器にて、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるよう、前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づいて、前記VCSELの前記バイアスを調整するステップと、
を有する方法。
(付記2) 前記光媒体はショートリーチ光リンクである、付記1に記載の方法。
(付記3) 前記光媒体は光ファイバ又は導波路を有する、付記1に記載の方法。
(付記4) 前記送信器にて、前記誤差ベクトルから前記命令ベクトルを導き出すステップ、を更に有する付記1に記載の方法。
(付記5) 前記フィードバックチャネルは、光チャネル、電気チャネル、又は論理チャネルである、付記1に記載の方法。
(付記6) 前記フィードバックチャネルは前記光媒体から物理的に分離されている、付記1に記載の方法。
(付記7) 前記光媒体が前記フィードバックチャネルを担持している、付記1に記載の方法。
(付記8) 前記誤差ベクトルは、振幅又はバイアスレベルの誤差情報を有する、付記1に記載の方法。
(付記9) 前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーは、実質的に一定の平均値を有するように安定化される、付記1に記載の方法。
(付記10) 前記誤差ベクトルは、前記受信器のローパスフィルタによって検知された前記VCSELの性能劣化を表す、付記1に記載の方法。
(付記11) 前記誤差ベクトルは、前記受信器の誤差演算器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表し、前記誤差演算器は、前記受信器で受信された前記VCSELのパワー出力と、前記受信器のデジタル出力とを比較する、付記1に記載の方法。
(付記12) 受信器にて、送信器の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)によって送信されたデータを、光媒体を介して光学的に受信するステップと、
前記受信器にて、前記VCSELの性能劣化を検知するステップと、
前記受信器にて:
前記VCSELの前記性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記送信器の前記VCSELをバイアスする際に使用される1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出される、命令ベクトル、
を生成するステップと、
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるための前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づく前記VCSELの前記バイアスの調整のため、前記受信器にて、前記誤差ベクトル又は命令ベクトルを、フィードバックチャネルを介して前記送信器に送信するステップと、
を有する方法。
(付記13) 前記光媒体はショートリーチ光リンクである、付記12に記載の方法。
(付記14) 前記光媒体は光ファイバ又は導波路を有する、付記12に記載の方法。
(付記15) 前記命令ベクトルは、前記送信器にて、前記誤差ベクトルから導き出される、付記12に記載の方法。
(付記16) 前記フィードバックチャネルは、光チャネル、電気チャネル、又は論理チャネルである、付記12に記載の方法。
(付記17) 前記フィードバックチャネルは前記光媒体から物理的に分離されている、付記12に記載の方法。
(付記18) 前記光媒体が前記フィードバックチャネルを担持している、付記12に記載の方法。
(付記19) 前記誤差ベクトルは、振幅又はバイアスレベルの誤差情報を有する、付記12に記載の方法。
(付記20) 前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーは、実質的に一定の平均値を有するように安定化される、付記12に記載の方法。
(付記21) 前記VCSELの前記性能劣化は、前記受信器のローパスフィルタによって検出される、付記12に記載の方法。
(付記22) 前記VCSELの前記性能劣化は、前記受信器の誤差演算器によって検出され、前記誤差演算器は、前記受信器で受信された前記VCSELのパワー出力と、前記受信器のデジタル出力とを比較する、付記12に記載の方法。
(付記23) 光媒体に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をバイアスし、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、
前記光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、該データを用いて前記VCSELを変調し、
前記受信器からフィードバックチャネルを介して:
前記受信器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記VCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出されたものである、命令ベクトル、
を受信し、且つ
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるよう、前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づいて、前記VCSELの前記バイアスを調整する、
ように構成された送信器。
(付記24) 前記光媒体はショートリーチ光リンクである、付記23に記載の送信器。
(付記25) 前記光媒体は光ファイバ又は導波路を有する、付記23に記載の送信器。
(付記26) 前記誤差ベクトルから前記命令ベクトルを導き出すように更に構成された付記23に記載の送信器。
(付記27) 前記フィードバックチャネルは、光チャネル、電気チャネル、又は論理チャネルである、付記23に記載の送信器。
(付記28) 前記フィードバックチャネルは前記光媒体から物理的に分離されている、付記23に記載の送信器。
(付記29) 前記光媒体が前記フィードバックチャネルを担持している、付記23に記載の送信器。
(付記30) 前記誤差ベクトルは、振幅又はバイアスレベルの誤差情報を有する、付記23に記載の送信器。
(付記31) 前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーは、実質的に一定の平均値を有するように安定化される、付記23に記載の送信器。
(付記32) 前記誤差ベクトルは、前記受信器のローパスフィルタによって検知された前記VCSELの性能劣化を表す、付記23に記載の送信器。
(付記33) 前記誤差ベクトルは、前記受信器の誤差演算器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表し、前記誤差演算器は、前記受信器で受信された前記VCSELのパワー出力と、前記受信器のデジタル出力とを比較する、付記23に記載の送信器。
(付記34) 送信器の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)によって送信されたデータを、光媒体を介して光学的に受信し、
前記VCSELの性能劣化を検知し、
前記VCSELの前記性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記送信器の前記VCSELをバイアスする際に使用される1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出される、命令ベクトル、
を生成し、且つ
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるための前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づく前記VCSELの前記バイアスの調整のため、前記誤差ベクトル又は命令ベクトルを、フィードバックチャネルを介して前記送信器に送信する、
ように構成された受信器。
(付記35) 前記光媒体はショートリーチ光リンクである、付記34に記載の受信器。
(付記36) 前記光媒体は光ファイバ又は導波路を有する、付記34に記載の受信器。
(付記37) 前記命令ベクトルは、前記送信器にて、前記誤差ベクトルから導き出される、付記34に記載の受信器。
(付記38) 前記フィードバックチャネルは、光チャネル、電気チャネル、又は論理チャネルである、付記34に記載の受信器。
(付記39) 前記フィードバックチャネルは前記光媒体から物理的に分離されている、付記34に記載の受信器。
(付記40) 前記光媒体が前記フィードバックチャネルを担持している、付記34に記載の受信器。
(付記41) 前記誤差ベクトルは、振幅又はバイアスレベルの誤差情報を有する、付記34に記載の受信器。
(付記42) 前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーは、実質的に一定の平均値を有するように安定化される、付記34に記載の受信器。
(付記43) 前記VCSELの前記性能劣化は、当該受信器のローパスフィルタによって検出される、付記34に記載の受信器。
(付記44) 前記VCSELの前記性能劣化は、当該受信器の誤差演算器によって検出され、前記誤差演算器は、当該受信器で受信された前記VCSELのパワー出力と、当該受信器のデジタル出力とを比較する、付記34に記載の受信器。
【符号の説明】
【0031】
600 ネットワークシステム
610 ネットワーク要素
620 送信器
630 受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信器にて、光媒体に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をバイアスするステップであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定する、ステップと、
前記光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、前記送信器にて、該データを用いて前記VCSELを変調するステップと、
前記送信器にて、前記受信器からフィードバックチャネルを介して:
前記受信器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記VCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出されたものである、命令ベクトル、
を受信するステップと、
前記送信器にて、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるよう、前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づいて、前記VCSELの前記バイアスを調整するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記誤差ベクトルは、振幅又はバイアスレベルの誤差情報を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーは、実質的に一定の平均値を有するように安定化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記誤差ベクトルは、前記受信器のローパスフィルタによって検知された前記VCSELの性能劣化を表す、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記誤差ベクトルは、前記受信器の誤差演算器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表し、前記誤差演算器は、前記受信器で受信された前記VCSELのパワー出力と、前記受信器のデジタル出力とを比較する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
受信器にて、送信器の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)によって送信されたデータを、光媒体を介して光学的に受信するステップと、
前記受信器にて、前記VCSELの性能劣化を検知するステップと、
前記受信器にて:
前記VCSELの前記性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記送信器の前記VCSELをバイアスする際に使用される1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出される、命令ベクトル、
を生成するステップと、
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるための前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づく前記VCSELの前記バイアスの調整のため、前記受信器にて、前記誤差ベクトル又は命令ベクトルを、フィードバックチャネルを介して前記送信器に送信するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
光媒体に結合された垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をバイアスし、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、
前記光媒体を介して受信器にデータを光学的に伝送するため、該データを用いて前記VCSELを変調し、
前記受信器からフィードバックチャネルを介して:
前記受信器によって検知された前記VCSELの性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記VCSELをバイアスする際に使用する1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出されたものである、命令ベクトル、
を受信し、且つ
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるよう、前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づいて、前記VCSELの前記バイアスを調整する、
ように構成された送信器。
【請求項8】
送信器の垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)によって送信されたデータを、光媒体を介して光学的に受信し、
前記VCSELの性能劣化を検知し、
前記VCSELの前記性能劣化を表す誤差ベクトル、又は
前記送信器の前記VCSELをバイアスする際に使用される1つ以上の係数を有する命令ベクトルであり、該バイアスが、前記VCSELによって前記光媒体へ出力される光パワーを少なくとも部分的に決定し、前記係数は前記誤差ベクトルから導き出される、命令ベクトル、
を生成し、且つ
前記VCSELによって前記光媒体へ出力される前記光パワーを安定化させるための前記誤差ベクトル又は前記命令ベクトルに基づく前記VCSELの前記バイアスの調整のため、前記誤差ベクトル又は命令ベクトルを、フィードバックチャネルを介して前記送信器に送信する、
ように構成された受信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−249284(P2012−249284A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−117245(P2012−117245)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】