VOC除去システム
【課題】 VOCの除去効率を向上させることができるシステムを提供する。
【解決手段】 送風手段9,10を駆動すると供給経路4及び送出経路5内に空気が流れ、供給経路4内では先ず室内から取り入れた空気の水分が水分吸着ロータ6に吸着され、水分が除去された空気は下流側のVOC吸着ロータ7に接触し、このVOC吸着ロータ7にVOCが吸着される。一方、水分吸着ロータ6に吸着された水分は水分吸着ロータ6が回転するに連れて送出経路5内に入り、加熱手段8によって加熱された外気が水分吸着ロータ6に吸着されている水分を蒸発させる。そして、この水蒸気を含んだ高温の空気は下流側のVOC吸着ロータ7に至り、VOC吸着ロータ7に吸着されているVOCは酸化分解若しくは脱着して送出経路5を介し外部に放出される。
【解決手段】 送風手段9,10を駆動すると供給経路4及び送出経路5内に空気が流れ、供給経路4内では先ず室内から取り入れた空気の水分が水分吸着ロータ6に吸着され、水分が除去された空気は下流側のVOC吸着ロータ7に接触し、このVOC吸着ロータ7にVOCが吸着される。一方、水分吸着ロータ6に吸着された水分は水分吸着ロータ6が回転するに連れて送出経路5内に入り、加熱手段8によって加熱された外気が水分吸着ロータ6に吸着されている水分を蒸発させる。そして、この水蒸気を含んだ高温の空気は下流側のVOC吸着ロータ7に至り、VOC吸着ロータ7に吸着されているVOCは酸化分解若しくは脱着して送出経路5を介し外部に放出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの揮発性有機化合物(VOC)を除去するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
新建材を用いた住宅では、VOCが徐々に揮発し健康上問題になることが考えられる。そこで、特許文献1〜4に除去システムが提案されている。
【0003】
特許文献1には、ファンの下流側に活性炭などからなる吸着部材を配置し、この吸着部材の下流側にVOCなどの分解触媒を含む分解部材を配置したVOC及びホルムアルデヒドの除去システムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、VOC吸着ロータの上流側に湿気交換ロータを配置し、湿気交換ロータを透過することで除湿された空気をVOC吸着ロータの吸着ゾーン及びパージゾーンに送り込み、パージゾーンを透過した空気をヒータにて加熱し、加熱された空気を再びVOC吸着ロータの脱着ゾーンに送り込んで、VOC吸着ロータに吸着されているVOCを離脱せしめるシステムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、ケース内にVOC吸着ロータと除湿ロータとを並列して配置し、夫々のロータでVOCの除去と水分の除去を独立して行っている。
【0006】
特許文献4には、1本の管状通路内を軸方向の仕切板にて供給経路と再生経路に分けるとともに管状通路内に吸着ロータを配置し、この吸着ロータが回転することで供給経路と再生経路との間を循環するようにした空調システムが開示されている。この空調システムによれば、空調エリア内に供給された除湿空気に対し、細かく破砕された水分子を供給することで空気の浄化を行っている。
【特許文献1】特開2002−035094号公報
【特許文献2】特開2002−102645号公報
【特許文献3】特開2002−191926号公報
【特許文献4】特開2002−286250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示される除去システムは、空気中のVOCを吸着部材で吸着し、この吸着されたVOCを放散させて分解部材に接触させて分解させる機構になっており、吸着と放散とを同時に行っているため極めて効率が悪い。
【0008】
特許文献2に開示される除去システムは、吸着ロータの吸着ゾーンに送り込む被処理空気を予め除湿することでVOCの吸着効率を高めているが、吸着ロータの脱着ゾーンに送り込む空気も除湿されてしまい、VOCの脱着効果が低下してしまう。
【0009】
特許文献3に開示される除去システムは、VOC吸着ロータと除湿ロータとを並列に配置しているため、両者に全く関連性がなく、除湿ロータを利用してVOC吸着効率或いは離脱効率を高めることができない。
【0010】
特許文献4に開示される空調システムは、VOCを除去するものではなく、したがって、如何にして効率よくVOCを除去するかについての示唆はなされていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため請求項1に係るVOC除去システムは、水分及びVOC(揮発性有機化合物)を含む室内空気を取り込み、水分及びVOCを除去した空気を室内に戻す供給経路と、前記水分及びVOCを外部に排出する送出経路と、前記供給経路及び送出経路内に空気の流れを形成する送風手段と、前記供給経路と送出経路に面して配置された回転する水分吸着手段と、前記供給経路と送出経路に面し、前記水分吸着手段より下流側に配置されたVOC吸着手段と、前記送出経路内で前記水分吸着手段よりも上流側に配置される加熱手段とを備え、前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が供給経路で吸着した水分を送出経路で離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が供給経路で吸着したVOCを送出経路で離脱せしめるようにした。
【0012】
前記送出経路に取り入れる空気としては請求項2に記載したように、外気または室内空気のいずれでもよい。
【0013】
前記水分吸着手段及びVOC吸着手段は請求項3に記載したように、互いに独立して回転制御可能とすることが可能である。水分吸着手段及びVOC吸着手段としては、例えば軸方向に通気可能なハニカム構造のロータタイプなどが好ましい。また、材質を選定することによって吸着する成分(水またはVOC)を特定することができる。
【0014】
また、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は請求項4に記載したように一体化した構成とすることも可能である。また水分吸着手段としては、例えばシリカゲル、活性アルミナ、親水性ゼオライト等の親水性吸着剤からなるものを使用し、VOC吸着手段としては、活性炭、疎水性ゼオライト等の疎水性吸着剤からなるものを使用する。
【0015】
また、請求項5に係るVOC除去システムは、上流側から下流側に向かって加熱手段、水分吸着手段及びVOC吸着手段が配置された吸脱着経路と、この吸脱着経路の上流側に空気を供給する供給経路と、前記吸脱着経路を通過した空気を送り出す送出経路と、この送出経路に設けられるとともに送り出し方向を外部または室内の何れかに切り替える経路切替手段と、前記各経路内に空気の流れを形成する送風手段とを備え、前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が吸着した水分を離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が吸着したVOCを離脱せしめるようにした。
【0016】
請求項5に記載したVOC除去システムにおいて、供給経路に吸脱着経路の上流側に外気または室内空気の一方を選択的に供給する切替手段を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、除湿した状態の空気からVOCを吸着するため、吸着効率が向上し、また再生ゾーンでVOC吸着手段からVOCを離脱せしめる空気として除湿に用いた加熱された空気を使用するため省エネルギ効果が発揮される。
また加熱手段が1つで足りるためコストダウンが図れ、更に水分吸着手段とVOC吸着手段が直列に配置されているためコンパクト化が図れる。
【0018】
尚、水分吸着手段を通過した加熱された空気は水蒸気を含んでいるためVOCの離脱効果が更に高まる。そして、上記の水蒸気は除湿した空気からの水分であるため、無駄がない。
【0019】
また、前記水分吸着手段及びVOC吸着手段として請求項3に記載したようにロータタイプとし、互いに独立して回転制御可能とした場合には、それらの回転を制御することにより。各々の吸着成分の脱着時間を変化させ、除去量を調節することが可能となる。
【0020】
即ち、回転速度を上げると除去量が増加する。(ただし、再生領域の吸着成分が全て脱着するのに要する時間を上限とする。なぜなら、回転速度のアップにより再生時間が短くなると吸着剤から脱着されなかった成分が吸着剤に残留するため、吸着剤が飽和状態を起こしてしまう。)また回転速度を下げると除去量が減少する。(ただし、回転停止未満を下限とする。なぜなら回転が停止すると吸着領域で吸着された成分が再生領域まで移動しないことになる。)更に回転を停止した場合には除去量はゼロになる。
【0021】
また、前記水分吸着手段及びVOC吸着手段の回転を加熱手段の出力と連動させることで、効率の良い吸着成分の脱着が可能となる。除去する吸着成分が少ない場合には加熱手段の出力を落として省エネを図ることができる。
【0022】
また、請求項4に記載したように、水分吸着手段とVOC吸着手段を一体化することで、再生空気の移動時に失われる熱量が減少する。
【0023】
また、請求項5及び請求項6に係る発明は、水分およびVOCの吸着と離脱を同時に行わずに切り替えることになるが、水分吸着手段及びVOC吸着手段を回転せしめる必要がないため、装置構成が簡略になる。
【0024】
更に、請求項7に記載したように、VOC除去システムを屋根裏、床下または側壁の近傍に配置することで、生活空間のデッドスペースの有効利用が図られ、特に床下に配置した場合には、排気空気が有する熱で床下を暖めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るVOC除去システムを適用した家屋の概略図、図2は同VOC除去システムの構成図、図3は図2のA−A方向から見た図である。
【0026】
図1に示す実施例にあっては、VOC除去システム1は家屋の天井裏に配置されている。図2及び図3に示すように、VOC除去システム1は管状通路2内を軸方向の仕切板3によって供給経路4と送出経路5に仕切っている。
【0027】
供給経路4の上流側及び下流側はそれぞれ天井に設けた吸気口4a,清浄空気噴出口4bにつながり、送出経路5の上流側は屋根に形成した吸気口5aにつながり、送出経路5の下流側は屋根に形成した排気口5bにつながっている。
【0028】
また、前記管状通路2内には、水分吸着手段である水分吸着ロータ6とその下流側にVOC吸着手段であるVOC吸着ロータ7が配置されている。これら水分吸着ロータ6及びVOC吸着ロータ7はいずれも仕切板3と同一面内にある軸を中心として仕切板3と直交する面内で回転可能とされている。そして、水分吸着ロータ6及びVOC吸着ロータ7は管状通路2内で回転すると、ロータの各部が供給経路4と送出経路5との間、即ち吸着ゾーンと再生ゾーンを循環することになる。
【0029】
水分吸着ロータ6のうち供給経路4内に臨んでいる部分は空気中の水分吸着を行い、送出経路5に臨んでいる部分は再生を行う。ここで、水分吸着ロータ6の再生とは吸着している水分を蒸気として放出し、元の状態に戻ることを指す。
【0030】
またVOC吸着ロータ7のうち供給経路4内に臨んでいる部分は空気中のVOC吸着を行い、送出経路5に臨んでいる部分は再生を行う。ここで、VOC吸着ロータ7の再生とは吸着しているVOCを酸化分解若しくは脱着して送出経路5に放出することを指す。
【0031】
また、前記送出経路5内で水分吸着ロータ6よりも上流側には加熱手段8を配置し、更に加熱手段8の上流には送風手段9を配置している。尚、前記供給経路4内でVOC吸着ロータ7の下流側には送風手段10を配置している。前記送風手段9はVOC吸着ロータ7の下流側に、送風手段10は水分吸着ロータ6の上流側に配置してもよい。但し、加熱手段と組み合わせて用いる場合には、加熱手段よりも上流側に配置するのが、熱的な負担がかからないため有利となる。また、1つの送風手段で共用することも可能である。
【0032】
以上において、送風手段9,10を駆動することで供給経路4及び送出経路5内に図の矢印で示す方向に空気が流れ、供給経路4内では先ず室内から取り入れた空気の水分が水分吸着ロータ6に吸着され、水分が除去された空気は下流側のVOC吸着ロータ7に接触し、このVOC吸着ロータ7にVOCが吸着される。一方、水分吸着ロータ6に吸着された水分は水分吸着ロータ6が回転するに連れて送出経路5内に入り、加熱手段8によって加熱された外気が水分吸着ロータ6に吸着されている水分を蒸発させる。そして、この水蒸気を含んだ高温の空気は下流側のVOC吸着ロータ7に至り、VOC吸着ロータ7に吸着されているVOCを酸化分解若しくは脱着を行い、送出経路5内に放出する。
【0033】
図4は別実施例を示す図2と同様の図であり、この実施例にあっては水分吸着ロータ6とVOC吸着ロータ7とを一体化している。このように一体化することで、熱効率が向上し且つロータを回転せしめるモータなどの駆動手段が1つで済む。
【0034】
図5(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図であり、この実施例は吸脱着経路20を備えている。そして、吸脱着経路20の上流側に空気を供給する供給経路4が設けられ、吸脱着経路20の下流側に空気を送り出す送出経路5が設けられている。
【0035】
前記吸脱着経路20内には上流側から順に、加熱手段8、水分吸着手段6及びVOC吸着手段7が配置されている。この実施例にあっては水分吸着手段6及びVOC吸着手段7としてはロータタイプを使用していない。
【0036】
また前記送出経路5は更に外部への経路51と室内への経路52に分けられ、経路切替手段(ダンパー)21によって、外部への経路51と室内への経路52のいずれかを選択可能としている。
【0037】
以上において、VOCの吸着モードでは図5(a)に示すように、経路切替手段21によって室内への経路52を選択し、この状態で供給経路4を介して吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は水分吸着手段6及びVOC吸着手段7に接触して水分とVOCが除去され、これら水分とVOCが除去された空気は再び室内に戻る。
【0038】
また、VOCの離脱モード(再生モード)では図5(b)に示すように、経路切替手段21によって外部への経路51を選択し、この状態で供給経路4を介して吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は加熱手段8によって加熱され、この加熱空気によって水分吸着手段6に吸着されている水分及びVOC吸着手段7に吸着されているVOCが離脱し、この離脱した水分及びVOCを含む空気は外部への経路51を介して排出される。
【0039】
図6(a)及び(b)は図5に示した実施例を更に発展させた実施例に係るVOC除去システムの構成図であり、この実施例にあっては、供給経路4を外部からの経路41と室内からの経路42に分け、経路切替手段(ダンパー)22によって、吸脱着経路20に供給される空気の経路を外部からの経路41と室内空の経路42のいずれかを選択可能としている。
【0040】
以上において、VOCの吸着モードでは図6(a)に示すように、経路切替手段22によって室内からの経路42を選択し、また経路切替手段21によって室内への経路52を選択し、この状態で吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は水分吸着手段6及びVOC吸着手段7に接触して水分とVOCが除去され、これら水分とVOCが除去された空気は再び室内に戻る。
【0041】
また、VOCの離脱モード(再生モード)では図6(b)に示すように、経路切替手段22によって外部からの経路41を選択し、また経路切替手段21によって外部への経路51を選択し、この状態で吸脱着経路20に外部からの空気を送り込む。すると、外部からの空気は加熱手段8によって加熱され、この加熱空気によって水分吸着手段6に吸着されている水分及びVOC吸着手段7に吸着されているVOCが離脱し、この離脱した水分及びVOCを含む空気は外部への経路51を介して排出される。
【0042】
図7乃至図11は別実施例を示す図1と同様の図であり、図7に示す実施例にあっては送出経路5にも天井に設けた吸気口4aから室内空気を導入するようにし、室内への外気の導入は家屋の側壁に設けた外気取入口11から行うようにしている。
【0043】
図8に示す実施例は、VOC除去システム1を室内に配置している。この実施例の場合には、家屋の側壁に送出経路5に外気を導入する吸気口5aと、送出経路5を通過した空気を外部に排出する排気口5bを形成し、また供給経路4への吸気口4a及び供給経路4からの排気口4bは室内に開口している。
【0044】
図9に示す実施例は、VOC除去システム1の送出経路5に空気を導入する吸気口5aを室内に開口させ、その代わり側壁に設けた外気取入口11から外気を導入するようにしている。
【0045】
図10に示す実施例は、VOC除去システム1を床下に配置している。この実施例の場合には、家屋の土台に送出経路5に外気を導入する吸気口5aと、送出経路5を通過した空気を外部に排出する排気口5bを形成し、また供給経路4への吸気口4a及び供給経路4からの排気口4bは床面に開口している。
【0046】
図11に示す実施例は、VOC除去システム1の送出経路5に空気を導入する吸気口5aを床面に開口させ、その代わり側壁に設けた外気取入口11から外気を導入するようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るVOC除去システムは家屋を新築する場合に限らず、既存の家屋にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るVOC除去システムを適用した家屋の概略図
【図2】同VOC除去システムの構成図
【図3】図2のA−A方向から見た図
【図4】別実施例を示す図2と同様の図
【図5】(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図
【図6】(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図
【図7】別実施例を示す図1と同様の図
【図8】別実施例を示す図1と同様の図
【図9】別実施例を示す図1と同様の図
【図10】別実施例を示す図1と同様の図
【図11】別実施例を示す図1と同様の図
【符号の説明】
【0049】
1…VOC除去システム、2…管状通路、3…仕切板、4…供給経路、4a…吸気口、4b…清浄空気噴出口、5…送出経路、5a…吸気口、5b…排気口、6…水分吸着手段(ロータ)、7…VOC吸着手段(ロータ)、8…加熱手段、9,10…送風手段、11…外気取入口、21,22…経路切替手段(ダンパー)、41…外部からの経路、42…室内からの経路、51…外部への経路、52…室内への経路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの揮発性有機化合物(VOC)を除去するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
新建材を用いた住宅では、VOCが徐々に揮発し健康上問題になることが考えられる。そこで、特許文献1〜4に除去システムが提案されている。
【0003】
特許文献1には、ファンの下流側に活性炭などからなる吸着部材を配置し、この吸着部材の下流側にVOCなどの分解触媒を含む分解部材を配置したVOC及びホルムアルデヒドの除去システムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、VOC吸着ロータの上流側に湿気交換ロータを配置し、湿気交換ロータを透過することで除湿された空気をVOC吸着ロータの吸着ゾーン及びパージゾーンに送り込み、パージゾーンを透過した空気をヒータにて加熱し、加熱された空気を再びVOC吸着ロータの脱着ゾーンに送り込んで、VOC吸着ロータに吸着されているVOCを離脱せしめるシステムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、ケース内にVOC吸着ロータと除湿ロータとを並列して配置し、夫々のロータでVOCの除去と水分の除去を独立して行っている。
【0006】
特許文献4には、1本の管状通路内を軸方向の仕切板にて供給経路と再生経路に分けるとともに管状通路内に吸着ロータを配置し、この吸着ロータが回転することで供給経路と再生経路との間を循環するようにした空調システムが開示されている。この空調システムによれば、空調エリア内に供給された除湿空気に対し、細かく破砕された水分子を供給することで空気の浄化を行っている。
【特許文献1】特開2002−035094号公報
【特許文献2】特開2002−102645号公報
【特許文献3】特開2002−191926号公報
【特許文献4】特開2002−286250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示される除去システムは、空気中のVOCを吸着部材で吸着し、この吸着されたVOCを放散させて分解部材に接触させて分解させる機構になっており、吸着と放散とを同時に行っているため極めて効率が悪い。
【0008】
特許文献2に開示される除去システムは、吸着ロータの吸着ゾーンに送り込む被処理空気を予め除湿することでVOCの吸着効率を高めているが、吸着ロータの脱着ゾーンに送り込む空気も除湿されてしまい、VOCの脱着効果が低下してしまう。
【0009】
特許文献3に開示される除去システムは、VOC吸着ロータと除湿ロータとを並列に配置しているため、両者に全く関連性がなく、除湿ロータを利用してVOC吸着効率或いは離脱効率を高めることができない。
【0010】
特許文献4に開示される空調システムは、VOCを除去するものではなく、したがって、如何にして効率よくVOCを除去するかについての示唆はなされていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため請求項1に係るVOC除去システムは、水分及びVOC(揮発性有機化合物)を含む室内空気を取り込み、水分及びVOCを除去した空気を室内に戻す供給経路と、前記水分及びVOCを外部に排出する送出経路と、前記供給経路及び送出経路内に空気の流れを形成する送風手段と、前記供給経路と送出経路に面して配置された回転する水分吸着手段と、前記供給経路と送出経路に面し、前記水分吸着手段より下流側に配置されたVOC吸着手段と、前記送出経路内で前記水分吸着手段よりも上流側に配置される加熱手段とを備え、前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が供給経路で吸着した水分を送出経路で離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が供給経路で吸着したVOCを送出経路で離脱せしめるようにした。
【0012】
前記送出経路に取り入れる空気としては請求項2に記載したように、外気または室内空気のいずれでもよい。
【0013】
前記水分吸着手段及びVOC吸着手段は請求項3に記載したように、互いに独立して回転制御可能とすることが可能である。水分吸着手段及びVOC吸着手段としては、例えば軸方向に通気可能なハニカム構造のロータタイプなどが好ましい。また、材質を選定することによって吸着する成分(水またはVOC)を特定することができる。
【0014】
また、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は請求項4に記載したように一体化した構成とすることも可能である。また水分吸着手段としては、例えばシリカゲル、活性アルミナ、親水性ゼオライト等の親水性吸着剤からなるものを使用し、VOC吸着手段としては、活性炭、疎水性ゼオライト等の疎水性吸着剤からなるものを使用する。
【0015】
また、請求項5に係るVOC除去システムは、上流側から下流側に向かって加熱手段、水分吸着手段及びVOC吸着手段が配置された吸脱着経路と、この吸脱着経路の上流側に空気を供給する供給経路と、前記吸脱着経路を通過した空気を送り出す送出経路と、この送出経路に設けられるとともに送り出し方向を外部または室内の何れかに切り替える経路切替手段と、前記各経路内に空気の流れを形成する送風手段とを備え、前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が吸着した水分を離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が吸着したVOCを離脱せしめるようにした。
【0016】
請求項5に記載したVOC除去システムにおいて、供給経路に吸脱着経路の上流側に外気または室内空気の一方を選択的に供給する切替手段を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、除湿した状態の空気からVOCを吸着するため、吸着効率が向上し、また再生ゾーンでVOC吸着手段からVOCを離脱せしめる空気として除湿に用いた加熱された空気を使用するため省エネルギ効果が発揮される。
また加熱手段が1つで足りるためコストダウンが図れ、更に水分吸着手段とVOC吸着手段が直列に配置されているためコンパクト化が図れる。
【0018】
尚、水分吸着手段を通過した加熱された空気は水蒸気を含んでいるためVOCの離脱効果が更に高まる。そして、上記の水蒸気は除湿した空気からの水分であるため、無駄がない。
【0019】
また、前記水分吸着手段及びVOC吸着手段として請求項3に記載したようにロータタイプとし、互いに独立して回転制御可能とした場合には、それらの回転を制御することにより。各々の吸着成分の脱着時間を変化させ、除去量を調節することが可能となる。
【0020】
即ち、回転速度を上げると除去量が増加する。(ただし、再生領域の吸着成分が全て脱着するのに要する時間を上限とする。なぜなら、回転速度のアップにより再生時間が短くなると吸着剤から脱着されなかった成分が吸着剤に残留するため、吸着剤が飽和状態を起こしてしまう。)また回転速度を下げると除去量が減少する。(ただし、回転停止未満を下限とする。なぜなら回転が停止すると吸着領域で吸着された成分が再生領域まで移動しないことになる。)更に回転を停止した場合には除去量はゼロになる。
【0021】
また、前記水分吸着手段及びVOC吸着手段の回転を加熱手段の出力と連動させることで、効率の良い吸着成分の脱着が可能となる。除去する吸着成分が少ない場合には加熱手段の出力を落として省エネを図ることができる。
【0022】
また、請求項4に記載したように、水分吸着手段とVOC吸着手段を一体化することで、再生空気の移動時に失われる熱量が減少する。
【0023】
また、請求項5及び請求項6に係る発明は、水分およびVOCの吸着と離脱を同時に行わずに切り替えることになるが、水分吸着手段及びVOC吸着手段を回転せしめる必要がないため、装置構成が簡略になる。
【0024】
更に、請求項7に記載したように、VOC除去システムを屋根裏、床下または側壁の近傍に配置することで、生活空間のデッドスペースの有効利用が図られ、特に床下に配置した場合には、排気空気が有する熱で床下を暖めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るVOC除去システムを適用した家屋の概略図、図2は同VOC除去システムの構成図、図3は図2のA−A方向から見た図である。
【0026】
図1に示す実施例にあっては、VOC除去システム1は家屋の天井裏に配置されている。図2及び図3に示すように、VOC除去システム1は管状通路2内を軸方向の仕切板3によって供給経路4と送出経路5に仕切っている。
【0027】
供給経路4の上流側及び下流側はそれぞれ天井に設けた吸気口4a,清浄空気噴出口4bにつながり、送出経路5の上流側は屋根に形成した吸気口5aにつながり、送出経路5の下流側は屋根に形成した排気口5bにつながっている。
【0028】
また、前記管状通路2内には、水分吸着手段である水分吸着ロータ6とその下流側にVOC吸着手段であるVOC吸着ロータ7が配置されている。これら水分吸着ロータ6及びVOC吸着ロータ7はいずれも仕切板3と同一面内にある軸を中心として仕切板3と直交する面内で回転可能とされている。そして、水分吸着ロータ6及びVOC吸着ロータ7は管状通路2内で回転すると、ロータの各部が供給経路4と送出経路5との間、即ち吸着ゾーンと再生ゾーンを循環することになる。
【0029】
水分吸着ロータ6のうち供給経路4内に臨んでいる部分は空気中の水分吸着を行い、送出経路5に臨んでいる部分は再生を行う。ここで、水分吸着ロータ6の再生とは吸着している水分を蒸気として放出し、元の状態に戻ることを指す。
【0030】
またVOC吸着ロータ7のうち供給経路4内に臨んでいる部分は空気中のVOC吸着を行い、送出経路5に臨んでいる部分は再生を行う。ここで、VOC吸着ロータ7の再生とは吸着しているVOCを酸化分解若しくは脱着して送出経路5に放出することを指す。
【0031】
また、前記送出経路5内で水分吸着ロータ6よりも上流側には加熱手段8を配置し、更に加熱手段8の上流には送風手段9を配置している。尚、前記供給経路4内でVOC吸着ロータ7の下流側には送風手段10を配置している。前記送風手段9はVOC吸着ロータ7の下流側に、送風手段10は水分吸着ロータ6の上流側に配置してもよい。但し、加熱手段と組み合わせて用いる場合には、加熱手段よりも上流側に配置するのが、熱的な負担がかからないため有利となる。また、1つの送風手段で共用することも可能である。
【0032】
以上において、送風手段9,10を駆動することで供給経路4及び送出経路5内に図の矢印で示す方向に空気が流れ、供給経路4内では先ず室内から取り入れた空気の水分が水分吸着ロータ6に吸着され、水分が除去された空気は下流側のVOC吸着ロータ7に接触し、このVOC吸着ロータ7にVOCが吸着される。一方、水分吸着ロータ6に吸着された水分は水分吸着ロータ6が回転するに連れて送出経路5内に入り、加熱手段8によって加熱された外気が水分吸着ロータ6に吸着されている水分を蒸発させる。そして、この水蒸気を含んだ高温の空気は下流側のVOC吸着ロータ7に至り、VOC吸着ロータ7に吸着されているVOCを酸化分解若しくは脱着を行い、送出経路5内に放出する。
【0033】
図4は別実施例を示す図2と同様の図であり、この実施例にあっては水分吸着ロータ6とVOC吸着ロータ7とを一体化している。このように一体化することで、熱効率が向上し且つロータを回転せしめるモータなどの駆動手段が1つで済む。
【0034】
図5(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図であり、この実施例は吸脱着経路20を備えている。そして、吸脱着経路20の上流側に空気を供給する供給経路4が設けられ、吸脱着経路20の下流側に空気を送り出す送出経路5が設けられている。
【0035】
前記吸脱着経路20内には上流側から順に、加熱手段8、水分吸着手段6及びVOC吸着手段7が配置されている。この実施例にあっては水分吸着手段6及びVOC吸着手段7としてはロータタイプを使用していない。
【0036】
また前記送出経路5は更に外部への経路51と室内への経路52に分けられ、経路切替手段(ダンパー)21によって、外部への経路51と室内への経路52のいずれかを選択可能としている。
【0037】
以上において、VOCの吸着モードでは図5(a)に示すように、経路切替手段21によって室内への経路52を選択し、この状態で供給経路4を介して吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は水分吸着手段6及びVOC吸着手段7に接触して水分とVOCが除去され、これら水分とVOCが除去された空気は再び室内に戻る。
【0038】
また、VOCの離脱モード(再生モード)では図5(b)に示すように、経路切替手段21によって外部への経路51を選択し、この状態で供給経路4を介して吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は加熱手段8によって加熱され、この加熱空気によって水分吸着手段6に吸着されている水分及びVOC吸着手段7に吸着されているVOCが離脱し、この離脱した水分及びVOCを含む空気は外部への経路51を介して排出される。
【0039】
図6(a)及び(b)は図5に示した実施例を更に発展させた実施例に係るVOC除去システムの構成図であり、この実施例にあっては、供給経路4を外部からの経路41と室内からの経路42に分け、経路切替手段(ダンパー)22によって、吸脱着経路20に供給される空気の経路を外部からの経路41と室内空の経路42のいずれかを選択可能としている。
【0040】
以上において、VOCの吸着モードでは図6(a)に示すように、経路切替手段22によって室内からの経路42を選択し、また経路切替手段21によって室内への経路52を選択し、この状態で吸脱着経路20に室内空気を送り込む。すると、室内空気は水分吸着手段6及びVOC吸着手段7に接触して水分とVOCが除去され、これら水分とVOCが除去された空気は再び室内に戻る。
【0041】
また、VOCの離脱モード(再生モード)では図6(b)に示すように、経路切替手段22によって外部からの経路41を選択し、また経路切替手段21によって外部への経路51を選択し、この状態で吸脱着経路20に外部からの空気を送り込む。すると、外部からの空気は加熱手段8によって加熱され、この加熱空気によって水分吸着手段6に吸着されている水分及びVOC吸着手段7に吸着されているVOCが離脱し、この離脱した水分及びVOCを含む空気は外部への経路51を介して排出される。
【0042】
図7乃至図11は別実施例を示す図1と同様の図であり、図7に示す実施例にあっては送出経路5にも天井に設けた吸気口4aから室内空気を導入するようにし、室内への外気の導入は家屋の側壁に設けた外気取入口11から行うようにしている。
【0043】
図8に示す実施例は、VOC除去システム1を室内に配置している。この実施例の場合には、家屋の側壁に送出経路5に外気を導入する吸気口5aと、送出経路5を通過した空気を外部に排出する排気口5bを形成し、また供給経路4への吸気口4a及び供給経路4からの排気口4bは室内に開口している。
【0044】
図9に示す実施例は、VOC除去システム1の送出経路5に空気を導入する吸気口5aを室内に開口させ、その代わり側壁に設けた外気取入口11から外気を導入するようにしている。
【0045】
図10に示す実施例は、VOC除去システム1を床下に配置している。この実施例の場合には、家屋の土台に送出経路5に外気を導入する吸気口5aと、送出経路5を通過した空気を外部に排出する排気口5bを形成し、また供給経路4への吸気口4a及び供給経路4からの排気口4bは床面に開口している。
【0046】
図11に示す実施例は、VOC除去システム1の送出経路5に空気を導入する吸気口5aを床面に開口させ、その代わり側壁に設けた外気取入口11から外気を導入するようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るVOC除去システムは家屋を新築する場合に限らず、既存の家屋にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るVOC除去システムを適用した家屋の概略図
【図2】同VOC除去システムの構成図
【図3】図2のA−A方向から見た図
【図4】別実施例を示す図2と同様の図
【図5】(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図
【図6】(a)及び(b)は別実施例に係るVOC除去システムの構成図
【図7】別実施例を示す図1と同様の図
【図8】別実施例を示す図1と同様の図
【図9】別実施例を示す図1と同様の図
【図10】別実施例を示す図1と同様の図
【図11】別実施例を示す図1と同様の図
【符号の説明】
【0049】
1…VOC除去システム、2…管状通路、3…仕切板、4…供給経路、4a…吸気口、4b…清浄空気噴出口、5…送出経路、5a…吸気口、5b…排気口、6…水分吸着手段(ロータ)、7…VOC吸着手段(ロータ)、8…加熱手段、9,10…送風手段、11…外気取入口、21,22…経路切替手段(ダンパー)、41…外部からの経路、42…室内からの経路、51…外部への経路、52…室内への経路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分及びVOC(揮発性有機化合物)を含む室内空気を取り込み、水分及びVOCを除去した空気を室内に戻す供給経路と、前記水分及びVOCを外部に排出する送出経路と、前記供給経路及び送出経路内に空気の流れを形成する送風手段と、前記供給経路と送出経路に面して配置された回転する水分吸着手段と、前記供給経路と送出経路に面し、前記水分吸着手段より下流側に配置された回転するVOC吸着手段と、前記送出経路内で前記水分吸着手段よりも上流側に配置される加熱手段とを備え、
前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が供給経路で吸着した水分を送出経路で離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が供給経路で吸着したVOCを送出経路で離脱せしめることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項2】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記送出経路には外部空気又は室内空気のいずれかを導入することを特徴とするVOC除去システム。
【請求項3】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は互いに独立して回転制御可能とされていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項4】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は一体化されていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項5】
上流側から下流側に向かって加熱手段、水分吸着手段及びVOC吸着手段が配置された吸脱着経路と、この吸脱着経路の上流側に空気を供給する供給経路と、前記吸脱着経路を通過した空気を送り出す送出経路と、この送出経路に設けられるとともに送り出し方向を外部または室内の何れかに切り替える経路切替手段と、前記各経路内に空気の流れを形成する送風手段とを備え、
前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が吸着した水分を離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が吸着したVOCを離脱せしめることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項6】
請求項5に記載のVOC除去システムにおいて、前記供給経路には、吸脱着経路の上流側に外気または室内空気の一方を選択的に供給する切替手段が設けられていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載のVOC除去システムにおいて、このVOC除去システムは屋根裏、床下または側壁の近傍に配置されていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項1】
水分及びVOC(揮発性有機化合物)を含む室内空気を取り込み、水分及びVOCを除去した空気を室内に戻す供給経路と、前記水分及びVOCを外部に排出する送出経路と、前記供給経路及び送出経路内に空気の流れを形成する送風手段と、前記供給経路と送出経路に面して配置された回転する水分吸着手段と、前記供給経路と送出経路に面し、前記水分吸着手段より下流側に配置された回転するVOC吸着手段と、前記送出経路内で前記水分吸着手段よりも上流側に配置される加熱手段とを備え、
前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が供給経路で吸着した水分を送出経路で離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が供給経路で吸着したVOCを送出経路で離脱せしめることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項2】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記送出経路には外部空気又は室内空気のいずれかを導入することを特徴とするVOC除去システム。
【請求項3】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は互いに独立して回転制御可能とされていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項4】
請求項1に記載のVOC除去システムにおいて、前記水分吸着手段とVOC吸着手段は一体化されていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項5】
上流側から下流側に向かって加熱手段、水分吸着手段及びVOC吸着手段が配置された吸脱着経路と、この吸脱着経路の上流側に空気を供給する供給経路と、前記吸脱着経路を通過した空気を送り出す送出経路と、この送出経路に設けられるとともに送り出し方向を外部または室内の何れかに切り替える経路切替手段と、前記各経路内に空気の流れを形成する送風手段とを備え、
前記加熱手段で加熱された空気によって前記水分吸着手段が吸着した水分を離脱せしめ、更にこの加熱された空気によってVOC吸着手段が吸着したVOCを離脱せしめることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項6】
請求項5に記載のVOC除去システムにおいて、前記供給経路には、吸脱着経路の上流側に外気または室内空気の一方を選択的に供給する切替手段が設けられていることを特徴とするVOC除去システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載のVOC除去システムにおいて、このVOC除去システムは屋根裏、床下または側壁の近傍に配置されていることを特徴とするVOC除去システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−239564(P2006−239564A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−58615(P2005−58615)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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