説明

VOIP緊急呼に関する音声呼継続性をサポートするためのシステムと方法

緊急呼に関する音声呼継続性(VCC)をサポートするためのシステムと方法が開示される。インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)と回線交換(CS)サブシステムとの間のドメイン移動を容易にするために、該システムは訪問された前記IMS内にVCCアプリケーションを含む。該IMSサブシステムと該CSサブシステムとの間でのドメイン移動を容易にするために、該システムはさらに、該VCCアプリケーションに動作可能に結合された前記訪問されたIMSサブシステム内に緊急呼セッション制御機能(E−CSCF)サブシステムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、下記の米国仮特許出願の利益を主張する:(1)“SUPPORT OFVCC FOR VOIP EMERGENCY CALLS”と題され、2006年4月28日にステファン・エッジによって出願された米国仮出願第60/795,774号;(2)“SUPPORT OF VCC FOR VOIP EMERGENCY CALLS”と題され、2006年5月1日にステファン・エッジによって出願された米国仮出願第60/796,669号;(3)“SYSTEM AND METHOD FOR SUPPORTING VOICE CALL CONTINUITY FOR VOIP EMERGENCY CALLS”と題され、2006年6月21日にステファン・エッジによって出願された米国仮出願第60/815,738号。そしてこれらは本願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
この開示は、一般的には、Voice−Over−IP(VoIP)緊急呼に関する音声呼継続性(Voice Call Continuity)(VCC)を効果的にサポートするためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
音声呼継続性(Voice Call Continuity)(VCC)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project)(3GPP)および第3世代パートナーシッププロジェクト2(Third Generation Partnership Project2)(3GPP2)によって標準化が行われている特徴である。VCCの定義は3GPPによって公衆に利用可能な文書である3GPP TS 23.206(“Voice Call Continuity between CS and IMS; Stage 2”)において作成された。VCCの定義はまた、3GPP2によってこれもまた公衆に利用可能な文書である3GPP2 X.P0042−001−0(“Voice Call Continuity between IMS and Circuit Switched Systems−Stage 2”)において作成された。VCCの両者の定義は非常に似通っており回線モードをサポートする無線アクセスを使用することからVoIPをサポートする無線アクセスを使用することの間で無線端末が切り替わった際に、該無線端末から他のデバイス(無線のまたは無線でない)への音声呼の継続性をサポートする。特に、ユーザーがアクセスを切り替え、それが呼に関与するユーザーに対する顕著な遅延や障害の原因となり、該呼を再確立することの不能という結果を生じるかもしれない場合、VCCの使用は、呼(例えば、回線モードの呼)を解放しなくてはならなくなることを回避し、(例えば、VoIPを使用して)呼を再確立する。
【0004】
しばしば回線交換(CS)ドメインと呼ばれる回線モードをサポートする無線アクセスネットワークの具体例は、Global System for Mobile Communications(GSM)、広帯域符号分割多重アクセス(W−CDMA)を使用したUniversal Mobile Telecommunication System(UMTS)、およびcdma2000 1Xを含む。VoIPをサポートする無線アクセスネットワークの例は、UMTS W−CDMA、cdma2000 1xEV−DO(Evolution Data Optimized)、および様々な無線LAN(WLAN)およびWiMaxネットワークである。ユーザーの無線端末は特定の一の呼に関して(任意の一時点で)回線モードとVoIPのうちの一つだけを使用するように要求されるだろうが、幾つかのケースにおいて、同一のアクセスネットワーク(例えば、UMTS W−CDMA)は回線モードとVoIPの両者をサポートすることが可能である。
【0005】
無線ユーザーが特定の無線アクセスネットワークに関してカバレージを失い、他のアクセスネットワークを使用する必要があるとき、アクセスのタイプ(回線モード、またはVoIP)を変更しないままで提供されるサービスの中断なしに一のアクセスネットワークから他への進行中の呼のハンドオーバーが時として可能である。しかしながら、(例えば、新たなアクセスネットワークが以前に使用されていたアクセス・タイプをサポートしていないなどの理由で)アクセスのタイプを変更する必要がある場合、呼を正常に解放し、新たなアクセス・タイプを使用して再び呼を再確立するだろう。VCCは、その様な中断なしにVoIPと回線モードの間でハンドオーバーを可能にする機能である。
【0006】
VCCは現状では、通常の非緊急呼に関して3GPPと3GPP2の両者によって定義されており、回線モードとVoIPの何れか一方を使用して発生された緊急呼を明示的にはサポートしない可能性がある。これは、VCCに関して3GPPと3GPP2の両者において定義されているソリューションが、回線モードとVoIPの緊急呼をサポートするために定義された、および定義されている最中のソリューションとは互換性が無いからである。この非互換性の主たる原因は、緊急呼をサポートするためのソリューションが、訪問されたネットワークとして知られ、無線ユーザーにサービスを現在提供中であるネットワークからのサポートに依存しているのに対して、VCCに関するソリューションは、たとえ訪問されたネットワークとは異なっている場合でもユーザーのホーム・ネットワークにおけるVCCのサポートを必要とすることである。
【0007】
緊急呼に関するVCCのサポートの欠如は、異なる複数のアクセスネットワークにおいて(または、同一のアクセスネットワークにおいて)、(例えば、ユーザーが移動した、または現在のアクセスネットワークが輻輳しているか他の何らかの悪条件にさらされている等の理由で)回線モードの使用とVoIPの使用との間で無線ユーザーが変更をする必要がある場合、その様な呼が解放され、再発行されなくてはならないであろうことを意味する。この事は特に不利である。なぜなら、もしユーザーが呼を再発行する場合、その呼は以前と同じ公衆安全応答点(Public Safety Answering Point)(PSAP)のオペレーターを通過しないかもしれないからである。加えて、呼が最初に確立された際にコールバック番号が供給されなかった場合(例えば、無線端末が大元のアクセスネットワークにおいて適切にオーサライズされない場合)、PSAPのオペレーターは該呼を再発行できないかもしれない。従って、緊急呼をサポートするようにVCCの機能を拡張することには有利な点があるであろう。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0008】
3GPP TS 23.206(“Voice Call Continuity between CS and IMS; Stage 2”)において説明されているように、VCCは、VCC呼継続性制御機能(VCC Call Continuity Control Function)(VCC CCCF)として知られ、3GPP TS 23.206のより新しいバージョンにおいてVCCアプリケーション、または(ある特定の文脈において)ドメイン移動機能(Domain Transfer Fuction)とも呼ばれる新しいIMS(IPマルチメディアサブシステム)エンティティにおいてサポートされる。3GPP2 X.P0042−001−0(“Voice Call Continuity between IMS and Circuit Switched Systems−Stage 2”)において説明されているように、VCCはVCCアプリケーション・サーバー(VCC AS)によってサポートされ、それは3GPPのVCCアプリケーションと類似したエンティティである。3GPPのVCCアプリケーションと3GPP2のVCC ASの両者は呼び出しを行う無線ユーザーのホーム・ネットワークに配置されるように定義される。この定義は、3GPP TS 23.167において定義されるVoIP IMS緊急呼に関する現在のソリューション、および3GPP2 X.P0049−000−0(“All−IP Emergency Services”)において定義されている3GPP2のソリューションとは互換性が無く、ここで、これらではIMS VoIP緊急呼のサポートが訪問されたネットワークに制限されている。従って、訪問されたネットワークに関してVCCの新しい手法が定義されるか、またはIMS緊急呼がホーム・ネットワークを介して経路制御されない限り、IMS緊急呼に関してVCCをサポートすることは不可能であろう。
【0009】
本明細書で開示される手法は従来の代替手段を使用している。なぜなら、IMS緊急呼のホーム・ネットワークのサポートはVoIP緊急呼に関して現在のソリューションを顕著に変更するが、同時に、責任の問題、訪問された国の規制上の要件、および場合によってはレイテンシーの問題などの多数の新しい問題をもたらすからである。このようなホーム・ネットワークに基づくソリューションはまた、オーサライズされていないユーザーからのIMS緊急呼(例えば、訪問されたネットワークとホーム・ネットワークの間にローミングの合意が全く無いような場合)をサポートすることとも互換性が無いだろう。ホームネットワーク・ソリューションはまた、CS緊急呼をサポートすることとも互換性が無いだろう。なぜなら、これらもまた、訪問されたネットワークにおいてサポートされているからである。
【0010】
本明細書で開示された手法は、緊急呼に関してVCCサポートを可能にし、下記の機能を有する。
【0011】
・ IMS(VoIP)または回線交換(CS)ドメインの何れか一方において発生した緊急呼に関してIMS(VoIP)からCSドメインへの移動をサポートする
・ IMS(VoIP)または回線交換(CS)ドメインの何れか一方において発生した緊急呼に関してCSドメインからIMS(VoIP)への移動をサポートする
・ オーサライズされた無線ユーザー装置(wireless User Equipment)(UE)をサポートする
・ オーサライズされていないUEをサポートする、ここで、該UEは非緊急呼に関してアクセスネットワークを使うようにオーサライズされない
・ ホーム・ネットワーク内における際、またはローミングの際にUEをサポートする
・ 一のアクセスネットワークから他へのVCCの移動に従う位置の継続的なサポートを提供する
位置のサポートとは、一般には、無線ユーザーの地理的な位置(例えば、正確な緯度と経度)を取得するためのPSAPの機能を指して言い、ここで、該無線ユーザーは呼が最初に生成された際、および/またはその呼の継続期間中の後の時刻において緊急呼を開始する。(例えば)欧州と北米の両者における回線モードの緊急呼に関してはこのような機能は現在では必須であり、VoIPの緊急呼に関しては後日に必須となる可能性がある。位置に関する継続的なサポートとは、(例えば、VoIPから回線モードへと)アクセス・タイプを変更した後に、PSAPが無線ユーザーの位置を取得することが依然として可能であるであろうことを意味する。
【0012】
添付の図面と共に理解されることにより、本開示の下記の詳細な説明から、本開示の他の態様、有利な点、および新規な特徴は明らかとなるだろう。
【発明の詳細な説明】
【0013】
I.無線通信システム
例示的な実施形態は、ブロードキャスト・サービスをサポートしているスペクトラム拡散無線通信システムを採用する。無線通信システムは、音声、データなどのような様々なタイプの通信を提供するために広範に展開されている。これらのシステムは、符号分割多重アクセス(code division multiple access)(CDMA)、時分割多重アクセス(time division multiple access)(TDMA)、直交周波数分割多重アクセス(orthogonal frequency division multiple access)(OFDMA)、3GPP LTE(Long Term Evolution)無線アクセス、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband)、WiMax、または他の変調技法に基づいて良い。
【0014】
システムは、下記のような一または複数の標準をサポートするように設計されても良い、例えば、本明細書では3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project)」と名付けられたコンソーシアムによって提案され、下記を含むドキュメントの集合によって具体化された標準、ドキュメント番号TS23.206(“Voice Call Continuity BetweenCS and IMS;Stage 2(Release 7)”)、TS23.167(“IP Multimedia Subsystem(IMS)Emergency Sessions(Release 7)”)、TS24.008(“Mobile Radio Interface Layer 3 Specification;Core Network Protocols;Stage 3(Release 6)”)、TS23.271(“Functional Stage 2 Description of Location Services(LCS)(Release 7)”)、TR21.905(“Vocabulary for 3GPP Specifications”)、およびTS23.002(“Network Architecture(Release 7)”);本明細書では3GPP2と呼ばれる「第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3rd Generation Partnership Project 2)」と名付けられたコンソーシアムによって提案された下記を含む標準、ドキュメント番号X.P0042−001−0(“Voice Call Continuity Between IMS and Circuit Switch Systems”),X.P0049−000−0(“All−IP Emergency Services”),およびX.S0024(“IP−Based Location Services”);TIA/EIA/ATIS J−STD−036(“Enhanced Wireless 9−1−1 Phase II”);および関連するIETFのRFCドキュメントで下記を含むもの、IETF RFC 3261(“SIP:Session Initiation Protoco
l”)、およびIETF RFC 2327(“SDP:Session Description Protocol”)。上記において引用された標準とドキュメントはここで参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0015】
図1は、多数のユーザーをサポートし、本発明の幾つかの態様と実施形態を実装することができる通信システム100の例としての役割を果たす。図1において、参照数字102A〜102Gはセルを指し、参照数字160A〜160GはノードBを指し、参照数字106A〜106Jはアクセス端末またはユーザー装置(User Equipment)(UE)を指す。多様なアルゴリズムと手法のいずれもがシステム100において伝送をスケジュールするために使用されても良い。各々が160A〜160Gの対応するノードBによってそれぞれサービスされる多数のセル102A〜102Gに関してシステム100は通信を提供する。例示的な実施形態において、複数のノードB160のうちの幾つかは複数の受信アンテナを有し、他は一つだけの受信アンテナを有する。同様に、複数のノードB160のうちの幾つかは複数の送信アンテナを有し、他は単一の送信アンテナを有する。送信アンテナと受信アンテナの組み合わせに関しては何の制限も無い。従って、一のノードBについて、複数の送信アンテナと単一の受信アンテナを有し、または複数の受信アンテナと単一の送信アンテナを有し、または両者共に単一または複数である送信および受信アンテナを有することが可能である。
【0016】
カバレージ・エリア内の端末(すなわちUE)106は、固定されていても(即ち、固定局)、または移動式であっても良い。図1に示されるように、システム全体にわたって様々な端末(すなわちUE)106が分散配置されている。端末(すなわちUE)106の各々は、任意の与えられた瞬間において、ダウンリンク、およびアップリンクの上で少なくとも一つ、および場合によっては複数のノードB160と通信し、それは例えば、ソフトハンドオフが採用されているか、または該端末(すなわちUE)が複数のノードBから複数の伝送を(並列に、または逐次的に)受信するように設計され、作動されているかに依存している。ダウンリンクは、ノードBから端末(すなわちUE)への伝送を指して言い、アップリンクは、端末(すなわちUE)からノードBへの伝送を指して言う。例示的な実施形態において、複数の端末(すなわち複数のUE)106のうちの幾つかは複数の受信アンテナを有し、他は一つだけの受信アンテナを有する。図1において、ノードB 160Aは端末(すなわちUE)106Aと106Jに対してダウンリンク上でデータを伝送し、ノードB 160Bは端末(すなわちUE)106Bと106Jに対してデータを伝送し、ノードB 160Cは端末(すなわちUE)106Cに対してデータを伝送し、以下同様である。
【0017】
無線データ伝送に関する増加する需要と無線通信技術を介して利用可能なサービスの拡大は特定のデータ・サービスの開発を先導してきた。その様なサービスの一つはHigh Rate Packet Data(HRPD)と呼ばれる。例示的なHRPDサービスは「HRPD仕様書」と呼ばれる“EIA/TIA−IS856 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification”において提案されている。HRPDサービスは一般的に音声通信システムに対するオーバーレイであり、無線通信システムにおけるデータのパケットの伝送の効率的な方法を提供する。伝送されるデータの量と伝送の回数が増加するにつれて、無線伝送に関して利用可能な限られた帯域幅は重要なリソースとなる。従って、利用可能な帯域幅の使用を最適化する通信システム内での伝送の効率的で公平な方法に関する需要が存在する。例示的な実施形態においては、図1に図解されているシステム100はHRPDサービスを有する無線アクセス型のシステムと整合性が取れている。
【0018】
図2は、例示的な3GPP W−CDMA通信システムの簡単化された機能ブロック図である。上述したように、(3GPPの文脈において定義されているような)無線ネットワーク・コントローラー(Radio Network Controller)(RNC)130は、ネットワーク104と、地理的領域全体にわたって分散配置されている(3GPPの文脈において定義されているような)様々なノードB160との間のインターフェイスを提供するために使用されることが可能である。説明の簡単化のために、一つだけのノードB160が示される。一般的に、該地理的領域は(図1に示される)セル102として知られるより小さい領域に分割される。各ノードB160は、その各々のセル内の全てのユーザー装置(UE)106をサービスするように構成される。幾つかの高いトラフィックのアプリケーションではセル102は、複数のセクターに分割されても良く、ここで、ノードB160は各セクターをサービスする。説明される例示的な実施形態においては、3つのUE 106A〜CがノードB160と通信中であるとして示されている。RNC130の制御の下で、各UE106A〜Cはネットワーク104をアクセスしても良く、一または複数のノードB160を通じて他のUE106と通信しても良い。
【0019】
最近の通信システムは、複数のユーザーが共通の通信媒体をアクセスすることを可能とするように設計されている。多数の多重アクセス技法が当該技術分野において知られており、それらは例えば、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、空間分割多重アクセス、偏光分割多重アクセス、符号分割多重アクセス(CDMA)、および他の類似した多重アクセス技法などである。多重アクセスの概念は、複数のユーザーが共通の通信リンクをアクセスすることを可能にするチャネル割り当て方法である。具体的な多重アクセス技法に依存して、チャネル割り当ては様々な形態を取ることができる。例示の方法により、FDMAシステムにおいては一般的に、全体の周波数スペクトルは多数のより小さいサブバンドに分割され、各ユーザーは通信リンクにアクセスするために自分自身のサブバンドを与えられることができる。代替的に、FDMAのOFDMA変形における例に関しては、各ユーザーは多数の異なる周波数チャネルをアクセスすることを可能とされ得る。代替的に、TDMAシステムにおいては、各ユーザーは周期的に繰り返されるタイムスロットの期間中に全範囲の周波数スペクトルを与えられる。CDMAシステムにおいては、各ユーザーは全ての時間にわたって全範囲の周波数スペクトルを与えられるが、符号の使用を通じて自分の伝送を区別する。
【0020】
HRPDの伝送をサポートしており複数のユーザーに対する伝送をスケジューリングするために適応された通信システムの一つの例が図3に図解されている。図3は、本明細書において下記のとおりに詳細に説明され、具体的には、一のノードB160とRNC130はパケット・ネットワーク・インターフェイス146によってインターフェイスされている。RNC130は、システム120内で複数の伝送に関するスケジューリング・アルゴリズムを実装するためのチャネル・スケジューラ132を含む。チャネル・スケジューラ132は、受信データに関する任意の特定の遠隔局の関連付けられた瞬間レート(最も最近に受信されたDRC信号によって表される)に基いて、その期間中にデータが該遠隔局に送信されるべきサービス区間の長さを決定する。該サービス区間は時間的に連続していなくても良く、nスロット毎に一回ずつ発生しても良い。一の実施形態に従うならば、パケットの第1の部分は、第1の時刻における第1のスロットの期間中に送信され、第2の部分は、後の時刻において4スロット後に送信される。さらに、該パケットの後続するいずれの部分も同様の4スロット分の散布を有する、即ち互いに4スロット分だけ離れている複数のスロットにおいて送信される。一の実施形態に従うならば、受信データの瞬間レートRiは特定のデータ待ち行列に関連付けられたサービス区間の長さLiを決定する。
【0021】
加えて、チャネル・スケジューラ132は、伝送に関する特定のデータ待ち行列を選択する。その上で、送信されるべき関連付けられた量のデータがデータ待ち行列172から取り出され、該データ待ち行列172に関連付けられた遠隔局への送信のために、チャネル・エレメント168に供給される。以下で議論するように、該チャネル・スケジューラ132は該データを供給するために該待ち行列を選択し、そのデータは待ち行列の各々と関連付けられた重みを含む情報を使用して、続くサービス区間において送信される。送信された待ち行列に関連付けられた重みは、その後更新される。
【0022】
RNC130は、パケット・ネットワーク・インターフェイス146により、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)(PSTN)148、および通信システム内の全てのノードB(簡単のために図2Bでは一つだけのノードBが示されている)とインターフェイスされている。RNC130は、通信システム内の遠隔局、およびパケット・ネットワーク・インターフェイス146とPSTN148に接続された他のユーザーとの間の通信を調整する。PSTN148は標準的な電話網(図2Bには示されていない)を通じてユーザーとインターフェイスされている。
【0023】
簡単のために図2Bには一つだけしか示されていないけれども、RNC130は、多数の選択器エレメント136を含んでいる。各選択器エレメント136は、一または複数のノードBと一つの遠隔局(図示無し)との間の通信を制御するために割り当てられる。所与の遠隔局に対して選択器エレメント136が未だ割り当てられていない場合、呼制御プロセッサー141は、該遠隔局に対してページングを実行する必要性を知らされる。呼制御プロセッサー141はその後、該遠隔局に対してページングを実行するようにノードB160に指令する。
【0024】
データ・ソース122は多量のデータを含み、そのデータは所与の遠隔局に対して送信されるべきものである。データ・ソース122は該データをパケット・ネットワーク・インターフェイス146に対して供給する。パケット・ネットワーク・インターフェイス146は、該データを受け取り、該データを選択器エレメント136へとルーティングする。その上で、選択器エレメント136は、ターゲットとなる遠隔局と通信している各ノードB160に対して該データを送信する。例示的な実施形態において、各ノードB160は一のデータ待ち行列172を管理し、それは該遠隔局へと送信されるべきデータを格納する。
【0025】
データは、データ待ち行列172からチャネル・エレメント168へとデータ・パケットに入れられて送信される。例示的な実施形態においては、順方向リンク上で、「データ・パケット」とは、最大で1024ビットの一定量のデータであり、一の所定のタイムスロット(例えば、≒1.667ミリ秒)の中で宛先の遠隔局へと送信されるべき一定量のデータを指して言う。各データ・パケットに関して、チャネル・エレメント168は制御フィールドを挿入する。例示的な実施形態においては、チャネル・エレメント168は巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)CRC、およびデータ・パケットと制御フィールドの符号化を実行し、符号テイルビットの組を挿入する。データ・パケット、制御フィールド、CRCパリティ・ビット、および符号テイルビットはフォーマットされたパケットを構成する。該例示的な実施形態においては、チャネル・エレメント168はその後、フォーマットされたパケットを符号化し、該符号化されたパケット内部のシンボルをインターリーブする(即ち、並べ替える)。該例示的な実施形態においては、該インターリーブされたパケットはウォルシュ符号によってカバーされ、短いPNIおよびPNQ符号によって拡散される。拡散されたデータはRFユニット170へ供給され、該ユニットは信号を直交変調し、フィルタリングし、増幅する。順方向リンク信号はアンテナを通じて順方向リンクへ無線で送信される。
【0026】
遠隔局106において、順方向リンク信号はアンテナによって受信され、受信器へとルーティングされる。該受信器は、該信号をフィルタリングし、増幅し、直交復調し、そして量子化する。デジタル化された信号は復調器(DEMOD)に供給され、ここでは、該信号は短いPNIおよびPNQ符号によって逆拡散され、ウォルシュ符号によってデカバーされる。復調されたデータは復号化器へと供給され、それはノードB160において行われた信号処理機能と逆のこと、具体的には、逆インターリーブ、復号化、およびCRC検査機能を実行する。復号化されたデータはデータ・シンクへと供給される。
【0027】
図4は本特許出願に従う(3GPPの文脈における)UE、すなわち(3GPP2の文脈における)AT106の他の実施形態であり、該特許出願においてはUE、すなわちATは、送信回路264(PA308を含む)、受信回路408、スロットル制御306、復号化処理ユニット258、処理ユニット302、キャリア制御ユニット412、およびメモリー416を含む。スロットル制御ユニット306は、上記で図解されたようなスロットル規則の少なくとも一つの組を実装する。スロットル規則は、RL上での送信電力を制御することに関する手段と方法を提供する。
【0028】
下記の議論においては、本発明は主として3GPPアーキテクチャー参照モデルの文脈において説明されるだろう。しかしながら、開示された情報によれば、当該技術分野における当業者は3GPP2ネットワーク・アーキテクチャー、または他のネットワーク・アーキテクチャーにおいて本発明の態様を容易に使用のために適合させ、実装できるだろう。
【0029】
II.アーキテクチャー参照モデル
図5Aは、ドメイン移動手順を可能とするための(3GPP TS23.206に開示されているとおりの)3GPP実装に関する参照モデルを示す。一般的に、VCCが可能なUE516および518を使用している際にアクティブな音声セッションを維持しながら、ドメイン移動手順はCSドメイン500とIPベースのドメイン510の間の音声継続性を可能とする。初期の、および後続する移動を含むVCC加入者呼と関連付けられた全てのドメイン移動手順は、ユーザーのホームIMSネットワーク内においてドメイン移動機能(Domain Transfer Function)(DTF)によって実行され、制御され、該DTFは図5AにおけるVCCアプリケーションの一部を形成する。
【0030】
図5Aに示されるとおり、セッションの確立に際してDTFにおいてVCC可能なUE516と518を使用してVCC加入者音声呼に関する3pcc(サード・パーティー呼制御(3rd party call control))を確立するために、静的アンカーリング技法が採用される。VCC加入者のS−CSCF514における初期フィルター基準(iFC)の実行の開始動作または終了動作の一部として該DTFが起動される。ルーティング3pcc機能を採用することによりVCC UE516および518を使用して生成されたVCC加入者の音声呼のシグナリング経路の中に該DTFは自分自身を挿入する。発呼元の音声セッションに関しては、該DTFは該ユーザーからのアクセス区間(Access Leg)を終端し、リモート端に向かってリモート区間を確立する。終端側の音声セッションに関しては、該DTFは、リモート端からのリモート区間を終端し、該ユーザーに向かってアクセス区間を確立する。それに引き続いて、該DTFは、一のVCC加入者音声呼に関連付けられたアクセス区間とリモート区間の間の呼制御シグナリングの交換を調整する。
【0031】
図5Aに示されるように、アクセス区間がCSドメイン500とIMS510のそれぞれを介して確立される際に3pccは該DTFにおいて存在し、この事はその使用がドメイン移動手順の事前条件に係わることを説明している。図5Aは該DTFにおける3pcc、およびドメイン移動手順に関するその使用を図解している。従って、それは、ドメイン移動の可能化と実行に関連するシグナリングとビアラーの構成要素のみを示している。
【0032】
図5Bは、3GPPに関する例示的な参照モデルを示し、該参照モデルは通常のVCCに関する(図5Aで示され、3GPP TS23.206において開示された)標準的な3GPP参照モデルとは異なる。IMS(VoIP)緊急呼に関してVCCをサポートすることについての3GPP TS23.206における参照モデルとの相違点には、下記が含まれ得る。すなわち、ホーム内のVCCアプリケーション(図5A内で構成要素504として示されている)よりもむしろ訪問されたネットワーク内のVCCアプリケーション572を使用すること、および3GPP TS23.206におけるようなホーム・ネットワーク内のサービス中のCSCF(Serving CSCF)(S−CSCF)(図5A内で構成要素514として示されている)よりもむしろ訪問されたネットワーク内の緊急呼セッション制御機能(Emergency Call Session Control Function)(3GPP TS23.167において定義されているE−CSCF)を使用することである。該訪問されたネットワークのプロキシーCSCF(Proxy CSCF)(P−CSCF)もまた、該モデルの一部であるが、図5Bには示されていない。図5BにおけるVCCアプリケーション572は、VCC呼継続性制御機能(Call Continuity Control Function)(CCCF)、VCCアプリケーション・サーバー(VCC AS)、またはドメイン移動機能(Domain Transfer Function)(DTF)とも呼ばれ得ることに注意されたい。
【0033】
図6Aは、図5Aにおけるモデルとは相補的であるが、3GPP TS23.167において定義されているサービスの観点から見た参照モデルを示す。(位置抽出機能(Location Retrieval Function)(LRF)610、ユーザー装置(UE)620、プロキシーCSCF(P−CSCF)630、緊急CSCF(E−CSCF)640、およびS−CSCF650を含む)複数の構成要素は3GPP TS23.167において定義されているように機能する。
【0034】
図6Bは、図5Bと同一の参照モデルを含むが、IMS(VoIP)緊急呼をサポートするために3GPP TS23.167において定義されているモデルの観点から見たものを示す。図6Bにおいては、3GPP TS23.167において開示されている(そして、図6Aに示されている)参照モデルとは異なり、VCCアプリケーション660は、訪問されたネットワーク内のE−CSCF640へのインターフェイス、および訪問されたネットワーク内のP−CSCF630への可能なインターフェイスを有する。緊急呼は、3GPP TS23.206において定義されているようにVCCアプリケーション内に固定されるだろう。加えて、UE620がそのサービス提供中のネットワークとサービス提供中のドメインをどのように変更するかに関わらず、更新された位置の推定をPSAPがLRF610から取得し続けることができるように、位置のサポートは訪問されたネットワーク内のLRF610内に固定されるだろう。このLRF610はここではアンカーLRFと呼ばれることができる。
【0035】
3GPP2に適用可能な参照モデルは、図5BにおけるVCCアプリケーション(構成要素572)、および図6BにおけるVCCアプリケーション(構成要素660)をVCC ASで置き換えることにより得られる。3GPPに適用可能な下記の説明において、3GPPの文脈から3GPP2の文脈への用語法と対象の特定の変更と共に3GPP2の緊急呼に関するVCCサポートの方法を定義するために(そうではないと述べられない限り)同一の説明が使用されることが可能であることが理解されるべきである。特に、参照された3GPP VCCアプリケーション・エンティティは3GPP2 VCC ASによって置き換えられるだろう。下記で参照される特定の他の3GPPの対象も置き換えられることが可能だろう。例えば、3GPP GMLC(Gateway Mobile Location Center)は3GPP2 MPC(Mobile Position Center)によって置き換えられるだろう。
【0036】
III.VCCサポートの交渉
通常のVCCに関して、ホーム・ネットワーク(例えば、ホームのS−CSCF)はUEのホーム加入者サーバー(home subscriber server)(HSS)から取得された加入情報からUEのVCC可能性を認識することができる。該UEは、VCCのホーム・ネットワーク・サポート、およびドメイン移動のために用いられるVDN(E.164 音声ドメイン移動番号(Voice Domain Transfer Number))およびVDI(音声ドメイン移動SIP URI(Voice Domain Transfer SIP URI))(またはVDNおよびVVDIと等価な他の番号およびアドレス)を既に認識していることが可能であり、音声呼が最初に発呼された際に、いかなる明示的な交渉および情報の転送も無しにVCCを可能化する。
【0037】
同一の明示的なシグナリングの変更が必要とされるかも知れないが、CSとVoIPの緊急呼に関して同様の態様でVCCをサポートすることが望ましいだろう。例えば、VCCサポートの如何なる交渉も無しではVCCをサポートすることは難しいだろう。なぜなら、UEがドメインを変更した際に、ローミング状況の下では、古い、および新しいドメインがVCCをサポートするために協働することができるか否かをUEは知るよしも無いからであり、従って、UEは既存の呼が継続され得るか否かを知ることは無いだろうからである。下記の議論においては、IMS緊急呼に関するVCCサポートは訪問されたネットワーク内において提供されると仮定されている。
【0038】
III.A.UEがVCC可能であることを伝える方法
訪問されたネットワーク(例えば、P−CSCF、E−CSCF、または音声移動サービス交換センター(Voice Mobile-Service Switching Center)(VMSC)など)に対してUEがVCC可能であることを伝えるために、下記の選択肢が可能である。
【0039】
(a)訪問されたネットワークがUEのホーム・ネットワークである場合、それはホームHSS内のUEに関する加入情報からUEのVCC可能性を発見することが可能である。
【0040】
(b)訪問されたネットワークは(UEが実際にそうであるか否かに関わらず)UEがVCC可能であると仮定しても良い。例えば、訪問されたネットワークがホーム・ネットワークではなく、従って選択し(a)を採用することができない場合、それはUEがVCC可能であると仮定することが可能である。
【0041】
(c)訪問されたネットワーク(例えば、P−CSCFまたはVMSC)はホーム・ネットワークによる登録の期間中に(例えば、ホームS−CSCFの200 OK応答からセッション・イニシエーション・プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)のREGISTERメッセージ(IETF RFC3261で定義されている)までの間に)、またはVMSCに対してHLR/HSSによって提供されたUEの加入情報の中にUEのVCC可能性を発見することが可能である。
【0042】
(d)UEは、訪問されたネットワーク(例えば、P−CSCFまたはE−CSCF)に、自身のVCC可能性について、下記の複数の方法のうちの一つにより知らせることができる。
【0043】
i.登録の期間中に(例えば、SIP REGISTERメッセージにおいて);または
ii.IMS緊急呼を発呼する際(例えば、SIP INVITEメッセージにおいて);または
iii.CSモードの緊急呼を発呼する際(例えば、3GPP TS24.008において定義されているEmergency SETUPメッセージにおいて)。
【0044】
選択肢(a)は、PS(パケット交換)ドメイン内で発呼された緊急呼に対して適用可能であり、UEがローミング中でない(すなわち自身のホーム・ネットワークによってサービスされている)場合に3GPP TS23.206で説明されているように通常のVCCサポートに関して(非緊急呼に関して)使用されているVCC可能性の発見のために同一の仕組みを使用しても良い。
【0045】
選択肢(b)に関しては、訪問されたネットワークはUEがVCC可能であると仮定し、(例えば、セクションIVおよび図7において後述されるとおりに)緊急呼が発呼された際にVCCリソースを割り当てる。しかしながら、VCCリソースは、該UEが実際にVCC可能であり、緊急呼がIMS(VoIP)および回線交換ドメインの間で遷移する必要がある場合のみ使用されるだろう。従って、(VCCリソースは呼のシグナリングを中継するためだけに使用されることから、緊急呼それ自体は必ずしも損なわれないけれども)VCC可能でないUEに関するVCCリソースの一定の無駄が存在するだろう。PSドメインにおいて発呼された緊急呼に関しては、無駄は小さいかもしれない。なぜなら、一般にその様な呼の数は全てのVoIP呼(緊急、および非緊急の両者の)の中の非常に小さい比率であろうからである。加えて、選択肢(a)と選択肢(b)が組み合わされ、それにより訪問されたネットワークがホーム・ネットワークでない場合にだけ、該訪問されたネットワークがUEのVCC可能性を仮定するようにする場合、無駄のレベルは更に削減される。しかしながら、CSで発呼された緊急呼に関しては、おそらくはより高いレベルの無駄が存在するだろう。なぜなら、少なくとも初期においては、殆どのCS緊急呼はVCCをサポートすることが不可能であるレガシーUEから来るだろうからである。
【0046】
選択肢(a)と選択肢(b)の両者はUEに大きな影響を与えることを回避し、このことは、緊急、および非緊急の両方の呼に関して(UEの観点から)共通のVCCソリューションを可能とするために望ましい。
【0047】
選択肢(c)もまた、UEに大きな影響を与えることを回避する。しかしながら、選択肢(c)はオーサライズされたUEだけに限定される可能性がある。
【0048】
選択肢(d.i)はホーム・ネットワークに対して大きな影響を与えることを回避するが、しかしこれもまたオーサライズされたUEのみに限定され、その一方で、選択肢(d.ii)および(d.iii)はUEの観点からVCCの新しい変形を必要とするけれども、全てのUEに関して有効である。
【0049】
III.B.訪問されたネットワークがVCC可能であることを伝える方法
訪問されたネットワークがVCC可能であることをUEに伝え、必要ならばVDNとVDIを転送するために、下記の選択肢が可能である。
【0050】
(e)その性質上固定的であり、いかなるUEにとっても特有のものではないシステム・ブロードキャスト・メッセージ、または他のメッセージ(例えば、特定の訪問されたネットワークに関連付けられたWLANの広告)から、UEは訪問されたネットワークのVCC可能性(そして場合によっては任意のVDNおよびVDI)を発見する。これらのメッセージは同一のメッセージであることが可能であり、該メッセージは全てのUEに対してネットワーク情報(ネットワーク識別子、およびサポートされる機能)を提供する全てのネットワーク基地局、および/またはアクセスポイントから現在送信されているものである。
【0051】
(f)訪問されたネットワーク内のサーバーからDHCPを使用して、またはHypertext Transfer Protocol(HTTP)またはセキュアHTTP(HTTPS)を使用して、UEはVCC可能性、および必要ならばVDNとVDIを発見する、ここで、前記サーバーの役割は緊急呼に関係した情報(例えば、局所緊急番号(local Emergency numbers)も含む)を提供することである。
【0052】
(g)訪問されたネットワークはUEに対してそのVCC可能性を下記の何れかにおいて示す。
【0053】
i.登録の期間中(例えば、SIP 200 OKメッセージ中において);または
ii.IMS緊急呼の発呼に対して応答する際(例えば、SIP 200 OKメッセージ中において);または
iii.PSモード・アタッチ要求に対して応答する際(例えば、3GPP TS24.008におけるネットワーク特性サポート・パラメータ(Network Feature support parameter)を使用して);または
iv.CS緊急呼の発呼に対して応答する際(例えば、3GPP TS24.008において定義されているCONNECTメッセージ内のファシリティ・パラメータ(Facility parameter)内において)
(h)緊急呼のためにVCCをサポートすることが既知であるネットワークに関して、UEに対し、またはUE内のユニバーサル集積回路カード(Universal Integrated Circuit Card)(UICC)に対してホーム・ネットワークは情報をダウンロードする。例えば、ホーム・ネットワークはそのような全てのVCC可能なネットワークに関するモバイル国コード(mobile country code)(MCC)、およびモバイル・ネットワーク・コード(mobile network code)(MNC)をUEに提供することができるだろう。その様なネットワークによって使用されるVDNやVDIのような追加的情報もまた、提供されることが可能だろう。
【0054】
選択肢(e)は(UMTS、GPRS、およびGSMネットワークのような)無線ネットワークに適しているであろうし、WLANに関しても可能であり得るだろう。それはまた、UEに対する如何なるポイント・ツー・ポイントのシグナリングの影響をも回避する。IMSが発生した呼に対して適用可能な選択肢(f)は、SIPの影響を回避し、訪問されたネットワーク内のあるサーバーからUEに対して局所緊急番号(local emergency numbers)を提供する必要性と適合し得るだろう。このサーバーのアドレスは、DHCP、または既知のFully Qualified Domain Name(FQDN)の上でのDNS問い合わせの何れか一方を使用してUEによって取得され、ここで該FQDNは、訪問されたネットワークの既知のドメイン名(例えば、訪問されたネットワークのMCC、およびMNCに基づいたもの)、および何らかの固定的なユーザー名(例えば、”emergency-support@<訪問されたネットワークのドメイン>”など)を含む。一の変形として、VCC機能(および必要ならばVDNとVDIアドレス)は、P−CSCFとDNSサーバー・アドレスを発見するためにUEがDHCPを使用する際に直接的にシグナリングされることが可能であろう。
【0055】
選択肢(g.i)はオーサライズされたUEに関してのみ有効である可能性があり、その一方で、選択肢(g.ii)、(g.iii)、および(g.iv)はオーサライズされた、およびオーサライズされていないUEに関して有効である。
【0056】
選択肢(h)は全てのUEに関して有効であることが可能であり、各ホーム・ネットワークに専用のシグナリングを使用しても良い。
【0057】
III.C.必要とされるシグナリングの変更
(上記のセクションIII.AとIII.Bで説明された)選択肢(c)、(d)および(g)をサポートするために必要とされるSIPシグナリングの変更は少なくとも四つの異なる方法によりサポートされ得るだろう。
【0058】
(i)既存のSIPヘッダー・フィールド(例えば、Record-Route、Route、Contactなど)は新たなシグナリングを転送するために使用される。
【0059】
(j)SIP REGISTER、SIP INVITE、およびSIP 200 OKにおけるサポートされたSIPヘッダー・フィールドはVCCサポートを表示する新しいオプション・タグを生成するために拡張される。追加のVCC情報(例えば、VDN、およびVDI)の転送のために、新たなSIPの拡張が、サポートされたVCCオプション・タグと関連付けられて使用されるだろう。
【0060】
(k)SIP INVITE、およびSIP 200 OKのセッション記述プロトコル(Session Description Protocol)(IETF 2327において定義されているSDP)の部分が、IANAに登録された、または登録されていない新たな属性を定義することにより拡張される。例えば、新たなプロパティ属性がVCCサポートを表示するために使用されることが可能であろうし、一つのまたは2つの異なる値の属性が(例えば、E−CSCF、またはVCCアプリケーションから)UEに対してVDN、およびVDIを運ぶために割り当てられることが可能であろう。媒体レベル属性は(セッション・レベルの属性とは反対に)(例えば、マルチメディア緊急呼を確立する際に)VCCがサポートされる特定の媒体(例えば、オーディオのみ)を選択的に定義するためにより適切であるかもしれない。
【0061】
(l)選択肢(i)、(j)、および(k)の中の2つ、またはそれ以上の組み合わせが使用されても良いだろう。例えば、(j)におけるような新たにサポートされたオプション・タグを使用しただけのSIP機能の伝達と、(k)におけるような新たなSDPレベルの値の属性を使用した任意の更なるVCC情報(例えば、VDN、およびVDIなど)の伝達である。
【0062】
選択肢(j)の一例として、VCCサポートを表示する新たなオプション・タグを含むサポートされたSIPヘッダー・フィールドを包含することによって、SIP REGISTERメッセージの中において、UEは自身のVCCのサポートを表示することができるだろう。訪問されたネットワークがVCCに加えて、新たなSIPの拡張の中において(必要ならば)VDNとVDIをサポートするならば、訪問されたネットワークのP−CSCFにより返された200 OKは、その後、同一のオプション・タグを包含することができるだろう。もう一つの例として、SIP INVITE、および200 OKにおける呼の確立の期間中に同一のやり取りが生起し得るだろう。VCCの表示、および/またはVCCに関係した情報が新たなSDP属性を使用して伝達されることを除いて、同一の例が選択肢(k)と(l)に当てはまる。
【0063】
無線インターフェイス上でのUEと訪問されたネットワークとの間のSIP、および他のポイント・ツー・ポイント・シグナリングの影響を回避するために、選択肢(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、および(h)の何らかの組み合わせが使用され得る。しかしながら、UEに関してSIP、およびCSドメインのシグナリングの影響を許すことは、ホーム・ネットワークに対する影響を回避することができ、例えば選択肢(d.ii)、(d.iii)、(g.ii)、(g.iii)、および(g.iv)を使用してオーサライズされていないUEに関してVCCをサポートする。
【0064】
IV.IMS緊急呼の発呼
緊急呼の発呼は3GPP TS23.167において定義されるように発生し得るが、VCCの使用の交渉をするための幾らかの変更を伴う。特に、任意のドメイン移動に続く音声呼の継続性と同様に、位置のサポートの継続性も保存するために、訪問されたネットワーク内のE−CSCF、またはP−CSCFの何れか一方は、位置を取得、または検証するため、および宛先のPSAPを選択するためにLRFを起動する前に、(IMS緊急呼に関する)SIP INVITEを送信する必要があるだろう。その後、VCCアプリケーションは入って来る呼の区間を固定し、E−CSCFを通じてPSAPに向かって新たな出て行く呼の区間を発生する。VCCアプリケーションからSIP INVITEを受信する時に、E−CSCFは、TS23.167で定義されているように通常の位置付け操作とルーティングを実行し、IPを介して、または媒体ゲートウェイ制御機能(Media Gateway Control Function)(MGCF)、および公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)(PSTN)を通じて該呼をPSAPへと転送する。VCCアプリケーションから出て行く呼の区間の一部として位置付け操作とルーティングを実行することは、アンカー位置抽出機能(LRF)との関連付けが該呼の継続期間全体を通じて保存されたままであるようにするために必須のものである。アンカーLRFとの継続的な関連付けは位置のサポートの継続性を可能とするだろう。特に該呼が最終的に解放される際に、先行するドメイン移動の数とは無関係に、E−CSCFは依然として呼のシグナリング経路上にあり、従って、該呼が解放されたことをLRFに知らせることができ、それにより、3GPP TS23.167における要件に従って、LRFが自身の呼の記録を解放することを可能とするだろう。
【0065】
図7は、例示的な引き続く呼の発生の手順を図解し、VCCの使用を交渉することと任意のVCCに関係する情報を転送することに関して既に説明された選択肢のうちの幾つかを可能なオプションとして含む。
【0066】
ステップ1(緊急呼を開始する):このステップではユーザーは緊急呼を開始する。
【0067】
ステップ2(登録):ユーザー装置(UE)710は、もしもそれが適格証明を含むならば、3GPP TS23.167において説明されているように、訪問されたネットワークP−CSCF720、およびホーム・ネットワークS−CSCF(図示されず)と共に緊急登録手順を実行しても良い。UE710によって送信されたSIP REGISTERメッセージ、またはホームS−CSCFによって返されたSIP 200 OKメッセージは訪問されたネットワークP−CSCF720に対してUE710がVCC可能であることを示すことが可能である。訪問されたネットワークP−CSCF720によってUE710に返された「200 OK」は、訪問されたネットワークがVCC可能であり、(必要ならば)VDNとVDIを提供する可能性があることを示しても良い。
【0068】
ステップ3(INVITE(emergency,VCC)):ユーザー装置(UE)710訪問されたネットワークP−CSCF720に対して緊急の表示と共にINVITEを送信する。該INVITEは、UEが有する如何なる位置オブジェクトを含んでいても良い。該位置オブジェクトはアクセス・ネットワーク技術に依存している。ステップ2においてVCCに関するUEのサポートが訪問されたネットワークに伝えられていなかった場合には、該INVITEはそれを表示しても良く、UEに関する識別子情報(例えば、SIP、および電話のコールバックのアドレスまたは番号など)をも含んでいても良い。
【0069】
ステップ4a、4b、および4c:INVITE内のVCCサポートの何らかの表示、またはステップ2において取得されたVCCサポートの知識、または(上記のセクションIII.Aで説明された)選択肢(a)および/または(b)に従ったVCCサポートの知識または仮定に基づいてP−CSCF720は、2つの異なる方法により該INVITEを中継する。
【0070】
i.ステップ4a(INVITE(emergency,VCC)):P−CSCFはE−CSCFに対して、場合によってはVCCサポートの表示と共にSIP INVITEを中継する;そして、ステップ4b(INVITE(emergency,VCC))において、ステップ4aにおけるVCCサポートの表示に基づいて、またはネットワーク・ポリシー(例えば、全てのUEによるVCCサポートの仮定)に起因して、E−CSCF740は、VCCアプリケーション760に対してSIP INVITEを中継する。
【0071】
ii.ステップ4c(INVITE(emergency,VCC)):代替的に、P−CSCFは、SIP INVITEを直接的にVCCアプリケーションに中継する。
【0072】
ステップ5(INVITE(emergency)):VCCアプリケーション760は、E−CSCFに対してINVITEを送信する(またはそこへ返送する)ことにより、入って来る呼の区間を固定し、出て行く区間を発生する。該INVITEは依然として緊急の表示を伝達するが、もはやVCCに関するサポートは表示しない。
【0073】
ステップ6(位置を抽出する):E−CSCF740は、3GPP TS23.167において定義されているように、緊急呼のセットアップに関して通常の取り扱いを実行する。INVITEの中で提供された位置オブジェクトが正確なPSAPを決定するのに不充分である場合、またはIMSコアがルーティング決定機能(Routing Determination Function)(RDF)の支援を必要とする場合、またはIMSコアが位置オブジェクトを検証することを要求されている場合、位置抽出機能を実行するためにLRF730に対して位置抽出要求(retrieve location request)が送信される。位置抽出要求は、UE710を識別する情報(例えば、MSISDN、IMSI、および/またはIMEIなど)、およびIP接続性アクセス・ネットワーク(IP Connectivity Access Network)(IP−CAN)を含んでも良く、UEをアクセスするための手段(例えば、UEのIPアドレス)を含んでも良い。位置抽出要求はまた、ステップ3におけるINVITEの中で提供される任意の位置オブジェクトをも含んでも良い。位置抽出要求は、VCCサポートに関する表示、およびVCCアプリケーション760に関する識別子情報(例えば、VDN、およびVDIなど)をさらに含んでも良い。しかしながら、セクションVI.B.1、およびVI.B.2において後述される手順CとDに関してのみ、これは必要とされるかもしれない。
【0074】
ステップ7(仮の位置を取得する):LRF730は仮の位置の推定を取得しても良い。仮の位置の推定を取得するための手段は、IMSをアクセスするためにUE710が使用しているアクセス技術に依存しており、3GPP TS 23.271において定義されているPS-NI-LRまたはPS-MT-LR手順、OMA AD SUPL: "Secure User Plane Location Architecture"において定義されているSecure User Plane Location (SUPL)手順、OMA TS ULP: "User Plane Location Protocol"、または他の手順を使用することを含んでも良い。該仮の位置またはステップ6において受信された任意の位置オブジェクトをPSAPのアドレスへと変換するために、LRF730は、ルーティング決定機能(Routing Determination Function)(RDF)を起動しても良い。該LRFはステップ6において受信された情報を記録しても良い。
【0075】
ステップ8(位置を返す):(ステップ7で取得された)位置情報および/またはPSAPアドレスは、E−CSCF740に返される。LRF730は自分自身とステップ7において記憶された任意の記録を識別する相関情報(例えば、ESQK)をさらに返しても良い。該呼の残りの部分に関しては、LRF730はアンカーLRFとしての役割を果たす。
【0076】
ステップ9a、9b、および9c:E−CSCF740はステップ8において提供されたPSAPアドレスを使用し、または、場合によってはステップ8において提供された位置情報に基づいて、緊急センター、またはPSAP自身を選択し、該位置情報および任意の相関情報を含む要求を該緊急センター、またはPSAP780へと送信する。
【0077】
ステップ9a(INVITE(emergency)):MGCF/MGW (Media Gateway Control Function/Media Gateway) 770に対してINVITEが送信される;
および、ステップ9b(IAM):緊急センターまたはPSAPへ向かってSS7 ISUP IAMが継続される;
または、ステップ9c(INVITE(emergency)):INVITEが緊急センターまたはPSAP780に対して直接に送信される。
【0078】
ステップ10a、10b、および10c:図示されていない呼の確立のための中間のシグナリングが生起しても良い(例えば、PSTN機能を有するPSAPからSS7 ISUP ACMを返すこと)。PSAPが該呼に応答するとき、下記のステップが生起する。
【0079】
ステップ10a(ANM):PSAP780はMGCF/MGW770に対してSS7 ISUP ANMを返す;
および、ステップ10b(200 OK):該MGCF/MGWは”200 OK”を該E−CSCFに対して返す;
または、ステップ10c(200 OK):PSAP780は、E−CSCF760に対して直接に”200 OK”を返す。
【0080】
ステップ11(200 OK):E−CSCF740は(ステップ5において開始した出て行く呼のレグの上の)該VCCアプリケーション760に対して“200 OK”を返す。
【0081】
ステップ12(200 OK):ステップ4cが以前に使用されたならば、VCCアプリケーション760は、(ステップ4において使用された入って来る呼のレグの上の)E−CSCF、または(図7に図示されていない)P−CSCF720の何れか一方に対して”200 OK”を返す。もしも、UE710がVCCに関する訪問されたネットワークのサポート、およびステップ2またはステップ2以前における関連付けられた如何なるVCC情報(例えば、VDN、VDIなど)も発見しなかった場合、VCCアプリケーション760によって返された”200 OK”はVCCに関するサポートを表示している可能性があり、VDNおよび/またはVDIを含む可能性がある。
【0082】
ステップ13(200 OK):(該E−CSCFからである場合は、例えば、P−CSCF720を介して)E−CSCF740またはP−CSCF720はUE710に対して”200 OK”を返す。VCCアプリケーション760への影響を減らすために、ステップ12において、E−CSCF740により、またはP−CSCF720により、かつVCCアプリケーション760によらずに、如何なるVCC表示およびVDN/VDIも”200 OK”の中に置かれることができるだろう。その後、UE710は任意の受信されたVDNおよび/またはVDIを記憶する。UE710と図7の緊急センター780の間に緊急呼が確立された後に、3GPP TS 23.167およびTS23.271において既に定義されている手順を使用して該緊急センターはLRF730からより正確な位置を要求しても良い。
【0083】
V.CS緊急呼の発呼
CS(回線交換)ドメインにおいて発呼されたVCC呼をサポートするための例示的な解決法が図8に図解されている。この場合、該E−CSCFもまた、出て行く呼のレグの上のVCCアプリケーションから起動され、加えて、下記で説明されるように該VCCアプリケーションに対して入って来る呼のレグを正しくルーティングするために、該VCCアプリケーションへの入って来る呼のレグの上で該MSCによって既存のGMLC MAP問い合わせが使用されることができる。この例において、該入って来る呼のレグをVCCアプリケーションに対してルーティングするために、該GMLCはIPマルチメディア・ルーティング番号(IP Multimedia Routing Number)(IMRN)を使用する。該GMLC問い合わせとIMRNの使用は下記に示されるように該MSCに対して、部分的または完全に透過的であることが可能である。
【0084】
ステップ1(緊急呼を開始する):このステップにおいては、ユーザーは緊急呼を開始する。
【0085】
ステップ2(Emergency Setup):(3GPP TS24.008において定義されているような)VMSC830に対してEmergency Setupメッセージを送信することにより、UE810はCSドメインにおいて、緊急音声呼び出しを発呼する。該Setupメッセージは該UEがVCCをサポートすることを表示しても良い。
【0086】
ステップ3(位置付け・手順):3GPP TS23.271において定義され、可能とされている通り、UE810に関する仮の位置の推定を取得するためにVMSC830は該RANにおける手順を開始しても良い。
【0087】
ステップ4(MAP加入者位置の報告):局所的なVMSC830のポリシーに基づいて、またはUEのホームHLR/HSSから取得された加入情報に基づいて、またはステップ2において受信された任意のVCC表示に基づいて、VMSC830は、(例えば、サービス中のセルのID、およびダイアルされた緊急番号に基づいて)該呼が通常はそこに向けて送信されるであろう緊急サービス・プロバイダー(PSAP)に関連付けられたGMLCに対してMAP加入者位置の報告を送信する。該MAP加入者位置の報告はIMSI、MSISDN、IMEI、VMSCアドレス、およびサービス中のセルの識別子、またはUEに関するSAIを搬送する。それはまた、ステップ3において取得された任意の仮の位置の推定をも含む。通常、GMLC850ではなく、VMSC830が該PSAPを決定する地域(例えば、欧州共同体など)においては該メッセージは意図された宛先PSAPのアドレスを搬送しても良い。もしも、ステップ2において、MSがVCCサポートの表示を提供したならば、MAP加入者位置の報告はさらにそのような表示をも搬送しても良い。
【0088】
ステップ5(MAP加入者位置の報告のACK):UE810がVCCをサポートする、さもなくばUE810がホームネットワークによりサービスされているならば、加入情報からこれを決定し、さもなくば、ステップ4において提供された任意のVCC表示からGMLC850がこれを決定することをGMLC850は仮定している。GMLC850は、ステップ4において受信された全ての情報を含むUE810に関する呼記録を記憶する。GMLC850は該呼に対してIPマルチメディア・ルーティング番号(IP Multimedia Routing Number)(IMRN)を割り当てる。該IMRNは国際ITU E.164 ISDN/電話番号、国際ISDN/電話番号、または何らかの他の番号、または複数の番号または複数のパラメータの組み合わせ(例えば、10進数の一の系列または幾つかの系列から構成されている)であっても良い。該IMRNはさらに他の名前で−例えば「ルーティング番号」と呼ばれても良い。少なくとも、該IMRNはステップ6と7においてVCCアプリケーション870への呼のルーティングを可能にし、該GMLCを識別する。付加的に、該IMRNはさらに、該GMLCの中に記憶された呼記録を一時的に識別してもよく、および/またはPSAPを表示しても良い。NA-ESRD、またはNA-ESRKパラメータの中で、または何らかの他のパラメータまたは複数のパラメータの組の中でIMRNを搬送しながら、該GMLCはVMSC830に対してMAP加入者位置の報告のACKを返す。ルーティングのための仮の位置の推定、またはPSAPへの後の提供のための正確な位置の推定を取得するために、GMLC850は、VMSC830によるCS-MT-LR(図4には示されていない)を引き起こしても良い。ステップ3ではなく、このステップにおいて仮の位置の推定が取得されるならば、セクションVIでさらに説明されるように、IMSからCSへのドメイン移動をサポートするために、図8の手順が再利用されることが可能となるだろう。
【0089】
ステップ6(IAM):VMSC830はステップ5において受信されたIMRNに基づいて該呼をルーティングする。もしも、既存のNA-ESRKまたはNA-ESRDパラメータを使用してIMRNが搬送されるならばVMSC830における呼のルーティングの手順は3GPP TS23.271における通常の緊急呼の発呼のために使用されるものと同じもので有りうる。IMRNルーティングに基づいて、VMSC830は訪問されたネットワーク内のMGCF840に対して該呼をルーティングする。
【0090】
ステップ7(INVITE(MRN)):MGCF840は訪問されたIMS内のI−CSCF(図8には図示されていない)に向かってINVITEを送り出し、または場合によってはMGCF840はE−CSCF860、S−CSCF(図8において図示されていない)、またはVCCアプリケーション870に対して直接にルーティングする。INVITEはUE810の識別子(例えば、コンタクトアドレスとして、MSISDN Tel URIなど)を含む。該I−CSCFまたは該S−CSCF(図示なし)、またはE−CSCF860はIMRNに基づいて、PSIに基づくアプリケーションサーバの終了をVCCアプリケーション870に対して引き起こす。
【0091】
ステップ8(INVITE):INVITEをE−CSCF860へ送信し、またはE−CSCFに戻すことにより、VCCアプリケーション870は入って来る呼のレグをアンカーリングし出て行くレグを発生させる。該INVITEは、(例えば、SIP INVITE TOヘッダーの中で)緊急呼を識別し、該IMRNの復元を可能にする(例えば、IMRNの中の一意の数字が含まれても良く、既知の固定された数字が除かれても良い)情報を搬送する。位置情報(例えば、pidf-lo)は含まれている必要はない。
【0092】
ステップ9(位置を抽出する):例えば、ステップ8におけるIMRN情報の包含に基づいて、E−CSCF860はIMRNによって識別され、または関連付けられたLRF850に対して位置抽出要求を送信しても良い。該位置抽出要求はステップ8において受信されたIMRN情報、および任意のUEの識別子(例えば、MSISDN Tel URI)を含む。位置抽出要求は、VCCサポートの表示およびVCCアプリケーションに関する識別情報−例えば、VDNおよびVDIをさらに含んでも良い。しかしながら、これはセクションVI.B.1およびVI.B.2で後述する手順CおよびDに関してのみ必要とされるかもしれない。
【0093】
ステップ10(位置を返す):ステップ9において受信されたUEの任意の識別子(例えば、MSISDN)、および/またはIMRN情報に基づいて、LRF850はGMLC850と相互作用し、ステップ5においてGMLC850によって記憶された呼記録を抽出する。既に該呼記録の中にある任意の仮の位置の情報、または(一旦これが完了したならば)ステップ5に従って取得された任意の仮の位置、または意図されたPSAPの宛先の識別子を使用して、LRF850はPSAPアドレス、そして場合によっては位置情報をE−CSCF860に対して返す。該LRFと該GMLCとが別個のものであるならば、該LRFは、位置の更なるサポートのためにアンカーポイントを提供するだろうし、該GMLCから取得された呼記録をコピーしてもよく、ステップ9において該E−CSCFから受信した情報を格納しても良い。該LRFはE−CSCF860に対して相関情報(例えば、ESQKなど)を返して、自分自身と該呼記録を識別しても良い。該LRFはさらに、UEに関する正確な位置の推定を取得するために(3GPP TS23.271において定義されているとおりの)VMSC830によってCS-MT-LR手順を引き起こすために、該GMLCと相互作用しても良い。もしも、ステップ5においてGMLC850によって提供されたIMRNがPSAAPを表示し、該LRFと該GMLCが密接に関連付けられている(例えば、同一のエンティティの複数の部分であるなど)場合には、ステップ9と10は実行されないかも知れず、該E−CSCFは該PSAPアドレスを取得するために該IMRNを使用しても良い。
【0094】
ステップ11(INVITE):E−CSCF860は、ステップ10において取得されたPSAPアドレスを使用し、緊急センターまたはPSAPに対して任意の位置情報および任意の相関情報(例えば、ESQKまたはIMRNなど)を含む呼要求を送信し続ける。該呼要求はMGCF/MGWを介してPSTN(図示なし)の中へと送信されるか、またはIP機能を有する緊急センターまたはPSAPに向かってSIP INVITEとして直接に送信されるかの何れかである。
【0095】
ステップ12(CS緊急呼の残りの部分を確立する):呼の確立手順の残りは、3GPP TS23.206において記載されたVCC CS発呼手順に基づいて、UE810、VMSC830、MGCF840、VCCアプリケーション870、E−CSCF860、およびPSAPの間で生起する。
【0096】
図8のステップ2において、新しいサービスのカテゴリーとして(3GPP TS24.008において定義されている)Emergency Setupメッセージの中の緊急カテゴリー・パラメーターの中には任意のVCC表示が含まれているかもしれない(何故なら、現状では、最大で3つまでの新しいサービスカテゴリーが定義されることを可能とする3個の予備のビットが存在するからである)。CSモードの残りの予想されるライフタイムの期間中に、新しい緊急カテゴリーが全く予期されない場合、これは機能することが可能であるかもしれない。
【0097】
図8におけるUE810と該PSAPの間で緊急呼が確立された後に、3GPP TS23.167およびTS23.271において既に定義されている手順を使用して該PSAPはLRF850からのより正確な位置を要求しても良い。特に、LRF850を識別するために、例えばESQKやIMRNのような、図8のステップ11においてE−CSCF860から受信された任意の相関情報を該PSAPは使用できる。ステップ9と10が実行されていない場合には、図8のステップ5においてGMLC850内で確立されたUEに関する記録を抽出するために、LRF850は図8におけるステップ10に関して説明されたとおり、GMLC850と相互作用する必要があるだろう。
【0098】
上記の手順は(例えば、セルIDまたは仮の位置の推定を使用して)既存のPSAPルーティング・オプションに関するサポートを保存し、MSCに対する如何なる新しい影響も必要としない可能性があり、そして3GPP TS23.167およびTS23.271において現在定義されている方法で、該PSAPによる正確な位置の抽出をサポートする。それはさらに、CSが発呼した緊急呼がIP機能を有するPSAPに対して送信されることを可能にする。
【0099】
3GPP2の場合、該VCCアプリケーションを3GPP2における同等のエンティティによって置き換えることに加えて、ステップ4と5において示された3GPP MAPメッセージもまた3GPP2における同等のメッセージによって置き換えられることを除いて、CS緊急呼の発呼を記述するためにもまた図8は適用可能である。この場合、ステップ4と5における3GPP2メッセージはそれぞれ3GPP2 MAP発呼要求、およびMAP発呼要求ACKであり、ステップ4におけるMSISDNは移動機識別番号(Mobile Identification Number)(MIN)、または移動機ディレクトリ番号(Mobile Directory Number)(MDN)により置き換えられ、図8における該GMLCは3GPP2移動機位置センター(Mobile Position Center)(MPC)によって置き換えられるだろう。
【0100】
VI.ドメイン移動
ドメイン移動は、3GPP TS23.206において定義されているような通常のVCCに関するものと非常に良く似た方法で生起する。図9Aと9Bはユーザープレーンの切り替えを示している3GPP TS23.206中の図面に基づいている。IMS緊急呼に関するVCCのサポートに関しては、図9Aと9Bにおいて示されたS−CSCF910は(訪問されたネットワーク内にあり、図10Aと10Bにおいて示される)E−CSCF1050によって置き換えられ、UE#B920および930(それぞれ図9Aと9Bに示されている)は(図10Aと10Bにおいて示される)PSAP1060に対応するだろう。
【0101】
VI.A. IMSからCSへのドメイン移動
UEがIMSのカバー範囲から出てCSのカバー範囲の中へと移動したとき、IMSドメインからCSドメインへのIMS緊急呼に関するドメイン移動をサポートするために2つの代替的な手順がここで説明される。このセクションで説明されている手順Aにおいては、VCC機能を有するUEは(3GPP TS23.206において説明されている)通常のVCCに関するものとして振る舞い、上記セクションIII.Bにおいて説明された選択肢(e)、(f)、(g)または(h)のいずれかを使用して訪問されたネットワークまたはホームネットワークから取得されたVDNを使用して該VCCアプリケーションに対してCSドメイン内の新たな呼のレグを発生させる。
【0102】
VI.A.1. IMSからCSへのドメイン移動 − 手順A
一実施例において、CSドメインをサポートする新たな訪問されたネットワークにおいて登録するための充分な信任状を有するUE1110に対して、手順Aは適用可能であり、該PSAPに対するさらなるUE位置の更新を提供するためのサポートの継続性について制限を加える。しかしながら該手順は、UEから見て、通常のVCCに関するIMSからCSへのドメイン移動と互換性があるという有利な点を有している。図11は手順Aの例示的な実装を図解している。
【0103】
ステップ1(Setup(VDN)):UEがCSへのドメイン移動の必要性を判断した際にユーザーがCSドメインに関係付けられていなかった場合には、該UEは、そのHLR/HSSに対する位置の更新を含むCS Attachを実行する。CSドメインを介してアクセス・レグを確立するために、元の訪問されたネットワーク、またはホームネットワークから以前に取得されたVDNを使用してCSドメインにおける音声呼を、それは引き続いて発呼する。この手順においては、該UEはCSドメインにおいて認証されることが可能であると仮定されている。
【0104】
ステップ2(CS発呼手順):発生する呼はCSネットワーク内での通常のCS発呼に関するものとして処理される。
【0105】
ステップ3(IAM(VDN)):訪問された移動交換センター(VMSC)1130は元の訪問されたネットワーク内のMGCF1140を介して元の訪問されたIMSネットワークに向かって該呼をルーティングする。
【0106】
ステップ4(INVITE(VCCアプリケーション)):MGCF1140は元の訪問されたIMS内の問い合わせを行っているCSCF(I−CSCF;図11には示されていない)に向かってINVITEを送り出す、または場合によっては、E−CSCF1160、S−CSCF、またはVCCアプリケーション1170に対して直接にルーティングする。該I−CSCF、または該S−CSCF(図示なし)、またはE−CSCF1160は、VDNに基づいて、VCCアプリケーション1170に対してPSIに基づくアプリケーション・サーバーの終了を引き起こす。
【0107】
ステップ5(更新、または再度のINVITE):E−CSCF1160を介してリモート端に対して、移動して入ってきたドメイン内で確立されたアクセス・レグのSDPを通信することにより、VCCアプリケーション1170は、出て行くアクセス・レグを更新する。アクセス・レグの更新は、IETF RFC3261におけるSIPセッション修正手順に従って生起する。VCCアプリケーション1170はまた、E−CSCF1160に対してドメイン移動を明示的に表示しても良い。
【0108】
ステップ6(位置の更新):E−CSCF1160は新たなSDP情報と共にアンカーLRF1150に対して位置の更新を送信する。少なくとも、E−CSCF1160は、LRF1150に対してCSドメイン移動があったことを表示する(例えば、VDIではなく、VDNを使用することから、および/またはMGCF1140を伴うドメイン移動から、この事はVCCアプリケーション1170によって知られることができる)。
【0109】
ステップ7(更新、または再度のINVITE):該PSAPが(図10Aにおいて図解されるように)IP機能を有するならば、該PSAPに向かって、または該PSAPが(図10Bにおいて図解されるように)CS機能のみを有するならば該MGCFに向かって、該更新は継続する。
【0110】
ステップ8(CSドメインの呼のレグの完了):移動して入って来るCSドメインの中の新たな呼のレグはVCCアプリケーション1170、E−CSCF1160、またはもし有ればS−CSCF、もし有ればI−CSCF、MGCF1140、VMSC1130、およびUE1110の間で確立される。
【0111】
ステップ9(ソース・アクセス・レグの解放):IMSの上で以前に確立されたアクセス・レグである以前の入って来るアクセス・レグが解放される。UE1110は、訪問されたネットワークのP−CSCFとホームネットワークのS−CSCFにおいて、可能であれば登録を抹消すべきである。
【0112】
一実施例において、手順AがUEをCSドメインへと移動させた後の位置のサポートの継続性は下記のとおりに制限される可能性がある。もしも、UEの位置を取得するためにPSAPがアンカーLRFに対して要求を送信するならば、UEがIMSドメイン内にあった間に使用していた(または使用すると予期していた)のと同一の位置の取得のための手順を使用し続けることは該LRFにとっては不可能であるかもしれない。例えば、該LRFとUEの間でUDP/IP、TCP/IP、および/またはSIPトランスポートに基づいたOMA SUPLを該LRFが使用していたならば、IMSからCSドメインへのドメイン移動に続いて起こる、UEによるPSドメインに対するアクセスの喪失は、SUPLのそれ以降の使用を妨げるかもしれない。加えて、該LRFは(例えば、3GPP TS23.271の9.1.3節におけるような)CS緊急呼に関して3GPP TS23.271において定義されている制御プレーンの位置解決法を使用することができないかもしれない。何故なら、それはVMSCアドレスを知らないかもしれないからである。しかしながら、該LRFは、3GPP TS23.271の9.1.1節および9.1.2節において説明されているより一般的なCS-MT-LR手順を使用でき、該手順においてはGMLC(Gateway Mobile Location Center)として振舞う、またはGMLCにアクセスする該LRFは、UEのホームHLR/HSSを問い合わせることによりVMSCアドレスを取得する。しかしながら、これの不利な点は、UEのHLR/HSSがCS-MT-LR問い合わせ手順をサポートする必要性があるであろうこと、および、(ホームネットワークは緊急呼の重要性に気付いていない可能性があるため)訪問されたネットワークとホームネットワークとの間で課金上の問題が存在する可能性があることである。
【0113】
VI.A.2 IMSからCSへのドメイン移動 − 手順B
代替的な実施例において、IMSからCSへのドメイン移動を可能にする手順Bは、UEが新たな訪問されたネットワークにおいて登録するための充分な信任状を有するか否かにかかわらず、UEに適用可能であり、制限なしに位置のサポートの継続性を可能にする。しかしながら、一実施例においては、この手順は同一の通信事業者に属するネットワークの間でのドメイン移動に制限される可能性がある。さらに、手順Bは、VDNの知識が必要とされないようなUEにおけるVCCドメイン移動の新しい変形を必要とする。図12は、手順Bの例示的な実装を図解する。
【0114】
ステップ1(Emergency SETUP(VCC)):CSヘのドメイン移動の必要性をUEが判断した時点で、ユーザーがCSドメインに関連付けられていない場合、UE1210は、それが信任状を含んでいるならば、CS Attachを実行しても良い。(3GPP TS24.008において定義されているとおり)Emergency SetupメッセージをVMSC1230に送信することにより、CSドメインにおいて、それは緊急音声呼を引き続いて発呼する。該Emergency SetupメッセージはVCCサポートの表示を含んでも良い。しかしながら、VDNは一切含まれる必要がない。
【0115】
ステップ2(MAP加入者位置(IMSI,IMEI)):局所的なVMSCのポリシーに基づいて、またはUEのホームHLR/HSSから取得された加入情報に基づいて、またはステップ1において受信された任意のVCC表示に基づいて、該呼が通常はそこへ向けて送信される緊急サービス・プロバイダー(PSAP)と関連付けられたGMLC1250に対してVMSC1230はMAP加入者位置の報告を送信する。該MAP加入者位置の報告は(例えば図8におけるステップ4などの)通常の緊急呼の発呼に関して送信されるであろうものと同一の情報を搬送し、それはIMSI、MSISDN、IMEI、VMSCアドレス、および、サービス中のセルの識別子またはSAIを含む。一実施例においては、位置の推定は全く含まれていないが、VCCの使用の表示は含まれていても良い。
【0116】
ステップ3(MAP加入者位置のACK(VDN)):局所的なポリシーに基づいて、またはステップ2におけるVCC表示の受信に起因して、(例えば、図7または図8において説明された手順を使用して)アンカーLRF1250内で最初に確立されたUE1210に関する呼記録を探索するために、該GMLCは関連付けられたLRF(該GMLCと同一の物理的エンティティ内の論理的なLRF)、または関連付けられたLRFの集合と相互作用する。正しい呼記録を識別するために、アンカーLRF1250はステップ2で受信されたIMSI、MSISDN、および/またはIMEIを使用しても良い。呼記録が全く見つからず、ステップ1においてUEがVCCドメイン移動を表示しなかったならば、GMLC1250は、CS緊急呼の発呼に関するVCCがサポートされている場合に、例えば図8におけるように、これは新しい緊急呼であると仮定し、それを確立するために処理を実行する。呼記録が見つからず、ステップ1においてUEがVCCドメイン移動を表示したならば、GMLC1250は代わりにVMSC(図示なし)に対してMAP加入者位置の報告のリターンエラーを返し、該VMSCは呼の試行を解放するだろう。この事は、UEがユーザーの観点から該呼を解放することを可能にし、VCCドメイン移動が失敗してからユーザーが緊急呼を再試行することを可能にするだろう。さもなくば、呼記録が見つかった場合、GMLC1250は、VMSC1230に対してMAP加入者位置の報告のACKを返し、新しいアクセス・レグを確立するのに必要とされるVDNを搬送する。(例えば、図7のステップ6において、または図8のステップ9において)該呼が最初に発呼された時に、該VDNはLRF1250によって取得されているであろうし、それが該LRF内の呼記録の位置を特定した際に、GMLC1250に対して提供されるだろう。該VDNは該MAP加入者位置の報告のACK内の既存のNA-ESRKまたは既存のNA-ESRDパラメーターによって搬送されることが可能だろう。GMLC1250はまた、ステップ2においてVMSC1230から受信された情報を記憶する。
【0117】
ステップ4(IAM(VDN)):VMSC1230は、ステップ3において受信されたVDNに基づいて新たなレグをルーティングする。該VDNが既存のNA-ESRKまたはNA-ESRDパラメータを使用して搬送されるならば、該呼のルーティングは通常の緊急呼の発呼に関して使用するものと同一であることが可能である。VDNのルーティングに基づいて、VMSC1230は、訪問されたネットワーク内でMGCF1240を介して最初の訪問されたIMSネットワークに向かって該呼をルーティングする。
【0118】
ステップ5(INVITE(VCCアプリケーション)):MGCF1240は訪問されたIMS(図示なし)内のI−CSCFに向かってINVITEを送り出し、または場合によってはMGCF1240は、E−CSCF1260、S−CSCF(図示なし)、またはVCCアプリケーション1270に対して直接にルーティングする。該I−CSCF、またはS−CSCF(図示なし)、またはE−CSCF1260は該VDNに基づいて、VCCアプリケーション1270に対し、PSIに基づくアプリケーションサーバーの終了を引き起こす。
【0119】
ステップ6(更新、または再度のINVITE):移動して入ってきたドメインにおいて確立されたアクセス・レグのSDPをE−CSCF1260を介してリモート端に対して通信することにより、VCCアプリケーション1270は、出て行くアクセス・レグを更新する。アクセス・レグの更新はIETF3261におけるSIPセッション修正手順に従って生起する。VCCアプリケーション1270はまた、E−CSCF1260に対してCSドメイン移動を明示的に表示しても良い。
【0120】
ステップ7(位置の更新):E−CSCF1260は、新たなSDP情報と共に、アンカーLRF1250に対して位置の更新を送信する。少なくとも、E−CSCF1260はLRF1250に対してCSドメイン移動があったことを表示する。LRF1250は、この表示をステップ3において決定されたドメイン移動の表示と相関させ、今やUE1210はステップ2において表示されたものへとドメインを変更したことを判定する。LRF1250は、ステップ2においてVMSC1230によって選択されたGMLCに対してこの情報を通信する。
【0121】
ステップ8(更新、または再度のINVITE):(図10Aにおいて図解されたような)PSAPに向かって、または(図10Bにおいて図解されたような)MGCFに向かって更新は継続する。
【0122】
ステップ9(ソース・アクセス・レグの解放):移動して入ってきたCSドメインの中の新たな呼のレグはVCCアプリケーション1270、E−CSCF1260またはもし存在するならS−CSCF、もし存在するならI−CSCF、MGCF1240、VMSC1230、およびUE1210の間で確立される。
【0123】
ステップ10(CS呼の確立の残りの部分):IMS上で以前に確立されたアクセス・レグであるソース・アクセス・レグが解放される。もしも可能なら、訪問されたネットワークP−CSCFおよびホームネットワークS−CSCFにおいて、UE1210は登録を抹消すべきである。
【0124】
一実施例では、図12のステップ1において、Emergency Setupメッセージ中の緊急カテゴリー・パラメーター内に、新しいサービス・カテゴリーとして、VCC表示が含まれることが可能だろう(何故なら、最大で3つまでの新しいサービス・カテゴリーが定義されることを可能とする3個の予備のビットが現在存在するからである)。この実施例においては、(両方の手順が可能とされている場合は)下記の情報に基づいて手順Aの代わりに手順BがUEによって開始されることが可能である。
【0125】
(m)元の訪問されたネットワークからUEへの手順Bがサポートされることの表示。
【0126】
(n)新たな訪問されたCSドメイン、および元の訪問されたIMSまたはCSドメインが同一の通信事業者によって所有され、またはそれらが同一のネットワークの部分であり、または手順Bをサポートするための用意ができていることのUEによる判定。
【0127】
(o)手順Bがサポートされているとの(例えば、ホームネットワークの通信事業者によって提供された)既にUE内部にある情報。
【0128】
UEに対するVCC関連の情報を搬送するためのセクションIII.Bにおいて説明された選択肢(選択肢(e)、(f)、または(g))の何れかを使用して、(m)における表示は、UEに対して明示的または暗黙的に搬送されることが可能である。
【0129】
(n)における判定は元の訪問されたドメインと新たな訪問されたCSドメインにおいて同一の通信事業者識別子(例えば、同一のMCC−MNCなど)を検出することに基づくことが可能であろう。その代わりに決定は新たな訪問されたネットワークから受信されたシステム・ブロードキャスト情報(例えば、該新たな訪問されたネットワークが手順Bをサポートすることの情報、および場合によっては、手順Bがサポートされる他のネットワークの識別子)に基づいているかもしれない。代替的に、(m)と(n)の両者の決定は、手順Bをサポートする用意がある全ての通信事業者を識別し、UEに関するSIM/USIM内に記憶された情報(例えば、(o)において可能とされているような)に基づくかもしれない。
【0130】
登録されていないUEに関するドメイン移動を可能とすることとは別に、手順Bはさらに、緊急呼を発呼したUEを位置付けるために3GPP TS23.271(例えば、9.1.3節)において定義されている通常の位置付け手順をアンカーLRFが活用することを可能にする。この事は、図12におけるステップ2および3によって可能とされ、該ステップにおいては、該VMSCは、該GMLCに関連した情報を取得して記憶し、該LRFと該GMLCは、該VMSCに関連した情報を取得して記憶する。これはその後、UEのホームHSS/HLRを問い合わせする必要性なしにCS-MT-LRを許可する。
【0131】
一実施例においては、手順Bのさらなる態様は次のとおりである。該VMSCにおける該呼の発呼の手順は、通常の回線モードの緊急呼(例えば、3GPP TS 23.271、および関連するTIA/EIA/ATIS J-STD-036において定義されているようなもの)に関するものと同一であることが可能であり、および/または、図8において説明されたようなCSから発呼された緊急呼に関するVCCサポートに関するものと同一であることが可能である。該GMLCの観点から、該手順はさらに、該VMSCを伴うMAPシグナリング・トランザクションに関連する通常の回線モードの緊急呼に関するものとも殆ど同一である。
【0132】
3GPP2の場合においては、VCCアプリケーションを3GPP2における同等のエンティティによって置き換えることに加えて、ステップ2と3において示された3GPP MAPメッセージもまた、3GPP2における同等のメッセージによって置き換えられるであろうことを除いて、図12はさらに、IMSからCSへのドメイン移動に関する手順Bを説明するためにも適用可能である。この場合において、ステップ2と3における3GPP2メッセージはそれぞれ3GPP2 MAP発呼要求、およびMAP発呼要求のACKであり、ステップ2と3におけるMSISDNは移動機識別番号(Mobile Identification Number)(MIN)、または移動機ディレクトリー番号(Mobile Directory Number)(MDN)によって置き換えられ、図12における該GMLCは3GPP2位動機位置センター(Mobile Position Center)(MPC)によって置き換えられる。
【0133】
VI.B CSからIMSへのドメイン移動
CSドメインからIMSドメインへの緊急呼に関するドメイン移動をサポートするために、ここにおいて、2つの代替的な手順が説明される。
【0134】
VI.B.1 CSからIMSへのドメイン移動 − 手順C
このセクションにおいて説明される手順Cにおいては、VCC機能を有するUEは通常のVCC(3GPP TS23.206において説明されている)に関するものとして振る舞い、上記セクションIII.Bにおいて説明された選択肢(e)、(f)、(g)、または(h)の何れかを使用して訪問されたネットワークまたはホームネットワークから取得されたVDIを使用して該VCCアプリケーションに対してIMSドメインにおける新たな呼のレグを発呼する。該呼は通常の発生するSIP呼であるかのように扱われ、従って、新たな訪問されたネットワークにおいて登録するのに充分な信任状を有するUEに対してのみ適用可能である。それは図13に図解されている。
【0135】
ステップ1(INVITE(VDI)):UEがIMSへのドメイン移動の必要性を判断した時点においてユーザーがIMSにより登録されていない場合は、UE1310は3GPP TS 23.206において指定されているとおり、IMSによる登録を開始する。IMSを経由してアクセス・レグを確立するために訪問されたネットワークから以前に取得されたVDI(例えば、上記セクションIV、および図7と8において説明されたようなもの)を使用して、それは引き続いて、元の訪問されたネットワーク内のVCCアプリケーション1350に向かってIMSが発呼したセッションを開始し、IMSに対してアクティブなCSセッションのドメイン移動を要求する。新たな訪問されたネットワーク、またはホームネットワークの何れか一方の中のP−CSCF(図示なし)、およびホームネットワークの中のS−CSCF(図示なし)を経由して該SIP INVITEはルーティングされても良く、最終的にはS−CSCF(図示なし)または好ましくは元の訪問されたネットワーク内のE−CSCF1340の何れか一方に到達する。
【0136】
ステップ2(INVITE(VDI)):該IMSセッションはS−CSCF(図示なし)または元の訪問されたネットワーク内のE−CSCF1340において処理され、VCCアプリケーション1350に対して配送される。
【0137】
ステップ3(更新、または再度のINVITE):VCCアプリケーション1350は、IMSを経由した新たな入って来るアクセス・レグの確立を完了する。3GPP TS23.206において指定されているアクセス・レグ更新手順を使用して新たに確立されたアクセス・レグのコネクション情報によりリモート・レグを更新することにより、VCCアプリケーション1350は、ドメイン移動を実行する。(例えば、図7、または図8に従って)該呼を発呼するために使用されたE−CSCF1340に対してUPDATEまたはReINVITEが送信される。VCCアプリケーション1350はさらにE−CSCF1340に対してドメイン移動を明示的に表示することもできる。
【0138】
ステップ4(位置の更新):E−CSCF1340は、新たなSDP情報によってアンカーLRF1330を更新する − 例えば、UE1310は今や、IMSドメインを使用していることを表示し、UEのIPアドレスを提供する。
【0139】
ステップ5(更新、または再度のINVITE):(図10Aに示されるような)PSAP、または(図10Bに示されるような)MGCFに向かって更新は継続する。
【0140】
ステップ6(ソース・アクセス・レグの解放):3GPP TS23.206において指定されているように、CS上で以前に確立されたアクセス・レグであるソース・アクセス・レグが引き続いて解放される。これは、E−CSCF1340を経由して以前の入って来るCSレグを解放することを含む。
【0141】
一旦、手順Cが完了したならば、UEに関する位置のサポートを継続することが可能になるだろう。何故ならば、該LRFは今やUEのIPアドレスを持っているであろうし、従って、OMA SUPL(または、3GPP2 X.S0024のようなIPトランスポートを必要とする任意の他の位置解決法)を起動することができるからである。しかしながら、GPRSアクセスに関してUEの位置づけを可能にする3GPP制御プレーン解決法の使用は、3GPP TS23.271の9.1.1節および9.1.6節において説明されているより一般的なPS-MT-LR手順を使用する場合にのみ、可能となるだろし、該手順においては、該LRFは訪問されたSGSNアドレスに関するUEのホームHLR/HSSを問い合わせする。
【0142】
VI.B.2. CSからIMSへのドメイン移動 − 手順D
代替的な実施例において、CSからIMSへのドメイン移動をサポートしている手順Dは、UE1410が新しいPLMNにおいて登録するための充分な信任状を有しているか否かにかかわらず、適用可能であるだろう。該手順は継続的な位置のサポートに関して殆ど制限を加えない。図14は手順Dの例示的な実装を図解する。
【0143】
ステップ1(INVITE(emergency)):INVITEを送信するのに先立って、もしも、UE1410が3GPP TS23.167において定義されているような適切な信任状を含んでいる(即ち、通常の登録は使用されない)ならば、該UEは新たな訪問されたIMSネットワーク内で緊急の登録を実行する。この事は、(新たな訪問されたネットワークを経由して)UE1420に対するコールバックをサポートし、新たな訪問されたIMSにおいてUE1420を認証するために必要とされるだろう。その後、UE1410は、新たな訪問されたネットワーク内のP−CSCF(図14には示されていない)に対してIMS緊急呼を表示するINVITEを送信する。該INVITE内の”SIP TO”
ヘッダーは既存の緊急呼に関するVCCドメイン移動を表示するSIP URIを含んでも良い。SIPシグナリングの如何なる新たな変更も必要とすることなく、そのようなSIP
URIは、緊急呼をサポートする必要のある他のSIP URIに対して容易に追加されることができる。該SIP INVITEはさらに、元の訪問されたネットワークに関するアドレス情報(例えば、元の訪問されたネットワークに関するMCC-MNC (Mobile Country Code、およびMobile Network Code)、および場合によっては、そこから該呼が最初に発呼したセルのIDおよび位置領域)を含むRouteヘッダーを含んでも良い。既存の緊急呼に関するVCCドメイン移動の表示に基づいて、P−CSCFはVCCサポートを(例えば、図7において可能とされているように新たな訪問されたネットワーク内でVCCアプリケーションに対してSIP INVITEを転送することによって)起動しない代わりに、該INVITEを局所的なE−CSCF1430に渡す。
【0144】
ステップ2(位置を抽出する):VCCドメイン移動の表示に基づいて、ステップ1において受信された元の訪問されたネットワークに関する任意のアドレス情報が、後続するルーティングに必要とされるVDIを決定するのに充分に正確である場合、E−CSCF1430はステップ5に進んでも良い。さもなければ、E−CSCF1430は、LRF1440(局所的なLRF1440、または好ましくは、ステップ1においてUE1420によって提供されたRouteヘッダー情報によって表示された元の訪問されたネットワーク内のLRF1450の何れか一方)から位置とルーティング情報を要求する。E−CSCF1430は、LRF1440に対してUEの識別情報(例えば、IMSI、MSISDN、IMEIなど)を提供する。E−CSCF1430はさらに、VCCドメイン移動も表示する。
【0145】
ステップ3(呼記録を抽出する):図7または図8に従って、緊急呼が最初に発呼された際の該アンカーLRF内に確立された元の呼記録を探索するために、LRF1440は他のLRF1450と相互作用しても良い。もしも、LRF1430が元の訪問されたネットワーク内に有る(即ち、元の訪問されたネットワークをサポートする)場合、該相互作用と該探索は、より制限される(例えば、該LRFは自分自身がアンカーLRFであるかもしれない)。
【0146】
ステップ4(位置を返す(VDI)):呼記録が見つかった場合、LRF1430は、VDIの形式でE−CSCF1420に対してルーティング情報を返す。
【0147】
ステップ5(INVITE(VDI)):ステップ2において決定された、またはステップ4においてLRF1440によって提供されたVDIを使用して、元の訪問されたネットワーク内のVCCアプリケーション1470に対して直接に、または元の訪問されたネットワーク内のIMSコア(例えば、E−CSCF1460)に対して、E−CSCF1430はINVITEを中継する。
【0148】
ステップ6(INVITE(VDI)):もし必要ならば、元の訪問されたネットワーク内のIMSコア(例えば、E−CSCF1460)は、VCCアプリケーション1470に対してINVITEを中継する。
【0149】
ステップ7(更新、または再度のINVITE):E−CSCF1460を経由して、リモート端に対して、移動して入ってきたドメインにおいて確立されたアクセス・レグのSDPを通信することにより、VCCアプリケーション1470は、出て行くアクセス・レグを更新する。VCCアプリケーション1470はさらに、E−CSCF1460に対してドメイン移動を明示的に表示しても良い。
【0150】
ステップ8(位置の更新):E−CSCF1460は、新たなSDP情報により、アンカーLRF1450を更新する(例えば、UE1420が今やIMSドメインを使用していることを表示し、UEのIPアドレスを提供する)。
【0151】
ステップ9(更新、または再度のINVITE):(図10Aに示されるような)PSAP、または(図10Bに示されるような)MGCFに向かって更新は継続する。
【0152】
ステップ10(ソース・アクセス・レグの解放):3GPP TS23.206において指定されたとおりに、CSの上で以前に確立されたアクセス・レグであるソース・アクセス・レグは引き続いて解放される。これは、該E−CSCFを経由して以前の入って来るCSレグを解放することを含む。図14の手順は登録されたUE、および登録されていないUEの両者に対して適用可能である。位置のサポートを継続することはまた、手順Cに関するものと同一である(例えば、図14のステップ8においてアンカーLRF1450に対して提供されたUEのIPアドレスと共にOMA SUPLを使用することによって、またはGPRSによる位置付けに関して3GPP PS-MT-LR手順を使用することによって)。しかしながら、追加される利点として、3GPP TS23.271(9.1.6A節、および9.1.7節)において定義された緊急呼に特有の3GPP PS-NI-LRおよびPS-MT-LR手順を使用することが可能であるかもしれない。もしもUEが、GPRSアクセスに関する緊急呼、および/またはGPRS PDPコンテキストの確立を表示するならば、これは可能にされうる。これは、位置を取得するため、またはSGSNのアドレスをGMLCに提供するための何れか一方のためにSGSNがPS-NI-LRを引き起こす切っ掛けとなる。該GMLCが該アンカーLRFと関係付けられているならば、サービス中のGPRSサポート・ノード(SGSN)のアドレスを該アンカーLRFに提供することが可能であろうし、それによって、ホームHLR/HSSを問い合わせする必要なく(そしてさらに、場合によってはHLR/HSSを伴わずに、オーサライズされていないUEに関する位置付けをも可能にしながら)PS-MT-LRの使用を可能にする。しかしながら、この機能は、新しい訪問されたネットワークと元の訪問されたネットワークの両方を同一の通信事業者が所有する場合に限定されるかもしれない。
【0153】
本開示の様々な態様が上記で説明された。本明細書における教示が広範な形態において具現化されることが可能であり、本明細書で開示された任意の特定の構造、機能、または両者が単に代表的なものであることは明らかであろう。本明細書における教示に基づいて、本明細書において開示された一の態様は他の任意の態様とは独立に実装されることが可能であり、2つまたはそれ以上のこれらの態様は様々な方法で組み合わされ得ることを当業者は理解するだろう。例えば、本明細書において上記された任意の数の態様を使用して装置は実装され、方法は実施されることが可能である。加えて、他の構造、機能、または本明細書で上記された一つ以上の態様に追加する、またはそれ以外の構造、および機能を使用して、そのような装置は実装され、そのような方法は実施されることが可能である。上記の複数の概念の中の幾つかの例として、幾つかの態様においては、パルス反復周波数に基づいて並列チャネルが確立されても良い。幾つかの態様においては、並列チャネルはパルス位置、またはオフセットに基づいて確立されても良い。幾つかの態様においては、並列チャネルは時間ホッピング系列に基づいて確立されても良い。幾つかの態様において、並列チャネルはパルス反復周波数、パルス位置、またはオフセット、および時間ホッピング系列に基づいて確立されても良い。
【0154】
情報、および信号が複数の異なる技術、および技法の何れのバラエティーを使用して表すこともできることを当業者は理解するだろう。例えば、上記の説明の全体を通じて参照される可能性のあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光場または粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されることが可能である。
【0155】
本明細書において開示された実施例に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップは電子的ハードウェア、コンピューター・ソフトウェア、または両者の組み合わせとして実装されうることが当業者にはさらに理解されるであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明確に例示するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップはそれらの機能の観点から上記で一般的に説明された。そのような機能がハードウェアとして、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーション、および全体のシステムに課される設計上の制約に依存する。特定のアプリケーションの各々に関して当業者は説明された機能を異なる方法で実装しても良いが、そのような実装上の判断は本願発明の技術的範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0156】
本明細書において開示された実施例に関連して説明された様々な例示的な論理的ブロック、モジュール、回路は汎用プロセッサー、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor)(DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit)(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array)(FPGA)、または他のプログラム可能な論理的デバイス、離散的なゲート、またはトランジスターロジック、離散的なハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明された機能を実行するために設計されたこれらの任意の組み合わせによって実装され、実行されることが可能である。汎用プロセッサーはマイクロプロセッサーであることが可能であるが、代替例においては、該プロセッサーは任意の従来型のプロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、または状態機械であることが可能である。プロセッサーはさらに、(例えば、DSPとマイクロプロセッサーの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアと繋がった一つ以上のマイクロプロセッサー、または他の任意のそのような構成などの)複数の計算デバイスの組み合わせとして実装されても良い。
【0157】
任意の開示された方法における複数のステップの任意の特定の順序、または階層構造は例示的なアプローチの一例であることが理解される。設計上の好みに基づいて、該方法における複数のステップの特定の順序、または階層構造は、本願の開示の技術的範囲の中から外れることなく、並べ替えられることが可能である。随伴する方法の請求項は例示的な順序での様々なステップの要素を提供し、提供された特定の順序、または階層構造に限定されることを意味するものではない。
【0158】
本明細書において開示された実施例に関連して説明された方法、またはアルゴリズムの複数のステップは、ハードウェア中に直接的に、またはプロセッサーによって実行されるソフトウェア・モジュール中に、またはこれら2つの組み合わせの中に具現化されることが可能である。ソフトウェア・モジュールはランダム・アクセス・メモリー(RAM)、フラッシュメモリー、リード・オンリー・メモリー(ROM)、電子的プログラム可能ROM(EPROM)、電子的消去・プログラム可能ROM(EEPROM)、レジスター、ハードディスク、可搬ディスク、CD−ROM,または当該技術分野において知られている他の形態の記憶媒体の中に存在することができる。例示的な記憶媒体はプロセッサーに結合され、そのようなプロセッサーは該記憶媒体から情報を読み出し、該記憶媒体へ情報を書き込むことができる。代替例においては、該記憶媒体は該プロセッサーに統合化されていても良い。該プロセッサーと該記憶媒体はASICの中に存在しても良い。該ASICはユーザー端末(即ち、UE)の中に存在しても良い。代替例においては、該プロセッサーと該記憶媒体はユーザー端末(即ち、UE)の中に別個のコンポーネントとして存在しても良い。
【0159】
開示された実施例の上記の説明は、当業者が本願発明を作成し、または使用することを可能とするために提供される。これらの実施例の様々な変形例が当業者には直ちに明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は本願発明の精神と範囲から逸脱することなく、他の実施例に対しても適用されることが可能である。従って、本願発明は、本明細書において示された実施例に限定されるようには意図されておらず、本明細書において開示された原理と新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】多数のユーザーをサポートし、本発明の少なくとも幾つかの態様と実施形態を実装することができる例示的な通信システム100。
【図2】例示的なCDMA通信システムの簡単化された機能ブロック図。
【図3】HDR伝送をサポートし、多数のユーザーへの伝送をスケジューリングするように適応された例示的な通信システム。
【図4】例示的なAT
【図5A】(3GPP TS 23.206に開示されているような)3GPP実装に関する標準的参照モデル。
【図5B】通常のVCCに関して(図5Aに示され、3GPP TS 23.206に開示されているような)標準的モデルとは異なる、本発明に従った修正された参照モデル。
【図6A】図5Aにおいて示されたモデルとは相補的であるが、3GPP TS 23.167において定義されているサービスの観点から見た参照モデル。
【図6B】図5Bにおいて示されたモデルとは相補的であるが、3GPP TS 23.167において定義されているサービスの観点から見た参照モデル。
【図7】例示的な呼の発生の手順。
【図8】CS(回線交換)ドメインにおいて発生したVCC呼をサポートする例示的なソリューション。
【図9A】(3GPP TS 23.206に開示されているような)ユーザー・プレーンの切り替えの例示的なモデル。
【図9B】(3GPP TS 23.206に開示されているような)ユーザー・プレーンの切り替えの例示的なモデル。
【図10A】(3GPP TS 23.206に開示され、図9A、図9Bに示されるような)標準モデルとは異なる、本発明に従った、ユーザー・プレーンの切り替えの修正されたモデル。
【図10B】(3GPP TS 23.206に開示され、図9A、図9Bに示されるような)標準モデルとは異なる、本発明に従った、ユーザー・プレーンの切り替えの修正されたモデル。
【図11】IMSからCSへのドメイン移動の例示的な実装。
【図12】IMSからCSへのドメイン移動の例示的で代替的な実装。
【図13】CSからIMSへのドメイン移動の例示的な実装。
【図14】CSからIMSへのドメイン移動の例示的で代替的な実装。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセス環境において緊急呼に関するVCCをサポートするためのシステム、該システムは下記を備える:
訪問されたIMSサブシステムとCSサブシステムとの間のドメイン移動を容易にするための前記訪問されたIMSサブシステムにおけるVCCアプリケーション;
VCCアプリケーションに動作可能に結合され、前記IMSサブシステムと前記CSサブシステムとの間のドメイン移動を容易にするための前記訪問されたIMSサブシステムにおけるE−CSCFサブシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステム、ここにおいて、
前記訪問されたIMSサブシステムは、前記E−CSCFサブシステムに動作可能に結合されたMGCFサブシステムをさらに備える。
【請求項3】
請求項2記載のシステム、ここにおいて、
前記訪問されたIMSサブシステムは、前記MGCFサブシステムに動作可能に結合されたMGWサブシステムをさらに備える。
【請求項4】
請求項2記載のシステム、ここにおいて、
前記CSサブシステムは、MGCFサブシステムと通信することが可能なVMSCサブシステムをさらに備える。
【請求項5】
さらに下記を備える請求項1記載のシステム:
少なくとも一つのUEユニット。
【請求項6】
さらに下記を備える請求項5記載のシステム:
通信を容易にするために前記UEユニットに動作可能に結合されたP−CSCF。
【請求項7】
さらに下記を備える請求項1記載のシステム:
前記E−CSCFサブシステムに動作可能に結合され、位置情報の抽出に関連した機能を実行するLRFサブシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステム、ここにおいて、
前記訪問されたIMSサブシステムは、訪問されたネットワークの中にある。
【請求項9】
請求項1記載のシステム、ここにおいて、
前記訪問されたIMSサブシステムは、ホームネットワークの中にある。
【請求項10】
無線アクセス環境において緊急呼に関するVCCをサポートするための方法、該方法は下記を備える:
VCCアプリケーションを介してIMSサブシステムとCSサブシステムとの間でドメイン移動を容易にすること;
E−CSCFを介してIMSサブシステムとCSサブシステムとの間でドメイン移動を容易にすること。
【請求項11】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
オーサライズされたUEからの緊急呼をサポートすること。
【請求項12】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
オーサライズされていないUEからの緊急呼をサポートすること。
【請求項13】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
ホームネットワーク内のUEからの緊急呼をサポートすること。
【請求項14】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
第1の無線アクセスネットワークから第2の無線アクセスネットワークへのVCC移動に追従するUEの位置を抽出すること。
【請求項15】
さらに下記を備える請求項14記載の方法:
位置のサポートの継続性を可能にするためにVCCアプリケーションから出て行く呼のレグの上で前記E−CSCFを起動すること。
【請求項16】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
UEからVCCに関連した情報を搬送すること。
【請求項17】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
IMSからCSへの移動に関するemergency SETUPメッセージの中においてVCCを表示すること。
【請求項18】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
MSCに対して部分的に、または完全に透過的な方法で前記VCCアプリケーションに対する緊急呼をルーティングするために、前記MSCからGMLCへの既存のMAP問い合わせを使用すること。
【請求項19】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
LRFに対して位置の更新を実行すること。
【請求項20】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
MSCに対して部分的に、または完全に透過的な方法で前記ドメイン移動を容易にするために、前記MSCからのGMLC問い合わせを使用すること。
【請求項21】
さらに下記を備える請求項10記載の方法:
緊急呼が設定されるとき、アンカーLRF内の位置の抽出のアンカーリング。
【請求項22】
無線アクセス環境における緊急呼に関するVCCをサポートするためのシステム、該システムは下記を備える:
訪問されたIMSサブシステムとCSサブシステムとの間でドメイン移動を容易にするための第1の手段;
前記第1の手段に動作可能に結合され、前記IMSサブシステムと前記CSサブシステムとの間でドメイン移動を容易にするための前記訪問されたIMSサブシステム内の第2の手段。
【請求項23】
無線アクセス環境における緊急呼に関するVCCのサポートのためのコンピューター読み取り可能媒体、該コンピューター読み取り可能媒体は少なくとも一つの計算装置に下記を実行させるコードを備える:
E−CSCFを介してIMSサブシステムとCSサブシステムとの間でドメイン移動を容易にすること;
第1の無線アクセスネットワークから第2の無線アクセスネットワークへのVCC移動に追従するUEの位置を抽出すること。
【請求項24】
請求項23記載のコンピューター読み取り可能媒体、ここにおいて、
前記UEはオーサライズされたUEである。
【請求項25】
請求項23記載のコンピューター読み取り可能媒体、ここにおいて、
前記UEはオーサライズされていないUEである。
【請求項26】
請求項23記載のコンピューター読み取り可能媒体、ここにおいて、
前記UEはホームネットワーク内にある。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−535944(P2009−535944A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508009(P2009−508009)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/067825
【国際公開番号】WO2007/127991
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.EEPROM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】