説明

VoIPシステム、ゲートウェイ装置及びそれらに用いるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法

【課題】 ゲートウェイ装置が通話を保持した状態で、バックアップサーバとの通信を開始可能なVoIPシステムを提供する。
【解決手段】 メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間で通信障害が発生すると、VoIPゲートウェイ装置1はバックアップサーバ3へのバックアップ通信処理を開始する。この時、VoIPゲートウェイ装置1を介した通話は保持され続ける。VoIPゲートウェイ装置1とバックアップサーバ3との通信が確立すると、VoIPゲートウェイ装置1で保持している各チャネルの状態b2をバックアップサーバ3へ通知する。バックアップサーバ3はVoIPゲートウェイ装置1から通知された各チャネルの呼状態情報を基に、これ以降の通話開設、終話処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はVoIPシステム、ゲートウェイ装置及びそれらに用いるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法に関し、特にVoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ装置におけるメインサーバ障害時の通話保持及び復旧処理に関する。
【背景技術】
【0002】
VoIPシステムにおいて、ゲートウェイ装置は、音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを提供している。ゲートウェイ装置は、一つの回線交換網に対して複数のチャネルを一装置に収容する。
【0003】
VoIPサーバシステムにおいては、メインサーバのシステム故障やセントラルサイトとリモートサイトとを中継するルータの故障、ネットワーク障害によってメインサーバとゲートウェイ装置との間の通信が切断されることが予想される。
【0004】
この問題に対して、セントラルサイトの一意のメインサーバに対しては、リモートサイトを含む全てのゲートウェイ装置が通信を行うのではなく、リモートサイトにバックアップサーバを設置する方法も考えられる。
【0005】
ネットワーク障害等でリモートサイトのゲートウェイ装置がメインサーバに通信できない場合には、バックアップサーバと通信を再開することで、長期的なシステムトラブルによる通話障害を回避するシステムも考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、一つのゲートウェイ装置で複数のチャネルを制御する装置においては、装置内の一部の障害や故障に対して、故障に影響のないチャネルの音声通信中の呼を強制的に切断させずに救済するゲートウェイ装置も考えられる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−006121号公報
【特許文献2】特開2005−236645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来のVoIPシステムでは、ゲートウェイ装置がメインサーバの指示に従って処理を行っており、メインサーバのシステム故障、セントラルサイトとリモートサイトとを中継するルータの故障、またはネットワーク障害によってメインサーバとゲートウェイ装置との間の通信が切断されることが予想される。しかしながら、従来のVoIPシステムでは、上記の状態において通話中の呼に対して通話を保持する機能がない。
【0009】
また、従来のVoIPシステムでは、断続的なメインサーバとの通信切断状態を回避するために、バックアップサーバとの通信再開によって、ゲートウェイ装置の音声サービスを実現するシステムが考案されているが、通信切断時のゲートウェイ装置のチャネルの使用状態を保持してバックアップサーバとの通信を再開する機能はない。
【0010】
上記の特許文献1に記載の技術では、バックアップサーバがメインサーバと同一機能を有するため、ゲートウェイ装置からバックアップサーバへ新たな通信を開始することで全ての呼状態を新規に生成することが可能となる。
【0011】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、ゲートウェイ装置を介した通信状態をメインサーバからバックアップサーバへ通知する手段がなく、急なメインサーバのシステムダウン等では、メインサーバ内の状態を基にゲートウェイ装置で使用中の呼を継続しておくことが不可能である。
【0012】
また、上記の特許文献2に記載の技術では、ゲートウェイ装置のVoIP処理部において、メインサーバとの通信に障害が起きると、ゲートウェイ装置が保持している全てのチャネルが音声通信中にも関わらず、強制的に切断されてしまう。このため、特許文献2に記載の技術では、一部の処理にのみ影響がある場合においても、通話中の全ての呼に対しても音声通信サービスを継続できないとう問題がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、ゲートウェイ装置が通話を保持した状態で、バックアップサーバとの通信を開始することができるVoIPシステム、ゲートウェイ装置及びそれらに用いるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によるVoIPシステムは、音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置を含むVoIP(Voice over Internet Protocol)システムであって、
前記ゲートウェイ装置は、前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する手段と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う手段と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する手段とを備えている。
【0015】
本発明によるゲートウェイ装置は、音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置であって、
前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する手段と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う手段と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する手段とを備えている。
【0016】
本発明によるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法は、音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置を含むVoIP(Voice over Internet Protocol)システムに用いるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法であって、
前記ゲートウェイ装置が、前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する処理と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う処理と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する処理とを実行している。
【0017】
すなわち、本発明のVoIP(Voice over Internet Protocol)システムは、ゲートウェイ装置を介してISDN(Integrated Services Digital Network)網側の電話端末との通話中に、ゲートウェイ装置とメインサーバまたはバックアップサーバとの間の通信が途絶えた場合においても、音声通信サービスを維持し続けることを可能としている。
【0018】
本発明のVoIPシステムでは、ゲートウェイ装置がメインサーバまたはバックアップサーバとの通信が不通である場合に、自装置で現在通話中の電話端末の終話を判断可能としている。
【0019】
また、本発明のVoIPシステムでは、ゲートウェイ装置においてメインサーバとの通信が切断されると、バックアップサーバへの呼制御接続処理を現在のゲートウェイ装置の通話状態を維持したまま行っている。
【0020】
さらに、本発明のVoIPシステムでは、ゲートウェイ装置がバックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後、ゲートウェイ装置で保持しているチャネル使用情報をバックアップサーバに通知することで、ゲートウェイ装置が保持する最新呼状態でバックアップサーバとの通信が開始可能となる。
【0021】
本発明のVoIPシステムでは、ゲートウェイ装置がメインサーバの指示ではなく、通話終了とする判断条件として、
・ゲートウェイ装置がIP(Internet Protocol)網端末からのデータ転送パケット[RTP(Real Time transport Protocol)パケット]が一定時間受信不能となった場合
・ゲートウェイ装置がISDN網からTTC(Telecommunication Technology Committee)標準JT−Q.931に準拠したLayer3の切断処理メッセージを受信した場合
・ゲートウェイ装置がISDN網のLayer2以下の回線リンク状態がダウンしたことを検出した場合
という3つの場合で実現可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、ゲートウェイ装置が通話を保持した状態で、バックアップサーバとの通信を開始することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によるVoIP(Voice over Internet Protocol)システムの構成例を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例によるVoIPシステムは、VoIPゲートウェイ装置1を含む音声通信システムである。
【0024】
本発明の一実施例によるVoIPシステムは、VoIPゲートウェイ装置1と、VoIPシステムを管理するメインサーバ2と、リモートサイトに設置するバックアップサーバ3と、ルータ4と、IP(Internet Protocol)網100側の端末である電話機5と、ISDN(Integrated Services Digital Network)網200側の端末である電話機6とを備えている。
【0025】
電話機6とVoIPゲートウェイ装置1とはISDN網200を介して接続しており、VoIPゲートウェイ装置1とメインサーバ2及びバックアップサーバ3とはIP網100を介して接続している。また、VoIPゲートウェイ装置1と電話機5とはIP網100を介して接続している。
【0026】
図2は図1のVoIPゲートウェイ装置1の構成例を示すブロック図である。図2において、VoIPゲートウェイ装置1は複数の音声チャネルを収容しており、メインサーバ2及びバックアップサーバ3からの制御指示コマンドの処理を行うVoIPインタフェース処理部11と、ISDN網200の音声データとIP網100の音声パケットとを相互に変換するVoIPメディア処理部12と、ISDN網200のインタフェースの終端を行うISDNインタフェース処理部13とから構成されている。
【0027】
VoIPインタフェース処理部11は、メインサーバ2及びバックアップサーバ3とゲートウェイ装置1との間の状態監視(ヘルスチェック)処理と、メインサーバ2及びバックアップサーバ3からの通話開始及び通話切断指示によって該当するチャネルに対してISDN網200とIP網100との接続処理とを行う。
【0028】
VoIPメディア処理部12は、DSP(Digital Signal Processor)を搭載し、ISDNインタフェース処理部13から通知されたISDN網200の音声データとIP網100の音声パケットとをメインサーバ2またはバックアップサーバ3から指示された音声符号化方式にしたがって相互に変換処理を行う。
【0029】
ISDNインタフェース処理部13は、TTC(Telecommunication Technology Committee)標準JT−Q.931の回線制御方式にしたがって、ISDN網200のデータを終端する。また、ISDNインタフェース処理部13は、各Layerの回線交換メッセージを監視し、VoIPゲートウェイ装置1のISDN網100側のリンク状態の監視及びVoIPゲートウェイ装置1が収容する全チャネルの呼状態の管理を行う。さらに、ISDNインタフェース処理部13は、ISDN網200を介して電話機6から受信した音声データをVoIPメディア処理部12へ通知する。
【0030】
図3は図1のメインサーバ2からバックアップサーバ3への再接続処理を示す図であり、図4は図1のメインサーバ2からバックアップサーバ3への再接続処理を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一実施例によるVoIPシステムの動作について説明する。
【0031】
まず、メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間の通信が継続的に切断された場合のVoIPゲートウェイ装置1の動作処理について説明する。
【0032】
VoIPインタフェース処理部11は、セントラルサイト101のメインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間のヘルスチェックを監視する機能を有している。このヘルスチェック機能において、VoIPゲートウェイ装置1でヘルスチェックタイムアウトと判断された場合、VoIPゲートウェイ装置1は予め指定されたリモートサイト102のバックアップサーバ3への通信を開始する。VoIPインタフェース処理部11は、複数のサーバと通信を切替えることで、メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間の通信を断続的な通信障害から救済することができる。
【0033】
また、ヘルスチェックタイムアウトが発生していない場合においても、メインサーバ2から強制的に指示された場合、ゲートウェイ装置1は予め指定されたバックアップサーバ3への通信を開始する。
【0034】
VoIPメディア処理部12では、正常処理状態において、メインサーバ2からの通話切断指示がVoIPインタフェース処理部11を介して通知される。メインサーバ2の障害等でメインサーバ2からの指示がない場合、VoIPメディア処理部12では、VoIPゲートウェイ装置1を介した通話を保持する。
【0035】
また、IP網100側の対向装置が通話切断を行った場合、VoIPメディア処理部12では終話を判断し、VoIPゲートウェイ装置1内で切断処理を実施する。この終話の判断としては、IP網100の対向装置端末からデータ転送パケット[RTP(Real Time transport Protocol)パケット]が一定時間受信不能となった場合とする。
【0036】
ISDNインタフェース処理部13では、VoIPメディア処理部12と同様に、メインサーバ2の障害等でメインサーバ2からの指示がない場合、VoIPゲートウェイ装置1を介した通話を保持するために、ISDN網200を介した電話機6から受信した音声データをVoIPメディア処理部12へ通知する。
【0037】
また、ISDN網200側から切断指示が通知された場合、ISDNインタフェース処理部13では終話を判断し、VoIPゲートウェイ装置1内で切断処理を実施する。終話の判断としては、TTC標準JT−Q.931の回線制御方式にしたがって、Layer3の回線切断メッセージを受信した場合及びLayer2のリンクの切断を検出した場合とする。終話と判断する回線メッセージは、「DISCONNECT」、「RELEASE」、「RELEASE COMP」の3メッセージとする。
【0038】
VoIPゲートウェイ装置1がISDN網200の端末である電話機6と電話機5との通話を保持している状態(図3の通話状態b)で(図4のa1)、メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間で通信障害(図3の障害発生a)が発生すると(図4のa2)、VoIPゲートウェイ装置1はバックアップサーバ3へのバックアップ通信処理を開始する(図4のa4,a6)。
【0039】
この時、VoIPゲートウェイ装置1を介した通話は保持され続ける(図4のa5)。上記の通信障害発生前に通話中であった呼を切断する条件としては、
・VoIPゲートウェイ装置1がIP網100側の端末である電話機5からのデータ転送パケット(RTPパケット)が一定時間受信不能となった場合
・VoIPゲートウェイ装置1がISDN網200からTTC標準JT−Q.931に準拠したLayer3の切断処理メッセージを受信した場合
・VoIPゲートウェイ装置1がISDN網200のLayer2以下の回線リンク状態がダウンしたことを検出した場合
という3条件とする。
【0040】
VoIPゲートウェイ装置1とバックアップサーバ3との通信が確立すると、VoIPゲートウェイ装置1で保持している各チャネルの状態b2をバックアップサーバ3へ通知する(図4のa7,a8)。バックアップサーバ3はVoIPゲートウェイ装置1から通知された各チャネルの呼状態情報b3を基に、これ以降の通話開設、終話処理を行う(図4のa9)。
【0041】
VoIPゲートウェイ装置1からバックアップサーバ3へ通知する呼状態情報は、IP網100側の対向装置端末を一意に決定することが可能な内線端末番号(IPアドレス及びサーバシステムへの登録番号)、ISDN網200側の電話機の呼番号とする。また、バックアップサーバ3とVoIPゲートウェイ装置1との通信確立後、VoIPゲートウェイ装置1はバックアップサーバ3の指示にしたがって、通話サービス処理が可能となる。
【0042】
このように、本実施例では、VoIPゲートウェイ装置1がIP網100側とISDN網200側との両状態を監視することで、通話を保持することができるので、メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との間に通信障害が発生した場合でも、VoIPゲートウェイ装置1を介した通話を保持することができる。
【0043】
また、本実施例では、バックアップサーバ3との通信切替え時に、VpIPゲートウェイ装置1からバックアップサーバ3に対して、VoIPゲートウェイ装置1が接続中の対向装置情報を通知することで、バックアップサーバ3が管理する情報を更新することができるので、VoIPゲートウェイ装置1が通話を保持した状態で、バックアップサーバ3との通信を開始することが可能となる。
【0044】
IP網100側の電話機端末については、IP網100側のデータ転送パケット(RTPパケット)を監視することで、メインサーバ2とVoIPゲートウェイ装置1との通信が切断された場合にも通話の保持を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上記の形態では、電話機6とVoIPゲートウェイ装置1とがISDN網200と介して接続される場合に適用しているが、電話機6とVoIPゲートウェイ装置1とが、ISDN網200と同様に回線交換網であるPSTN(Public Switched Telephone Network)網を介して接続される場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例によるVoIPシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のVoIPゲートウェイ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のメインサーバからバックアップサーバへの再接続処理を示す図である。
【図4】図1のメインサーバからバックアップサーバへの再接続処理を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 VoIPゲートウェイ装置
2 メインサーバ
3 バックアップサーバ
4 ルータ
5,6 電話機
11 VoIPインタフェース処理部
12 VoIPメディア処理部
13 ISDNインタフェース処理部
100 IP網
101 セントラルサイト
102 リモートサイト
200 ISDN網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置を含むVoIP(Voice over Internet Protocol)システムであって、
前記ゲートウェイ装置は、前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する手段と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う手段と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する手段とを有することを特徴とするVoIPシステム。
【請求項2】
前記ゲートウェイ装置は、前記メインサーバとの通信が切断された時に現在通話中の端末の終話を行うか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項1記載のVoIPシステム。
【請求項3】
前記通話状態を維持する手段は、前記IP網側及び前記回線交換網各々の状態を監視することで前記通話状態を維持することを特徴とする請求項1または請求項2記載のVoIPシステム。
【請求項4】
前記ゲートウェイ装置は、前記IP網側の端末からのデータ転送パケットが一定時間受信不能となった場合、前記回線交換網からレイヤ3の切断処理メッセージを受信した場合、前記回線交換網のレイヤ2以下の回線リンク状態がダウンしたことを検出した場合のいずれかの場合に現在通話中の端末の通話を終了と判断することを特徴とする請求項3記載のVoIPシステム。
【請求項5】
音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置であって、
前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する手段と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う手段と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する手段とを有することを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項6】
前記メインサーバとの通信が切断された時に現在通話中の端末の終話を行うか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項5記載のゲートウェイ装置。
【請求項7】
前記通話状態を維持する手段は、前記IP網側及び前記回線交換網各々の状態を監視することで前記通話状態を維持することを特徴とする請求項5または請求項6記載のゲートウェイ装置。
【請求項8】
前記IP網側の端末からのデータ転送パケットが一定時間受信不能となった場合、前記回線交換網からレイヤ3の切断処理メッセージを受信した場合、前記回線交換網のレイヤ2以下の回線リンク状態がダウンしたことを検出した場合のいずれかの場合に現在通話中の端末の通話を終了と判断することを特徴とする請求項7記載のゲートウェイ装置。
【請求項9】
VoIP(Voice over Internet Protocol)システムを構成することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか記載のゲートウェイ装置。
【請求項10】
音声通信のための呼の開設及び切断を制御するメインサーバ及び前記メインサーバをバックアップするバックアップサーバのうちのいずれかから指示を受けて、IP(Internet Protocol)網と回線交換網とを接続して音声通信サービスを各端末に提供するゲートウェイ装置を含むVoIP(Voice over Internet Protocol)システムに用いるメインサーバ障害時の通話保持・復旧処理方法であって、
前記ゲートウェイ装置が、前記メインサーバとの通信が切断されると現在の自装置の通話状態を維持する処理と、前記現在の自装置の通話状態を維持したまま前記バックアップサーバへの呼制御接続処理を行う処理と、前記バックアップサーバとの呼制御接続処理を開始した後に自装置で保持しているチャネル使用情報を前記バックアップサーバに通知する処理とを実行することを特徴とする通話保持・復旧処理方法。
【請求項11】
前記ゲートウェイ装置は、前記メインサーバとの通信が切断された時に現在通話中の端末の終話を行うか否かを判断する処理を実行することを特徴とする請求項10記載の通話保持・復旧処理方法。
【請求項12】
前記通話状態を維持する処理において、前記IP網側及び前記回線交換網各々の状態を監視することで前記通話状態を維持することを特徴とする請求項10または請求項11記載の通話保持・復旧処理方法。
【請求項13】
前記ゲートウェイ装置が、前記IP網側の端末からのデータ転送パケットが一定時間受信不能となった場合、前記回線交換網からレイヤ3の切断処理メッセージを受信した場合、前記回線交換網のレイヤ2以下の回線リンク状態がダウンしたことを検出した場合のいずれかの場合に現在通話中の端末の通話を終了と判断することを特徴とする請求項12記載の通話保持・復旧処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−5077(P2008−5077A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170821(P2006−170821)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】