説明

W−Mo複合体粉末の製造方法及び複合体粉末

本発明は、Mo及びWを含有する複合体粉末の製造方法に関し、その際にMo又はW金属粉末を含む粉末状の出発物質Aを:出発物質AとしてMo又はMo−W合金が存在する場合に、Wの酸化物化合物を含む粉末状の出発物質Bと;又は出発物質AとしてWが存在する場合に、Moの酸化物化合物を含む粉末状の出発物質Bと、混合し、前記混合物中でMo対Wの質量比(V)を1:99〜99:1の大きさに調節し、かつ粉末混合物を、少なくとも一段階の還元過程にかけ、その過程で、出発物質A中に含まれる金属又は金属合金の粒子は少なくとも部分的に、好ましくは完全に、使用される出発物質Bの金属の層と共に重複成長される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の上位概念に記載の方法並びにこの方法を用いて製造され、特許請求項11の上位概念に記載の複合体粉末に関する。
【0002】
さらに、本発明は、特許請求項18の上位概念に記載の方法並びにこの方法を用いて製造され、請求項24の上位概念に記載の複合体粉末に関する。
【0003】
本発明の本質的な目的は、複合体粉末を単純かつ迅速な方法で、できるだけ大きい複合体粉末の収率で、製造することである。本発明による方法を用いて得られる複合体粉末は、さらなる使用目的のために好適であるべきである;特に、それを用いて、例えば半製品、金型及び類似の対象物を焼結するための焼結法が、経済的にかつ原料パラメーターから見て、良好な結果を伴って実施可能であるべきである。さらに、この種の粉末は、超硬合金粉末の製造のため、特に窒化もしくは浸炭された硬質材料の焼結のために、良好に使用可能であるべきである。
【0004】
これらの目的は、請求項1の特徴部に挙げられた特徴を有する冒頭に挙げた種類の方法の場合に、達成される。
【0005】
本方法の有利な実施態様は、請求項2〜10に挙げられている。
【0006】
本発明によるこれらの方法の工程を用いて製造される複合体粉末は、とりわけ、請求項11の特徴により特徴付けられている。これらの粉末が、良好に焼結可能であるか、もしくは良好に硬質物質へ変換されることができることが明らかになる。複合体粉末は、金属コアもしくはコア粒子を含み、これらは例外なく、しかし少なくとも、少なくとも50%がタングステン又はモリブデンからなる被覆層と共に重複成長されている。
【0007】
この種の複合体粉末のさらなる有利な特徴は、請求項12〜17から得ることができる。
【0008】
特許請求項18の上位概念に記載の方法は、本発明によれば、請求項18の特徴部に挙げられた特徴により特徴付けられている。この方法を実施するために使用される複合体粉末は、特に良好に、迅速にかつ均質に窒化及び/又は浸炭されることができ、かつ際立って良好な材料パラメーターを示す。
【0009】
相応する元素である炭素及び/又は窒素との前記反応は有利には、請求項19〜22に示された特徴に相応して行われ、これらは目的へ導く手順を保証する。
【0010】
この方法を用いて、請求項23の特徴部の特徴を用いて特徴付けられている複合体粉末が製造される。この粉末は、良好な焼結特性もしくは加工特性を有し、かつ多方面にわたり使用可能である。
【0011】
この種の複合体粉末の有利な特徴は、請求項24〜30から得ることができる。
【0012】
タングステン−モリブデン原料の製造は、W及びMoの合金又は均質な金属粉末混合物の焼結により行われる。
【0013】
本発明は、タングステンもしくはモリブデンの分散性、ひいては分布の均一性が、とりわけ先駆物質及び予備分布(Vorverteilung)並びに出発物質の量比により制御されることができることに主に裏付けられる。
【0014】
本発明を用いて得られる複合体粉末は、それゆえ、W又はMo又はW−Mo合金からなるコアを含有し、このコアは少なくとも部分的に、Mo又はWからなる被覆層もしくはMo又はWを含有する炭化物及び/又は金属Mo及び/又はWの窒化物からなる被覆層で包囲されている。また前記コアは、浸炭及び/又は窒化されていてよい。
【0015】
中間生成物として得られる複合体粉末は、特定の使用目的のために、例えば焼結目的のためにも、独立して使用可能であって、この複合体粉末は、タングステン又はモリブデンからなる被覆層を有する粒子を含み、これらは、Mo又はW又はMo−W合金からなるコアを少なくとも部分的に、有利には完全に、包囲する。
【0016】
さらに、前記コア粒子及び被覆層の粒度が、量比、粒度並びに反応温度の変更により単純に制御されることができ、かつ特定範囲内で大きな精度で調節されることができる。
【0017】
本発明によれば、それゆえ、W又はMoからなるか又はMo−W合金からなるコア粒子とW又はMoからなる被覆層とを含む複合体粉末が製造され、その際にさらなる実施において、被覆層及び場合によりまたそれぞれのコア粒子は、炭化物及び/又は窒化物の形で存在していてよく、もしくはこれらを含有していてよい。
【0018】
所定の比の出発物質Aの金属粉末と出発物質Bとを、例えば、タンブルミキサー中での混合及び/又は例えばボールミル、アトライタ、遊星ボールミル及び/又は分散機中での湿式又は乾式の粉砕及び/又は噴霧により、混合した後に、場合により必要な乾燥後に、還元過程が行われる。
【0019】
好都合には、出発物質A及びBが、1〜300h、好ましくは1〜50hの期間にわたって、特に均質に、乾式又は湿式で混合されることが考慮に入れられる。
【0020】
還元過程は水素雰囲気中で行われ、その際に有利には、還元過程の期間が10min〜100hに調節されることが考慮に入れられることができる。還元過程は、400〜1200℃の温度で行われる。
【0021】
出発物質A及びBの粒度が0.1μm〜50μmであることが考慮に入れられる。
【0022】
さらに、前記出発物質もしくは使用される化合物に金属をドープすることが可能である。出発物質AもしくはBの場合に存在している金属もしくは金属合金を、出発物質A中もしくは出発物質B中で用意される金属(類)の50ppm〜20質量%の範囲内のCr及び/又はV及び/又はMo及び/又はTa及び/又はNbでドープする場合が有利である。出発物質がMoを含有する場合には、Moでのドープを割愛することが理解される。
【0023】
前記還元法は、多様な方法で行われることができる。有利には、一段階の還元過程又は二段階の還元過程が実施可能である。これに関して、特許請求項7及び8の特徴が有利である。
【0024】
加熱速度及び/又は冷却速度が1〜500K/minに調節されることが考慮に入れられる。混合され、粉末状で存在している出発物質のかさの高さ(Schuetthoehe)は、前記原料及びそれらのかさ特性(特にかさ密度、多孔度)に応じて選択される。
【0025】
Moの重複成長のプロセスは、例えばWO2(OH)2もしくはWO3(g)の、気相輸送を介して機能する。その際にMoはタングステンのための成核助剤として作用し、かつ極めて均一な複合体粉末をもたらす。前記W−Mo複合体粉末の巨視的なモルホロジーは、使用されるコア成分の粉末の巨視的なモルホロジーに相当する。
【0026】
図1には、コア粒子上への被覆層としての出発物質Bの堆積が示されている。相応する堆積により、図1では右側に示されている複合体粉末の粒子が得られる。WO2(もしくはMoO2)は1で、W(もしくはMo)は2で、WO2(OH)2(もしくは揮発性Mo化合物)は3でW(もしくはMo)は4で示されている。
【0027】
図2では、複合体粉末の形成に関係する数理モデルが示される。
【0028】
前記数理モデルは、球形の粉末粒子が存在し、かつ理想的に均一にかつ完全にコア−被覆構造として生じると想定する。同じように、前記計算はMo金属に基づいている。
【0029】
【数1】

【0030】
使用される物質W及びMoの体積が目下比例している場合には、論理的な半径関係性が得られ、これを用いて、コア成分もしくはコア粒子の半径及びW:MoもしくはWC:Mo量比の知識に基づいて、被覆の層厚並びに複合体粉末粒子の粒度は算定されることができる:
【数2】

【0031】
それゆえ、複合体粉末の粒子の平均半径については0.6・X < R1 < 1.2Xが当てはまる場合に有利であり、ここで、
【数3】

ここで
1 …… 複合体粉末の粒子の平均半径
A …… 出発物質A(コア)の金属の体積
B …… 出発物質B(被覆)の金属の体積
2 …… 出発物質Aの粒子もしくはコア粒子の平均半径である。
【0032】
本発明による手順の場合に、出発物質A(=コア成分)の粒度の選択により、生じる複合体粉末の粒度は制御されることができる、それというのも、生じる複合体粉末の被覆層の厚さは、半径R1−R2の差に相当するからである。
【0033】
図3は、金属複合体粉末の略示図を示し、ここで、WもしくはMoは1で、MoもしくはWは2で示されている。生じるMo−WもしくはW−Mo複合体粉末粒子は略示的に示されている。W:Moの使用される質量比及びW及びMo相の分布に応じて、全体的に(a)並びに部分的に(b)重複成長される構造が可能である。(c)及び(d)には、非球状粒子並びにアグロメレートの考えられる重複成長が説明されている。
【0034】
図4及び5は、相W(bcc)及びMo(bcc)を有するW−Mo(図4)もしくはMo−W(図5)のX線回折図形を示す。
【0035】
図6は、Mo−W粉末のSEM写真を示す;右側に、複合体粉末のEDSスペクトルが示されており、左側に、完全に重複成長されていないモリブデンコアを有するタングステン結晶を見ることができる。右側に、EDS分析の相応するスペクトルを示す。このSEM写真に基づいて、タングステンが、エピタキシャルにモリブデン上に成長することが識別され、このことは、極めて類似した格子パラメーター(双方とも体心立方)により可能である。
【0036】
図7は、前記Mo−Wの電子顕微鏡写真を示す;左側:Mo−W(エッチングされていない);右側:Mo−W(エッチングされた)。
【0037】
図8は、Mo−W複合体粉末のSEM写真を示す(エッチングされた)。図7及び8のMoW粉末の銅カット面(Kopferschliffen)中で、明らかにコア−被覆構造が識別されることができる。モリブデンの周りのタングステンの層厚は、大体において均一に見える。モリブデンと共にタングステンの逆の重複成長は、匹敵しうる結果(図9)を示し、その際に明らかなコア−被覆構造を有する。図9は、前記W−Mo複合体粉末の写真を示す、しかも上部:SEM及び下部:光学顕微鏡。
【0038】
得られた複合体粉末は、通例、12nm〜15μmの被覆層の厚さを示し、これは出発物質と出発粒子の大きさとの比に依存する。
【0039】
X線回折法の結果は、bcc形のタングステン及びMoを示す。前記複合体粉末の酸素含量は、5000ppm未満(<5000ppm)である。前記複合体粉末の粒度は、走査電子顕微鏡を用いて測定される、約50nm〜50μmである。
【0040】
さらに、使用される出発物質もしくは化合物が、高純度を有するべきであるか、もしくは不純物が焼結技術において常用の範囲内で単に存在すべきであることに注目すべきである。
【0041】
被覆層中に炭化物及び/又は窒化物が存在する複合体粉末を製造するために、これまで記載された方法は、得られたもしくは既に記載された複合体粉末が、反応にかけられて、その際に得られた複合体粉末の粒子の被覆層中へ及び場合によりコア粒子中へも炭素及び/又は窒素が挿入される(eingelagert)ようにして、さらに行われる。そのためには、得られた複合体粉末が、炭素と、好ましくはカーボンブラック及び/又はグラファイトの形で、混合される及び/又はH2及びN2及び/又はH2/CH4及び/又はCO及び/又はCO2からなる雰囲気中で、しかも800〜2200℃の温度に加熱され、その結果、被覆層中及び場合によりまたコア粒子中の金属が、炭素及び/又は窒素との相応する化合物、特に窒化物及び/又は炭化物へ、好ましくは一炭化タングステン及び/又は二炭化モリブデンへ変換される及び/又は相応する挿入反応が進行することが考慮に入れられることができる。
【0042】
既に存在している複合体粉末と、カーボンブラックもしくはグラファイトとの混合は、例えばタンブルミキサー、ボールミル、遊星ボールミル、アトライタもしくは分散機のような、常用の混合装置もしくは粉砕装置中で行われることができる。
【0043】
使用される複合体粉末の相応する混合及び特に均質化の後に、浸炭及び/又は窒化が、特に一定の、温度で10min〜50hにわたって行われ、その際に場合により加熱速度及び/又は冷却速度は2〜500K/minに調節されることが考慮に入れられる。前記反応のための雰囲気は、所望の化合物に相応して選択され;相応して温度も調節される。
【0044】
前記反応の過程で得られる複合体粉末は、W又はMoもしくはMo−W合金からなるコアもしくはコア粒子を含み、これらはMo又はWからなる被覆層と共に重複成長されており、その際にコア層及び場合により被覆層は浸炭及び/又は窒化されて存在する。相応する方法実施の場合に、それゆえ、コア粒子はまた、C−挿入物及び/又はN−挿入物もしくは炭化物及び/又は窒化物を含有していてよい。
【0045】
図10は、Mo2CもしくはWCコア及びWCもしくはMo2C被覆からなるMo2C−WC/WC−Mo2C複合体粉末を略示的に説明し、ここで、Mo2CもしくはWCは3で及びWCもしくはMo2Cは4で示されている。
【0046】
図11は、生じた相WC及びMo2Cを有するMo2−WC複合体粉末のX線回折図形を示す。
【0047】
図12は、90WC/10Mo2Cを有する複合体粉末のSEM写真を示す(Cuカット面下、エッチングされた)。
【0048】
前記反応により得られた本発明による複合体粉末は、前記粒子の少なくとも50%が完全に、炭化物及び/又は窒化物を含有している被覆層と共に重複成長されていることを示す。前記複合体粉末は、50nm〜15μmの粒度を有し、その際に被覆層の厚さは8nm〜50μmである。
【0049】
これらの粉末の場合にも、使用される出発複合体粉末に基づいて、使用される金属の少なくとも1つが、それぞれドープされる金属の50ppm〜2質量%の範囲内のCr及び/又はV及び/又はMo及び/又はTa及び/又はMo及び/又はNbでドープされていることが考慮に入れられることができる。
【0050】
例1:
WO2(0.5〜2μm)を、Mo金属粉末(3〜4μm)と、90:10(質量%)のW:Moの比でタンブルミキサーを用いて40〜60min、均質に混合する。この混合物を、引き続き、水素を用いて800〜950℃の温度で還元する。明らかなコア−被覆構造を有するMo−W複合体粉末が生じ、前記粉末中でモリブデン粒子は>90%がタングステンにより重複成長される。粒度は5〜7μmの範囲内であり、その際に1〜2μmのW層厚を有する。
【0051】
炭素(カーボンブラック)でのこの複合体粉末の浸炭により、Mo2C−WC複合体粉末が生じ、その際に二炭化モリブデンは>90%が一炭化タングステンにより包囲されており、かつ明らかなコア−被覆構造を有する。
【0052】
例2:
MoO2(0.5〜2μm)を、W金属粉末(2〜4μm)と、1:1(質量%)のMo:Wの比でタンブルミキサーを用いて40〜60min、均質に混合する。この混合物を、引き続き、水素を用いて900〜1000℃の温度で還元する。明らかなコア−被覆構造を有するW−Mo複合体粉末が生じ、前記粉末中でタングステン粒子は>90%がモリブデンにより重複成長されている。粒度は3〜5μmの範囲内であり、その際に約0.5μmのMo層厚を有する。
【0053】
当該実施から、Mo及びWは互いに等価にもしくは大体において交換可能であることが明らかになる、それというのも反応速度論は匹敵しうるからである。
【0054】
単に、酸化W及び酸化Moの使用される構造が相違するに過ぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mo及びWを含有している複合体粉末を製造するにあたり、
Mo又はW金属粉末又はこれら双方の金属の合金粉末を含む粉末状の出発物質Aを、
・出発物質AとしてMo又はMo−W合金が存在する場合に、次の物質の少なくとも1つ:
Wの酸化物化合物、特にWO3、WO2.9、W2050、WO2.72、W1847又は他の酸化W、H2WO4
パラタングステン酸アンモニウム(APW)、メタタングステン酸アンモニウム(AMW)、WO2
を含む粉末状の出発物質Bと、
・又は出発物質AとしてW又はW−Mo合金が存在する場合に、次の物質の少なくとも1つ:
Moの酸化物化合物、特に、MoO3、MoO2.92、Mo1338、Mo411又は他の酸化Mo、
2MoO4(MoO32O)、
(NH42MoO4、二モリブデン酸アンモニウムADM((NH42・2MoO3)、(NH42O・6MoO3
MoO2
を含む粉末状の出発物質Bと、
特に均質に、混合することによる複合体粉末の製造方法であって、
前記混合物中で、Mo対Wの質量比(V)を1:99〜99:1、好ましくは1:20〜20:1の大きさに調節し、かつ
前記粉末混合物を少なくとも一段階の還元過程にかけ、その過程で出発物質A中に含まれている金属又は金属合金の粒子が少なくとも部分的に、好ましくは完全に、使用される出発物質Bの金属の層と共に重複成長されることを特徴とする、Mo及びWを含有している複合体粉末を製造する方法。
【請求項2】
還元過程が、水素雰囲気中で又は還元ガス(水素、一酸化炭素、メタン)と少なくとも1つの不活性ガスとの混合物からなる雰囲気中で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
還元過程の期間を10min〜100hに調節する、及び/又は
還元過程を400〜1200℃の温度で行う、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
出発物質Aの粒度が0.1〜500μmであり、かつ出発物質Bの粒度が0.1〜50μmである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
出発物質A及び/又は出発物質Bが、出発物質AもしくはB中で使用される金属(類)の50ppm〜20質量%の範囲内のCr及び/又はV及び/又はMo及び/又はTa及び/又はNbでドープされている、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
出発物質A及びBを、1〜300h、好ましくは1〜50hの期間にわたって、特に均質に、乾式又は湿式で混合する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
一段階の還元過程の場合に、10min〜100hの滞留時間で、500〜1200℃、好ましくは700〜1200℃の、特に一定の、温度に調節する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
二段階の還元過程の場合に、第一の還元段階については10min〜100hの滞留時間にわたり400〜700℃の、特に一定の、温度に調節し、かつ
第二の還元段階において、10min〜100hの滞留時間にわたり650〜1200℃の、特に一定の、温度に調節する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
加熱速度及び/又は冷却速度を1〜500K/minに調節する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
還元過程の間に、混合され、粉末状で存在している出発物質のかさの高さが最大100mmを超えない、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により製造された、複合体粉末。
【請求項12】
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法により特に製造された、Mo又はW又はMo−W合金からなるコア粒子を含む複合体粉末であって、コア粒子が少なくとも部分的に、その都度他の金属、すなわちW又はMoからなる被覆層と共に、もしくはMo−W合金からなるコア粒子の場合にMo又はWと共に少なくとも部分的に、有利には完全に、重複成長されていることを特徴とする、複合体粉末。
【請求項13】
複合体粉末の粒子の少なくとも50%が被覆層と共に重複成長されている、請求項11又は12記載の複合体粉末。
【請求項14】
複合体粉末の粒子が50nm〜50μmの大きさを有する、請求項11から13までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項15】
複合体粉末の粒子の平均半径R1について、
0.6X < R1 < 1.2X
が当てはまり、
ここで
【数1】

ここで、VAは、出発物質Aの金属又は金属合金の体積に、
Bは、出発物質Bの金属の体積に、及び
2は、出発物質Aの粒子もしくはコア粒子の平均半径に
相当する、請求項11から14までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項16】
被覆層の厚さが8nm〜15μmである、請求項11から15までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項17】
複合体粉末中でW及びMoが体心立方晶形で存在する、請求項11から16までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項18】
炭化物及び/又は窒化物が少なくとも、コア粒子を少なくとも部分的に包囲する被覆層中に含まれていることによって、C及び/又はNでドープされるもしくはこれらの元素を含有している複合体粉末を製造する方法であって、
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法の工程に引き続き、このようにして得られた複合体粉末を挿入反応、特に浸炭及び/又は窒化にかけて、その際、得られた複合体粉末の粒子の被覆層中及び場合によりまたコア粒子中へC及び/又はNを挿入することを特徴とする、複合体粉末の製造方法。
【請求項19】
得られた複合体粉末を、炭素、特にカーボンブラック及び/又はグラファイトと混合し、及び/又は得られた複合体粉末を、H2及び/及びN2及び/又はH2/CH4及び/又はCO及び/又はCO2及び/又はN2からなる雰囲気に暴露し、かつ800〜2200℃の温度で被覆層中の金属及び場合によりまたコア粒子の金属又は金属合金を、炭素及び/又は窒素との相応する化合物へ、特に炭化物及び/又は窒化物へ変換し、及び/又は挿入反応にかける、請求項18記載の方法。
【請求項20】
浸炭及び/又は窒化を、800〜2200℃の、特に一定の、温度で10min〜50hにわたって行う、請求項18又は19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
加熱速度及び場合により冷却速度を2〜500K/minに調節する、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
浸炭及び/又は窒化の際に、200mmの粉末のかさの高さを超えない、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
請求項11から17までのいずれか1項記載の出発複合体粉末を特に使用して、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法により特に製造された、複合体粉末。
【請求項24】
請求項18から22までのいずれか1項記載の方法により特に製造された、Mo又はW又はMo−W合金からなるコア粒子を含む複合体粉末であって、コア粒子が少なくとも部分的に、その都度他の金属、すなわちW又はMoからなる被覆層と共に、もしくはMo−W合金からなるコア粒子の場合にMo又はWと共に少なくとも部分的に重複成長されており、これらの被覆層中でC及び/又はNが挿入される及び/又は特に炭化物、窒化物の形で含まれており、その際に場合によりコア粒子中にもC及び/又はNが挿入される又は特に炭化物及び/又は窒化物の形で含まれていることを特徴とする、複合体粉末。
【請求項25】
粒子の少なくとも50%が、炭化物及び/又は窒化物を含有している被覆層と共に重複成長されている、請求項23又は24記載の複合体粉末。
【請求項26】
被覆層中に含まれているWCが六方晶形で又は被覆層中に含まれているMo2Cが六方晶形で存在する、請求項23から25までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項27】
複合体粉末の粒子の平均半径R1について、
0.6X < R1 < 1.2X
が当てはまり、
ここで
【数2】

ここで、VAは、出発物質Aの金属又は金属合金の体積に、
Bは、出発物質Bの金属の体積に、及び
2は、出発物質Bの粒子もしくはコア粒子の平均半径に
相当する、請求項23から26までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項28】
複合体粉末が50nm〜50μmの粒度を有する、請求項23から27までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項29】
被覆層の厚さが8nm〜50μmである、請求項23から28までのいずれか1項記載の複合体粉末。
【請求項30】
複合体粉末中に含まれているMo及び/又はWの炭化物の少なくとも1つが、それぞれの金属の50ppm〜20質量%の範囲内のCr及び/又はV及び/又はMo及び/又はTa及び/又はNbでドープされている、請求項23から29までのいずれか1項記載の複合体粉末。

【公表番号】特表2010−503764(P2010−503764A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527644(P2009−527644)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000407
【国際公開番号】WO2008/031121
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(506360918)ヴォルフラム ベルクバウ− ウント ヒュッテン−ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ナッハフォルガー コマンディートゲセルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】Wolfram Bergbau− und Huetten−GmbH Nfg. KG
【住所又は居所原語表記】Bergla 33, A−8543 St. Martin i.S., Austria
【Fターム(参考)】