説明

WDM伝送システムおよび波長冗長装置

【課題】不要なトランスポンダを設置することなく、システム構成を簡潔にして、コストを低減することが可能なWDM伝送システムを提供する。
【解決手段】トランスポンダ12−1にて異常が発生すると、波長冗長装置31が、対向の波長冗長装置33へ波長冗長切替要求を送信する。波長冗長装置33のパススルー対応制御部は、波長冗長切替要求により、光セレクターをオンしてエクストラトラフィックポートを開放するとともに、対向の波長冗長装置36へ隣接区間波長冗長装置用インタフェース35を使用して波長冗長切替要求を転送する。波長冗長装置36のパススルー対応制御部は、波長冗長装置33から波長冗長切替要求を受信し、光セレクターによってエクストラ入力用伝送経路113を開放するとともに、波長冗長装置38へ波長冗長切替要求を転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向するWDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送装置間でトランスポンダを経てトランスポンダ信号を伝送するWDM区間と、隣接するWDM伝送システムとの間で、トランスポンダを介さずにトランスポンダ信号を送受信するパススルー区間とを有するWDMシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、WDM区間とパススルー区間を有する互いに隣接する2つのWDM伝送システムを示したものである。
【0003】
伝送信号11-1、11-2、11-3は図左側のWDMシステムのWDM装置のそれぞれトランスポンダ12-1、12-2、12-3にて各々WDM波長に変換され、WDM区間14を、波長多重分離部13、15を介して対向するWDM装置に伝送される。トランスポンダ12-2、12-3から出力されたトランスポンダ信号は、トランスポンダ17-1、17-2にてそれぞれ伝送信号20-1、20-2に逆変換される。トランスポンダ12-1のトランスポンダ信号はパススルー区間16を経て図右側のWDMシステムに伝送される。トランスポンダ12-1のトランスポンダ信号はさらに図右側のWDMシステムのWDM区間24を、波長多重分離部23、25を介して伝送され、トランスポンダ26-1にて伝送信号27-1に逆変換される。WDM区間24では、他の伝送信号21-1、21-2がそれぞれトランスポンダ22-1、22-2にてWDM波長に変換され、波長多重分離部23、25を介して伝送され、トランスポンダ26-2、26-3にて伝送信号27-2、27-3に逆変換される。
【0004】
図4、図5は、図3のWDM伝送システムに波長冗長装置を使用した場合の構成例を示している。
【0005】
図4のWDM伝送システムは、各々のWDM伝送区間14、24およびパススルー区間16単位に波長冗長装置を設置した例である。WDM区間14に対しては、波長冗長装置41-1、45と冗長波長用トランスポンダ12-5、17-3が設置されている。WDM区間24に対しては、波長冗長装置46、48-1と冗長波長用トランスポンダ22-3、26-5が設置されている。パススルー区間16に対しては、波長冗長装置41-2、48-2と冗長波長用トランスポンダ12-4、26-4が設置されている。波長冗長装置41-1と45は波長冗長切替要求が送信される波長冗長切替要求インタフェース42で互いに接続されている。同様に、波長冗長装置46と48-1は波長冗長切替要求が送信される波長冗長切替要求インタフェース42で互いに接続されている。同様に、波長冗長装置41-2と48-2は波長冗長切替要求が送信される波長冗長切替要求インタフェース43で互いに接続されている。波長多重分離部15と23の間には、冗長波長用トランスポンダ12-4、26-4のトランスポンダ信号を送受信するためのパススルー区間44が設けられている。
【0006】
図5は、図3の隣接するWDMシステムを各々のWDM区間14、24単位で分離して、個別に波長冗長システムを構成する例である。WDM区間14に対しては、波長冗長装置50、52と、冗長波長用トランスポンダ12-5、17-3、パススルー区間区切り用トランスポンダ17-4が設置されている。WDM区間24に対しては、波長冗長装置54、56と冗長波長用トランスポンダ22-3、26-5、パススルー区間区切り用トランスポンダ22-4が設置されている。波長冗長装置50と52は、波長冗長切替要求が送信される波長冗長切替要求インタフェース51で互いに接続されている。同様に、波長冗長装置54と56は、波長冗長切替要求が送信される波長冗長切替要求インタフェース55で互いに接続されている。波長冗長装置52と54間には、トランスポンダ17−4、22−4からのトランスポンダ信号が送受信される信号線53が設けられている。
【0007】
図6は図4、図5中の波長冗長装置の構成を示したものである。ここでは、伝送信号の数はm個と一般化されている。
【0008】
入力用伝送経路111−1に入力された伝送信号101-1は、光カプラ102-1を経てWDM区間伝送用の現用トランスポンダ信号104-1となり、また、対応するトランスポンダから出力用伝送経路112−1に入力されたWDM区間伝送用の現用トランスポンダ信号104-1は光セレクター103-1を経て伝送信号101-1となる。同様に、入力用伝送経路111−mに入力された伝送信号101-mは、光カプラ102-mを経てWDM区間伝送用の現用トランスポンダ信号104-mとなり、また、対応するトランスポンダから出力用伝送経路112−mに入力されたWDM区間伝送用の現用トランスポンダ信号104-mは光セレクター103-mを経て伝送信号101-mとなる。光カプラ102-1、102-mで分岐出力された信号は、光セレクター107を経てWDM区間伝送用の冗長用トランスポンダ信号104-pとなる。入力された冗長用トランスポンダ信号104-pは、スプリッター108を経て光セレクター103-1、・・・、103-mで選択され、伝送信号101-1、・・・、101-mとなる。切替制御部110は、伝送区間の対向側に設置された波長冗長装置と波長冗長切替要求インタフェース109(図4の信号線42、43、47、図5の信号線51、55)を経て波長冗長切替要求を送受信し、対向WDM装置からの波長冗長切替要求または自装置内のダウン検出情報によって、伝送信号101-1、・・・、101-mの伝送信号のうち、異常が発生したトランスポンダへの伝送信号を光セレクター107によって選択して、冗長用トランスポンダ信号104-pとする。また、切替制御部110は、冗長用トランスポンダからの冗長用トランスポンダ信号104−pを、光セレクター103-1、・・・、103-mのうち、異常が発生したトランスポンダからのトランスポンダ信号を入力する光セレクターで選択する。
【0009】
なお、例えば図4の波長冗長装置41−1の場合、伝送信号101-1、101-mはそれぞれ伝送信号11-2、11-3に相当し、現用トランスポンダ信号104-1、104-mはそれぞれトランスポンダ12-2、12-3との間で入出力される信号に相当し、冗長用トランスポンダ信号104-pはトランスポンダ12-5と間で入出力される信号に相当する。また、波長冗長切替要求インタフェース109は、波長冗長装置41-1と45の間の信号線42に相当する。
【0010】
なお、引用文献1は、波長多重光伝送システムにおいてより簡単な構成でN:1冗長切替を提案し、1区間での対向に設置された波長多重光送信装置の連携した切替動作について記述しているが、隣接区間に設置される同装置との制御情報の送受、隣接装置間のルート制御については記述されていない。
【特許文献1】特開2002−344386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図3に示すように、トランスポンダを有するWDM区間とトランスポンダを経由しないパススルー区間を同時に収容するWDMシステムにおいては、図4に示すように、WDM区間、パススルー区間毎に波長冗長装置を設置するか、図5に示すように、パススルーの波長信号にあえて、隣接WDMシステムと伝送区間を分離するためのトランスポンダを設置し、他のトランスポンダの波長信号と区間をあわせて、その分離点に波長冗長装置を設置するようなシステムが構成されていた。
【0012】
したがって、従来のWDMシステムは、余分な波長冗長装置やトランスポンダの設置を伴うため、システム構成のコストが増大し、また伝送システムとしての信頼性が低下するという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、パススルー区間を含む複数の伝送路に対しても専用の波長冗長装置を設置することなく1:N波長冗長を適用することができ、不要なトランスポンダを設置することなく、システム構成を簡潔にして、コストを低減することが可能なWDM伝送システムおよび波長冗長装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
WDM伝送システムの互いに対向するWDM伝送装置それぞれに1つの冗長用トランスポンダと1つの波長冗長装置が配置される。WDM伝送システムは互いに対向する両波長冗長装置が、相手波長冗長装置との間で波長冗長切替要求を送受信するため波長冗長切替要求インタフェースを有する。WDM伝送システムはさらに、隣接するWDM伝送システムと隣接する側の波長冗長装置が、該隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との間に、パススルー区間の伝送信号に対する波長冗長切替要求を送受信するため隣接区間波長冗長装置用インタフェースを有する。
【0015】
隣接するWDMシステムと隣接する側の波長冗長装置と対向する波長冗長装置は、a)該波長冗長装置が属するWDM伝送装置のいずれかのトランスポンダに異常が発生した場合に、異常が発生したトランスポンダを通る伝送経路を、冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替えるとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信し、b)対向WDM伝送装置のいずれかのトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、異常が発生したトランスポンダに対応する、自波長冗長装置が属するWDM伝送装置のトランスポンダを通る伝送経路を、冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替え、c)隣接するWDM伝送システムの対向する波長冗長装置からの波長冗長切替要求が、該波長冗長装置と対向する波長冗長装置から波長冗長切替要求インタフェースを経て転送されてくると、自前波長冗長装置が属するWDM伝送装置の前記パススルー区間のトランスポンダを通る伝送経路を、冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替える。
【0016】
隣接するWDM伝送システムと隣接する側の波長冗長装置は、a)該波長冗長装置が属するWDM装置のいずれかのトランスポンダに異常が発生した場合に、異常が発生したトランスポンダを通る伝送経路を、冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替えるとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信し、b)対向WDM伝送装置の、WDM区間のいずれかのトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、異常が発生したトランスポンダに対応する、自波長冗長装置が属するWDM伝送装置のトランスポンダを通る伝送経路を、冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替え、c)対向WDM伝送装置の、パススルー区間のトランスポンダ信号を入出力するトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置に波長冗長切替要求を送信するとともに、自波長冗長装置内の、冗長用トランスポンダと接続するエクストラ出力用伝送経路を開放して、隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との伝送経路を確保し、d)隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置から波長冗長切替要求を受信すると、自波長冗長装置内の、冗長用トランスポンダと接続するエクストラ入力用伝送経路を開放するとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信する。
【0017】
本発明は、互いに隣接するWDM伝送システムの互いに隣接する波長冗長装置同士の間に隣接区間波長冗長装置用インタフェースを設け、一方のWDMシステムでパススルー区間(波長信号)の切替要求事象が発生した場合、他方のWDMシステムに波長冗長切替要求を送信する。この波長冗長切替要求は隣接WDMシステム内をリレー伝送される。これによって、WDMシステムは隣接するWDMシステムで発生したパススルー区間(波長信号)の切替要求事象を認識することができる。さらに、本発明は、WDMシステムでパススルー区間(波長信号)の切替要求事象が発生した場合、冗長用トランスポンダと接続するエクストラ出力用伝送経路、エクストラ入力用伝送経路を開放して、隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との伝送経路を確保する。これによって、冗長波長用トランスポンダに接続されたエクストラ入力用伝送経路およびエクストラ出力用伝送経路を利用してパススルー区間の伝送信号を隣接のWDMシステムと送受信することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パススルー区間を含む複数の伝送路に対しても専用の波長冗長装置を設置することなく1:N波長冗長を適用することができ、不要なトランスポンダを設置することなく、システム構成を簡潔にして、コストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態のWDM伝送システムのブロック図である。本WDM伝送システムは、図3のWDM伝送システムに、後述する図2の波長冗長装置を使用したものである。
【0021】
WDM区間14に対しては、波長冗長装置31、33と、冗長波長用トランスポンダ12−5、17−3が設置されている。WDM区間24に対しては、波長冗長装置36、38と冗長波長用トランスポンダ22‐3、26-5が設置されている。波長冗長装置31と33は波長冗長切替要求インタフェース32で互いに接続され、波長冗長装置36と38は波長冗長切替要求インタフェース37で互いに接続されている。波長冗長装置33と36は、信号線34にて波長冗長装置33と36のエクストラトラフィックポート同士が接続されるとともに、隣接区間波長冗長装置用インタフェース35にて接続されている。
【0022】
図2は図1中の波長冗長装置33と36のブロック図である。ここでは、図6と同様に、伝送信号の数はm個と一般化されている。なお、波長冗長装置31、38は図6の従来の波長冗長装置と同じ構成である。
【0023】
本波長冗長装置は、図6の従来の構成に対し、隣接区間波長冗長装置用インタフェース116を介して隣接WDMシステムの対向する波長冗長装置と接続され、切替制御部110、波長冗長切替要求インタフェース109を経て、自WDMシステム内の対向する波長冗長装置と接続されているパススルー対応制御部115を新たに有している。パススルー対応制御部115は、自WDMシステム内のトランスポンダ12−1または26−1に異常が発生し、波長冗長切替要求インタフェース109、切替制御部110を経て波長冗長切替要求を受信すると、光セレクター106をオンして、トランスポンダ17−3または22−3の出力とエクストラトラフィックポート105との間のエクストラ出力用伝送経路114を開放し、隣接区間波長冗長装置用インタフェース116を介して隣接WDMシステムの対向する波長冗長装置から波長冗長切替要求を受信すると、エクストラ入力用伝送経路113を選択するように、光セレクター107を制御する。
【0024】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0025】
WDM区間14または24で異常が発生した場合の波長冗長切替は従来装置と同様に行われる。WDM区間14の異常が発生した場合、波長冗長装置31と33にて波長冗長切替が実施される。例えばトランスポンダ12−3にて異常が発生し、波長冗長装置31が、波長冗長切替が必要と判断した場合、対向の波長冗長装置33に波長冗長切替要求インタフェース32にて波長冗長切替要求を送信する。そして波長冗長装置31は、伝送信号11−3が、冗長波長用トランスポンダ12−5、17−3を経由した伝送信号20−2となるように、対向の波長冗長装置33とともに伝送経路の切替を実施する。同様に、WDM区間24の異常が発生した場合、波長冗長装置36、38にて波長冗長切替が実施される。例えばトランスポンダ26−3にて異常が発生し、波長冗長装置38が、波長冗長切替が必要と判断した場合、対向の波長冗長装置36に波長冗長切替要求インタフェース37にて波長冗長切替要求を送信する。そして波長冗長装置38は、伝送信号27−3が冗長波長用トランスポンダ26−5、22−3を経由した伝送信号21−1となるように、対向の波長冗長装置36とともに伝送経路の切替を実施する。
【0026】
パススルー区間16のトランスポンダ12−1にて異常が発生し、波長冗長装置31が、波長冗長切替が必要と判断した場合、対向の波長冗長装置33へ、波長冗長切替要求インタフェース32にて波長冗長切替要求を送信する。波長冗長装置33のパススルー対応制御部115は、波長冗長装置31から受信した波長冗長切替要求によりパススルー区間16の伝送信号に切替実施の要求があることを認識し、光セレクター106をオンしてエクストラトラフィックポート105(エクストラ出力用伝送経路114)を開放するとともに、対向の波長冗長装置36へ隣接区間波長冗長装置用インタフェース35を使用して波長冗長切替要求を転送する。波長冗長装置36のパススルー対応制御部115は、波長冗長装置33から波長冗長切替要求を受信し、光セレクター107によってエクストラ入力用伝送経路113を開放するとともに、切替制御部110、波長冗長切替要求インタフェース37を経て波長冗長装置38へ波長冗長切替要求を転送する。波長冗長装置38は、波長冗長切替要求により切替制御を実施する。
【0027】
上記制御動作の結果、伝送信号11−1は、波長冗長用トランスポンダ12−5、17−3を通り、波長冗長装置33、36間の伝送路34を抜けて冗長波長用トランスポンダ22−3、26−5を経由して伝送信号27−1となるように、伝送経路が確保される。したがって、本WDMシステムはWDM区間14、24をパススルーする伝送信号11−1に対しても波長冗長システムとして動作する。
【0028】
なお、波長冗長装置の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行するものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM等の記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク装置等の記憶装置を指す。さらに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネットを介してプログラムを送信する場合のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体もしくは伝送波)、その場合のサーバとなるコンピュータ内の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の一実施形態の、WDM区間とパススルー区間を有する隣接したWDM伝送システムのブロック図である。
【図2】図2は図1中の、隣接したWDM伝送システムの対向する波長冗長装置のブロック図である。
【図3】図3はWDM区間とパススルー区間を有する互いに隣接する2つのWDM伝送システムを示すブロック図である。
【図4】図4は図3のWDM伝送システムに波長冗長装置を使用した場合の構成例を示すである。
【図5】図5は図3のWDM伝送システムに波長冗長装置を使用した場合の他の構成例を示す図である。
【図6】図6は図4、図5のWDM伝送システムで使用される波長冗長装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0030】
11−1、11−2、11−3 伝送信号
12−1、12−2、・・・、12−5 トランスポンダ
13 波長多重分離部
14 WDM区間
15 波長多重分離部
16 パススルー区間
17−1、17−2、17−3 トランスポンダ
20−1、20−2 伝送信号
21−1、21−2 伝送信号
22−1、22−2、22−3 トランスポンダ
23 波長多重部
24 WDM区間
25 波長多重部
26−1、26−2、・・・、26−5 トランスポンダ
27−1、27−2、27−3 伝送信号
31 波長冗長装置
32 波長冗長切替要求インタフェース
33 波長冗長装置
34 伝送経路
35 隣接区間波長冗長装置用インタフェース
36 波長冗長装置
37 波長冗長切替要求インタフェース
38 波長冗長装置
101−1〜101−m 伝送信号
102−1〜102−m 光カプラ
103−1〜103−m 光セレクター
104−1〜104−m トランスポンダ信号
105 エクストラトラフィックポート
106 スイッチ
107 光セレクター
108 スプリッター
109 波長冗長切替要求インタフェース
111−1〜111−m 入力用伝送経路
112−1〜112−m 出力用伝送経路
113 エクストラ入力用伝送経路
114 エクストラ出力用伝送経路
115 パススルー対応制御部
116 隣接区間波長冗長装置用インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するWDM伝送装置間でトランスポンダを経てトランスポンダ信号を伝送するWDM区間と、隣接するWDM伝送システムとの間で、トランスポンダを介さずにトランスポンダ信号を送受信するパススルー区間とを有するWDM伝送システムにおいて、
互いに対向するWDM伝送装置それぞれに1つの冗長用トランスポンダと1つの波長冗長装置が配置され、
互いに対向する両波長冗長装置が、相手波長冗長装置との間で波長冗長切替要求を送受信するため波長冗長切替要求インタフェースを有し、
前記隣接するWDM伝送システムと隣接する側の波長冗長装置が、該隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との間に、前記パススルー区間の伝送信号に対する波長冗長切替要求を送受信するため隣接区間波長冗長装置用インタフェースを有し、
前記隣接するWDMシステムと隣接する側の波長冗長装置と対向する波長冗長装置は、a)該波長冗長装置が属するWDM伝送装置のいずれかのトランスポンダに異常が発生した場合に、異常が発生したトランスポンダを通る伝送経路を、前記冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替えるとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信し、b)対向WDM伝送装置のいずれかのトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、異常が発生したトランスポンダに対応する、自波長冗長装置が属するWDM伝送装置のトランスポンダを通る伝送経路を、前記冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替え、c)前記隣接するWDM伝送システムの対向する波長冗長装置からの波長冗長切替要求が、該波長冗長装置と対向する波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て転送されてくると、自前波長冗長装置が属するWDM伝送装置の前記パススルー区間のトランスポンダを通る伝送経路を、前記冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替え、
前記隣接するWDM伝送システムと隣接する側の波長冗長装置は、a)該波長冗長装置が属するWDM装置のいずれかのトランスポンダに異常が発生した場合に、異常が発生したトランスポンダを通る伝送経路を、前記冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替えるとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信し、b)対向WDM伝送装置の、WDM区間のいずれかのトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、異常が発生したトランスポンダに対応する、自波長冗長装置が属するWDM伝送装置のトランスポンダを通る伝送経路を、前記冗長用トランスポンダを通る伝送経路に切替え、c)対向WDM伝送装置の、前記パススルー区間のトランスポンダ信号を入出力するトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、前記隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置に波長冗長切替要求を送信するとともに、自波長冗長装置内の、前記冗長用トランスポンダと接続するエクストラ出力用伝送経路を開放して、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との伝送経路を確保し、d)前記隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置から波長冗長切替要求を受信すると、自波長冗長装置内の、前記冗長用トランスポンダと接続するエクストラ入力用伝送経路を開放するとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信する、
波長冗長装置付きWDM伝送システム。
【請求項2】
互いに対向するWDM伝送装置間でトランスポンダを経てトランスポンダ信号を伝送するWDM区間と、隣接するWDM伝送システムとの間で、トランスポンダを介さずにトランスポンダ信号を送受信するパススルー区間とを有するWDM伝送システムの、前記隣接するWDM伝送システムに隣接して使用される波長冗長装置であって、
各トランスポンダに入力される伝送信号が伝送され、出力される入力用伝送経路と、
各トランスポンダから出力され、入力された伝送信号が伝送され、出力される出力用伝送経路と、
エクストラ入力用伝送経路およびエクストラ出力用伝送経路と、
各入力用伝送経路の途中に設けられた光カプラと、
入力が前記各光カプラの出力および前記エクストラ入力用伝送経路と接続され、出力が冗長波長用トランスポンダに接続された第1の光セレクターと、
前記冗長波長用トランスポンダから出力された伝送信号を出力するスプリッターと、
各出力用伝送経路の途中に設けられ、対応するトランスポンダから出力された伝送信号または前記スプリッターの出力信号を選択して出力する第2の光セレクターと、
前記エクストラ出力用伝送経路の途中に設けられ、前記スプリッターの出力信号を遮断または通過させるスイッチと、
自波長冗長装置が設けられているWDM伝送装置と対向するWDM伝送装置の波長冗長装置と波長冗長切替要求インタフェースを経て接続され、a)自波長冗長装置に接続されたいずれかのトランスポンダで異常が発生した場合、前記第1の光セレクターを、該セレクターが、異常が発生したトランスポンダに対応する光カプラの出力を選択するように制御し、異常が発生したトランスポンダに対応する第2の光セレクターを、該セレクターが前記スプリッターの出力を選択するように制御し、前記の対向するWDM伝送装置の波長冗長装置に、異常が発生したトランスポンダを示す切替情報を含む波長冗長切替要求を前記波長冗長切替要求インタフェースを経て送信し、b)前記の対向するWDM伝送装置の波長冗長装置から、自波長冗長装置が設けられているWDM伝送装置に設けられているトランスポンダと対応するいずれかのトランスポンダで異常が発生し、該トランスポンダを示す切替情報を含む波長冗長切替要求を、前記波長冗長切替要求インタフェースを経て受信すると、自波長冗長装置に接続されたいずれかのトランスポンダで異常が発生した場合と同様に前記第1の光セレクターおよび前記第2の光セレクターを制御し、c)自波長冗長装置が設けられているWDM装置および対向するWDM装置のいずれのトランスポンダでも異常が発生していない場合、前記第1の光セレクターを、該セレクターがいずれの入力も選択しないように制御し、前記各第2の光セレクターを、該セレクターが対応するトランスポンダの出力信号を選択するように制御する切替制御部と、
前記隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置と隣接区間波長冗長装置用インタフェースで接続され、a)対向WDM伝送装置の、前記パススルー区間のトランスポンダ信号を入出力するトランスポンダで異常が発生して対向の波長冗長装置から前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を受信すると、前記隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置に波長冗長切替要求を送信するとともに、前記スイッチをオンして自波長冗長装置内の、前記冗長用トランスポンダと接続するエクストラ出力用伝送経路を開放して、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置との伝送経路を確保し、b)前記隣接区間波長冗長装置用インタフェースを経て、前記の隣接するWDM伝送システムの波長冗長装置から波長冗長切替要求を受信すると、前記エクストラ入力用伝送経路を選択するように前記第1の光セレクターを制御して自波長冗長装置内の、前記冗長用トランスポンダと接続するエクストラ入力用伝送経路を開放するとともに、対向WDM伝送装置の波長冗長装置に前記波長冗長切替要求インタフェースを経て波長冗長切替要求を送信するパススルー対応制御部と、
を有する波長冗長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−56899(P2010−56899A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219843(P2008−219843)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】