WLAN及び他の無線ネットワークの位置測定方法
【課題】WLAN及び他の無線ネットワークにおいてアクセス点及び端末を位置測定する。
【解決手段】アクセス点位置測定のために、測定値はWLANにおける少なくとも一つのアクセス点について取得される。測定は各アクセス点によって定期的に伝送される伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム)に基づく。測定は多数の端末によって異なる場所で、或いは一つの移動端末によって異なる場所で行われる。各アクセス点の場所は端末の測定及び既知の場所に基づいて決定される。端末位置測定に関して、WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値が取得される。端末の場所は各アクセス点の測定及び既知の場所に基づいて決定される。測定は往復時間(RRT)測定、観測時間差(OTD)測定、到着時間(TOA)測定、信号強度測定、信号品質測定、等々である。
【解決手段】アクセス点位置測定のために、測定値はWLANにおける少なくとも一つのアクセス点について取得される。測定は各アクセス点によって定期的に伝送される伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム)に基づく。測定は多数の端末によって異なる場所で、或いは一つの移動端末によって異なる場所で行われる。各アクセス点の場所は端末の測定及び既知の場所に基づいて決定される。端末位置測定に関して、WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値が取得される。端末の場所は各アクセス点の測定及び既知の場所に基づいて決定される。測定は往復時間(RRT)測定、観測時間差(OTD)測定、到着時間(TOA)測定、信号強度測定、信号品質測定、等々である。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本出願は2005年11月7日出願の「無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)に適用可能な位置測定方法(LOCATION SOLUTIONS APPLICABLE TO WIRELESS LOCAL AREA NETWORKS (WLANs))」と題する米国特許仮出願番号第60/734,631号、2005年12月6日出願の「無線LANによるサービスを受ける端末に適用可能な位置測定方法(LOCATION SOLUTION APPLICABLE TO A TERMINAL SERVED BY A WIRELESS LAN)と題する米国特許仮出願番号第60/748,225号、及び2006年11月4日出願の「SUPLにおけるWLAN位置測定への支援(Support for WLAN Positioning in SUPL)」と題する米国特許出願番号「ドケット番号第060145P3号」に対する優先権を主張し、全てはここの譲請人に譲渡され、引用によりここに組込まれている。
【0002】
本発明は一般に通信に関係し、特に位置測定を行うための技術に関係する
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは音声、ビデオ、パケット・データ、メッセ−ジ通信、放送等といった様々な通信サービスを行うために広く配備されている。これらの無線ネットワークは利用可能なネットワーク資源を共有することによって多数のユーザーのために通信を支援することが可能な多元アクセス・ネットワークである。そのような多元アクセス・ネットワークの例は符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワークを含む。
【0004】
無線ネットワークにおいて端末の位置を知ることはしばしば望ましく、時々必要である。用語「場所(location)」及び「位置(position)」は同義語であり、そしてここでは互換して使用される。例えば、ユーザーはウェブサイトを通して閲覧するために端末を利用し、そして場所に関する内容をクリックする。そこで端末の場所が決まり、そして適切な内容をユーザーに提供するために使用される。端末の場所の知見が有用または必要である他の多くのシナリオがある。
【0005】
CDMAネットワークのようないくつかの無線ネットワークは位置測定を直ちに支援することができる。これらの無線ネットワークはタイミング情報で符号化された信号を伝送する多くの基地局を有する。端末の場所は十分な数の基地局、及びこれらの基地局の既知の固定場所に関するタイミング測定に基づいて決定される。いくつかの無線ネットワークにおいて、送信器の場所は知られていないか、もしくは送信器場所には不確実なところがある。それにもかかわらず、そのような無線ネットワークにおいて端末の場所を測定することは望ましい。
【発明の概要】
【0006】
他の無線ネットワークと同様に、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)におけるアクセス点及び端末を位置測定するための技術をここに述べる。位置測定は目標デバイスの地理的な場所推定値を測定/計算する処理を云う。場所推定はまた位置推定、位置調整等とも云われる。
【0007】
一形態では、アクセス点位置測定について、測定値はWLANにおいて少なくとも一つのアクセス点について取得される。測定は各アクセス点によって定期的に伝送された伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム)に基づいている。測定は異なる場所の多数の端末または異なる場所における一つの移動端末によって行われる。各アクセス点の場所は測定及び既知の端末の場所に基づいて、そして更に、例えば、往復時間(round trip time:RTT)法、観測時間差(observed time difference:OTD)法、到着時間(time of arrival:TOA)法といった位置測定方法に従って決定される。
【0008】
別の形態では、少なくとも一つのアクセス点から伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所が取得される。アクセス点の場所は少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所、及びWLANによって使用される無線技術の範囲限界、及び恐らくは少なくとも一つの端末またはアクセス点、等々によって使用される伝送電力といった追加情報に基づいて決定される。
【0009】
更に別の形態にでは、端末位置測定について、WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値が取得される。端末の場所は測定値及び少なくとも一つのアクセス点の場所に基づいて、例えば、RTT法、OTD法、TOA法、信号強度/品質法、アクセス点識別(AP ID)法、等々といた位置測定方法に従って決定される。
【0010】
更に別の形態にでは、複数の場所結果(例えば、確率密度関数)が複数の位置測定方法について取得される。場所結果は最終の場所結果(例えば、最終の確率密度関数)を取得するために結合される。局(station)に関する場所推定は最終の場所結果に基づいて取得される。
【0011】
本発明の様々な形態及び特徴は下記でさらに詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】位置測定を支援するWLANを示す。
【図2A】アクセス点の位置測定を示す。
【図2B】アクセス点の位置測定を示す。
【図3】端末による二つのアクセス点のOTD測定を示す。
【図4】二つの端末によるアクセス点のTOA測定を示す。
【図5】アクセス点に関する動きの経緯を示す。
【図6】ユーザー平面場所による配置を示す。
【図7】制御平面場所による配置を示す。
【図8】一つ以上のアクセス点を位置測定するための処理を示す。
【図9】アクセス点を位置測定するための処理を示す。
【図10】端末を位置測定するための処理を示す。
【図11】場所結果を結合するための処理を示す。
【図12】ユーザー/制御平面場所によるWLAN位置測定を示す。
【図13】アクセス点、端末、及びネットワーク・サーバを示す。
【詳細な説明】
【0013】
無線ネットワークにおいて位置測定を支援するための技術をここに述べる。その技術は無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、首都圏ネットワーク(WMAN)、放送ネットワーク、等々といった様々な無線ネットワークのために使用される。用語「ネットワーク」及び「システム」は互換してしばしば使用される。WWANは大きな地理的領域、例えば、市、県(州)、または全国に関する通信可能区域を提供する無線ネットワークである。WWANはCDMAネットワーク、TDMAネットワーク、FDMAネットワーク、OFDMAネットワーク、等々といったセルラー・ネットワークである。CDMAネットワークは広帯域CDMA(W-CDMA)、cdma2000、等々といった無線技術を実装し、cdma2000はIS-2000、IS-95、IS-856規格を対象とする。TDMAネットワークは汎欧州ディジタル・セルラー・システム(GSM(登録商標))、先端ディジタル移動電話(D-AMPS)、等々といった無線技術を実装する。D-AMPSはIS-248及びIS-54を対象とする。これらの様々な無線技術及び規格は当技術分野では既知である。W-CDMA及びGSMは「第3世代共同プロジェクト」(3GPP)と名付けられた団体からの文書に記載され、cdma2000は「第3世代共同プロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた団体からの文書に記載されている。3GPP及び3GPP2文書は公に利用可能である。
【0014】
WLANは、例えば、ビル(建物)、商店街、喫茶店、空港ターミナル、学校、病院、等々といった小さな、もしくは中間の地理的領域について通信可能区域を提供する無線ネットワークである。WLANはIEEE 802.11、ハイパープラン(Hiperlan)、等々によって定義された無線技術を実装する。WMANはIEEE 802.16によって定義された無線技術を実装する。IEEE 802.11及びIEEE 802.16は米国電気電子技術者協会(IEEE)からの二つのファミリー規格である。IEEE 802.11ファミリーは802.11a、802.11b、802.11g及び802.11n規格を含み、そして一般にWi-Fiと云われる。各IEEE 802.11規格は一つ以上の変調技術を使用する特定の周波数帯域(例えば、2.4GHzまたは5GHz)における動作を指定する。IEEE 802.16ファミリーは802.16eを含み、そして一般にWiMAXとして参照される。ハイパーランは一般にヨーロッパで使用されるWLAN技術である。明確にするために、次の記述の大部分はWLANに関するものである。
【0015】
図1は位置測定を支援するWLAN 100を示す。WLAN 100は端末120と通信するアクセス点(AP)110を含む。アクセス点はそのアクセス点と関連する端末のために通信を支援する局(station)である。アクセス点はまた基地局とも云われる。WMAN及びWWAN無線技術について、アクセス点はノードB、強化ノードB(eNode B)、基地送受信サブシステム、等々に置き換えられる。アクセス点110は位置測定に関する様々な機能を実行するネットワーク・サーバに直接もしくは間接的に結合する。ネットワーク・サーバ130は単一のネットワーク実体、またはネットワーク実体の集合である。一般に、WLANはある数のアクセス点を含む。各アクセス点はアクセス点識別子(AP ID)によって識別され、それはアクセス点によって伝送されたフレームに含まれる世界で唯一の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、等々である。
【0016】
端末は別の局と無線媒体(wireless medium)を介して通信することができる局である。端末は静止、もしくは移動しており、そしてまた移動局、ユーザー機器、加入者局とも云われる。端末はセルラー電話、携帯情報機器(PDA)、携帯用デバイス、無線デバイス、ラップトップ・コンピュータ、無線モデム、コードレス電話、遠隔測定デバイス、トラッキング・デバイス、等々である。
【0017】
アクセス点または端末はまた衛星140から信号を受取り、それは米国地球測位システム(GPS)、ヨーロッパ・ガリレオ・システム、ロシア・グロナス・システム、または他のいくつかの衛星測位システム(SPS)の一部である。端末はアクセス点110からの信号及び/または衛星140からの信号を測定する。その測定は、下記で述べるように、端末の場所及び/またはアクセス点を決定するために使用される。
【0018】
一般に、WLAN及び/またはその関連する端末は多数の位置測定方法及びいずれかの位置測定方法を支援する。表1は、WLAN及び/またはその関連する端末によって支援されるいくつかの位置測定方法を表にしたもので、各方法に短い説明をしている。
【表1】
【0019】
下記の説明では、用語「GPS」はいずれかの衛星測位システム、例えば、GPS、ガリレオ、等々に基づく位置測定をすることを云う。用語「A-GPS」は補助データによっていずれかの衛星測位システムに基づく位置測定をすることを云う。
【0020】
位置測定方法は、(a)アクセス点の既知の場所に基づいて端末の場所を決定し、且つ/または(b)既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定するために使用される。既知の場所はGPS、A-GPS、等々によって個別に所得される。多数のWLANが現在配置され、WLANは公に常に知られているとは限らず、そしてアクセス点は移動する(即ち、常に固定されるとは限らない)ので、端末の場所に基づいてアクセス点場所を確定できることは非常に望ましい。アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった個別の位置測定方法を支援する端末に基づいて決定され、且つ/または更新される。アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった個別の位置測定方法を支援しない端末の場所を決定するために使用される。
【0021】
様々な位置測定方法は端末によって支援され、且つ/またはネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130またはアクセス点110の一つを用いることによって支援される。ネットワーク・サーバは測定を行うように端末に指示し、そして端末及び/またはアクセス点に関する場所推定を計算する。ネットワーク・サーバはまた端末及び/またはアクセス点のた場所情報を記憶し、そして位置測定を支援するためにその場所情報を使用する。
【0022】
1.AP ID法
AP ID法は端末の場所を決定するためにWLANにおけるアクセス点の既知の場所を利用する。場所は2次元(x、y)もしくは3次元(x、y、z)地理座標によって与えられる。アクセス点の場所は様々な方法で決定される。一つの手法では、アクセス点の場所は地図関連性、等々を利用して、WLAN作業者によって測量により決定される。別の手法では、アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった位置測定方法に基づいて決定される。
【0023】
図2Aはアクセス点と通信する一つ以上の端末の既知の場所に基づいてアクセス点を位置測定するための手法を示す。アクセス点の通信可能区域は異なる端末の既知の場所及び/または同じ端末の異なる既知の場所に基づいて決定される。アクセス点の場所は全ての既知の端末の場所、例えば、端末場所の平均緯度(x)及び平均経度(y)に基づいて決定される。一つの区域における端末の密度が他の区域より大きいことによる偏り(bias)を回避するために、通信可能区域は最も外側の端末の場所に基づいて決定される。アクセス点の場所は周囲境界に囲まれている区域、例えば、取り囲まれた区域の重心(centroid)内の点によって与えられる。
【0024】
図2Bは一つの端末の既知の場所に基づいてアクセス点を位置測定するための手法を示す。端末の場所はアクセス点の概略の場所として提供される。この概略の場所はアクセス点の通信可能区域の範囲に依存する誤差または不確実性を持つ。WLAN技術が既知であるならば(例えば、802.11b、802.11g、等々)、端末からアクセス点までの最大距離はWLAN技術の範囲限界に基づいて推定される。例えば、多く802.11技術は一般に約50〜100メートルの限界範囲を持つ。そこでアクセス点の場所は端末場所に中心があり、且つ限界範囲によって与えられた半径を持つ円内にある実際のアクセス点場所によって端末場所により近似される。限界範囲は一般的にWLAN技術によって許容された最大伝送電力に与えられる。従って、アクセス点または端末が通信のために最大より少ない伝送電力を使用したことが分かれば、より小さな半径(及びより少ない不確定性)が円について使用される。
【0025】
一般に、アクセス点の場所は前もって(例えば、地図製作または測量によって)決定されるか、或いは逆にいずれかの位置測定方法を適用してその場において決定される。特に、アクセス点場所はGPS、AGPS、等々といった信頼でき、且つ正確な位置測定方法を支援する一つ以上の端末の一つ以上の既知の場所に基づいて決定される。
【0026】
AP ID法は端末にサービスし、或いは端末によって受取られるアクセス点の識別子及びアクセス点の既知の場所に基づいて端末のために場所推定を提供する。アクセス点の場所は端末のために場所推定として提供される。この場所推定はアクセス点の通信可能区域範囲によって決定された不確定性を持ち、それは上で述べたWLAN技術に基づいて推定される。場所推定の精度は従ってWLAN技術の限界範囲によって決まる。場所推定は通信可能区域制限によってWLAN技術についてはかなり正確(例えば、いくつかのIEEE 802.11技術については最高50メートル)であり、 拡張範囲を持つWMAN及びWWAN技術に関して、或いは中継器(repeaters)が通信可能区域を拡張するために使用される場合はあまり正確でない。
【0027】
アクセス点の場所は通信可能区域内、及び/または他のネットワークにおいて端末に利用可能になる。例えば、IEEE 802.11WLANでは、アクセス点は端末に定期的に同報されるビーコンにその場所を含ませる。この場合には、ビーコンを受取ることができる端末はビーコンから取得されたアクセス点場所に基づいてそれらの場所を推定することができる。
【0028】
2.RTT法
RTT法は一つ以上の他の局に関するRTT測定及び他の局の既知の場所に基づいて局の場所推定を行う。例えば、端末は端末と一つ以上のアクセス点との間で無線信号伝播の往復時間を測定する。端末の場所はそこで三角測量技術を使用してRTT測定及びアクセス点の既知の場所に基づいて決定される。
【0029】
RTT測定は様々な方法で行われる。例えば、IEEE 802.11vにおいて、端末はメッセージ(例えば、存在要求(Presence Request)フレーム)をアクセス点に送り、そしてアクセス点からの承認(例えば、存在応答(Presence Response)フレーム)を受取る。その承認(acknowledgment)は端末のメッセージの最後の部分(例えば、最後のビットまたはチップ)の受信時間と承認の最初の部分(例えば、最初のビットまたはチップ)の送信時間との間にアクセス点によって測定された時間遅延を含む。端末はメッセージの最後の部分の送信時間と承認の最初の部分の受信時間との間に時間遅延を測定する。その端末はそこでRTTの測定値を取得するために端末によって測定された時間遅延からアクセス点によって通報された時間遅延を減算する。他の手法もまたあるメッセージを送り、そして応答を受ける間に時間差を測定するために同様に使用される。
【0030】
アクセス点の場所は既知の場所による一つ以上の端末に関するRTTRTT 測定を取得し、そして逆に三角測量を適用することによって決定される。この場合には、既知の場所を持つ各端末について、アクセス点へのRTTは端末またはアクセス点で測定される。アクセス点の場所は従って三角測量を使用して異なる既知の場所において同じ、もしく異なる端末によって行われたRTT測定に基づいて取得される。
【0031】
一般に、局(例えば、端末またはアクセス点)に関する場所推定は一つ以上の他の局について取得された場所関連測定に基づいてRTT方法によって取得される。RTT方法によって取得された場所推定はAD ID法によって取得された場所推定より更に正確である。RTT法は局の場所を正確に特定(pinpoint)しようと試み、一方、AD ID法Aは全体の通信可能区域上で局の場所を推定する。
【0032】
3.OTD法
OTD法は他の局に関するOTD測定及び他の局の既知の場所に基づいて局に関する場所推定を行う。例えば、端末は対のアクセス点の間で観測された伝送タイミング差を測定する。これらの測定はアクセス点からの間接的(implicit)、もしくは明白なタイミング情報を含む伝送に基づく。これらの伝送はIEEE 802.11WLANにおけるアクセス点によって定期的に同報されるビーコン・フレームに対応する。端末の場所は従って三辺測量を使用してこれらの測定に基づいて取得される。
【0033】
図3は二つのアクセス点P及びQについて端末iによるOTD測定値を示す。各アクセス点は一連の伝送系列、例えば2進符号化データを伝送する。各伝送系列は間接的な、もしくは明白な相対的な時間基準を含む。アクセス点P及びQはTP及びTQの一定繰返し間隔で定期的にそれらの伝送系列をそれぞれ伝送する。各伝送系列の期間は繰返し間隔と等しいか、もしくはそれ以下である。繰返し構造は繰返し情報を含むか、或いは含まないけれども、伝送系列は識別可能な情報構造が規則正しく繰返されるという点で規則正しく繰返している。例えば、各伝送系列はIEEE 802.11におけるビーコン・フレームに対応する。
【0034】
アクセス点P及びQは比較的正確な、安定したクロックを持っているが、一般的には同期していない。従って、伝送系列が送られる正確な時間は分からない。各伝送系列は時間基準として使用されるマーカーを含む。アクセス点Pからの伝送系列のマーカーはMPとして表され、そしてアクセス点Qからの伝送系列のマーカーはMQとして表される。マーカーMP及びMQはそれらのそれぞれの伝送系列の始まり、終わり、もしくは中間の点である。
【0035】
端末iはアクセス点P及びQから二つの伝送系列を受取り、そして受取られた伝送系列におけるマーカーを識別する。二つのアクセス点P及びQから端末iによって受取られた二つのマーカーはMPi 及びMQi として表される。端末iはアクセス点PからのマーカーMPi の到着時間とアクセス点QからのマーカーMQi の到着時間との間の差を測定する。この到着時間差はOTDiとして表される。
【0036】
マーカーMPi とMQiとの間の実時間差はRTDiとして表され、そしてアクセス点P及びQからこれらの絶対伝送時間の間のアクセス点P及びQからの差である。端末iがアクセス点P及びQ間で等距離であるならば、RTDi はOTDi に等しい。そうでなければ、RTDi 及びOTDi は端末iとアクセス点P及びQとの間の距離と関係があり、そして下記のように表される:
OTDi=A(MPi)−A(MQi) 式(1)
RTDi=T(MPi)−T(MQi) 式(2)
但し、T(Mki)はアクセス点k(k=PまたはQ)からのマーカーMkiの絶対伝送時間であり、
A(Mki)は端末iにおけるマーカーMkiの絶対伝送時間である。
【0037】
式(1)及び式(2)は次のように結合される:
【数1】
【0038】
但し、Dki は端末iとアクセス点kとの間の距離であり、
(xk、yk)はアクセス点kの場所の水平x、y座標であり、
(xi、yi)は端末iの場所の水平x、y座標であり、
cは信号伝播速度、例えば、光速度である。
【0039】
簡単にするため、垂直座標は式(3)において無視されるが、当業者には明白なように容易に付加される。式(3)において、OTDi は端末iによって測定され、全ての他の変数は既知であるか、もしくは解くことができる。例えば、端末iの座標はGPS、A-GPS、等々を用いて個別に取得される。この場合には、式(3)は五個の未知の変数−二つのアクセス点の各々に関するx及びy座標、及びマーカーMPi とMQi との間のRTD−を含むであろう。同じマーカーMPi 及びMQi のOTD測定は五つの異なる端末によって異なる既知の場所で行われ、そして五個の未知の変数について解くために使用される。代って、五つのOTD測定は五つの異なる既知の場所における単一の端末によって行われ、そして五個の未知の変数について解くために使用される。従って、二つのアクセス点の未知のx、y座標は異なる既知の場所における一つ以上の端末から五つのOTD測定に基づいて取得される。
【0040】
OTD測定は一般的に同じマーカーについて異なる端末によって取得されない。その代りに、異なる端末は一般的に異なる伝送系列における異なるマーカーに基づいて異なる時間にOTD測定を行う。移動可能な一つの端末はまた異なる場所にある間に異なる時間に異なるマーカーについてOTD測定を行う。いずれにせよ、異なる時間に行われた異なるOTD測定に使用されたマーカーのRTDは全て同じではない。
【0041】
異なる端末によって行われたOTD測定について、ある二つの端末i及びj(i≠j)に適用できるRTDは次のような関係がある。
【0042】
RTDi−RTDj={T(MPi)−T(MQi)}−{T(MPj)−T(MQj)}
={T(MPi)−T(MPj)}−{T(MQi)−T(MQj)} 式(4)但し、RTDi−RTDj は端末i及びjに関する時間間隔であり、そして
T(Mki)−T(Mki)はアクセス点kからの二つのマーカーの間の時間間隔である。
【0043】
式(4)は端末i及びkに関するRTD差が二つのアクセス点の各々からの二つの異なるマーカー間の時間間隔に基づいて取得されることを示す。二つのマーカーが同じ伝送系列において発生し、そして伝送系列における発生のそれらの時間が既知であるならば、各アクセス点に関する時間間隔が決定される。二つのマーカーが異なる伝送系列において発生するならば、(a)各伝送系列の始まりから各マーカーまでの時間の間隔が既知であり、そして(b)二つの伝送系列の始まりの間の時間間隔が既知であれば、各アクセス点について時間間隔がまた決定される。連続する伝送系列の間の繰返し間隔Tk が既知であり、そして各伝送系列が系列番号を持っているとき、条件(b)が満たされる。伝送系列が番号付けされるならば、第一のマーカーを含む系列から第二のマーカーを含む系列までの系列の数が計数される。伝送系列が番号付けされないならば、式(4)におけるRTD差の値に曖昧性がある。この曖昧性は形式p*TP+q*TQであり、ここでTP及びTQはそれぞれアクセス点に関する繰返し間隔であり、そしてp及びqはそれぞれアクセス点P及びQからのマーカー間の未知の系列の数に対応する正または負の整数値である。繰返し間隔が双方のアクセス点について同じか、またはTP=TQであるならば、そして(いずれかの端末への伝播遅延が繰返し間隔より非常に少なくなるために)式(3)の右辺側の最大値に較べて大きいならば、不確実性(p+q)*TPに関するただ一つの値が解を式(3)に提供するであろう。
【0044】
あるRTDの対の間の差を知ることは式(3)の使用によって五つのOTD測定による二つのアクセス点に関する四つの未知のx及びy座標を加えた一つの未知のRTDについて解くことが可能になる。一つのOTD測定に関するRTDは未知の変数Xとして表される。残りの各OTD測定に関するRTDはX+Kとして表され、ここでKは式(4)から決定される。
【0045】
アクセス点は端末による正確なOTD測定を考慮するために、良いタイミング/周波数精度、及び安定性を持つそれらの伝送系列を送らなければならない。一対のアクセス点からの伝送系列は一つまたは双方のアクセス点におけるクロックの不正確さによって時間とともに変動する。この場合には、一対のアクセス点のマーカーの間のRTD時間によって変動するであろう。時間tに二つのアクセス点P及びQから伝送された二つのマーカーは次式で与えられる:
RTD(t)=an・tn+an-1・tn-1+・・・+a1・t1+a0 式(5)但し、RTD(t)はアクセス点P及びQから伝送時間tに送られた二つのマーカー間のRTDであり、そして
ai は係数で、0≦i≦n及びn>0である。
【0046】
RTDの線形(一次)変動に関して、それは最も一般の変動の形式であり、ai はi>0についてゼロであろう。RTDの二次変動に関して、ai はi>2についてゼロであろう。一般的に、さらに高い係数はゼロ、もしくは殆どゼロであろう。式(3)において解くべき変数の数はRTDの変動を考慮するために式(5)における未知の非ゼロ係数の数によって増加する。アクセス点の座標はその場所が分かっている端末からの同じ数の追加のOTD測定によって取得される。
【0047】
式(3)はまた既知の場所を持つ二以上の対のアクセス点に関するOTD測定値を取得する端末の場所を測定するために使用される。この場合には、式(3)は3個の未知の変数−端末のx及びy座標とアクセス点からのマーカーの間のRTD−を含むであろう。アクセス点の間のRTD関係が、例えば、上に述べたようにもしくは他の手段によって、分かるか、もしくは確かめられれば、数式の数は低減される。例えば、端末iの座標(xi、yi)の解はアクセス点の二つの対によって解かれる。これらの二つの対は三つのアクセス点によって形成され、そこでは一つのアクセス点が双方の対に共通である。アクセス点の各々の対に関する数式において、端末iの座標(xi、yi)が解かれ、対におけるアクセス点の座標(xP、yP)及び(xQ、yQ)が分かり、これらのアクセス点のOTDが測定され、そしてこれらのアクセス点のRTDが分かるか、もしくは解くことができる。
【0048】
OTD法は対のアクセス点について端末によって観測された伝送タイミング差の測定値を使用する。測定は同時に行われ、共に時間通りに終わり、または恐らくは時間を越えて拡散する。OTD法は既知の場所によって端末からのOTD測定値を使用してアクセス点の場所を決定することができる。OTD法はまた端末からのOTD測定値及びアクセス点の既知の場所を使用して端末の場所を決定することができる。端末はアクセス点の場所が測定されつつあれば二以上のアクセス点から伝送を測定し、そしてアクセス点の場所が決定されつつあれば三以上のアクセス点から伝送を測定する
OTD法の利点はアクセス点及びWLANアクセス・ネットワーク(AN)がその方法に参画する必要がないことである。これは従来のWLAN実装及び規格に対する影響を回避する。その上、端末からアクセス点へいずれかの明白な信号通信をすることは必要ではない。それでもなお、OTD法はネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130によって支援される。ネットワーク・サーバはOTD測定を行うように端末に指示し、そして端末から測定値を受取る。ネットワーク・サーバは、例えば、式(3)に示したように、OTD測定値を使用して端末の場所及びアクセス点の場所について解くために上に述べた場所関連の計算を行う。
【0049】
OTD法は間接的な、もしくは明白なタイミング関連の情報を送るいずれかのWLAN技術に関して使用される。タイミング関連の情報は繰返しフレーム構造、情報は繰返しフレーム、カウンタまたはタイミング関連のデータを含む識別可能な情報を介して提供される。OTD測定はアクセス点の対について行われる。各OTD測定が各アクセス点からの伝送において識別可能なマーカーに関係する間は、対におけるアクセス点は同じか、或いは異なるWLAN技術を支援する。
【0050】
OTD法はGMSネットワークのための強化観測時間差(Enhanced Observed Time Difference:E-OTD)法、W-CDMAネットワークのための観測到着時間差(Observed Time Difference of Arrival :OTDOA)法、及びcdma2000ネットワークのための高性能順方向回線三辺測量(Advanced Forward Link Trilateration:A-FLT)法と類似している。E-OTD、OTDOA及びA-FLT法は端末の場所を決定するだけであり、そして基地局の場所の知見を持つことに頼る。一方、OTD法はアクセス点と同様に端末の場所を決定することができ、そして他の無線ネットワーク、例えば、GSM、W-CDMA及びcdma2000と同様にWLANについても使用される。
【0051】
4.TOA法
TOA法は一つ以上の他の局及び他の局の既知の場所に関するTOA測定に基づいて局の場所推定を行う。例えば、端末は多数の各アクセス点からのマーカーについて到着の時間を測定し、そして絶対時間を各マーカーと関連づける。端末は、例えば、GPS、AGPS、等々を使用して、絶対時間を取得する。端末の場所はそこで三辺測量を使用して測定に基づいて取得される。
【0052】
図4はアクセス点Pについて異なる場所の二つの端末i及びkによるTOA測定を示す。アクセス点Pは一連の伝送系列を伝送し、各伝送系列はマーカーを有する。端末iはアクセス点Pから伝送系列を受取る。端末iによって受取られた系列中のマーカーはMPiとして表される。端末jはアクセス点Pから伝送系列を受取る。端末jによって受取られた系列中のマーカーはMPjとして表される。マーカーMPiはマーカーMPjと同じか、もしくは異なる。各端末m(m=iまたはj)は端末の絶対時間の知見に基づいてアクセス点Pからその端末によって受取られたマーカーMPmの絶対到着時間A(MPm)を決定する。A (MPm)はアクセス点Pについて端末mによって行われたTOA測定値を表す。
【0053】
端末iにおけるマーカーMPiの絶対到着時間と端末のjのマーカーMPjの絶対到着時間との間のOTDはOTDijとして表される。アクセス点PからのマーカーMPiの絶対到着時間と端末のjのマーカーMPjの絶対到着時間との間のRTDはRTDijとして表される。OTDij及びRTDijは下記のように表される:
OTDij=A(MPi)−A(MPj) 式(6)
RTDij=T(MPi)−T(MPj) 式(7)
但し、T(MPm)はアクセス点PからのマーカーMPmの絶対伝送時間であり、
A(MPm)は端末mにおけるマーカーMPmの絶対到着時間である。
【0054】
式(6)及び式(7)は次のように結合される:
【数2】
【0055】
但し、DPmは端末mとアクセス点Pとの間の距離であり、
(xP、yP)はアクセス点Pの場所の水平x、y座標であり、
(xm、ym)は端末mの場所の水平x、y座標である。
【0056】
簡単にするため、垂直座標は式(8)において無視されるが、当業者には明白なように容易に付加される。絶対到着時間A(MPi) 及びA(MPj)は端末i及びjによって決定され、そして式(6)に示したようにOTDijを得るために使用される。式(7)のRTDijはそれがアクセス点からの伝送に関係するので直ちに利用可能である。RTDijはアクセス点Pによって送られた連続する伝送系列の間の繰返し間隔TPに基づいて決定される。式(8)において、OTDij及びRTDij が利用可能であり、そして全ての他の変数は分かっているか、もしくは解くことができる。例えば、端末i及びjの座標はGPS、A-GPS、等々を使用して個別に取得される。この場合には、式(8)は二つの未知の変数−アクセス点Pのx及びy座標−を含むであろう。異なる既知の場所における三つの異なる端末による三つのTOA測定は二つの数式を(双方の数式に共通な一端末によって)形成するために使用され、それはアクセス点Pのx及びy座標に関する二つの未知の変数を決定するために使用される。異なる既知の場所における単一端末による三つのTOA測定はまたアクセス点の座標を決定するために使用される。TOA法に基づいて決定されたアクセス点の場所はRTT、OTD、または他の位置測定方法を使用して端末の場所を測定するために使用される。
【0057】
TOA法はそのアクセス点の場所が単にそのアクセス点に関するTOA測定に基づいて決定されることを可能にする。これはただ一つのアクセス点から端末が伝送を測定できるシナリオにおいて望ましい。TOA法はアクセス点からのマーカーの到着時間、例えば、GPS時間を絶対時間に関連付ける。TOA法は端末とアクセス点との間の相互動作を必要としない。
【0058】
式(8)はまたアクセス点の既知の場所を使用して端末の場所を決定するために逆に使用される。この場合には、三つ以上のアクセス点は端末によって伝送された伝送マーカーについて絶対TOA測定値を取得する。式(8)は今端末(例えば、端末i及びj)を置換するアクセス点、及びアクセス点(例えば、アクセス点P)を置換する端末によって適用される。
【0059】
ネットワーク・サーバ、例えば、図1のサーバ130はTOA測定を行うために端末及び/またはアクセス点を指示し、そして端末及び/またはアクセス点から測定値を受取る。ネットワーク・サーバはそこで端末及び/またはアクセス点の場所を決定するために上で述べた場所関連の計算を行う。
【0060】
5.信号強度/品質法
信号強度/品質法は一つ以上の他の局に関する信号強度及び/または信号品質測定及び他の局の場所の既知の場所に基づいて局に関する場所推定を行う。局の場所は下記で述べるようにパターン・マッチングを使用して測定される。
【0061】
端末は特定の場所において端末によって受取られた全てのアクセス点の識別子(identities)を記録する。端末はまた端末によって受取られた各アクセス点について信号強度及び/または信号品質を測定する。信号強度は受信電力によって定量化され、そしてdBmの単位で与えられる。信号品質は信号対雑音比(SNR)、ビット当たりのエネルギー対総雑音(Eb/No)、ビット誤り率(BER)、パケット誤り率(PER)、観測信号通信誤り、等々によって定量化される。信号品質は信号品質が所与の閾値を越えているか否か、例えば、信号品質がAP識別子を復号するのに十分であるかどうかを示す二値(binary value)によって与えられる。端末の場所はまた個別の手段、例えば、GPS、A-GPS、等々を使用して取得される。端末はその場所、受信アクセス点の識別子、及び各アクセス点に関する信号強度/品質測定を通報する。
【0062】
ネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130は異なる端末からの通報及び/または異なる場所における同じ端末からの通報を受取る。ネットワーク・サーバは異なる場所において受信されたアクセス点及び関連する信号強度/品質のデータベースを構築する。関心の地理領域は小さな領域またはピクセルに分割される。その領域はいずれかの形(例えば、正方形、長方形、六角形、等々)を持ち、そしてまたいっずれかのサイズ(例えば、さし渡し数メートル)を持つ。端末によって通報された場所は単一ピクセル(例えば、端末の場所座標を含むピクセル)に、もしくはピクセルの小集合(例えば、その端末が位置することがほぼ確実な領域に含まれるピクセル)に写像される。アクセス点識別子及び信号強度/品質は端末が写像されたピクセルと関連する。通報が同じピクセルまたはピクセルの集合について多数の端末から取得されるならば、これらの通報における測定値は結合(例えば、平均化)され、そして結合された測定値はピクセルのために記憶される。例えば、信号強度は移動荷重時間平均を使用して平均化され、そこではそれらの荷重はある端末の場所が正しく特定のピクセルに写像される確率に依存する。信号品質もまた平均化される。例えば、 一つの信号品質閾値が使用されるならば、全体の信号品質はその閾値を越える端末の百分率(percentage)に関係する。
【0063】
データベースは端末の位置測定のために使用される。ネットワーク・サーバは端末によって受取られたアクセス点の識別子及び恐らくはこれらのアクセス点に関する信号強度/品質を端末から取得する。ネットワーク・サーバは通報されたアクセス点識別子によって示されたピクセルについてデータベースを検索する。ネットワーク・サーバは端末によって識別されたアクセス点について部分的なパターン適合(pattern matches)を捜し、そして識別されなかったアクセス点を無視する。ネットワーク・サーバはそこで通報された信号強度/品質に最も密接に適合する平均化信号強度/品質と関連するピクセルを識別する。ネットワーク・サーバは異なる端末の感度が異なるという事実を考慮する。検索の結果は各ピクセルが実際正しい場所であったという確率と共に端末に関して必ずしも隣接してなく、可能な場所を表す一組のピクセルである。ネットワーク・サーバは予測場所の誤差(或いは、誤差の二乗平均)を最小にする単一の場所推定を得る。
【0064】
ネットワーク・サーバは信号強度/品質測定値を取得するように端末に指示し、そしてこれらの端末から測定値を受取る。ネットワーク・サーバはデータベースを構築、且つ/または更新し、そして端末の場所を決定するために場所関連の計算を行う。
【0065】
6.A-GPSのためのセルID法
A-GPS法はGPS信号を獲得、且つ測定し、そして/または測定結果から場所推定を計算するように端末を支援するために端末へ補助データを提供する。補助データはまたヨーロッパのガリレオ・システムのような他の衛星測位システムによって位置測定を支援するために使用される。端末の概略の場所は適切な補助データを端末に提供するために一般的に必要とされる。例えば、数キロメートル以内までの端末の場所の知見は獲得補助データ、及びGPS-GSMまたはGSM及びW-CDMAネットワークにおいてA-GPSを支援するために使用されるGPS-WCDMAタイミング補助データを提供するのに必要とされる。ここに述べた位置測定方法のいずれも必要な精度レベルによって端末の場所を測定するために使用される。しかしながら、いくらかの時間量がこれらの位置決め方法のうちの一つを実行することを必要とされ、そして旨くいくならば、場所推定結果はA-GPSを支援するために必要である以上に正確である。
【0066】
高速応答時間を持つ様々な位置決定方法はA-GPSを支援するために適切な粗い場所推定を届けることが可能である。セルID法に関して、端末はGSM、W-CDMA、またはcdma2000ネットワークのようなセルラー・ネットワークにおいて一つ以上のセルの世界的に唯一の識別子を取得する。端末はデュアル・モード機能を使用してセルを検出し、そしてWLAN信号と並行してセルラー信号を(例えば、GSM、W-CDMA、またはcdma2000ネットワークから)受信する。代って、端末は(例えば、必要でないとき、もしくは予定計画がないとき)WLAN信号の受信を一時的に停止し、セルラー動作に切替え、セルラー信号の走査を行い、そして受信セルラー信号を復号する。WLANを介して端末にサービスする端末またはネットワークにサービスするアクセス点はまた端末の場所における通信可能区域を持つセルの識別子を端末に提供する。これは要求されてない同報またはポイント対ポイント信号通信を介して、もしくは端末からの要求に答えて達成される。端末によって検知されたセルはその通信可能区域が端末の現在の場所を含んでいたセル、及び/またはその現在の場所に近いとき端末によって最近検知されたセルを含む。
【0067】
現在のセルラー技術のためのセル識別子は世界的に唯一である。セル識別子はセル中の特定の場所、例えば、セル・サイトのアンテナ場所に写像される。このセル場所はセル中の端末に関する粗い場所推定として提供される。場所推定はセルのサイズによって決定される誤差を持つ。
【0068】
データベースはセルの場所を一つ以上のセルラー・ネットワークに記憶する。そのデータベースはセル群の場所、例えば、GSMまたはW-CDMAにおける場所領域を記憶することによって単純化される。セル場所(或いは、セル群の場所)はまた他の方法(例えば、A-GPS、GPS、等々)を使用して端末を位置測定し、端末からすぐ近くのセルの識別子を取得し、そしてセル場所について端末の場所を使用することによって取得される。
【0069】
端末はまた各検知セルのセル識別子に加えて、タイミング先行(timing advance:TA)、往復時間、信号強度、信号品質、等々の測定を行う。これらの測定値はデータベースに記憶され、そして最も近いセルを決定するために使用される。測定値はまたセル識別子だけよりも更に正確に端末の場所を決定するためにRTT法及び、信号強度/品質法について使用される。
【0070】
ネットワーク・サーバはすぐ近くのセル識別子を取得し、且つ通報するように端末に指示する。ネットワーク・サーバは通報されたセル識別子を既知の端末の場所(それはGPS、A-GPS、等々を使用して取得される)と関連させることによってデータベースを構築し、且つ/または更新する。
【0071】
7.異なる位置測定方法からの組合せ結果
局(例えば、端末またはアクセス点)の場所は多くの位置測定方法を使用して決定される。さらに正確で、信頼できる場所推定はこれらの多数の位置測定方法から場所結果を組合せることによって局について取得される。信号強度/品質法に関して、場所結果は一組の可能な場所(例えば、ピクセル)であり、各々が関連する発生の確率を持つ。GPS及びA-GPSと同様にRTT、OTD及びTOAについて、結果は実際の場所が特定の確率で予期される周囲の領域(例えば、円または楕円)を持つ単一の場所である。各場所結果は各可能な場所についてその局が実際にその場所にあるという確率を提供する確率密度関数(probability density function:PDF)に変換される。全ての位置測定方法に関する確率密度関数は結合され、そして局に関する最終の場所推定を取得するために使用される。
【0072】
多数の場所結果は多数の個別の測定の集合M1、M2、・・・、MN(但し、N≧2)に基づいて端末について取得される。測定値の各集合は場所結果を取得するために使用される。下記が定義される:
E=端末が点(x、y)にあるイベント、
Fn (x、y)=測定集合Mn(1≦n≦N)に基づいて点(x、y)における端末の場所に関する確率密度関数(PDF)、そして
F(x、y)=全N測定集合M1、M2、・・・、MNに基づいて点(x、y)における端末の場所に関するPDF。
【0073】
Fn (x、y)は測定集合Mnとともに取得された場所結果に対応する。F(x、y)は全N場所結果についてFn (x、y)(1≦n≦N)を結合することによって決定される。
【0074】
測定集合は独立しているとみなされ、そのために、ある場所イベントEを与えられと、各測定集合はさらに他のいずれかの測定集合に依存しないイベントEに依存する或る確率を持つ。この条件は下記のように与えられる:
P(Mi/(E and Mj))=P(Mi/E)、i,j∈{1,・・・,N}及びi≠j 式(9)
但し、P(a/b)はイベントaのイベントbに対する条件付き確率である。
【0075】
全N測定集合に関する場所結果は次のように結合される:
【数3】
【0076】
式(10)は異なる位置測定方法からの結果に等しい荷重を与える。
【0077】
全ての測定集合に関する場所結果はまた次のように異なる位置測定方法に関して異なる重み付けで結合される:
【数4】
【0078】
p(n) は測定集合Mnに関する荷重である(1≦n≦N)。
【0079】
荷重は0≦p(n)として定義される。p(n)の小さな値は信頼の少ない位置測定方法に使用され、そしてp(n)の大きな値はより信頼できる測定集合に使用される。PDF Fn (x,y)が既に場所結果の精度及び信頼性を反映していたならば、重み付けは省略される。例えば、アクセス点の場所(OTD法について)が一定期間正確に且つ一貫して決定された後、OTD法及びGPSまたはA-GPS法を使用して、取得された場所推定を結合するとき重み付けは省略される。重み付けはアクセス点場所が信頼できると考えられる前に、これらの位置測定方法から場所推定を結合するとき適用される。この場合には、OTD法は比較的少ない荷重を割当てられる。
【0080】
ネットワーク・サーバは端末から、例えば、A-GPS、RTT、OTD、TOA、信号強度/品質、等々といったいくつかの測定値の集合を取得する。ネットワーク・サーバは各位置測定方法について場所関連の計算を行い、そして上に述べたように全ての位置測定方法に関する結果をさらに正確な場所情報に結合する。
【0081】
8.場所情報の信頼性評価
上に述べたいくつかの位置測定方法はアクセス点について比較的正確な場所推定を行うことができる。しかしながら、セルラー・ネットワークにおける基地局と異なり、WLANにおけるアクセス点は容易に移動できる小さな装置片である。WLAN作業者は通信可能区域を改善し、能力を付加し、或いは一つ以上のWLANを再構成するためにアクセス点を定期的に移動させる。それが起こると、移動アクセス点の場所に依存するいずれかの位置測定方法を使用して取得されたいずれの端末の場所も不正確である。
【0082】
この移動性の問題に対処するために、アクセス点の場所はいずれかの適当な位置測定方法を使用し、そしてアクセス点の現在の場所を前の場所と比較してアクセス点場所を決定することによって定期的に点検される。二つの場所が一致し、或いは少なくとも一致しないことがないならば、アクセス点は移動しなかったと推測される。二つの場所が一致しないならば、取得された新しい場所及び時間が記憶される。新しい場所は続いて確認され、そして十分な回数を確認したならば、正しいとみなされる。アクセス点は新しい場所が検出される最初の時間の前に移動したと考えられる。
【0083】
ある領域内の各アクセス点が移動する時間及び頻度が決定され、そして記憶される。移動結果の経緯(history)情報は、その時々に、或るアクセス点が動きを証明するいずれかの信頼できる方法がない場合に移動したという確率を予測するために使用される。アクセス点の動きはそのアクセス点だけ、またはある領域の全てアクセス点に関する動き経緯情報に基づいて予測される。
【0084】
図5は実際の二または三次元場所を表すために一次元を使用してアクセス点に関する動き経緯を示す。アクセス点は最初に時間T0には場所L0にある。アクセス点は時間T1で場所L1へ、そして時間T2で場所L2へ、その後、時間T3で場所L3に動かされる。アクセス点は時間T3に場所L4にあることが確認される。その後の時間T5で、アクセス点がまだ場所L3にある確率、或いは、同等に、アクセス点が動いたという確率を推定することが望まれる。
【0085】
アクセス点に関するいくつかまたは全ての経緯情報は現在の場所の確率を決定するために使用される。例えば、アクセス点が場所L3に固定されていた間の時間(T4−T3)はアクセス点が動いたであろう時間(T5−T4)とともに使用される。代って、移動の間の時間(T3−T2)、(T2−T1)及び(T1−T0)はアクセス点がある場所で費やした時間期間に関する統計を決定するために使用される。同様の統計はまた他のアクセス点についても取得され、そしてこのアクセス点の現在の場所の確率を決定するために使用される。
【0086】
あるアクセス点kに関する動きの確率は様々な方法で決定される。アクセス点kが多数回移動したならば、いずれかの場所にあるアクセス点kの平均期間Dが取得される。いつでも動かされるアクセス点kの確率は時間と、既に現在の場所において費やされた期間の両方から独立しているとみなされる。そこでアクセス点の動きはポアソン統計過程として表される。この場合には、時間tの間一定の状態を維持するアクセス点k場所の確率Pkは:Pk=e−t/Dとして与えられ、そしてその場所が最後に確認されてから時間tの後にアクセス点kが移動した確率は:1−e−t/Dとして与えられる。アクセス点kが動くのを決して観測されたことがなく、そして時間期間Tの間同じ場所にあるのを観測されたならば、いずれの場所においても平均期間はD>Tである。アクセス点kが時間tの間移動しなかった確率Pkは:e−t/D=Pk>e−t/Tとして与えられる。
【0087】
アクセス点kが何度も移動したならば、アクセス点が異なる場所に留まった時間期間は平均期間、期間の分散、期間の分布、等々といった様々な統計を取得するために使用される。この統計情報はポアソン統計モデルに置き換え、そしてアクセス点k場所が変わったという確率のさらに信頼できる推定を取得するために使用される。
【0088】
アクセス点kは静止し、もしくはまれに移動し、そのためある場所における期間の平均及び分散の推定は当てにならない。この場合には、その場所が最後に確認されてからアクセス点kが移動した確率の推定は一組のアクセス点について集められた統計に基づいて取得される。この集合SはWLANにおける全アクセス点、所定数のアクセス点、アクセス点kと同じ領域中のアクセス点、特定のWLAN作業者に属しまたは関連するアクセス点、等々を含む。集合Sにおけるいずれかのアクセス点が移動したならば、動きの時間が決定され、そして集合Sにおけるいずれかのアクセス点の連続する動きの間に予想時間期間Dを取得するために使用される。集合Sにおける各アクセス点に関する動きはポアソン事象であるとみなされる。集合SにNアクセス点があるならば、いずれかのアクセス点に関する動きの間の平均期間はN*Dとして与えられ、そしてアクセス点kが時間tで移動しなかった確率は:Pk=e−t/(N*D)として与えられる。移動のさらに正確な確率は単一のアクセス点の代わりに一組のアクセス点の移動経緯から決定される平均期間N*Dを使用することによって取得される。
【0089】
アクセス点の移動の確率はまた他の仕方で、且つ/または他の方法を使用して決定される。例えば、電気部品の故障までの時間のようなシステムまたは部品の信頼性を決定する方法が移動を予測するために使用される。
【0090】
場所推定はKアクセス点(K>1)について以前に取得された場所に基づいて端末に関して得られる。下記が定義される:
Pk=アクセス点kに関する場所信頼性(1≦k≦K)、
=アクセス点k場所が最後に取得されてから、もしくは最後に確認されてから変らなかった確率、及び
P=全Kアクセス点の場所を使用して取得された場所推定の信頼性、
=全Kアクセス点の場所が最後に取得されてから、もしくは最後に確認されてから変らなかった確率。
【0091】
端末に関する場所推定の信頼性は下記のように与えられる:
全てのアクセス点に関する場所の変化が独立しておれば
【数5】
【0092】
アクセス点に関する場所の変化が相関しておれば
【数6】
【0093】
式(12)はいずれかのアクセス点の場所の変化の確率が他のアクセス点の場所が変わったかどうに無関係のとき、場所推定の全体の信頼性が個々の信頼性の乗積(product)によって与えられることを示す。場所推定を取得するために使用されるアクセス点は一般的に共に近く、それはこれらのアクセス点から信号を受取るために位置している端末を割当てる。従って、一つのアクセス点の移動は他のアクセスの移動とはっきりと相関する。例えば、WLAN作業者がWLANを再構成もしくは拡張することを決定するならば、一つ以上のアクセス点が動かされることが有りうる。あるアクセス点kが移動したならば、これは隣接アクセス点もまた移動したというさらに高い確率をもたらす結果となる。アクセス点kが移動しなかったならば、これは隣接アクセス点が移動しなかったというさらに高い確率をもたらす結果となり、それは式(12)に反映される。
【0094】
アクセス点は、例えば、IEEE 802.11のビーコン・フレームにおいてその場所を提供する。アクセス点場所の信頼性は様々な理由によって問題になる。例えば、アクセス点場所は場所を決定する際の誤差、WLAN作業者による手入力における誤り、その場所を更新しないアクセス点の移動、等々のために正しくない。実際、今現存する多数のWLANに関して、そして時間及び資源を節約する際の高いプレミアムに関して、正確で信頼できる場所が常に提供されることはありそうにない。
【0095】
アクセス点場所を利用する位置測定方法はこれらの場所を確認する。一旦、アクセス点の場所が確認されたならば、アクセス点によって提供された場所が正しいか否かを発見することができる。これは多数のアクセス点について行われる。確認されなかった或るアクセス点場所について、その場所が正しいという確率はいずれかのアクセス点に関して正確さの等しい確率を仮定することによって決定される。例えば、n中のmアクセス点場所が正しいならば(m≦n)、別のアクセス点場所が正しい確率はm/nとして与えられる。正確さを定義することにおいて、限度は許容誤差(例えば、50または200メートルの誤差)に置かれ、そして個別の確率は異なる誤差限度に対する正確さについて取得される。そこで式(12)は上で注目したどれかの理由によって当てにならないアクセス点場所を使用してその場所が決定されるいずれかの端末について場所信頼性を推定するために使用される。この場合には、のPkは、アクセス点によって提供される場所の正確さの確率、または以前に確認されたアクセス点場所が変わらなかった確率を表す。
【0096】
一旦、アクセス点場所が、例えば、上で述べたように、取得もしくは確認されると、それは他のアクセス点場所を推定するために使用される。端末は端末によって受取られた全てのアクセス点の識別子を提供する。いずれかの受信アクセス点の既知の場所はその場所が現在未知である受信アクセス点に関する概略の場所として使用される。これはそこで、例えば、AD ID法を使用して、他の端末を近似的に決めるために使用される。これらの端末に関する場所推定は粗いかもしれないが、低精度の場所結果を受入れるA-GPS及び他のアプリケーションには十分である。
【0097】
9.O3MA SUPL及び3GPP2 X.S0024による場所支援
ここに述べた位置測定方法はWLANと関連する端末、アクセス点、及び/または他のネットワーク実体によって支援される。端末に関する位置測定は局所的に発生する。実体は端末またはWLAN、例えば、アクセス点から端末場所を要求する。
【0098】
公開移動体連合(Open Mobile Alliance:OMA)安全ユーザー平面場所決定(Secure User Plane Location:SUPL)及び3GPP2 X.S0024といった無線ユーザー平面場所決定法の現在の能力を拡張することによってWLANにおいて端末の位置測定を支援することは更に効率的である。ユーザー平面場所決定法は端末の位置測定を支援し、場所決定結果を記憶して提供し、端末ユーザーのプライバシーを支援し、端末場所を要求する実体の認証を支援する、等々。ユーザー平面場所決定法はタイミング先行によるセルID、E-OTD、OTDOA、及びA-FLTといったいくつかの位置測定方法を支援し、それはWWAN(例えば、GSM、W-CDMA、及びcdma2000ネットワーク)に適用可能であるが、WLANには適用できない。ユーザー平面場所決定法はまたGPS及びA-GPSのような他の位置測定方法を支援し、それは特殊なWLAN支援が必要とされない様々な無線ネットワークに適用できる。ユーザー平面場所決定法はWLANに関する位置測定方法を支援するために強化されている。
【0099】
図6はSUPL及びX.S0024による配置を示す。端末120はインターネット610、3GPP及び3GPP2におけるIPマルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワーク620、または3GPP TS23.234及び3GPP2 X.P0028に記載の他の3GPPまたは3GPP2サービスにアクセスするためにWLAN 100を使用する。端末120はWLAN 100と通信し、それは3GPP TS43.318に記載されたGSM及びGPRSへのアクセスを支援するために一般アクセス・ネットワーク(Generic Access Network:GAN)として使用される。端末120はWLAN 100と通信するとき、SUPLまたはX.S0024のWLAN位置測定方法を使用する。SUPLにおいて、端末はSUPL可能端末(SET)と云われる。
【0100】
SUPLはSUPLサービス管理及び位置測定に関与するSUPL場所プラットフォーム(SLP)630を利用する。SUPLサービス管理はSETの場所を管理し、そして目標SETの場所情報を記憶し、抽出し、且つ修正することを含む。SLP 630はSUPL場所センター(SLC)632を含み、そしてSUPL位置測定センター(SPC)634を含む。SLC 632は場所サービスのために様々な機能を実行し、SUPLの動作を調整し、そしてユーザー平面担体上でSETと相互動作する。SLC 632はプライバシー、加入、安全性、ローミング支援、課金/請求、サービス管理、位置計算に関する機能を実行する。SPC 634はSETのために位置測定を支援し、位置計算に使用されるメッセージ及び手続きに関与し、そしてSETへの補助データの配信を支援する。SPC 634は安全性、補助データ配信、基準検索(reference retrieval)、位置計算、等々に関する機能を実行する。SPC 634はGPS受信器(基準ネットワーク、おそらくは世界的なもの)へのアクセスを有し、そして補助データを提供するために衛星の信号を受信する。
【0101】
X.S0024はX.S0024場所サーバ(PS)642及びX.S0024場所決定実体(PDE)644を含む場所実体640を利用する。PS 642はSLC 632によって実行される機能と類似した機能を実行する。PDE 644はSPC 634によって実行される機能と類似した機能を実行する。
【0102】
WLAN位置測定方法はSUPL及びX.S0024においてこれらの位置測定方法に関する識別子を持つことによって、そして/または端末からSUPLまたはX.S0024へ送られる新しい場所関連の測定を可能にすることによってSUPLまたはX.S0024において支援される。端末基準の位置測定のために、端末は測定を行い、そして場所推定を計算する。この場合には、SUPL SLPまたはSPC及びX.S0024 PSまたはPDEは端末が測定を行い、且つ/または場所推定を計算するのを助力するために場所情報を送る。場所情報は、例えば、アクセス点の場所座標、OTD法に関するRTD値、等々を含む。
【0103】
表2はここに述べたWLAN位置測定方法を支援するためにOMA SUPLに含まれる信号通信の一覧表である。セルID法に関して、セル識別子はSUPL START及びSUPL POS INITメッセージに既に含まれているが、表2に示された新しいパラメータによって拡張されている。表2に示した場所関連の情報はまた他のSUPLパラメータ及びメッセージに含まれる。
【表2】
【0104】
【0105】
【0106】
位置測定ペイロードは3GPPにおける無線資源LCSプロトコル(Radio Resource LCS Protocol:RRLP)メッセージ、3GPPにおける無線資源制御(Radio Resource Control:RRC)メッセージ、3GPP2におけるTIA-881メッセージ、等々である。
【0107】
表2における特徴によって、SUPL SLPまたはSPCは上述のWLAN位置測定方法を支援する。SLPまたはSPCはまたWLAN位置測定方法のネットワーク・サーバとして機能し、そして上述の動作を行う。SETは識別された端末として機能する。別のもしくは追加の信号通信及び特徴はまたWLAN位置測定方法を支援するためにSUPLにおいて提供される。
【0108】
同様な信号方式及び特徴はまたX.S0024において提供される。X.S0024PSまたはPDEは上述のWLAN位置測定方法を支援する。PSはWLAN位置測定方法のためのネットワーク・サーバとして機能し、そして上述の動作を行う。移動局(MS)は識別された端末として機能する。
【0109】
10.制御平面法による位置決め支援
WLANにおける端末の位置測定はまた3GPP及び3GPP2ネットワークに関する無線制御平面場所決定法の現在の能力を拡張することによって支援される。GSM、W-CDMA、及び他の3GPPネットワークのための制御平面場所決定法は3GPP TS23.271、43.059、及び25.305に記載されている。cdma2000及び他の3GPP2ネットワークのための制御平面場所決定法はX.S0002、TIA-881、及びJ-STD-036改版Bに記載されている。これらの文書は公に利用可能である。
【0110】
図7は3GPP及び3GPP2制御平面場所決定法による配置を示す。端末120は3GPPネットワーク710、3GPP2ネットワーク720、または、例えば、3GPP23.234及び3GPP2 X.P0028に記載された他の3GPPまたは3GPP2サービスにアクセスするためにWLANを使用する。3GPPネットワーク710はGSMネットワーク、W-CDMAネットワーク、等々であり、そして基地局制御器(BSC)、 無線ネットワーク制御器(RNC)、等々を含む。3GPP2ネットワーク720はcdma2000ネットワーク、等々であり、そしてBSC、等々を含む。端末120はWLAN 100と通信し、それは3GPP TS43.318に記載されたGSM及びGPRSへのアクセスを支援するためにGANとして使用される。端末120はWLAN 100と通信しているとき、WLAN位置測定方法を使用する。
【0111】
3GPP制御平面場所決定法はゲートウェイ移動体場所センター(Gateway Mobile Location Center:GMLC)732及びサービス移動体場所センター(Serving Mobile Location Center:SMLC)/単体SMLC(SAS)734を含む。GMLC 732は加入者プライバシー、許可、認証、請求、等々といった様々なサービスを行う。SMLC/SAS 734は端末に関する位置測定を支援する。3GPP制御平面場所決定法は移動体位置測定センター(Mobile Positioning Center:MPC)742及びPDE 744を含み、それは同様な方法でGMLC 732及びSMLC/SAS 734 としてそれぞれ機能する。
【0112】
3GPP制御平面場所決定法に関して、新しい信号通信及び特徴はGSMネットワークにおいて場所決めのために使用され、且つ3GPP 44.031に記載されたRRLPプロトコル、及び/またはW-CDMAネットワークおいて場所決めのために使用され、且つ3GPP 25.311に記載されたRRCプロトコルに付加される。新しい信号通信及び特徴は表2の信号通信及び特徴に同じか、もしくは似ているが、SUPLメッセージの代わりにRRLP及び/またはRRCメッセージに付加されるであろう。新しい信号通信及び特徴はWLANによって支援された3GPP GANにアクセスする端末の位置測定を支援するように拡張される。3GPPに関して、SMLC、SAS、BSC、RNC、または一般アクセス・ネットワーク制御器(GANC)はネットワーク・サーバとして機能し、そしてWLAN位置測定方法について上に述べた動作を実行する。ユーザー機器(US)または移動局(MS)は識別された端末として機能する。RRLP及びRRCに関する新しい信号通信及び特徴はまたRRLP及びRRCの双方がSUPLの一部として使用されるのでSUPLを支援するために使用される。
【0113】
3GPP制御平面場所決定法に関して、新しい信号通信及び特徴はTIA801及び3GPP2 C.S0022において定義されたプロトコルに付加される。新しい信号通信及び特徴は表2の信号通信及び特徴に同じか、もしくは似ているが、TIA801/C.S0022プロトコルに付加されるであろう。3GPP2に関して、PDEはネットワーク・サーバとして機能し、そしてWLAN位置測定方法について上に述べた動作を実行する。3GPP2における移動局(MS)は識別された端末として機能する。TIA801/C.S0022プロトコルに関する新しい信号通信及び特徴はまたTIA801/C.S0022プロトコルがSUPLの一部として使用されるのでSUPLを支援するために使用される。
【0114】
らの場合には、WLANにおけるアクセス点の役割は基地局、例えば、GSM、W-CDMAまたはcdma2000基地局と置き換えられる。アクセス点と関連する測定値もまた一つ以上の基地局の対応する測定値と置き換えられる。WLANにおける端末またはアクセス点を位置決定するためにここに述べた位置測定方法は基地局を位置決定するために使用される。
【0115】
図8はアクセス点を位置測定するための処理800を示す。測定値はWLANにおける少なくとも一つのアクセス点について取得される(ブロック812)。測定は各アクセス点によって定期的に伝送される伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム ) に基づく。測定は異なる場所における多数の端末、または異なる場所における単一の端末によって行われる。各アクセス点の場所は測定に基づいて、且つ位置測定方法に従って決定される(ブロック814)。
【0116】
RTT法に関して、RTT測定は単一アクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。クセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のRTT測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0117】
OTD法に関して、OTD測定は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。各アクセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。RTD値は、例えば、OTD測定値を取得するために使用される伝送におけるタイミング変動を表す関数に基づいて、OTD測定に関して決定される。各アクセス点の場所はそこで更にRTD値に基づいて決定される。
【0118】
TOA法に関して、TOA測定は単一アクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。アクセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のTOA測定及び既知の場所に基づいて決定される。例えば、少なくとも一対の端末に関するOTD測定値は多数の端末によって行われたTOA測定に基づいて決定される。アクセス点の場所はそこで端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0119】
図9はアクセス点を位置測定するための処理900を示す。WLANにおいてアクセス点から伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所が取得される(ブロック912)。アクセス点の場所は少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所に基づいて決定される(ブロック914)。アクセス点の場所はさらにWLANによって使用される無線技術(例えば、IEEE 802.11)の限界範囲、少なくとも一つの端末またはアクセス点によって使用される伝送電力、等々に基づいて決定される。アクセス点の場所は、(a)少なくとも一つの端末の少なくとも場所の平均座標、(b)少なくとも一つの端末を被包する地理領域の重心(centroid)、または(c)少なくとも一つの端末場所に基づいて決定される他のいくつかの点に基づいて決定される。
【0120】
図10は端末を位置測定するための処理1000を示す。WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する、もしくはアクセス点からの測定値が取得される(ブロック1012)。端末の場所は少なくとも一つのアクセス点の測定値及び少なくとも一つの場所に基づいて決定される(ブロック1014)。
【0121】
RTT法に関して、RTT測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこで少なくとも一つのアクセス点のRTT測定及び既知の場所に基づいて決定される。OTD法に関して、OTD測定は少なくとも2対のアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこでアクセス点のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。TOA法に関して、TOA測定は端末について少なくとも三つのアクセス点によって行われる。端末の場所はそこでアクセス点のTOA測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0122】
AP ID法関して、測定は少なくとも一つのアクセス点、例えば、サービス・アクセス点の少なくとも一つの識別子を提供する。各アクセス点の場所はその識別子に基づいて取得される。端末の場所はそこで少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて決定される。信号強度/品質方法に関して、信号強度測定、信号品質測定、または双方は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこで各アクセス点の測定及び識別子に基づいて決定される。
【0123】
全ての位置測定方法に関して、端末の場所はさらに各アクセス点の場所の信頼性に基づいて決定され、それはそのアクセス点のみまたは一組のアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて決定される。
【0124】
図11は場所結果を結合するための処理1100を示す。複数の場所結果は複数の位置測定方法について取得される(ブロック1112)。位置測定方法はAP ID法、RTT法、OTD法、TOA法、信号強度/品質法、セルID法、GPS、A-GPS、等々のどれか一つ、或いはどれかの組合せを含む。複数の場所結果は最終の場所結果を取得するために結合される(ブロック1114)。局の場所推定は最終の場所結果に基づいて取得される(ブロック1116)。場所結果は局の可能な場所に関する確率密度関数に対応する。確率密度関数は最終の確率密度関数を取得するために結合される。場所結果は結合する前に位置測定方法の信頼性に基づいて重み付けされる。局に関する場所推定はそこで最終の確率密度関数に基づいて取得される。
【0125】
図12はユーザー平面場所決定による位置測定を行うための処理1200を示す。端末はWLANにおけるアクセス点と通信する(ブロック1212)。端末は端末の位置測定に関してネットワーク実体と信号通信を交換する(ブロック1214)。信号通信はアクセス点を介して交換される。ネットワーク実体はユーザー平面場所決定(例えば、SUPLまたはX.S0024)または制御平面場所決定(例えば、3GPPまたは3GPP2について)を支援する。端末はネットワーク実体から場所情報を受取る(ブロック1216)。場所情報はアクセス点場所、アクセス点識別子、アクセス点タイミング情報、補助データ、等々を含み、そして測定を行い、場所推定を計算する、等々のために使用される。端末は場所情報に基づいてその場所を決定する(ブロック1218)。
【0126】
端末基準の位置測定に関して、端末はWLANにおける少なくと一つのアクセス点、例えば、サービス・アクセス点及び/または他のアクセス点について測定値を取得する。測定はRTT測定、OTD測定、TOA測定、信号強度測定、信号品質測定、等々である。端末はそこでネットワーク実体から受取られた測定値、及び場所情報(例えば、アクセス点場所)に基づいてその場所を決定する。
【0127】
端末補助の位置測定に関して、端末はネットワーク実体から受取った場所情報に基づいてWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する。端末は測定値をネットワーク実体に送る。ネットワークはそこで測定に基づいて端末の場所を決定し、そして場所推定を端末に提供する。
【0128】
上で識別されたいずれかの方法を使用して端末について取得された場所推定はまた他の場所方法がそうでない場合にあまり正確でなく、且つ/または信頼できない状況及び環境においてこれらの他の場所方法(例えば、GPS及びA-GPS)の精度及び信頼性を改善するために使用される。
【0129】
図13は図1における一つのアクセス点110、一つの端末120、及びネットワーク・サーバ130のブロック図を示す。簡単にするために、図13は端末120についてただ一つの制御器/プロセッサ1320、一つのメモリ1322、及び一つの送受信器1324、そしてアクセス点110について一つの通信(Comm)ユニット1336、そしてネットワーク・サーバ130についてただ一つの/プロセッサ1340、一つのメモリ1342、及び一つの通信ユニット1344を示す。一般に、各実体はいくつかのプロセッサ、制御器、メモリ、送受信器、通信ユニット、等々を含む。端末120は 一つ以上の他の無線ネットワーク、例えば、GSM、W-CDMA、及び/またはcdma2000ネットワークとの無線通信を支援する。端末120はまた一つ以上の衛星測位システム、例えば、GPS、ガリレオ、等々から信号を受信し、且つ処理する。
【0130】
下り回線上で、アクセス点110はトラヒック・データ、信号、及びパイロットをその通信可能区域内の端末に伝送する。これらの様々な形式のデータはプロセッサ1330によって処理され、そして送受信器1334によってアンテナを介して伝送される下り回線信号を生成するために調整される。端末120において、 一つ以上のアクセス点からの下り回線信号はアンテナによって受信され、送受信器1324によって調整され、そしてプロセッサ1320によって様々な形式の情報を取得するために処理される。例えば、送受信器1324及び/またはプロセッサ1320は上で述べたいずれかのWLAN位置測定方法のために様々な測定を行う。メモリ1322及び1332は端末120及びアクセス点110のためのプログラム・コード及びデータを記憶する。
【0131】
上り回線上で、端末120はトラヒック・データ、信号、及びパイロットをWLAN100における一つ以上のアクセス点に伝送する。これらの様々な形式のデータはプロセッサ1320によって処理され、そして送受信器1324によって上り回線信号を生成するために調整され、それは端末アンテナを介して伝送される。アクセス点110で、端末120及び他の端末からの上り回線信号は送受信器1334によって受信され、且つ調整され、そしてプロセッサ1330によってさらに端末から様々な形式の情報を取得するためにさらに処理される。アクセス点110は直接的もしくは間接的にネットワーク・サーバ130と通信ユニット1336を介して通信する。
【0132】
ネットワーク・サーバ内で、プロセッサ1340は上で述べたあるWLAN位置測定方法のために処理を行う。例えば、プロセッサ1340は様々なWLAN位置測定方法に関するデータベースを構築し、且つ維持し、場所情報を端末に提供し、端末及び/またはアクセス点のために場所推定を計算する、等々。記憶1342はネットワーク・サーバ130のためにプログラム・コード及びデータを記憶する。通信ユニット1344によってネットワーク・サーバ130はアクセス点110及び/または他のネットワーク実体と通信することが可能となる。
【0133】
ここに述べた技術は様々な方法によって実施される。例えば、これらの技術はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれの組合せにおいて実施される。ハードウェアのための実施に関して、局(例えば、端末、アクセス点、または他の実体)において位置測定を行うために使用される処理装置は一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC) 、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラムマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに述べた機能を実行するために設計された他の電子ユニット、コンピュータ、またはそれの組合せの中で実施される。
【0134】
ファームウェア及び/またはソフトウェア実施に関して、その技術はここに述べた機能を実行するモジュール(例えば、手続き、機能、等々)によって実施される。ファームウェア及び/またはソフトウェア・コードはメモリ(例えば、図13におけるメモリ1322、1332または1342)に記憶され、そしてプロセッサ(例えば、プロセッサ1320、1330、または1340)によって実行される。メモリはプロセッサ内、またはプロセッサの外部で実施される。
【0135】
見出し(headings)は参照及びある欄(項)を配置する際の助けのためにここに含まれる。これらの見出しはその中に述べた概念の範囲を限定しようとするものではなく、そしてこれらの概念は全体の仕様を通して他の欄においても適用性を有する。
【0136】
本開示の前記の記述は当業者が開示をなし、且つ使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は当業者には明白であり、そしてここに定義された一般原理は本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の変形にも適用される。従って、本開示はここに述べた例に制限しようとするものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致している最も広い範囲を与えられるべきである。
【発明の分野】
【0001】
本出願は2005年11月7日出願の「無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)に適用可能な位置測定方法(LOCATION SOLUTIONS APPLICABLE TO WIRELESS LOCAL AREA NETWORKS (WLANs))」と題する米国特許仮出願番号第60/734,631号、2005年12月6日出願の「無線LANによるサービスを受ける端末に適用可能な位置測定方法(LOCATION SOLUTION APPLICABLE TO A TERMINAL SERVED BY A WIRELESS LAN)と題する米国特許仮出願番号第60/748,225号、及び2006年11月4日出願の「SUPLにおけるWLAN位置測定への支援(Support for WLAN Positioning in SUPL)」と題する米国特許出願番号「ドケット番号第060145P3号」に対する優先権を主張し、全てはここの譲請人に譲渡され、引用によりここに組込まれている。
【0002】
本発明は一般に通信に関係し、特に位置測定を行うための技術に関係する
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは音声、ビデオ、パケット・データ、メッセ−ジ通信、放送等といった様々な通信サービスを行うために広く配備されている。これらの無線ネットワークは利用可能なネットワーク資源を共有することによって多数のユーザーのために通信を支援することが可能な多元アクセス・ネットワークである。そのような多元アクセス・ネットワークの例は符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワークを含む。
【0004】
無線ネットワークにおいて端末の位置を知ることはしばしば望ましく、時々必要である。用語「場所(location)」及び「位置(position)」は同義語であり、そしてここでは互換して使用される。例えば、ユーザーはウェブサイトを通して閲覧するために端末を利用し、そして場所に関する内容をクリックする。そこで端末の場所が決まり、そして適切な内容をユーザーに提供するために使用される。端末の場所の知見が有用または必要である他の多くのシナリオがある。
【0005】
CDMAネットワークのようないくつかの無線ネットワークは位置測定を直ちに支援することができる。これらの無線ネットワークはタイミング情報で符号化された信号を伝送する多くの基地局を有する。端末の場所は十分な数の基地局、及びこれらの基地局の既知の固定場所に関するタイミング測定に基づいて決定される。いくつかの無線ネットワークにおいて、送信器の場所は知られていないか、もしくは送信器場所には不確実なところがある。それにもかかわらず、そのような無線ネットワークにおいて端末の場所を測定することは望ましい。
【発明の概要】
【0006】
他の無線ネットワークと同様に、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)におけるアクセス点及び端末を位置測定するための技術をここに述べる。位置測定は目標デバイスの地理的な場所推定値を測定/計算する処理を云う。場所推定はまた位置推定、位置調整等とも云われる。
【0007】
一形態では、アクセス点位置測定について、測定値はWLANにおいて少なくとも一つのアクセス点について取得される。測定は各アクセス点によって定期的に伝送された伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム)に基づいている。測定は異なる場所の多数の端末または異なる場所における一つの移動端末によって行われる。各アクセス点の場所は測定及び既知の端末の場所に基づいて、そして更に、例えば、往復時間(round trip time:RTT)法、観測時間差(observed time difference:OTD)法、到着時間(time of arrival:TOA)法といった位置測定方法に従って決定される。
【0008】
別の形態では、少なくとも一つのアクセス点から伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所が取得される。アクセス点の場所は少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所、及びWLANによって使用される無線技術の範囲限界、及び恐らくは少なくとも一つの端末またはアクセス点、等々によって使用される伝送電力といった追加情報に基づいて決定される。
【0009】
更に別の形態にでは、端末位置測定について、WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値が取得される。端末の場所は測定値及び少なくとも一つのアクセス点の場所に基づいて、例えば、RTT法、OTD法、TOA法、信号強度/品質法、アクセス点識別(AP ID)法、等々といた位置測定方法に従って決定される。
【0010】
更に別の形態にでは、複数の場所結果(例えば、確率密度関数)が複数の位置測定方法について取得される。場所結果は最終の場所結果(例えば、最終の確率密度関数)を取得するために結合される。局(station)に関する場所推定は最終の場所結果に基づいて取得される。
【0011】
本発明の様々な形態及び特徴は下記でさらに詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】位置測定を支援するWLANを示す。
【図2A】アクセス点の位置測定を示す。
【図2B】アクセス点の位置測定を示す。
【図3】端末による二つのアクセス点のOTD測定を示す。
【図4】二つの端末によるアクセス点のTOA測定を示す。
【図5】アクセス点に関する動きの経緯を示す。
【図6】ユーザー平面場所による配置を示す。
【図7】制御平面場所による配置を示す。
【図8】一つ以上のアクセス点を位置測定するための処理を示す。
【図9】アクセス点を位置測定するための処理を示す。
【図10】端末を位置測定するための処理を示す。
【図11】場所結果を結合するための処理を示す。
【図12】ユーザー/制御平面場所によるWLAN位置測定を示す。
【図13】アクセス点、端末、及びネットワーク・サーバを示す。
【詳細な説明】
【0013】
無線ネットワークにおいて位置測定を支援するための技術をここに述べる。その技術は無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、首都圏ネットワーク(WMAN)、放送ネットワーク、等々といった様々な無線ネットワークのために使用される。用語「ネットワーク」及び「システム」は互換してしばしば使用される。WWANは大きな地理的領域、例えば、市、県(州)、または全国に関する通信可能区域を提供する無線ネットワークである。WWANはCDMAネットワーク、TDMAネットワーク、FDMAネットワーク、OFDMAネットワーク、等々といったセルラー・ネットワークである。CDMAネットワークは広帯域CDMA(W-CDMA)、cdma2000、等々といった無線技術を実装し、cdma2000はIS-2000、IS-95、IS-856規格を対象とする。TDMAネットワークは汎欧州ディジタル・セルラー・システム(GSM(登録商標))、先端ディジタル移動電話(D-AMPS)、等々といった無線技術を実装する。D-AMPSはIS-248及びIS-54を対象とする。これらの様々な無線技術及び規格は当技術分野では既知である。W-CDMA及びGSMは「第3世代共同プロジェクト」(3GPP)と名付けられた団体からの文書に記載され、cdma2000は「第3世代共同プロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた団体からの文書に記載されている。3GPP及び3GPP2文書は公に利用可能である。
【0014】
WLANは、例えば、ビル(建物)、商店街、喫茶店、空港ターミナル、学校、病院、等々といった小さな、もしくは中間の地理的領域について通信可能区域を提供する無線ネットワークである。WLANはIEEE 802.11、ハイパープラン(Hiperlan)、等々によって定義された無線技術を実装する。WMANはIEEE 802.16によって定義された無線技術を実装する。IEEE 802.11及びIEEE 802.16は米国電気電子技術者協会(IEEE)からの二つのファミリー規格である。IEEE 802.11ファミリーは802.11a、802.11b、802.11g及び802.11n規格を含み、そして一般にWi-Fiと云われる。各IEEE 802.11規格は一つ以上の変調技術を使用する特定の周波数帯域(例えば、2.4GHzまたは5GHz)における動作を指定する。IEEE 802.16ファミリーは802.16eを含み、そして一般にWiMAXとして参照される。ハイパーランは一般にヨーロッパで使用されるWLAN技術である。明確にするために、次の記述の大部分はWLANに関するものである。
【0015】
図1は位置測定を支援するWLAN 100を示す。WLAN 100は端末120と通信するアクセス点(AP)110を含む。アクセス点はそのアクセス点と関連する端末のために通信を支援する局(station)である。アクセス点はまた基地局とも云われる。WMAN及びWWAN無線技術について、アクセス点はノードB、強化ノードB(eNode B)、基地送受信サブシステム、等々に置き換えられる。アクセス点110は位置測定に関する様々な機能を実行するネットワーク・サーバに直接もしくは間接的に結合する。ネットワーク・サーバ130は単一のネットワーク実体、またはネットワーク実体の集合である。一般に、WLANはある数のアクセス点を含む。各アクセス点はアクセス点識別子(AP ID)によって識別され、それはアクセス点によって伝送されたフレームに含まれる世界で唯一の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、等々である。
【0016】
端末は別の局と無線媒体(wireless medium)を介して通信することができる局である。端末は静止、もしくは移動しており、そしてまた移動局、ユーザー機器、加入者局とも云われる。端末はセルラー電話、携帯情報機器(PDA)、携帯用デバイス、無線デバイス、ラップトップ・コンピュータ、無線モデム、コードレス電話、遠隔測定デバイス、トラッキング・デバイス、等々である。
【0017】
アクセス点または端末はまた衛星140から信号を受取り、それは米国地球測位システム(GPS)、ヨーロッパ・ガリレオ・システム、ロシア・グロナス・システム、または他のいくつかの衛星測位システム(SPS)の一部である。端末はアクセス点110からの信号及び/または衛星140からの信号を測定する。その測定は、下記で述べるように、端末の場所及び/またはアクセス点を決定するために使用される。
【0018】
一般に、WLAN及び/またはその関連する端末は多数の位置測定方法及びいずれかの位置測定方法を支援する。表1は、WLAN及び/またはその関連する端末によって支援されるいくつかの位置測定方法を表にしたもので、各方法に短い説明をしている。
【表1】
【0019】
下記の説明では、用語「GPS」はいずれかの衛星測位システム、例えば、GPS、ガリレオ、等々に基づく位置測定をすることを云う。用語「A-GPS」は補助データによっていずれかの衛星測位システムに基づく位置測定をすることを云う。
【0020】
位置測定方法は、(a)アクセス点の既知の場所に基づいて端末の場所を決定し、且つ/または(b)既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定するために使用される。既知の場所はGPS、A-GPS、等々によって個別に所得される。多数のWLANが現在配置され、WLANは公に常に知られているとは限らず、そしてアクセス点は移動する(即ち、常に固定されるとは限らない)ので、端末の場所に基づいてアクセス点場所を確定できることは非常に望ましい。アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった個別の位置測定方法を支援する端末に基づいて決定され、且つ/または更新される。アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった個別の位置測定方法を支援しない端末の場所を決定するために使用される。
【0021】
様々な位置測定方法は端末によって支援され、且つ/またはネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130またはアクセス点110の一つを用いることによって支援される。ネットワーク・サーバは測定を行うように端末に指示し、そして端末及び/またはアクセス点に関する場所推定を計算する。ネットワーク・サーバはまた端末及び/またはアクセス点のた場所情報を記憶し、そして位置測定を支援するためにその場所情報を使用する。
【0022】
1.AP ID法
AP ID法は端末の場所を決定するためにWLANにおけるアクセス点の既知の場所を利用する。場所は2次元(x、y)もしくは3次元(x、y、z)地理座標によって与えられる。アクセス点の場所は様々な方法で決定される。一つの手法では、アクセス点の場所は地図関連性、等々を利用して、WLAN作業者によって測量により決定される。別の手法では、アクセス点の場所はGPS、A-GPS、等々といった位置測定方法に基づいて決定される。
【0023】
図2Aはアクセス点と通信する一つ以上の端末の既知の場所に基づいてアクセス点を位置測定するための手法を示す。アクセス点の通信可能区域は異なる端末の既知の場所及び/または同じ端末の異なる既知の場所に基づいて決定される。アクセス点の場所は全ての既知の端末の場所、例えば、端末場所の平均緯度(x)及び平均経度(y)に基づいて決定される。一つの区域における端末の密度が他の区域より大きいことによる偏り(bias)を回避するために、通信可能区域は最も外側の端末の場所に基づいて決定される。アクセス点の場所は周囲境界に囲まれている区域、例えば、取り囲まれた区域の重心(centroid)内の点によって与えられる。
【0024】
図2Bは一つの端末の既知の場所に基づいてアクセス点を位置測定するための手法を示す。端末の場所はアクセス点の概略の場所として提供される。この概略の場所はアクセス点の通信可能区域の範囲に依存する誤差または不確実性を持つ。WLAN技術が既知であるならば(例えば、802.11b、802.11g、等々)、端末からアクセス点までの最大距離はWLAN技術の範囲限界に基づいて推定される。例えば、多く802.11技術は一般に約50〜100メートルの限界範囲を持つ。そこでアクセス点の場所は端末場所に中心があり、且つ限界範囲によって与えられた半径を持つ円内にある実際のアクセス点場所によって端末場所により近似される。限界範囲は一般的にWLAN技術によって許容された最大伝送電力に与えられる。従って、アクセス点または端末が通信のために最大より少ない伝送電力を使用したことが分かれば、より小さな半径(及びより少ない不確定性)が円について使用される。
【0025】
一般に、アクセス点の場所は前もって(例えば、地図製作または測量によって)決定されるか、或いは逆にいずれかの位置測定方法を適用してその場において決定される。特に、アクセス点場所はGPS、AGPS、等々といった信頼でき、且つ正確な位置測定方法を支援する一つ以上の端末の一つ以上の既知の場所に基づいて決定される。
【0026】
AP ID法は端末にサービスし、或いは端末によって受取られるアクセス点の識別子及びアクセス点の既知の場所に基づいて端末のために場所推定を提供する。アクセス点の場所は端末のために場所推定として提供される。この場所推定はアクセス点の通信可能区域範囲によって決定された不確定性を持ち、それは上で述べたWLAN技術に基づいて推定される。場所推定の精度は従ってWLAN技術の限界範囲によって決まる。場所推定は通信可能区域制限によってWLAN技術についてはかなり正確(例えば、いくつかのIEEE 802.11技術については最高50メートル)であり、 拡張範囲を持つWMAN及びWWAN技術に関して、或いは中継器(repeaters)が通信可能区域を拡張するために使用される場合はあまり正確でない。
【0027】
アクセス点の場所は通信可能区域内、及び/または他のネットワークにおいて端末に利用可能になる。例えば、IEEE 802.11WLANでは、アクセス点は端末に定期的に同報されるビーコンにその場所を含ませる。この場合には、ビーコンを受取ることができる端末はビーコンから取得されたアクセス点場所に基づいてそれらの場所を推定することができる。
【0028】
2.RTT法
RTT法は一つ以上の他の局に関するRTT測定及び他の局の既知の場所に基づいて局の場所推定を行う。例えば、端末は端末と一つ以上のアクセス点との間で無線信号伝播の往復時間を測定する。端末の場所はそこで三角測量技術を使用してRTT測定及びアクセス点の既知の場所に基づいて決定される。
【0029】
RTT測定は様々な方法で行われる。例えば、IEEE 802.11vにおいて、端末はメッセージ(例えば、存在要求(Presence Request)フレーム)をアクセス点に送り、そしてアクセス点からの承認(例えば、存在応答(Presence Response)フレーム)を受取る。その承認(acknowledgment)は端末のメッセージの最後の部分(例えば、最後のビットまたはチップ)の受信時間と承認の最初の部分(例えば、最初のビットまたはチップ)の送信時間との間にアクセス点によって測定された時間遅延を含む。端末はメッセージの最後の部分の送信時間と承認の最初の部分の受信時間との間に時間遅延を測定する。その端末はそこでRTTの測定値を取得するために端末によって測定された時間遅延からアクセス点によって通報された時間遅延を減算する。他の手法もまたあるメッセージを送り、そして応答を受ける間に時間差を測定するために同様に使用される。
【0030】
アクセス点の場所は既知の場所による一つ以上の端末に関するRTTRTT 測定を取得し、そして逆に三角測量を適用することによって決定される。この場合には、既知の場所を持つ各端末について、アクセス点へのRTTは端末またはアクセス点で測定される。アクセス点の場所は従って三角測量を使用して異なる既知の場所において同じ、もしく異なる端末によって行われたRTT測定に基づいて取得される。
【0031】
一般に、局(例えば、端末またはアクセス点)に関する場所推定は一つ以上の他の局について取得された場所関連測定に基づいてRTT方法によって取得される。RTT方法によって取得された場所推定はAD ID法によって取得された場所推定より更に正確である。RTT法は局の場所を正確に特定(pinpoint)しようと試み、一方、AD ID法Aは全体の通信可能区域上で局の場所を推定する。
【0032】
3.OTD法
OTD法は他の局に関するOTD測定及び他の局の既知の場所に基づいて局に関する場所推定を行う。例えば、端末は対のアクセス点の間で観測された伝送タイミング差を測定する。これらの測定はアクセス点からの間接的(implicit)、もしくは明白なタイミング情報を含む伝送に基づく。これらの伝送はIEEE 802.11WLANにおけるアクセス点によって定期的に同報されるビーコン・フレームに対応する。端末の場所は従って三辺測量を使用してこれらの測定に基づいて取得される。
【0033】
図3は二つのアクセス点P及びQについて端末iによるOTD測定値を示す。各アクセス点は一連の伝送系列、例えば2進符号化データを伝送する。各伝送系列は間接的な、もしくは明白な相対的な時間基準を含む。アクセス点P及びQはTP及びTQの一定繰返し間隔で定期的にそれらの伝送系列をそれぞれ伝送する。各伝送系列の期間は繰返し間隔と等しいか、もしくはそれ以下である。繰返し構造は繰返し情報を含むか、或いは含まないけれども、伝送系列は識別可能な情報構造が規則正しく繰返されるという点で規則正しく繰返している。例えば、各伝送系列はIEEE 802.11におけるビーコン・フレームに対応する。
【0034】
アクセス点P及びQは比較的正確な、安定したクロックを持っているが、一般的には同期していない。従って、伝送系列が送られる正確な時間は分からない。各伝送系列は時間基準として使用されるマーカーを含む。アクセス点Pからの伝送系列のマーカーはMPとして表され、そしてアクセス点Qからの伝送系列のマーカーはMQとして表される。マーカーMP及びMQはそれらのそれぞれの伝送系列の始まり、終わり、もしくは中間の点である。
【0035】
端末iはアクセス点P及びQから二つの伝送系列を受取り、そして受取られた伝送系列におけるマーカーを識別する。二つのアクセス点P及びQから端末iによって受取られた二つのマーカーはMPi 及びMQi として表される。端末iはアクセス点PからのマーカーMPi の到着時間とアクセス点QからのマーカーMQi の到着時間との間の差を測定する。この到着時間差はOTDiとして表される。
【0036】
マーカーMPi とMQiとの間の実時間差はRTDiとして表され、そしてアクセス点P及びQからこれらの絶対伝送時間の間のアクセス点P及びQからの差である。端末iがアクセス点P及びQ間で等距離であるならば、RTDi はOTDi に等しい。そうでなければ、RTDi 及びOTDi は端末iとアクセス点P及びQとの間の距離と関係があり、そして下記のように表される:
OTDi=A(MPi)−A(MQi) 式(1)
RTDi=T(MPi)−T(MQi) 式(2)
但し、T(Mki)はアクセス点k(k=PまたはQ)からのマーカーMkiの絶対伝送時間であり、
A(Mki)は端末iにおけるマーカーMkiの絶対伝送時間である。
【0037】
式(1)及び式(2)は次のように結合される:
【数1】
【0038】
但し、Dki は端末iとアクセス点kとの間の距離であり、
(xk、yk)はアクセス点kの場所の水平x、y座標であり、
(xi、yi)は端末iの場所の水平x、y座標であり、
cは信号伝播速度、例えば、光速度である。
【0039】
簡単にするため、垂直座標は式(3)において無視されるが、当業者には明白なように容易に付加される。式(3)において、OTDi は端末iによって測定され、全ての他の変数は既知であるか、もしくは解くことができる。例えば、端末iの座標はGPS、A-GPS、等々を用いて個別に取得される。この場合には、式(3)は五個の未知の変数−二つのアクセス点の各々に関するx及びy座標、及びマーカーMPi とMQi との間のRTD−を含むであろう。同じマーカーMPi 及びMQi のOTD測定は五つの異なる端末によって異なる既知の場所で行われ、そして五個の未知の変数について解くために使用される。代って、五つのOTD測定は五つの異なる既知の場所における単一の端末によって行われ、そして五個の未知の変数について解くために使用される。従って、二つのアクセス点の未知のx、y座標は異なる既知の場所における一つ以上の端末から五つのOTD測定に基づいて取得される。
【0040】
OTD測定は一般的に同じマーカーについて異なる端末によって取得されない。その代りに、異なる端末は一般的に異なる伝送系列における異なるマーカーに基づいて異なる時間にOTD測定を行う。移動可能な一つの端末はまた異なる場所にある間に異なる時間に異なるマーカーについてOTD測定を行う。いずれにせよ、異なる時間に行われた異なるOTD測定に使用されたマーカーのRTDは全て同じではない。
【0041】
異なる端末によって行われたOTD測定について、ある二つの端末i及びj(i≠j)に適用できるRTDは次のような関係がある。
【0042】
RTDi−RTDj={T(MPi)−T(MQi)}−{T(MPj)−T(MQj)}
={T(MPi)−T(MPj)}−{T(MQi)−T(MQj)} 式(4)但し、RTDi−RTDj は端末i及びjに関する時間間隔であり、そして
T(Mki)−T(Mki)はアクセス点kからの二つのマーカーの間の時間間隔である。
【0043】
式(4)は端末i及びkに関するRTD差が二つのアクセス点の各々からの二つの異なるマーカー間の時間間隔に基づいて取得されることを示す。二つのマーカーが同じ伝送系列において発生し、そして伝送系列における発生のそれらの時間が既知であるならば、各アクセス点に関する時間間隔が決定される。二つのマーカーが異なる伝送系列において発生するならば、(a)各伝送系列の始まりから各マーカーまでの時間の間隔が既知であり、そして(b)二つの伝送系列の始まりの間の時間間隔が既知であれば、各アクセス点について時間間隔がまた決定される。連続する伝送系列の間の繰返し間隔Tk が既知であり、そして各伝送系列が系列番号を持っているとき、条件(b)が満たされる。伝送系列が番号付けされるならば、第一のマーカーを含む系列から第二のマーカーを含む系列までの系列の数が計数される。伝送系列が番号付けされないならば、式(4)におけるRTD差の値に曖昧性がある。この曖昧性は形式p*TP+q*TQであり、ここでTP及びTQはそれぞれアクセス点に関する繰返し間隔であり、そしてp及びqはそれぞれアクセス点P及びQからのマーカー間の未知の系列の数に対応する正または負の整数値である。繰返し間隔が双方のアクセス点について同じか、またはTP=TQであるならば、そして(いずれかの端末への伝播遅延が繰返し間隔より非常に少なくなるために)式(3)の右辺側の最大値に較べて大きいならば、不確実性(p+q)*TPに関するただ一つの値が解を式(3)に提供するであろう。
【0044】
あるRTDの対の間の差を知ることは式(3)の使用によって五つのOTD測定による二つのアクセス点に関する四つの未知のx及びy座標を加えた一つの未知のRTDについて解くことが可能になる。一つのOTD測定に関するRTDは未知の変数Xとして表される。残りの各OTD測定に関するRTDはX+Kとして表され、ここでKは式(4)から決定される。
【0045】
アクセス点は端末による正確なOTD測定を考慮するために、良いタイミング/周波数精度、及び安定性を持つそれらの伝送系列を送らなければならない。一対のアクセス点からの伝送系列は一つまたは双方のアクセス点におけるクロックの不正確さによって時間とともに変動する。この場合には、一対のアクセス点のマーカーの間のRTD時間によって変動するであろう。時間tに二つのアクセス点P及びQから伝送された二つのマーカーは次式で与えられる:
RTD(t)=an・tn+an-1・tn-1+・・・+a1・t1+a0 式(5)但し、RTD(t)はアクセス点P及びQから伝送時間tに送られた二つのマーカー間のRTDであり、そして
ai は係数で、0≦i≦n及びn>0である。
【0046】
RTDの線形(一次)変動に関して、それは最も一般の変動の形式であり、ai はi>0についてゼロであろう。RTDの二次変動に関して、ai はi>2についてゼロであろう。一般的に、さらに高い係数はゼロ、もしくは殆どゼロであろう。式(3)において解くべき変数の数はRTDの変動を考慮するために式(5)における未知の非ゼロ係数の数によって増加する。アクセス点の座標はその場所が分かっている端末からの同じ数の追加のOTD測定によって取得される。
【0047】
式(3)はまた既知の場所を持つ二以上の対のアクセス点に関するOTD測定値を取得する端末の場所を測定するために使用される。この場合には、式(3)は3個の未知の変数−端末のx及びy座標とアクセス点からのマーカーの間のRTD−を含むであろう。アクセス点の間のRTD関係が、例えば、上に述べたようにもしくは他の手段によって、分かるか、もしくは確かめられれば、数式の数は低減される。例えば、端末iの座標(xi、yi)の解はアクセス点の二つの対によって解かれる。これらの二つの対は三つのアクセス点によって形成され、そこでは一つのアクセス点が双方の対に共通である。アクセス点の各々の対に関する数式において、端末iの座標(xi、yi)が解かれ、対におけるアクセス点の座標(xP、yP)及び(xQ、yQ)が分かり、これらのアクセス点のOTDが測定され、そしてこれらのアクセス点のRTDが分かるか、もしくは解くことができる。
【0048】
OTD法は対のアクセス点について端末によって観測された伝送タイミング差の測定値を使用する。測定は同時に行われ、共に時間通りに終わり、または恐らくは時間を越えて拡散する。OTD法は既知の場所によって端末からのOTD測定値を使用してアクセス点の場所を決定することができる。OTD法はまた端末からのOTD測定値及びアクセス点の既知の場所を使用して端末の場所を決定することができる。端末はアクセス点の場所が測定されつつあれば二以上のアクセス点から伝送を測定し、そしてアクセス点の場所が決定されつつあれば三以上のアクセス点から伝送を測定する
OTD法の利点はアクセス点及びWLANアクセス・ネットワーク(AN)がその方法に参画する必要がないことである。これは従来のWLAN実装及び規格に対する影響を回避する。その上、端末からアクセス点へいずれかの明白な信号通信をすることは必要ではない。それでもなお、OTD法はネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130によって支援される。ネットワーク・サーバはOTD測定を行うように端末に指示し、そして端末から測定値を受取る。ネットワーク・サーバは、例えば、式(3)に示したように、OTD測定値を使用して端末の場所及びアクセス点の場所について解くために上に述べた場所関連の計算を行う。
【0049】
OTD法は間接的な、もしくは明白なタイミング関連の情報を送るいずれかのWLAN技術に関して使用される。タイミング関連の情報は繰返しフレーム構造、情報は繰返しフレーム、カウンタまたはタイミング関連のデータを含む識別可能な情報を介して提供される。OTD測定はアクセス点の対について行われる。各OTD測定が各アクセス点からの伝送において識別可能なマーカーに関係する間は、対におけるアクセス点は同じか、或いは異なるWLAN技術を支援する。
【0050】
OTD法はGMSネットワークのための強化観測時間差(Enhanced Observed Time Difference:E-OTD)法、W-CDMAネットワークのための観測到着時間差(Observed Time Difference of Arrival :OTDOA)法、及びcdma2000ネットワークのための高性能順方向回線三辺測量(Advanced Forward Link Trilateration:A-FLT)法と類似している。E-OTD、OTDOA及びA-FLT法は端末の場所を決定するだけであり、そして基地局の場所の知見を持つことに頼る。一方、OTD法はアクセス点と同様に端末の場所を決定することができ、そして他の無線ネットワーク、例えば、GSM、W-CDMA及びcdma2000と同様にWLANについても使用される。
【0051】
4.TOA法
TOA法は一つ以上の他の局及び他の局の既知の場所に関するTOA測定に基づいて局の場所推定を行う。例えば、端末は多数の各アクセス点からのマーカーについて到着の時間を測定し、そして絶対時間を各マーカーと関連づける。端末は、例えば、GPS、AGPS、等々を使用して、絶対時間を取得する。端末の場所はそこで三辺測量を使用して測定に基づいて取得される。
【0052】
図4はアクセス点Pについて異なる場所の二つの端末i及びkによるTOA測定を示す。アクセス点Pは一連の伝送系列を伝送し、各伝送系列はマーカーを有する。端末iはアクセス点Pから伝送系列を受取る。端末iによって受取られた系列中のマーカーはMPiとして表される。端末jはアクセス点Pから伝送系列を受取る。端末jによって受取られた系列中のマーカーはMPjとして表される。マーカーMPiはマーカーMPjと同じか、もしくは異なる。各端末m(m=iまたはj)は端末の絶対時間の知見に基づいてアクセス点Pからその端末によって受取られたマーカーMPmの絶対到着時間A(MPm)を決定する。A (MPm)はアクセス点Pについて端末mによって行われたTOA測定値を表す。
【0053】
端末iにおけるマーカーMPiの絶対到着時間と端末のjのマーカーMPjの絶対到着時間との間のOTDはOTDijとして表される。アクセス点PからのマーカーMPiの絶対到着時間と端末のjのマーカーMPjの絶対到着時間との間のRTDはRTDijとして表される。OTDij及びRTDijは下記のように表される:
OTDij=A(MPi)−A(MPj) 式(6)
RTDij=T(MPi)−T(MPj) 式(7)
但し、T(MPm)はアクセス点PからのマーカーMPmの絶対伝送時間であり、
A(MPm)は端末mにおけるマーカーMPmの絶対到着時間である。
【0054】
式(6)及び式(7)は次のように結合される:
【数2】
【0055】
但し、DPmは端末mとアクセス点Pとの間の距離であり、
(xP、yP)はアクセス点Pの場所の水平x、y座標であり、
(xm、ym)は端末mの場所の水平x、y座標である。
【0056】
簡単にするため、垂直座標は式(8)において無視されるが、当業者には明白なように容易に付加される。絶対到着時間A(MPi) 及びA(MPj)は端末i及びjによって決定され、そして式(6)に示したようにOTDijを得るために使用される。式(7)のRTDijはそれがアクセス点からの伝送に関係するので直ちに利用可能である。RTDijはアクセス点Pによって送られた連続する伝送系列の間の繰返し間隔TPに基づいて決定される。式(8)において、OTDij及びRTDij が利用可能であり、そして全ての他の変数は分かっているか、もしくは解くことができる。例えば、端末i及びjの座標はGPS、A-GPS、等々を使用して個別に取得される。この場合には、式(8)は二つの未知の変数−アクセス点Pのx及びy座標−を含むであろう。異なる既知の場所における三つの異なる端末による三つのTOA測定は二つの数式を(双方の数式に共通な一端末によって)形成するために使用され、それはアクセス点Pのx及びy座標に関する二つの未知の変数を決定するために使用される。異なる既知の場所における単一端末による三つのTOA測定はまたアクセス点の座標を決定するために使用される。TOA法に基づいて決定されたアクセス点の場所はRTT、OTD、または他の位置測定方法を使用して端末の場所を測定するために使用される。
【0057】
TOA法はそのアクセス点の場所が単にそのアクセス点に関するTOA測定に基づいて決定されることを可能にする。これはただ一つのアクセス点から端末が伝送を測定できるシナリオにおいて望ましい。TOA法はアクセス点からのマーカーの到着時間、例えば、GPS時間を絶対時間に関連付ける。TOA法は端末とアクセス点との間の相互動作を必要としない。
【0058】
式(8)はまたアクセス点の既知の場所を使用して端末の場所を決定するために逆に使用される。この場合には、三つ以上のアクセス点は端末によって伝送された伝送マーカーについて絶対TOA測定値を取得する。式(8)は今端末(例えば、端末i及びj)を置換するアクセス点、及びアクセス点(例えば、アクセス点P)を置換する端末によって適用される。
【0059】
ネットワーク・サーバ、例えば、図1のサーバ130はTOA測定を行うために端末及び/またはアクセス点を指示し、そして端末及び/またはアクセス点から測定値を受取る。ネットワーク・サーバはそこで端末及び/またはアクセス点の場所を決定するために上で述べた場所関連の計算を行う。
【0060】
5.信号強度/品質法
信号強度/品質法は一つ以上の他の局に関する信号強度及び/または信号品質測定及び他の局の場所の既知の場所に基づいて局に関する場所推定を行う。局の場所は下記で述べるようにパターン・マッチングを使用して測定される。
【0061】
端末は特定の場所において端末によって受取られた全てのアクセス点の識別子(identities)を記録する。端末はまた端末によって受取られた各アクセス点について信号強度及び/または信号品質を測定する。信号強度は受信電力によって定量化され、そしてdBmの単位で与えられる。信号品質は信号対雑音比(SNR)、ビット当たりのエネルギー対総雑音(Eb/No)、ビット誤り率(BER)、パケット誤り率(PER)、観測信号通信誤り、等々によって定量化される。信号品質は信号品質が所与の閾値を越えているか否か、例えば、信号品質がAP識別子を復号するのに十分であるかどうかを示す二値(binary value)によって与えられる。端末の場所はまた個別の手段、例えば、GPS、A-GPS、等々を使用して取得される。端末はその場所、受信アクセス点の識別子、及び各アクセス点に関する信号強度/品質測定を通報する。
【0062】
ネットワーク・サーバ、例えば、図1のネットワーク・サーバ130は異なる端末からの通報及び/または異なる場所における同じ端末からの通報を受取る。ネットワーク・サーバは異なる場所において受信されたアクセス点及び関連する信号強度/品質のデータベースを構築する。関心の地理領域は小さな領域またはピクセルに分割される。その領域はいずれかの形(例えば、正方形、長方形、六角形、等々)を持ち、そしてまたいっずれかのサイズ(例えば、さし渡し数メートル)を持つ。端末によって通報された場所は単一ピクセル(例えば、端末の場所座標を含むピクセル)に、もしくはピクセルの小集合(例えば、その端末が位置することがほぼ確実な領域に含まれるピクセル)に写像される。アクセス点識別子及び信号強度/品質は端末が写像されたピクセルと関連する。通報が同じピクセルまたはピクセルの集合について多数の端末から取得されるならば、これらの通報における測定値は結合(例えば、平均化)され、そして結合された測定値はピクセルのために記憶される。例えば、信号強度は移動荷重時間平均を使用して平均化され、そこではそれらの荷重はある端末の場所が正しく特定のピクセルに写像される確率に依存する。信号品質もまた平均化される。例えば、 一つの信号品質閾値が使用されるならば、全体の信号品質はその閾値を越える端末の百分率(percentage)に関係する。
【0063】
データベースは端末の位置測定のために使用される。ネットワーク・サーバは端末によって受取られたアクセス点の識別子及び恐らくはこれらのアクセス点に関する信号強度/品質を端末から取得する。ネットワーク・サーバは通報されたアクセス点識別子によって示されたピクセルについてデータベースを検索する。ネットワーク・サーバは端末によって識別されたアクセス点について部分的なパターン適合(pattern matches)を捜し、そして識別されなかったアクセス点を無視する。ネットワーク・サーバはそこで通報された信号強度/品質に最も密接に適合する平均化信号強度/品質と関連するピクセルを識別する。ネットワーク・サーバは異なる端末の感度が異なるという事実を考慮する。検索の結果は各ピクセルが実際正しい場所であったという確率と共に端末に関して必ずしも隣接してなく、可能な場所を表す一組のピクセルである。ネットワーク・サーバは予測場所の誤差(或いは、誤差の二乗平均)を最小にする単一の場所推定を得る。
【0064】
ネットワーク・サーバは信号強度/品質測定値を取得するように端末に指示し、そしてこれらの端末から測定値を受取る。ネットワーク・サーバはデータベースを構築、且つ/または更新し、そして端末の場所を決定するために場所関連の計算を行う。
【0065】
6.A-GPSのためのセルID法
A-GPS法はGPS信号を獲得、且つ測定し、そして/または測定結果から場所推定を計算するように端末を支援するために端末へ補助データを提供する。補助データはまたヨーロッパのガリレオ・システムのような他の衛星測位システムによって位置測定を支援するために使用される。端末の概略の場所は適切な補助データを端末に提供するために一般的に必要とされる。例えば、数キロメートル以内までの端末の場所の知見は獲得補助データ、及びGPS-GSMまたはGSM及びW-CDMAネットワークにおいてA-GPSを支援するために使用されるGPS-WCDMAタイミング補助データを提供するのに必要とされる。ここに述べた位置測定方法のいずれも必要な精度レベルによって端末の場所を測定するために使用される。しかしながら、いくらかの時間量がこれらの位置決め方法のうちの一つを実行することを必要とされ、そして旨くいくならば、場所推定結果はA-GPSを支援するために必要である以上に正確である。
【0066】
高速応答時間を持つ様々な位置決定方法はA-GPSを支援するために適切な粗い場所推定を届けることが可能である。セルID法に関して、端末はGSM、W-CDMA、またはcdma2000ネットワークのようなセルラー・ネットワークにおいて一つ以上のセルの世界的に唯一の識別子を取得する。端末はデュアル・モード機能を使用してセルを検出し、そしてWLAN信号と並行してセルラー信号を(例えば、GSM、W-CDMA、またはcdma2000ネットワークから)受信する。代って、端末は(例えば、必要でないとき、もしくは予定計画がないとき)WLAN信号の受信を一時的に停止し、セルラー動作に切替え、セルラー信号の走査を行い、そして受信セルラー信号を復号する。WLANを介して端末にサービスする端末またはネットワークにサービスするアクセス点はまた端末の場所における通信可能区域を持つセルの識別子を端末に提供する。これは要求されてない同報またはポイント対ポイント信号通信を介して、もしくは端末からの要求に答えて達成される。端末によって検知されたセルはその通信可能区域が端末の現在の場所を含んでいたセル、及び/またはその現在の場所に近いとき端末によって最近検知されたセルを含む。
【0067】
現在のセルラー技術のためのセル識別子は世界的に唯一である。セル識別子はセル中の特定の場所、例えば、セル・サイトのアンテナ場所に写像される。このセル場所はセル中の端末に関する粗い場所推定として提供される。場所推定はセルのサイズによって決定される誤差を持つ。
【0068】
データベースはセルの場所を一つ以上のセルラー・ネットワークに記憶する。そのデータベースはセル群の場所、例えば、GSMまたはW-CDMAにおける場所領域を記憶することによって単純化される。セル場所(或いは、セル群の場所)はまた他の方法(例えば、A-GPS、GPS、等々)を使用して端末を位置測定し、端末からすぐ近くのセルの識別子を取得し、そしてセル場所について端末の場所を使用することによって取得される。
【0069】
端末はまた各検知セルのセル識別子に加えて、タイミング先行(timing advance:TA)、往復時間、信号強度、信号品質、等々の測定を行う。これらの測定値はデータベースに記憶され、そして最も近いセルを決定するために使用される。測定値はまたセル識別子だけよりも更に正確に端末の場所を決定するためにRTT法及び、信号強度/品質法について使用される。
【0070】
ネットワーク・サーバはすぐ近くのセル識別子を取得し、且つ通報するように端末に指示する。ネットワーク・サーバは通報されたセル識別子を既知の端末の場所(それはGPS、A-GPS、等々を使用して取得される)と関連させることによってデータベースを構築し、且つ/または更新する。
【0071】
7.異なる位置測定方法からの組合せ結果
局(例えば、端末またはアクセス点)の場所は多くの位置測定方法を使用して決定される。さらに正確で、信頼できる場所推定はこれらの多数の位置測定方法から場所結果を組合せることによって局について取得される。信号強度/品質法に関して、場所結果は一組の可能な場所(例えば、ピクセル)であり、各々が関連する発生の確率を持つ。GPS及びA-GPSと同様にRTT、OTD及びTOAについて、結果は実際の場所が特定の確率で予期される周囲の領域(例えば、円または楕円)を持つ単一の場所である。各場所結果は各可能な場所についてその局が実際にその場所にあるという確率を提供する確率密度関数(probability density function:PDF)に変換される。全ての位置測定方法に関する確率密度関数は結合され、そして局に関する最終の場所推定を取得するために使用される。
【0072】
多数の場所結果は多数の個別の測定の集合M1、M2、・・・、MN(但し、N≧2)に基づいて端末について取得される。測定値の各集合は場所結果を取得するために使用される。下記が定義される:
E=端末が点(x、y)にあるイベント、
Fn (x、y)=測定集合Mn(1≦n≦N)に基づいて点(x、y)における端末の場所に関する確率密度関数(PDF)、そして
F(x、y)=全N測定集合M1、M2、・・・、MNに基づいて点(x、y)における端末の場所に関するPDF。
【0073】
Fn (x、y)は測定集合Mnとともに取得された場所結果に対応する。F(x、y)は全N場所結果についてFn (x、y)(1≦n≦N)を結合することによって決定される。
【0074】
測定集合は独立しているとみなされ、そのために、ある場所イベントEを与えられと、各測定集合はさらに他のいずれかの測定集合に依存しないイベントEに依存する或る確率を持つ。この条件は下記のように与えられる:
P(Mi/(E and Mj))=P(Mi/E)、i,j∈{1,・・・,N}及びi≠j 式(9)
但し、P(a/b)はイベントaのイベントbに対する条件付き確率である。
【0075】
全N測定集合に関する場所結果は次のように結合される:
【数3】
【0076】
式(10)は異なる位置測定方法からの結果に等しい荷重を与える。
【0077】
全ての測定集合に関する場所結果はまた次のように異なる位置測定方法に関して異なる重み付けで結合される:
【数4】
【0078】
p(n) は測定集合Mnに関する荷重である(1≦n≦N)。
【0079】
荷重は0≦p(n)として定義される。p(n)の小さな値は信頼の少ない位置測定方法に使用され、そしてp(n)の大きな値はより信頼できる測定集合に使用される。PDF Fn (x,y)が既に場所結果の精度及び信頼性を反映していたならば、重み付けは省略される。例えば、アクセス点の場所(OTD法について)が一定期間正確に且つ一貫して決定された後、OTD法及びGPSまたはA-GPS法を使用して、取得された場所推定を結合するとき重み付けは省略される。重み付けはアクセス点場所が信頼できると考えられる前に、これらの位置測定方法から場所推定を結合するとき適用される。この場合には、OTD法は比較的少ない荷重を割当てられる。
【0080】
ネットワーク・サーバは端末から、例えば、A-GPS、RTT、OTD、TOA、信号強度/品質、等々といったいくつかの測定値の集合を取得する。ネットワーク・サーバは各位置測定方法について場所関連の計算を行い、そして上に述べたように全ての位置測定方法に関する結果をさらに正確な場所情報に結合する。
【0081】
8.場所情報の信頼性評価
上に述べたいくつかの位置測定方法はアクセス点について比較的正確な場所推定を行うことができる。しかしながら、セルラー・ネットワークにおける基地局と異なり、WLANにおけるアクセス点は容易に移動できる小さな装置片である。WLAN作業者は通信可能区域を改善し、能力を付加し、或いは一つ以上のWLANを再構成するためにアクセス点を定期的に移動させる。それが起こると、移動アクセス点の場所に依存するいずれかの位置測定方法を使用して取得されたいずれの端末の場所も不正確である。
【0082】
この移動性の問題に対処するために、アクセス点の場所はいずれかの適当な位置測定方法を使用し、そしてアクセス点の現在の場所を前の場所と比較してアクセス点場所を決定することによって定期的に点検される。二つの場所が一致し、或いは少なくとも一致しないことがないならば、アクセス点は移動しなかったと推測される。二つの場所が一致しないならば、取得された新しい場所及び時間が記憶される。新しい場所は続いて確認され、そして十分な回数を確認したならば、正しいとみなされる。アクセス点は新しい場所が検出される最初の時間の前に移動したと考えられる。
【0083】
ある領域内の各アクセス点が移動する時間及び頻度が決定され、そして記憶される。移動結果の経緯(history)情報は、その時々に、或るアクセス点が動きを証明するいずれかの信頼できる方法がない場合に移動したという確率を予測するために使用される。アクセス点の動きはそのアクセス点だけ、またはある領域の全てアクセス点に関する動き経緯情報に基づいて予測される。
【0084】
図5は実際の二または三次元場所を表すために一次元を使用してアクセス点に関する動き経緯を示す。アクセス点は最初に時間T0には場所L0にある。アクセス点は時間T1で場所L1へ、そして時間T2で場所L2へ、その後、時間T3で場所L3に動かされる。アクセス点は時間T3に場所L4にあることが確認される。その後の時間T5で、アクセス点がまだ場所L3にある確率、或いは、同等に、アクセス点が動いたという確率を推定することが望まれる。
【0085】
アクセス点に関するいくつかまたは全ての経緯情報は現在の場所の確率を決定するために使用される。例えば、アクセス点が場所L3に固定されていた間の時間(T4−T3)はアクセス点が動いたであろう時間(T5−T4)とともに使用される。代って、移動の間の時間(T3−T2)、(T2−T1)及び(T1−T0)はアクセス点がある場所で費やした時間期間に関する統計を決定するために使用される。同様の統計はまた他のアクセス点についても取得され、そしてこのアクセス点の現在の場所の確率を決定するために使用される。
【0086】
あるアクセス点kに関する動きの確率は様々な方法で決定される。アクセス点kが多数回移動したならば、いずれかの場所にあるアクセス点kの平均期間Dが取得される。いつでも動かされるアクセス点kの確率は時間と、既に現在の場所において費やされた期間の両方から独立しているとみなされる。そこでアクセス点の動きはポアソン統計過程として表される。この場合には、時間tの間一定の状態を維持するアクセス点k場所の確率Pkは:Pk=e−t/Dとして与えられ、そしてその場所が最後に確認されてから時間tの後にアクセス点kが移動した確率は:1−e−t/Dとして与えられる。アクセス点kが動くのを決して観測されたことがなく、そして時間期間Tの間同じ場所にあるのを観測されたならば、いずれの場所においても平均期間はD>Tである。アクセス点kが時間tの間移動しなかった確率Pkは:e−t/D=Pk>e−t/Tとして与えられる。
【0087】
アクセス点kが何度も移動したならば、アクセス点が異なる場所に留まった時間期間は平均期間、期間の分散、期間の分布、等々といった様々な統計を取得するために使用される。この統計情報はポアソン統計モデルに置き換え、そしてアクセス点k場所が変わったという確率のさらに信頼できる推定を取得するために使用される。
【0088】
アクセス点kは静止し、もしくはまれに移動し、そのためある場所における期間の平均及び分散の推定は当てにならない。この場合には、その場所が最後に確認されてからアクセス点kが移動した確率の推定は一組のアクセス点について集められた統計に基づいて取得される。この集合SはWLANにおける全アクセス点、所定数のアクセス点、アクセス点kと同じ領域中のアクセス点、特定のWLAN作業者に属しまたは関連するアクセス点、等々を含む。集合Sにおけるいずれかのアクセス点が移動したならば、動きの時間が決定され、そして集合Sにおけるいずれかのアクセス点の連続する動きの間に予想時間期間Dを取得するために使用される。集合Sにおける各アクセス点に関する動きはポアソン事象であるとみなされる。集合SにNアクセス点があるならば、いずれかのアクセス点に関する動きの間の平均期間はN*Dとして与えられ、そしてアクセス点kが時間tで移動しなかった確率は:Pk=e−t/(N*D)として与えられる。移動のさらに正確な確率は単一のアクセス点の代わりに一組のアクセス点の移動経緯から決定される平均期間N*Dを使用することによって取得される。
【0089】
アクセス点の移動の確率はまた他の仕方で、且つ/または他の方法を使用して決定される。例えば、電気部品の故障までの時間のようなシステムまたは部品の信頼性を決定する方法が移動を予測するために使用される。
【0090】
場所推定はKアクセス点(K>1)について以前に取得された場所に基づいて端末に関して得られる。下記が定義される:
Pk=アクセス点kに関する場所信頼性(1≦k≦K)、
=アクセス点k場所が最後に取得されてから、もしくは最後に確認されてから変らなかった確率、及び
P=全Kアクセス点の場所を使用して取得された場所推定の信頼性、
=全Kアクセス点の場所が最後に取得されてから、もしくは最後に確認されてから変らなかった確率。
【0091】
端末に関する場所推定の信頼性は下記のように与えられる:
全てのアクセス点に関する場所の変化が独立しておれば
【数5】
【0092】
アクセス点に関する場所の変化が相関しておれば
【数6】
【0093】
式(12)はいずれかのアクセス点の場所の変化の確率が他のアクセス点の場所が変わったかどうに無関係のとき、場所推定の全体の信頼性が個々の信頼性の乗積(product)によって与えられることを示す。場所推定を取得するために使用されるアクセス点は一般的に共に近く、それはこれらのアクセス点から信号を受取るために位置している端末を割当てる。従って、一つのアクセス点の移動は他のアクセスの移動とはっきりと相関する。例えば、WLAN作業者がWLANを再構成もしくは拡張することを決定するならば、一つ以上のアクセス点が動かされることが有りうる。あるアクセス点kが移動したならば、これは隣接アクセス点もまた移動したというさらに高い確率をもたらす結果となる。アクセス点kが移動しなかったならば、これは隣接アクセス点が移動しなかったというさらに高い確率をもたらす結果となり、それは式(12)に反映される。
【0094】
アクセス点は、例えば、IEEE 802.11のビーコン・フレームにおいてその場所を提供する。アクセス点場所の信頼性は様々な理由によって問題になる。例えば、アクセス点場所は場所を決定する際の誤差、WLAN作業者による手入力における誤り、その場所を更新しないアクセス点の移動、等々のために正しくない。実際、今現存する多数のWLANに関して、そして時間及び資源を節約する際の高いプレミアムに関して、正確で信頼できる場所が常に提供されることはありそうにない。
【0095】
アクセス点場所を利用する位置測定方法はこれらの場所を確認する。一旦、アクセス点の場所が確認されたならば、アクセス点によって提供された場所が正しいか否かを発見することができる。これは多数のアクセス点について行われる。確認されなかった或るアクセス点場所について、その場所が正しいという確率はいずれかのアクセス点に関して正確さの等しい確率を仮定することによって決定される。例えば、n中のmアクセス点場所が正しいならば(m≦n)、別のアクセス点場所が正しい確率はm/nとして与えられる。正確さを定義することにおいて、限度は許容誤差(例えば、50または200メートルの誤差)に置かれ、そして個別の確率は異なる誤差限度に対する正確さについて取得される。そこで式(12)は上で注目したどれかの理由によって当てにならないアクセス点場所を使用してその場所が決定されるいずれかの端末について場所信頼性を推定するために使用される。この場合には、のPkは、アクセス点によって提供される場所の正確さの確率、または以前に確認されたアクセス点場所が変わらなかった確率を表す。
【0096】
一旦、アクセス点場所が、例えば、上で述べたように、取得もしくは確認されると、それは他のアクセス点場所を推定するために使用される。端末は端末によって受取られた全てのアクセス点の識別子を提供する。いずれかの受信アクセス点の既知の場所はその場所が現在未知である受信アクセス点に関する概略の場所として使用される。これはそこで、例えば、AD ID法を使用して、他の端末を近似的に決めるために使用される。これらの端末に関する場所推定は粗いかもしれないが、低精度の場所結果を受入れるA-GPS及び他のアプリケーションには十分である。
【0097】
9.O3MA SUPL及び3GPP2 X.S0024による場所支援
ここに述べた位置測定方法はWLANと関連する端末、アクセス点、及び/または他のネットワーク実体によって支援される。端末に関する位置測定は局所的に発生する。実体は端末またはWLAN、例えば、アクセス点から端末場所を要求する。
【0098】
公開移動体連合(Open Mobile Alliance:OMA)安全ユーザー平面場所決定(Secure User Plane Location:SUPL)及び3GPP2 X.S0024といった無線ユーザー平面場所決定法の現在の能力を拡張することによってWLANにおいて端末の位置測定を支援することは更に効率的である。ユーザー平面場所決定法は端末の位置測定を支援し、場所決定結果を記憶して提供し、端末ユーザーのプライバシーを支援し、端末場所を要求する実体の認証を支援する、等々。ユーザー平面場所決定法はタイミング先行によるセルID、E-OTD、OTDOA、及びA-FLTといったいくつかの位置測定方法を支援し、それはWWAN(例えば、GSM、W-CDMA、及びcdma2000ネットワーク)に適用可能であるが、WLANには適用できない。ユーザー平面場所決定法はまたGPS及びA-GPSのような他の位置測定方法を支援し、それは特殊なWLAN支援が必要とされない様々な無線ネットワークに適用できる。ユーザー平面場所決定法はWLANに関する位置測定方法を支援するために強化されている。
【0099】
図6はSUPL及びX.S0024による配置を示す。端末120はインターネット610、3GPP及び3GPP2におけるIPマルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワーク620、または3GPP TS23.234及び3GPP2 X.P0028に記載の他の3GPPまたは3GPP2サービスにアクセスするためにWLAN 100を使用する。端末120はWLAN 100と通信し、それは3GPP TS43.318に記載されたGSM及びGPRSへのアクセスを支援するために一般アクセス・ネットワーク(Generic Access Network:GAN)として使用される。端末120はWLAN 100と通信するとき、SUPLまたはX.S0024のWLAN位置測定方法を使用する。SUPLにおいて、端末はSUPL可能端末(SET)と云われる。
【0100】
SUPLはSUPLサービス管理及び位置測定に関与するSUPL場所プラットフォーム(SLP)630を利用する。SUPLサービス管理はSETの場所を管理し、そして目標SETの場所情報を記憶し、抽出し、且つ修正することを含む。SLP 630はSUPL場所センター(SLC)632を含み、そしてSUPL位置測定センター(SPC)634を含む。SLC 632は場所サービスのために様々な機能を実行し、SUPLの動作を調整し、そしてユーザー平面担体上でSETと相互動作する。SLC 632はプライバシー、加入、安全性、ローミング支援、課金/請求、サービス管理、位置計算に関する機能を実行する。SPC 634はSETのために位置測定を支援し、位置計算に使用されるメッセージ及び手続きに関与し、そしてSETへの補助データの配信を支援する。SPC 634は安全性、補助データ配信、基準検索(reference retrieval)、位置計算、等々に関する機能を実行する。SPC 634はGPS受信器(基準ネットワーク、おそらくは世界的なもの)へのアクセスを有し、そして補助データを提供するために衛星の信号を受信する。
【0101】
X.S0024はX.S0024場所サーバ(PS)642及びX.S0024場所決定実体(PDE)644を含む場所実体640を利用する。PS 642はSLC 632によって実行される機能と類似した機能を実行する。PDE 644はSPC 634によって実行される機能と類似した機能を実行する。
【0102】
WLAN位置測定方法はSUPL及びX.S0024においてこれらの位置測定方法に関する識別子を持つことによって、そして/または端末からSUPLまたはX.S0024へ送られる新しい場所関連の測定を可能にすることによってSUPLまたはX.S0024において支援される。端末基準の位置測定のために、端末は測定を行い、そして場所推定を計算する。この場合には、SUPL SLPまたはSPC及びX.S0024 PSまたはPDEは端末が測定を行い、且つ/または場所推定を計算するのを助力するために場所情報を送る。場所情報は、例えば、アクセス点の場所座標、OTD法に関するRTD値、等々を含む。
【0103】
表2はここに述べたWLAN位置測定方法を支援するためにOMA SUPLに含まれる信号通信の一覧表である。セルID法に関して、セル識別子はSUPL START及びSUPL POS INITメッセージに既に含まれているが、表2に示された新しいパラメータによって拡張されている。表2に示した場所関連の情報はまた他のSUPLパラメータ及びメッセージに含まれる。
【表2】
【0104】
【0105】
【0106】
位置測定ペイロードは3GPPにおける無線資源LCSプロトコル(Radio Resource LCS Protocol:RRLP)メッセージ、3GPPにおける無線資源制御(Radio Resource Control:RRC)メッセージ、3GPP2におけるTIA-881メッセージ、等々である。
【0107】
表2における特徴によって、SUPL SLPまたはSPCは上述のWLAN位置測定方法を支援する。SLPまたはSPCはまたWLAN位置測定方法のネットワーク・サーバとして機能し、そして上述の動作を行う。SETは識別された端末として機能する。別のもしくは追加の信号通信及び特徴はまたWLAN位置測定方法を支援するためにSUPLにおいて提供される。
【0108】
同様な信号方式及び特徴はまたX.S0024において提供される。X.S0024PSまたはPDEは上述のWLAN位置測定方法を支援する。PSはWLAN位置測定方法のためのネットワーク・サーバとして機能し、そして上述の動作を行う。移動局(MS)は識別された端末として機能する。
【0109】
10.制御平面法による位置決め支援
WLANにおける端末の位置測定はまた3GPP及び3GPP2ネットワークに関する無線制御平面場所決定法の現在の能力を拡張することによって支援される。GSM、W-CDMA、及び他の3GPPネットワークのための制御平面場所決定法は3GPP TS23.271、43.059、及び25.305に記載されている。cdma2000及び他の3GPP2ネットワークのための制御平面場所決定法はX.S0002、TIA-881、及びJ-STD-036改版Bに記載されている。これらの文書は公に利用可能である。
【0110】
図7は3GPP及び3GPP2制御平面場所決定法による配置を示す。端末120は3GPPネットワーク710、3GPP2ネットワーク720、または、例えば、3GPP23.234及び3GPP2 X.P0028に記載された他の3GPPまたは3GPP2サービスにアクセスするためにWLANを使用する。3GPPネットワーク710はGSMネットワーク、W-CDMAネットワーク、等々であり、そして基地局制御器(BSC)、 無線ネットワーク制御器(RNC)、等々を含む。3GPP2ネットワーク720はcdma2000ネットワーク、等々であり、そしてBSC、等々を含む。端末120はWLAN 100と通信し、それは3GPP TS43.318に記載されたGSM及びGPRSへのアクセスを支援するためにGANとして使用される。端末120はWLAN 100と通信しているとき、WLAN位置測定方法を使用する。
【0111】
3GPP制御平面場所決定法はゲートウェイ移動体場所センター(Gateway Mobile Location Center:GMLC)732及びサービス移動体場所センター(Serving Mobile Location Center:SMLC)/単体SMLC(SAS)734を含む。GMLC 732は加入者プライバシー、許可、認証、請求、等々といった様々なサービスを行う。SMLC/SAS 734は端末に関する位置測定を支援する。3GPP制御平面場所決定法は移動体位置測定センター(Mobile Positioning Center:MPC)742及びPDE 744を含み、それは同様な方法でGMLC 732及びSMLC/SAS 734 としてそれぞれ機能する。
【0112】
3GPP制御平面場所決定法に関して、新しい信号通信及び特徴はGSMネットワークにおいて場所決めのために使用され、且つ3GPP 44.031に記載されたRRLPプロトコル、及び/またはW-CDMAネットワークおいて場所決めのために使用され、且つ3GPP 25.311に記載されたRRCプロトコルに付加される。新しい信号通信及び特徴は表2の信号通信及び特徴に同じか、もしくは似ているが、SUPLメッセージの代わりにRRLP及び/またはRRCメッセージに付加されるであろう。新しい信号通信及び特徴はWLANによって支援された3GPP GANにアクセスする端末の位置測定を支援するように拡張される。3GPPに関して、SMLC、SAS、BSC、RNC、または一般アクセス・ネットワーク制御器(GANC)はネットワーク・サーバとして機能し、そしてWLAN位置測定方法について上に述べた動作を実行する。ユーザー機器(US)または移動局(MS)は識別された端末として機能する。RRLP及びRRCに関する新しい信号通信及び特徴はまたRRLP及びRRCの双方がSUPLの一部として使用されるのでSUPLを支援するために使用される。
【0113】
3GPP制御平面場所決定法に関して、新しい信号通信及び特徴はTIA801及び3GPP2 C.S0022において定義されたプロトコルに付加される。新しい信号通信及び特徴は表2の信号通信及び特徴に同じか、もしくは似ているが、TIA801/C.S0022プロトコルに付加されるであろう。3GPP2に関して、PDEはネットワーク・サーバとして機能し、そしてWLAN位置測定方法について上に述べた動作を実行する。3GPP2における移動局(MS)は識別された端末として機能する。TIA801/C.S0022プロトコルに関する新しい信号通信及び特徴はまたTIA801/C.S0022プロトコルがSUPLの一部として使用されるのでSUPLを支援するために使用される。
【0114】
らの場合には、WLANにおけるアクセス点の役割は基地局、例えば、GSM、W-CDMAまたはcdma2000基地局と置き換えられる。アクセス点と関連する測定値もまた一つ以上の基地局の対応する測定値と置き換えられる。WLANにおける端末またはアクセス点を位置決定するためにここに述べた位置測定方法は基地局を位置決定するために使用される。
【0115】
図8はアクセス点を位置測定するための処理800を示す。測定値はWLANにおける少なくとも一つのアクセス点について取得される(ブロック812)。測定は各アクセス点によって定期的に伝送される伝送系列(例えば、ビーコン・フレーム ) に基づく。測定は異なる場所における多数の端末、または異なる場所における単一の端末によって行われる。各アクセス点の場所は測定に基づいて、且つ位置測定方法に従って決定される(ブロック814)。
【0116】
RTT法に関して、RTT測定は単一アクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。クセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のRTT測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0117】
OTD法に関して、OTD測定は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。各アクセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。RTD値は、例えば、OTD測定値を取得するために使用される伝送におけるタイミング変動を表す関数に基づいて、OTD測定に関して決定される。各アクセス点の場所はそこで更にRTD値に基づいて決定される。
【0118】
TOA法に関して、TOA測定は単一アクセス点について少なくとも一つの端末によって行われる。アクセス点の場所はそこで少なくとも一つの端末のTOA測定及び既知の場所に基づいて決定される。例えば、少なくとも一対の端末に関するOTD測定値は多数の端末によって行われたTOA測定に基づいて決定される。アクセス点の場所はそこで端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0119】
図9はアクセス点を位置測定するための処理900を示す。WLANにおいてアクセス点から伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所が取得される(ブロック912)。アクセス点の場所は少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所に基づいて決定される(ブロック914)。アクセス点の場所はさらにWLANによって使用される無線技術(例えば、IEEE 802.11)の限界範囲、少なくとも一つの端末またはアクセス点によって使用される伝送電力、等々に基づいて決定される。アクセス点の場所は、(a)少なくとも一つの端末の少なくとも場所の平均座標、(b)少なくとも一つの端末を被包する地理領域の重心(centroid)、または(c)少なくとも一つの端末場所に基づいて決定される他のいくつかの点に基づいて決定される。
【0120】
図10は端末を位置測定するための処理1000を示す。WLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する、もしくはアクセス点からの測定値が取得される(ブロック1012)。端末の場所は少なくとも一つのアクセス点の測定値及び少なくとも一つの場所に基づいて決定される(ブロック1014)。
【0121】
RTT法に関して、RTT測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこで少なくとも一つのアクセス点のRTT測定及び既知の場所に基づいて決定される。OTD法に関して、OTD測定は少なくとも2対のアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこでアクセス点のOTD測定及び既知の場所に基づいて決定される。TOA法に関して、TOA測定は端末について少なくとも三つのアクセス点によって行われる。端末の場所はそこでアクセス点のTOA測定及び既知の場所に基づいて決定される。
【0122】
AP ID法関して、測定は少なくとも一つのアクセス点、例えば、サービス・アクセス点の少なくとも一つの識別子を提供する。各アクセス点の場所はその識別子に基づいて取得される。端末の場所はそこで少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて決定される。信号強度/品質方法に関して、信号強度測定、信号品質測定、または双方は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われる。端末の場所はそこで各アクセス点の測定及び識別子に基づいて決定される。
【0123】
全ての位置測定方法に関して、端末の場所はさらに各アクセス点の場所の信頼性に基づいて決定され、それはそのアクセス点のみまたは一組のアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて決定される。
【0124】
図11は場所結果を結合するための処理1100を示す。複数の場所結果は複数の位置測定方法について取得される(ブロック1112)。位置測定方法はAP ID法、RTT法、OTD法、TOA法、信号強度/品質法、セルID法、GPS、A-GPS、等々のどれか一つ、或いはどれかの組合せを含む。複数の場所結果は最終の場所結果を取得するために結合される(ブロック1114)。局の場所推定は最終の場所結果に基づいて取得される(ブロック1116)。場所結果は局の可能な場所に関する確率密度関数に対応する。確率密度関数は最終の確率密度関数を取得するために結合される。場所結果は結合する前に位置測定方法の信頼性に基づいて重み付けされる。局に関する場所推定はそこで最終の確率密度関数に基づいて取得される。
【0125】
図12はユーザー平面場所決定による位置測定を行うための処理1200を示す。端末はWLANにおけるアクセス点と通信する(ブロック1212)。端末は端末の位置測定に関してネットワーク実体と信号通信を交換する(ブロック1214)。信号通信はアクセス点を介して交換される。ネットワーク実体はユーザー平面場所決定(例えば、SUPLまたはX.S0024)または制御平面場所決定(例えば、3GPPまたは3GPP2について)を支援する。端末はネットワーク実体から場所情報を受取る(ブロック1216)。場所情報はアクセス点場所、アクセス点識別子、アクセス点タイミング情報、補助データ、等々を含み、そして測定を行い、場所推定を計算する、等々のために使用される。端末は場所情報に基づいてその場所を決定する(ブロック1218)。
【0126】
端末基準の位置測定に関して、端末はWLANにおける少なくと一つのアクセス点、例えば、サービス・アクセス点及び/または他のアクセス点について測定値を取得する。測定はRTT測定、OTD測定、TOA測定、信号強度測定、信号品質測定、等々である。端末はそこでネットワーク実体から受取られた測定値、及び場所情報(例えば、アクセス点場所)に基づいてその場所を決定する。
【0127】
端末補助の位置測定に関して、端末はネットワーク実体から受取った場所情報に基づいてWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する。端末は測定値をネットワーク実体に送る。ネットワークはそこで測定に基づいて端末の場所を決定し、そして場所推定を端末に提供する。
【0128】
上で識別されたいずれかの方法を使用して端末について取得された場所推定はまた他の場所方法がそうでない場合にあまり正確でなく、且つ/または信頼できない状況及び環境においてこれらの他の場所方法(例えば、GPS及びA-GPS)の精度及び信頼性を改善するために使用される。
【0129】
図13は図1における一つのアクセス点110、一つの端末120、及びネットワーク・サーバ130のブロック図を示す。簡単にするために、図13は端末120についてただ一つの制御器/プロセッサ1320、一つのメモリ1322、及び一つの送受信器1324、そしてアクセス点110について一つの通信(Comm)ユニット1336、そしてネットワーク・サーバ130についてただ一つの/プロセッサ1340、一つのメモリ1342、及び一つの通信ユニット1344を示す。一般に、各実体はいくつかのプロセッサ、制御器、メモリ、送受信器、通信ユニット、等々を含む。端末120は 一つ以上の他の無線ネットワーク、例えば、GSM、W-CDMA、及び/またはcdma2000ネットワークとの無線通信を支援する。端末120はまた一つ以上の衛星測位システム、例えば、GPS、ガリレオ、等々から信号を受信し、且つ処理する。
【0130】
下り回線上で、アクセス点110はトラヒック・データ、信号、及びパイロットをその通信可能区域内の端末に伝送する。これらの様々な形式のデータはプロセッサ1330によって処理され、そして送受信器1334によってアンテナを介して伝送される下り回線信号を生成するために調整される。端末120において、 一つ以上のアクセス点からの下り回線信号はアンテナによって受信され、送受信器1324によって調整され、そしてプロセッサ1320によって様々な形式の情報を取得するために処理される。例えば、送受信器1324及び/またはプロセッサ1320は上で述べたいずれかのWLAN位置測定方法のために様々な測定を行う。メモリ1322及び1332は端末120及びアクセス点110のためのプログラム・コード及びデータを記憶する。
【0131】
上り回線上で、端末120はトラヒック・データ、信号、及びパイロットをWLAN100における一つ以上のアクセス点に伝送する。これらの様々な形式のデータはプロセッサ1320によって処理され、そして送受信器1324によって上り回線信号を生成するために調整され、それは端末アンテナを介して伝送される。アクセス点110で、端末120及び他の端末からの上り回線信号は送受信器1334によって受信され、且つ調整され、そしてプロセッサ1330によってさらに端末から様々な形式の情報を取得するためにさらに処理される。アクセス点110は直接的もしくは間接的にネットワーク・サーバ130と通信ユニット1336を介して通信する。
【0132】
ネットワーク・サーバ内で、プロセッサ1340は上で述べたあるWLAN位置測定方法のために処理を行う。例えば、プロセッサ1340は様々なWLAN位置測定方法に関するデータベースを構築し、且つ維持し、場所情報を端末に提供し、端末及び/またはアクセス点のために場所推定を計算する、等々。記憶1342はネットワーク・サーバ130のためにプログラム・コード及びデータを記憶する。通信ユニット1344によってネットワーク・サーバ130はアクセス点110及び/または他のネットワーク実体と通信することが可能となる。
【0133】
ここに述べた技術は様々な方法によって実施される。例えば、これらの技術はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれの組合せにおいて実施される。ハードウェアのための実施に関して、局(例えば、端末、アクセス点、または他の実体)において位置測定を行うために使用される処理装置は一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC) 、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラムマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに述べた機能を実行するために設計された他の電子ユニット、コンピュータ、またはそれの組合せの中で実施される。
【0134】
ファームウェア及び/またはソフトウェア実施に関して、その技術はここに述べた機能を実行するモジュール(例えば、手続き、機能、等々)によって実施される。ファームウェア及び/またはソフトウェア・コードはメモリ(例えば、図13におけるメモリ1322、1332または1342)に記憶され、そしてプロセッサ(例えば、プロセッサ1320、1330、または1340)によって実行される。メモリはプロセッサ内、またはプロセッサの外部で実施される。
【0135】
見出し(headings)は参照及びある欄(項)を配置する際の助けのためにここに含まれる。これらの見出しはその中に述べた概念の範囲を限定しようとするものではなく、そしてこれらの概念は全体の仕様を通して他の欄においても適用性を有する。
【0136】
本開示の前記の記述は当業者が開示をなし、且つ使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は当業者には明白であり、そしてここに定義された一般原理は本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の変形にも適用される。従って、本開示はここに述べた例に制限しようとするものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致している最も広い範囲を与えられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項2】
測定は少なくとも一つのアクセス点によって定期的に伝送された伝送系列に基づく、請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた往復時間(round trip time:RTT)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つの端末のRTT測定及び既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
少なくとも一つのアクセス点は一対のアクセス点に対応し、測定は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(observed time difference:OTD)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
OTD測定は多数の端末によって異なる場所で行われ、プロセッサは少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
プロセッサはOTD測定に関する実時間差(RTD)値を決定し、RTD値に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項4記載の装置。
【請求項7】
プロセッサはOTD測定値を取得するために使用される伝送におけるタイミング変動を表す関数に基づいてRTD値を決定する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのTOA測定及び既知の端末の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項9】
TOA測定は多数の端末によって異なる場所で行われ、プロセッサは多数の既知の端末のTOA測定及び場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について多数の端末によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは観察した多数の端末によって行われたTOA測定に基づいて少なくとも一対の端末に関する観測時間差(OTD)測定値を取得し、かつ多数の端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項8記載の装置。
【請求項11】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得すること、及び
測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定することを含む方法。
【請求項12】
測定値を取得することは一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(OTD)測定値を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つの端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいて各アクセス点の対の場所を決定することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
測定値を取得することは一つのアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた到着時間(TOA)測定値を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つの端末のTOA測定値及び既知の場所に基づいて一つのアクセス点の場所を決定することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する手段、及び
測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定する手段を具備する装置。
【請求項15】
測定値を取得する手段は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(OTD)測定値を取得する手段を含み、場所を決定する手段は少なくとも一つの端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいて対における各アクセス点の場所を決定する手段を具備する、請求項14記載の装置。
【請求項16】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)においてアクセス点からの伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所を取得し、少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所に基づいてアクセス点の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項17】
プロセッサはさらにWLANによって使用される無線技術の限界範囲に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項18】
プロセッサはさらに少なくとも一つの端末またはアクセス点に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項19】
プロセッサは少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所の平均座標に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項20】
プロセッサは少なくとも一つの端末を被包する地理領域の重心に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項21】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、少なくとも一つのアクセス点に関する測定値及び少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項22】
測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた往復時間(RTT)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点のRTT測定及び少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項23】
少なくとも一つのアクセス点は少なくとも二対のアクセス点に対応し、測定は少なくとも二対のアクセス点について端末によって行われた観測時間差(OTD)測定を含み、プロセッサは少なくとも二対のアクセス点のOTD測定及び場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項24】
測定は端末について少なくとも一つのアクセス点によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点のTOA測定及び場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項25】
測定は少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの識別子を提供し、プロセッサは少なくとも一つの識別子に基づいて少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所を取得し、かつ少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項26】
測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項27】
プロセッサは少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所の信頼性にさらに基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項28】
プロセッサはアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて各アクセス点の場所の信頼性を決定する、請求項27記載の装置。
【請求項29】
プロセッサが一組のアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて各アクセス点の場所の信頼性を決定する、請求項27記載の装置。
【請求項30】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得すること、及び
少なくとも一つのアクセス点に関する測定及びに少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定することを含む方法。
【請求項31】
測定値を取得することは少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定することを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する手段、及び
少なくとも一つのアクセス点に関する測定及び少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する手段を具備する装置。
【請求項33】
測定値を取得する手段は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を取得する手段を含み、場所を決定する手段は少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定する手段を具備する、請求項32記載の装置。
【請求項34】
複数の位置測定方法に関する複数の場所結果を取得し、最終の場所結果を取得するために複数の場所結果を結合し、最終の場所結果に基づいて局に関する場所推定を取得するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項35】
複数の場所結果は局の可能な場所に関する複数の確率密度関数に対応し、プロセッサは最終の確率密度関数を取得するために複数の確率密度関数を結合し、最終の確率密度関数に基づいて局に関する場所推定を取得する、請求項34記載の装置。
【請求項36】
プロセッサは複数の位置測定方法の信頼性に基づいて複数の場所結果を重み付けする、請求項35記載の装置。
【請求項37】
複数の位置測定方法はアクセス点識別子(AP ID)法、往復時間(RTT)法、観測時間差(OTD)法、到着時間(TOA)法、信号強度または信号品質方法、全地球測位システム(GPS)法、及び援用GPS(A-GPS)法のうちの少なくとも一つを含む、請求項35記載の装置。
【請求項38】
複数の位置測定方法について複数の場所結果を取得すること、
最終の場所結果を取得するために複数の場所を結合すること、及び
最終の場所結果に基づいて局に関する場所推定を取得することを含む方法。
【請求項39】
複数の場所結果を結合することは最終の場所結果について複数の確率密度関数を取得するために複数の場所結果に関する複数の確率密度関数を結合することを含み、場所推定を取得することは最終の確率密度関数に基づいて局に関する場所推定を取得することを含む、請求項38記載の装置。
【請求項40】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)においてアクセス点と通信し、局の位置測定のためにネットワーク実体と信号通信を交換し、ネットワーク実体から場所情報を受取り、かつ場所情報に基づいて局の場所を決定するためのプロセッサであって、信号通信はアクセス点を介して交換され、かつネットワーク実体はユーザー平面場所決定または制御平面場所決定を支援するプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項41】
局はアクセス点と通信し、ネットワーク実体と信号通信を交換する端末である、請求項40記載の装置。
【請求項42】
局はアクセス点である、請求項40記載の装置。
【請求項43】
場所情報はアクセス点場所、アクセス点識別子、及びアクセス点タイミング情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項40記載の装置。
【請求項44】
プロセッサはWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、ネットワーク実体から受取られた測定値及び場所情報に基づいて局の場所を決定する、請求項40記載の装置。
【請求項45】
測定は往復時間(RTT)測定、観測時間差(OTD)測定、到着時間(TOA)測定、信号強度測定、及び信号品質測定のうちの少なくとも一つを含む、請求項44記載の装置。
【請求項46】
プロセッサはネットワーク実体から受取られた場所情報に基づいてWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、測定値をネットワーク実体に送り、かつネットワーク実体から局に関する場所推定を取得する、請求項40記載の装置。
【請求項47】
ネットワーク実体はユーザー平面場所決定(Secure User Plane Location:SUPL)またはX.S0024を支援する、請求項40記載の装置。
【請求項48】
ネットワーク実体は3GPPネットワークまたは3GPP2ネットワークに使用される制御平面場所決定を支援する、請求項40記載の装置。
【請求項1】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項2】
測定は少なくとも一つのアクセス点によって定期的に伝送された伝送系列に基づく、請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた往復時間(round trip time:RTT)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つの端末のRTT測定及び既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
少なくとも一つのアクセス点は一対のアクセス点に対応し、測定は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(observed time difference:OTD)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
OTD測定は多数の端末によって異なる場所で行われ、プロセッサは少なくとも一つの端末のOTD測定及び既知の場所に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
プロセッサはOTD測定に関する実時間差(RTD)値を決定し、RTD値に基づいて各アクセス点の場所を決定する、請求項4記載の装置。
【請求項7】
プロセッサはOTD測定値を取得するために使用される伝送におけるタイミング変動を表す関数に基づいてRTD値を決定する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのTOA測定及び既知の端末の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項1記載の装置。
【請求項9】
TOA測定は多数の端末によって異なる場所で行われ、プロセッサは多数の既知の端末のTOA測定及び場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一つのアクセス点は一つのアクセス点に対応し、測定はアクセス点について多数の端末によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは観察した多数の端末によって行われたTOA測定に基づいて少なくとも一対の端末に関する観測時間差(OTD)測定値を取得し、かつ多数の端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項8記載の装置。
【請求項11】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得すること、及び
測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定することを含む方法。
【請求項12】
測定値を取得することは一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(OTD)測定値を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つの端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいて各アクセス点の対の場所を決定することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
測定値を取得することは一つのアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた到着時間(TOA)測定値を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つの端末のTOA測定値及び既知の場所に基づいて一つのアクセス点の場所を決定することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する手段、及び
測定値に基づいて少なくとも一つのアクセス点の各々の場所を決定する手段を具備する装置。
【請求項15】
測定値を取得する手段は一対のアクセス点について少なくとも一つの端末によって行われた観測時間差(OTD)測定値を取得する手段を含み、場所を決定する手段は少なくとも一つの端末のOTD測定値及び既知の場所に基づいて対における各アクセス点の場所を決定する手段を具備する、請求項14記載の装置。
【請求項16】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)においてアクセス点からの伝送を受取る少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所を取得し、少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所に基づいてアクセス点の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項17】
プロセッサはさらにWLANによって使用される無線技術の限界範囲に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項18】
プロセッサはさらに少なくとも一つの端末またはアクセス点に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項19】
プロセッサは少なくとも一つの端末の少なくとも一つの場所の平均座標に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項20】
プロセッサは少なくとも一つの端末を被包する地理領域の重心に基づいてアクセス点の場所を決定する、請求項16記載の装置。
【請求項21】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、少なくとも一つのアクセス点に関する測定値及び少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項22】
測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた往復時間(RTT)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点のRTT測定及び少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項23】
少なくとも一つのアクセス点は少なくとも二対のアクセス点に対応し、測定は少なくとも二対のアクセス点について端末によって行われた観測時間差(OTD)測定を含み、プロセッサは少なくとも二対のアクセス点のOTD測定及び場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項24】
測定は端末について少なくとも一つのアクセス点によって行われた到着時間(TOA)測定を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点のTOA測定及び場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項25】
測定は少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの識別子を提供し、プロセッサは少なくとも一つの識別子に基づいて少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所を取得し、かつ少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項26】
測定は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を含み、プロセッサは少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項27】
プロセッサは少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所の信頼性にさらに基づいて端末の場所を決定する、請求項21記載の装置。
【請求項28】
プロセッサはアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて各アクセス点の場所の信頼性を決定する、請求項27記載の装置。
【請求項29】
プロセッサが一組のアクセス点に関する場所経緯情報に基づいて各アクセス点の場所の信頼性を決定する、請求項27記載の装置。
【請求項30】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得すること、及び
少なくとも一つのアクセス点に関する測定及びに少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定することを含む方法。
【請求項31】
測定値を取得することは少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を取得することを含み、場所を決定することは少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定することを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得する手段、及び
少なくとも一つのアクセス点に関する測定及び少なくとも一つのアクセス点の少なくとも一つの場所に基づいて端末の場所を決定する手段を具備する装置。
【請求項33】
測定値を取得する手段は少なくとも一つのアクセス点について端末によって行われた信号強度測定、信号品質測定、または信号強度と信号品質測定の両方を取得する手段を含み、場所を決定する手段は少なくとも一つのアクセス点の測定及び識別子に基づいて端末の場所を決定する手段を具備する、請求項32記載の装置。
【請求項34】
複数の位置測定方法に関する複数の場所結果を取得し、最終の場所結果を取得するために複数の場所結果を結合し、最終の場所結果に基づいて局に関する場所推定を取得するためのプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項35】
複数の場所結果は局の可能な場所に関する複数の確率密度関数に対応し、プロセッサは最終の確率密度関数を取得するために複数の確率密度関数を結合し、最終の確率密度関数に基づいて局に関する場所推定を取得する、請求項34記載の装置。
【請求項36】
プロセッサは複数の位置測定方法の信頼性に基づいて複数の場所結果を重み付けする、請求項35記載の装置。
【請求項37】
複数の位置測定方法はアクセス点識別子(AP ID)法、往復時間(RTT)法、観測時間差(OTD)法、到着時間(TOA)法、信号強度または信号品質方法、全地球測位システム(GPS)法、及び援用GPS(A-GPS)法のうちの少なくとも一つを含む、請求項35記載の装置。
【請求項38】
複数の位置測定方法について複数の場所結果を取得すること、
最終の場所結果を取得するために複数の場所を結合すること、及び
最終の場所結果に基づいて局に関する場所推定を取得することを含む方法。
【請求項39】
複数の場所結果を結合することは最終の場所結果について複数の確率密度関数を取得するために複数の場所結果に関する複数の確率密度関数を結合することを含み、場所推定を取得することは最終の確率密度関数に基づいて局に関する場所推定を取得することを含む、請求項38記載の装置。
【請求項40】
無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)においてアクセス点と通信し、局の位置測定のためにネットワーク実体と信号通信を交換し、ネットワーク実体から場所情報を受取り、かつ場所情報に基づいて局の場所を決定するためのプロセッサであって、信号通信はアクセス点を介して交換され、かつネットワーク実体はユーザー平面場所決定または制御平面場所決定を支援するプロセッサ、及び
プロセッサに結合されたメモリを具備する装置。
【請求項41】
局はアクセス点と通信し、ネットワーク実体と信号通信を交換する端末である、請求項40記載の装置。
【請求項42】
局はアクセス点である、請求項40記載の装置。
【請求項43】
場所情報はアクセス点場所、アクセス点識別子、及びアクセス点タイミング情報のうちの少なくとも一つを含む、請求項40記載の装置。
【請求項44】
プロセッサはWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、ネットワーク実体から受取られた測定値及び場所情報に基づいて局の場所を決定する、請求項40記載の装置。
【請求項45】
測定は往復時間(RTT)測定、観測時間差(OTD)測定、到着時間(TOA)測定、信号強度測定、及び信号品質測定のうちの少なくとも一つを含む、請求項44記載の装置。
【請求項46】
プロセッサはネットワーク実体から受取られた場所情報に基づいてWLANにおける少なくとも一つのアクセス点に関する測定値を取得し、測定値をネットワーク実体に送り、かつネットワーク実体から局に関する場所推定を取得する、請求項40記載の装置。
【請求項47】
ネットワーク実体はユーザー平面場所決定(Secure User Plane Location:SUPL)またはX.S0024を支援する、請求項40記載の装置。
【請求項48】
ネットワーク実体は3GPPネットワークまたは3GPP2ネットワークに使用される制御平面場所決定を支援する、請求項40記載の装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−105311(P2012−105311A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−279911(P2011−279911)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2008−540322(P2008−540322)の分割
【原出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279911(P2011−279911)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2008−540322(P2008−540322)の分割
【原出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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