説明

Webサーバと情報をやり取りする携帯情報通信装置

【課題】 外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続可能な携帯情報通信装置がWebサーバにアクセスした場合、携帯情報通信装置は、外部ディスプレイ接続状況に応じて、Webサーバから適合性の高いよりデータを受信することを実現する手段を提供する。
【解決手段】 携帯情報通信装置がWebサーバに対する送信要求等をインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信する際には、送信要求等に外部ディスプレイ接続情報を含めて送信し、より詳細には、送信要求等に伴われるユーザーエージェント情報の一部として外部ディスプレイ接続情報を送信する。一方、Webサーバが携帯情報通信装置にデータを送信する際には、受信した外部ディスプレイ接続情報に基づき、送信するデータを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの携帯情報通信装置、及び該携帯情報通信装置と情報をやり取りするWebサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電子・情報技術及び通信技術の進歩により、移動通信システム、及び、移動通信用端末である携帯電話機等の携帯情報通信装置のデータ通信・処理機能は高度化し、電子メールの送受信機能はもちろん、ブラウザ機能を標準的に有するようになってきている。このブラウザ機能においては、WebサーバからHTML(Hyper Text Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)又はそれらをベースとするマークアップ言語で記述された文書ファイル(以下、マークアップ文書ファイルと略記する)及びそのリンクファイルを取得し、適切にレイアウトした上で、通常は液晶ディスプレイである付属ディスプレイに文字や画像を表示することによってWebページを閲覧することができる。
【0003】
しかしながら、携帯情報通信装置においては、その携帯性が重視されるため大きいサイズのディスプレイを付属させることができない。このため、携帯電話機の場合、付属ディスプレイの画面サイズは最大でも2.5インチ程度であり、また、画面解像度(水平画素数×垂直画素数)は最大でもQVGA(Quarter
Video Graphics Array)サイズ(携帯電話機においては、通常、縦長画面であるため、水平画素数×垂直画素数=240×320画素)程度となっている。
【0004】
このような事情から、携帯情報通信装置でWebページを閲覧する際には、以下のような制約がある。
すなわち、通常、PC(Personal Computer)で閲覧されることを想定して作成されるWebページ(以下、PC向けWebページと略記する)は、HTMLで記述された文書ファイル(以下、HTMLファイルと略記する)及びそのリンクファイルで構成される。ところが、多くの携帯電話機では、付属ディスプレイの画面サイズ・画面解像度が小さいことを理由の一つとして、フルスペックのHTMLで記述されたWebページを適切に閲覧することはできず、閲覧できるのはPC向けWebサイトとは別個に構築されたいわゆる「ケータイ向けサイト」のWebページであって、CHTML(Compact
HTML)、HDML(Handheld Device Markup Language)又はWML(Wireless Markup Language)等の携帯情報通信装置向けに特化したマークアップ言語で記述されたWebページだけとなっている。このため、特に解像度の高い画像ファイルにリンクしたHTMLファイルで記述されたWebページは、ほとんどの場合付属ディスプレイに正しく表示できず、また、画面を複数のフレームに分割し、各フレームに異なるURL(Uniform
Resource Locator)を有するファイルを割り当てるフレーム表示のWebページからなるWebサイトを含むWebサーバでは、Webサーバ側で携帯電話機からの該Webサイトへのアクセスを拒絶するような設定とする場合もある。
【0005】
最近は、PC向けWebページを閲覧できる「フルブラウザ機能」又は「PCサイトビュー機能」を有する携帯電話機が発売されているが、多くの場合、画像を付属ディスプレイの画面水平解像度(縦長QVGAの場合、240画素)に合わせて縮小したり、テキスト部分を画面幅で改行したり、フレーム表示のWebページについてはフレーム単位での画面イメージを表示したりするなど特殊なレンダリングモードを採用しており、Webページの作成者が本来意図したはずの、PCの画面イメージとして実現されるレイアウトで表示されるわけではない。
また、携帯電話機によっては、PCでの画面イメージに近いレイアウトで表示するレンダリングモードを有する場合もあるが、通常、PC向けWebページは、最低でもVGA(Video Graphics Array)サイズ(水平画素数×垂直画素数=640×480画素)の画面で閲覧されることを想定して作成するため、このレンダリングモードでは、水平スクロールを何度も繰り返さなければWebページの全体を閲覧することができず、したがって、Webページの全容を理解することに支障が生じる。
【0006】
このような問題を解決するため、特許文献1及び特許文献2においては、文字入力手段(又は外部キャラクタ入力手段)、送受信手段、表示手段、記憶手段及びデータ処理手段を備えた携帯情報通信装置において、外部ディスプレイ手段と外部文字入力手段(又は外部キャラクタ入力手段)とを含む周辺装置を接続するインターフェース手段Aを備えるとともに、データ処理手段とインターフェース手段Aが相俟って、外部ディスプレイ手段に外部表示データを送信する機能と、外部文字入力手段(又は外部キャラクタ入力手段)から外部文字データ(又は外部キャラクタデータ)を受信する機能を実現できるような構成とした携帯情報通信装置が開示されている。
【0007】
また、該携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニットであって、該携帯情報通信装置のインターフェース手段Aと接続され、該インターフェース手段Aから外部表示データを受信する機能と、該インターフェース手段Aに外部文字データ(又は外部キャラクタデータ)を送信する機能とを有するインターフェース手段Bと、外部文字入力装置(又は外部キャラクタ入力装置)と外部ディスプレイ装置とが接続され、外部文字入装置(又は外部キャラクタ入力装置)から外部文字データ(又は外部キャラクタデータ)を受信する機能と、外部ディスプレイ装置に外部表示信号を送信する機能とを有するインターフェース手段Cとを備える携帯情報通信装置用接続ユニットが開示されている。
【0008】
さらに、該携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットであって、ユーザのキー操作に応じて外部文字データ(又は外部キャラクタデータ)を生成して後記インターフェース手段Dへ送信する外部文字入力手段(又は外部キャラクタ入力手段)と、後記インターフェース手段D経由で外部表示データを受信して文字や画像を表示する外部ディスプレイ手段と、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段Aと接続され、該インターフェース手段Aから外部表示データを受信する機能と、該インターフェース手段Aに外部文字データ(又は外部キャラクタデータ)を送信する機能とを有するインターフェース手段Dとを備える携帯情報通信装置用外部入出力ユニットが開示されている。
【0009】
そこで開示された携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続し、該接続ユニットに外部文字入力装置(又は外部キャラクタ入力装置)と外部ディスプレイ装置とを接続することによって、又は、携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットを接続することによってPCシステムを構成し、外部ディスプレイ装置又は外部入出力ユニットにおける外部ディスプレイ手段として大画面及び/又は高解像度のものを採用することにより、携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面サイズ・画面解像度に制約を受けることなく高解像度の画像を表示することができるため、PC向けWebページも支障なく閲覧できるようになる。
【0010】
ところが、特許文献1及び特許文献2で開示されたように、携帯情報通信装置が大画面及び/又は高解像度の外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続したとしても、例えば、Webサーバ側で、例えば、PC向けWebサイトに対する携帯電話機などの携帯情報通信装置からのアクセスを拒絶するという設定のままであれば、当該Webサイトを構成するWebページを閲覧できないという状況は変わらない。
【0011】
一方、例えば、Webサイト側で、アクセスしてきた携帯情報通信装置の機種情報等に基づき、該携帯情報通信装置が「外部ディスプレイ手段を伴う機能を有している機種か、そうでない機種か」を判別し、その判別結果に基づいてアクセス管理を行うというような方式も可能である。しかしながら、そのような方式では、現在、多くのWebサイトで行われている「自動振り分け機能」、すなわち、「自動振り分け機能」とは、CGI(Common Gateway Interface)やPHP(Hypertext Preprocessor)の機能を用いて、アクセス元の端末情報(通常は、PCか携帯電話機か、携帯電話機ならどの通信会社の携帯電話機であるかの情報を)に基づき、送信するデータファイル(マークアップ文書ファイル)を振り分ける機能には適合できない。
なぜなら、特許文献1及び特許文献2で開示されたような技術の場合、携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続している場合でも、携帯情報通信装置をそれ単独で使用している場合でも、携帯情報通信装置自体には変わりがないため、携帯情報通信装置の機種情報だけでは、「外部ディスプレイを伴う外部装置が接続されているか否かに関わらず、同一のデータファイルを送信することになる。このため、携帯情報通信装置をそれ単独で使用しているにもかかわらず、大画面及び/又は高解像度のディスプレイ手段でないと全体が把握できないデータファイルが送信されたり、携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続しているにもかかわらず、小画面・低画面解像度を想定した情報量の少ないデータファイルが送信されたりするというミスマッチが生じる。
【0012】
【特許文献1】特開2006−191678
【特許文献2】特開2006−295965
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続可能な携帯情報通信装置がWebサーバにアクセスした場合、該携帯情報通信装置は、該Webサーバから、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を実際に接続しているか否かの状況(以下、外部ディスプレイ接続状況)に応じて、より適合性の高いデータを受信すること、例えば、携帯情報通信装置が外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続している場合には、高解像度の画像データファイルを受信し、携帯情報通信装置が単独で使用されている場合には、低解像度の画像データファイルを受信することを実現する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、携帯情報通信装置に係る第1の発明は、無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータを格納する記憶手段と;前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と;画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と;外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続し、該外部装置に対して、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部表示信号を送信するインターフェース手段Aと;を備えるとともに、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、Webサーバに対するデータの送信要求及びその他の情報(以下、送信要求等と略記する)をインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信するとともに、インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより、Webサーバからデータを取得する機能を実現し、前記データ処理手段は、前記データをリアルタイムで処理することによって、及び/又は、前記データを前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによって、デジタル表示信号を生成する機能を有する携帯情報通信装置において、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、前記送信要求等に伴って外部ディスプレイ接続情報を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0015】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「デジタル表示信号」には、ビットマップ方式等で定義されたデジタル画像データに直接対応した信号だけでなく、デジタル画像データの生成(描画)を命令する描画命令のデジタル信号も含む。
また、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置」には、ディスプレイパネル等が該外部装置の筐体の一部を構成していたり、ディスプレイパネル等が外部装置の本体筐体とヒンジ等で接続されることにより実質的に一体的に構成されていたりする装置だけではなく、「外部ディスプレイ装置と、該外部ディスプレイ装置と携帯情報通信装置とを媒介する接続ユニットとがケーブルで接続されている装置」も含む。そして、「外部装置における外部ディスプレイ手段」という表記によって、「外部装置に含まれた外部ディスプレイ手段又は外部装置に接続された外部ディスプレイ手段」を意味する。
さらに、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部表示信号」とは、外部装置における外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味する。そして、表示信号又は画像データファイル(以下、表示信号等と略記する)を「適切に処理する」とは、外部ディスプレイ装置ディスプレイ手段、又は、データ処理手段及びディスプレイ手段が、表示信号等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を、ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており、より具体的には、物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像間引いて表示画像の解像度を小さくしたり、画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないことを意味している。
また、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部ディスプレイ接続情報」は、「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されているか否かを判別可能な情報」を意味する。
【0016】
また、携帯情報通信装置に係る第2の発明は、第1の発明の携帯情報通信装置において、前記送信要求等はユーザーエージェント情報を伴っており、前記外部ディスプレイ接続情報は、該ユーザーエージェント情報の一部として送信されるようにしたものである。
【0017】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「ユーザーエージェント情報」とは、Webサーバから取得したデータを取得して解釈するWebクライアント側のシステム情報のことである。特に、HTTP(HyperText Transfer Protocol)においては、データの送信要求に伴って「ユーザーエージェント文字列」として送信されるため、外部ディスプレイ接続情報をユーザーエージェント情報の一部として送信する際には、ユーザーエージェント文字列の中に外部ディスプレイ接続状況を表現する文字列を含めることになる。
【0018】
また、携帯情報通信装置に係る第3の発明は、第1又は第2の発明の携帯情報通信装置において、マニュアル操作によって及び/又は別の方法によって地図表示領域を指定し、該地図表示領域情報をデジタル信号に変換して前記データ処理手段に送信する地図表示領域指定手段を備え、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、前記地図表示領域情報をインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信する機能と;インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより、Webサーバから地図画像データファイルを取得する機能と;を実現するとともに、前記データ処理手段は、該地図情報データファイルをリアルタイムで処理することによって、及び/又は、該地図情報データファイルを前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによって、前記地図表示領域に対応する地図画像のデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0019】
また、携帯情報通信装置に係る第4の発明は、第3の発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段は、GPS(Global
Positioning System)衛星から送信される電波信号(以下、GPS信号と略記する)を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信する機能を有し、前記データ処理手段は、該デジタルGPS信号を処理することにより自らの現在位置(以下、自位置と略記する)を算出する機能を有し、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、前記自位置情報を前記地図表示領域情報の少なくとも一部としてインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信する機能を実現することにより、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、前記地図表示領域指定手段の少なくとも一部の機能を実現するようにしたものである。
【0020】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「デジタルGPS信号」とは、電波信号であるGPS信号をデジタル信号に変換した信号を意味する。
【0021】
また、携帯情報通信装置に係る第5の発明は、第3又は第4の発明の携帯情報通信装置において、自位置算出手段又は「マニュアル操作によって及び/又は音声によって出発地情報を入力する出発地入力手段」のうちの少なくとも一つと;マニュアル操作によって及び/又は音声によって目的地情報を入力する目的地入力手段と;を備え、前記データ処理手段と前記無線通信手段とが相俟って、「前記自位置情報及び/又は前記出発地情報」と前記目的地情報とをインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信する機能を有するようにしたものである。
【0022】
また、Webサーバに係る第6の発明は、Webクライアントから受信した送信要求等に基づき、該Webクライアントにデータを送信するWebサーバであって、第1乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置から受信した送信要求等が含む外部ディスプレイ接続情報に基づいて、前記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されているか否かを判別する外部ディスプレイ接続判別手段と;該外部ディスプレイ接続判別手段が判別した結果に基づき、前記携帯情報通信装置に送信するデータを切り替えるための送信データ切替手段と;を備えるようにしたものである。
【0023】
また、Webサーバに係る第7の発明は、第6の発明のWebサーバにおいて、記述内容は略共通であるがレイアウト形式は異なる複数のマークアップ文書ファイルを格納するファイル格納手段を備え、前記送信データ切替手段は、前記外部ディスプレイ接続判別手段が前記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていると判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数のマークアップ文書ファイルのうち、改行幅がより広い固定幅レイアウトのマークアップ文書ファイルを送信し、前記外部ディスプレイ接続判別手段が記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないと判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数のマークアップ文書ファイルのうち、改行幅がより狭い固定幅レイアウトのマークアップ文書ファイル又はリキッドレイアウトのマークアップ文書ファイルを送信する機能を有するようにしたものである。
【0024】
また、Webサーバに係る第8の発明は、第6又は第7の発明のWebサーバにおいて、表示対象は略共通が本来解像度は異なる複数の画像データファイルを格納するファイル格納手段を備え、前記送信データ切替手段は、前記外部ディスプレイ接続判別手段が前記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていると判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数の画像データファイルのうち、本来解像度がより高い画像データファイルを送信し、前記外部ディスプレイ接続判別手段が記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないと判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数の画像データファイルのうち、本来解像度がより低い画像データファイルを送信する機能を有するようにしたものである。
【0025】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「画像データファイルの『本来解像度』」とは、該画像データファイルを受信して適切に処理することにより表示される本来の画像の解像度を意味する。
また、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「(画像データファイルが)表示対象は略共通であるが本来解像度は異なる」ケースには、「表示対象の表示範囲は略共通であり、本来解像度だけが異なる」ケースと「本来解像度だけでなく、表示対象の表示範囲自体が異なる」ケースの双方を含む。また、特に画像データファイルが文字等のキャラクタ情報を含む場合、例えば、「表示対象の表示範囲は略共通であり、本来解像度だけが異なる」ケースには、「含まれるキャラクタ情報は略共通であるが、そのキャラクタ表示のフォント等が異なる」ケースと「キャラクタ表示のフォント等だけではなく、含まれるキャラクタ情報自体に過不足がある」ケースの双方を含む。
【0026】
また、Webサーバに係る第9の発明は、第8の発明のWebサーバにおいて、前記ファイル格納手段は、同一地点を含むが本来解像度は異なる複数の地図画像データファイルを格納し、Webクライアントから送信される送信要求及び表示領域情報に基づき、前記ファイル格納手段に格納された地図画像データファイルから、前記表示領域に対応した地図画像データファイルを選択するファイル選択手段を備えた上で、該ファイル選択手段と前記送信データ切替手段とが相俟って、前記外部ディスプレイ接続判別手段が前記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていると判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数の地図画像データファイルのうち、前記表示領域の少なくとも一部を含み、本来解像度がより高い地図画像データファイルを送信し、前記外部ディスプレイ接続判別手段が記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないと判別した場合には、前記ファイル格納手段に格納された複数の画像データファイルのうち、前記表示領域の少なくとも一部を含み、本来解像度がより低い地図画像データファイルを送信する機能を有するようにしたものである。
【0027】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「(地図画像データファイルが)同一地点を含むが本来解像度は異なる」ケースには、「地図表示領域の分割メッシュサイズは同じであり、本来解像度だけが異なる」ケースと「本来解像度だけではなく、地図表示領域の分割メッシュサイズ自体が異なる」ケースの双方を含む。また、特に地図画像データファイルが地名や施設名等のキャラクタ情報を含む場合、例えば、「地図表示領域の分割メッシュサイズは同じであり、本来解像度だけが異なる」ケースには、「含まれるキャラクタ情報は略共通であり、そのキャラクタ表示のフォント等が異なる」ケースと「キャラクタ表示のフォント等だけではなく、含まれるキャラクタ情報自体に過不足がある」ケースの双方を含む。
【0028】
また、Webサーバに係る第10の発明は、第6の発明のWebサーバにおいて、Webクライアントから送信されるデータに基づいて必要な処理を行い、該Webクライアントに送信すべきデータを出力する複数のアプリケーション・ソフトウェアを実行するアプリケーション実行手段を備え、前記送信データ切替手段は、前記外部ディスプレイ接続判別手段が判別した結果に基づき、アプリケーション実行手段で実行させるアプリケーション・ソフトウェアを切り替える機能を有するようにしたものである。
【0029】
また、Webサーバに係る第11の発明は、第6の発明のWebサーバにおいて、Webクライアントから送信されるデータに基づいて必要な処理を行い、該Webクライアントに送信すべきデータを出力するアプリケーション・ソフトウェアであって、複数のモードで動作可能なアプリケーション・ソフトウェアを実行するアプリケーション実行手段を備え、前記送信データ切替手段は、前記外部ディスプレイ接続判別手段が判別した結果に基づき、アプリケーション実行手段で実行されるアプリケーション・ソフトウェアのモードを切り替える機能を有するようにしたものである。
【0030】
また、Webサーバに係る第12の発明は、第10又は第11の発明のWebサーバにおいて、前記アプリケーション実行手段が、Webクライアントから送信されるデータに基づいてマークアップ文書ファイルを生成する機能を有し、前記送信データ切替手段と前記アプリケーション実行手段とが相俟って、前記外部ディスプレイ接続判別手段が前記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていると判別した場合には、改行幅がより広い固定幅レイアウトのマークアップ文書ファイルを生成して送信し、前記外部ディスプレイ接続判別手段が記携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないと判別した場合には、改行幅がより狭い固定幅レイアウトのマークアップ文書ファイル又はリキッドレイアウトのマークアップ文書ファイルを生成して送信する機能を有するようにしたものである。
【0031】
また、Webサーバに係る第13の発明は、第10乃至第12のいずれか一つの発明のWebサーバにおいて、前記アプリケーション・ソフトウェアは、Webクライアントから送信される送信要求、「該Webクライアントの自位置情報又は出発地情報」及び目的地情報に基づき目的地までの最適経路を算出し、該最適経路情報を前記Webクライアントに送信する機能を有するようにしたものである。
【0032】
また、Webサーバに係る第14の発明は、第10乃至第13のいずれか一つの発明のWebサーバにおいて、前記アプリケーション・ソフトウェアは、Webクライアントから送信される送信要求、「該Webクライアントの自位置情報又は出発地情報」及び目的地情報に基づき目的地までの最適経路を算出した上で、該最適経路を重畳して表示する地図画像(以下、ナビゲーション画像と略記する)を前記Webクライアントに送信する機能を有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0033】
第1乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置によれば、付属ディスプレイパネルにおいてだけではなく、外部装置が伴う外部ディスプレイ手段においても画像を表示させることができるため、携帯情報通信装置に付属ディスプレイパネルの画面サイズ・画面解像度の制約を受けることなくWebページの閲覧をすることができる。しかも、携帯情報通信装置から送信する送信要求等に外部ディスプレイ接続情報を含ませることができるため、該送信要求等を受信したWebサーバは、該外部ディスプレイ接続情報に基づいて、携帯情報通信装置に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されているか否かを判別することができる。この結果、該Webサーバが、その判別結果に基づいて送信するデータを切り替える機能を有していれば、携帯情報通信装置は、外部ディスプレイ接続状況に応じて、より適合性の高いデータを受信することができる。
【0034】
このうち、特に第3乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置によれば、地図情報データファイルを格納したWebサーバにアクセスして、指定した地図表示領域に対応する地図情報データファイルを受信し、該地図情報データファイルを処理することにより、該地図表示領域に対応した地図画像を、付属ディスプレイパネル及び/又は外部装置が伴う外部ディスプレイ手段に表示することができる。しかも、携帯情報通信装置から送信要求等を受信したWebサーバが、送信する地図情報データファイルの種類を送信情報等に含まれる外部ディスプレイ接続情報に応じて切り替えることにより、携帯情報通信装置では、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の少ない地図画像を付属ディスプレイパネルにおいて表示し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の多い地図画像を外部ディスプレイ手段において表示するというようなことができる。
【0035】
さらに、特に第4の発明の携帯情報通信装置によれば、マニュアル操作によって地名・地番等を入力しなくとも、無線通信手段のGPS機能により、必要に応じて縮尺情報を入力するだけで、自位置を含む自位置地図画像を付属ディスプレイパネル及び/又は外部装置が伴う外部ディスプレイ手段に表示することができる。その際、データ処理手段に必要な機能を加えることにより、該地図画像中に自位置を矢印等のシンボルで明示的に表示することができる。
また、特に第5の発明の携帯情報通信装置によれば、自位置情報又は出発点情報と目的地情報とから最適経路を算出した上で、該最適経路情報及び/又は該最適経路を重畳して表示するナビゲーション画像データファイルを送信する機能を有するWebサーバにアクセスすることにより、最適経路データやナビゲーション画像データファイルを受信することができ、データ処理手段がそれらの受信情報を処理することにより、ナビゲーション画像を付属ディスプレイパネル及び/又は外部装置が伴う外部ディスプレイ手段に表示することができる。
そして、自位置地図画像やナビゲーション画像についても、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報が少なかったり、細い路地が省略されたりしている地図画像を付属ディスプレイパネルにおいて表示し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の多かったり、細い路地まで記されたりしている地図画像を外部ディスプレイ手段において表示するというようなことができる。
【0036】
また、第6乃至第14のいずれか一つの発明のWebサーバによれば、第1乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置から送信要求等を受信した場合に、該送信要求等に含まれる外部ディスプレイ接続情報に基づいて送信するデータを切り替えることにより、携帯情報通信装置は、外部ディスプレイ接続状況に応じて、より適合性の高いデータを受信することができるようになる。
【0037】
このうち、第7又は第12のWebサーバによれば、第1乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置から送信要求等を受信した場合に、該送信要求等に含まれる外部ディスプレイ接続情報に基づいて送信するマークアップ文書ファイルを切り替えることにより、携帯情報通信装置では、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、改行幅が狭い固定幅レイアウトのWebページを付属ディスプレイパネルにおいて閲覧し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続している場合には、改行幅が広い固定幅レイアウトのWebページを外部ディスプレイ手段において閲覧するというようなことができる。
【0038】
また、特に第8又は第9の発明のWebサーバによれば、第1乃至第5のいずれか一つの発明の携帯情報通信装置から送信要求等を受信した場合に、該送信要求等に含まれる外部ディスプレイ接続情報に基づいて送信する画像データファイルを切り替えることにより、携帯情報通信装置では、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、解像度の低い画像を付属ディスプレイパネルにおいて表示し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続している場合には、解像度の高い画像を外部ディスプレイ手段において表示するというようなことができる。
【0039】
さらに、特に第9の発明のWebサーバによれば、第3又は第4の発明の携帯情報通信装置から送信要求等を受信した場合に、該送信要求等に含まれる外部ディスプレイ接続情報に基づいて送信する地図画像データファイルを切り替えることにより、携帯情報通信装置では、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の少ない地図画像を付属ディスプレイパネルにおいて表示し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の多い地図画像を外部ディスプレイ手段において表示するというようなことができる。
【0040】
また、特に第13又は第14の発明のWebサーバによれば、第5の発明の携帯情報通信装置から送信要求等、及び、自位置情報又は出発点情報と目的地情報とを受信した場合に、それらの情報から最適経路を算出した上で、該最適経路情報及び/又は該最適経路を重畳して表示するナビゲーション画像データファイルを送信することができるため、第5の発明の携帯情報通信装置では、データ処理手段においてそれらの受信情報を処理することにより、ナビゲーション画像を付属ディスプレイパネル及び/又は外部装置が伴う外部ディスプレイ手段に表示することができる。そして、ナビゲーション画像についても、例えば、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の少ない地図画像を付属ディスプレイパネルにおいて表示し、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続していない場合には、キャラクタ情報の多い地図画像を外部ディスプレイ手段において表示するというようなことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0042】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続した上で該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0043】
この実施形態においては、携帯電話機1は、それ単独として、音声通話用、データ通信・処理用、又は、画像データ及び/又は音声データの保存・再生用として使用することができ、音声通話以外の用途で使用する場合には、各種の画像が、付属ディスプレイパネルであるLCD(Liquid
Crystal Display)パネル15Aに表示される。
以下では、LCDパネル15AはQVGAサイズの画面解像度を有し、通常は縦長画面(水平画素数×垂直画素数=240×320画素)で使用するものとして説明するが、それ以外の解像度であってもよい。
【0044】
まず、携帯電話機1が音声通話用に使用される場合、マイクロホン18Aから入力された音声はCODEC(COder-DECoder)18Cによってデジタル信号に変換され、該デジタル信号はベースバンドプロセッサ11及びRF(Radio
Frequency)送受信部111Bを経由し、通信用アンテナ111Aから電波信号として公衆ネットワークに送信される。逆に、音声通話の相手先からの電波信号として公衆ネットワークに送信された音声データは通信用アンテナ111Aで受信され、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由することによりデジタル信号に変換され、該デジタル信号はCODEC_18Cでアナログ電気信号に変換され、最終的にスピーカ18Bから音声として出力される。
ここで、通信用アンテナ111AにRF送受信部111Bを加えた全体が「特許請求の範囲」でいうところの無線通信手段にあたる。
【0045】
次に、携帯電話機1がデータ通信・処理用に使用される場合、通常は20個前後のダイヤルキーやジョグキーなどからなるキー操作部16Aを操作することによって入力され、キー入力コントローラ16Bでデジタル信号に変換されたキャラクタデータ等のデータ、及び/又は、インターネットプロトコルに準拠した電波信号を公衆ネットワークから通信用アンテナ111Aで受信し、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由することによりデジタル信号に変換されたデータが、バス19を経由して中央演算回路10Aに転送される。中央演算回路10Aは、フラッシュメモリ14Aに格納されたプログラムに基づいて必要な処理を行い、処理されたデータは、バス19を経由して、フラッシュメモリ14A及びRAM(Random
Access Memory)14Bや、グラフィックコントローラ10Bや、ベースバンドプロセッサ11に転送される。そして、最終的には、LCDパネル15Aに画像が表示されたり、スピーカ18Bから音声が出力されたり、通信用アンテナ111Aから電波信号が送信されたり、フラッシュメモリ14Aにデータファイルとして保存されたりする。
ここで、フラッシュメモリ14A及びRAM_14Bが、「特許請求の範囲」でいうところの記憶手段にあたる。その際、図1には記載されていないが、記憶手段として、メモリカード等の着脱式の記憶媒体を追加することもできる。また、中央演算回路10A、グラフィックコントローラ10B及びベースバンドプロセッサ11に、後記のVRAM_10Cを加えた全体が、「特許請求の範囲」でいうところのデータ処理手段にあたる。
【0046】
なお、公衆ネットワークとの間での、音声通話又はデータ通信のための電波信号(以下、通信電波信号と略記する)のやり取りは、移動通信のセルラーネットワークの基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)等の方式で通信することによって、又は、無線LANの基地局・アクセスポイントとの間でDSSS(Direct
Sequence Spread Spectrum)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等の方式で通信することによって実行される。この際、特に通信用アンテナ111A、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を複数帯域の電波信号に対応できるようにしたり、通信用アンテナとRF送受信部のセットを、移動通信用と無線LAN用に複数備えたりすることによって、例えば、屋内等の無線LANの基地局・アクセスポイントに近い箇所では高速の無線LAN方式で通信を行い、それ以外の箇所ではCDMA方式等の第3世代移動通信(セルラーシステム)で通信を行うようなことが実現できる。
【0047】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【0048】
ユーザーが、携帯電話機1を用いて、インターネット9に接続したWebサーバ92にアクセスしてWebページを閲覧する場合には、中央演算回路10Aは、キー操作部16Aを操作することによって入力されたキャラクタデータ等のデータとフラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに基づいて、Webページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを送信するように要求するデジタル信号を生成する。該デジタル信号は、バス19、ベースバンドプロセッサ11、RF送受信部111Bを経由して、インターネットプロトコルに準拠した電波信号として公衆ネットワークに送信される。そして、該電波信号は公衆ネットワークの基地局91で受信され、デジタル電気信号に変換された上でインターネット9に送信され、最終的にWebサーバ92において受信される。
【0049】
マークアップ文書ファイルの送信要求は、より詳細にはHTTP(HyperText
Transfer Protocol)のGETリクエストとして送信され、該リクエストのヘッダ部には、携帯電話機1の機種(特に、外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続することができる機種であること)を識別できるユーザーエージェント文字列が含まれる。そして、特に、携帯電話機1がそれ単独で使用されている場合には、該ユーザーエージェント文字列には「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないこと」を識別できる文字列が含まれる。
なお、携帯電話機1と基地局91との間での通信電波信号のやり取りは、上記の通り、基地局91が移動通信のセルラーネットワークの基地局である場合には、CDMA等の方式で通信することによって、基地局91が無線LANの基地局・アクセスポイントである場合には、DSSSやOFDM)等の方式で通信することによって実行される。
【0050】
一方、Webサーバ92は、記述内容は略共通であるがレイアウト形式は異なる複数のマークアップ文書ファイルや、表示対象は略共通であるが本来解像度は異なる複数の画像データファイルを格納している。その上で、CGIやPHPなどの機能を利用することにより、携帯電話機1からのHTTPリクエストに含まれるユーザーエージェント文字列に基づいて、携帯電話機1に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されているか否かを判別し、上記の複数のマークアップ文書ファイルや画像データファイルのうち適合性がより高いファイルを、以下の通りに選択した上で、インターネット9経由で送信する。
すなわち、上記のように携帯電話機1がそれ単独として使用されており、「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないこと」を識別できる文字列を含むユーザーエージェント文字列が送信されてきた場合には、複数のマークアップ文書ファイルのうち、改行幅がより狭い固定幅レイアウト(より具体的には、LCDパネル15Aの画面水平解像度(240画素)程度の固定幅レイアウト)のマークアップ文書ファイル又はリキッドレイアウトのマークアップ文書ファイルを送信する。また、該マークアップ文書ファイルが画像データファイルにリンクしている場合には、複数の画像データファイルのうち、本来解像度がより低い画像データファイルを送信する。
【0051】
前記データファイルは、Webサーバ92からデジタル電気信号として送信されるが、該デジタル電気信号は基地局91で電波信号に変換されて送信され、該電波信号は、通信用アンテナ111A、RF送受信部111B、ベースバンドプロセッサ11及びバス19を経由して、最終的には中央演算回路10Aでデジタル信号として受信されることにより、Webページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを取得することができる。
その上で、中央演算回路10Aは、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに従い、LCDパネル15Aの画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成し、該描画命令をグラフィックコントローラ10Bに送信する。グラフィックコントローラ10Bは、該描画命令に基づき、十分に大きい論理解像度を有する仮想画面上においてビットマップデータを生成しVRAM_10Cに書き込むとともに、LCDパネル15Aに表示され、LCDパネル15Aの画面解像度と同じ解像度を有する画像を記述するビットマップデータをVRAM_10Cから切り出してLCDドライバ15Bに送信する。LCDドライバ15Bは、該ビットマップデータに基づいてLCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動し、最終的に前記Webページに対応したページ画像の全部又は一部に、必要に応じて画面の上部・下部に表示されるメニュー表示等を組み合わせた全画面画像がLCDパネル15Aに表示される。
【0052】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置が、最適経路を算出する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、付属ディスプレイパネル(図1におけるLCDパネル15A)表示される入力画面のページ画像を説明するためのイメージ図である。
【0053】
このページはCHTMLやWMLなどの簡易版マークアップ言語で記述された目的地入力用のページであり、空欄に文字や数字のキャラクタを入力した上で「検索」や「リスト表示」のボタンをクリックすることによって、目的地をより詳細に規定する次のページに遷移するという比較的単純な機能だけを有している。このため、携帯電話機1のキー操作部16Aにおけるダイヤルキーやジョグキーの操作によって容易に入力・操作できる。
また、レイアウト形式としては、リキッドレイアウトを採用しており、画像データファイル等へもリンクしていないため、QVGAサイズであるLCDパネル15Aにおいても、水平スクロールすることなくページを閲覧することができる。
【0054】
携帯電話機1は、上記のようなHTTPリクエストによってマークアップ文書ファイルのリンクファイルとして画像データを取得するだけではなく、FTP(File
Transfer Protocol)リクエストによって、画像データファイル及び/又は音声データファイルをWebサーバ92から取得し、それらのデータファイルを一旦フラッシュメモリ14Aに保存することができる。
携帯電話機1がこのようして保存した画像データファイル及び/又は音声データファイルを再生する場合、中央演算回路10Aは、キー操作部16Aを操作することにより入力されたデータに基づいてフラッシュメモリ14Aにアクセスしてデータファイルを読み出し、必要な処理を行うことにより、描画命令をグラフィックコントローラ10Bに出力したり、デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11経由でCODEC_18Cに出力したりする。この結果、LCDパネル15Aに画像を表示したり、スピーカ18Bから音声を出力したり、あるいは動画である画像データと音声データを組み合わせたムービーとして再生することができる。
なお、動画である画像データやムービーの再生は、上記のように一旦保存したデータファイルを再び読み出すことによってだけではなく、データを受信しながら同時に再生を行うストリーミング方式で行うことも可能である。
【0055】
動画である画像データを保存する場合には、MPEG(Moving Picture
Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4等のMPEG規格のフォーマットで保存され、静止画である画像データを保存する場合には、BMP、TIFF、JPEG、GIF及びPNG等のフォーマットで保存される。また、音声データについては、WAVE形式や、MP3(MPEG
Audio Layer 3)、AIFF(Audio Interchange File Format)、ATRAC3(Adaptive TRansform
Acoustic Coding 3)等のフォーマットで保存される。
ただし、いずれの場合でも、フラッシュメモリ14Aの容量には限界があるため、例えば、長時間のムービー等を保存することには制約が生じる。
なお、記憶手段として、メモリカード等の着脱式の記憶媒体を追加した場合には、Webサーバから取得した画像データ及び/又は音声データだけではなく、該着脱式記憶媒体に保存されたデータファイルについても同様の方法で、再生することができる。
【0056】
以上が携帯電話機1をそれ単独として使用する場合の機能の概略であるが、携帯電話機1は接続ユニット3と接続するための外部接続端子部A_13Dを備えており、携帯電話機1側の外部接続端子部A_13Dと、接続ユニット3側のインターフェース部B_33を構成する外部接続端子B_33Dとを接続ケーブル2を介して接続することにより、携帯電話機1と接続ユニット3を一体的な情報通信システムとして動作させることができるようになる。
【0057】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明するための外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0058】
この実施形態においては、接続ユニット3は携帯電話機1を挿入する挿入口33D1を有し、携帯電話機1を挿入口33D1に挿入することによって、携帯電話機1における外部接続端子部A_13D(図4に図示されていない)と接続ユニット3におけるインターフェース部B_33(図4に図示されていない)の外部接続端子部B_33Dが接触し、結果として、携帯電話機1と接続ユニット3が接続される(したがって、ここでは接続ケーブル2は要しない)。
また、接続ユニット3は、外部キーボード61接続用及びマウス62接続用の外部入力接続端子36Dを有し、そこに外部キーボード61接続用ケーブル及びマウス62接続用ケーブルのコネクタを挿入することによって、これらの入力装置を接続ユニット3に接続することができる。さらに、接続ユニット3は、外部ディスプレイ装置5接続用の接続端子(図4に図示されていない)も有し、外部ディスプレイ5接続用ケーブルのコネクタを該接続端子と外部ディスプレイ装置5側の接続端子(図4に図示されていない)に接続することによって、外部ディスプレイ装置5を接続ユニット3に接続することができる。
【0059】
この際、接続ユニット3と外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)との間のインターフェースを、DVI(Digital
Visual Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の汎用的な規格に合わせることより、コネクタやケーブルを安価に調達することができる。あるいは、ここで説明したような接続ケーブルや外部接続端子部同士の直接接触による接続の代わりに、Bluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared
Data Association)規格等の無線手段を使用することも可能である。
【0060】
一方、接続ユニットの筐体の内部にはHDD_34、インターフェース部B_33、インターフェース部C1_35及びインターフェース部C2_36(いずれも図4には表示されていない)が納められており、それら構成要素は図1に示す通りに接続されている。
さらに、接続ユニット3は商用電源プラグ37Cも有し、商用電源プラグ37Cを商用交流電源のコンセント7に挿入することにより供給される交流電力を、内蔵するAC/DC回路37B(図4には表示されていない)で変換することによって得られる直流電力によって接続ユニット3を駆動することができるとともに、携帯電話機1の内蔵充電池17(図4には表示されていない)を充電することができる。
【0061】
なお、以下では、原則として、外部ディスプレイ装置5(LCD)の画面解像度は、VGAサイズ(水平画素数×垂直画素数=640×480画素)であるものとして説明するが、それ以上の解像度であってもよい。
【0062】
さて、作動中の携帯電話機1と作動中の接続ユニット3を接続した場合、作動中の携帯電話機1を接続ユニット3に接続し、接続ユニット3を起動させた場合、あるいは携帯電話機1を作動中の接続ユニット3に接続し、携帯電話機1を起動させた場合に、携帯電話機1の中央演算回路10Aは、接続ユニット3から、接続ユニット3が接続していることを検知する信号(以下、接続検知信号と略記)、及び接続ユニット3のインターフェース部C1_35に接続された外部ディスプレイ装置5の画面解像度データを、外部接続端子部B_33D、接続ケーブル2、外部接続端子部A_13D及びバス19を経由して受信する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、「接続ユニット3が作動中」の場合には、必ず、作動している外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)が接続しているものとし、「接続ユニット3が接続していることの検知」には、これらの周辺装置が接続していることの検知も含むものとする。
【0063】
そして、携帯電話機1の中央演算回路10Aが前記接続検知信号を受信している場合、中央演算回路10Aは、LCDパネル15Aの画面水平解像度又は画面解像度に対応した画像の描画命令に替えて、LCDパネル15Aの画面解像度より大きな解像度を有する画像の描画命令を生成し、グラフィックコントローラ10Bに対して送信する。また、中央演算回路10Aは、上記の描画命令とともに、VRAM_10Cから切り出したビットマップデータを、LCDドライバ15Bに送信する替わりに、TMDSトランスミッタ13Aに送信するように命令する送信命令を生成し、該送信命令をグラフィックコントローラ10Bに送信する。
【0064】
グラフィックコントローラ10Bは、中央演算回路10Aから受信した描画命令に基づき、あらかじめ設定された仮想画面上においてビットマップデータを生成し、VRAM_10Cに書き込む。さらに、グラフィックコントローラ10Bは、中央演算回路10Aから入手した外部ディスプレイ装置5の画面解像度データに基づき、外部ディスプレイ装置5の画面解像度と同じ解像度を有し、外部ディスプレイ装置5の画面に表示される画像を記述するビットマップデータをVRAM_10Cから切り出す。その上で、中央演算回路10Aから受信した送信命令に基づき、該ビットマップデータをTMDSトランスミッタ13Aに送信し、TMDSトランスミッタ13Aは、該ビットマップデータを、外部接続端子部A_13Dを経由して接続ユニット3のインターフェース部B_33にTMDS伝送方式で送信する。
【0065】
なお、ここで、TMDSトランスミッタ13Aに外部接続端子部A_13Dを加えた全体が「特許請求の範囲」でいうところのインターフェース手段Aにあたる。
また、この実施形態においては、携帯電話機1から接続ユニット3とへのビットマップデータの転送は、TMDS伝送方式で行われるが、それ以外に、デジタルRGB、LVDS(Low
Voltage Differential Signaling)(又はLDI(LVDS Display Interface))及びGVIF(Gigabit
Video InterFace)などの伝送方式で転送することも可能である。
【0066】
接続ユニット3においては、インターフェース部B_33で受信・転送されたビットマップデータを、TMDSレシーバ機能を有するインターフェース部C1_35で受け入れて、必要な処理を行った上で外部ディスプレイ装置5に送信し、結果として、外部ディスプレイ装置5の画面において、その画面解像度に対応した解像度を有する画像が表示される。
【0067】
なお、ここで説明した中央演算回路10A、グラフィックコントローラ10B、TMDSトランスミッタ13A、インターフェース部B_33、インターフェース部C1_35等の機能は、すぐ後で説明するようなWebページを閲覧する場合でも、フラッシュメモリ14Aなどの記憶手段・媒体に保存した画像データやムービーを再生する場合でも、動画である画像データやムービーをストリーミング再生する場合でも、基本的には同じである。
【0068】
さて、携帯電話機1の中央演算回路10Aが、前記接続検知信号を受信している場合、中央演算回路10Aは、キー入力コントローラ16Bに対して、携帯電話機1のキー操作部16Aからの入力信号は受け付けず、接続ユニット3のインターフェース部C2_36に接続された外部キーボード61又はマウス62からの入力信号だけを受け付けるようにする入力元指示信号を出力する。これにより、ユーザーは、文字入力の操作性が悪かった携帯電話機1のキー操作部16Aでの操作に替えて、フルキーボードである外部キーボード61又はマウス62を操作することによりデータを入力することができるようになる。
【0069】
また、携帯電話機1の中央演算回路10Aは、外部キーボード61又はマウス62を操作することによって入力されたデータに基づき、上記のようにフラッシュメモリ14Aにアクセスするかわりに、バス19、外部接続端子部A_13D、接続ケーブル2及び接続ユニット3のインターフェース部B_33を経由してHDD34にアクセスすることにより、ビットマップデータやデジタル音声データを必要に応じて圧縮したデータファイルとして書き込んだり、逆にデータファイルを読み出して必要な処理を行ったりすることにより、描画命令をグラフィックコントローラ10Bに出力したり、デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11経由でCODEC_18Cに出力したりする。また、中央演算回路10Aは、フラッシュメモリ14Aに格納されたデータファイルを読み出して、バス19、外部接続端子部A_13D、及び接続ユニット3のインターフェース部B_33を経由して、HDD34に保存することができる。
この際、HDD34の容量は、フラッシュメモリ14Aよりもはるかに大きくできるため、例えば、長時間のムービーの保存や数多くの音楽ファイルの保存を制約なく行うことができる。
【0070】
なお、グラフィックコントローラ10Bで生成されたビットマップデータの送信先の指定(切り替え)や、中央演算回路10Aに対するデータの入力元の指定(切り替え)は、上記のように、受信した接続検知信号に基づいて自動的に行われるだけでなく、例えば、携帯電話機1のキー操作部16Aのマニュアル操作によって行うような構成とすることも可能である。
また、外部ディスプレイ装置5に出力されるビットマップデータが記述する画像の解像度の指定は、上記のように、受信した外部ディスプレイ装置5の画面解像度データに基づいて自動的に行われるだけでなく、例えば、LCDパネル15A又は外部ディスプレイ装置5の画面に解像度の選択肢を示す画像を表示し、外部キーボード61又はマウス62によって外部ディスプレイ装置5の画面解像度に適合した解像度を選択する仕方で行うような構成とすることもできる。あるいは、そのような選択手段は設けず、外部ディスプレイ装置5に出力されるビットマップデータが記述する画像の解像度を、例えばVGAサイズに固定することも可能である。
【0071】
また、この実施形態においては、携帯電話機1を接続ユニット3に接続した場合でも、フラッシュメモリ14Aなどの記憶手段・媒体に保存した音声データやムービーを再生したり、音声データやムービーをストリーミング再生したりする際の音声は、携帯電話機1側のスピーカ18Bから出力されるが、携帯電話機1と接続ユニット3の双方に必要なインターフェース手段を追加し、接続ユニット3に音声デコーダを追加した上で、接続ユニット3に高性能外部スピーカを接続することにより、該外部出力から高品質の音声を出力させるようにすることもできる。
【0072】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムと、インターネットに接続したWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【0073】
ユーザーが、このようにして構成した情報通信システムを用いて、インターネット9に接続したWebサーバ92にアクセスしてWebページを閲覧する場合にも、携帯電話機1からは、ヘッダ部にユーザーエージェント文字列を含むHTTPリクエストが送信される。ただし、この場合には、携帯電話機1がそれ単独として使用される場合とは異なり、ユーザーエージェント文字列には「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていること」を識別できる文字列を含む。
なお、この際、ユーザーエージェント文字列に、[0062]で説明した通りに中央演算回路10Aが接続ユニットから受信した「外部ディスプレイ装置5の画面解像度データ」に対応した文字列を含めることもできる。
【0074】
一方、Webサーバ92においても、携帯電話機1からのHTTPリクエストに含まれるユーザーエージェント文字列に基づいて、適合性がより高いファイルを選択した上で送信することは同じであるが、この場合には、複数のマークアップ文書ファイルのうち、改行幅がより広い固定幅レイアウトのマークアップ文書ファイル(より具体的には、外部ディスプレイ装置5(LCD)の画面水平解像度(640画素)と同じか、それより広い固定幅レイアウト)のマークアップ文書ファイルを送信する。また、該マークアップ文書ファイルが画像データファイルにリンクしている場合には、複数の画像データファイルのうち、本来解像度がより低い画像データファイルを送信する。
【0075】
前記データファイルは、[0051]で説明した通りのプロセスを経て、最終的には中央演算回路10Aでデジタル信号として受信されることにより、Webページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを取得することができる。そして、中央演算回路10Aは、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに従い、マークアップ文書ファイルの固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成し、グラフィックコントローラ10Bに送信する。
そして、グラフィックコントローラ10B、TMDSトランスミッタ13A、インターフェース部B_33、インターフェース部C1_35等は[0064]及び[0066]で説明した通りに動作し、最終的に外部ディスプレイ装置5の画面において、前記マークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルに対応したページ画像が表示されることになる。その際、特に、前記マークアップ文書ファイルの固定幅が外部ディスプレイ装置5の画面解像度より大きい場合には、キー操作部16Aにおいて画面スクロール機能を担うキーを操作することによって入力されるデータに応じて、中央演算回路10A1が描画命令を変更することにより、VRAM_10Cから切り出されるビットマップデータは仮想画面上を徐々に遷移し、その結果として、外部ディスプレイ装置5の画面においてページ画像がスクロール表示される。
【0076】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムが、最適経路を算出する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、外部ディスプレイ装置に表示される入力画面のページ画像を説明するためのイメージ図である。
【0077】
このページは図3と同じく目的地入力用のページであるが、空欄に文字や数字のキャラクタを入力した上で「検索」や「リスト表示」のボタンをクリックして次頁に遷移するという図3と同様の機能に加え、日本地図の画像データを各都道府県の箇所をクリックすることにより当該都道府県の地図画像ページに遷移するという比較的複雑な機能も有している。このため、このページはフルスペックのHTMLで記述されており、またレイアウト形式は水平解像度が640画素の固定幅となっている。
このようなページを携帯電話機1単独で閲覧しようとすると、LCDパネル15Aでは水平スクロールを何度も繰り返さなければならず、また、キー操作部16Aでは十分な入力操作を行うことができないが、上記のように構成した情報通信システムによれば、外部ディスプレイ装置5の画面では水平スクロールすることなく閲覧でき、また、外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)によって容易に入力操作することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用外部入出力ユニット、及び両者を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0079】
この実施形態における携帯電話機1の機能は、それが単独で使用される限りにおいては、第1の実施形態における携帯電話機1の機能と全く同じである。一方、携帯電話機1は、接続ケーブル2を介して接続ユニットの替わりに外部入出力ユニット4に接続されるが、その場合も、中央演算回路10Aが外部ディスプレイ装置の画面解像度データを受信する替わりに外部入出力ユニット4の外部LCDパネル45Aの画面解像度データを受信すること等を除けば、基本的な機能は同じである。
一方、外部入出力ユニット4についても、外部ディスプレイ装置及び外部キーボードを外部接続する替わりに、外部LCDパネル45Aと外部キー操作部461をその一部として含んでいること、ポインティングデバイスとしてマウスを外部接続する替わり外部タッチパッド462を備えていること等を除き、機能としては、第1の実施形態における接続ユニット3と外部ディスプレイ装置及び外部入力装置とを組み合わせたシステムとほとんど変わらない。
【0080】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明する外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0081】
この実施形態においては、外部入出力ユニット4は以下のような構成となっている。すなわち、上面に外部キー操作部461及び外部タッチパッド462を配備した筐体の内部に、図8には図示されていないインターフェース部D_43を構成する回路、TMDSレシーバ45D、スキャンコンバータ45C等の回路、及びHDD44が収められている。また、該筐体と外部LCDパネル45Aがヒンジで接続されており、外部LCDパネル45Aの額縁部には、図8には図示されていない外部LCDドラバ45Bが収められている。
また、該筐体の背側面(図4には図示されていない)には、接続ケーブル2を接続するための外部接続端子部D_43Dと、AC/DC回路47Bを接続する電力ケーブルを接続するための端子部が設けられている。
【0082】
携帯電話機1と外部入出力ユニットを接続することによって構成した情報通信システムをデータ通信・処理用に使用する場合、携帯電話機1の中央演算回路10Aは、外部入出力ユニット4の接続検知信号及び外部入出力ユニット4における外部LCDパネル45Aの画面解像度データを受信した場合、グラフィックコントローラ10Bに、データ通信・処理用に使用される場合、適切な解像度を有する画像を記述するビットマップデータを生成し、TMDSトランスミッタ13Aに送信するように命令する。該描画命令及び送信命令に従って送信されたビットマップデータは、携帯電話機1における外部接続端子部A_13Dを経由して、外部入出力ユニット4のインターフェース部D_43を構成する外部接続端子部D_43Dで受信される。該ビットマップデータは、TMDSレシーバ45D及びスキャンコンバータ45Cで必要な処理を施された上で、外部LCDドライバ45Bに送信され、外部LCDドライバ45Bが、外部LCDパネル45Aの画面を構成する各々の画素を駆動することにより、外部LCDパネル45Aに画面イメージが表示される。
【0083】
なお、この実施形態の外部入出力ユニット4においても、第1の実施形態の接続ユニット3におけるのと同様に商用電源プラグ47Cも有し、商用電源プラグ47Cから供給される交流電力を、付属するAC/DC回路47Bによって変換することによって得られ、一旦充電池D_47Aに蓄えられた直流電力によって外部入出力ユニット4を駆動することができるとともに、携帯電話機1の内蔵充電池17を充電することができる。
また、この実施形態の携帯電話機1を外部入出力ユニット4に接続した場合でも、録画したムービーを再生したりする際の音声は、携帯電話機1側のスピーカ18Bから出力されるが、携帯電話機1と外部入出力ユニット4の双方に必要なインターフェース手段を追加し、外部入出力ユニット4に音声デコーダと高性能外部スピーカを追加することにより、該外部出力から高品質の音声を出力させるようにすることもできる。
【0084】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続することによって構成した車載情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0085】
この実施形態においては、携帯電話機1は、それ単独として、第1及び第2の実施形態における携帯電話機1が使用される用途に加えて、ナビゲーション用にも使用することができ、その際、ナビゲーション画像等が付属ディスプレイパネルであるLCDパネル15Aに表示される。
【0086】
この実施形態における携帯電話機1が、音声通話用、データ通信・処理用、又は、画像データ及び/又は音声データの保存・再生用として使用される場合の機能は、以下のことを除いて、第1及び第2の実施形態における携帯電話機1における機能と同じである。
すなわち、第1及び第2の実施形態における携帯電話機1では、公衆ネットワークとベースバンドプロセッサ11Aとの間の信号のやり取りは、通信用アンテナ111A及びRF送受信部111Bを経由して行われるのに対して、この実施形態における携帯電話機1では、共用アンテナ113A、共用器113D及びRF送受信部111Bを経由して行われる。
ここで、共用アンテナ113Aは、通信電波信号とGPS信号の双方を電気信号に変換の上、共用器113Dに送信し、共用器113Dは、通信電波信号が変換された電気信号とGPS信号が変換された電気信号とを、それぞれRF送受信部111BとGPSダウンコンバータ113Bに振り分けて送信する。そして、これら共用アンテナ113A、共用器113D、RF送受信部111B及びGPSダウンコンバータ113Bに、後述するAD/DA変換部113Cを加えた全体が、「特許請求の範囲」でいうところの無線通信手段にあたる。
【0087】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置の一実施形態と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取り、特に道路交通情報提供システム用のWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【0088】
ユーザーが、この実施形態における携帯電話機1を用いてインターネット9に接続した一般のWebサーバ92にアクセスし、格納されたマークアップ文書ファイルに対応したWebページを閲覧する場合、携帯電話機1の機能等は、携帯電話機1と基地局91・Webサーバ92との間での信号のやり取り等が、通信用アンテナ111A・RF送受信部111B経由で行われるのが、共用器113D・RF送受信部111B経由で行われるようになることを除いて、第1及び第2の実施形態における機能等と同じである。
【0089】
この実施形態においては、携帯電話機1は、インターネット9に接続した道路交通情報提供システム用のWebサーバ93にアクセスすることにより、ナビゲーション用に使用することができる。ナビゲーション用に使用される場合の携帯電話機1の機能等は、以下の通りとなる。
【0090】
まず、共用アンテナ113Aで受信したGPS信号は、共用器113D、GPSダウンコンバータ113B及びAD/DA変換部113Cを経由することによりデジタルGPS信号に変換され、バス19を経由して中央演算回路10Aに送信される。中央演算回路10Aでは、フラッシュメモリ14Aに格納されたプログラムに基づいて該デジタルGPS信号を処理することにより自位置データを生成する。一方、ユーザーは、キー操作部16Aを操作し、目的地を特定するキャラクタデータ(以下、目的地データと略記する)を入力することができ、該キャラクタデータはキー入力コントローラ16Bでデジタル信号に変換されて中央演算回路10Aで受信される。
【0091】
中央演算装置10Aにおいては、上記で生成した自位置データ、キー入力コントローラ16B経由で受信した目的地データを処理し、マークアップ文書ファイル等の送信要求とともにデジタル信号に変換の上、送信する。そして、最終的には、[0048]で説明した通りのプロセスを経て、インターネット9に接続した道路交通情報提供システム用のWebサーバ93においてデジタル信号として受信される。
この際、前記の送信要求は、ユーザーエージェント文字列を含むHTTPリクエストとして送信され、該ユーザーエージェント文字列には「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないこと」を識別できる文字列が含まれる。
【0092】
一方、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93は、日本国内のエリアをカバーする地図画像データファイルのセットを以下の2種類格納している(地図表示領域の分割メッシュサイズは両者とも同じである)。
(1)幹線道路だけを記載し、地名/施設名等のキャラクタ情報も少ない、本来解像度が低い地図画像データファイルのセット
(2)幹線道路だけでなく細い道も記載し、地名/施設名等のキャラクタ情報も多く含む、本来解像度が高い地図画像データファイルのセット
その上で、Webサーバ92は、CGIやPHPなどの機能を利用することにより、携帯電話機1から受信したHTTPリクエストに含まれるユーザーエージェント文字列に基づいて、携帯電話機1に外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されているか否かを判別し、上記の地図画像データファイルのセットのうち適合性がより高いセットを、以下の通りに選択する。
すなわち、上記のように携帯電話機1がそれ単独として使用されており、「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていないこと」を識別できる文字列を含むユーザーエージェント文字列が送信されてきた場合には、上記のセット(1)を選択する。その上で、その上で、携帯電話機1から受信した自位置データに基づき、セット(1)の中から、携帯電話機1の現在位置を含む地図画像データファイルを選択する。
【0093】
さらに、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93は、携帯電話機1から受信した、自位置データ及び目的地データに基づき、携帯電話機1の現在位置から目的地までの最適経路を算出する。その上で、上記の通りに選択した地図画像データファイルにおける地図画像に、最適経路と携帯電話機1の現在位置を示すマークを重畳したナビゲーション画像データファイルを生成し、該データファイルをデジタル信号に変換の上、インターネット9に送信する。
携帯電話機1の中央演算回路10Aは、[0051]で説明した通りのプロセスを経て前記ナビゲーション画像データファイルを取得し、該ナビゲーション画像の描画命令をグラフィックコントローラ10Bに送信し、最終的に、LCDパネル15Aにナビゲーション画像が表示される。
【0094】
なお、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93が格納している地図画像データファイルのセットにおける分割メッシュサイズは、携帯電話機1を保持するユーザー自身、又は、携帯電話機1を搭載した車両が移動した場合でも、携帯電話機1から頻繁に地図情報データファイルの送信要求を受けないように、一度にLCDパネル15Aに表示できる地域範囲より広い地域範囲をカバーするように設定されている。このため、該地図情報データファイルの本来解像度は、自ずとLCDパネル15Aの画面解像度よりも大きくなり、中央演算回路10Aは、この高解像度地図画像に自位置情報を重畳した高解像度自位置地図画像の描画命令をグラフィックコントローラ10Bに送信し、グラフィックコントローラ10Bは該高解像度自位置地図画像を記述するビットマップデータを一旦VRAM_10Cに書き込んだ上で、LCDパネル15Aの画面解像度と同じ解像度を有する画像を記述するビットマップデータをVRAM_10Cから切り出し、LCDドライバ15Bに送信する。
この際、表示される地図画像は、ジョグキーの操作によって画面がスクロールされるだけではなく、携帯電話機1において自動表示モードを選択しておけば、中央演算回路10Aが、ユーザー又は車両の移動に合わせて描画命令を更新し続けることにより、携帯電話機1の現在位置が常にLCDパネル15Aの中央部に位置するように自動的にスクロールされる。
【0095】
また、この実施形態において、目的地情報はキー操作部16Aによってキャラクタデータとして入力されるものとしたが、それ以外にも、以下のような方法によって入力することができる。すなわち、例えば、LCDパネル15Aに目的地の選択肢を表示させた上で、キー操作部16Aにおいてポインティング機能を担うジョグキーを操作することにより該選択肢の中から目的地を選択したり、LCDパネル15Aに目的地を含む地図画像を表示させた上で、ジョグキーを操作することにより地図中の地点を目的地として指定したりすることができる。また、フラッシュメモリ14Aに音声認識用のプログラムを格納し、さらに、中央演算回路10Aとして必要な音声データ処理能力を有するものを採用することにより、目的地情報をマイクロホン18Aによって音声データとして入力することも可能である。
【0096】
さらに、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93は、自らが収集している渋滞状況等の道路交通情報に基づき、携帯電話機1の現在位置や最適経路に加えて渋滞状況を重畳して表示するナビゲーション画像データファイルを生成して送信することができる。また、ナビゲーション画像データファイルに加えて、最適経路を案内したり、渋滞状況等の道路交通情報を説明したりする音声データファイルを送信し、一方、携帯電話機1では、該音声データファイルを受信し、ストリーム再生することにより、最終的には、スピーカ18Bから案内音声・説明音声を出力させることができる。
【0097】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置が、ナビゲーション画像を作成して送信する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、付属ディスプレイパネル(図9におけるLCDパネル15A)に表示されるナビゲーション画像を説明するためのイメージ図である。
【0098】
このナビゲーション画像においては、携帯電話機1の現在位置は図中央の矢印によって、目的地への最適経路は道路上の太線によって示されている。
[0092]で説明した通り、携帯電話機1がそれ単独として使用される場合には、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93から受信するのは、セット(1)に含まれる本来解像度が低い地図画像データファイルをベースとするナビゲーション画像データファイルであるため、LCDパネル15Aのサイズあたりに表示される地図表示領域は比較的大きくなるが、その一方で、表示されている道路は幹線道路に限定されており、また、表示されている地名も道路名称に限られている。
【0099】
この際、携帯電話機1を保持するユーザー自身、又は、携帯電話機1を搭載した車両が矢印方向に移動した場合、[0094]で説明した自動表示モードの機能により、現在位置を示す矢印は常に画面の中央部に位置するように、地図画像は上方から下方にスクロールする。
また、図11では、付属ディスプレイパネル(図9においてはLCDパネル15A)に自位置地図画像が画面全体に表示される例を示しているが、必要に応じて画面の上部・下部にメニュー等を表示する例も可能である。
【0100】
以上が、携帯電話機1をそれ単独として使用する場合の機能の概略であるが、携帯電話機1は、外部入出力ユニット4と接続するための外部接続端子部A_13Dを備えており、外部入出力ユニット4を車両に搭載した上で、携帯電話機1側の外部接続端子部A_13Dと、外部入出力ユニット4側のインターフェース部D_43を構成する外部接続端子D_43Dとを接続ケーブル2を介して接続することにより、携帯電話機1と外部入出力ユニット4を一体的な車載情報通信システムとして動作させることができるようになる。
【0101】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムの一実施形態の構成を説明するための外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0102】
この実施形態においては、自動車のダッシュボード8の運転手側側面に、天面に外部LCDタッチパネル456を配置し、該天面における外部LCDタッチパネル456の額縁部に外部キー操作部461を配備した筐体がはめ込まれており、また、該筐体の周囲には、外部マイクロホン48A及び外部スピーカ48Bが配置されている。さらに、該筐体の内部にはHDD_44、及び、インターフェース部D_43、TMDS(Transition
Minimized Differential Signaling)レシーバ35D、外部LCDドライバ45B、外部CODEC_48C、インターフェース部C3_49といった、各種のインターフェース回路及び制御回路(いずれも図12には表示していない)が納められており、それら構成要素は図9に示す通りに接続されている。
【0103】
一方、ダッシュボード8の内部に埋め込まれている該筐体の側面又は底面には外部接続端子部B_33Dが設けられており、外部接続端子部B_33Dと、ダッシュボード8の天面に設けられた携帯電話機1を挿入するための挿入口43D1の底部とは、接続ケーブル2で接続されている(図12には表示していない)。このため、携帯電話機1を挿入口43D1に挿入し、携帯電話機1側の外部接続端子部A_13Dと外部入出力ユニット4側の外部入出力端子部B_33Dとを接続ケーブル2を介して接続することにより、一体的な車載情報通信システムとして機能するようになる。
【0104】
また、この実施形態においては、携帯電話機1と外部入出力ユニット4とを接続することによって構成した車載情報通信システムは、自動車に積載された外部充電池87(図12には表示していない)から供給される直流電力によって作動する。すなわち、外部充電池87に蓄えられた直流電力は、外部入出力ユニット4の作動に使われるだけでなく、外部接続端子部B_33D及び外部接続端子部A_13Dを経由して携帯電話機1の内蔵充電池17に供給され、一旦蓄えられた上で携帯電話機1の作動にも使われる。
【0105】
なお、以下では、外部LCDタッチパネル456はWVGA(Wide Video
Graphics Array)サイズ(水平画素数×垂直画素数=800×480画素)の画面解像度を有するものとして説明するが、それ以外の解像度であってもよい。
【0106】
この実施形態の車載情報通信システムにおける携帯電話機1と外部入出力ユニット4との間でのビットマップデータ等の信号のやり取りは、第2の実施形態におけるそれと同じである。
一方、外部入出力ユニット4においては、以下のようにして画像が表示される。すなわち、外部入出力ユニット4においては、インターフェース部D_43で受信・転送されたビットマップデータをインターフェース部C1_35で受け入れて、TMDSレシーバ45Dにおいて必要な処理を行った上で外部LCDタッチパネル456に送信し、結果として、外部LCDタッチパネル456の画面において、その画面解像度に対応した解像度を有する画像、したがってLCDパネル15Aの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像が表示される。
【0107】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムの一実施形態と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取り、特に道路交通情報提供システム用のWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するとともに、本発明に係る道路交通情報提供システムの一実施形態の機能を説明するための説明図である。
【0108】
ユーザーが、この実施形態における車載情報通信システムを用いてインターネット9に接続した一般のWebサーバ92にアクセスし、格納されたマークアップ文書ファイルに対応したWebページを閲覧する場合、各構成要素の動作は、携帯電話機1と基地局91・Webサーバ92との間での信号のやり取り等が、通信用アンテナ111A・RF送受信部111B経由で行われる代わりに、共用器113D・RF送受信部111B経由で行われるようになること、画像の外部ディスプレイ装置5に表示される代わりに、外部LCDタッチパネル456に表示されること、キャラクタデータ等の入力が外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)を用いて行われる代わりに、外部LCDタッチパネル456の又は外部LCDタッチパネル456の額縁部に配備された外部キー操作部461によって行われること等を除いて、基本的には第1の実施形態における情報通信システムにおける各構成要素の動作と同じである。
【0109】
このうち、特に、外部LCDタッチパネル456を用いたキャラクタデータ等の入力の詳細は以下のとおりである。すなわち、外部LCDタッチパネル456は、パネルの表面を接触することによってデータを入力できるタッチパネル機能を有しており、さらに、外部LCDタッチパネル456の外縁部にはキー操作によって画面の切り替え等を行うことのできる外部キー操作部461が配備されている。これにより、ユーザーは、外部キー操作部461の操作、及び外部LCDタッチパネル456の接触操作によってデータを入力することができ、該入力データは、インターフェース部D_43、外部接続端子部A_13D及びバス19を経由して中央演算回路10Aに送信される。
なお、携帯電話機1の中央演算回路10Aが前記接続検知信号を受信している場合、中央演算回路10Aは、キー入力コントローラ16Bに対して、携帯電話機1のキー操作部16Aからの入力信号は受け付けず、外部入出力ユニット4の外部LCDタッチパネル456又は外部キー操作部461からの入力信号だけを受け付けるようにする入力元指示信号を出力する。
【0110】
一方、車載情報通信システムがカーナビゲーション用に使用される場合には、一般のWebサーバ92にアクセスする場合の動作に加えて、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93に、自位置データや目的地データを送信するための動作が加わるが、これは、携帯電話機1がそれ単独として使用される場合の動作と同じである。
ただし、中央演算回路10が前記接続検知信号を受信している場合、すなわち携帯電話機1を車載情報通信システムの一部として使用している場合には、携帯電話機1がそれ単独として使用される場合とは異なり、携帯電話機1から送信されるユーザーエージェント文字列には「外部ディスプレイ手段を伴う外部装置が接続されていること」を識別できる文字列を含む。そして、これに対応して、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93は、[0092]で説明したセット(2)を選択した上で、該セット(2)の中から、携帯電話機1から受信した自位置データに基づき、携帯電話機1の現在位置を含む地図画像データファイルを選択する。
【0111】
なお、携帯電話機1を車載情報通信システムの一部として使用している場合、[0095]や[0096]で説明したような音声入力及び音声出力は、外部入出力ユニット4に付属している外部マイクロホン48A及び外部スピーカ48Bを用いて実現することができる。
すなわち、携帯電話機1の中央演算回路10Aが、前記接続検知信号を受信している場合、中央演算回路10A及びベースバンドプロセッサ11は、デジタル音声データの入出力先を、CODEC_18Cから外部接続端子部A_13D及びインターフェース部D_43を経由した外部CODEC_48Cに切り替える。これより、外部マイクロホン48A、外部スピーカ48B及び外部CODEC_48Cとベースバンドプロセッサ11が、バス19及びインターフェース手段を介してデジタル音声のやり取りを行うことができるようになり、外部マイクロホン48A及び外部スピーカ48Bを用いた音声入出力が実現できる。
そして、この音声の外部入出力機能は、音声通話時や、HDD_44に保存した音声データやムービーの再生時にも使用することができる。特に、音声通話においては、ユーザーは、車両の運転中であっても、道路交通法で禁止されているような携帯電話機1を手で保持した状態で通話を行うことなく、ハンズフリーで音声通話を行うことができるというメリットがある。
【0112】
さらに、外部入出力ユニット4は、車両に搭載された速度計81からインターフェース部C3_49を経由して、該車両の速度データを受信することができ、該速度データはインターフェース部C3_49でデジタル信号に変換された上で、インターフェース部D_43及び外部接続端子部A_13Dを経由して、携帯電話機1に送信される。そして、携帯電話機1の中央演算回路10Aは、自位置情報及び速度情報を含むデジタル信号を生成し、該デジタル信号は、[0048]で説明したようなプロセスを経て、最終的には、インターネット9に接続した道路交通情報提供システム用のウェブサーバ93でデジタル信号として受信される。
この結果、道路交通情報提供システム用のウェブサーバ93は、車載情報通信システムから位置情報と速度情報がセットになったデータを入手することができる。そして、一定の地域範囲において、本実施形態の車載情報通信システムを搭載した車両が走行している数が増えていけば、当該地域範囲における渋滞状況が非常に精度良く把握できるようになり、そしてこの情報を車載情報通信システムにフィードバックすることができれば、車載情報通信システムを搭載した車両の運転手自身の利便性も高まることになる。
【0113】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムが、ナビゲーション画像を作成して送信する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、外部入出力ユニットのディスプレイ画面(図9及び図12における外部LCDタッチパネル456)に表示されるナビゲーション画像を説明するためのイメージ図である。
【0114】
このナビゲーション画像においても、携帯電話機1の現在位置は図中央の矢印によって、目的地への最適経路は道路上の太線によって示されている。
図11と比較すれば明らかなように、外部LCDタッチパネル456には、LCDパネル15Aに表示されるよりも広い地域範囲をカバーする地図画像が表示されている。それに加えて、上記の通り、携帯電話機1が車載情報通信システムの一部として使用される場合には、道路交通情報提供システム用のWebサーバ93から受信するのは、セット(2)に含まれる地図画像データファイルをベースとするナビゲーション画像データファイルであるため、幹線道路だけでなく細い道も表示されており、また、道路名称だけでなく、地名・地番、施設名、交差点名等も表示されている。
【0115】
なお、図11の場合と同じく、携帯電話機1を保持するユーザー自身、又は、携帯電話機1を搭載した車両が矢印方向に移動した場合、[0094]で説明した自動表示モードの機能により、現在位置を示す矢印は常に画面の中央部に位置するように、地図画像は上方から下方にスクロールする。
また、図14では、付属ディスプレイパネル(図9においてはLCDパネル15A)に自位置地図画像が画面全体に表示される例を示しているが、必要に応じて画面の上部・下部にメニュー等を表示する例も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置を製造する、及び/又は、使用する各種産業において利用することができる。また、パソコンやカーナビゲーションシステム等の非携帯型の情報通信装置を製造する、及び/又は、使用する産業においても利用することができる。さらに、車載ナビゲーション装置を搭載し得る自動車を製造する産業においても利用することができ、また、車載ナビゲーション装置に道路交通情報を提供する産業においても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続した上で該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である
【図3】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置が、最適経路を算出する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、付属ディスプレイパネル表示される入力画面のページ画像を説明するためのイメージ図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明するための外観図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムと、インターネットに接続したWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムが、最適経路を算出する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、外部ディスプレイ装置に表示される入力画面のページ画像を説明するためのイメージ図である
【図7】本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用外部入出力ユニット、及び両者を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明する外観図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続することによって構成した車載情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置の一実施形態と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取り、特に道路交通情報提供システム用のWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置が、ナビゲーション画像を作成して送信する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、付属ディスプレイパネルに表示される自位置地図画像を説明するためのイメージ図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムの一実施形態の構成を説明するための外観図である。
【図13】本発明に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムの一実施形態と、インターネットに接続されたWebサーバとの間での情報のやり取りを説明するとともに、本発明に係る道路交通情報提供システムの一実施形態の機能を説明するための説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した車載情報通信システムが、ナビゲーション画像を作成して送信する機能を有するWebサーバにアクセスした場合に、外部入出力ユニットのディスプレイ画面に表示される自位置地図画像を説明するためのイメージ図である。
【符号の説明】
【0118】
1‥‥‥携帯電話機
10A‥‥‥中央演算回路
10B‥‥‥グラフィックコントローラ
10C‥‥‥VRAM
11‥‥‥ベースバンドプロセッサ
111A‥‥‥通信用アンテナ
111B‥‥‥RF送受信部
113A‥‥‥共用アンテナ
113B‥‥‥GPSダウンコンバータ
113C‥‥‥AD/DA変換部
113D‥‥‥共用器
13A‥‥‥TMDSトランスミッタ
13D‥‥‥外部接続端子部A
14A‥‥‥フラッシュメモリ
14B‥‥‥RAM
15A‥‥‥LCDパネル
15B‥‥‥LCDドライバ
16A‥‥‥キー操作部
16B‥‥‥キー入力コントローラ
17‥‥‥内蔵充電池
18A‥‥‥マイクロホン
18B‥‥‥スピーカ
18C‥‥‥CODEC
19‥‥‥バス
2‥‥‥接続ケーブル
3‥‥‥接続ユニット
33‥‥‥インターフェース部B
33D‥‥‥外部接続端子部B
33D1‥‥‥挿入口
34‥‥‥HDD
35‥‥‥インターフェース部C1
36‥‥‥インターフェース部C2
36D‥‥‥外部入力接続端子
37A‥‥‥充電池B
37B‥‥‥AC/DC回路
37C‥‥‥商用電源プラグ
4‥‥‥外部入出力ユニット
43‥‥‥インターフェース部D
43D‥‥‥外部接続端子部D
43D1‥‥‥挿入口
44‥‥‥HDD
45A‥‥‥外部LCDパネル
45B‥‥‥外部LCDドライバ
45C‥‥‥スキャンコンバータ
45D‥‥‥TMDSレシーバ
456‥‥‥外部LCDタッチパネル
461‥‥‥外部キー操作部
462‥‥‥外部タッチパッド
47A‥‥‥充電池D
47B‥‥‥AC/DC回路
47C‥‥‥商用電源プラグ
48A‥‥‥外部マイクロホン
48B‥‥‥外部スピーカ
48C‥‥‥外部CODEC
49‥‥‥インターフェース部C3
5‥‥‥外部ディスプレイ装置
61‥‥‥外部キーボード
62‥‥‥マウス
7‥‥‥コンセント
8‥‥‥ダッシュボード
81‥‥‥速度計
87‥‥‥外部充電池
9‥‥‥インターネット
91‥‥‥基地局
92‥‥‥Webサーバ(一般)
93‥‥‥Webサーバ(道路交通情報提供システム用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;
後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータを格納する記憶手段と;
前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と;
画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と;
外部ディスプレイ手段を伴う外部装置を接続し、該外部装置に対して、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部表示信号を送信するインターフェース手段Aと;
を備えるとともに、
前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、
Webサーバに対するデータの送信要求及びその他の情報(以下、送信要求等と略記する)をインターネットプロトコルに準拠した無線信号として送信するとともに、インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより、Webサーバからデータを取得する機能を実現し、
前記データ処理手段は、前記データをリアルタイムで処理することによって、及び/又は、前記データを前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによって、デジタル表示信号を生成する機能を有する携帯情報通信装置において、
前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、前記送信要求等に伴って外部ディスプレイ接続情報を送信する機能を実現することを特徴とする携帯情報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図11】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−120218(P2012−120218A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8839(P2012−8839)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【分割の表示】特願2008−156142(P2008−156142)の分割
【原出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(308015935)株式会社DAPリアライズ (5)
【Fターム(参考)】