説明

X線検査装置

【課題】 物品の端部に存在する異物の検出を高精度に行うことが可能なX線検査装置を提供する。
【解決手段】 X線検査装置10は、搬送中の商品Gに対して斜め方向からX線を照射し、このX線の透過光を検出して作成される2次元のX線画像に基づいて異物検査を行うX線検査装置であって、分割領域設定部31bが、X線画像に含まれる商品Gに相当する縁領域Gbを複数の領域(各分割領域Gb1〜Gb4)に分割し、検出レベル設定部31cが、各分割領域Gb1〜Gb4について適正な検出レベルを設定して異物検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の物品に対してX線を照射し、その透過したX線を検出して形成されるX線画像に基づいて異物混入の検査を行うX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品などの商品の生産ラインにおいては、商品への異物混入や商品の割れ欠けがある場合にその不良商品が出荷されることを防止するために、X線検査装置を用いた商品不良検査が行われている。このX線検査装置では、搬送コンベアによって連続搬送されてくる物品に対してX線を照射し、そのX線の透過状態をX線受光部で検出して、物品中に異物が混入していないかを判別する。
【0003】
このようなX線検査装置において、物品に混入した異物を正確に検出するためにマスク領域を設定して異物検出を行う場合がある。例えば、缶等の容器付きの物品について異物混入の検査を行う場合には、容器の縁部分に相当する部分はX線画像において異物像と同じように濃く表されるため、容器の縁近傍に存在する異物像を正確に検出することは難しい。
【0004】
特許文献1には、搬送中の物品に対してX線を斜めに照射することで、物品の端部についてマスク領域を容易に設定することが可能なX線検査装置について開示されている。ここでは、このように物品に対して斜め方向からX線を照射することで、物品の端部にできる影部分の濃度について方向によって差が生じることを回避できるため、マスク領域の設定を容易化することができる。
【特許文献1】特開2004−239753号公報(平成16年8月26日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のX線検査装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたX線検査装置では、検査対象である物品に対してX線を斜めに照射することで、物品の端部に形成される影部分の濃度が均一になるようにしているが、ここでは単にマスク領域の設定のために影部分に濃度差が生じないようにしているだけであるため、物品の端部に存在する異物の検出を正確に行うことができるとは言い難い。
【0006】
特に、検査対象が容器付きの物品である場合には、容器の縁部分に相当するX線画像の部分は濃度が濃くなるため、容器の縁に当接するように存在する異物を同じ検出レベルで正確に検出することは困難になるおそれがある。
本発明の課題は、物品の端部に存在する異物の検出を高精度に行うことが可能なX線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係るX線検査装置は、搬送中の物品に対してX線を照射し、透過したX線の検出信号に基づいて形成されるX線画像を画像処理して物品に異物が含まれているか否かの検査を行うX線検査装置であって、搬送部と、X線源と、X線検出部と、画像処理部とを備えている。搬送部は、物品を所定の方向に搬送する。X線源は、搬送部によって搬送される物品に対して斜めにX線を照射する。X線検出部は、物品の搬送方向に略直交する方向に沿って配置されており、X線源から照射されたX線を検出する。画像処理部は、X線検出部におけるX線の検出量に基づいてX線画像を作成し、X線画像を複数の領域に分割して分割した領域ごとに検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
【0008】
ここでは、搬送される物品に対して斜めにX線を照射するとともに、このX線の透過光を検出して形成されるX線画像に含まれる背景部分を除く領域について、複数の領域に分割し、各分割領域について分割領域ごとに適正な検出レベルを設定して異物検査を行う。
通常、X線源からX線検出部に対して略鉛直方向に、例えば略扇形のX線が照射されている場合には、物品の搬送方向における前後の端部と左右の端部とで、X線画像の影部分に濃度差が生じてしまう。この場合、従来のX線検査装置では、濃度の濃くなった部分について他の部分と同じ検出レベルで異物検出を行ったのでは、物品の端部に存在する異物を正確に検出することができないおそれがある。
【0009】
そこで、本発明のX線検査装置では、第1に、検査対象となる物品に対して斜めにX線を照射する。これにより、物品の端部に相当する搬送方向における前後左右の両端部分のX線画像の影部分の濃度を均一化して検査を行うことができる。
そして、第2に、物品を透過したX線を検出して形成されるX線画像を、物品の搬送方向における前後左右の端部の影部分とそれ以外の部分とに分割し、各分割領域において適正な検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
【0010】
これにより、物品の搬送方向における前後左右の端部に形成される影部分の領域とそれ以外の物品の内部に相当する領域とでX線画像の濃度が異なる場合でも、それぞれの領域に応じた検出レベルで異物の検出を行うことができるため、物品の端部付近に存在する異物について高精度な検出が可能になる。
第2の発明に係るX線検査装置は、第1の発明に係るX線検査装置であって、画像処理部は、X線画像における、物品の搬送方向に対する前後の端部と搬送方向に対する左右の端部とを抽出して分割された領域として設定する。
【0011】
ここでは、X線画像に含まれる背景部分を除く領域について、物品の搬送方向に対する前後、左右の端部の領域に分けて分割領域として設定している。
従来のX線検査装置では、X線画像に含まれる搬送方向に対する前後左右の両端に形成される影の部分の濃度が異なり、その部分に含まれる異物の検出を行うことが困難であった。
【0012】
そこで、本発明のX線検査装置では、物品に対してX線を斜め方向から照射することで、X線画像に現れる物品の前後左右の両端の画像の濃度に差が生じないようにすることができる。そして、画像処理部が、これらの領域を抽出して分割領域として設定することができる。
この結果、X線画像に含まれる背景部分を除く領域について、搬送方向における前後左右の領域とそれ以外の領域とについて、それぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行うことができるため、物品の端部においても高精度な異物検査を行うことができる。
【0013】
第3の発明に係るX線検査装置は、第1または第2の発明に係るX線検査装置であって、画像処理部は、分割した領域のうち、物品の搬送方向に対する前側の端部に相当する領域と後側の端部に相当する領域とについて、それぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
ここでは、X線画像に含まれる搬送方向における前後に形成される影部分の領域について、この前側の影部分の領域と後側の影部分の領域とで、それぞれ適正な検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
【0014】
これにより、物品の搬送方向における前後方向において若干異なる濃度の影部分が形成されている場合でも、それぞれの濃度に応じた適正な検出レベルを設定して異物混入の検査を実施することで、高精度な異物検査を実施することができる。
第4の発明に係るX線検査装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係るX線検査装置であって、画像処理部は、分割した領域のうち、物品の搬送方向に対する前後方向における端部の領域と左右方向における端部の領域とについて、それぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
【0015】
ここでは、X線画像に含まれる搬送方向における前後左右に形成される影部分の領域について、この前後の影部分の領域と左右の影部分の領域とでそれぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行う。
これにより、物品の搬送方向における前後方向と左右方向とで若干異なる濃度の影部分が形成されている場合でも、それぞれの濃度に応じた適正な検出レベルを設定して異物混入の検査を実施することで、高精度な異物検査を実施することができる。
【0016】
第5の発明に係るX線検査装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係るX線検査装置であって、物品は、容器付きである。
ここでは、例えば、缶詰等の容器付きの物品を搬送しながらX線を斜め方向から照射して異物混入の検査を行う。
これにより、容器付きの物品のように、物品の縁部分に相当する容器に当接するように存在する異物の検出を、縁部分に相当する領域については異なる検出レベルで行うため、高精度に異物検出を実施することができる。
【0017】
第6の発明に係るX線検査装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係るX線検査装置であって、物品は、幅方向および奥行き方向における長さに対して高さ方向における長さが大きい。
ここでは、背の高い物品を搬送しながらX線を斜め方向から照射して異物混入の検査を行う。
【0018】
これにより、背の高い物品のように、物品の縁部分に影となって現れる領域が大きい場合でも、そこに含まれる異物の検出を、その領域ごとに適正な検出レベルを設定して行うため、高精度に異物検査を実施することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のX線検査装置によれば、物品の搬送方向における前後左右の端部に形成される影部分の領域とそれ以外の物品の内部に相当する領域とでX線画像の濃度が異なる場合でも、物品の端部付近に存在する異物について高精度な検出が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係るX線検査装置について、図1〜図8を用いて説明すれば以下の通りである。
[X線検査装置10全体の構成]
本実施形態のX線検査装置10は、図1に示すように、食品等の商品の生産ラインにおいて品質検査を行う装置の1つである。X線検査装置10は、連続的に搬送されてくる商品に対してX線を照射し、商品を透過したX線量を検出して作成されるX線画像に基づいて商品に異物が混入しているか否かの検査を行う。
【0021】
X線検査装置10の被検査物である商品(容器入りの物品)Gは、図2に示すように、前段コンベア60によりX線検査装置10に運ばれてくる。商品Gは、X線検査装置10において異物混入の有無が判断される。このX線検査装置10での判断結果は、X線検査装置10の下流側に配置される振分機構70に送信される。振分機構70は、商品GがX線検査装置10において異物混入の無い良品と判断された場合には商品Gをそのまま正規のラインコンベア80へと送る。一方、商品GがX線検査装置10において異物混入のある不良品と判断された場合には、下流側の端部を回転軸とするアーム70aが搬送路を遮るように回動する。これにより、不良品と判断された商品Gを、搬送路から外れた位置に配置された不良品回収箱90によって回収することができる。
【0022】
X線検査装置10は、図1に示すように、主として、シールドボックス11と、コンベア12と、遮蔽ノレン16と、タッチパネル機能付きのモニタ26と、を備えている。そして、その内部には、図3に示すように、X線照射器(X線源)13と、X線ラインセンサ(X線検出部)14と、制御コンピュータ(画像処理部)20(図5参照)とを備えている。
【0023】
なお、本実施形態で検査対象として用いられる商品Gは、容器の中に食物等が入れられた状態で密封された缶詰であって、幅方向の長さよりも高さ方向の長さが大きい比較的背の高い物品であるものとする。
[シールドボックス11]
シールドボックス11は、商品Gの入口側と出口側の双方の面に、商品を搬出入するための開口11aを有している。このシールドボックス11の中に、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、制御コンピュータ20などが収容されている。
【0024】
また、開口11aは、図1に示すように、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を防止するために、遮蔽ノレン16によって塞がれている。この遮蔽ノレン16は、鉛を含むゴム製のノレン部分を有しており、商品が搬出入される際に商品によって押しのけられる。
また、シールドボックス11の正面上部には、モニタ26の他、キーの差し込み口や電源スイッチ等が配置されている。
【0025】
[コンベア12]
コンベア12は、シールドボックス11内において商品を搬送するものであって、図5の制御ブロックに含まれるコンベアモータ12fによって駆動される。コンベア12による搬送速度は、作業者が入力した設定速度になるように、制御コンピュータ20によるコンベアモータ12fのインバータ制御によって細かく制御される。
【0026】
また、コンベア12は、図3に示すように、コンベアベルト12a、コンベアフレーム12bを有しており、シールドボックス11に対して取り外し可能な状態で取り付けられている。これにより、食品等の検査を行う場合においてシールドボックス11内を清潔に保つために、コンベアを取り外して頻繁に洗浄することができる。
コンベアベルト12aは、無端状ベルトであって、ベルトの内側からコンベアフレーム12bによって支持されている。そして、コンベアモータ12fの駆動力を受けて回転することで、ベルト上に載置された物体を所定の方向に搬送する。
【0027】
コンベアフレーム12bは、無端状のベルトの内側からコンベアベルト12aを支持するとともに、図3に示すように、コンベアベルト12aの内側の面に対向する位置に、搬送方向に対して直角な方向に長く開口した開口部12cを有している。開口部12cは、コンベアフレーム12bにおける、X線照射器13とX線ラインセンサ14とを結ぶ線上に形成されている。換言すれば、開口部12cは、コンベアフレーム12bにおけるX線照射器13からのX線照射領域に、商品Gを透過したX線がコンベアフレーム12bによって遮蔽されないように形成されている。
【0028】
[X線照射器13]
X線照射器13は、図3に示すように、コンベア12の上方に配置されており、コンベアフレーム12bに形成された開口部12cを介して、コンベア12の下方に配置されたX線ラインセンサ14に向かって扇形形状にX線を照射する(図3の斜線部参照)。
また、X線照射器13は、図3に示すように、鉛直方向に対して角度θをつけて斜め方向にX線を照射する。
【0029】
なお、この角度θについては、商品Gの高さ等の各種検査条件に応じて変更可能であって、例えば、後述するX線画像に含まれる縁領域Rbの濃度がほぼ均一に近くなるような角度に調整される。
[X線ラインセンサ14]
X線ラインセンサ14は、コンベア12(開口部12c)の下方に配置されており、商品Gやコンベアベルト12aを透過してくるX線を検出する。このX線ラインセンサ14は、図3および図4に示すように、コンベア12による搬送方向に直交する向きに一直線に水平配置された複数の画素14aから構成されている。
【0030】
なお、図4には、X線検査装置10内におけるX線照射状態と、その時のラインセンサ14を構成する各画素14aにおいて検出されるX線量を示すグラフとがそれぞれ示されている。
[モニタ26]
モニタ26は、フルドット表示の液晶ディスプレイである。また、モニタ26は、タッチパネル機能を有しており、初期設定や異物検出の判定等に関するパラメータ入力などを促す画面を表示する。
【0031】
また、モニタ26は、後述する画像処理が施された後のX線画像を表示する。これにより、商品Gに含まれる異物の有無、場所、大きさ等を、ユーザに対して視覚的に認識させることができる。
[制御コンピュータ20]
制御コンピュータ20は、CPU21において、制御プログラムに含まれる画像処理ルーチン、検査判定処理ルーチンなどを実行する。また、制御コンピュータ20は、CF(コンパクトフラッシュ:登録商標)25等の記憶部に、不良商品に対応するX線画像や検査結果、X線画像の補正用データ等を保存蓄積する。
【0032】
具体的な構成として、制御コンピュータ20は、図5に示すように、CPU21を搭載するとともに、このCPU21が制御する主記憶部としてROM22、RAM23、およびCF25を搭載している。
CF25には、後段にて詳述する異物混入検査の検査対象となるX線画像に関する情報や、設定された分割領域に関する情報、各分割領域においてそれぞれ設定された検出レベルに関する情報、あるいは検出された異物の位置等に関する情報が格納されている。
【0033】
さらに、制御コンピュータ20は、モニタ26に対するデータ表示を制御する表示制御回路、モニタ26のタッチパネルからのキー入力データを取り込むキー入力回路、図示しないプリンタにおけるデータ印字の制御等を行うためのI/Oポート、外部接続端子としてのUSB24等を備えている。
本実施形態では、CF25等の記憶部に格納された各種プログラムをCPU21が読み込むことで、図6に示すような、画像形成部(画像処理部)31a、分割領域設定部(画像処理部)31b、検出レベル設定部(画像処理部)31c、異物判定部(画像処理部)31dを含む機能ブロックが形成される。
【0034】
画像形成部31aは、CPU21が画像形成プログラムを読み込むことで形成される機能ブロックであって、X線ラインセンサ14によるX線透視像信号を細かい時間間隔で取得して、それらのX線透視像信号に基づいて、X線ラインセンサ14の1ラインごとに商品Gとその背景部分とを含むX線画像を作成する。
分割領域設定部31bは、CPU21が画像処理プログラムを読み込むことで形成される機能ブロックであって、図8に示すように、画像形成部31aにおいて作成されたX線画像に含まれる背景部分および商品Gの縁部分(影の部分)を除く内部領域Gaと、商品Gの縁部分の領域(以下、縁領域と示す)Gbとを抽出する。さらに、分割領域設定部31bは、図8に示すように、商品Gの縁領域Gbを、商品Gの搬送方向における両端の領域(以下、前方領域Gb1、後方領域Gb2と示す)と、搬送方向に交差する方向における両端の領域(以下、右方領域Gb3および左方領域Gb4と示す)と、に分割する。
【0035】
検出レベル設定部31cは、上記分割領域設定部31bにおいて設定された各分割領域Ga、Gb1〜Gb4について異物検査を実施する際の検出レベルについて、それぞれ適正な検出レベルを設定する。具体的には、例えば、前方領域Gb1と後方領域Gb2とを同じ検出レベルとし、右方領域Gb3と左方領域Gb4とを同じ検出レベルであって前後方領域Gb1,Gb2とは異なる検出レベルになるように設定する。
【0036】
異物判定部31dは、上記検出レベル設定部31cにおいて各分割領域Ga、Gb1〜Gb4について設定された検出レベルにより、各分割領域において異物が混入していないかの判定を行う。異物判定部31dによる判定方法としては、例えば、周辺の画素と比較して30%以上濃度の高い画素が存在する場合にこの画素を異物として判定する等の方法を採用することができる。この場合には、周辺画素との濃度差の割合を変更することで、各分割領域Ga,Gb1〜Gb4における検出レベルを変更することができる。
【0037】
そして、CPU21、ROM22、RAM23、CF25等は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
さらに、制御コンピュータ20は、コンベアモータ12f、ロータリーエンコーダ12g、X線照射器13、X線ラインセンサ14、光電センサ15等と接続されている。
制御コンピュータ20では、コンベアモータ12fに装着されたロータリーエンコーダ12gにおいて検出されたコンベア12の搬送速度を受信する。
【0038】
また、制御コンピュータ20は、コンベアを挟んで配置される一対の投光器および受光器から構成される同期センサとしての光電センサ15からの信号を受信して、被検査物である商品GがX線ラインセンサ14の位置にくるタイミングを検出する。
<制御コンピュータ20による異物混入の判定>
[X線画像作成]
制御コンピュータ20は、光電センサ15からの信号を受けて、鉛直方向から角度θだけ傾斜させるように斜めに照射された扇状のX線照射部分(図3に示す斜線部分参照)を商品Gが通過するときに、X線ラインセンサ14によるX線透視像信号を細かい時間間隔で取得する。そして、制御コンピュータ20は、画像形成部31aとして、それらのX線透視像信号に基づいて、X線ラインセンサ14の1ラインごとに商品Gとその背景部分とを含むX線画像(図7参照)を作成する。すなわち、X線ラインセンサ14の各画素14aから細かい時間間隔をあけて各時刻のデータを得て、それぞれのデータからX線画像が作成される。そして、これら複数のX線画像を時間経過順に組み合わせることで、商品Gの全体とその背景部分とを含む全体の2次元画像が形成される。
【0039】
[内部領域Ga、縁領域Gb等の抽出]
制御コンピュータ20では、缶の中の内容物に含まれる異物と缶の縁部分に存在する異物とを分けて異物検出を行うために、まず、図7に示すX線画像について、例えば各画素毎の濃淡を示すヒストグラムを作成する。このヒストグラムの基になるX線画像には、図7に示すように、主として、缶詰である商品Gの缶の縁の部分と、異物の部分と、缶の中にある内容物の部分と、背景部分とが含まれている。このため、ヒストグラムでは、各画素における濃度に基づいて、缶の縁または異物の部分、縁の内側の部分(内容物の部分)、背景部分が抽出される。
【0040】
具体的には、制御コンピュータ20では、検査対象となる内部領域を設定するための2値化画像を形成するために、2つの閾値を用いて缶の中の内容物の部分を抜き出す。具体的には、以下に示す関係式(1)を用いて特定の濃度範囲の画素を抜き出す。
ヒストグラムのピーク位置の50%<抜き出す範囲<最大明るさの80%・・・(1)
上記関係式(1)の「ヒストグラムのピーク位置の50%」は、缶の縁または異物に相当する暗い画素に対応し、「最大明るさの80%」は、主に背景部分に対応する。このため、上記関係式によって所定の明るさの範囲の画素を抜き出すことで、X線画像から内部領域Gaを抽出することができる。
【0041】
また、上記関係式(1)より、抜き出す範囲を最大明るさの80%以上と設定することで、X線画像から背景部分を抽出することができる。
そして、上記関係式(1)より、抜き出す範囲をヒストグラムのピーク値の50%以下と設定することで、異物像および商品Gの縁領域GaをX線画像から抽出することができる。
【0042】
[マスク領域の設定]
本実施形態のX線検査装置10では、制御コンピュータ20によって形成された2次元画像に対して検査領域から除外するためのマスク領域の設定を行う。
具体的には、上述したヒストグラムを作成して抽出された縁領域Gb、背景部分を用いて、マスク領域を設定する。これにより、マスク領域を設定することで、まずは、内部領域Gaだけについて異物検査を実施することができる。
【0043】
[異物検出]
(内部領域Gaに含まれる異物の検出)
制御コンピュータ20では、上述したマスク領域が被せられて設定された缶の縁よりも内側の内部領域Gaについて、異物が含まれているか否かの検査を行う。
具体的な検出方法としては、X線画像に含まれる画素を、所定の濃度を閾値として2値化することで所定濃度よりも暗い画素を異物として検出する2値化処理による検出方法や、ある画素についてその周囲の画素の濃度の平均値との差をとることで孤立した濃度の濃い領域を抽出して異物を検出する微分処理による検出方法等を用いることができる。
【0044】
これにより、図7に示すように、缶の内部(缶の縁よりも内側の部分)の領域(内部領域Ga)に存在する比較的大きい異物を検出することができる。
(縁領域Gbに近接して存在する異物の検出)
本実施形態では、制御コンピュータ20が、検査対象となる領域を、上述した缶の内側の領域(内部領域Ga)と、以下で説明する缶の縁部分の領域(縁領域Gb)とに分けて異物検出を行う。
【0045】
すなわち、制御コンピュータ20では、図8に示すように、上述した分割領域設定部31bによって設定された分割領域(各領域Gb1〜Gb4)について、検出レベル設定部31cがそれぞれの分割領域(各領域Gb1〜Gb4)について適正な検出レベルを設定する。
具体的には、各分割領域Gb1〜Gb4に含まれる画素の平均濃度を算出し、ここで算出された平均濃度に応じて各分割領域Gb1〜Gb4ごとの検出レベルを設定する。
【0046】
例えば、前方領域Gb1と後方領域Gb2とについては、X線画像において若干画素の濃度が高い前方領域Gb1の方を検出レベル4、後方領域Gb2の方を検出レベル3と設定する。そして、左右方領域Gb3,Gb4については、前後方領域Gb1,Gb2よりも画素の濃度が高いために、さらに検出レベルを上げて検出レベルをともに5に設定する。
【0047】
これにより、各分割領域Gb1〜Gb4に含まれる画素の平均濃度が高い領域については、検出レベルを上げて異物検査を行う一方、平均濃度が標準的、あるいは低い領域についてはそれよりも低めの検出レベルを設定して異物検査を行うことで、各領域において高精度な異物検査を実施することが可能になる。
(異物像の合成)
本実施形態のX線検査装置10では、上述のように、缶の縁よりも内側の内部領域Gaと、缶の縁部分の縁領域Gbとに分けて別々に異物検出を行う。
【0048】
このため、1つの商品Gから検出される異物像は、缶の縁部分の縁領域Gbで検出された異物像と、缶の縁よりも内側の内部領域Gaで検出された異物像とを合わせて作成される合成異物像を最終的な判定画像としてモニタ26に表示させる。
[本X線検査装置10の特徴]
(1)
本実施形態のX線検査装置10は、図3に示すように、搬送中の商品Gに対して斜め方向からX線を照射し、このX線の透過光を検出して作成される2次元のX線画像に基づいて異物検査を行うX線検査装置であって、図6に示す分割領域設定部31bが、X線画像に含まれる商品Gに相当する縁領域Gbを複数の領域(各分割領域Gb1〜Gb4)に分割し(図8参照)、検出レベル設定部31cが、各分割領域Gb1〜Gb4について適正な検出レベルを設定して異物検査を行う。
【0049】
これにより、商品Gの縁領域Gbに相当する各分割領域Gb1〜Gb4については、各領域を構成する画素の平均濃度を基準にして各分割領域Gb1〜Gb4における検出レベルを設定することで、検出が難しい商品Gの縁部分(容器に近接する部分)に相当する各分割領域Gb1〜Gb4の濃度が異なる場合でも、そこに含まれる異物を高精度に検出することができる。
【0050】
(2)
本実施形態のX線検査装置10では、図6に示す分割領域設定部31bが、図8に示すように、縁領域Gbを、前後方領域Gb1,Gb2および左右方領域Gb3,Gb4に分割した分割領域Gb1〜Gb4を設定する。
これにより、特に、容器付きの物品のような縁部分の影の濃度に差が出やすい商品Gを検査対象とする場合でも、商品Gの搬送方向およびこれに交差する方向において縁領域Gbを複数の領域に分割された各領域について、各領域の濃度に応じて適正な検出レベルを設定することができる。この結果、商品Gの縁領域Gbに存在する異物を高精度に検出することが可能になる。
【0051】
(3)
本実施形態のX線検査装置10では、X線画像に含まれる縁領域Gbのうち、前方領域Gb1と後方領域Gb2とについて、図6に示す検出レベル設定部31cがそれぞれの画素の平均濃度に応じて適正な検出レベルを設定する。
これにより、商品Gの搬送方向における前後方向において各分割領域Gb1,Gb2の濃度分が若干異なる場合でも、それぞれの領域の濃度に対応させて適正な検出レベルで異物検査を実施することで、商品Gの容器の縁部分に近接するように存在する異物の検出を高精度に実施することができる。
【0052】
(4)
本実施形態のX線検査装置10では、X線画像に含まれる縁領域Gbのうち、前方領域Gb1および後方領域Gb2と、右方領域Gb3および左方領域Gb4とについて、図6に示す検出レベル設定部31cがそれぞれの画素の平均濃度に応じて適正な検出レベルを設定する。
【0053】
これにより、商品Gについて、搬送方向における前後方向だけでなく、左右方向についても、各分割領域Gb1〜Gb4に含まれる画素の平均濃度に応じて適正な検出レベルを設定して異物検査を実施することができる。この結果、商品Gの縁部分(容器部分)に近接するように存在する異物を高精度に検出することが可能になる。
(5)
本実施形態のX線検査装置10では、検査対象として、容器付きの物品である商品Gを用いている。
【0054】
通常、缶詰のような容器付きの物品を検査対象とする場合には、X線画像に含まれるその容器の部分の濃度が濃くなってしまうため、内部領域等の他の領域と同じ検出レベルで異物検査を行ったのでは、この容器付近に存在する異物を正確に検出できないおそれがある。
そこで、本実施形態のX線検査装置10では、商品Gの縁部分に相当する容器の部分に対応するX線画像の部分の濃度が濃くなる場合でも、この部分については他の部分よりも高い検出レベルに設定している。
【0055】
これにより、容器の部分に近接するように存在する異物を効果的に検出して、高精度な異物検査を実施することが可能になる。
(6)
本実施形態のX線検査装置10では、図3に示すように、検査対象として、背の高い物品である商品Gを用いている。
【0056】
通常、このような背の高い物品を検査対象とした場合には、X線画像に含まれる影の部分の面積が非常に大きくなるという特徴がある。この場合、この影の部分について内部領域等と同じ検出レベルで異物検査を行うと、影部分に含まれる異物の検出を正確に実施できないおそれがある。
そこで、本実施形態のX線検査装置10では、背の高い物品を検査対象とする場合でも、図8に示すように、物品の影部分に相当する商品Gの縁領域Gbを複数の領域に分割し、各分割領域Gb1〜Gb4について、それぞれ適正な検出レベルを設定して異物検査を行っている。
【0057】
これにより、縁領域Gbに存在する異物を確実に検出して、高精度な異物検出を実施することが可能になる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
(A)
上記実施形態では、商品GのX線画像に含まれる領域を、背景部分と縁部分とを除く内部領域Gaと縁領域Gbとに分割し、縁領域Gbについてはさらに商品Gの搬送方向と搬送方向に交差する方向とにおける各両端に位置する4つの領域Gb1〜Gb4に分割した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】
例えば、縁部分の分割の仕方としては、搬送方向とその交差する方向とにおける両端部分という分割ではなく、より細かく分割された分割領域を設定してもよい。この場合でも、各分割領域について異なる検出レベルで異物検査を実施することで、商品Gの内部領域Gaの外周部分に沿って存在する細かい異物を精度よく検出することができるという上記と同様の効果を得ることができる。
【0060】
さらには、内部領域Gaについても、複数の領域に分割し、各分割領域について適正な異なる検出レベルを設定して異物検査を実施してもよい。この場合には、さらに高精度に異物検査を行うことが可能になる。
(B)
上記実施形態では、縁領域Gbについて、各領域Gb1〜Gb4に対して適正な検出レベルになるようにそれぞれの検出レベルを設定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
例えば、縁領域Gbだけでなく、内部領域Gaと縁領域Gbとの間においても同様に、異なる検出レベルを設定して異物検査を実施してもよい。この場合には、縁領域Gbに加えて内部領域Gaについても適正な検出レベルによって異物検査を実施することができる。
(C)
上記実施形態では、各分割領域(前方領域Gb1、後方領域Gb2、右方領域Gb3および左方領域Gb4)のうち、左右方領域Gb3,Gb4について異なる検出レベルを設定し、さらに左右方領域Gb3,Gb4とは異なる検出レベルを、前後方領域Gb1,Gb2について設定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
例えば、前方領域Gb1と左方領域Gb4とについて同じ検出レベルを設定し、これとは異なる検出レベルを、後方領域Gb2と右方領域Gb3とについて設定してもよい。
このように、各分割領域についてそれぞれ設定される検出レベルは、必ずしも全ての分割領域で異なっている必要はなく、適正な検出レベルが同じ領域についてはほぼ同程度の検出レベルを設定して異物検査を行ってもよい。
【0063】
(D)
上記実施形態では、縁領域Gbの分割領域Gb1〜Gb4については、ほぼ均等に分割されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、分割領域Gb1〜Gb4のうち、前方領域Gb1と後方領域Gb2とを大きくし、左右方領域Gb3,Gb4の領域を小さく設定してもよい。
【0064】
つまり、本発明において設定される分割領域は、X線画像に現れる各領域Ga,Gbを構成する画素の濃度が微妙に変化する領域ごとに分けて設定されることが好ましい。これにより、画素の濃度が所定の範囲内にある領域を1つの分割領域として設定することで、各領域における画素濃度に応じて適正な検出レベルを設定することで、高精度な異物検査を実施することが可能になる。
【0065】
(E)
上記実施形態では、X線画像に含まれる背景部分、内部領域Gaおよび縁領域Gbについて、X線画像に含まれる画素の濃度に基づいて作成されるヒストグラムを用いて抽出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ヒストグラムを作成することなく、濃度範囲に基づいて直接各領域を抽出してもよい。
【0066】
(F)
上記実施形態では、検査対象である物品として、図3に示すような背の高い缶入りの商品Gを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、検査対象としては、必ずしも背の高い商品でなくてもよいし、缶入りの商品でなくてもよい。
【0067】
通常、背の高い商品Gを検査対象とした場合には、X線照射器13から照射されるX線によって形成されるX線画像に含まれる商品Gの影部分の面積が大きくなってしまう。しかし、上記実施形態のように、X線を斜めに照射することで影部分の濃度をほぼ均一にすることで、背の高い商品Gであっても縁部分に近接して存在する異物の検出を高精度に行うことができることから、上記実施形態のように、背の高い商品Gを検査対象とすることがより好ましい。
【0068】
一方、缶入りの商品Gを検査対象とした場合には、通常、缶の縁の部分(縁領域)に近接するように存在する異物の検出は困難であるが、本発明のX線検査装置によれば、縁領域に存在する異物を高精度に検出できることから、上記実施形態のように缶入り(容器入り)の商品Gを検査対象として異物検査を実施することがより好ましい。
(G)
上記実施形態では、缶入りの商品Gを検査対象として異物検査を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
例えば、図9に示すように、上面G1がフィルムFで覆われており、側壁面G2および底面G3がともにプラスチックで構成されているプリンやヨーグルト等の容器付きの商品を検査対象として用いてもよい。
この場合には、X線の斜め照射によって影部分(縁領域)がほぼ均一に近い濃度になるようになっているものの、X線が容器のどの部分を透過して検出されたものであるかによって、X線画像に形成される容器の縁部分の影の濃度が異なってくる。具体例を挙げれば、上面G1のフィルム部分と側壁面G2のプラスチック部分とを透過したX線の検出結果に対応する影の部分と、側壁面G2のプラスチック部分と底面G3のプラスチック部分とを透過したX線の検出結果に対応する影の部分とでは、フィルム部分の方がプラスチック部分よりも後者の方が濃度が高くなる。
【0070】
このため、上記実施形態のように、若干濃度の異なる縁領域Gbを濃度が異なる領域に分割してそれぞれ異なる検出レベルで異物検出を行うことで、各分割領域において適正な検出レベルを設定してより高精度な異物検出を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のX線検査装置は、物品の端部に存在する異物の検出を高精度に行うことができるという効果を奏することから、検査対象である物品に対してX線を照射して検査を行う各種検査装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線検査装置の外観斜視図。
【図2】図1のX線検査装置の前後の構成を示す図。
【図3】図1のX線検査装置のシールドボックス内部の簡易構成図。
【図4】図1のX線検査装置による異物混入検査の原理を示す模式図。
【図5】図1のX線検査装置が備えている制御コンピュータの構成を示す制御ブロック図。
【図6】図5の制御コンピュータに形成される機能ブロック図。
【図7】図1の制御コンピュータにおいて作成されるX線画像を示す図。
【図8】図7のX線画像について設定される各分割領域を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態に係るX線検査装置において検査対象として用いる物品の他の例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0073】
10 X線検査装置
11 シールドボックス
11a 開口
12 コンベア
12a コンベアベルト
12b コンベアフレーム
12c 開口部
12f コンベアモータ
12g ロータリーエンコーダ
13 X線照射器(X線源)
14 X線ラインセンサ(X線検出部)
14a 画素
15 光電センサ
16 遮蔽ノレン
20 制御コンピュータ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 USB(外部接続端子)
25 CF(コンパクトフラッシュ:登録商標)
26 モニタ
31a 画像形成部(画像処理部)
31b 分割領域設定部(画像処理部)
31c 検出レベル設定部(画像処理部)
31d 異物判定部(画像処理部)
60 前段コンベア
70 振分機構
70a アーム
80 ラインコンベア
F フィルム
G 商品(容器付きの物品)
Ga 内部領域(分割領域)
Gb 縁領域(分割領域)
Gb1 前方領域(分割領域)
Gb2 後方領域(分割領域)
Gb3 右方領域(分割領域)
Gb4 左方領域(分割領域)
G1 上面
G2 側壁面
G3 底面
θ 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中の物品に対してX線を照射し、透過したX線の検出信号に基づいて形成されるX線画像に基づいて前記物品に異物が含まれているか否かの検査を行うX線検査装置であって、
前記物品を所定の方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記物品に対して斜めにX線を照射するX線源と、
前記物品の搬送方向に略直交する方向に沿って配置されており、前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出部と、
前記X線検出部におけるX線の検出量に基づいてX線画像を作成し、前記X線画像を複数の領域に分割して前記分割した領域ごとに検出レベルを設定して異物混入の検査を行う画像処理部と、
を備えているX線検査装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記X線画像における、前記物品の搬送方向に対する前後の端部と前記搬送方向に対する左右の端部とを抽出して前記分割された領域として設定する、
請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記分割した領域のうち、前記物品の搬送方向に対する前側の端部に相当する領域と後側の端部に相当する領域とについて、それぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行う、
請求項1または2に記載のX線検査装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記分割した領域のうち、前記物品の搬送方向に対する前後方向における端部の領域と左右方向における端部の領域とについて、それぞれ検出レベルを設定して異物混入の検査を行う、
請求項1から3のいずれか1項に記載のX線検査装置。
【請求項5】
前記物品は、容器付きである、
請求項1から4のいずれか1項に記載のX線検査装置。
【請求項6】
前記物品は、幅方向および奥行き方向における長さに対して高さ方向における長さが大きい、
請求項1から5のいずれか1項に記載のX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−329906(P2006−329906A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−156615(P2005−156615)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】