説明

X線CT装置

【課題】複数の管球から被検体にX線を照射し、目的に応じた時間分解能およびFOVで画像を撮像することが可能なX線CT装置である。
【解決手段】X線CT装置1は、X線を第1の照射方向に照射する第1のX線発生部と、その回転面上において第1の照射方向と異なる第2の照射方向にX線を照射する第2のX線発生部と、一部の検出素子のサイズおよび隣接する検出素子間におけるピッチの少なくとも一方が異なり、第1のX線発生部に対向する第1の検出素子群と、第2のX線発生部に対向する第2の検出素子群と、第1の検出素子群および第2の検出素子群の少なくとも一方により検出されたデータを用いて画像を再構成する再構成部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線を被検体に照射して収集されたX線検出データから被検体の診断画像を再構成するX線CT(computed tomography)装置に係り、特に複数の管球を備えたX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置は、X線管の管球からX線を被検体に照射し、X線検出器により収集されたX線検出データに画像再構成処理を施すことにより被検体の診断画像を再構成する装置である。このX線CT装置を用いた診断画像の再構成手法の1つとしてハーフ再構成がある。ハーフ再構成は、通常の画像再構成処理が被検体に対して360度方向分のデータを検出して診断画像を再構成するのに対し、360°未満の投影データ(一般に180度+ファン角度の投影データ)を使用して1枚の画像を生成することで診断画像を再構成するものである。
【0003】
このハーフ再構成技術は、少ない角度範囲の投影データから画像を再構成することができ、時間分解能の高い画像を得ることができるため、心臓等の局所的な動きがある部分の画像を得る際にしばしば用いられる。特に心電同期で収集された360°未満のX線検出データのハーフ再構成により心臓の画像を得ることにより、動きの影響の少ない画像を得ることができる。
【0004】
図10は、従来のX線CT装置により心電同期でハーフ再構成用のデータを収集する方法を説明する概念図である。
【0005】
図10に示すように、ECG(electrocardiogram)信号の拍動間において、管球#1からX線が被検体に照射され、X線検出器によりハーフ分のデータDhが収集される。また、図10のハーフ分のデータDhは、およそ210°から240°程度であるが、例えば240°分程度のデータとされる。
【0006】
しかし、1分間における拍動の回数が120bpmの場合には、1心拍の時間tbは0.5secであるため、1心拍でデータ収集する場合には、相当する時間分解能が要求される。ところが、通常は1心拍で十分なハーフ分のデータ収集が困難である場合が多く、従来、複数心拍に亘ってセグメントごとに分割してハーフ分のデータを収集する手法が考案されている。
【0007】
図11は、従来のX線CT装置により、心電同期でハーフ再構成用のデータをセグメントごとに分割して収集する手法を説明する概念図である。
【0008】
図11の管球軌跡pに示すように、管球を被検体周りにヘリカルに移動させ、1心拍目B1においてハーフ分のデータの1セグメント分S1を、2心拍目B2および3心拍目B3においてそれぞれハーフ分のデータの2セグメント分S2および3セグメント分S3を収集する手法が考案されている。そして、3心拍に亘るデータ収集により、再構成面Yにおける240度程度のハーフ分のデータを得ることができる。
【0009】
一方、時間分解能を向上させる試みとして、多管球X線CT装置が考案されている。多管球X線CT装置は、複数の管球をX線CT装置に設け、各管球からそれぞれ被検体に照射されたX線を、それぞれの管球に対向配置されたX線検出器で検出する装置である。
【0010】
この多管球X線CT装置では、特に、3つの管球を備えた3管球X線CT装置が考案されている。3管球X線CT装置の場合には、3つの管球と検出器のペアを120度に均等配置した装置が考案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。この3管球X線CT装置を用いれば、360°分のデータを収集しようとする場合に、120°の回転角度で360°分のデータを収集できることになる。このため、管球が1つのX線CT装置を用いた場合に比べて、理想的には1/3の時間でデータを収集することが期待される。
【0011】
図12は、従来考案されている3管球X線CT装置によりデータを収集する際の手法を説明する概念図である。
【0012】
図12の状態St01に示すように3つの管球#1、#2、#3が均等に120°の角度間隔で配置されている場合に、各管球#1、#2、#3をそれぞれ120°回転させれば状態St02に示すようになり、360°分のデータを収集することができる。
【0013】
このため、管球の回転速度が0.3s/回である場合には、360°分のデータ収集に要する時間が120/360×0.3=0.1(sec)となり、1管球の場合に比べて1/3となる。
【0014】
図13は、従来考案されている3管球X線CT装置により収集されるデータを示す概念図である。
【0015】
図13において、縦軸は被検体に対するX線の照射角度で表されたデータの収集範囲を示し、横軸はX線検出器の使用チャンネル(Ch)を示す。図13に示すように、3つの管球にそれぞれ対向するX線検出器#1’、#2’、#3’によりそれぞれ異なる領域の120°分のデータが収集される。また、各X線検出器#1’、#2’、#3’に設けられる検出素子のチャンネル数は互いに同等であり、全てのチャンネルでX線が検出される。
【0016】
この結果、図13に示すように、各X線検出器#1’、#2’、#3’によりチャンネル数に応じた120°分のデータD#1’、D#2’、D#3’が、同等なデータ数で収集される。すなわち、チャンネル数に比例する360°分のデータが3管球X線CT装置により収集される。
【0017】
そして、このような、多管球X線CT装置は、時間分解能の観点から高速スキャンに有効であると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平5−168616号公報
【特許文献2】特開2001−346791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ハーフ再構成技術では、前述のように時間分解能の向上が重要な課題となる。しかしながら、従来の1管球のX線CT装置を用いてハーフ再構成を行う場合には、時間分解能が不十分である結果、1心拍中における必要なデータ収集が困難となる場合がある。そのため、複数心拍に亘るセグメント方式のデータ収集となっている。
【0020】
そこで、このような時間分解能が要求されるデータ収集用に多管球X線CT装置の利用が期待される。しかしながら、管球が均等配置された多管球X線CT装置を用いて、心臓等の局所的な部位における画像を撮像する場合には、角度的に連続したデータを収集するためにハーフ再構成ではなくフル再構成による画像の撮像となる。
【0021】
従って、管球が均等配置された多管球X線CT装置を用いた場合には、管球の数に応じて360°回転させる必要がなく、1管球のX線CT装置によりフル再構成する場合に比べて時間分解能が向上するものの、ハーフ再構成技術を用いることが困難である。このため、局所的な部位の画像を撮像する場合には、更なる時間分解能の向上が望まれる。
【0022】
また、多管球X線CT装置を利用する場合に、十分なFOV(field of view)が得られるような管球とX線検出器のペアを複数組備えようとすると、製造コストの増加に繋がるという問題がある。一般に、特に時間分解能が要求されるのは主としてFOVが狭く、心臓等の局所的な部位の画像を撮像する場合である。このため、より簡易な構成で時間分解能を向上させる技術の考案も望まれる。
【0023】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、複数の管球から被検体にX線を照射し、目的に応じた時間分解能およびFOVで画像を撮像することが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係るX線CT装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、X線を第1の照射方向に照射する第1のX線発生部と、その回転面上において前記第1の照射方向と異なる第2の照射方向にX線を照射する第2のX線発生部と、一部の検出素子のサイズおよび隣接する検出素子間におけるピッチの少なくとも一方が異なり、前記第1のX線発生部に対向する第1の検出素子群と、前記第2のX線発生部に対向する第2の検出素子群と、前記第1の検出素子群および前記第2の検出素子群の少なくとも一方により検出されたデータを用いて画像を再構成する再構成部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るX線CT装置においては、複数の管球から被検体にX線を照射し、目的に応じた時間分解能およびFOVで画像を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るX線CT装置の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】図1に示すX線CT装置により3つのX線検出器によりハーフ再構成用のデータを検出する際における各X線検出器の位置変化を示す図。
【図3】図1に示すX線CT装置によりECG信号に同期して3つのX線検出器によりハーフ再構成用のデータを検出する方法を説明する概念図。
【図4】図1に示すX線CT装置によりECG信号に同期して3つのX線検出器によりハーフ再構成用のデータを検出する方法を説明する別の概念図。
【図5】図1に示すX線CT装置の3つのX線検出器により収集されたハーフ再構成用のデータを示す概念図。
【図6】図1に示すX線CT装置の変形例を示す機能ブロック図。
【図7】本発明に係るX線CT装置の第2の実施形態におけるX線検出器の構造を示す図。
【図8】図7に示すX線検出器を用いて広範囲のFOVからデータを収集する場合におけるデータの検出方法を説明する図。
【図9】図7に示すX線検出器を用いて局所的なFOVからデータを収集する場合におけるデータの検出方法を説明する図。
【図10】従来のX線CT装置により心電同期でハーフ再構成用のデータを収集する方法を説明する概念図。
【図11】従来のX線CT装置により、心電同期でハーフ再構成用のデータをセグメントごとに分割して収集する手法を説明する概念図。
【図12】従来考案されている3管球X線CT装置によりデータを収集する際の手法を説明する概念図。
【図13】従来考案されている3管球X線CT装置により収集されるデータを示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るX線CT装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明に係るX線CT装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0029】
X線CT装置1は、ガントリ部2、コンピュータ装置3およびECGユニット4を備えている。ガントリ部2は、高電圧発生装置5、駆動制御装置6、焦点部(X線発生部)からX線を放射する複数のX線管、例えば3つの管球7a,7b,7c、各管球7a,7b,7cに対向配置されてペア8a,8b,8cをなすX線検出器9a,9b,9c、データ収集部10(DAS;Data Aquisition System)を備えている。
【0030】
これらの管球7a,7b,7cと、X線検出器9a,9b,9cは、図示しない共通の回転体上に配置されており、この回転体を回転させることにより各管球7a,7b,7cと各X線検出器9a,9b,9cが同一平面上で回転する。この回転体は、架台固定部にベアリングで回転可能に支持されている。
【0031】
ガントリ部2に設けられる高電圧発生装置5は、各管球7a,7b,7cを構成要素とするX線管に高電圧を印加することにより、各管球7a,7b,7cから被検体に向けてX線を照射させる機能を有する。また、駆動制御装置6は、上記回転体を回転させることにより各管球7a,7b,7cとともに対向配置されたX線検出器9a,9b,9cを回転させる機能を有する。
【0032】
すなわち、X線CT装置1は、駆動制御装置6により管球7a,7b,7cおよびX線検出器9a,9b,9cのペア8a,8b,8cは回転せしめられ、高電圧発生装置5からそれぞれ高電圧が印加されることにより各管球7a,7b,7cから被検体に照射されたX線は、各管球7a,7b,7cに対向配置されたX線検出器9a,9b,9cにより検出される構成である。さらに、X線検出器9a,9b,9cにより検出されたX線検出データは、データ収集部10に与えられて、デジタル化された生データに変換される。
【0033】
また、各管球7a,7b,7cとX線検出器9a,9b,9cの各ペア8a,8b,8cは、画像再構成、望ましくはハーフ再構成によるデータ収集が適切であり、少なくとも必要な範囲をカバーし、かつ隣接するペア8a,8b,8c間におけるX線の照射方向のなす角度の一部および全部のいずれかが異なるものとなるように、互いに不均等な位置に配置される。望ましくは、各ペア8a,8b,8cは、ハーフ再構成によるデータ収集に必要な範囲の角度を均等分した位置に配置される。つまり、ハーフ再構成に適切な角度を均等分した位置に各管球7a,7b,7cを配置し、各管球7a,7b,7cに対向する位置にそれぞれ対応するX線検出器9a,9b,9cを配置することが望ましい。
【0034】
例えば、図1に示すように、ハーフ再構成によるデータ収集に適切な範囲が240°であり、管球7の数が3つである場合には、基準となる1つのペア8bに対して角度240°の3等分であるα1=α2=80°で交差する両側の位置に別の2つのペア8a,8cが設けられる。尚、任意のペア8a,8b,8cを基準のペアとすることが可能であり、基準となるペアは中央のペア8bでなくてもよい。また、図1に示す角度α1とα2は異なる角度であってもよい。
【0035】
尚、実際には、X線のファンビーム角度分だけ広い範囲におけるデータを収集することが可能であるが、ここでは説明簡易化のため、各ペア8a,8b,8cのそれぞれの中心線の位置関係のみを考慮して説明する。
【0036】
また、各X線検出器9a,9b,9cは、それぞれ2次元検出器であり、複数チャンネルの検出素子が体軸方向(図1で奥行き方向)に沿って複数列配置されている。各X線検出器9a,9b,9cは、それぞれ複数の検出素子を備えているが、少なくとも1つのペア8を構成するX線検出器9には、フル再構成またはハーフ再構成による被検体断面全体の撮影に適切な広範囲のFOVをカバーするために十分なチャンネル数分の検出素子が設けられる。一方、他のペア8を構成するX線検出器9には、ハーフ再構成による撮影に適切な局所的なFOV(上述の広範囲のFOVより小さい範囲)をカバーするために十分なチャンネル数分の検出素子が設けられる。尚、本実施の形態では、この局所的なFOVは心臓を撮影するのに適した大きさである。
【0037】
例えば、図1に示すように、中央のペア8bを構成するX線検出器9bには、フル再構成またはハーフ再構成による撮影に適切なD1=φ500mm程度の広範囲のFOVをカバーするために十分な1000ch程度のチャンネル数分の検出素子が設けられ、両側のペア8a,8cを構成するX線検出器9a,9cには、ハーフ再構成による撮影に適切なD2=φ200mm程度の局所的なFOVをカバーするために十分な500ch程度のチャンネル数分の検出素子がそれぞれ設けられる。
【0038】
一方、コンピュータ装置3は、入力装置11、表示装置12、スキャン制御部13、第2の画像再構成部の一例としてのフル画像再構成部14、第1の画像再構成部の一例としてのハーフ画像再構成部15、再構成画像保存部16、吸収補正部17および表示処理部18を備える。各構成要素の全部または一部は、回路や図示しない演算装置にデータ処理プログラムを読み込ませることにより構築することができる。
【0039】
ECGユニット4は、被検体のECG信号を取得してスキャン制御部13に与える機能を備える。
【0040】
また、スキャン制御部13はECGユニット4から受けたECG信号からトリガを取得し、高電圧発生装置5に制御信号を出力することにより、心電同期でスキャンを実行する機能を有する。さらに、スキャン制御部13は入力装置11からの指示により、撮影範囲およびフル再構成による撮影かあるいはハーフ再構成による撮影かを決定し、決定した再構成方法に応じて高電圧発生装置5や駆動制御装置6に制御信号を与えることにより、X線を照射させる管球7a,7b,7cの選択や照射タイミング並びに管球7a,7b,7cおよびX線検出器9a,9b,9cの回転角度を制御することができるように構成される。
【0041】
そして、スキャン制御部13の制御により、広範囲の領域の撮影の場合には、広範囲のFOVをカバーする検出素子を備えたX線検出器9bを用いてデータ収集が行われ、ハーフ再構成による局所的な領域の撮影の場合には、局所的なFOVをカバーする検出素子を備えた複数のX線検出器9、望ましくは全てのX線検出器9a,9b,9cを用いてデータ収集が行われる。
【0042】
換言すれば、スキャン制御部13は、入力装置11からの指示により撮影モードを切換える機能を有する。そして、撮影モードとして、上述したように中央の大きいX線検出器9bのみを用いた広範囲のFOVのフル再構成による撮影を行う第1の撮影モードや全てのX線検出器9a,9b,9cを用いた局所的なFOVのハーフ再構成による撮影を行う第2の撮影モードを設定することができる。
【0043】
第1の撮影モードによれば、広範囲のFOVをカバーすることが可能である。また、第2の撮影モードでは、FOVが局所的となるもののデータ収集に用いる検出素子の数がX線検出器9a,9b,9cの回転方向に多いことからデータを収集するために必要な時間を第1の撮影モードに比べて短くすることができる。従って、局所的なFOVについて高い時間分解能を得ることができる。このため、第2の撮影モードは、心臓用のスキャン等に適している。ただし、ハーフ再構成ではない再構成処理を局所的なFOVから得られたデータに対して行なう撮影モードを設定してもよい。
【0044】
更に、任意の撮影条件を撮影モードとして設定することができる。図1に示すように3つのX線検出器9a,9b,9cを用いてデータ収集を行う場合に有用な他の撮影モードとしては、広範囲のFOVをカバーする大きいX線検出器9bと局所的なFOVをカバーする1つの小さいX線検出器9aの2つのX線検出器9a,9bを使用し、かつ各X線検出器9a,9bにそれぞれ互いに異なるエネルギ(管電圧)を与える第3の撮影モード、局所的なFOVをカバーする2つの小さいX線検出器9a、9cを使用し、かつ各X線検出器9a,9cにそれぞれ互いに異なるエネルギ(管電圧)を与える第4の撮影モードが挙げられる。
【0045】
第3の撮影モードでは、広範囲のFOVからのデータと局所的なFOVからのデータとにより互いに異なるコントラストを有する2つの画像を得ることができる。そして、2つの画像を合成すれば、診断上有用なコントラストを有する画像を得ることができる。また、第4の撮影モードでは、2つの管球7a,7cから曝射されるX線パスの交差する角度が第3の撮影モードの場合に比べて大きくなる。このため、第4の撮影モードでは、散乱線の発生および散乱線の影響を低減することができる。
【0046】
第3の撮影モードおよび第4の撮影モードでは、スキャン制御部13から高電圧発生装置5に発生させるべき電圧の制御情報および使用される管球7a,7b,7cの選択情報が与えられることにより、各X線検出器9a,9bまたは各X線検出器9a,9cに印加される管電圧の値が調整される。
【0047】
尚、以下では、第1の撮影モードおよび第2の撮影モードについて説明する。
【0048】
一方、フル画像再構成部14は、データ収集部10からフル再構成用にFOV内において収集された生データを取得して、画像再構成処理を施すことにより、画像データを再構成する機能と、再構成した画像データを再構成画像保存部16に書き込んで保存させる機能とを有する。つまり、フル画像再構成部14は、ハーフ再構成用の局所的な領域よりも広い領域であるフル再構成用のFOVからデータを収集することが可能なX線検出器9bの検出素子群により検出されたデータを用いてフル再構成処理を行うことにより画像データを再構成する機能を備えている。
【0049】
ハーフ画像再構成部15は、ハーフ再構成用に局所的な領域から収集された生データをデータ収集部10から取得して、ハーフ再構成による画像再構成処理を施すことにより、局所的な画像データを再構成する機能と、再構成した画像データを再構成画像保存部16に書き込んで保存させる機能とを有する。
【0050】
吸収補正部17は、ハーフ再構成により再構成され、再構成画像保存部16に保存された局所的な画像データに対して、局所的な領域の外部から収集されたデータを用いることにより吸収補正を施す機能を有する。つまり、吸収補正部17は、局所的な領域よりも広い領域からデータを収集することが可能なX線検出器9bの検出素子群により検出されたデータのうち、局所的な領域の外部におけるデータを用いてハーフ画像再構成部15により再構成された画像データの吸収補正を実行する機能を備えている。
【0051】
表示処理部18は、再構成画像保存部16に保存された画像データに表示処理を施すことにより画像信号を生成し、生成した画像信号を表示装置12に与えることにより、画像を表示させる機能を有する。
【0052】
次に、X線CT装置1の動作および作用について説明する。尚、ここでは図1に示すようにペア8の数が3つであり、中央の広範囲のFOVをカバーするペア8bに対して両側に80°で交差する位置に2つの局所的なFOVをカバーするペア8a,8cが配置される場合について説明する。
【0053】
まず、入力装置11からフル再構成による被検体の広範囲の撮影であるかあるいはハーフ再構成による心臓等の局所的な撮影であるかの指示がスキャン制御部13に与えられる。例えば、フル再構成による被検体の広範囲の撮影である旨の指示があった場合には、中央のペア8bが撮影に使用される。
【0054】
すなわち、ECGユニット4からのECG信号に同期してスキャン制御部13から高電圧発生装置5および駆動制御装置6に制御信号が与えられる。そして、中央の管球7bから図示しない被検体に照射され、透過したX線は広範囲のFOVをカバーするX線検出器9bによって検出される。さらに、検出されたX線は、データ収集部10に与えられて生データに変換された後、フル画像再構成部14に出力される。
【0055】
フル画像再構成部14では、広範囲のFOVをカバーするX線検出器9bを介して得られた生データのみに対する画像再構成処理が実行されて画像データが生成される。このため、フル画像再構成部14では広範囲の画像データが生成され、生成された画像データは再構成画像保存部16において適宜保存された後、表示処理部18から画像信号として表示装置12に与えられて表示される。
【0056】
一方、例えばデータ収集範囲を240°としたハーフ再構成による心臓等の局所的な撮影である旨の指示があった場合には、3つの全てのペア8a,8b,8cが撮影に使用される。
【0057】
すなわち、ECGユニット4からのECG信号に同期して3つの全ての管球7a,7b,7cから図示しない被検体に照射され、透過したX線が、広範囲のFOVをカバーする中央のX線検出器9bおよび局所的なFOVをカバーする2つの両側のX線検出器9a,9cにより検出される。このとき、各X線検出器9a,9b,9cのデータ収集範囲は若干重複しても良いが、実質的にはそれぞれ異なる範囲とされる。
【0058】
図2は、図1に示すX線CT装置1により3つのX線検出器9a,9b,9cによりハーフ再構成用のデータを検出する際における各X線検出器9a,9b,9cの位置変化を示す図である。
【0059】
3つのX線検出器9a,9b,9cのデータ収集範囲は異なる範囲とされるため、図2に示すように、データ収集範囲が240°である場合には、ある状態St1から80°回転させた状態St2にすれば、必要なデータが収集できることになる。すなわち、多管球X線CT装置1による画像のハーフ再構成が可能となる。
【0060】
図3は、図1に示すX線CT装置1によりECG信号に同期して3つのX線検出器9a,9b,9cによりハーフ再構成用のデータを検出する方法を説明する概念図であり、図4は、図1に示すX線CT装置1によりECG信号に同期して3つのX線検出器9a,9b,9cによりハーフ再構成用のデータを検出する方法を説明する別の概念図である。
【0061】
図3に示すようにECG信号の拍動間において、3つのX線検出器9a,9b,9cにより同時にハーフ再構成用のデータが検出される。すなわち、3つの管球7a,7b,7cから照射されたX線は、対応する1番目(#1)、2番目(#2)および3番目(#3)のX線検出器9a,9b,9cにより同時に検出され、ハーフ分のデータDhが収集される。
【0062】
1分間における拍動の回数が120bpmの場合には、1心拍の時間tbは0.5secである。一方、80°回転させるために必要な時間は、管球7a,7b,7cの回転速度が0.3s/回である場合には、80/360×0.3≒0.07(sec)となる。つまり、240°分のデータの収集に必要な時間は、0.07sであり1心拍の時間に対して良好な時間分解能を実現することができる。
【0063】
このため、図4の管球軌跡pに示すように、管球7a,7b,7cを被検体周りにヘリカルに移動させ、1心拍において再構成面Yにおける240°分のデータを1番目(#1)、2番目(#2)および3番目(#3)のX線検出器9a,9b,9cにより同時に分割して別々の領域から収集することができる。また、図3に示すように、1心拍中に複数回に亘るデータ収集が可能となる場合もある。そして、例えば、複数回に亘ってデータを収集し、平均化すればデータの精度を向上させることもできる。
【0064】
つまり、図3の下図に示すように、ハーフ再構成用の240°分のデータのうち、80°分の一部のデータには1番目(#1)のX線検出器9aにより収集されたデータが、別の80°分の一部のデータには2番目(#2)のX線検出器9bにより収集されたデータが、残りの80°分のデータには3番目(#3)のX線検出器9cにより収集されたデータが用いられる。
【0065】
このようにして各X線検出器9a,9b,9cにより収集されたX線検出データは、データ収集部10に与えられて生データに変換された後、ハーフ再構成用に合成されてハーフ画像再構成部15に出力される。
【0066】
図5は、図1に示すX線CT装置1の3つのX線検出器9a,9b,9cにより収集されたハーフ再構成用のデータを示す概念図である。
【0067】
図5において横軸は収集されたデータが属するチャンネル(Ch)を示し、縦軸は被検体に対するX線の照射角度で表されたデータの収集範囲を示す。
【0068】
図5に示すように、1番目(#1)、2番目(#2)、3番目(#3)の各X線検出器9a,9b,9cによりそれぞれ80°分のデータD#1、D#2、D#3が収集され、全体としてハーフ再構成に適切な240°分のデータが得られる。
【0069】
また、1番目(#1)および3番目(#3)の各X線検出器9a,9cには局所的なFOVのみをカバーするチャンネル数分しか検出素子が設けられていないため、広範囲なFOVをカバーするチャンネル数分の検出素子を備えた2番目(#2)のX線検出器9bよりも少ないチャンネル数のデータD#1、D#3が収集される。換言すれば、1番目(#1)および3番目(#3)の各X線検出器9a,9cにより得られるデータD#1、D#3は、局所的なFOV内のチャンネルから得られたデータのみとなる。
【0070】
逆に、2番目(#2)のX線検出器9bにより収集されたデータD#2は、局所的なFOV内のチャンネルからのデータD#2aと、局所的なFOV外ではあるが広範囲なFOV内のチャンネルからのデータD#2bとを含んでおり、分類することができる。
【0071】
従って、ハーフ画像再構成部15は、心電同期で1番目(#1)、2番目(#2)、3番目(#3)の各X線検出器9a,9b,9cにより局所的なFOV内のチャンネルから得られたデータD#1、D#2a、D#3を用いて画像データを再構成する。そして、得られた局所的な画像データは、再構成画像保存部16において適宜保存される。このとき、画像データには、2番目(#2)のX線検出器9bにより収集された局所的なFOV外ではあるが広範囲なFOV内のチャンネルからのデータD#2bを後述する吸収補正のために付帯情報として付加させることができる。
【0072】
次に、必要に応じて吸収補正部17は、ハーフ画像再構成部15におけるハーフ再構成により再構成され、再構成画像保存部16に保存された局所的な画像データに対して、付帯情報とされた局所的な領域の外部におけるデータD#2bを用いることにより吸収補正を施す。
【0073】
すなわち、局所的な画像データが例えば心臓の画像データである場合には、心臓のCT値として表された画像データとなる。しかし、臨床上は、被検体の外部における空気のCT値に対する相対値として心臓のCT値を求めることが重要な場合がある。そこで、心臓周辺の組織のCT値と空気のCT値の差分値が分かれば、この差分値を用いて心臓のCT値を空気のCT値に対する相対値として求める吸収補正を行うことができる。
【0074】
この場合に、付帯情報とされた局所的な領域の外部におけるデータD#2bを、吸収補正に用いることができる。
【0075】
さらに、吸収補正後の画像データは、再び再構成画像保存部16に保存され、表示処理部18により画像信号として表示装置12に与えられて表示される。
【0076】
このため、以上のようなX線CT装置1によれば、ハーフ再構成およびフル再構成を切換えて、目的に応じた時間分解能およびFOVで画像を撮像することができる。特に、ハーフ再構成により局所的に時間分解能を向上させて画像を撮像することができる。より具体的には、ハーフ再構成の場合には、50〜60msecという時間分解能での再構成が可能となる。
【0077】
特に、図1に示すように3つのX線検出器9a,9b,9cを回転面上において、できるだけ近くなるように線対称に配置し、かつ中央のX線検出器9bのFOVが両側の2つのX線検出器9a,9cのFOVよりも広くなるようにすれば、対称性によりデータの処理が容易となるのみならず、より多くの検出素子を干渉がないように配置して時間分解能を向上させることができる。また、隣接するX線検出器9a,9b,9c間の距離を小さくすることで、良好な時間分解能でデータを収集できるFOVのサイズをより広く確保することができる。
【0078】
次にX線CT装置1の変形例について説明する。
【0079】
図6は図1に示すX線CT装置1の変形例を示す機能ブロック図である。
【0080】
図6に示すように、X線検出器は複数の異なる方向から照射されたX線を検出することができれば物理的に分離している必要はない。すなわち、単一あるいは複数の共通の検出器支持フレーム20を回転フレーム21の内部に設け、検出器支持フレーム20に複数の検出素子群を検出器ユニット22a,22b,22cとして設けてもよい。尚、回転フレーム21は、一般的にアルミニウム等の金属の鋳物である。このため、検出器支持フレーム20もアルミニウム等の金属の鋳物とし、回転フレーム21の一部として一体的に形成することができる。図6は、単一の検出器支持フレーム20に3つの検出器ユニット22a,22b,22cを設け、中央の検出器ユニット22bが広範囲のFOVをカバーする一方、両側の2つの検出器ユニット22a,22cが局所的なFOVをカバーすることができるようにした例である。
【0081】
このように構成した検出器ユニット22a,22b,22cによれば、図1に示すようなX線検出器9a,9b,9c間の位置的な干渉が発生しない。このため、検出器ユニット22a,22b,22c間すなわち検出素子群の間における間隔をより小さく設定することができる。従って、高い時間分解能を得ることが可能な局所的なFOVをより広く確保することできる。加えて各検出素子の位置の精度を向上させることができる。また反面、図1に示すように個別に複数のX線検出器9a,9b,9cを設ければ、製造が容易となる。
【0082】
以上のようなX線CT装置1において、構成や構造を簡略化してもよい。例えば、複数のX線検出器9を設けるものの均等配置とし、検出素子群のチャンネル数のみ、すなわちカバー可能なFOVの範囲のみを異なるものとすれば、多管球として時間分解能を維持しつつX線検出器9の製造コストを安価にすることができる。逆に、カバー可能なFOVの範囲が同じX線検出器9をハーフ再構成に適した位置に不均一に配置すれば、X線検出器9の製造コストが増加するものの、より広範囲なFOVについて高時間分可能での画像撮影や、局所的な画像のハーフ再構成に特化した装置の提供が期待できる。
【0083】
図7は、本発明に係るX線CT装置の第2の実施形態におけるX線検出器の構造を示す図である。
【0084】
図7に示された、X線CT装置1Aでは、複数のX線検出器9a,9b,9cのうち少なくとも1つのX線検出器、実用的には広範囲のFOVをカバーするX線検出器9bが備える検出素子30のサイズおよび配置(中心間の距離)が図1に示すX線CT装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示すX線CT装置1と実質的に異ならないためX線検出器9bのみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0085】
X線CT装置1AのX線検出器9bには、複数の検出素子30がX線検出器9bの回転方向Drおよび回転軸方向Daに2次元的にアレイ状に配置される。ただし、一部の検出素子30のサイズが他の検出素子30のサイズと異なるものとされる。さらに、一部の隣接する検出素子30の中心間距離(ピッチ)が他の隣接する検出素子30のピッチと異なるものとされる。尚、検出素子のサイズおよび検出素子間のピッチの少なくとも一方のみを部分的に変えるようにしてもよい。
【0086】
実用的には、図7に示すように、サイズXaが小さい側の隣接する検出素子30a間のピッチPaをサイズXaに合わせて小さくする一方、サイズXbが大きい側の隣接する検出素子30b間のピッチPbをサイズXbに合わせて大きくすることが望ましい。図7は、一部の検出素子30aのサイズXaを残りの検出素子30bのサイズXbの1/2とし、かつサイズXaが1/2となる小さい側の検出素子30a間のピッチPaをサイズXbが大きい側の検出素子30b間のピッチPbの1/2とした例である。
【0087】
尚、図7に示すX線検出器9bでは、検出素子30a、30bのサイズXa、Xbおよび検出素子30a、30b間のピッチPa、Pbの双方を2次元方向に変えるものとしているが、X線検出器9bの回転方向Drのみに変えてもよい。
【0088】
このように一部の検出素子30のサイズを変えると、X線検出器9bの検出素子30のサイズXが大きい部分では、サイズXの大きさに応じて感度が向上し、ノイズを小さく抑えることができる。逆に、X線検出器9bの検出素子30のサイズXが小さい部分では、サイズXの大きさに応じて空間分解能および時間分解能を向上させることができる。つまり、単一のX線検出器9b上に感度や時間分解能および空間分解能が互いに異なる部分を形成することができる。
【0089】
一方、一部の検出素子30間のピッチPを変えると、ピッチPが大きいX線検出器9bの部分では、ピッチPの大きさに応じてノイズを抑え、かつ構造が簡易になることから製造コストを低減することができる。逆に、ピッチPが小さいX線検出器9bの部分では、ピッチPの大きさに応じて時間分解能および空間分解能を向上させることができる。つまり、一部の検出素子30間のピッチPを変えることによっても単一のX線検出器9b上に時間分解能および空間分解能が互いに異なる部分を形成することができる。
【0090】
ここで、局所的なFOVLからのデータを検出するX線検出器9bの部分は、より高い時間分解能および時間分解能が要求されるため、より小さいサイズXの検出素子30をより小さいピッチPでX線検出器9b上に配置することが望ましい。逆に、広範囲のFOVWのみからのデータを検出するX線検出器9bの部分は、構造を簡易にするために少なくとも画像再構成に必要なデータを検出することが可能なサイズXの検出素子30を必要なピッチPで配置することが望ましい。
【0091】
そこで、図1に示す局所的なFOVLをカバーする2つの小さいX線検出器9a,9cの検出素子30のサイズXおよび広範囲のFOVWをカバーする大きいX線検出器9bのうち局所的なFOVLからのデータを検出する部分の検出素子30aのサイズXaをそれぞれ小さく設定し、かつそれぞれ小さいピッチPaで各X線検出器9a,9b、9cに配置すると、局所的なFOVLからのデータに対して良好な時間分解能および空間分解能を得ることができる。特に、局所的なFOVLからのデータを検出するための各X線検出器9a,9b、9cの検出素子30、30aのサイズX、Xaおよび検出素子30、30a間のピッチP、Paを互いに同一とすれば、データ処理を容易にすることができる。
【0092】
また、広範囲のFOVWをカバーする大きいX線検出器9bのうち局所的なFOVL以外からのデータを検出する部分の検出素子30bのサイズXbを少なくとも画像再構成に必要なデータを検出することが可能なサイズとし、かつ検出素子30bを少なくとも画像再構成に必要なピッチPbで配置することによりX線検出器9bの構造を簡易にすることができる。
【0093】
図8は、図7に示すX線検出器9bを用いて広範囲のFOVWからデータを収集する場合におけるデータの検出方法を説明する図であり、図9は、図7に示すX線検出器9bを用いて局所的なFOVLからデータを収集する場合におけるデータの検出方法を説明する図である。
【0094】
X線検出器9bを用いて広範囲のFOVWからデータを収集する場合には、X線検出器9b上のサイズXとピッチPが小さい側の検出素子30aおよび大きい側の検出素子30bの双方においてX線が検出される。このため各検出素子30a、30bに蓄積された電荷をそのまま検出データとすると、検出データ間で時間分解能および空間分解能が不均一となる。そこで、図8に示すようにサイズXが小さい側の検出素子30aの出力側に信号分配合成回路31を設ける。
【0095】
そして、広範囲のFOVWからデータを収集する場合に信号分配合成回路31により一定数の(図8では2つの)検出素子30aからの出力信号を合成して単一の検出データ(DATA W1, DATA W2)を出力するように構成すれば、より均一な検出データ(DATA W1, DATA W2, DATA W3, DATA W4)を収集することができる。
【0096】
一方、X線検出器9bを用いて局所的なFOVLからデータを収集する場合には、図9に示すように、サイズXが小さい側の検出素子30aのみによりX線が検出される。そして、信号分配合成回路31によりサイズXが小さい側の各検出素子30aからの出力信号をそれぞれ検出データ(DATA L1, DATA L2, DATA L3, DATA L4)として出力するように構成すれば、より良好な空間分解能および時間分解能を得ることができる。
【0097】
尚、図7に示すX線CT装置1Aにおいて、各X線検出器9a,9b、9cのサイズを同一とし、任意のX線検出器9a,9b、9c上の検出素子のサイズおよびピッチの一方または双方を変えることによって、局所的なFOVからのデータに対する時間分解能や空間分解能を向上させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 X線CT装置
2 ガントリ部
3 コンピュータ装置
4 ECGユニット
5 高電圧発生装置
6 駆動制御装置
7,7a,7b,7c 管球
8,8a,8b,8c ペア
9,9a,9b,9c X線検出器
10 データ収集部
11 入力装置
12 表示装置
13 スキャン制御部
14 フル画像再構成部
15 ハーフ画像再構成部
16 再構成画像保存部
17 吸収補正部
18 表示処理部
20 検出器支持フレーム
21 回転フレーム
22a,22b,22c 検出素子群
30、30a、30b 検出素子
31 信号分配合成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を第1の照射方向に照射する第1のX線発生部と、
その回転面上において前記第1の照射方向と異なる第2の照射方向にX線を照射する第2のX線発生部と、
一部の検出素子のサイズおよび隣接する検出素子間におけるピッチの少なくとも一方が異なり、前記第1のX線発生部に対向する第1の検出素子群と、
前記第2のX線発生部に対向する第2の検出素子群と、
前記第1の検出素子群および前記第2の検出素子群の少なくとも一方により検出されたデータを用いて画像を再構成する再構成部と、
を備えることを特徴とするX線CT装置。
【請求項2】
前記第1の検出素子群は、局所的な領域からのデータを検出するための第1の複数の検出素子のサイズおよび検出素子間のピッチの少なくとも一方が、前記局所的な領域の外側の領域からのデータを検出するための第2の複数の検出素子のものよりも小さくなるように構成されることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
【請求項3】
前記第1の検出素子群は、局所的な領域からのデータを検出するための第1の複数の検出素子のサイズおよび検出素子間のピッチの少なくとも一方が、前記局所的な領域の外側の領域からのデータを検出するための第2の複数の検出素子のものよりも小さくなるように構成され、
前記第2の検出素子群は、前記第1の複数の検出素子のサイズおよび隣接する検出素子間のピッチと実質的に同一のサイズおよびピッチの第3の複数の検出素子を前記局所的な領域からのデータを検出する位置に備えることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記第1の複数の検出素子からの検出データを分配合成する分配合成部をさらに備え、
前記第2の複数の検出素子により検出されたデータおよび前記分配合成部によって合成されたデータを画像再構成用に用いる第1の撮影モードと、前記第1の複数の検出素子からの検出データを画像再構成用に用いる第2の撮影モードとを切換えることができるように構成したことを特徴とする請求項2または3に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−30117(P2012−30117A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248876(P2011−248876)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2006−57778(P2006−57778)の分割
【原出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】