説明

p38阻害剤化合物による心房細動の治療方法

明細書中で開示される本発明は、一般に、心房細動(AF)を治療または予防するのに有用な化合物および方法に関する。いくつかの実施形態は、AFの治療方法を提供し、該方法は、このような治療を必要とする対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、さらに、心房細動に罹患している、またはその発現の危険にさらされている対象を識別することをさらに含む。好ましくは、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、治療有効量のp38阻害剤化合物は、細動を予防、抑制、阻害、および/または終結する。いくつかの実施形態において、治療有効量のp38阻害剤化合物は、正常な洞調律を回復する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/732,676号(2005年11月1日出願)に対する優先権を主張し、この米国出願は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、心房細胞を治療または予防するのに有用な化合物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
心房細動(AFまたはA−fib)は、世界で、最も広く知られた不整脈の1つであり、かつ心血管疾患に関連する病的状態の主要原因の1つである。2〜3百万のアメリカ人がAFを患っていると見積もられる。正常な洞調律では、心房(心臓上部チャンバー)が収縮し、弁膜が開き、血液が心室(下部チャンバー)を満たす。次いで、心室が収縮し、整った周期の各心拍動を完成する。AFは、心房に効果的な拍動の代わりに震えまたは細動を生じさせる、心房中で起こる、電気的刺激の形成および伝導の異常に関連する。心臓は、正常には、安静時で毎分60〜80回収縮(拍動)する。AFでは、心房が、毎分300〜600回ほども細動する。AFの間、血液は、各心拍動で心房から心室へ効果的に移ることができない。そこで、血液は、心房中で鬱血して流れなくなり、血餅形成のための部位を創り出す可能性がある。このような血餅形成は、AFを有する患者における脳卒中の主な源になる可能性がある。AFの他の合併症には、鬱血性心不全および心筋症が含まれる。
【0004】
AFは、慢性または発作性である場合がある。慢性または持続性AFでは、心房が、常に細動する。発作性AFでは、患者が、様々な頻度で発生し、不定の期間持続し、その後、エピソードの間に自然に正常に戻る、AFの間欠的エピソードを体験する。
【0005】
AFは、冠状動脈疾患、心臓弁膜症、先天性心疾患、および各種の心筋症などのいずれかのタイプの根元的な構造的心臓異常を有する患者において発生し、そのため、患者の管理および治療を複雑にする。さらに、AFは、心臓手術を受けている患者の50%ほどで発生する。さらに、AFは、時折、既知の根元的な構造的異常をもたない患者で(孤立性AF)、あるいは肺疾患またはホルモンもしくは代謝障害を有する患者で起こる場合がある。AFは、すべての年齢で発生する可能性があるが、その罹患率は、年齢と共に増大する傾向があり、たいていは女性よりも男性でわずかに多い。AFの発現は、他の障害、例えば、心筋虚血または鬱血性心不全を憎悪させる場合がある。
【0006】
甲状腺障害、弁膜疾患、高血圧、洞不全症候群、心膜炎、肺疾患、および先天性心欠陥を含む多くの病状が、AFに関連していた。慢性AFを有する患者は、症候性頻脈または低心拍出量に苦しみ、血栓塞栓性合併症のリスク、および死亡のリスクを有する。
【0007】
異常な拍動を治療および予防するために、いくつかの対応方法が使用される。非外科的治療は、AFを治療する上で時折効果的である。いくつかの薬物、例えば、ジゴキシン、β−遮断薬(アテノロール、メトプロロール、プロプラノロール)、アミオダロン、ジソピラミド、カルシウム拮抗薬(ベラパミル、ジルチアザム)、ソタロール、フレカイニド、プロカインアミド、キニジンおよびプロパフェノンが知られているが、不整脈誘発効果を含む、すなわち他の異常な心臓調律を惹起する重大かつ/または耐え難い副作用を有する可能性があり、そのため、急性細動または心筋もしくは冠状動脈の疾患を治療するのに理想的ではない。さらに、若干の薬物は、AFを治療する上で役割を演じることができるが、臨床的環境でのそれらの使用を制約する可能性のある血行動態的効果を有する。結局、これらの薬物は、多くの患者がAFの再発を起こすので、長期間効果的ではない場合がある。電気的除細動(単独または抗不整脈療法と組み合わせて)を使用し、電気ショックで正常な洞調律を回復することができるが、AFの高い再発が報告されている。
【0008】
いくつかの侵襲性外科的処置が、AFを治療するのに使用される。組織の直接明視化を含む侵襲性処置には、心房を外科的に切開して、次いで修復するメイズ(Maze)手技が含まれる。メイズ手技では、例えば、外科用メスなどを使用して形成される瘢痕組織で心房の異所性リエントリー経路を分断する。次いで、瘢痕組織のパターンが、AFを生じさせる再循環性電気シグナルを防止する。
【0009】
アブレーションは、心臓内にカテーテルを導入すること、およびエネルギーを心臓組織の特定領域に向けることによってAFを終結させるのに時々使用される。ラジオ周波数のエネルギーは、異常な電気シグナルの引き金を引く組織を破壊、または異常な電気経路を遮断するために、心臓内にカテーテルを導入すること、およびラジオ周波数のエネルギーのバーストを心臓の特定領域に向けることによってAFを終結させるのに使用されてきた。さらに、手術を使用して、AFを発生させる電気経路を遮断できる。心房ペースメーカーを皮膚下に埋め込んで、心臓の調律を調節できる。それにも拘わらず、長期間効力を有する、AFの非侵襲性治療に対する必要性がなお存在する。
【0010】
上で考察したように、AFは、従来的には、不整脈誘発リスクを伴う抗不整脈薬で治療されてきた。非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3。最近、根元にある基質を標的にした薬理療法が調べられている。Kumagai Kら、J Am Coll Cardiol.、2003年、41巻、2197〜204頁;Li D.ら、Circulation、2001年、104巻、2608〜14頁。ACE阻害剤およびAT1−R拮抗薬は、見込みがあり、心房の構造的リモデリングを減弱するのに効果的であることが示されているが、これらの薬物は、AFのイヌモデルで観察されるように血行動態効果および血行動態の動揺を有し(非特許文献4;非特許文献5)、心房リモデリングを減弱する役割を演じることができる。特定の臨床的環境において、これら部類の薬物の血行動態的効果は、それらの使用を制約する可能性がある。したがって、AFのための薬理療法に対する、特に、血行動態的効果を実質的に欠く療法に対する必要性が存在する。
【非特許文献1】Nattel S.Newer、Am Heart J.、1995年、130巻、1094〜106頁
【非特許文献2】Roden DM.、Am J Cardiol.、1998年、82巻、491〜571頁
【非特許文献3】Nattel S.、Cardiovasc Res.、2002年、54巻、347〜60頁
【非特許文献4】Kumagai K.らJ Am Coll Cardiol.、2003年、41巻、2197〜204頁
【非特許文献5】Li D.ら、Circulation、2001年、104巻、2608〜14頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本明細書で開示するのは、心房細動(AF)を治療または予防するための組成物および方法である。
【0012】
したがって、いくつかの実施形態は、AFの治療方法を提供し、該方法は、このような治療を必要とする対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、さらに、心房細動に罹患している、またはその発現の危険にさらされている対象を識別することをさらに含む。好ましくは、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、治療有効量のp38阻害剤化合物は、細動を予防、抑制、阻害、および/または終結する。いくつかの実施形態において、治療有効量のp38阻害剤化合物は、正常な洞調律を回復する。
【0013】
他の実施形態は、対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む、このような治療を必要とする対象における不整脈の治療(例えば、予防)方法を提供する。いくつかの実施形態において、不整脈は心房細動である。いくつかの実施形態において、該方法は、不整脈に罹患している対象を識別することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態は、対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む、このような予防を必要とする対象(例えば、心臓障害を有する対象)における心房細動の予防方法を提供する。いくつかの実施形態において、該方法は、心臓障害に罹患している対象を識別することをさらに含む。
【0015】
他の実施形態は、有効治療量または有効抑制量のp38阻害剤化合物を含む、心房細動を治療(例えば、抑制)するための医薬組成物を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物は、低効能p38阻害剤化合物である。いくつかの実施形態において、低効能p38阻害剤化合物は、p38 MAPKの阻害に関して約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す。他の実施形態において、p38阻害剤化合物は、p38 MAPKのATP結合部位に結合し、それによって、阻害剤の不在下でのp38 MAPKの活性に比較してp38 MAPKの活性を低下させる。他の実施形態において、p38阻害剤化合物は、p38のATP結合部位に競合的に結合し、それによって、阻害剤の不在下でのp38 MAPKの活性に比較してp38 MAPKの活性を低下させる。
【0017】
いくつかの実施形態において、治療有効量は、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる。いくつかの実施形態において、治療有効量は、対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である。いくつかの実施形態において、p38阻害剤は、実質上、血行動態的効果を欠く。
【0018】
いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物は、ピルフェニドンである。いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物は、下表1中の化合物1〜32から選択される。いくつかの実施形態において、組成物は、p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて含有する。いくつかの実施形態において、組成物は、経口投与用に製剤される。
【0019】
いくつかの実施形態において、該方法は、錠剤またはカプセルを投与することを含み、ここで、該錠剤またはカプセルはp38阻害剤化合物を含有する。いくつかの実施形態において、該方法は、対象に対して1日に1回以上、1つ以上の錠剤またはカプセルを投与することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、対象に対して1日に2回、1つ以上のカプセルを投与することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、対象に対して1日に3回、1つ以上のカプセルを投与することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物は、約100〜約400mgの用量で提供される。いくつかの実施形態において、該方法は、p38阻害剤化合物を、p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、p38阻害剤化合物を、前記p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
p38キナーゼ阻害剤化合物を使用して、AF治療において高い治療効果を達成できることが発見されるに至った。
【0022】
したがって、一実施形態において、AFの治療または予防方法が提供され、該方法は、p38阻害剤化合物の使用を含む。本発明で有用なp38阻害剤化合物の例を、本明細書中で説明し、以下でより十分に考察する。
【0023】
該方法は、AFもしくはAFに関連する病状の危険にさらされている、またはそれらに罹患している対象を識別すること、および該対象に対してある化合物を、該病状を治療または予防するのに効果的な量で投与することを含むことができる。用語「危険にさらされているまたは罹患している」は、本明細書中で使用する場合、現在AFエピソードを経験している対象、現在AFエピソードを体験していない対象、さらには、AFと診断されていないがAFを発現する危険にさらされていると識別される対象を含む、慢性または発作性のAFもしくはAFに関連する病状に罹患している対象を指す。AFもしくはAFに関連する病状の危険にさらされているまたはそれらに罹患している対象を識別する方法は、当技術分野で周知である。したがって、いくつかの実施形態において、化合物は、AFを現に経験している患者に投与される。別の実施形態において、化合物は、AFと診断されているが、AFエピソードを現に経験していない患者に投与される。さらに別の実施形態において、化合物は、AFと診断されていないが、AFを発現する危険にさらされていると識別された患者に投与される。AFの危険因子は、当技術分野で周知であり、限定はされないが、加齢、高血圧、ほとんどすべての原因の心不全、先天性心疾患、心臓発作または心筋梗塞を含む冠動脈心疾患、鬱血性心不全を含む心筋機能異常、左および右心室間の僧帽弁の疾患、心膜炎、甲状腺機能亢進、甲状腺薬の過剰投与、低酸素血、肺気腫、喘息、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺塞栓を含む慢性肺疾患、肉体的または心理的ストレス、アルコール過剰摂取、コカインなどの覚醒剤または鬱血除去薬、および直近の心臓または肺手術が含まれる。
【0024】
一実施形態において、本明細書に記載の方法で使用される化合物は、p38阻害剤化合物である。いくつかの実施形態において、該化合物は、p38MAPキナーゼ(MAPK)の阻害に関して、例えば、約100μM〜約1000μM、または約200μM〜約800μMの範囲のIC50を示す低効力p38阻害剤である。いくつかの実施形態において、有効な量は、該化合物によってp38 MAPKの阻害に関するIC30またはIC20またはIC10未満の血中または血清中または体液中濃度を生じさせる。いくつかの実施形態において、有効な量は、対象において、限定はされないが、眠気、胃腸の不調、および光過敏性発疹などの望ましくない副作用を引き起こす量の約70%未満、または約50%である。治療または予防に使用される化合物は、ピルフェニドン、または後記するような部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物である。好ましい実施形態において、化合物は、実質上、血行動態的効果を欠く。
【0025】
好ましい対象は哺乳動物である。哺乳動物には任意の哺乳動物を含めることができる。非制限的例として、好ましい哺乳動物には、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、スイギュウ、ネコ、イヌ、ラット、マウス、およびヒトが含まれる。高度に好ましい対象哺乳動物はヒトである。化合物(群)は、例えば、限定はされないが、経口、目、直腸、バッカル、局所、鼻、眼、皮下、筋内、静脈内(ボーラスおよび点滴)、脳内、経皮、および肺を含む当技術分野で周知の任意の薬物送達経路を経由して対象に投与できる。
【0026】
用語「治療有効量」および「予防有効量」は、本明細書中で使用する場合、識別された疾患または病状を治療(例えば、改善または予防)するのに、あるいは検知し得る治療、予防および/または阻害効果を呈示するのに十分な化合物量をいう。例えば、効果は、正常な洞調律の回復、AF中にまたはAFエピソード継続中に費やされる期間中におけるAFの苦しみの低減、心房線維化の低減、AFの抑制、AFの終結、AFの阻害、AF再発の予防、AF発言の予防などでよい。効果は、当技術分野で周知の任意の手段で検知できる。ある対象に対する正確な有効量は、該対象の体重、体型、および健康状態;病状の本質および程度;および投与のために選択された療法または療法の組合せによって決まる。所定の状況に対する治療上および予防有効量は、臨床医の技術および判断の範囲に含まれる定型的実験によって決定できる。いくつかの実施形態において、実施形態の化合物の有効な量は、p38 MAPKの阻害に関するIC30、IC20またはIC10未満の血中または血清中または体液中濃度を生じさせる。
【0027】
任意の化合物について、治療上または予防有効量は、最初に、細胞培養アッセイで、または動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌまたは豚で評価することができる。動物モデルは、適切な濃度範囲および投与経路を決定するのにも使用できる。次いで、このような情報を使用して、ヒトにおける投与に有用な用量および経路を決定できる。
【0028】
治療/予防上の効力および毒性は、細胞培養または実験動物での標準的な薬学的方法、例えば、ED50(集団の50%で治療上有効である用量)およびLD50(集団の50%で致死的な用量)によって判定できる。治療効果と毒性効果との間の用量比が、治療係数であり、それは、比率ED50/LD50として表される。大きな治療係数を示す医薬組成物が好ましい。しかし、小さな治療係数を示す医薬組成物も、実施形態の範囲に包含される。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータは、ヒトで使用するための投与量範囲を処方するのに使用できる。このような組成物中に含まれる投与量は、好ましくは、毒性が無いかまたはほとんど無いED50を含む循環濃度の範囲にある。投与量は、採用される剤形、患者の感受性、および投与経路に応じてこの範囲内で変更できる。
【0029】
より具体的には、最大血漿中濃度(Cmax)は、投与経路に応じて約65μM〜約115μM、約75μM〜約105μM、約85μM〜約95μM、または約85μM〜約90μMの範囲でよい。一般に、用量は、体重が約40kg〜約100kgの患者に対して、単回、分割、または連続投与で、約100mg/日〜約10g/日、約200mg/日〜約5g/日、約400mg/日〜約3g/日、または約500mg/日〜約2g/日の範囲である(用量は、この体重範囲を超えるまたは下回る患者、特に40kg未満の子供に対して調節することができる)。一般に、用量は、1日当たり約25mg/kg体重〜約300mg/kg体重の範囲である。一実施形態において、p38阻害剤化合物は、対象に対して、用量当たり約100mg〜約400mgのp38阻害剤化合物を含有する単位剤形で投与される。投与は、1回の摂取当たり1単位または複数単位で、1日に1回、2回または3回でよい。一実施形態によれば、1日当たり総摂取量は、少なくとも1200mgのp38阻害剤化合物である。
【0030】
正確な投与量は、典型的には、治療を必要とする対象に関連する因子を考慮して臨床医が判断する。投与量および投与は、一般に、活性薬剤(群)の十分な濃度を提供するように、または所望の効果を維持するように調節される。考慮できる因子には、疾患状態の重症度、対象の一般的健康状態、対象の年齢、体重、および性別、食餌、投与の時間および頻度、併用薬物(群)、反応感度、および療法に対する耐性/応答が含まれる。長期作用型医薬組成物は、個々の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、3〜4日毎に、1週間毎に、または2週間毎に1回投与できる。
【0031】
本明細書に記載されるような治療には、疾患を予防すること、症状を改善すること、疾患の進行を減速すること、傷害を逆転すること、または疾患を治すことが含まれることを認識されたい。
【0032】
一態様において、AFを治療することは、非治療の対象集団に比較して、治療された対象集団の平均生存期間の増加をもたらす。好ましくは、平均生存期間は、約30日を超えるまで、より好ましくは約60日を超えるまで、より好ましくは約90日を超えるまで、さらにより好ましくは約120日を超えるまで増加する。集団の平均生存期間の増加は、任意の再現性のある手段で測定される。好ましい態様において、集団の平均生存期間の増加は、例えば、集団について、活性化合物での治療開始に続く平均生存長を計算することによって測定できる。別の好ましい態様において、集団の平均生存期間の増加は、例えば、活性化合物での最初の治療ラウンドの完了に続く平均生存長を計算することによっても測定できる。
【0033】
別の態様において、AFを治療することは、担体のみを受け入れた集団に比較して、治療された対象集団の死亡率の低下をもたらす。別の態様において、AFを治療することは、非治療の集団に比較して、治療された対象集団の死亡率の低下をもたらす。さらなる態様において、AFを治療することは、実施形態の化合物、または薬学上許容されるその塩、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない薬物を用いる単独療法を受け入れた集団に比較して、治療された対象集団の死亡率の低下をもたらす。好ましくは、死亡率は、約2%超、より好ましくは約5%超、より好ましくは約10%超、最も好ましくは約25%超低下する。好ましい態様において、治療された対象集団の死亡率の低下は、任意の再現性のある手段で測定できる。別の好ましい態様において、集団の死亡率の低下は、例えば、集団について、活性化合物での治療の開始に続く単位期間当たりの疾患に関連する平均死亡数を計算することによって測定できる。別の好ましい態様において、集団の死亡率の低下は、集団について、活性化合物での最初の治療ラウンドの完了に続く単位期間当たりの疾患に関連する平均死亡数を計算することによっても測定できる。
【0034】
別の態様において、AFを治療することは、AFの苦しみ、AFでまたはAFエピソードの継続期間に費やされる時間の低減をもたらす。好ましくは、治療後に、AFの苦しみが、治療前のAFの苦しみに比較して少なくとも約5%縮小し、より好ましくは、AFの苦しみは、少なくとも約10%縮小し、より好ましくは、少なくとも約20%縮小し、より好ましくは、少なくとも約30%縮小し、より好ましくは、少なくとも約40%縮小し、より好ましくは、少なくとも約50%縮小し、さらにより好ましくは、少なくとも約60%縮小し、最も好ましくは、少なくとも約75%縮小する。AFの苦しみは、任意の再現性のある測定手段で測定できる。好ましい態様において、AFの苦しみは、電子的記録装置を使用して測定される。
【0035】
別の態様において、AFを治療することおよび/またはp38阻害剤を投与することは、p38阻害剤の不在下でのERK発現に比較してERK発現の低下をもたらす。いくつかの実施形態において、治療または投与の後に、ERKの発現が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%低下する。ERKの発現は、任意の再現性のある測定手段で測定できる。
【0036】
別の態様において、AFを治療することおよび/またはp38阻害剤を投与することは、p38阻害剤の不在下でのp38発現に比較してp38発現の低下をもたらす。いくつかの実施形態において、治療または投与の後に、p38の発現が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%低下する。p38発現の低下は、任意の再現性のある測定手段で測定できる。
【0037】
別の態様において、AFを治療することおよび/またはp38阻害剤を投与することは、p38阻害剤の不在下でのc−Jun発現に比較してc−Jun発現の低下をもたらす。いくつかの実施形態において、治療または投与の後に、c−Junの発現が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%低下する。c−Jun発現の低下は、任意の再現性のある測定手段で測定できる。
【0038】
別の態様において、AFを治療することおよび/またはp38阻害剤を投与することは、p38阻害剤の不在下でのTGF−β1発現に比較してTGF−β1発現の低下をもたらす。いくつかの実施形態において、治療または投与の後に、TGF−β1の発現が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%低下する。TGF−β1発現の低下は、任意の再現性のある測定手段で測定できる。
【0039】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示の方法で有用なp38阻害剤は、ERK、p38、JunおよびTGF−β1のいずれかまたはすべての発現を低下させる。すなわち、いくつかの実施形態において、ERK、p38、JunおよびTGF−β1の発現は、p38阻害剤投与の不在下でのこれらのタンパク質の発現に比較して、および/またはp38阻害剤化合物を投与する前のこれらタンパク質の発現に比較して、p38阻害剤化合物の投与の後にすべて低下する。いくつかの実施形態において、これらのタンパク質中のいくつかのみの発現が、p38阻害剤化合物を投与した後に低下する。さらに他の実施形態において、これらのタンパク質中のたった1つの発現が、p38阻害剤化合物を投与した後に低下する。
【0040】
いくつかの実施形態において、p38阻害剤は、ACE II阻害剤ではない(例えば、p38阻害剤はACE II活性を有意には低下させない)。
【0041】
いくつかの実施形態において、対象における心房の線維化は、p38阻害剤化合物の投与前に比較して、p38阻害剤化合物の投与後に低下する。いくつかの実施形態において、心房の線維化は、約2%超、約5%超、約10%超、または約25%超低下する。いくつかの態様において、治療された対象集団の心房線維化の低下は、任意の再現性のある手段で測定できる。例えば、心房線維化の低下は、EP試験、MRI、CATスキャンなどで測定できる。
【0042】
本明細書に記載の方法は、治療を必要とする対象を識別することを含むことができる。好ましい実施形態において、該方法は、治療を必要とする哺乳動物を識別することを含む。高度に好ましい実施形態において、該方法は、治療を必要とするヒトを識別することを含む。治療を必要とする対象を識別することは、治療から利益を得ることができる対象を指摘する任意の手段によって完遂できる。例えば、治療を必要とする対象を識別することは、臨床診断、実験室での試験、または識別手段の任意の組合せを含む当業者に周知の任意の他の手段によって行なうことができる。例には、限定はされないが、対象の心拍動の聴音、対象の脈拍測定、心電図(EKG)、ホルターモニターまたはその他類似の心臓調律を連続記録するための装置、患者が作動させるまたは自動でトリガーされるイベントレコーダー、またはそれによって対象の心臓調律を症状の開始時に記録するその他の類似装置、超音波心臓造影、超音波、経食道超音波心臓造影(TEE)、電気生理学的(EP)試験などが含まれる。さらに、高血圧および心不全の徴候は、対象の身体検査中に確かめることができる。血液検査を実施して、血中の酸素および二酸化炭素濃度、電解質および甲状腺ホルモン濃度の異常を検知することができる。胸部X線、CATスキャン、およびMRIは、心臓の拡張、心不全、およびその他の肺疾患を明らかにすることができる。運動トレッドミル試験を使用して、重症の冠状動脈疾患を検知できる。
【0043】
本明細書の他の場所で説明するように、本明細書に記載の化合物は、所望なら、医薬組成物に製剤化することができ、疾患または病状の治療を可能にする任意の経路で投与できる。好ましい投与経路は、経口投与である。投与は、単回用量投与の形態を取ることができ、あるいは実施形態の化合物を、ある時間に渡って、分割された用量でまたは連続放出製剤もしくは投与方法(例えば、ポンプ)で投与できる。しかし、実施形態の化合物は、対象に投与され、選択される投与化合物量および投与経路は、疾患状態の効果的な治療を可能にするように選択すべきである。
【0044】
実施形態の方法には、本明細書に記載の化合物または化合物群の、疾患状態を治療するための1種または複数のさらなる治療薬と一緒にした使用も含まれる。AFを治療するためのさらなる治療薬は、当技術分野で周知であり、例えば、ジゴキシン、β−遮断薬(アテノロール、メトプロロール、プロプラノロール)、アミオダロン、ジソピラミド、カルシウム拮抗薬(ベラパミル、ジルチアザム)、ソタロール、フレカイニド、プロカインアミド、キニジンおよびプロパフェノンが含まれる。したがって、例えば、活性成分の組合せは、(1)一緒に製剤され、混合製剤の状態で同時に投与または送達し、(2)別個の製剤として交互に、または並行して送達し、あるいは(3)当技術分野で周知の任意のその他の併用療法計画で送達することができる。交互療法で送達する場合、本明細書に記載の方法は、活性成分を逐次的に、例えば、別個の溶液、エマルジョン、懸濁液、錠剤、ピルまたはカプセルの状態で、あるいは別個のシリンジの異なる注射で投与または送達することを含むことができる。一般に、交互療法の間、有効投与量の各活性成分を、逐次的に、すなわち、続けて投与し、一方、同時療法では、有効投与量の2種以上の活性成分を一緒に投与する。間欠的な併用療法の種々の配列も使用できる。
【0045】
さらに、本発明の実施形態には、本明細書に記載の化合物または化合物群の、1種または複数のAF療法と一緒にした使用が含まれる。AF療法は、当技術分野で周知であり、例えば、抗不整脈療法;電気心臓除細動;メイズ手技、アブレーション、ラジオ周波数エネルギー、心房ペースメーカーなどの外科的処置が含まれる。したがって、例えば、本明細書に記載の化合物は、1種または複数のAF療法の前、間または後に投与される。
【0046】
p38阻害剤
「p38阻害剤」は、p38の活性を阻害する(低下させる)、例えばp38 MAPKの活性を阻害する化合物である。p38の活性に対する化合物の阻害効果は、当業者に周知の各種方法で測定できる。例えば、阻害効果は、リポ多糖(LPS)で刺激されたサイトカイン産生の阻害程度を測定することによって測定できる(Leeら、1988年、Int J Immunopharmacol、10巻、835〜843頁;Leeら、1993年Ann NY Acad Sci、696巻、149〜170頁;Leeら、1994年、Nature、372巻、739〜746頁;Leeら、1999年、Pharmacol Ther、82巻、389〜397頁)。
【0047】
ピルフェニドン(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)は、既知化合物であり、その薬理学的効果は、例えば特許公開公報、特開昭49−87677号および特開昭51−1284338号に開示されている。そのそれぞれが、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、米国特許第3839346号、3974281号、4042699号、および4052509号には、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの製造方法および抗不整脈薬としてのその使用が記載されている。
【0048】
ピルフェニドンに加え、後記のp38阻害剤化合物(部類Ia−c、下位部類II〜Vおよび部類VIの化合物を含む)は、本明細書に記載の方法で有用である。
【0049】
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する一価の直鎖または分枝鎖基を指し、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシルなどを含む。
【0050】
本明細書中で使用される用語「アルケニル」は、2〜10個の炭素原子を有し炭素二重結合を含む一価の直鎖または分枝鎖基を指し、限定はされないが、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどを含む。
【0051】
本明細書中で使用される用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0052】
本明細書中で使用される用語「ハロアルキル」は、アルキル基に付け加えられた1つ以上のハロ基を指す。
【0053】
本明細書中で使用される用語「ニトロアルキル」は、1つ以上のニトロ基が付いたアルキル基を指す。
【0054】
本明細書中で使用される用語「チオアルキル」は、1つ以上のチオ基が付いたアルキル基を指す。
【0055】
本明細書中で使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、1つ以上のヒドロキシ基が付いたアルキル基を指す。
【0056】
本明細書中で使用される用語「アルコキシ」は、−O−結合を通して親分子に共有結合した直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。アルコキシ基の例には、限定はされないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなどが含まれる。
【0057】
本明細書中で使用される用語「アルコキシアルキル」は、1つ以上のアルコキシ基が付いたアルキル基を指す。
【0058】
本明細書中で使用される用語「カルボキシ」は、−COOHを指す。
【0059】
用語「アルコキシカルボニル」は、−(CO)−O−アルキルを指す。アルコキシカルボニル基の例には、限定はされないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などが含まれる。
【0060】
炭水化物は、ポリヒドロキシアルデヒドまたはケトン、あるいは加水分解でこのような化合物を産生する物質である。炭水化物は、炭素(C)、水素(H)および酸素(O)元素を、炭素および酸素の2倍の水素比率で含む。
【0061】
それらの基本形において、炭水化物は、単純糖または単糖である。これらの単純糖は、互いに結合してより複雑な炭水化物を形成できる。2つの単純糖の結合が二糖である。2〜10個の単純糖からなる炭水化物は、オリゴ糖と呼ばれ、より大きな数をもつオリゴ糖は多糖と呼ばれる。
【0062】
用語「ウロナイド」は、環要素ではない炭素上にカルボキシル基(−COOH)を有する単糖を指す。ウロナイドの名称は、単糖の語根を保持しているが、糖の接尾辞−オースが−ウロナイドに変えられる。例えば、グルクロニドの構造は、グルコースに対応する。
【0063】
本明細書中で使用する場合、ラジカルは、ただ1つの、不対電子をもつ種を指し、該ラジカルを含む種は、別の種に電子対を共有して結合できる。それゆえ、この文脈で、ラジカルは、必ずしも遊離ラジカルではない。むしろ、ラジカルは、より大きな分子の特定の部分を指す。用語「ラジカル」は、用語「基」と互換的に使用できる。
【0064】
本明細書中で使用する場合、置換された基は、未置換の親構造から誘導され、その親構造の中で、1つ以上の水素原子が別の原子または基に交換される。置換される場合、置換基(群)は、アルキル、シクロアルキル、アリール、縮合アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、アルコキシカルボニル、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、トリフルオロメチル、ならびに単置換および二置換アミノ基を含むアミノ、ならびにこれらの保護誘導体から個別的かつ独立に選択される1つ以上の基である。上記置換基の保護誘導体を形成できる保護基は、当業者に周知であり、GreeneおよびWurt、「Protective Groups in Organic Synthesis」John Wiley and Sons、New York、1999年などの参考書中に見出すことができる。置換基が、「任意選択で置換された」と記載される場合には、その置換基は、上記の置換基で置換されることができる。
【0065】
用語「精製された」は、他の化合物から分離され、その結果、分析した場合に被測定物質を少なくとも95%含有する化合物を指す。
【0066】
本明細書に記載の化合物中に不斉炭素原子が存在してもよい。ジアステレオマーおよびエナンチオマー、ならびにこれらの混合物を含むすべてのこのような異性体は、列挙される化合物の範囲に含まれると解釈される。特定の場合、化合物は互変異性形で存在できる。すべての互変異性形は、列挙される化合物の範囲に含まれると解釈される。同様に、化合物が、アルケニルまたはアルケニレン基を含む場合には、該化合物のシス−およびトランス−異性形の可能性が存在する。シス−およびトランス−異性体の双方、ならびにシス−およびトランス−異性体の混合物が考えられる。したがって、化合物に関する本明細書中での言及は、文脈が別であることを明確に規定していない限り、前述の異性形のすべてを含む。
【0067】
多形体、溶媒和物、水和物、コンフォーマー、塩、およびプロドラッグ誘導体を含む種々の形態が、本明細書に記載の方法で有用である。多形体は、化学式は同一であるが異なる構造を有する組成物である。溶媒和物は、溶媒和(溶媒分子と溶質の分子またはイオンとの連結)によって形成される組成物である。水和物は、水を組み込むことによって形成される化合物である。コンフォーマーは、配座異性体である構造体である。配座異性体は、同一構造式を有するが、回転する結合の周りの原子が異なる立体配座を有するという分子(コンフォーマー)の現象である。化合物の塩は、当業者に周知の方法で調製できる。例えば、化合物の塩は、適切な塩基または酸を化学量論的に当量の化合物と反応させることによって調製できる。プロドラッグは、生体内変換(化学変換)を受けた後にその薬理学的効果を提示する化合物である。したがって、例えば、プロドラッグは、親分子の望ましくない特性を変えるまたは排除するために、一次的な方式で使用される特殊な保護基を含む薬物と見ることができる。したがって、化合物に対する本明細書での言及は、文脈が別であることを明確に規定していない限り、前述の形態のすべてを含む。
【0068】
下記の化合物は、本明細書に記載の方法で有用である。ある実施形態において、下記のような部類Ia−c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物は、p38 MAPKの阻害に関して約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す。
【0069】
実施形態は、次の部類(部類Ia)
【0070】
【化41】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される。
【0071】
別の実施形態は、次の部類(部類Ib)
【0072】
【化42】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される。
【0073】
別の実施形態は、次の部類(部類Ic)
【0074】
【化43】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド(CO−Glucoronide)、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない。
【0075】
別の実施形態は、次の下位部類(下位部類II)
【0076】
【化44】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される。
【0077】
別の実施形態は、次の下位部類(下位部類III)
【0078】
【化45】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される。
【0079】
別の実施形態は、次の下位部類(下位部類IV)
【0080】
【化46】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される。
【0081】
別の実施形態は、次の下位部類(下位部類V)
【0082】
【化47】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
は、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される。
【0083】
別の実施形態は、次の部類(部類VI)
【0084】
【化48】

で表される化合物のファミリーを提供し、式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない。
【0085】
部類VIには、下位部類VIaおよび下位部類VIB
【0086】
【化49】

で表される化合物のファミリーが含まれ、式中、Z、X、RおよびRは、部類VI中の通りに定義される。下位部類VIaで表される構造中のフェニル環は、4’の位置がXで置換されていることが理解されるであろう。
【0087】
本明細書に記載の個々の化合物は、上記の様々な部類および下位部類の1つを超えるメンバーであってよいことが理解されるであろう。本明細書に記載の化合物は、対象におけるAFを治療および/または予防するのに有用である。対象におけるAFを治療および/または予防するのに有用である部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび部類VIの典型的な化合物を下表1に示す。化合物1〜6は、下位部類IIの化合物例である。化合物7〜12は、下位部類IIIの化合物例である。化合物13は、下位部類IIの化合物の一例であるピルフェニドンである。化合物14〜23は、部類VIの化合物例である。
【0088】
【化50】

【0089】
【化51】

【0090】
【化52】

【0091】
【化53】

好ましい実施形態において、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIで表される精製化合物は、該精製化合物を含む組成物の総重量を基準にして約96重量%以上、より好ましくは約98重量%以上の純度を有する。
【0092】
部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物は、当技術分野で周知の通常の各種反応を利用して合成することができる。合成例には、合成スキーム1と称する次の例が含まれる。
【0093】
(合成スキーム1)
【0094】
【化54】

=X=X=X=H、アルキル、アルケニル、ニトロアルキル、チオアルキル、フェニル、置換フェニル、CHPhe、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル
=R=R=R=R=H、アルキル、アルケニル、ニトロアルキル、チオアルキル、フェニル、置換フェニル、CHPhe、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル
【0095】
【化55】

部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物は、また、米国特許第3839346号、3974281号、4042699号、および4052509号に開示されているような、ピルフェニドンのための既知の合成スキームをベースにした当技術分野で周知の任意の通常的反応によって合成できる。
【0096】
本明細書に記載の出発原料は、商業的に入手可能であり、既知であるか、あるいは当技術分野で周知の方法で調製できる。さらに、本明細書に記載されていない出発原料は、商業的に入手可能であるか、既知であるか、あるいは当技術分野で周知の方法で調製できる。
【0097】
出発原料は、対応する置換基を有する望ましい生成物を最終的に与えるための適切な置換基を有することができる。別法として、対応する置換基を有する望ましい生成物を最終的に与えるために、合成の任意の時点で置換基を付加することができる。
【0098】
合成スキーム1は、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物を調製するのに使用できる方法を示す。当業者は、いくつかの異なる合成反応スキームを使用して、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物を合成できることを認識するであろう。さらに、当業者は、いくつかの異なる溶媒、カップリング剤、および反応条件を合成反応で使用して、類似の結果を得ることができることを理解するであろう。
【0099】
当業者は、順序に関する変形形態を認識し、さらに、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物を作るために上記の方法で適切に使用できることが示された、さもなければ知られている類似の反応から、適切な反応条件に関する変形形態を理解するであろう。
【0100】
部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物を調製するための本明細書に記載の方法において、保護基を使用することは、一般に、有機化学の当業者によって十分に理解されており、したがって、適切な保護基を使用することは、いくつかの場合、本明細書中のスキームの方法により暗示されるが、このような基は、明白には例示する必要がない。このような適切な保護基の導入および除去は、有機化学の技術分野で周知であり、例えば、T.W.Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」Wiley(New York)、1999年を参照されたい。本明細書に記載の反応生成物は、抽出、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の手段で単離できる。
【0101】
部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物の塩、例えば、薬学上許容される塩は、適切な塩基または酸を化学量論的に当量の化合物と反応させることによって調製できる。同様に、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物の薬学上許容される誘導体(例えば、エステル)、代謝産物、水和物、溶媒和物、およびプロドラッグは、当業者に一般に周知である方法で調製できる。したがって、別の実施形態は、活性化合物のプロドラッグである化合物を提供する。一般に、プロドラッグは、in vivoで代謝されて(例えば、脱アミノ化、脱アルキル化、脱エステル化などの代謝的変換)、活性化合物を提供する化合物である。「薬学上許容されるプロドラッグ」は、実施形態の化合物の薬学上許容されるエステル、および可能なら双性イオンの形態を含む、確かな医学的判断の範囲内で、患者において過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わないで薬学的使用に適し、かつ意図した使用に有効な化合物を意味する。薬学上許容されるプロドラッグのタイプの例は、その双方とも参照により本明細書に組み込まれる、T.HiguchiおよびV.Stella、A.C.S.シンポジウムシリーズの「Pro−drug as Novel Delivery Systems」14巻;およびEdward B.Roche編「Bioreversible Carriers in Drug Design」米国薬学会およびPergamon Press、1987年中に記載されている。
【0102】
本明細書に記載の化合物および組成物は、代謝産物を含むこともできる。本明細書中で使用する場合、用語「代謝産物」は、in vitroまたはin vivoで実施形態の化合物に類似の活性を示す、実施形態の化合物の代謝生成物、または薬学上許容されるその塩、類似体、または誘導体を意味する。本明細書に記載の化合物および組成物には、水和物および溶媒和物を含めることもできる。本明細書中で使用する場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本明細書中では、部類Ia〜c、下位部類II〜Vおよび/または部類VIの化合物)および溶媒によって形成される複合体を指す。実施形態の目的のためのこのような溶媒は、好ましくは、溶質の生物学的活性を妨害してはならない。溶媒は、例を挙げれば、水、エタノール、または酢酸でよい。前記を考慮して、個々の化合物または化合物の部類に対する本明細書での言及は、薬学上許容されるその塩、エステル、プロドラッグ、代謝産物および溶媒和物を含む上記の各種形態を含むと解される。
【0103】
医薬組成物
本明細書に記載の方法で有用な化合物を単独で投与することも可能であるが、該化合物を医薬組成物として製剤することが好ましい場合がある。かくして、さらに別の態様では、本発明の方法で有用な医薬組成物が提供される。より詳細には、本明細書に記載の医薬組成物は、とりわけ、AFを治療または予防するのに有用である可能性がある。医薬組成物は、病状を治療または改善するために、in vitroまたはin vivo、あるいはその双方で対象に投与できる任意の組成物である。好ましい実施形態において、医薬組成物は、in vivoで投与できる。哺乳動物には、非制限的例を挙げれば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、スイギュウ、ネコ、イヌ、ラット、マウス、およびヒトなどの任意の哺乳動物が含まれる。極めて好ましい対象はヒトである。
【0104】
ある実施形態において、医薬組成物は、個々の投与方式および剤形に応じて、担体、溶媒、安定剤、補助薬、希釈剤などの薬学上許容される賦形剤と共に製剤することができる。医薬組成物は、一般に、生理学的に適合するpHを達成するように製剤されるべきであり、製剤および投与経路に応じて、約pH3〜約pH11、好ましくは約pH3〜約pH7の範囲でよい。代わりの実施形態では、pHを約pH5.0〜約pH8の範囲に調節することが好ましい場合がある。より詳細には、医薬組成物は、治療上または予防有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物を、1種または複数の薬学上許容される賦形剤と一緒に含有することができる。任意選択で、医薬組成物は、本明細書に記載の化合物の組合せを含有することができ、あるいは細菌感染症を治療または予防するのに有用な第2の活性成分(例えば抗細菌または抗微生物薬)を含むことができる。
【0105】
例えば、非経口または経口投与用の製剤は、最も典型的には、固形、液状溶液、エマルジョンまたは懸濁経であり、一方、肺投与用の吸入可能な製剤は、一般に、液体または粉末であり、粉末製剤が一般には好ましい。好ましい医薬組成物は、投与前に生理学的適合性のある溶媒で再構成される、凍結乾燥した固体として製剤することもできる。代わりの医薬組成物は、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤、カプセルなどとして製剤できる。
【0106】
用語「薬学上許容される賦形剤」は、本明細書に記載の化合物などの薬剤を投与するための賦形剤を指す。該用語は、過度の毒性を伴わないで投与できる任意の医薬用賦形剤を指す。薬学上許容される賦形剤としては、医薬品を製剤するのに使用される、例えば、崩壊剤、結合剤、増量剤、および滑沢剤などの不活性成分を挙げることができる。
【0107】
薬学上許容される賦形剤は、投与される個々の組成物によって、および該組成物を投与するのに使用される個々の方法によって一部決定される。したがって、医薬組成物の広範な種類の適切な製剤が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Scienceを参照されたい)。
【0108】
適切な賦形剤は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性なウイルス粒子などの大型で徐々に代謝される巨大分子を含む担体分子でよい。他の典型的な賦形剤には、アスコルビン酸などの抗酸化剤;EDTAなどのキレート剤;デキストリンなどの炭水化物;ヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシアルキルメチルセルロース;ステアリン酸;オイル、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールなどの液体;湿潤または乳化剤;pH緩衝性物質などが含まれる。リポソームも、薬学上許容される賦形剤の定義に包含される。
【0109】
崩壊剤には、例えば、寒天−寒天、アルギン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、クレイ、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、および架橋ポリビニルピロリドンヒドロキシプロピルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、およびデンプンが含まれる。
【0110】
結合剤には、例えば、微結晶セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンが含まれる。
【0111】
増量剤には、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸三カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロース、デキストリン誘導体、デキストリン、デキストロース、果糖、ラクチトール、乳糖、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルチトール、マルトデキストリン、麦芽糖、ソルビトール、デンプン、蔗糖、糖、およびキシリトールが含まれる。
【0112】
滑沢剤には、例えば、寒天、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ポロキサマー、グリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリン酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が含まれる。
【0113】
本明細書に記載の医薬組成物は、意図した投与方法に適した任意の形態で製剤できる。経口使用を意図した場合には、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、非水性溶液、分散性粉末または顆粒(ミクロ化粒子またはナノ粒子を含む)、エマルジョン、硬質または軟質カプセル、シロップまたはエレキシルを調製できる。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物を製造するための当技術分野で周知の任意の方法により調製することができ、このような組成物は、口当りのよい調合物を提供するために、甘味剤、着香材、着色剤および保存剤を含む1種または複数の薬剤を含むことができる。
【0114】
錠剤と合わせて使用するのに特に適した薬学上許容される賦形剤には、例えば、セルロース、炭酸カルシウムまたはナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはナトリウムなどの不活性希釈剤;架橋ポビドン、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸などの崩壊剤;ポビドン、デンプン、ゼラチンまたはアラビアガムなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤が含まれる。
【0115】
錠剤は、非被覆でもよいし、あるいは、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期に渡って維持された作用を提供するために、マイクロカプセル化を含む周知の技術で被覆することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリル酸グリセリルなどの時間遅延材料を、単独でまたはワックス一緒にして採用できる。製薬の研究および製造における当業者にとって、錠剤製剤は、賦形剤および被覆物質、ならびに高比率の増量剤を含む不活性成分の豊富な添加を許容することが一般に知られている。しかし、不活性成分の添加は、各錠剤中に所持される活性成分の量を制限する可能性がある。
【0116】
経口で使用するための製剤は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えばセルロース、乳糖、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分をグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピーナツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油などの非水性またはオイル媒質と混合した軟質カプセルとして提供することもできる。カプセルは、錠剤でより使用されるような増量剤の代わりにより大量の結合剤を含めることを可能にできる。一実施形態において、重量でカプセルの2〜10%が崩壊剤であり、2〜30%が結合剤であり、2〜30%が増量剤であり、0.3〜0.8%が滑沢剤である。多数の物質を、崩壊剤、結合剤、増量剤、および滑沢剤として適切に含めることができる。1つの例が、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを、結合剤として微結晶セルロースを、崩壊剤としてクロスカルメロースを使用することである。一実施形態において、カプセル製剤は、さらに、ポビドンを含む。ポビドンは、重量でカプセルの1〜4%を構成することができる。カプセル殻は、一実施形態において硬質ゼラチンで作られる。殻は、各種実施形態において澄明または不透明、白色または着色していてよい、一実施形態において、カプセルはサイズ1である。代わりの実施形態では、他のサイズを採用できる。
【0117】
別の実施形態において、医薬組成物は、懸濁液の製造に適した少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤との混合物の状態で実施形態の化合物を含む懸濁液として製剤できる。
【0118】
さらに別の実施形態において、医薬組成物は、適切な賦形剤を添加することによって、懸濁液を調製するのに適した分散性粉末および顆粒として製剤できる。
【0119】
懸濁液との関連で使用するのに適した賦形剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アラビアガムなどの懸濁剤;天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)などの分散剤または湿潤剤;およびカルボマー、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤が含まれる。懸濁液は、酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび/またはn−プロピルなどの1種または複数の保存剤;1種または複数の着色剤;1種または複数の着香剤、;および蔗糖またはサッカリンなどの1種または複数の甘味剤を含むこともできる。
【0120】
医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、オリーブ油または落花生油などの植物油;流動パラフィンなどのミネラルオイル、あるいはこれらの混合物でよい。適切な乳化剤には、アラビアガムおよびトラガカントガムなどの天然に存在するガム;大豆レシチン、脂肪酸から誘導されるエステルまたは部分エステルなどの天然に存在するホスファチド;モノオレイン酸ソルビタンなどのヘキシトール無水物;ならびにモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が含まれる。エマルジョンは、甘味および着香剤を含むこともできる。シロップおよびエレキシルは、グリセロール、ソルビトールまたは蔗糖などの甘味剤と共に製剤できる。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、着香剤または着色剤を含むこともできる。
【0121】
さらに、医薬組成物は、無菌の注射可能な水性エマルジョンまたは油性懸濁液などの無菌の注射可能な調合物の形態でよい。このエマルジョンまたは懸濁液は、上述したそれらの適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用する周知の技術により製剤できる。無菌の注射可能な調合物は、1,2−プロパンジオールなどの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。
【0122】
無菌の注射可能な調合物は、凍結乾燥された粉末として調製することもできる。採用できる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の非揮発性オイルを溶媒または懸濁媒質として採用できる。この目的のためには、合成のモノまたはジグリセリドを含む任意の刺激が強くない非揮発性オイルを採用できる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を、注射可能物質の調製で同様に使用できる。
【0123】
医薬組成物の安定な水溶性投与形態を得るために、本明細書に記載の化合物の薬学上許容される塩を、コハク酸またはより好ましくはクエン酸の0.3M溶液などの有機または無機酸の水溶液中に溶解できる。可溶性の塩形態が利用できないなら、化合物を、助溶媒または助溶媒の組合せ中に溶解できる。適切な共溶媒の例には、総容積の約0〜約60%に及ぶ濃度のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリンなどが含まれる。一実施形態では、活性化合物をDMSO中に溶解し、水で希釈する。
【0124】
医薬組成物は、塩形態の活性成分の、水または等張生理食塩水またはデキストロース溶液などの適切な水性ビヒクル中溶液の形態でもよい。化合物を送達により適したものにする(例えば、溶解性、生物活性、嗜好性を高め、有害反応を低下させるなど)化学的または生化学的部分の置換または付加によって、例えばエステル化、グリコシル化、PEG化などによって修飾された化合物も考えられる。
【0125】
好ましい実施形態において、本明細書に記載の化合物は、経口投与用に、低溶解性化合物に適した脂質をベースにした製剤で製剤できる。脂質をベースにした製剤は、一般に、このような化合物の経口でのバイオアベイラビリティーを高める。
【0126】
かくして、好ましい医薬組成物は、治療上または予防有効量の本明細書記載の化合物を、中鎖脂肪酸またはそのプロピレングリコールエステル(例えば、カプリルおよびカプリン脂肪酸などの食用脂肪酸のポリプロピレングリコールエステル)からなる群から選択される少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤およびポリオキシ40水素化ヒマシ油などの薬学上許容される界面活性剤と一緒に含有する。
【0127】
代わりの好ましい実施形態では、水溶性増強剤としてシクロデキストリンを添加することができる。好ましいシクロデキストリンには、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシルおよびマルトトリオシル誘導体が含まれる。特に好ましいシクロデキストリン系溶解性増強剤は、任意の上記組成物に添加して実施形態の化合物の水溶性をさらに向上させることができるヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン(BPBC)である。一実施形態において、組成物は、約0.1%〜約20%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、より好ましくは約1%〜約15%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、さらにより好ましくは約2.5約%〜約10%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリンを含有する。採用される溶解性増強剤の量は、組成物中における実施形態の化合物の量によって決まる。
【0128】
医薬組成物は、好ましくは、意図した治療効果を達成するのに十分な活性成分(群)の総量を含有する。より具体的には、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、治療有効量(例えばAFを予防または治療するのに有効であるp38阻害剤化合物の量)を含有する。単位剤形を作るのに担体材料と組み合わせることのできる化合物の総量は、治療されるホストおよび個々の投与方式に応じて異なる。好ましくは、組成物は、該組成物を受け入れる対象に対して0.01〜100mg/kg体重/日の用量のp38阻害剤化合物が投与されるように製剤される。
【0129】
説明、具体的実施例およびデータは、典型的な実施形態を示すが、例示として提供するのであって、本開示の種々の実施形態を制約することを意味しないことを理解されたい。なんらかの理由により本明細書中で引用されるすべての参照文献は、参照により本質的かつ全面的に組み込まれる。本開示の範囲内での種々の変更および修正は、本明細書に含まれる説明およびデータから当業者にとって明らかになり、それゆえ、本開示の各種実施形態の一部と考えられる。個々の実施形態は、任意のこのような代替を本質的に包含するか、あるいは取り上げない。
【実施例】
【0130】
心室高頻度ペーシング(VTP)で誘発された鬱血性心不全(CHF)を有するイヌにおける不整脈惹起性心房リモデリングおよびAF発症性に対するピルフェニドン(PFD)の効果を下記のように評価した。試験の結果は、VTP誘発性CHFが、AF発症性の有意の増大を伴う、著しい不整脈惹起性LAリモデリングと関連しており、PFD治療が、LAリモデリングおよびAF発症性の有意の低下をもたらすことを示している。
【0131】
(実施例1)
動物モデル
簡潔には、15匹の成熟雑種イヌ(体重20〜30kg)を次のような3群(各群n=5)、群1:正常、群2:PFDで治療されないCHFイヌ(すなわちCHF群)、群3:PFDで治療されるCHFイヌ(すなわちCHF+PED群)に分割した。正常イヌには、ペースメーカーを埋め込まず、かつPFDを与えない。CHF群およびCHF+PFD群のイヌには、右心室尖部に配置されたペーシングリードを備えた永久シングルチャンバー型ペースメーカーを留置し、続いて、AV連結部のラジオ周波数カテーテルアブレーションにより完全な心ブロックを創り出す。CHF群およびCHF+PFD群のイヌには、220bpmで3週間のVTPを与える。経口でのPFD(800mg1日3回)(InterMune、Brisbane、CA)を、VTP開始の2日前に始め、ペーシング期間の全継続期間の間与えた。
【0132】
引き続き、動物は、Verheule S.ら、Circulation、107巻、2615〜22頁(2003年)およびSih HJら、J Am Coll Cardiol.、36巻、924〜31頁(2000年)に記載されているような開胸下の電気生理学的(EP)およびマッピング試験を受けた。心房組織検体を、組織学および染色試験のために処理した。
【0133】
統計解析
データ変数を、正規性および等分散性についてチェックした(コルモゴロフ−スミルニフおよびルビーン検定)。多重群差の比較を、事後ボンフェローニ修正を用いるANOVAを使用して実施した。データ変数(AF継続期間)が等分散で正規的に分布していない場合には、クルスカル−ウォリス検定を使用した。すべての結果を、平均±SDとして示し、p<0.05を統計的に有意と考えた。データ解析は、SPSS13.0ソフトウェアパッケージを用いて実施した。
【0134】
(実施例2)
CHFモデルのモニタリング
CHF群およびCHF+PFD群は、ペースメーカーの埋込み時に、および引き続いて経食道超音波心臓造影を受けた。調律された群のイヌは、週に1度の経胸腔超音波心臓造影、右心室捕捉を確実にするための週に1度のECGモニタリング、および週に1度の身体検査を受けた。CHFは、嗜眠、末梢性浮腫、および粘膜色変化などの臨床的徴候によって確認した。左心房(LA)の大きさを、拡張期中に2−チャンバー視野からの2−D超音波心臓造影画像からの面積測定によってLA面積を測定して判定した。左心室(LV)の収縮機能は、乳頭筋レベルのLA短縮率を測定することによって判定した。LA面積およびLV短縮率について2回反復測定し、解析には平均値を使用した。
【0135】
左心室機能、左心房拡張
3週間のVTP後のLV短縮率は、ベースラインと比較すると、CHF群(−63±7%、p<0.001)およびCHF+PFD群(−69±8%、p<0.001)の双方のイヌで顕著に低下した。CHF群およびCHF+PFD群についての群間ベースラインおよび1週に1度のLV短縮率測定値は、類似していた。双方の群に関して、LA面積(図1)は、1週間のVTP後に有意に増加し、この増加は、3週間のVTPに渡って増進した。ベースラインからのLA面積の増加は、1週に1度の各時点において2つの調律群で類似していた。CHFの徴候は、調律群の間で異なるとは思われなかった。
【0136】
(実施例3)
電気生理学的試験
追跡的EP試験の間、各動物は、イソフルランで麻酔され、人工呼吸が行なわれた。ペースメーカーの速度は、すべてのEP試験の間、拡張期閾値の2倍の80bpmに設定した。胸部を正中線切開法で開口した。心膜クレードルを創り出し、4つの特注の心外膜高密度プラーク(左心房自由壁(LAFW)、左心房バッハマン束(LABB)、右心房自由壁(RAFW)、左心房バッハマン束(RABB))をVerheule S.ら、Circulation 107巻、2615〜22頁(2003年)およびSih HJ.ら、J Am Coll Cardiol.、36巻、924〜31頁(2000年)中に記載されている設定と同様に心房の上に(電極間距離が2.5mmの512電極)留置した。UnEmapマッピング装置(オークランド大学、ニュージーランド)を用いて単極電極シグナルを得て(サンプリング速度2kHz)、記憶装置に貯蔵した。心外膜プラーク上の電極対を、拡張期閾値の2倍での双極刺激のために使用した。200、300、および400msの8−拍駆動系基本周期(BCL)での単発期外刺激プロトコール(S1S2)を使用して12の心房部位(LAで6つ、RAで6つ)で有効不応期(ERP)を測定した。反対側のバッハマン束を刺激中に、特注のソフトウェアを用いて活性化波面に垂直なプラーク電極の対の間で伝導速度(CV)を計算した。Verheule S.ら、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、2004年、287巻、634〜44頁;およびBayly PV.ら、IEEE Trans Biomed Eng.、1998年、45巻、563〜71頁。伝導不均一性のマーカーとして使用される(Verheule S.ら、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、2004年、287巻、634〜44頁;Bayly PV.ら、IEEE Trans Biomed Eng.、1998年、45巻、563〜71頁;およびAusma J.ら、Circulation 、1997年、96巻、3157〜63頁)、位相差(ms/mm)を、電極間距離で正規化されたその近傍電極のすべてからのプラーク電極間の活性化時間の平均差として定義した。心房領域内の位相差について、周波数ヒストグラムを作図した。ヒストグラムを、それぞれ、メディアン相(P50)、および5番目および95番目のパーセンタイル相、または分布のPおよびP95として要約した。伝導不均一性、すなわち、1)P95−P(P95−5)として定義される絶対伝導不均一性、および2)メディアン相で正規化された絶対伝導不均一性、またはP95−5/P50として定義される伝導不均一性指数を数量化するために2つの測定値を誘導した。
【0137】
単発期外刺激プロトコール(上記のような)および1つのLA部位および1つのRA部位で調律することからなるバーストペーシングプロトコールの双方によって、AF誘導能を評価した。全部で16のバースト刺激を、各動物について各心房部位で、CLが50msおよび刺激出力が0.5V+拡張期閾値の2倍である8つのバーストペーシング(6秒の持続期間で4つおよび12秒で4つ)を受け入れて実施した。誘発されたエピソードが、30分以上(その時点で最長AF継続時間を3600秒と考える)継続するなら、AFが継続したと考え、解析に使用した。
【0138】
心房細動の発症性
開胸実験において、継続したAFは、非治療CHFイヌで観察されるだけであった(4/5、p<0.007)。VTP誘発性CHFは、正常群の16±25秒から1488±698秒への平均AF継続時間の有意な増加をもたらした(p<0.009)(図2)。PFD治療は、AF継続時間の、正常群で見出されたものに類似した12±13秒への有意な短縮をもたらした(CHFに対してp<0.009)。
【0139】
開胸電気生理学的試験
図3Aおよび3Bに、3種のペーシングBCL(200、300、および400ms)での試験群に関するそれぞれLAおよびRAのERPを示す。VTP誘発性CHFは、正常群に比較してLAのより長いERPに向かう傾向をもたらした(p=NS)。PFDでの治療は、非治療イヌ(p=NS)および正常イヌ(すべてのBCLについてp<003)と比較してLAのERPのさらなる延長をもたらした。RAのERPは、すべての群間で類似していた。図3Cおよび3Dに、3種のペーシングBCLでの試験群に関するそれぞれLAおよびRAのCVを示す。正常群のLA CVに較べ、VTP誘発CHFをもつイヌのLA CVはすべてのBCLで低下し、200msのBCLで統計的有意に達した(p<0.04)。PFDでの治療は、非治療群と比較して非統計的の有意なLA CVの増加をもたらした。RAのCVは、3の群間で類似していた。
【0140】
伝導の不均一性
図4に、300msのペーシングCLでの4つの心房プラークのそれぞれに関する等時性活性化マップの比較を示す。心房伝導は、正常群と比較してCHF群でより不均一であり(より分離した低伝導領域)、この局所的伝導不均一性はPFD治療でより少なかった。
【0141】
心房伝導不均一性は、相遅延マップならびに図5A〜Dにプロットした絶対伝導不均一性の偏差および伝導不均一性インデックスでも分析された。VTP誘発性CHFは、正常群と比較してすべてのBCLでのLAにおける伝導不均一性に関する2つの測定値の増加をもたらした(絶対不均一性に関して300および400msでp<0.02、不均一性インデックスに関して200msでp<0.05、300、400msでp<0.02)。PEDでの治療は、すべてのBCLでのLAにおける伝導不均一性に関する2つの測定値の低下をもたらした(絶対不均一性に関して400msでp<0.04、不均一性インデックスに関して300、400msでp<0.02)。RAの伝導不均一性に関する限り、正常群に比較してCHFイヌですべてのBCLでの伝導不均一性に関する2つの測定値の増加、およびPFD治療での2つの測定値の減少が存在した(絶対不均一性および不均一性インデックスに関して400msでp<0.003)。メディアン相(示さない)は、すべてのBCLですべての群について類似していた。
【0142】
(実施例4)
組織学的試験
EP試験の終結時に、動物を安楽死させた。心房組織検体を中性緩衝化10%ホルマリン中で固定した。検体を処理し、パラフィン中に包埋し、4〜5μm厚の切片に切断した。切片を、H&E、マッソントリクローム、またはシリウスレッドで染色した。切片画像を、Spot Camera(Diagnostics Instruments、Sterling Height、ミシガン州)を使用してデジタル化した。線維化を定量するため、Adobe Photoshop7.0ソフトウェアパッケージを用い、全組織領域(赤色および緑色の画素)に比較したデジタル画像の赤色画素の含有量を測定した。血管および血管周囲間質細胞を含む領域は、線維化の定量から排除した。心房組織検体を液体窒素中で凍結し、可溶化緩衝液中でホモジナイズした。
【0143】
組織学的所見
シリウスレッドで染色された代表的なLA切片を図6に示す。VTPにかけないイヌのLAは、正常と思われた。しかし、非治療CHFイヌのLA断片は、広範な間質性線維化を有した。さらに、筋細胞肥大および細胞欠損は、非治療CHF群でより顕著であった。PFDでの治療は、間質性線維化の有意な減弱をもたらした。組織学的変化は、LAでよりいっそう広範であったが、RAでも見られた(示さない)。
【0144】
線維化の定量は、シリウスレッドで染色した標本をもとに実施した(図7)。正常群に比較して非治療CHFイヌでのパーセントLA線維化の有意な増加が存在した(15.4±2.3%対3.2±1.0%、p<0.002)。PFD治療は、正常群で見出されるもの(p<0.02)をやはり超えるが、パーセントLA線維化の有意な低下をもたらした(8.3±3.0%、p<0.002対CHF群)。
【0145】
(実施例5)
心房組織中でのMAPKの発現を、ウェスタンブロット分析を使用して評価した。簡潔には、等量の総タンパク質(10μg)を含む心房組織標本を4〜20%トリス−グリセリンゲルでの電気泳動にかけ、次いで、ニトロセルロース濾紙上に転写した。非特異的結合部位を4%BSAで遮断し、濾紙を希釈された抗体と共にインキュベートし、二次抗体を結びつけた(すべての抗体は、Chemicon、Temecular、カリフォルニア州から入手した)。製造業者(NEN Life Science、ボストン、マサチューセッツ州)からの勧告をベースにして、西洋ワサビペルオキシダーゼを使用する強化された化学発光検出法でタンパク質のバンドを分析した。
【0146】
図8は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β1、総細胞外シグナル調節プロテインキナーゼ(ERK)、総c−Jun N−末端キナーゼ(JNK)、総p−38、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)−4、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)−9、TNF−α、IL−6、およびIL−10に関するウェスタンイムノブロッティングの結果を示す。VTP誘発性CHFは、TGF−β1、ERK、JNK、p−38、およびMMP−9の発現で上向き調節をもたらし、一方、PFD治療は、それらの発現の下向き調節をもたらした。TIMP−4、TNF−α、IL−6、およびIL−10の発現は、3つのすべての群で変化しなかった。
【0147】
レニン−アンジオテンシン系は、種々の構造性心疾患における心筋線維化の形成で重要な役割を演じる。Weber KT.ら、Cardiovasc Res.、1993年、27巻、341〜8頁;Brilla CGら、Circ Res.、1990年、67巻、1355〜64頁;Tan LBら、J Hypertens Suppl.、1992年、10巻、31〜4頁;Urata H.ら、J Clin Invest.、1993年、91巻、1269〜81頁。循環しているアンジオテンシンII(Ang II)は、結合組織形成の重要なプロモーターであり(Weber KTら、Int J Biochem Cell Biol、1999年、31巻、395〜403頁)、Ang IIの効果は、組織レベルでマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)によって介在される。Yano M.ら、Circ Res.、1998年、83巻、752〜60頁;Sugden PH、Clerk A.、J Mol Med.、1998年、76巻、725〜46頁。心房線維化およびAFを有する患者で、Goetteらは、ERK活性化の増大に伴うAng II濃度の上昇を見出した。Goette Aら、J Am Coll Cardiol.2000年、35巻、1669〜77頁。さらに、Liらは、イヌモデルで、VTP誘発性CHFは、Ang II濃度の増加およびMAPKサブファミリーERK、c−Jun、およびp−38(総およびホスホリル化された)の発現をもたらすことを報告している。Li D.ら、Circulation、2001年、104巻、2608〜14頁。Liらは、また、ACE阻害剤(エナラプリル)での治療が、Ang II濃度および不整脈惹起性心房リモデリングをほとんど伴わないERK活性化の低下につながることを見出した。この試験で、3週間のVTPは、総ERK、c−Jun、およびp38の発現の増加をもたらし、そのすべては、PFD治療で低下した。
【0148】
心房の細胞外マトリックスの恒常性は、MMPおよびそれらの内因性阻害剤(TIMP)と最も心臓特異的なTIMP−4との微妙な平衡によって調節される。Li YYら、Circulation、1998年、98巻、1728〜34頁;Thomas CVら、Circulation、1998年、97巻、1708〜15頁;Li Hら、Cardiovasc Res.、2000年、46巻、298〜306頁;Greene J.ら、J Biol Chem.、1996年、271巻、30375〜80頁。MMPは、細胞外マトリックスタンパク質の分解を媒介し、それらの上向き調節は、心筋症につながる可能性がある。Thomas CVら、Circulation、1998年、97巻、1708〜15頁;Spinale FGら、Circ Res.、1999年、85巻、364〜76頁。Nakanoらは、活性型MMP−9(88kDa)の発現が、AF患者で有意に増加することを見出した。Nakano Y.ら、J Am Coll Cardiol.、2004年、43巻、818〜25頁。この試験で、MMP−9の発現は、VTP誘発性CHFで増加し、PFD治療で低下した。一方、TIMP−4の発現は、3つの試験群間で著しくは変化しなかった。これらの結果は、ラットモデルにおける進行性心不全およびLA線維化が、TIMPではなくMMPの上向き調節と関連していることを見出したBoixelらの結果と一致している。Boixel C.ら、J Am Coll Cardiol.、2003年、42巻、336〜44頁。
【0149】
以前の試験は、トランスジェニックマウスにおける強力な線維化促進性メディエーターTGF−β1の過剰発現が、心房の間質性線維化、伝導の不均一性、およびAF発症性の増加をもたらしたことを示している。Verheule S.ら、Circ Res.、2004年、94巻、1458〜65頁。PFDは、肺線維症(Iyer SNら、J Pharmacol Exp Ther.、1999年、291巻、367〜73頁)、肝線維症(Garcia L.ら、J Hepatol.、2002年、37巻、797〜805頁)、および腎尿細管間質性線維症(Shihab FSら、Am J Transplant.、2002年、2巻、111〜9頁)の動物モデルにおけるTGF−β1の発現を有意に低下させることが報告されている。この試験で、VTPは、TGF−β1発現の著しい増加をもたらし、この発現はPFD治療で低下した。
【0150】
炎症が、AFの助長で顕著な役割を演じる可能性があることも報告されている。Chung MKら、Circulation、2001年、104巻、2886〜91頁;Aviles RJら、Circulation、2003年、108巻、3006〜10頁;Ishii Y.ら、Circulation、2005年、111巻、2881〜8頁。最近、Goetteらは、開胸心臓手術中にAF患者から得られた心房は、高められたカルパイン酵素活性を有し、組織サイトカインの活性化は観察されないことを見出した。Goette Aら、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、2002年、283巻、264〜72頁。その試験の対象は、平均不整脈継続期間が47ヶ月の長期の慢性AFを有し、付随する炎症は、その間有意に縮小した可能性がある。この試験で、炎症マーカー、TNF−α、IL−6、およびIL−10は、3つの試験群で著しく異なることはなかった。
【0151】
(実施例6)
心房組織におけるギャップ結合タンパク質コネキシン43(Cx43)およびコネキシン40(Cx40)の分布についても試験した。心房標本を、Cx40に対するマウスモノクロナール抗体およびCx43に対するウサギポリクロナール抗体(Dako)と共に4℃で一夜インキュベートした。続いて、FITCで標識したヤギ抗ウサギ抗体(Cx43用)およびテキサスレッドで標識したロバ抗マウス抗体(Cx40用)(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、ペンシルヴェニア州)と一緒のインキュベーションを実施した。標本を処理し、蛍光顕微鏡法で分析した。
【0152】
CHF群およびCHF+PFD群のLAにおけるCx43およびCx40の分布についても試験した(図9)。これら2種のギャップ結合タンパク質の空間的分布は、治療および非治療群で著しい差は現われなかった。
【0153】
これらの結果は、PFDが、Cx40およびCx43の空間的分布の明らかな変化なしに、その抗線維化効果を介して心房線維化およびAF発症性を顕著に減弱することを示唆している。
【0154】
考察
3週間のVTPの後、この試験のイヌは、他の研究者の報告と同様、かなりのLA線維症、LV機能不全、およびLA拡張を発現した。Li D.ら、Circulation、1999年、100巻、87〜95頁;およびShinagawa K.ら、Circulation、2002年、105巻、2672〜8頁。PFDで治療したイヌは、対応する非治療イヌと類似の重症度を有したが、治療群は、LA線維化およびAF発症性のかなりの低下があった。PFD治療での注目すべき電気生理学的変化には、より少ない間質性線維化による細胞対細胞カップリングの改善のためである可能性がある、LA ERPおよびCVの増加に向かう傾向が含まれる。
【0155】
(実施例7)
上記のような4週間の急速心室ペーシングによって引き起こされた心不全を有する2匹の成熟雑種イヌ(体重20〜32kg)をPFD治療後のAF誘発性について評価した。
【0156】
簡潔には、ペースメーカーを4週間の時点で停止し、3週間のPFDを開始した、3週間のPED治療後のAF誘発性に関する追跡試験を、上記のように実施した。2匹の動物でAFは見出されなかった。
【0157】
(実施例8)
AFと診断された患者は、p38阻害剤化合物を使用するAFの治療への識見を提供するために、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験に参加する。AFの診断は、EKGで確認した。患者は、修正された置換ブロック無作為化法を使用して、p38阻害剤化合物またはプラセボに無作為に割り振られる。患者は、3週間の試験過程中に1日に3回、400mgの用量で経口錠剤(p38阻害剤またはプラセボ)を受け入れる。
【0158】
患者におけるAFの苦しみ、AFに費やされた時間の量、およびAFエピソードの継続期間を、自動トリガー式イベント記録装置を使用して、試験過程を通して監視した。p38阻害剤を受け入れる患者の場合、AFは逆転するか、あるいはAFの苦しみが、治療前に比較して有意に低下する。AFに費やされた時間量は、治療前に比較して平均で95%低下した。AFエピソードを体験する患者の場合、エピソードの継続期間は、平均で95%低下する。プラセボを受け入れる患者の場合、AFに費やされる時間量およびADエピソードの継続期間は、治療前に比較して大きくは変化しない。
【0159】
(実施例9)
心臓手術をちょうど受けたばかりの患者は、高リスク患者におけるp38阻害剤化合物を使用するAFの予防への識見を提供するために、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験に参加する。患者は、修正された置換ブロック無作為化法を使用して、p38阻害剤化合物またはプラセボに無作為に割り振られる。患者は、3ヶ月の試験過程中に1日に3回、100mgの用量で経口錠剤(p38阻害剤またはプラセボ)を受け入れる。
【0160】
患者は、自動トリガー式エベント記録装置を使用して試験の過程を通して監視される。p38阻害剤を受け入れる患者の5%未満がAFを経験する。しかしAFは、プラセボを受け入れる患者の50%で発生する。
【0161】
(実施例10)
1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリドン(化合物10)の調製:5−(トリフルオロメチル)−2(1H)−ピリドン(815.5mg、5ミリモル)、4−ヨードアニソール(2.34g、10ミリモル)、CuI(952mg、5ミリモル)、KCO(691mg、5ミリモル)およびDMF(5mL)の混合物を135℃で一夜加熱した。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、526mg(39.2%)の1−(4−メトキシフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリドンが得られた。この化合物(268.2g、1ミリモル)を、DCM(5mL)中、1M BBr/ジクロロメタン(DCM、2mL)溶液と0℃で2時間処理する。反応混合物を、DCMで希釈し、水で3回洗浄する。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発させた。残留物を、カラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/DCM)で分離し、オフホワイト色固体として標題化合物226mg(89%)を得た。H−NMRスペクトルは化合物10の構造と一致した。
【0162】
(実施例11)
1−フェニル−5−アセチル−2−ピリドン(化合物16)の調製:2−メトキシ−5−アセチルピリジン(1.51g、10ミリモル)を6N HClと100℃で5時間処理した。反応混合物を、水酸化ナトリウムでpH7まで中和し、次いで、DCMで数回抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物を、酢酸エチルから結晶化して、白色固体として5−アセチル−2(1H)−ピリドン1.06g(78%)を得た。この化合物(685.7mg、5ミリモル)を、DMF(5mL)中、CuI(95mg、0.5ミリモル)およびKCO(691mg、5ミリモル)の存在下にヨードベンゼン(0.84mL、7.5ミリモル)と135℃で一夜反応させた。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/DCM)により、白色固体として407mg(38%)の目的化合物を得た。H−NMRスペクトルは、化合物16の構造と一致した。
【0163】
(実施例12)
1−(4−ピリジニル)−5−メチル−2−ピリドン(化合物22)の調製:化合物22は、5−メチル−2(1H)−ピリドン(327.4mg、3ミリモル)を、DMF(3mL)中、CuI(60mg、0.3ミリモル)およびKCO(1.36g、10ミリモル)の存在下に4−ブロモピリジン塩酸塩(778mg、4ミリモル)と135℃で一夜縮合させて合成した。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)により、黄色固体として197mg(35%)の目的化合物を得た。H−NMRスペクトルは、化合物22の構造と一致した。
【0164】
(実施例13)
1−フェニル−5−メチル−2−ピリジンチオン(化合物18)の調製:1−フェニル−5−メチル−2−ピリジノン(555.7mg、3ミリモル)を、トルエン(5mL)中、ローソン(Lawesson)試薬(606.7mg、1.5ミリモル)と90℃で反応させた。反応混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(20〜30%酢酸エチル/ヘキサン)、続いてメチル−tert−ブチルエーテルからの再結晶によって目的化合物を単離した。収量403mg(67%)、黄色固体。H−NMRスペクトルは、化合物18の構造と一致した。
【0165】
(実施例14.1)
心房線維症/細動のトランスジェニックマウスモデルにおける化合物の効力の特徴付け
実験は、ミオシン重鎖(MHC)プロモーターの制御下でTGF−βバリアントを発現するように設計されたトランスジェニックマウスの系統を採用する。このプロモーターから発現されるTGF−βアイソフォームは、位置33にCysからSerへの突然変異を所持し、この突然変異は、活性TGF−βレベルの増加につながる潜在型複合体への会合を妨げる。この導入遺伝子を発現しているマウスは、心房細動の発症性を増加させることが判っている(Verheuleら、Circ Res、2004年、94巻、1458〜65頁)選択的心房線維症を発現する(Nakajimaら、Circ Res.、2000年、86巻、571〜79頁)。
【0166】
化合物が心房線維化/細動を抑制する能力を評価するために、8匹からなる群のトランスジェニックマウスを、p38阻害剤化合物またはビヒクル対照で治療した。飼料中の化合物の投与は、動物が離乳すると直ぐ(出生後ほぼ21日目)に、または、もしp38阻害剤化合物を腹腔内注射で送達するなら、より早期に開始することができる。さらなる2つの群は、ビヒクルまたはp38阻害剤化合物で治療される、同一系統の正常マウス(野生型同腹子)である。投与は、1〜4ヶ月間継続され、その後、いくつかの端点を下記実施例に記載のように評価できる(Verhuleら、Circulation Research、2004年)。
【0167】
(実施例14.2)
ECGおよび開胸電気生理学的試験
このモデルにおける表面ECGおよび開胸電気生理学に対する心房線維化の影響を判定するための方法は、発表されている(Verheuleら、2004年)。非治療トランスジェニックマウスのECGは、P−波の大きさの減少を示す。トランスジェニックマウスをp38阻害剤化合物で治療すると、P−波の大きさが典型的な値まで回復する予想される。左心房の経食道バーストペーシングは、非治療トランスジェニックマウスのサブセットにおける心房細動を誘発すると予想される。p38阻害剤化合物で治療すると、トランスジェニックマウスにおける心房細動の誘発性または継続期間、あるいはその双方が低下すると予想される。
【0168】
(実施例14.3)
線維化の組織学的特徴付け
電気生理学的試験に続いて、マウスを屠殺し、線維化を、実施例4に記載したような組織学により特徴付ける。簡潔には、心臓を、固定具(Triangle Biomedical Science、Durham、ノースカロライナ州)に取り付け、ホルマリンで固定し、シリウスレッド/ファーストグリーンまたはマッソントリクロームで染色する。以前の試験は、このモデルにおけるTGF−βの過剰発現は、心房線維化の増加につながることを示した(Verheuleら、Circulation Research、2004年;Nakajimaら、Circulation Research、200)。トランスジェニックマウスをp38阻害剤化合物で治療すると、非治療トランスジェニックマウスと比較して、線維化度が低下すると予想される。
【0169】
(実施例14.4)
線維化に関連するタンパク質レベルの特徴付け
線維化に関連する重要なタンパク質のレベルは、屠殺に続いて、実施例5に記載のイヌモデルについて説明した方法を使用して観察できる。線維化に関連する重要タンパク質の例には、限定はされないが、TGF−β1(マウスモデル中で発現される導入ヒト遺伝子)、TGF−β1(マウス)、MMP−9、ERK−1/2、JNK、およびp38アイソフォームが含まれる。実施例5に記載のイヌモデルでのように、p38阻害剤化合物で治療すると、これらタンパク質の1種または複数の発現が調節されると予想される。いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物で治療すると、TNF−α(発現低下)および/またはTIMP−4(発現増加)の発現が調節されると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、ベースラインでの左心房(LA)面積測定値、およびCHF群およびCHF+PFD群における3週間に渡るVTP期間のベースラインからのパーセント変化を示す棒グラフである。
【図2】図2は、正常群、CHF群、およびCHF+PFD群に関するAF誘発性を示す棒グラフである。
【図3】図3A〜3Dは、3種のペーシングBCLで各試験群間に見出される有効不応期(ERP)(図3Aおよび3B)および伝導速度(CV)(図3Cおよび3D)を示す棒グラフである。
【図4】図4A〜4Lは、300msのペーシングBCLでの代表的な等時性活性化マップ(4つの異なる心房心外膜プラークのそれぞれからの)である。プラーク活性化時間カラーマップ:赤=最も早い、青=最も遅い。
【図5】図5A〜5Dは、3種のペーシングBCLで心房に関して見出される、絶対伝導不均一性(p95−5)(図5Aおよび5B)および伝導不均一性指標(P95−5/P50)(図5Cおよび5D)を示す棒グラフである。
【図6】図6A〜6Iは、シリウスレッドで染色された、拡大率が50X、100X、および400Xの代表的なLA切片である。
【図7】図7は、パーセント左心房線維化を示す棒グラフである。
【図8】図8A〜8Iは、線維化および炎症メディエーター:TGF−β1、総ERK1/2((42および44kDaのアイソフォーム)、総JNK(46および54kDaのアイソフォーム)、総p38、TIMP−4、MMP−9(活性形、88kDa)、TNF−α、IL−6、IL−10に関して見出される代表的なウェスターン免疫ブロットである。
【図9】図9A〜9Dは、CHFおよびCHF+PFDイヌのLA標本から見出される代表的な免疫蛍光Cx40およびCx43分布である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象における心房細動の治療方法であって、該対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
【請求項2】
前記対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を抑制する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を阻害する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を終結させる、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、正常な洞調律を回復する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ia
【化1】

[式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ib
【化2】

[式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される]のものである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ic
【化3】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類II
【化4】

[式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類III
【化5】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類IV
【化6】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類V
【化7】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記p38阻害剤化合物が、部類VI
【化8】

[式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
心房細動の発症に苦しむまたはその危険にさらされている対象を識別することをさらに含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
それを必要とする対象における不整脈の予防方法であって、該対象に対してp38阻害剤化合物を、該不整脈を予防するのに有効な量で投与することを含む方法。
【請求項34】
前記不整脈が、心房細動である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記対象がヒトである、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項33から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項33から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項33から40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項33から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ia
【化9】

[式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ib
【化10】

[式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ic
【化11】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類II
【化12】

[式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類III
【化13】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類IV
【化14】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類V
【化15】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記p38阻害剤化合物が、部類VI
【化16】

[式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項33から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項33から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項33から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項33から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項33から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
不整脈の危険にさらされているまたは不整脈を経験している不整脈対象を識別することをさらに含む、請求項33から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
心臓障害を有する対象における心房細動の予防方法であって、対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
【請求項63】
前記対象がヒトである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項62から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項62から66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項62から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ia
【化17】

[式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ib
【化18】

[式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ic
【化19】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類II
【化20】

[式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類III
【化21】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類IV
【化22】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類V
【化23】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記p38阻害剤化合物が、部類VI
【化24】

[式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項62から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項62から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項62から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項62から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項62から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項62から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
心臓障害を患う対象を識別することをさらに含む、請求項62から88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
それを必要とする対象における心房線維化の予防方法であって、該対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
【請求項91】
前記対象がヒトである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項90または91に記載の方法。
【請求項93】
前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項90〜94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項90〜95のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1〜23から選択される、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ia
【化25】

[式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ib
【化26】

[式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ic
【化27】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類II
【化28】

[式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類III
【化29】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類IV
【化30】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類V
【化31】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
前記p38阻害剤化合物が、部類VI
【化32】

[式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項90から107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項90から108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項90から109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項90から113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項90から114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項90から115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
心房細動を患う対象を識別することをさらに含む、請求項90から116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
有効治療量または有効抑制量のp38阻害剤化合物を含有する、心房細動を治療または抑制するための医薬組成物。
【請求項119】
前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項118に記載の組成物。
【請求項120】
前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項119に記載の組成物。
【請求項121】
前記有効治療量または有効抑制量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項118から120のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項122】
前記有効治療量または有効抑制量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項118から121のいずれかに記載の組成物。
【請求項123】
前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を抑制する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
【請求項124】
前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を阻害する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
【請求項125】
前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を終結させる、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
【請求項126】
前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、正常な洞調律を回復する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
【請求項127】
前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項118から126のいずれかに記載の組成物。
【請求項128】
前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項129】
前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項130】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ia
【化33】

[式中、
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
、X、X、X、およびXは、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項131】
前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項130に記載の組成物。
【請求項132】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ib
【化34】

[式中、
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項133】
前記p38阻害剤化合物が、部類Ic
【化35】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
は、H、CF、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、RおよびXがHの場合、RはCHではない]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項134】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類II
【化36】

[式中、
は、HおよびOHからなる群から選択され、
は、H、CHOH、COOH、CO−グルコロニド、CH、およびCHOCHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびOHからなる群から選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項135】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類III
【化37】

[式中、
は、H、F、およびOHからなる群から選択され、かつ
は、HおよびCFからなる群から選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項136】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類IV
【化38】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項137】
前記p38阻害剤化合物が、下位部類V
【化39】

[式中、Xは、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される]のものである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
【請求項138】
前記p38阻害剤化合物が、部類VI
【化40】

[式中、
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、OH、またはOCHであり、
は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、Rがトリフルオロメチルであり、ZがOであり、RがHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項118から127のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項139】
前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて含有する、請求項118から138のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項140】
経口投与用である、請求項118から139のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項141】
前記p38阻害剤化合物を含有する錠剤またはカプセルの形態である、請求項118から140のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項142】
前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で含有する、請求項118から141のいずれか一項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−513713(P2009−513713A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538997(P2008−538997)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/042653
【国際公開番号】WO2007/053685
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(502191619)インターミューン インコーポレイテッド (25)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】