説明

接続端子

【課題】カーボン電極にリード線を安価に、かつ、強固に接続する接続端子を提供する。
【解決手段】リード線22との接続のための端子部12とカーボン電極18を保持しそれと接続するためのソケットコンタクト部14を一体に有している。カーボン電極18をソケットコンタクト部14に挿入して板バネ14により保持した状態((b)欄)で、カーボン電極18の端面20と端子部12とによりカップ端子が形成され、リード線22をカーボン電極18に直接接触させた状態で強固にハンダ付けすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーボン電極のようなリード線との接続が難しい材質からなる棒状体にリード線を接続するための接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンは電極として広く用いられているが、カーボンのような非金属体ではリード線を直接ハンダ付けすることが難しいか不可能である。そこでカーボンの表面にニッケルなどの金属をメッキし、その部分にリード線をハンダ付けし、腐食防止のため周囲をエポキシ樹脂などの樹脂で固めることが、従来、行なわれている。
【0003】
しかしながら、メッキ処理はコストが高い、という問題がある。また、接続部分を覆う樹脂とカーボンとでは熱膨張率に差があるため、熱膨張と収縮が繰り返されると樹脂がカーボンから離脱し、それと共にハンダ付けが引き剥がされる、すなわち、引き剥がし強度が小さいという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の目的は、カーボン電極のようなハンダ付けが難しい材質からなる棒状体にリード線を、安価に、かつ、強固に接続することのできる接続端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、リード線をハンダ付けするためのハンダ付け端子部と、該ハンダ付け端子部と一体に形成され、リード線と接続されるべき棒状体の端部を受け入れて弾性的に把持するソケットコンタクト部とを具備し、前記ソケットコンタクト部が棒状体の端部を受け入れたとき、棒状体の端面が前記ハンダ付け端子部とともにカップ端子を形成する接続端子が提供される。
【0006】
ソケットコンタクトにピンコンタクトを挿入するときのようにソケットコンタクト部に棒状体を挿入すると、その端面とハンダ付け端子部とによりカップ端子が形成される。したがって、このカップ端子にリード線をハンダ付けすることにより、周囲をエポキシ樹脂で固めたとしても、エポキシ樹脂の離脱とともにハンダ付けが引きはがされることなく、強固に接合することができる。また、リード線の端部をカーボン電極などの棒状体に直接当接させた状態でハンダ付けすることができるのでリード線と電極を直接接触させた状態で接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は本発明の一実施例に係る、カーボン電極にリード線を接続するための接続端子の斜視図である。
【0008】
図1に示した接続端子10は、リード線との接続のための端子部12と、カーボン電極との接続のためのソケットコンタクト部14とを一体に有している。材質は例えばリン青銅などの金属である。
【0009】
ソケットコンタクト部14は内側に湾曲した4枚の板バネ16を有する。図2の(a)欄に示すように、矢印Aの方向から円柱形のカーボン電極18を挿入すると、(b)欄に示すように、板バネ16が押し広げられ、すり合せ接触により、ソケットコンタクト部14とカーボン電極18が接続される。
【0010】
このとき、カーボン電極18の端面20と端子部12の円筒とにより、カップ端子が形成される。このカップ内に、(c)欄に示すように、リード線22を挿入し、溶融ハンダを供給することによって、リード線22をカップ端子方式によりハンダ付けすることができる。
【0011】
図3の断面図に示すように、リード線22をカーボン電極18の端面22に当接させた状態でハンダ付けすることができるので、リード線22とカーボン電極18とを直接接触した状態で強固に接続することができる。また、カップ端子方式によるハンダ付けであるので、板バネ16の外側面にハンダ付けした場合と比べても、引き剥がし強度が強い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係る接続端子の斜視図である。
【図2】接続の手順を示す図である。
【図3】接続した状態における断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード線をハンダ付けするためのハンダ付け端子部と、
該ハンダ付け端子部と一体に形成され、リード線と接続されるべき棒状体の端部を受け入れて弾性的に把持するソケットコンタクト部とを具備し、
前記ソケットコンタクト部が棒状体の端部を受け入れたとき、棒状体の端面が前記ハンダ付け端子部とともにカップ端子を形成する接続端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−210673(P2008−210673A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46818(P2007−46818)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】