説明

ガス採取装置

【課題】 ヒューマンエラーの発生率を極めて低くすることができるガス採取装置を提供する。
【解決手段】 実行条件として、前回の採取からの経過時間および予め定める時刻のいずれかとし、たとえば、6時間ごとに採取するよう設定する。試料ガスは、6時間ごとに各ボトル2に順次封入される。このとき、ボトル番号と、温度、圧力などの環境条件とを関連付けてデータ記録部4に記録する。分析時には、接続された分析装置を外部から制御し、ボトル内のガスを順次分析装置に注入し、それぞれの分析結果データを取得する。所得した、分析結果データを、環境条件とともにボトル番号に関連付けてデータ記録部4に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採取したガスを保持するためのボトルを備え、採取したガスを分析するための分析装置に接続可能に構成されるガス採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガス採取装置は、サンプリングの自動化までは成されており、しかも、サンプリング時の各種条件などを記録できるようになっている。また、サンプリングしたガスを分析するための分析計も分析作業については自動化されている(特許文献1参照)。
【0003】
ガス採取装置の多くは、採取したガスを保管するためのボトルを複数備えており、たとえば一定時間ごとにガスを採取し、分析装置で分析を行うまで各ボトルにガスを保管しておく。各ボトルには、識別可能なようにボトル番号が付与されており、何時採取したガスであるかがわかるようになっている。
【0004】
分析する際は、ボトル内に封入された試料ガスをシリンジなどで分析装置、たとえばガスクロマトグラフィ(GC)に注入する。このとき、分析装置のオペレータは、どのボトルの試料ガスを分析するかを確認し、予め分析装置にボトル番号を入力するか、分析後に分析結果に対してボトル番号を記入することで、分析結果とボトル番号との関連付けを行う。
【0005】
たとえば、大気の一部を試料ガスとして採取し、温室効果ガスのモニタリングを行う場合、ガス採取装置を貨物船に搭載し、海上の複数箇所でサンプリングを行う。サンプリングに必要な期間は数ヶ月に渡る場合もあり、サンプリング回数は数十回に及び、非常に多くの試料ガスが採取される。海上で採取したガスは数十本のボトルに保管され、分析室に運ばれ、分析される。
【0006】
【特許文献1】特開2004−69556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サンプリング現場と分析室とが同一の場所ならば、操作間違いも少ないが、離れている時はボトルの取り違い、ボトル番号の入力間違いなどの問題が生じる可能性が高い。また、ガス採取装置のオペレータと分析装置のオペレータとが同じならば、操作間違いも少ないが、通常、高性能の分析を行う場合、専門のオペレータが分析することが多く、ガス採取装置のオペレータとは異なるため、問題が生じる可能性が高い。さらに、サンプリング数が多ければ多いほど問題が生じる可能性が高くなる。
【0008】
このようなヒューマンエラーはどうしても発生し得るものであるが、大量のサンプリングを行う場合などは特に、ヒューマンエラーによる分析の失敗は許されない。
【0009】
本発明の目的は、ヒューマンエラーの発生率を極めて低くすることができるガス採取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、採取したガスを保持するためのボトルが1個以上備えられ、採取したガスを分析するための分析装置に接続可能に構成されるガス採取装置であって、
ガスの採取を実行する条件である実行条件を満たすごとに、採取したガスを各ボトルに保持する採取手段と、
ガスを採取したときの環境条件を検出する検出手段と、
前記環境条件を各ボトルに関連付けて記録する記録手段と、
分析装置に接続されたときに、分析装置に対して分析開始の指示を行い、分析装置から分析結果を受け取る制御手段とを有し、
前記制御手段は、受け取った分析結果を、前記環境条件とともに各ボトルに関連付けて前記記録手段に記録することを特徴とするガス採取装置である。
【0011】
また本発明は、前記実行条件は、少なくとも前回の採取からの経過時間および予め定める時刻のいずれかであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記実行条件は、少なくともガス採取装置の現在位置、温度、圧力、およびこれらの変化のいずれかであることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記環境条件は、少なくともガスを採取した時刻、ガスを採取したときの装置周辺の温度、ガスを採取したときの装置周辺の圧力、およびガスを採取したときのガス採取装置の現在位置のいずれかであることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、ガス採取装置全体が可搬ケースに収納され、持ち運び可能に構成されることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、各ボトルの使用履歴を記録する履歴記憶手段を有することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、ガス採取装置内の故障箇所を検出する故障検出手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記記録手段は、各ボトルに備えられたICタグであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、採取したガスを保持するためのボトルが1個以上備えられ、採取したガスを分析するための分析装置に接続可能に構成されるガス採取装置であって、ガスの採取を実行する条件である実行条件を満たすごとに、採取手段が、採取したガスを各ボトルに保持する。検出手段は、ガスを採取したときの環境条件を検出し、記録手段が前記環境条件を各ボトルに関連付けて記録する。
【0019】
分析装置に接続されたときに、制御手段は、分析装置に対して分析開始の指示を行い、分析装置から分析結果を受け取り、受け取った分析結果を、前記環境条件とともに各ボトルに関連付けて前記記録手段に記録する。
【0020】
これにより、環境条件および分析結果とがボトルごとに関連付けられて記録されるので、分析作業時のボトルの取り違い、ボトル番号の入力間違いなどが発生しなくなり、ヒューマンエラーの発生率を極めて低くすることができる。
【0021】
また本発明によれば、ガスの採取を実行するための実行条件として、少なくとも前回の採取からの経過時間および予め定める時刻のいずれかを設定することが可能である。
【0022】
また本発明によれば、実行条件として、少なくともガス採取装置の現在位置、温度、圧力、およびこれらの変化のいずれかを設定することができる。
【0023】
また本発明によれば、環境条件として、少なくともガスを採取した時刻、ガスを採取したときの装置周辺の温度、ガスを採取したときの装置周辺の圧力、およびガスを採取したときのガス採取装置の現在位置のいずれかを検出することができる。
【0024】
また本発明によれば、ガス採取装置全体が可搬ケースに収納され、持ち運び可能に構成されるので、サンプリング現場から分析装置に接続するまでボトルを保護して運搬し、分析装置に接続することができる。
【0025】
また本発明によれば、履歴記憶手段が各ボトルの使用履歴を記録することにより、使用履歴に基づいて、ボトル内面処理の未実施を検出したり、ボトルの交換時期の指標を得ることができる。
【0026】
また本発明によれば、故障検出手段がガス採取装置内の故障箇所を検出することにより、ボトルの破損などを検出し、ガス採取を中止することができる。
【0027】
また本発明によれば、各ボトルに備えられたICタグに、環境条件および分析結果とがボトルに関連付けられて記録されるので、ガス採取装置からボトルを取り出した後や、ボトルが外れてしまった場合であっても、ボトルおよびボトルに封入されたガスと、環境条件および分析結果との対応関係を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の実施の一形態であるガス採取装置1の構成を示す概略図である。
ガス採取装置1は、複数のボトル2、制御部3、データ記録部4、GPS部5、検出部6、複数のバルブ7および試料ガス流路8を備えて構成される。
【0029】
ボトル2は、採取した試料ガスを保管するための容器であり、金属製である。ガス採取前のボトル2内は高真空状態か、または、分析対象物質を含まないガスなどを充填しておく。制御部3は、ガス採取装置1全体の動作を制御し、ボトル2へのガスの封入、バルブ7の開閉、測定環境条件の記録などを行う制御手段である。データ記録部4は、ボトル2ごとに割り振られたボトル番号と、測定環境条件など必要な情報とを関連付けて記憶する記録手段、履歴記憶手段である。GPS部5は、GPS(Global Positioning System)を利用してガス採取装置1の現在位置を出力する。出力される情報は、緯度、経度、高度である。検出部6は、測定環境条件を検出するためのセンサである圧力センサ、温度センサなどを含んで構成される検出手段である。出力される情報は、圧力および温度などである。
【0030】
測定環境条件は、ガスを採取したときのガス採取装置1の環境条件であり、少なくともガスを採取した時刻、ガスを採取したときの装置周辺の温度、ガスを採取したときの装置周辺の圧力、およびガスを採取したときのガス採取装置1の現在位置である。制御部3が、各バルブ7を操作して試料ガスをボトル2に取り込んだときに、制御部3の時計機能で経時した時刻や、GPS部5、検出部6から出力される情報と、試料ガスを取り込んだボトル2のボトル番号とを関連付けてデータ記録部4に記憶させる。
【0031】
試料ガス流路8は、ガス採取装置1内部に設けられ、ボトル2を並列に接続する。
なお、採取手段は、制御部3、バルブ7および試料ガス流路8で構成され、故障検出手段は、制御部3およびデータ記録手段4で構成される。
【0032】
以下では、都市ガスラインからのサンプリングを例として、ガス採取装置1のサンプリング時の動作について説明する。
【0033】
都市ガス中圧ライン10の所定位置にサンプリング用の分岐ライン11を設け、分岐ラインに、ポンプを備えたサンプル加圧部12を設置する。ボトル2は、容量が2L(リットル)でステンレス製、内面が特殊研磨された容器であり、耐圧は1MPaまで充填可能である。本実施形態では、1台のガス採取装置1に、ボトル2が6本備えられており、ガス採取装置1の重さは20〜30kgと人力で運搬可能な重量である。
【0034】
ガス採取装置1内部には、ボトル2を並列接続する試料ガス流路8が設けられ、流路8の一方端は、サンプル加圧部12に接続可能に構成されている。また、流路8の他方端は、真空ポンプを備えた真空部13に接続可能に構成されている。
【0035】
複数のバルブ7のうち、バルブ71は、サンプル加圧部12との接続部付近に設けられ、試料ガスを取り込む際に制御部3によって開かれる。バルブ72〜バルブ83は、ボトル2前後の開口部にそれぞれ接続され、制御部3がこれらの開閉制御を行うことで、所望のボトル2に試料ガスを封入することができる。
【0036】
実際にガスを採取するタイミングは、ガスの採取を実行する条件である実行条件を満たしたときである。
【0037】
実行条件としては、前回の採取からの経過時間および予め定める時刻のいずれかとする。たとえば、6時間ごとに採取する場合や、毎時0分に採取する場合などがこの条件に含まれる。また、実行条件としては、ガス採取装置の現在位置、温度、圧力、およびこれらの変化のいずれかであってもよい。たとえば、予め定める緯度および経度で採取する場合、緯度または経度が3度ごとに採取する場合、温度が30℃のときに採取する場合、前回採取したときの温度から10℃変化したときに採取する場合、圧力が950hPaのときに採取する場合、前回採取したときの圧力から10hPa変化したときに採取する場合などがこの条件に含まれる。
【0038】
ガス採取装置1をサンプリング現場に持ち込む前に、予め実験室などでガス採取前のボトル2の洗浄を行う。洗浄方法としては2種類あり、分析対象物質を含まないガス(たとえば高純度のN、Heまたは空気)を流しながら、150℃程度に加熱する第1の方法と、分析対象物質を含まないガスを流すだけで加熱しない第2の方法とがある。洗浄した後、一度、ボトル2内を真空状態にして、真空度を確認し、バルブ7が故障していないことを確認する。現場に持ち込んだ後、再びボトル2内の真空度を確認し、バルブ7が正常に動作していることを確認してから採取を行う。
【0039】
たとえば、6時間ごとに採取する実行条件で、2006年4月1日 AM0:00採取開始の場合、2006年4月1日 AM0:00にバルブ72を開にして真空度を確認する。次にバルブ84を開き、真空部13の真空ポンプがONになると真空度を圧力ゲージ14で確認する。真空状態での圧力は100Pa程度である。
【0040】
真空度が確認されるとバルブ84を閉じ、バルブ71およびバルブ72を開く。サンプル加圧部12のポンプがONになると、圧力ゲージ14で0.3MPa程度に加圧されたことを確認し、試料ガスを最初のボトル21(ボトル番号C112)に導入する。
【0041】
所定量の試料ガスが封入すると、サンプル加圧部12のポンプがOFFにされ、バルブ71およびバルブ72を閉じる。
【0042】
このとき、環境条件として、採取した時刻、現在位置、温度、圧力をボトル番号と関連付けてデータ記録部3に記録する。
【0043】
バルブ84を開いて、流路8内に残留するガスを除去し、バルブ74を開いて次のボトル22(ボトル番号C122)の真空度を確認する。
【0044】
以下同様にして、ボトル22(ボトル番号C122)、ボトル23(ボトル番号C132)、ボトル24(ボトル番号C142)、ボトル25(ボトル番号C152)、ボトル26(ボトル番号C162)の順に6時間ごとにサンプリングを行う。
【0045】
ガス採取装置1を移動局にした場合、たとえば、車に載せた場合、船に載せた場合、飛行機に載せた場合などでは、環境条件の中でもGPSによる緯度、経度、高度の情報が重要になる。また、固定局であっても、複数の場所で採取する場合については、GPSによる各情報が重要である。さらに、GPS部5を備えていると、時刻をUTC(
Coordinated Universal Time)に合わせこむことで、時刻情報をより正確に取り込むことが可能となる。
【0046】
図2は、ガス採取装置1を分析装置に接続した状態を示す概略図である。
ガス採取時に、サンプル加圧部12と接続していた接続部は、分析装置たとえばGCのインジェクションにも接続可能に構成されている。
【0047】
GC20は、外部機器からのコントロール(外部機器からの分析の開始および終了指示、分析結果データの外部機器への出力)が可能に構成されており、ガス採取装置1は、外部コントロールを行うための信号を入出力するインターフェイス9を備えている。
【0048】
GC20のウォーミングアップ終了後、バルブ72を開いて、ボトル21に保管されていた試料ガスをGCに注入する。注入後、直ちにGC20に対して分析を開始するようにインターフェイス9を介して制御信号である分析開始信号を出力する。GC20は分析開始信号に基づいて分析を開始し、計測を行う。分析結果データは、GC20から出力され、インターフェイス9を介してガス採取装置1が取得する。このとき、GC20に注入したボトル21のボトル番号(C112)と、入力された分析結果とを関連付けてデータ記録部4に記録する。
【0049】
これにより、データ記録部4には、ボトル番号と、環境条件および分析結果とが関連付けられて記録されることになる。
【0050】
図3は、データ記録部4に記録されるデータの例を示す図である。
ボトル番号ごとに、サンプリング時の環境条件と分析結果とが関連付けられていることがわかる。このようなガス採取装置1を用いることでボトルの取り違えや、ボトル番号の入力間違いが起こらないので、ヒューマンエラーの発生率を極めて低くすることができる。
【0051】
本発明の他の実施形態について説明する。
上記の実施形態では、データ記録部4に全てのボトルの環境条件および分析結果を記録していたが、本実施形態では、ボトルごとにICタグを備え、それぞれのICタグには、ICタグが備えられたボトルに対する環境条件および分析結果をそれぞれ記録する。
【0052】
本実施形態のガス採取装置では、ICタグへデータを書き込むためのデータライタを備え、制御部3は、データライタに環境条件および分析結果の書き込みを行わせる。
【0053】
このように、ボトルごとに備えられたICタグに環境条件および分析結果を記録するので、ガス採取装置1からボトルを取り出した後や、ボトルが外れてしまった場合であっても、ボトルおよびボトルに封入されたガスと、ボトル番号、環境条件および分析結果との対応関係を保持することができる。
【0054】
本発明のさらに他の実施形態について説明する。
データ記録部4またはICタグには、環境条件および分析結果に加えて、各ボトルの使用履歴を記録する。ボトルを使用した日時、使用した回数、採取したガスの種類、ガス採取前の真空状態での真空度や、ガス採取前に洗浄した日時と洗浄方法、破損箇所の有無、ガス採取の日時、ガス採取の場所、分析した日時、分析した場所および分析結果を使用履歴として記録する。内面の処理が不十分なボトルがあった場合、特定の成分を分析する際に誤差が生じるので、使用履歴を用いて内面の処理が不十分なボトルを発見することが可能となる。また、このような使用履歴を、ボトルの交換時期などの指標とすることも可能である。
【0055】
さらに、使用履歴のうち、ガス採取前の真空状態での真空度を用いてガス採取装置内の故障箇所を検出することも可能である。たとえば、特定のボトルの真空度が十分に高くならない場合は、そのボトルが破損していると判断することができる。複数のボトルで真空度が十分に高くならない場合は、ボトル自体の破損か、またはボトル間の流路の破損であると判断することができる。
【0056】
なお、ガス採取装置1の全体は、可搬ケースに収納され、持ち運び可能に構成されている。可搬ケースは、ボトル2の破損を防止するための耐衝撃性、制御部3およびデータ記録部4など電気回路の破損を防止するための耐水性、耐高温性などに優れた素材で構成されている。図4は、可搬ケースに収納されたガス採取装置1の例を示す図である。なお、図4(a)は正面図であり、図4(b)は右側面図であり、図4(c)は底面図であり、ケースの構造がわかるように内部を透過した図面で説明する。可搬ケースは、アルミニウム製ケーシング15内に、図示しない緩衝材および断熱材を充填し、ボトル2を試料ガス経路8が干渉しないように配置されている。制御部3であるCPU(Central Processing Unit)、データ記録部4であるSRAM(Static Random Access Memory)およびインターフェイス9は、プリント基板上に実装されケースの底面付近に設けられる。GPS部5および検出部6は図示していないが、可搬ケース内の適切な位置に配置される。
【0057】
このような可搬ケースに収納することで、サンプリング現場から分析装置に接続するまでボトルを保護して運搬し、分析装置に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の一形態であるガス採取装置1の構成を示す概略図である。
【図2】ガス採取装置1を分析装置に接続した状態を示す概略図である。
【図3】データ記録部4に記録されるデータの例を示す図である。
【図4】可搬ケースに収納されたガス採取装置1の例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ガス採取装置
2 ボトル
3 制御部
4 データ記録部
5 GPS部
6 検出部
7 バルブ
8 試料ガス流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
採取したガスを保持するためのボトルが1個以上備えられ、採取したガスを分析するための分析装置に接続可能に構成されるガス採取装置であって、
ガスの採取を実行する条件である実行条件を満たすごとに、採取したガスを各ボトルに保持する採取手段と、
ガスを採取したときの環境条件を検出する検出手段と、
前記環境条件を各ボトルに関連付けて記録する記録手段と、
分析装置に接続されたときに、分析装置に対して分析開始の指示を行い、分析装置から分析結果を受け取る制御手段とを有し、
前記制御手段は、受け取った分析結果を、前記環境条件とともに各ボトルに関連付けて前記記録手段に記録することを特徴とするガス採取装置。
【請求項2】
前記実行条件は、少なくとも前回の採取からの経過時間および予め定める時刻のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のガス採取装置。
【請求項3】
前記実行条件は、少なくともガス採取装置の現在位置、温度、圧力、およびこれらの変化のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のガス採取装置。
【請求項4】
前記環境条件は、少なくともガスを採取した時刻、ガスを採取したときの装置周辺の温度、ガスを採取したときの装置周辺の圧力、およびガスを採取したときのガス採取装置の現在位置のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のガス採取装置。
【請求項5】
ガス採取装置全体が可搬ケースに収納され、持ち運び可能に構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のガス採取装置。
【請求項6】
各ボトルの使用履歴を記録する履歴記憶手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のガス採取装置。
【請求項7】
ガス採取装置内の故障箇所を検出する故障検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のガス採取装置。
【請求項8】
前記記録手段は、各ボトルに備えられたICタグであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のガス採取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−26187(P2008−26187A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199960(P2006−199960)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591081321)紀本電子工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】